JP3197104B2 - X線解析装置 - Google Patents

X線解析装置

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JP3197104B2
JP3197104B2 JP09168893A JP9168893A JP3197104B2 JP 3197104 B2 JP3197104 B2 JP 3197104B2 JP 09168893 A JP09168893 A JP 09168893A JP 9168893 A JP9168893 A JP 9168893A JP 3197104 B2 JP3197104 B2 JP 3197104B2
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修三 須藤
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は回折X線、蛍光X線、透
過X線により、非破壊で試料中の微小領域の同定及び、
化学分析を行い、試料面を走査することによって面ある
いは線分析を行うX線装置に関する。
【0002】
【従来の技術】X線解析装置における、従来の装置とし
ては、例えば、特開昭59ー72052号公報に示すも
のがある。これは、3軸微小移動機構に2軸の回転機構
を組み合わせた試料ステージ中心に固定された試料に、
X線源から内側断面が円、楕円または多角形でその内壁
が平行かつ鏡面である空中細管を延ばして、その試料中
の微小領域のX線回折像と蛍光X線をフィルム或いは位
置敏感型プロポーショナルカウンター、もしくは蛍光X
線測定用X線導管で受光する機構のものである。この構
造によれば、小さく薄い試料に対して、X線源から延び
る中空細管を試料近傍まで近づけて、中空細管内径と同
程度の細束X線ビームを照射し、試料から発生される蛍
光X線は蛍光X線測定用X線導管で受光し、その端に配
置された半導体検出器で計測する。また回折X線はフィ
ルム或いは位置敏感型比例計数管により計測し、微小領
域中の物質同定と化学分析を行い、試料を直進移動機構
により面或いは線分析を行うものである。
【0003】また、他の従来例としては、例えば、特開
昭61−22240号公報に示すものがある。これは、
試料中の微小部分に細いX線ビームを入射させるコリメ
ータと試料面から発生する蛍光X線が入射するように設
置される脱着自在な分光結晶と、分光結晶の表面に対し
て微小部分に対称な点並びにその微小部分をそれぞれ中
心とするように移動可能に設置された円弧状の入射位置
感応型X線検出器から構成されている。この構成によれ
ばコリメータ先端を試料近傍に近づけ成形された細いX
線ビームによって照射された試料中微小領域から発生さ
れる蛍光X線が分光結晶で分光反射され、分光結晶に対
してX線照射領域と対称な点を中心とするように移動さ
せられた円弧状の入射位置感応型X線検出器により、そ
の入射位置の違いから蛍光X線エネルギーを計測する。
また回折X線はX線照射領域を中心とするように移動さ
せられた円弧状の入射位置感応型X線検出器により計測
され、微小領域中の物質同定と化学分析を行い、試料を
直進移動機構により面或いは線分析を行うものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開昭
59−72052号公報に示すものは、X線源から試料
ステージ中心まで中空細管によりX線を導く。しかしな
がら、この中空細管は非結像光学素子であるため、収差
が激しい。また、数mm以上のある程度の距離を試料と
中空細管の間に取った場合、X線をμmオーダーの細い
X線ビームにすることは不可能である。上記構成によっ
て、μmオーダーの細いX線ビームを形成するために
は、X線出射瞳に相当する細管内径を測定対象の領域以
下の大きさとし、かつ、その細管の端を試料ステージ極
近傍に位置させることが必要となる。しかし、細管の端
を試料ステージに近づけると試料の大きさが制限される
と共に、試料ステージの回転角も制限されてしまう。そ
の回転角の制限を受けないようにするために、中空細管
の厚みを薄くすると、X線が中空細管を透過してしま
い、X線ビームの実効的な径が大きくなってしまい、微
小領域の分析ができなくなるという問題があった。
【0005】また、上記従来例においては、回転機構内
に3軸微小直進機構を組み込んでいるために、試料ステ
ージが小さくなるとともに、3軸微小直進機構の移動距
離は数mm程度以下と短い。また、特開昭61−222
40号公報に示したものは、X線源から細いX線ビーム
を試料面に当てるのにコリメータを用いている。X線の
照射される試料中の微少領域はコリメータの内径とコリ
メータと試料面との距離によって定まる。ゆえに上記公
報のものと同様にX線ビーム径を最小にするにはコリメ
ータ内径を小さく、かつコリメータと試料面との距離を
極近くする必要がある。したがってこの場合も試料面の
回転角はコリメータ自体に制限され、試料面の回転角を
大きくとることができない。またこの公報の実施例にお
いては試料の回転軸は1つだけのため、X線が照射され
ている微小領域中の結晶粒が少ない場合に、その回折X
線を計測することは困難となる。
【0006】上記二つの公報に対してその対象となる試
料は小型のものに限定される。それは上記のように、試
料ステージの短い試料走査距離と、試料あおり回転をコ
リメータ或いは中空細管によって制限されてしまうから
である。したがって、1cm角以上のシリコンウェハー
上の薄膜などの測定は困難であり、微小片にする必要が
ある。
【0007】
【問題点を解決するための手段】本発明は上記のような
点に鑑みてなされたもので、X線発生装置に集光結像作
用のある1cm以上の作動距離を持つX線光学素子を組
み合わせて、X線光学素子と試料走査台との間に空間的
なスペースを設けた。これにより、X線光学素子と試料
走査台との間に単色分光用、或いは、コリメート用のX
線用空間フィルターを挿入することも可能となる。さら
に、試料走査台には大きな回転と大きなあおりが可能で
ある機構上に、精密移動可能で移動距離1cm以上の3
次元直進機構を装着し、そのX線光軸通過の部分には貫
通穴を設けた。X線検出部は試料走査台の回転軸と中心
を同一とした。X線検出部は、試料走査台の回転中心方
向へ長い移動距離を持つ直進機構に、試料走査台の回転
方向と前記回転の中心方向とに直交する方向へ移動可能
な直進機構を組み合わせて、X線の位置検出器、あるい
は、X線エネルギー検出器のどちらか、もしくは両方組
み合わせて用いるようにした。
【0008】
【作用】上記のような構成によれば、集光結像作用のあ
る1cm以上の作動距離を持つX線光学素子を用いるた
め、X線光学素子と試料走査台との間の空間を任意に試
料が位置変化可能となる。すなわち、すくなくとも片側
1cm程度までの試料を自由にあおり回転が可能となる
ことになる。したがって作動距離がより長いX線光学素
子を用いることにより、さらに大型の試料を任意にあお
り回転できる。この時試料走査は3方向に対して1cm
以上あるため、装着した試料のほぼ全面に当たる面積を
走査でき、1cm程度までの厚みのある試料も非破壊で
測定対象となる。
【0009】さらに、上記、空間において空間フィルタ
ーを用いることで、X線ビームの単色化や、X線光学素
子の開口変化を容易に行うことができる。集光結像作用
のあるX線光学素子を用いることによりX線光学素子で
決められる縮小率とX線光源径でX線ビーム径は決まる
ため、大きな縮小率と小さなX線光源径を用いることに
より、上記、従来例に比べてはるかに微小なX線ビーム
を試料に照射することが可能となる。試料走査台は貫通
穴を有することにより、X線光軸上にX線検出部を回転
移動させると試料走査台上の試料を透過したX線を計測
することができる。X線検出部に付けられた検出器移動
機構により、X線検出器は試料を中心として任意の位置
に配置できる。
【0010】
【実施例】
(実施例1)以下、本発明について実施例を概略的に示
した図1と図2と図3を用いて詳細に説明する。図1は
X線解析装置の上面図を示す。図2は試料走査台付近の
側面図を示す。図3はX線光学素子アライメント機構中
のX線光学素子付近の断面図を示す。
【0011】X線発生装置1’は反射型X線発生装置で
あり、X線ターゲット1でX線を発生させる。X線発生
装置1’は焦点スポットサイズを数百μmから10μm
程度まで変化できる。また、X線ターゲット1はCu,
Fe、Wなど、各種のターゲットに交換可能である。
【0012】発生したX線3は真空ポンプユニット4で
真空状態になっているパイプ6中を通過する。真空ゲー
トバルブ5は、パイプ6をX線発生装置側と真空状態を
区切ることができる。パイプ6を通過したX線3はX線
光学素子アライメント機構7に入射する。
【0013】X線光学素子アライメント機構7は2方向
の直進機構と2軸あおり機構とから構成されている。こ
の機構により、X線光学素子30はX線光軸2を除く4
軸方向にアライメントされる。アライメント感度はX線
光学素子の平行移動では1μm,あおりでは5秒以下が
保たれ、X線光学素子を精密に位置決めできる。このX
線光学素子アライメント機構7は、真空と大気を分ける
X線窓8を組み込んであり、チューブ7’の内側に取り
付けられたX線光学素子30を大気中にて交換可能であ
る。
【0014】X線光学素子30に入射したX線3は大気
中のX線光軸2上の焦点面、すなわち、試料走査台10
上の試料面9に微小なX線スポットを照射する。使用さ
れるX線光学素子は、透過型のゾーンプレート、全反射
ミラー、多層膜ミラー、湾曲結晶など、5KeV程度以
上のX線エネルギーを集光結像する小型X線光学素子な
らば使用可能である。X線光学素子30としては、例え
ば、回転楕円面の形状を持つパイレックスガラス製のX
線集光ミラーを用いる。X線集光ミラー30は、焦点距
離が約1m、作動距離は約70mmであり、X線発生領
域を1/10に縮小して結像する。X線の入射角が5m
radであり、X線集光ミラー30の内側のX線反射面
には白金がコーティングされている。このため、X線反
射面は、X線エネルギー10KeV程度までのX線を、
80%以上の反射率で反射する。X線集光ミラー30
は、内径は1.6mmから緩やかに1.2mmに変化し
ており、外径は約8mmφで、長さは約40mmで、半
割のガラス管の形状である。X線集光ミラー30の固定
には、X線集光ミラー30の外形がはいるような外径1
0mmφのステンレス製チューブ7’を用いる。
【0015】X線集光ミラー30とチューブ7’との固
定方法は、チューブ7’の先端とX線集光ミラー30の
出射瞳の先端をそろえて、接着剤などで接着する方法を
とる。X線集光ミラー30と一体としたチューブ7’
は、チューブ7’に切られたねじ山を利用して、X線光
学素子アライメント機構7に取り付けられる。X線集光
ミラー30をX線光学素子アライメント機構7に固定す
る方法により、試料面9上のX線集光点とチューブ7’
先端との間に、X線集光ミラーの作動距離である70m
mの空間的なスペースができる。したがって、片側70
mm以下の試料の、回転ステージ13による300°に
わたる回転と、ゴニオステージ15による±45°のあ
おり回転を自在にできた。
【0016】試料走査台10は、試料走査台10をX線
光軸方向へ可動させるための直進ステージ11、X線検
出部21を回転させるための回転ステージ12、試料走
査台10を回転させるための回転ステージ13、ブラケ
ット14、ゴニオステージ15、ブラケット16、直進
ステージ17、18、19、大型試料ホルダー20から
構成される。直進ステージ11は、走査回転ステージ1
3とゴニオステージ15の中心軸をX線集光ミラー30
の焦点位置に合わせることを目的とする。直進ステージ
11の移動距離範囲は80mm程度、位置精度1μmで
ある。
【0017】X線検出部21を回転させる回転ステージ
12は、試料走査台回転ステージ13と独立してX線検
出部21を回転させる。X線検出部21は、X線光学素
子アライメント機構7によって遮られる角度を除いた約
300°の範囲で回転可能であり、回転精度1/100
0°で角度を設定することができる。
【0018】X線検出部21は、移動機構とX線検出器
からなる。該移動機構は約250mm以上の直進機能を
持つステージ24と、試料台回転方向と試料台回転中心
方向とに直交する方向へ20mm程度の移動距離を持つ
直進ステージ25とから構成される。X線検出器として
は、入射X線のエネルギー分解能を持つ半導体検出器や
ガスフロー型の比例計数管、入射X線の位置分解能を持
ったX線用蛍光体とイメージインテンシファイアーとを
組み合わせた検出器を使用することができる。
【0019】試料走査台10を回転するための回転ステ
ージ13は、約300°回転可能であり、その回転角精
度は1/1000°である。この回転ステージ13上の
ゴニオステージ15は、±45°まで回転可能であり、
その回転精度は1/1000°である。ゴニオステージ
15と回転ステージ13とは、回転中心を共通にしてい
る。このために、この二つのステージ13、15の間に
はブラケット14を配置して、二つのステージ13、1
5の回転軸の精密位置合わせを行ってある。3方向の直
進ステージ17、18、19とブラケット16とを、走
査試料台回転ステージ13とゴニオステージ15上に組
み合わせて配置する。この状態で、回転ステージ13は
0から90°の角度範囲で、ゴニオステージ15はあお
り角±10°角度範囲での回転を行う時、二つのステー
ジ13、15の回転軸ずれは40μm以内にしている。
【0020】ゴニオステージ15上には直進ステージ1
7が配置される。その直進ステージ15の移動距離は2
5mm,分解能0.1μm,再現性±1μmであり、試
料面9をX線集光ミラーの焦点すなわち、回転中心上に
移動調整できる。したがって、試料走査台上には20m
m程度までの厚みの試料の装着が可能である。なおこの
直進ステージ17はサイドモータ仕様としている。
【0021】直進ステージ17上にはブラケット16を
装着してある。ブラケット16は、他の2軸の直進ステ
ージ18、19が直進ステージ17の移動方向と直交し
て移動できるように付けられている。ステージ18、1
9の性能は、前記直進ステージ17と分解能、位置再現
性とも同等である。移動距離は共に50mm程度であ
り,ステージ駆動用のモータは直進方向に取り付けられ
ている。
【0022】ゴニオステージ15上に垂直に立てられた
2方向直進ステージ18、19と、それを支えるブラケ
ット16のX線光軸2が通過する部分には、32mmφ
の貫通穴を設けている。大型試料ホルダー20には、例
えば6インチシリコンウェハーなどの大型試料が装着可
能である。大型試料ホルダー20は、70mmの移動距
離を持つ大きな直進機構と、360°回転可能な回転機
構を有す。これにより、大型試料の全面走査を可能とし
ている。なお、X線検出部21と大型試料ホルダー20
を除くすべてのステージは遠隔操作が可能である。
【0023】上記のような構成をとるX線解析装置を用
いて、微少領域の回折X線の測定例について述べる。な
お、X線ターゲット1にはCuを使用し、X線発生装置
1’の加速電圧は50KVとした。X線はX線集光ミラ
ー30で試料面9上に集光される。使用しているX線集
光ミラー30は上記X線集光ミラーと同一のものを使用
している。そのため、X線の出射部と測定試料面との間
は約70mmである。その試料面上において集光したX
線の実効的なエネルギーは、5KeVから10KeV程
度までである。X線窓8から試料面上の焦点までの約1
50mmの空間により、5KeV以下のX線エネルギー
は吸収されてしまっている。X線発生装置1’中のX線
発生スポットは20、30μmまで絞っている。このと
き、X線集光ミラー30によるX線集光スポット径は、
一方向のみの大きさで、5μm程度である。X線発生ス
ポット径は、X線集光ミラーの1/10の縮小率で、X
線集光スポット径に縮小されていない。この理由は、X
線集光ミラー30の面粗さと形状誤差の大きさによるも
のである。
【0024】試料9には、4インチシリコンウェハー上
のAl配線パターンを用いた。Al配線は、厚さ2μm
程度で、幅65μmのピッチを持つものである。試料9
は、大型試料ホルダー20を用いて、試料走査台上に固
定されている。X線ターゲット1にはCuを使用したの
で、8KeVのエネルギーで強い強度ピークを持つCu
の特性X線が、試料面上に照射される。Al配線は多結
晶状態の薄膜と考えられるため、AlでX線回折強度の
最大値を示す111面の格子間隔が、Siウェハー上の
Al配線の格子間隔dと考える。試料上に集光されるX
線波長λは主にCuの特性X線であるため、ブラッグの
式を満たす試料角度θの値を求める。なお、試料角度
は、試料がX線光軸2と平行な状態を0゜としている。
【0025】2*d*sinθ=λ 上式により、θは19.24゜であり、このθの値に試
料回転角度を合わせる。X線検出器には、X線用蛍光体
Gd2O2S;Tbのスクリーンを付けたファイバープ
レートを、イメージインテンシファイアに、光学的屈折
率の同じ接着剤でつないで用いた。X線検出部の角度は
試料の回転角の2倍の角度に合わせた。Al配線からX
線検出器へ入射する回折X線強度は非常に弱い。そのた
め、X線検出部の直進機構を用いて、X線検出器面を試
料面より40mm以下に近づける。S/N比の高い回折
X線スポットを測定するために、一点の測定は30秒の
画像積算を行う。試料面の走査を5μmステップで50
0点おこない、試料面で回折されたCuの特性線が65
μmピッチで計測された。
【0026】また、回折X線を計測するにあたり、前記
実施例1にNiフィルターをX線集光ミラー30と試料
面9との間に挿入して、単色化を計り、X線検出器でよ
り鮮明な回折スポットを観測している。Cuに変えてW
をX線ターゲット1に用いて、試料回転角をより低角の
3°程度に配置して、Al配線の反射ラウエ像の観察を
行った。また大型試料ホルダー20をはずして、X線光
軸2に対して試料面9を垂直となした。試料としては有
機薄膜を支持体とするAlの薄膜を用いた。試料は直接
直進ステージ19に取り付けた。X線検出器はX線光軸
2の試料面後方に配置させ、試料の透過ラウエ像の観察
をおこなった。
【0027】(実施例2)実施例2では微小領域の蛍光
X線を測定する方法について述べる。例えば、実施例1
で用いたX線集光ミラーをX線光学素子として使用す
る。そのため、チューブ7’のX線の出射部と測定試料
面との間は約70mmである。X線発生装置の条件は実
施例1と同じように加速電圧は50KVであり、X線タ
ーゲット1にはCuを用いた。X線集光ミラー30によ
るX線集光スポット径は、一方向のみの大きさで5μm
程度である。試料面上において集光したX線の実効的な
エネルギーは、5KeVから10KeV程度までであ
る。X線検出器にはPRガスを用いるガスフロー型比例
計数管を用いた。127μmピッチのステンレス製メッ
シュを試料として、大型試料ホルダー20上に固定し
た。試料9を回転ステージ13により約30°回転させ
て、比例計数管を試料から40mm以内に配置した。直
進ステージ18,19を用いて、試料中の1mm角の二
次元走査を行い、Feの蛍光X線によるメッシュ像を計
測した。
【0028】前記実施例2だけでなく蛍光X線を計測す
る方法としては、半導体X線検出器を用いる場合があ
る。半導体Xドライバ検出器はエネルギー分解能が格段
に高いため、試料中の元素番号が隣接する元素の蛍光X
線エネルギーを分離して計測することが可能である。例
えば、試料を4インチSiウェハーとし、大型試料ホル
ダー20上に固定し、極表面の微量元素を検出する。全
反射蛍光X線分析法を行うためには、X線の試料表面に
X線がすれすれ入射するように試料台の回転角を1°以
下とした。試料から励起される蛍光X線のS/N比を上
げるために、単色化フィルター、この場合はNi薄膜2
5μmを挿入した。さらにコリメータをX線集光ミラー
30と試料面9との間に配置した。
【0029】実施例で使用されているX線集光ミラー
は、X線の発散角が約0.6°と大きい。このため、コ
リメータを使用してX線集光ミラーのX線の反射面の使
用面積、すなわちX線集光ミラー30の輪帯を制限し
て、X線集光ビームの発散角が0.1°となるようにし
た。半導体検出器は試料面から20mm以内の距離に設
置した。回転ステージ13による試料の回転角を0°か
ら変化させて、試料からの蛍光X線を測定した。する
と、試料であるSiウェハーの100Å程度までの、深
さに対するFeなどによる汚染状態が判明した。
【0030】(実施例3)実施例3では微小領域の透過
X線を測定する方法について述べる。例えば、実施例1
と2で用いたX線集光ミラーをX線光学素子として使用
する。そのため、チューブ7’のX線の出射部と測定試
料面との間は約70mmである。X線発生装置の条件は
実施例1と2と同じように加速電圧は50KVであり、
X線ターゲット1にはCuを用いた。X線集光ミラー3
0によるX線集光スポット径は、一方向のみの大きさで
5μm程度である。試料面上において集光したX線の実
効的なエネルギーは、5KeVから10KeV程度まで
である。
【0031】X線検出器にはPRガスを用いるガスフロ
ー型比例計数管を用いた。試料走査台10の直進ステー
ジ13、15、ブラケット16に設けられた貫通穴を利
用するために、大型試料ホルダー20をはずして、試料
を直接直進ステージ19に取り付ける。試料としては、
127μmピッチのステンレス製メッシュを用いた。比
例計数管は、回転ステージ12によりX線光軸2上に動
かされ、試料走査台のブラケット16背面の極近傍まで
近づけられる。直進ステージ18、19を用いて、10
μmステップで試料の1mm角の二次元走査を行った。
比例計数管によりCuの特性X線を計測し、透過X線の
強度変化により、メッシュ像を得た。
【0032】前記実施例3では、直接目でわかる形状の
試料の透過像を計測したが、光学顕微鏡などでは判らな
い数百μm程度の薄状物質の内部の様子を観測すること
が可能である。Cuの特性X線を試料に照射すると、外
見が一様な薄膜状試料でも、FeやNiなどが多く含ま
れている部分と重元素を含んでいる部分は透過X線強度
が極端に少なくなる。これは元素固有の吸収端による効
果とX線が透過しにくくなる重元素の性質によって起こ
ってくる。透過X線を計測する方法で分解能の高い、例
えば、半導体X線検出器を用いる。すると、試料へ入射
する入射X線エネルギー強度と透過X線エネルギー強度
の変化を調べて、試料の元素構成を判明させることが可
能となる。透過X線強度に変化のない試料の場合には、
回転ステージ13とゴニオステージ15によって試料の
傾きを行う。試料の特定方向の透過X線強度の変化によ
り、試料の一方向のおおまかな内部構造を推察すること
も可能である。
【0033】以上、上記実施例により、透過X線、回折
X線、蛍光X線の場合と分離して説明した。2次元位置
検出器とエネルギー検出器をハイブリッドに組み合わせ
て、X線エネルギー別にX線強度の同時測定を行えば、
前述したX線の場合を同時に行い得る。また、実施例2
ではX線コリメータがX線発散角を制限するために使用
されている。他の使用方法としては、X線集光ミラーの
面粗さや形状誤差によって広がってしまうX線集光スポ
ット径を小さくするためにに使用できる。
【0034】
【発明の効果】本発明によれば、上記同一装置構成にお
いて、透過X線、回折X線、蛍光X線により試料物質の
微小領域の同定や化学組成の測定が容易に行えた。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明に関わる実施例の概略上面図であ
る。
【図2】図2は本発明に関わる実施例の概略走査試料台
及びX線光学素子アライメント部配置図である。
【図3】図3は本発明に関わる実施例の概略X線光学素
子配置部の断面図図である。
【符号の説明】
1 X線反射ターゲット 2 X線光軸 3 X線 4 真空引きユニット 5 ゲートバルブ 6 パイプ 7 X線光学素子アライメント部 8 X線窓 9 試料 10 走査試料台 11 直進ステージ 12 X線検出部回転ステージ 13 試料台回転ステージ 14 ブラケット 15 ゴニオステージ 16 ブラケット 17 直進ステージ 18 直進ステージ 19 直進ステージ 20 大型試料ホルダー 21 X線検出部 22 ベース 23 パイプ支柱 24 直進ステージ 25 直進ステージ 30 X線光学素子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭59−72052(JP,A) 特開 昭62−106352(JP,A) 特開 昭61−22240(JP,A) 特開 平3−59449(JP,A) 特開 平6−300852(JP,A) 特開 平6−281798(JP,A) 特開 平6−300718(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G21K 5/10 G01N 23/207

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 X線発生装置と、前記X線発生装置から
    のX線を集光結像する縮小率1以下のX線光学素子と、
    回転あおり機構を有する試料走査台と、X線検出部とか
    らなるX線解析装置において、前記X線光学素子の集光
    点と前記X線光学素子との間の距離は1cm以上50c
    m以下であり、かつ、前記集光点におけるX線のエネル
    ギー強度は5keV以上10keV以下であることを特
    徴とするX線解析装置。
  2. 【請求項2】 試料走査台には三軸直進ステージと試料
    ホルダーが装着され、前記三軸直進ステージにはX線を
    貫通させるための穴が設けられていることを特徴とする
    請求項1記載のX線解析装置。
  3. 【請求項3】 前記X線検出部は、試料走査台を中心と
    する回転移動と2方向直進移動を可能にする機構と、X
    線位置検出器、または、X線エネルギー検出器とからな
    ることを特徴とする請求項1ないし2記載のX線解析装
    置。
  4. 【請求項4】 前記試料走査台には、±10°以上のあ
    おり角を可能にするゴニオステージと、90°以上の角
    度回転を可能とする回転ステージとが装着されているこ
    とを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の
    X線解析装置。
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