JP2001073059A - マグネシウム合金成形部材 - Google Patents
マグネシウム合金成形部材Info
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- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B22—CASTING; POWDER METALLURGY
- B22D—CASTING OF METALS; CASTING OF OTHER SUBSTANCES BY THE SAME PROCESSES OR DEVICES
- B22D17/00—Pressure die casting or injection die casting, i.e. casting in which the metal is forced into a mould under high pressure
- B22D17/007—Semi-solid pressure die casting
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C22—METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
- C22C—ALLOYS
- C22C23/00—Alloys based on magnesium
- C22C23/02—Alloys based on magnesium with aluminium as the next major constituent
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C22—METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
- C22C—ALLOYS
- C22C1/00—Making non-ferrous alloys
- C22C1/12—Making non-ferrous alloys by processing in a semi-solid state, e.g. holding the alloy in the solid-liquid phase
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Abstract
(57)【要約】
【課題】成形性、引張強度に優れ、大きな伸びを確保で
き、高速変形特性に優れたマグネシウム合金成形部材を
提供する。 【解決手段】マグネシウム合金成形部材として固相率が
0%を超えて60%以下、アルミニウム含有量が6.5
重量%以下で2.0重量%以上、内部欠陥率が1%以下
である歪速度1×102/s以上に設定した。
き、高速変形特性に優れたマグネシウム合金成形部材を
提供する。 【解決手段】マグネシウム合金成形部材として固相率が
0%を超えて60%以下、アルミニウム含有量が6.5
重量%以下で2.0重量%以上、内部欠陥率が1%以下
である歪速度1×102/s以上に設定した。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高速変形特性に優
れたマグネシウム合金成形部材に関する。
れたマグネシウム合金成形部材に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、アルミニウムやマグネシウム等
を原料としてダイカストや重力鋳造により製造された合
金部品は、衝突時にエネルギ吸収が必要なインストルメ
ントパネル等の自動車部品に適用されている。
を原料としてダイカストや重力鋳造により製造された合
金部品は、衝突時にエネルギ吸収が必要なインストルメ
ントパネル等の自動車部品に適用されている。
【0003】特開平9−272945号公報には、アル
ミニウムを2〜6重量%、カルシウムを0.5〜4重量
%含有し、残部がマグネシウムと不可避不純物とからな
り、カルシウムとアルミニウムの含有量比が0.8以下
の耐クリープ性を確保しつつ、特に成形性及び伸び率に
優れる耐熱マグネシウム合金部材が提案されている。
ミニウムを2〜6重量%、カルシウムを0.5〜4重量
%含有し、残部がマグネシウムと不可避不純物とからな
り、カルシウムとアルミニウムの含有量比が0.8以下
の耐クリープ性を確保しつつ、特に成形性及び伸び率に
優れる耐熱マグネシウム合金部材が提案されている。
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記従来技
術では成形部品の高速変形特性が考慮されておらず、特
に内部欠陥率や伸び率との関係で、半溶融射状態にて成
形された部材は、完全に溶融して成形された部材に比べ
て高速変形特性が劣り、自動車部品に適用した場合等に
衝突時のエネルギ吸収が不十分になる虞がある。
術では成形部品の高速変形特性が考慮されておらず、特
に内部欠陥率や伸び率との関係で、半溶融射状態にて成
形された部材は、完全に溶融して成形された部材に比べ
て高速変形特性が劣り、自動車部品に適用した場合等に
衝突時のエネルギ吸収が不十分になる虞がある。
【0004】本発明はかかる点に鑑みてなされ、その目
的は、成形性、引張強度に優れ、大きな伸びを確保で
き、高速変形特性に優れたマグネシウム合金成形部材を
提供することである。
的は、成形性、引張強度に優れ、大きな伸びを確保で
き、高速変形特性に優れたマグネシウム合金成形部材を
提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上述の問題点を解決し、
目的を達成するために、この発明に係わるマグネシウム
合金成形部材は、以下の構成を備える。即ち、固相率が
0%超〜60%以下、アルミニウム含有量が2.0〜
6.5重量%、且つ歪速度が100/s以上の優れた高
速変形特性を有する部位を設けた。
目的を達成するために、この発明に係わるマグネシウム
合金成形部材は、以下の構成を備える。即ち、固相率が
0%超〜60%以下、アルミニウム含有量が2.0〜
6.5重量%、且つ歪速度が100/s以上の優れた高
速変形特性を有する部位を設けた。
【0006】また、好ましくは、さらに、局部的に内部
欠陥率が1%以下である。
欠陥率が1%以下である。
【0007】また、好ましくは、さらに、全体的に内部
欠陥率が1%以下である。
欠陥率が1%以下である。
【0008】また、好ましくは、前記アルミニウム含有
量が3.0〜6.5重量%である。
量が3.0〜6.5重量%である。
【0009】また、好ましくは、前記固相率が0%超〜
40%以下である。
40%以下である。
【0010】また、好ましくは、前記高速変形特性を有
する部位は鋳肌が残存される。
する部位は鋳肌が残存される。
【0011】また、この発明に係わるマグネシウム合金
成形部材は、以下の構成を備える。即ち、固相率が0%
〜60%以下、アルミニウム含有量が2.0〜6.5重
量%、歪速度が100/s以上の優れた高速変形特性を
有する部位を設け、該高速変形特性を有する部位に鋳肌
を設けた。
成形部材は、以下の構成を備える。即ち、固相率が0%
〜60%以下、アルミニウム含有量が2.0〜6.5重
量%、歪速度が100/s以上の優れた高速変形特性を
有する部位を設け、該高速変形特性を有する部位に鋳肌
を設けた。
【0012】また、好ましくは、さらに、局部的に内部
欠陥率が1%以下である。
欠陥率が1%以下である。
【0013】また、好ましくは、さらに、全体的に内部
欠陥率が1%以下である。
欠陥率が1%以下である。
【0014】
【発明の効果】以上のように、請求項1の発明によれ
ば、固相率が0%超〜60%以下、アルミニウム含有量
が2.0〜6.5重量%、且つ歪速度が100/s以上
の優れた高速変形特性を有する部位を設けたことによ
り、成形性、引張強度に優れ、大きな伸びを確保でき、
高速変形特性に優れたマグネシウム合金成形部材を提供
でき、例えば自動車の衝突エネルギ吸収部材として有用
となる。
ば、固相率が0%超〜60%以下、アルミニウム含有量
が2.0〜6.5重量%、且つ歪速度が100/s以上
の優れた高速変形特性を有する部位を設けたことによ
り、成形性、引張強度に優れ、大きな伸びを確保でき、
高速変形特性に優れたマグネシウム合金成形部材を提供
でき、例えば自動車の衝突エネルギ吸収部材として有用
となる。
【0015】請求項2の発明によれば、さらに、局部的
に内部欠陥率が1%以下であることにより、成形性、引
張強度に優れ、大きな伸びを確保でき、高速変形特性に
優れたマグネシウム合金成形部材を提供でき、例えば自
動車の衝突エネルギ吸収部材として有用となる。
に内部欠陥率が1%以下であることにより、成形性、引
張強度に優れ、大きな伸びを確保でき、高速変形特性に
優れたマグネシウム合金成形部材を提供でき、例えば自
動車の衝突エネルギ吸収部材として有用となる。
【0016】請求項3の発明によれば、さらに、全体的
に内部欠陥率が1%以下であることにより、成形性、引
張強度に優れ、大きな伸びを確保でき、高速変形特性に
優れたマグネシウム合金成形部材を提供でき、例えば自
動車の衝突エネルギ吸収部材として有用となる。
に内部欠陥率が1%以下であることにより、成形性、引
張強度に優れ、大きな伸びを確保でき、高速変形特性に
優れたマグネシウム合金成形部材を提供でき、例えば自
動車の衝突エネルギ吸収部材として有用となる。
【0017】請求項4の発明によれば、アルミニウム含
有量が3.0〜6.5重量%であることにより、成形時
の原料の流動性を高めることができる。
有量が3.0〜6.5重量%であることにより、成形時
の原料の流動性を高めることができる。
【0018】請求項5の発明によれば、固相率が0%超
〜40%以下であることにより、成形時の原料の流動性
を高めることができる。
〜40%以下であることにより、成形時の原料の流動性
を高めることができる。
【0019】請求項6の発明によれば、高速変形特性を
有する部位は鋳肌が残存されることにより、特に高速変
形特性に対する表面欠陥部の影響が大きいマグネシウム
合金成形部材に対して、成形品は冷却速度の関係で中央
部に欠陥部(ポア部)が発生しやすくなるが、鋳肌を残
存させることにより欠陥部が部材表面に露出することが
なく、高い高速変形特性を確保することができる。
有する部位は鋳肌が残存されることにより、特に高速変
形特性に対する表面欠陥部の影響が大きいマグネシウム
合金成形部材に対して、成形品は冷却速度の関係で中央
部に欠陥部(ポア部)が発生しやすくなるが、鋳肌を残
存させることにより欠陥部が部材表面に露出することが
なく、高い高速変形特性を確保することができる。
【0020】請求項7の発明によれば、固相率が0%〜
60%以下、アルミニウム含有量が2.0〜6.5重量
%、歪速度が100/s以上の優れた高速変形特性を有
する部位を設け、該高速変形特性を有する部位に鋳肌を
設けたことにより、成形性、引張強度に優れ、大きな伸
びを確保でき、高速変形特性に優れたマグネシウム合金
成形部材を提供でき、例えば自動車の衝突エネルギ吸収
部材として有用となる。
60%以下、アルミニウム含有量が2.0〜6.5重量
%、歪速度が100/s以上の優れた高速変形特性を有
する部位を設け、該高速変形特性を有する部位に鋳肌を
設けたことにより、成形性、引張強度に優れ、大きな伸
びを確保でき、高速変形特性に優れたマグネシウム合金
成形部材を提供でき、例えば自動車の衝突エネルギ吸収
部材として有用となる。
【0021】また、特に高速変形特性に対する表面欠陥
部の影響が大きいマグネシウム合金成形部材に対して、
成形品は冷却速度の関係で中央部に欠陥部(ポア部)が
発生しやすくなるが、鋳肌を残存させることにより欠陥
部が部材表面に露出することがなく、高い高速変形特性
を確保することができる。
部の影響が大きいマグネシウム合金成形部材に対して、
成形品は冷却速度の関係で中央部に欠陥部(ポア部)が
発生しやすくなるが、鋳肌を残存させることにより欠陥
部が部材表面に露出することがなく、高い高速変形特性
を確保することができる。
【0022】請求項8の発明によれば、さらに、局部的
に内部欠陥率が1%以下であることにより、成形性、引
張強度に優れ、大きな伸びを確保でき、高速変形特性に
優れたマグネシウム合金成形部材を提供でき、例えば自
動車の衝突エネルギ吸収部材として有用となる。
に内部欠陥率が1%以下であることにより、成形性、引
張強度に優れ、大きな伸びを確保でき、高速変形特性に
優れたマグネシウム合金成形部材を提供でき、例えば自
動車の衝突エネルギ吸収部材として有用となる。
【0023】請求項9の発明によれば、さらに、全体的
に内部欠陥率が1%以下であることにより、成形性、引
張強度に優れ、大きな伸びを確保でき、高速変形特性に
優れたマグネシウム合金成形部材を提供でき、例えば自
動車の衝突エネルギ吸収部材として有用となる。
に内部欠陥率が1%以下であることにより、成形性、引
張強度に優れ、大きな伸びを確保でき、高速変形特性に
優れたマグネシウム合金成形部材を提供でき、例えば自
動車の衝突エネルギ吸収部材として有用となる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係わる実施形態に
つき添付図面を参照して詳細に説明する。 [半溶融射出成形機の構成]図1は、本発明の実施形態
に係わる半溶融射出成形機の要部を簡略化して示す図で
ある。
つき添付図面を参照して詳細に説明する。 [半溶融射出成形機の構成]図1は、本発明の実施形態
に係わる半溶融射出成形機の要部を簡略化して示す図で
ある。
【0025】図1を参照して、本実施形態で用いるスク
リュー式の半溶融射出成形機の概略を説明する。
リュー式の半溶融射出成形機の概略を説明する。
【0026】図1において、スクリュー式成形機1は、
スクリュー2を回転させて原料3を加熱シリンダ4に送
り込み、スクリュー2で原料3を攪拌し十分に混練しな
がら加熱して半溶融状態にさせる。この半溶融状態の原
料3がスクリュー2の前方に押し出されるにつれて、そ
の圧力でスクリュー2が後退していく。尚、別の手法と
して任意の速度で強制的にスクリューを後退させる方法
もある。高速射出機構5は予め決められた長さだけスク
リュー2が後退すると、それを検知してスクリューの回
転を停止すると同時にスクリュー2の後退が止まるよう
になっている。原料3の計量は、スクリュー3の後退距
離を設定することによって行なわれる。そして、スクリ
ュー2を高速射出機構5によって前進させることによ
り、ノズル9から金型6内に半溶融状態の原料3を射出
する。原料3は、切り粉状の後述するマグネシウムペレ
ットであり、ホッパ8からシリンダ4内に送り込まれ
る。また、ホッパ8からシリンダ4内に通じる通路7に
は、アルゴンガスが充填されるようになっており、原料
3がアルゴン雰囲気中に置かれることにより、原料(例
えば、マグネシウムペレット)の酸化反応を防止してい
る。
スクリュー2を回転させて原料3を加熱シリンダ4に送
り込み、スクリュー2で原料3を攪拌し十分に混練しな
がら加熱して半溶融状態にさせる。この半溶融状態の原
料3がスクリュー2の前方に押し出されるにつれて、そ
の圧力でスクリュー2が後退していく。尚、別の手法と
して任意の速度で強制的にスクリューを後退させる方法
もある。高速射出機構5は予め決められた長さだけスク
リュー2が後退すると、それを検知してスクリューの回
転を停止すると同時にスクリュー2の後退が止まるよう
になっている。原料3の計量は、スクリュー3の後退距
離を設定することによって行なわれる。そして、スクリ
ュー2を高速射出機構5によって前進させることによ
り、ノズル9から金型6内に半溶融状態の原料3を射出
する。原料3は、切り粉状の後述するマグネシウムペレ
ットであり、ホッパ8からシリンダ4内に送り込まれ
る。また、ホッパ8からシリンダ4内に通じる通路7に
は、アルゴンガスが充填されるようになっており、原料
3がアルゴン雰囲気中に置かれることにより、原料(例
えば、マグネシウムペレット)の酸化反応を防止してい
る。
【0027】以上説明したスクリュー式成形機1では、
スクリュー2で加熱シリンダ4内の加熱ゾーンlにおい
て、原料3を攪拌し十分に混練しながら原料を均一に加
熱することができる。 [マグネシウム合金成形部材]次に、本実施形態のマグ
ネシウム合金成形部材について説明する。
スクリュー2で加熱シリンダ4内の加熱ゾーンlにおい
て、原料3を攪拌し十分に混練しながら原料を均一に加
熱することができる。 [マグネシウム合金成形部材]次に、本実施形態のマグ
ネシウム合金成形部材について説明する。
【0028】図2は、引張強度とシリンダ温度及び固相
率との関係を示す図である。図3は、伸びとアルミニウ
ム含有量との関係を示す図である。図4は、引張強度と
内部欠陥率との関係を示す図である。図5は、引張強度
と歪速度との関係を示す図である。また、表1は、本実
施形態のマグネシウム合金成形部材の化学組成を示す図
である。
率との関係を示す図である。図3は、伸びとアルミニウ
ム含有量との関係を示す図である。図4は、引張強度と
内部欠陥率との関係を示す図である。図5は、引張強度
と歪速度との関係を示す図である。また、表1は、本実
施形態のマグネシウム合金成形部材の化学組成を示す図
である。
【0029】図2において、歪速度2E+3/sでの引
張強度は高速変形時の試験結果を示し、歪速度4E−3
/sでの引張強度は低速変形時の静的引張試験結果を示
している。
張強度は高速変形時の試験結果を示し、歪速度4E−3
/sでの引張強度は低速変形時の静的引張試験結果を示
している。
【0030】下記表1に示す合金Aについて、高速変形
時の引張強度は固相率が0%になると極度に低下してい
る。また、固相率が60%を越えると連続した射出成形
により安定した品質のマグネシウム合金成形部材を得る
のが困難となる。
時の引張強度は固相率が0%になると極度に低下してい
る。また、固相率が60%を越えると連続した射出成形
により安定した品質のマグネシウム合金成形部材を得る
のが困難となる。
【0031】図3に示すように、アルミニウム含有量が
9.0重量%以上の合金Bは高速変形時も低速変形時も
略同じ伸び特性を示しているが、アルミニウム含有量が
6.1重量%の合金Aでは、アルミニウム含有量が6.
5重量%以下で伸びが良くなるが、6.5重量%以上で
は低速変形時の引張強度(JIS参考値)を下まわって
しまい、歪速度1.8E+3/sの高速変形時で十分な
伸びを得ることができない。また、アルミニウム含有量
が2.0重量%未満では加熱シリンダ内に半溶融状態の
原料が入りにくくなって射出成形が困難となる。尚、図
3では、合金A,BのJIS規格に基づく静的引張試験
結果を参考値として示している。
9.0重量%以上の合金Bは高速変形時も低速変形時も
略同じ伸び特性を示しているが、アルミニウム含有量が
6.1重量%の合金Aでは、アルミニウム含有量が6.
5重量%以下で伸びが良くなるが、6.5重量%以上で
は低速変形時の引張強度(JIS参考値)を下まわって
しまい、歪速度1.8E+3/sの高速変形時で十分な
伸びを得ることができない。また、アルミニウム含有量
が2.0重量%未満では加熱シリンダ内に半溶融状態の
原料が入りにくくなって射出成形が困難となる。尚、図
3では、合金A,BのJIS規格に基づく静的引張試験
結果を参考値として示している。
【0032】更に、図4に示すように、合金Aについて
内部欠陥率が1%を越えると高速変形時の引張強度が極
度に低下する。
内部欠陥率が1%を越えると高速変形時の引張強度が極
度に低下する。
【0033】ここで、固相率とは、半溶融状態において
存在する固相の体積割合であり、内部欠陥率とは、(1
−成形部材の密度/理論密度)×100(%)から算出
される値で、製品内部における特に強度の必要な局部的
な空隙(ひけすやガスホールなど)の存在する度合を示
している。
存在する固相の体積割合であり、内部欠陥率とは、(1
−成形部材の密度/理論密度)×100(%)から算出
される値で、製品内部における特に強度の必要な局部的
な空隙(ひけすやガスホールなど)の存在する度合を示
している。
【0034】上記試験結果を踏まえて、本実施形態で
は、マグネシウム合金成形部材として固相率が0%を超
えて60%以下、アルミニウム含有量が6.5重量%以
下で2.0重量%以上、内部欠陥率が1%以下である歪
速度1×102/s以上に設定して、特に高速変形時の
優れた引張強度及び伸びを実現している。
は、マグネシウム合金成形部材として固相率が0%を超
えて60%以下、アルミニウム含有量が6.5重量%以
下で2.0重量%以上、内部欠陥率が1%以下である歪
速度1×102/s以上に設定して、特に高速変形時の
優れた引張強度及び伸びを実現している。
【0035】
【表1】
【0036】また、図3に示すように、アルミニウム含
有量が3.0重量%以上の方が連続した射出成形により
安定した品質の部材を得て伸びを高めるのに好ましいた
め、アルミニウム含有量は3.0重量%以上で6.5重
量%以下に設定することが望ましい。
有量が3.0重量%以上の方が連続した射出成形により
安定した品質の部材を得て伸びを高めるのに好ましいた
め、アルミニウム含有量は3.0重量%以上で6.5重
量%以下に設定することが望ましい。
【0037】更に、図2に示すように固相率0%を超え
て40%以下に設定すれば、安定した流動性を得ること
ができ、比較的大きな部材でも材料を加熱シリンダ内に
充填することができると共に、高い引張強度を維持する
ことができる。
て40%以下に設定すれば、安定した流動性を得ること
ができ、比較的大きな部材でも材料を加熱シリンダ内に
充填することができると共に、高い引張強度を維持する
ことができる。
【0038】図5に示すように、鋳肌を完全除去した部
材に比べて片面に鋳肌を残存させた部材の方が高速変形
時の引張強度が優れている。また、固相率0%(つま
り、完全溶融成形)でも鋳肌を残存させれば高速変形時
の引張強度が優れているため、連続成形により安定した
品質の部材を得るのが困難となる固相率60%を越えな
い範囲で、アルミニウム含有量及び歪速度は上記範囲の
ままで、固相率を0%〜60%以下に設定してもよい。
材に比べて片面に鋳肌を残存させた部材の方が高速変形
時の引張強度が優れている。また、固相率0%(つま
り、完全溶融成形)でも鋳肌を残存させれば高速変形時
の引張強度が優れているため、連続成形により安定した
品質の部材を得るのが困難となる固相率60%を越えな
い範囲で、アルミニウム含有量及び歪速度は上記範囲の
ままで、固相率を0%〜60%以下に設定してもよい。
【0039】そこで、本実施形態のマグネシウム合金成
形部材の、特に高速変形時の引張強度が優れる部分は機
械加工を行わず鋳肌を完全に残存する。特に、衝突時の
応力値が高い部位の鋳肌を残存する。
形部材の、特に高速変形時の引張強度が優れる部分は機
械加工を行わず鋳肌を完全に残存する。特に、衝突時の
応力値が高い部位の鋳肌を残存する。
【0040】本実施形態のマグネシウム合金成形部材
は、衝突(高速変形)時に高いエネルギ吸収性(高い伸
び)が要求されるインスツルメントパネル、シートフレ
ーム、ステアリングホイール等に適用すると効果的であ
る。
は、衝突(高速変形)時に高いエネルギ吸収性(高い伸
び)が要求されるインスツルメントパネル、シートフレ
ーム、ステアリングホイール等に適用すると効果的であ
る。
【0041】尚、本実施形態のマグネシウム合金成形部
材は、高速変形時に優れた引張強度及び伸びを必要とす
る部位を局部的に形成してもよいし、全体的に形成して
もよい。 [内部欠陥率を1%以下にする方法]図6は、引張強度
の必要な部位の内部欠陥率を低減する方法の一例を説明
する図である。
材は、高速変形時に優れた引張強度及び伸びを必要とす
る部位を局部的に形成してもよいし、全体的に形成して
もよい。 [内部欠陥率を1%以下にする方法]図6は、引張強度
の必要な部位の内部欠陥率を低減する方法の一例を説明
する図である。
【0042】引張強度の必要な部位は、凝固過程におい
て強制的に圧力を付加する、或いは部分加圧プロセスを
適用することにより内部欠陥率を低減することができ
る。
て強制的に圧力を付加する、或いは部分加圧プロセスを
適用することにより内部欠陥率を低減することができ
る。
【0043】例えば、図6に示すように、成形部材の肉
厚部等の内部欠陥ができやすい部位P1に部分加圧ピン
10を配置して凝固過程において強制的に圧力を付加で
きるようにして、内部欠陥率を低減することができる。
厚部等の内部欠陥ができやすい部位P1に部分加圧ピン
10を配置して凝固過程において強制的に圧力を付加で
きるようにして、内部欠陥率を低減することができる。
【0044】つまり、本実施形態のマグネシウム合金成
形部材は、高速変形時に優れた引張強度及び伸びを必要
とする部位について、局部的に内部欠陥率を1%以下に
してもよいし、全体的に内部欠陥率を1%以下にしても
よい。 [高速変形時の引張強度試験方法]図7は、高速変形時
の引張強度試験方法を説明する図である。
形部材は、高速変形時に優れた引張強度及び伸びを必要
とする部位について、局部的に内部欠陥率を1%以下に
してもよいし、全体的に内部欠陥率を1%以下にしても
よい。 [高速変形時の引張強度試験方法]図7は、高速変形時
の引張強度試験方法を説明する図である。
【0045】図7に示すように、本実施形態では、一次
元弾性波伝達理論に基づいて、入力棒21の歪ゲージと
出力棒22の歪ゲージとから試験片23に作用する動的
荷重とその歪を間接的に決定するホプキンソンバー法を
採用している。
元弾性波伝達理論に基づいて、入力棒21の歪ゲージと
出力棒22の歪ゲージとから試験片23に作用する動的
荷重とその歪を間接的に決定するホプキンソンバー法を
採用している。
【0046】具体的には、入力棒21と出力棒22との
間に試験片23を挟み、入力棒21に衝撃荷重を加え
る。
間に試験片23を挟み、入力棒21に衝撃荷重を加え
る。
【0047】入力棒21を伝播する弾性波の歪をεi,
入力棒21と試験片23との界面で弾性波が反射して入
力棒21に戻ってくる歪をεr,試験片23を通過した
弾性波が出力棒22を通過する時の歪をεtとする。入
力棒21と出力棒22における弾性波の伝播速度C0と
変位uの関係は下記式1となる。但し、Vは粒子速度で
ある。
入力棒21と試験片23との界面で弾性波が反射して入
力棒21に戻ってくる歪をεr,試験片23を通過した
弾性波が出力棒22を通過する時の歪をεtとする。入
力棒21と出力棒22における弾性波の伝播速度C0と
変位uの関係は下記式1となる。但し、Vは粒子速度で
ある。
【0048】
【数1】
【0049】この式1を用いると試験片23の左側及び
右側界面における変位u1,u2は下記式2、3となる。
右側界面における変位u1,u2は下記式2、3となる。
【0050】
【数2】
【0051】試験片23の平均歪εsと歪速度dεs/d
tは、試験片23の長さLとすると下記式4、5とな
る。
tは、試験片23の長さLとすると下記式4、5とな
る。
【0052】
【数3】
【0053】また、試験片23にかかる平均応力σsは
下記式6により表され、εi,εr,εtを測定して式5
に代入すると下記のように表せる。
下記式6により表され、εi,εr,εtを測定して式5
に代入すると下記のように表せる。
【0054】
【数4】
【0055】上記式6により動的応力と歪の関係が求め
られる。
られる。
【0056】但し、Asは試験片断面積、Aは入力棒及
び出力棒の断面積、Eは入力棒及び出力棒のヤング率で
ある。
び出力棒の断面積、Eは入力棒及び出力棒のヤング率で
ある。
【0057】尚、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲
で上記実施形態を修正又は変更したものに適用可能であ
る。
で上記実施形態を修正又は変更したものに適用可能であ
る。
【図1】本発明の実施形態に係わる半溶融射出成形機の
要部を簡略化して示す図である。
要部を簡略化して示す図である。
【図2】引張強度とシリンダ温度及び固相率との関係を
示す図である。
示す図である。
【図3】伸びとアルミニウム含有量との関係を示す図で
ある。
ある。
【図4】引張強度と内部欠陥率との関係を示す図であ
る。
る。
【図5】引張強度と歪速度との関係を示す図である。
【図6】引張強度の必要な部位の内部欠陥率を低減する
方法の一例を説明する図である。
方法の一例を説明する図である。
【図7】高速変形時の引張強度試験方法を説明する図で
ある。
ある。
1…半溶融射出成形機 2…スクリュー 3…原料ペレット 4…シリンダ 5…高速射出機構 6…金型 8…ホッパ 9…ノズル 12…フィルタ
Claims (9)
- 【請求項1】 固相率が0%超〜60%以下、アルミニ
ウム含有量が2.0〜6.5重量%、且つ歪速度が10
0/s以上の優れた高速変形特性を有する部位を設けた
ことを特徴とするマグネシウム合金成形部材。 - 【請求項2】 さらに、局部的に内部欠陥率が1%以下
であることを特徴とする請求項1に記載のマグネシウム
合金成形部材。 - 【請求項3】 さらに、全体的に内部欠陥率が1%以下
であることを特徴とする請求項1に記載のマグネシウム
合金成形部材。 - 【請求項4】 前記アルミニウム含有量が3.0〜6.
5重量%であることを特徴とする請求項1乃至請求項3
のいずれか1項に記載のマグネシウム合金成形部材。 - 【請求項5】 前記固相率が0%超〜40%以下である
ことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項
に記載のマグネシウム合金成形部材。 - 【請求項6】 前記高速変形特性を有する部位は鋳肌が
残存されることを特徴とする請求項1乃至請求項5のい
ずれか1項に記載のマグネシウム合金成形部材。 - 【請求項7】 固相率が0%〜60%以下、アルミニウ
ム含有量が2.0〜6.5重量%、歪速度が100/s
以上の優れた高速変形特性を有する部位を設け、該高速
変形特性を有する部位に鋳肌を設けたことを特徴とする
マグネシウム合金成形部材。 - 【請求項8】 さらに、局部的に内部欠陥率が1%以下
であることを特徴とする請求項7に記載のマグネシウム
合金成形部材。 - 【請求項9】 さらに、全体的に内部欠陥率が1%以下
であることを特徴とする請求項7に記載のマグネシウム
合金成形部材。
Priority Applications (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP25173899A JP2001073059A (ja) | 1999-09-06 | 1999-09-06 | マグネシウム合金成形部材 |
EP00117254A EP1081243A1 (en) | 1999-09-06 | 2000-08-14 | Member formed from magnesium alloy |
KR1020000052315A KR20010030267A (ko) | 1999-09-06 | 2000-09-05 | 마그네슘합금성형부재 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP25173899A JP2001073059A (ja) | 1999-09-06 | 1999-09-06 | マグネシウム合金成形部材 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001073059A true JP2001073059A (ja) | 2001-03-21 |
Family
ID=17227212
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP25173899A Pending JP2001073059A (ja) | 1999-09-06 | 1999-09-06 | マグネシウム合金成形部材 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2003053471A (ja) * | 2001-08-14 | 2003-02-26 | Mazda Motor Corp | 車両用マグネシウム合金製ホイール及びその製造方法 |
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CN108817397B (zh) * | 2018-07-16 | 2021-02-09 | 南方科技大学 | 一种增材制造装置及方法 |
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-
1999
- 1999-09-06 JP JP25173899A patent/JP2001073059A/ja active Pending
-
2000
- 2000-08-14 EP EP00117254A patent/EP1081243A1/en not_active Withdrawn
- 2000-09-05 KR KR1020000052315A patent/KR20010030267A/ko not_active Application Discontinuation
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2003053471A (ja) * | 2001-08-14 | 2003-02-26 | Mazda Motor Corp | 車両用マグネシウム合金製ホイール及びその製造方法 |
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Also Published As
Publication number | Publication date |
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EP1081243A1 (en) | 2001-03-07 |
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