JP2001073520A - 換気棟 - Google Patents

換気棟

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JP2001073520A
JP2001073520A JP25071799A JP25071799A JP2001073520A JP 2001073520 A JP2001073520 A JP 2001073520A JP 25071799 A JP25071799 A JP 25071799A JP 25071799 A JP25071799 A JP 25071799A JP 2001073520 A JP2001073520 A JP 2001073520A
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ventilation
ridge
building
sheet metal
roof
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JP25071799A
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Tatsuaki Ishida
龍明 石田
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Fuji Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 施工が容易で、かつ雨水、害虫が棟内に入ら
ない換気棟を提供すること。 【解決手段】 屋根の棟のほぼ頂点付近であって、骨材
1aのL字曲折部には、ブリッジ8が左右の骨材1aを
連接している。また、上記ブリッジ8は、換気棟の長手
方向に対して断続的に設置される。この換気棟はその内
部の上記ブリッジ8が棟カバー4以外を一体としている
ので、取付け施工が容易となる。また、この換気棟は上
記ブリッジ8を変形させるだけで屋根勾配に適合させる
ことができるので施工が容易となる。また、骨材1bの
棟芯側内部には、外装板2の上部である水切り2aと、
もう一枚の水切り6と、虫よけフィルター7が溶着され
ている。これら2枚に水切り2a、6により、小屋裏A
からの空気と外気との換気が可能になるとともに、雨水
の棟内への浸入を防止できる。さらに、上記虫よけフィ
ルター7は、住宅外部から飛来または這歩してくる害虫
の棟内部への侵入を防止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、屋根の棟部に取
付け、小屋裏の換気を行う換気棟に関し、さらに詳細に
は、小屋裏への雨水の浸入および害虫の侵入を防止し、
取付け施工を容易にする換気棟に関する。
【0002】
【従来の技術】一般的に住宅の小屋裏は、直射日光によ
る熱が屋根を通じて伝わり、それによる熱気が籠もりや
すい場所である。小屋裏に籠もった熱気は、居室の温度
を上昇させ、冷房効率を悪化させる原因になる。また、
上記小屋裏は、冬に居室内からの暖かい湿った空気がた
まりやすく、外気との温度差によっては結露が発生しや
すい空間でもある。住宅にとって小屋裏の結露は致命傷
とも言えるもので、木材の腐食やカビの発生をまねく原
因となるものである。そこで、これらの原因を取り除く
べく、従来から棟換気という手法が行われてきた。
【0003】棟換気とは、小屋裏から熱気や湿気を多く
含んだ空気を屋根の棟部において換気する手段である。
棟換気を行う装置を換気棟というが、これには種々の形
式がある。以下に、その一例(特開平11−19007
7号公報)について説明する。
【0004】図11は、上記換気棟の構造を示す断面図
である。この図において、Aは小屋裏、Bは棟木、Cは
棟木Bに所定間隔で配設された垂木、Eは垂木Cに野地
板Dを介して葺かれている屋根板である。上記棟木Bの
両側の屋根板間および野地板D間には換気用開口Gが設
けられている。Fは笠木で、ビスJで屋根板Eから野地
板Dを貫通させて垂木Cに打入して固定されている。H
は換気用開口G部に対抗して配設された水切板である。
1は換気棟構造物で、換気用開口Gを覆うように棟部に
被せられている。
【0005】換気棟構造物1は、棟板2と棟板受け4と
遮水通気板3とから構成される。棟板2と棟板受け4
は、リベット14、15で鋲着されている。また、遮水
通気板3は棟板2と棟板受け4との間に形成された空間
部にリベット14によって鋲着されている。また、棟板
2は、左右の屋根板Eと同じ勾配を有する山形の本体部
と、当該本体部の両側端部より立ち下がった側板2aと
を備え、山形の本体部には換気孔8を設け、側板2aに
は排水口9が設けられている。
【0006】棟板受け4は、屋根板Eに沿って傾斜した
底壁5と、当該底壁5の勾配の上縁から立ち上がり断面
略F字状に折り曲げられた上側壁6と、底壁5の下縁か
ら下方に断面略W字状に折り曲げられた下側壁7とで構
成され、上側壁6には排気口10と水切りフィン6cが
設けられている。
【0007】遮水通気板3は、断面ほぼL字状に折り曲
げられ、前壁3a、底面片3b、後壁3c、上面片3d
とで構成されている。前壁3aには底面片3bとのなす
各部に排水口12が設けられ、後壁3cには通気口11
が設けられている。換気棟構造物1は、釘16を棟板受
け4の下側壁7を貫通させて笠木Fに打入して固定され
ている。
【0008】つぎに、この換気棟の動作について説明す
る。屋根裏Aの空気は図11中の点線矢印で示すよう
に、換気用開口G、排気口10、通気口11、換気孔8
及び一部排水口9の経路を通って外部に流れ、外気は逆
の経路で流れる。雨天時には、雨水は換気孔8から空間
部13の内部に入り、棟板受け4の底壁5を伝って排水
口9に至り、排水口から外部に排出される。また、雨水
が換気孔8から空間部13の内部に入り、棟板受け4の
底壁5に到達後、底壁5により反射され棟芯側に向かっ
ても、遮水通気板3と棟板受け4の上側壁6に設けられ
た水切りフィン6cで遮られるため、雨水が棟芯側に浸
入することが防止される。
【0009】上記のように、棟板2と棟板受け4との間
に形成された空間部13に取付けられた遮水通気板3
と、棟板受け4の上側壁6に設けられた水切りフィン6
cとが、水切りの機能を果たし、雨水が屋根棟部の換気
用開口Gに浸入する漏水事故が防止される。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、一体型
の換気棟では、様々な屋根勾配に対応させるために現場
において換気棟全体の形状を調整しなくてはならない
が、その調整が構造上容易ではないという問題点があっ
た。また、上記換気棟は、当該換気棟上に積雪がある場
合の考慮がなされておらず、最悪の場合、積雪の重みで
変形する可能性もあった。さらに、這歩する小型害虫が
換気口から棟内部に侵入するという問題もあった。
【0011】この発明は、上記に鑑みてなされたもので
あって、屋根勾配に対応させるための角度調整等の施工
が容易となり、かつ、空気流通路面積を大きくとれる換
気棟を提供することを目的とする。また、好ましくは強
風、積雪等による外力に十分に耐えて変形せず、害虫等
の棟内部への侵入をも防止できる換気棟を提供すること
を目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに、請求項1にかかる換気棟は、空気が蛇行する流通
路を有する棟換気構造を板金加工によって形成すると共
に当該棟換気構造を2分割構造とし、屋根の換気用開口
の両縁部に並設するようにした板金換気構造体と、分割
した板金換気構造体間に渡ってその両上面に載せ、当該
各面上の任意の位置で固定する棟カバーとを備えたもの
である。
【0013】板金換気構造体を2分割構造にしてそれぞ
れを屋根の換気用開口に沿って設けようにしたので、屋
根に取り付ける際の角度調整を容易に行うことができ
る。また、取り付ける屋根の勾配によって分割した板金
換気構造体の間隔が変わることになるが、棟カバーを上
面の載せて任意の位置で固定可能にしているので、当該
間隔の変化を吸収できる。このため、勾配の異なる屋根
に適用可能である。なお、前記棟カバーの固定には、ネ
ジ止めや接着を用いればよい。
【0014】また、請求項2にかかる換気棟は、上記換
気棟において、さらに、前記板金換気構造体を複数のブ
リッジで繋ぎ、当該板金換気構造体の勾配調整時におけ
る回転支点を屋根の頂点付近に設定したものである。
【0015】この換気棟によれば、ブリッジによって前
記板金換気構造体を屋根の頂上付近で繋ぐようにしたの
で、屋根勾配に対応させるために当該ブリッジの角度を
調整しても、常に空気の流通路面積を大きく確保するこ
とができる。すなわち、棟換気をするために開口された
住宅の屋根棟部のほぼ頂点の高さに位置する上記ブリッ
ジが角度調整の支点となるので、換気棟の棟カバーの頂
点が支点となる場合と異なり、角度調整を行って様々な
屋根勾配に対応させた場合でも空気流通路面積が小さく
なることはない。また、板金換気構造体をブリッジによ
り繋げているので、上記換気棟を屋根に取付ける際の位
置合わせが容易となる。さらに、ブリッジ部分を曲げて
角度調整を行うようにしているので、施工が容易であ
る。
【0016】また、請求項3にかかる換気棟は、上記換
気棟において、さらに、前記板金換気構造体を構成する
板金を骨材によって保持したものである。すなわち、こ
の換気棟は、骨材を基礎として板金構築しているので、
強度的に優れ、積雪があっても変形しにくいものとな
る。
【0017】また、請求項4にかかる換気棟は、上記換
気棟において、さらに、棟カバーの両縁に水返しを設け
ると共に、前記水返しに対向して板金換気構造体の上面
に水返しを設けたものである。すなわち、棟カバーの両
縁と板金換気構造体の上面とに水返しを設け、それらが
互いに対向するようにしているから、換気棟の遮水能力
を強化することができる。
【0018】また、請求項5にかかる換気棟は、上記換
気棟において、さらに、上記板金換気構造体の上面と棟
カバーとの間にシール材を設けたものである。このた
め、換気棟上部の遮水に万全を期することができる。
【0019】また、請求項6にかかる換気棟は、上記換
気棟において、さらに、板金排気構造体に多孔状または
網状のフィルターを設けたものである。すなわち、板金
排気構造体に多孔状または網状のフィルターを設けるこ
とにより、換気棟の外部から虫が浸入することを防止す
ることができる。また、雨水のはねかえりによる換気棟
への浸入を抑制することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、この発明にかかる換気棟の
実施の形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。な
お、この実施の形態によりこの発明が限定されるもので
はない。
【0021】図1は、この発明の実施の形態にかかる換
気棟を屋根の棟部に取り付けたときの断面図である。小
屋裏Aの上部には屋根の骨組みである垂木Bが勾配をつ
けて並設されている。野地板Cは垂木Bの上面に敷設さ
れ、屋根板Dの土台となる。棟換気は屋根の棟部におい
て小屋裏Aの換気を行うものであるため、当該棟部に空
気の流通路を設けなくてはならない。そのため、垂木B
は棟部においてわずかな隙間を設けられ、換気用開口E
が形成される。この発明の実施の形態にかかる換気棟は
上記のように開口された棟部に付設されるものである。
上記換気棟は、2組みの溶着された骨材1a、1bを骨
組みとして、これにいくつかの板金材料を溶着または鋲
着させたものである。
【0022】以下、これら換気棟を構成する要素につい
て説明する。まず、骨材1aと、それに溶着された外装
板2が笠木Fにビス止めされ、これによって上記換気棟
は屋根の棟部に固定される。図2に示すように、この骨
材1aは、小さな一定幅を有し、換気棟の長手方向の長
さに応じて適当な数で断続的に設置される。また、上記
骨材1aは、後述する骨材1bと共に、熱気や湿気を多
く含んだ空気にさらされる部分に位置するため、防錆
性、耐食性が良好で、かつ、強度が大きい材料、たとえ
ば、ガルバリウム鋼板等が用いられる。
【0023】この発明の実施の形態にかかる換気棟にお
いて上記外装板2は、三つの役割を担っている。一つ目
は、上記外装板2の最上部において、外部からの雨水を
遮断する水切り2aとしての役割である。二つ目は上記
外装板2の中間部において、笠木Fを覆う棟包み部2b
としての役割である。また、三つ目は、最下部において
換気棟を伝わり落ちる雨水が野地板Cや棟内部に浸入し
ないようにするための水切り2cとしての役割である。
【0024】骨材1aは断面ほぼL字状の形をしてお
り、その上端部には、別の骨材1bが棟芯とは反対方向
に突設する形で溶着されている。この骨材1bは、小屋
裏Aから上昇する空気が外気に至るまでの空気流通路
(板金換気構造体)を保持するためのものである。この
骨材1bには、外装板3が溶着されている。外装板3は
換気棟最上部に位置する棟カバー4と共にビス5によっ
て骨材1bに固定されている。また、外装板3は、棟芯
部に向かって斜め上方に延設されており、その縁部には
水返し9が設けられる。この水返し部分が棟カバーに接
する部分にはコーキングが施され、換気棟上部の遮水性
を高めている。上記棟カバー4の縁部にも同様に水返し
が施され、これが接する外装板3に施されるコーキング
により、雨水等の浸入を防止している。
【0025】骨材1bの棟芯側内部には、前記外装板2
の上部である水切り2aと、もう一枚の水切り6と、虫
よけフィルター7が溶接によって収められている。これ
らのうち、2枚の水切り2a、6は、互いに向き合う方
向で骨材1a、1bから突設され、そこを通過する空気
が蛇行するようになっている。上記虫よけフィルター7
は、2枚の水切りの下部であって、換気棟と外気の境界
に位置する。ここで、虫よけフィルターとは、住宅外部
から飛来または這歩してくる害虫の棟内部への侵入を防
止するために、小孔板等の細かな障害を設けるものであ
り、パンチングメタルや網で形成されるものである。
【0026】笠木Fのほぼ上面高さであって、骨材1a
のL字曲折部には、ブリッジ8が左右の骨材1aを連接
している。図3は、この発明の実施の形態にかかる換気
棟の正面斜視図である。同図に示すように、上記ブリッ
ジは、換気棟の長手方向に対して断続的に設置される。
これによって、このブリッジ同士の間隙を縫って空気が
上下に通過することができる。なお、上記ブリッジは、
小屋裏から上昇する熱気や湿気を多く含んだ空気が通過
する換気用開口Eの上部に位置するので、防錆性や耐食
性の高い材料、たとえば、フッ素樹脂鋼板が用いられ
る。
【0027】つぎに、この発明の実施の形態にかかる換
気棟の換気作用について説明する。図4は、上記換気棟
における換気作用の概念図である。小屋裏Aにおいて熱
せられた空気は、密度が小さくなるので、換気用開口E
から上昇する。上記空気は、その後も、ブリッジ8同士
の間隙を縫って上昇し続け、骨材1a同士の間隙から、
外装板3で囲まれた内部空間に導かれる。そして、上記
空気は、この空間において、水切り2a、6を避けるよ
うにして蛇行しながら降下する。そして、最終的には、
虫よけフィルター7の小孔等を通過し、外部に放出され
る。
【0028】一方、外気が小屋裏Aへ通気するときは、
上記とは逆に、虫よけフィルター7、水切り6、2a、
骨材1aの間隙、およびブリッジ8の間隙を介して換気
が行われる。
【0029】つぎに、この発明の実施の形態にかかる換
気棟の遮水性について説明する。図1で説明したよう
に、上記換気棟は、2枚の水切り2a、6が互いに作用
し、雨水が棟内部に浸入するのを防止している。また、
上記換気棟と外気との境界に虫よけフィルター7が設置
され、これによっても、雨水のはねかえり等を抑制する
ことができる。
【0030】上記換気棟の屋根には、棟カバー4が鋲着
されており、縁部の水返しとコーキングによって雨水が
棟内部に浸入するのを防止している。ここで、この遮水
性を確認するために、散水実験を行ったので、その結果
を説明する。
【0031】図5に示すように、簡単な小屋根を作成
し、その棟部にこの発明の実施の形態にかかる換気棟を
取付けた。ただし、実験では、外装板3と棟カバー4と
の間にコーキングを施さない状態で散水を開始した。散
水方法としては、、、の3方向より24時間連続
的に散水を行った。その結果、上記の3方向いず
れからの散水に対しても棟カバー4部からの浸水は見ら
れなかった。以上から、この発明の実施の形態にかかる
換気棟の棟カバー4部の遮水性を確認できた。なお、棟
カバーと外装板3との間にはコーキングを施すのが通常
なので、この場合、水の浸入は全くないと考えられる。
【0032】つぎに、この発明の実施の形態にかかる換
気棟の変形に対する強度について説明する。上記同様図
6に示すように、簡単な小屋根を作成し、その棟部にこ
の発明の実施の形態にかかる長手方向長さ700mmの
換気棟を取付けた。そして、上記換気棟の棟カバー4の
上部に85kgの錘による荷重(図中の錘荷重51)を
かけ、換気棟本体の形状変化を観察した。
【0033】その結果、85kgの荷重に対して骨材1
a、1bをはじめとする換気棟の構成要素は、何らの形
状変化もおこさなかった。通常、1mの積雪に対し30
0kg/m2 の荷重がかかるが、今回の実験に使用した
換気棟は、長手方向の長さ700mmで0.12m2
面積であるため、1mの積雪で、 (長期荷重)0.12m2 ×300kg=36kg (短期荷重)0.12m2 ×300kg=72kg となる。したがって、85kgの荷重に耐えた、本発明
の実施の形態にかかる換気棟は多雪地域の使用にも耐え
得るものと考えられる。
【0034】つぎに、この発明の実施の形態にかかる換
気棟の屋根勾配への適応性について説明する。図7は、
ほぼ7寸勾配の屋根の棟部に上記換気棟を取り付けたと
きの換気棟断面図である。図1に示したような低勾配の
屋根に上記換気棟を取り付けた場合と比較して、換気棟
内部の空気流通路面積が大きくなっているのがわかる。
これは、上記換気棟がブリッジを支点として角度調整可
能だからである。
【0035】すなわち、上記換気棟は棟カバー4を除
き、一体構造となっているにもかかわらず、ブリッジ8
が屋根の棟のほぼ頂点付近に位置し、角度調整を行うた
め、換気用開口Eの幅いっぱいに上記換気棟の空気流通
路を広げることができるためである。なお、上記ブリッ
ジの連設位置は、棟カバーの下であれば、どこでもよい
が、空気流通路面積の確保という観点から屋根の棟の頂
点付近であることが好ましい。
【0036】一般住宅では、3寸〜10寸勾配の屋根が
そのほとんどを占めることが知られている。したがっ
て、この発明の実施の形態にかかる換気棟が、10寸勾
配の屋根の棟部に取り付けたときに必要となるブリッジ
8の長さを有していれば、上記換気棟は、それ以下の勾
配の屋根に対して、ブリッジ8を折り畳むことにより、
容易に対応することができる。
【0037】また、この発明の実施の形態にかかる換気
棟の棟カバーは、前記板金換気構造体の上面であれば、
どこでも鋲着可能なので、上記のように上記換気棟の側
端点−棟カバーの頂点−側端点の長さが変化しても、取
付け位置を変えるだけで様々な屋根に対応可能となる。
【0038】以上により、この発明の実施の形態にかか
る換気棟は、以下のような効果が得られる。第1に、こ
の換気棟は、棟カバーをのぞき、一体になっており、ブ
リッジの変形容易性と相俟って施工が極めて容易であ
る。また、笠木を覆うように取り付ける、いわゆる呑み
込み型の換気棟であるため、取付後の外観が綺麗であ
る。
【0039】第2に、一の換気棟ユニットで様々な勾配
の屋根に対応できるので、屋根勾配別にユニットを準備
する必要がない。仮に、屋根勾配に対応するために換気
棟の屋根部の頂点を支点として角度調整を行うとする
と、換気通路を狭めてしまうことになり、必然的に空気
流通路面積が小さくなるが、この発明にかかる換気棟の
角度調整は、笠木のほぼ上部高さに位置する前記ブリッ
ジを支点として行うため、当該換気棟は角度調整によっ
て換気通路を狭めることなく大きな空気流通路面積を確
保することができる。これにより、本発明にかかる換気
棟は、換気を高効率で行うことができる。
【0040】第3に、本発明では単純形状の骨材を換気
棟内部に備え、豪雪、強風にも耐える構造となっている
ので、豪雪地帯の住宅の屋根に取り付けても十分な強度
を保ち、換気棟の変形を防止することができる。第4
に、本発明にかかる換気棟は、当該換気棟と外気の境界
に虫よけフィルターを備え、飛来する害虫のみならず、
這歩する害虫も屋内に浸入することを防止することがで
きる。このことより、害虫が小屋裏にある住宅構造体を
侵食するのを防ぐことができる。
【0041】また、虫よけフィルターは、雨水のはねか
えりによるユニットへの浸入をも抑制することができ、
小屋裏への漏水を、水切りと共に完全に防ぐことができ
る。第5に、この発明の実施の形態にかかる換気棟は、
前記ブリッジによって前記水切り、前記骨材、および上
記虫よけフィルターが一体になっているので、屋根上で
の施工を短時間に、かつ、極めて容易に行うことができ
る。第6に、換気棟を構成する部材が単純な形状を有し
ており、構築方法も溶接、リベットのみなため、コスト
が安いという利点がある。
【0042】つぎに、上記実施の形態の変形例を示す。
図8は、水切りと虫よけフィルターに特徴を有する換気
棟の断面図である。以下、図中(a)(b)(c)の順
に構成について説明する。なお、上記換気棟は、水切り
と虫よけフィルターの構成に特徴を有するものであるか
ら、双方の周辺に設けられている部材を除いた、その他
の構成部材については図示と説明を省略する。
【0043】まず、(a)の換気棟は、外装板71が水
切りの役目を兼有している点が特徴である。また、上記
外装板71鉛直降下する部分に延設する形で虫よけフィ
ルター72が設けられている点も特徴である。
【0044】この(a)の換気棟であっても、強風、積
雪等の当該換気棟外部からの外力に対抗する強度、棟カ
バー4からの浸水、および様々な勾配の緩急に対する適
応性を損ねることなく、外部からの雨水が棟内に浸入す
ることを防止できる。また、雨水が外装板2にはねかえ
ったときの方向性を考慮するならば、虫よけフィルター
72の面が鉛直に立っている方が、当該フィルタのもつ
雨水浸入抑制機能がより発揮されると考えられる。ま
た、這歩する小型害虫も棟内部に侵入することができな
い。さらに、外観が美しく、コストが安いという利点も
ある。
【0045】つぎに、(b)の換気棟は、外装板73が
虫よけフィルター74の役目を兼有している点が特徴で
ある。この場合、外装板2aの水切りと虫よけフィルタ
ー74とで遮水性の実効を図る。
【0046】この(b)の換気棟であっても、(a)の
場合と同様に、強風、積雪等の当該換気棟外部からの外
力に対抗する強度、棟カバー4からの浸水、および様々
な勾配の緩急に対する適応性を損ねることなく、外部か
らの雨水が棟内に浸入することを防止できる。また、雨
水が外装板2にはねかえったときの方向性を考慮するな
らば、虫よけフィルター72の面が鉛直に立っている方
が、当該フィルタのもつ雨水浸入抑制機能がより発揮さ
れると考えられる。また、這歩する小型害虫も棟内部に
侵入することができない。さらに、外観が美しく、コス
トが安いという利点もある。
【0047】さらに、(c)の換気棟は、外装板の一部
である水切り75の端部が斜め下方向に曲折し、逆にも
う一つの外装板76が形成する水切りが斜め上方に曲折
している点に特徴がある。また、虫よけフィルター77
が上記外装板76によって形成される水切りの開口する
空間のみへの害虫浸入を防止している点にも特徴があ
る。なお、上記虫よけフィルタは、かかる位置にかぎら
ず、(a)の場合と同じく、外装板76の鉛直降下する
面に延設されても、その効果が期待できる。この(c)
の換気棟であっても、前記(a)(b)と同様な効果が
得られる。
【0048】図9は、本発明の実施の形態の変形例にか
かる換気棟を示す断面図である。この換気棟は、その上
部に位置する外装板3と棟カバー4との間に水密テープ
等のシール材81を挟着させた点に特徴がある。このた
め、上記外装板3の水返し部82およびコーキング処理
で遮水を行う場合と比較して、より大きな遮水性を得る
ことができる。
【0049】図10は、ブリッジ8を示す斜視図であ
る。(a)は、この発明の実施の形態に使用された上記
ブリッジである。(b)は、(a)のブリッジの山形曲
折部を蝶番で置き換えたものである。前述したように、
上記ブリッジは、略笠木(図示省略)の上面高さで、換
気棟の角度調整に用いられる。したがって、優れた曲折
機能を有する蝶番91は、上記角度調整に適しており、
これによっても上記ブリッジ8のもつ角度調整機能、換
気棟一体化機能を発揮することができる。
【0050】
【発明の効果】以上説明したように、本発明にかかる換
気棟(請求項1)では、空気が蛇行する流通路を有する
棟換気構造を板金加工によって形成すると共に当該棟換
気構造を2分割構造とし、屋根の換気用開口の両縁部に
並設するようにした板金換気構造体と、分割した板金換
気構造体間に渡ってその両上面に載せ、当該各面上の任
意の位置で固定する棟カバーとを備えたので、様々な屋
根勾配に対応することができ、施工が容易になるという
効果を奏する。
【0051】また、本発明にかかる換気棟(請求項2)
では、板金換気構造体を複数のブリッジで繋ぎ、当該板
金換気構造体の勾配調整時における回転支点を屋根の頂
点付近に設定したので、ブリッジの変形容易性と相俟っ
て施工が極めて容易となる。また、屋根勾配に対応する
ために換気棟の屋根部の頂点を支点として角度調整を行
うとすると、上記換気棟の内部空間、すなわち換気通路
を狭めてしまうことになり、必然的に有効換気孔面積が
小さくなるが、本発明にかかる換気棟の角度調整は、屋
根の棟のほぼ頂上に位置する前記ブリッジを支点として
行うため、当該換気棟は角度調整によって換気通路を狭
めることなく大きな有効換気孔面積を確保することがで
きる。これにより、本発明にかかる換気棟は、換気を高
効率で行うことができる。また、上記換気棟は、左右の
板金換気構造体をブリッジで繋げているので、屋根上に
おいて位置合わせ等の施工を短時間に、かつ、極めて容
易に行うことができるという効果を奏する。
【0052】また、本発明にかかる換気棟(請求項3)
では、骨材を換気棟内部に備えているので、豪雪地帯の
住宅の屋根に取り付けても十分な強度を保ち、換気棟の
変形を防止することができるという効果を奏する。
【0053】また、本発明にかかる換気棟(請求項4)
では、棟カバーの両縁に水返しを設けると共に、前記水
返しに対向して板金換気構造体の上面に水返しを設けた
ので、遮水能力が強化され、換気棟の上部から雨水が浸
入するのを防止できるという効果を奏する。
【0054】また、本発明にかかる換気棟(請求項5)
では、上記棟カバーと上記板金換気構造体の上面との間
にシール材を有するので、換気棟上部の遮水に万全を期
することができるという効果を奏する。
【0055】また、本発明にかかる換気棟(請求項6)
では、板金排気構造体に多孔状または網状のフィルター
を設けたので、飛来する虫のみならず、這歩する虫が屋
内に浸入することを防止することができる。また、当該
フィルターは、雨水のはねかえりによるユニットへの浸
入をも抑制することができ、小屋裏への漏水を、水切り
と共に防止することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態にかかる換気棟の構成を
示す断面図である。
【図2】この発明の実施の形態にかかる骨材を示す斜視
図である。
【図3】この発明の実施の形態にかかる換気棟の構成を
示す正面斜視図である。
【図4】この発明の実施の形態にかかる換気棟の換気作
用の概念を示す説明図である。
【図5】この発明の実施の形態にかかる換気棟の散水実
験方法を示す断面図である。
【図6】この発明の実施の形態にかかる換気棟の加重実
験方法を示す断面図である。
【図7】この発明の実施の形態にかかる換気棟を略7寸
勾配の屋根の棟部に取り付けた状態を示す断面図であ
る。
【図8】この発明の実施の形態の変形例にかかる換気棟
の構成を示す断面図である。
【図9】この発明の実施の形態の変形例にかかる換気棟
の構成を示す断面図である。
【図10】この発明の実施の形態にかかるブリッジおよ
びその変形例を示す斜視図である。
【図11】従来における換気棟の構造を示す断面図であ
【符号の説明】
1a 骨材 1b 骨材 2a 水切り 3 外装板 4 棟カバー 5 ビス 6 水切り 7 虫よけフィルター 8 ブリッジ 9 水返し A 小屋裏 B 垂木 C 野地板 D 屋根板 E 換気用開口

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 空気が蛇行する流通路を有する棟換気構
    造を板金加工によって形成すると共に当該棟換気構造を
    2分割構造とし、屋根の換気用開口の両縁部に並設する
    ようにした板金換気構造体と、 分割した板金換気構造体間に渡ってその両上面に載せ、
    当該各面上の任意の位置で固定する棟カバーと、 を備えたことを特徴とする換気棟。
  2. 【請求項2】 さらに、前記板金換気構造体を複数のブ
    リッジで繋ぎ、当該板金換気構造体の勾配調整時におけ
    る回転支点を屋根の頂点付近に設定したことを特徴とす
    る請求項1に記載の換気棟。
  3. 【請求項3】 さらに、前記板金換気構造体を構成する
    板金を骨材によって保持したことを特徴とする請求項1
    または2に記載の換気棟。
  4. 【請求項4】 さらに、棟カバーの両縁に水返しを設け
    ると共に、前記水返しに対向して板金換気構造体の上面
    に水返しを設けたことを特徴とする請求項1〜3のいず
    れか一つに記載の換気棟。
  5. 【請求項5】 さらに、上記板金換気構造体の上面と棟
    カバーとの間にシール材を設けたことを特徴とする請求
    項1〜4のいずれか一つに記載の換気棟。
  6. 【請求項6】 さらに、板金排気構造体に多孔状または
    網状のフィルターを設けたことを特徴とする請求項1〜
    5のいずれか一つに記載の換気棟。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017197926A (ja) * 2016-04-26 2017-11-02 元旦ビューティ工業株式会社 納め部材、及び納め構造
CN113405193A (zh) * 2021-06-30 2021-09-17 中国十七冶集团有限公司 一种建筑厂房屋面自然通风系统及通风方法

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