JP2001076724A - リチウム電池用正極材料とその製造方法 - Google Patents

リチウム電池用正極材料とその製造方法

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JP2001076724A
JP2001076724A JP24901699A JP24901699A JP2001076724A JP 2001076724 A JP2001076724 A JP 2001076724A JP 24901699 A JP24901699 A JP 24901699A JP 24901699 A JP24901699 A JP 24901699A JP 2001076724 A JP2001076724 A JP 2001076724A
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lithium
powder
oxide
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positive electrode
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Koji Yamamoto
浩司 山本
Koichi Terao
公一 寺尾
Mitsuharu Yonemura
光治 米村
Kazuto Kamei
一人 亀井
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Sumitomo Metal Industries Ltd
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高い放電容量を示すリチウム電池用LiNiO2
正極材料の熱安定性を、放電容量を低下させずに改善す
る。 【解決手段】 組成式:LixNi1-yy2 ( MはCo、M
n、FeおよびAlの1種以上、0.95≦x<1.1 、0≦y≦
0.5 である) のリチウム複合酸化物に、BおよびPの少
なくとも1種の元素Zの酸化物を、Z/(Ni+M) の原子
比aが 0.001≦a≦0.1 を満たす割合で含有させたリチ
ウム電池用正極材料を、Ni化合物またはNi+M元素化合
物にZ元素源を混合して仮焼してZを含む酸化物を生成
させた後、これにLi源を混合して焼成することにより製
造する。平均結晶子サイズが 100〜1000Åのリチウム複
合酸化物の結晶粒の粒界にZ元素が濃化し、Liサイトの
95%以上をLiが占める材料が得られる。仮焼前または焼
成前の混合物を噴霧乾燥して球状粉末とした場合も、放
電容量の低下が起こらない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、リチウムイオン二
次電池で代表されるリチウム二次電池用の正極材料とそ
の製造方法に関する。より詳しくは、熱安定性に優れる
と同時に容量が大きく、電極密度や電池のエネルギー密
度の向上が可能な球形形状にすることもできる、LiNiO2
系正極材料とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】現在実用化されている代表的なリチウム
イオン二次電池では、正極にコバルト酸リチウム(LiCoO
2)、負極にリチウムイオンを吸蔵できる炭素材料、電解
液にリチウム化合物の有機溶媒溶液がそれぞれ使われて
いる。リチウムイオンを吸蔵した炭素材料の工業的生産
が容易ではないため、現在のリチウムイオン二次電池は
放電状態で組み立てられ、充電により負極の炭素材料に
リチウムイオンを吸蔵させる。そのため、正極にはリチ
ウムを含む材料を使用する必要がある。
【0003】正極に使われているLiCoO2は、LiとCoがそ
れぞれ(111) 酸素層間に並んだ単独層を形成し、これが
交互に積層した層状の結晶構造を持っている。このた
め、リチウムイオンの二次元拡散パスが存在し、リチウ
ムイオンの脱離・挿入時にも層状構造が維持されるた
め、サイクル寿命がよい。しかし、放電容量は130 mAh/
g程度と小さく、さらなる容量改善が望まれている。
【0004】LiCoO2より高い容量を示す材料として、同
じ層状構造をもつLiNiO2およびLiNi1-y y 2(M:C
o、Mn、Al、Fe) といったLiNiO2系材料が期待されてい
る。これらのLiNiO2系材料は200 mAh/g 前後の高い放電
容量を示すことができる。しかし、これらの材料は熱安
定性に劣る (充電状態で高温にさらすと、電解液の分解
が起こり発熱する) ので、実際には容量を制限して用い
なければならない。そのため、LiCoO2に対する容量増大
の効果が小さくなることと、規則的な層状構造を持つ材
料が合成しにくいことから、LiNiO2系材料は広く実用化
されるには至っていない。
【0005】特開平7−192720号公報には、組成式LixN
iyCozOa で表わされる二次粒子の表面に、硼素 (B) ま
たはリン (P) を含有する保護層を生成させ、その層を
触媒毒として働かせることにより熱安定性を改善するこ
とが提案されている。この場合、まずLixNiyCozOa の粉
末を合成した後、BまたはP化合物を混合し、熱処理す
ることにより、粉末表面にBまたはPを含有する保護層
を形成する。しかし、LiNiO2系化合物を合成した後で、
表面にPまたはBを含有する保護層を形成すると、保護
層がリチウムイオンの脱離・挿入あるいは導電剤との通
電性を阻害し、BやPを添加しない場合に比べて、容量
が低下するという問題がある。
【0006】特開平8−55624 号公報には、AMO2(A
はLiおよびNaの1種以上、MはCo、Ni、Fe、Crの1種以
上) で示される結晶子の表面または結晶子間に、Bi、P
b、Bから選ばれた少なくとも1種の添加元素Zを酸化
物の形で存在させることにより電池特性を改善すること
が提案されている。添加元素Zは、AMO2 の結晶粒の
成長による結晶子化を促進させる作用があり、こうして
結晶子サイズが大きくなると、放電容量や電池充放電特
性が向上すると説明されている。添加元素Zは、Aの
原料化合物およびMの原料化合物と同時に添加するか、
またはこれらの原料化合物からAMO2 層状構造酸化
物を合成した後に添加する。
【0007】しかし、この提案によっても、特にLiNiO2
系材料 (即ち、MがNi単独か、他の金属を含むが、Niが
主成分である) の場合には、熱安定性や容量を確実に向
上させることができない。
【0008】LiNiO2系の正極材料について、容量を上げ
るため粉末形状を球状にし、電極密度を上げることが特
開平10−87332 号公報に提案されている。この提案によ
ると、硝酸リチウムとニッケル化合物の混合スラリーを
噴霧乾燥し、得られた球状粒子からなる混合粉を焼成炉
内で動かしながら焼成して、球状のLiNiO2系材料を製造
する。
【0009】この場合、水を溶媒とする水系の混合スラ
リーを用いると、噴霧乾燥後の球状混合物に水分が残
り、これがその後の焼成過程での反応を阻害するため、
得られたLiNiO2系材料には未反応部分が多く残り、放電
容量が小さくなるという問題がある。噴霧乾燥後に水分
を除去するため加熱しても、水素イオンを取り込んだま
ま反応が進行し、水素イオンが結晶格子中に残るので、
リチウムイオンが完全に結晶格子中に入らず、未反応リ
チウム化合物として残るためである。スラリーにアルコ
ール等の溶媒を用いることも提案されているが、噴霧乾
燥装置を防爆型にしなければならず、多量に製造するに
は現実的でない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、LiNiO2系正
極材料の優れた放電容量を実質的に低下させずに、その
不十分な熱安定性を改善することができ、かつ水系スラ
リーからの噴霧乾燥により球状の正極材料を製造する場
合の放電容量の低下を防ぐことができる、LiNiO2系正極
材料を製造することを課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】LiNiO2系正極材料の熱安
定性を改善するには、特開平7−192720号公報に提案さ
れているように、Bおよび/またはP (以下、BやPと
表記) を添加することが有効である。しかし、この公報
に提案されている方法に従ってBやPを添加すると、粉
末表面に存在するBやPのために放電容量が著しく低下
する。
【0012】そこで、BやPの添加による容量低下を回
避する手段について検討を重ねた結果、その添加のタイ
ミングが重要であることを見出した。また、熱安定性に
は結晶子サイズも重要で、ある一定以下のサイズとする
ことで熱安定性が向上することがわかった。
【0013】特開平7−192720号および同8−55624 号
各公報に記載されているように、従来のBやPの添加時
期は、原料のLi化合物およびNi化合物と同時か、また
はLiNiO2系化合物を合成した後、のいずれかであっ
た。しかし、LiNiO2系材料の場合、このいずれの時期に
添加しても、放電容量が大きく低下してしまう。
【0014】のように層状構造酸化物を合成した後で
BやPを添加すると、上述したように、表面に集中した
BやPによりリチウムイオンの移動や導電剤との通電性
が阻害されて、容量低下が起こる。一方、のようにB
やPを原料化合物と同時に添加すると、LiNiO2系材料の
層状結晶構造に乱れを生じ易く、それにより容量が低下
する。これは次の理由によると推定される。
【0015】一般に、LiNiO2系材料は、LiCoO2とは異な
り、LiとNiが規則的に配列した層状構造を作るのが難し
く、Li層にNiが、あるいはNi層にLiが混入した結晶構造
をとりやすい。特に、結晶化 (焼成) 時にBやPが共存
すると、層状構造の乱れが起こり易くなる。層状構造が
乱れると、可逆的に脱離・挿入できるリチウムイオン量
が減少し、容量が低下する。この層状構造の乱れは、例
えば、X線回折測定の結果をリートベルト解析して、Li
サイト (3aサイト、空間群R-3m) でのLiの占有率を求め
ることにより判定できる。この占有率が95%を下回る
と、LiサイトへのNiの混入による層状構造の乱れによる
容量低下が目立つようになる。
【0016】特開平8−55624 号公報の提案では、Bi、
Pb、Bの少なくとも1種を添加することにより結晶粒を
成長させて結晶子サイズを大きくすることにより放電容
量を改善している。この公報には、結晶子サイズが走査
型電子顕微鏡(SEM) で確認でき、好ましくは2μm以上
であるが、上記の添加時期の場合には1μm程度の結
晶子化が起こることが記載されている。また、従来法に
よる正極材料では結晶子はほとんど確認できないことも
記載されている。
【0017】現在のSEM の分解能では、付属の後方散乱
パターン解析(EBSP)を使用して結晶子 (単結晶) 領域の
確認ができるのはせいぜい1μm程度であり、FE-SEM
(電界放射型−走査型電子顕微鏡) を使用してでも0.5
μm程度である。この点からも、上記公報に提案されて
いる正極材料では、結晶子サイズが1μm以上と推定さ
れる。
【0018】しかし、LiNiO2系材料では、結晶子がこの
ように大きくなると熱安定性が低下する。また、このよ
うな大きな結晶子とするには焼成温度を高くする必要が
あり、焼成温度が高いとLiとNiがランダムに配列し易く
なり、放電容量はかえって低下する。即ち、LiNiO2系材
料に関する限り、特開平8−55624 号公報の提案は有効
とはいえない。
【0019】本発明では、BやPを予め原料Ni化合物に
添加して混合した後、この混合物を仮焼してNi化合物を
熱分解により酸化物に変化させる。その後で、Ni酸化物
に原料Li化合物を混合して焼成する。この工程順によ
り、B、Pが共存していても、焼成中に規則的な層状結
晶構造が発達し、高い放電容量を示すLiNiO2系正極材料
を得ることができる。得られた正極材料において、Bや
PはLiNiO2系化合物の結晶粒界に存在する非晶質酸化物
相に集まる。結晶粒界に濃化したBやPの存在は、熱安
定性の向上に寄与する。また、BやPが材料表面に集中
して存在しないので、リチウムイオンの脱離・挿入ある
いは導電剤との通電性を阻害しないため、高い放電容量
を維持できる。
【0020】BやPの添加を、焼成前のLi化合物の混合
時に行うと、上に述べた効果を得ることはできない。即
ち、上記効果を得るには、仮焼によるNi化合物の熱分解
時にBやPが共存している必要があるが、Li化合物は共
存していてはならない。上記方法により、層状結晶構造
の乱れが少なく、結晶構造のLi (=3a) サイトにおける
Liの占有率が95%以上であるLiNiO2系のリチウム二次電
池用正極材料が得られる。良好な熱安定性と放電容量を
確保するため、平均結晶子サイズを100 Å以上、1000Å
以下とすることが好ましい。この結晶子サイズは、EBSP
でも確認できない大きさであって、特開平8−55625 号
公報に記載の正極材料に比べると結晶子サイズはずっと
小さい。
【0021】また、原料混合物を噴霧乾燥し、焼成する
ことで球状のLiNiO2系材料を製造する方法においても、
上記工程順を採用すると、高い放電容量を持つLiNiO2
正極材料が得られる。
【0022】ここに、本発明により、組成式:LixNi1-y
y2 (式中、MはCo、Mn、FeおよびAlから選ばれた少なくと
も1種の元素であり、xとyは、0.95≦x<1.1 、0≦
y≦0.5 である) で表されるリチウム複合酸化物に、B
およびPの少なくとも1種の元素Zの酸化物を、Z/(N
i+M) の原子比aが 0.001≦a≦0.1 を満たす割合で含
有させた、Z含有リチウム複合酸化物からなるリチウム
電池用正極材料であって、Z元素はリチウム複合酸化物
の結晶粒界に存在する非晶質酸化物中に濃化しており、
かつ結晶構造のLi(3a)サイトにおけるLiの占有率が95%
以上であることを特徴とする、リチウム電池用正極材料
が提供される。
【0023】本発明においてリチウム電池とはリチウム
二次電池を意味する。本発明の正極材料は、好ましくは
リチウム複合酸化物の平均結晶子サイズが 100Å以上、
1000Å以下である。
【0024】上記のZ含有リチウム複合酸化物からなる
リチウム電池用正極材料は、ニッケル化合物、ニッケル
化合物とM元素の原料化合物との混合物、およびM元素
を固溶したニッケル化合物から選んだ1種以上からなる
Ni原料またはNi+M原料に、元素Zの単体および元素Z
を含む化合物から選んだZ元素供給源を混合し、この混
合物を仮焼して酸化物にした後、得られた酸化物をリチ
ウム化合物と混合し、この混合物を酸化性雰囲気中で焼
成することを特徴とする方法により製造することができ
る。
【0025】この方法において、焼成を、焼成中に生成
するリチウム複合酸化物の平均結晶子サイズが 100Å以
上、1000Å以下になるように行うことが好ましい。電極
密度を上げるため球状粉末状の正極材料を製造したい場
合には、仮焼および/または焼成前の混合物の噴霧乾燥
を好ましくは水系スラリーから行う。
【0026】本発明によりBやPを添加しても高い容量
が維持されるメカニズムは解明されていないが、次のよ
うに推測される。LiNiO2の合成反応は、固体の酸化ニッ
ケルと液体のリチウム化合物および気体の酸素が関与す
る固−液−気の複雑な反応であると考えられる。
【0027】BやPの供給源をリチウム化合物と同時に
添加すると、焼成時にBやPがリチウム化合物に固溶
し、酸化ニッケルとリチウム化合物との濡れ性が悪化し
て、両者の間の反応性が低下する。その結果、未反応の
リチウム化合物が残り、Li1-ZNi1+ZO2で表されるように
リチウムの欠損が起こるため、リチウム層にニッケルが
混入し、層状構造が乱れる。
【0028】BやPの供給源を、Li化合物と反応させる
前に、Ni化合物に添加してから、仮焼してNi化合物を酸
化物にすると、生成した酸化ニッケルの粒界や表面にB
やPを含んだ相が形成される。そのため、リチウムの拡
散が粒界を通して起こるため、反応が促進され、層状構
造が整いやすくなる。
【0029】また、球状粉末を製造する場合のように、
水を用いた湿式混合工程を採用しても、粒界を通して水
素イオンとリチウムイオンの交換がスムーズに起こるた
め、未反応部分が減少し、高い容量が得られる。以上
は、M元素がNiに固溶したLiNiO2系材料の場合も同様で
ある。
【0030】
【発明の実施の形態】本発明のリチウム電池用LiNiO2
正極材料は、 組成式:LixNi1-yy2 ・・・ (A) (式中、MはCo、Mn、FeおよびAlから選ばれた少なくと
も1種の元素であり、xとyは、0.95≦x<1.1 、0≦
y≦0.5 である)で表されるリチウム複合酸化物に、B
およびPの少なくとも1種の元素Zの酸化物を、Z/(N
i+M) の原子比aが 0.001≦a≦0.1 を満たす割合で含
有させた、Z含有リチウム複合酸化物からなる。リチウ
ム複合酸化物がM元素を含む場合、M元素はこの複合酸
化物の結晶粒内に固溶している。即ち、M元素は、LiNi
O2の層状構造におけるNiサイトの一部を占める。
【0031】Z元素 (B, P) は、組成式(A) で示され
るリチウム複合酸化物の結晶粒界に存在する非晶質の酸
化物相に濃化している。本発明のLiNiO2系材料のTEM(透
過型電子顕微鏡)観察から、結晶粒の粒界には凝集した
非晶質相が認められる。なお、TEM 写真において、黒っ
ぽい結晶粒と白っぽい非晶質相は容易に識別できる。結
晶粒と粒界の非晶質相の組成をEDX(エネルギー分散型X
線アナライザー) で分析すると、非晶質相にZ元素が集
中していることが確認された。但し、EDX の精度から、
一部のB, Pが結晶粒に固溶する (結晶粒も微量のB,
Pを含有する)可能性は否定できない。結晶粒は、上記
(A) 式で示される組成を有するが、Z元素或いはその他
の元素も微量であれば混入 (固溶) が許容される。
【0032】本発明のLiNiO2系正極材料は、Z元素
(B, P) をリチウム複合酸化物の合成(焼成) より前に
添加しているにもかかわらず、その添加時期をニッケル
酸化物を生成するための仮焼より前 (即ち、Li化合物と
の混合前) に制限することにより、層状結晶構造の乱れ
が少なく、結晶構造のLiサイト (3aサイト) におけるLi
の占有率が95%以上であるという特徴を有する。
【0033】このLi占有率は、前述のように、X線回折
測定の結果をリートベルト解析してLiサイト (3aサイ
ト、空間群R-3m) でのLiの占有率を求めたものである。
その詳細は講談社サイエンティフィク発行「粉末X線回
折による材料分析」 108〜122頁 (1993) 、特開平8−3
19120号公報等に説明されている。この方法により3aサ
イト (Liサイト) でのLi+Ni+Mの合計を100 %として
算出した、このサイトのLi占有率が95%以上である。即
ち、LiサイトをNiとM元素が占有する率は5%以下であ
り、層状結晶構造の乱れが少ない。
【0034】本発明のLiNiO2系材料は、好ましくはリチ
ウム複合酸化物の結晶粒を構成する結晶子の大きさ (平
均結晶子サイズ) が 100〜1000Åの範囲にある。結晶子
は、単結晶と考えられる最大限の集合を意味する。一般
に、結晶粒それ自体は複数の単結晶から構成される。隣
接する2つ以上の単結晶の結晶方位が一致する場合に
は、その2つ以上の単結晶の全体を1つの結晶子と考え
る。隣接する単結晶の結晶方位が異なる場合には、各単
結晶がそれぞれ別の結晶子となる。平均結晶子サイズが
100〜1000Åの範囲であると、X線回折の積分幅により
平均結晶子サイズを求めることができる。本発明では、
この方法で求めた値を平均結晶子サイズとする。
【0035】この 100〜1000Åという結晶子サイズは、
通常のSEM 或いはより高解像度のFE-SEMによっては確認
することができない大きさであり、前述したように、特
開平8−55624 号に提案された材料が結晶子サイズがSE
M で確認できるのに比べて、著しく小さい結晶子サイズ
である。
【0036】本発明のリチウム電池用LiNiO2系正極材料
の組成や結晶状態を上記のように規定した理由を次に説
明する。
【0037】1. 組成式(A) 組成式(A) は、3aサイト (Liサイト) の占有率が95%以
上という、上に述べた規則的な層状結晶構造を有する正
極材料が得られるように選択した。x値が1に近いた
め、放電状態で組立てられるリチウム二次電池にも使用
できる。x値が本発明の範囲を外れると、層状結晶構造
が崩れやすくなる。
【0038】上述したように、組成式(A) で示されるリ
チウム複合酸化物にBやPが固溶する可能性があるの
で、この組成式で示されるリチウム複合酸化物はBやP
を含んでいても構わない。
【0039】2. Z元素 (B, P) の含有率a Z/(Ni+M) の原子比であるaの値が0.001 未満である
と、BやPによる熱安定性改善の効果が不十分となる。
一方、aの値が0.1 より大きいと、充放電に関与しない
相が増え、またリチウム成分が多く粒界にとられて層状
構造も乱れるため、放電容量が不十分となる。aの値は
好ましくは0.01〜0.05である。
【0040】なお、合成中にBやPはほとんど失われな
いので、正極材料中のBやPの含有量は、合成段階の添
加量に実質的に一致する。しかし、必要であれば、合成
後に得られた正極材料を蛍光X線分析することにより、
材料中のBやPの含有率を求めることができる。分析で
測定した含有率と添加量から合成中の損失量を求め、必
要に応じて添加量を調整すればよい。
【0041】3. 3aサイトのLi占有率 X線回折によるリートベルト解析により求めた3aサイト
(Liサイト) のLi含有率が95%未満であると、層状結晶
構造の乱れが大きく、放電容量が不十分となる。本発明
に従って、適量のBやPを予めNi化合物に添加してか
ら、仮焼し、仮焼生成物をLi化合物と一緒に焼成する
と、BやPに起因する結晶構造の乱れが起こりにくく、
上記Li占有率が95%以上のLiNiO2系正極材料を得ること
ができる。3aサイトのLi占有率は好ましくは96%以上、
より好ましくは97%以上、最も好ましくは99%以上であ
る。
【0042】4. 結晶子サイズ 結晶子サイズが1000Åより大きいと熱安定性が低下し、
100 Åより小さいと放電容量が低くなることがある。よ
り好ましい結晶子サイズは 200Å以上、 800Å以下であ
る。結晶子サイズは、合成時の焼成条件で制御すること
ができる。本発明の場合、BやPの添加は結晶子サイズ
に著しい影響を与えない。
【0043】次に、本発明のリチウム電池用正極材料の
製造方法について説明する。まず、Ni原料 (y=0の場
合) またはNi原料+M元素の原料 (y>0の場合)[以上
の原料をNi(-M) 原料と総称する] に、Z元素の原料を
混合する。
【0044】Ni(-M) 原料は、y=0の場合はニッケル
化合物だけであり、y>0の場合は、ニッケル化合物と
M元素化合物との混合物、および/または予めM元素が
固溶したニッケル化合物を使用できる。M元素が固溶し
たニッケル化合物は、ニッケル化合物をM元素の化合物
を共沈させることにより得ることができる。例えば、ニ
ッケル塩とM元素の塩の酸性水溶液 (例、塩化ニッケル
とM塩化物の塩酸酸性水溶液) にアルカリを加えて、水
酸化ニッケルとM水酸化物を共沈させることにより、M
が固溶した水酸化ニッケルを調製できる。
【0045】ニッケル化合物およびM元素化合物として
は、酸化性雰囲気中での仮焼により酸化物に変化しうる
化合物と酸化物それ自体が使用できる。酸化物に変化し
うる化合物の具体例としては、これらに制限されない
が、水酸化物、硝酸塩、塩化物、硫酸塩、炭酸塩、さら
にはカルボン酸塩 (酢酸塩等) 、シュウ酸塩などの有機
化合物が挙げられる。
【0046】Z元素の原料は、ホウ素単体、ホウ素化合
物、リン単体、リン化合物から選ぶことができる。ホウ
素化合物またはリン化合物としては、これらに制限され
ないが、B2O3, H3BO3, BP, P2O5, NH4H2PO4, (NH4)HP
O4, H3PO4,トリメチルホスフィン等のホスフィン類など
が挙げられる。
【0047】各原料はいずれも1種もしくは2種以上を
使用でき、混合比率は、生成物が所望のy値およびa値
を持つように決め、所定量を秤量して混合する。混合方
法は、乳鉢、ブレンダー、ボールミルなどによる乾式混
合、ならびに水、エタノールなどの溶媒を用い、乳鉢、
ボールミルなどで混合した後、乾燥する湿式混合のいず
れも採用できる。また、噴霧乾燥造粒機、噴霧造粒機、
混合造粒機を用いて、混合物を造粒してもよい。後工程
でリチウム化合物を混合するので、この段階で成形体と
することは好ましくない。
【0048】上記の混合により得られたNi(-M) 原料と
Z元素の原料との混合物を仮焼して、ニッケル化合物等
の熱分解性原料を使用した場合にはそれらを熱分解さ
せ、酸化物に変化させる。その結果、Z元素を含有する
Ni(-M) 酸化物が得られる。この酸化物において、Z元
素 (B、P) は主にNi(-M) 酸化物の粒界や表面に存在
すると推定される。
【0049】本発明の方法では最終的に焼成を行うの
で、仮焼生成物には酸素欠陥があってもよい。従って、
仮焼雰囲気は特に制限されない。酸化性雰囲気でも、不
活性または還元性雰囲気でもよい。但し、大気中での仮
焼が、コスト面で有利である。仮焼温度および仮焼時間
は、目的とする原料の熱分解が実質的に完了するように
設定する。仮焼温度は通常は300 ℃から900 ℃の範囲で
ある。
【0050】仮焼により得られたZ元素を含有するNi(-
M) 酸化物に、リチウム原料を混合する。リチウム原料
としては、熱分解により酸化物を生成するリチウム化合
物を使用できる。そのようなリチウム化合物の具体例と
しては、これらに制限されないが、水酸化リチウム、炭
酸リチウム、硝酸リチウム、硫酸リチウムなどが例示さ
れる。リチウム原料を、Ni(-M) に対する原子比 (組成
式(A) のx値) が所望の値になるように秤量し、仮焼生
成物と混合する。混合は、仮焼前のNi(-M) 原料とZ元
素原料の混合について説明したのと同様に実施でき、こ
の時の混合方法と同じでも、異なっていてもよい。この
後に混合工程はないので、この時の混合物は成形しても
よい。
【0051】仮焼生成物にリチウム原料を混合した後、
最後に焼成する。この焼成中に、リチウム化合物の熱分
解と同時に、熱分解で生じた酸化リチウムと仮焼生成物
のNi(-M) 酸化物との反応によるリチウム複合酸化物の
結晶の生成 (即ち、目的物の合成) が起こる。焼成雰囲
気は、酸化性雰囲気とする。例えば、大気中、酸素中、
或いは不活性ガスで希釈した酸素中などで焼成すること
ができるが、好ましくは酸素気流中で焼成を行う。
【0052】焼成温度および時間は、焼成により生成し
たリチウム複合酸化物の結晶子サイズが 100〜1000Åの
範囲となるように設定することが好ましい。焼成温度は
650〜800 ℃の範囲が好ましい。650 ℃未満であると反
応が十分に進まず、生成物の放電容量が低くなることが
ある。焼成温度が800 ℃を超えると、層状構造が崩れ、
3aサイトでのLiの占有率が95%より小さくなって、放電
容量が低くなることがある。使用する原料や混合条件、
焼成炉の種類、大きさなどで最適な焼成温度、時間が異
なり、当業者であれば適当な条件を設定することができ
る。
【0053】焼成により得られた、Z元素 (P, B) を
含有するリチウム複合酸化物 (LiNiO2系材料) は、必要
に応じて、粉砕、分級し、リチウム電池用正極材料とし
て使用することができる。
【0054】なお、球状粉末の形態のLiNiO2系正極材料
を製造する場合には、前述した2回の混合工程、即ち、
(1) Ni(-M) 原料とZ元素の原料との混合工程、および
(2)仮焼生成物のNi(-M) 酸化物とリチウム原料との混
合工程、の一方または両方において噴霧乾燥を行う。
【0055】噴霧乾燥は、粉末混合物のスラリーを回転
円盤や加圧ノズルなどで噴霧することにより液滴化し、
それを熱風と接触させることにより実施できる。最初の
(1)の混合工程で噴霧乾燥する場合には、噴霧乾燥と仮
焼を組合せ、噴霧乾燥機内で仮焼を実施してもよい。必
要に応じて、噴霧乾燥粉を分級する。
【0056】なお、球状粉末とは、真球である必要はな
く、長円形、粒子表面に多少凹凸がある粉末、多少歪ん
だもの、一部へこんだもの、球状粒子がいくつか凝集し
たものなども包含する。
【0057】特開平10−87332 号公報に提案されている
ように、ニッケル原料とリチウム原料を水系スラリーか
ら噴霧乾燥して球状粉末を製造すると、粉末中に水分が
残留し、この水分が焼成中の反応を阻害するため、生成
物の容量が低下する。
【0058】これに対し、本発明では、ニッケル原料を
予め仮焼し、BやPを含んだ酸化ニッケルにしてからリ
チウム原料と混合するため、上記(1) および(2) のいず
れの混合工程を水系スラリーからの噴霧乾燥により実施
しても、焼成中の反応が阻害されることはなく、放電容
量が良好な生成物を得ることができる。
【0059】本発明のリチウム電池用LiNiO2系正極材料
を用いて、常法により正極または正極板を製造すること
ができる。リチウム複合酸化物は導電性があまり高くな
いので、通常は導電剤が配合される。一般的な方法で
は、このLiNiO2系正極材料の粉末を、適当な導電剤
(例、アセチレンブラック等の炭素材) と結着剤 (例、
ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン等
の水不溶性樹脂、或いはカルボキシメチルセルロース等
の水溶性樹脂) と混合して正極合剤を調製し、これを適
当な有機溶媒でペースト化またはスラリー化して電極基
板 (例、アルミニウム板もしくは箔) に塗布し、乾燥お
よび加圧し、所定形状に切断して、正極板を得る。或い
は、上記の正極合剤を加圧成形して正極を製造すること
もできる。
【0060】リチウム電池の負極は、現在実用化されて
いる炭素材以外に、リチウム金属、リチウム合金 (Li−
Sn、Li−Al) 等を含む他の負極材料も可能であり、将来
開発される負極材料を使用することも可能である。電解
液は、通常は有機溶媒 (代表例はエチレンカーボネート
等の炭酸エステル類) にリチウム塩を溶解させた非水電
解液である。但し、電解質が固体 (例、ゲル) であって
もよい。
【0061】本発明の正極材料を用いてリチウム電池を
作製すると、放電容量が高い電池を得ることができる。
この正極材料は熱安定性に優れており、充電状態で200
℃程度まで加熱しても電解液を分解しないので、従来の
LiNiO2系正極材料とは異なり、放電容量を制限する必要
がない。従って、LiNiO2系の高い放電容量をそのまま生
かし、放電容量の高いリチウム電池を作製することがで
きる。また、Coに比べてNiは安価であるので、正極の製
造コストも低下する。
【0062】
【実施例】A. 正極材料の製造 (実施例1)水酸化ニッケル[Ni(OH)2] 粉末と、酸化ホウ
素[B2O3]粉末を、Ni:Bの原子比が1:0.02になるよう
に配合し、乾式で乳鉢にて十分混合した後、大気中700
℃で2時間の仮焼を行って、仮焼生成物として、Bを含
有する酸化ニッケルの粉末を得た。
【0063】この仮焼生成物に水酸化リチウム [LiOH・
H2O]粉末をNi:Liの原子比が1:1になるように配合
し、乾式で乳鉢にて十分混合した後、アルミナるつぼに
入れ、酸素気流中、750 ℃で20時間の焼成を行って、目
的とするBを含有するLiNiO2粉末を得た。
【0064】(実施例2)酸化ホウ素[B2O3]粉末の代わり
に酸化リン[P2O5]粉末をNi:Pの原子比が1:0.02とな
るように配合した以外は、実施例1と同様にして、Pを
含有するLiNiO2粉末を得た。
【0065】(比較例1)Ni(OH)2 粉末とLiOH・H2O 粉末
をNi:Liの原子比が1:1になるように配合し、乾式で
乳鉢にて十分混合した後、アルミナるつぼに入れ、酸素
気流中、750 ℃で20時間焼成することにより、Z元素を
含有しないLiNiO2粉末を得た。
【0066】(比較例2)比較例1で合成したLiNiO2粉末
に、Ni:Bの原子比が1:0.02になるようにB2O3粉末を
配合し、乾式で乳鉢にて十分混合した後、酸素気流中42
0 ℃で1時間加熱することにより、Bを含有するLiNiO2
粉末を得た。本例は、合成 (焼成) 後にBを添加した例
である。
【0067】(比較例3)Ni(OH)2 粉末とB2O3粉末とLiOH
・H2O 粉末を、Li:Ni:Bの原子比が1:1:0.02にな
るように配合した以外は比較例1と同様にして、Bを含
有するLiNiO2粉末を得た。本例は、Ni化合物の仮焼を行
わない合成法において、合成前にBをLi化合物と一緒に
添加した例である。
【0068】(比較例4)B2O3粉末をNi(OH)2 粉末に添加
するのではなく、LiOH・H2O 粉末の混合と同時に添加し
た以外は実施例1と同様にして、Bを含有するLiNiO2
末を得た。即ち、まずNi(OH)2 粉末だけを仮焼し、仮焼
生成物にB2O3粉末とLiOH・H2O 粉末を添加し、混合して
焼成した。本例は、Ni化合物を仮焼する合成法におい
て、合成前に、仮焼後のNi酸化物に対してBをLi化合物
と一緒に添加した例である。
【0069】(比較例5)B2O3粉末の代わりにP2O5粉末を
Ni:Pの原子比が1:0.02となるように配合した以外
は、比較例2と同様にして、Pを含有するLiNiO2粉末を
得た。合成後にPを添加した例である。
【0070】(比較例6)B2O3粉末の代わりにP2O5粉末を
Ni:Pの原子比が1:0.02となるように配合した以外
は、比較例3と同様にして、Pを含有するLiNiO2粉末を
得た。
【0071】(実施例3)水酸化ニッケル[Ni(OH)2] 粉末
と、水酸化コバルト粉末[Co(OH)2] と、酸化ホウ素[B2O
3]粉末を、Ni:Co:Bの原子比が0.9 :0.1 :0.02にな
るように配合し、乾式で乳鉢にて十分混合した後、大気
中700 ℃で2時間の仮焼を行って、仮焼生成物として、
Bを含有するニッケル−コバルト酸化物の粉末を得た。
【0072】この仮焼生成物に水酸化リチウム [LiOH・
H2O]粉末をLi:(Ni+Co) の原子比が1:1になるように
配合し、乾式で乳鉢にて十分混合した後、アルミナるつ
ぼに入れ、酸素気流中、750 ℃で20時間の焼成を行っ
て、目的物である、Bを含むLiNi0.9Co0.1O2粉末を得
た。
【0073】(実施例4)塩化物溶液からのアルカリ中和
による共沈法によって得た、Ni:Coの原子比が0.9:0.1
のニッケル−コバルト水酸化物粉末とB2O3とを (Ni+C
o):Bの原子比が1:0.02になるように配合した以外は
実施例3と同様にして、Bを含有するLiNi0.9Co0.1O2
末を得た。
【0074】(実施例5)B2O3粉末の代わりにP2O5粉末を
(Ni+Co):Pの原子比が1:0.02となるように配合した
以外は、実施例4と同様にして、Pを含有するLiNi0.9C
o0.1O2粉末を得た。
【0075】(実施例6)B2O3とP2O5を (Ni+Co):B:P
の原子比が1:0.01:0.01になるように配合した以外は
実施例4と同様にして、BおよびPを含有するLiNi0.9C
o0.1O2粉末を得た。
【0076】(実施例7および8)B2O3の量を (Ni+Co):
Bの原子比がそれぞれ1:0.001 および1:0.10となる
ように配合した以外は実施例4と同様にして、Bを含有
するLiNi0.9Co0.1O2粉末を得た。
【0077】(比較例7)共沈法によって得たNi:Coの原
子比が 0.9:0.1 のニッケル−コバルト水酸化物粉末を
用い、Li:(Ni+Co) の原子比が1:1であった以外は比
較例1と同様にして (仮焼せずに直接焼成により) 、P
やBを含有しないLiNi0.9Co0.1O2粉末を得た。
【0078】(比較例8)B2O3を添加しなかった以外は実
施例4と同様にして、PやBを含有しないLiNi0.9Co0.1
O2粉末を得た。即ち、共沈法によって得たニッケル−コ
バルト水酸化物粉末を仮焼し、仮焼生成物をLiOH・H2O
と混合し、焼成した。
【0079】(比較例9)比較例7で合成したLiNi0.9Co
0.1O2粉末を用いた以外は比較例2と同様にして(合成後
にB2O3を混合し、熱処理) 、Bを含有するLiNi0.9Co0.1
O2粉末を得た。(Ni+Co):Bの原子比は1:0.02であっ
た。
【0080】(比較例10)共沈法によって得たNi:Coの原
子比が 0.9:0.1 のニッケル−コバルト水酸化物粉末を
用いた以外は比較例3と同様にして (B2O3をNi+Co化合
物およびLi化合物と混合して焼成) 、Bを含有するLiNi
0.9Co0.1O2粉末を得た。Li:Ni+Co :Bの原子比は1:
1:0.02であった。
【0081】(比較例11)共沈法によって得たNi:Coの原
子比が 0.9:0.1 のニッケル−コバルト水酸化物粉末を
用いた以外は比較例4と同様にして (仮焼後の仮焼生成
物にB2O3をLi化合物と一緒に混合し、焼成) 、Bを含有
するLiNi0.9Co0.1O2粉末を得た。Li:Ni+Co :Bの原子
比は1:1:0.02であった。
【0082】(比較例12)比較例7で合成したLiNi0.9Co
0.1O2粉末を用いた以外は比較例5と同様にして(合成後
にP2O5を混合し、熱処理) 、Pを含有するLiNi0.9Co0.1
O2粉末を得た。(Ni+Co):Pの原子比は1:0.02であっ
た。
【0083】(比較例13)共沈法によって得たNi:Coの原
子比が 0.9:0.1 のニッケル−コバルト水酸化物粉末を
用いた以外は比較例6と同様にして (P2O5をNi+Co化合
物およびLi化合物と混合して焼成) 、Pを含有するLiNi
0.9Co0.1O2粉末を得た。Li:Ni+Co :Pの原子比は1:
1:0.02であった。
【0084】(比較例14)B2O3粉末のかわりに酸化リン粉
末[P2O5]を使用した以外は比較例11と同様にして 、P
を含有するLiNi0.9Co0.1O2粉末を得た。Li:(Ni+Co) :
Pの原子比は1:1:0.02であった。
【0085】(比較例15および16)B2O3粉末を (Ni+Co):
Bの原子比がそれぞれ1:0.0005および1:0.11となる
ように配合した以外は実施例4と同様にして、Bを含有
するLiNi0.9Co0.1O2粉末を得た。
【0086】(実施例9、10、11)共沈法によって得たN
i:M (MはそれぞれMn、Al、Fe) の原子比が 0.9:0.1
のニッケル−M水酸化物粉末を用いた以外は実施例4と
同様にして、Bを含有する LiNi0.90.1O2 粉末を得
た。
【0087】(比較例17、18、19)共沈法によって得たN
i:M (MはそれぞれMn、Al、Fe) の原子比が 0.9:0.1
のニッケル−M水酸化物粉末を用いた以外は比較例8と
同様にして (Ni+M化合物の仮焼生成物にLi化合物を混
合して焼成) 、BやPを含有しない LiNi0.90.1O2
末を得た。
【0088】(比較例20、21、22)比較例17、18、19で合
成した試料を用いた以外は比較例9と同様にして (合成
後にB2O3粉末を添加) 、Bを含有する LiNi0.90.1O2
粉末を得た。
【0089】(比較例23、24、25)共沈法によって得たN
i:M (MはそれぞれMn、Al、Fe) の原子比が 0.9:0.1
のニッケル−M水酸化物粉末を用いた以外は比較例10と
同様にして、Bを含有する LiNi0.90.1O2 粉末を得
た。
【0090】(実施例12)共沈法によって得たNi:Coの原
子比が 0.9:0.1 のニッケル−コバルト水酸化物粉末と
ホウ酸[H3BO3] を (Ni+Co):Bの原子比が1:0.02にな
るような比率で水に加え、16時間ボールミル混合した。
得られたスラリーを回転円盤式の噴霧乾燥機 (スプレー
ドライヤー) で噴霧乾燥した。熱風の供給温度は230
℃、乾燥機の出口温度は130 ℃であった。得られた粉末
を大気中700 ℃で2時間仮焼し、Bを含有するニッケル
−コバルト酸化物の球状粉末を得た。
【0091】この仮焼で得た球状粉末に、LiOH・H2O 粉
末を (Ni+Co):Liの原子比が1:1になるように配合
し、ブレンダーにて十分混合した後、アルミナるつぼに
入れ、酸素気流中、750 ℃で20時間焼成して、目的とす
るBを含有するLiNi0.9Co0.1O2の球状粉末を得た。
【0092】(実施例13)ホウ酸[H3BO3] のかわりにリン
酸[H3PO4] を加えた以外は実施例12と同様にして、Pを
含有するLiNi0.9Co0.1O2の球状粉末を得た。 (Ni+Co):
Pの原子比は1:0.02であった。
【0093】(実施例14)共沈法によって得たNi:Coの原
子比が 0.9:0.1 のニッケル−コバルト水酸化物粉末と
ホウ酸[H3BO3] を (Ni+Co):Bの原子比が1:0.02にな
るように配合し、ブレンダーにて十分混合した後、大気
中700 ℃で2時間の仮焼を行い、Bを含有するニッケル
−コバルト酸化物の粉末を得た。
【0094】この仮焼で得た粉末とLiOH・H2O を、 (Ni
+Co):Liの原子比が1:1になるように水に加え、16時
間ボールミル混合した。得られたスラリーを回転円盤式
の噴霧乾燥機で噴霧乾燥した。熱風の供給温度は230
℃、乾燥機の出口温度は130 ℃であった。得られた粉末
をアルミナるつぼに入れ、酸素気流中750 ℃で20時間の
焼成を行って、目的とするBを含有するLiNi0.9Co0.1O2
の球状粉末を得た。
【0095】(比較例26)ホウ酸を加えなかった以外は実
施例12と同様にして (仮焼前に噴霧乾燥により球状粉末
化) 、BやPを含有しないLiNi0.9Co0.1O2の球状粉末を
得た。
【0096】(比較例27)共沈法によって得たNi:Coの原
子比が 0.9:0.1 のニッケル−コバルト水酸化物粉末と
硝酸リチウム粉末を、 (Ni+Co):Liの原子比が1:1に
なるように水に加え、16時間ボールミル混合した。得ら
れたスラリーを回転円盤式の噴霧乾燥機で噴霧乾燥し
た。熱風の供給温度は230 ℃、乾燥機の出口温度は130
℃であった。得られた粉末をアルミナるつぼに入れ、酸
素気流中750 ℃で20時間の焼成を行って、BやPを含有
しないLiNi0.9Co0.1O2の球状粉末を得た。
【0097】(比較例28)水酸化リチウム粉末と同時に酸
化ホウ素粉末を加えた以外は比較例26と同様にして (噴
霧乾燥後に仮焼して得たニッケル−コバルト酸化物の球
形粉末に水酸化リチウム粉末と酸化ホウ素粉末を混合し
て焼成) 、Bを含有するLiNi0.9Co0.1O2の球状粉末を得
た。 (Ni+Co):Bの原子比は1:0.02であった。
【0098】(比較例29)硝酸リチウムと一緒にホウ酸を
加えた以外は比較例27と同様にして、Bを含有するLiNi
0.9Co0.1O2の球状粉末を得た。 (Ni+Co):Bの原子比は
1:0.02であった。
【0099】(実施例15、16)焼成温度を650 ℃、800 ℃
とした以外は実施例1と同様にして、Bを含有するLiNi
O2粉末を得た。
【0100】(比較例30、31)焼成温度を600 ℃、850 ℃
とした以外は実施例1と同様にして、Bを含有するLiNi
O2粉末を得た。
【0101】(比較例32)焼成温度を850 ℃とした以外は
比較例1と同様にして、BやPを含有しないLiNiO2粉末
を得た。
【0102】(比較例33)炭酸リチウム[Li2(CO3)]、酸化
ニッケル[NiO] 、酸化ホウ素[B2O3]をLi:Ni:Bの原子
比が1:1:0.02になるようにイソプロピルアルコール
に加え、ボールミルで混合した後、乾燥し、590 ℃で10
時間仮焼した。この仮焼生成物を成形圧力1ton/cm2
成形し、酸素気流中、850 ℃で20時間焼成し、焼成物を
乳鉢で粉砕して、Bを含有するLiNiO2粉末を得た。
【0103】B. 試験方法 上記の各実施例および比較例で得られたリチウム複合酸
化物 (LiNiO2系材料)の粉末試料の結晶構造とミクロ組
織、ならびに放電容量と熱安定性、さらに必要に応じて
粉末形状とタップ密度を、次に述べる方法で試験した。
【0104】X線回折測定 粉末試料の回折パターンを空間群R-3mでリートベルト解
析した。3bサイトのNi(+M) の占有率を1、3aサイトの
LiとNi(+M) の占有率の和を1と固定し、格子定数の精
密化を行い、3aサイト (Liサイト) のリチウム占有率を
求めた。また回折ピークの積分幅より、Wilson法により
平均結晶子サイズを求めた。但し、この方法では約2000
Åを超える結晶子サイズは求めることができない。その
場合には、後述するSEM 観察により平均結晶子サイズを
求めた。
【0105】組織観察 粉末試料を薄片上に加工し、透過型電子顕微鏡(TEM) に
よりその組織を観察し、TEM 写真上の適当な個所につい
てEDX によりBやPの分布状態を調べた。
【0106】放電容量 粉末試料:アセチレンブラック (導電剤) :ポリフッ化
ビニリデン(PVDF 、結着剤) の重量比が10:1:0.44に
なるように配合し、N−メチルピロリドン中で十分に混
合してペースト化した。得られたペーストをAl箔上にド
クターブレード法で塗布し、2tonf/cm2で加圧した後、
真空中100 ℃×16時間乾燥させて正極を作製した。これ
を大気に露出せずに、Arガスで置換したグローブボック
スに投入し、対極のLi箔と、電解液を含浸させたポリオ
レフィン製多孔質フィルムからなるセパレーター (電解
液:エチレンカーボネート中1M LiPF6溶液) を配置し
て、リチウム電池を作製した。
【0107】電流20 mA/g 、カットオフ電圧 4.3 V−3.
0 V(電流20 mA/g にて4.3 V まで充電、3.0 V まで放
電) の条件で充放電試験を行った。この充放電サイクル
における正極材料粉末1g当たりの放電容量を記録し
た。
【0108】熱安定性の評価 で作製したリチウム電池を、電流20 mA/g で4.5 V ま
で充電した。その後、グローブボックス中で充電状態の
正極を取り出し、Alセルに封入した。示差走査熱量計(D
SC) で、Arガス中、速度10℃/minで昇温し、発熱ピーク
温度を測定した。この発熱は、正極材料が不安定化し
て、正極中に含浸されている電解液を分解することによ
り起こるものであり、発熱ピーク温度が高いほど、正極
材料の熱安定性が高いことを意味する。
【0109】粉末形状観察 走査型電子顕微鏡(SEM) で粉末形状を観察した。また、
上述したように、結晶子サイズが大きい場合には、SEM
写真から平均結晶子サイズを求めた。
【0110】タップ密度 メスシリンダーに粉末試料を入れ、軽くたたき、その容
積を測定した。これを容積が一定に収束するまで繰り返
し、試料重量を得られた容量の収束値で割った値をタッ
プ密度とした。
【0111】C. 結果 (実施例1〜11)実施例の各粉末試料をTEM で観察したと
ころ、リチウム複合酸化物の結晶粒の粒界に凝集してい
る非晶質相の存在が確認された。TEM 写真の結晶粒内お
よび粒界の数カ所の位置についてEDX により分析したと
ころ、粒界の非晶質相にBおよび/またはPが集中して
存在 (濃化) していることを確認した。
【0112】一例として、試料が実施例2で得たPを含
有するLiNiO2粉末の場合についての結果を図1、図2お
よび表1に示す。図1は、この粉末のTEM 写真であり、
黒っぽい粒が結晶粒、白っぽい部分が粒界である。結晶
粒はほぼ数百nm (数千Å) の大きさである。図2は、図
1のa部の電子線回折図であり、この部分が非晶質相で
あることがわかる。表1は、図1の各位置でのEDX 分析
結果を示す。表1からPが非晶質相に集中 (濃化) して
存在していることがわかる。他の実施例の粉末について
も、同様の結果が得られた。
【0113】実施例1〜11および比較例1〜25の放電容
量、3aサイト (Liサイト) のLi占有率 (層状構造の乱れ
の尺度) 、熱安定性 (充電状態でのDSC による発熱ピー
ク温度) の測定結果を、添加したZ元素と添加時期と一
緒に表2〜表4に示す。
【0114】また、これらの表には示さなかったが、粉
末試料中のPやB (Z元素) を蛍光X線分析し、粉末試
料中のZ元素の含有率a [Z/(Ni+M) の原子比] は、
添加量と実質的に一致することを確認した。
【0115】
【表1】
【0116】
【表2】
【0117】
【表3】
【0118】
【表4】
【0119】表2〜表4から、BやPを添加すると、そ
の添加時期に関係なく、BやPを添加しない場合に比べ
て発熱ピーク温度が上昇し、熱安定性が改善されること
がわかる。しかし、BやPの添加時期が本発明と異なる
と、BやPを添加しない場合に比べて放電容量が低下す
る。
【0120】例えば、リチウム複合酸化物を合成した後
にBやPを添加した比較例2、5、9、12、20〜22で
は、添加元素なしの対応する比較例に比べて放電容量が
低くなっている。また、BやPをリチウム化合物と同時
に添加した場合は、その前にNi原料またはNi+M原料を
仮焼してから仮焼生成物をリチウム化合物と混合する際
に添加した場合 (比較例4、11、14) と、仮焼せずに全
ての原料を一度に混合する際に添加した場合 (比較例
3、6、10、13、23〜25) の、いずれの添加時期であっ
ても、合成後に添加した場合より放電容量がさらに低下
している。この場合には、3aサイトのLi占有率が小さく
なっており、層状の結晶構造の乱れにより放電容量が低
下したものと推測される。
【0121】これに対し、本発明に従って、予めNi原料
またはNi+M原料にBやPを添加して仮焼し、原料をB
やPを含むNi系酸化物にしてから、リチウム化合物を混
合し、焼成すると、BやPを添加しない場合と同等か、
それ以上の放電容量が得られ、3aサイトのLi占有率も95
%以上となり、結晶構造の乱れが少ない。即ち、本発明
により、層状の結晶構造を大きく乱すことなく、BやP
をリチウム複合酸化物に含有させることができ、それに
より放電容量の低下を生ずることなく、リチウム複合酸
化物の熱安定性を向上することが可能となる。
【0122】実施例7、8と比較例15、16との対比か
ら、BやPの含有率aが0.001 より少ないと、熱安定性
の改善効果は認められず、0.1 より多いと放電容量が低
下することがわかる。
【0123】生成物中のMの固溶については、原料がNi
化合物とM化合物の混合物である実施例3と、共沈で得
たCoを固溶したNi化合物を原料とする実施例4とで、実
質的に同じ結果が得られたことから、前者の単なる混合
物であっても、仮焼および焼成中にMの固溶が起こり、
Mが固溶したNi酸化物が生成することがわかる。
【0124】比較例2、5のように、合成後にBやPを
添加したLiNiO2系試料粉末のTEM 観察とEDX 分析から、
合成後にBやPを添加した場合は、BやPはリチウム複
合酸化物の結晶粒の粒界には存在せず、粉末表面に集中
して存在することが認められた。
【0125】(実施例12〜14)実施例12〜14は噴霧乾燥を
利用して、BやPを含有するLiNiO2系の球状粉末を製造
した場合である。これらの実施例の試料をSEM で観察し
たところ、ほぼ球状の粉末形状を示した。一例として、
実施例12で得られた粉末試料の観察結果を図3に示す。
【0126】これらの実施例で得られた粉末試料の放電
容量の結果を、比較例26〜29の結果と一緒に表5に示
す。
【0127】
【表5】
【0128】表5からわかるように、ニッケル−コバル
ト水酸化物とリチウム化合物を混合した水系スラリーを
そのまま噴霧乾燥し、焼成した比較例27では、放電容量
が非常に低くなった。一方、最初にニッケル−コバルト
水酸化物だけを水系スラリーにして噴霧乾燥してから仮
焼し、得られた球状のニッケル−コバルト酸化物粉末に
リチウム化合物を混合し、焼成した比較例26では、放電
容量は比較例27よりは増大したが、噴霧乾燥を行わない
以外は同じである比較例8の放電容量と比べると、なお
かなり低い。即ち、BやPを加えない場合、水系スラリ
ーからの噴霧乾燥により球状粉末のLiNiO2系材料を製造
しようとすると、噴霧乾燥後にNi化合物の熱分解 (仮
焼) と焼成を行っても、放電容量の低下が避けられな
い。
【0129】これに対し、本発明に従って、ニッケル−
コバルト水酸化物を仮焼する前にBやPを添加し、仮焼
生成物をリチウム化合物と混合して焼成すると、水系ス
ラリーからの噴霧乾燥を仮焼前に行った実施例12、13だ
けでなく、この噴霧乾燥を焼成前に行った実施例14にお
いても、全く同レベルの高い放電容量を得ることがで
き、この放電容量は、噴霧乾燥を行わない以外は同じで
ある実施例3〜5より僅かに低いだけである。特に、実
施例14のように焼成直前に水系スラリーからの噴霧乾燥
を行っても、放電容量が高いLiNiO2系材料を得ることが
できるのは、比較例26と比較例27の違いを考慮すると予
想外の結果である。
【0130】一方、BやPを添加しても、その添加時期
が仮焼前のニッケル−コバルト水酸化物に添加するので
はなく、リチウム化合物と一緒に添加した比較例28、29
では、BやPを添加しない比較例26、27と同じか、それ
より悪い (焼成直前に噴霧乾燥した比較例29) 放電容量
しか得られなかった。
【0131】実施例4、12と比較例7で得られた粉末の
タップ密度を表6に示す。球状粒子である実施例12の正
極材料はタップ密度が大きくなることがわかる。これに
より、電極密度の向上、ひいては電池のエネルギー密度
の向上が期待できる。
【0132】
【表6】
【0133】(実施例15、16)比較例33ではSEM (EBSP を
使用して) で求めた平均結晶子サイズは2μmであっ
た。実施例1、15、16および比較例30〜32では、SEM で
は容易に結晶子の存在を認められなかった。そこでX線
回折ピークの積分幅より結晶子サイズを求めた。結果を
表7に示す。
【0134】
【表7】
【0135】なお、焼成温度が実施例1と同じ750 ℃で
ある残りの実施例の場合も、平均結晶子サイズは実施例
1とほぼ同じであった。表7に示す結果からわかるよう
に、結晶子サイズが100 Åより小さいと放電容量が小さ
く、結晶子サイズが1000Åより大きくなると、B添加に
よる熱安定性向上の効果が認められない。比較例31と比
較例32との対比からわかるように、本発明によるBの添
加では、結晶子サイズの成長は認められない。
【0136】
【発明の効果】本発明により、もともと放電容量が高い
LiNiO2系材料の熱安定性を、放電容量を低下させずに改
善することができる。その結果、従来のLiCoO2系材料に
比べて放電容量に優れ、かつ低コストで、熱安定性も良
好な (放電容量の制限が必要ない) リチウム電池用正極
材料を提供することが可能となる。
【0137】また、本発明の方法によると、水系スラリ
ーからの噴霧乾燥を利用して、電極密度の向上に有利な
球状粉末の形態のLiNiO2系正極材料を製造した場合に、
従来法に見られた放電容量の著しい低下を避けることが
でき、放電容量と熱安定性の良好な球状粒子状の正極材
料を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従って製造されたPを含有するLiNiO2
粉末の透過型電子顕微鏡 (TEM)写真の1例を示す。
【図2】図1のa部 (粒界領域) の電子線回折図を示
す。
【図3】本発明に従って噴霧乾燥を利用して製造され
た、球状粉末形態のLiNiO2系正極材料の走査型電子顕微
鏡 (SEM)写真の1例を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 米村 光治 尼崎市扶桑町1番8号 住友金属工業株式 会社エレクトロニクス技術研究所内 (72)発明者 亀井 一人 尼崎市扶桑町1番8号 住友金属工業株式 会社エレクトロニクス技術研究所内 Fターム(参考) 5H003 AA00 AA02 BA01 BA03 BB05 BC01 BC06 BD02 BD03 5H014 AA02 BB01 BB06 CC07 EE10 HH00 HH01

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 組成式:LixNi1-yy2 (式中、MはCo、Mn、FeおよびAlから選ばれた少なくと
    も1種の元素であり、xとyは、0.95≦x<1.1 、0≦
    y≦0.5 である) で表されるリチウム複合酸化物に、B
    およびPの少なくとも1種の元素Zの酸化物を、Z/(N
    i+M) の原子比aが 0.001≦a≦0.1 を満たす割合で含
    有させた、Z含有リチウム複合酸化物からなるリチウム
    電池用正極材料であって、Z元素はリチウム複合酸化物
    の結晶粒界に存在する非晶質酸化物中に濃化しており、
    かつ結晶構造のLi(3a)サイトにおけるLiの占有率が95%
    以上であることを特徴とする、リチウム電池用正極材
    料。
  2. 【請求項2】 前記リチウム複合酸化物の平均結晶子サ
    イズが 100Å以上、1000Å以下である、請求項1記載の
    リチウム電池用正極材料。
  3. 【請求項3】 組成式:LixNi1-yy2 (式中、MはCo、Mn、FeおよびAlから選ばれた少なくと
    も1種の元素であり、xとyは、0.95≦x<1.1 、0≦
    y≦0.5 である) で表されるリチウム複合酸化物に、B
    およびPの少なくとも1種の元素Zの酸化物を、Z/(N
    i+M) の原子比aが 0.001≦a≦0.1 を満たす割合で含
    有させた、Z元素含有リチウム複合酸化物からなるリチ
    ウム電池用正極材料の製造方法であって、ニッケル化合
    物、ニッケル化合物とM元素の原料化合物との混合物、
    およびM元素を固溶したニッケル化合物から選んだ1種
    以上からなるNi原料またはNi+M原料に、元素Zの単体
    および元素Zを含む化合物から選んだZ元素供給源を混
    合し、この混合物を仮焼して酸化物にした後、得られた
    酸化物をリチウム化合物と混合し、この混合物を酸化性
    雰囲気中で焼成することを特徴とする方法。
  4. 【請求項4】 焼成を、焼成中に生成するリチウム複合
    酸化物の平均結晶子サイズが 100Å以上、1000Å以下に
    なるように行う、請求項3記載の方法。
  5. 【請求項5】 仮焼および/または焼成の前に混合物を
    噴霧乾燥し、球状粒子状の正極材料を製造する、請求項
    3または4記載の方法。
  6. 【請求項6】 噴霧乾燥が水系スラリーからの噴霧乾燥
    である、請求項5記載の方法。
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