JP3159010B2 - α−フェニルエチルアルコールの製造方法 - Google Patents

α−フェニルエチルアルコールの製造方法

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JP3159010B2
JP3159010B2 JP29962295A JP29962295A JP3159010B2 JP 3159010 B2 JP3159010 B2 JP 3159010B2 JP 29962295 A JP29962295 A JP 29962295A JP 29962295 A JP29962295 A JP 29962295A JP 3159010 B2 JP3159010 B2 JP 3159010B2
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acetophenone
phenylethyl alcohol
ethylbenzene
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真哉 伊藤
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、α−フェニルエチ
ルアルコールの製造方法に関するものである。更に詳し
くは、本発明は、アセトフェノンを水添してα−フェニ
ルエチルアルコールを製造する方法であって、多量の酸
化クロムを含有しない、より安全で活性の高い触媒を用
い、原料であるアセトフェノンの水素化分解を起こしに
くく、副生物のエチルベンゼン生成が少なく、よって目
的物であるα−フェニルエチルアルコールへの選択率が
高いという特徴を有するα−フェニルエチルアルコール
の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】α−フェニルエチルアルコールはスチレ
ンの原料として有用であり、アセトフェノンの水添によ
って得られることもよく知られている。例えば、特公昭
59−27216号公報には、バリウム、亜鉛、マグネ
シウムを含有する銅−クロマイト触媒を用いてアセトフ
ェノンを水添する方法が記載されている。しかしなが
ら、従来知られている方法では、水添触媒に多量の酸化
クロムが含まれており、取扱い時の安全衛生上の問題が
あり、また触媒の活性も低く、更に副生するエチルベン
ゼンの量が多く、α−フェニルエチルアルコールの収率
が低下するという問題点があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】かかる状況の下、本発
明が解決しようとする課題は、アセトフェノンを水添し
てα−フェニルエチルアルコールを製造する方法であっ
て、多量の酸化クロムを含有しない、より安全で活性の
高い触媒を用い、原料であるアセトフェノンの水素化分
解を起こしにくく、副生物のエチルベンゼン生成が少な
く、よって目的物であるα−フェニルエチルアルコール
への選択率が高いという特徴を有するα−フェニルエチ
ルアルコールの製造方法を提供する点に存するものであ
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、アセ
トフェノンを水添してα−フェニルエチルアルコールを
製造するにあたり、触媒として、アルカリ金属化合物及
び/又はアルカリ土類金属の炭酸塩を含有する銅系触媒
を使用することを特徴とするα−フェニルエチルアルコ
ールの製造方法に係るものである。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明において用いられる触媒
は、アルカリ金属化合物及び/又はアルカリ土類金属の
炭酸塩を含有する銅系触媒である。
【0006】アルカリ金属化合物としてはアルカリ金属
の炭酸塩、硝酸塩、水酸化物、炭酸水素塩などがあげら
れる。ここでアルカリ金属としては、リチウム、ナトリ
ウム、カリウム、ルビジウム、セシウムなどがあげられ
る。好ましくは、ナトリウムまたはカリウムの炭酸塩、
硝酸塩、炭酸水素塩である。さらに好ましくは、ナトリ
ウムまたはカリウムの炭酸塩又は硝酸塩である。本発明
においては、アルカリ金属化合物のうちの一種を単独で
用いてもよく、その二種以上を併用してもよい。
【0007】アルカリ土類金属の炭酸塩としては、例え
ばマグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウ
ムなどの炭酸塩があげられる。好ましくは、ストロンチ
ウム、カルシウム、バリウムである。さらに好ましくは
ストロンチウムである。本発明においては、アルカリ土
類金属の炭酸塩のうちの一種を単独で用いてもよく、そ
の二種以上を併用してもよい。
【0008】本発明の銅系触媒とは、少なくとも銅を含
有する触媒の意味であり、銅の他にクロム、マンガン、
アルミニウム、コバルト、亜鉛、ルテニウム、鉄、ジル
コニウムなどの化合物を、銅に対して10重量%以下の
範囲で含有することができる。
【0009】本発明の触媒に含有されるアルカリ金属化
合物の含有比率は、還元前の触媒重量に対してアルカリ
金属換算で0.01〜10重量%、好ましくは0.01
〜5重量%である。この範囲でアルカリ金属化合物を含
有させることにより、触媒の活性を増加させ、水素化分
解を抑制することができる。
【0010】また、本発明の触媒に含有されるアルカリ
土類金属の炭酸塩と銅金属の比率は、重量比で0.1/
99.9〜50/50、好ましくは0.1/99.9〜
25/75である。アルカリ土類金属の炭酸塩の量が過
小であると触媒の活性が低く、かつ水素化分解を抑制す
る効果が低くなる場合があり、一方該量が過多な場合は
触媒の水添活性が低くなる場合がある。
【0011】本発明の触媒は、担体に担持させた形態で
使用してもよく、あるいは担体を用いない形態で使用し
てもよい。
【0012】担体を用いる場合の担体成分としては、シ
リカ、アルミナ、チタニア、ケイソウ土などの金属酸化
物、金属複合酸化物などがあげられる。中でもシリカ、
ケイソウ土が好ましく用いられる。担体を用いる場合、
銅金属と担体との重量比は、通常20/80〜90/1
0である。
【0013】本発明の触媒は、たとえば共沈法、沈澱
法、混合法などにより製造し得るが、好ましくは共沈法
である。以下、触媒の代表例として、アルカリ金属化合
物及びアルカリ土類金属の炭酸塩を含有する銅系シリカ
担持触媒の製造法について説明する。
【0014】共沈法としては、たとえば銅塩とアルカリ
土類金属の塩の混合溶液にアルカリ金属の炭酸塩、炭酸
アンモニウムなどのアルカリの溶液を加えて、共沈物を
生成せしめ、これを濾過、洗浄した後、シリカ担体と混
合し、乾燥、焼成、水素還元することにより製造する方
法があげられる。アルカリ金属化合物は、たとえば焼成
後の触媒にアルカリ金属化合物の水溶液を混合した後、
乾燥することなどで加えることができる。ここでアルカ
リの溶液がアルカリ金属化合物の溶液である場合は、濾
過後の洗浄などを調節することによりアルカリ金属化合
物を残存せしめ、これを乾燥、焼成、水素還元すること
により製造することもできる。上記の銅塩としては、た
とえば硝酸塩、硫酸塩、ハロゲン化物、有機酸塩などが
あげられる。アルカリ土類金属の塩としては、アルカリ
土類金属の硝酸塩、塩化物などがあげられる。またアル
カリとしては、たとえばアルカリ金属の炭酸塩、水酸化
物、炭酸水素塩、炭酸アンモニウムなどがあげられる。
アルカリ金属化合物としてはアルカリ金属の炭酸塩、硝
酸塩、水酸化物、炭酸水素塩、有機酸塩などがあげられ
る。ここで、アルカリ金属としては、リチウム、ナトリ
ウム、カリウム、ルビジウム、セシウムなどがあげられ
る。これらのアルカリ、アルカリ金属化合物は、水溶
液、メタノールなどの有機溶媒の溶液またはこれらの混
合溶液として通常使用される。沈澱を生成せしめる温度
は通常室温〜100℃の範囲である。また焼成は、空気
中、300〜500℃下、30分〜10時間程度が通常
であり、水素還元は、100〜500℃下、30分〜2
0時間程度が通常である。
【0015】沈澱法としては、たとえば、銅塩を溶解せ
しめた溶液に、アルカリ土類金属の炭酸塩とシリカ担体
とを懸濁させ、次いでアルカリの溶液を加えて、銅をア
ルカリ土類金属の炭酸塩及びシリカ担体に沈澱担持せし
めた後、濾過、洗浄、乾燥、焼成、水素還元することに
より製造する方法があげられる。アルカリ金属化合物
は、たとえば焼成後の触媒にアルカリ金属化合物の水溶
液を混合した後、乾燥することなどで加えることができ
る。ここでアルカリの溶液がアルカリ金属化合物の溶液
である場合は、濾過後の洗浄などを調節することにより
アルカリ金属化合物を残存せしめ、これを乾燥、焼成、
水素還元することにより製造することもできる。銅塩と
しては、前記と同様の塩、錯化合物があげられる。また
アルカリ、アルカリ金属化合物などは前記と同様のもの
があげられる。沈澱を生成せしめる条件、焼成、水素還
元などの条件は、通常前記方法と同じである。
【0016】混合法としてはたとえば銅塩の溶液にアル
カリの溶液を加えて沈澱を生成せしめ、次いでこれにア
ルカリ土類金属の炭酸塩及びシリカ担体を加えて混合し
た後、濾過、洗浄、乾燥、焼成、水素還元することによ
り製造する方法があげられる。アルカリ金属化合物は、
たとえば焼成後の触媒にアルカリ金属化合物の水溶液を
混合した後、乾燥することなどで加えることができる。
ここでアルカリの溶液がアルカリ金属化合物の溶液であ
る場合は、濾過後の洗浄などを調節することによりアル
カリ金属化合物を残存せしめ、これを乾燥、焼成、水素
還元することにより製造することもできる。銅塩として
は、前記と同様の塩、錯化合物があげられる。またアル
カリ、アルカリ金属化合物などは前記と同様のものがあ
げられる。沈澱を生成せしめる条件、焼成、水素還元な
どの条件は、通常前記方法と同じである。
【0017】また、本発明に使用される触媒は、触媒成
形時に使用するグラファイトなどの滑剤も使用し得る。
【0018】また、バインダーを使用することもでき
る。バインダーとしては有機バインダー、無機バインダ
ーがあげられるが、無機バインダーとしてはシリカゾル
などがあげられる。
【0019】本発明は、上記のとおりの特定の銅系触媒
を用いて、アセトフェノンを水添して、α−フェニルエ
チルアルコールを製造するものである。アセトフェノン
は、他の化合物を含んでいる場合でも、また他の化合物
に含まれている場合でもよく、その含有されている状態
に制限されるものではない。
【0020】アセトフェノンを水添するにあたり、反応
方式は、バッチ方式、流通方式いずれも採用し得る。流
通方式を採用する場合は、通常、固定床液相流通方式が
採用され、アップフロー式、ダウンフロー式いずれでも
実施し得る。
【0021】反応温度は通常0〜200℃、好ましくは
50〜200℃である。反応圧力は、通常、5〜100
気圧程度である。
【0022】また触媒の使用量は、バッチ式の場合は、
被還元物に対して、通常0.001〜0.5重量倍であ
り、反応時間は通常30分〜10時間程度である。また
流通式の場合の被還元物溶液の供給速度は、LHSVで
通常0.05〜10h-1程度、好ましくは0.1〜5h
-1程度である。反応は、溶媒の共存下でも実施し得る。
かかる溶媒としては、メタノール、エタノール、プロパ
ノール、エチレングリコール、エチレングリコールモノ
メチルエーテル、α−フェニルエチルアルコール、など
のアルコール類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラ
ン、ジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテル
などのエーテル類、ヘキサン、ヘプタン、トルエン、エ
チルベンゼンなどの炭化水素類、これらの混合溶媒など
があげられる。溶媒を使用する場合の使用量は、被還元
物に対して通常0.5〜10重量倍である。
【0023】使用する水素量は、バッチ方式の場合は、
反応圧に規制され通常100気圧以下であり、流通方式
の場合は、被還元物に対して、理論量の1〜30モル倍
供給するのが通常である。
【0024】
【実施例】以下、実施例に基づいて、本発明をより詳細
に説明するが、本発明はこれらのみに限定されるもので
はない。
【0025】触媒調製例1 水400mlに硝酸銅3水和物48.32g、硝酸スト
ロンチウム0.91gを溶解した後、これを50℃まで
昇温した。次いで、撹拌下、これに炭酸ナトリウム3
6.81gと水200mlからなる溶液を1時間かけて
滴下した後、同温度で2時間撹拌を続けた。生成した沈
澱を濾別した後、50℃の温水1000mlで8回洗浄
した。次いで、50℃の温水1000mlにアエロジル
シリカ16.80gを懸濁させた液を加え、20分間撹
拌した後、混合物を濾過した。60℃で乾燥、粉砕する
ことにより茶褐色固体36.69gを得た。これを空気
中、350℃で5時間加熱後、室温まで冷却して34.
56gの黒色固体を得た。次いで、これを水素気流下、
180℃で5時間加熱することにより、銅系触媒Aを得
た。分析の結果、該触媒の銅金属と炭酸ストロンチウム
の重量比は99.1/0.9であり、アルカリ金属の含
量は水素還元前の触媒重量に対して0.03wt%であ
った。
【0026】触媒調製例2 触媒調製例1において、空気中で加熱後得られた黒色固
体5.0gに炭酸ナトリウム0.0250gと水40m
lからなる溶液を加えた後、ロータリーエバポレーター
で水を留去して、炭酸ナトリウムを含浸担持した以外は
触媒調製例1に準拠して実施することにより銅系触媒B
を得た。分析の結果、該触媒の銅金属と炭酸ストロンチ
ウムの重量比は99.1/0.9であり、アルカリ金属
の含量は水素還元前の触媒重量に対して0.24wt%
であった。
【0027】触媒調製例3 触媒調製例1において、使用した硝酸銅3水和物を4
3.49g、硝酸ストロンチウムを1.82g、炭酸ナ
トリウムを34.00gとした以外は触媒調製例1に準
拠して実施することにより、銅系触媒Cを得た。分析の
結果、該触媒の銅金属と炭酸ストロンチウムの重量比は
94.4/5.6であり、アルカリ金属の含量は水素還
元前の触媒重量に対して0.02wt%であった。
【0028】触媒調製例4 触媒調製例3において、空気中で加熱後得られた黒色固
体5.0gに炭酸ナトリウム0.0253gと水40m
lからなる溶液を加えた後、ロータリーエバポレーター
で水を留去して、炭酸ナトリウムを含浸担持した以外は
触媒調製例3に準拠して実施することにより銅系触媒D
を得た。分析の結果、該触媒の銅金属と炭酸ストロンチ
ウムの重量比は94.0/6.0であり、アルカリ金属
の含量は水素還元前の触媒重量に対して0.24wt%
であった。
【0029】触媒調製例5 触媒調製例1において、使用した硝酸銅3水和物を3
8.66g、硝酸ストロンチウムを3.64g、炭酸ナ
トリウムを31.90gとした以外は触媒調製例1に準
拠して実施することにより、銅系触媒Eを得た。分析の
結果、該触媒の銅金属と炭酸ストロンチウムの重量比は
86.8/13.2であり、アルカリ金属の含量は水素
還元前の触媒重量に対して0.02wt%であった。
【0030】触媒調製例6 触媒調製例5において、空気中で加熱後得られた黒色固
体5.0gに炭酸ナトリウム0.0245gと水40m
lからなる溶液を加えた後、ロータリーエバポレーター
で水を留去して、炭酸ナトリウムを含浸担持した以外は
触媒調製例5に準拠して実施することにより銅系触媒F
を得た。分析の結果、該触媒の銅金属と炭酸ストロンチ
ウムの重量比は86.8/13.2であり、アルカリ金
属の含量は水素還元前の触媒重量に対して0.23wt
%であった。
【0031】触媒調製例7 水400mlに硝酸銅3水和物48.32gを溶解した
後、これを50℃まで昇温した。次いで、撹拌下、これ
に炭酸ナトリウム36.04gと水200mlからなる
溶液を1時間かけて滴下した後、同温度で2時間撹拌を
続けた。生成した沈澱を濾別した後、50℃の温水10
00mlで8回洗浄した。次いで、50℃の温水100
0mlにアエロジルシリカ16.00gを懸濁させた液
を加え、20分間撹拌した後、混合物を濾過した。60
℃で乾燥、粉砕することにより茶褐色固体35.97g
を得た。これを空気中、350℃で5時間加熱後、室温
まで冷却して33.83gの黒色固体を得た。次いで、
これを水素気流下、180℃で5時間加熱することによ
り、銅系触媒Gを得た。分析の結果、該触媒のアルカリ
金属の含量は水素還元前の触媒重量に対して0.02w
t%であった。
【0032】触媒調製例8 触媒調製例7において、空気中で加熱後得られた黒色固
体5.0gに炭酸ナトリウム0.0130gと水40m
lからなる溶液を加えた後、ロータリーエバポレーター
で水を留去して、炭酸ナトリウムを含浸担持した以外は
触媒調製例7に準拠して実施することにより銅系触媒H
を得た。分析の結果、該触媒のアルカリ金属の含量は水
素還元前の触媒重量に対して0.14wt%であった。
【0033】触媒調製例9 触媒調製例8において、含浸担持に使用する炭酸ナトリ
ウムを0.0265gとした以外は、触媒調製例8に準
拠して実施することにより、銅系触媒Iを得た。分析の
結果、該触媒のアルカリ金属の含量は水素還元前の触媒
重量に対して0.24wt%であった。
【0034】触媒調製例10 触媒調製例8において、含浸担持に使用する炭酸ナトリ
ウムを0.0510gとした以外は、触媒調製例8に準
拠して実施することにより、銅系触媒Jを得た。分析の
結果、該触媒のアルカリ金属の含量は水素還元前の触媒
重量に対して0.45wt%であった。
【0035】触媒調製例11 触媒調製例8において、含浸担持に使用する炭酸ナトリ
ウムを0.1031gとした以外は、触媒調製例8に準
拠して実施することにより、銅系触媒Kを得た。分析の
結果、該触媒のアルカリ金属の含量は水素還元前の触媒
重量に対して0.96wt%であった。
【0036】触媒調製例12 触媒調製例8において、炭酸ナトリウムの代わりに炭酸
カリウム0.0128gを含浸担持した以外は、触媒調
製例8に準拠して実施することにより、銅系触媒Lを得
た。分析の結果、該触媒のアルカリ金属の含量の和は水
素還元前の触媒重量に対して0.15wt%であった。
【0037】触媒調製例13 水400mlに硝酸銅3水和物48.32g、硝酸バリ
ウム0.89gを溶解した後、これを50℃まで昇温し
た。次いで、撹拌下、これに炭酸ナトリウム36.65
gと水200mlからなる溶液を1時間かけて滴下した
後、同温度で2時間撹拌を続けた。生成した沈澱を濾別
した後、50℃の温水1000mlで8回洗浄した。次
いで、50℃の温水1000mlにアエロジルシリカ1
6.80gを懸濁させた液を加え、20分間撹拌した
後、混合物を濾過した。60℃で乾燥、粉砕することに
より茶褐色固体35.69gを得た。これを空気中、3
50℃で5時間加熱後、室温まで冷却して32.10g
の黒色固体を得た。このもの5.0gに炭酸ナトリウム
0.0249gと水40mlからなる溶液を加えた後、
ロータリーエバポレーターで水を留去して、炭酸ナトリ
ウムを含浸担持した。次いで、これを水素気流下、18
0℃で5時間加熱することにより、銅系触媒Mを得た。
分析の結果、該触媒の銅金属と炭酸バリウムの重量比は
99.7/0.3であり、アルカリ金属の含量は水素還
元前の触媒重量に対して0.20wt%であった。
【0038】触媒調製例14 触媒調製例13において、硝酸バリウムの代わりに硝酸
カルシウム4水和物1.58gを用い、含浸担持する炭
酸ナトリウムを0.0252gとした以外は触媒調製例
12に準拠して実施する事により銅系触媒Nを得た。分
析の結果、該触媒の銅金属と炭酸カルシウムの重量比は
99.2/0.8であり、アルカリ金属の含量は水素還
元前の触媒重量に対して0.20wt%であった。
【0039】触媒調製例15 水200mlにケイソウ土12.8gを懸濁させた後、
これに水200mlに硝酸銅3水和物48.3gを溶解
した液を加え50℃まで昇温した。次いで、撹拌下、こ
れに炭酸ナトリウム22.8gと水200mlからなる
溶液を2時間かけて滴下した後、同温度で1時間撹拌を
続けた。生成した沈澱を濾別した後、500mlの45
℃の温水で3回洗浄した。これに、炭酸ナトリウム1.
27gと水200mlからなる溶液を加え、撹拌後、ロ
ータリーエバポレーターで水を留去した後、60℃で乾
燥、粉砕することにより暗灰色固体を得た。このもの3
5.1gを空気中、350℃で5時間加熱後、室温まで
冷却して29.9gの黒色固体を得た。次いで、これを
水素気流下、190℃で1.5時間、195℃で1時間
加熱することにより、銅系触媒Oを得た。
【0040】触媒調製例16 水350mlに硝酸銅3水和物43.5g、硝酸マグネ
シウム6水和物5.1gを溶解した後、これにアロジル
シリカ15.9gを懸濁させて50℃まで昇温した。次
いで、撹拌下、これに炭酸ナトリウム21.5gと水2
00mlからなる溶液を2時間かけて滴下した後、同温
度で1時間撹拌を続けた。生成した沈澱を濾別した後、
500mlの50℃の温水で3回洗浄した。60℃で乾
燥、粉砕することにより淡青色固体を得た。このもの4
7gを空気中、350℃で1時間加熱後、室温まで冷却
して40.0gの黒色固体を得た。次いで、これを水素
気流下、200℃で3時間加熱することにより、銅系触
媒Pを得た。該触媒の銅金属と炭酸マグネシウムとの重
量比は87.2/12.8であった。
【0041】触媒調製例17 水210mlに硝酸銅3水和物10.9g、硝酸ストロ
ンチウム1.06gを溶解した後、これにアロジルシリ
カ4.1gを25℃で懸濁させた。次いで、撹拌下、こ
れに炭酸ナトリウム5.6gと水60mlからなる溶液
を1時間かけて滴下した後、同温度で1.5時間撹拌を
続けた。生成した沈澱を濾別した後、400mlの25
℃の温水で4回洗浄した。60℃で乾燥、粉砕すること
により淡青色固体を得た。このものを空気中、350℃
で5時間加熱後、室温まで冷却して黒色固体を得た。次
いで、これを水素気流下、200℃で3時間加熱するこ
とにより、銅系触媒Qを得た。該触媒の銅金属と炭酸ス
トロンチウムの重量比は79.5/20.5であった。
【0042】触媒調製例18 水400mlに硝酸銅3水和物48.32gを溶解した
後、これを50℃まで昇温した。次いで、撹拌下、これ
に25wt%アンモニア水溶液46.3mlを45分か
けて滴下した後、同温度で4時間撹拌を続けた。アエロ
ジルシリカ16.0gを加え20分間撹拌を続けた後、
ロータリーエバポレーターでアンモニア水溶液を留去し
た。乾燥後、粉砕して茶褐色固体65.52gを得た。
これを空気中、350℃で5時間加熱後、室温まで冷却
して29.25gの黒色固体を得た。次いで、これを水
素気流下、180℃で5時間加熱することにより、アル
カリ金属、アルカリ土類金属を含有しない銅系触媒Rを
得た。
【0043】触媒調製例19 触媒調製例16において、硝酸銅3水和物48.2gを
使用し、硝酸マグネシウム6水和物を使用しない以外は
触媒調製例16に準拠して実施することにより、アルカ
リ土類金属を含有しない銅系触媒Sを得た。
【0044】触媒調製例20 水200mlにケイソウ土12.7gを懸濁させた後、
これに水200mlに硝酸銅3水和物48.4gを溶解
した液を加えて撹拌し、50℃まで昇温した。次いで、
撹拌下、これに炭酸アンモニウム13.6gと水200
mlからなる溶液を2時間かけて滴下した後、同温度で
1時間撹拌を続けた。生成した沈澱をロータリーエバポ
レーターで60℃で乾燥、粉砕することにより淡青色固
体を得た。このもの61.7gを空気中、350℃で1
時間加熱後、室温まで冷却して28.9gの黒色固体を
得た。次いで、これを水素気流下、180℃で1時間加
熱することにより、銅系触媒Tを得た。
【0045】触媒調製例21 触媒調製例8において、炭酸ナトリウムの代わりに硝酸
ナトリウム0.0127gを含浸担持した以外は、触媒
調製例8に準拠して実施することにより、銅系触媒Uを
得た。分析の結果、該触媒のアルカリ金属の含量は水素
還元前の触媒重量に対して0.09wt%であった。
【0046】実施例1 銅系触媒A0.3gを磁気撹拌器付ステンレスオートク
レーブ150mlに窒素中でいれ、ふたをした。次い
で、アセトフェノン50.0gを入れ、水素を10kg
/cm2 で供給した。アセトフェノンには0.33%の
不純物が含まれていた。オートクレーブをオイルバスに
つけ、1150r.p.mで撹拌しながら加熱し反応を
行った。オイルバスの温度は180℃であった。(水素
供給開始46.8分後、反応を終了し、室温まで冷却し
た。)。反応終了後、オートクレーブを開け、サンプリ
ングを行いガスクロマトグラフィーで分析した。反応液
中のアセトフェノンは22.87wt%であり、α−フ
ェニルエチルアルコールは75.36wt%であり、エ
チルベンゼンは1.15wt%であった。また、アセト
フェノンの転化率は77.05%であり、α−フェニル
エチルアルコールの選択率は96.52%であり、エチ
ルベンゼンの選択率は1.70%であった。触媒1.0
gの単位時間当たりのアセトフェノン水添活性は、1.
37mol/g・時であった。
【0047】実施例2 実施例1において、銅系触媒Aの代わりに銅系触媒Bを
用い、水素供給開始後55.8分後に反応を停止した以
外は実施例1に準拠して実施した。反応液中のアセトフ
ェノンは23.10wt%であり、α−フェニルエチル
アルコールは75.62wt%であり、エチルベンゼン
は0.608wt%であった。また、アセトフェノンの
転化率は76.82%であり、α−フェニルエチルアル
コールの選択率は97.14%であり、エチルベンゼン
の選択率は0.90%であった。触媒1.0gの単位時
間当たりのアセトフェノン水添活性は、1.14mol
/g・時であった。
【0048】実施例3 実施例1において、銅系触媒Aの代わりに銅系触媒Cを
用い、水素供給開始後54.1分後に反応を停止した以
外は実施例1に準拠して実施した。反応液中のアセトフ
ェノンは23.42wt%であり、α−フェニルエチル
アルコールは74.71wt%であり、エチルベンゼン
は1.18wt%であった。また、アセトフェノンの転
化率は76.50%であり、α−フェニルエチルアルコ
ールの選択率は96.38%であり、エチルベンゼンの
選択率は1.75%であった。触媒1.0gの単位時間
当たりのアセトフェノン水添活性は、1.17mol/
g・時であった。
【0049】実施例4 実施例1において、銅系触媒Aの代わりに銅系触媒Dを
用い、水素供給開始後62.0分後に反応を停止した以
外は実施例1に準拠して実施した。反応液中のアセトフ
ェノンは23.33wt%であり、α−フェニルエチル
アルコールは75.50wt%であり、エチルベンゼン
は0.75wt%であった。また、アセトフェノンの転
化率は76.60%であり、α−フェニルエチルアルコ
ールの選択率は97.28%であり、エチルベンゼンの
選択率は0.75%であった。触媒1.0gの単位時間
当たりのアセトフェノン水添活性は、1.05mol/
g・時であった。
【0050】実施例5 実施例1において、銅系触媒Aの代わりに銅系触媒Eを
用い、水素供給開始後61.5分後に反応を停止した以
外は実施例1に準拠して実施した。反応液中のアセトフ
ェノンは24.32wt%であり、α−フェニルエチル
アルコールは73.94wt%であり、エチルベンゼン
は1.06wt%であった。また、アセトフェノンの転
化率は75.60%であり、α−フェニルエチルアルコ
ールの選択率は96.52%であり、エチルベンゼンの
選択率は1.59%であった。触媒1.0gの単位時間
当たりのアセトフェノン水添活性は、1.02mol/
g・時であった。
【0051】実施例6 実施例1において、銅系触媒Aの代わりに銅系触媒Fを
用い、水素供給開始後72.0分後に反応を停止した以
外は実施例1に準拠して実施した。反応液中のアセトフ
ェノンは23.08wt%であり、α−フェニルエチル
アルコールは75.74wt%であり、エチルベンゼン
は0.54wt%であった。また、アセトフェノンの転
化率は76.85%であり、α−フェニルエチルアルコ
ールの選択率は97.27%であり、エチルベンゼンの
選択率は0.80%であった。触媒1.0gの単位時間
当たりのアセトフェノン水添活性は、0.87mol/
g・時であった。
【0052】実施例7 実施例1において、銅系触媒Aの代わりに銅系触媒Gを
用い、水素供給開始後52.5分後に反応を停止した以
外は実施例1に準拠して実施した。反応液中のアセトフ
ェノンは25.75wt%であり、α−フェニルエチル
アルコールは72.46wt%であり、エチルベンゼン
は1.10wt%であった。また、アセトフェノンの転
化率は74.17%であり、α−フェニルエチルアルコ
ールの選択率は96.41%であり、エチルベンゼンの
選択率は1.68%であった。触媒1.0gの単位時間
当たりのアセトフェノン水添活性は、1.17mol/
g・時であった。
【0053】実施例8 実施例1において、銅系触媒Aの代わりに銅系触媒Hを
用い、水素供給開始後58.9分後に反応を停止した以
外は実施例1に準拠して実施した。反応液中のアセトフ
ェノンは23.04wt%であり、α−フェニルエチル
アルコールは75.63wt%であり、エチルベンゼン
は0.61wt%であった。また、アセトフェノンの転
化率は76.88%であり、α−フェニルエチルアルコ
ールの選択率は97.08%であり、エチルベンゼンの
選択率は0.90%であった。触媒1.0gの単位時間
当たりのアセトフェノン水添活性は、1.08mol/
g・時であった。
【0054】実施例9 実施例1において、銅系触媒Aの代わりに銅系触媒Iを
用い、水素供給開始後61.5分後に反応を停止した以
外は実施例1に準拠して実施した。反応液中のアセトフ
ェノンは25.96wt%であり、α−フェニルエチル
アルコールは72.90wt%であり、エチルベンゼン
は0.49wt%であった。また、アセトフェノンの転
化率は73.96%であり、α−フェニルエチルアルコ
ールの選択率は97.28%であり、エチルベンゼンの
選択率は0.74%であった。触媒1.0gの単位時間
当たりのアセトフェノン水添活性は、0.99mol/
g・時であった。
【0055】実施例10 実施例1において、銅系触媒Aの代わりに銅系触媒Jを
用い、水素供給開始後80.5分後に反応を停止した以
外は実施例1に準拠して実施した。反応液中のアセトフ
ェノンは20.20wt%であり、α−フェニルエチル
アルコールは78.80wt%であり、エチルベンゼン
は0.64wt%であった。また、アセトフェノンの転
化率は79.74%であり、α−フェニルエチルアルコ
ールの選択率は97.53%であり、エチルベンゼンの
選択率は0.66%であった。触媒1.0gの単位時間
当たりのアセトフェノン水添活性は、0.82mol/
g・時であった。
【0056】実施例11 実施例1において、銅系触媒Aの代わりに銅系触媒Kを
用い、水素供給開始後97.5分後に反応を停止した以
外は実施例1に準拠して実施した。反応液中のアセトフ
ェノンは24.62wt%であり、α−フェニルエチル
アルコールは74.53wt%であり、エチルベンゼン
は0.25wt%であった。また、アセトフェノンの転
化率は75.30%であり、α−フェニルエチルアルコ
ールの選択率は97.68%であり、エチルベンゼンの
選択率は0.37%であった。触媒1.0gの単位時間
当たりのアセトフェノン水添活性は、0.64mol/
g・時であった。
【0057】実施例12 実施例1において、銅系触媒Aの代わりに銅系触媒Lを
用い、水素供給開始後54.1分後に反応を停止した以
外は実施例1に準拠して実施した。反応液中のアセトフ
ェノンは23.26wt%であり、α−フェニルエチル
アルコールは75.04wt%であり、エチルベンゼン
は0.92wt%であった。また、アセトフェノンの転
化率は76.67%であり、α−フェニルエチルアルコ
ールの選択率は96.60%であり、エチルベンゼンの
選択率は1.37%であった。触媒1.0gの単位時間
当たりのアセトフェノン水添活性は、1.18mol/
g・時であった。
【0058】実施例13 実施例1において、銅系触媒Aの代わりに銅系触媒Mを
用い、水素供給開始後70.4分後に反応を停止した以
外は実施例1に準拠して実施した。反応液中のアセトフ
ェノンは22.69wt%であり、α−フェニルエチル
アルコールは76.14wt%であり、エチルベンゼン
は0.57wt%であった。また、アセトフェノンの転
化率は77.24%であり、α−フェニルエチルアルコ
ールの選択率は97.29%であり、エチルベンゼンの
選択率は0.84%であった。触媒1.0gの単位時間
当たりのアセトフェノン水添活性は、0.91mol/
g・時であった。
【0059】実施例14 実施例1において、銅系触媒Aの代わりに銅系触媒Nを
用い、水素供給開始後60.3分後に反応を停止した以
外は実施例1に準拠して実施した。反応液中のアセトフ
ェノンは23.73wt%であり、α−フェニルエチル
アルコールは74.91wt%であり、エチルベンゼン
は0.62wt%であった。また、アセトフェノンの転
化率は76.19%であり、α−フェニルエチルアルコ
ールの選択率は97.03%であり、エチルベンゼンの
選択率は0.94%であった。触媒1.0gの単位時間
当たりのアセトフェノン水添活性は、1.05mol/
g・時であった。
【0060】実施例15 銅系触媒O0.3gを磁気撹拌器付ステンレスオートク
レーブ50mlに窒素中でいれ、ふたをした。次いで、
アセトフェノン15.0gを入れ、水素を10kg/c
2 で供給した。アセトフェノンには1.59%の不純
物が含まれていた。オートクレーブをオイルバスにつ
け、1000r.p.mで撹拌しながら加熱し反応を行
った。オイルバスの温度は180℃であった。(水素供
給開始170分後、反応を終了し、室温まで冷却し
た。)。反応終了後、オートクレーブを開け、サンプリ
ングを行いガスクロマトグラフィーで分析した。反応液
中のアセトフェノンは9.99wt%であり、α−フェ
ニルエチルアルコールは87.87wt%であり、エチ
ルベンゼンは0.54wt%であった。また、アセトフ
ェノンの転化率は89.7%であり、α−フェニルエチ
ルアルコールの選択率は99.3%であり、エチルベン
ゼンの選択率は0.7%であった。触媒1.0gの単位
時間当たりのアセトフェノン水添活性は0.23mol
/g・時であった。
【0061】実施例16 銅系触媒P0.3gを磁気撹拌器付ステンレスオートク
レーブ50mlに窒素中でいれ、ふたをした。次いで、
アセトフェノン15.0gを入れ、水素を20kg/c
2 で封じ込めた。アセトフェノンには0.33%の不
純物が含まれていた。オートクレーブをオイルバスにつ
け、1150r.p.mで撹拌しながら加熱し反応を行
った。オイルバスの温度は180℃であった。(水素供
給開始53分後、反応を終了し、室温まで冷却し
た。)。反応終了後、水素ガスホルダーの圧力は、8.
0kg/cm2 Gであった。オートクレーブを開け、サ
ンプリングを行いガスクロマトグラフィーで分析した。
反応液中のアセトフェノンは32.6wt%であり、α
−フェニルエチルアルコールは66.8wt%であり、
エチルベンゼンは0.6wt%であった。また、アセト
フェノンの転化率は67.1%であり、α−フェニルエ
チルアルコールの選択率は99.0%であり、エチルベ
ンゼンの選択率は1.0%であった。触媒1.0gの単
位時間当たりのアセトフェノン水添活性は0.32mo
l/g・時であった。
【0062】実施例17 実施例16において、銅系触媒Pの代わりに銅系触媒Q
を用い、水素供給開始後20分後に反応を停止した以外
は実施例1に準拠して実施した。反応液中のアセトフェ
ノンは33.6wt%であり、α−フェニルエチルアル
コールは65.2wt%であり、エチルベンゼンは1.
2wt%であった。また、アセトフェノンの転化率は6
6.4%であり、α−フェニルエチルアルコールの選択
率は97.9%であり、エチルベンゼンの選択率は2.
1%であった。
【0063】実施例18 実施例16において、銅系触媒Pの代わりに銅系触媒S
を用い、水素供給開始後24分後に反応を停止した以外
は実施例1に準拠して実施した。反応液中のアセトフェ
ノンは31.3wt%であり、α−フェニルエチルアル
コールは67.0wt%であり、エチルベンゼンは1.
7wt%であった。また、アセトフェノンの転化率は6
8.4%であり、α−フェニルエチルアルコールの選択
率は97.2%であり、エチルベンゼンの選択率は2.
8%であった。
【0064】実施例19 実施例1において、銅系触媒Aの代わりに銅系触媒Uを
用い、水素供給開始後55.3分後に反応を停止した以
外は実施例1に準拠して実施した。反応液中のアセトフ
ェノンは23.26wt%であり、α−フェニルエチル
アルコールは75.19wt%であり、エチルベンゼン
は0.90wt%であった。また、アセトフェノンの転
化率は76.67%であり、α−フェニルエチルアルコ
ールの選択率は96.79%であり、エチルベンゼンの
選択率は1.33%であった。触媒1.0gの単位時間
当たりのアセトフェノン水添活性は、1.15mol/
g・時であった。
【0065】比較例1 実施例1において、銅系触媒Aの代わりに市販の銅−ク
ロマイト系触媒(堺化学(株)C−100)を水素気流
下、180℃で5時間加熱したものを用い、水素供給開
始後72.2分後に反応を停止した以外は実施例1に準
拠して実施した。反応液中のアセトフェノンは26.6
1wt%であり、α−フェニルエチルアルコールは7
0.24wt%であり、エチルベンゼンは2.37wt
%であった。また、アセトフェノンの転化率は73.3
0%であり、α−フェニルエチルアルコールの選択率は
94.56%であり、エチルベンゼンの選択率は3.6
8%であった。触媒1.0gの単位時間当たりのアセト
フェノン水添活性は、0.84mol/g・時であっ
た。
【0066】比較例2 実施例1において、銅系触媒Aの代わりにアルカリ金
属、アルカリ土類金属を含有しない銅系触媒Rを用い、
水素供給開始後132.9分後に反応を停止した以外は
実施例1に準拠して実施した。反応液中のアセトフェノ
ンは28.96wt%であり、α−フェニルエチルアル
コールは66.97wt%であり、エチルベンゼンは
3.35wt%であった。また、アセトフェノンの転化
率は70.94%であり、α−フェニルエチルアルコー
ルの選択率は93.15%であり、エチルベンゼンの選
択率は5.36%であった。触媒1.0gの単位時間当
たりのアセトフェノン水添活性は、0.44mol/g
・時であった。
【0067】比較例3 実施例15において、銅系触媒Oの代わりに銅系触媒T
を用いた以外は実施例15に準拠して実施した。反応液
中のアセトフェノンは72.11wt%であり、α−フ
ェニルエチルアルコールは26.22wt%であり、エ
チルベンゼンは0.08wt%であった。また、アセト
フェノンの転化率は26.4%であり、α−フェニルエ
チルアルコールの選択率は99.6%であり、エチルベ
ンゼンの選択率は0.4%であった。触媒1.0gの単
位時間当たりのアセトフェノン水添活性は、0.07m
ol/g・時であった。
【0068】
【発明の効果】以上説明したとおり、本発明により、ア
セトフェノンを水添してα−フェニルエチルアルコール
を製造する方法であって、多量の酸化クロムを含有しな
い、より安全で活性の高い触媒を用い、原料であるアセ
トフェノンの水素化分解を起こしにくく、副生物のエチ
ルベンゼン生成が少なく、よって目的物であるα−フェ
ニルエチルアルコールへの選択率が高いという特徴を有
するα−フェニルエチルアルコールの製造方法を提供す
ることができた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07C 33/22 C07C 29/145

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アセトフェノンを水添してα−フェニル
    エチルアルコールを製造するにあたり、触媒として、ア
    ルカリ金属化合物及び/又はアルカリ土類金属の炭酸塩
    を含有する銅系触媒を使用することを特徴とするα−フ
    ェニルエチルアルコールの製造方法。
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