JP2001073299A - 嵩高板紙 - Google Patents

嵩高板紙

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JP2001073299A JP2000189959A JP2000189959A JP2001073299A JP 2001073299 A JP2001073299 A JP 2001073299A JP 2000189959 A JP2000189959 A JP 2000189959A JP 2000189959 A JP2000189959 A JP 2000189959A JP 2001073299 A JP2001073299 A JP 2001073299A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】嵩が高く低密度であり、剛度が高く紙器などの
用途に適した軽量板紙に仕上げることが可能な嵩高板紙
を提供する。 【解決手段】中層の両側に外層を有する3層以上の構成
で坪量が90〜600g/m2の板紙において、(1)
板紙全体の密度が0.50〜0.75g/cm3であ
り、(2)少なくとも片側の外層は、坪量が15〜10
0g/m2、密度が0.60〜0.90g/cm3である
最外層を有し、(3)中層が機械パルプ、カールドファ
イバー及びマーセル化パルプからなる群から選択される
一種以上のパルプを主体として構成され、中層の密度が
0.20〜0.60g/cm3である、ことを特徴とす
る嵩高板紙。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は嵩高な板紙に関する
ものであり、嵩高つまり低密度で剛度が高く、古紙を主
体として製造される一般の板紙に比較して腰があり、さ
らには同じ剛度を得るには大幅な坪量の低減が可能であ
る、従来品に比較して紙器、包装において素材の軽量化
ができる嵩高板紙に関するものである。これは、印刷用
板紙、紙器包装用板紙、あるいは、段ボール用ライナ
ー、絞り成形用シート、食品用紙器、カップ麺容器、紙
カップ、あるいは各種素材と積層した積層体等に使用さ
れる板紙に関するものである。
【0002】
【従来の技術】板紙を紙器などの包装材料として用いる
場合において、近年その環境負荷を最小限にすることが
求められている。特に、二酸化炭素の放出にともなう地
球温暖化の問題では、パルプの出発物質となる木材が二
酸化炭素を固定するとはいえ、その使用は最小限にすべ
きである。そのため、省資源包装を目的として二重包装
を廃止したり、包装そのものを省略する方法も取られて
いるが、内容物の保護が、包装の目的であり、その信頼
性を格段に向上させるという意味で、環境負荷の少ない
軽量な板紙を使用することが望まれている。
【0003】また、用紙の軽量化や印刷の高速化に対応
して嵩高な紙が提案されている。印刷の高精細化にとも
ない嵩高な用紙はクッション性が高く網点の再現性が良
い。例えば、特開平7−189168号公報にはマーセ
ル化されたパルプを用いた嵩高紙が提案されており、こ
れは嵩高で、剛度高く表面平滑性がよく表面強度の強い
印刷用紙や塗工原紙として使用される嵩高紙である。
【0004】しかし、これは単層で構成された嵩高紙で
あり、多層で構成されたものではない。嵩高紙をこのよ
うに単層で構成すると紙の強度低下が激しく、剛度も得
られず本発明のような板紙に適用することができない。
【0005】一方、特許公報第2845285号には機
械パルプを内層に含む複数の層からなる嵩高紙があり、
表面強度に優れたオフセット印刷用新聞用紙を提示して
いる。しかし坪量が低く、一層ずつ抄紙形成した後に抄
き合わせるのではないため、上下層に中層のパルプが混
入するなど、坪量の多い板紙抄造に適用されるものでは
ない。また、実施例から推定されるその密度も0.55
g/m3以下であり、本発明のような板紙に適用すると
後述するバルーンの発生やヤング率の低下は避けられ
ず、本発明のような嵩高板紙を製造することはできな
い。嵩高紙は紙の厚みが厚く低密度であるため、紙の腰
としての剛度が、同一米坪で比較すると極端に高く、さ
らには同一剛度で比較すると大幅な坪量の低減を達成す
ることができるものある。
【0006】このような嵩高な紙を得るためには使用す
るパルプの種類や叩解調成条件や抄紙条件あるいは仕上
げ条件をいろいろ工夫する。例えば、抄紙工程で装置と
操業面から嵩高紙を製造する方法としては、プレスパー
トのサクションロールの真空度の調整や、プレス部分を
シュープレスのような低圧の面接触タイプにしたり、ド
ライヤーパートの温度分布の管理、カレンダーのニップ
圧の調整、カレンダーロールの硬度の調整などである。
しかし、これら薄葉紙で得られる各種条件を最適化した
だけでは90g/m2〜600g/m2程度の板紙では坪
量が高いため、上記の対応は生産性を下げるとともに効
率的な効果が得られないなど問題があり、本発明のよう
な低密度の嵩高板紙を抄紙製造することは困難であっ
た。
【0007】そこで、嵩高な板紙を得るためにはパルプ
の種類を限定する必要があった。アルカリでパルプを膨
潤し、パルプ中のヘミセルロース分を除去し、そののち
中和してパルプ繊維を剛直にしたマーセル化パルプやグ
リオキザールなど架橋剤でパルプ繊維の水素結合能力を
低減させたカールドフアイバーなど、パルプ繊維に変形
を加えて剛直にし、短繊維同士の重なりを密にしないも
の、脱リグニン処理の程度が低い、パルプ繊維が太く、
剛直な、機械パルプを使用する方法等が取られる。
【0008】しかし、これらのパルプを用いると、単層
で、あるいは複層であっても単一密度の層の重ね合わせ
で板紙を作製した場合、パルプ相互の水素結合力の低下
からヤング率が低下してしまい、剛直な剛度の高い嵩高
板紙を得ることができない。そこで、このようなパルプ
を用いて板紙を抄紙する場合、剛度の高いものを得よう
とする場合、複層で抄造し、かつ外層は剛度のあるヤン
グ率あるいは密度の高いパルプ層とする必要がある。
【0009】しかし、洋紙のように単層で、または多層
であっても少なくとも表層の米坪が15g/m2を越え
ない条件で抄紙する場合に比べ、板紙抄紙ではワイヤー
パート上のウエットシートの段階で米坪が15g/m2
を越える条件でシートを抄合わせていく方法をとるた
め、各ワイヤーパートでパルプが窄水される際、パルプ
シートに水が抜けた後の空隙が発生し、多層で抄きあわ
せた後のプレス工程で、特に、中層に存在する空気が脱
気できず、そのままプレスをすると、空気が逃げ場を失
い、部分的に大きな層間剥離がおこり、紙面上にあたか
も火傷の水膨れのようなバルーンが発生する問題があ
る。このように、本発明の目的とする嵩高で低密度であ
り剛度のある板紙はいまだ完成されていなかったのが現
状である。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、嵩が
高く低密度であり、剛度が高く紙器などの用途に適した
軽量板紙に仕上げることが可能な嵩高板紙を提供するこ
とにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は以下の構成を取
る。 1.中層の両側に外層を有する3層以上の構成で坪量が
90〜600g/m2の板紙において、(1)板紙全体
の密度が0.50〜0.75g/cm3であり、(2)
少なくとも片側の外層は、坪量が15〜100g/
2、密度が0.60〜0.90g/cm3である最外層
を有し、(3)中層が機械パルプ、カールドファイバー
及びマーセル化パルプからなる群から選択される一種以
上のパルプを主体として構成され、中層の密度が0.2
0〜0.60g/cm3である嵩高板紙。 2.J Tappi 紙パルプ試験方法No.5に準じ
て測定した透気度が3000秒以下である上記1記載の
嵩高板紙。 3.該嵩高板紙の少なくとも片面に表面塗工層を設けた
上記1又は2記載の嵩高板紙。 4.J Tappi 紙パルプ試験方法No.5に準じ
て測定した透気度が10000秒以下である上記3記載
の嵩高板紙。 5.J Tappi 紙パルプ試験方法No.54で測
定した層間強度が0.6〜1.5g・cmである上記1
〜4のいずれか1項記載の嵩高板紙。 6.JIS P 8121のカナダ標準形に準じて測定
した該板紙の中層に用いるパルプのフリーネスが再離解
状態で200〜650mlである上記1〜5のいずれか
1項記載の嵩高板紙。 7.JIS P 8121のカナダ標準形に準じて測定
した該板紙の最外層に用いるパルプのフリーネスが再離
解状態で350〜650mlである上記1〜6のいずれ
か1項記載の嵩高板紙。 8.少なくともいずれかの最外層の再離解パルプにおけ
るウェット通気負荷値が0.030〜0.10barで
ある上記1〜7のいずれか1項記載の嵩高板紙。 9.機械パルプが、ラジアータパイン、サザンパイン及
びダグラスファーからなる群から選択される一種以上の
木材を主原料として製造されたパルプである上記1〜8
のいずれか1項記載の嵩高板紙。 10.機械パルプがTMP及び/又はRGPである上記
1〜9のいずれか1項記載の嵩高板紙。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明で得られる嵩高板紙は板紙
としての剛度を発現するために、抄紙機の複数のワイヤ
ーパートから抄きあげた多層のシートを乾燥して得られ
るものであり、中層の両側に外層を有する3層以上の構
成で、坪量が90〜600g/m2、仕上げた板紙全体
の密度が0.5〜0.75g/cm3の嵩高板紙であ
る。この密度で嵩高であり剛度の高い板紙を得るために
は、中層は密度が0.2〜0.6g/cm3と低くして
嵩を得るための層として形成し、少なくとも片側の外
層、又は外層のうちの最外層の密度を0.6〜0.9g
/cm3と高くして形成することにより中層に形成され
た低密度層のヤング率の低下を外層の高密度層を加える
ことにより補完するとともに、サンドイッチ構造を作り
剛度の高い板紙を得ることができるものである。
【0013】これらのサンドイッチ構造で示す、外層と
は中層よりも外側に位置する層であり中層と実質的に接
している層である。外層が一層の場合、それが最外層で
あり、外層が複数層の場合、その外層のうち、最も外層
に存在する層を最外層と称する。これらのサンドイッチ
構造は低い密度の中層を、それより高い密度の外層で補
完するように構成されていればよく、つまり、低密度な
中層以外の層はすべて外層である構成である。
【0014】シートの剛度Sはシートを片持ち梁と考え
たとき、S=E・I/B・W=E・T3/12・W、
(E:ヤング率MPa、I:断面二次モーメントN・c
2、B:試料巾mm、W:試料重量kg、T:試料厚
さmm)で示され、剛度Sはヤング率とシート厚さの3
乗に比例すると考えることができる。
【0015】さらに板紙のような積層構造のシートの剛
度は、Tappi Nov、1963、Vol.46、
No.11のA.T.Lueyによると、同様に前述の
式を用いて、それぞれの層のヤング率と断面二次モーメ
ントから、各層の剛度値を求め、それら各層の剛度値の
和で全層の剛度値が求められるとしている。この考え方
に基づけば、紙の厚さ中心からの距離が遠いほど、すな
わち紙厚さが厚いほど剛度がでるので、中層は嵩高にす
れば良い。また、剛度は厚さの3乗とヤング率の積で示
されるのでヤング率は外層ほど高い方が剛度向上に効果
的である。
【0016】このことから、中層の密度は0.2〜0.
6g/cm3である。0.2g/cm3未満にしようとす
ると後で述べる層間強度の低下が激しく、0.6g/c
3を越えると目的とする最終的な嵩高板紙の密度を得
ることができない。さらに好ましい中層の密度は0.3
〜0.55g/cm3、最も好ましくは0.35〜0.
5g/cm3である。少なくとも片側の最外層の密度
は、0.6〜0.9g/cm3である。0.6g/cm3
未満であるとヤング率の低下を招き、剛度の向上が期待
できない。一方、最外層の密度は高い方がヤング率向上
という意味では良いが、抄紙段階で0.9g/cm3
越える密度を得ることは実質的に困難であるのが現状で
ある。
【0017】このように、剛度を向上させるため、両側
最外層のヤング率を上げることが好ましいが、片側の最
外層のみ、密度、ヤング率を高くし、その最外層のみの
高密度化で全体の密度が上昇することを抑止する方法も
可能である。この方法により、もう一方の面では密度、
ヤング率は上げずに、全体の厚さを薄くすることなく、
剛性とヤング率をバランスさせてなお、操業性を改善す
ることもできる。ただし、両最外層とも密度、ヤング率
を高くした場合に比べ、剛度向上の程度は小さくなる。
【0018】最外層に用いる密度を高くするパルプとし
ては、特段の制約はなく、どの種類のパルプを選択して
も構わないが、NUKP、NBKP、などのN材(針葉
樹)パルプの叩解度を高くして剛度を失わないように
し、後に述べるウェット通気負荷値を特定の数値範囲に
すれば本特許で示す考え方で抄紙が可能である。また、
これらサンドイッチ構造を効果的なものとするために
は、最外層の坪量は15〜100g/m2であることが
必要である。すなわち15g/m2未満であると抄紙で
きないか、できたとしても高ヤング率発現の効果は小さ
い。一方100g/m2を越えると相対的に中層の坪量
が減り、嵩高な構造ができにくいからである。また、最
外層も含めた外層の坪量は、15〜120g/m2程度
が好ましい。
【0019】板紙の製造方法として、一般には約10ス
テーション程度の複数のワイヤーパート上に数十g/m
2の乾燥米坪に対応するパルプスラリーを展開してウエ
ットシートを形成する。例えばまず最外層を形成するワ
イヤーパートに40g/m2程度のパルプ層を形成して
脱水したのち毛布に転移させる。次に中層も同様に別の
ワイヤーパートで紙層を形成し毛布に乗った最外層を重
ね合わせて2層を形成する。この2層をさらに別のワイ
ヤーパートで形成した紙層に重ね合わせる手法を繰り返
し、最後にもう一方の最外層を形成し、全体で10層程
度の多層抄き板紙を得る。
【0020】ワイヤーパート上ではパルプスラリーの濃
度は、当初0.5重量%程度であるが、ワイヤー上で脱
水されて10重量%程度の濃度にまで上昇しウエットシ
ートとなる。このウエットシートを毛布で取り次のワイ
ヤーパートで形成されたウエットシートを重ねあわせ
る。このような工程を複数回繰り返して、一体となった
ウエットシートをプレスパートに導入し複数のプレスロ
ールで粗脱水する。
【0021】本発明の嵩高板紙における最大の技術課題
がこの部分で発生する。多層の抄き合わせ紙では、その
層間強度を効率的に強くするために、湿紙状態で抄き合
わせていく。本発明のような密度構成の板紙では、重ね
合わせた複層のウエットシートをプレスロールで脱水す
る際、多数のバルーン状の膨れが抄紙幅方向のあちこち
に発生する。
【0022】この現象の解析と対策について本発明者ら
は鋭意検討したところ、このバルーン状の膨れは、本発
明のような低密度の中層として抄紙する場合、ワイヤー
パート上ですでに空隙が形成されていることが分かっ
た。通常の嵩高な構造ができにくい一般古紙では、湿紙
状態シートの空隙率は5%以下であるのに比べ、ある種
の機械パルプを用いた場合、その空隙率は25%にも達
する。このように低密度な構造になる中層は大量の空隙
をウエットシートの段階で持っており、これらの中層が
数枚ウエットシートで重なった状態でプレスパートに進
入すると、外層のウエットシートの通気性が低いと中層
にある空隙に存在する空気がプレスにより脱気できず、
集合して突然層間剥離を起こしバルーンが発生するもの
と推定される。対策としては外層のパルプの叩解度を低
くし、坪量を15〜20g/m2程度とし、抄速を遅く
するか、外層を抄造後中層と積層するまでの間にウオー
タージェットなどの手段でランダムに多数の微細な空気
抜きの開口部を設けるなどの方法がある。
【0023】しかしながら、上記の方法では生産に対す
る制約条件となるため、安定的にバルーンの発生を押さ
える条件を検討した結果、外層に用いるパルプのウエッ
ト通気度負荷値を0.030〜0.10barの範囲と
することが有効であることを見いだした。ウエット通気
負荷値が0.03bar未満であるとあまりに脱水が良
すぎるためウエットシートの強度が不足してを毛布に転
移させることが困難であり、ウェット通気負荷値が0.
10barを越えると該バルーン状の膨れが発生する。
ここでいう、ウエット通気負荷値とは、AKRIBI社
製(Papermakers Conference/
P.239、1990参照)のダイナミツクドレネージ
テスターで測定したウエットシート形成時の吸引負荷値
であり、測定方法はパルプ濃度0.05重量%のスラリ
ーを直径95mmの50メッシュプレートの上に展開
し、乾燥後50g/m2の米坪となるよう含水ウェット
シートを形成する。その際、メッシュプレート下のチャ
ンバーを0.2barで吸引した場合に発生する吸引負
荷圧を濾水抵抗として測定するものである。このウェッ
ト通気負荷値は、メッシュ上に形成された含水シートに
水分が充分保持され、ごく少数の部分にのみ吸引のため
の貫通孔が形成される。
【0024】古紙のような微細繊維を多数含む場合に
は、濾水抵抗すなわちウェット通気負荷値は大きく0.
18bar程度を示す。一方機械パルプや、マーセル化
パルプ、カールドフアイバーなどパルプスラリーがメッ
シュ状に形成されたウエットシートには多数の貫通孔が
空き、その濾水抵抗は急激に下がりウェットシート通気
負荷値は0.05bar程度であった。
【0025】このようなウェット通気負荷値を測定する
と、外層のウェット通気負荷値が高い場合、中層の低密
度層で形成される嵩高構造体の空隙に起因する空気がウ
ェットプレス時に集合したものが、外層を通過する際
に、通気抵抗が大きいため脱気できずに、中層と外層の
間で層間剥離しバルーン状の膨れが発生するものと推測
される。
【0026】さらに、バルーン状膨れ発生現象の対策の
第二点として、外層、内層それぞれの再離解フリーネス
値で各層に使用するパルプの特性を把握する方法があ
る。JIS P 8121のカナダ標準形に準じて測定
した該板紙の外層に用いるパルプのフリーネスが再離解
状態で650mlを越えると脱水性は良好であるがパル
プ繊維同士の絡み合いが少なく、ウエットシートの強度
が不足する。350ml未満であるとパルプ繊維同士の
絡み合いは多く、ウエットシートの強度は良好である
が、それゆえ、逆に脱水性が悪くなり、保水性が上が
り、ウェット通気性が悪くなる。そのため、該バルーン
状の膨れが発生する。また、中層に用いるパルプのフリ
ーネスが再離解状態で650mlを越えると抄紙後の水
切れが良いため、パルプ繊維は抄紙後、その構造を保っ
たまま離水状態となり、バルキーな構造を作り、嵩高、
低密度化に効果があるものの、それゆえに、その構造体
の中により多くの空気を同伴することになる。このため
このような構造のシートを中層に持つと抄紙、抄き合わ
せときに中層の同伴する空気が外層から脱気せず中層と
外層の間で層間剥離しバルーン状の膨れが発生しやすく
なる。
【0027】一方、中層に用いるパルプのフリーネスが
再離解状態で200ml未満であると抄紙後の水切れが
悪い状態で、抄紙、窄水されるため、吸引堆積したパル
プ繊維は抄紙後、嵩高、低密度化とは逆に、緻密な構造
になりやすい。そのため、所望のバルキーな構造を作り
にくくなるので得策ではない。650mlを越えると、
低密度になりすぎてバルーン状のフクレが発生しやすく
なることがある。さらに、これら、JIS P 812
1のカナダ標準形に準じて、使用するパルプを再離解し
て測定することは、良好な操業性を示した製品を使用し
て必要なパルプ特性を単時間で把握するのに有効であ
る。再離解状態で200〜650mlのフリーネスを示
すような紙料は、そこに用いるパルプの種類に関わら
ず、混合紙料の状態でのカナダ標準型フリーネスで25
0〜700mlとすれば良い。
【0028】さらに、ウェット通気負荷値は、パルプが
ワイヤー上に水力学的な力を受けながら堆積してウエッ
トシートを形成た後のシートの吸引負荷値であるため、
抄紙後のシートの紙層構造、嵩の出方と吸引負荷値は、
密接な相関性を示す。すなわち、一般の新聞古紙のよう
な微細繊維を多数含む場合は、濾水抵抗すなわちウェッ
ト通気負荷値は大きいため、水力学的作用を受け、結果
的に、より強い吸引が行われ、吸引堆積して、形成され
た、積層状のパルプシートの厚さは薄くなり、乾燥した
シートのJ Tappi 紙パルプ試験方法No.5に
準じて測定した透気度で示される通気性は低くなる。こ
の傾向と逆に、機械パルプや、マーセル化パルプ、カー
ルドフアイバーなどパルプスラリーがメッシュ状に形成
するものは、ウエットシートに多数の貫通孔が空き、そ
の濾水抵抗は急激に下がり、吸引力が低下し、水力学的
な作用は弱まり、吸引堆積して、形成される積層状のパ
ルプシートの厚さは厚くなり、通気性は高くなる。この
ように通気性を測定することで使用するパルプの特性を
把握することが可能である。
【0029】ただし、正木栄一らによる1970年の印
刷局研究所報告、No2、37頁にあるように、塗工層
は、毛細管半径が原紙層より一桁小さく、空隙の確率密
度値も塗工層は紙単独のシートの1/3程度であるた
め、紙シートより通気性がはるかに低い。このため塗工
層の存在下では、それぞれの紙シートの特性値は把握で
きないため、塗工層を剥離した後、透気度を測定する必
要がある。従って、多層抄合わせシート試料をJIS
P 8139記載の板紙の抄き合わせ層の剥離強さ試験
法による層間剥離方法で層間を剥離し測定する。各層の
剥離が困難なときは、多層抄合わせシート試料を60℃
の温水に1時間含漬した上で剥ぎ取る。塗工層を剥ぎ取
った残りの原紙層を手抄きシート乾燥時に使用する乾燥
フレームで挟み、100℃の乾燥機内で乾燥させ、さら
に後20℃・65%RHで調湿しJ Tappi 紙パ
ルプ試験方法No.5に準じて王研式透気度測定機で測
定する。これらの測定法による透気度が3000秒を越
えると通気性が悪い特徴として抄紙時の特性が抄紙後に
把握できる。前述のような膨れ状態発生や、密度アップ
の現象が抄紙後の管理で把握できるのである。一方、こ
れら膨れ抑止のため、例えば、これらの対応や、前述の
ようなパルプフリーネスを一定の範囲内にするような制
御を行い、抄紙時の膨れを抑止するとその効果は、透気
度が3000秒以下の値として、抄紙後の紙質データと
して把握できる。さらに、表面にキャストコート法によ
る強光沢印刷層を設ける場合などには、密着乾燥時のフ
クレを防止するため、塗工前の板紙の透気度は1500
秒以下であることが好ましい。
【0030】本発明の嵩高板紙は、基本的に低密度の中
層と高密度の外層から構成すれば良いが、使用用途によ
ってはその外層のいずれか一方あるいは両方に接着剤と
顔料を含む表面塗工層を形成して良好な印刷性を得るこ
とができる。塗工層に用いられる顔料としては炭酸カル
シウムやカオリン・クレー、タルク、酸化チタン、プラ
スチックピグメントなどがあり、接着剤としてはSBR
ラテックスや澱粉、カゼイン、ポリビニルアルコールな
ど既知のものが使用できる。またその塗工量は全体で2
0〜30g/m2程度であり、これらを単層であるいは
多層で形成することができる。また、顔料を含まない、
いわゆるクリヤーコート層を設けることもできる。この
場合の塗工物質としては、前記した接着剤と同様のもの
が使用できる。また、これら塗工層直下の中層に対して
外層となる層には叩解度を高めて平滑化した紙層とする
方が好ましいが、この場合はもう一方の外層のウェット
通気度負荷値をさらに低減するよう設計する必要があ
る。塗工後の板紙のJ Tappi 紙パルプ試験方法
No.5に準じる透気度は、以後の印刷加工適性やフィ
ルム等との貼合わせ適性を考慮すると、10000秒以
下であることが好ましい。さらに好ましくは5000秒
以下、多層積層体を構成する場合などに最も好ましい条
件は2500秒以下である。
【0031】最外層のパルプフリーネスは、板紙として
製造後その最外層を剥離して、負荷をかけずに解繊離解
したパルプスラリーのカナダ標準型フリーネスが350
〜650mlであることが好ましい。フリーネスとして
350ml未満であると外層としての密度は容易に得ら
れるが、ウエット通気負荷値が0.1bar以上となり
バルーンの発生を避けるためには、極端に抄紙速度を落
とすなどの対応が必要であり現実的でない。一方、65
0mlを越えるとウエット負荷値は小さくできるが、得
られた剛性が低くなる。再離解状態で350〜650m
lのフリーネスを示すような紙料は、そこに用いるパル
プの種類に関わらず、混合紙料の状態でのカナダ標準型
フリーネスで400〜700mlとすれば良い。中層の
場合も同様であるが、再離解による測定でフリーネスが
低下するのは、解繊離解時にパルプ繊維が若干のダメー
ジを受けることの他に、抄紙後のキャレンダー処理など
でのダメージも影響するためであり、経験的に50ml
程度のフリーネス低下になることが分かっている。な
お、外層が複数層である場合、最外層と中層の間に位置
する外層(通常表下層と称される層)も、前記最外層に
推奨されるパルプと同様のものを使用できるが、この層
は、必ずしも高密度化する必要はなく、従って、脱墨古
紙パルプ等も使用できる。
【0032】中層に用いるパルプは、その低密度性を維
持するためにマーセル化パルプや、カールドフアイバー
などの、出来上がったパルプを化学処理で低密度化特性
を付与したパルプと、TMP、CTMPのような機械パ
ルプ、一部化学処理した機械パルプがあるが、マーセル
化パルプやカールドファイバーは高価であったりその供
給量が制限されたりするため、単体で用いるのは特別な
ケースに限定した方が良い。機械パルプが最も好まし
い。さらに、機械パルプには、一般にN材を単に機械力
で破砕したのち離解したものであり、GP、TMP、R
GP等があるが、TMP、RGPが好ましい。中でもラ
ジアータパインやサザンパイン、ダグラスフアーなどの
木材から得られたものが、繊維が剛直で変形しにくく、
紙層を形成した際、低密度になる傾向が顕著で、プレス
時の密度低下が少ないため特に好ましい。しかし、ケナ
フや葦、竹、サトウキビの砂糖絞り粕であるバガスなど
各種非木材原料を使用することも可能である。また、機
械破砕する際に化学薬品を添加する方法や、パルプ化し
たのち漂白する工程を経るパルプも本発明の範疇に入
る。本発明においては、中層の原料として、低密度の紙
層を得るのに適した前述のパルプを主体として使用する
が、その他、通常用いられる木材を原料とした化学パル
プ、又は、ケナフ、葦、竹、バガス等の各種非木材を原
料とした化学パルプ等を適宜配合して使用することも可
能である。要は中層の密度が0.2〜0.6g/cm3
となるように機械パルプ、カールドファイバー、又はマ
ーセル化パルプなどを中心に各種のパルプを選択し、必
要であれば混合使用すれば良い。
【0033】さらに、中層には、上記機械パルプ等を主
体とする材料を使用するべきであるが、汎用の雑誌古紙
や新聞古紙、段ボール古紙などを配合して密度を任意に
調整することにより、機械パルプ等の使用量を低減して
コストと得られる密度のバランスで任意に設定すること
ができる。古紙を配合する際にも、剛直なパルプからで
きたものを使用するほど低密度のものを得ることができ
る。また、界面活性剤などの嵩高剤を使用しても良い。
【0034】本発明の課題の第2は、中層の層間強度で
ある。ここで層間強度とは、中層と外層の間の層間強
度、中層が複数層である場合のその層間強度、中層が単
層で層内で破壊される場合の層間強度のいずれかを示
す。層間強度は、JTAPPI紙パルプ試験法No.5
4で測定されるインターナルボンドストレングスであ
る。一般に上記機械パルプ等を使用した場合、必要なイ
ンターナルボンドテスターによって測定される層間強度
は0.6〜1.5kg・cmであり、さらに好ましくは
0.7〜0.9kg・cm程度である。0.6kg・c
m未満であると紙器として用いた場合、印刷時、特にタ
ックの強い印刷インキでベタ印刷する場合に中層で層間
剥離を起こし、部分的に膨れを生じたり、製函機を高速
で通過したり、集積される際に紙器のエッジ部を起点と
して剥離する場合があり好ましくない。一方1.5kg
・cmを越えると強度は充分であるが、ヤング率が極端
に高くなり、ロール状に巻き取るのが困難になる場合が
あるため好ましくない。
【0035】多層で抄紙する板紙にはその層間強度を強
くするために、一般にデンプン粒子の分散水溶液を各層
間にスプレーして粒子としてのせ、乾燥ゾーンで含有す
る水分とともに加熱して糊化して効果を発揮させる方法
がある。本発明では特に中層の低密度層の層間強度が低
下する傾向にあるため使用するデンプンは糊化温度が4
5〜70℃であるものを使用することが好ましい。糊化
温度が45℃未満であると夏場に分散液の温度が上が
り、デンプン分散液自体が糊化するため好ましくなく。
70℃を越えると、紙中に残るデンプン粒子の糊化が完
全に起こらず、粒子のまま残存するため層間強度の向上
に寄与することができなくなるため好ましくない。
【0036】紙料中には必要に応じて、本発明の嵩高板
紙の品質を損なわない範囲で、一般抄紙用の填料、サイ
ズ剤、歩留向上剤、紙力増強剤などを添加することがで
きる。そして抄紙時のpHも酸性抄紙の3.5付近から
中性抄紙の6〜8程度の範囲とすることが可能である。
また、各種のコーターを設置して塗工することもでき
る。紙の表面あるいは中間にスプレーするもの、あるい
は内填で添加するものは、ポリビニルアルコールやラテ
ックス、アルキルケテンダイマー系、無水マレイン酸
系、スチレンアクリル酸系、スチレンアクリル系などの
各種サイズ剤、顔料、染料などが挙げられる。これらは
塗布あるいは含浸することも可能である。抄紙機も一般
に使用される多層で抄きあげるものであればよく、円網
多層、長網多層などの抄紙機を適宜使用できる。
【0037】本発明の板紙の米坪は90〜600g/m
2であり、汎用としては150〜450g/m2程度の板
紙に対応した嵩高板紙であり、剛度を高めることにより
100g/m2以上も米坪を低減することが可能な嵩高
板紙である。この板紙は、例えば、一般的な板紙の用途
である印刷用板紙、紙器包装用板紙、あるいは、段ボー
ル用ライナー、などの他、嵩高な特性がもたらす加圧変
形性を利用した絞り成形用シート、食品用紙器など、さ
らには、紙層内部の多孔性がもたらす断熱性を利用する
カップ麺容器、紙カップ、あるいは各種素材と積層した
積層体などに使用することができる。
【0038】
【実施例】以下に、本発明の代表的な実施例を記載する
が、本発明は下記の実施例の範囲に限定されるものでは
ない。特に断りのない限り、濃度や配合量、塗布量など
を示す数値は固型分又は有効成分の重量基準の数値であ
る。なお、実施例と比較例の主要な作成条件を表1及び
表3に示した。
【0039】<実施例1>熊谷理機工業製の配向性抄紙
機を用い、ワイヤースピード300m/minで熊谷理
機工業製のパルプ叩解機を用いて以下の〜の三種類
のパルプをそれぞれ叩解し、順次、抄紙し、抄き合わせ
ていく。抄き合わせる際に、各層の表側(フェルトサイ
ド)へ王子コーンスターチの澱粉ONL510を澱粉濃
度2.0%として霧吹きスプレーで固型分付着量が1.
0g/m2となるようにスプレーした後、抄き合わせ
る。市販NBKP、450mlcsf、40g/
2、ラジアータパインTMP350mlcsf、2
50g/m2、市販NUKP450mlcsf、40
g/m2。さらに由利ロール機械のキャレンダーのエア
圧制御で、ニップ圧を10kg/cmとして、30m/
minのスピードで抄き合わせた湿紙状のシートを敷島
カンバス製のモノプラスチックカンバスシートに挟み加
圧処理する。このとき紙層内で膨れが発生して層間剥離
が発生したか否か判定する。その後、フエロタイプの円
筒加熱ドライヤー型乾燥機を用いて乾燥する。さらにそ
の後20℃・65%RHで調湿し、由利ロール機械のキ
ャレンダーでニップ圧を20kg/cmとして、20m
/minのスピードでキャレンダー処理し、さらに、手
塗りで、板紙用の塗料を20g/m2塗工し、さらに由
利ロール機械のキャレンダーでニップ圧を40kg/c
mとして、20m/minのスピードで120℃の熱キ
ャレンダー処理して試料を作製し、その後20℃・65
%RHで調湿し、坪量、厚さ、密度とZ軸強度(層間強
度)を測定する。さらに、これら試料を以下に示す方法
でウェット通気度、再離解フリーネス、原紙透気度等を
測定した。これらの結果は表1及び2に示した。(以下
同じ。)
【0040】<実施例2>実施例1に使用したパルプ
の処理と配合において、ラジアータパインTMP350
mlcsf/一般古紙パルプ(新聞古紙)150mlcs
f品=70/30で配合後のフリーネスを280mlc
sfとし、抄き合わせる際に、各層の表側(フェルトサ
イド)への澱粉霧吹きスプレーは行わずに抄き合わせ
る。その他は実施例1と同様にして試料作製し、紙質測
定した。
【0041】<実施例3>実施例1に使用したパルプ
において、ラジアータパインTMP350mlcsfで
坪量を200g/m2とし、パルプの処理と配合にお
いては、ラジアータパインTMP450mlcsf/一
般古紙パルプ(新聞古紙)300mlcsf品=50/5
0で配合後のフリーネスを380mlcsfとした他は
実施例1と同様にして試料作製し、紙質測定した。
【0042】<実施例4>実施例1に使用したパルプ
の処理と配合において、ラジアータパインTMPのフリ
ーネスを250mlcsfとした他は実施例1と同様に
して試料作製し、紙質測定した。
【0043】<実施例5>実施例1に使用したパルプ
の処理と配合において、一般古紙パルプ(新聞古紙)1
50mlcsf/ウェアハウザー製カールドファイバー
750mlcsf品=85/15で配合後のフリーネス
を300mlcsfとし、坪量を160g/m2とした
他は実施例1と同様にして試料作製し、紙質測定した。
【0044】<実施例6>実施例1に使用したパルプ
の処理と配合において、ラジアータパインTMPの坪量
を220g/m2とし、抄紙後塗工しない他は実施例1
と同様にして試料作製し、紙質測定した。
【0045】<実施例7>実施例1に使用したパルプ
のかわりに、裏層へものパルプを同様に抄紙、抄き合
わせた他は実施例1と同様にして試料作製し、紙質測定
した。
【0046】<実施例8>実施例6に使用したパルプ
の配合において、それらの配合をラジアータパインTM
P/マーセル化パルプ(レオニア社製)=70/30と
し、そのフリーネスを400mlcsfとした他は実施
例1と同様にして試料作製し、紙質測定した。結果を表
3及び4に示す。(以下同じ。)
【0047】<比較例1>実施例1に使用したパルプ
、の処理と配合において、それらの配合を一般新聞
古紙200mlcsf品=100とした他は実施例1と
同様にして試料作製し、紙質測定した。結果を表3及び
4に示す。(以下同じ。)
【0048】<比較例2>実施例1に使用した裏層のパ
ルプの配合量を0として表層と中層だけの構成とし、
裏層をつけずに抄紙した他は実施例1と同様にして試料
作製し、紙質測定した。
【0049】<比較例3>実施例1に使用したパルプ
、、の配合はそれぞれ同様として、それぞれの坪
量を28g/m2の3層構造とした他は実施例1と同様
にして試料作製し、紙質測定した。
【0050】<比較例4>実施例1に使用したパルプ
の処理と配合において、ウェアハウザー製カールドファ
イバー750mlcsf品=100%とした他は実施例
1と同様にして試料作製しようとしたが加圧処理でバル
ーンが発生し、一部項目のみ測定した。
【0051】<比較例5>実施例1に使用したパルプ
の処理と配合において、ウェアハウザー製カールドファ
イバー750mlcsf品=100%とした他は実施例
1と同様にして試料作製し、紙質測定した。
【0052】<比較例6>実施例1に使用したパルプ
においてフリーネスを280mlcsf、坪量を110
g/m2とし、パルプはパルプ種類、フリーネスは変
更せず、坪量を200g/m2とし、パルプの処理と
配合においては、一般古紙パルプ180mlcsf品=
100%とし、さらに塗工は行わず、その他は実施例1
と同様にして試料作製しようとしたが加圧処理でバルー
ンが発生し、一部項目のみ測定した。
【0053】<比較例7>実施例1に使用したパルプ
の処理と配合において、一般古紙パルプ180mlcs
f品=100%、坪量を10g/m2とした他は実施例
1と同様にして試料作製しようとしたが裏層の抄紙が均
一にできずムラのある試料となった。一部項目のみ測定
した。
【0054】上のようにして得られた、白板紙の試料に
ついて紙質評価結果を表2、4に示す。なお、評価法は
次の方法によった。 〔外層、中層、裏層、各層の密度〕JIS P 813
9の板紙の抄き合わせ層の剥離強さ試験法記載の層間剥
離方法で各層、層間を剥離し、厚さ(mm)、坪量(g/
2)を求める。剥離した各層の厚さは剥離によって毛羽
立っており、実際の厚さより厚くなってしまうので、以
下の方法で補正ファクター値を算出して、剥離後の各層
の厚さ値を補正して、各層の密度を算出する。 補正ファクター値=剥離前の全層厚さ/剥離後の各層厚
さの合計値 各層の剥離が上記のJIS P 8139の板紙の抄き
合わせ層の剥離強さ試験法記載の層間剥離方法で困難な
ときは、多層抄合わせシート試料を60℃の温水に1時
間含漬した上で表層と中層、裏層にそれぞれ剥ぎ分け
る。剥ぎ取ったそれぞれの層を乾燥して厚さ(mm)、坪
量(g/m2)を求める。その後、上記の補正ファクター
値を同様に算出して剥離した各層の厚さを補正して、各
層の密度を算出する。
【0055】〔ウェット通気負荷値〕ウエット通気負荷
値は、AKRIBI社製(Papermakers C
onference/P.239、1990参照)のダ
イナミツクドレネージテスターでパルプ濃度0.05重
量%のスラリーを直径95mmの50メッシュプレート
の上に展開し、乾燥後50g/m2の米坪となるよう含
水ウェットシートを形成する。その際、メッシュプレー
ト下のチャンバーを0.2barで吸引した場合に発生
する吸引負荷圧を濾水抵抗として測定するものである。
【0056】〔透気度〕配向性抄紙機で3層に抄き合わ
せ、加圧処理後に乾燥した試料及びそれに手塗りで板紙
用途料を塗布しキャレンダー処理した試料(未塗工例は
除く)を、20℃・65%RHで調湿しJ Tappi
紙パルプ試験方法No.5に準じて王研式透気度測定
機で測定する。
【0057】〔再離解フリーネス〕試料を60℃の温水
に1時間含漬し表層と中層、裏層にそれぞれ剥ぎ分け
る。その後、JIS P 8209のパルプ試験用手す
き調整方法に定められた方法によって各層を、さらにJ
IS P 8121のカナダ標準ろ水度試験方法によっ
てフリーネス測定した。
【0058】〔塗料配合〕 上塗り:カオリン(エンゲルハード社製ウルトラホワイ
ト90)/炭酸カルシウム(白石工業社製ブリリアント
15)/酸化チタン(トーケムプロダクツ社製TCA3
33)=50/35/15、及びラテックス(旭化成社
製L1410)/尿素リン酸エステル化澱粉(日本食品
化工社製MS4600)=15/5。(固型分重量基準
の配合部数、以下同じ。) 下塗り:カオリン(シール社製カオブライト)/炭酸カ
ルシウム(備北粉化社製ソフトン2200)=50/5
0、及びラテックス(JSR社製0668)/尿素リン
酸エステル化澱粉(日本食品化工社製MS4600)=
15/5。
【0059】
【表1】
【0060】
【表2】
【0061】
【表3】
【0062】
【表4】
【0063】
【発明の効果】本発明による手法によって板紙を製造す
れば、表2に示したように、操業上、問題を発生するこ
となく、古紙を主体として製造される板紙に比較して、
嵩高、低密度で剛度が高く、腰がある紙の製造が可能で
ある。このため従来の板紙に比べ、同じ剛度を得るには
大幅な坪量の低減が可能で、板紙を利用した紙器、包装
材料、積層体及び成形体などにおいて大幅に素材の軽量
化ができるため、資源保護の見地においても有効であ
る。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】中層の両側に外層を有する3層以上の構成
    で坪量が90〜600g/m2の板紙において、(1)
    板紙全体の密度が0.50〜0.75g/cm3であ
    り、(2)少なくとも片側の外層は、坪量が15〜10
    0g/m2、密度が0.60〜0.90g/cm3である
    最外層を有し、(3)中層が機械パルプ、カールドファ
    イバー及びマーセル化パルプからなる群から選択される
    一種以上のパルプを主体として構成され、中層の密度が
    0.20〜0.60g/cm3である、ことを特徴とす
    る嵩高板紙。
  2. 【請求項2】J Tappi 紙パルプ試験方法No.
    5に準じて測定した透気度が3000秒以下であること
    を特徴とする請求項1記載の嵩高板紙。
  3. 【請求項3】該嵩高板紙の少なくとも片面に表面塗工層
    を設けたことを特徴とする請求項1又は2記載の嵩高板
    紙。
  4. 【請求項4】J Tappi 紙パルプ試験方法No.
    5に準じて測定した透気度が10000秒以下であるこ
    とを特徴とする請求項3記載の嵩高板紙。
  5. 【請求項5】J Tappi 紙パルプ試験方法No.
    54で測定した層間強度が0.6〜1.5kg・cmで
    あることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載
    の嵩高板紙。
  6. 【請求項6】JIS P 8121のカナダ標準形に準
    じて測定した該板紙の中層に用いるパルプのフリーネス
    が再離解状態で200〜650mlであることを特徴と
    する請求項1〜5のいずれか1項記載の嵩高板紙。
  7. 【請求項7】JIS P 8121のカナダ標準形に準
    じて測定した該板紙の最外層に用いるパルプのフリーネ
    スが再離解状態で350〜650mlであることを特徴
    とする請求項1〜6のいずれか1項記載の嵩高板紙。
  8. 【請求項8】少なくともいずれかの最外層の再離解パル
    プにおけるウェット通気負荷値が0.030〜0.10
    barであることを特徴とする請求項1〜7のいずれか
    1項記載の嵩高板紙。
  9. 【請求項9】機械パルプが、ラジアータパイン、サザン
    パイン及びダグラスファーからなる群から選択される一
    種以上の木材を主原料として製造されたパルプであるこ
    とを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項記載の嵩高
    板紙。
  10. 【請求項10】機械パルプがTMP及び/又はRGPで
    あることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項記載
    の嵩高板紙。
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