JP2001158035A - 押出成形ダイおよびフイルムの製造方法 - Google Patents

押出成形ダイおよびフイルムの製造方法

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JP2001158035A
JP2001158035A JP34299999A JP34299999A JP2001158035A JP 2001158035 A JP2001158035 A JP 2001158035A JP 34299999 A JP34299999 A JP 34299999A JP 34299999 A JP34299999 A JP 34299999A JP 2001158035 A JP2001158035 A JP 2001158035A
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opening
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film
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Masahiro Niiguchi
正博 新口
Akira Goto
陽 後藤
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Teijin Ltd
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Teijin Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ダイ端部のリップ開度を任意のフイルム厚み
に対応したテーパー状リップ開度に変更することが可能
なダイであって、しかもオンラインで最適テーパー状リ
ップ開度に微調整できるので、肉薄フイルムの安定した
製造に有用であり、フイルムの生産性向上に寄与でき
る。 【解決手段】 溶融樹脂をシート状に押出成形するダイ
であって、該ダイの少なくとも一方のリップはそれ自身
の変形でリップ開度を変更することができ、かつ該ダイ
のリップ最端部から幅方向の任意の位置までのリップ開
度を変化させることができ、リップ最端部におけるリッ
プ開度Aと、リップ最端部から幅方向の任意の位置にお
けるリップ開度Bが下記式(1)を満足する範囲に設定
変更できることを特徴とする押出成形ダイ。 1≦A/B≦5・・・・・・・・・(1) (式(1)において、Aはダイのリップ最端部における
リップ開度、Bはリップ最端部から任意の位置における
リップ開度を表わし、単位はいずれもmmである。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は押出成形ダイおよび
フイルムの製造法に関し、更に詳しくはダイのリップ端
部のリップ開度を調節可能な押出成形ダイおよびそのダ
イを用いた生産効率の良いフイルムの製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】シートまたはフイルムの押出成形には、
ダイの全幅にわたりリップ開度が均一な、いわゆるフラ
ットダイが従来から用いられている。例えば、シートの
場合は、溶融樹脂をフラットダイからシート状に押出
し、これを回転冷却ドラムで冷却し、固化させてロール
状に巻取ることにより製造される。また、例えばフイル
ムの場合は、溶融樹脂をフラットダイからシート状に押
出し、これを回転冷却ドラムで冷却し、固化させて未延
伸フイルムとし、更に縦方向、横方向に二軸延伸し、得
られた二軸延伸フイルムをロール状に巻取ることにより
製造される。
【0003】近年、従来よりも肉薄のフイルムが要求さ
れているが、肉薄のフィルムをフラットダイで製造しよ
うとすると、縦方向に延伸する工程等でフイルムが破断
する問題が生じ、また横方向に延伸する工程でフィルム
の両端部(『耳部』と言うこともある)の厚みが不足す
るため横延伸に用いるクリップ把持が不充分となり、フ
イルムがクリップからはずれる問題が生じる。このよう
な問題は、例えば肉厚が5μm以下、特に1μm程度の
極薄に二軸延伸フイルムを製造する場合に顕著となる。
また、フイルムの製造速度を従来よりも速くした場合
は、上記の極薄フイルムの製造で特に顕著となり、問題
となっている。
【0004】これらの問題は、フイルムを構成する樹脂
がポリエステルの場合に生じ易く、特にポリエステルが
ポリエチレン−2,6−ナフタレートの場合顕著にな
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、上記
の問題点を解消し、更にシートやフイルムの製造で、樹
脂の種類や特性を変更した場合や、製品の肉厚を変更し
た場合でも1つのダイで対応することができる押出成形
ダイを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記課題を解
決するために研究を重ねた結果、ダイのリップ端部のリ
ップ開度とシートおよびフイルムの製品部分のリップ開
度との相関を特定の範囲とすることにより課題を解決で
きることを見出し本発明に到達した。
【0007】すなわち本発明は、溶融樹脂をシート状に
押出成形するダイであって、該ダイの少なくとも一方の
リップはそれ自身の変形でリップ開度を変更することが
でき、かつ該ダイのリップ最端部から幅方向の任意の位
置までのリップ開度を変化させることができ、リップ最
端部におけるリップ開度Aと、リップ最端部から幅方向
の任意の位置におけるリップ開度Bが下記式(1)を満
足する範囲に設定変更できることを特徴とする押出成形
ダイである。
【0008】
【数4】1≦A/B≦5・・・・・・・・・(1) (式(1)において、Aはダイのリップ最端部における
リップ開度、Bはリップ最端部から任意の位置における
リップ開度を表わし、単位はいずれもmmである。)
【0009】また、本発明は、溶融樹脂をシート状に押
出成形するダイであって、該ダイの少なくとも一方のリ
ップはそれ自身の変形でリップ開度を変更することがで
き、かつ該ダイのリップ最端部から幅方向の任意の位置
までのリップ開度を変化させることができ、リップ最端
部におけるリップ開度Aと、リップ最端部から幅方向の
任意の位置におけるリップ開度Bが下記式(1)を満足
する範囲に設定変更できることを特徴とする押出成形ダ
イを用いてフイルムを製造するに際し、リップ開度Aを
所定の開度に調整することを特徴とするフイルムの製造
法である。
【0010】
【数5】1≦A/B≦5・・・・・・・・・(1) (式(1)において、Aはダイのリップ最端部における
リップ開度、Bはリップ最端部から任意の位置における
リップ開度を表わし、単位はいずれもmmである。)
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
【0012】[リップ開度]本発明における押出成形ダ
イは、少なくとも一方のリップはそれ自身の変形でリッ
プ開度を変更することができ、かつ該ダイのリップ最端
部から幅方向の任意の位置までのリップ開度を変化させ
ることができ、リップ最端部におけるリップ開度Aと、
リップ最端部から幅方向の任意の位置におけるリップ開
度Bが下記式(1)を満足する範囲に設定変更できるも
のである。
【0013】
【数6】1≦A/B≦5・・・・・・・・・(1) (式(1)において、Aはダイのリップ最端部における
リップ開度、Bはリップ最端部から任意の位置における
リップ開度を表わし、単位はいずれもmmである。)
【0014】このリップ最端部におけるリップ開度A
(以下『開度A』と略記することがある。)と、リップ
最端部から幅方向の任意の位置におけるリップ開度B
(以下『開度B』と略記することがある。)は、下記式
(2)および式(3)を満足する範囲であることが、特
に下記式(5)、式(6)および式(7)を満足する範
囲であることが好ましい。
【0015】
【数7】0.2≦B≦4(mm)・・・・・(2) 0≦A−B≦1・・・・・・・・・(3) 1<A/B≦5・・・・・・・・・(5) 0.2<B≦4(mm)・・・・・(6) 0<A−B≦1・・・・・・・・・(7) (式(2)、式(3)、式(4)、式(5)および式
(7)において、Aはダイのリップ最端部におけるリッ
プ開度、Bはリップ最端部から任意の位置におけるリッ
プ開度を表わし、単位はいずれもmmである。)
【0016】開度Aおよび開度Bが上記式(1)の範囲
であると、肉厚が5μm以下の肉薄フイルムを製造する
際に、縦延伸工程等でフイルムが破断する問題を防止す
ることができ、また横延伸工程でフイルムが把持クリッ
プからはずれる問題を防止することができる。
【0017】更に開度Aおよび開度Bが上記式(2)、
式(3)の範囲であると、特に式(5)、式(6)およ
び式(7)の範囲であると、肉厚が3μm以下、特に2
μm以下の極薄な二軸延伸フイルムの製造であっても、
上記のフイルム破断や把持クリップからのはずれを防止
でき、更にフイルムの製造速度を80m/min以上の
高速製膜が可能となるため特に好ましい。また、フイル
ムを構成する樹脂がポリエステルの場合、特にポリエス
テルがポリエチレン−2,6−ナフタレートの場合であ
っても上記の問題を防止することができる。
【0018】尚、本発明における開度Aおよび開度B
は、ダイリップの少なくとも片方において上記式(1)
の相関を満足するものであるが、ダイリップの両方にお
いて上記式(1)の相関を満足するものであることが好
ましい。
【0019】また、本発明における開度Aおよび開度B
は、ダイリップの少なくとも片方において上記式(2)
および式(3)の相関を満足するものであること、特に
式(5)、式(6)および式(7)の相関を満足するも
のであることが好ましく、ダイリップの両方において上
記式(2)および式(3)の相関を、特に式(5)、式
(6)および式(7)の相関を満足するものであること
が好ましい。
【0020】また、本発明において、ダイ端部における
リップ開度は、開度Bから開度Aまで漸増的に変化する
ものであるが、特に直線的(テーパ状)に変化するもの
であることが好ましい。
【0021】[リップ開度の設定変更]本発明における
開度Aの設定変更は、連続製膜の過程でオンラインで実
施することができ、更に、変更時にその開度を確認する
ことができるのでフイルムを効率良く生産することがで
きる。
【0022】また、開度Aを変更する手段は、開度Aが
調節可能な位置に設けられたボルトaによるものである
ことが好ましく、スペーサーaの厚みを変更することに
より調節することができる。また、開度Bの開度変化を
抑制する手段は、リップ最端部から任意の位置に設けら
れたボルトbによるものであることが好ましく、所望の
開度Bまでボルトbを締付けることにより調節すること
ができる。
【0023】[リップ最端部から任意の位置]本発明に
おいて、リップ最端部から幅方向の任意の位置までの距
離(Wt)とリップの全幅方向の長さ(Wo)とは、下
記式(4)を満足する範囲であることが好ましい。
【0024】
【数8】 0.01≦Wo/Wt≦0.15・・・・・・・・(4) (式(4)において、Woはリップ最端部から幅方向の
任意の位置までの距離、Wtリップの全幅方向の長さを
表わし、単位はいずれもmmである。)
【0025】Waが上記の範囲であると、肉薄フイルム
を製造する際に、縦延伸工程等でのフイルムの破断や、
横延伸工程でのフイルムの把持クリップからのはずれを
防止確実に防止することができるので好ましい。
【0026】[フイルムの製造]本発明の押出成形ダイ
を用いてフイルムを製造するには、溶融樹脂を本発明の
押出成形ダイリップから開度Aを所定の開度に調整しな
がらシート状に押出し、これを回転冷却ドラムで冷却
し、固化させて未延伸フイルムとし、更に縦方向、横方
向に二軸延伸し、得られた二軸延伸フイルムをロール状
に巻取ることにより製造することができる。
【0027】フイルムの製造に用いる樹脂は、熱可塑性
樹脂であれば良く、特に熱可塑性ポリエステルであるこ
とが好ましい。熱可塑性ポリエステルの具体例として
は、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンイソフ
タレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ−1,4
−シクロヘキシレンジメチレンテレフタレート、ポリエ
チレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート等を挙
げることがき、これらの中で、ポリエチレンテレフタレ
ート、ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシ
レートが好ましく、特にポリエチレン−2,6−ナフタ
レートが好ましい。
【0028】上記熱可塑性ポリエステルは、実質的に分
子配向性が損なわれない範囲であれば、共重合体であっ
ても良く、ポリエステル同士の混合物であっても良く、
あるいは少割合の他樹脂との混合物であってもよい。
【0029】以下、図面を用いて本発明を更に説明す
る。図1〜図3は、本発明の一つの実施形態を示す押出
成形ダイ断面図であり、図1はダイ中央部の断面図、図
2は開度Bを抑制する手段のボルトbが装着されている
部分の断面図、図3は開度Aを調節する手段のボルトa
が装着されている部分の断面図である。また、図4は、
本発明により設定されたダイリップ開度パターンの様子
を表わした図である。
【0030】図1〜図3の1はダイ本体、2、3はダイ
リップ、4はダイリップ開度、5はダイ突出し部、6は
開度B抑制用ボルトb、7は開度Aを調節する手段のボ
ルトa、8は開度Aを調節する手段および開度Aを確認
する手段のスペーサーa、9はスペーサー押えa、10
は固定用のナットaである。
【0031】本発明において、開度Aの開度設定を変更
する手段としては、ボルトa、スペーサーa、スペーサ
ー押えaおよびナットaからなり、該ボルトaの一端は
リップに締結され、中間部はリップに対向する位置にあ
るダイ突出部を貫通しかつ他端はスペーサーa、スペー
サー押えaおよびナットaによって該突出し部に固定さ
れ、スペーサーaに所定の開度Aに応じた厚みのスペー
サーaを用い、該スペーサーaをスペーサー押えaとこ
れらを貫通する前記ボルトaの他端に取付けたナットa
で固定し、該ナットaをスペーサーaとスペーサー押え
aが接触するまで締付けることでスペーサーaの厚み差
分だけリップを変形させる手段を例示することができ
る。更に、使用するスペーサーaの厚みにより開度Aを
確認することができる。
【0032】本発明において、開度Bの開度を抑制する
手段としては、ボルトbとダイ突出部からなり、該ボル
トbの一端はリップに締結され、中間部はリップに対向
する位置にあるダイ突出部と螺旋にて接続し、かつ他端
はナットbを回転させることができる形状であり、該ナ
ットbを所望の開度Bまで締付けることで開度Bの開度
を抑制する手段を例示することができる。
【0033】リップ開度Aを変更するためには、ナット
a、スペーサー押さえaを緩めて、スペーサーaを変更
したいリップ開度量肉厚のスペーサーa’と交換する。
このとき今まで使用しているスペーサーaの厚みより交
換したスペーサーa’の厚みが厚いとリップ開度Aは広
くなり、一方薄いと開度Aは狭くなる。
【0034】本発明におけるフイルム押出成形ダイは、
さらに製品の幅方向の厚み斑を調整する手段として、製
品部のリップ開度を調製する押し引きボルトをダイの幅
方向に複数設け、製品の幅方向の厚み斑を調整すること
ができる。これにより、極めて短時間に厚みの大きく異
なる、そして幅方向の厚みの均一性の良いシートあるい
はフイルムを作り出すことが可能となる。
【0035】前記の厚み斑を調整する手段としては、前
記の押し引きボルトの他に、ダイ幅方向に複数本設けら
れた手動あるいはモータドライブ方式による調整ボル
ト、ピエゾアクチュエータ、ヒートボルト、油圧あるい
は電動アクチュエータによるリップを変形させるもの、
または加熱装置によって熱可塑性樹脂の温度を昇温また
は降温させ流量を変化させて調整する手段を好ましく挙
げることができる。
【0036】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に説明する。
【0037】[実施例1]図1から図3に示す、ダイ全
幅が1000mm、ダイ最端部から幅方向の任意の位置
がダイ最端部分から75mmの押出成形ダイ(Wo/W
t=0.075)を用いて、ポリエチレン−2,6−ナ
フタレートをシート状に押出した。このシート状物を静
電密着法により回転冷却ドラムに密着させ、急冷固化さ
せて未延伸フイルムとた。更に、未延伸フイルムを縦方
向に4.8倍、横方向に5.0倍延伸して厚みが1.8
μmの2軸延伸フイルムを製造した。その際、図4にお
けるリップ開度Aを1.5mm、リップ開度Bを1.1
mmに設定した(A/B=1.36、A−B=0.
4)。生産速度(二軸延伸フイルムの巻取り速度)を1
10m/minとして72時間連続製膜し、この間延伸
工程でのクリップ把持部での外れやフイルムの破断が発
生すること無く、フイルムの厚み斑も良好であり、安定
して生産することができた。
【0038】[比較例1]図4におけるリップ開度Aを
1.0mm、リップ開度Bを1.1mmに設定(A/B
=0.91、A−B=−0.1)した以外は実施例1と
同じようにして、2軸延伸フイルムの製造を試みた。未
延伸フイルム端部の厚みが不足していたため、製造を開
始してから1時間の間に、横方向延伸工程でのクリップ
把持部での外れや、縦方向延伸工程でのフイルムの破断
が頻発したので製造を中止した。
【0039】[実施例2]図4におけるリップ開度Aを
1.1mm、リップ開度Bを1.1mmに設定(A/B
=1.0、A−B=0.0)した以外は実施例1と同じ
ようにして、2軸延伸フイルムの製造を開始したが、横
方向延伸工程でのクリップ把持部外れの兆候が認められ
たので、製造を継続しながらスペーサーaを交換するこ
とによりリップ開度を1.4mmに変更(A/B=1.
27、A−B=0.3)し、開度を確認した後更に製造
を継続した。リップ開度変更後は、生産速度110m/
minで72時間連続製膜することができた。この間延
伸工程でのクリップ把持部での外れやフイルムの破断が
発生すること無く、フイルムの厚み斑も良好であり、安
定して生産することができた。
【0040】[実施例3]図4におけるリップ開度Aを
2.2mm、リップ開度Bを1.1mmに設定(A/B
=2.0、A−B=1.1)した以外は実施例1と同じ
ようにして、2軸延伸フイルムの製造を開始した。シー
ト状物端部の厚みが厚過ぎるため、静電密着用のワイヤ
ー状電極をシート状物に近付けることの障害となり、ワ
イヤー状電極の位置を実施例1の場合よりも遠い位置に
固定して製造を続けた。このためシート状物の回転冷却
ドラムへの密着が弱く、冷却不足となりフイルムの生産
速度は70m/min迄しか上げられなかった。また、
シート状物の揺れによる厚み斑も顕著となりフイルム品
質に問題が生じた。このため、製造を継続しながらスペ
ーサーaを交換することによりリップ開度を1.6mm
(A/B=1.45、A−B=0.5)に変更し、開度
を確認した後更に製造を継続した。リップ開度変更後
は、生産速度110m/minで72時間連続製膜する
ことができた。この間延伸工程でのクリップ把持部での
外れやフイルムの破断が発生すること無く、フイルムの
厚み斑も良好であり、安定して生産することができた。
【0041】
【発明の効果】本発明の押出成形ダイにより、ダイ最端
部の開度を所定の開度に短時間で正確に設定することが
可能となり、延伸工程でのフイルムの破断や、フィルム
の両端部のクリップ把持がフイルムからはずれる問題を
防止することができる。更にに製品の厚みを変更する場
合に、前記の開度Aおよび開度Bをオンラインで調整す
るすることにより、極めて短時間に厚みの大きく異な
る、そして厚みの均一性の良いシートあるいはフイルム
を1台のダイで作り出すことが可能であり、生産性向上
に大きく寄与できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一つの実施形態を示す押出成形ダイ
の、ダイ幅方向における中央部の断面図
【図2】本発明の一つの実施形態を示す押出成形ダイ
の、ダイ最端部から幅方向の任意の位置に設けられたリ
ップ開度Bの開度変化を抑制するボルトbが装着されて
いる部分の断面図
【図3】本発明の一つの実施形態を示す押出成形ダイ
の、ダイの端部に設けられたリップ開度Aを調節するボ
ルトaが装着されている部分の断面図
【図4】本発明により設定されたダイリップ開度パター
ンの様子を表わした模式図
【符号の説明】
1:ダイ本体 2、3:ダイリップ 4:ダイリップ開度 5:ダイ突出し部 6:開度B抑制用ボルトb 7:開度Aを調節する手段のボルトa 8:スペーサーa 9:スペーサー押えa 10:ナットa

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶融樹脂をシート状に押出成形するダイ
    であって、該ダイの少なくとも一方のリップはそれ自身
    の変形でリップ開度を変更することができ、かつ該ダイ
    のリップ最端部から幅方向の任意の位置までのリップ開
    度を変化させることができ、リップ最端部におけるリッ
    プ開度Aと、リップ最端部から幅方向の任意の位置にお
    けるリップ開度Bが下記式(1)を満足する範囲に設定
    変更できることを特徴とする押出成形ダイ。 【数1】1≦A/B≦5・・・・・・・・・(1) (式(1)において、Aはダイのリップ最端部における
    リップ開度、Bはリップ最端部から任意の位置における
    リップ開度を表わし、単位はいずれもmmである。)
  2. 【請求項2】 リップ最端部におけるリップ開度Aと、
    リップ最端部から幅方向の任意の位置におけるリップ開
    度Bが下記式(2)および式(3)を満足する範囲に設
    定変更できる請求項1に記載の押出成形ダイ。 【数2】0.2≦B≦4(mm)・・・・・(2) 0≦A−B≦1・・・・・・・・・(3) (式(2)および式(3)において、Aはダイのリップ
    最端部におけるリップ開度、Bはリップ最端部から任意
    の位置におけるリップ開度を表わし、単位はいずれもm
    mである。)
  3. 【請求項3】 リップ開度Aをオンラインで設定変更が
    でき、かつ変更時にその開度を確認することができる請
    求項1または2に記載の押出成形ダイ。
  4. 【請求項4】 リップ開度Aを変更する手段が、開度が
    調節可能な位置に設けられたボルトaによるものであ
    り、かつリップ開度Bの開度変化を抑制する手段が、リ
    ップ最端部から任意の位置に設けられたボルトbによる
    ものである請求項1乃至3のいずれかに記載の押出成形
    ダイ。
  5. 【請求項5】 リップ開度Aの開度変化を抑制する手段
    が、ボルトa、スペーサーa、スペーサー押えaおよび
    ナットaからなり、該ボルトaの一端はリップに締結さ
    れ、中間部はリップに対向する位置にあるダイ突出部を
    貫通しかつ他端はスペーサーa、スペーサー押えaおよ
    びナットaによって該突出し部に固定され、スペーサー
    aに所定のリップ開度Aに応じた厚みのスペーサーを用
    い、該スペーサーaをスペーサー押えaとこれらを貫通
    する前記ボルトaの他端に取付けたナットaで固定し、
    該ナットaをスペーサーaとスペーサー押えaが接触す
    るまで締付けることでスペーサーaの厚み差分だけリッ
    プを変形させてリップ開度Aが変更できるようにし、し
    かも使用するスペーサーにより開度を確認することがで
    きることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載
    の押出成形ダイ。
  6. 【請求項6】 リップの全幅方向の長さWtと、リップ
    最端部から幅方向の任意の位置までの距離Woが下記式
    (4)を満足する範囲である請求項1乃至5のいずれか
    に記載の押出成形ダイ。 【数3】 0.01≦Wo/Wt≦0.15・・・・・・・・(4) (式(4)において、Woはリップ最端部から幅方向の
    任意の位置までの距離、Wtリップの全幅方向の長さを
    表わし、単位はいずれもmmである。)
  7. 【請求項7】 請求項1乃至6のいずれかに記載の押出
    成形ダイを用いてフイルムを製造するに際し、リップ開
    度Aを所定の開度に調整することを特徴とするフイルム
    の製造法。
  8. 【請求項8】 フイルムが二軸延伸ポリエチレン−2,
    6−ナフタレートフイルムである請求項7に記載のフイ
    ルムの製造法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105936118A (zh) * 2016-06-30 2016-09-14 重庆浩立塑胶有限公司 发泡材料挤出模口调节装置
CN108501277A (zh) * 2017-10-11 2018-09-07 佛山市恒辉隆机械有限公司 一种智能数据化自动调整模唇开度装置

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN105936118A (zh) * 2016-06-30 2016-09-14 重庆浩立塑胶有限公司 发泡材料挤出模口调节装置
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