JP2001064400A - ポリヒドロキシカルボン酸の製造方法 - Google Patents

ポリヒドロキシカルボン酸の製造方法

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JP2001064400A
JP2001064400A JP2000187230A JP2000187230A JP2001064400A JP 2001064400 A JP2001064400 A JP 2001064400A JP 2000187230 A JP2000187230 A JP 2000187230A JP 2000187230 A JP2000187230 A JP 2000187230A JP 2001064400 A JP2001064400 A JP 2001064400A
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polyhydroxycarboxylic
polyhydroxycarboxylic acid
hydroxy
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Shoji Hiraoka
章二 平岡
Hitoshi Tsuboi
均 坪井
Katsuyuki Sakai
勝幸 酒井
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Mitsui Chemicals Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 均一な形状の粒子を有し、固相重合プロセス
内での取り扱いが簡便であるポリヒドロキシカルボン酸
の製造方法を提供する。 【解決手段】 溶融粘度が0.01〜100ポイズのポ
リヒドロキシカルボン酸を溶融し、滴下、冷却固化せし
めて粒子状のポリヒドロキシカルボン酸を製造すること
を特徴とするポリヒドロキシカルボン酸の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリヒドロキシカ
ルボン酸の製造方法に関する。更に詳しくは、溶融した
ポリヒドロキシカルボン酸を冷却、固化し、特定の形状
を有するポリヒドロキシカルボン酸の製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】[技術的背景]近年、廃棄物処理が環境
保護と関連して問題となっている。特に、一般的な汎用
の高分子材料の成形品や加工品は、廃棄物として埋め立
てた場合、微生物等による分解性・崩壊性がないため、
異物として半永久的に残存すること、さらに、可塑剤等
の添加剤が溶出して環境を汚染することが問題となって
いる。また、廃棄物として焼却する場合には、燃焼によ
り発生する高い熱量により、炉を損傷すること、燃焼に
より発生する排煙・排ガスが、大気汚染、オゾン層破
壊、地球温暖化、酸性雨等の原因になり得ることが、近
年、よりクローズアップされてきた。
【0003】このような背景から、強靱でありながら使
用後、廃棄物として埋め立てた場合に分解したり、焼却
しなければならない場合でも燃焼熱が低く炉を損傷しな
い高分子材料への需要が高まってきているにもかかわら
ず、必ずしもこのような需要に応え得る高分子材料が供
給されているとはいえないのが、昨今の現状である。と
ころで、上記の要求を満足するものとして、例えばポリ
ヒドロキシカルボン酸等が挙げられる。そのうち、前記
ポリヒドロキシカルボン酸の一種であるポリ乳酸は、透
明性が高く、強靱で、水の存在下では、容易に加水分解
する特性があり、汎用樹脂として使用する場合には、廃
棄後に環境を汚染することが無く分解するので環境に優
しく、また医療用材料として生体内に留置する場合に
は、目的達成後に生体に毒性を及ぼすことなく生体内で
分解・吸収されるので、生体に優しいという優れた性質
が、本出願前にすでに注目されていた。例えば、特開平
05−255488号公報等には、ポリヒドロキシカル
ボン酸(いわゆる低分子量のポリマー)をその融点以下
に重縮合反応を行うという、いわゆる固相重合を用いた
製造方法が開示されている。
【0004】[従来技術の問題点]しかしながら、固相
重合に用いるポリヒドロキシカルボン酸は、低分子量体
であり、溶融粘度が低いため、通常のポリマーの造粒に
用いられるストランドカット、アンダーウォーターカッ
ト、ホットカット方式では形状の均一な粒子を得ること
ができなかった。従って、上記のような低分子量体で
は、上記方法で得られるようなペレットにはならず、パ
ウダー、フレークのような微粉状の形状として取り扱う
ことを余儀なくされていた。すなわち、前期微粉状の形
状では取り扱いが困難であり、経済的な製造プロセスに
て固相重合法によりポリヒドロキシカルボン酸を製造す
ることは困難であるだけでなく、成形機に安定的に供給
されないため、加工安定性が不良であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来の
問題点を解決し、均一な形状の粒子を有するポリヒドロ
キシカルボン酸の製造方法を提供することを目的とする
ものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者らは、
上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、ポリヒドロキ
シカルボン酸の製造方法として、溶融粘度が0.01〜
100ポイズのポリヒドロキシカルボン酸を供給し、滴
下、冷却固化させることにより、粒子状のポリヒドロキ
シカルボン酸が得られることを見出し、本発明を完成さ
せるに至った。また、本発明では、ヒドロキシカルボン
酸が脂肪族ヒドロキシカルボン酸であることが好まし
く、また脂肪族ヒドロキシカルボン酸が乳酸を含有し、
140〜190℃にて供給されることが好ましい。
【0007】また、本発明では、ポリヒドロキシカルボ
ン酸の重量平均分子量が2,000〜100,000に
あることが好ましい。また、本発明では、粒子状のポリ
ヒドロキシカルボン酸の平均粒子径が0.1mm〜20
mmにあり、その標準偏差が0.7mm以内であることが
好ましい。また、本発明では、粒子状のポリヒドロキシ
カルボン酸が結晶化工程および/または固相重合工程に
て結晶化用、固相重合用の原料となることが好ましい。
【0008】即ち、本発明は、以下の(1)〜(6)を
提供するものである。 (1) 溶融粘度が0.01〜100ポイズのポリヒド
ロキシカルボン酸を溶融し、滴下、冷却固化せしめて粒
子状のポリヒドロキシカルボン酸を製造することを特徴
とするポリヒドロキシカルボン酸の製造方法。 (2) ヒドロキシカルボン酸が、脂肪族ヒドロキシカ
ルボン酸であることを特徴とする(1)記載のポリヒド
ロキシカルボン酸の製造方法。 (3) 脂肪族ヒドロキシカルボン酸が、乳酸を含有
し、140〜200℃にて供給されることを特徴とする
(2)記載のポリヒドロキシカルボン酸の製造方法。 (4) ポリヒドロキシカルボン酸の重量平均分子量
(Mw)が、2,000〜100,000の範囲である
ことを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載のポ
リヒドロキシカルボン酸の製造方法。 (5) 粒子状のポリヒドロキシカルボン酸の平均粒子
径が、0.1mm〜20mmの範囲であり、その標準偏
差が1mm以内であることを特徴とする(1)〜(4)の
いずれかに記載のポリヒドロキシカルボン酸の製造方
法。 (6) 粒子状のポリヒドロキシカルボン酸が、結晶化
工程及び/又は固相重合反応工程において結晶化用及び
/又は固相重合用の原料であることを特徴とする(1)
〜(5)のいずれかに記載のポリヒドロキシカルボン酸
の製造方法。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係るポリヒドロキ
シカルボン酸の製造方法についてより具体的に説明す
る。
【0010】本発明の方法とは、融点以上のポリヒドロ
キシカルボン酸を滴下し、冷却固化せしめることにより
粒子状のポリヒドロキシカルボン酸を製造することを特
徴とするポリヒドロキシカルボン酸の製造方法である。
【0011】本発明において使用するヒドロキシカルボ
ン酸としては、ヒドロキシル基を有するカルボン酸であ
れば良く、特に制限はない。具体的には、例えば、2−
ヒドロキシエタノイックアシッド、2−ヒドロキシプロ
パノイックアシッド、2−ヒドロキシブタノイックアシ
ッド、2−ヒドロキシペンタノイックアシッド、2−ヒ
ドロキシヘキサノイックアシッド、2−ヒドロキシヘプ
タノイックアシッド、2−ヒドロキシオクタノイックア
シッド、2−ヒドロキシ−2−メチルプロパノイックア
シッド、2−ヒドロキシ−2−メチルブタノイックアシ
ッド、2−ヒドロキシ−2−エチルブタノイックアシッ
ド、2−ヒドロキシ−2−メチルペンタノイックアシッ
ド、2−ヒドロキシ−2−エチルペンタノイックアシッ
ド、2−ヒドロキシ−2−プロピルペンタノイックアシ
ッド、2−ヒドロキシ−2−ブチルペンタノイックアシ
ッド、2−ヒドロキシ−2−メチルヘキサノイックアシ
ッド、2−ヒドロキシ−2−エチルヘキサノイックアシ
ッド、2−ヒドロキシ−2−プロピルヘキサノイックア
シッド、2−ヒドロキシ−2−ブチルヘキサノイックア
シッド、2−ヒドロキシ−2−ペンチルヘキサノイック
アシッド、2−ヒドロキシ−2−メチルヘプタノイック
アシッド、2−ヒドロキシ−2−エチルヘプタノイック
アシッド、2−ヒドロキシ−2−プロピルヘプタノイッ
クアシッド、2−ヒドロキシ−2−ブチルヘプタノイッ
クアシッド、2−ヒドロキシ−2−ペンチルヘプタノイ
ックアシッド、2−ヒドロキシ−2−ヘキシルヘプタノ
イックアシッド、2−ヒドロキシ−2−メチルオクタノ
イックアシッド、2−ヒドロキシ−2−エチルオクタノ
イックアシッド、2−ヒドロキシ−2−プロピルオクタ
ノイックアシッド、2−ヒドロキシ−2−ブチルオクタ
ノイックアシッド、2−ヒドロキシ−2−ペンチルオク
タノイックアシッド、2−ヒドロキシ−2−ヘキシルオ
クタノイックアシッド、2−ヒドロキシ−2−ヘプチル
オクタノイックアシッド、3−ヒドロキシプロパノイッ
クアシッド、3−ヒドロキシブタノイックアシッド、3
−ヒドロキシペンタノイックアシッド、3−ヒドロキシ
ヘキサノイックアシッド、3−ヒドロキシヘプタノイッ
クアシッド、3−ヒドロキシオクタノイックアシッド、
3−ヒドロキシ−3−メチルブタノイックアシッド、3
−ヒドロキシ−3−メチルペンタノイックアシッド、3
−ヒドロキシ−3−エチルペンタノイックアシッド、3
−ヒドロキシ−3−メチルヘキサノイックアシッド、3
−ヒドロキシ−3−エチルヘキサノイックアシッド、3
−ヒドロキシ−3−プロピルヘキサノイックアシッド、
3−ヒドロキシ−3−メチルヘプタノイックアシッド、
3−ヒドロキシ−3−エチルヘプタノイックアシッド、
3−ヒドロキシ−3−プロピルヘプタノイックアシッ
ド、3−ヒドロキシ−3−ブチルヘプタノイックアシッ
ド、3−ヒドロキシ−3−メチルオクタノイックアシッ
ド、3−ヒドロキシ−3−エチルオクタノイックアシッ
ド、3−ヒドロキシ−3−プロピルオクタノイックアシ
ッド、3−ヒドロキシ−3−ブチルオクタノイックアシ
ッド、3−ヒドロキシ−3−ペンチルオクタノイックア
シッド、4−ヒドロキシブタノイックアシッド、4−ヒ
ドロキシペンタノイックアシッド、4−ヒドロキシヘキ
サノイックアシッド、4−ヒドロキシヘプタノイックア
シッド、4−ヒドロキシオクタノイックアシッド、4−
ヒドロキシ−4−メチルペンタノイックアシッド、4−
ヒドロキシ−4−メチルヘキサノイックアシッド、4−
ヒドロキシ−4−エチルヘキサノイックアシッド、4−
ヒドロキシ−4−メチルヘプタノイックアシッド、4−
ヒドロキシ−4−エチルヘプタノイックアシッド、4−
ヒドロキシ−4−プロピルヘプタノイックアシッド、4
−ヒドロキシ−4−メチルオクタノイックアシッド、4
−ヒドロキシ−4−エチルオクタノイックアシッド、4
−ヒドロキシ−4−プロピルオクタノイックアシッド、
4−ヒドロキシ−4−ブチルオクタノイックアシッド、
5−ヒドロキシペンタノイックアシッド、5−ヒドロキ
シヘキサノイックアシッド、5−ヒドロキシヘプタノイ
ックアシッド、5−ヒドロキシオクタノイックアシッ
ド、5−ヒドロキシ−5−メチルヘキサノイックアシッ
ド、5−ヒドロキシ−5−メチルヘプタノイックアシッ
ド、5−ヒドロキシ−5−エチルヘプタノイックアシッ
ド、5−ヒドロキシ−5−メチルオクタノイックアシッ
ド、5−ヒドロキシ−5−エチルオクタノイックアシッ
ド、5−ヒドロキシ−5−プロピルオクタノイックアシ
ッド、6−ヒドロキシヘキサノイックアシッド、6−ヒ
ドロキシヘプタノイックアシッド、6−ヒドロキシオク
タノイックアシッド、6−ヒドロキシ−6−メチルヘプ
タノイックアシッド、6−ヒドロキシ−6−メチルオク
タノイックアシッド、6−ヒドロキシ−6−エチルオク
タノイックアシッド、7−ヒドロキシヘプタノイックア
シッド、7−ヒドロキシオクタノイックアシッド、7−
ヒドロキシ−7−メチルオクタノイックアシッド、8−
ヒドロキシオクタノイックアシッド等の脂肪族ヒドロキ
シカルボン酸及びそれらから誘導されるオリゴマー又は
グリコライド、ラクタイドの様な環状二量体等が挙げら
れる。
【0012】また、上記グリコライド、ラクタイドの環
状二量体としては、具体的には、例えば、ヒドロキシカ
ルボン酸の環状エステル中間体、例えば、乳酸の環状二
量体であるラクタイド、グリコール酸の環状二量体であ
るグリコライドや、6−ヒドロキシカプロン酸の環状エ
ステルであるε−カプロラクトン、その他、β−プロピ
オラクトン、γ−ブチロラクトン、δ−バレロラクトン
等が挙げられる。その中でも、好適な具体例としては、
たとえば乳酸、グリコール酸、3−ヒドロキシ酪酸、4
−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ吉草酸、5−ヒドロ
キシ吉草酸、6−ヒドロキシカプロン酸等が挙げられる
が、中でも得られるポリヒドロキシカルボン酸の透明性
から乳酸が好ましい。また、これらのヒドロキシカルボ
ン酸は2種類以上組み合わせて使用してもよい。
【0013】また、乳酸のように分子内に不斉炭素を有
する場合には、D体、L体及びそれらの当量混合物(ラ
セミ体)が存在するが、得られるポリエステル重合体が
結晶性を有していれば、これらのいずれも使用すること
ができる。中でも、L−乳酸が特に好ましい。
【0014】本発明においては、ヒドロキシカルボン酸
を原料としてポリヒドロキシカルボン酸の製造が行われ
るが、20モル%以下のジカルボン酸、および/または
グリコールを用いてもよい。本発明で使用するジカルボ
ン酸としては、特に制限されないが、たとえば、コハク
酸、シュウ酸、マロン酸、グルタル酸、アジピン酸、ピ
メリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウ
ンデカン二酸、ドデカン二酸、3,3−ジメチルペンタ
ン二酸等の脂肪族ジカルボン酸やシクロヘキサンジカル
ボン酸等の脂環式ジカルボン酸、テレフタル酸、イソフ
タル酸、フタル酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェノ
キシエタンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボ
ン酸等の芳香族ジカルボン酸が挙げられる。これらのジ
カルボン酸は単独でまたは2種類以上を組み合わせて使
用することができる。また、分子内に不斉炭素を有する
場合には、D体、L体及びそれらの等量混合物(ラセミ
体)が存在するが、これらのいずれも使用することがで
きる。
【0015】本発明において使用するグリコールとして
は特に制限されないが、例えば、エチレングリコール、
ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロ
ピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−
ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、3−メチル
−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオー
ル、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオ
ール、1,9−ノナンジオール、ネオペンチルグリコー
ル、ポリテトラメチレングリコール、1,4−ヘキサン
ジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等が挙
げられる。これらのグリコールは単独でまたは2種類以
上を組み合わせて使用することができる。また、分子内
に不斉炭素を有する場合にはD体、L体及びそれらの等
量混合物(ラセミ体)が存在するが、それらのいずれも
使用することができる。
【0016】また、本発明では、ヒドロキシカルボン酸
を原料としてポリヒドロキシカルボン酸の製造が行われ
るが、例えば、ベンゾイル安息香酸、ジフェニルスルホ
ンモノカルボン酸、ステアリン酸、メトキシポリエチレ
ングリコール、フェノキシポリエチレングリコールなど
の単官能化合物、トリメシン酸、トリメチロールエタ
ン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールな
どの多官能化合物等の他の化合物を含有してもよい。こ
れらその他の化合物は、ヒドロキシカルボン酸に対して
0.01〜20モル%、好ましくは0.05〜10モル
%の量で添加されていることが望ましい。
【0017】本発明において使用する触媒としては、脱
水重縮合反応の進行を実質的に促進する限り、特に制限
されない。触媒の具体例としては、たとえば周期律表I
I、III、IV、V族の金属、その酸化物あるいはその塩等
があげられる。より具体的には、亜鉛末、錫末、アルミ
ニウム、マグネシウム、ゲルマニウム等の金属、酸化ス
ズ(II)、酸化アンチモン(III)、酸化亜鉛、酸化アルミ
ニウム、酸化マグネシウム、酸化チタン(IV)、酸化ゲル
マニウム(IV)等の金属酸化物、塩化スズ(II)、塩化スズ
(IV)、臭化スズ(II)、臭化スズ(IV)、フッ化アンチモン
(III)、フッ化アンチモン(V)、酸化亜鉛、塩化マグネ
シウム、塩化アルミニウム等の金属ハロゲン化物、硫酸
スズ(II)、硫酸亜鉛、硫酸アルミニウム、等の硫酸塩、
炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛等の炭酸塩、ホウ酸亜鉛等
のホウ酸塩、酢酸スズ(II)、オクタン酸スズ(II)、乳酸
スズ(II)、酢酸亜鉛、酢酸アルミニウム等の有機カルボ
ン酸塩、トリフルオロメタンスルホン酸スズ(II)、トリ
フルオロメタンスルホン酸亜鉛、トリフルオロメタンス
ルホン酸マグネシウム、メタンスルホン酸スズ(II)、p
−トルエンスルホン酸スズ(II)、等の有機スルホン酸
塩、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、1−プロパ
ンスルホン酸、1−ブタンスルホン酸、トリフルオロメ
タンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンス
ルホン酸、p−キシレン−2−スルホン酸、ナフタレン
−1−スルホン酸、ナフタレン−2−スルホン酸等の有
機スルホン酸、塩酸硫酸等の酸類があげられる。
【0018】その他の例としては、ジブチルスズオキサ
イド等の上記金属の金属アルコキサイド、またはジエチ
ル亜鉛等の上記金属のアルキル金属等があげられる。こ
れらの中でも、スズ末(金属末)、酸化スズ(II)、p−
トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸が好ましい。こ
れらは、単独又は2種類以上組み合わせて使用すること
ができる。
【0019】触媒の使用量としては、実質的に、反応速
度を促進する程度のものであれば良く、特に制限されな
い。触媒の使用量は、使用する触媒の種類によって異な
るが、一般的には、得られるポリヒドロキシカルボン酸
の0.00005〜5重量%の範囲が好ましく、経済性
を考慮すると、0.0001〜2重量%の範囲が好まし
い。
【0020】本発明のポリヒドロキシカルボン酸は、ヒ
ドロキシカルボン酸の液相重合により製造される。以
下、液相重合工程について説明する。液相重合工程と
は、単量体であるヒドロキシカルボン酸を液体状態すな
わち、溶液状態または溶融状態で脱水重縮合反応するこ
とにより、ポリヒドロキシカルボン酸を製造する工程で
ある。液相重合工程にて脱水重縮合反応する方法につい
ては、特に制限されないが、一般的には、不活性ガス雰
囲気下、流通ガス雰囲気下、及び/又は、減圧下で脱水
重縮合反応を行うことが好ましく、脱水重縮合反応の反
応方式は、溶融重合反応方式又は、有機溶媒を使用する
溶液重合反応方式となる。また、所望の重量平均分子量
(Mw)や操作の簡便性に応じて有機溶媒を使用する
(溶液重合反応方式)など、適宜、条件を選択して脱水
重縮合反応を行うことができる。
【0021】一般的に有機溶媒を使用する場合(溶液重
合反応方式)には、15,000以上の重量平均分子量
(Mw)を有するプレポリマーを効率的に得ることがで
き、有機溶媒を使用しない場合(溶融重合反応方式)
は、プレポリマー固体化工程において有機溶媒を留去す
る手間が省けるので操作的に簡便であるという特徴があ
る。液相重合工程において、有機溶媒を使用する場合の
有機溶媒としては、実質的に脱水重縮合反応の進行を維
持できるものであれば良く、特に制限されず、1種類で
も2種類以上の組み合わせであってもかまわない。
【0022】このような有機溶媒の具体例としては、例
えば、トルエン、キシレン、メシチレン等の炭化水素系
溶媒、クロロベンゼン、ブロモベンゼン、ヨードベンゼ
ン、p−ジクロロベンゼン、1,1,2,2−テトラク
ロロエタン、p−クロロトルエン等のハロゲン系溶媒、
3−ヘキサノン、アセトフェノン、ベンゾフェノン等の
ケトン系溶媒、ジブチルエーテル、アニソール、フェネ
トール、o−ジメトキシベンゼン、p−ジメトキシベン
ゼン、3−メトキシトルエン、ジベンジルエーテル、ベ
ンジルフェニルエーテル、メトキシナフタレン等のエー
テル系溶媒、フェニルスルフィド、チオアニソール等の
チオエーテル系溶媒、安息香酸メチル、フタル酸メチ
ル、フタル酸エチル等のエステル系溶媒、ジフェニルエ
ーテル、4−メチルフェニルエーテル、3−メチルフェ
ニルエーテル、3−フェノキシトルエン等のアルキル置
換ジフェニルエーテル、または、4−ブロモフェニルエ
ーテル、4−クロロフェニルエーテル、4−ブロモジフ
ェニルエーテル、4−メチル−4′−ブロモフェニルエ
ーテル等のハロゲン置換ジフェニルエーテル、または、
4−メトキシジフェニルエーテル、4−メトキシフェニ
ルエーテル、3−メトキシフェニルエーテル、4−メチ
ル−4′−メトキシジフェニルエーテル等のアルコキシ
置換ジフェニルエーテル、または、ジベンゾフラン、キ
サンテン等の環状ジフェニルエーテル等のジフェニルエ
ーテル系溶媒が挙げられるが、中でも炭化水素系溶媒、
ハロゲン系溶媒、アルキル置換ジフェニルエーテル系溶
媒が好ましい。その中でも、トルエン、キシレン、o−
ジクロロベンゼン、ジフェニルエーテルが特に好まし
い。
【0023】液相重合工程において使用することができ
る溶媒の沸点は、100℃以上であることが好ましく、
135℃以上であることがより好ましく、170℃以上
であることがさらに好ましい。液相重合工程において有
機溶媒を使用する場合には、反応温度は、ポリエステル
の生成速度と熱分解速度を考慮して、実質的に反応系の
有機溶媒の液相状態を維持することができ、脱水重縮合
反応の進行が維持できれば良く、特に制限されない。
【0024】液相重合工程の反応温度は、100〜20
0℃の範囲が好ましく、110〜180℃の範囲がより
好ましい。液相重合工程において有機溶媒を使用して反
応を常圧(大気圧)下で行う場合には、通常、常圧(大
気圧)下における有機溶媒の留出温度を、反応温度とし
て採用する。液相重合工程において有機溶媒を使用し、
反応を特定の圧力下で行う場合には、通常有機溶媒の反
応系の圧力における留出温度を反応温度として採用す
る。また好ましい反応温度よりも高い温度の常圧(大気
圧)下沸点を有する有機溶媒を使用する場合、好ましい
反応温度で反応を行うために反応系の圧力を減圧しても
よい。
【0025】液相重合工程では、低温高真空下で脱水重
縮合反応を行うことにより、好ましくない副反応を伴う
ことなく、効率的に脱水重縮合反応を進行することがで
きる。液相重合工程における有機溶媒の使用量として
は、実質的に反応の進行を維持できれば良く、特に制限
されない。液相重合工程における有機溶媒の使用量は、
一般的には、工業的見地から、反応速度、反応生成物
(ポリエステル)の純度、容積効率や溶媒回収等を勘案
して設定する。通常は、得られるポリヒドロキシカルボ
ン酸の濃度に換算すると、10重量%以上であり、50
重量%以上であることが好ましく、80重量%以上であ
ることがさらに好ましい。
【0026】液相重合工程において有機溶媒を使用しな
い場合の反応温度は、脱水重縮合反応の進行を維持でき
れば良く、特に制限されないが、具体的にはポリエステ
ルの生成速度と熱分解速度を考慮して、反応系に存在す
る重合体の融点以上で反応させるが、融点以上、250
℃以下の温度範囲で反応させることが好ましい。中でも
100〜200℃の範囲が好ましく、110〜180℃
の範囲がさらに好ましい。
【0027】液相重合工程において得られるポリヒドロ
キシカルボン酸の重量平均分子量(Mw)は、2,00
0〜100,000であることが好ましく、5,000
〜30,000であることがさらに好ましい。液相重合
工程は連続式、バッチ式のどちらの重合方式によって行
ってもよい。
【0028】液相重合工程により製造されたポリヒドロ
キシカルボン酸は造粒工程に供給される。液相重合工程
から造粒工程にポリヒドロキシカルボン酸が供給される
際には、液相重合が終了したままの液体状態で供給され
てもよいし、またいったん冷却、固化、粉砕された後、
再び溶融ドラム、押出機等により可塑化、溶融された
後、供給されてもよい。本発明のポリヒドロキシカルボ
ン酸の製造方法、即ち、ポリヒドロキカルボン酸の造粒
方法とは、融点以上のポリヒドロキシカルボン酸を滴下
し、冷却固化せしめることにより粒子状のポリヒドロキ
シカルボン酸を製造するという方法である。これはいわ
ゆる造粒工程に相当するものである。
【0029】上記ポリヒドロキシカルボン酸は、液体
(溶融)状態にした後滴下されるが、その滴下された液
滴の冷却固化方法は、具体的には、冷却した板、ドラ
ム、ベルト上に液滴を接触させて冷却することにより行
われる。滴下される液滴の温度としては、ポリヒドロキ
シカルボン酸の融点以上の温度であればよく、ポリヒド
ロキシカルボン酸がポリ乳酸の場合には140℃〜20
0℃が好ましく、150〜190℃が特に好ましい。上
記の温度よりも低いとポリ乳酸が固化し、上記の温度よ
りも高いと熱分解による分子量低下、着色し易い等の傾
向にあるため、余り好ましくない。
【0030】ポリヒドロキシカルボン酸の溶融粘度は、
0.01ポイズ〜100ポイズが好ましく、0.1ポイ
ズ〜50ポイズがより好ましく、0.5ポイズ〜30ポ
イズが特に好ましい。また得られた粒子状のポリヒドロ
キシカルボン酸の粒子直径は、0.1mm〜20mmが
好ましく、0.5mm〜15mmがより好ましく、1m
m〜10mmが特に好ましい。上記粒子直径よりも小さな
粒子直径であると、微粉を発生しやすい傾向にあり、大
きな粒子直径であると、その後の取り扱いにおいて扱い
にくい場合があり、余り好ましくない。
【0031】粒径の標準偏差は1mm以内が好ましく、
0.7mm以内が特に好ましい。上記標準偏差よりも大
きい、すなわち粒径分布が広いと、固相重合における粒
子の流動性、粒子間の分子量分布、成形機への供給安定
性が不良となり易い傾向にあるので好ましくない。
【0032】冷却させる際に用いられる板、ドラム、ベ
ルトの温度としては、ポリヒドロキシカルボン酸のガラ
ス転移温度以下の温度が好ましく、ポリヒドロキシカル
ボン酸がポリ乳酸の場合であると、70℃以下が好まし
い。また滴下後、冷却され、取り出されるポリヒドロキ
シカルボン酸の温度としては、ガラス転移点以下が望ま
しい。
【0033】また得られた粒子状のポリヒドロキシカル
ボン酸の粒子直径は、0.1mm〜20mmが好まし
く、0.5mm〜15mmがより好ましく、1mm〜10
mmが特に好ましい。上記粒子直径よりも小さな粒子直
径であると、微粉を発生しやすい傾向にあり、大きな粒
子直径であると、その後の取り扱いにおいて扱いにくい
場合があり、余り好ましくない。
【0034】本発明のポリヒドロキシカルボン酸を滴下
し、冷却固化せしめて粒子状のポリヒドロキシカルボン
酸を製造するための液滴造粒機としては、具体的な装置
として、SANDVIK社製のロートフォーマー、Ka
iser社製のロータリー・タイプ・ドロップ・フォー
マー、ピストン・タイプ・ドロップ・フォーマー、日本
ベルディング社製のハイブリッド・フォーマー等を挙げ
ることができる。
【0035】本発明のポリヒドロキシカルボン酸は上述
の方法により造粒した粒子状態でもそのまま使用するこ
ともできるが、強度の面からさらに固相重合を行うこと
が望ましい。固相重合を行う際には、粒子の融着を防止
するため、固相重合工程の前工程として、該ポリヒドロ
キシカルボン酸を結晶化することが望ましい。以下、ま
ず結晶化工程について説明する。
【0036】本発明において結晶化は、機械的および/
または気体による攪拌、流動を行いながら、加熱するこ
とにより行われる。より具体的には、結晶化は、ポリヒ
ドロキシカルボン酸のガラス転移温度以上、融点以下の
温度に1分から10時間、好ましくは2分〜1時間保持
することによって行われる。また結晶化はバッチ式、連
続式いずれの方法によっても行うことできる。
【0037】次に、本発明の固相重合工程について説明
する。固相重合の反応温度としては、反応系に存在する
ポリマー(プレポリマー及び反応生成物であるポリヒド
ロキシカルボン酸)が実質的に固体状態を維持していれ
ば良く、特に制限されないが、具体的には、100℃以
上、融点以下であることが好ましい。一般的には、反応
温度が高い方が重合速度が速いため、ポリヒドロキシカ
ルボン酸の融点付近で行うことが好ましい。
【0038】固相重合工程において使用することのでき
る気体としては、具体的には窒素ガス、ヘリウムガス、
アルゴンガス、キセノンガス、クリプトンガス、炭酸ガ
ス等を挙げることができる。固相重合工程において使用
される気体中の含水量は、できるだけ低く、実質的に無
水状態のガスであることが好ましい。含水量が多いと脱
水重縮合反応で生成した水が効率よく除去できない傾向
にあるため、重合速度が遅くなる場合があり好ましくな
い。上記の場合には、予めガスをモレキュラーシーブ類
やイオン交換樹脂類等を充填した層に通すことにより脱
水してから使用する。気体中の含水量を露点で示すと、
ガスの露点が−20℃以下であることが好ましく、−5
0℃以上であることがさらに好ましい。
【0039】固相重合工程において使用される気体の流
量としては、重合速度、触媒の種類及び使用量、脱水重
縮合反応におけるポリヒドロキシカルボン酸から該ポリ
ヒドロキシカルボン酸の重量平均分子量を考慮して、脱
水重縮合反応において、十分に重量平均分子量が高いポ
リヒドロキシカルボン酸を得ることができる程度に、生
成した水を除去することができれば良く、特に制限され
ない。
【0040】固相重合工程は連続式、バッチ式のどちら
の重合方式によって行ってもよい。固相重縮合反応工程
は触媒を用いても用いなくても良い。触媒を用いる場
合、前記液相重縮合反応工程に用いることのできる触媒
を、液相重縮合反応工程に用いる量で用いることができ
る。また、その量は、前記液相重縮合反応工程から持ち
越している触媒の量を考慮して追加することができる。
固相重合工程において製造されるポリヒドロキシカルボ
ン酸の重量平均分子量(Mw)としては、一般的には約
50,000〜1,000,000の範囲のものが好ま
しく、100,000〜500,000の範囲のものが
より好ましい。本発明において製造されるポリヒドロキ
シカルボン酸は、本出願前に公知、公用であった医療用
途、食料品包装用途や汎用に使用されている樹脂の代替
物として好適に使用することができる。
【0041】本発明に係るポリヒドロキシカルボン酸の
成形加工法としては特に制限されないが、具体的には、
射出成形、押出成形、インフレーション成形、押出中空
成形、発泡成形、カレンダー成形、ブロー成形、バルー
ン成形、真空成形、紡糸等の成形加工法が挙げられ、中
でもインフレーション成形、ブロー成形、押出中空成
形、発泡成形、紡糸等がさらに好ましい。
【0042】また、該ポリヒドロキシカルボン酸は、適
当な成形加工法により、例えば、ボールペン・シャープ
ペン・鉛筆等の筆記用具の部材、ステーショナリーの部
材、ゴルフ用ティー、始球式用発煙ゴルフボール用部
材、経口医薬品用カプセル、肛門・膣用座薬用担体、皮
膚・粘膜用張付剤用担体、農薬用カプセル、肥料用カプ
セル、種苗用カプセル、コンポストバッグ、釣り糸用糸
巻き、釣り用浮き、漁業用擬餌、ルアー、漁業用ブイ、
狩猟用デコイ、狩猟用散弾カプセル、食器等のキャンプ
用品、釘、杭、結束材、ぬかるみ・雪道用滑り止め材、
ブロック等としても好適に使用することができる。
【0043】また、適当な成形加工法により、例えば、
弁当箱、食器、コンビニエンスストアで販売されるよう
な弁当や惣菜の容器、箸、割り箸、フォーク、スプー
ン、串、つま楊枝、カップラーメンのカップ、飲料の自
動販売機で使用されるようなカップ、鮮魚、精肉、青
果、豆腐、惣菜等の食料品用の容器やトレイ、鮮魚市場
で使用されるようなトロ箱、牛乳・ヨーグルト・乳酸菌
飲料等の乳製品用のボトル、炭酸飲料・清涼飲料等のソ
フトドリンク用のボトル、ビール・ウイスキー等の酒類
ドリンク用のボトル、シャンプーや液状石鹸用のポンプ
付き又はポンプなしのボトル、歯磨き粉用チューブ、化
粧品容器、洗剤容器、漂白剤容器、保冷箱、植木鉢、浄
水器カートリッジのケーシング、人工腎臓や人工肝臓等
のケーシング、注射筒の部材、テレビやステレオ等の家
庭電化製品の輸送時に使用するための緩衝材、コンピュ
ーター・プリンター・時計等の精密機械の輸送時に使用
するための緩衝材、ガラス・陶磁器等の窯業製品の輸送
時に使用するための緩衝材等としても好適に使用するこ
とができる。
【0044】また、本発明のポリヒドロキシカルボン酸
を含むフィルム又はシートは、ショッピングバッグ、ゴ
ミ袋、コンポストバッグ、セメント袋、肥料袋、土嚢用
袋、食品・菓子包装用フィルム、食品用ラップフィル
ム、農業用・園芸用フィルム、温室用フィルム、ビデオ
やオーディオ等の磁気テープカセット製品包装用フィル
ム、フロッピー(登録商標)ディスク包装用フィルム、
フェンス、海洋用・河川用・湖沼用オイルフェンス、粘
着テープ、テープ、結束材、防水シート、かさ、テント
等として好適に使用することができる。
【0045】また、本発明のポリヒドロキシカルボン酸
を含む発泡体は、例えば、弁当箱、食器、コンビニエン
スストアで販売されるような弁当や惣菜の容器、カップ
ラーメンのカップ、飲料の自動販売機で使用されるよう
なカップ、鮮魚・精肉・青果・豆腐・納豆・惣菜等の食
料品用の容器やトレイ、鮮魚市場で使用されるようなト
ロバコ、牛乳・ヨーグルト・乳酸菌飲料等の乳製品用の
容器、炭酸飲料・清涼飲料等の容器、ビール・ウィスキ
ー等の酒類ドリンク用の容器、化粧品容器、洗剤容器、
漂白剤容器、保冷箱、植木鉢、テープ、テレビやステレ
オ等の家庭電化製品の輸送時に使用するための緩衝材、
コンピューター・プリンター・時計等の精密機械の輸送
時に使用するための緩衝材、カメラ・眼鏡・顕微鏡・望
遠鏡等の光学機械の輸送時に使用するための緩衝材、ガ
ラス・陶磁器等の窯業製品の輸送時に使用するための緩
衝材、遮光材、断熱材、防音材等としても好適に使用す
ることができる。
【0046】また、本発明のポリヒドロキシカルボン酸
を含む発泡体は、医療用又は衛生用に好適に用いること
ができる。例えば、包帯、皮膚・粘膜用貼付剤用担体、
三角巾、絆創膏、タオル、使い捨てタオル、使い捨て濡
れタオル、おしぼり、雑巾、ティッシュー、清浄用・消
毒用ぬれティッシュー、あかちゃんのおしりふき用ぬれ
ティッシュー、使い捨ておむつ、生理用・おりもの用ナ
プキン、生理用タンポン、手術用・出産用血液吸収用タ
ンポン、衛生用カバーストック材、滅菌バッグ等に好適
に用いることができる。
【0047】さらに、農業、漁業、林業、工業、建設土
木業、運輸交通業を包含する一般産業用途及びレジャ
ー、スポーツを包含するリクエーション用途に好適に用
いることができる。例えば、農業用寒冷紗、オイル吸収
材、軟弱地盤補強材、人工皮革、フロッピーディスクの
裏地、セメント袋、肥料袋、土嚢用袋、断熱材、防音
材、クッション材、ベッド・椅子等の家具用クッション
材、床用クッション材、包装材、結束材、ぬかるみ・雪
道用滑り止め材等として好適に用いることができる。
【0048】
【実施例】以下に、実施例を挙げて、本発明についてさ
らに詳しく説明する。なお、本出願明細書による合成
例、実施態様、実施例の記載は、本発明の内容の理解を
支援するための説明であって、それらの記載は本発明の
技術的範囲を狭く解釈する根拠となる性格のものではな
い。
【0049】また、この実施例で用いた評価方法は、以
下のとおりである。 重量平均分子量 得られたポリヒドロキシカルボン酸の重量平均分子量
(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー
(GPC、カラム温度40℃、クロロホルム溶媒)によ
り、ポリスチレン標準サンプルとの比較で求めた。
【0050】[実施例1]88% L−乳酸102.3k
g、酸化第一スズ410gを内容積0.5m3の攪拌機
付きドラムに装入し、常圧窒素雰囲気下で室温から16
0℃まで1時間かけて昇温し、160℃で1時間保持した
後、160℃を維持しながら、2時間かけて常圧から1
0mmHgまで徐々に減圧し、最終的に160℃/10
mmHgで10時間反応を行った。このときのMwは1
0,000であった。この溶融ポリマーを液滴造粒機R
OTOFORMER 3000タイプ(商品名、SAN
DVIK製)にギアポンプを介して140kg/hrに
て供給した。この造粒機の液滴滴下アウターシェル幅は
480mm、滴下ノズル径は2.0mm、滴下ノズルピ
ッチは7mm、シェル温度は170℃であった。また、
冷却用ベルトはベルト幅600mm(有効幅 480m
m)、ベルト長6.5m(有効長6.0m)、ベルト冷
却温度20℃、ベルトスピード8m/minであった。
溶融粘度10ポイズの溶融ポリマー(供給温度170℃)
をこの条件により、粒子温度30℃、粒径3.5mm、
粒径標準偏差0.4mm、重量0.029g/粒子の均
一なポリ乳酸粒子を得ることができた。
【0051】[実施例2]160℃/10mmHgで1
5時間反応を行い、Mw15,000のポリ乳酸(溶融
粘度 15ポイズ、供給温度175℃)を得た以外は実
施例1と同様にしてポリ乳酸粒子を得た。得られた粒子
の粒子温度は30℃、粒径は4mm、粒径標準偏差0.
5mm、重量0.045g/粒子の均一なポリ乳酸粒子
であった。
【0052】[実施例3]実施例1と同様な方法により
製造したポリ乳酸を液滴造粒機ROTOFORMER
3000タイプ(商品名、SANDVIK製)にギアポ
ンプを介して120kg/hrにて供給した。この造粒
機の液滴滴下アウターシェル幅は480mm、滴下ノズ
ル径は2.0mm、滴下ノズルピッチは6mm、シェル
温度は170℃であった。また、冷却用ベルトはベルト
幅600mm(有効幅 480mm)、ベルト長6.5
m(有効長6.0m)、ベルト冷却温度20℃、ベルト
スピード11.6m/minであった。溶融粘度10ポ
イズの溶融ポリマー(供給温度170℃)をこの条件によ
り、粒子温度25℃、粒径2.5mm、粒径標準偏差0.
35mm、重量0.012g/粒子の均一なポリ乳酸粒
子を得ることができた。
【0053】[実施例4]実施例1により得られたポリ
乳酸粒子を70℃で、90分間加熱し、結晶化行った。
その後、140℃、窒素気流下に40時間加熱した。得
られたポリ乳酸粒子のMwは130,000であり、粒
子同士の融着は認められず、粒子の流動性は良好であっ
た。
【0054】[比較例1]実施例1と同様にして液相重
合を行い、溶融したポリ乳酸を得た。この融液を冷却固
化した後、粉砕した。得られた粒子(粉体)の流動性は
不良であった。このポリ乳酸粉体を70℃、90分間加
熱し、結晶化を行った。結晶化後の粉体は融着塊とな
り、流動不能であった。このポリ乳酸融着塊を粉砕し、
140℃、窒素気流下に40時間加熱した。得られたポ
リ乳酸のMwは128,000であったものの、粉体同
士は融着し、粒子(粉体)が流動することは不可能であ
った。
【0055】
【発明の効果】本発明のポリヒドロキシカルボン酸の製
造方法によれば、従来の方法では達成不可能であったポ
リヒドロキシカルボン酸の均一な形状の粒子を得ること
ができる。さらに、より高分子量のポリマーを得るた
め、固相重合方法等に代表される製造プロセス、特に結
晶化工程、固相重合工程内等での粒子の取り扱いが簡便
となるため、生産性が良く、低コストで且つ経済的に高
分子量のポリヒドロキシカルボン酸を得ることが可能と
なった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 酒井 勝幸 山口県玖珂郡和木町和木六丁目1番2号三 井化学株式会社内 Fターム(参考) 4F070 AA47 AB09 AB22 AB24 DA14 DC07 DC11

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶融粘度が0.01〜100ポイズのポ
    リヒドロキシカルボン酸を溶融し、滴下、冷却固化せし
    めて粒子状のポリヒドロキシカルボン酸を製造すること
    を特徴とするポリヒドロキシカルボン酸の製造方法。
  2. 【請求項2】 ヒドロキシカルボン酸が、脂肪族ヒドロ
    キシカルボン酸であることを特徴とする請求項1記載の
    ポリヒドロキシカルボン酸の製造方法。
  3. 【請求項3】 脂肪族ヒドロキシカルボン酸が、乳酸を
    含有し、140〜200℃にて溶融されることを特徴と
    する請求項2記載のポリヒドロキシカルボン酸の製造方
    法。
  4. 【請求項4】 ポリヒドロキシカルボン酸の重量平均分
    子量(Mw)が、2,000〜100,000の範囲で
    あることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の
    ポリヒドロキシカルボン酸の製造方法。
  5. 【請求項5】 粒子状のポリヒドロキシカルボン酸の平
    均粒子径が、0.1mm〜20mmの範囲であり、その
    標準偏差が1mm以内であることを特徴とする請求項1〜
    4のいずれかに記載のポリヒドロキシカルボン酸の製造
    方法。
  6. 【請求項6】 粒子状のポリヒドロキシカルボン酸が、
    結晶化工程及び/又は固相重合反応工程において結晶化
    用及び/又は固相重合用の原料であることを特徴とする
    請求項1〜5のいずれかに記載のポリヒドロキシカルボ
    ン酸の製造方法。
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