JP2001079362A - 濾過装置 - Google Patents

濾過装置

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JP2001079362A
JP2001079362A JP26233899A JP26233899A JP2001079362A JP 2001079362 A JP2001079362 A JP 2001079362A JP 26233899 A JP26233899 A JP 26233899A JP 26233899 A JP26233899 A JP 26233899A JP 2001079362 A JP2001079362 A JP 2001079362A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 浸漬槽を並列な複数系列に分けて建設した濾
過装置において、薬品洗浄のために必要なポンプ、配
管、計器類を削減して設備コストの低減を図ると共に、
装置設備を簡素化して洗浄操作を簡易なものとし、短時
間で容易かつ効率的に薬品洗浄を行う。 【解決手段】 膜浸漬槽10,20内は、液取り出し管
10A,20Aを介して洗浄用ポンプPの吸引側に連通
し、液供給管10B,20Bを介して洗浄用ポンプPの
吐出側に連通している。液取り出し管10A,20A,
液供給管10B,20BにはバルブV1A,V2A,V1B
2Bが設けられ、洗浄用ポンプPの吐出側又は吸引側に
洗浄薬液の供給手段が接続されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、活性汚泥や凝集汚
泥に代表される、懸濁物質(SS)濃度500mg/L
以上の懸濁液をMF(精密濾過)膜やUF(限外濾過)
膜あるいは不織布用いて濾過する場合に適した濾過装置
に係り、特に被処理液を収容する水槽中に濾過体を浸漬
して濾過を行う方式の浸漬型濾過装置の薬品洗浄設備の
改良に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、高濃度の懸濁物質を含む原水を直
接濾過する方法として、水槽内に濾過体を浸漬し、外圧
式で濾過を行うことが有効であることが知られている。
これは、この方式によれば、槽内の被濾過液の流路を広
く取ることができるため、被濾過液が濃縮されてゲル状
又はケーク状となって、被濾過液流路や濾過面を閉塞す
る問題を軽減できるためである。
【0003】図2は、従来の浸漬型濾過装置の浸漬槽を
示す断面図である。図2において、1は浸漬槽であり、
両側に上下を開口する仕切り板2A,2Bを備えた濾過
体モジュール3A,3Bが、中央に浸漬されている。こ
の仕切り板2A,2Bは、濾過体モジュール3Bの下部
に設けた曝気管4により、図示しないブロワでその内部
のみを曝気し、その曝気による上昇流を促進させるため
のものである。5は、オーバーフロー口であり、余剰の
濃縮された被濾過液をオーバーフローさせるためのもの
である。
【0004】原水は配管6より浸漬槽1に供給され、濾
過水(透過水)は処理水として配管7より取り出され
る。8は槽内液の抜き出し用配管、9は薬液供給用の配
管である。
【0005】このような浸漬型濾過装置では、濾過体モ
ジュール3A,3Bとして膜モジュールを用いる場合の
濾過膜としては、通常、MF膜又はUF膜が用いられ、
特に、MF膜の外圧型中空糸膜又は平膜が好適に用いら
れる。
【0006】濾過処理工程においては、浸漬槽1内の被
濾過液は曝気又は攪拌手段により攪拌することで、膜面
への被濾過物質(SS)の濃縮を抑制し、濾過体の閉塞
を軽減する。この場合、図2の如く、濾過体モジュール
3A,3Bの側面付近に上下を開口した仕切り板2A,
2Bを設け、仕切り板2A,2B内部の濾過体モジュー
ル3A,3Bの下部のみ曝気することで、仕切り板2
A,2B内にエアリフトによる上昇流を生じさせる方式
が多く採用されている。
【0007】このような形式で濾過処理を行う場合、被
濾過液のいわゆるクロスフロー流束を高く取れないこと
から、濾過体の目詰まりを防止するために、濾過フラッ
クスは1m3/m2/day以下に設定される。また、被
濾過液流路の閉塞を防止するため、濾過体と濾過体との
間隔は比較的広く取る必要がある。従って、この結果、
濾過体モジュールは比較的大きな占有面積が必要とな
り、浸漬槽も比較的大容量となる。例えば、処理水10
0m3/dayを得るためには、通常、浸漬槽1の容積
は10〜50m3程度必要とされる。
【0008】ところで、このような浸漬型固液分離装置
では、濾過体の表面に付着したSS等を除去するための
濾過体の洗浄を行う必要があるが、上述の如く、濾過体
モジュール3A,3Bの占有面積が大きく、浸漬槽1が
大容量となることから、濾過体の薬品洗浄には、原水の
流入を停止し、浸漬槽1内の被濾過液を配管8より槽外
に抜き出した後、洗浄薬液を配管9より浸漬槽1内に導
入することで、濾過体を浸漬槽1内に設置したまま薬品
洗浄する方式が提案されている。
【0009】このように薬品洗浄中も濾過処理を継続す
ることが望まれるため、一般的には浸漬槽は並列な複数
系列に分けて建設し、1槽ずつ薬品洗浄を行うことで、
1槽を薬品洗浄している最中にも他の浸漬槽では濾過処
理を継続する方法が好適であると考えられている。この
場合、薬品洗浄を行っている系列に相当する処理水量が
低下するため、必要に応じて濾過処理を継続している他
の浸漬槽の透過水量を一時的に増大させるなどして、処
理水量を確保することが行われることもある。
【0010】従来、浸漬槽の薬品洗浄方法としては次の
〜の手順で行うものが提案されている。
【0011】 浸漬槽への原水の導入を停止し、浸漬
槽内の被濾過液を抜き出し、浸漬槽内をほぼ空にする。
【0012】抜き出した被濾過液は、原水槽へ戻すか、
廃水として処理するか、一時的に他の貯槽へ退避させる
か、他の浸漬槽へ供給する。被濾過液が活性汚泥であ
り、浸漬槽の上流が活性汚泥処理槽である場合には、槽
内の活性汚泥を前段の活性汚泥処理槽に受け入れる場合
もある。
【0013】 浸漬槽内に洗浄薬液を供給し、一定時
間洗浄薬液と接触させることで濾過体を洗浄する。な
お、この洗浄薬液の供給に先立ち、浸漬槽に清水を投入
し、再度槽内液を抜き出すリンス工程を付加することも
ある。ここで浸漬槽に洗浄薬液を供給する方法として
は、1)上水や工水や処理水等の清水と、有効成分(薬
剤)を別々に浸漬槽に供給し、浸漬槽内で混合する方
法、2)清水と有効成分を予め他の水槽で混合して洗浄
薬液を調製しておき、これを浸漬槽に移送する方法、或
いはこれらを組み合わせた方法等がある。
【0014】洗浄薬液の有効成分には、苛性ソーダなど
のアルカリ、次亜塩素酸ソーダなどの酸化剤、硫酸など
の酸、及びそれらの組み合わせを用いるが、アルカリ系
の薬液としては、1〜4重量%の苛性ソーダ液に次亜塩
素酸ソーダを添加して有効塩素濃度100〜1000m
g/Lとし、pHを12以上とした液が用いられる場合
が多い。また、酸性の薬液としては0.1〜2重量%程
度でpHを2以下とした塩酸や硫酸が用いられる場合が
多い。
【0015】濾過体と薬液とを接触させている間は、主
に濾過体の下部から曝気するなどして濾過面に攪拌流を
付与し、濾過面の汚染物質を分解、溶解ないし剥離させ
る。この接触時間は通常1〜24時間程度とされ、薬液
濃度や濾過面の汚染の程度に応じて通常選定される。
【0016】 洗浄時間が経過後、浸漬槽内の薬液を
抜き出し、必要に応じて清水を投入して再度槽内液を抜
き出すリンス工程を経た後、原水(被濾過液)を投入
し、濾過を再開する。
【0017】浸漬槽から抜き出した薬液は、薬液貯槽に
貯留し、必要に応じて有効成分を補充しながら数回繰り
返し使用するか、或いはそのまま廃水として処理され
る。薬液は抜き出す前に浸漬槽内である程度中和処理さ
れる場合もある。使用した薬液を貯留しておく場合は、
3〜6回程度繰り返し使用し、薬液の汚れが著しくなっ
たり、薬液の洗浄効果が劣化したりした後に、必要に応
じて中和処理後、廃水として処理する。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】しかし、薬品洗浄中も
膜濾過処理を継続するために、浸漬槽を並列な複数系列
に分けて建設した場合、次のような問題がある。
【0019】(課題1)各浸漬槽毎に薬品洗浄作業に必
要な、槽内液抜き出しポンプ、薬剤投入ポンプ、薬液希
釈調整用清水供給配管等を設けると、浸漬槽の台数分、
これらの機器を設置する必要があるため、建設費が高く
なる。
【0020】(課題2)浸漬槽内の被濾過液の移送や、
薬液の投入又は抜き出しに時間がかかるため、作業効率
が悪く、薬品洗浄に長時間を要する。これらの液移送に
用いるポンプを大型化することで、移送時間を短縮する
ことはできるが、この場合には、ポンプのコストが上が
り、経済的ではない。
【0021】(課題3)濾過体の洗浄薬液を廃棄する際
の中和作業を、各浸漬槽内で行うと、各浸漬槽毎にpH
計などの中和を検知するための計器と、中和用薬剤の供
給設備が必要となるため、計器コスト、配管コスト、電
機計装コスト等が高くなる上に、操作が複雑となって操
作ミスを招きやすくなる。この問題を避けるために、一
旦浸漬槽以外の水槽に洗浄薬液を移送し、この水槽内で
中和するならば、中和設備は一式で足りるが、この中和
水槽には中和作業のための攪拌設備が必要となり、やは
りコスト上昇の要因となる。また、中和作業において、
洗浄薬液を一旦、中和用水槽に移送する工程が増加する
ため、工程が複雑になると共に、洗浄工程終了までの時
間も増加する。
【0022】また、濾過体と薬液を接触させている間に
有効成分が消費される場合において、随時有効成分を補
充した方がよい場合がある。例えば、活性汚泥の濾過に
用いた濾過体を、次亜塩素酸ソーダを含む薬液を用いて
洗浄する場合には、洗浄中に有効塩素濃度が低下してい
くため、必要に応じて有効塩素濃度を測定し、次亜塩素
酸ソーダを追加するのが有効である。しかし、これを行
うためには、少なくとも各膜浸漬槽毎に次亜塩素酸ソー
ダの補充手段を設ける必要があり、配管、バルブ、ポン
プ等が増加し、建設費が増大する。次亜塩素酸ソーダ
を、ホースなどのフレキシブルな配管を用いて、随時必
要な水槽へ配置することも考えられるが、この場合には
作業が繁雑になり、また、薬品洗浄操作を全自動とする
ことができなくなる。
【0023】(課題4)薬品洗浄のために浸漬槽から被
濾過液を抜き出した際、浸漬槽の下部に被濾過液が数十
mm程度残留する。このように被濾過液が残留したまま
洗浄薬液を投入すると、次のような不具合を生ずる。こ
の問題は、特に、薬液を数回繰り返し使用する際に顕著
となる。 (4-1) 残留した被濾過液中の有機物、特に微生物が薬
液で溶解されることにより、液が非常に発泡し易い性状
になる。 (4-2) 残留した被濾過液中の有機物特に微生物と、洗
浄薬液中の有効成分特に有効塩素とが反応して、有効成
分が消費され、濾過体の洗浄効果が弱くなる。
【0024】同様に、洗浄工程終了後、洗浄薬液を浸漬
槽から抜き出した際、浸漬槽下部に洗浄薬液が数十mm
程度残留する。このように洗浄薬液が残留したまま被濾
過液を投入して濾過処理を再開すると、次のような不具
合が生ずる。 (4-3) 洗浄薬液と被濾過液が混合されることで、被濾
過液の一部が溶解され、処理水質、特にCODや色度が
悪化する。この現象は特に洗浄薬液がアルカリ液の場
合、被濾過液中の微生物を主体とする有機物が溶解され
るために顕著である。 (4-4) 洗浄薬液が酸又はアルカリ液の場合、残留した
洗浄薬液により、投入した被濾過液のpHが酸性又はア
ルカリ性となり、処理水質も悪化する。また、被濾過液
が活性汚泥の場合には汚泥の活性が失活したり、汚泥か
ら有機物や窒素,リンが溶出することによっても処理水
質が悪化する。また、被濾過液が凝集汚泥の場合には、
凝集されたリン,COD,色度が溶出すると共に、凝集
剤として用いた鉄イオンやアルミニウムイオンなどが溶
解されることで濾過体を汚染させると共に処理水質を悪
化させる。
【0025】以上、(4-1),(4-2)の課題は、浸漬槽から
被濾過液を抜き出してから洗浄薬液を投入するに先立
ち、前述の如く、浸漬槽に清水を投入して残留した被濾
過液を希釈し、これを再度抜き出す所謂リンス工程を経
た後、薬液を投入することで、軽減ないし解決すること
ができるが、これを行うためには各浸漬槽に対して清水
を供給するための配管設備を設置する必要があり、設備
コストが増加する。特に、清水の投入を自動弁を用いて
自動的に行う際には、自動弁のコスト、電機計装のコス
トも増加する。
【0026】また、(4-3),(4-4)の課題も、浸漬槽から
薬液を抜き出してから被濾過液を投入するに先立ち、上
述のようなリンス工程を行うことで、浸漬槽内に残留す
る薬液の濃度を低下させることができることから、軽減
ないし解決できるが、やはり配管、自動弁、電機計装等
のコストの増加を招く。
【0027】(課題5)濾過体の薬品洗浄の最中には、
前述のように濾過体の下部から曝気を行い、濾過面の汚
染物質を剥離することが効果的であるが、この際、洗浄
薬液はしばしば激しく発泡する。このように洗浄薬液が
発泡すると、周囲を汚染したり見栄えを悪くする上に、
洗浄薬液を周囲に撒き散らすことになるため、作業環境
を著しく悪化させる。
【0028】これを防止するためには、消泡剤を添加す
る必要があるが、そのためには各浸漬槽に消泡剤注入配
管を設け、注入先を切り替えるための弁を付ける必要が
あるため、配管コストが増加する。特に、消泡剤を添加
する浸漬槽が、現在洗浄中の浸漬槽となるように、自動
で注入位置を切り替えるためには、浸漬槽の数に応じて
自動弁又は消泡剤注入ポンプを設置する必要があり、自
動弁や薬注ポンプのコスト、電機計装のコストが増大す
る。
【0029】このように、浸漬槽を並列な複数系列に分
けて建設した濾過装置では、浸漬槽毎に被濾過液と洗浄
薬液を入れ替えて薬品洗浄することで、一つの浸漬槽で
薬品洗浄中にも他の濾過装置で濾過処理を継続できる;
洗浄薬液の貯留槽や洗浄時の被濾過液の退避槽を縮小で
きるといった利点がある反面、複数の薬品洗浄用ポンプ
や配管、多数の自動弁、多数の薬注ポンプ等が必要にな
り、機器コスト、計装コストが増加すると共に、装置が
複雑になって操作ミスを招き易いという欠点があった。
【0030】本発明は上記従来の問題点を解決し、浸漬
槽を並列な複数系列に分けて建設した濾過装置におい
て、薬品洗浄のために必要なポンプ、配管、計器類を削
減して設備コストの低減を図ると共に、装置設備を簡素
化して洗浄操作を簡易なものとし、短時間で容易かつ効
率的に薬品洗浄を行えるようにした濾過装置を提供する
ことを目的とする。
【0031】
【課題を解決するための手段】本発明の濾過装置は、そ
れぞれ内部に濾過体が配置された複数の容器と、各容器
に液を供給すると共に各容器から液を排出するための1
台の洗浄用ポンプとを有した濾過装置であって、各容器
内はそれぞれ液取り出し管を介して該洗浄用ポンプの吸
引側に連通すると共に、液供給管を介して該洗浄用ポン
プの吐出側に連通しており、各液取り出し管にはそれぞ
れ液取り出しバルブが設けられ、各液供給管にはそれぞ
れ液供給バルブが設けられており、該洗浄用ポンプの吐
出側又は吸引側に前記濾過体の洗浄薬液の供給手段が接
続されていることを特徴とする。
【0032】この濾過装置であれば、1台の洗浄用ポン
プで、すべての浸漬槽の薬品洗浄のための液の移送、即
ち、浸漬槽からの被濾過液の取り出し、浸漬槽への洗浄
薬液の供給、浸漬槽からの洗浄薬液の取り出し等を行う
ことができ、また、各浸漬槽毎の配管は各々2本ずつで
良く、設備コストの大幅な削減と、装置の簡素化が図
れ、洗浄操作も容易に行える。
【0033】更に少なくとも1個の貯槽を設置し、この
貯槽内を送液バルブを有した送液管を介して洗浄用ポン
プの吸引側に連通した請求項2の濾過装置であれば、こ
の貯槽を洗浄薬液貯槽とすることで、この貯槽から浸漬
槽へ洗浄薬液を供給することができる。また、この場合
において、この貯槽を、返送バルブを有する返送管を介
して洗浄用ポンプの吐出側に連通させた請求項3の濾過
装置であれば、薬品洗浄後は再びこの貯槽に洗浄薬液を
戻すことができる。また、この貯槽を被濾過液貯槽とす
ることで、薬品洗浄中の浸漬槽内の被濾過液をこの貯槽
に退避させておき、薬品洗浄後は再び浸漬槽に被濾過液
を戻すことができる。
【0034】洗浄用ポンプの吐出側を廃水処理装置に連
通させるための手段を設けた請求項4の濾過装置であれ
ば、薬品洗浄を行う浸漬槽内の被濾過液又は洗浄廃液を
この廃水処理装置に移送することができる。
【0035】洗浄用ポンプの吐出側及び/又は吸引側に
水質を検知するための少なくとも1個のセンサを設けた
請求項5の濾過装置によれば、薬品洗浄の水質管理を行
える。また、更に、洗浄用ポンプの吐出側又は吸引側に
洗浄薬液の中和剤を供給する手段を設けた請求項6の濾
過装置であれば、使用後の洗浄薬液の中和処理を行え
る。
【0036】洗浄用ポンプの吐出側又は吸引側に清水又
は低濁度水を供給する手段を設けた請求項7の濾過装置
であれば、これらの水を供給して、薬品洗浄前後のリン
ス工程を実施することができる。なお、清水としては上
水、中水、工水、当該濾過装置の処理水或いは他の水処
理設備の処理水を用いることができ、低濁度水としては
SS濃度500mg/L以下の水を用いることができ
る。
【0037】洗浄用ポンプの吐出側又は吸引側に消泡剤
を供給する手段を設けた請求項8の濾過装置によれば、
薬品洗浄中の浸漬槽への消泡剤の供給を行える。
【0038】
【発明の実施の形態】以下に図面を参照して本発明の濾
過装置の実施の形態を詳細に説明する。
【0039】図1は本発明の膜濾過装置の実施の形態を
示す系統図である。なお、図1において、図2に示す部
材と同一機能を奏する部材には同一符号を付してある。
【0040】図1において10,20は膜浸漬槽であ
り、これらの膜浸漬槽10,20の構成は、槽底部の一
隅部に液溜まり部10M,20Mとしての凹部が設けら
れていること以外は図2に示す一般的な浸漬槽1と同様
の構成とされている。なお、濾過体モジュール3A,3
Bとしては膜モジュールが設けられている。
【0041】30,40は汚泥退避槽、薬液貯留槽であ
り、膜浸漬槽10,20と同様に曝気管4を備えると共
に、底部の一隅部にそれぞれ液溜まり部30M,40M
を備える。Pは洗浄用ポンプである。
【0042】膜浸漬槽10,20、汚泥退避槽30、薬
液貯留槽40には、それぞれ、液取り出し管10A,2
0A,30A,40Aと、液供給管10B,20B,3
0B,40Bが設けられており、液取り出し管10A,
20A,30A,40Aは、それぞれ液取り出しバルブ
(以下、単にバルブと称す。)V1A,V2A,V3A,V4A
を介して洗浄用ポンプPの吸引側に連通されている。ま
た、液供給管10B,20B,30B,40Bはそれぞ
れ液供給バルブ(以下、単にバルブと称す。)V1B,V
2B,V3B,V4Bを介して洗浄用ポンプPの吐出側に連通
されている。なお、液取り出し管10A,20A,30
A,40Aはいずれもその先端開口が各槽の液溜まり部
10M,20M,30M,40Mの底面近傍に位置する
ように設けられている。
【0043】膜浸漬槽10,20には、それぞれ原水の
供給主配管6から分岐する配管6A,6Bより原水が供
給され、図示しない膜濾過水(透過水)取り出し配管よ
り処理水が取り出されるように構成されている。原水供
給管6A,6Bには、それぞれバルブV6A,V6Bが設け
られている。
【0044】また、薬液貯留槽40には、薬液の有効成
分(例えば、25重量%苛性ソーダ溶液等)をタンクロ
ーリー等から直接供給するための薬液供給配管40Cと
工水の供給配管40Dが設けられている。配管40Dは
バルブV4Dを備える。
【0045】洗浄用ポンプPの吸引側には、更に処理水
貯槽からの処理水供給配管11がバルブV11を介して接
続されている。
【0046】また、洗浄用ポンプPの吐出側は、更に、
原水槽、曝気槽へそれぞれ液を送給するための配管1
2,13がそれぞれバルブV12,V13を介して接続され
ている。
【0047】これらのバルブと洗浄用ポンプPとの間の
位置にpH計Sと、薬液1の供給配管14、薬液2の供
給配管15、工水の供給配管16、消泡剤の供給配管1
7、中和剤1の供給配管18、中和剤2の供給配管19
が設けられている。工水の供給配管16はバルブV16
備える。
【0048】なお、供給配管や洗浄用ポンプPの吐出側
等の必要箇所には逆流防止のための逆止弁(チャッキ
弁)Vが設けられている。
【0049】この膜濾過装置によれば、バルブの切り換
えで一つの洗浄用ポンプPにより、次のようにして膜浸
漬槽10,20の薬品洗浄のための一連の操作を効率的
に行うことができる。
【0050】〔薬品洗浄に先立つ被濾過液の移送操作
例〕例えば、膜浸漬槽10内の薬品洗浄に先立ち、槽内
の被濾過液を汚泥退避槽30に移送するには、バルブV
1A,V3Bのみを開として洗浄用ポンプPを作動させ、膜
浸漬槽10内の被濾過液を液取り出し管10Aより抜き
出して液供給管30Bより汚泥退避槽30に移送する。
この被濾過液の移送先は膜浸漬槽20であっても良く、
この場合には、バルブV1A,V2Bのみを開として洗浄用
ポンプPにより、液取り出し管10Aより抜き出した膜
浸漬槽10内の被濾過液を液供給管20Bより膜浸漬槽
20に移送する。また、被濾過液を原水槽や曝気槽に返
送する場合は、バルブV1AとバルブV12又はバルブV13
を開として、洗浄用ポンプPにより、液取り出し管10
Aより抜き出した膜浸漬槽10内の被濾過液を配管12
又は13を経て原水槽又は曝気槽に返送する。膜浸漬槽
20内の被濾過液の移送も同様に行うことができる。
【0051】〔薬品洗浄前後のリンス操作例〕例えば、
膜浸漬槽10のリンス工程では、前述の移送操作例に従
って、槽内液(被濾過液又は洗浄薬液)を抜き出した
後、バルブV1B,V16のみを開として所定量の工水を液
供給管10Bより供給し、その後、バルブを切り換えて
バルブV1AとバルブV2B,V3B,V12又はV13のみを開
として、洗浄用ポンプPを作動させ膜浸漬槽10内の水
を液取り出し管10Aより抜き出して液供給管20Bよ
り膜浸漬槽20に送給するか、液供給管30Bより汚泥
退避槽30に送給するか、或いは、配管12又は13よ
り原水槽又は曝気槽に返送する。膜浸漬槽20のリンス
工程も、バルブV1A,V1Bの代りにバルブV2A,V2B
開として同様に行うことができる。
【0052】〔洗浄薬液の中和操作例〕膜浸漬槽10内
に入っている洗浄薬液を中和する場合には、バルブV1A
とV1Bのみを開とし、その他のバルブを閉として、洗浄
用ポンプPにより膜浸漬槽10内の洗浄薬液を液取り出
し管10A、液供給管10Bで内部循環させることによ
り槽内液を攪拌すると共に、中和剤1又は中和剤2(例
えば、硫酸等の酸、苛性ソーダ等のアルカリ、重亜硫酸
ソーダ等の還元剤等)を洗浄用ポンプPの吐出側から系
内に注入する(この際、中和剤はpH計Sの測定結果に
基いて注入制御する。)。薬液貯留槽40内の洗浄薬液
を中和する際にも、バルブV4A,V4Bのみを開として同
様に実施することができる。
【0053】上記中和操作によれば、薬液貯留槽40等
に中和のための攪拌手段を新たに設ける必要がなく、コ
ストダウンを図ることができる。
【0054】特に、図1の如く、pH計と中和剤の供給
手段を設けることにより、すべての水槽に対する中和処
理のための設備を共用でき、計器コスト、配管コスト、
電機計装コストを節約し、合理的にコストダウンするこ
とができ、また、自動制御が可能となって操作が簡易と
なり操作ミスが防止される上に薬液工程に要する全体の
時間を短縮することができる。
【0055】〔洗浄薬液の調製操作例〕初期に大量の洗
浄薬液を薬液貯留槽40内に調製する際には、薬液供給
配管40Cから所定量の薬液を薬液貯留槽40に投入す
ると共に、バルブV4Dを開として工水を投入して所定濃
度の薬液を調製する。この薬液の調製は、バルブV4B
開として、配管14又は15から薬液1又は2を薬液貯
留槽40に液供給管40Bより供給すると共に、配管1
6から工水を供給して希釈することにより行うこともで
きる。この薬液の調製に当り、バルブV4A,V4Bを開と
して洗浄用ポンプPで薬液貯留槽40内の薬液を液取り
出し管40A,液供給管40Bで循環させることによ
り、薬液の攪拌を行うことができるので、薬液貯留槽に
専用の攪拌機を設ける必要がなくなる。
【0056】〔薬品洗浄操作例〕例えば、薬液貯留槽4
0内の洗浄薬液で膜浸漬槽10を薬品洗浄する場合に
は、予め、膜浸漬槽10内の被濾過液を抜き出して所定
の箇所に移送し、必要に応じてリンス工程を経た後、バ
ルブV4A,V1Bのみを開とし、洗浄用ポンプPを作動さ
せて薬液貯留槽40内の洗浄薬液を液取り出し管40A
より抜き出し、液供給管10Bを経て膜浸漬槽10に送
給する。この薬品洗浄は、配管14又は15より薬液1
又は薬液2を膜浸漬槽10に供給すると共に配管16よ
り工水を膜浸漬槽16に投入して、膜浸漬槽10内で直
接洗浄薬液を調製して実施することもできる。また、例
えば、膜浸漬槽10の薬品洗浄の直前に膜浸漬槽20の
薬品洗浄が終了した場合には、バルブV2AとバルブV1B
を開として、洗浄用ポンプPにより、膜浸漬槽20内の
洗浄薬液を液取り出し管20Aより抜き出し、液供給管
10Bを経て膜浸漬槽10に送給しても良い。
【0057】〔薬品洗浄中の有効成分の補充操作例〕例
えば、膜浸漬槽10を薬品洗浄している際にバルブV1B
のみを開として液供給管10Bより薬液1又は薬液2を
供給することにより、膜浸漬槽10内の洗浄薬液に有効
成分を補充する。この有効成分の補充はバルブの切り換
えで、すべての水槽に対して行うことができる。
【0058】なお、薬液1又は薬液2の補充が少量で良
い場合、液供給管10B内等に残留する薬液が無駄にな
るため、こ場合には、例えば、バルブV1A,V1Bのみを
開として洗浄用ポンプPを作動させ、膜浸漬槽10内の
液を液取り出し管10A,液供給管10Bに循環させな
がら薬液1又は薬液2を注入するか、或いはバルブV1B
のみを開として、必要量の薬液を注入した後、工水注入
弁V16を開として液供給管10B内等に残留している薬
液を押し出すこともできる。
【0059】〔消泡剤の注入操作例〕例えば、膜浸漬槽
10に消泡剤を注入する場合には、バルブV1Bのみを開
として消泡剤を液供給管10Bを経て膜浸漬槽10に供
給する。この消泡剤の注入はバルブV2Bを開として、膜
浸漬槽20に対して行うこともできる。
【0060】なお、消泡剤の注入は通常ごく少量で良
い。従って、液供給管10B内等に残留する消泡剤が無
駄にならないように、バルブV1A,V1Bのみを開として
洗浄用ポンプPを作動させ、膜浸漬槽10内の液を液取
り出し管10A,液供給管10Bを循環させながら消泡
剤を注入するか、或いは、図1において、洗浄用ポンプ
Pの吐出側の消泡剤の注入位置と工水の注入位置とを入
れ替え、バルブV1Bのみを開として必要量の消泡剤を注
入した後、工水注入弁V16を開として液供給管10B内
等に残留している消泡剤を押し出すこともできる。
【0061】〔薬品洗浄後の洗浄薬液の移送操作例〕例
えば、膜浸漬槽10内の薬品洗浄後、槽内の洗浄薬液を
薬液貯留槽40に移送するには、バルブV1A,V4Bのみ
を開として洗浄用ポンプPを作動させ、膜浸漬槽10内
の洗浄薬液を液取り出し管10Aより抜き出して液供給
管40Bより薬液貯留槽40に移送する。この洗浄薬液
の移送先は次に薬品洗浄を行う膜浸漬槽20であっても
良く、この場合には、バルブV1A,V2Bのみを開として
洗浄用ポンプPにより、液取り出し管10Aより抜き出
した膜浸漬槽10内の洗浄薬液を、予め被濾過液を移送
し、必要に応じてリンス工程を経た膜浸漬槽20に液供
給管20Bより移送する。
【0062】また、洗浄薬液を後述の中和操作で中和し
た後、原水槽や曝気槽に返送する場合は、バルブV1A
バルブV12又はバルブV13を開として、洗浄用ポンプP
により、液取り出し管10Aより抜き出した膜浸漬槽1
0内の中和処理液を配管12又は13を経て原水槽又は
曝気槽に返送する。膜浸漬槽20内の洗浄薬液の移送も
同様に行うことができる。
【0063】〔薬品洗浄工程終了後の膜濾過処理再開操
作例〕薬品洗浄工程終了後(即ち、薬品洗浄を行い、洗
浄薬液の抜き出しと、必要に応じてリンス工程を経た
後)、例えば、汚泥退避槽30内の被濾過液を膜浸漬槽
10に移送して膜濾過処理を再開する場合には、バルブ
3AとバルブV1Bを開として、洗浄用ポンプPを作動さ
せ、汚泥退避槽30内の被濾過液を液取り出し管30A
より抜き出し、液供給管10Bより膜浸漬槽10に供給
し、膜濾過処理を再開する。膜浸漬槽20内の被濾過液
を膜浸漬槽10内に移送して膜浸漬槽10で膜濾過処理
を再開すると共に膜浸漬槽20を薬品洗浄する場合に
は、バルブV2AとバルブV1Bを開として洗浄用ポンプP
により、膜浸漬槽20内の被濾過液を液取り出し管20
Aより抜き出し液供給管10Bより膜浸漬槽10に供給
する。或いは、待機中の被濾過液がない場合には、バル
ブV6Aを開として原水供給配管6,6Aより膜浸漬槽1
0への原水の導入を再開して膜濾過処理に移行する。
【0064】本発明の膜濾過装置によれば、上記操作を
組み合わせることにより、次のような方法で合理的な薬
品洗浄工程を実施することができ、洗浄時間の大幅な短
縮、作業数の大幅な軽減を図ることができる。
【0065】〔合理化した薬品洗浄工程例−1〕例え
ば、膜浸漬槽10が薬品洗浄中である場合、その洗浄が
終了するまでの時間を利用して、次に薬品洗浄する予定
の膜浸漬槽20内の被濾過液を抜き出し、必要に応じて
リンス工程も終了させておく。その後、膜浸漬槽10の
薬品洗浄が終了した後、膜浸漬槽10内の洗浄薬液を直
接膜浸漬槽20に移送する。この移送中に必要に応じて
有効成分の補充を行う。
【0066】移送終了後、膜浸漬槽10は、必要に応じ
てリンス工程を経た後、被濾過液を投入して膜濾過処理
を再開する。
【0067】〔合理化した薬品洗浄工程例−2〕膜浸漬
槽10の薬品洗浄が終了した後、膜浸漬槽10内の洗浄
薬液を抜き出し、必要に応じてリンス工程を経た後、次
に薬品洗浄を行う膜浸漬槽20内の被濾過液を直接膜浸
漬槽10に投入する。投入終了後、膜浸漬槽10は膜濾
過処理を再開し、膜浸漬槽20は必要に応じてリンス工
程を経た後、洗浄薬液を投入して薬品洗浄を開始する。
【0068】上記薬品洗浄工程例−1,−2のいずれも
バルブの切り換えのみで行うことができ、膜浸漬槽10
と膜浸漬槽20との間で被濾過液や洗浄薬液を直接移送
することにより、液を移送する間の貯留槽等を不要とす
ることができると共に、薬品洗浄に要する時間を短縮
し、また、作業数を軽減できる。
【0069】なお、上記薬品洗浄工程例−1,−2で
は、一時的に膜浸漬槽10,膜浸漬槽20が同時に膜濾
過処理を休止した状態となり、処理水の採水ができなく
なるが、その時間は1時間程度の短時間であるため問題
となることは殆どなく、特に原水流入量が少ない時間帯
ないしは処理水量に余裕のある時間帯にこのような切り
換えを行うことにより、実質的な影響を殆どなくすこと
ができる。
【0070】この膜濾過装置において、洗浄用ポンプに
は、目的に応じて自吸式のポンプを用い、使用する薬剤
に対して耐性のあるものを適宜選定する。
【0071】特に、洗浄用ポンプは所定量の液の移送が
終了した時点で自動停止するものが望ましく、また、各
水槽にレベルスイッチ(水位計)を設け、槽内液の抜き
出しや投入の終了を検知し、これらを自動制御で行うこ
とが望ましい。
【0072】また、バルブは自動弁であっても手動弁で
あっても良いが、一部又は全部を自動弁とし、薬品洗浄
操作に必要なバルブの開閉の少なくとも一部を自動化す
るのが望ましい。
【0073】なお、図1に示す膜濾過装置は、本発明の
実施の形態の一例であって、本発明はその要旨を超えな
い限り、何ら図示のものに限定されるものではない。
【0074】水質検知センサとしては、pH計に限ら
ず、ORP計等であっても良く、これらは2以上設置し
ても良い。また、その設置箇所は、洗浄用ポンプPの吐
出側のみならず、吸引側であっても良い。
【0075】また、図1では、膜浸漬槽を2槽設けてあ
るが、膜浸漬槽は3槽以上であっても良く、一般的には
3〜6槽程度設置される。
【0076】図1において、膜浸漬槽10,20、汚泥
退避槽30及び薬液貯留槽40は、いずれも底面の一隅
部に液溜まり部10M〜40Mが設けられており、各液
溜まり部10M〜40Mの底面近傍にそれぞれ液取り出
し管10A〜40Aの開口先端が位置するように設けら
れているが、このように液溜まり部を設け、その内部に
液取り出し管の先端を挿入することにより、各槽内の液
の取り出しに際し、槽内の残留液量を極く少量とするこ
とができ、残留した洗浄薬液による処理水水質の低下
や、残留した被濾過液による薬品洗浄効果の低下が防止
され、好ましい。
【0077】原水供給管6,6A,6BはバルブV6A
6Bの開閉で原水の供給、停止を行う他、原水供給ポン
プの作動と停止で原水の供給、停止を行うようにしても
良い。
【0078】なお、膜浸漬槽10,20のオーバーフロ
ー口5は、膜浸漬槽10,20に被濾過液が過剰に供給
された際、濃縮された余剰の被濾過液を流出させて、原
水槽や曝気槽へ戻すことにより膜浸漬槽10,20内の
被濾過物質の濃縮を防止するためのものである。
【0079】また、図1では、薬液、工水、消泡剤、中
和剤が洗浄用ポンプPの吐出側に導入されるように構成
されているが、これらは洗浄用ポンプPの吸引側に導入
されるものであっても良い。一般に、上水や工水等の圧
力を持った水を供給するには洗浄用ポンプの吐出側とす
れば良く、処理水貯槽などの水槽から吸い上げる必要が
ある水は、洗浄用ポンプの供給側に配管する必要があ
る。これらの各薬剤等の供給配管は必ずしも必要とされ
るものてはないが、これらを洗浄用ポンプの吸引側又は
吐出側に設けておくことにより、前述の操作側の如く、
より効率的な薬品洗浄を行える。
【0080】また、上記説明では、工水を用いてリンス
工程を実施する方法を例示したが、リンス工程は処理水
貯槽の処理水を配管11より供給して行っても良い。ま
た、洗浄薬液の調製のための薬剤の希釈水としても、こ
の処理水を用いても良い。これら工水又は処理水の供給
配管はいずれか一方のみでも良い。
【0081】図1では、汚泥退避槽と薬液貯留槽を併設
しているが、本発明では、薬液貯留槽のみであっても良
く、汚泥退避槽30及びその液取り出し管30A,液供
給管30Bを省略し、薬品洗浄中の膜浸漬槽の被濾過液
は原水槽や曝気槽に戻しても良い。この場合、被濾過液
は同一系統の原水槽や曝気槽に返送しても良く、他の系
統の廃水処理装置に送給しても良い。また、汚泥退避槽
30を設けた場合、原水槽や曝気槽への液返送配管を省
略しても良い。
【0082】更に、前述の如く、液の内部循環を行うこ
とで、槽内液の攪拌を行えることから、汚泥退避槽30
や薬液貯留槽の曝気管4は省略しても良い。
【0083】
【発明の効果】以上詳述した通り、本発明によれば、浸
漬槽を並列な複数系列に分けて建設することにより、薬
品洗浄中も他の浸漬槽において濾過処理を可能とした濾
過装置において、薬品洗浄のために必要なポンプ、配
管、計器類を削減して設備コストの低減を図ると共に、
装置設備を簡素化して洗浄操作を簡易なものとし、短時
間で容易かつ効率的に薬品洗浄を行うことができる。
【0084】特に、液の抜き出しや投入の終了の検知を
薬品洗浄の各工程と連動させ、各バルブを自動弁とし
て、制御器によりバルブの開閉やポンプの作動、停止を
自動制御で行うことにより、薬品洗浄時間の短縮のみな
らず、薬品洗浄に要する作業数を大幅に軽減するか、或
いは全く人手を要することなく薬品洗浄を行うことがで
きるようになり、 誤操作を低減又は解消できる。 誤操作による薬剤の飛散等を防止して安全性を高め
ると共に、薬剤の過不足、洗浄時間の過不足を防止し
て、著しく良好な薬品洗浄効果を得ることができる。 薬品洗浄を確実に行って膜寿命の延長、処理水水質
の向上を図ることができる。といった優れた効果が奏さ
れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の膜濾過装置の実施の形態を示す系統図
である。
【図2】一般的な浸漬槽を示す系統図である。
【符号の説明】
1,10,20 膜浸漬槽 2A,2B 仕切り板 3A,3B 濾過体モジュール(膜モジュール) 4 曝気管 5 オーバーフロー口 30 汚泥退避槽 40 薬液貯留槽 10A,20A,30A,40A 液取り出し管 10B,20B,30B,40B 液供給管 10M,20M,30M,40M 液溜まり部

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 それぞれ内部に濾過体が配置された複数
    の容器と、各容器に液を供給すると共に各容器から液を
    排出するための1台の洗浄用ポンプとを有した濾過装置
    であって、 各容器内はそれぞれ液取り出し管を介して該洗浄用ポン
    プの吸引側に連通すると共に、液供給管を介して該洗浄
    用ポンプの吐出側に連通しており、 各液取り出し管にはそれぞれ液取り出しバルブが設けら
    れ、各液供給管にはそれぞれ液供給バルブが設けられて
    おり、 該洗浄用ポンプの吐出側又は吸引側に前記濾過体の洗浄
    薬液の供給手段が接続されていることを特徴とする濾過
    装置。
  2. 【請求項2】 それぞれ内部に濾過体が配置された1以
    上の容器と、各容器に液を供給すると共に各容器から液
    を排出するための1台の洗浄用ポンプとを有した濾過装
    置であって、 各容器内はそれぞれ液取り出し管を介して該洗浄用ポン
    プの吸引側に連通すると共に、液供給管を介して該洗浄
    用ポンプの吐出側に連通しており、 各液取り出し管にはそれぞれ液取り出しバルブが設けら
    れ、各液供給管にはそれぞれ液供給バルブが設けられて
    おり、 更に少なくとも1個の貯槽が設置されており、 該貯槽内は送液バルブを有した送液管を介して前記洗浄
    用ポンプの吸引側に連通していることを特徴とする濾過
    装置。
  3. 【請求項3】 請求項2において、該貯槽は返送バルブ
    を有する返送管を介して前記洗浄用ポンプの吐出側に連
    通していることを特徴とする濾過装置。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれか1項におい
    て、該洗浄用ポンプの吐出側を廃水処理装置に連通させ
    るための手段が設けられていることを特徴とする濾過装
    置。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし4のいずれか1項におい
    て、該洗浄用ポンプの吐出側及び/又は吸引側に、水質
    を検知するための少なくとも1個のセンサが設けられて
    いることを特徴とする濾過装置。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし5のいずれか1項におい
    て、該洗浄用ポンプの吐出側又は吸引側に、洗浄薬液の
    中和剤を供給する手段が設けられていることを特徴とす
    る濾過装置。
  7. 【請求項7】 請求項1ないし6のいずれか1項におい
    て、該吐出側又は吸引側に、清水又は低濁度水を供給す
    る手段を設けたことを特徴とする濾過装置。
  8. 【請求項8】 請求項1ないし7のいずれか1項におい
    て、該洗浄用ポンプの吐出側又は吸引側に、消泡剤を供
    給する手段を設けたことを特徴とする濾過装置。
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