JP2001078894A - 透明非粘着コーティングを施した加熱調理器およびその製造方法 - Google Patents

透明非粘着コーティングを施した加熱調理器およびその製造方法

Info

Publication number
JP2001078894A
JP2001078894A JP25856499A JP25856499A JP2001078894A JP 2001078894 A JP2001078894 A JP 2001078894A JP 25856499 A JP25856499 A JP 25856499A JP 25856499 A JP25856499 A JP 25856499A JP 2001078894 A JP2001078894 A JP 2001078894A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
silicone
coating
agent
fluorine
heating cooker
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP25856499A
Other languages
English (en)
Inventor
Kazuo Kamisaka
和夫 上坂
Etsuko Hirose
悦子 広瀬
Hideo Matsuki
秀雄 松木
Hiroaki Tsukahara
広明 塚原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Electric Home Appliance Co Ltd
Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Home Appliance Co Ltd
Mitsubishi Electric Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Electric Home Appliance Co Ltd, Mitsubishi Electric Corp filed Critical Mitsubishi Electric Home Appliance Co Ltd
Priority to JP25856499A priority Critical patent/JP2001078894A/ja
Publication of JP2001078894A publication Critical patent/JP2001078894A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Cookers (AREA)
  • Application Of Or Painting With Fluid Materials (AREA)
  • Paints Or Removers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 表面は撥水性、防汚性に優れ、さらに内部が
紫外線硬化性樹脂により形成された高硬度で優れた耐摩
耗性、耐擦過性をもったコーティング処理を施した加熱
調理器およびその製造方法を提供する。 【解決手段】 加熱調理器のステンレス素材に透明非粘
着コーティングを施し、透明非粘着コーティングに使用
するコーテイング剤が、紫外線硬化性樹脂およびフッ素
系表面改質剤とからなり、紫外線硬化樹脂が、アクリル
樹脂、ウレタン樹脂およびシリコーン樹脂のなかから選
ばれた少なくとも1種以上の紫外線硬化性樹脂であり、
フッ素系表面改質剤が、エポキシ変性シリコーン、アク
リル変性シリコーンおよび有機・無機シリコーン樹脂の
なかから選ばれた少なくとも1種以上からなり、フロロ
アルキル基およびフロロアクリル基のなかから選ばれた
少なくとも1種以上のフッ化アルキル基を有するフッ素
系表面改質剤である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高硬度の紫外線硬
化樹脂とフッ素系表面改質剤からなる撥水性コーティン
グ剤によるコーティング処理を施した加熱調理器、なら
びに基板の表面に撥水性、防汚性、耐摩耗性、耐擦過
性、密着性に富んだ高硬度撥水性薄膜を形成する形成方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】フッ素化アルキル基(Rf基)を含む物
質を固体表面に被覆すると、表面エネルギーが著しく低
くなって、高度の撥水・撥油性を示し、摩擦係数が小さ
くなることはよく知られている。このような特徴は、ほ
んの表面だけにRf基を存在させれば良いが、基板に市
販の撥水剤を塗布するのみでは、撥水層の耐摩耗性が劣
る。
【0003】この問題を解決するために、たとえば特開
平8−143690号公報に記載されているように、ア
クリル系光重合硬化塗料とシラノール基を有するポリシ
ロキサン組成物とを含有する未硬化下地層を形成した上
に、シリコン系熱重合硬化塗料とパーフルオロアルコキ
シシランとを含有する未硬化上層を形成し、紫外線照射
+加熱処理する。この場合、シロキサン結合により結合
されたフッ素結合基が表面および内部に存在するため、
優れた撥水性を有する。また、この薄膜の表面および内
部のほとんどがシリコーン系耐摩耗熱重合硬化組成物の
硬化したものであり、優れた耐摩耗性も有する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このようにし
て形成された薄膜は、優れた撥水性と強固な密着力を有
するものの、硬度、擦過性に問題がある。
【0005】本発明はかかる課題を解決するために行わ
れたものであり、表面は撥水性、防汚性に優れ、さらに
内部がアクリル系紫外線硬化性樹脂により、高硬度で優
れた耐摩耗性、耐擦過性をもったコーティング剤を施し
た加熱調理器、およびその製造方法を提供することを目
的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1にかかわる発明
は、ステンレス素材に透明非粘着コーティングを施した
ことを特徴とする加熱調理器である。
【0007】請求項2にかかわる発明は、透明非粘着コ
ーティングに使用するコーティング剤が、紫外線硬化性
樹脂およびフッ素系表面改質剤とからなる請求項1記載
の加熱調理器である。
【0008】請求項3にかかわる発明は、紫外線硬化樹
脂が、アクリル樹脂、ウレタン樹脂およびシリコーン樹
脂のなかから選ばれた少なくとも1種以上の紫外線硬化
性樹脂である請求項2記載の加熱調理器である。
【0009】請求項4にかかわる発明は、フッ素系表面
改質剤が、エポキシ変性シリコーン、アクリル変性シリ
コーンおよび有機・無機シリコーン樹脂のなかから選ば
れた少なくとも1種以上からなり、フロロアルキル基お
よびフロロアクリル基のなかから選ばれた少なくとも1
種以上のフッ化アルキル基を有するフッ素系表面改質剤
である請求項3記載の加熱調理器である。
【0010】請求項5にかかわる発明は、コーティング
剤が、フッ素系レベリング剤、シリコーン系レベリング
剤、高分子エーテル系レベリング剤、ノニオン系レベリ
ング剤のなかから選ばれた少なくとも1種以上のレベリ
ング剤を含有する請求項1または2記載の加熱調理器で
ある。
【0011】請求項6にかかわる発明は、請求項1また
は2記載の加熱調理器の製造方法であって、密着性付与
のためステンレス素材にコーティング前処理として、シ
ラノールアミン系カップリング剤またはジメチルシラン
系カップリング剤を塗布することを特徴とする製造方法
である。
【0012】請求項7にかかわる発明は、請求項1また
は2記載の加熱調理器の製造方法であって、透明非粘着
コーティング剤を塗布した後、加熱処理を行い、表面に
非粘着能を有するフロロアルキル基、フロロアクリル基
をブリードさせることを特徴とする製造方法である。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の加熱調理器は、ステンレ
ス素材に透明非粘着コーティングを施したものである。
【0014】前記基材に使用する素材としては、ガラス
や金属など、コーティング膜が形成できるものであれば
いずれでも使用可能であるが、とくに素材の硬度が高い
ものであれば、より高硬度な撥水性薄膜が得られる。と
くにステンレスが好ましい。
【0015】このようなステンレス素材の表面は、後述
するコーティングの前に密着性付与のためにカップリン
グ剤を塗布することが好ましい。ここで、カップリング
剤としては、シラノールアミン系カップリング剤、ジメ
チルシラン系カップリング剤などがあげられる。シラノ
ールアミン系カップリング剤としては、KBM403
(信越化学工業(株)製)、ジメチルシラン系カップリ
ング剤としては、KBM603(信越化学工業(株)
製)などがあげられる。また、カップリング剤の塗布厚
は、0.001〜0.1μmであることが好ましい。
0.001μm未満の場合、連続膜とならず、密着性付
与という効果が得られず、0.1μmをこえる場合、カ
ップリング剤層で凝集破壊を起こし、強度が低下する傾
向がある。
【0016】本発明の透明非粘着コーティングに使用す
る撥水性コーティング剤は、紫外線硬化性樹脂とフッ素
系表面改質剤とからなるコーティング剤である。
【0017】前記紫外線硬化性樹脂としては、アクリル
樹脂、ウレタン樹脂およびシリコーン樹脂があげられ
る。これらは1種または2種以上を混合して使用するこ
とができる。
【0018】このような紫外線硬化性樹脂としては、た
とえばアクリル酸エステルとメタクリル酸との共重合
体、グリシジルメタクリレートとアクリル酸エステルの
共重合体などのアクリル樹脂、ウレタンを主体としたポ
リウレタンアクリレート、ポリエステルポリオールとメ
チレンジイソシアネート(以下、「MDI」という)系
イソシアネートの組み合わせ、アクリルポリオールとM
DI、ポリエステルポリオールとトリレンジイソシアネ
ート(以下、「TDI」という)アクリルポリオールと
TDI、ポリエステルポリオールとヘキサメチレンジイ
ソシアネート(以下、「HMDI」という)、アクリル
ポリオールとHMDI、ポリエステルポリオールとイソ
ホロンジイソシアネート(以下、「IPDI」とい
う)、アクリルポリオールとIPDIなどのウレタン樹
脂、シリコーンを主体としたシリコーンアクリレート、
メチルフェニルシリコーンとシリコーンアクリレートの
共重合体、メチルエチルシリコーンとアクリル酸エステ
ルとの共重合体などのシリコーン樹脂などを使用するこ
とができる。これらの中で、とくにアクリル酸とメタク
リル酸との共重合体が、低ヘイズで密着性がよく、しか
も大きな膜硬度が得られるため、最も好ましい。
【0019】前記フッ素系表面改質剤は、一分子中に炭
化水素基の水素部分のすべてまたはその一部分をフッ素
原子に置換したフッ素化アルキル基(Rf基)とマトリ
ックス樹脂と相溶し得る基で構成される化合物であれ
ば、ランダムオリゴマー型、グラフトポリマー型、ブロ
ックコポリマー型のいずれでも良い。これらの中で、ラ
ンダムオリゴマー型が、樹脂相溶性と分子運動性のバラ
ンスに優れ、またRf基と樹脂相溶性基の導入が共重合
により比較的容易に達成できるため、最も好ましい。こ
れらは1種または2種以上を混合して使用することがで
きる。
【0020】たとえば、エポキシ変性シリコーン、アク
リル変性シリコーンおよび有機・無機シリコーン樹脂の
なかから選ばれた少なくとも1種以上のベース材料から
なり、これらのベース材料のなかに、フロロアルキル基
およびフロロアクリル基のなかから選ばれた少なくとも
1種以上のフッ化アルキル基を有するものである。
【0021】フッ素系表面改質剤の添加量は、コーティ
ング薄膜の必要とされる撥水性、硬度などに応じて適宜
変えられるが、フッ素系表面改質剤を除くコーティング
剤100重量部に対し0.1〜80重量部、さらに好ま
しくは5〜20重量部添加されることが望ましい。フッ
素系表面改質剤の量が多くなると、コーティング薄膜の
硬度が充分でなくなり、フッ素系表面改質剤の量が少な
すぎると十分な撥水性が得られないからである。
【0022】当該コーティング剤は、フッ素系レベリン
グ剤、シリコーン系レベリング剤、高分子エーテル系レ
ベリング剤、ノニオン系レベリング剤のなかから選ばれ
た少なくとも1種以上のレベリング剤を含有することが
好ましい。
【0023】レベリング剤とは、表面平滑性を向上させ
るために、コーティング剤に添加するものであって、た
とえばシリコーン系レベリング剤としてはS022(D
EFRA社製)など、ノニオン系レベリング剤としては
BM1000およびBM1100(BM−CHEMIE
社製)などがあげられる。
【0024】また、レベリング剤の添加量は、コーティ
ング剤100重量部に対して、0.01〜3重量部であ
ることが好ましい。0.01重量部未満の場合、レベリ
ング剤添加による硬化が得られず、3重量部をこえる場
合、レベリング剤が表面にブリードしすぎ、表面強度が
低下する傾向がある。
【0025】また、本発明の加熱調理器の製造方法にお
いて、高硬度撥水性薄膜の形成方法は、基板上に、紫外
線硬化性樹脂とフッ素系表面改質剤とを形成する未硬化
層を形成する工程、さらに80℃以上であって150℃
以下の加熱処理および紫外線照射により該未硬化層を重
合させる工程からなるものである。加熱処理温度が80
℃未満の場合には、フッ素系表面改質剤がブリードする
のに時間がかかりすぎる傾向がある。
【0026】図1(a)は、コーティング後の加熱調理
器の断面図、(b)は紫外線照射および加熱処理した後
の加熱調理器の断面図であって、フッ素化アルキル基が
ブリート゛して配向した状態を表している。なお、1は基
材(ステンレス素材)、2は塗膜、3はブリード部を示
す。
【0027】基材1に紫外線硬化性樹脂とフッ素系表面
改質剤とからなるコーティング剤を塗布し、未硬化層を
形成する。つぎに、150℃以下の加熱処理ならびに紫
外線照射することにより、未硬化層を重合させれば、表
面層にはフッ素化アルキル基がブリードし、内部のほと
んどにおいて、紫外線硬化性組成物が硬化した状態のコ
ーティング層を形成することができる。
【0028】こうして得られる高硬度撥水性薄膜は、表
面層にフッ素化アルキル基がブリードし配向しているた
めに、表面エネルギーが低い状態となり、優れた撥水
性、防汚性を発揮する。また、この高硬度撥水性薄膜
は、内部のほとんどが紫外線硬化性樹脂組成物が硬化し
たものであるため、高硬度で優れた耐摩耗性、耐擦過性
を発揮する。
【0029】形成したコーティング層の厚さは、20〜
70μmであることが好ましい。20μm未満の場合、
耐久性が低下し、水の浸透などにより変色しやすくな
り、70μmをこえる場合、熱伝導性が低下し、調理性
能が悪くなる傾向がある。
【0030】一方、ブリード部の厚さは、0.05〜2
μmであることが好ましい。0.05μm未満の場合、
磨耗層が少なすぎ、耐久性に乏しく、2μmをこえる場
合、表面強度が低下する傾向がある。
【0031】
【実施例】以下に本発明の実施例に基づいて説明する
が、本発明はかかる実施例のみに限定されるものではな
い。
【0032】実施例1〜6および比較例1〜2 アクリル系紫外線硬化性樹脂(大日本インキ化学工業
(株)製、C1−860)56重量部、フェノン系光重
合開始剤の2種類(チバガイギー製、イルガキュアAお
よびB)をそれぞれ0.3重量部、とフッ素系表面改質
剤(大日本インキ化学工業(株)製、ディフェンサTR
−220K)を加え、撥水性コーティング剤とした。こ
のときフッ素系表面改質剤の添加量は、フッ素系表面改
質剤を除くコーティング剤100重量部に対し、0.0
5〜100重量部の間で変化させた。
【0033】前記のようにして作製したコーティング剤
をガラス基板あるいは黄銅上に約10μmになるように
コートし、80℃で約10分乾燥した。これに80W/
cmの出力をもつ高圧水銀ランプで、約10cmの距離
から約20秒照射し、高硬度撥水性薄膜を形成した。
【0034】前記のようにして得られた高硬度撥水性薄
膜の膜硬度、撥水性、防汚性、耐摩耗性、耐擦過性、密
着性を次の方法で測定し、評価した。
【0035】(膜硬度)膜硬度は、JIS K5400
による鉛筆引っかきテストにより表面傷つきの状態を評
価した。膜硬度として2H以上あれば十分強固な膜と判
断し、本発明のコーティング剤として使用することがで
きる。
【0036】(撥水性)撥水性は、基板上の塗膜の水の
接触角を協和界面科学(株)製接触角計で測定した。接
触角として100°以上あれば撥水性は良好と判断し
た。
【0037】(防汚性)防汚性は、マジック(登録商
標)インク(赤、黒)、ボールペン、コーヒー、口紅な
どに24時間直接接触させ水あるいはエタノール拭き
後、目視にて汚染が全く認められない場合を○、わずか
に汚染が認められる場合を△、著しい汚染が認められる
場合を×とした。
【0038】(耐擦過性、耐摩耗性)耐擦過性、耐摩耗
性は、基板上の塗膜をワイパ(紙)で擦った後、傷の付
き具合と撥水性の変化で評価した。擦り条件は、ワイパ
と基板との間の押付荷重100gf、摺動速度26.7
mm/sで行い、摺動10000回後の擦り試験で傷が
付かず、水の接触角が100°以上であれば、本発明の
コーティング剤として使用することができる。なお、耐
擦過性は、擦り試験後、接触角を評価することにより行
った。
【0039】(密着性)密着性は、粘着テープによる剥
離テストにより、剥離度合の状態で5段階に分け評価し
た。剥離なしの状態が5で良好、かすかに剥離ありの状
態を4としてやや良好、わずかに剥離ありの状態を3と
して普通、かなり剥離ありの状態を2としてやや不良、
全面剥離の状態を1として不良とした。密着性が4以上
のものは、本コーティング剤として好ましく用いること
ができる。
【0040】その結果を表1に示す。表1より、フッ素
系表面改質剤を除くコーティング剤100重量部に対し
フッ素系表面改質剤0.05重量部では十分な撥水性が
得られず、フッ素系表面改質剤100重量部では、コー
ティング薄膜の硬度に問題があることがわかる。その他
の場合は、硬度、撥水性、耐擦過性、耐摩耗性に優れた
コーティング薄膜が得られるが、5〜20重量部添加し
たときが最も良好であった。
【0041】
【表1】
【0042】実施例7〜11 実施例1において、紫外線硬化性樹脂を(1)アクリル
酸メタクリル酸との共重合体(大日本インキ化学工業
(株)製、C1−860)、(2)シリコーンを主体と
したシリコーンアクリレート重合体(信越化学工業
(株)製、X−62−7509)、(3)ウレタンを主
体としたウレタンアクリレート重合体(大日本インキ化
学工業(株)製、GRANDIC・FC−0612)、
(4)ビスフェノール型エポキシ樹脂(平均分子量18
00程度)、(5)シリコーン樹脂の単体(平均分子量
2200程度)とした。それぞれにフッ素系表面改質剤
(大日本インキ化学工業(株)製、ディフェンTR−2
20K)を、フッ素系表面改質剤を除くコーティング剤
100重量部に対し10重量部加え、撥水性コーティン
グ剤とした。
【0043】得られた高硬度撥水性薄膜の各特性を前記
実施例1と同様の方法で測定した。その評価結果を表2
に示す。この実施例2のなかでは、硬度の点でアクリル
酸とメタクリル酸との共重合体が最も良好であった。
【0044】
【表2】
【0045】実施例12〜14 実施例1において、アクリル系紫外線硬化性樹脂(大日
本インキ化学工業(株)製、C1−860)に、フッ素
化表面改質剤を(1)ランダムオリゴマー系(大日本イ
ンキ化学工業(株)製、ディフェンサ)、(2)グラフ
トポリマー系(東亜合成(株)製、アロンG)、(3)
ブロックコポリマー系(日本油脂(株)製、モディパ
ー)をそれぞれフッ素系表面改質剤を除くコーティング
剤100重量部に対し10重量部加え、コーティング剤
とした。
【0046】得られた高硬度撥水性薄膜の各特性を前記
実施例1と同様の方法で測定した。その評価結果を表3
に示す。この実施例3のなかでは、ランダムオリゴマー
系が最も良好であった。
【0047】
【表3】
【0048】実施例15 実施例1において、フッ素系レベリング剤Schweg
o−Fluor8035、8036(SCHWEGMA
NN製、ドイツ)、シリコーン系レベリング剤BM−S
−22(BM−CHEMIE製、ドイツ)、アニオン系
レベリング剤Contra−Sol(W,ULRICH
製、ドイツ)、高分子エーテル系レベリング剤BM−1
800A(BM−CHEMIE製、ドイツ)、特殊界面
活性剤系レベリング剤Antigel(SCHWEGM
ANN製、ドイツ)、ノニオン系レベリング剤BM−1
000、BM−1100(BM−CHEMIE製、ドイ
ツ)を非粘着性コーティング剤100重量部に対し、
0.1、0.5重量部添加し、表面平滑性と初期密着性
を目視評価した。表面平滑性では△以上、密着性では8
以上が適用可能である。結果を表4に示す。
【0049】
【表4】
【0050】上記の結果からフッ素系レベリング剤、シ
リコーン系レベリング剤、高分子エーテル系レベリング
剤、ノニオン系レベリング剤が適用可能である。
【0051】実施例16 実施例1においてステンレス素材用前処理として、リン
酸塩による化成処理(PB−137T、日本パーカライ
ジング製)、シラノールアミン系カップリング剤A(試
作品A、日本パーカライジング製)、シラノールアミン
系カップリング剤B(KBM−603、信越化学工業
(株)製)、ジメチルシラン系カップリング剤(コルコ
ート製)、クロム酸系プライマ(市販短曝型エッチング
プライマ、大日本塗料製)をリン酸塩系化成処理は50
℃×3分間の浸漬処理、それ以外はエアースプレーによ
り0.1〜2μmになるように膜厚を調整して塗布し、
初期ならびに120時間の沸騰水試験後の密着性を評価
した。評価方法はJIS K−5400により、8以上
が適用可能である。結果を表5に示す。
【0052】
【表5】
【0053】上記の結果からシラノールアミン系カップ
リング剤、ジメチルシラン系カップリング剤が適用可能
であった。
【0054】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明の請求項1〜
4にかかわる発明によれば、表面は撥水性、防汚性に優
れており、さらに内部のほとんどがアクリル系の紫外線
硬化性樹脂が硬化したものであり、高硬度で優れた耐摩
耗性、耐擦過性をもった高硬度撥水性薄膜を有する加熱
調理器を得ることができる。
【0055】請求項5にかかわる発明によれば、レベリ
ング剤を有するため、表面平滑性に優れた加熱調理器を
得ることができる。
【0056】請求項6にかかわる発明によれば、密着性
にすぐれたコーティング層を有する加熱調理器を得るこ
とができる。
【0057】請求項7にかかわる発明によれば、高硬度
撥水性薄膜の形成方法においては、基板上に、紫外線硬
化性樹脂とフッ素系表面改質剤とを塗布する未硬化層形
成工程、および150℃以下の加熱処理ならびに紫外線
照射により該未硬化層を重合させる工程を有するため、
撥水性、防汚性ならびに高硬度で優れた耐摩耗性、耐擦
過性を発揮できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の加熱調理器の断面図である。(a)
はコーティング後の断面図、(b)は加熱および紫外線
照射した後に、フッ素化アルキル基がブリート゛して配向
した状態を表す断面図である。
【符号の説明】
1 基材、2 塗膜、3 ブリード部。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09D 201/02 C09D 201/02 (72)発明者 広瀬 悦子 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 松木 秀雄 埼玉県大里郡花園町大字小前田1728番地1 三菱電機ホーム機器株式会社内 (72)発明者 塚原 広明 埼玉県大里郡花園町大字小前田1728番地1 三菱電機ホーム機器株式会社内 Fターム(参考) 4B055 AA01 BA15 BA56 CA01 CB16 FA04 FB36 FB37 FB49 FC02 FC12 FD03 FE03 4D075 BB24Y BB46Z CA06 CA13 CA34 CA36 DB04 DC38 EA07 EA41 EB16 EB22 EB38 EC45 4J038 DL032 DL052 DL102 FA221 FA231 FA241 FA281 GA12 PA07 PA17 PC02

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ステンレス素材に透明非粘着コーティン
    グを施したことを特徴とする加熱調理器。
  2. 【請求項2】 透明非粘着コーティングに使用するコー
    ティング剤が、紫外線硬化性樹脂およびフッ素系表面改
    質剤とからなる請求項1記載の加熱調理器。
  3. 【請求項3】 紫外線硬化樹脂が、アクリル樹脂、ウレ
    タン樹脂およびシリコーン樹脂のなかから選ばれた少な
    くとも1種以上の紫外線硬化性樹脂である請求項2記載
    の加熱調理器。
  4. 【請求項4】 フッ素系表面改質剤が、エポキシ変性シ
    リコーン、アクリル変性シリコーンおよび有機・無機シ
    リコーン樹脂のなかから選ばれた少なくとも1種以上か
    らなり、フロロアルキル基およびフロロアクリル基のな
    かから選ばれた少なくとも1種以上のフッ化アルキル基
    を有するフッ素系表面改質剤である請求項3記載の加熱
    調理器。
  5. 【請求項5】 コーティング剤が、フッ素系レベリング
    剤、シリコーン系レベリング剤、高分子エーテル系レベ
    リング剤、ノニオン系レベリング剤のなかから選ばれた
    少なくとも1種以上のレベリング剤を含有する請求項1
    または2記載の加熱調理器。
  6. 【請求項6】 請求項1または2記載の加熱調理器の製
    造方法であって、密着性付与のためステンレス素材にコ
    ーティング前処理として、シラノールアミン系カップリ
    ング剤またはジメチルシラン系カップリング剤を塗布す
    ることを特徴とする製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項1または2記載の加熱調理器の製
    造方法であって、透明非粘着コーティング剤を塗布した
    後、加熱処理を行い、表面に非粘着能を有するフロロア
    ルキル基、フロロアクリル基をブリードさせることを特
    徴とする製造方法。
JP25856499A 1999-09-13 1999-09-13 透明非粘着コーティングを施した加熱調理器およびその製造方法 Pending JP2001078894A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP25856499A JP2001078894A (ja) 1999-09-13 1999-09-13 透明非粘着コーティングを施した加熱調理器およびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP25856499A JP2001078894A (ja) 1999-09-13 1999-09-13 透明非粘着コーティングを施した加熱調理器およびその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001078894A true JP2001078894A (ja) 2001-03-27

Family

ID=17321996

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP25856499A Pending JP2001078894A (ja) 1999-09-13 1999-09-13 透明非粘着コーティングを施した加熱調理器およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001078894A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014080596A (ja) * 2012-09-27 2014-05-08 Tokyo Printing Ink Mfg Co Ltd 金属基材用活性エネルギー線硬化型塗料組成物およびその塗料組成物を用いた物品
CN115627086A (zh) * 2022-09-29 2023-01-20 广州先进技术研究所 一种耐高温的宽谱超疏液涂层及其制备方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014080596A (ja) * 2012-09-27 2014-05-08 Tokyo Printing Ink Mfg Co Ltd 金属基材用活性エネルギー線硬化型塗料組成物およびその塗料組成物を用いた物品
CN115627086A (zh) * 2022-09-29 2023-01-20 广州先进技术研究所 一种耐高温的宽谱超疏液涂层及其制备方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TWI476223B (zh) 防污組成物、防污膜、防污積層膜、轉印薄膜及樹脂積層體以及樹脂積層體的製造方法
TWI527859B (zh) 硬塗膜
TWI448503B (zh) 活性能量線硬化性樹脂組成物,硬化膜,積層體,光記錄媒體及硬化膜之製造方法
KR100848656B1 (ko) 내마모성 코팅 및 이로써 피막된 제품
JP5680486B2 (ja) ハードコートフィルム
JP4517590B2 (ja) 耐汚染性付与剤及びそれを用いた耐汚染性物品
JP5810528B2 (ja) 転写フィルム、樹脂積層体及びそれらの製造方法
JP6006096B2 (ja) 潤滑被膜用塗料組成物
CN113122133B (zh) 动态双疏涂料、制备方法、使用方法及动态双疏涂层
JP4372268B2 (ja) コーティング剤、および被覆層を有する樹脂成形品
JP2006212987A (ja) 転写材
JP2007191703A (ja) 重合体、組成物、硬化物および硬化塗膜の形成方法
JP2017171726A (ja) 硬化性組成物及びその硬化物並びに積層体
JP2001078894A (ja) 透明非粘着コーティングを施した加熱調理器およびその製造方法
JP2011149010A (ja) 防汚硬化膜、転写フィルム、転写フィルムの製造方法、樹脂積層体及び樹脂積層体の製造方法
JP5066148B2 (ja) 耐指紋性フィルム
JP2007168261A (ja) 艶消し化粧シート
JP4161060B2 (ja) 撥水性コーティング剤ならびにこれを用いた高硬度撥水性薄膜の形成方法
JP3984424B2 (ja) 上塗り塗膜の形成方法、被覆物品、および自動車用外板
JP2945950B2 (ja) 含フッ素共重合体ワニス組成物と塗布膜の形成方法
WO2019189880A1 (ja) 膜形成用の塗布液および膜付基材の製造方法
JPH1095937A (ja) コーティング剤及び硬化塗膜を有する樹脂成形品
JP6811231B2 (ja) 光学部材の製造方法、及び、光学部材
JP2020203383A (ja) フィルム及び積層体の製造方法
JP2005162781A (ja) 硬化性組成物、および物品

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20040419

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040511

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20040921