JP2001077110A - 金属酸化物誘電体膜の気相成長方法 - Google Patents

金属酸化物誘電体膜の気相成長方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、配向性、結晶性ともに優れた金属
酸化物を、プラグ上に低温で形成することを可能にする
金属酸化物誘電体膜の気相成長方法を提供することを目
的とし、さらに、この気相成長方法を用いて微細化さ
れ、高集積化され、多層メタル化された半導体装置を提
供することを目的とする。 【解決手段】 真空容器内に配した基板を加熱しなが
ら、有機金属材料ガスと酸化ガスを別の導入口から真空
容器内に導入して、前記基板上に金属酸化物誘電体膜を
熱CVDにより気相成長する方法であって、前記酸化ガ
スが二酸化窒素ガスを含むことを特徴とする金属酸化物
誘電体膜の気相成長方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は容量素子を有する半
導体装置の製造方法に関し、特に有機金属材料ガスを用
いた、半導体集積回路のキャパシタもしくはゲートに用
いられる高誘電体膜、強誘電体膜の成膜方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】近年、強誘電体容量を利用した強誘電体
メモリーや、高誘電体容量を利用したダイナミック・ラ
ンダム・アクセス・メモリー(DRAM)等が活発に研究開発
されている。これらの強誘電体メモリー及びDRAMは選択
トランジスタを備えており、該選択トランジスタの一方
の拡散層に接続された容量をメモリセルとして情報を蓄
えている。強誘電体容量は容量絶縁膜としてPb(Zr,Ti)O
3(以下「PZT」と呼ぶ)等の強誘電体膜を用いており、強
誘電体を分極させることにより不揮発性の情報を蓄える
ことができる。一方、高誘電体容量は、容量絶縁膜とし
て(Ba,Sr)TiO3(以下「BST」と呼ぶ)等の高誘電体薄膜を
用いているため、容量のキャパシタンスを高めることが
でき、素子を微細化することが可能になる。
【0003】半導体素子にこの様なセラミック材料を使
用する上で、下部電極となる導電膜上に、この様なセラ
ミック材料を結晶性良く薄膜で堆積することが極めて重
要である。薄膜の堆積方法として従来ゾルゲル法、スパ
ッタ法、CVD法が報告されている。
【0004】ゾルゲル法は、有機溶剤に溶かした有機金
属材料をスピンコート法によって、下部電極を形成した
ウエハー上に塗布し、酸素中アニールによって結晶化さ
せる方法である。この方法では、固相内で結晶化が起こ
るために、結晶化に必要な温度は非常に高く、金属酸化
物誘電体膜がPZTの場合、十分な強誘電体特性を示す結
晶化温度は600℃であり、BSTの場合、充分な高誘電体特
性を示す結晶化温度は650℃である。このときの結晶の
配向性も不揃いであるといった欠点を有する。さらに、
ゾルゲル法は大口径ウエハーに対応するのが難しく、ま
た、段差被覆性が悪く、デバイスの高集積化には向かな
い。
【0005】次にスパッタ法は、ターゲットとして、成
膜するセラミックスの焼結体を用い、Ar+O2プラズマを
用いた反応性スパッタによって、電極を形成したウエハ
ー上に成膜し、その後、酸素中アニールによって結晶化
を行う方法である。ターゲットを大口径化することによ
って均一性が得られ、プラズマ投入パワーを上げること
によって十分な成膜速度が得られる。しかし、スパッタ
法においても、結晶化に高温を要するといった欠点を有
し、金属酸化物誘電体膜がPZTの場合、十分な強誘電体
特性を示す結晶化温度は600℃であり、BSTの場合、充分
な高誘電体特性を示す結晶化温度は650℃である。さら
に、スパッタ法では組成が、ターゲットの組成によって
ほとんど決まってしまうために、組成を変化させるには
ターゲットの交換が必要であり、工程的に不利である。
【0006】次にCVD法は、原料をガスの状態で真空容
器に輸送し、成膜するものである。CVD法は、大口径ウ
エハーにおける均一性及び表面段差に対する被覆性に優
れ、ULSIに応用する場合の量産化技術として有望である
と考えられる。金属酸化物誘電体膜の構成元素である金
属はBa、Sr、Bi、Pb、Ti、Zr、Ta、Laなどで、適当な水
素化物、塩化物が少なく、気相成長法には有機金属が用
いられる。しかし、これらの有機金属は蒸気圧が低く、
室温では固体もしくは液体のものが多く、キャリアガス
を使った輸送方法が用いられている。
【0007】図2は、キャリアガスを用いた場合の反応
ガス供給方法を示した模式図である。恒温槽201、ボト
ル202、ボトル内に用意された有機金属材料203、Ar、N2
等の不活性なキャリアガスの供給パイプ204、キャリア
ガスのマスフローコントローラ210、キャリアガスによ
って輸送される有機金属材料ガスの供給パイプ205、加
熱機構206を備えた成長室207、ガスの排気口209等から
この装置は構成される。
【0008】ボトル内に用意された有機金属材料203
は、例えばストロンチウムビスジピバロイルメタナート
Sr(DPM)2やバリウムビスジピバロイルメタナートBa(DP
M)2や鉛ビスジピバロイルメタナートPb(DPM)2あり、常
温では固体もしくは液体状態を保持している。この装置
を用いたCVD法では、これらの有機金属材料を、ボトル2
02の中で昇華させて、供給パイプ204より供給されたキ
ャリアガスに同伴させて、成長室207に供給すること
で、加熱されたウエハー208上に成膜する。このときの
成膜中の圧力は大気圧もしくは数Torr程度の減圧であ
る。
【0009】しかしながら、このような方法をとる場
合、キャリアガス中の有機金属材料ガス流量を定量化
し、かつ正確に流量を制御することが困難であるといっ
た欠点がある。すなわち、キャリアガス中には、恒温槽
202の温度で決定される飽和蒸気圧以上の有機金属原料
ガスが含まれ、この流量はキャリアガス流量だけでな
く、原料固体の表面積、恒温槽の温度等に依存するため
である。また、ジャパン・ジャーナル・オブ・アプライ
ド・フィジックス32巻4175ページ(Jpn. J.Appl.Phys.V
ol.32(1993)P.4175)に掲載の、この成膜方法を用いたPT
O(チタン酸鉛:PbTiO 3)の成膜についての記述によれ
ば、PTOの成膜温度は570℃とやはり非常に高温であり、
また、配向性も揃っていないといった欠点を有する。
【0010】減圧下で基板に反応性分子を供給し、薄膜
を成膜する方法について、特開平5-251355号公報に記載
がある。該公報の成膜方法は、ガス利用効率の向上と膜
厚均一性の向上を目的としており、供給した反応ガスに
含まれた分子の平均自由行程が真空容器内における基板
と真空容器の真空側露出壁との最短距離よりも長くなる
ように真空容器内の圧力を設定するガスを用いた薄膜作
成方法について開示している。該公報においては、分子
の平均自由行程d(m)とガスの温度(K)、ガスの圧力P(P
a)、ガス分子の直径D(m)との関係について記載してお
り、その関係は、d=3.11×10-24×T/(P×D2)に示さ
れているように平均自由行程はその分子の直径の自乗に
反比例する。有機金属材料ガスの分子の直径は、該公報
に示されているSi2H6分子の直径よりも10倍以上も大き
いため、有機金属材料ガスの平均自由行程はSi2H6分子
の平均自由行程の1/100以下になる。したがって、特開
平5-251355号公報に開示された方法では、装置上、製造
可能な距離を基板と真空容器の真空側露出壁との間にと
った場合、真空容器内の圧力を1×10-5Torr以下に設定
しなければならない。
【0011】金属酸化物誘電体膜を成膜する場合、酸化
ガスを導入し、有機金属材料 によって供給される金属
を十分に酸化する必要がある。1×10-5Torr以下のよう
な希薄な雰囲気では、酸化が十分に起こらず結晶性が悪
化するという問題点がある。さらに、1×10-5Torr以下
のような希薄な雰囲気では、原料の基板表面への供給量
が少なく、成膜速度が遅く、半導体装置の製造方法とし
て用いた場合、コストがかかりすぎるという問題点があ
る。従って、Si2H6等の直径の小さな分子では有効であ
るとしても、大きな分子を扱い、しかも十分酸化しなけ
ればならない金属酸化物誘電体膜の成膜へ適用は難し
い。また、開示されている基板温度も、700℃程度と
非常に高く、比較的低温での成膜が要求される本用途に
は向かない。また、金属酸化物誘電体膜の重要な要求特
性である膜の配向性について全く記載されていない。
【0012】これまでの強誘電体メモリー及びDRAMの形
成においては、上記のような成膜方法が用いられている
が、酸素雰囲気中で600℃程度以上の高温加熱が不可欠
であり、また配向性の制御を行うことも困難であった。
【0013】さらに、半導体装置の構造的な側面につい
て説明すると、強誘電体容量及び高誘電体容量を機能さ
せるためには、選択トランジスタの拡散層に容量のどち
らか一方の電極を電気的に接続する必要がある。従来よ
り、DRAMにおいては、選択トランジスタの一方の拡散層
に接続されたポリシリコンを容量の一方の電極とし、該
ポリシリコンの表面に容量の絶縁膜としてSiO2膜やSi3N
4膜等を形成し、容量とする構造が一般的である。しか
しながら、セラミック薄膜は酸化物であるため、ポリシ
リコンの表面に直接形成しようとするとポリシリコンが
酸化されるため、良好な薄膜を形成することができな
い。そのため、1995シンポジウム・オン・ブイエルエス
アイ・ダイジェスト・オブ・テクニカル・ペーパーズ(1
995 Symposium on VLSI Technology Digest of
technical Papers)pp.123ではAl等からなるメタルの局
所配線により、容量上部電極と拡散層とを接続するセル
構造が述べられている。また、インターナショナル・エ
レクトロン・デバイス・ミーテイング・テクニカルダイ
ジェスト(International electron devices meeting
technical digest)1994, p.843には、ポリシリコン
上にTiNバリアメタルを用いてPZT容量を形成する技術が
述べられている。DRAMについては、例えば、インターナ
ショナル・エレクトロン・デバイス・ミーテイング・テ
クニカルダイジェスト(International electron devi
ces meeting technical digest)1994, p.831には、
ポリシリコンプラグ上に形成されたRuO2/TiN下部電極上
にSTO(チタン酸ストロンチウム:SrTiO3)薄膜を成膜
し、容量を形成する技術が述べられている。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような成膜方法には以下の問題点がある。第一の問題点
は、金属酸化物誘電体膜の結晶化温度が600℃以上と高
くインターナショナル・エレクトロン・デバイス・ミー
テイング・テクニカルダイジェスト(International el
ectron devices meeting technical digest)1994,
p.843に示されているようにTiNをバリアメタルとして
用いたとしても、TiNの酸化は避けられず、コンタクト
抵抗が増えるという点である。さらにプラグの材質を、
ポリシリコンに変えてWやAlといった金属にすることも
困難である。Wは酸化しやすく、Alは融点を超えるから
である。それぞれの金属の実質的な上限温度は、TiNに
ついては約500℃、W、Alは約450℃である。
【0015】ジャパン・ジャーナル・オブ・アプライド
・フィジックス32巻4057ページ(Jpn.J.Appl.Phys. Vo
l.32(1993)P.4057)では、スパッタ法においてターゲッ
トを多元にして、それぞれの構成金属酸化物を用い、同
時スパッタすることによって組成を制御し、PZTの結晶
化温度を415℃と下げる方法が開示されている。しかし
ながら、スパッタ法では段差被覆性が悪く、スタック型
もしくはトレンチ型容量の側壁部に成膜することが難し
いという問題があり、半導体集積回路の容量製造技術に
対しては解決策となり得ない。
【0016】第二の問題点は、薄膜化したとき誘電体膜
の特性が劣化する点である。高速化、微細化を行うため
には電源電圧の減少が必須であり、容量絶縁膜に必要な
電界を与えるために、金属酸化物誘電体膜容量絶縁膜の
薄膜化が必要である。図3はPt上にゾルゲル法を用いてP
ZT膜を成膜したときの膜厚と自発分極2Prを示したもの
である。膜厚が200nm以下になると急激に自発分極値が
減少していることが分かる。同様な現象はBSTにおいて
も観察されている。CVDによってRuO2上に形成したBST膜
の誘電率は50nmから急激に減少するという問題がある。
これは、下部電極界面近傍の結晶性が悪いことに起因す
る。以上の問題より、従来の成膜方法では、容量絶縁膜
の薄膜化をはかり、電源電圧を下げることは難しい。
【0017】第三の問題点は、膜の配向性をコントロー
ルできないという点である。配向性を揃えることには次
の利点がある。第一は多結晶の粒界が連続となり、リー
ク電流が下がることである。第二は分極方向を電界方向
に揃えることによって誘電率の増加、自発分極の増加を
測ることができることである。
【0018】ジャパン・ジャーナル・オブ・アプライド
・フィジックス32巻4057ページ(Jpn.J.Appl.Phys. Vo
l.32(1993)P.4057)には、スパッタ法においてMgO(100)
もしくはPt(100)/MgO(100)単結晶基板上では、PZTはエ
ピタキシャル成長し、強く(001)配向することが述べら
れている。しかしながら、Pt(111)/Ti/SiO2のように(11
1)に配向した多結晶状のPt上に成膜すると配向性がそろ
わないことも述べられており、半導体集積回路の容量電
極が多結晶であることを考えると、この方法もまた、解
決策とはなり得ない。
【0019】第四の問題点は、成膜中の塵の吸着の問題
である。従来の成膜方法であるゾルゲル法、スパッタ
法、CVD法はいずれも、成膜にともなって、装置内壁
部、もしくはウエハーを保持するサセプター部等に、原
料もしくは生成物が付着し、これが剥がれてウエハー表
面に付着し、その後のデバイス形成を阻害するという問
題が発生する。例えば、ゾルゲル法では、スピンコーテ
ィング時に、原料溶液が装置内壁に飛散し、それが乾燥
した膜の破片がウエハー表面に付着する。また、スパッ
タ法では、スパッタされたターゲットの材料が、装置内
壁に付着して、これが剥離、飛散し、ウエハー表面を汚
染する。CVD法では、特に壁の温度を上げることによっ
て中に置かれたウエハーを加熱するファーネスタイプの
ものでは、加熱された壁において有機金属材料ガスが分
解して、分解物が飛散しウエハー表面を汚染する。
【0020】以上のように、プラグ上への金属酸化物誘
電体の薄膜容量の形成や多層メタル配線構造上への金属
酸化物誘電体膜薄膜容量形成については解決すべき問題
点が多く、従来のDRAMやフラッシュメモリーのように、
セル面積を容易に縮小できないため、集積度は低いまま
にとどまっていた。
【0021】本発明は、上記のような従来の金属酸化物
誘電体膜の容量絶縁膜形成方法における問題点に鑑みて
なされたものであり、配向性、結晶性ともに優れた金属
酸化物を、プラグ上に低温で形成することを可能にする
金属酸化物誘電体膜の気相成長方法を提供することを目
的とし、さらに、この気相成長方法を用いて微細化さ
れ、高集積化され、多層メタル化された半導体装置を提
供することを目的とする。
【0022】
【課題を解決するための手段】本出願の第1の発明は、
真空容器内に配した基板を加熱しながら、有機金属材料
ガスと酸化ガスを別の導入口から真空容器内に導入し
て、前記基板上に金属酸化物誘電体膜を熱CVDにより
気相成長する方法であって、前記酸化ガスが二酸化窒素
ガスを含むことを特徴とする金属酸化物誘電体膜の気相
成長方法に関する。
【0023】また、本出願の第2の発明は、真空容器内
に配した基板を加熱しながら、有機金属材料ガスと酸化
ガスを別の導入口から真空容器内に導入して、前記基板
上に金属酸化物誘電体膜を熱CVDにより気相成長する
方法であって、前記真空容器の内壁の温度が、有機金属
材料ガスが十分な蒸気圧をもつ温度以上で、かつ有機金
属材料ガスが分解する温度以下であることを特徴とする
金属酸化物誘電体膜の気相成長方法に関する。
【0024】本発明において、真空容器内の全圧を1×1
0-2Torr以下として成膜することが好ましく、また、実
質的な成膜速度を得るためには、1×10-4Torr以上で成
膜すること好ましい。また気相成長時の基板の温度につ
いては、450℃以下が好ましい。
【0025】さらに本発明の一態様においては、前記有
機金属材料ガスおよび/または前記酸化ガスのガス供給
条件を制御し、前記金属酸化物誘電体膜が所定の組成及
び結晶構造になるような自己制御性をもったガス供給条
件にて成膜することが好ましい。
【0026】本発明においては、キャリアガスを使用せ
ずに前記有機金属材料ガス及び酸化ガスの流量を直接制
御し、前記真空容器内に導入することが好ましい。
【0027】さらに本発明の一態様においては、前記金
属酸化物誘電体膜が、PZT膜またはBST膜であるこ
とが好ましい。
【0028】さらに本発明の一態様においては、基板と
して、少なくともPt、Ir、Ru、IrO2、Ru
2、TiN、WNのいずれかの金属または金属酸化物
を含む容量電極が形成されている基板を用いる。
【0029】さらに本発明の一態様においては、基板と
して、Al配線が形成されている基板を用いる。
【0030】さらに、本出願の発明は、半導体基板上に
MOS型トランジスタを形成する工程と、このトランジ
スタ上に第一層間絶縁膜を形成する工程と、この第一層
間絶縁膜に前記MOS型トランジスタの拡散層に達する
コンタクトを開口して金属プラグを埋めて電気的な導通
をとる工程と、この金属プラグを有する第一層間絶縁膜
全面に、容量下部電極層を形成する工程と、この容量下
部電極層全面に前記第1の発明または第2の発明の気相
成長方法を用いて、かつ前記半導体基板温度を450℃以
下保ち、金属酸化物誘電体膜を成膜する工程と、この金
属酸化物誘電体膜全面に、容量上部電極層を形成する工
程と、前記下部電極層、前記金属酸化物誘電体膜及び前
記容量上部電極層を、パターニングし、三層の積層構造
の容量を得る工程とを有する半導体装置の製造方法に関
する。
【0031】さらに、本出願の発明は、半導体基板上に
MOS型トランジスタを形成する工程と、このトランジ
スタ上に第一層間絶縁膜を形成する工程と、この第一層
間絶縁膜に前記MOS型トランジスタの拡散層に達する
コンタクトを開口して金属プラグを埋めて電気的な導通
をとる工程と、この金属プラグを有する第一層間絶縁膜
全面に、容量下部電極層を形成する工程と、前記容量下
部電極層をパターニングし、金属プラグ上に容量下部電
極を形成する工程と、このパターニングした容量下部電
極と第一層間絶縁膜上全面に、前記第1の発明または第
2の発明の気相成長方法を用いて、かつ前記半導体基板
温度を450℃以下保ち、金属酸化物誘電体膜を成膜する
工程と、この金属酸化物誘電体膜全面に、容量上部電極
層を形成する工程と、この容量上部電極層をパターニン
グし、容量下部電極、金属酸化物誘電体膜及び容量上部
電極の三層の積層構造の容量を得る工程とを有する半導
体装置の製造方法に関する。
【0032】さらに、本出願の発明は、半導体基板上に
MOS型トランジスタを形成する工程と、このトランジ
スタ上に第一層間絶縁膜を形成する工程と、この第一層
間絶縁膜に前記MOS型トランジスタの拡散層に達する
コンタクトを開口して金属プラグを埋めて電気的な導通
をとる工程と、この第一層間絶縁膜上に金属プラグと電
気的に導通するアルミ配線を形成する工程と、このアル
ミ配線上に第二層間絶縁膜を形成する工程と、この第二
層間絶縁膜に前記アルミ配線に達するコンタクトを開口
して金属プラグを埋めて電気的な導通をとる工程と、こ
の金属プラグを含む第二層間絶縁膜全面に、容量下部電
極層を形成する工程と、この容量下部電極層全面に、前
記第1の発明または第2の発明の気相成長方法を用い
て、かつ前記半導体基板温度を450℃以下保ち、金属酸
化物誘電体膜を成膜する工程と、この金属酸化物誘電体
膜全面に、容量上部電極層を形成する工程と、前記容量
下部電極層、前記金属酸化物誘電体膜及び前記容量上部
電極層をパターニングし、三層の積層構造の容量を得る
工程とを有する半導体装置の製造方法。
【0033】このとき、容量下部電極層を形成する前に
最後の形成した金属プラグと電気的に導通するアルミ配
線を形成する工程と、このアルミ配線上に層間絶縁膜を
形成する工程と、この層間絶縁膜に前記アルミ配線に達
するコンタクトを開口して金属プラグを埋めて電気的な
導通をとる工程とを少なくとも1回繰り返し、前記容量
の下層に形成するアルミ配線を多層化してもよい。
【0034】発明者は、容量電極上への有機金属材料ガ
スを用いて金属酸化物誘電体膜を形成する際に、成膜時
の全圧を好ましくは1×10-2Torr以下にすることによ
り、低温での成膜が可能であること、さらに高度に配向
した膜の成膜が可能であることを見出した。
【0035】すなわち上記圧力範囲では、450℃以下で
あっても、ほぼ100%のPZTが、PZT(100)の方位に配向し
ていることを見い出した。この温度は、従来方法の成膜
温度とに比べて、150℃程度以上の低い成膜温度であ
る。したがって、例えば、コンタクトプラグ中に形成さ
れたWやTiN等の酸化や、基板上に形成されたAl配線の融
解をおこすことなく膜形成することが可能である。した
がって、本願発明の気相成長方法によれば、TiN、W
層やAl配線の形成された半導体基板上にも配向性の揃
った金属酸化物誘電体膜を形成することが可能となる。
【0036】温度を高温に上げなくても配向の揃った結
晶が生成する理由として、本願発明者は、以下のように
推定している。本願発明者は、配向性の揃った結晶が生
成するか否かは、有機金属材料ガスと酸化ガスとの分子
の衝突頻度に依存すると考える。すなわち、真空容器内
の全圧が1×10-2Torr以上になると、有機金属材料ガス
の分子と酸化ガスの分子が、基板に到達する前に多数回
の衝突を繰り返してしまい、組成の制御されていない微
結晶が生成してしまい、この微結晶が結晶構造を崩す原
因となり、1×10-2Torr以下の圧力範囲であれば、この
微結晶の生成を実質的に抑えることができ、低温でも結
晶構造は揃いやすいと考えている。
【0037】しかしながら、実用的な成膜速度を得るた
めには、1×10-4Torrより高い圧力で成膜することが好
ましく、さらには、1×10-3Torrから1×10-2Torrの圧力
範囲で成膜することが最も好ましい。
【0038】ここで、有機金属材料ガスとは、所望の強
誘電体膜または、高誘電体膜を容量電極上に形成する際
に必要な有機金属の原料ガスであり、例えばPZT膜であ
れば、鉛ビスジピバロイルメタナート(Pb(DPM)2)、テト
ラターシャリーブトキシジルコン(Zr(OtBu)4)、テトラ
イソプロポキシチタン(Ti(OiPr)4)等のガスが一例とし
て挙げられる。例えば、BST膜であれば、バリウムビス
ジピバロイルメタナート(Ba(DPM)2)、ストロンチウムビ
スジピバロイルメタナート(Sr(DPM)2)、テトライソプロ
ポキシチタン(Ti(OiPr)4)等のガスが挙げられる。
【0039】さらに、発明者は、真空容器内のガスの全
圧が低くなればなるほど、面内の膜厚分布が均一になる
ことを見出した。特に全圧を1×10-2Torr以下にするこ
とにより、6インチウエハーでは、面内均一性(最大膜
厚と最低膜厚の差)が、約5%と高度に制御できること
を見い出した。
【0040】また、発明者は、段差被覆性と真空容器内
のガスの全圧との関係についても検討を行った。試験的
に高さ500nm、幅500nmの溝を有する基板に成膜し、溝の
上面膜厚と側面膜厚との比をとり、段差がある状態での
膜厚均一性(段差被覆性)について検討を行った結果、
全圧が1×10-2Torr以下であれば、膜厚比が、0.75を超
え、非常に高い段差被覆性があることを確認した。
【0041】酸化ガスは、有機金属材料ガスが十分酸化
された状態で容量膜上に堆積していくために必須の成分
である。この酸化ガスの種類は、個々の有機金属材料ガ
スが、容量電極表面で還元され、合金化するといった不
具合を防ぐように原料ガスにあわせて適宜選択できる。
例えばO2、NO2、オゾン、酸素ラジカル、酸素イオンと
いったガスが挙げられるが、酸化力が強いほうが好まし
く、例えば、NO2が好ましい。
【0042】このように酸化ガスは、有機金属材料ガス
に対して酸化力があるため、それぞれのガスを定量的に
真空容器に導入するためには、それぞれが接触しないよ
うに別々に導入することが必要である。
【0043】有機金属材料ガス、酸化ガスのそれぞれ、
またはそれらガス両方のガス供給条件を制御し、金属酸
化物誘電体膜が所定の組成及び結晶構造になるような自
己制御性をもったガス供給条件にて成膜することが可能
である。
【0044】有機金属材料ガス、及び酸化ガスのそれぞ
れの原料の流量比については、結晶構造が自発的にペロ
ブスカイト型結晶構造をとるような自己制御性をもった
流量比があり、その範囲で流量制御を行うことが可能で
ある。また酸化ガスの流量についても、流量が少ないと
有機金属材料ガスに対する酸化力が不十分で、金属その
ものが析出することもあり、有機金属材料ガス同様、配
向の揃ったペロブスカイト型結晶構造をとる流量範囲で
制御しながら成膜することが好ましい。
【0045】有機金属材料ガスの真空容器への導入方法
については、キャリアガスを用いずに、直接に流量を制
御し導入することが好ましい。すなわち、結晶成長に無
関係なガスを導入することにより、成膜中の全圧が上昇
し、配向の揃ったペロブスカイト型結晶構造ができにく
くなり、成膜した金属酸化物誘電体膜が十分な強誘電体
特性、高誘電体特性を発現しない。キャリアガスを用い
ずに直接に流量を制御する方法としてマスフローコント
ローラによる流量の制御が挙げられる。
【0046】真空容器については、その内壁が、有機金
属材料ガスが、十分な蒸気圧をもつ温度以上で、分解す
る温度以下に制御されていることが好ましい。この理由
は、真空容器の内壁に有機金属材料ガス及びその分解物
が、付着を起こさないためで、膜厚の面内均一性及びパ
ーティクルの抑制に効果がある。
【0047】
【発明の実施の形態】以下、図を示しながら本発明にか
かる実施形態について説明する。
【0048】本願発明で用いる薄膜気相成長装置の一例
について概略図を図4に示す。本装置は交換室101、真空
容器102、原料供給系103よりなり、交換室には複数枚の
8インチウエハーが収納できる。真空容器と交換室の間
には2重のゲートバルブ104を設け、ゲートバルブ間はポ
ンプによって排気されている。また、真空容器と交換室
間のウエハー移動のためにウエハー搬送機構105が設け
られている。このような構成を取ることにより、真空容
器を大気に曝すことなくウエハーの交換、移動が可能で
ある。また、ゲートバルブを2重に入れることによりバ
ルブシール面への原料の付着を抑え、ウエハー交換のた
めに交換室を大気リークした際の真空容器への大気の漏
れ込みを抑えるという効果が得られる。交換室は真空容
器とは独立のターボポンプ106によって10-7Torrまで排
気される。
【0049】図1には真空容器の断面の一部を示す概略
図が示されている。真空容器はアルミニウムによって形
成され416に示したヒータによって所定の温度に加熱で
きるようになっている。真空容器を熱伝導の良いアルミ
ニウムによって形成することにより、真空容器内壁を均
一に加熱することができるという効果が得られる。石英
製のサセプター403上にデバイスが形成される面を上向
きにしてウエハー417が設置される。石英製サセプター4
03には、直径5mmの穴401が3点開いており、これを通し
て、石英製ピン402が上下しウエハーを搬送機からサセ
プター403に乗せ替える。ウエハーが石英製サセプター
上にのった後は、これらのピン用の穴はウエハー自身に
よって塞がれる。石英製サセプターはアルミ製真空容器
壁から突きだしている突起の上に端が重なるように置か
れており、石英製サセプター上にウエハーが設置された
状態で、ウエハー下部のヒータ室405と上部の成長ガス
の導入される真空容器406は分離される。
【0050】真空容器406の内壁は、有機金属材料ガス
が十分な蒸気圧を持つ温度以上でかつ有機金属材料ガス
の分解温度以下の温度に設定することが好ましい。すな
わち、有機金属材料ガスは数種の原料を含むため、有機
金属材料ガスの一部または全部が液化または固化した
り、また有機金属材料ガスが分解することにより、ウエ
ハーに作用する有機金属材料ガスの組成比のバランスが
崩れるため、有機金属材料ガスが内壁上で凝縮しない十
分な脱離速度を持つ温度以上で、かつ分解する温度以下
に制御することが好ましい。
【0051】真空容器406とヒータ室405は別のターボモ
レキュラーポンプ407、408によって排気されており、こ
のような構造をとることにより、ヒータ室への有機金属
材料ガス及び酸化ガスの回り込みを抑えることができ、
特に酸化ガスを用いた本成長方法では、ウエハーを加熱
するためにヒータ室内に設けられている加熱機構409の
酸化を抑制でき、加熱機構409の寿命を著しく延ばすこ
とができるという効果が得られる。また、加熱機構面に
原料ガスが付着することによるショート、基板温度の不
均一化等も防ぐことができるという効果が得られる。成
膜中のヒータ室の圧力は、真空容器が1×10-3Torrであ
るとき1×10-6Torrであり約3桁の差圧を得ることができ
た。
【0052】また、ウエハーを加熱するためにヒータの
温度を上げると石英製サセプター温度も上がり、有機金
属材料ガスが付着するが、石英表面にPTO(チタン酸
鉛:PbTiO3)、STO(チタン酸ストロンチウム:SrTi
O3)、BTO(チタン酸バリウム:BaTiO3)、PLZT((Pb,La)
(Zr,Ti)O3)、PNbZT((Pb,Nb)(Zr,Ti)O3)、SBT(SrBi2TaO
9)等の金属酸化物をコーティングすると、有機金属材料
ガス付着物のはがれを抑えることができ、その結果パー
ティクル等の汚染を防ぐことができるという効果が得ら
れる。
【0053】真空容器の排気口にはメイン排気ライン41
0とサブ排気ライン411の2つを設け、メイン排気ライン
はメインゲートバルブ412を介してターボポンプ407につ
ながっている。サブ排気ライン411はバルブ413を介し、
その後、水冷トラップ414を通してターボポンプ407につ
ながっている。成膜中はメインゲートバルブ412を閉
じ、バルブ413を開けて、サブ排気ライン411を通して排
気する。このような構成をとることによって、ターボポ
ンプ407中での有機金属材料ガスの固化、液化を妨げ、
ターボポンプ407の寿命を延ばすことができるという効
果が得られる。また、サブ排気ライン411と、水冷トラ
ップ414の間にコンダクタンスを調節できるバルブ415を
導入し、このコンダクタンスを調節することによって、
真空容器内の原料ガスの全圧を変化させても良い。原料
ガスを流さないときは、メインゲートバルブ412も開け
ることによって排気速度を高め、より高真空を維持でき
るという効果が得られる。また、これを使って、真空容
器内の有機金属材料ガス分圧を急激に下げることができ
るという効果も得られる。メインゲートバルブ412、バ
ルブ413はアルミ真空容器406内に埋め込んであり、均一
に加熱できるようになっている。本装置においては、排
気用のポンプには、ターボモレキュラーポンプを用いた
が、メカニカルブースターポンプ、ドライポンプ、ロー
タリーポンプ等でも良く、真空容器内圧が1×10-2Torr
以下になるように、ポンプの排気能力及びバルブ、水冷
トラップのコンダクタンスを設計することが必要であ
る。
【0054】図5には原料供給系の一部の概略図を示
す。有機金属材料ガスは室温では固体または液体であ
り、シリンダー501内に保存される。シリンダー501上に
はバルブ502があり、バルブ502と供給系間のフランジ50
3より切り離し原料を交換することができる。有機金属
材料ガスは極めて酸化しやすく、大気に触れさせないこ
とが望ましい。大気に触れると、有機金属材料ガスは酸
化し、金属酸化物を生じ、配管の詰まり、マスフローコ
ントローラ504の詰まりの原因となる。
【0055】有機金属材料ガスは、常温常圧で液体状の
ものと固体状のものがあり、液体原料はそのままシリン
ダー内に入れるが、固体原料は、直径1mm程度のアルミ
ナの表面に担持した物を用いることが好ましい。このよ
うな原料を用いると、加熱時に安定的にガスを発生させ
ることができるという効果が得られる。また、ガスの純
度も高い。シリンダーの加熱温度は、マスフローコント
ローラが稼動するのに充分な蒸気圧が得られるような温
度以上の温度に設定する。
【0056】シリンダー501からの配管はストップバル
ブ505を介してマスフローコントローラ504につながり、
その後二股に分岐し、それぞれストップバルブ506,507
を介して真空容器508及び水冷トラップ509を介してポン
プ511につながっている。これらの配管、マスフローコ
ントローラ504、バルブ502,505,506,507等の原料供給系
の有機金属材料ガスが接触する部分において、前述の真
空容器の内壁同様、有機金属材料ガスが液化または固化
する温度以上でかつ有機金属材料ガスの分解温度以下の
温度に設定できる。
【0057】成膜時は、まず、バルブ502,505,506を開
け、シリンダー501内の有機金属材料ガスの自圧によっ
てマスフローコントローラ504を駆動し、ポンプ512にガ
スを排気して、この間にマスフローコントローラ504の
ガス流量の安定化を図る。次ぎに、バルブ506を閉じ、
バルブ507を開けることによって正確に流量をコントロ
ールされた有機金属材料ガスを真空容器内に供給するこ
とができる。それぞれの有機金属材料ガス及び酸化ガス
は、独立した配管で真空容器に導入され、真空容器内で
はじめて混合される。すなわち、酸化ガスと有機金属材
料ガスが、真空容器に導入される前に接触しない構造と
なっている。この理由は、有機金属材料ガスと酸化ガス
が接触した場合、有機金属材料ガスが酸化し、金属酸化
物を生じ、配管の詰まり、マスフローコントローラの詰
まりの原因となったり、また、この金属酸化物が真空容
器内に送られ、パーティクルが発生したり、低温で結晶
性の良い薄膜成膜が阻害されるためである。
【0058】真空容器内の有機金属材料ガスの分圧はそ
れぞれガスの供給量と基板上、サセプター上で消費され
る量、排気量、真空容器壁への付着量によって決まる。
ここで、真空容器壁の温度を有機金属材料ガスが十分な
蒸気圧をもち、しかも分解しない温度に保てば原料ガス
の真空容器内壁への付着による減少を無視することがで
き、さらに基板、サセプター上で消費される原料ガス量
は供給量に比べて約1/1000と少ないため、真空容器内の
圧力はガスの供給量と排気量によって決まることとな
る。真空容器には圧力をモニターするために真空計510
が設けられている。なお、上述の有機金属材料ガスが接
触する部品は、少なくとも有機金属材料ガスが十分な蒸
気圧をもつ温度以上の耐熱性を有する部品であることが
必要である。
【0059】以上に記載した装置構成をとることによ
り、成膜に必要な有機金属材料ガス及び酸化ガスのみを
真空容器内に導入することが可能になり、本願発明の成
膜条件を実現できる。すなわち、酸化ガスと有機金属材
料ガスを別の導入口から真空容器内に導入し、成長中、
真空容器内圧が1×10-2Torr以下となるような圧力に設
定することが可能である。真空容器内の圧力は、サブ排
気ライン411の排気量とマスフローコントローラの流量
を調節することによって変化させ、所望の値に合わせれ
ば良い。また、ヒータ416の温度を所定の温度に調節す
ることにより、真空容器内壁の温度を有機金属材料ガス
が十分な蒸気圧をもつ温度以上であり分解する温度以下
である温度に設定することが可能である。装置例では、
真空容器の材料として熱伝導の良いアルミニウムを使用
したが、使用する有機金属材料ガスが十分な蒸気圧をも
つ温度が200℃を上回るときにはステンレス材料を用い
ることもできる。
【0060】さらに、マスフローコントローラを原料ガ
ス等の自圧によって駆動し、有機金属材料ガス及び酸化
ガスを真空容器内に導入しているため、従来例のよう
に、キャリアガスを用いなくても原料の輸送が可能とな
る。
【0061】容量電極上への有機金属材料ガスを用いた
気相成長方法において、酸化ガスとして二酸化窒素を用
いることが可能である。酸化ガスの配管に二酸化窒素を
流せば良い。
【0062】成膜中の真空容器の全圧については、サブ
排気ライン411(図1)の排気量とマスフローコントロ
ーラ504(図5)の流量を調節することにより、1×10-2
Torr以下にすることが可能である。
【0063】例えば、PZT膜の成膜を例にとって本発明
の成膜方法の実施形態について説明する。
【0064】PZTを成膜するときの代表的な原料、原料
温度、マスフローコントローラ温度はPb原料として鉛ビ
スジピバロイルメタナート(Pb(DPM)2)、原料温度177
℃、マスフローコントローラ温度200℃、Zr原料として
テトラターシャリーブトキシジルコン(Zr(OtBu)4)、原
料温度70℃、マスフローコントローラ温度110℃、Ti原
料としてテトライソプロポキシチタン(Ti(OiPr)4)、原
料温度75℃、マスフローコントローラ温度145℃であ
り、NO2のマスフロー温度は145℃、真空容器の内壁温度
は180℃である。
【0065】図6には、成膜条件を一定とし、成膜温度
を変化させたときのPZTのX線回折スペクトルが示されて
いる。基板としてはシリコン酸化膜を500nm形成したシ
リコンウエハー上に、スパッタ法によりPt膜を200nm形
成したものを用いた。成膜条件は、はじめにPb(DPM)2
量0.2SCCM、Zr(OtBu)4流量0.05SCCM、Ti(OiPr)4流量0.2
5SCCM、NO2流量3.0SCCMの条件で40秒間成膜した後、Pb
(DPM)2流量0.25SCCM、Zr(OtBu)4流量0.225SCCM、Ti(OiP
r)4流量0.2SCCM、NO2流量3.0SCCMの条件で600秒間成膜
した。この時の成長中の真空容器内のガスの全圧は、5
×10-3Torrとした。
【0066】図6から分かるように、基板温度400℃でペ
ロブスカイト結晶型のPZTに起因するX線回折ピークが観
察される。図6には示していないが、基板温度350℃で
は、PZTに起因するピークは全く認めらず、膜がアモル
ファス状態であることが、確認された。本発明では、36
0℃以上で成膜することが好ましく、例えば、380℃では
配向性の充分揃った結晶構造のPZT膜が得られた。本図
においては、400℃と500℃と600℃の3種類の成膜温度
を用いた場合の、X線回折スペクトルの比較を行った。
本図に示したように、500℃以上の高温領域では、(10
0)、(101)の2種類のピークが見えるが、400℃程度の低
温成膜では(100)ピーク一種類しか見えず、低温で成膜
すると、極めて結晶方位のそろった、配向性が高いペロ
ブスカイト型結晶構造の成膜が得られるという効果があ
ることがわかる。400℃より低い温度で成膜する場合
も、ペロブスカイト型結晶構造を形成できる温度であれ
ば、X線回折スペクトルのパターンも、400℃のものと同
一で、(100)ピーク一種類しか見えず、極めて結晶方位
のそろった、配向性が高いペロブスカイト型結晶構造の
成膜が得られていることを見いだした。
【0067】図7には、成膜温度を変化させたときの、X
線回折スペクトルより求めた、PZT多結晶中の、基板に
対して垂直方向の結晶軸が(100)である結晶粒の比率の
変化を示したものである。図7より、成膜温度を450℃以
下にすることによって、すべての結晶粒が(100)方位を
向いた、配向性の高い膜が得られるという効果があるこ
とがわかる。450℃以上では(101)もしくは(111)方位の
結晶粒が生成し、配向性が低下していくことがわかる。
【0068】ここに示したような結晶化温度には、顕著
な全圧依存性がある。図8には基板温度を400℃とし、先
に述べたようにサブ排気ラインに付いているコンダクタ
ンスバルブ415を調節して、各有機金属材料ガスの分圧
比を変えずに、全圧を変えたときの、X線回折スペクト
ルにあらわれたPZT(100)ピークの高さの変化を示してい
る。基板としてはシリコン酸化膜を500nm形成したシリ
コンウエハー上に、スパッタ法によりPt膜を200nm形成
したものをもちいた。成膜条件は、はじめにPb(DPM)2
量0.2SCCM、Zr(OtBu)4流量0.05SCCM、Ti(OiPr)4流量0.2
5SCCM、NO2流量3.0SCCMの条件で40秒間成膜した後、Pb
(DPM)2流量0.25SCCM、Zr(OtBu)4流量0.225SCCM、Ti(OiP
r)4流量0.2SCCM、NO2流量3.0SCCMの条件で成長膜厚が10
0nmになるまで成膜させた。この時の成長膜厚は100nmで
あった。全圧が10-2Torrより高い圧力ではPZT(100)ピー
ク高さが急激に減少していくことがわかる。これは、全
圧が10-2Torrより高い圧力になると所望の配向性のそろ
ったPZT(100)のペロブスカイト構造から、結晶構造がく
ずれていくことを示している。この全圧が10-2Torrより
高い圧力領域では、X線回折スペクトルにおいても、Pb
O、TiO2、ZrO2に起因するピークが多く見られるように
なる。
【0069】このように成膜時の真空容器内の圧力が減
圧になるほど結晶性が良好となる理由は、以下のような
原理に基づく。全圧が上がると、成長室に供給された有
機金属材料ガス分子は基板に到達する前に、二酸化窒素
のような酸化ガスと多数回の衝突を起こし、反応分解し
て、気相中でPbO、TiO2、ZrO2といった金属酸化物を形
成するようになる。さらに、これらの、金属酸化物がさ
らに衝突を繰り返して、基板に到達する前にこれらの混
合物の微結晶を生じる。これらの微結晶では、組成も成
膜温度も制御されておらず、ペロブスカイト結晶型とは
ならない。これらの微結晶が基板上に付着すると、これ
らの微結晶を結晶核としてペロブスカイト結晶型とは異
なる結晶型の結晶成長が始まる。従って、成膜後の結晶
性は悪化する。これを組み替えてペロブスカイト系の金
属酸化物誘電体膜にするためには、650℃以上の温度が
必要である。成膜時の真空容器内の圧力を減圧にするほ
ど、上記の反応が起こりにくくなるために、結晶性が良
好となる。しかし、混合物の微結晶を生じるためには複
数回の衝突が必要であり、上述の実験によれば、10 -2To
rr以下の圧力で成膜すれば、酸化ガスと有機金属材料ガ
スの反応が起こらず、ガスの分解は基板表面上のみで起
きて、その結果として、低温において結晶性の良い膜が
得られる。
【0070】図9には基板温度を400℃とし、各有機金属
材料ガス流量及び排気速度は変えずに、真空容器内にア
ルゴンを導入して、アルゴンの導入量を変化させたとき
の、X線回折スペクトルにあらわれたPZT(100)ピークの
高さの変化を示している。基板としてはシリコン酸化膜
を500nm形成したシリコンウエハー上に、スパッタ法に
よりPt膜を200nm形成したものを用いた。成膜条件は、
はじめにPb(DPM)2流量0.2SCCM、Zr(OtBu)4流量0.05SCC
M、Ti(OiPr)4流量0.25SCCM、NO2流量3.0SCCMの条件で40
秒間成膜した後、Pb(DPM)2流量0.25SCCM、Zr(OtBu)4
量0.225SCCM、Ti(OiPr)4流量0.2SCCM、NO2流量3.0SCCM
の条件で600秒間成膜した。この時の成長中の真空容器
内のガスの全圧は、5×10-3Torrとした。この時の成長
膜厚は100nmであった。アルゴンの導入量が多い場合に
はPZT(100)ピークは低いが、アルゴンの導入量が減少す
ると増加することがわかる。これは、窒素やヘリウムの
ような、成長に関わらないキャリアガスとして使用され
るガスを導入した場合にも同様に起こり、このようなキ
ャリアガスを同時に導入しないことによって、低温で良
好な結晶が得られるという効果があることがわかる。
【0071】本願発明の方法は、薄膜化時の特性劣化改
善にも顕著な効果を及ぼす。これは以下の原理による。
ゾルゲル等従来の方法では、600℃以上の高温で加熱す
ることによって結晶化する。この時、金属酸化物誘電体
膜中の金属が電極金属と合金化し、電極金属中に拡散す
る。例えば、PZTの場合は、Pbが、電極側に拡散してい
くため、界面付近では、Pbが欠乏した鉛空孔ができてし
まう。この一部の金属が減少した部分を遷移層と呼ぶ。
この遷移層は、約1000A以下の薄膜で、さらにこの遷移
層を含めその上厚さ方向数1000A以下程度の領域で組成
が化学量論比からずれており配向性が悪いため、電気特
性が悪い。薄膜化した場合、膜全体に占める遷移層の割
合が増えるために、特性が劣化する。しかし、本発明の
方法によれば、450℃以下で成膜を行うために、遷移層
がほとんどできず、薄膜化時の特性劣化が少ない。
【0072】図10には本願発明の方法を用いてPZTを成
膜したときの自発分極の膜厚依存性が示されている。基
板としてはシリコン酸化膜を500nm形成したシリコンウ
エハー上に、スパッタ法によりPt膜を200nm形成したも
のをもちいた。成膜条件は、基板温度を400℃とし、は
じめにPb(DPM)2流量0.2SCCM、Zr(OtBu)4流量0.05SCCM、
Ti(OiPr)4流量0.25SCCM、NO2流量3.0SCCMの条件で40秒
間成膜した後、Pb(DPM) 2流量0.25SCCM、Zr(OtBu)4流量
0.225SCCM、Ti(OiPr)4流量0.2SCCM、NO2流量3.0SCCMの
条件で600秒間成膜した。この時の成長中の真空容器内
のガスの全圧は、5×10-3Torrとした。この時の成長膜
厚は100nmであった。図3に示すゾルゲル法で成膜した
誘電体膜の自発分極の結果と比較して、薄い膜まで自発
分極値が減少していないことが分かる。同様な改善効果
は、BSTなどの高誘電率膜の比誘電率の低下改善におい
ても顕著な効果があることを確かめた。
【0073】酸化ガスとして二酸化窒素を用いることに
よって、成膜中の酸化剤の酸化力を向上し、膜の特性を
さらに改善することもできる。図11は、基板温度400
℃、同一条件でPZTを成膜した場合のX線回折スペクトル
において酸化剤として、O2とNO 2を比較したものであ
る。O2、NO2の流量は全圧が5×10-3Torr以下になるよう
にして決め、同一流量とした。図11から分かるように、
両者ともPZTの結晶はできているものの、O2を用いた場
合にはPZT(100)ピーク値が低く結晶性が悪い。また、O2
を用いた場合には、Ptの低角側にPtとPbの合金であるPb
Ptxによるピークが現れており、Pbが十分に酸化されて
おらず、金属Pbが析出し、Ptと合金化しているものと考
えられる。このサンプルの組成を蛍光X線分析によって
調べた結果、Ptと合金化を起こしたためにPbが不足して
おり、また、酸素量も低くなっていることがわかった。
装置外部においたオゾン発生気から酸化剤としてオゾン
を供給した場合、酸化剤として酸素ラジカルもしくは酸
素イオンを供給した場合にも同様に、酸素分子を供給し
た場合に比べ酸化力が向上して、Ptとの合金化反応が抑
制され、また膜中の酸素欠損も抑えることがわかった。
【0074】図12には、Pb、Zr、Ti有機金属材料ガスの
流量を一定にして、NO2の流量を変化させたときのZr/P
b、Ti/Pbの組成比の変化を示されている。すなわち、成
膜条件として、基板温度を400℃とし、はじめにPb(DPM)
2流量0.2SCCM、Zr(OtBu)4流量0.05SCCM、Ti(OiPr)4流量
0.25SCCM、NO2は図12の流量条件で40秒間成膜した後、P
b(DPM)2流量0.25SCCM、Zr(OtBu)4流量0.225SCCM、Ti(Oi
Pr)4流量0.2SCCM、NO 2は図12の流量条件で600秒間成膜
した。この時の成長中の真空容器内のガスの全圧は、5
×10-3Torrとした。NO22SCCM以上では、組成は化学量論
比に合っており、配向性の揃ったペロブスカイト構造の
結晶ができていることがわかる。NO2流量が1.5SCCMにな
ると、Ti/Pb、Zr/Pbが増加し、結晶構造が若干くずれて
いることがわかる。これは、NO2流量が1.5SCCM以下にな
るとPbに対する酸化力が十分ではなくなり、金属Pbが析
出し、Ptと合金化することによって、膜中から無くなっ
たためである。この時の真空容器内の圧力は1×10-4Tor
rである。酸化ガスを酸化力が十分な流量の範囲で成膜
することが好ましい。
【0075】以上述べたように、NO2はPbに対する酸化
力が強く、O2に比べて、供給量を少なくできるので、圧
力の低い領域における成膜では極めて効果的である。
【0076】図13は、成膜速度と全圧との関係を示す図
である。図1のサブ排気ライン411に付いているコンダ
クタンスバルブ415を調節して、各原料ガスの分圧比を
変えずに、全圧を変えたときのPZTの成膜速度が示され
ている。希薄雰囲気になればなるほど、基板表面へ原料
供給量が減少していくため、成膜速度が低下していくこ
とがわかる。この図からわかるように、1×10-4Torr以
上であれば、実用的な成膜速度が得られることがわか
る。
【0077】本願発明の方法は、膜厚の面内均一性にも
良好な結果を与える。図14にはサブ排気ラインに付いて
いるコンダクタンスバルブを調節して、各有機金属材料
ガスの分圧比を変えずに、全圧を変えたときの6インチ
ウエハーにおける膜厚の面内分布が示されている。圧力
が低くなるに従って、膜厚の面内分布が改善され、1×1
0-2Torr以下ではその効果が大きいことがわかる。ま
た、膜厚の面内均一性には、真空容器内壁の温度も大き
な影響を及ぼす。
【0078】図15には真空容器内壁温度を変化させたと
きの膜厚の面内分布変化が示されている。真空容器内壁
温度を上げると、膜厚の面内分布が改善される効果があ
ることがわかる。真空容器内壁温度を175℃以上に上げ
ると、有機金属材料ガスの内壁への付着が抑えられるた
めに、真空容器内の有機金属材料ガスの分布が均一とな
り、膜厚の面内分布が改善される。
【0079】次ぎに、本成膜における組成の制御方法に
ついて述べる。図16には、はじめにPb(DPM)2流量0.2SCC
M、Zr(OtBu)4流量0.05SCCM、Ti(OiPr)4流量0.25SCCM、N
O2流量3.0SCCMの条件で40秒間成膜した後、Zr(OtBu)4
量0.225SCCM、Ti(OiPr)4流量0.2SCCM、NO2流量3.0SCCM
を一定にして、Pb原料流量を変化させたときの膜中の(T
i+Zr)/Pb組成比の変化が示されている。この時の成長中
の真空容器内のガスの全圧は、5×10-3Torrとした。基
板としてはシリコン酸化膜を500nm形成したシリコンウ
エハー上に、スパッタ法によりPt膜を200nm形成したも
のをもちいた。成膜時間は600秒間とし、この時の成長
膜厚は約100nmであった。組成比は蛍光X線による組成分
析より求めた。組成比はPb流量が0.15SCCMのときに化学
量論比に達するが、その後、Pb流量を0.25SCCMまで増加
させても化学量論比を保っており、配向性の揃ったペロ
ブスカイト構造の結晶ができていることがわかる。この
ように、本願発明の方法では限定された条件内でA,Bサ
イトすなわちPbとZr、Tiの組成を化学量論比に合わせる
自己制御的な成膜が可能であるという効果がある。これ
は、次のような原理に基づく、本願発明の方法では、Pb
有機金属材料ガスは、PZT表面で分解し、酸化されてPbO
となる。PZT上のPbOの付着係数は低く、Pb有機金属材料
ガスをPZT表面に流すだけでは成膜は起こらない。ここ
に、Ti及びZrを供給すると、表面上のPbOは気相中に脱
離する前に表面上でTiもしくはZrと結合し、表面上に固
定される。従って、ある程度過剰にPb原料を送ってもT
i、Zrと結合できないPbは気相中に脱離するので、化学
量論比が一致する自己制御領域がある。Pb原料流量が大
きくなり、PbOの表面密度が上がって、表面上でPbOどう
しが反応するようになると、PbOの結晶を生じ、PbO上に
おけるPbOの付着が大きいために急激にPb組成の増加が
起こる。このような自己制御性が現れるのは、10-2Torr
以下の圧力で成膜が行われ、ガスの分解が表面上で起こ
っているからである。全圧を10-2Torrを超えると、気相
中で反応が起こり、微結晶を生じ、PbOの再蒸発が起こ
りにくくなるために組成の自己制御は生じにくい。
【0080】本願発明の方法では、膜中のTi/Zr比は、T
iとZrの有機金属材料ガスの流量比によって制御でき
る。図17には、はじめにPb(DPM)2流量0.2SCCM、Zr(OtB
u)4流量0.05SCCM、Ti(OiPr)4流量0.25SCCM、NO2流量3.0
SCCMの条件で40秒間成膜した後、Pb(DPM)2流量0.25SCC
M、Zr(OtBu)4流量0.225SCCM、NO2流量3.0SCCMの条件を
一定にしてTi原料流量を変化させたときの膜中のTi/Zr
組成比の変化が示されている。この時の成長中の真空容
器内のガスの全圧は、5×10-3Torrとした。基板として
はシリコン酸化膜を500nm形成したシリコンウエハー上
に、スパッタ法によりPt膜を200nm形成したものを用い
た。成膜時間は600秒間とし、この時の成長膜厚は約100
nmであった。組成比は蛍光X線による組成分析より求め
た。Ti原料流量が増加するに従って、膜中のTi/Pb比は
増加し、Zr/Pb比は減少する。(Ti+Zr)/Pb比は一定に保
たれ、A/Bサイト比は化学量論比を満たしており、配向
性の揃ったペロブスカイト構造の結晶ができていること
がわかる。従って、膜中のTi/Zr比は、Ti原料及びZr原
料の流量比を変化させることによって制御できるという
効果があることがわかる。図18には、はじめにPb(DPM)2
流量0.2SCCM、Zr(OtBu)4流量0.05SCCM、Ti(OiPr)4流量
0.25SCCM、NO2流量3.0SCCMの条件で40秒間成膜した後、
Pb(DPM)2流量0.25SCCM、Zr(OtBu)4流量0.225SCCM、NO2
流量3.0SCCMの条件を一定にしてTi原料流量を変化させ
たときの、PZTのX線回折スペクトルの変化が示されてい
る。Ti流量が増えるに従って、PZTの(100)軸長と(001)
軸長の違いが大きくなるので、X線回折スペクトルにお
ける(100)、(001)および(200)、(002)ピークが分離して
いくのが確認できる。この結果もまた、膜中のTi/Zr比
が、Ti原料及びZr原料の流量比を変化させることによっ
て制御できることを示している。
【0081】図19には同一条件で成膜したPZTのヒステ
リシス特性が示されている。Tiが少ないときには、自発
分極値は小さいが、Tiが増えるに従って、ヒステリシス
曲線は立ち上がり、自発分極が増えていることが分か
る。一般的にPZT膜中のTi量が増加すると、自発分極は
増加するので、この結果もまた、膜中のTi/Zr比が、Ti
原料及びZr原料の流量比を変化させることによって制御
できることを示している。また、本願発明においては、
Ti原料及びZr原料の流量比を変化させることによって、
ヒステリシス曲線の形及び自発分極量を制御できるとい
う、顕著な効果があることがわかる。
【0082】本願発明の方法は、段差被覆性も改善す
る。これは、低圧力領域ではガスの対流層が少ないため
に、原料が段差の底まで供給されるからである。
【0083】図20には高さ500nm、幅500nmの段差を有す
る電極上にサブ排気ラインに付いているコンダクタンス
バルブを調節して、各有機金属材料ガスの分圧比を変え
ずに、全圧を変えてPZTを成膜したときの上面の膜厚と
側面の膜厚の比が示されている。図20から分かるよう
に、全圧が10-2Torr以下になると段差被覆性が改善され
る効果のあることがわかる。
【0084】本願発明の方法は、パーティクルの減少に
も効果がある。図21には、基板温度を400℃とし、はじ
めにPb(DPM)2流量0.2SCCM、Zr(OtBu)4流量0.05SCCM、Ti
(OiPr)4流量0.25SCCM、NO2流量3.0SCCMの条件で40秒間
成膜した後、Pb(DPM)2流量0.25SCCM、Zr(OtBu)4流量0.2
25SCCM、Ti(OiPr)4流量0.2SCCM、NO2流量3.0SCCMの条件
で600秒間成膜したとき、先に述べたようにサブ排気ラ
インに付いているコンダクタンスバルブを調節して、各
有機金属材料ガスの分圧比を変えずに全圧を変えたとき
の、連続して1000枚成膜した場合の6インチウエハー内
におけるパーティクル数が示されている。全圧が1×10
-2Torrより低くなると、パーティクル数が急激に減少す
る効果があることがわかる。これは、全圧が1×10-2Tor
rを越えると、先に延べたように気相中で微結晶核が形
成され、真空容器内壁、サセプター等に堆積し、これが
パーティクルの原因となるためである。
【0085】本願発明の方法では、真空容器内壁の温度
を有機金属材料ガスが十分な蒸気圧をもつ温度以上であ
り分解する温度以下である温度に設定することによっ
て、パーティクルの数を更に減少させることもできる。
図22には基板温度を400℃とし、はじめにPb(DPM)2流量
0.2SCCM、Zr(OtBu)4流量0.05SCCM、Ti(OiPr)4流量0.25S
CCM、NO2流量3.0SCCMの条件で40秒間成膜した後、Pb(DP
M)2流量0.25SCCM、Zr(OtBu)4流量0.225SCCM、Ti(OiPr)4
流量0.2SCCM、NO2流量3.0SCCMの条件で600秒間成膜した
とき、真空容器内壁の温度を変化させたときの、連続し
て1000枚成膜した場合の6インチウエハー内におけるパ
ーティクル数が示されている。この時の成長中の真空容
器内のガスの全圧は、5×10-3Torrとした。真空容器内
壁の温度を上げるに従って、パーティクル数は減少する
効果があることがわかる。これは、真空容器内壁温度を
下げると、有機金属材料ガスが真空容器内に付着し、こ
れが剥がれるためである。ただし、真空容器内壁の温度
は、有機金属材料ガスが分解する温度以下にとどめるべ
きであり、これ以上の温度に上げると、真空容器内壁に
有機金属材料ガスの分解によって生じた反応生成物が付
着し、これが剥がれ、パーティクルは増加する。
【0086】以上PZT膜の成膜を例にとって本発明の実
施形態について説明したが、本発明の気相成長方法は、
PZT膜の成膜方法のみに限定されず、結晶の配向性によ
って特性が変化するような金属酸化物誘電体膜の形成に
対して有効である。本発明の成膜方法により成膜可能な
強高誘電体膜の金属酸化物誘電体として、一般式SrBi 2E
z2O9(ここでEzはNbまたはTaを表す)、EpBi2EqO9(ここで
EpはBaまたはPb、EqはNbまたはTaを表す)、ExBi4Ti4O15
(ここでExはSr、BaまたはPbを表す)、Ey2Bi4Ti 5O18(こ
こでEyはSr、BaまたはPbを表す)、Pb(Zr1-XTiX)O3、(Pb
1-yLay)(Zr1-XTi X)O3、Bi4Ti3O12、SrTiO3、(Ba1-XSrX)
TiO3で表される金属酸化物が挙げられるが、これらに限
定されない。
【0087】以上のような強高誘電体金属酸化物膜の具
体例として、PTO(チタン酸鉛:PbTiO3)、STO(チタン
酸ストロンチウム:SrTiO3)、BTO(チタン酸バリウム:
BaTiO3)、PLZT((Pb,La)(Zr,Ti)O3)、PNbZT((Pb,Nb)(Z
r,Ti)O3)、SBT(SrBi2TaO9)等が挙げられる。
【0088】また、本実施形態では、マスフローコント
ローラによって各原料ガスの流量を制御したが、液体供
給型の流量制御装置と気化器を備えた原料供給系を用い
た場合、さらに分子量測定装置、原子吸光法等を分圧測
定手段とし、成膜室内の圧力を制御する方法においても
本発明の方法が有効であることを確認した。
【0089】本願発明の実施形態に係るメモリーセルを
製造する第1の方法を図23に示す。先ず、ウエット酸化
によりシリコン基板に酸化膜を形成した。その後、ボロ
ン、リン等の不純物をイオン注入し、n型及びp型のウェ
ルを形成した。この後、ゲート及び拡散層を以下のよう
に形成した。まず、ゲート酸化膜601をウエット酸化に
よって形成した後、ゲートとなるポリシリコン602を成
膜し、エッチングした。このポリシリコン膜上にシリコ
ン酸化膜を成膜した後、エッチングし、側壁酸化膜603
を形成した。次に、ボロン、砒素等の不純物をイオン注
入し、n型及びp型の拡散層を形成した。さらに、この上
にTi膜を成膜した後、シリコンと反応させ、未反応のTi
をエッチングにより除去することにより、Tiシリサイド
をゲート604及び拡散層605に形成した。以上の過程によ
り、図23Aに示すように、分離用酸化膜606によって分
離されたn型及びp型のMOS型トランジスタをシリコン基
板上に形成した。
【0090】次にコンタクト及び下部電極を図23Bに示
すように形成した。先ず、第一層間絶縁膜607としてシ
リコン酸化膜又はボロン等の不純物を含んだシリコン酸
化膜(BPSG)を成膜した後、CMP法により平坦化した。次
に、コンタクトをエッチングにより開口した後、n型及
びp型それぞれの拡散層に対して不純物を注入し、750℃
で10秒の熱処理を行った。この後、バリアメタルとして
Ti及びTiNを成膜した。この上にタングステンをCVD法に
より成膜した後、CMPによりタングステンのプラグ608を
形成した。タングステンのプラグは、タングステンのCV
D後、エッチバックによって形成しても良い。この上
に、容量下部電極層として、Ti膜609及びTiN膜610を連
続してスパッタし、その上に100nmのPt膜611を形成し
た。
【0091】次に、強誘電体容量を図23Cに示すように
形成した。本発明の方法を使用してPZTを100nm形成し
た。原料には、ビスジピバロイルメタナート鉛(Pb(DPM)
2)、チタンイソポロポキシド(Ti(OiPr)4)、ジルコニウ
ムブトキシド(Zr(OtBu)4)を用い、酸化剤としてNO2を用
いた。成膜条件は、基板温度を400℃とし、はじめにPb
(DPM)2流量0.2SCCM、Zr(OtBu)4流量0.05SCCM、Ti(OiPr)
4流量0.25SCCM、NO2流量3.0SCCMの条件で40秒間成膜し
た後、Pb(DPM)2流量0.25SCCM、Zr(OtBu)4流量0.225SCC
M、Ti(OiPr)4流量0.2SCCM、NO2流量3.0SCCMの条件で600
秒間成膜し、PZT612の金属酸化物誘電体膜を得た。この
時の成長中の真空容器内のガスの全圧は、5×10-3Torr
とした。この時の成長膜厚は100nmであった。IrO2613及
びIr614をスパッタリング法により成膜し、容量上部電
極層を形成した後、ドライエッチングによって、容量上
部電極層、金属酸化物誘電体膜、容量下部電極層をパタ
ーニングにより分離し、PZT容量とした。
【0092】この上に容量上部電極を図23Dに示すよう
に形成した。第二層間絶縁膜615としてシリコン酸化膜
をプラズマCVD法により形成した後、容量上部コンタク
ト及びプレート線コンタクトをエッチングにより開口し
た。第二メタル配線616としてWSi、TiN、AlCu、TiNをこ
の順にスパッタして成膜した後、エッチングにより加工
した。この上に、パッシベーション膜617としてシリコ
ン酸化膜及びSiON膜を形成した後、配線パッド部を開口
し、電気特性の評価を行った。
【0093】図23には、容量下部電極、PZT膜、IrO2/Ir
容量上部電極を形成してから、ドライエッチング法によ
って容量を分離する方法について述べたが、図24に示す
ように、先に、容量下部電極すなわちPt/TiN/Tiをドラ
イエッチングによって分離した後、PZTの成膜を行い、I
rO2/Ir上部電極を形成して、上部電極を分離しても良
い。この方法を用いると、ドライエッチングを行う膜が
薄く、より微細なパターンが形成できる。また、PZTの
側面がドライエッチング中にプラズマにさらされないの
で、PZT膜中へ欠陥が導入されることもない。以下に図2
3及び図24に示す方法で作成した容量の電気特性を示
す。
【0094】1μm角のPZT容量を5000個並列接続し、そ
の特性を測定したところ、反転と非反転電荷の差として
10μC/cm2以上の値が得られ、良好な誘電特性を示し
た。疲労特性及び保持特性等も良好であった。また、ゲ
ート長0.26μmのトランジスタにおける特性を評価した
ところ、p型、n型ともにしきい値Vtのばらつきはウエハ
ー全面で10%以下であり、良好であった。さらに、0.4μ
m角の容量下部コンタクトの抵抗を、コンタクト・チェ
ーンにより測定したところ、コンタクト1個当たりの抵
抗は10Ωcm以下であり良好であった。
【0095】次に、本願発明の実施形態に係るメモリー
セルを製造する第2の方法を図25に示す。タングステン
のプラグの作製までは、メモリーセルの第1の実施形態
と同等に作製し、この上に、Ti、TiNを成膜した。スパ
ッタ法によりAlCuを成膜し、ドライエッチング法により
第一のアルミ配線618を形成した。以上の過程により、
図25Aに示すようにn型及びp型のMOS型トランジスタ上
に第一のアルミ配線を形成した。
【0096】次にビア及び第二のアルミ配線を図25Bに
示すように形成した。先ず、第二層間絶縁膜619として
シリコン酸化膜又はボロン等の不純物を含んだシリコン
酸化膜(BPSG)を成膜した後、CMP法により平坦化した。
次に、ビアホールをエッチングにより開口した後、バリ
アメタルとしてTi及びTiNを成膜した。この上にタング
ステンをCVD法により成膜した後、CMPによりタングステ
ンのプラグ620を形成した。タングステンのプラグは、
タングステンのCVD後、エッチバックによって形成して
も良い。この上に、Ti及びTiNをスパッタ法により形成
し、ドライエッチング法により第二のアルミ配線621を
形成し第三層間絶縁膜622としてシリコン酸化膜または
ボロン等の不純物を含んだシリコン酸化膜(BPSG)を成
膜した後、CMP法により平坦化した。次にビアホールを
エッチングにより開口した後、バリアメタルとしてTi及
びTiNを成膜した。この上にタングステンをCVD法により
成膜した後、CMP法によりタングステンのプラグ623を形
成した。タングステンのプラグは、タングステンのCVD
後、エッチバックによって形成しても良い。このアルミ
配線、層間膜、ビア形成を繰り返すことによって、所望
の数の配線層を形成することができる。最後のタングス
テンプラグ上に、Ti膜624、TiN膜625を連続してスパッ
タし、その上に100nmのPt膜626を形成し、容量下部電極
を形成した。
【0097】次に、強誘電体容量を図26Cに示すように
形成した。本発明の方法を使用してPZTを100nm形成し
た。原料には、ビスジピバロイルメタナート鉛(Pb(DPM)
2)、チタンイソポロポキシド(Ti(OiPr)4)、ジルコニウ
ムブトキシド(Zr(OtBu)4)を用い、酸化剤としてNO2を用
いた。成膜条件は、基板温度を400℃とし、はじめにPb
(DPM)2流量0.2SCCM、Zr(OtBu)4流量0.05SCCM、Ti(OiPr)
4流量0.25SCCM、NO2流量3.0SCCMの条件で40秒間成膜し
た後、Pb(DPM)2流量0.25SCCM、Zr(OtBu)4流量0.225SCC
M、Ti(OiPr)4流量0.2SCCM、NO2流量3.0SCCMの条件で600
秒間成膜し、PZT627の金属酸化物誘電体膜を得た。この
時の成長中の真空容器内のガスの全圧は、5×10-3Torr
とした。この時の成長膜厚は100nmであった。IrO2628及
びIr629をスパッタリング法により成膜し、容量上部電
極層を形成した後、ドライエッチングによって、容量上
部電極層、金属酸化物誘電体膜、容量下部電極層をパタ
ーニングにより分離し、PZT容量とした。
【0098】この上に上部電極を図26Dに示すように形
成した。第四層間絶縁膜630としてシリコン酸化膜をプ
ラズマCVD法により形成した後、容量上部コンタクト及
びプレート線コンタクトをエッチングにより開口した。
第三メタル配線631としてWSi、TiN、AlCu、TiNをこの順
にスパッタして成膜した後、エッチングにより加工し
た。この上に、パッシベーション膜632としてシリコン
酸化膜及びSiON膜を形成した後、配線パッド部を開口
し、電気特性の評価を行った。
【0099】下部にアルミ配線がある場合にも、図24に
示した場合と同様に、先に容量下部電極すなわちPt/TiN
/Tiをドライエッチングにより分離した後、PZTの成膜を
行い、IrO2/Ir容量上部電極を形成して、容量上部電極
を分離しても良い。この方法を用いると、ドライエッチ
ングを行う膜が薄く、より微細なパターンが形成でき
る。また、PZTの側面がドライエッチング中にプラズマ
にさらされないので、PZT膜中に欠陥が導入されること
もない。
【0100】この第2の製造方法で製造したメモリーセ
ルを、第1の方法で製造したメモリーセル同様に電気特
性の評価を行った。
【0101】その結果、反転と非反転電荷の差として10
μC/cm2以上の値が得られ、良好な誘電特性を示し、疲
労特性及び保持特性等も良好であった。また、ゲート長
0.26μmのトランジスタにおける特性を評価は、p型、n
型ともにしきい値Vtのばらつきはウエハー全面で10%以
下であり、良好であった。さらに、0.4μm角の容量下部
コンタクトの抵抗を、コンタクト・チェーンにより測定
した結果、コンタクト1個当たりの抵抗は10Ωcm以下で
あり良好であった。
【0102】メモリーセルに関する第1、第2の実施形
態とも、タングステンを用いたコンタクトについて述べ
たが、同様にポリシリコンを用いたコンタクトにおいて
も、強誘電体容量特性、トランジスタ特性、コンタクト
抵抗ともに良好であった。また、本実施例ではPtを下部
電極として用いた場合について述べたが、Ir、IrO2、Ir
O2/Ir、Ru、RuO2、TiN、WNの場合も、強誘電体容量特
性、トランジスタ特性、コンタクト抵抗ともに良好であ
ることを確かめた。
【0103】PZTによる強誘電体容量を形成した例につ
いて述べたが、Ba(DPM)2、Sr(DPM)2、Ti(i-OC3H7)4等の
有機金属材料ガスを用いて、BaSrTiO3を高誘電体容量と
して形成する場合にもまったく同じように容量特性、ト
ランジスタ特性、コンタクト抵抗ともに良好であること
を確認した。
【0104】
【発明の効果】以上、説明したように本発明によると、
配向性の制御された強誘電体膜、高誘電体膜を低温で成
膜することが可能であり、しかも薄膜化しても特性の劣
化が少ない結晶性の良い膜が得られる。この成膜方法を
使うことによって、タングステンやポリシリコンのよう
なプラグ上に形成した電極上に、該プラグや下層の配
線、トランジスタを劣化させることなく良好な強誘電体
容量もしくは高誘電体容量を形成することが可能にな
り、容量面積を著しく縮小化でき、集積度を飛躍的に高
めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で用いる薄膜気相成長装置の真空容器の
断面を示す概略図である。
【図2】従来例であるキャリアガスを用いた場合の反応
ガス供給方法を示す概略図である。
【図3】Pt上にゾルゲル法を用いてPZT膜を成膜したと
きの膜厚と自発分極2Prとの関係を示すグラフである。
【図4】本発明で用いる薄膜気相成長装置を示す概略図
である。
【図5】本発明で用いる薄膜気相成長装置の原料供給系
を示す概略図である。
【図6】成膜条件を一定とし、成膜温度を変化させたと
きのX線回折スペクトルである。
【図7】成膜温度を変化させたときの、X線回折スペク
トルより求めた、PZT多結晶中の、基板に対して垂直方
向の結晶軸が(100)である結晶粒の比率の変化を示すグ
ラフである。
【図8】各有機金属材料ガスの分圧比を変えずに、全圧
を変えたときの、X線回折スペクトルにあらわれたPZT(1
00)ピークの高さの変化を示すグラフである。
【図9】基板温度を400℃とし、各有機金属材料ガス流
量及び排気速度は変えずに、真空容器内にアルゴンを導
入して、アルゴンの導入量を変化させたときの、X線回
折スペクトルにあらわれたPZT(100)ピークの高さの変化
を示すグラフである。
【図10】本願発明の気相成長方法を用いてPZTを成膜
したときの自発分極の膜厚依存性を示すグラフである。
【図11】基板温度400℃、同一条件でPZTを成膜した場
合のX線回折スペクトルにおいて酸化剤として、O2とNO2
の比較を示すグラフである。
【図12】Pb、Zr、Ti有機金属材料ガスの流量を一定に
して、NO2の流量を変化させたときのZr/Pb、Ti/Pbの組
成比の変化を示すグラフである。
【図13】成膜時の圧力と、成膜速度との関係を示す。
【図14】各有機金属材料ガスの分圧比を変えずに、全
圧を変えたときの6インチウエハーにおける膜厚の面内
分布を示すグラフである。
【図15】真空容器内壁温度を変化させたときの膜厚の
面内分布変化を示すグラフである。
【図16】Pb原料流量を変化させたときの膜中の(Ti+Z
r)/Pb組成比の変化を示すグラフである。
【図17】Ti原料流量を変化させたときの膜中のTi/Zr
組成比の変化を示すグラフである。
【図18】Ti原料流量を変化させたときのPZTのX線回折
スペクトルの変化を示すグラフである。
【図19】Ti原料流量を変化させたときのPZTのヒステ
リシス特性の変化を示すグラフである。
【図20】高さ500nm、幅500nmの段差を有する電極上に
全圧を変えてPZTを成膜したときの上面の膜厚と側面の
膜厚の比の変化を示すグラフである。
【図21】各有機金属材料ガスの分圧比を変えずに全圧
を変えたときの、連続して1000枚成膜したときの6イン
チウエハー内におけるパーティクル総数を示すグラフで
ある。
【図22】真空容器内壁の温度を変化させたときの、連
続して1000枚成膜したときの6インチウエハー内におけ
るパーティクル総数を示すグラフである。
【図23】本発明の一実施形態であるメモリーセルの製
造工程を示す模式図である。本図では、特に容量上部電
極層、容量下部電極層及び金属酸化物誘電体膜の三層を
同時に分離を行った製造工程を示す。
【図24】本発明の一実施形態であるメモリーセルの製
造工程を示す模式図である。本図では、特に容量上部電
極層と容量下部電極層の分離を別の工程で行い、金属酸
化物誘電体膜を層状にメモリーセルの中に残す場合の製
造工程を示す。
【図25】本発明の一実施形態であるメモリーセルの製
造工程を示す模式図である。本図では、特に半導体装置
が、アルミ多層配線を持つ構造を持つメモリーセルの前
半の工程を示す図である。
【図26】本発明の一実施形態であるメモリーセルの製
造工程を示す模式図である。本図では、特に半導体装置
が、アルミ多層配線を持つ構造を持つメモリーセルの後
半の工程を示す図である。
【符号の説明】
101 交換室 102 真空容器 103 原料供給系 104 二重のゲートバルブ 105 ウエハー搬送機構 106 ターボポンプ 201 恒温槽 202 ボトル 203 有機金属材料 204 キャリアガスの供給パイプ 205 有機金属材料ガスの供給パイプ 206 加熱機構 207 成長室 208 ウエハー 209 ガスの排気口 210 キャリアガスのマスフローコントローラ 401 石英製ピン用の穴 402 石英製ピン 403 サセプター 405 ヒータ室 406 真空容器 407 ターボモレキュラポンプ 408 ターボモレキュラポンプ 409 加熱機構 410 メイン排気ライン 411 サブ排気ライン 412 メインゲートバルブ 413 バルブ 414 水冷トラップ 415 コンダクタンスを調節できるバルブ 416 ヒータ 417 ウエハー 418 原料供給用配管 501 シリンダ− 502 バルブ 503 フランジ 504 マスフロ−コントロ−ラ 505 ストップバルブ 506 ストップバルブ 507 ストップバルブ 508 真空容器 509 水冷トラップ 510 真空計 512 ポンプ 601 ゲート酸化膜 602 ゲートポリシリコン 603 側壁酸化物 604 Tiシリサイドのゲート 605 Tiシリサイドの拡散層 606 分離酸化膜 607 第一層間絶縁膜 608 タングステンプラグ 609 Ti層 610 TiN層 611 Pt層 612 PZT膜 613 IrO2層 614 Ir層 615 第二層間絶縁膜 616 第二メタル配線 617 パッシベーション膜 618 第一のアルミ配線 619 第二層間絶縁膜 620 タングステンプラグ 621 第二のアルミ配線 622 第三層間絶縁膜 623 タングステンプラグ 624 Ti層 625 TiN層 626 Pt層 627 PZT膜 628 IrO2層 629 Ir層 630 第四層間絶縁膜 631 第三メタル配線 632 パッシベーション膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01L 21/3205 H01L 21/88 R 27/105 27/10 444B 27/108 621Z 21/8242 651

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 真空容器内に配した基板を加熱しなが
    ら、有機金属材料ガスと酸化ガスを別の導入口から真空
    容器内に導入して、前記基板上に金属酸化物誘電体膜を
    熱CVDにより気相成長する方法であって、前記酸化ガ
    スが二酸化窒素ガスを含むことを特徴とする金属酸化物
    誘電体膜の気相成長方法。
  2. 【請求項2】 真空容器内に配した基板を加熱しなが
    ら、有機金属材料ガスと酸化ガスを別の導入口から真空
    容器内に導入して、前記基板上に金属酸化物誘電体膜を
    熱CVDにより気相成長する方法であって、前記真空容
    器の内壁の温度が、有機金属材料ガスが十分な蒸気圧を
    もつ温度以上で、かつ有機金属材料ガスが分解する温度
    以下であることを特徴とする金属酸化物誘電体膜の気相
    成長方法。
  3. 【請求項3】 半導体基板上にMOS型トランジスタを
    形成する工程と、このトランジスタ上に第一層間絶縁膜
    を形成する工程と、この第一層間絶縁膜に前記MOS型
    トランジスタの拡散層に達するコンタクトを開口して金
    属プラグを埋めて電気的な導通をとる工程と、この金属
    プラグを有する第一層間絶縁膜全面に、容量下部電極層
    を形成する工程と、この容量下部電極層全面に請求項1
    または2記載の気相成長方法を用いて、かつ前記半導体
    基板温度を450℃以下保ち、金属酸化物誘電体膜を成膜
    する工程と、この金属酸化物誘電体膜全面に、容量上部
    電極層を形成する工程と、前記下部電極層、前記金属酸
    化物誘電体膜及び前記容量上部電極層を、パターニング
    し、三層の積層構造の容量を得る工程とを有する半導体
    装置の製造方法。
  4. 【請求項4】 半導体基板上にMOS型トランジスタを
    形成する工程と、このトランジスタ上に第一層間絶縁膜
    を形成する工程と、この第一層間絶縁膜に前記MOS型
    トランジスタの拡散層に達するコンタクトを開口して金
    属プラグを埋めて電気的な導通をとる工程と、この金属
    プラグを有する第一層間絶縁膜全面に、容量下部電極層
    を形成する工程と、前記容量下部電極層をパターニング
    し、金属プラグ上に容量下部電極を形成する工程と、こ
    のパターニングした容量下部電極と第一層間絶縁膜上全
    面に、請求項1または2記載の気相成長方法を用いて、
    かつ前記半導体基板温度を450℃以下保ち、金属酸化物
    誘電体膜を成膜する工程と、この金属酸化物誘電体膜全
    面に、容量上部電極層を形成する工程と、この容量上部
    電極層をパターニングし、容量下部電極、金属酸化物誘
    電体膜及び容量上部電極の三層の積層構造の容量を得る
    工程とを有する半導体装置の製造方法。
  5. 【請求項5】 半導体基板上にMOS型トランジスタを
    形成する工程と、このトランジスタ上に第一層間絶縁膜
    を形成する工程と、この第一層間絶縁膜に前記MOS型
    トランジスタの拡散層に達するコンタクトを開口して金
    属プラグを埋めて電気的な導通をとる工程と、この第一
    層間絶縁膜上に金属プラグと電気的に導通するアルミ配
    線を形成する工程と、このアルミ配線上に第二層間絶縁
    膜を形成する工程と、この第二層間絶縁膜に前記アルミ
    配線に達するコンタクトを開口して金属プラグを埋めて
    電気的な導通をとる工程と、この金属プラグを含む第二
    層間絶縁膜全面に、容量下部電極層を形成する工程と、
    この容量下部電極層全面に、請求項1または2記載の気
    相成長方法を用いて、かつ前記半導体基板温度を450℃
    以下保ち、金属酸化物誘電体膜を成膜する工程と、この
    金属酸化物誘電体膜全面に、容量上部電極層を形成する
    工程と、前記容量下部電極層、前記金属酸化物誘電体膜
    及び前記容量上部電極層をパターニングし、三層の積層
    構造の容量を得る工程とを有する半導体装置の製造方
    法。
  6. 【請求項6】 容量下部電極層を形成する前に最後の形
    成した金属プラグと電気的に導通するアルミ配線を形成
    する工程と、このアルミ配線上に層間絶縁膜を形成する
    工程と、この層間絶縁膜に前記アルミ配線に達するコン
    タクトを開口して金属プラグを埋めて電気的な導通をと
    る工程とを少なくとも1回繰り返し、前記容量の下層に
    形成するアルミ配線を多層化したことを特徴とする請求
    項5記載の半導体装置の製造方法。
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