JP2001079928A - 樹脂シートの製造方法および装置 - Google Patents

樹脂シートの製造方法および装置

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JP2001079928A
JP2001079928A JP26240199A JP26240199A JP2001079928A JP 2001079928 A JP2001079928 A JP 2001079928A JP 26240199 A JP26240199 A JP 26240199A JP 26240199 A JP26240199 A JP 26240199A JP 2001079928 A JP2001079928 A JP 2001079928A
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cooling drum
molten resin
die
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Naohiro Takashima
直弘 高島
Hiroshi Kawatake
洋 川竹
Hidetoshi Okashiro
英敏 岡城
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 厚み均一性に優れた樹脂シートを効率よく成
形可能にする樹脂シートの製造方法および装置を提供す
る。 【解決手段】 溶融樹脂シートがダイから冷却ドラムに
接触するまでの下記式で定義される平均変形速度εを2
〜50sec-1の範囲に制御するものである。 ε(sec-1)=〔ln(D)〕/〔L/ [{V+(V
/D)}/2] 〕 但し、D:ドラフト比(=ダイリップ間隙/冷却ドラム
上で冷却固化された樹脂シートの平均厚み) L:ダイリップから冷却ドラムまでの溶融樹脂シート長
さ(mm) V:冷却ドラムの回転速度(mm/sec)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、樹脂シートの製造
方法および装置に関し、さらに詳しくは優れた厚み均一
性を有する樹脂シートの製造方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】樹脂フィルム等の樹脂シートは、溶融し
た樹脂をスリット状のダイリップからシート状に押し出
し冷却ドラムの表面で冷却固化し、さらに冷却固化され
たシートを一軸または二軸に延伸して製造されるのが一
般的である。このように製造された樹脂シートは、電気
部品材料、包装材料など数多くの用途で使用されている
が、厚みにムラのないようにすることが重要視されてい
る。
【0003】樹脂シートの厚みムラは、溶融樹脂をダイ
からシート状に押し出してから、冷却ドラムで冷却固化
するまでの工程で発生するとされており、かつ生産性向
上のために押出し速度や冷却ドラムの回転速度を上げる
と、益々厚みムラが悪化するという問題がある。従来、
このような厚みムラを抑制する方法が多数提案されては
いるが、いまだに生産性の向上と調和するようにしなが
ら厚みムラを解消できる方法は見だされていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上述
した従来の問題を解消し、厚み均一性に優れた樹脂シー
トを効率よく成形可能にする樹脂シートの製造方法およ
び装置を提供することにある。
【0005】本発明の他の目的は、生産性を向上させな
がら厚み均一性に優れた樹脂シートを成形可能にする樹
脂シートの製造方法および装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明の樹脂シートの製造方法は、溶融樹脂をダイからシー
ト状に押し出し、冷却ドラム上で冷却固化させる樹脂シ
ートの製造方法において、前記溶融樹脂シートが前記ダ
イから前記冷却ドラムに接触するまでの間の下記式で
定義される平均変形速度εを2〜50sec-1の範囲に
制御することを特徴とするものである。
【0007】 ε(sec-1)=〔ln(D)〕/〔L/ [{V+(V/D)}/2] 〕 ・・・・ 但し、D:ドラフト比(=ダイリップ間隙/冷却ドラム
上で冷却固化された樹脂シートの平均厚み) L:ダイリップから冷却ドラムまでの溶融樹脂シート長
さ(mm) V:冷却ドラムの回転速度(mm/sec) このようにダイから冷却ドラム表面に至る過程の溶融樹
脂シートの平均変形速度εを、2〜50sec-1の範囲
に制御することにより樹脂シートの厚みムラが低減し、
厚み精度の高い均一化を達成することができる。
【0008】上記製造方法を実施する装置は、上記方法
の実施が可能であれば特に限定されないが、好ましくは
請求項5に係る装置のようにダイリップの両端部に溶融
樹脂シートの縁部を案内する案内板を配置し、その案内
面を前記冷却ドラム表面に垂直な方向に対して幅方向内
側へ傾斜させるようにしたものがよい。
【0009】樹脂シートの成形速度を増速しても平均変
形速度εを2〜50sec-1の範囲に制御するには、ダ
イと冷却ドラムとの間を広げて溶融樹脂シートの長さL
を大きくすればよいが、溶融樹脂シート長さLを増大す
るとネックイン量が増加して生産性を低下させることに
なる。しかし、上記のようにダイリップの両端部に案内
板を設置し、しかも幅方向内側へ傾斜させることによ
り、溶融樹脂シートが案内板から離れる位置を可及的に
冷却ドラム側に近づけるため、ネックイン量の増加を抑
制して生産性の一層の向上を図ることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明において、シートの原料に
使用される樹脂としては、熱可塑性樹脂が好ましい。例
えば、ポリエチレンテレフタレート,ポリエチレンイソ
フタレート,ポリブチレンテレフタレートおよびこれら
の共重合体などのポリエステル類、ポリエチレン,ポリ
プロピレンおよびこれらの共重合体などのポリオレフィ
ン類、ナイロン6,ナイロン66,ナイロン12および
これらの共重合体などのポリアミド類などを挙げること
ができる。これらの中でも、特にポリエステル類は好ま
しく、特にポリエチレンテレフタレートがよい。これら
の樹脂材料には、もちろん帯電防止剤、耐候剤、滑剤、
顔料などの添加剤を添加して差し支えない。
【0011】本発明の樹脂シートの製造方法は、上記原
料樹脂を溶融状態にし、スリット状のダイから溶融樹脂
シートとして押し出し、冷却ドラム上で冷却固化すると
き、ダイから冷却ドラムに着地するまでの過程での溶融
樹脂シートの平均変形速度ε、すなわち前述した式で
定義される平均変形速度εを2〜50sec-1、好まし
くは5〜20sec-1に制御するようにする。
【0012】平均変形速度εの制御は、式から明らか
なように、溶融樹脂を吐出する時のドラフト比D、溶融
樹脂シートの長さL(mm)、冷却ドラムの回転速度V
(mm/sec)を適宜選択することにより実施するこ
とができる。平均変形速度εを2〜50sec-1の範囲
に制御できる範囲であれば、ドラフト比D、溶融樹脂シ
ート長さL、冷却ドラム回転速度Vは特に限定されない
が、好ましくはドラフト比Dとして16以上、さらに好
ましくは20以上がよい。樹脂シートの厚みと冷却ドラ
ムの回転速度とを固定した場合、ドラフト比が16未満
であるとダイリップの間隙を狭くする必要があり、それ
に伴って樹脂シート表面にすじ状の欠点を発生しやすく
なる。
【0013】ここでドラフト比Dとは、ダイリップ間隙
の樹脂シート厚みに対する比のことであり、ダイリップ
間隙として、ダイ幅方向に等間隔にエッジ部分を除く2
0箇所で測定したリップ間隙値の平均値を使用するもの
とし、また樹脂シート厚みとして、樹脂シートの幅方向
に等間隔にエッジ部分を除く20箇所で測定した厚みの
平均値を使用するものとする。なお、ここでエッジ部分
とは、樹脂シートの幅方向両端部の厚みの大きな部分で
あり、製造工程の途中で裁断除去される部分のことであ
る。
【0014】また、溶融樹脂シート長さとは、ダイリッ
プから冷却ドラムに着地した位置までの長さをいうが、
本発明では図4に示す定義の近似値を使用するものとす
る。すなわち、図4は冷却ドラムの軸方向から見た側面
図であり、ダイ1の吐出口Aから下ろした鉛直線と、溶
融樹脂シートSの冷却ドラム2上の着地点Bを通る水平
線との交点をPとすると、P−A間の距離L1 とP−B
間の距離L2 から、次の式から演算された溶融樹脂シ
ート長さLを使用する。
【0015】 L=√(L1 2+L2 2 ) ・・・・・ また、冷却ドラムの回転速度Vとは、冷却ドラム表面の
周速度をいう。
【0016】本発明で使用する溶融樹脂吐出用のダイと
しては、スリット状の吐出口を有するものであれば特に
限定されない。例えば、Tダイ,コートハンガーダイ,
フィッシュテールダイなどのスリットを有するものを使
用することができる。
【0017】また、ダイから吐出した溶融樹脂シートを
冷却ドラムの表面に着地させるとき、冷却ドラムに着地
した溶融樹脂シートの上面側に、溶融樹脂シートを横切
るように線状またはテープ状の電極を配置し、この電極
を介して溶融樹脂シートに静電電圧を印加させるように
するとよい。所謂、静電印加法といわれるもので、この
電圧印加により溶融樹脂シートを冷却ドラム表面により
密着させるため、高速成形を可能にし、また厚みムラを
低減させることができる。
【0018】この電極は、冷却ドラムに近接させるほど
溶融樹脂シートの密着性を上げることができるが、あま
り近づけ過ぎると溶融樹脂シートに対面しない両端部で
火花放電を発生し、ひどい場合には溶融樹脂シートや冷
却ドラムに損傷を与えることがある。そのため、一般に
は溶融樹脂シートと対面しない箇所の電極を、溶融樹脂
シート側と若干オーバラップする程度に絶縁材を被覆す
るようにしている。
【0019】静電印加法に使用する電極の素材として
は、導電性の金属やカーボンなどを使用することができ
る。金属としては、ステンレス,チタン,ベリリウム
銅、パラジウム,パーマロイ,タンタル,金,白金,
銀,銅,真鍮,鉄,錫,アルミニウム,ニッケル,亜
鉛,モリブデン,タングステンなどを挙げることができ
る。
【0020】本発明において、樹脂シートの生産性を向
上するためには、冷却ドラムの回転速度Vを上げる必要
がある。このように冷却ドラムの回転速度Vを上げなが
ら、溶融樹脂シートの平均変形速度εを2〜50sec
-1に維持するには、上記式から、溶融樹脂シートの長
さLを長くしなければならなくなる。しかし、溶融樹脂
シートの長さLを大きくするだけでは、樹脂シートのネ
ックインが増大することによってシート幅が狭くなるた
め、生産性の向上にはあまり寄与させることはできな
い。
【0021】上記溶融樹脂シートの長さLは、上述した
電極の冷却ドラム頂点から前方への距離や印加電圧を調
節することにより制御することができる。また、上記ネ
ックインは、ダイリップの両端部に案内板を配置し、こ
の案内板に溶融樹脂シートの両縁部を沿わせることによ
り抑制することができる。一般には、案内板は案内面を
冷却ドラムと垂直な方向に平行にするように配置され
る。しかし、本発明では、好ましくは案内面を冷却ドラ
ム表面に垂直な方向に対し、案内面の下端を幅方向内側
へ向けて傾斜させるようにする。
【0022】溶融樹脂シートは、冷却ドラムに着地する
まで案内板に終始沿っているとは限らず、途中で幅方向
の収縮張力により離れた状態になる。しかしながら、案
内板を幅方向内側へ傾斜させた状態にしておくと、溶融
樹脂シートが案内板から離間する位置を可及的に冷却ド
ラム側へ延長させることができる。この離間位置の延長
により、溶融樹脂シートのネックイン量を小幅にするよ
うに抑制することができる。すなわち、案内板の案内面
を冷却ドラム表面に垂直な方向にした場合に比べて、溶
融樹脂シートのネックイン量を低減するため、生産性の
一層の向上を図ることができる。
【0023】上記案内板の傾斜は、傾斜角度θを可変に
調整できるようにすることが好ましい。案内面の傾斜角
度を可変にすることにより、冷却ドラムの回転速度や溶
融樹脂シートの長さに応じて、ネックイン量を最低にす
る条件を設定することができる。このような案内面の傾
斜角度θの大きさとしては、冷却ドラムの表面に垂直に
下ろした方向に対して0°〜60°、さらに好ましくは
0°〜30°にするとよい。
【0024】なお、案内板の案内面は平面の場合に限定
されず、湾曲面であってもよい。このように湾曲面であ
る場合の傾斜角度θは、図5に示すように、ダイ1の吐
出口(ダイリップ)端部に対する案内板5の連結部内端
Cと、案内板5の案内面端部Dとを通る面が、冷却ドラ
ム2の表面に垂直な方向に対してなす角度を以って、本
発明における傾斜角度θとする。
【0025】また、案内板は、ダイリップ幅方向(スリ
ット長手方向)にスライド可能にすることが好ましい。
溶融樹脂の吐出開始時から溶融樹脂シートを案内板に沿
わせると、案内板に溶融樹脂の滞留を発生しやすくな
り、熱劣化する原因になる。しかし、案内板をダイリッ
プの幅方向にスライド可能にしておくことにより、溶融
樹脂の吐出開始当初は案内板を離しておき、吐出流れが
安定してから案内板を接触させると、上述した滞留を発
生せず、樹脂シートの生産を安定させることができる。
【0026】また、案内板は、ダイリップの厚み方向
(間隙方向)にもスライド可能にするとよい。案内板を
ダイリップ厚み方向にもスライド可能にすることによ
り、ダイから冷却ドラムまでの溶融樹脂シートの形態を
観察しながら、案内板から離れる位置が最低位置になる
ようにしてから案内板を接触させることができるので、
ネックイン量の制御を一層容易にすることができる。
【0027】案内板の材料としては、耐熱性のものであ
れば特に限定されない。好ましくは金属がよく、例えば
ステンレス鋼、アルミニウムなどを挙げることができ
る。さらに好ましくは、案内板の表面に離型性に優れた
シリコーン樹脂、フッ素樹脂などをコーティングすると
よい。
【0028】図1および図2は、本発明の樹脂シートの
製造方法に使用される装置の要部を例示したものであ
る。
【0029】図1および図2において、ダイ1は下端に
スリット状のダイリップ1aを有し、このダイリップ1
aから溶融樹脂シートSを押し出し、冷却ドラム2の表
面で冷却固化して未延伸の樹脂シートにする。冷却ドラ
ム2は矢印方向に回転しながら、その表面に溶融樹脂シ
ートSを着地させ、同一方向に移動しながら冷却固化す
る。冷却ドラム2により冷却固化された未延伸樹脂シー
トは、引き続き図示しない延伸工程に送られ、そこで縦
方向に一軸又は縦横二軸に逐次或いは同時に延伸されて
樹脂シート(樹脂フィルム)に成形される。
【0030】また、冷却ドラム2に着地した溶融樹脂シ
ートSの上面側には、シートSを幅方向に横切るように
静電印加用の電極3が配置されている。電極3には高電
圧が通電されることにより溶融樹脂シートSを静電印加
し、冷却ドラム2の表面に密着させる。この電極3の冷
却ドラム2の頂点から前方側への距離や印加電圧を調節
すると溶融樹脂シートの長さLを制御できるので、平均
変形速度εを調節することができる。電極3の両端部に
は絶縁材4,4が被覆され、電極3から冷却ドラム2に
火花放電をしないようにしている。絶縁材4,4は、そ
れそれ溶融樹脂シートSの両端部に若干オーバラップす
るように設けられている。
【0031】また、ダイリップ1aの両側端部にはそれ
ぞれ案内板5,5が設けられている。案内板5,5は、
ダイリップ1aから吐出された溶融樹脂シートSの両縁
部を案内し、溶融樹脂シートSの幅方向内側へのネック
インを規制している。この案内板5の案内面は、図2に
示すように、スリット状ダイリップ1aの端部から冷却
ドラム2の表面に垂直に下ろした線から斜め内側へ傾斜
させている。
【0032】このように案内面を傾斜させることによ
り、溶融樹脂シートSが案内板5の途中から離れる位置
を冷却ドラム2側へ延長させ、この離間位置の延長によ
り溶融樹脂シートSのネックイン量を少なくするように
している。
【0033】前述したように、案内板5は冷却ドラム2
の表面に垂直な方向に対する傾斜角度θを可変にしてあ
ることが望ましいが、その可変機構としては特に限定さ
れるものではなく、押引き機構、バネによる変形機構、
熱膨張を利用する変形機構など採用することができる。
【0034】図3(A),(B)は、案内板の傾斜角度
θを可変調整する機構の一例を示すものである。
【0035】ダイ1の側板6の下端に支持フレーム7が
固定され、この支持フレーム7の内側面に可撓性の金属
板から構成された案内板5が上端を固定され、下方へ垂
下するようになっている。また、支持フレーム7には下
面中央部に軸受部8が固定され、この軸受部8に上下2
本のボルト9,10が螺合し、左右方向に移動可能にな
っている。この2本のボルト9,10の内端側に、それ
ぞれ自在継手11,12を介して案内板5の背面が連結
されている。
【0036】したがって、上下2本のボルト9,10の
左右方向への移動量を異ならせ、ボルト10の内側方向
(左側方向)の移動をボルト9の移動量よりも多くする
と、可撓性の案内板5を、図3(A)の垂直状態から図
3(B)のように幅方向内側へ湾曲傾斜した状態にする
ことができる。
【0037】
【実施例】以下に実施例および比較例を記載するが、生
産性は生産速度と製品幅から次の通り評価したものであ
る。
【0038】 ◎ : 非常に良好(工業的価値が高い) ○ : 良好(実用上問題ない) △ : 不良(工業的価値が低い) また、厚みムラは、冷却ドラムの未延伸シートの縦方向
の長さ1mにおける厚みの変動値〔最大厚みと最小厚み
との差(μm)〕を測定し評価した。
【0039】実施例1 25℃のオルソクロロフェノール溶融極限粘度が0.6
15のポリエチレンテレフタレートを280℃に溶融
し、装置および運転条件を下記の通りに設定し、図1及
び図2の製膜装置を使用して押出成形し、平均厚みが
0.1mmの樹脂シート(フィルム)を製造した。得ら
れた樹脂シートの厚み精度および生産性を表1に示し
た。
【0040】 ダイリップ: 幅=600mm、間隙=2.5mm 冷却ドラム: 回転速度V=60m/分 ダイリップと冷却ドラムとの距離: 180mm 溶融樹脂シート長さ(式に基づく): L=192mm ドラフト比: D=25.0(=2.5mm/1.0mm) 平均変形速度: ε=8.7sec-1 電極: ステンレス鋼製(冷却ドラム頂点から前方68mmの位置) 直流電圧=7kv 案内板: フッ素樹脂被覆したステンレス鋼製、 傾斜角度θ=6.5° 実施例2 実施例1において、下記の点を異ならせた以外は同一条
件にして、同じく平均厚みが0.1mmの樹脂シートを
製造した。得られた樹脂シートの厚み精度および生産性
を、表1に示した。
【0041】 ダイリップと冷却ドラムとの距離: 45mm 溶融樹脂シート長さ(式に基づく): L=59mm 平均変形速度: ε=8.7sec-1 電極: ステンレス鋼製(冷却ドラム頂点から前方38mmの位置) 直流電圧=7kv 案内板: フッ素樹脂被覆したステンレス鋼製、 傾斜角度θ=25° 比較例1 実施例1において、下記の点を異ならせた以外は同一条
件にして、同じく平均厚みが0.1mmの樹脂シートを
製造した。得られた樹脂シートの厚み精度および生産性
を、表1に示した。
【0042】 冷却ドラム: 回転速度V=45m/分 ダイリップと冷却ドラムとの距離: 15mm 溶融樹脂シート長さ(式に基づく): L=22mm 平均変形速度: ε=57.2sec-1 電極: ステンレス鋼製(冷却ドラム頂点から前方16mmの位置) 直流電圧=7kv 案内板: 設置せず 比較例2 実施例1において、下記の点を異ならせた以外は同一条
件にして、同じく平均厚みが0.1mmの樹脂シートを
製造した。得られた樹脂シートの厚み精度および生産性
を、表1に示した。
【0043】 冷却ドラム: 回転速度V=45m/分 ダイリップと冷却ドラムとの距離: 650mm 溶融樹脂シート長さ(式に基づく): L=650mm 平均変形速度: ε=1.9sec-1 電極: ステンレス鋼製(冷却ドラム頂点から前方113mmの位置) 直流電圧=7kv 案内板: フッ素樹脂被覆したステンレス鋼製、 傾斜角度θ=5° 実施例3 実施例1において、下記の点を異ならせた以外は同一条
件にして、同じく平均厚みが0.1mmの樹脂シートを
製造した。得られた樹脂シートの厚み精度および生産性
を、表1に示した。
【0044】 冷却ドラム: 回転速度V=45m/分 ダイリップと冷却ドラムとの距離: 55mm 溶融樹脂シート長さ(式に基づく): L=68mm 平均変形速度: ε=18.5sec-1 電極: ステンレス鋼製(冷却ドラム頂点から前方40mmの位置) 直流電圧=7kv 案内板: 設置せず 比較例3 実施例1において、下記の点を異ならせた以外は同一条
件にして、同じく平均厚みが0.1mmの樹脂シートを
製造した。得られた樹脂シートの厚み精度および生産性
を、表1に示した。
【0045】 冷却ドラム: 回転速度V=25m/分 ダイリップと冷却ドラムとの距離: 360mm 溶融樹脂シート長さ(式に基づく): L=373mm 平均変形速度: ε=1.9sec-1 電極: ステンレス鋼製(冷却ドラム頂点から前方98mmの位置) 直流電圧=7kv 案内板: フッ素樹脂被覆したステンレス鋼製、 傾斜角度θ=9°
【0046】
【表1】
【0047】
【発明の効果】上述したように本発明の樹脂シートの製
造方法によれば、ダイから冷却ドラム表面で冷却固化さ
れるまでの溶融樹脂シートの平均変形速度εを、2〜5
0sec-1の範囲に制御することにより樹脂シートの厚
みムラを低減し、均一な厚みにすることができる。また
樹脂シートの製造装置によれば、ダイリップの両端部に
配置した案内板を、冷却ドラム表面に垂直な方向に対し
て幅方向内側へ傾斜させたため、溶融樹脂シートのネッ
クイン量を低減させて生産性の一層の向上を図ることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の樹脂シートの製造方法が適用される装
置の要部を示す概略側面図である。
【図2】図1の装置の正面側を示す概略正面図である。
【図3】本発明の装置に使用される案内板を例示し、
(A)は該案内板がストレート状態の時を示す正面図、
(B)は同案内板が傾斜状態の時を示す正面図である。
【図4】本発明に適用する溶融樹脂シートの長さの測定
法を定義する説明図である。
【図5】本発明に適用する案内板の傾斜角度θの測定法
を定義する説明図である。
【符号の説明】
1 ダイ 1a ダイリップ 2 冷却ドラム 3 電極 5 案内板 S 溶融樹脂シート
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岡城 英敏 滋賀県大津市園山1丁目1番1号 東レ株 式会社滋賀事業場内 Fターム(参考) 4F207 AA24 AG01 AJ02 AR08 KA01 KA17 KK63 KK66 KL75 KL84 KM16 KW41

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶融樹脂をダイからシート状に押し出
    し、冷却ドラム上で冷却固化させる樹脂シートの製造方
    法において、前記溶融樹脂シートが前記ダイから前記冷
    却ドラムに接触するまでの間の下記式で定義される平
    均変形速度εを2〜50sec-1の範囲に制御する樹脂
    シートの製造方法。 ε(sec-1)=〔ln(D)〕/〔L/ [{V+(V/D)}/2] 〕 ・・・・ 但し、D:ドラフト比(=ダイリップ間隙/冷却ドラム
    上で冷却固化された樹脂シートの平均厚み) L:ダイリップから冷却ドラムまでの溶融樹脂シートの
    長さ(mm) V:冷却ドラムの回転速度(mm/sec)
  2. 【請求項2】 前記溶融樹脂シートを静電印加法により
    前記冷却ドラムの表面に密着させる請求項1に記載の樹
    脂シートの製造方法。
  3. 【請求項3】 前記溶融樹脂シートをその両縁部を前記
    ダイリップの両端部に配置した案内板に沿わせながら前
    記冷却ドラムの表面に押し出す請求項1又は2に記載の
    樹脂シートの製造方法。
  4. 【請求項4】 前記冷却ドラムで冷却固化された樹脂シ
    ートを一軸方向または二軸方向に延伸する請求項1,2
    または3に記載の樹脂シートの製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかを実施する装置
    であって、前記ダイリップの両端部に溶融樹脂シートの
    縁部を案内する案内板を配置し、該案内板の案内面を前
    記冷却ドラムの表面に垂直な方向に対して幅方向内側へ
    傾斜させた樹脂シートの製造装置。
  6. 【請求項6】 前記案内板の案内面の傾斜角度を可変に
    した請求項5に記載の樹脂シートの製造装置。
  7. 【請求項7】 前記案内板の案内面の前記冷却ドラムの
    表面に垂直な方向に対する傾斜角度θが0〜60°であ
    る請求項5又は6に記載の樹脂シートの製造装置。
  8. 【請求項8】 前記案内板を前記ダイリップの幅方向お
    よび/または厚み方向にスライド可能にした請求項5,
    6又は7に記載の樹脂シートの製造装置。
  9. 【請求項9】 請求項1,2,3または4に記載の製造
    方法若しくは請求項5,6,7又は8に記載の製造装置
    により製造された樹脂シート。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2014028469A (ja) * 2012-07-31 2014-02-13 Mitsui Chemicals Tohcello Inc シート成形方法

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