JP2001078714A - マグネシウム分補給用食品材料、及び、マグネシウム複合蛋白質及び/又はマグネシウム複合多糖蛋白質、並びに、それらの製造方法 - Google Patents

マグネシウム分補給用食品材料、及び、マグネシウム複合蛋白質及び/又はマグネシウム複合多糖蛋白質、並びに、それらの製造方法

Info

Publication number
JP2001078714A
JP2001078714A JP26255299A JP26255299A JP2001078714A JP 2001078714 A JP2001078714 A JP 2001078714A JP 26255299 A JP26255299 A JP 26255299A JP 26255299 A JP26255299 A JP 26255299A JP 2001078714 A JP2001078714 A JP 2001078714A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
magnesium
protein
genus
basidiomycete
food material
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP26255299A
Other languages
English (en)
Inventor
Teijiro Omura
村 悌治郎 大
Otokichi Suganuma
沼 音 吉 菅
Hiroaki Maeda
田 浩 明 前
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Individual
Original Assignee
Individual
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Individual filed Critical Individual
Priority to JP26255299A priority Critical patent/JP2001078714A/ja
Publication of JP2001078714A publication Critical patent/JP2001078714A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 毒性がなく、味覚や香りも良好で、安全性が
高く、加工性にも問題がなく、吸収率の高いキレート型
マグネシウム分を高濃度で含むマグネシウム分補給用食
品材料、及び、マグネシウム複合蛋白質及びマグネシウ
ム複合多糖蛋白質。 【解決手段】 レンティナス属、グリフォラ属及びアガ
リクス属から選ばれた少なくとも一種の担子菌からな
り、該担子菌中にマグネシウム分が0.5g/100g
以上の割合で含有されていることを特徴とするマグネシ
ウム分補給用食品材料。及び、蛋白質及び多糖蛋白質中
に、マグネシウム分が5g/100g以上の割合で含有
されていることを特徴とする、マグネシウム複合蛋白質
及びマグネシウム複合多糖蛋白質。並びに、これらのマ
グネシウム分補給用食品材料の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、マグネシウムを高
濃度で含有する、マグネシウム分補給用食品材料、及
び、マグネシウム複合蛋白質及びマグネシウム複合多糖
蛋白質、並びに、それらの製造方法に関する。更に詳し
くは、レンティナス属(シイタケ)、グリフォラ属(マ
イタケ)及びアガリクス属(マッシュルーム)から選ば
れた少なくとも一種の担子菌にマグネシウム分を資化さ
せることにより、担子菌の代謝を利用して得られる、マ
グネシウムを高濃度で含有する、マグネシウム分補給用
食品材料、及び、マグネシウム複合蛋白質及び/又はマ
グネシウム複合多糖蛋白質、並びに、それらの製造方法
に関するものである。この様なマグネシウムを高濃度で
含有する、マグネシウム複合蛋白質及びマグネシウム複
合多糖蛋白質を含有するマグネシウム分補給用食品材料
は、毒性がなく、味覚や香りも良好で、加工性にも問題
がないし、安全性が高く、吸収率の高いキレート型マグ
ネシウム分を高濃度で含むことから、これを摂取するこ
とにより、血漿中のコレステロール低下作用や、血圧低
下作用、免疫機能の向上を図ることができる。
【0002】
【従来の技術】マグネシウム元素は、体重70kgの人
体内に24〜28g程度含有されており、人体内では第
4番目に多い陽イオン系の多量ミネラルである。その中
の50%以上が骨に所在し、残りの50%は軟組織、し
かも、その大部分は細胞内液中に分布して、生命の維持
に必要不可欠な生理作用を担っている。マグネシウムの
生理作用は、骨や歯を形成し、糖質、脂質の代謝(クエ
ン酸サイクル)における酵素作用の活性化や人体内での
蛋白質の合成に必要であり、又、エネルギーを伝達する
反応にも関係していることが知られている。また、マグ
ネシウムはカルシウムと似た作用があり、特に骨格にお
いてはカルシウムと拮抗性があることも知られている。
また、マグネシウムとカルシウムとは相互作用があるの
で、健康人の適性摂取バランスとしてCa/Mg比は2
/1の割合で摂取されることが推奨されている。しか
し、昨今では骨粗鬆症の予防のために、カルシウムを摂
取する人が増加している。けれども、残念ながら、カル
シウムの摂取量が所要量を越えている人でも、マグネシ
ウムの摂取量では所要量以下である人が多い。マグネシ
ウムは、胆汁、膵液、腸液等にも含まれており、そのほ
とんどが再吸収されて循環されている。しかし、尿中の
マグネシウムの排泄量は、男性では100mg/日、女
性では90mg/日であり、少なくともその排泄量に見
合った量を摂取しなければならない。マグネシウムの代
謝は、1日に摂取されるマグネシウムの量の1/3が小
腸から吸収され、その所要量は300〜400mg/日
とされている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】マグネシウムは人間が
生きていくために必須の金属成分であり、マグネシウム
が不足すると、骨や歯の形成、糖質・脂質の代謝(クエ
ン酸サイクル)の酵素作用、体内での蛋白質の合成、エ
ネルギーの伝達等の障害が起きるので、常時摂取する必
要性から常に食品として摂取する必要がある。しかしな
がら、マグネシウムを高含量で含有する食品が特別にな
いことから、必要な摂取量のマグネシウムを摂取するた
めには多量の食品を食べ続けなければならないことにな
る。一方、従来、担子菌類としては、種々のものが知ら
れているが、その大多数は野山に自然に生息しており、
その中の一部が農家で栽培され、食品材料として利用さ
れている。また、それら野山に自然に生息している担子
菌類の中には、毒性を有するものがあったり、味覚や香
りが悪かったり、採取後の乾燥等の工程において粘りが
生じたりする等の加工性に問題があるもの等があり、実
用性においてやや問題があった。また、これら担子菌類
は野山に自然に生息しているのが通常であることから、
また、農家で栽培しているものも自然環境に近い状態で
栽培されているために、一般的に、これら担子菌類には
マグネシウム分を多量に含むものは存在していない。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題に
鑑みて鋭意研究を重ねた結果、特定な担子菌にマグネシ
ウム分を資化させて栽培することにより得られたマグネ
シウムを高濃度で含有するマグネシウム分補給用食品材
料は、毒性がなく、味覚や香りも良好で、加工性にも問
題がないし、安全性が高く、高マグネシウム含量のマグ
ネシウム複合蛋白質及び/又はマグネシウム複合多糖蛋
白質を含んだものが得られ、更に、その菌体よりマグネ
シウム複合蛋白質及び/又はマグネシウム複合多糖蛋白
質を分離・精製することにより、マグネシウム分を高濃
度で含む高マグネシウム含量のマグネシウム複合蛋白質
及び/又はマグネシウム複合多糖蛋白質が得られ、それ
を摂取すれば、骨や歯の形成、糖質・脂質の代謝(クエ
ン酸サイクル)の酵素作用、体内での蛋白質の合成、エ
ネルギーの伝達等を活性化することができるので、コレ
ステロール低下作用や、血圧低下作用、免疫機能の向上
を図ることができるとの知見に基づき本発明を完成する
に至ったものである。
【0005】すなわち、本発明のマグネシウム分補給用
食品材料は、レンティナス属、グリフォラ属及びアガリ
クス属から選ばれた少なくとも一種の担子菌からなり、
該担子菌中にマグネシウム分が0.5g/100g以上
の割合で含有されていることを特徴とするものである。
また、本発明のもう一つの発明であるマグネシウム分補
給用食品材料の製造方法は、レンティナス属、グリフォ
ラ属及びアガリクス属から選ばれた少なくとも一種の担
子菌を、水溶性マグネシウム分を含有する培地で培養し
て、該担子菌にマグネシウム分を資化させて、該担子菌
の細胞成分及び/又は菌体外成分中の蛋白質及び多糖蛋
白質中にマグネシウム分を高濃度で含有させることを特
徴とするものである。更に、本発明のもう一つの発明で
あるマグネシウム複合蛋白質及びマグネシウム複合多糖
蛋白質は、蛋白質及び多糖蛋白質中に、マグネシウム分
が5g/100g以上の割合で含有されていることを特
徴とするものである。また、本発明のもう一つの発明で
あるマグネシウム複合蛋白質及びマグネシウム複合多糖
蛋白質の製造方法は、レンティナス属、グリフォラ属及
びアガリクス属から選ばれた少なくとも一種の担子菌に
マグネシウム分を資化させることにより得られる担子菌
の細胞成分及び/又は菌体外成分より、菌体は凍結粉砕
後、抽出分離することにより、培養瀘液はアルコールを
加えて沈殿分離することにより、蛋白質及び多糖蛋白質
を分離・精製することを特徴とするものである。
【0006】
【発明の実施の形態】[I] マグネシウム分補給用食品材
料の製造 (1) 原材料 (a) 担子菌 マグネシウム分補給用食品材料を製造するには、以下に
示すレンティナス属(Lentinus)、グリフォラ
属(Grifola)及びアガリクス属(Agaric
us)から選ばれた少なくとも1種の担子菌が使用され
る。これら担子菌の中でも、シイタケ(Lentinu
s.edodes)、ツクリタケ(マッシュルーム:
A.bisporus)を用いることが好ましい。レンティナス属 上記レンティナス属(Lentinus)としては、シ
イタケ(L.edodes)、マツオオジ(L.lep
ideus)等を挙げることができる。これらの中でも
シイタケ(L.edodes)を用いることが好まし
い。グリフォラ属 上記グリフォラ属(Grifola)としては、マイタ
ケ(G.frondosa)、シロマイタケ(G.al
bicans)、チョレイマイタケ(G.umbell
ata)、トンビマイタケ(G.gigantea)等
を挙げることができる。これらの中でもマイタケ(G.
frondosa)を用いることが好ましい。アガリクス属 アガリクス属(Agaricus)としては、ツクリタ
ケ(マッシュルーム:A.bisporus)、ハラタ
ケ(A.campestris)、シロオオハラタケ
(A.arvensis)、ザラエノハラタケ(A.s
ubrutilescens)等を挙げることができ
る。これらの中でもツクリタケ(マッシュルーム:A.
bisporus)を用いることが好ましい。
【0007】(b) マグネシウム分 上記担子菌に資化させるマグネシウム分としては、水溶
性のマグネシウム分が使用される。該水溶性のマグネシ
ウム分としては、マグネシウムの硫酸塩、硝酸塩、塩酸
塩、酢酸塩、クエン酸塩、蓚酸塩、酒石酸塩、蟻酸塩、
フマル酸塩、ハロゲン化物、酸化物、水酸化物等の各種
のマグネシウム化合物を使用することができる。具体的
には、例えば、MgSO、Mg(NO、MgC
、MgBr 、MgI、MgO、Mg(O
H)、Mg(CHCOO)等を挙げることができ
る。これらのマグネシウム化合物の中でも水に難溶性の
ものは、水溶性となる様に無機酸又は有機酸等と混合し
て使用するもできる。これらの中でもMgSO、クエ
ン酸マグネシウム等を用いることが好ましい。
【0008】(2) 培 養 上記の特定な担子菌を水溶性マグネシウム分を含有する
培地で培養して、該担子菌にマグネシウム分を資化させ
ることにより、担子菌の細胞成分及び/又は菌体外成分
中の蛋白質及び多糖蛋白質中にマグネシウム分を高濃度
で含有させたマグネシウム分補給用食品材料を製造す
る。
【0009】(a) 培 地 培地としては、麦芽エキス、グルコース等の糖分に、少
量の酵母エキス等のグロースファクターを添加した培地
に、酒石酸アンモニウム等の窒素源及び上記マグネシウ
ム分を配合したものが使用される。
【0010】(b) 培養条件 担子菌にマグネシウム分を資化させるための培養は、夫
々適当な水素イオン濃度(pH)や温度にて行われる。
具体的な培養条件としては、水素イオン濃度(pH)が
一般に4.0〜7.0、好ましくは4.3〜6.5、培
養温度が一般に15〜30℃、好ましくは20〜25
℃、培養期間が一般に7〜20日間、好ましくは12〜
15日間で、培養、好ましくは通気培養することによ
り、菌体にマグネシウム分を資化させることができる。
【0011】[II] マグネシウム分補給用食品材料 (1) 構成成分 上記の様にして培養させて得られた培養物は、レンティ
ナス属、グリフォラ属及びアガリクス属から選ばれた少
なくとも一種の担子菌から構成されており、該担子菌を
そのままマグネシウム分補給用食品材料として用いる場
合もあるが、一般的には、これら培養物を瀘過し、固体
の菌体を凍結して粉砕した後、液体の培養瀘液と混合し
たものがマグネシウム分補給用食品材料として用いられ
る。
【0012】(2) マグネシウム分含量 上記マグネシウム分補給用食品材料を構成する担子菌中
には、マグネシウム分が0.5g/100g以上、好ま
しくは0.7〜1.5g/100gの割合で含有されて
いる。上記担子菌中に含まれるマグネシウム分は、後記
の様なマグネシウム複合蛋白質及びマグネシウム複合多
糖蛋白質として含有されており、これらはキレート構造
を有する化合物より形成されていると推定されることか
ら、摂取時には吸収率が高い。マグネシウム含量の測定 該マグネシウム分補給用食品材料或いはマグネシウム複
合蛋白質及びマグネシウム複合多糖蛋白質中のマグネシ
ウム分の含量の測定は、EDTA測定法によって測定す
ることができる。
【0013】(3) 用 途 上記菌体をそのまま食品材料として用いるか、又は、菌
体を凍結し粉砕した後、培養瀘液と混合したものを用い
るか、或いは、用途によっては濃縮及び乾燥してから、
他の食品と混合して用いることも可能である。
【0014】[III] マグネシウム複合蛋白質及びマグ
ネシウム複合多糖蛋白質の製造 (1) 分 離 上記培養を終了した培養物中に含まれる高マグネシウム
含量のマグネシウム複合蛋白質及びマグネシウム複合多
糖蛋白質を分離するために、培養を終了した培養物を、
先ず、瀘過して固体と瀘液に分離する。
【0015】(2) 精 製 次に、固体の菌体は凍結粉砕した後に水を加え、攪拌抽
出して、水不溶物を遠心分離して除去する。ここで除去
される水不溶物は主として細胞壁である。そして、上記
遠心分離した上澄み液に、硫酸アンモニウムを50%飽
和となるように加えて、沈殿を生成させる。この沈殿物
を遠心分離した後、乾燥することによりマグネシウム複
合蛋白質の粉末を得る。一方、前記培養瀘液に、その2
倍容量のエタノールを加えて、沈殿を形成させ、これを
瀘別し乾燥して、マグネシウム複合多糖蛋白質粉末を得
る。
【0016】[IV] マグネシウム複合蛋白質及びマグネ
シウム複合多糖蛋白質 (1) マグネシウム複合蛋白質 上記培養物の固体より分離・精製した粉末を酸化第二マ
グネシウム水和物の秤量により分析したところ、マグネ
シウム分を5g/100g以上、好ましくは7〜15g
/100gの割合で含有する高マグネシウム含量のマグ
ネシウム複合蛋白質の粉末であることを確認することが
できる。得られたマグネシウム複合蛋白質は、Seph
adex G−75等のカラムクロマトグラフィーによ
って分画され、ボイド部からトータル部にかけて幅広い
画分に蛋白質、マグネシウムの存在を示すことから 複
合物であることが確認され、その複合物中にマグネシウ
ムが含まれていることから、生体内においては錯体とし
て存在しているのが一般的であるので、キレート構造を
有する化合物であると推定される。この様なキレート構
造を有すると推定される化合物は、摂取時には高い吸収
率を示すことができる。
【0017】(2) マグネシウム複合多糖蛋白質 上記培養物の液体より分離・精製した粉末をEDTA適
定法により分析したところ、マグネシウム分を5g/1
00g以上、好ましくは7〜15g/100gの割合で
含有する高マグネシウム含量のマグネシウム複合多糖蛋
白質の粉末であることを確認することができる。得られ
たマグネシウム複合多糖蛋白質は、Sephadex
G−75等のカラムクロマトグラフィーによって分画さ
れ、ボイド部からトータル部にかけて幅広い画分に蛋白
質、糖、マグネシウムの存在を示すことから複合物であ
ることが確認され、その複合物中にマグネシウムが含ま
れていることから、生体内においては錯体として存在し
ているのが一般的であるので、キレート構造を有する化
合物であると推定される。この様なキレート構造を有す
ると推定される化合物は、摂取時には高い吸収率を示す
ことができる。
【0018】(3) 用 途 上記の様にして得られた高マグネシウム含量のマグネシ
ウム複合蛋白質又はマグネシウム複合多糖蛋白質は、抗
変異原性物質であり、栄養剤として、或いは、他の食品
に入れて栄養強化剤として用いることができる。これら
はいろいろな形で摂取することができるが、加熱や酵
素、超音波により分解させて、分子量(数平均分子量)
を5,000以下、好ましくは1,000〜3,000
にして、摂取し易くすることもできる。通常、液状のも
のよりも固型化して粉末状として摂取するのが普通であ
る。例えば、毎日食事毎に採取し続けることが有効であ
る。その効果は比較的速効性であり、また、早く排泄さ
れる。
【0019】(4) 効 果 この様な高マグネシウム含量のマグネシウム複合蛋白質
及び/又はマグネシウム複合多糖蛋白質は、毒性がな
く、味覚や香りも悪くなく、加工性にも問題がないし、
安全性が高く、吸収率の高いキレート型マグネシウム分
を高濃度に含むことから、活性酸素除去作用や免疫機能
の向上を等を図るマグネシウム分補給用食品材料及び医
薬品を調製することができる。このマグネシウム分補給
用食品材料を摂取することによって、骨や歯の形成、糖
質・脂質の代謝(クエン酸サイクル)の酵素作用、体内
での蛋白質の合成、エネルギーの伝達等ができるので、
血漿中のコレステロール低下作用や、血圧低下作用、免
疫機能の向上を図ることができる。
【0020】
【実施例】以下に示す実施例によって、本発明を更に具
体的に説明する。 実施例1〜3 (1) 培養方法 担子菌として、レンティナス属(シイタケ:Lenti
nus.edodes:実施例1)、グリフォラ属(マ
イタケ:Grifola.frondosa:実施例
2)、及び、アガリクス属(ハラタケ:Agaricu
s.blazei:実施例3)を用い、下記の倍地組成
及び培養条件下にて培養した。 (a) 培地組成 麦芽エキス 100g 酵母エキス 2.5g 酒石酸アンモニウム 2.0g MgO 5g 水 1リットル (b) 培養条件 培地pH 4.5 温度 20℃ 期間 15日間 培養 通気培養
【0021】(2) 精 製 培養終了後、菌体と培養瀘液を分離し、菌体は凍結粉砕
した後に水を加え、攪拌抽出し、不溶物を遠心分離して
除去する。遠心上澄み液に硫酸アンモニウムを50%飽
和となるように加え、沈殿を作出する。この沈殿物を遠
心分離し、乾燥することにより菌体及び培養瀘液1リッ
トルに対して、表1に示す様な収量のマグネシウム複合
蛋白質の粉末を得た。一方、瀘液に2倍容量のエタノー
ルを加えて、沈殿を形成させ、瀘別、乾燥することによ
り、菌体及び培養瀘液1リットルに対して、表1に示す
様な収量の鉄複合多糖蛋白質の粉末を得た。得られた粉
末はキノコの種類により表1の様に呼称する。
【0022】
【表1】
【0023】得られたマグネシウム複合蛋白質の粉末を
水溶液に溶解しpH8.0に調整した後、トリプシンを
加え、50℃で30分間加水分解し、その分子量を表2
に示すように調整した。得られたマグネシウム複合多糖
蛋白質の粉末を水溶液に溶解して周波数17〜30KH
Zの超音波処理を行った後、pH8.0に調整し、トリ
プシンを加え、50℃で30分間加水分解し、その分子
量を表2に示すように調整した。得られたキノコの分析
を下記に示す方法により行い、その結果を表2及び表3
に示す。
【0024】
【表2】
【0025】
【表3】
【0026】マグネシウム分の測定 マグネシウム複合蛋白質及びマグネシウム複合多糖蛋白
質中のマグネシウム分の含量の測定は、EDTA(エチ
レンジアミンテトラ酢酸)測定法によって測定した。具
体的には、試料溶液を中和し、溶液100mlにつきN
−NHCl緩衝溶液2mlとBT指示薬溶液に2
滴を加えて0.01モルEDTAで滴定することによっ
て行われた。また、上記マグネシウム複合蛋白質及びマ
グネシウム複合多糖蛋白質がキレート構造を有する化合
物であることは、Sephadex G−75のカラム
クロマトグラフィーによって分画したものは、ボイド部
からトータル部にかけて幅広い画分に蛋白質、マグネシ
ウム、或いは、蛋白質、糖、マグネシウムの存在を示す
ことから複合物であることが確認され、その複合物中に
マグネシウムが含まれていることから、生体内において
は錯体として存在しているのが一般的であるので、キレ
ート構造を有する化合物であると思われる。炭水化物の測定 フェノール硫酸法を用いて測定した。標準曲線はグルコ
ースを用いた。蛋白質の測定 ケルダール法を用いて全窒素を定量し、蛋白定数6.2
5を乗じた。灰分の測定 乾式灰化法を用いて測定した。水分の測定 減圧加熱乾燥法を用いて行った。乾燥は98〜100℃
で25mmHgで5時間行った。分子量の測定 Sephadex G−75のカラムクロマトグラフィ
ーを行い、分子量マーカーを用いて行った。
【0027】(3) 評 価 (a) コレステロール低下作用 Wister系オスラットに、マグネシウム複合蛋白質
及びマグネシウム複合多糖蛋白質を表1に示す様に飼料
に加えて与え、10日間飼育した。試験終了後、血漿総
コレステロールを定量し、表4の結果を得た。ラットは
1群10頭用いた。
【0028】
【表4】
【0029】いずれの物質も顕著なコレステロール低下
作用を示した。物質間に大きな差は認められなかった。
【0030】(b) 血圧低下作用 本態性高血圧55歳〜65歳の患者にマグネシウム複合
蛋白質及びマグネシウム複合多糖蛋白質を25日間摂取
させ、血圧値の変動を観察した。摂取量は1g/日で1
群5人とした。その結果を表5に示す。
【0031】
【表5】
【0032】いずれのマグネシウム複合蛋白質及びマグ
ネシウム複合多糖蛋白質も25日間の摂取により血圧は
拡張期、収縮期平均してそれぞれ20及び22低下し
た。キノコの種類の間には大きな活性の差は認められな
かった。このマグネシウム複合蛋白質とマグネシウム複
合多糖蛋白質は、摂取時に高い吸収率を示すことからも
キレート構造を有する化合物で有ることが理解できる。
【0033】(c) 免疫機能の向上(マウス腹腔マクロフ
ァージに対する作用) 正常マウス(C3H/He株)から採取した腹腔マクロ
ファージからのメディエーター類の産生誘導活性を取り
上げ、マグネシウム複合蛋白質とマグネシウム複合多糖
蛋白質がこの活性をどの様に誘導するかを調べた。メデ
ィエーターとしては腫瘍壊死因子(TNF−α)及びイ
ンターローキン−6(IL−6)を取り上げた。マクロ
ファージ細胞培養液中に10μg/ml、100μg/
mlの濃度の試料を添加することにより細胞を刺激し、
その後、培養液中に産生放出させるメディエーター類の
活性を測定した。TNFの場合はL929細胞に対する
殺細胞活性、IL−6の場合は、IL−6依存性細胞株
1323.29細胞に対する細胞増殖活性で測定した。
その結果を表6として示す。
【0034】
【表6】
【0035】いずれの試料もマウス腹腔マクロファージ
を活性化させた。マグネシウム複合体はPWMによるT
NP−SRBCに対する抗体産生を示した。キノコの種
類の間には大きな活性の差は認められなかった。
【0036】
【発明の効果】本発明のマグネシウム分補給用食品材料
及び該材料より得られる高マグネシウム含量のマグネシ
ウム複合蛋白質及び/又はマグネシウム複合多糖蛋白質
は、毒性が無く、味覚や香りも良好で、加工性にも問題
がないし、安全性が高く、吸収率の高いキレート型亜鉛
分を高濃度に含むことから、マグネシウムを容易に摂取
ことができ、それによって骨や歯の形成、糖質・脂質の
代謝(クエン酸サイクル)の酵素作用、体内での蛋白質
の合成、エネルギーの伝達等ができるので、血漿中のコ
レステロール低下作用や、血圧低下作用、免疫機能の向
上を図ることができる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12R 1:645) (72)発明者 菅 沼 音 吉 東京都世田谷区南烏山3−12−16−4 (72)発明者 前 田 浩 明 千葉県松戸市岩瀬631−19−102 Fターム(参考) 4B018 MD82 MD83 ME04 ME14 MF01 MF05 MF07 4B064 AG01 CA07 CC03 CD01 CE03 CE08 DA10

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】レンティナス属、グリフォラ属及びアガリ
    クス属から選ばれた少なくとも一種の担子菌からなり、
    該担子菌中にマグネシウム分が0.5g/100g以上
    の割合で含有されていることを特徴とするマグネシウム
    分補給用食品材料。
  2. 【請求項2】マグネシウム分が、担子菌の細胞成分及び
    /又は菌体外成分中の蛋白質及び多糖蛋白質中に含有さ
    れたものである、請求項1に記載のマグネシウム分補給
    用食品材料。
  3. 【請求項3】レンティナス属、グリフォラ属及びアガリ
    クス属から選ばれた少なくとも一種の担子菌を、水溶性
    マグネシウム分を含有する培地で培養して、該担子菌に
    マグネシウム分を資化させて、該担子菌の細胞成分及び
    /又は菌体外成分中の蛋白質及び多糖蛋白質中にマグネ
    シウム分を高濃度で含有させることを特徴とするマグネ
    シウム分補給用食品材料の製造方法。
  4. 【請求項4】蛋白質及び多糖蛋白質中に、マグネシウム
    分が5g/100g以上の割合で含有されていることを
    特徴とする、マグネシウム複合蛋白質及びマグネシウム
    複合多糖蛋白質。
  5. 【請求項5】レンティナス属、グリフォラ属及びアガリ
    クス属から選ばれた少なくとも一種の担子菌にマグネシ
    ウム分を資化させることにより得られる担子菌の細胞成
    分及び/又は菌体外成分より、菌体は凍結粉砕後、抽出
    分離することにより、培養瀘液はアルコールを加えて沈
    殿分離することにより、蛋白質及び多糖蛋白質を分離・
    精製することを特徴とする、マグネシウム複合蛋白質及
    びマグネシウム複合多糖蛋白質の製造方法。
JP26255299A 1999-09-16 1999-09-16 マグネシウム分補給用食品材料、及び、マグネシウム複合蛋白質及び/又はマグネシウム複合多糖蛋白質、並びに、それらの製造方法 Pending JP2001078714A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP26255299A JP2001078714A (ja) 1999-09-16 1999-09-16 マグネシウム分補給用食品材料、及び、マグネシウム複合蛋白質及び/又はマグネシウム複合多糖蛋白質、並びに、それらの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP26255299A JP2001078714A (ja) 1999-09-16 1999-09-16 マグネシウム分補給用食品材料、及び、マグネシウム複合蛋白質及び/又はマグネシウム複合多糖蛋白質、並びに、それらの製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001078714A true JP2001078714A (ja) 2001-03-27

Family

ID=17377400

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP26255299A Pending JP2001078714A (ja) 1999-09-16 1999-09-16 マグネシウム分補給用食品材料、及び、マグネシウム複合蛋白質及び/又はマグネシウム複合多糖蛋白質、並びに、それらの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001078714A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006119774A1 (en) * 2005-05-13 2006-11-16 Medimush As Feed or food products comprising fungal material
US7514085B2 (en) 2004-07-16 2009-04-07 Medimush A/S Immune modulating compounds from fungi
KR101483207B1 (ko) * 2014-06-25 2015-01-22 한국지질자원연구원 고흡수성 마그네슘 복합체의 제조방법
US9072776B2 (en) 2005-06-15 2015-07-07 Glycanova As Anti-cancer combination treatment and kit-of-parts

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7514085B2 (en) 2004-07-16 2009-04-07 Medimush A/S Immune modulating compounds from fungi
US7682615B2 (en) 2004-07-16 2010-03-23 Beka Holding As Immune modulating compounds from fungi
WO2006119774A1 (en) * 2005-05-13 2006-11-16 Medimush As Feed or food products comprising fungal material
US9072776B2 (en) 2005-06-15 2015-07-07 Glycanova As Anti-cancer combination treatment and kit-of-parts
KR101483207B1 (ko) * 2014-06-25 2015-01-22 한국지질자원연구원 고흡수성 마그네슘 복합체의 제조방법

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN108289422B (zh) 生产蘑菇的方法
JP2011530300A (ja) 酵母栄養食品及びその製造方法
CN107549817B (zh) 一种辣木天然有机钙及其制备方法
JPH09191852A (ja) 健康食品
CN101766273B (zh) 蘑菇多糖体组合物
JP4032372B2 (ja) 抗癌性物質
JP2004315512A (ja) 機能性組成物
KR20160055292A (ko) 효모 및 천연효소를 이용한 발효삼채 제조 및 갈증해소용 혼합음료 제조방법
JP2001078714A (ja) マグネシウム分補給用食品材料、及び、マグネシウム複合蛋白質及び/又はマグネシウム複合多糖蛋白質、並びに、それらの製造方法
JPH0937711A (ja) 健康食品
JP3429726B2 (ja) 牡蠣肉エキスの製造方法
US20230355685A1 (en) Raw material production from stichopus variegatus
JP2004350620A (ja) 亜鉛分補給用食品材料
JP4323128B2 (ja) 生理活性組成物
EP2275111A1 (en) Enteral nutrient
KR100734944B1 (ko) 젖산칼슘 및 미강을 주재로 한 기능성 건강식품 조성물
CN108402462B (zh) 一种组合物、其应用和缓解体力疲劳、增强免疫力的产品
JP6904594B2 (ja) 鉄富化栄養製品を形成するための方法
CN104432022B (zh) 一种消除亚健康的混合营养粉及其制作方法
KR101060514B1 (ko) 효모에 의한 다시마 발효산물로부터 기능성 천연 발효조미료와 다시마 발효분말 및 그의 제조방법
JP2001078715A (ja) 亜鉛分補給用食品材料、及び、亜鉛複合蛋白質及び/又は亜鉛複合多糖蛋白質、並びに、それらの製造方法
JP2001078713A (ja) 鉄分補給用食品材料、及び、鉄複合蛋白質及び/又は鉄複合多糖蛋白質、並びに、それらの製造方法
KR0179957B1 (ko) 한국 재래식 간장으로 숙성한 토하 키틴이 완숙된 토하젓 제조 방법
JP2004099461A (ja) アマノリタンパク質含有組成物および食品
JPH04270296A (ja) ミネラル吸収促進剤