JP2001079406A - スポンジ銅系触媒 - Google Patents

スポンジ銅系触媒

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JP2001079406A
JP2001079406A JP25837899A JP25837899A JP2001079406A JP 2001079406 A JP2001079406 A JP 2001079406A JP 25837899 A JP25837899 A JP 25837899A JP 25837899 A JP25837899 A JP 25837899A JP 2001079406 A JP2001079406 A JP 2001079406A
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sponge
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JP25837899A
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Hideji Hirayama
秀二 平山
Satoshi Yamamoto
智 山本
Hideki Sakamura
秀樹 坂村
Manabu Sekimoto
学 関本
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Nikko Rica Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高温、高圧下における水素化等の各種反応に
おいて、高い活性を示し、しかも、簡易な方法で環境を
汚染することなく製造することができ、保存、輸送、取
り扱いに便利なスポンジ銅系触媒を提供する。 【解決手段】 Cu/Al、あるいはCu/Zn/Al
からなる合金粒子を展開、焼成することにより得られ、
アルミニウム酸化物を10〜80重量%含有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水素化等の反応に
用いられるスポンジ銅系触媒に関する。
【0002】
【従来の技術】銅系触媒は、各種有機化合物の水素化、
脱水素、水和反応などの多様な反応に広く用いられてお
り、その種類は多い。銅系触媒のうち、例えば、Cu/
Al二元合金を苛性アルカリ水溶液で展開して得られる
スポンジ銅系触媒は、工業的には150℃以下の比較的
低温で行うニトリルの水和反応などに用いられている。
しかしながら、このスポンジ銅系触媒は、高級脂肪酸エ
ステルから高級アルコールを製造したり、シクロヘキサ
ンジカルボン酸ジアルキル、アジピン酸ジメチル、コハ
ク酸ジメチルなどの有機酸ジエステルから相当するジオ
ール類を製造する場合などのように、200℃以上の高
温で、10MPa以上の高圧を必要とする反応には、活
性が低いため用いられていない。
【0003】このような高温、高圧を必要とする反応に
用いられる銅系触媒としては、従来、銅ークロム酸化物
系触媒(通称、銅クロマイト触媒)が一般に知られてい
る。銅クロマイト触媒は、液相、高温、高圧下で有機化
合物を水素化する場合に優れた活性を示す触媒であっ
て、工業的にも使用されている。しかしながら、銅クロ
マイト触媒は、製造する際に6価クロムイオンを含有す
る廃液が多量に排出されるという環境上の問題がある。
【0004】このため、高温、高圧下で使用することが
でき、クロムを含まず環境にやさしい銅系触媒として、
Cu/Fe/Al系触媒(特公平6−13093号公報
参照)や、Cu/Fe/Zn/Al系触媒(特公平6−
22677号公報参照)が報告されている。しかしなが
ら、これらの触媒は、いずれも担持型や共沈型の触媒で
あり、基本的には、Cu,Fe,Znなどの酸性金属塩
水溶液をアルカリで中和して沈殿させた沈殿粒子からな
る。そして、これらの沈殿粒子は濾過性が悪いため、製
造する際に繁雑な濾過処理を必要とするという処理上の
問題がある。
【0005】また、Cu/Fe/Alや、Cu/Fe/
Zn/Alからなる合金を展開して得た変性スポンジ銅
触媒も報告されている(特開平7−206737号公報
等参照)。しかしながら、これらの変性スポンジ銅触媒
は、銅クロマイト触媒、あるいは前記担持型・共沈型の
Cu/Fe/Al系触媒や、Cu/Fe/Zn/Al系
触媒に比較すると、200℃以上の高温下での反応で
は、銅粒子がシンタリングしやすく、活性及び耐久性の
点で劣るという欠点がある。したがって、これらの変性
スポンジ銅系触媒は、高温、高圧下の反応には不適であ
った。さらに、従来のスポンジ銅触媒、変性スポンジ銅
触媒は、空気中に取り出すと、発火の危険があるとの理
由から水パックして保存、輸送されるが、そのため、活
性が劣化したり、輸送コストがかかり、取り扱いにも不
便であった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明は、高
温、高圧下における水素化等の各種反応において、銅ク
ロマイト触媒、あるいは担持型・共沈型のCu/Fe/
Al系触媒やCu/Fe/Zn/Al系触媒と同等以上
の活性を示し、しかも、簡易な方法で環境を汚染するこ
となく製造することができ、保存、輸送、取り扱いに便
利なスポンジ銅系触媒を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意検討を行ったところ、従来のスポ
ンジ銅系触媒を製造する場合に行う一般的な展開処理、
即ち、40〜80℃の展開温度で、合金中のAlをほと
んど全量溶出するのに必要な苛性アルカリ量(合金中の
Al量に対してモル比で1.8以上)の展開液を使用
し、かつ展開液の苛性アルカリ濃度を20〜30wt%
とする条件下で展開する方法(特開平7−206737
号公報の実施例参照)によれば、得られるスポンジ銅系
触媒中に含まれるAlの量は5wt%以下である点に着
目した。そして、スポンジ銅系触媒中に含まれるAl
は、ほとんどがAl(OH)3の形態で存在しているが、その
ような形態で存在するAlの量が5wt%以下である
と、触媒中のCu粒子の高分散化が不充分となり、高
温、高圧下において、Cu粒子のシンタリングが起り、
それが原因で、銅クロマイト触媒や担持型・共沈型の銅
触媒に比べて、スポンジ銅系触媒の活性が劣ることにな
ると考えた。そこで、本発明者らは、この考えに基づ
き、Cu粒子のシンタリングを防ぎ、活性を高めるため
の研究を行い、本発明を完成するに至った。即ち、本発
明は、Cu/Al、あるいはCu/Zn/Alからなる
合金粒子を展開、焼成することにより得られ、アルミニ
ウム酸化物を10〜80重量%含有することを特徴とす
るスポンジ銅系触媒である。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明のスポンジ銅系触媒の特徴
は、合金粒子を展開すると共に、展開後の合金粒子に焼
成処理を施すことにより得られ、さらに、スポンジ銅系
触媒中のアルミニウム酸化物量を10〜80重量%の範
囲に限定した点にある。本発明は、これらの特徴を有す
ることにより、触媒粒子中のCu粒子の高分散化が充分
に行われるため、高温、高圧下においても、Cu粒子の
シンタリングが起らず、その結果、銅クロマイト触媒や
担持型・共沈型銅触媒に比較して、同等以上の活性を示
すようになる。
【0009】本発明のスポンジ銅系触媒は、Cu/Al
からなる合金粒子あるいはCu/Zn/Alからなる合
金粒子より製造される。Cu/Alからなる合金粒子
は、Alを70〜45%、Cuを30〜55wt%含
み、Cuに対するAlの原子比が2.0以上であるもの
がよい。一方、Cu/Zn/Alからなる合金粒子は、
Znを1〜30wt%、Alを40〜55%、残部をC
uとするものがよい。Cu/Zn/Alからなる合金粒
子を用いた場合、Cu/Alからなる合金粒子を用いた
場合に比べ、得られるスポンジ銅系触媒の活性及び選択
率が向上する。
【0010】上記合金粒子には、さらに助触媒として、
Fe,V,Mn,Mo,Ti,Zr,Mg,Ni,C
o,Cr,Sn及びGaからなる群より選択される1種
又は2種以上の元素を添加することができる。これらの
元素を添加することにより、スポンジ銅系触媒中のアル
ミニウム酸化物とこれら添加元素の酸化物による効果が
相俟って、スポンジ銅系触媒の反応選択性や耐久性が向
上する。Cu/Alからなる合金粒子に上記元素を添加
する場合は、添加元素の合計量が、Cuに対する原子比
で0.01〜0.1の範囲となるようにするのがよく、
Cu/Zn/Alからなる合金粒子に上記元素を添加す
る場合は、添加元素の合計量が、CuとZnの合計量に
対する原子比で0.01〜0.1の範囲となるようにす
るのがよい。添加元素の合計量が、CuあるいはCuと
Znの合計量に対する原子比で0.01より少ないと、
助触媒としての効果が発揮されず、0.1より多いと活
性が阻害される。
【0011】上記合金粒子の形状については、特に限定
はなく、例えば、合金インゴットを破砕して得られる不
規則形状であっても、ガスアトマイズ法、水アトマイズ
法、回転円板遠心噴霧法などにより得られる球形状であ
ってもよい。上記合金粒子の大きさは、中心粒子径が1
0μm以上1mm以下であるのが好ましい。合金粒子の
中心粒子径が1mmより大きいと、展開される合金粒子
の表面積が小さくなり、苛性アルカリの量を合金粒子中
のAl量に対してモル比で1.5以下にしても、実質的
に展開される部分のAl量に対する上記モル比は1.5
を超えてしまうため、活性化されたスポンジ銅系触媒中
のアルミニウム酸化物の含有量が10wt%よりも少な
くなり、触媒活性に対して悪影響を及ぼす。一方、中心
粒子径が10μmよりも小さいと、スポンジ銅系触媒の
反応使用後における沈降性及び濾過性が低下する。
【0012】本発明のスポンジ銅系触媒を製造するに
は、上記合金粒子を展開する。ここで、展開とは、合金
粒子中に存在するAlを溶出させる処理をいう。展開す
る方法は、合金粒子を水に分散させて得たスラリーに、
NaOHやKOHなどの苛性アルカリ水溶液を少量ずつ
滴下していくのがよい。この場合、スラリーにおける合
金量と水の量との関係は、水の量を合金量の5〜20倍
程度とするのがよい。また、苛性アルカリは、実用的に
はNaOHを使用することが好ましい。
【0013】展開する際の苛性アルカリの量は、合金粒
子中のAl量に対してモル比で0.01〜1.5とする
のがよい。また、展開液の苛性アルカリ濃度は15wt
%以下が好ましい。さらに、展開する際の展開温度は3
0〜105℃の範囲がよい。上記のように、苛性アルカ
リの量が合金粒子中のAl量に対してモル比で0.01
〜1.5、苛性アルカリ濃度15wt%以下、展開温度
30〜105℃の範囲で、合金スラリーに苛性アルカリ
水溶液として、例えばNaOHを滴下して展開すると、
従来のように合金粒子中のAlがNaOHと反応してア
ルミン酸ナトリウムとなって溶出するのとは異なり、N
aOHの量が合金中のAl量に対して少ないため、アル
ミン酸ナトリウムは加水分解されて、水酸化アルミニウ
ムとして展開粒子中にAlが残るとともに、NaOHが
再生される。そして、このNaOHが合金としてのAl
を再度展開していくと、 2Al+2NaOH+2H2O → 2NaAlO2+3
2 NaAlO2+2H2O → Al(OH)3+NaOH という反応が繰り返される。その結果、アルミン酸ナト
リウムの加水分解により生じたAl(OH)3を多量に含む展
開粒子が形成されやすくなる。
【0014】また、苛性アルカリ水溶液を用いて展開す
る代わりに、合金粒子を単に水中で加熱して展開して
も、 Al+3H2O → Al(OH)3+3/2H2 の反応が起り、Al(OH)3を多量に含む展開粒子が形成さ
れるが、反応速度が非常に遅く実用的でない。そこで通
常、Al量に対してモル比で0.01以上の苛性アルカリ
を加えるのが望ましい。
【0015】苛性アルカリ水溶液を滴下し展開した後
は、デカンテーション法などにより展開粒子を水洗す
る。こうして合金粒子を展開した後は、得られた展開粒
子を焼成する。展開粒子を空気中で焼成することによ
り、スポンジ銅系触媒の活性が飛躍的に向上する。Al(O
H)3を多量に含む展開粒子は、焼成することにより、展
開粒子中のCuは亜酸化銅(Cu2O)や酸化銅(Cu
O)となり、また、Al(OH)3は焼成温度により脱水の程
度が異なるが、ボーマイト(AlOOH)や不定形の酸
化アルミニウムとなる。この焼成過程により、これらの
銅酸化物とアルミニウム酸化物が複合化し、それにより
Cuが高分散化して、シンタリングが防止されるものと
考えられる。展開粒子の焼成は、100℃以上500℃
以下の温度で行うのがよい。焼成温度が100℃より低
い場合は、銅酸化物とアルミニウム酸化物の複合化の程
度が低くなり、活性が低下する。一方、焼成温度が50
0℃より高い場合は、エネルギーコストが高くなること
に加え、活性面でも優位性が認められない。
【0016】本発明のスポンジ銅系触媒は、アルミニウ
ム酸化物の含有量が10〜80重量%となるように焼成
させる。アルミニウム酸化物の量が10wt%よりも少
ないと、展開後に乾燥して製造された従来のスポンジ銅
系触媒と同様に、スポンジ銅系触媒中のアルミニウム酸
化物の量が少なすぎて、活性金属であるCuの高分散化
の促進やシンタリングを防ぐ役割を発揮することができ
ず、活性が低下する。また、アルミニウム酸化物の量が
80wt%よりも多いと、活性金属であるCuの量が本
質的に少なくなりすぎて、触媒重量当たりの活性が低下
する。
【0017】本発明のスポンジ銅系触媒は、上記の方法
により、実質的に1mm程度以下の粉末として得られ
る。上記スポンジ銅系触媒は、粉末状態のままで使用す
るほか、押出成形や打錠成形して成形体としたり、固定
床触媒等として使用することもできる。
【0018】本発明のスポンジ銅系触媒は、高級脂肪酸
エステルの水素化による高級脂肪族アルコールの製造、
コハク酸ジメチルエステルの水素化による1,4−ブタ
ンジオールや、アジピン酸ジメチルエステルの水素化に
よる1,6−ヘキサンジオールの製造のように有機酸ジ
エステルから相当するジオール類の製造、メタノール分
解による水素と一酸化炭素の製造、メタノールと水によ
る改質反応に好適に用いられる。
【0019】
【実施例】次に、本発明について実施例によりさらに詳
しく説明する。 (実施例1)Cu/Alの組成が50/50(wt%)
からなり、中心粒子径が50μmの合金粒子54gを5
00mlの水に分散させ、スラリーを作製した。このス
ラリーを90℃に昇温後、その温度を保つようにして撹
拌下、40wt%NaOH水溶液10gを少量ずつ滴下
した。その後、90℃で3時間熟成した。展開における
NaOH量は、合金粒子中のAl量に対してモル比で
0.10であり、展開液のNaOH濃度は0.8wt%
であった。その後、展開粒子をデカンテーション方式に
より充分に水洗し、水洗液のpHを10以下とした。こ
の時、展開粒子は速やかに沈降し、作業性は良好であっ
た。この展開粒子を250℃の乾燥器中で焼成し、Cu
/Alよりなる本願発明のスポンジ銅系触媒を得た。こ
の触媒をX線回折、組成分析したところ、合金のCuA
2は検出されず、CuO、Al(OH)3、AlOOHのみで
あり、アルミニウム酸化物は70wt%含まれていた。
【0020】(実施例2)実施例1において、40wt
%NaOH水溶液の使用量を50gとすること(展開に
おけるNaOH量は、合金粒子中のAl量に対してモル
比で0.50、展開液のNaOH濃度は3.5wt%)
と、展開温度を80℃にすること以外は同様にして、C
u/Alよりなる本願発明のスポンジ銅系触媒を得た。
この触媒をX線回折、組成分析したところ、合金のCu
Al2は検出されず、CuOとAlOOHのみであり、
アルミニウム酸化物は55wt%含まれていた。
【0021】(実施例3)実施例1において、40wt
%NaOH水溶液の使用量を100gとすること(展開
におけるNaOH量は、合金粒子中のAl量に対してモ
ル比で1.00、展開液のNaOH濃度は6.8wt
%)と、展開温度を80℃にすること以外は同様にし
て、Cu/Alよりなる本願発明のスポンジ銅系触媒を
得た。この触媒をX線回折、組成分析したところ、合金
のCuAl2は検出されず、CuOとAlOOHのみで
あり、アルミニウム酸化物は45wt%含まれていた。
【0022】(実施例4)実施例1において、40wt
%NaOH水溶液の使用量を150gとすること(展開
におけるNaOH量は、合金粒子中のAl量に対してモ
ル比で1.50、展開液のNaOH濃度は95wt%)
と、展開温度を80℃にすること以外は同様にして、C
u/Alよりなる本願発明のスポンジ銅系触媒を得た。
この触媒をX線回折、組成分析したところ、合金のCu
Al2は検出されず、CuOとAlOOHのみであり、
アルミニウム酸化物は20wt%含まれていた。
【0023】(実施例5)Cu/Zn/Alの組成が4
5/5/50(wt%)、中心粒子径が45μmの合金
粒子100gを1000mlの水に分散させ、スラリー
を調製した。このスラリーを80℃に昇温後、その温度
を保つようにして撹拌下、40wt%NaOH水溶液1
85gを少量ずつ滴下した。その後、80℃で1時間熟
成した。展開におけるNaOH量は、合金粒子中のAl
量に対してモル比で1.00であり、展開液のNaOH
濃度は6.5wt%であった。その後、展開粒子をデカ
ンテーション方式により充分に水洗し、水洗液のpHを
10以下とした。この時、展開粒子は速やかに沈降し、
作業性は良好であった。この展開粒子を300℃の乾燥
器中で乾燥し、Cu/Zn/Alよりなる本願発明のス
ポンジ銅系触媒を得た。この触媒をX線回折、組成分析
したところ、合金のCuAl2は検出されず、CuO、
ZnO、AlOOHのみであり、アルミニウム酸化物は
45wt%含まれていた。
【0024】(実施例6)実施例5において、Cu/Z
n/Alの組成を40/10/50wt%にすること以
外は同様にして、Cu/Zn/Alよりなる本願発明の
スポンジ銅系触媒を得た。この触媒をX線回折、組成分
析したところ、合金のCuAl2は検出されず、Cu
O、ZnO、AlOOHのみであり、アルミニウム酸化
物は48wt%含まれていた。
【0025】(実施例7)実施例5において、Cu/Z
n/Alの組成を40/15/45(wt%)にするこ
と以外は同様にして、Cu/Zn/Alよりなる本願発
明のスポンジ銅系触媒を得た。この触媒をX線回折、組
成分析したところ、合金のCuAl2は検出されず、C
uO、ZnO、AlOOHのみであり、アルミニウム酸
化物は46wt%含まれていた。
【0026】(実施例8)実施例5において、合金組成
をCu/Zn/Fe/Al=40/9/1/50(wt
%)とする以外は同様にして、Cu/Zn/Fe/Al
よりなる本願発明のスポンジ銅系触媒を得た。この触媒
をX線回折、組成分析したところ、合金のCuAl2は検
出されず、CuO、ZnO、AlOOHのみであり、ア
ルミニウム酸化物は50wt%含まれていた。
【0027】(実施例9)実施例5において、Cu/F
e/V/Al=44/3/3/50(wt%)とする以
外は同様にして、Cu/Fe/V/Alよりなる本願発
明のスポンジ銅系触媒を得た。この触媒をX線回折、組
成分析したところ、合金のCuAl2は検出されず、C
uO、ZnO、AlOOHのみであり、アルミニウム酸
化物は50wt%含まれていた。
【0028】(比較例1)粒度が100メッシュ以下
で、組成がCu/Al=50/50(wt%)からなる
合金粒子を水200gに分散させ、スラリーを作製し
た。このスラリーを80℃に昇温した。これに40wt
%NaOH水溶液140gを徐々に加え、Alを展開し
た。展開におけるNaOH量は、合金粒子中のAl量に
対してモル比で1.50、展開液のNaOH濃度は1
6.5wt%であった。この展開粒子を水洗後(水洗液
のpHを10以下)、100℃にて乾燥し、安定化触媒
を得た。この触媒をX線回折、組成分析したところ、C
uOのみを検出し、アルミニウム酸化物は8wt%含ま
れていた。
【0029】(比較例2)20wt%NaOH水溶液7
85gを60℃に加熱し、これに撹拌下、この温度を保
つようにして、Cu/Fe/Al=43.3/3.8/
52.9(wt%)合金粒子(中心粒径47μm)10
0gを少量ずつ加えてAlを展開した。展開におけるN
aOH量は、合金粒子中のAl量に対してモル比で2.
0であった。そして、展開粒子を水洗(水洗液のpHを
10以下)し、水パックされた触媒とした。この触媒を
X線回折、組成分析したところ、Cuのみを検出し、A
lを1.8wt%含んでいた。
【0030】(比較例3)25wt%NaOH水溶液5
50gを70℃に加熱し、これに撹拌下、この温度を保
つようにして、Cu/Zn/Al=40/10/50
(wt%)合金粒子(中心粒径55μm)100gを少
量ずつ加えてAlを展開した。展開におけるNaOH量
は、合金粒子中のAl量に対してモル比で1.85であ
った。そして、展開粒子を水洗(水洗液のpHを10以
下)し、水パックされた触媒とした。この触媒をX線回
折、組成分析したところ、Cu、ZnOのみを検出し、
Alを2.1wt%含んでいた。
【0031】(比較例4)比較例3の触媒を300℃で
乾燥し、安定化触媒とした。この触媒をX線回折、組成
分析したところ、Cu、ZnOのみを検出し、組成分析
ではアルミニウム酸化物を4.5wt%含んでいた。
【0032】[反応試験例]反応基質(原料)として、
シクロヘキサンジカルボン酸ジメチル(CHDC)、アジピ
ン酸ジメチル(AADM)、コハク酸ジメチル(SADM)、ラ
ウリン酸メチル(LAM)の中の1つを選び、その反応基
質を100g、メタノールを100g、及び実施例ある
いは比較例で得た触媒10g又は市販の銅クロマイト触
媒(日揮化学社製 N203SD)若しくは共沈型の酸化銅・
酸化亜鉛触媒(東洋シーシーアイ社製C18-7)10g
を、500mlオートクレーブに仕込み、反応温度22
5℃、水素ゲージ圧力10MPa(水素連続供給方式)
にて6時間反応させた。得られた反応液をガスクロマト
グラフィーにより分析し、その面積(GC面)%から反応
基質の転化率及び目的物の選択率を求めた。なお、反応
液中への溶出金属の分析は原子吸光法により実施した。
結果を表1、2に示した。表1,2より、本発明のスポ
ンジCu系触媒は、転化率及び選択率共に高く、また、
反応液中へのCuなどの金属イオンの溶出量が少ないこ
とがわかる。
【0033】
【表1】
【表2】
【0034】
【発明の効果】本発明のスポンジCu系触媒は、安定化
された乾燥粉末や成形体として提供することができ、従
来のスポンジCu系触媒のように、水パックして保存・
輸送する必要がないため、保存中の活性劣化や輸送コス
トを心配する必要がない。さらに、反応容器への触媒の
仕込みにおいては、従来のスポンジ銅系触媒のように、
水パック品であることによる仕込み難さや、パック水の
反応溶媒への置換などの必要がないため、触媒の取り扱
いにおいては数段優位となる。特に、高級アルコールや
ジオール類の製造においては、従来のスポンジ銅系触媒
(変性スポンジ銅触媒を含む)に比べ数段活性が高く、
市販の銅クロマイト触媒と同等以上の活性を示すことに
加え、市販の銅クロマイト触媒、共沈型あるいは担持型
酸化銅/酸化亜鉛触媒に比べて、反応液中へのCuなど
の金属イオンの溶出量が少なく、反応生成液の後処理の
面において優位である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B22F 1/00 C07C 29/149 3/11 31/20 Z C07C 29/149 B 31/20 31/27 C07B 61/00 300 31/27 C22C 9/01 // C07B 61/00 300 B01J 23/74 301Z C22C 9/01 23/84 301Z (72)発明者 坂村 秀樹 群馬県邑楽郡明和町大佐貫22番地 日興リ カ株式会社内 (72)発明者 関本 学 群馬県邑楽郡明和町大佐貫22番地 日興リ カ株式会社内 Fターム(参考) 4G069 AA02 AA08 BA10A BB02A BB02B BB02C BB04A BB04B BB04C BB05A BB05B BB05C BC16A BC16B BC16C BC17A BC22A BC31A BC31B BC31C BC35A BC35B BC35C BC50A BC51A BC54A BC54B BC54C BC58A BC59A BC60A BC62A BC66A BC66B BC66C BC67A BC68A CB02 DA05 EA01Y 4H006 AC41 BA05 BA06 BA07 BA09 BA10 BA11 BA12 BA14 BA16 BA19 BA20 BA21 BA30 BA81 BB14 BE20 FC22 FE11 FG28 4H039 CA60 CB40 4K018 AA17 AB01 AC04 BA02 BA08 BC09 DA15 KA22 KA70

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Cu/Alからなる合金粒子を展開、焼
    成することにより得られ、アルミニウム酸化物を10〜
    80重量%含有することを特徴とするスポンジ銅系触
    媒。
  2. 【請求項2】 Cu/Zn/Alからなる合金粒子を展
    開、焼成することにより得られ、アルミニウム酸化物を
    10〜80重量%含有することを特徴とするスポンジ銅
    系触媒。
  3. 【請求項3】 合金粒子が、Cu/Alに加えて、F
    e,V,Mn,Mo,Ti,Zr,Mg,Ni,Co,
    Cr,Sn及びGaからなる群より選択される1種又は
    2種以上の元素を含む請求項1記載のスポンジ銅系触
    媒。
  4. 【請求項4】 合金粒子が、Cu/Zn/Alに加え
    て、Fe,V,Mn,Mo,Ti,Zr,Mg,Ni,
    Co,Cr,Sn及びGaからなる群より選択される1
    種又は2種以上の元素を含む請求項2記載のスポンジ銅
    系触媒。
  5. 【請求項5】 苛性アルカリ水溶液を用いて展開する請
    求項1〜4のいずれか1項に記載のスポンジ銅系触媒。
  6. 【請求項6】 苛性アルカリの量が合金粒子中のAl量
    に対してモル比で0.01〜1.5、苛性アルカリ濃度
    が15wt%以下、展開温度が30〜105℃の範囲で
    展開する請求項5記載のスポンジ銅系触媒。
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