JP2001074892A - コリメータ及びx線装置 - Google Patents

コリメータ及びx線装置

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JP2001074892A
JP2001074892A JP24986999A JP24986999A JP2001074892A JP 2001074892 A JP2001074892 A JP 2001074892A JP 24986999 A JP24986999 A JP 24986999A JP 24986999 A JP24986999 A JP 24986999A JP 2001074892 A JP2001074892 A JP 2001074892A
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ray
collimator
rays
capillary tube
pinhole
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JP24986999A
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English (en)
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Akihide Doshiyou
明秀 土性
Hitoshi Okanda
等 大神田
Yoshio Iwasaki
吉男 岩崎
Masashi Fujita
真史 藤田
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Rigaku Denki Co Ltd
Rigaku Corp
Original Assignee
Rigaku Denki Co Ltd
Rigaku Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 X線出射口からのX線の発散を大きく低減で
きるコリメータを提供する。 【解決手段】 X線の発散を抑えてX線を微小領域へ照
射するコリメータ3である。このコリメータ3は、発散
するX線を受け取るキャピラリチューブ22と、キャピ
ラリチューブ22のX線出射口22aに配設されたピン
ホール33とを有する。キャピラリチューブ22から出
るX線には平行X線ビーム成分以外に発散成分も含まれ
ている。平行X線ビーム成分はピンホール33を通して
コリメータ3の外部へ微細径D4の平行X線ビームR2
として出射される。一方、発散成分はピンホール33を
形成する枠部材、すなわちブロック部材31によってそ
の進行が阻止される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、X線の発散を抑え
てX線を微小領域へ照射するコリメータに関する。また
本発明は、そのコリメータを用いて構成されるX線装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、X線回折装置、蛍光X線装置、そ
の他各種のX線装置においてコリメータが必要に応じて
広く用いられている。このコリメータは、従来、例えば
図6に示すように、単にキャピラリチューブ52だけに
よって構成されており、これにX線Rが入射する場合に
は、X線Rがキャピラリチューブ52の内壁面で全反射
しながら進行してX線出射口52aから出射する。
【0003】このキャピラリチューブすなわちコリメー
タ52は、取り込んだX線Rを全反射してX線出射口5
2aに取り出すことができるので強度の強いX線を取り
出すことができるものの、そのX線出射口52aからわ
ずかのX線の発散があり、そのため、コリメータ52の
X線出射口52aからX線照射対象物までの距離が大き
い場合にはX線照射幅がコリメータ52の径よりも大き
くなってしまうという問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の問題
点に鑑みて成されたものであって、X線出射口からのX
線の発散を大きく低減できるコリメータを提供すること
を目的とする。また、本発明は、試料の微小領域へ強度
の強いX線を照射できるX線装置を提供することを目的
とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】(1) 上記の目的を達
成するため、本発明に係るコリメータは、X線の発散を
抑えてX線を微小領域へ照射するコリメータにおいて、
発散するX線を受け取るキャピラリチューブと、該キャ
ピラリチューブのX線出射口に配設されたピンホールと
を有することを特徴とする。
【0006】この構成のコリメータによれば、例えば図
5に模式的に示すように、キャピラリチューブ22から
出射するX線に発散がある場合には、その発散成分はピ
ンホール33を形成する枠部分35によって遮蔽されて
それ以降の進行が阻止され、コリメータ3から出射する
X線はピンホール33の径に相当する平行ビームとな
る。従って、ピンホール33の下流側(すなわち、図の
右側)には発散成分をほとんど含まない平行X線ビーム
を得ることができる。
【0007】(2) 上記(1)項記載のコリメータに
おいて、前記ピンホールの径は前記キャピラリチューブ
の径に等しいかそれよりも小さいことが望ましい。こう
すれば、コリメータのX線出射口からのX線の発散をよ
り一層確実に防止できる。
【0008】(3) 上記(1)項又は上記(2)項記
載のコリメータにおいて、前記ピンホールは前記キャピ
ラリチューブに対して着脱可能であることが望ましい。
こうすれば、ピンホールの交換だけでX線照射野の大き
さを調整することができる。
【0009】(4) 上記(1)項から上記(3)項記
載のコリメータに関しては、前記キャピラリチューブを
支持するケーシングと、そのケーシングの先端に着脱可
能に取り付けられるチップ部材とを付加的に設けること
ができ、さらに、前記ピンホールを前記チップ部材に設
けることができる。この構成によれば、キャピラリチュ
ーブに対するピンホールの着脱構造を簡単且つ小型に形
成できる。
【0010】(5) 上記(4)項記載のコリメータに
おいて、前記ケーシングには前記キャピラリチューブの
傾斜角度を調整するためのチューブ角度調整手段を追加
的に設けることが望ましい。こうすれば、キャピラリチ
ューブとピンホールとの間の相対的な角度を自由に調節
できる。
【0011】(6) 次に、本発明に係るX線装置は、
X線を発生するX線源と、該X線から発生したX線を受
け取るコリメータとを有し、該コリメータから出射する
X線を試料へ照射するX線装置において、前記コリメー
タが上記(1)項から上記(5)項に記載のコリメータ
によって構成されることを特徴とする。このX線装置に
よれば、希望する試料の微小領域だけに正確にX線を照
射でき、そのため、微小領域だけからの回折X線情報等
を正確に取り出すことができる。
【0012】(7) なお、上記各項記載のコリメータ
において、前記ピンホールは、複数のブロック部材のそ
れぞれに形成した短いピンホール部材をつなげることに
よって長い長さに形成することができる。ピンホールの
長さを長くすれば、その出射口に平行度の高いX線ビー
ムを得ることができる。
【0013】しかしながら、ピンホールは、通常、非常
に細径、例えば直径0.01mm程度の細径に形成され
るので、現在知られている加工方法では長さの長いピン
ホールを1つのブロック部材の内部に形成することは非
常に難しい。これに対し、ピンホールをこの(4)項に
記載のように形成すれば、特別な加工を施すことなく長
さの長いピンホールを形成できる。
【0014】
【発明の実施の形態】図1は、本発明に係るコリメータ
の一実施形態を示し、同時に本発明に係るX線装置の一
例である微小部X線回折装置の一実施形態を示してい
る。なお、図1では微小部X線回折装置を模式的に示し
ており、これを構成する各要素の形状及び大きさは実際
のものとは異なっている。
【0015】ここに示す微小部X線回折装置1は、X線
源Fを収納したX線管2と、X線源Fから発散するX線
の発散を制限して試料Sへ向けて平行X線ビームを出射
するコリメータ3と、試料Sからの回折X線を取り込む
一次元X線検出器としてのPSPC(Position Sensiti
ve Proportional Counter:位置敏感型比例計数管)4
とを有する。
【0016】試料Sはそれ自体が微小試料である場合も
あるし、あるいは、ある程度の大きさを有する試料の微
小領域である場合もある。X線源Fは、例えばポイント
フォーカスのX線焦点からX線を発生する。なお、X線
管2とコリメータ3の間のX線光軸上及びコリメータ3
と試料Sの間のX線光軸上には、必要に応じて、モノク
ロメータ、スリット等といったX線光学要素を配設する
ことができる。
【0017】試料Sは、面内回転機構6によって支持さ
れ、その面内回転機構6はω回転機構7によって支持さ
れ、そしてそのω回転機構7はχ(カイ)回転機構8に
よって支持される。面内回転機構6は、試料SのX線照
射面を法線方向に横切る軸線、すなわちφ軸線を中心と
して試料Sを矢印Aのように回転、いわゆる面内回転さ
せるための機構である。
【0018】また、ω回転機構7は、φ軸線に直交して
試料SのX線照射面を通って図1の紙面垂直方向へ延び
る軸線、すなわちω軸線を中心として試料Sを矢印Bの
ように往復回転、すなわち揺動させるための機構であ
る。また、χ回転機構8は、ω軸線に直交する軸線であ
るχ軸線を中心として試料Sを矢印Cのように往復回
転、すなわち揺動させるための機構である。なお、図1
では、χ軸線をX線源Fから試料Sへ至るX線光軸の延
長線と一致するように設定しているが、χ軸線はX線光
軸に対して角度を持つように設定することもできる。
【0019】ω軸線を中心とする矢印B方向への試料S
の回転は、試料Sに対するX線の入射角度θを調節する
ための回転である。また、χ軸線を中心とする矢印C方
向への揺動及びφ軸線を中心とする矢印A方向への面内
回転は、試料S内の結晶粒の向きを入射X線に対して任
意化、すなわちランダマイズ化するための動きである。
【0020】PSPC4は、周知の一次元X線検出器で
あり、例えば湾曲形状のケーシング9の内部に信号線1
1及びX線から電荷を誘導するための適宜の構造が格納
される。X線から電荷を誘導する構造としては、例え
ば、アノード線及びカソード線を信号線11に平行に配
設する構造が考えられる。ケーシング9のうち試料Sに
対向する面には、X線の回折角度(2θ)方向の直線的
な広い範囲からX線を取り込むための細長い開口12が
設けられる。
【0021】PSPC4に取り込まれたX線の強度及び
回折角度を検知するためのX線演算回路13は、信号線
11の両端からの信号を入力する位置演算回路14と、
その位置演算回路14の出力信号をピーク波形の波高に
変換する位置/波高変換回路16と、そして位置/波高
変換回路16の出力信号に基づいて回折角度(2θ)に
関するX線強度分布を求めるMCA(Multi-Channel He
ight Analyzer:多重波高分析器)17を含んで構成さ
れる。MCA17の出力端子には、必要に応じて、演算
結果を映像として表示するディスプレイ18及び演算結
果を紙等といった印材上にプリントするプリンタ19が
接続される。
【0022】開口12の適宜の位置を通してPSPC4
の内部にX線が取り込まれると、そのX線によって電荷
が誘導され、その電荷に応じたパルス信号が信号線11
の両端に現れる。これらのパルス信号は回折角度(2
θ)方向の距離に比例した時間差をもって出力されるよ
うになっており、位置演算回路14はその時間差を測定
して、その時間差に応じた信号を出力する。この出力信
号は回折角度(2θ)方向におけるX線入射位置を示し
ている。
【0023】位置/波高変換回路16は、位置演算回路
14によって演算された2θ角度位置情報に対応した波
高値のパルス信号を生成して出力する。MCA17は、
所定幅の測定ウィンドウを異なる波高値間で連続的に多
段階にわたってつなげることによって構成された多重波
高分析器であり、種々の波高値のパルス信号がそれに入
力されたときに、それらの波高値に対応するウィンドウ
を持ったチャンネル内でそのパルス信号をカウントする
ものである。PSPC4に取り込まれたX線の強度が強
ければ、MCA17内の同じチャンネルにカウントされ
る計数値が大きくなる。
【0024】つまり、MCA17を構成する各チャンネ
ルの違いによって回折角度(2θ)を知ることができ、
さらに各チャンネルにカウントされたカウント値によっ
てX線の強度を知ることができる。その結果、MCA1
7に接続されたディスプレイ18又はプリンタ19によ
って、回折角度(2θ)に関するX線強度分布を表示で
きる。
【0025】図1において、コリメータ3は、筒状のケ
ーシング21の内部に格納された細長い細管、すなわち
キャピラリチューブ22と、ケーシング21の先端、す
なわち図の左端に着脱可能に取り付けられたチップ部材
23とを有する。チップ部材23は、ケーシング21の
先端に形成した開口21aに嵌合した状態で、適宜の固
定具(図示せず)によって固定されている。なお、特定
の固定具を使用しなくてもチップ部材23の安定性が確
保できる場合には、固定具は不要である。
【0026】ケーシング21の適所には、図2に示すよ
うに、3個のネジ24を360°の角度範囲で3等配の
角度位置に設けて形成されたチューブ支持機構26が、
キャピラリチューブ22の長手方向に関して適宜の距離
をおいて2個設けられている。この一対のチューブ支持
機構26によって、キャピラリチューブ22の長手方向
に関する傾斜角度を調整するためのチューブ角度調整装
置が構成されている。各チューブ支持機構26内の希望
のネジ24を締め又は緩めることにより、ケーシング2
1に対するキャピラリチューブ22の全体的な位置及び
傾斜角度を希望通りに調整できる。
【0027】なお、キャピラリチューブ22を支持する
ためのチューブ支持機構及びキャピラリチューブ22の
傾斜角度を調整するためのチューブ角度調整装置は、上
記のチューブ支持機構26以外の他の任意の構造とする
こともできる。
【0028】キャピラリチューブ22は、例えば、ガラ
スによって形成されていて、その内径は、例えば直径
0.01mm〜0.1mmに形成されている。キャピラ
リチューブ22のX線入射口、すなわち図1の右端口は
ケーシング21に設けたX線取込み口27に対応して配
置される。X線源Fから出て発散するX線R1は、ケー
シング21のX線取込み口27を通してキャピラリチュ
ーブ22に取り込まれ、キャピラリチューブ22の管壁
で全反射しながら図1の左方向へ進行する。
【0029】ケーシング21の先端に設けたチップ部材
23には、図3に示すように、キャピラリチューブ22
の内径D1よりも大きい径D2のX線通路28が形成さ
れ、さらにそのX線通路の途中にピンホールブロック2
9が設けられている。ピンホールブロック29は、図4
に示すように、2個のブロック部材31を互いに背中合
わせに接合することによって形成されている。これらの
ブロック部材31のほぼ中央には座ぐり凹部32が形成
され、それらの座ぐり凹部32の底面にピンホール33
が形成されている。
【0030】これらのピンホール33の径D3は、要求
されるX線照射野に対応した細径に形成されるが、例え
ば直径0.01mm又はそれ以下に形成される。通常の
場合、このピンホール径D3はキャピラリチューブ22
の内径D1(図3参照)に等しいか又はそれよりも小さ
く形成される。なお、ブロック部材31の材質は、特定
のものに限定されないが、例えば金(Au)等といった
X線を透過させない金属や、X線を透過させない樹脂等
によって形成される。特に、金によって形成すれば、加
工が非常に容易になる。
【0031】2個のブロック部材31を合わせることに
よって1個のピンホール33を形成しているのは次の理
由による。すなわち、ピンホール33の径は非常に小さ
いので、長さの長い1個のブロック部材31に長さの長
いピンホールを加工することは非常に困難である。これ
に対し、長さの短い複数のブロック部材31のそれぞれ
に長さの短いピンホール33を形成した上で、それらの
ブロック部材31を接合すれば、細径でありながら長さ
の長いピンホール33を確実に形成できるからである。
【0032】以下、上記構成より成る微小部X線回折装
置の動作について説明する。図1において、面内回転機
構6の試料支持部に測定対象となる試料Sを取り付け
る。次に、ω回転機構7を作動して試料Sに対するX線
の入射角度θを所定角度、例えば20°〜30°に設定
する。
【0033】その後、面内回転機構6を作動して試料S
をφ軸線を中心として回転、すなわち面内回転させ、同
時にχ回転機構8を作動して試料Sをχ軸線を中心とし
て揺動回転させながら、X線源Fから放射されてコリメ
ータ3を通過して微小断面径の平行X線ビームに成形さ
れたX線を試料Sへ入射させる。このとき、入射したX
線と試料Sの結晶格子面との間でブラッグの回折条件が
満足されると、試料SでX線の回折が生じる。
【0034】試料Sに入射するX線は微小領域に限られ
るので、その照射野に含まれる結晶粒は数が少ない。試
料Sが単結晶物質であれば、照射野に含まれる結晶粒は
1個である。それ故、その結晶粒から発生する回折X線
は特定の回折角度方向だけへ進むことになり、よって、
上記の面内回転及びχ回転を行わない場合には、試料S
からの回折X線をPSPC4に取り込むことができない
ことが大きな頻度で発生する。
【0035】上記のように、試料Sに関して面内回転及
びχ回転を行うのは、試料S内の結晶粒を入射X線に対
して任意化、すなわちランダマイズ化することにより、
X線照射野内に含まれる結晶粒の数が少ない場合でもそ
の結晶粒から発生する回折X線をPSPC4によって確
実に検出できるようにするためである。
【0036】試料Sからの回折X線がPSPC4の開口
12を通してその内部に取り込まれると、当該回折X線
の回折角度に対応する位置の信号線11に電荷が誘導さ
れ、その位置からの距離に応じた時間差をもって信号線
11の両端にパルス信号が出力され、それらの出力信号
に基づいて位置演算回路14によって回折角度(2θ)
が演算される。
【0037】そして、その演算された回折角度が位置/
波高変換回路16によって特定の波高値を有するパルス
信号に変換され、さらに、MCA17においてその波高
値に対応したチャンネルにカウント値が加算される。こ
うしてMCA17の各チャンネルに記憶されたカウント
合計値を調べることにより、試料Sからの回折X線の回
折角度及びX線強度を知ることができる。この測定結果
は、ディスプレイ18によって映像として表示された
り、あるいはプリンタ19によって印材上にプリントさ
れる。
【0038】本実施形態で用いるコリメータ3において
は、図3に示したように、キャピラリチューブ22のX
線出射口22aの下流側(すなわち、図の左側)位置に
ピンホール33を配置したので、キャピラリチューブ2
2の管壁で全反射してX線出射口22aから出射するX
線に発散成分が含まれる場合には、その発散成分はピン
ホール33を形成している枠部分、すなわちブロック部
材31によってその進行を阻止され、よって、ピンホー
ル33の外部へ出るX線R2は、断面径D4が非常に狭
い正確な平行X線ビームとして成形される。
【0039】この場合、キャピラリチューブ22から出
射するX線はほとんどが平行成分であって発散成分の量
は非常に少ない。よって、ピンホール33の出射側に得
られる平行X線ビームの強度はキャピラリチューブ22
からの出射X線の強度に比べて大きな減衰はない。従っ
て、本コリメータ3の出射側には、発散成分が少なくて
強度の強い微細径の平行X線ビームを得ることができ
る。
【0040】こうしてコリメータ3の出射側に強度の強
い微細径の平行X線ビームが得られれば、このX線ビー
ムを図1において試料Sへ照射することにより、強度の
強いX線を該試料Sの微小領域だけに正確に照射するこ
とができ、その結果、該微小領域から正確なX線情報を
得ることができる。
【0041】なお、図4におけるピンホール径D3を図
3におけるキャピラリチューブ22の内径D1に等しい
か、又はそれよりも小さく形成しておけば、キャピラリ
チューブ22から出射するX線のうちの発散成分を極め
て確実に除去して、より一層正確な微細径の平行X線ビ
ームをコリメータ3の出射口に得ることができる。
【0042】また、本実施形態のコリメータ3では、図
3において、チップ部材23をケーシング21に対して
着脱することにより、ピンホール33を極めて簡単に別
のものと交換できる。これにより、ピンホール33に何
等かの不都合が生じた場合にはこれを正常なものへと簡
単に交換できる。また、試料Sに対するX線照射野の大
きさを変化させたい場合には、キャピラリチューブ22
を交換することなくチップ部材23の交換だけでその要
求に応えることができる。
【0043】また、図1に示すように、本実施形態のコ
リメータ3には、等角度に分配して配置した3個のネジ
24を用いた一対のチューブ支持機構26をキャピラリ
チューブ22の長手方向に互いに間隔をおいて配設する
ことにより、キャピラリチューブ22の全体的な位置及
び傾斜角度を調節するためのチューブ角度調整装置を設
けてあるので、図1においてX線源Fから試料Sへ至る
X線光軸上にキャピラリチューブ22を正確に位置合わ
せすることができる。これにより、キャピラリチューブ
22とピンホール33の相対的な位置関係を希望通りに
調整することができる。
【0044】以上、好ましい実施形態を挙げて本発明を
説明したが、本発明はその実施形態に限定されるもので
なく、請求の範囲に記載した発明の範囲内で種々に改変
できる。
【0045】例えば、図1において、コリメータ3を構
成するケーシング21の形状は図示のような筒形状に限
られず、必要に応じてその他の任意の形状とすることが
できる。また、本発明のコリメータは微小部X線回折装
置に用いることに限らず、その他任意のX線装置に用い
ることができる。
【0046】
【発明の効果】本発明に係るコリメータによれば、キャ
ピラリチューブから出射するX線に発散がある場合に
は、その発散成分はピンホールを形成する枠部分によっ
て遮蔽されてそれ以降の進行が阻止され、コリメータか
ら出射するX線はピンホールを通過したX線ということ
になる。これにより、ほぼピンホールの内径に相当し、
発散成分をほとんど含まない微細径の平行X線ビームを
コリメータの出射口に得ることができる。
【0047】また、本発明に係るX線装置によれば、上
記本発明に係るコリメータを用いることにより、発散成
分をほとんど含まない微細径の平行X線ビームを微小試
料又は試料の微小領域へ照射することができ、その結
果、該微小領域から正確なX線情報を得ることが可能に
なった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るコリメータの一実施形態の側面断
面構造を示すと共に本発明に係るX線装置の一実施形態
を模式的に示す図である。
【図2】図1のII−II線に従ってコリメータの断面
構造を示す断面図である。
【図3】図1のコリメータの主要部を拡大して示す断面
図である。
【図4】図3に示す断面構造の主要部であるピンホール
ブロックの断面構造を示す断面図である。
【図5】本発明に係るコリメータの構造を模式的に示す
断面図である。
【図6】従来のコリメータの一例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 微小部X線回折装置(X線装置) 2 X線管 3 コリメータ 4 PSPC 6 面内回転機構 7 ω回転機構 8 χ回転機構 21 ケーシング 21a ケーシングの先端開口 22 キャピラリチューブ 22a キャピラリチューブのX線出射口 23 チップ部材 24 ネジ 26 チューブ支持機構(チューブ角度調整
手段) 27 ケーシングのX線取込み口 28 チップ部材のX線通路 29 ピンホールブロック 31 ブロック部材 32 座ぐり凹部 33 ピンホール D1 キャピラリチューブ内径 D2 チップ部材のX線通路の内径 D3 ピンホール内径 D4 出射X線ビームの断面径 F X線源 R1,R2 X線 S 試料
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岩崎 吉男 東京都昭島市松原町3丁目9番12号 理学 電機株式会社拝島工場内 (72)発明者 藤田 真史 東京都昭島市松原町3丁目9番12号 理学 電機株式会社拝島工場内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 X線の発散を抑えてX線を微小領域へ照
    射するコリメータにおいて、発散するX線を受け取るキ
    ャピラリチューブと、該キャピラリチューブのX線出射
    口に配設されたピンホールとを有することを特徴とする
    コリメータ。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記ピンホールの径
    は前記キャピラリチューブの径に等しいかそれよりも小
    さいことを特徴とするコリメータ。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2において、前記ピ
    ンホールは前記キャピラリチューブに対して着脱可能で
    あることを特徴とするコリメータ。
  4. 【請求項4】 請求項1から請求項3の少なくともいず
    れか1つにおいて、前記キャピラリチューブを支持する
    ケーシングと、そのケーシングの先端に着脱可能に取り
    付けられるチップ部材とを有し、前記ピンホールは該チ
    ップ部材に設けられることを特徴とするコリメータ。
  5. 【請求項5】 請求項4において、前記ケーシングには
    前記キャピラリチューブの傾斜角度を調整するためのチ
    ューブ角度調整手段が付設されることを特徴とするコリ
    メータ。
  6. 【請求項6】 X線を発生するX線源と、該X線から発
    生したX線を受け取るコリメータとを有し、該コリメー
    タから出射するX線を試料へ照射するX線装置におい
    て、前記コリメータは請求項1から請求項5の少なくと
    もいずれか1つに記載のコリメータによって構成される
    ことを特徴とするX線装置。
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