JP2001078715A - 亜鉛分補給用食品材料、及び、亜鉛複合蛋白質及び/又は亜鉛複合多糖蛋白質、並びに、それらの製造方法 - Google Patents

亜鉛分補給用食品材料、及び、亜鉛複合蛋白質及び/又は亜鉛複合多糖蛋白質、並びに、それらの製造方法

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JP2001078715A JP26255699A JP26255699A JP2001078715A JP 2001078715 A JP2001078715 A JP 2001078715A JP 26255699 A JP26255699 A JP 26255699A JP 26255699 A JP26255699 A JP 26255699A JP 2001078715 A JP2001078715 A JP 2001078715A
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Teijiro Omura
村 悌治郎 大
Otokichi Suganuma
沼 音 吉 菅
Hiroaki Maeda
田 浩 明 前
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 毒性が無く、味覚や香りも良好で、安全性が
高く、加工性にも問題がなく、吸収率の高いキレート型
マグネシウム分を高濃度で含む亜鉛分補給用食品材料、
亜鉛複合蛋白質及び亜鉛複合多糖蛋白質。 【解決手段】 レンティナス属、グリフォラ属及びアガ
リクス属から選ばれた少なくとも一種の担子菌からな
り、該担子菌中に亜鉛分が0.5g/100g以上の割
合で含有されていることを特徴とする亜鉛分補給用食品
材料。及び、蛋白質及び多糖蛋白質中に、亜鉛分が5g
/100g以上の割合で含有することを特徴とする、亜
鉛複合蛋白質及び亜鉛複合多糖蛋白質。並びに、レンテ
ィナス属、グリフォラ属及びアガリクス属から選ばれた
少なくとも一種の担子菌を、水溶性亜鉛分を含有する培
地で培養して、該担子菌に亜鉛分を資化させて、該担子
菌の細胞成分及び/又は菌体外成分中の蛋白質及び多糖
蛋白質中に亜鉛分を高濃度で含有させることを特徴とす
る亜鉛分補給用食品材料の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、亜鉛分を高含量で
含有する、亜鉛分補給用食品材料、及び、亜鉛複合蛋白
質及び亜鉛複合多糖蛋白質、並びに、それらの製造方法
に関する。更に詳しくは、レンティナス属(シイタ
ケ)、グリフォラ属(マイタケ)及びアガリクス属(マ
ッシュルーム)から選ばれた少なくとも一種の担子菌に
亜鉛分を資化させることにより、担子菌の代謝を利用し
て得られる、亜鉛分を高濃度で含有する亜鉛分補給用食
品材料、及び、亜鉛複合蛋白質及び/又は亜鉛複合多糖
蛋白質、並びに、それらの製造方法に関するものであ
る。この様な亜鉛分を高濃度で含有する、亜鉛複合蛋白
質及び亜鉛複合多糖蛋白質を含有する亜鉛分補給用食品
材料は、毒性がなく、味覚や香りも良好で、加工性にも
問題がないし、安全性が高く、吸収率の高いキレート型
の亜鉛分を高濃度で含むことから、これを摂取すること
により、活性酸素除去作用や免疫機能の向上を図ること
ができる。
【0002】
【従来の技術】日本食品標準成分表の中には、蛋白質、
脂質、炭水化物、ビタミン等と一緒に、カルシウム、
燐、鉄、ナトリウム、カリウムの金属が無機質として挙
げられている。しかし、これら無機質に属しない金属分
は灰分として挙げられているだけで、具体的に記載され
ていない。しかしながら、上記無機質以外のものにも、
人間の生体内には微量ではあるが欠くことのできない金
属元素があることが知られており、これらは微量栄養元
素と称されている。これら微量栄養元素としては、沃
素、弗素、亜鉛、銅、コバルト、マンガン、セレン、ク
ロム、モリブデン、カドミウム、鉛、水銀、砒素、リチ
ウム、硼素、錫、バナジウム、ニッケル、珪素、アルミ
ニウム等を挙げることができる。これら微量栄養元素
は、上記無機質の中に含まれていないが、生体内で欠乏
することにより種々の欠乏症が起こる。特に、亜鉛は、
生体内での主要な代謝反応に関与している金属酵素の一
部を構成している物質であることから、亜鉛が欠乏する
と金属酵素の代謝反応に問題が生じる。例えば、亜鉛を
含有する酵素としては、炭酸脱水素酵素、アルコール酸
化酵素、アルカリ性ホスファターゼ、DNAポリメラー
ゼ、RNAポリメラーゼ、乳酸脱水素酵素、アルドラー
ゼ等の核散・蛋白質代謝の酵素が知られており、亜鉛の
欠乏はこれらの酵素活性に何等かの障害を与えるため、
腸性肢端皮膚炎、脱毛、小人症、性線機能の低下、味覚
障害、免疫機能の低下が出現する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】この様な亜鉛は、体重
70kgの男性体内に総亜鉛量として1.4〜2.3g
が含有されており、これら亜鉛は特に肝臓及び膵臓に多
く含まれており、中でもインスリンの生産臓器である膵
臓に多く含まれている。また、腸液中にも多く存在して
おり、ジペプチターゼ等の酵素の活性化に役立ってい
る。この様な亜鉛の1日の摂取量は、人間の場合、体重
1kg当たり0.3mg程度であることから、1日当た
り10〜20mg程度を摂取する必要がある。しかしな
がら、この様な亜鉛を摂取するためには、多品種の食品
を摂取しなければならないが、偏食によって、必要な量
の亜鉛を摂取することができないこともある。一方、従
来、担子菌類としては、種々のものが知られているが、
その大多数は野山に自然に生息しており、その中の一部
が農家で栽培され、食品材料として利用されている。ま
た、それら野山に自然に生息している担子菌類の中に
は、毒性を有するものがあったり、味覚や香りが悪かっ
たり、採取後の乾燥等の工程において粘りが生じたりす
る等の加工性に問題があるもの等があり、実用性におい
てやや問題があった。また、これら担子菌類は野山に自
然に生息しているのが通常であることから、また、農家
で栽培しているものも自然環境に近い状態で栽培されて
いるために、一般的に、これら担子菌類には亜鉛分を多
量に含むものは存在していない。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題に
鑑みて鋭意研究を重ねた結果、特定な担子菌に亜鉛分を
資化させて栽培することにより得られた亜鉛分を高濃度
で含有する亜鉛分補給用食品材料は、毒性がなく、味覚
や香りも良好で、加工性にも問題がないし、安全性が高
く、高亜鉛含量の亜鉛複合蛋白質及び/又は亜鉛複合多
糖蛋白質を含んだものが得られ、更に、その菌体より亜
鉛複合蛋白質及び/又は亜鉛複合多糖蛋白質を分離・精
製することにより、亜鉛分を高濃度で含む高亜鉛含量の
亜鉛複合蛋白質及び/又は亜鉛複合多糖蛋白質が得ら
れ、それを摂取すれば、免疫機能の向上、活性酸素除去
作用が得られるとの知見に基づき本発明を完成するに至
ったものである。
【0005】すなわち、本発明の亜鉛分補給用食品材料
は、レンティナス属、グリフォラ属及びアガリクス属か
ら選ばれた少なくとも一種の担子菌からなり、該担子菌
中に亜鉛分が0.5g/100g以上の割合で含有され
ていることを特徴とするものである。また、本発明のも
う一つの発明である亜鉛分補給用食品材料の製造方法
は、レンティナス属、グリフォラ属及びアガリクス属か
ら選ばれた少なくとも一種の担子菌を、水溶性亜鉛分を
含有する培地で培養して、該担子菌に亜鉛分を資化させ
て、該担子菌の細胞成分及び/又は菌体外成分中の蛋白
質及び多糖蛋白質中に亜鉛分を高濃度で含有させること
を特徴とするものである。更に、本発明のもう一つの発
明である亜鉛複合蛋白質及び亜鉛複合多糖蛋白質は、蛋
白質及び多糖蛋白質中に、亜鉛分が5g/100g以上
の割合で含有することを特徴とするものである。また、
本発明のもう一つの発明である亜鉛複合蛋白質及び亜鉛
複合多糖蛋白質の製造方法は、レンティナス属、グリフ
ォラ属及びアガリクス属から選ばれた少なくとも一種の
担子菌に亜鉛分を資化させてさせることにより得られる
担子菌の細胞成分及び/又は菌体外成分より、菌体は凍
結粉砕後、抽出分離することにより、培養瀘液はアルコ
ールを加えて沈殿分離することにより、蛋白質及び多糖
蛋白質を分離・精製することを特徴とするものである。
【0006】
【発明の実施の形態】[I] 亜鉛分補給用食品材料の製造 (1) 原材料 (a) 担子菌 亜鉛分補給用食品材料を製造するには、以下に示すレン
ティナス属(Lentinus)、グリフォラ属(Gr
ifola)及びアガリクス属(Agaricus)か
ら選ばれた少なくとも一種の担子菌が使用される。これ
ら担子菌の中でも、シイタケ(Lentinus.ed
odes)、ツクリタケ(マッシュルーム:Agari
cus.bisporus)、マイタケ(Grifol
a.frondosa)を用いることが好ましい。レンティナス属 上記レンティナス属(Lentinus)としては、シ
イタケ(L.edodes)、マツオオジ(L.lep
ideus)等を挙げることができる。これらの中でも
シイタケ(L.edodes)を用いることが好まし
い。グリフォラ属 上記グリフォラ属(Grifola)としては、マイタ
ケ(G.frondosa)、シロマイタケ(G.al
bicans)、チョレイマイタケ(G.umbell
ata)、トンビマイタケ(G.gigantea)等
を挙げることができる。これらの中でもマイタケ(G.
frondosa)を用いることが好ましい。アガリクス属 アガリクス属(Agaricus)としては、ツクリタ
ケ(マッシュルーム:A.bisporus)、ハラタ
ケ(A.campestris)、シロオオハラタケ
(A.arvensis)、ザラエノハラタケ(A.s
ubrutilescens)等を挙げることができ
る。これらの中でもツクリタケ(マッシュルーム:A.
bisporus)を用いることが好ましい。
【0007】(b) 亜鉛分 上記担子菌に資化させる亜鉛分としては、一般に水溶性
の亜鉛化合物が使用される。該水溶性の亜鉛化合物とし
ては、亜鉛の硫酸塩、硝酸塩、塩酸塩、酢酸塩、クエン
酸塩、蓚酸塩、酒石酸塩、蟻酸塩、フマル酸塩、ハロゲ
ン化物、酸化物、水酸化物等の各種の亜鉛化合物を使用
することができる。具体的には、例えば、ZnSO
、Zn(NO 、ZnCl 、ZnB
、ZnI 、Zn(CHCOO) 、Zn
(C )、Zn(OH) 、ZnO、ZnCO
等を挙げることができる。これらの亜鉛化合物の中
でも水に難溶性のものは、水溶性となる様に無機酸又は
有機酸と混合して使用するもできる。これらの中でもZ
n(NO 、Zn(CHCOO) 等を用い
ることが好ましい。
【0008】(2) 培 養 上記の特定な担子菌を水溶性亜鉛分を含有する培地で培
養して、該担子菌に亜鉛分を資化させることにより、担
子菌の細胞成分及び/又は菌体外成分中の蛋白質及び多
糖蛋白質中に亜鉛分を高濃度で含有させた亜鉛分補給用
食品材料を製造することができる。 (a) 培 地 培地としては、麦芽エキス、グルコース等の糖分に、少
量の酵母エキス等のグロースファクターを添加した培地
に、酒石酸アンモニウム等の窒素源及び上記亜鉛分を配
合したものが使用される。 (b) 培養条件 担子菌に亜鉛分を資化させるための培養は、夫々適当な
水素イオン濃度(pH)や温度にて行われる。具体的な
培養条件としては、水素イオン濃度(pH)が一般に
4.0〜7.0、好ましくは4.5〜6.5、培養温度
が一般に15〜30℃、好ましくは20〜25℃、培養
期間が一般に7〜20日間、好ましくは12〜15日間
で、培養、好ましくは通気培養することにより、菌体に
亜鉛分を資化させることができる。
【0009】[II] 亜鉛分補給用食品材料 (1) 構成成分 上記の様にして培養させて得られた培養物は、レンティ
ナス属、グリフォラ属及びアガリクス属から選ばれた少
なくとも一種の担子菌から構成されており、該担子菌を
そのまま亜鉛分補給用食品材料として用いる場合もある
が、一般的には、これら培養物を瀘過し、固体の菌体を
凍結して粉砕した後、液体の培養瀘液と混合したものが
亜鉛分補給用食品材料として用いられる。
【0010】(2) 亜鉛分含量 上記本発明の亜鉛分補給用食品材料を構成する担子菌中
には、亜鉛分が0.5g/100g以上、好ましくは
0.7〜1.5g/100gの割合で含有されている。
上記担子菌中に含まれる亜鉛分は、後記の様な亜鉛複合
蛋白質及び亜鉛複合多糖蛋白質として含有されており、
これらはキレート構造を有する亜鉛化合物より形成され
ていると推定されることから、摂取時には吸収率が高
い。亜鉛含量の測定 該亜鉛分補給用食品材料或いは亜鉛複合蛋白質及び亜鉛
複合多糖蛋白質中の亜鉛分の含量の測定は、原子吸光法
によって測定することができる。
【0011】(3) 用 途 上記菌体をそのまま食品材料として用いるか、又は、菌
体を凍結し粉砕した後、培養瀘液と混合したものを用い
るか、或いは、用途によっては濃縮及び乾燥してから、
他の食品と混合して用いることも可能である。
【0012】[III] 亜鉛複合蛋白質及び亜鉛複合多糖
蛋白質の製造 (1) 分 離 上記培養を終了した培養物中に含まれる高亜鉛含量の亜
鉛複合蛋白質及び亜鉛複合多糖蛋白質を分離するため
に、培養を終了した培養物を、先ず、瀘過して固体と瀘
液に分離する。
【0013】(2) 精 製 次に、固体の菌体は凍結粉砕した後に水を加え、攪拌抽
出して、水不溶物を遠心分離して除去する。ここで除去
される水不溶物は主として細胞壁である。そして、上記
遠心分離した上澄み液に、硫酸アンモニウムを50%飽
和となるように加えて、沈殿を生成させる。この沈殿物
を遠心分離した後、乾燥することにより亜鉛複合蛋白質
の粉末を得る。一方、前記培養瀘液に、その2倍容量の
エタノールを加えて、沈殿を形成させ、これを瀘別し乾
燥して、亜鉛複合多糖蛋白質粉末を得る。
【0014】[IV] 亜鉛複合蛋白質及び亜鉛複合多糖蛋
白質 (1) 亜鉛複合蛋白質 上記培養物の固体より分離・精製した粉末を原子吸光法
により分析したところ、亜鉛分を5g/100g以上、
好ましくは7〜15g/100gの割合で含有する高亜
鉛含量の亜鉛複合蛋白質の粉末であることを確認するこ
とができる。得られた亜鉛複合蛋白質の物性は、Sep
hadex G−75等のカラムクロマトグラフィーに
よって分画され、ボイド部からトータル部にかけて幅広
い画分に蛋白質と亜鉛の存在を示すことから複合物であ
ることが確認され、その複合物中に亜鉛が含まれている
ことから、生体内においては錯体として存在しているの
が一般的であるので、キレート構造を有する化合物であ
ると推定される。この様なキレート構造を有すると推定
される化合物は、摂取時には高い吸収率を示すことがで
きる。
【0015】(2) 亜鉛複合多糖蛋白質 上記培養物の液体より分離・精製した粉末を原子吸光法
により分析したところ、亜鉛分を5g/100g以上、
好ましくは7〜15g/100gの割合で含有する高亜
鉛含量の亜鉛複合多糖蛋白質であることを確認すること
ができる。得られたマグネシウム複合多糖蛋白質の物性
は、Sephadex G−75等のカラムクロマトグ
ラフィーによって分画され、ボイド部からトータル部に
かけて幅広い画分に蛋白質と糖と亜鉛の存在を示すこと
から複合物であることが確認され、その複合物中に亜鉛
が含まれていることから、生体内においては錯体として
存在しているのが一般的であるので、キレート構造を有
する化合物であると推定される。この様なキレート構造
を有すると推定される化合物は、摂取時には高い吸収率
を示すことができる。
【0016】(3) 用 途 上記の様にして得られた高亜鉛含量の亜鉛複合蛋白質又
は亜鉛複合多糖蛋白質は、抗変異原性物質であり、栄養
剤として、或いは、他の食品に入れて栄養強化剤として
用いることができる。これらはいろいろな形で摂取する
ことができるが、加熱や酵素、超音波により分解させ
て、分子量(数平均分子量)を5,000以下、好まし
くは1,000〜3,000にして、摂取し易くするこ
ともできる。通常、液状のものよりも固型化して粉末状
として摂取するのが普通である。例えば、毎日食事毎に
採取し続けることが有効である。その効果は比較的速効
性であり、また、早く排泄される。
【0017】(4) 効 果 この様な高亜鉛含量の亜鉛複合蛋白質及び亜鉛複合多糖
蛋白質は、毒性がなく、味覚や香りも良好で、加工性に
も問題がないし、安全性が高く、吸収率の高いキレート
型亜鉛分を高濃度に含むことから、活性酸素除去作用や
免疫機能の向上を等を図る亜鉛分補給用食品材料及び医
薬品を調製することができる。
【0018】
【実施例】以下に示す実施例及び比較例によって、本発
明を更に具体的に説明する。 [I] 実施例及び比較例 実施例1〜3 (1) 培養方法 担子菌として、レンティナス属(シイタケ:Lenti
nus.edodes:実施例1)、グリフォラ属(マ
イタケ:Grifola.frondosa:実施例
2)、及び、アガリクス属(ハラタケ:Agaricu
s.blazei:実施例3)を用い、下記の倍地組成
及び培養条件下にて培養した。 (a) 培地組成 麦芽エキス 100g 酵母エキス 2.5g 酒石酸アンモニウム 2.0g Zn(NO・6HO 5g 水 1リットル (b) 培養条件 培地pH 4.5 温度 20℃ 期間 15日間 培養 通気培養
【0019】(2) 精 製 培養終了後、菌体と培養瀘液を分離し、菌体は凍結粉砕
した後に水を加え、攪拌抽出し、不溶物を遠心分離して
除去する。遠心上澄み液に硫酸アンモニウムを50%飽
和となるように加え、沈殿を作出する。この沈殿物を遠
心分離し、乾燥することにより、菌体及び培養瀘液1リ
ットルに対して、表1に示す様な収量の亜鉛複合蛋白質
の粉末を得た。一方、瀘液に2倍容量のエタノールを加
えて、沈殿を形成させ、瀘別、乾燥することにより、菌
体及び培養瀘液1リットルに対して、表1に示す様な収
量の亜鉛複合多糖蛋白質の粉末を得た。得られた粉末は
キノコの種類により表1の様に呼称する。
【0020】
【表1】
【0021】得られた亜鉛複合蛋白質の粉末を水溶液に
溶解しpH8.0に調整した後、トリプシンを加え、5
0℃で30分間加水分解し、その分子量を表2に示すよ
うに調整した。得られた亜鉛複合多糖蛋白質の粉末を水
溶液に溶解して周波数17〜30KHZの超音波処理を
行った後、pH8.0に調整し、トリプシンを加え、5
0℃で30分間加水分解し、その分子量を表2に示すよ
うに調整した。得られたキノコの分析を下記に示す方法
により行い、その結果を表2及び表3に示す。
【0022】
【表2】
【0023】
【表3】
【0024】亜鉛分の測定 亜鉛複合蛋白質及び亜鉛複合多糖蛋白質中の亜鉛分の含
量の測定は、原子吸光法によって測定した。によって測
定した。具体的には、原子吸光測定装置(島津製作所
製)を用いて試料溶液を空気−C 炎で原子化し、
分析線213.9nmを用いて測定することによって行
われた。また、上記亜鉛複合蛋白質及び亜鉛複合多糖蛋
白質がキレート構造を有する化合物であることは、Se
phadex G−75のカラムクロマトグラフィーに
よって分画したものは、ボイド部からトータル部にかけ
て幅広い画分に蛋白質、亜鉛、或いは、蛋白質、糖、亜
鉛の存在を示すことから複合物であることが確認され、
その複合物中に亜鉛が含まれていることから、生体内に
おいては錯体として存在しているのが一般的であるの
で、キレート構造を有する化合物であると思われる。炭水化物の測定 フェノール硫酸法を用いて測定した。標準曲線はグルコ
ースを用いた。蛋白質の測定 ケルダール法を用いて全窒素を定量し、蛋白定数6.2
5を乗じた。灰分の測定 乾式灰化法を用いて測定した。水分の測定 減圧加熱乾燥法を用いて行った。乾燥は98〜100℃
で25mmHgで5時間行った。分子量の測定 Sephadex G−75のカラムクロマトグラフィ
ーを行い、分子量マーカーを用いて行った。
【0025】(3) 評 価 (a) 免疫機能の向上(サイトカイン産生促進作用) ヒト末肖血をconcanavallin A(Con
A)及び亜鉛複合体で刺激培養し、生合成されるインタ
ーロイキン(IL−I)の生成量を測定した。添加する
亜鉛複合体の濃度は300μg/mlとした。その結果
を表4に示す。
【0026】
【表4】
【0027】いずれの亜鉛複合体もConA刺激による
IL−Iの生成を促進させた。キノコの種類の間には活
性の差は認められなかった。
【0028】(b) 活性酸素除去作用 低酸素下(1.6%)での卵黄ホスファチジルコリンの
ラジカル連鎖反応によるヒドロペルオキシドの生成の抑
制作用を亜鉛複合蛋白質及び亜鉛複合多糖蛋白質につい
て検討した。添加量は各試料とも5mg/mlとし、2
時間毎に12時間測定した。その結果を表5に示す。
【0029】
【表5】
【0030】亜鉛複合物は、全て著名なヒドロペルオキ
シドの抑制作用を示した。キノコの種類の間には大きな
活性の差は認められなかった。この亜鉛複合蛋白質と亜
鉛複合多糖蛋白質は、摂取時に高い吸収率を示すことか
らもキレート構造を有する化合物で有ることが理解でき
る。
【0031】
【発明の効果】本発明の亜鉛分補給用食品材料及び該材
料より得られる高亜鉛含量の亜鉛複合蛋白質及び/又は
亜鉛複合多糖蛋白質は、毒性が無く、味覚や香りも良好
で、加工性にも問題がないし、安全性が高く、吸収率の
高いキレート型の亜鉛分を高濃度に含むことから、亜鉛
を容易に摂取ことができ、それによって活性酸素除去作
用や免疫機能の向上を図ることができる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12R 1:645) (72)発明者 菅 沼 音 吉 東京都世田谷区南烏山3−12−16−4 (72)発明者 前 田 浩 明 千葉県松戸市岩瀬631−19−102 Fターム(参考) 4B018 MD05 MD20 MD82 MD83 ME06 ME07 4B064 AG01 CA07 CC03 CD01 CE08 DA10

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】レンティナス属、グリフォラ属及びアガリ
    クス属から選ばれた少なくとも一種の担子菌からなり、
    該担子菌中に亜鉛分が0.5g/100g以上の割合で
    含有されていることを特徴とする亜鉛分補給用食品材
    料。
  2. 【請求項2】亜鉛分が、担子菌の細胞成分及び/又は菌
    体外成分中の蛋白質及び多糖蛋白質中に含有されたもの
    である、請求項1に記載の亜鉛分補給用食品材料。
  3. 【請求項3】レンティナス属、グリフォラ属及びアガリ
    クス属から選ばれた少なくとも一種の担子菌を、水溶性
    亜鉛分を含有する培地で培養して、該担子菌に亜鉛分を
    資化させて、該担子菌の細胞成分及び/又は菌体外成分
    中の蛋白質及び多糖蛋白質中に亜鉛分を高濃度で含有さ
    せることを特徴とする亜鉛分補給用食品材料の製造方
    法。
  4. 【請求項4】蛋白質及び多糖蛋白質中に、亜鉛分が5g
    /100g以上の割合で含有することを特徴とする、亜
    鉛複合蛋白質及び亜鉛複合多糖蛋白質。
  5. 【請求項5】レンティナス属、グリフォラ属及びアガリ
    クス属から選ばれた少なくとも一種の担子菌に亜鉛分を
    資化させてさせることにより得られる担子菌の細胞成分
    及び/又は菌体外成分より、菌体は凍結粉砕後、抽出分
    離することにより、培養瀘液はアルコールを加えて沈殿
    分離することにより、蛋白質及び多糖蛋白質を分離・精
    製することを特徴とする、亜鉛複合蛋白質及び亜鉛複合
    多糖蛋白質の製造方法。
JP26255699A 1999-09-16 1999-09-16 亜鉛分補給用食品材料、及び、亜鉛複合蛋白質及び/又は亜鉛複合多糖蛋白質、並びに、それらの製造方法 Pending JP2001078715A (ja)

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