JP2001081114A - 架橋微粒子分散型活性エネルギー線硬化性樹脂組成物 - Google Patents

架橋微粒子分散型活性エネルギー線硬化性樹脂組成物

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JP2001081114A
JP2001081114A JP26527999A JP26527999A JP2001081114A JP 2001081114 A JP2001081114 A JP 2001081114A JP 26527999 A JP26527999 A JP 26527999A JP 26527999 A JP26527999 A JP 26527999A JP 2001081114 A JP2001081114 A JP 2001081114A
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meth
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acrylate
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JP26527999A
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Seiji Nurishi
誠司 塗師
Juichi Fujimoto
寿一 藤本
Hiroshi Fukushima
洋 福島
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Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低粘度、低収縮性、速硬化性の3つの性能を
同時に満足することができる活性エネルギー線硬化性樹
脂組成物を提供する。 【解決手段】 メチルメタクリレート、グリシジルメタ
クリレート等のラジカル重合型エチレン性不飽和化合物
(a1)、および、ジビニルベンゼン等の分子内にビニ
ル基を2個以上有する化合物(a2)[但しa2はジ
(メタ)アクリル酸エステルを含まない]を重合して得
られる、有機溶剤(メチルエチルケトン)中での体積膨
潤率が300%以下である架橋微粒子(A)を、トリメ
チロールプロパントリアクリレート、4−ヒドロキシブ
チルアクリレート、エポキシアクリレート等の分子内に
少なくとも1個の(メタ)アクリロイル基を有する化合
物(B)中に分散させてなる架橋微粒子分散型活性エネ
ルギー線硬化性樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、活性エネルギー線
硬化型樹脂組成物に有用な樹脂組成物に関し、特に、従
来の硬化性樹脂組成物では成し得なかった、低粘度、低
収縮性、速硬化性を同時に満足できる硬化性樹脂組成物
に関する。
【0002】
【従来の技術】ラジカル重合型の活性エネルギー線硬化
性樹脂は、低温速硬化型であり、耐擦傷性、耐薬品性等
に優れた被膜を与えるので、各種表面加工分野に利用さ
れている。ただし、この活性エネルギー線硬化性樹脂自
体は粘度が比較的高いので、有機溶剤や希釈モノマーの
混合により低粘度化して塗工を容易にする必要がある。
しかし、この場合、VOC(揮発性有機化合物)による
環境負荷の増大や、希釈モノマーによるかぶれや硬化速
度の低下等の問題が起きることがある。
【0003】また、一般に、活性エネルギー線硬化性樹
脂は、硬化に際して体積収縮が大きいので、収縮率を下
げる方法として、分子量の大きいオリゴマーやポリマー
を添加する手法が用いられている。しかし、この手法で
は、組成物の粘度が増大して塗工性に問題を生じたり、
反応点濃度が低下することによる硬化性低下を免れるこ
とができない。
【0004】さらに、活性エネルギー線硬化性樹脂の硬
化速度を高める為には、多官能モノマーを使用する必要
がある。しかし、多官能モノマーを用いると必然的に硬
化収縮率が上がってしまう。
【0005】これら低粘度、低収縮性、速硬化性という
3つの相反する性能を満足させる為に、従来より、例え
ば、樹脂を発泡させる方法や、特開平7−228644
号公報記載のように固体微粒子を添加する方法等が提案
されている。しかし、これらの方法では、樹脂を塗料と
して利用した場合、外観不良になる等の問題がある。ま
た例えば、特許第2703125号公報、特公平6−2
5210号公報などに記載の反応性マイクロゲルは、刷
版用レジスト組成物として使用するに適している。しか
し、本発明者らの知見によれば、この微粒子を取り出し
て、他のラジカル重合性単量体と混合し無溶剤型塗料と
して用いようとしても、あまりにも粒子の架橋密度が小
さ過ぎ、ラジカル重合性単量体が粒子内部に浸透、増粘
するので低粘度化を達成できない。
【0006】
【発明が解決しようとしている課題】このように、従来
の活性エネルギー線硬化型樹脂では、低粘度、低収縮
性、速硬化性の3つの性能を同時に満足することができ
なかった。また、熱硬化塗膜や熱硬化成型体を製造する
際にも、低粘度かつ低収縮性の両立という点を十分に満
足することはできなかった。
【0007】本発明の目的は、低粘度、低収縮性、速硬
化性の3つの性能を同時に満足することができる活性エ
ネルギー線硬化性樹脂組成物を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意検討した結果、アクリル系単量体
中に、有機溶剤中での特定値以下の体積膨潤率を示すラ
ジカル重合体系架橋微粒子を分散させることで、ポリマ
ーやオリゴマーあるいは架橋が不十分な粒子を用いた場
合の粘度上昇に較べ、少ない粘度上昇で同様な低収縮化
が達成可能であり、なおかつ圧倒的に硬化速度を上げる
ことが可能になることを見出し、本発明を完成するに至
った。
【0009】すなわち本発明は、ラジカル重合可能なエ
チレン性不飽和化合物(a1)および分子内にビニル基
を2個以上有する、ジ(メタ)アクリル酸エステルを除
く化合物(a2)を重合して得られる、有機溶剤中での
体積膨潤率が300%以下である架橋微粒子(A)を、
分子内に少なくとも1個の(メタ)アクリロイル基を有
する化合物(B)中に分散させてなる架橋微粒子分散型
活性エネルギー線硬化性樹脂組成物である。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施形態に
ついて説明する。
【0011】本発明に用いる架橋微粒子(A)は、ラジ
カル重合可能なエチレン性不飽和化合物(a1)および
分子内にビニル基を2個以上有する化合物(a2)[但
しa2はジ(メタ)アクリル酸エステルを含まない]を
重合して得られる微粒子であって、かつその有機溶剤中
での膨潤率は300%以下である。
【0012】架橋微粒子(A)を構成する、ラジカル重
合可能なエチレン性不飽和化合物(a1)は、用途や要
求性能を考慮して、適宜選択すればよい。その具体例と
しては、スチレン、α−メチルスチレン、α−クロロス
チレン、ビニルトルエン等の芳香族ビニル系モノマー
類;酢酸ビニル、酪酸ビニル等のビニルエステルモノマ
ー類;エチルビニルエーテル、フェニルビニルエーテル
等のビニルエーテル類;アクリルアミド、N−メチロー
ルアクリルアミド、N−メトキシメチルアクリルアミ
ド、N−ブトキシメチルアクリルアミド、N−t−ブチ
ルアクリルアミド、アクリロイルモルホリン、メチレン
ビスアクリルアミド等のアクリルアミド類;(メタ)ア
クリル酸、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリ
ル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)ア
クリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸i−ブチル、
(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸ヘ
キシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メ
タ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ステアリ
ル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリル、(メ
タ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリ
ル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸4−
ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸グリシジル、
(メタ)アクリル酸ジメチルアミノメチル、(メタ)ア
クリル酸ジエチルアミノメチル、(メタ)アクリル酸ベ
ンジル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)
アクリル酸フェノキシエチル、(メタ)アクリル酸トリ
シクロデカン、(メタ)アクリル酸ジシクロペンタニ
ル、(メタ)アクリル酸アリル、(メタ)アクリル酸2
−エトキシエチル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、
(メタ)アクリル酸ジシクロペンテニル、(メタ)アク
リル酸フェニル、ジ(メタ)アクリル酸エチレングリコ
ール、ジ(メタ)アクリル酸ポリエチレングリコール、
ジ(メタ)アクリル酸1,3−ブチレングリコール、ジ
(メタ)アクリル酸1,4−ブタンジオール、ジ(メ
タ)アクリル酸1,6−ヘキサンジオール、ジ(メタ)
アクリル酸ネオペンチルグリコール、ヒドロキシピバリ
ン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリル酸エス
テル、ジ(メタ)アクリル酸ポリプロピレングリコー
ル、ジ(メタ)アクリル酸ポリテトラメチレングリコー
ル等の(メタ)アクリル酸エステル類;等が挙げられ
る。これらは一種を単独で、または二種以上を組み合わ
せて用いてもよい。なお、本発明において「(メタ)ア
クリル酸」とは、「アクリル酸および/またはメタクリ
ル酸」を意味する。
【0013】架橋微粒子(A)を構成する、分子内にビ
ニル基を2個以上有する化合物(a2)[但しa2はジ
(メタ)アクリル酸エステルを含まない]は、微粒子の
架橋構造を形成する為に用いられる成分である。その具
体例としては、アジピン酸ジビニル、ジビニルベンゼ
ン、ジビニルスルホン、トリエチレングリコールジビニ
ルエーテル、1,4−シクロヘキサンジメタノールジビ
ニルエーテル等が挙げられる。これらは一種を単独で、
または二種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0014】架橋微粒子(A)は、従来より知られる各
種の重合法、例えば乳化重合法等により得られる。乳化
重合法は特に限定されず、一括混合重合法、モノマー滴
下法、プレエマルション法、シード重合法、多段階(コ
アシェル)重合法等、いずれも採用可能である。乳化重
合法において工業的に架橋微粒子を製造する為には、乳
化剤を用いて重合することが好ましい。乳化剤の具体例
としては、ポリエチレングリコールノニルフェニルエー
テル、ポリエチレングリコールドデシルフェニルエーテ
ル、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリルベンゼンスルホ
ン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウ
ム、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウム、ポリオキシ
エチレンアルキルフェニルエーテルアクリル酸エステ
ル、ポリオキシエチレンアルキルプロペニルフェニルエ
ーテル、ポリオキシエチレンアルキルプロペニルフェニ
ルエーテル硫酸エステルアンモニウム塩、α−スルホ−
ω−(1−(ノニルフェノキシ)メチル−2−(2−プ
ロペニルオキシ)エトキシ)−ポリ(オキシ−1,2−
エタンジイル)のアンモニウム塩等が挙げられる。
【0015】乳化剤として使用する界面活性剤のうち、
反応性界面活性剤は、重合反応により架橋微粒子中に組
み込まれる。したがって、架橋微粒子が分散した樹脂組
成物を硬化させた後でも、その硬化樹脂から界面活性剤
がブリードアウトしたり、耐久性を低下させるおそれが
少ない。本発明においては、特にアニオン型乳化剤が好
ましく、ポリオキシエチレンアルキルプロペニルフェニ
ルエーテル硫酸エステルアンモニウム塩、α−スルホ−
ω−(1−(ノニルフェノキシ)メチル−2−(2−プ
ロペニルオキシ)エトキシ)−ポリ(オキシ−1,2−
エタンジイル)のアンモニウム塩等のラジカル重合性界
面活性剤が好ましい。
【0016】乳化剤の使用割合は、乳化重合時の反応系
(水等の溶媒、単量体、乳化剤等)の総量に対して0.
1〜8質量%が好ましい。特に、重合性単量体100質
量部に対して、純水100〜300質量部、乳化剤1〜
10質量部の比率で用いることがより好ましい。
【0017】架橋微粒子(A)の一次粒径は、その平均
値が10〜1000nmの範囲内にあることが好まし
い。平均値が10nm以上であると、樹脂組成物の粘度
の上昇のおそれが少なくなる。また、1000nm以下
であると、樹脂組成物を硬化して得た塗膜の外観がより
良好になる傾向にある。
【0018】乳化重合法により得られた架橋微粒子
(A)は、水を除去した乾燥状態で化合物(B)に配合
すればよい。乾燥の方法は特に限定されず、例えば、凝
固、洗浄、乾燥により微粉化する方法、スプレー乾燥
(噴霧乾燥)法などが挙げられる。特に、硬化後の塗膜
外観が良好となる点で、スプレー乾燥法が好ましい。
【0019】乾燥、微粉化された架橋微粒子(A)は、
有機溶剤中での膨潤率が300%以下であり、好ましく
は250%以下である。300%以下、好ましくは25
0%以下の膨潤率を得る為には、エチレン性不飽和化合
物(a1)と分子内にビニル基を2個以上有する、ジ
(メタ)アクリル酸エステルを除く化合物(a2)の質
量構成比率[(a)/(b)]を、[1/0.1]〜
[1/0.5]の範囲内にするとよい。
【0020】架橋微粒子(A)の有機溶剤中での体積膨
潤率V(%)は、次の方法で算出した値である。まず、
乳化重合等により得た架橋微粒子(A)の一次粒子(エ
マルション中の粒子等)について動的光散乱法を用いて
測定し、これを平均粒径R1とする。さらに、乳化重合
等により得た架橋微粒子(A)を乾燥してからメチルエ
チルケトン中に分散し、同様のシステムを用いて測定し
た平均粒径をR2とする。ここで、架橋微粒子(A)を
メチルエチルケトン中に分散させる方法は、特に限定さ
れない。架橋微粒子(A)を添加し、混合した後、ホモ
ディスパー、ディゾルバー、三本ロール、ボールミル
等、任意の分散機を用いることができる。そして、架橋
微粒子(A)の有機溶剤中での体積膨潤率V(%)は、
V=[(R2)3/(R1)3]×100の式により算出する。
【0021】本発明に用いる分子内に少なくとも1個の
(メタ)アクリロイル基を有する化合物(B)として
は、例えば、エチレン性不飽和化合物(a1)の具体例
として先に列挙した各種の(メタ)アクリル酸エステル
を挙げることができる。また、その他に、トリメチロー
ルプロパントリ(メタ)アクリル酸エステル、エトキシ
レーテッドトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリ
ル酸エステル、プロポキシレーテッドトリメチロールプ
ロパントリ(メタ)アクリル酸エステル、グリセリント
リ(メタ)アクリル酸エステル、エトキシレーテッドグ
リセリントリ(メタ)アクリル酸エステル、トリス(ア
クリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ジトリメ
チロールプロパンテトラ(メタ)アクリル酸エステル、
ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリル酸エステ
ル、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリル酸エ
ステル、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリ
ル酸エステル、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)
アクリル酸エステル、多塩基酸[フタル酸、アジピン酸
等]と、多価アルコール[エチレングリコール、ヘキサ
ンジオール、ポリエチレングリコール、ポリテトラメチ
レングリコール等]と、(メタ)アクリル酸またはその
誘導体との反応で得られるポリエステルポリ(メタ)ア
クリレート類、グリシジルエーテル化合物[ビスフェノ
ールAジグリシジルエーテル、エチレングリコールジグ
リシジルエーテル等]に(メタ)アクリル酸またはその
誘導体を反応させたエポキシポリ(メタ)アクリレート
類、イソシアネート化合物[ヘキサメチレンジイソシア
ネート、イソホロンジイソシアネート、トリレンジイソ
シアネート、キシリレンジイソシアネート、ジフェニル
メタンジイソシアネート、水添ジフェニルメタンジイソ
シアネート等]に、水酸基を持つ(メタ)アクリレート
[2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒ
ドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキ
シブチル(メタ)アクリレート等]を反応させたウレタ
ンポリ(メタ)アクリレート類等が挙げられる。これら
は一種を単独で、または二種以上を組み合わせて用いて
もよい。
【0022】分子内に少なくとも1個の(メタ)アクリ
ロイル基を有する化合物(B)は、特に、分子内に少な
くとも1個の水酸基を有するラジカル重合性不飽和化合
物を化合物(B)中少なくとも1質量%含有すること
が、架橋微粒子(A)の分散安定性の点で好ましい。
【0023】本発明の樹脂組成物において、架橋微粒子
(A)と化合物(B)の質量比率[(A)/(B)]
は、[1/1]〜[1/50]の範囲内が好ましく、
[1/1]〜[1/40]の範囲内がより好ましい。架
橋微粒子(A)の量をこれら範囲の上限値以下にするこ
とにより、硬化性樹脂組成物の粘度が高くなり難く、実
用性が向上する傾向にある。また、下限値以上にするこ
とにより、硬化性と低収縮性がより向上する傾向にあ
る。
【0024】本発明の樹脂組成物において、化合物
(B)中に架橋微粒子(A)を分散させる方法は、特に
限定されない。例えば、架橋微粒子(A)と化合物
(B)とを混合した後、ホモディスパー、ディゾルバ
ー、三本ロール、ボールミル等、任意の分散機を用いて
分散させることができる。
【0025】本発明の活性エネルギー線硬化性樹脂組成
物には、あらかじめ光重合開始剤を添加しておくことが
好ましい。光重合開始剤の具体例としては、ベンゾフェ
ノン、4,4−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノ
ン、t−ブチルアントラキノン、2−エチルアントラキ
ノン、2,4−ジエチルチオキサントン、イソプロピル
チオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン等の
チオキサントン類;ジエトキシアセトフェノン、2−ヒ
ドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オ
ン、ベンジルジメチルケタール、1−ヒドロキシシクロ
ヘキシル−フェニルケトン、2−メチル−2−モルホリ
ノ(4−チオメチルフェニル)プロパン−1−オン、2
−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリ
ノフェニル)−ブタノン等のアセトフェノン類;ベンゾ
インメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベン
ゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエ
ーテル等のベンゾインエーテル類;2,4,6−トリメチ
ルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ビス
(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメ
チルペンチルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−
トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイ
ド等のアシルホスフィンオキサイド類;メチルベンゾイ
ルホルメート;1,7−ビスアクリジニルヘプタン;9
−フェニルアクリジン;等が挙げられる。これらは一種
を単独で、または二種以上を組み合わせて用いてもよ
い。光重合開始剤の添加量は、架橋微粒子(A)および
化合物(B)の合計100質量部に対して、0.01〜
20質量部が好ましく、0.1〜10質量部がより好ま
しい。
【0026】さらに、本発明の樹脂組成物には、必要に
応じて、4−ジメチルアミノ安息香酸メチル、4−ジメ
チルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香
酸アミル、4−ジメチルアミノアセトフェノン等の公知
の光増感剤を添加することもできる。その他、必要に応
じて、離型剤、滑剤、可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収
剤、難燃剤、難燃助剤、重合禁止剤、充填剤、有機溶
剤、顔料、染料、シランカップリング剤等、公知の添加
剤を添加することもできる。
【0027】本発明の樹脂組成物は、各種特性に優れた
ものとすることができるが、特に、25℃におけるE型
粘度は、10000mPa・s以下であることが好まし
く、5000mPa・s以下であることがより好まし
い。また、液比重と硬化物比重の差による硬化収縮率
は、13%以下であることが好ましく、11%以下であ
ることがより好ましい。
【0028】本発明の樹脂組成物は、成形品、接着剤、
塗料、インキ、レジスト、光造形材など各種用途に使用
可能であり、各種用途において、活性エネルギー線硬化
型樹脂としての優れた性能を十分に発揮できる。
【0029】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳細に説明
する。なお以下の記載において、「部」は特記の無い限
り「質量部」を意味する。
【0030】<実施例1> [原料プレエマルションの調製]メチルメタクリレート
40部、グリシジルメタクリレート30部、ジビニルベ
ンゼン30部、過酸化物開始剤(日本油脂(株)製、商
品名パーブチルH)0.3部、ラジカル重合性アニオン
型乳化剤(旭電化(株)製、商品名アデカリヤソープS
E−1025N)20部、純水40部を混合し、攪拌を
続けることにより、プレエマルションを得た。
【0031】[架橋微粒子(A−I)の調製]2Lの4
つ口フラスコに、純水145部、ロンガリット0.3
部、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム0.01部、
硫酸第一鉄七水和物0.0025部を入れ、いかり型攪
拌棒により150rpmで攪拌した。窒素ガス通気によ
り系内を置換した後昇温を開始し、内温が60℃に達し
たところで、プレエマルションの滴下を開始し、30分
かけて40部滴下し、さらに30分間内温60℃で攪拌
を続けた。その後、プレエマルションの残り120部を
2時間かけて全量滴下し終えた。内温を60℃に維持し
たまま攪拌を2時間続けたところで冷却し、乳白色のエ
マルションを得た。得られたエマルションの一部をサン
プリングし、大塚電子(株)製ダイナミック光散乱光度
計DLS−600を用い、一次粒子の25℃における平
均粒径R1を測定したところ、153.4nmであった。
【0032】得られたエマルションについて、大川原化
工機(株)製L−8型スプレードライヤーを用い、チャ
ンバー入口温度120℃、チャンバー出口温度60℃、
アトマイザ回転数25000rpmの条件で噴霧乾燥を
行なった。得られた架橋微粒子(A−I)にはブロッキ
ング物は認められず、高い流動性を示した。
【0033】[架橋微粒子(A−I)/メチルエチルケ
トン分散液の調製]得られた架橋微粒子(A−I)20
部と、メチルエチルケトン80部とを混合し、ホモディ
スパーを用いて2000rpmで5分間攪拌し、乳白色
の分散液を得た。この分散液の一部をサンプリングし、
大塚電子(株)製ダイナミック光散乱光度計DLS−6
00を用い、25℃における平均粒径R2を測定したと
ころ、186.5nmであった。
【0034】R1=153.4nm、R2=186.5n
mであるから、架橋微粒子(A)の有機溶剤(メチルエ
チルケトン)中での体積膨潤率V(%)は、[(R2)3
(R1)3]×100=約180%になる。これらの結果を
表1に示す。
【0035】[紫外線硬化型樹脂組成物の調製]架橋微
粒子(A−I)20部、トリメチロールプロパントリア
クリレート50部、4−ヒドロキシブチルアクリレート
30部、光重合開始剤(チバスペシャリティーケミカル
ズ(株)製、商品名イルガキュア184)3部を混合
し、ホモディスパーを用いて4000rpmで5分間攪
拌し、乳白色の紫外線硬化型樹脂組成物を得た。
【0036】[紫外線硬化型樹脂組成物の評価]この紫
外線硬化型樹脂組成物を、バーコータ#3にてガラス基
板上に塗装し、80W/cmの高圧水銀灯1本、ランプ
高さ10cm、コンベア速度16m/分の条件で紫外線
を照射し、指触乾燥性テストにて塗膜表面がタックフリ
ーとなる最低照射エネルギーを測定した。硬化塗膜は、
透明な外観を有する膜であった。また、25℃における
E型粘度および液比重と硬化物比重の差による硬化収縮
率も測定した。それらの結果を表2に示す。
【0037】<実施例2〜4、比較例1〜3>まず、表
1に示す組成比率に変更したこと以外は実施例1と同様
にして架橋型微粒子(A−II)、(A−III)を調製
し、さらに表2に示す成分と組成比率に変更したこと以
外は実施例1と同様にして紫外線硬化型樹脂組成物を調
製した。なお、化合物(B)のTMPTA/4HBAの
配合比率は、実施例4および比較例1も含めて、全て5
/3の比率である。これら紫外線硬化型樹脂組成物につ
いて、実施例1と同様にして評価を行った。その結果を
表2に示す。
【0038】
【表1】 表1中の略号は以下の通りである。 MMA:メチルメタクリレート GMA:グリシジルメタクリレート DVB:ジビニルベンゼン
【0039】
【表2】 (注1) A−IV:MMA62/nBMA38組成の線
状ポリマー(重量平均分子量2万) 表2中の略号は以下の通りである。 TMPTA:トリメチロールプロパントリアクリレート 4HBA :4−ヒドロキシブチルアクリレート EA :エポキシアクリレート Irg184 :光重合開始剤(チバスペシャリティーケミ
カルズ(株)製、商品名イルガキュア184) 表2に示した通り、実施例1〜4では、E型粘度、硬化
収縮率、指触乾燥性について良好な結果が示され、低粘
度、低収縮、速硬化の3つの性能を同時に満足する樹脂
組成物が得られることを確認できた。一方、比較例1で
は、架橋微粒子を用いないので硬化収縮率と指触乾燥性
が劣り、比較例2では、体積膨潤率の大きな架橋微粒子
(A−III)を用いたのでE型粘度が高過ぎ、比較例3
では、架橋微粒子の代わりに線状ポリマー(A−IV)を
混合して用いたので、やはりE型粘度が高過ぎる樹脂組
成物しか得られなかった。
【0040】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明の活性エネル
ギー線硬化性樹脂組成物においては、特定の架橋型微粒
子を使用するので、ポリマーやオリゴマーあるいは架橋
が不十分な粒子を用いた場合の粘度上昇に較べ、少ない
粘度上昇で同様な低収縮化が達成可能であり、なおかつ
圧倒的に硬化速度を上げることができる。これにより、
従来の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物では達成不可
能であった、低粘度、低収縮、速硬化の3つの性能を同
時に満足することが可能となる。このような優れた性能
を有する本発明の樹脂組成物は、成形品、接着剤、塗
料、インキ、レジスト、光造形材等が抱える従来の樹脂
組成物の問題の大部分を解決することが可能である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09D 5/00 C09D 5/00 C (72)発明者 福島 洋 愛知県名古屋市東区砂田橋四丁目1番60号 三菱レイヨン株式会社商品開発研究所内 Fターム(参考) 4J011 AA01 AA05 KA04 KA06 KA25 KB29 PA65 PA67 PA68 PA69 PB06 PB40 PC02 PC08 QA03 QA13 QA23 QA24 QA34 QA39 QB14 QB16 QB20 QB24 RA03 SA02 SA03 SA15 SA16 SA19 SA22 SA34 SA54 SA58 SA63 SA64 SA78 SA84 WA01 WA02 WA06 4J026 AA17 AA18 AA31 AA38 AA43 AA45 AA46 AA50 AA62 AA76 BA27 BA28 BA30 BA50 BB01 BB03 DA04 DA07 DA15 DB05 DB11 DB36 FA05 GA06 4J038 CC022 CC082 CC102 CE052 CF022 CG032 CG142 CG172 FA121 FA171 FA251 FA261 FA281 MA10 PA17

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ラジカル重合可能なエチレン性不飽和化
    合物(a1)および分子内にビニル基を2個以上有す
    る、ジ(メタ)アクリル酸エステルを除く化合物(a
    2)を重合して得られる、有機溶剤中での体積膨潤率が
    300%以下である架橋微粒子(A)を、分子内に少な
    くとも1個の(メタ)アクリロイル基を有する化合物
    (B)中に分散させてなる架橋微粒子分散型活性エネル
    ギー線硬化性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 架橋微粒子(A)が、ラジカル重合性ア
    ニオン型乳化剤を用いた乳化重合により得られる架橋微
    粒子である請求項1記載の架橋微粒子分散型活性エネル
    ギー線硬化性樹脂組成物。
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