JP2001072786A - 有機薄膜とその製造方法、液晶配向膜とその製造方法、並びに液晶表示装置とその製造方法 - Google Patents

有機薄膜とその製造方法、液晶配向膜とその製造方法、並びに液晶表示装置とその製造方法

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JP2001072786A JP2000203218A JP2000203218A JP2001072786A JP 2001072786 A JP2001072786 A JP 2001072786A JP 2000203218 A JP2000203218 A JP 2000203218A JP 2000203218 A JP2000203218 A JP 2000203218A JP 2001072786 A JP2001072786 A JP 2001072786A
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幸生 野村
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B82NANOTECHNOLOGY
    • B82YSPECIFIC USES OR APPLICATIONS OF NANOSTRUCTURES; MEASUREMENT OR ANALYSIS OF NANOSTRUCTURES; MANUFACTURE OR TREATMENT OF NANOSTRUCTURES
    • B82Y30/00Nanotechnology for materials or surface science, e.g. nanocomposites

Abstract

(57)【要約】 【課題】新規な化学吸着物質を用いて、基板に均一かつ
強力に固定され、配向の熱安定性や配向規制力に優れ、
かつ透明で広い視野角を実現でき、しかも生産性よく製
造できるナノメーターレベルの膜厚を有する液晶配向膜
と、そのような液晶配向膜を用いた液晶表示装置を提供
する。 【解決手段】対向する一対の基板と、前記一対の基板の
うち少なくとも電極を有する基板の表面に形成された液
晶配向膜と、前記対向する一対の基板間に設けられたセ
ルギャップ内に収容された液晶とを備える液晶表示装置
に於いて、前記液晶配向膜は、電極の形成された基板表
面に直接又は他の物質層を介して化学結合により化学吸
着された吸着分子の集合群からなる液晶配向膜であっ
て、前記吸着分子は、下記化学式(1)で表される特性
基と分子末端基に−O−Si結合基を有するものである
ことを特徴とする。 【化30】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、有機薄膜とその製
造方法に関するものである。また、本発明は液晶配向膜
とその製造方法、そしてそれを用いた液晶表示装置とそ
の製造方法に関するものであり、より詳しくは、テレビ
ジョン(TV)画像やコンピュータ画像等を表示する液
晶を用いた平面表示パネルに用いる液晶配向膜とその製
造方法、及びそれを用いた液晶表示装置に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】液晶表示装置は、マトリックス状に配置
された透明電極とこの透明電極の上に形成された液晶配
向膜とを有する一対の基板を、液晶配向膜面を内側にし
て一定の間隙を持たせて対向させ、この間隙内に液晶が
封入された構造をしている。この一般的な製造方法をカ
ラー液晶表示装置を例にして説明する。画素電極と薄膜
トランジスタ(TFT)アレイとが形成された第1のガ
ラス基板と、複数個の赤青緑のカラーフィルターが形成
され、さらにその上に共通透明電極が形成された第2の
ガラス基板のそれぞれの表面に高分子被膜を形成し、こ
の被膜面にラビングを施して液晶配向性を付与する。次
いで、被膜面を内側にしてスペーサを介在させた状態で
対向させ、基板の周縁を接着して空セル(パネル構造
体)を構成する。
【0003】この空セル内にツイスティッドネマティッ
ク(TN)などの液晶を注入し密封して液晶表示素子を
構成し、さらにこの素子の両外面に偏光板を配置すると
共に、第1のガラス基板の外側にバックライトを配置
し、光学表示素子としての液晶表示装置を完成する。
【0004】上述のような構造の液晶表示装置では、ス
イッチング素子であるTFTにより電極間電圧を制御し
て液晶の配向状態を変化させ、画素単位で光透過をON
/OFFして、任意の映像を表示させる。よって、電圧
無印加時に於ける液晶の配向状態を規制する配向膜は、
装置の表示性能を直接左右する極めて重要な役割を担っ
ている。
【0005】ところで、液晶配向膜の被膜材料として
は、従来よりポリイミド膜が広く使用されている。この
理由は、ポリイミド膜は液晶との親和性や耐熱性、基板
密着性等に優れているからである。ポリイミド膜の作製
方法としては、ポリイミドの前駆体ポリマーであるポリ
アミック酸をキシレン等の有機溶媒に溶解した溶液を基
板上に回転塗布した後、これを焼成してポリアミック酸
をイミド化しポリイミド膜となす方法と、ポリイミド自
身をDMF(N,N−ジメチルフォルムアミド)、DM
Ac(ジメチルアセトアミド)、ブチルセロソルブアセ
テート、N−メチル−2−ピロリドン等の有機溶媒に溶
解させた溶液を基板上に回転塗布した後、溶媒を蒸発さ
せて被膜となす方法が用いられている。しかし、このよ
うにして作製されたポリイミド膜は、次のような問題点
を有している。
【0006】(1)前駆体物質であるポリアミック酸を
用いる製法は、イミド化を充分に行う為に250℃以上
の高温で焼成する必要がある。またポリイミド自体を用
いる製法においても、ポリイミドを溶解させる適当な低
沸点溶媒が存在しない為、溶媒除去に際してかなりの高
温を必要とする。例えば、ポリイミドを溶解させる溶剤
として上記したDMF、DMAc、ブチルセロソルブア
セテート、N−メチル−2−ピロリドン等の有機溶媒が
使用できる。しかし、何れの溶剤も沸点が高く(それぞ
れ153℃、165℃、192℃、202℃)、また可
燃性であるので、製膜時に防爆に配慮しつつ溶剤を高温
で蒸発乾燥させる必要がある。このようなことから、ポ
リイミド膜の作製には、加熱のために特別の装置を必要
とし、その分、製造コストが高くなる。また、加熱によ
りTFT等の回路が損傷される恐れもある。
【0007】(2)ポリイミドは製膜性が充分でないの
で、薄くて均一な膜厚の被膜を作製しにくい。この為、
膜厚の不均一に起因する表示ムラが発生し、また厚い被
膜が絶縁膜として作用するので、低電圧駆動の液晶表示
素子を実現しにくい。
【0008】以上のような種々の問題点を有するポリイ
ミド膜を液晶配向膜として用い、ラビング処理などの配
向処理を施すと、更に次の様な問題が生じる。
【0009】被膜に凹凸があると凹部が擦れず、特に
大面積のパネルであると均一に擦れないため、配向欠陥
の発生、表示ムラの発生、表示焼き付き等の問題が生じ
る。
【0010】配向膜上に静電気が発生し、この静電気
がTFTの機能を低下させる原因になる。
【0011】更にラビング材(綿布等)からゴミが発
生し、このゴミが表示ムラや基板間隙を変化させたりす
る原因となる。
【0012】上記した問題点は、次のような例の場合に
特に顕著となる。例えば、特開平5−173135号公
報には、配向膜をある方向にラビングし、さらに当該部
分をレジストで被覆した後、逆方向にラビングする方法
を繰り返すことにより、液晶の配向方向を異ならせた複
数の領域を形成する方法が提案されている。このような
方法は、視野角が狭いという本来的な欠点を有するTN
モードの液晶表示素子においては、視野角特性の向上を
図るという点で効果を発揮する。しかし、液晶配向方向
の異なる複数の区画を形成するには、分割した区画毎に
マスキングを施してラビングするという煩雑な作業を繰
り返さなければならず、配向膜の生産効率が大幅に低下
するとともに、ゴミの発生等の問題が一層深刻な問題と
なる。
【0013】この様な経緯を経て、ラビング方式におけ
る上述のような問題点を解消することを目的として、非
接触式の配向方式が種々提案されている。
【0014】例えば、特開平5−53118号公報で
は、基板上に感光性組成物の層を形成し、露光及び熱処
理により組成物層に所定のパターンの溝を形成し、この
溝により配向性を付与する技術が提案されている。しか
し、この技術は、溝の形成のために大きな光エネルギー
を必要とする。また、均一な溝を形成し難いために、表
示ムラの発生等の問題が生じる。その上、配向規制力も
充分でない。
【0015】また、特開平7−72483号公報では、
ポリイミド若しくはポリイミド前駆体を含む配向膜形成
用化合物層に直線偏光光を照射してポリイミド等を重合
することにより、配向性を付与する技術が提案されてい
る。しかし、この技術は、有機高分子であるポリイミド
を用いるものであるので、膜厚が厚いと液晶駆動電圧の
上昇を招来するという問題を解消できない。更に、配向
膜の基板に対する固定力が充分でないという問題もあ
る。
【0016】また、特開平7−318942号公報で
は、高分子構造を有する配向膜に斜めから光照射し、配
向膜の分子鎖に新たな結合または分解反応を起こさせて
配向性を有する分子構造となす技術が提案されている。
しかし、この技術もポリイミドやポリビニールアルコー
ル、ポリスチレン等の有機高分子からなる配向膜を対象
としている。従って、この技術では膜厚が厚い、基板固
定力が小さい等の上述した課題を解消できない。またこ
の技術では、プレチルト角を付与するための配向膜に対
し、斜め方向から光照射することを必須とするが、その
ような方向から正確に光照射する為には精度の高い光照
射装置を必要とするので、その分、生産コストが上昇す
る。
【0017】以上に述べた上記各公報に記載の各技術を
応用すれば、液晶の配向方向を異ならせた複数の領域を
形成することも可能なので、視野角の狭いTNモードの
液晶表示装置に対しても適用できる。しかし、上記各技
術は上述のごとく膜厚が厚い、基板固定力が充分でない
等の課題を有しているので、これらの技術を用いてもや
はり充分に満足し得る液晶配向膜を提供できない。
【0018】他方、高コントラスト及び高速応答の実現
が可能なVA(Vertical Alignment)モード(垂直配
向)の液晶表示装置が近年注目されているが、この配向
モードに於いてはVA配向用液晶配向膜を使用すること
により液晶分子の垂直配向を実現している。このVA配
向用液晶配向膜とは、側鎖に長鎖アルキル基又はフッ素
系の官能基を導入したポリイミドを配向膜材料として形
成されたものが挙げられる。しかし、このような配向膜
材料は、一般的に表面エネルギーが高い(撥水性が低い
等)為に基板との密着性に劣るという問題点を有してい
る。加えて、ポリマーからなる為、膜厚が厚く不均一で
あり、絶縁性を有し、光透過や液晶分子を駆動する為の
電界を阻害するという、上記した課題も有している。更
に、側鎖の作用が液晶分子を垂直配向させる要因である
にもかかわらず、側鎖を効率的に液晶との界面に露出さ
せる制御が不可能であり、液晶分子の配向に寄与する部
分の密度が単分子膜に比べ明らかに低く、十分な配向規
制力を得難いという問題点も有している。
【0019】ところで、本発明者らは、特開平3−79
13号公報において、ナノメーターレベルの膜厚の配向
膜を生産性よく製造できる技術を提案した。この技術
は、シラン系化学吸着物質(界面活性剤ともいう)を基
板面に化学吸着させてなる単分子層を配向膜として利用
するものである。この技術によると、基板上に結合固定
した状態の極めて薄い透明な被膜を容易かつ効率的に形
成でき、しかもラビングを施さなくとも液晶分子に対し
ある程度の配向規制力を有する配向膜を提供できる。し
かしながら、この技術は、配向の熱安定性や配向規制力
の強さ等に関し、未だ改善の余地を残している。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述した問
題点を一挙に解消しようとするものであり、その目的
は、ナノメーターレベルの極めて薄い薄膜で、基板に均
一かつ強力に固定でき、配向の熱安定性や配向規制力に
優れるとともに広い視野角を持ち、垂直配向により高速
応答、高コントラストな配向制御が可能であり、しかも
生産性よく製造できる新規な垂直配向用液晶配向膜とそ
のような液晶配向膜を用いた液晶表示素子を提供するこ
とにある。
【0021】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決する為
に、基体表面に直接又は他の物質層を介して化学吸着に
より結合固定された吸着分子の集合群からなる有機薄膜
であって、前記吸着分子は、下記化学式(1)で表され
る特性基と分子末端基に−O−Si結合基を有するもの
であることを特徴とする。
【化15】
【0022】上記構成の有機薄膜は、一端(−O−Si
結合基側)が基体に化学吸着し、他端が基体面から離れ
る方向に突出した状態で基体面に沿って配列した吸着分
子の集合群からなる。そして、上記化学式(1)で表さ
れる特性基と−O−Si結合基とを含む吸着分子集合群
では、吸着分子の個々が化学結合により基板に強固に結
着しているので被膜の剥離といった現象を生じない。よ
って、優れた耐剥離性を有している。
【0023】また、有機薄膜を液晶配向膜に適用した場
合には、この吸着分子集合群では、吸着分子相互の隙間
(谷間)に液晶分子が入り込むことができ、この際、液
晶分子の基板に対する傾き及び/又は配向方位(以下、
これらを配向方向と総称する。)に規制される。よっ
て、単分子層状の極めて薄い被膜であるにもかかわら
ず、強力な配向規制力を発揮する。更に、薄膜構成分子
に於ける薄膜表面側の末端基として、臨界表面張力の極
めて小さなパーフルオロメチル基(−CF3基)を有し
ているので、液晶分子を高プレチルト角にて配向させる
ことができる。また、Si原子を介して基板と強固に結
合させることができると共に、Siを介して吸着分子同
士を強固に結合させることができるので、耐久性に優れ
た液晶配向膜が得られる。
【0024】なお、前記基体としては、ガラス等からな
る基板や、金属、セラミックス、ガラス、プラスチッ
ク、ポリマー、紙、繊維、皮革等からなるものが挙げら
れる。さらに、前記基板には電極および/またはその他
の物質層が形成されていてもよい。
【0025】上記有機薄膜を構成する吸着分子は、上記
化学式(1)に示す官能基に於けるカルコン骨格と、−
O−SiX基とが直接結合された分子でもよく、或いは
カルコン骨格に対して−O−結合を介して以下に例示す
る官能基が間接的に結合された分子でもよい。
【0026】(1)−(CH2n(但し、nは1〜20
の整数である。)、−C6s等の炭化水素基。 (2)上記(1)(但し、−CH2を除く)の炭化水素
基の一部に、炭素−炭素二重結合又は炭素−炭素三重結
合を含む炭化水素基。 (3)上記(1)及び(2)の炭化水素基の水素が他の
官能基(例えば、メチル基、ハロゲン化メチル基、水酸
基、シアノ基等)及び/又は原子(例えば、F、Cl、
Br、I等)に置換された官能基。 (4) 上記(1)及び(2)の炭化水素基のC−C結
合の一部がC−O−C(エーテル)結合若しくはC−C
O−C−(カルボニル)結合置換された官能基。
【0027】以上のように説明した吸着分子としては、
例えば下記化学式(2)で表される化学構造を有するも
のが挙げられる。
【化16】
【0028】また、前記吸着分子集合群は、所定方向に
配向させたものとすることができる。このようにするこ
とにより、有機薄膜を液晶配向膜として使用した場合に
は、均一な液晶配向性が得られる。
【0029】また、上記構成に於いては、隣り合う分割
領域の吸着分子長軸の基板面に対する傾き及び/又は配
向方位を異ならせるものとすることができる。ここで、
上記分割領域とは、一画素が複数かつパターン状に分割
された微小領域をいうが、このように一画素が複数かつ
パターン状に分割された微小領域毎に吸着分子の配向方
向が制御された所謂マルチドメインタイプの液晶配向膜
とすると、各画素に於ける透過光が、角度の異なる複数
の光の束で構成されることになるので、表示に於ける視
野角依存性が少なくなる。
【0030】また、上記構成に於いては、吸着分子集合
群の吸着分子相互が上記化学式(1)又は化学式(2)
に示された炭素C’及び/又はC”の結合手を介して架
橋結合された構成とすることができる。吸着分子同士が
架橋結合により強固に固定されているので、吸着分子の
傾きや配向方位が擦りや熱等の外的刺激によって変化し
ない。よって、信頼性の高い有機薄膜が得られる。
【0031】また、上記構成に於いては、有機薄膜の膜
厚を、0.5nm以上、10nm未満とすることができ
る。この範囲の膜厚であると、膜厚との関係に於ける配
向効率が高いと共に、無用に光透過や電界を阻害しな
い。よって、液晶配向膜に適用した場合には、その有用
性が一段と高まる。
【0032】また、上記構成に於いては、有機薄膜を単
分子層状の薄膜からなるものとすることができる。単分
子層状であると、吸着分子の個々の液晶分子の配向に直
接関与できるので、膜厚との関係からする液晶配向効率
が格段に向上する。
【0033】また、上記の構成に於いては、前記有機薄
膜が、複数種の吸着分子の集合群からなるものとするこ
とができる。複数種の吸着分子の集合群からなる有機薄
膜であると、複合機能を有する有機薄膜とすることがで
きる。
【0034】また、有機薄膜を液晶配向膜に適用した場
合には、当該液晶配向膜が、液晶分子に対して所望のプ
レチルト角を発現させる配向膜とすることができる。
【0035】さらに上記の構成に於いて、前記液晶配向
膜が複数種の吸着分子の集合群からなり、当該複数種の
吸着分子の構成割合を変えることにより、液晶分子を所
望のプレチルト角で配向させることが可能となる。
【0036】ここで、前記化学式(1)で表される特性
基および分子末端基に−O−Si結合基を有する前記吸
着分子の他には、例えば下記に例示する吸着分子があ
る。即ち、−O−Si結合基と、長鎖のアルキル基(炭
素数7以上、18以下)とを有する吸着分子、または−
O−Si結合基と、長鎖のフッ化炭素基(炭素数7以
上、18以下)とを有する吸着分子などが挙げられる。
また前記アルキル基およびフッ化炭素基の末端に、シア
ノ基、エステル基、クロロ基またはブロモ基等が結合さ
れた吸着分子などが挙げられる。さらにこれらの吸着分
子が、前記化学式(1)で表される特性基を備えた吸着
分子であってもよい。
【0037】次に、本発明の有機薄膜の製造方法につい
て説明する。本発明の有機薄膜の製造方法は、基体表面
に直接又は他の物質層を介して化学吸着により結合固定
された吸着分子の集合群からなる有機薄膜の製造方法で
あって、下記化学式(1)で表される特性基と分子末端
部分に−O−Si結合基とを有する化学吸着物質を少な
くとも非水系溶剤に溶解させて化学吸着液を調製する工
程と、前記化学吸着液を上記基体面に接触させて化学吸
着液中の化学吸着物質を基体面に化学吸着させる化学吸
着工程と、前記化学吸着物質が結合した基体面を洗浄用
の非水系溶剤で洗浄し、しかる後基体を一定方向に立て
て前記洗浄液を液切り乾燥する液切り乾燥工程とを備え
ることを特徴とする。
【化17】
【0038】上記製造方法は、更に前記液切り乾燥工程
の後に、基体面の吸着分子に紫外偏光光を照射して、上
記化学式(1)の炭素・炭素二重結合部分の結合手を介
して吸着分子相互を架橋結合させる紫外偏光光照射工程
を備えるものとすることができる。
【0039】また、上記製造方法は、前記液切り乾燥工
程と紫外偏光光照射工程とからなる一連の配向処理工程
を、前記紫外偏光光照射工程の後、再び液切り乾燥工程
に戻る方法で、繰り返し毎に液切り乾燥方向を異ならせ
ると共に、紫外偏光光の照射領域と照射方向、又は照射
領域と照射角度、又は照射領域と照射方向と照射角度と
を異ならせて、複数回繰り返して行うことにより、一画
素に対応する領域が複数かつパターン状に分割された分
割領域毎に吸着分子長軸の基体面に対する傾き及び/又
は配向方位を異ならせる構成とすることができる。この
構成によると、マルチドメイン配向の液晶配向膜に適し
た有機薄膜を確実かつ生産性よく製造することができ
る。
【0040】また、前記洗浄用の非水系溶剤として、非
プロトン系溶剤を用い、未反応な化学吸着物質を基板面
から洗浄し除去して単分子層状の薄膜となす構成とする
ことができる。
【0041】また、前記洗浄用の非水系溶剤として、非
プロトン系溶剤とプロトン系溶剤の混合溶剤を用い、未
反応な化学吸着物質を基板面から洗浄し除去して単分子
層状の薄膜となす構成とすることができる。上記構成の
混合溶剤を使用することは、化学吸着物質に対する溶解
能や蒸発速度を適度に調製できる点で好ましい。
【0042】上記した各構成の意義を説明する。上記化
学式(1)で表される特性基と分子末端部分に−O−S
i結合基とを有する化学吸着物質の溶液を基板に接触さ
せると、化学吸着物質が基板表面の活性水素を有する表
面官能基と反応して化学吸着し、有機薄膜が形成され
る。この有機薄膜は、吸着分子長軸方向の一端(−O−
Si結合基)が基板面側に結合し、他端が基体と離れる
方向に配向した吸着分子の集合群からなるが、このよう
な吸着分子集合群からなる有機薄膜が液晶配向膜である
と、液晶分子が吸着分子相互の隙間(谷間)に入り込む
ことができる。そして、隙間に入り込んだ液晶分子の基
体に対する配向方向に規制される。よって、吸着分子の
配向方向を規定することにより、液晶分子の配向方向を
制御できることになる。
【0043】他方、上記化学式(1)で表される特性基
を有する化合物は、可視光領域で透明で化学的に安定で
ある一方、炭素・炭素二重結合部分の紫外光に対する感
応性が高いという特性を有する。よって、基板に化学吸
着させた後、紫外光に照射することにより、炭素・炭素
二重結合を介して吸着分子同士を架橋結合することがで
き、この際、紫外偏光光を用いることにより架橋結合の
方向を偏光光の偏光方向に対応する一定の方向に制御す
ることができる。そして、偏光光の照射により基板面の
吸着分子が再配向され、この再配向は分子相互が架橋結
合されてなるものであるので、熱や擦り等の外部刺激に
よって変化しにくいものとなる。
【0044】ここで、前記化学式(1)で表される特性
基と分子末端部分に−O−Si結合基とを有する化学吸
着物質としては、下記化学式(2)で表される化合物を
用いることができる。
【化18】 化学式(2)で表される化学吸着物質であると、基体面
に容易に化学吸着させることができ、かつ結合が強固で
あると共に、炭素・炭素二重結合部分の光感応性が高
い。また、この物質は、膜表面側の末端基にパーフルオ
ロメチル基を有しているので、液晶分子を高プレチルト
角にて配向させることが可能である。以上から、上記化
学式(2)の化合物を用いる製造方法であると、液晶配
向膜として好適に使用できる有機薄膜を生産性よく製造
することができる。
【0045】上記製造方法の要部をさらに説明する。上
記本発明の製造方法に係る液切り乾燥工程に於いては、
先ず洗浄操作により過剰に存在する未吸着の化学吸着物
質を基板面から除去すると共に、液切り乾燥により洗浄
用の非水系溶剤を乾燥し除去する。この一連の操作によ
り、基板が液切り乾燥方向に配向した単分子層状の薄膜
を形成することができる。但し、液切り乾燥による吸着
分子の配向状態は、再度の液切り乾燥によって変動する
と共に、外部刺激(例えば、熱や擦り)によっても変化
し易い。よって、本明細書ではこの配向を仮配向と称す
る。
【0046】更に、上記紫外偏光光照射工程に於いて
は、仮配向させた薄膜面(吸着分子集合群)に紫外偏光
光を照射するが、上記化学式(1)で表される特性基を
有する吸着分子は光感応性が高い。よって、紫外偏光光
の照射により、炭素・炭素二重結合部分で分子相互が反
応して、当該炭素の結合手を介して吸着分子同士が偏光
方向に対応する一定方向に架橋結合する。ここで、偏光
方向としては上記仮配向方向と一致させてもよく、また
仮配向方向と異なる方向とすることもでき、何れの場合
に於いても偏光光の照射により偏光方向に対応する一定
方向に再配向させることができる。但し、液切り方向と
偏光方向とを完全に90°で交差するのではなく、多
少、好ましくは数度以上ずらすのがよい。完全に90°
で交差させた場合、個々の分子がランダムな2方向に向
いてしまう恐れがあるからである。
【0047】尚、その理由は十分に明らかになっていな
いが、仮配向させた後に紫外偏光光を照射すると、架橋
結合が一定方向に円滑に進行し、紫外偏光光による配向
処理効果が高まることが実験的に確かめられている。
【0048】また、本明細書では、上記仮配向と区別す
る為、紫外偏光光の照射による配向を再配向と称する。
更に、基板に化学吸着した分子を吸着分子と称し、吸着
前のものを化学吸着物質と称する。更に、基板面に吸着
分子が化学吸着してなる薄膜の厚みは、概ね吸着分子の
分子長(ナノメーターレベル)であることを実験的に確
認している。
【0049】ちなみに、本発明に係る液晶配向膜として
の有機薄膜と従来の液晶配向膜との違いは次のようであ
る。長い主鎖が絡み合った状態で密に構成された従来の
液晶配向膜(例えば前記ポリアミドからなる高分子膜
等)は、表面部分のみが液晶の配向に寄与できるに過ぎ
ないため、十分な配向規制力を得難い。また、ラビング
により配向性を付与する従来の配向膜では、熱や擦れ等
の外部刺激が加わると配向性が変化または劣化してしま
う。更にポリアミド等の高分子膜は、膜厚が厚く、しか
も電気抵抗性が高いので、光透過や液晶駆動における阻
害要因となる。
【0050】他方、単分子層状の薄膜からなる液晶配向
膜であっても、吸着分子相互が架橋していない配向膜
は、配向安定性が不充分である。例えば、上記した特開
平3−7913号公報に記載した化学吸着物質は、感光
性基を有しないので、吸着分子相互を化学的に連結でき
ず、この物質を用いてなる液晶配向膜は、200℃前後
の熱が加わると配向特性が劣化し易い。
【0051】次に、上記有機薄膜を液晶配向膜として用
いた本発明の液晶表示装置について説明する。本発明の
液晶表示装置は、対向する一対の基板と、前記一対の基
板のうち少なくとも電極を有する基板の表面に形成され
た液晶配向膜と、前記対向する一対の基板間に設けられ
たセルギャップ内に収容された液晶とを備える液晶表示
装置であって、前記液晶配向膜は、電極の形成された基
板面に直接又は他の物質層を介して化学吸着により結合
固定されてなる吸着分子の集合群からなり、前記吸着分
子の集合群には、下記化学式(1)で表される特性基と
分子末端基に−O−Si結合基を有する吸着分子を含む
ことを特徴とする。
【化19】
【0052】上記構成に於いて、前記セルギャップ内に
収容された液晶分子のプレチルト角及び/又はプレチル
ト方位は、前記吸着分子の長軸の基板面に対する傾き及
び/又は配向方位により制御されている。
【0053】また、上記構成の液晶表示装置に於いて
は、前記吸着分子の長軸の基板面に対する傾き及び/又
は配向方位は、一画素が複数かつパターン状に分割され
た隣り合う分割領域毎で異ならせた構成とすることがで
きる。
【0054】また、画素電極と対向電極とが同一基板上
に配置されると共に、前記電極の配置された基板表面に
液晶配向膜が形成されたインプレーンスイッチング型の
液晶表示装置であって、前記液晶配向膜は、電極の形成
された基板面に直接又は他の物質層を介して化学吸着に
より結合固定されてなる吸着分子の集合群からなり、前
記吸着分子の集合群には、下記化学式(1)で表される
特性基と分子末端基に−O−Si結合基を有する吸着分
子を含むことを特徴とする。
【化20】
【0055】また、上記液晶表示装置(インプレーンス
イッチング型を含む、以下同様。)に於ける前記セルギ
ャップ内に収容された液晶分子のプレチルト角及び/又
はプレチルト方位が、前記吸着分子の長軸の基板面に対
する傾き及び/又は配向方位により制御された装置とす
ることができる。
【0056】また、前記液晶配向膜を構成する吸着分子
相互は、上記化学式(1)又は(2)に示されたC’及
び/又はC”の結合手を介して架橋結合されたものとす
ることができる。
【0057】また、上記化学式(1)に示す特性基と−
O−Si結合基とを有する吸着分子を、下記化学式
(2)に示す構造のものとすることができる。
【化21】 また、前記液晶配向膜の膜厚は、0.5nm以上、10
nm未満とすることができる。
【0058】また、前記液晶配向膜は、単分子層状の薄
膜とすることができる。単分子層状の薄膜であると、液
晶駆動の為の電界を阻害する程度が極めて小さいと共
に、光透過経路に配置しても光透過を阻害しない。よっ
て、低電圧で駆動でき、かつ輝度に優れた液晶表示装置
が実現できる。
【0059】ところで、理想的な単分子層は、個々の構
成分子が基板面と沿って並び、分子の重なりがない層を
意味するが、完全な単分子層を形成することは現実的に
容易ではない。そして完全な単分子層でなくとも、本発
明の目的を十分に達成することができる。よって、本発
明にいう「単分子層状の薄膜」とは、概ね単分子層と認
識できる程度の薄膜であればよい。例えば基板に吸着し
た吸着分子の上に未吸着の分子が乗っかり複数分子層と
なった部分があってもよく、また自らは直接基板に結合
固定されていないが直接固定された分子に結合し、更に
は直接固定されていない前記分子に更に他の分子が結合
する形で複数の分子が連なり、複数分子からなる層を形
成することがあるが、本発明にいう単分子層状の薄膜に
は、このような複数分子からなる層と部分に含むものを
も含む。
【0060】また、上記では、1種類の化学吸着物質の
みで組成された吸着分子の集合体を前提にして説明した
が、本発明に係る吸着分子に他の吸着物質が混合された
ものであってもよい。
【0061】次に、本発明の液晶表示装置の製造方法に
ついて説明する。本発明の液晶表示装置の製造方法は、
電極の形成された基板表面に直接又は他の物質層を介し
て化学吸着により結合固定された吸着分子の集合群から
なる液晶配向膜が設けられた液晶表示装置の製造方法で
あって、下記化学式(1)で表される特性基と分子末端
部分に−O−Si結合基とを有する化学吸着物質を非水
系溶剤に溶解させて化学吸着液を調製する工程と、前記
化学吸着液を上記電極の形成された基板面に接触させて
化学吸着液中の化学吸着物質を基板面に化学吸着させる
化学吸着工程と、前記化学吸着物質が結合した基板面を
洗浄用の非水系溶剤で洗浄し、しかる後基板を一定方向
に立てて前記洗浄液を液切り乾燥する液切り乾燥工程と
を備えることを特徴とする。
【化22】
【0062】これにより、液切り乾燥と偏光光の照射と
いう比較的簡便な手法により、パターン状に分割された
分割区画毎に配向方向が異なるマルチドメインタイプの
液晶配向膜を備えた液晶表示装置を確実かつ効率よく製
造できる。
【0063】上記製造方法は、前記液切り乾燥工程の後
に、基板面の吸着分子に紫外偏光光を照射して、上記化
学式(1)の炭素・炭素二重結合部分の結合手を介して
吸着分子相互を架橋結合させる紫外偏光光照射工程を備
えるものとすることができる。
【0064】また、上記製造方法は、前記液切り乾燥工
程と紫外偏光光照射工程とからなる一連の配向処理工程
を、前記紫外偏光光照射工程の後、再び液切り乾燥工程
に戻る方法で、繰り返し毎に液切り乾燥方向を異ならせ
ると共に、紫外偏光光の照射領域と照射方向、又は照射
領域と照射角度、又は照射領域と照射方向と照射角度と
を異ならせて、複数回繰り返して行うことにより、一画
素に対応する領域が複数かつパターン状に分割された分
割領域毎に吸着分子長軸の基板面に対する傾き及び/又
は配向方位を異ならせる構成とすることができる。この
方法によると、パターン状に分割された分割区画毎に配
向方向が異なるマルチドメインタイプの液晶配向膜を備
えた液晶表示装置を確実かつ効率よく製造することがで
きる。
【0065】また、前記洗浄用の非水系溶剤として、非
プロトン系溶剤を用い、未反応な化学吸着物質を基板面
から洗浄し除去して単分子層状の薄膜となす構成とする
ことができる。
【0066】また、前記洗浄用の非水系溶剤として、非
プロトン系溶剤とプロトン系溶剤の混合溶剤を用い、未
反応な化学吸着物質を基板面から洗浄し除去して単分子
層状の薄膜となす構成とすることができる。
【0067】上記化学式(1)で表される特性基と分子
末端部分に−O−Si結合基とを有する化学吸着物質
が、下記化学式(2)で表される化合物である構成とす
ることができる。
【化23】
【0068】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を実施例に基
づいて説明する。
【0069】(実施例1)初めに、本実施例で使用した
新規な化学吸着物質の合成方法について説明する。
【0070】(1)化学吸着物質の合成 以下で合成した化学吸着物質(シラン系化学吸着物質)
は、下記化学式(3)で表される化合物である。
【化24】
【0071】反応工程1: 5L反応コルベンに水素化
ナトリウム(60%)とHMPA(hexamethylphosphoram
ide)とを1675ml仕込み、氷冷した。これに、1H,
1H-Pentafluoropropanol 380g(2.53mol)を
15℃以下で3時間かけて滴下した。その後室温に戻
し、1時間撹拌させた。
【0072】次に、10℃以下に冷却した後、p-Fluoro
benzaldehyde 209.4g(1.69mol)を1時間
かけて滴下した。同温にて3時間撹拌させた。
【0073】そうして得られた反応物を5%塩酸3.4
Lに注入し、酢酸エチル抽出、希塩酸洗浄し、無水硫酸
マグネシウムで乾燥後、溶媒留去した。得られた粗結晶
をシリカゲルカラムで精製(移動相:n-ヘキサン/酢酸
エチル=10/1)し、330.0gの4-(2,2,3,3,3-P
entafluoropropyloxy)benzaldehydeを得た。(GLC純
度95%、収率76.9%) この工程に於ける化学反応式を下記(4)に示す。
【化25】
【0074】反応工程2:4-(2,2,3,3,3-Pentafluoropr
opyloxy)benzaldehyde 330g(1.30mol)、4-H
ydroxyacetophenone 176.7g(1.30mo
l)、ピペリジン33.0g、酢酸33ml、トルエン
3.3Lを5L反応コルベンに仕込み、110℃で5日
間撹拌させた。
【0075】室温まで冷却し、反応液を1N塩酸2.1
Lに注入し、析出した結晶を濾取した。
【0076】その後、結晶を水洗し、クロロホルム15
Lに溶かし、無水硫酸マグネシウムにて乾燥し、溶媒を
留去して322.0gの4-(2,2,3,3,3-Pentafluoroprop
yloxy)-4'-hydroxychalconeを得た。(GLC純度98
%、収率66.6%) この工程に於ける化学反応式を下記(5)に示す。
【化26】
【0077】反応工程3:アルゴン気流下、4-(2,2,3,
3,3-Pentafluoropropyloxy)-4'-hydroxychalcone322
g(0.866mol)、dryDMF 3Lを5L反
応コルベンに仕込み、氷冷下水素化ナトリウム(60
%)34.6g(0.865mol)を30分かけて加
えた。その後、室温まで加温し、20時間撹拌させた。
【0078】次に、同温にて6-Chlorohexanol 11
7.7g(0.865mol)を20分間で滴下し、そ
の後80℃に加熱して23時間反応させた。反応液を氷
水中に注入し、反応生成物を酢酸エチル抽出し、この溶
液を水洗し、酢酸エチル抽出液に硫酸マグネシウムを加
え処理した後、溶媒を留去した。
【0079】得られた粗結晶をシリカゲルカラム精製
(移動相:n-ヘキサン/酢酸エチル=2/1)した。こ
れをさらにシリカゲルカラム精製(移動相:n-ヘキサン
/酢酸エチル=1/1)にて再結晶し、123.0gの
4-(2,2,3,3,3-Pentafluoropropyloxy)-4'-(6'-hydroxyh
exyloxy)chalconeを得た。(HPLC純度98%、収率
30.1%) この工程に於ける化学反応式を下記(6)に示す。
【化27】
【0080】反応工程4:アルゴン気流下、4-(2,2,3,
3,3-Pentafluoropropyloxy)-4'-(6'-hydroxyhexyloxy)c
halcone60.0g(0.127mol)、四塩化ケイ素
240.0g(1.41mol)を500ml反応コルベ
ンに仕込み、室温にて1時間撹拌させた。
【0081】過剰の四塩化ケイ素を留去し、69.4g
の生成物であるところの4-(2,2,3,3,3-Pentafluoroprop
yloxy)-4'-(6'-trichlorosilyloxyhexyloxy)chalconeを
得た。(収率90.2%) この工程に於ける化学反応式を下記(7)に示す。
【化28】
【0082】尚、この最終生成物は1H−NMRスペク
トルを測定して解析した。図1に1H−NMRスペクト
ルを示す。図1に示す各ピークは、最終生成物が上記化
学式(7)で表される化学構造を有するものであること
を裏付けている。
【0083】また、上記最終生成物をクロロホルムに溶
解させ、紫外・可視吸収スペクトルを測定した。その結
果を図2に示す。図2により、最終生成物は、可視光領
域には吸収ピークを有しない一方、紫外光領域である3
27nmで吸収ピークを有することが確認された。この
ことから、本実施例に於いて合成された化学吸着物質
は、可視光に対する感応性が低く、紫外光に対する感応
性が高い物質であることが判った。
【0084】尚、以下の実施例における1H−NMRス
ペクトル分析には、日立製作所製のR−1200を用
い、IRスペクトル分析には、島津製作所製のFT−I
R4300を用い、UV/VISスペクトル分析には、
島津製作所製のUV−240を用いた。
【0085】(2)液晶配向膜の作製 図3及び図4を参照しながら液晶配向膜の作成方法につ
いて説明する。表面に透明電極の形成されたガラス基板
(水酸基を多数含む)の表面をよく洗浄し脱脂して、ガ
ラス基板1となした。他方、よく脱水したシロキサン系
溶媒(商品名:KF96L、信越化学社製)及びクロロ
ホルムの混合溶媒に、上記で合成した(シラン系)化学
吸着物質を約1重量%濃度に溶解した。この溶液を化学
吸着液2とした
【0086】次いで、図3に示すように、相対湿度30
%以下の乾燥雰囲気中で化学吸着液2の中にガラス基板
1を1時間程度浸漬した(A工程)。その後、図5に示
すようにして、ガラス基板1をよく脱水したクロロホル
ム3(非プロトン系溶媒)中に出し入れして基板表面を
洗浄した(B工程)。しかる後に、このガラス基板1を
化学吸着液2から矢印4方向に引き上げ、乾燥雰囲気中
に於いて該ガラス基板1を垂直に立てた状態で洗浄液を
液切り乾燥した(C工程)。次いで、ガラス基板1の表
面を、湿度を含む空気(相対湿度50〜80%)に暴露
した(D工程)。
【0087】上記工程の意義は次の通りである。化学吸
着液2にガラス基板1を浸漬するA工程は、クロロシラ
ン系化学吸着物質のSiCl基と基板表面の水酸基とを
脱HCl反応させる工程である。この工程により、クロ
ロシラン系化学吸着物質がガラス基板1の表面に強固に
結合する。化学吸着液2から引き上げたガラス基板1を
クロロホルム3で洗浄するB工程は、未反応な化学吸着
物質を基板面から除去するための工程である。この工程
は、単分子層状の薄膜を形成するのに必要な工程であ
る。
【0088】また、上記洗浄後に行う液切り乾燥工程
(C工程)は、吸着分子を一定方向に配向させる工程で
ある。薄膜表面に洗浄液が残留している基板を一定方向
に立てて洗浄液を液切り乾燥すると、液切り乾燥方向に
沿って吸着分子が仮配向する。尚、図4の洗浄後に引き
上げたガラス基板1をそのまま垂直に立てかけるときに
於ける液切り方向は、矢印5の方向となる。
【0089】また液切り乾燥後の基板面を、湿度を含む
空気に暴露するD工程は、SiCl基の残りのClを空
気中の水分と反応させる脱HCl反応工程である。この
反応により吸着分子同士がシロキサン結合することにな
る。
【0090】以上の一連の処理工程により、基板表面の
水酸基にクロロシラン系化学吸着物質がシロキサン結合
してなる単分子膜9(仮配向状態)を形成した。この単
分子膜9は、下記化学式(8)に示す化学結合単位によ
り構成された単分子層状の薄膜である。尚、化学吸着液
2中にガラス基板1を浸漬する方法に代えて、ガラス基
板1の表面に化学吸着液2を塗布する方法を採用しても
よい。
【化29】
【0091】上記で作製した単分子膜9の膜厚をエリプ
ソメーター(屈折率を1.45とする。)で測定したと
ころ、約2.5nmであった。
【0092】また、単分子膜9の配向状態をテストセル
により調べた。テストセルは、単分子膜9付きの基板を
2枚作製し、各々の膜面を内側にし、液切り方向が反対
向き(アンチパラレルな状態)になるようにして約12
μmの間隙をとって重ね合わせ、周囲を封止した後、前
記間隙内にネマティック液晶(Δεが約−2、Δnが約
0.08)を注入する方法で作製した。そして、このテ
ストセルの両側面に偏光板を配置し、一方面から可視光
を透過させ、多方面で透過光を観察する方法により液晶
分子の配向を調べた。その結果、液晶分子は液切り乾燥
方向に沿って配向していることが確認された。
【0093】[偏光光の照射工程]図5を参照しながら、
偏光光照射工程を説明する。図5中、5は液切り乾燥方
向、6は紫外偏光光、7は偏光方向、8は透明電極、9
は吸着分子集合群(単分子膜)を示す。単分子膜9に対
する再配向処理は、図5に示すようにして行った。即
ち、単分子膜9に対し偏光方向6が液切り乾燥方向5と
ほぼ平行方向に向くようにグランティラー型偏光子をセ
ットし、500Wの高圧水銀灯365nmの紫外光8
(偏光膜透過後2.1mW/cm2)を480mJ照射
する方法により行った。
【0094】次いで、上記で紫外光8を照射した単分子
膜9の化学的性状をFT−IR(Fourier Transform In
frared Spectroscopy)を用いて調べた。その結果、偏
光方向とこれに直交する方向とでは、IR吸収に差が認
められ、偏光方向に於けるIR吸収がこれに直交する方
向よりも顕著に減少していることが認められた。IR吸
収の減少は、カルコン骨格の炭素・炭素二重結合部分が
偏光方向の光エネルギーを受けて架橋結合したことを意
味するので、この結果より紫外偏光光の照射より架橋結
合が可能なことが確認された。
【0095】尚、FT−IR分析では、分子相互の結合
方向を明確にすることはできなかったが、吸着分子相互
が架橋結合すると、吸着分子相互の関係が立体構造的に
安定となることは明白である。よって、再配向処理後の
単分子膜(液晶配向膜)は、上記仮配向状態よりも安定
な配向状態となっていることが考えられる。
【0096】また、再配向後の液晶配向膜付き基板を用
いて、上記テストセルと同様な手法で液晶セルを作製
し、この液晶セルを用いて液晶配向テストを行った。そ
の結果、電圧無印加時にはセル内の光透過が阻止された
結果、黒表示であったが、3Vの電圧を印加した状態で
は、光が透過し白表示となった。このことは、電圧の印
加により液晶分子の配向状態がホメオトロピック配向か
らホモジニアス配向に変化したことを意味する。更に、
磁場スレッショルド法を用いてプレチルト角を測定した
ところ、約89.5度のプレチルト角で液晶分子が配向
していることが確認された。
【0097】以上の結果より、上記化学式(8)で表さ
れる化学結合単位を有する吸着分子の集合群に、仮配向
処理に加え架橋結合を伴う再配向処理を施すと、電圧の
ON/OFFによりコントラスト比の高い表示を実現で
きる極薄の液晶配向膜が実現できることが確認された。
そして、この液晶配向膜は、吸着分子同士が架橋結合さ
れていることが確認された。よって、配向特性が劣化し
がたい。
【0098】(実施例2)本実施例2に於いては、マト
リックス状に画素電極が配置された基板を用い、上記実
施例1と同様な方法で液晶配向膜を形成し、この液晶配
向膜付き基板を用いて液晶表示装置を作製した。以下、
図6を参照しながら実施例2の液晶表示装置の製造プロ
セスを説明する。
【0099】マトリックス状に載置された第1の透明電
極群21とこの電極を駆動するトランジスター群22を
有する第1の基板23上、およびカラーフィルター群2
4と第2の透明電極25(共通電極)を有する第2の基
板26上に、それぞれ実施例1と同様にして調製した化
学吸着液を接触させ、更に実施例1の場合と同様にして
液切り乾燥と偏光光照射の一連の処理を行って液晶配向
膜付き基板23、26を作製した。
【0100】この液晶配向膜付き基板23、26の配向
膜の配向特性を、実施例1と同様にして調べたところ、
電極パターンに沿って再配向した液晶配向膜27が作製
できていた。そこで、この液晶配向膜付き基板23、2
6を、液晶配向膜の配向状態がホメオトロピック配向と
なるようにし、かつスペーサ28と接着剤29とで4.
5μmのセルギャップを形成させて重ね合わせて液晶セ
ルを構成した。
【0101】次いで、上記セルギャップ内にネマティッ
ク液晶(Δεが約−3、Δnが約0.09)30を注入
してセルを完全に密閉し、しかる後、偏光板31、32
を組み合わせて液晶表示装置を完成した。
【0102】上記液晶表示装置に於ける液晶分子のプレ
チルト角を磁場スレッショルド法により測定したとこ
ろ、約89.8度であった。また、前記液晶表示装置の
背面からバックライト33を照射しながら、ビデオ信号
を用いて装置を駆動させたところ、矢印Aの方向に鮮明
な映像を表示できることが確認できた。
【0103】(実施例3)上記実施例2と同様にして、
液晶配向膜を基板上に形成した。但し、化学吸着溶液と
しては、フェニルトリクロロシランと上記実施例1で用
いたフッ素系の化学吸着物質(4-(2,2,3,3,3-Pentafluo
ropropyloxy)-4'-(6'-trichlorosilyloxyhexyloxy)chal
cone)とを、混合比9:1で混合した混合溶液を使用し
【0104】上記の様にして作製した液晶配向膜につい
て、プレチルト角をクリスタルローテーション法により
求めた。その結果、プレチルト角は8.5度であった。
【0105】さらに、上記実施例2と同様にして液晶表
示装置を作製した。尚、使用した液晶材料はΔεが約
2.3、Δnが約0.26のネマティック液晶を使用し
た。さらに、この液晶表示装置の背面からバックライト
を照射しながら、ビデオ信号を用いて装置を駆動させた
ところ、鮮明な映像を表示できることが確認できた。
【0106】これにより、2種類の化学吸着材料を混合
することにより、所望のプレチルト角に制御できる液晶
配向膜を供することが可能となり、鮮明な映像が表示可
能な、液晶配向性の良好な液晶配向膜を作製できること
が確認できた。
【0107】(実施例4)仮配向の後に行う紫外偏光光
の照射に際して、偏光板に各々の画素を市松状に4分割
するパターン状のマスクを重ねて1回の露光を行うこと
により、同一画素内でパターン状に配向方向の異なる分
割領域が4箇所設けられたマルチドメインタイプの液晶
配向膜を作製、これ以外の条件については実施例2と同
様にして、実施例3に係るマルチドメインタイプの液晶
表示装置を作製した。
【0108】この液晶表示装置を、上記実施例2と同様
にしてビデオ信号を用いて駆動したところ、実施例2の
場合に比較して視野角の広い画像を表示できることが確
認できた。
【0109】(実施例5)1枚の基板の同一面に互いに
接触しない状態で櫛歯形状にかみ合った2つの櫛歯形電
極を配置し、更にこれらの電極上に実施例1と同様にし
て再配向処理済みの液晶配向膜を形成した。但し、化学
吸着溶液としては、前記実施例1で合成したフッ素系の
化学吸着物質(4-(2,2,3,3,3-Pentafluoropropyloxy)-
4'-(6'-trichlorosilyloxyhexyloxy)chalcone)と、実
施例1で合成したフッ素系の化学吸着物質に於いてフッ
素を含有しない化学吸着物質とを、混合比1:29で混
合した混合溶液を使用した。そして、この液晶配向膜付
き基板に対向基板を重ね合わせ、常法に従って液晶セル
を構成してインプレーンスイッチング(IPS)方式の
液晶表示装置を作製した。
【0110】この液晶表示装置についても、上記実施例
2又は実施例3と同様にしてビデオ信号を用いて画像表
示テストを行った。その結果、視野角を拡大させて画像
を表示できることが確認できた。
【0111】[その他の事項] (1)上記実施例2〜実施例4に於いては、対向する一
対の基板面に液晶配向膜を形成したが、片方の基板面の
みに液晶配向膜を形成してもよい。但し、対向する一対
の基板面の双方に本発明に係る液晶配向膜を形成する
と、配向安定性が一層向上する。
【0112】(2)上記実施例1〜実施例5では、紫外
偏光光として超高圧水銀灯の365nmの光を用いた
が、この波長の光に限られるものではない。上記化学式
(1)に示した新規な化学吸着物質は、図4に示すよう
に、紫外光領域に於ける吸収幅が広いので、各種の紫外
光を使用できる。例えば436nm、405nm、25
4nmや、KrFエキシマレーザーで得られる248n
mの光を用いることも可能である。これらの波長の光の
うち、248nmや254nmの光が、本発明にかかる
化学吸着物質に吸収され易いので、エネルギー配向効率
の点で優れている。
【0113】(3)上記実施例4では、各々の画素を市
松状に4分割するパターン状のマスクを重ねて1回の露
光を行ったが、この方法に代えて液切り乾燥工程と紫外
偏光光照射工程を複数回繰り返す方法を採用することが
できる。具体的には、例えば次のようにすることができ
る。
【0114】N回目(但し、Nは2以上の整数)に於け
る液切り乾燥方向を、(N−1)回目までの液切り乾燥
方向と異ならせると共に、N回目の液切り乾燥に続いて
行うN回目の紫外偏光光の照射に於ける基板上の照射領
域を(N−1)回目までの照射領域と異ならせる。これ
により、1画素に対応する区画を複数かつパターン状に
分割した配向膜分割区画毎に薄膜構成分子の長軸の基板
面に対する傾き及び/又は配向方位を異ならせることが
できる。尚、紫外偏光光の照射領域のみを変えて複数回
の照射を行うこともできるが、液切り乾燥工程と紫外偏
光光照射工程とを繰り返す方法によると、架橋反応方向
を制御し易いので、配向特性や配向安定性に優れた配向
膜が得られる。
【0115】(4)上記実施例1〜実施例5では、洗浄
用溶剤として、水を含まないクロロホルムを用いたが、
洗浄溶剤はこれに限定されるものではない。これ以外に
も、水を含まず化学吸着物質を溶かす種々の溶剤が使用
可能であり、例えば非プロトン系溶媒としては、クロロ
ホルム等の塩素系溶媒、ベンゼン、トルエン等の芳香族
系溶媒、γ−ブチルラクトン等のラクトン系溶媒、酢酸
エチル等のエステル系溶媒が使用可能である。また、プ
ロトン系溶媒としては、メタノール、エタノール等のア
ルコール系溶媒が使用可能である。
【0116】(5)本発明の液晶表示装置では、ネマテ
ィック液晶、スメクティック液晶、ディスコティック液
晶、強誘電性液晶等が使用できるが、分子形状の面から
特にネマティック液晶が好適に使用できる。ネマティッ
ク液晶としては、例えばビフェニル系、ターフェニル
系、アゾキシ系、シッフベース系、フェニルシクロヘキ
サン系、ビフェニルシクロヘキサン系、エステル系、ピ
リミジン系、ジオキサン系、ビシクロオクタン系、キュ
バン系等が挙げられる。
【0117】(6)上記実施例1〜実施例5では、電極
を有する基板の表面に直接、化学吸着物質を接触させる
方法により基板表面に吸着分子集合群(薄膜)を形成し
たが、予め電極を有する基板の表面に親水性基を有する
下地層(他の物質層)を形成し、この下地層を介して基
板面に化学吸着物質を化学結合させてもよい。この方法
は、基板面に親水性基が少ない場合に有効である。下地
層としては、表面にOH基、COOH基、NH2基、N
H基、SH基等の親水性基を有する層を用いることがで
き、より具体的にはSiO2層やTiO2層などを用いる
ことができる。
【0118】(7)上記実施例1〜実施例5では、各実
施例で成膜した液晶配向膜に対して以下に述べる操作を
行うことにより、所望のプレチルト角で液晶分子を配向
制御が可能な配向膜とすることができる。即ち、例えば
実施例3で成膜した液晶配向膜の一部に赤外線をスポッ
ト照射し、その後当該照射部分に対して加熱温度90
℃、処理時間30分間でアニール処理を行うと、液晶配
向膜の一部にプレチルト角約10.3°で液晶分子を配
向させることが可能な領域を形成できた。さらに処理条
件を加熱温度150℃、処理時間30分間とした場合に
は、プレチルト角約11.5°で液晶分子を配向させる
ことが可能な領域を形成できた。
【0119】また、液晶配向膜に於ける液晶配向能の制
御は、上記したアニール処理に限定されるものではな
く、前記実施例1で合成した化学吸着物質とは液晶に対
する親和性が異なる他の化学吸着物質を添加し、かつ両
者の混合割合を種々変えることによっても可能である。
さらに、化学吸着物質を吸着させた基板の洗浄(前記実
施例1に於けるB工程に相当する)で使用する洗浄剤の
種類を変えることによっても可能である。
【0120】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明によると、従
来の有機高分子系の液晶配向膜に比べて格段に薄く、配
向ムラのない均一な液晶配向膜が提供できる。そして、
この液晶配向膜は、吸着分子が電極表面に化学吸着によ
り強力に結合固定され、かつ吸着分子同士が架橋結合さ
れた構造であるので、基板に対する密着性に優れると共
に、熱や擦り等の外的要因によって配向特性が劣化しな
い。更に、吸着分子に於ける膜表面側の末端部分にはパ
ーフルオロメチル基が存在するので、臨界表面張力の極
めて大きい液晶配向膜とすることができ、液晶分子を高
プレチルト角に配向可能である。しかも、吸着分子の個
々が液晶分子の配向制御に関与するので、格段に優れた
配向特性が得られる。
【0121】更に、このような吸着分子の集合群からな
る単分子層状の薄膜は、可視光に対する透過性に優れる
ので光透過を阻害せず、また電気抵抗性が小さいので、
液晶駆動電界を阻害しないという、液晶配向膜として極
めて好都合な性質を有する。
【0122】また、本発明の製造方法によると、液切り
乾燥と偏光光の照射という比較的簡便な手法により、パ
ターン状に分割された分割区画毎に配向方向が異なるマ
ルチドメインタイプの液晶配向膜を確実かつ効率よく製
造できる。そして、このように本発明に係る液晶配向膜
を用いると、広視野角で高画質、高コントラストであ
り、しかも高速応答性にも優れたホメオトロピック配向
モードのマルチドメイン型の液晶表示装置を殆どコスト
増を伴うことなく実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1に於いて合成した最終生成物
1H−NMRスペクトルチャートである。
【図2】上記最終生成物の紫外・可視吸収スペクトルチ
ャートである。
【図3】化学吸着工程を説明する為の概念図である。
【図4】洗浄工程を説明する為の概念図である。
【図5】紫外偏光光照射工程を説明する為の概念図であ
る。
【図6】本発明の実施例2に係る液晶表示装置の断面を
模式的に示した断面図である。
【符号の説明】
1 ガラス基板 2 化学吸着液 3 洗浄液 4 洗浄液からの引き上げ方向 5 液切り乾燥方向 6 紫外偏光光 7 偏光方向 8 透明電極 9 単分子膜 21 第1の透明電極群 22 TFT群 23 第1の基板 24 カラーフィルター群 25 第2の透明電極 26 第2の基板 27 液晶配向膜 28 スペーサー 29 接着剤 30 液晶 31,32 偏光板 33 バックライト
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 野村 幸生 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 武部 尚子 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 上村 強 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (48)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基体表面に直接又は他の物質層を介して
    化学吸着により結合固定された吸着分子の集合群からな
    る有機薄膜であって、 前記吸着分子の集合群には、下記化学式(1)で表され
    る特性基と分子末端基に−O−Si結合基を有する吸着
    分子を含むことを特徴とする有機薄膜。 【化1】
  2. 【請求項2】 上記化学式(1)で表される特性基と分
    子末端部分に−O−Si結合基を有する前記吸着分子
    は、下記化学式(2)で表される化合物であることを特
    徴とする請求項1に記載の有機薄膜。 【化2】
  3. 【請求項3】 前記有機薄膜を構成する吸着分子集合群
    は、所定方向に配向していることを特徴とする請求項1
    又は請求項2に記載の有機薄膜。
  4. 【請求項4】 前記有機薄膜を構成する吸着分子集合群
    は、隣り合う分割領域の吸着分子長軸の基体面に対する
    傾き及び/又は配向方位が異なるように吸着しており、
    前記分割領域は一画素が複数かつパターン状に分割され
    たものであることを特徴とする請求項1又は請求項2に
    記載の有機薄膜。
  5. 【請求項5】 前記有機薄膜を構成する吸着分子相互
    は、上記化学式(1)又は(2)に示されたC’及び/
    又はC”の結合手を介して架橋結合していることを特徴
    とする請求項1ないし請求項4の何れか1つに記載の有
    機薄膜。
  6. 【請求項6】 前記有機薄膜の膜厚は、0.5nm以
    上、10nm未満であることを特徴とする請求項1ない
    し請求項5の何れか1つに記載の有機薄膜。
  7. 【請求項7】 前記有機薄膜は、単分子層状の薄膜であ
    ることを特徴とする請求項1ないし請求項6の何れか1
    つに記載の有機薄膜。
  8. 【請求項8】 前記有機薄膜が、複数種の吸着分子の集
    合群からなることを特徴とする請求項1ないし請求項7
    に記載の有機薄膜。
  9. 【請求項9】 基体表面に直接又は他の物質層を介して
    化学吸着により結合固定された吸着分子の集合群からな
    る有機薄膜の製造方法であって、 下記化学式(1)で表される特性基と分子末端部分に−
    O−Si結合基とを有する化学吸着物質を少なくとも非
    水系溶剤に溶解させて化学吸着液を調製する工程と、 前記化学吸着液を上記基体面に接触させて化学吸着液中
    の化学吸着物質を基体面に化学吸着させる化学吸着工程
    と、 前記化学吸着物質が結合した基体面を洗浄用の非水系溶
    剤で洗浄し、しかる後基体を一定方向に立てて前記洗浄
    液を液切り乾燥する液切り乾燥工程とを備えることを特
    徴とする有機薄膜の製造方法。 【化3】
  10. 【請求項10】 前記液切り乾燥工程の後に、基体面の
    吸着分子に紫外偏光光を照射して、上記化学式(1)の
    炭素・炭素二重結合部分の結合手を介して吸着分子相互
    を架橋結合させる紫外偏光光照射工程を備えることを特
    徴とする請求項9に記載の有機薄膜の製造方法。
  11. 【請求項11】 前記液切り乾燥工程と紫外偏光光照射
    工程とからなる一連の配向処理工程を、前記紫外偏光光
    照射工程の後、再び液切り乾燥工程に戻る方法で、繰り
    返し毎に液切り乾燥方向を異ならせると共に、紫外偏光
    光の照射領域と照射方向、又は照射領域と照射角度、又
    は照射領域と照射方向と照射角度とを異ならせて、複数
    回繰り返して行うことにより、一画素に対応する領域が
    複数かつパターン状に分割された分割領域毎に吸着分子
    長軸の基体面に対する傾き及び/又は配向方位を異なら
    せることを特徴とする請求項10に記載の有機薄膜の製
    造方法。
  12. 【請求項12】 前記洗浄用の非水系溶剤として、非プ
    ロトン系溶剤を用い、未反応な化学吸着物質を基体面か
    ら洗浄し除去して単分子層状の薄膜となすことを特徴と
    する請求項9ないし請求項11に記載の有機薄膜の製造
    方法。
  13. 【請求項13】 前記洗浄用の非水系溶剤として、非プ
    ロトン系溶剤とプロトン系溶剤の混合溶剤を用い、未反
    応な化学吸着物質を基体面から洗浄し除去して単分子層
    状の薄膜となすことを特徴とする請求項9ないし請求項
    12に記載の有機薄膜の製造方法。
  14. 【請求項14】 上記化学式(1)で表される特性基と
    分子末端部分に−O−Si結合基とを有する化学吸着物
    質が、下記化学式(2)で表される化合物であることを
    特徴とする請求項9ないし請求項13の何れか1つに記
    載の有機薄膜の製造方法。 【化4】
  15. 【請求項15】 電極の形成された基板表面に直接又は
    他の物質層を介して化学吸着により結合固定された吸着
    分子の集合群からなる液晶配向膜であって、 前記吸着分子の集合群には、下記化学式(1)で表され
    る特性基と分子末端基に−O−Si結合基を有する吸着
    分子を含まれることを特徴とする液晶配向膜。 【化5】
  16. 【請求項16】 上記化学式(1)で表される特性基と
    分子末端部分に−O−Si結合基を有する前記吸着分子
    は、下記化学式(2)で表される化合物であることを特
    徴とする請求項15に記載の液晶配向膜。 【化6】
  17. 【請求項17】 前記液晶配向膜を構成する吸着分子集
    合群は、所定方向に配向していることを特徴とする請求
    項15又は請求項16に記載の液晶配向膜。
  18. 【請求項18】 前記液晶配向膜を構成する吸着分子集
    合群は、隣り合う分割領域の吸着分子長軸の基板面に対
    する傾き及び/又は配向方位が異なるように吸着してお
    り、前記分割領域は一画素が複数かつパターン状に分割
    されたものであることを特徴とする請求項15又は請求
    項16に記載の液晶配向膜。
  19. 【請求項19】 前記液晶配向膜を構成する吸着分子相
    互は、上記化学式(1)又は(2)に示されたC’及び
    /又はC”の結合手を介して架橋結合していることを特
    徴とする請求項15ないし請求項18の何れか1つに記
    載の液晶配向膜。
  20. 【請求項20】 前記液晶配向膜の膜厚は、0.5nm
    以上、10nm未満であることを特徴とする請求項15
    ないし請求項19の何れか1つに記載の液晶配向膜。
  21. 【請求項21】 前記液晶配向膜は、単分子層状の薄膜
    であることを特徴とする請求項15ないし請求項20の
    何れか1つに記載の液晶配向膜。
  22. 【請求項22】 前記液晶配向膜が、液晶分子に対して
    所望のプレチルト角を発現させる配向膜であることを特
    徴とする請求項15ないし請求項21の何れか1項に記
    載の液晶配向膜。
  23. 【請求項23】 前記液晶配向膜が複数種の吸着分子の
    集合群からなり、当該複数種の吸着分子の構成割合を変
    えることにより、液晶分子を所望のプレチルト角で配向
    させることを特徴とする請求項22に記載の液晶配向
    膜。
  24. 【請求項24】 電極の形成された基板表面に直接又は
    他の物質層を介して化学吸着により結合固定された吸着
    分子の集合群からなる液晶配向膜の製造方法であって、 下記化学式(1)で表される特性基と分子末端部分に−
    O−Si結合基とを有する化学吸着物質を少なくとも非
    水系溶剤に溶解させて化学吸着液を調製する工程と、 前記化学吸着液を上記電極の形成された基板面に接触さ
    せて化学吸着液中の化学吸着物質を基板面に化学吸着さ
    せる化学吸着工程と、 前記化学吸着物質が結合した基板面を洗浄用の非水系溶
    剤で洗浄し、しかる後基板を一定方向に立てて前記洗浄
    液を液切り乾燥する液切り乾燥工程とを備えることを特
    徴とする液晶配向膜の製造方法。 【化7】
  25. 【請求項25】 前記液切り乾燥工程の後に、基板面の
    吸着分子に紫外偏光光を照射して、上記化学式(1)の
    炭素・炭素二重結合部分の結合手を介して吸着分子相互
    を架橋結合させる紫外偏光光照射工程を備えることを特
    徴とする請求項24に記載の液晶配向膜の製造方法。
  26. 【請求項26】 前記液切り乾燥工程と紫外偏光光照射
    工程とからなる一連の配向処理工程を、前記紫外偏光光
    照射工程の後、再び液切り乾燥工程に戻る方法で、繰り
    返し毎に液切り乾燥方向を異ならせると共に、紫外偏光
    光の照射領域と照射方向、又は照射領域と照射角度、又
    は照射領域と照射方向と照射角度とを異ならせて、複数
    回繰り返して行うことにより、一画素に対応する領域が
    複数かつパターン状に分割された分割領域毎に吸着分子
    長軸の基板面に対する傾き及び/又は配向方位を異なら
    せることを特徴とする請求項25に記載の液晶配向膜の
    製造方法。
  27. 【請求項27】 前記洗浄用の非水系溶剤として、非プ
    ロトン系溶剤を用い、未反応な化学吸着物質を基板面か
    ら洗浄し除去して単分子層状の薄膜となすことを特徴と
    する請求項24ないし請求項26に記載の液晶配向膜の
    製造方法。
  28. 【請求項28】 前記洗浄用の非水系溶剤として、非プ
    ロトン系溶剤とプロトン系溶剤の混合溶剤を用い、未反
    応な化学吸着物質を基板面から洗浄し除去して単分子層
    状の薄膜となすことを特徴とする請求項24ないし請求
    項27に記載の液晶配向膜の製造方法。
  29. 【請求項29】 上記化学式(1)で表される特性基と
    分子末端部分に−O−Si結合基とを有する化学吸着物
    質が、下記化学式(2)で表される化合物であることを
    特徴とする請求項24ないし請求項28の何れか1つに
    記載の液晶配向膜の製造方法。 【化8】
  30. 【請求項30】 対向する一対の基板と、前記一対の基
    板のうち少なくとも電極を有する基板の表面に形成され
    た液晶配向膜と、前記対向する一対の基板間に設けられ
    たセルギャップ内に収容された液晶とを備える液晶表示
    装置に於いて、前記液晶配向膜は、電極の形成された基
    板面に直接又は他の物質層を介して化学吸着により結合
    固定されてなる吸着分子の集合群からなり、前記吸着分
    子は、下記化学式(1)で表される特性基と分子末端部
    分に−O−Si結合基とを有するものであることを特徴
    とする液晶表示装置。 【化9】
  31. 【請求項31】 上記化学式(1)で表される特性基と
    分子末端部分に−O−Si結合基とを有する前記吸着分
    子は、下記化学式(2)で表される化合物であることを
    特徴とする請求項30に記載の液晶表示装置。 【化10】
  32. 【請求項32】 前記セルギャップ内に収容された液晶
    分子のプレチルト角及び/又はプレチルト方位は、前記
    吸着分子の長軸の基板面に対する傾き及び/又は配向方
    位により制御されていることを特徴とする請求項30又
    は請求項31に記載の液晶表示装置。
  33. 【請求項33】 前記吸着分子の長軸の基板面に対する
    傾き及び/又は配向方位は、一画素が複数かつパターン
    状に分割された隣り合う分割領域毎で異なることを特徴
    とする請求項32に記載の液晶表示装置。
  34. 【請求項34】 前記液晶表示装置に於ける表示モード
    が、TN(TwistedNematic)モード、STN(Super Tw
    isted Nematic)モード、OCB(Optically self-Comp
    ensated Birefringence)モードまたはVA(Vertical
    Alignment)モードの何れかであることを特徴とする請
    求項30ないし請求項33の何れか1項に記載の液晶表
    示装置。
  35. 【請求項35】 画素電極と対向電極とが同一基板上に
    配置されると共に、前記電極の配置された基板表面に液
    晶配向膜が形成されたインプレーンスイッチング型の液
    晶表示装置に於いて、 前記液晶配向膜は、電極の形成された基板面に直接又は
    他の物質層を介して化学吸着により結合固定されてなる
    吸着分子の集合群からなり、前記吸着分子は、下記化学
    式(1)で表される特性基と分子末端部分に−O−Si
    結合基とを有するものであることを特徴とする液晶表示
    装置。 【化11】
  36. 【請求項36】 上記化学式(1)で表される特性基と
    分子末端部分に−O−Si結合基とを有する前記吸着分
    子は、下記化学式(2)で表される化合物であることを
    特徴とする請求項35に記載の液晶表示装置。 【化12】
  37. 【請求項37】 前記セルギャップ内に収容された液晶
    分子のプレチルト角及び/又はプレチルト方位は、前記
    吸着分子の長軸の基板面に対する傾き及び/又は配向方
    位により制御されていることを特徴とする請求項35又
    は請求項36に記載の液晶表示装置。
  38. 【請求項38】 前記液晶配向膜を構成する吸着分子相
    互は、上記化学式(1)又は(2)に示されたC’及び
    /又はC”の結合手を介して架橋結合していることを特
    徴とする請求項30ないし請求項37の何れか1つに記
    載の液晶表示装置。
  39. 【請求項39】 前記液晶配向膜の膜厚は、0.5nm
    以上、10nm未満であることを特徴とする請求項30
    ないし請求項38の何れか1つに記載の液晶表示装置。
  40. 【請求項40】 前記液晶配向膜は、単分子層状の薄膜
    であることを特徴とする請求項30ないし請求項39の
    何れか1つに記載の液晶表示装置。
  41. 【請求項41】 前記液晶配向膜が、液晶分子に対して
    所望のプレチルト角を発現させる配向膜であることを特
    徴とする請求項30ないし請求項40の何れか1項に記
    載の液晶表示装置。
  42. 【請求項42】 前記液晶配向膜が複数種の吸着分子の
    集合群からなり、当該複数種の吸着分子の構成割合を変
    えることにより、液晶分子を所望のプレチルト角で配向
    させることを特徴とする請求項41に記載の液晶表示装
    置。
  43. 【請求項43】 電極の形成された基板表面に直接又は
    他の物質層を介して化学吸着により結合固定された吸着
    分子の集合群からなる液晶配向膜が設けられた液晶表示
    装置の製造方法であって、 下記化学式(1)で表される特性基と分子末端部分に−
    O−Si結合基とを有する化学吸着物質を非水系溶剤に
    溶解させて化学吸着液を調製する工程と、 前記化学吸着液を上記電極の形成された基板面に接触さ
    せて化学吸着液中の化学吸着物質を基板面に化学吸着さ
    せる化学吸着工程と、 前記化学吸着物質が結合した基板面を洗浄用の非水系溶
    剤で洗浄し、しかる後基板を一定方向に立てて前記洗浄
    液を液切り乾燥する液切り乾燥工程とを備えることを特
    徴とする液晶表示装置の製造方法。 【化13】
  44. 【請求項44】 前記液切り乾燥工程の後に、基板面の
    吸着分子に紫外偏光光を照射して、上記化学式(1)の
    炭素・炭素二重結合部分の結合手を介して吸着分子相互
    を架橋結合させる紫外偏光光照射工程を備えることを特
    徴とする請求項43に記載の液晶表示装置の製造方法。
  45. 【請求項45】 前記液切り乾燥工程と紫外偏光光照射
    工程とからなる一連の配向処理工程を、前記紫外偏光光
    照射工程の後、再び液切り乾燥工程に戻る方法で、繰り
    返し毎に液切り乾燥方向を異ならせると共に、紫外偏光
    光の照射領域と照射方向、又は照射領域と照射角度、又
    は照射領域と照射方向と照射角度とを異ならせて、複数
    回繰り返して行うことにより、一画素に対応する領域が
    複数かつパターン状に分割された分割領域毎に吸着分子
    長軸の基板面に対する傾き及び/又は配向方位を異なら
    せることを特徴とする請求項44に記載の液晶表示装置
    の製造方法。
  46. 【請求項46】 前記洗浄用の非水系溶剤として、非プ
    ロトン系溶剤を用い、未反応な化学吸着物質を基板面か
    ら洗浄し除去して単分子層状の薄膜となすことを特徴と
    する請求項43ないし請求項45の何れか1項に記載の
    液晶表示装置の製造方法。
  47. 【請求項47】 前記洗浄用の非水系溶剤として、非プ
    ロトン系溶剤とプロトン系溶剤の混合溶剤を用い、未反
    応な化学吸着物質を基板面から洗浄し除去して単分子層
    状の薄膜となすことを特徴とする請求項43ないし請求
    項46の何れか1項に記載の液晶表示装置の製造方法。
  48. 【請求項48】 上記化学式(1)で表される特性基と
    分子末端部分に−O−Si結合基とを有する化学吸着物
    質が、下記化学式(2)で表される化合物であることを
    特徴とする請求項43ないし請求項47の何れか1項に
    記載の液晶表示装置の製造方法。 【化14】
JP2000203218A 1999-07-05 2000-07-05 有機薄膜とその製造方法、液晶配向膜とその製造方法、並びに液晶表示装置とその製造方法 Expired - Lifetime JP3497119B2 (ja)

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