JP3537713B2 - 液晶配向膜およびこれを用いた液晶表示装置 - Google Patents

液晶配向膜およびこれを用いた液晶表示装置

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JP3537713B2
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B82NANOTECHNOLOGY
    • B82YSPECIFIC USES OR APPLICATIONS OF NANOSTRUCTURES; MEASUREMENT OR ANALYSIS OF NANOSTRUCTURES; MANUFACTURE OR TREATMENT OF NANOSTRUCTURES
    • B82Y30/00Nanotechnology for materials or surface science, e.g. nanocomposites

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、単分子層状の薄膜
を形成することのできる化学吸着物質を用いた液晶配向
膜およびこのような液晶配向膜を用いた液晶表示装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】液晶表示装置は、マトリックス状に配置
された透明電極とこの透明電極の上に形成された液晶配
向膜とを有する一対の基板を、液晶配向膜面を内側にし
て一定の間隙を持たせて対向させ、この間隙内に液晶が
封入された構造をしている。この構造のカラー液晶表示
装置の一般的な製造方法を説明する。
【0003】画素電極と薄膜トランジスタ(TFT)ア
レイとが形成された第1のガラス基板と、赤青緑のカラ
ーフィルターが形成され、さらにその上に共通透明電極
が形成された第2のガラス基板とを作製する。前記第
1、2の基板の表面に液晶配向性の被膜を形成し、この
被膜にラビングを施して液晶配向性を付与する。次い
で、被膜面を内側にしてスペーサを介在させて両基板面
を対向させ、基板の周縁を接着して空セル(パネル構造
体)を構成する。
【0004】この空セル内に例えばツイストネマチック
(TN)液晶を注入し密閉して液晶セルとなす。このセ
ルの両外面に偏向板を配置するとともに、第1電極の外
側にバックライトを配置して、光学表示装置としての液
晶表示装置を完成する。
【0005】このような構造の液晶表示装置では、スイ
ッチング素子であるTFTで電極間電圧を制御して液晶
の配向状態を変化させ、画素単位で光透過をON/OF
Fし任意の映像を表示させる。よって、電圧無印加時に
おける液晶の配向状態を規制する配向膜は、装置の表示
性能を直接左右する極めて重要な役割を担っている。こ
こで、液晶配向膜の被膜材料としては、従来よりポリイ
ミド膜が広く使用されている。この理由は、ポリイミド
膜は液晶との親和性や耐熱性、基板密着性等に優れるか
らである。
【0006】ポリイミド膜の作製方法としては、ポリイ
ミドの前駆体ポリマーであるポリアミック酸をキシレン
等の有機溶剤に溶解した溶液を基板上に回転塗布した
後、これを焼成してポリアミック酸をイミド化してポリ
イミド膜となす方法と、ポリイミド自身をDMF(N,
N−ジメチルホルムアミド)、DMAc(ジメチルアセ
トアミド)、ブチルセロソルブアセテート、N−メチル
−2−ピロリドン等の有機溶剤に溶解した溶液を基板上
に回転塗布した後、溶剤を蒸発させて被膜となす方法が
用いられている。しかし、このようにして作製されるポ
リイミド膜は、次のような問題点を有している。
【0007】(1)前駆体物質であるポリアミック酸を
用いる製法は、イミド化を十分に行うために250゜C
以上の高温で焼成する必要がある。またポリイミド自体
を用いる製法においても、ポリイミドを溶解させる適当
な低沸点溶剤が存在しないため、溶剤除去に際してかな
りの温度を必要とする。例えば、ポリイミドを溶解させ
る溶剤として上記したDMF、DMAc、ブチルセロソ
ルブアセテート、N−メチル−2−ピロリドン等の有機
溶剤が使用できるが、いずれの溶剤も沸点が高く(それ
ぞれ153℃、165℃、192℃、202℃)、また
可燃性であるので、製膜時に防爆に配慮しつつ溶剤を高
温で蒸発乾燥させる必要がある。このようなことから、
ポリイミド膜の作製には、加熱のために特別の装置を必
要とし、その分、製造コストが高くなる。また、加熱に
よりTFTなどの回路が損傷される恐れもある。
【0008】(2)ポリイミドは製膜性が十分でないの
で、薄くて均一な膜厚の被膜を作製しにくい。このた
め、膜厚の不均一に原因する表示ムラが発生し、また厚
い被膜が絶縁膜として作用するので、低電圧駆動の液晶
表示装置を実現しにくい。
【0009】(3)さらに上記に加えて、配向性を付与
するためのラビング操作において次のような問題が生じ
る。 被膜に凹凸があると凹部が擦れず、特に大面積のパネ
ルであると均一に擦れないため、配向欠陥の発生、表示
ムラの発生、表示焼き付き等の問題が生じる。
【0010】配向膜上に静電気が発生し、この静電気
がTFTの機能を低下させる原因になる。
【0011】更にラビング材(綿布等)からゴミが発
生し、このゴミが表示ムラや基板間隙を変化させたりす
る原因となる。
【0012】他方、上述のようなラビング方式における
問題点を解消することを目的として、非接触式の配向方
式が提案されている。例えば特開平5−53118号公
報では、基板上に感光性組成物の層を形成し、露光およ
び熱処理により組成物層に所定パターンの溝を形成し、
この溝によって配向性を付与する技術が提案されてい
る。しかし、この技術は、溝の形成のために大きな光エ
ネルギーを必要とする。また、均一な溝を形成し難いた
めに、表示ムラの発生等の問題が生じる。更に配向規制
力も十分でない。
【0013】また、特開平7−72483号公報では、
ポリイミドもしくはポリイミド前駆体を含む配向膜形成
用化合物層に直線偏光光を照射してポリイミド等を重合
することにより、配向性を付与する技術が提案されてい
る。しかし、この技術は、有機高分子であるポリイミド
を用いるものであるので、厚い膜厚が液晶駆動電圧の上
昇を招くという課題を解消できない。また、配向膜の基
板に対する固定力が十分でないという問題もある。
【0014】また、特開平7−318942号公報で
は、高分子構造を有する配向膜に斜めから光照射し、配
向膜の分子鎖に新たな結合または分解反応を起こさせて
配向性を有する分子構造となす技術が提案されている。
しかし、この技術もポリイミドやポリビニルアルコー
ル、ポリスチレンなどの有機高分子からなる配向膜を対
象としている。したがって、この技術では膜厚が厚い、
基板固定力が小さい等の上述した課題を解消できない。
またこの技術は、プレチルト角を付与するために配向膜
に対し斜めから光照射するが、斜めから正確に光照射す
るためには精度の高い光照射装置を必要とするので、そ
の分、生産コストが上昇する。
【0015】更に、上記した種々の問題点に加え、ツイ
ストネマチックモードなどの液晶表示装置においては、
視野角が狭いという問題点がある。この問題点に対して
は、例えば特開平5−173135号公報では、配向膜
をある方向にラビングし、さらに当該部分をレジストで
被覆した後、逆方向にラビングするという一連の操作を
繰り返すことにより、微小領域ごとに液晶の配向方向を
異ならせる方法が提案されている。しかし、ラビング法
(接触式)方法において液晶配向方向の異なる複数の区
画を形成するには、分割した区画毎にマスキングを施し
てラビングするという煩雑な作業を繰り返さなければな
らない。このため、この技術によると、配向膜の生産効
率が大幅に低下するとともに、ゴミの発生等に起因する
トラブルが一層深刻になる。
【0016】他方、非接触式の配向方式を応用して、液
晶配向方向を異ならせた複数の領域を形成することも可
能である。しかし、上記各技術(特開平5−53118
号公報など)は上述のごとく膜厚が厚い、基板固定力が
十分でない等の課題を有しているので、これらの技術を
用いてもやはり十分に満足し得る液晶配向膜を提供でき
ない。
【0017】以上を踏まえ、本発明者らは、先にナノメ
ータレベルの膜厚の新規な液晶配向膜を製造する技術を
提案した(特開平3−7913号公報)。この技術は、
シラン系化学吸着物質(界面活性剤ともいう)を基板面
に化学吸着させてなる単分子膜を配向膜として利用する
ものであるが、この技術によると、基板上に結合固定し
た状態の極めて薄い透明な被膜を容易かつ効率的に形成
でき、しかもラビングを施さなくとも液晶分子に対し或
る程度の配向規制力を有する配向膜を提供できる。しか
しながら、この技術は、配向の熱的安定性や配向規制力
の強さ等に関し改善の余地を残していた。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記した問
題点を一挙に解消しようとするものであり、本発明の目
的は、ナノメータレベルの極めて薄い薄膜で、基板に均
一かつ強力に固定でき、配向の熱安定性や配向規制力に
優れるとともに広い視野角を持ち、しかも生産性よく製
造できる新規な液晶配向膜とそのような液晶配向膜を用
いた液晶表示装置を提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明の液晶配向膜は、電極の形成された基板表面に
直接または他の物質層を介して化学吸着された吸着分子
の集合群からなる液晶配向膜であって、前記吸着分子が
化8で表される特性基と分子末端部分にSiを有するも
のであることを特徴とする。
【0020】
【化8】
【0021】上記構成の液晶配向膜は、一端(Si側
が基板に化学結合し、他端が基板面から離れる方向に突
出した状態で基板面に沿って配列した吸着分子の集合群
からなる。このような吸着分子の集合群からなる薄膜で
は、吸着分子の個々が化学結合により基板に強固に結着
しているので基板から被膜が剥離するといったことがな
い。また、このような薄膜では、吸着分子相互の隙間
(谷間)に液晶分子が入り込むことができ、この際、液
晶分子の基板に対する傾き(プレチルト角)や配向方位
(プレチルト方位)が、吸着分子の基板に対する傾き及
び/又は配向方位(以下、これらを配向方向と総称す
る)に規制される。よって、上記構成によると、個々の
吸着分子が液晶分子に配向規制力を及ぼすことができる
ミクロ構造の液晶配向膜を構成できる。このような配向
膜は、膜厚との関係における配向効率が極めて高いとと
もに、極薄の薄膜であるので、光透過性や耐久性に優れ
る。しかも電気抵抗膜としての作用が小さいので液晶駆
動のための電界を阻害しない。
【0022】以上から、上記構成によると、液晶表示装
置の表示特性、例えば輝度やコントラスト比等を高める
ことができ、また低電圧で液晶を駆動することのできる
液晶配向膜を実現することができる。
【0023】上記構成の液晶配向膜におけるSiと化8
で表される特性基とを含む吸着分子としては、例えば化
9で表される化学構造を有する化合物が挙げられる。化
9の化合物からなる吸着分子は、直鎖状の炭化水素基に
より分子長が適度な長さになっているので、液晶分子を
配向規制するのに都合がよい。また、Siを介して基板
と強固に結合し、更にSiの残余の結合手を介して吸着
分子同士が結合している。よって、基板に対する結着性
に優れかつ被膜自体の耐久性にも優れる。
【0024】
【化9】
【0025】ところで、液晶配向性の面や架橋反応性の
面から、吸着分子の分子長が適度な長さである必要があ
る。なぜなら、架橋反応が効率よく進行するためには、
光感応部分が接触ないし近接している必要があるが、n
が小さくなると(例えば5未満になると)、吸着分子が
基体に対して立ち上がる割合または立ち上がる角度が小
さくなる。つまり、基材に対し寝た状態の分子が多くな
るので、炭素炭素二重結合部分(光感応部分)における
接触度合いが減少し、架橋反応率が小さくなるからであ
る。
【0026】その一方、nが大きくなると(例えば10
を越えると)、基材面との関係における分子の自由度が
大きくなりすぎ、この場合にも吸着分子同士の光感応部
分の接触度合いが低下する。よって、この場合も架橋反
応効率が低下するので、この結果として架橋率が小さい
被膜が形成されることになる。したがって、炭化水素記
(CH2 )nのnを1〜20とする。但し、架橋反応性
の面からは、n=3〜16が好ましく、より好ましくは
n=5〜10とするのがよい。
【0027】前記液晶配向膜を構成する吸着分子集合群
は、所定方向に配向させたものとすることができ、この
ようにすることにより、均一な液晶配向性が得られる。
【0028】また、上記構成においては、一画素領域が
複数かつパターン状に分割された分割領域を最小単位と
し、かつ隣り合う分割領域では吸着分子長軸の基板面に
対する傾き及び/又は配向方位が異なった液晶配向膜と
することができる。この構成であると、透過光が一画素
内で複数の異なる角度の光の束とできるので、液晶表示
装置における視野角依存性の問題が解消される。
【0029】また、上記構成においては、吸着分子集合
群の吸着分子相互が上記化8または化9に示された炭素
C’および/または炭素C”の結合手を介して架橋結合
された構成とすることができる。吸着分子同士が架橋結
合した吸着分子集合体では、吸着分子相互が架橋結合に
より強固に固定されているので、吸着分子の傾きや配向
方位が擦りや熱などの外的刺激によって変化しない。よ
って、信頼性の高い液晶配向膜が得られる。
【0030】また、上記構成においては、液晶配向膜の
膜厚を0.5nm以上、10nm未満とすることができ
る。この範囲の膜厚であると、膜厚との関係における配
向効率が高いとともに、無用に光透過や電界を阻害しな
い。よって、液晶配向膜としての有用性が一段と高ま
る。
【0031】また、上記構成においては、液晶配向膜を
単分子層状の薄膜からなるものとすることができる。単
分子層状であると、吸着分子の個々が液晶分子の配向に
直接的に関与できるので、膜厚との関係からする液晶配
向効率が格段に向上する。
【0032】次ぎに、本発明液晶配向膜の製造方法につ
いて説明する。本発明液晶配向膜の製造方法は、下記化
10で表される化学吸着物質を非水系溶剤に溶解して化
学吸着液を作製する工程と、前記化学吸着液を画素電極
の形成された基板面に接触させて化学吸着液中の化学吸
着物質を基板面に化学吸着させる化学吸着工程と、前記
化学吸着物質の結合した基板面を洗浄用の非水系溶剤で
洗浄し、しかる後に基板上の洗浄液を一定方向に液切り
乾燥する液切り乾燥工程と、を備えることを特徴とす
る。
【0033】
【化10】
【0034】上記製造方法は、更に前記液切り乾燥工程
の後に、基板面の吸着分子に紫外偏光光を照射して、前
記化10の炭素・炭素二重結合部分の結合手を介して吸
着分子相互を架橋結合させる紫外偏光光照射工程を備え
たものとすることができる。
【0035】また、前記液切り乾燥工程と紫外偏光光照
射工程とからなる一連の配向処理工程を、前記紫外偏光
光照射工程の後、再び液切り乾燥工程に戻る方法で複数
回繰り返し、繰り返しごとに液切り乾燥方向を異ならせ
るとともに、紫外偏光光の照射領域と照射方向、または
照射領域と照射角度、または照射領域と照射方向と照射
角度を異ならせることにより、一画素に対応する領域を
複数かつパターン状に分割した分割領域ごとに吸着分子
長軸の基板面に対する傾き及び/又は配向方位を異なら
せる構成とすることができる。この構成によると、マル
チドメイン配向の液晶配向膜を確実かつ生産性よく製造
することができる。
【0036】また、前記洗浄用の非水系溶剤として、非
プロトン系溶剤を用い、未反応な化学吸着物質を基板面
から洗浄し除去して、単分子層状の薄膜となす構成とす
ることができる。
【0037】また、前記洗浄用の非水系溶剤として、非
プロトン系溶剤とプロトン系溶剤の混合溶液を用いて未
反応な化学吸着物質を基板面から洗浄し除去して、単分
子層状の薄膜となす構成とすることができる。非プロト
ン系溶剤とプロトン系溶剤とを混合すると、化学吸着物
質に対する溶解能や蒸発速度を適度に調整できる点で好
ましい。
【0038】更に、前記化10で表される化学吸着物質
を、化11で表される化合物とすることができる。化1
0におけるAを(CH2)n −O−(但し、nは1〜20
の整数)とした化11で表される化合物は、炭素・炭素
二重結合部分の光感応性が高く、また液晶分子を配向さ
せるのに都合がよい形状(直鎖状で分子長が適当)であ
るので、液晶配向膜材料として好ましい。但し、より好
ましくは化11のnを5〜10とし、Xを塩素とするの
がよい。
【0039】
【化11】
【0040】ここで、上記構成の製造方法の意義を説明
する。上記化10(又は化11)で表される化学吸着物
質の溶液を基板に接触させると、SiX3 部分で化学吸
着物質が基板表面の親水性基に化学吸着(通常、シロキ
サン結合)し、吸着分子群で構成された薄膜が形成され
る。この薄膜は、吸着分子長軸方向の一端(Si側)が
基板面に結合し、他端が基板と離れる方向に配向した吸
着分子の集合群からなるが、このような薄膜であると、
液晶分子が吸着分子相互の隙間(谷間)に入り込むこと
ができる。そして、隙間に入り込んだ液晶分子は、吸着
分子の基板に対する配向方向に規制される。よって、吸
着分子の配向方向を規定することにより、液晶分子の基
板に対する傾き(プレチルト角)や配向方位(プレチル
ト方位を制御できることになる。
【0041】他方、上記化10または化11で表される
化合物は、可視光領域で透明で安定であるが、炭素・炭
素二重結合部分は紫外光に対する感応性が高い。よっ
て、化学吸着物質を基板に化学吸着させた後に紫外光を
照射することにより、炭素・炭素二重結合部分で吸着分
子相互を架橋結合させることができ、更にこの際、紫外
偏光光を用いると架橋結合の方向が偏光光の偏光方向に
対応する一定の方向に制御される。そして、偏光光の照
射により基板面の吸着分子が再配向され、この再配向は
分子相互が架橋結合されてなるものであるので、熱や擦
り等の外部至刺激によって変化しない。
【0042】上記製造方法の意義を更に説明する。上記
本発明製造方法にかかる液切り乾燥工程においては、先
ず洗浄操作により、過剰に存在する未吸着の化学吸着物
質を基板面から除去するとともに、液切り乾燥により洗
浄液を乾燥し除去する。この一連の操作により、吸着分
子が液切り乾燥方向に配向した単分子層状の薄膜を形成
させることができる。この液切り乾燥による吸着分子の
配向状態は、再度の液切り乾燥によって変化させること
ができるので、本明細書ではこの配向を仮配向と称す
る。
【0043】液き切りの方法としては、例えば洗浄液中
に漬けた基板を所定の角度に立てて引き上げる方法、ま
たは基板面に対し所定の方向から気流を当てる方法等が
挙げられる。また、上記紫外偏光光照射工程において
は、仮配向させた薄膜面(吸着分子集合群)に紫外偏光
光を照射するが、化10で表される特性基を含む吸着分
子は光感応性が高いので、紫外偏光光の照射により、炭
素・炭素二重結合部分で分子相互が反応して、当該炭素
の結合手を介して吸着分子同士が偏光方向に対応する一
定方向に架橋結合する。
【0044】ここで、その理由が十分に明らかになって
いないが、液切り乾燥法により仮配向させた後に紫外偏
光光を照射すると、架橋結合が一定方向に円滑に進行
し、紫外偏光光による配向処理効果が高まる。この場
合、偏光光の偏光方向としては仮配向方向と一致させて
もよく、また仮配向方向と異なる方向としてもよい。い
ずれの場合においても偏光光の照射により吸着分子が偏
光方向に対応する一定方向に再配向する。但し、液切り
方向と偏光方向とを完全に90゜で交差させるのは好ま
しくない。完全に90゜で交差させた場合、個々の分子
がランダムな2方向に向いてしまう恐れがあるからであ
る。よって、液切り方向と偏光方向とは、数度以上ずら
すのが好ましい。
【0045】なお、本明細書では、液切り乾燥法による
配向と、紫外偏光光の照射による配向とを区別するため
に、前者を仮配向、後者を再配向と称する。また、基板
に化学吸着した化合物分子を吸着分子と称し、吸着前の
ものを化学吸着物質と称する。
【0046】ところで、本発明にかかる液晶配向膜と従
来の液晶配向膜との違いは次のようである。長い主鎖が
絡み合った状態で蜜に構成された従来の液晶配向膜(例
えば前記ポリアミドからなる高分子膜等)では、表面部
分のみが液晶の配向に寄与できるに過ぎないため、十分
な配向規制力を得難い。またラビングにより配向性を付
与する従来の配向膜では、熱や擦れ等の外部刺激が加わ
ると配向性が変化または劣化してしまう。更にポリアミ
ド等の高分子膜は、膜厚が厚く、しかも電気抵抗性が高
いので、光透過や液晶駆動における阻害要因となる。
【0047】他方、単分子層状の薄膜からなる液晶配向
膜であっても、吸着分子相互が架橋していない配向膜
は、配向安定性が不十分である。例えば上記した特開平
3−7913号公報に記載した化学吸着物質は、光反応
性基を有しないので、吸着分子相互を化学的に連結でき
ないので、この物質を用いてなる液晶配向膜は、200
℃前後の熱が加わると配向特性が劣化し易い。なお、基
板面に吸着分子が化学吸着してなる本発明の液晶配向膜
の厚みは、概ね吸着分子の分子長(ナノメートルレベ
ル)であることが確認されている。
【0048】上記液晶配向膜を用いた本発明液晶表示装
置について説明する。本発明液晶表示装置は、対向する
一対の基板と、前記一対の基板のうち少なくとも電極を
有する基板の表面に形成された液晶配向膜と、前記対向
する一対の基板間に設けられたセルギャップ内に収容さ
れた液晶と、を備える液晶表示装置において、前記液晶
配向膜が、電極の形成された基板面に直接または他の物
質層を介して化学吸着されてなる吸着分子の集合群から
なり、前記吸着分子の集合群が、分子末端部のSiと
化12で表される特性基とを含むものであることを特徴
とする。
【0049】
【化12】
【0050】上記構成において、化12で表される特性
基と分子末端部分にSiを有する前記吸着分子を、化1
3で表される化合物とすることができる。
【0051】
【化13】
【0052】また、前記セルギャップ内に収容された液
晶分子のプレチルト角及び/又はプレチルト方位が、前
記吸着分子の長軸の基板面に対する傾き及び/又は配向
方位により制御された構成とすることができる。
【0053】また、上記構成の液晶表示装置において
は、前記吸着分子の長軸の基板面に対する傾き及び/又
は配向方位を、一画素に対応する領域を複数かつパター
ン状に分割した隣合う分割領域ごとで異ならせた構成と
することができる。
【0054】また、画素電極と対向電極とが同一基板上
に配置されるとともに、前記電極の配置された基板表面
に液晶配向膜が形成されてなるインプレーンスイッチン
グ型の液晶表示装置において、前記液晶配向膜が、電極
の形成された基板面に直接または他の物質層を介して化
学吸着されてなる吸着分子の集合群からなり、前記吸着
分子の集合群が、分子末端部のSiと、化12で表され
る特性基とを含むものとすることができる。更にこの分
子末端部のSiと化12で表される特性基とを含むもの
としては、上記化13で表される化合物とすることがで
きる。
【0055】また、上記液晶表示装置(インプレーンス
イッチング型を含む、以下同様)における前記セルギャ
ップ内に収容された液晶分子のプレチルト角及び/又は
プレチルト方位が、前記吸着分子の長軸の基板面に対す
る傾き及び/又は配向方位により制御された装置とする
ことができる。
【0056】また、前記液晶配向膜を構成する吸着分子
相互が、上記化12(または上記化13)に示す炭素
C’および/または炭素C”の結合手を介して架橋結合
されたものとすることができる。
【0057】また、前記液晶配向膜の膜厚を、0.5n
m以上、10nm未満とすることができる。
【0058】また、前記液晶配向膜を、単分子層状の薄
膜とすることができる。単分子層状の極薄の薄膜である
と、液晶駆動のための電界を阻害する程度が極めて小さ
いとともに、光透過経路に配置しても光透過を阻害しな
い。よって、低電圧で駆動できかつ輝度に優れた液晶表
示装置が実現できる。
【0059】ところで、理想的な単分子層は、個々の構
成分子が基板面と沿って並び、分子の重なりがない層を
意味する。しかし、完全な単分子層を形成することは現
実的に容易ではないし、完全な単分子層でなくとも、本
発明の課題を十分に達成することができる。よって、本
発明でいう単分子層状の薄膜とは、概ね単分子層と認識
できる程度の薄膜でよい。例えば基板に吸着した吸着分
子の上に未吸着の分子が乗っかり複数分子層となった部
分があってもよく、また自らは直接基板に結合固定され
ていないが直接固定された分子に結合し、更には直接固
定されていない前記分子に更に他の分子が結合する形で
複数の分子が連なり、複数分子からなる層を形成するこ
とがあるが、本発明にいう単分子層状の薄膜には、この
ような複数分子からなる層を部分に含むものをも含む。
【0060】また上記では、1種類の化学吸着物質のみ
で組成された吸着分子の集合体を前提にして説明した
が、本発明にかかる吸着分子に他の吸着物質やその他の
添加剤が混合されたものであってもよい。
【0061】
【実施の形態】本発明の実施の形態を実施例に基づいて
具体的に説明する。 (実施例1) (1)化学吸着物質の合成 初めに、下記反応工程1〜3に従って本実施の形態で使
用した新規な化学吸着物質の合成方法について説明す
る。この化学吸着物質は、カルコン骨格基とカルコン骨
格基のベンゼン環の4位にエーテル結合した直鎖状の炭
化水素基(CH26 とこの炭化水素基にエーテル結合
したSiCl3 基を有する化14の化合物である。
【0062】
【化14】
【0063】反応工程1:10L反応コルベンに4−Hydr
oxybenzaldehyde 200g(1.64mol) 、Acetophenone
196.8g(1.64mol) 、エタノール1.8Lを仕込
み、溶液温度を5℃以下とし、10wt%水酸化ナトリウ
ム水溶液3.3Lを2.5時間かけて滴下した。その
後、溶液温度を室温まで戻し、3日間攪拌を行って各成
分を反応させた。
【0064】上記反応液を氷水5L中に注入し、1N塩
酸6.5Lを加えた後、酢酸エチル抽出を行った。この
酢酸エチル抽出液を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグ
ネシウムで脱水を行った後、酢酸エチルを留去して固形
物を得た。この後、この固形物をクロロホルムで洗浄
し、乾燥させて73.8gの精製品を得た。この反応の
反応式を図1(a)に示した。この反応における収率は
20.1%であった。
【0065】反応工程2:アルゴン気流下、3Lの反応
コルベンに4−Hydroxychalcone 73.8g(0.329 mol
)、dry DMF1Lを仕込み、氷冷下、60wt%濃
度の水素化ナトリウム水溶液13.2g(0.329 mol )を
25分かけて加えた。その後、反応液を加温し室温に戻
して2時間攪拌した。
【0066】更に室温にて、6-Chlorohexanol 45g
(0.329 mol )を30分かけて滴下した後、80℃に加熱
して4時間反応を続行した。この後、反応液を氷水中に
注入し、酢酸エチル抽出を行い、この抽出液を水洗し、
硫酸マグネシウムで脱水し、更に溶媒を留去して、粗結
晶を得た。
【0067】この粗結晶をヘキサン/酢酸エチル=5/
3(容量比)を用いて再結晶し、70gの精製品を得
た。この反応式を図1(b)に示した。この反応におけ
る収率は65.6%であり、精製品の純度を高速液体ク
ロマトグラフィーで調べたところ98%であった。
【0068】反応工程3:アルゴン気流下、500ml
反応コルベンに4−(6−hydroxyhexyloxy)chalcone
60g( 0.185 mol ) 、四塩化ケイ素240g( 1.4 mo
l ) を仕込み、室温にて2時間攪拌して両成分を反応さ
せた。この後、過剰の四塩化ケイ素を留去して80gの
最終目的生成物を得た。この反応の反応式を図1(c)
に示した。
【0069】上記の各生成物については、赤外線吸収ス
ペクトル、MSスペクトル、 1HNMRスペクトルを測
定して解析した。その結果、それぞれの反応工程におい
て目的とする化合物が得られていることが確認できた。
図2に最終生成物の 1HNMRスペクトルを示すが、図
2の各ピークは最終生成物が前記化10で表される化学
構造を有するものであることを裏付けている。
【0070】他方、上記最終生成物をクロロホルムに溶
解し、紫外・可視吸収スペクトルを測定した結果を図3
に示す。図3より、最終生成物は、紫外光領域である3
44nmに最大吸収ピークを有するが、可視光領域には
吸収ピークを有しない。このことから、上記クロロシラ
ン系化学吸着物質は、可視光に対する感応性が低く、3
44nmの紫外光に対する感応性が高い物質であること
が確認できた。
【0071】この化合物は、可視光領域に近い長波長側
に紫外光吸収ピークを有するが、このような光吸収特性
を有する化学吸着物質であると、架橋反応させるのに都
合がよい。この理由としては、365nmに吸収ピーク
を有する汎用型紫外ランプを用いて架橋反応を行うこと
ができること、及び長波長側紫外光であると、架橋反応
時に副反応(分解反応)が生じにくいので、良質な被膜
を得やすいことなどが挙げられる。
【0072】尚、 1HNMRスペクトル分析は日立製作
所製のR−1200、IRスペクトル分析は島津製作所
製のFTIR4300、UV/VISスペクトル分析は
島津製作所製のUV−240をそれぞれ用いて行った。
【0073】ここで、上記では、化14で表される具体
的化合物の合成方法を示したが、例えば、図1(c)の
反応において、HO−(CH2 6 −OHに代えて、H
O−(CH2 )n−OH(n=1〜20)を用い、また
図1(d)の反応において、SiCl4 に代えてSiX
4 (Xはハロゲン)を用いることにより、上記一般式
(化11)で表される化学吸着物質を合成できる。
【0074】但し、本発明液晶配向膜に使用できる化学
吸着物質は、化11で表される化合物に限られるもので
はない。例えば上記化11に示す化学式の(CH2 )n
に代えて、炭化水素基の一部に炭素炭素二重結合若しく
は炭素炭素三重結合を含む2価の官能基としたもの、或
いは炭化水素基の水素が他の官能基(例えばメチル基、
ハロゲン化メチル基、水酸基、シアノ基等)および/ま
たは原子(例えばFCl、Br、I等)に置換された2
価の官能基、或いは炭化水素基のC−C結合の一部がC
−O−C(エーテル)結合若しくはC−CO−C−(カ
ルボニル)結合置換された2価の官能基などとした化合
物であってもよい。
【0075】(2)液晶配向膜の作製 図4、図5を参照しながら液晶配向膜の作製方法につい
て説明する。表面に透明電極の形成されたガラス基板
(水酸基を多数含む)の表面をよく洗浄し脱脂して、ガ
ラス基板1となした。他方、良く脱水したシロキサン系
溶媒(信越化学社製、KF96L)とクロロホルムの混
合溶媒に、上記で合成したシラン系化学吸着物質を約1
重量%濃度に溶解した。この溶液を化学吸着液2とし
た。
【0076】次いで、図4に示すようにして、相対湿度
30%以下の乾燥雰囲気中で化学吸着液2の中に基板1
を1時間程度浸漬した(A工程)。その後、図5に示す
ようにして、基板1を良く脱水したクロロホルム3(非
プロトン系溶媒)中に出し入れして基板表面を洗浄した
(B工程)。しかる後にこの基板1を矢印4方向に引き
上げ、乾燥雰囲気中でこの状態で垂直に立てて洗浄液を
液切り乾燥した(C工程)。次いで、基板1の表面を湿
度を含む空気(相対湿度50〜80%)に暴露した(D
工程)。
【0077】上記工程の化学的意義は次の通りである。
化学吸着液2に基板1を浸漬するA工程は、クロロシラ
ン系化学吸着物質のSiCl基と基板表面の水酸基とを
脱HCl反応させる工程である。この工程により、クロ
ロシラン系化学吸着物質が基板1の表面に強固に結合す
る。化学吸着液2から引き上げた基板1をクロロホルム
3で洗浄するB工程は、未反応な化学吸着物質を基板面
から除去するための工程である。この工程は、単分子層
状の薄膜を形成するのに必要な工程である。
【0078】また上記洗浄後に行う液切り乾燥工程(C
工程)は、吸着分子を一定方向に配向させる工程であ
る。薄膜表面に洗浄液が残留している基板を一定方向に
立てて洗浄液を液切り乾燥すると、液切り乾燥方向に沿
って吸着分子が仮配向する。なお、図5の洗浄後に引き
上げた基板1をそのまま垂直に立てかけるときにおける
液切り乾燥方向は、矢印5の方向となる。
【0079】また液切り乾燥後の基板面を湿度を含む空
気に暴露するD工程は、SiCl基の残りのClを空気
中の水分と反応させる脱HCl反応工程である。この反
応により吸着分子同士がシロキサン結合することにな
る。
【0080】以上の一連の処理工程により、基板表面の
水酸基にクロロシラン系化学吸着物質がシロキサン結合
してなる単分子膜9(仮配向状態)を形成した。この単
分子膜9は、化15に示す化学結合単位により構成され
た単分子層状の薄膜である。なお、化学吸着液2中に基
板1を浸漬する方法に代えて、基板1の表面に化学吸着
液2を塗布する方法を採用してもよい。
【0081】
【化15】
【0082】上記で作製した単分子膜9の膜厚をエリプ
ソメーター(屈折率を1.45とする)で測定したとこ
ろ、約2、5nmであった。
【0083】また、単分子膜9の配向状態をテストセル
により調べた。テストセルは、単分子膜9付きの基板を
2枚作製し、各々の膜面を内側にし、液切り方向が反対
向き(アンチパラレルな状態)になるようにして約12
μmの間隙をとって重ね合わせ、周囲を封止した後、前
記間隙内にネマチック液晶(メルク (株) 社製ZL14
792)を注入する方法で作製した。そして、このセル
の両外側面に偏光板を配置し、一方面から可視光を透過
させ、他方面で透過光を観察する方法により液晶分子の
配向を調べた。その結果、液晶分子は液切り乾燥方向に
沿って配向していることが確認された。
【0084】〔偏光光の照射工程〕図6を参照しなが
ら、単分子膜9に対する再配向処理である偏光光照射工
程を説明する。図6中、5は液切り乾燥法方向、6は紫
外偏光光、7は偏光方向、8は透明電極、9は吸着分子
集合群(単分子膜)を示す。図6に示すように、単分子
膜9に対し偏光方向6が液切り方向5とほぼ平行方向に
向くようにグランティラー型偏光子をセットし、500
Wの高圧水銀灯の365nmの紫外光8(偏光膜透過後
2.1mW/cm2 )を480mJ照射した。
【0085】上記で紫外光8を照射した単分子膜の化学
的性状を、FT−IR(Fourier transform infrared s
pectroscopy)を用いて調べたところ、偏光方向とこれに
直交する方向とではIR吸収に差が認められ、偏光方向
におけるIR吸収がこれに直交する方向よりも顕著に減
少していることが認められた。IR吸収の減少は、カル
コン骨格の感光基(炭素・炭素二重結合)が偏光方向の
光エネルギーを受けて架橋結合したことを意味するの
で、この結果より紫外偏光光の照射により架橋結合させ
ることができることが確認された。
【0086】なお、FT−IR分析では、分子相互の結
合方向を明確にすることはできなかった。しかし、吸着
分子相互が一定方向に架橋結合していることは明白であ
り、架橋結合により、吸着分子相互の関係が立体構造的
に安定となる。つまり、再配向処理後の単分子膜(液晶
配向膜)は、上記仮配向状態よりも安定な配向状態とな
っている。
【0087】次ぎに、再配向後の液晶配向膜付き基板を
用いて、上記テストセルと同様な手法で液晶セルを作製
し、この液晶セルを用いて液晶配向テストを行った。そ
の結果、電圧無印加時にはセル内を十分な光が透過した
が、電極に電圧(3V)を印加することにより光透過が
阻止できることが確認できた。これは、電圧印加により
ホモジニアス配向がホメオトロピック配向に変化したか
らである。また、光学的なクリスタルローテーション法
を用いてプレチルト角を測定したところ、偏光方向に沿
ってプレチルト角約2゜で配向していた。
【0088】更に、偏光照射後の液晶配向膜付き基板を
約200℃で1時間加熱し、この基板を用いて上記と同
様にしてテスト用セルを作製し液晶分子の配向方向を調
べたところ、加熱しない液晶配向膜付き基板における場
合とほぼ同様の配向性を示した。この結果により再配向
処理済の液晶配向膜は、熱的に安定であることが確認で
きた。
【0089】以上の結果より、上記化15で表される化
学結合単位を有する吸着分子の集合群に、仮配向処理に
加え架橋結合を伴う再配向処理を施すと、吸着分子同士
が一定方向に架橋結合され液晶配向膜が形成でき、この
配向膜は熱等の外部刺激に対し安定であるとともに、コ
ントラスト比が高いことが確かめられた。なお、吸着分
子同士の架橋結合は、カルコン骨格の炭素・炭素二重結
合部分の結合手を介してなされるものである。
【0090】(実施例2)実施例2では、マトリックス
状に画素電極が配置された基板を用い、上記実施例1と
同様な方法で液晶配向膜を形成し、この液晶配向膜付き
基板を用いて液晶表示装置を作製した。以下、図7を参
照しながら実施例2の液晶表示装置の製造プロセスを説
明する。
【0091】マトリックス状に配置された第1の透明電
極群21とこの電極を駆動するトランジスター群22を
有する第1の基板23上、およびカラーフィルター群2
4と第2の透明電極25(共通電極)を有する第2の基
板26上に、それぞれ実施例1と同様にして調製した化
学吸着液を接触させ、更に実施例1の場合と同様にして
液切り乾燥と偏光光照射の一連の処理を行って液晶配向
膜付き基板23、26を作製した。
【0092】この液晶配向膜付き基板23、26の配向
膜の配向特性を、実施例1と同様にして調べたところ、
電極パターンに沿って再配向した液晶配向膜27が作製
できていた。そこで、この液晶配向膜付き基板23、2
6を、液晶配向膜の配向方向を90度ツイスト配向とな
るようにし、かつスペーサー28と接着剤29とで4.
5ミクロンのセルギャップを形成させて重ね合わせて液
晶セルを構成した。
【0093】次いで、上記セルギャップ内にTN液晶
(ZLI4792;メルク社製)30を注入してセルを
完全に密閉し、しかる後、偏光板31、32を配置して
液晶表示装置を完成した。
【0094】上記液晶セルにおける液晶のプレチルト角
を測定したところ、5゜であった。また、上記装置の背
面からバックライト33を照射しながら、ビデオ信号を
用いて装置を駆動させたところ、矢印Aの方向に鮮明な
映像を表示できることが確認できた。
【0095】(実施例3)仮配向の後に行う紫外偏光光
の照射に際して、偏光板に各々の画素を市松状に4分割
するパターン状のマスクを重ねて1回の露光を行うこと
により、同一画素内でパターン状に配向方向の異なる分
割領域が4箇所設けられたマルチドメインタイプの液晶
配向膜を作製し、これ以外の条件については実施例2と
同様にして、実施例3にかかるマルチドメインタイプの
液晶表示装置を作製した。
【0096】この表示装置を、上記実施例2と同様にし
てビデオ信号を用いて駆動したところ、実施例2の場合
に比較して視野角の広い画像を表示できることが確認で
きた。
【0097】(実施例4)1枚の基板の同一面に互いに
接触しない状態で櫛形状にかみ合った2つの櫛形電極を
配置し、さらにこれらの電極上に実施例1と同様にして
再配向処理済の液晶配向膜を形成した。そして、この液
晶配向膜付き基板に対向基板を重ね合わせ、常法に従っ
て液晶セルを構成してインプレーンスイッチング(IP
S)方式の液晶表示装置を作製した。
【0098】この液晶表示装置についても、上記実施例
2または3と同様にしてビデオ信号を用いて画像表示テ
ストを行った。その結果、視野角の広い画像が表示でき
ることが確認できた。
【0099】〔その他の事項〕 (1)上記実施例2、3では、対向する一対の基板面に
液晶配向膜を形成したが、片方の基板面のみに液晶配向
膜を形成してもよい。ただし、対向する一対の基板面の
双方に本発明にかかる液晶配向膜を形成すると、配向安
定性が一層向上する。
【0100】(2)上記実施例1〜4では、紫外偏光光
として超高圧水銀灯の365nmの光を用いたが、この
波長の光に限られるものではない。化14等に示した新
規な化学吸着物質は、図3に示すように、紫外光領域に
おける吸収幅が広いので、各種の紫外光を使用できる。
例えば、436nm、405nm、254nmや、Kr
Fエキシマレーザーで得られる248nmの光を用いる
こともできる。
【0101】(3)上記実施例3では、各々の画素を市
松状に4分割するパターン状のマスクを重ねて1回の露
光を行ったが、この方法に代えて液切り乾燥工程と紫外
偏光光工程を複数回繰り返す方法を採用することができ
る。具体的には例えば次のようにすることができる。
【0102】N回目(但しNは2以上の整数)における
液切り乾燥方向を、〔N−1〕回目までの液切り乾燥方
向と異ならせるとともに、N回目の液切り乾燥に続い行
うN回目の紫外偏光光の照射における基板上の照射領域
を、〔N−1〕回目までの照射領域と異ならせる。これ
により、1画素に対応する区画を複数かつパターン状に
分割した配向膜分割区画ごとに薄膜構成分子の長軸の基
板面に対する傾き及び/又は配向方位を異ならせること
ができる。なお、紫外偏光光の照射領域のみを変えて複
数回の照射を行うこともできるが、液切り乾燥工程と紫
外偏光光工程を繰り返す方法によると、架橋反応方向を
制御し易いので、配向特性や配向安定性に優れた配向膜
が得られる。
【0103】(4)上記実施例1〜4では、洗浄用溶剤
として、水を含まないクロロホルムを用いたが、洗浄溶
剤はこれに限られるものではない。これ以外にも、水を
含まず化学吸着物質を溶かす種々の溶剤を使用可能であ
り、例えば非プロトン系溶剤としては、クロロホルム等
の塩素系溶剤、ベンゼン、トルエン等の芳香族系溶剤、
γ−ブチルラクトン等のラクトン系溶剤、酢酸エチル等
のエステル系溶剤が使用可能である。またプロトン系溶
剤としては、メタノール、エタノール等のアルコール系
溶剤が使用可能である。
【0104】(5)本発明の液晶表示装置では、ネマチ
ック液晶、スメクチック液晶、ディスコチック液晶、強
誘電性液晶等の各種の液晶が使用できるが、前記化13
で表される吸着分子の集合群からなる本発明液晶配向膜
は、分子形状の面から特にツイストネマチック(TN)
型液晶に対する配向効果が高い。よって、本発明の液晶
表示装置では、好ましくはTN型液晶を使用して、90
°捩れ配向型の表示装置となすのがよい。なお、TN型
液晶としては、例えばビフェニル系、ターフェニル系、
アゾキシ系、シッフベース系、フェニルシクロヘキサン
系、ビフェニルシクロヘキサン系、エステル系、ピリミ
ジン系、ジオキサン系、ビシクロオクタン系、キュバン
系等が例示できる。
【0105】(6)上記実施例1〜4では、電極を有す
る基板の表面に直接、化学吸着物質を接触させる方法に
より基板表面に吸着分子集合群(薄膜)を形成したが、
予め電極を有する基板の表面に親水性基を有する下地層
(他の物質層)を形成し、この下地層を介して基板面に
化学吸着物質を化学結合させてもよい。この方法は、基
板面に親水性基が少ない場合に有効である。下地層とし
ては、表面にOH基、COOH基、NH2 基、NH基、
SH基等の親水性基を有する層を用いることができ、よ
り具体的にはSiO2 層やTiO2 層などを用いること
ができる。
【0106】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明による
と、従来の有機高分子系の液晶配向膜に比べて格段に薄
く、配向ムラのない均一な液晶配向膜が提供できる。本
発明にかかるこの液晶配向膜は、吸着分子が電極表面に
化学吸着により強力に結合固定し、かつ吸着分子が相互
に架橋結合により連結された構造であるので、基板に対
する密着性や耐久性に優れ、しかも熱や擦り等の外部要
因によって配向特性が変化しない。
【0107】更に、吸着分子の集合群からなる本発明液
晶配向膜は、単分子層状の極薄の被膜であるので、光透
過を阻害しないとともに、電気抵抗性が小さいので液晶
駆動電界を阻害しない。また、液晶配向膜を構成する吸
着分子の個々が液晶分子個々を配向制御するので、格段
に優れた配向特性が得られる。
【0108】また、本発明製造方法によると、液切り乾
燥と偏光光の照射という比較的簡便な手法により、パタ
ーン状に分割された分割区画ごとに配向方向が異なるマ
ルチドメインタイプの液晶配向膜を確実かつ効率よく製
造でき、このような本発明にかかる液晶配向膜を用いる
と、広視野角、高画質・高コントラストで、高速応答性
にも優れたホメオトロピック配向モードのマルチドメイ
ン型の液晶表示装置を、殆どコストアップを伴うことな
く実現することができるという顕著な効果が得れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で使用する新規な化学吸着物質の合成方
法を説明するための化学反応式である。
【図2】上記化学反応式に基づいて合成した最終生成物
1HNMRスペクトルチャートである。
【図3】上記化学反応式に基づいて合成した最終生成物
の紫外・可視吸収スペクトルチャートである。
【図4】化学吸着工程を説明するための概念図である。
【図5】洗浄工程を説明するための概念図である。
【図6】紫外偏光光照射工程を説明するための概念図で
ある。
【図7】実施例2の液晶表示装置の断面を模式的に示し
た図である。
【符号の説明】
1 基板 2 化学吸着液 3 洗浄液 4 洗浄液からの引き上げ方向 5 液切り乾燥方向 6 紫外偏光光 7 偏光方向 8 透明電極 9 単分子膜 21 第1の透明電極群 22 TFT群 23 第1の基板 24 カラーフィルター群 25 第2の透明電極 26 第2の基板 27 液晶配向膜 28 スペーサー 29 接着剤 30 液晶 31,32 偏光板 33 バックライト
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 武部 尚子 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (56)参考文献 特開 平5−178865(JP,A) 特開 平11−167114(JP,A) 国際公開99/06415(WO,A1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02F 1/13 - 1/141

Claims (24)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電極の形成された基板表面に直接または
    他の物質層を介して化学吸着された吸着分子の集合群か
    らなる液晶配向膜であって、前記吸着分子が化1で表さ
    れる特性基と分子末端部分にSiを有するものである、
    ことを特徴とする液晶配向膜。 【化1】
  2. 【請求項2】 化1で表される特性基と分子末端部分に
    Siを有する前記吸着分子は、化2で表される化合物で
    あることを特徴とする、 請求項1に記載の液晶配向膜。 【化2】
  3. 【請求項3】 前記液晶配向膜を構成する吸着分子集合
    群は、所定方向に配向されていることを特徴とする、 請求項1または2に記載の液晶配向膜。
  4. 【請求項4】 前記液晶配向膜を構成する吸着分子集合
    群は、一画素領域が複数かつパターン状に分割された分
    割領域を最小単位とし、かつ隣り合う分割領域では吸着
    分子長軸の基板面に対する傾き及び/又は配向方位が異
    なることを特徴とする、 請求項1または2に記載の液晶配向膜。
  5. 【請求項5】 前記液晶配向膜を構成する吸着分子同士
    が、上記化1または化2に示された炭素C’および/ま
    たは炭素C”の結合手を介して架橋結合されていること
    を特徴とする、 請求項1乃至4のいずれかに記載の液晶配向膜。
  6. 【請求項6】 前記液晶配向膜の膜厚が、0.5nm以
    上、10nm未満であることを特徴とする、 請求項1乃至5のいずれかに記載の液晶配向膜。
  7. 【請求項7】 前記液晶配向膜は、単分子層状の薄膜で
    あることを特徴とする、 請求項1乃至5のいずれかに記載の液晶配向膜。
  8. 【請求項8】 化3で表される化学吸着物質を非水系溶
    剤に溶解して化学吸着液を作製する工程と、 前記化学吸着液を画素電極の形成された基板面に接触さ
    せて化学吸着液中の化学吸着物質を基板面に化学吸着さ
    せる化学吸着工程と、 前記化学吸着物質が結合した基板面を洗浄用の非水系溶
    剤で洗浄し、しかる後に基板上の洗浄液を一定方向に液
    切り乾燥する液切り乾燥工程と、 を備えることを特徴とする液晶配向膜の製造方法。 【化3】
  9. 【請求項9】 前記液切り乾燥工程の後に、基板面の吸
    着分子に紫外偏光光を照射して、前記化3に示す炭素・
    炭素二重結合部分の結合手を介して吸着分子相互を架橋
    結合させる紫外偏光光照射工程を備えることを特徴とす
    る、 請求項8に記載の液晶配向膜の製造方法。
  10. 【請求項10】 前記液切り乾燥工程と紫外偏光光照射
    工程とからなる一連の配向処理工程を、前記紫外偏光光
    照射工程の後、再び液切り乾燥工程に戻る方法で、繰り
    返しごとに液切り乾燥方向を異ならせるとともに、紫外
    偏光光の照射領域と照射方向、または照射領域と照射角
    度、または照射領域と照射方向と照射角度を異ならせ
    て、複数回繰り返して行うことにより、一画素に対応す
    る領域が複数かつパターン状に分割された分割領域ごと
    に吸着分子長軸の基板面に対する傾き及び/又は配向方
    位を異ならせることを特徴とする、 請求項9に記載の液晶配向膜の製造方法。
  11. 【請求項11】 前記洗浄用の非水系溶剤として、非プ
    ロトン系溶剤を用い、未反応な化学吸着物質を基板面か
    ら洗浄し除去して単分子層状の薄膜となすことを特徴と
    する、 請求項8乃至10のいずれかに記載の液晶配向膜の製造
    方法。
  12. 【請求項12】 前記洗浄用の非水系溶剤として、非プ
    ロトン系溶剤とプロトン系溶剤の混合溶液を用い、未反
    応な化学吸着物質を基板面から洗浄し除去して単分子層
    状の薄膜となすことを特徴とする、 請求項8乃至10のいずれかに記載の液晶配向膜の製造
    方法。
  13. 【請求項13】 前記化3のAが、(CH2)n −O−
    (但し、nは1〜20の整数)であることを特徴とす
    る、 請求項8乃至12のいずれかに記載の液晶配向膜の製造
    方法。
  14. 【請求項14】 前記化3のAが(CH2)n −O−(但
    し、nは4〜10の整数)であり、Xが塩素であること
    を特徴とする、 請求項8乃至12のいずれかに記載の液晶配向膜の製造
    方法。
  15. 【請求項15】 対向する一対の基板と、前記一対の基
    板のうち少なくとも電極を有する基板の表面に形成され
    た液晶配向膜と、前記対向する一対の基板間に設けられ
    たセルギャップ内に収容された液晶と、を備える液晶表
    示装置において、 前記液晶配向膜は、電極の形成された基板面に直接また
    は他の物質層を介して化学吸着されてなる吸着分子の集
    合群からなり、前記吸着分子が、化4で表される特性基
    と、分子末端部分にSiを有するものであることを特徴
    とする液晶表示装置。 【化4】
  16. 【請求項16】 化4で表される特性基と分子末端部分
    Siを有する前記吸着分子が、化5で表される化合物
    であることを特徴とする、 請求項15に記載の液晶表示装置。 【化5】
  17. 【請求項17】 前記セルギャップ内に収容された液晶
    分子のプレチルト角及び/又はプレチルト方位は、前記
    液晶配向膜を構成する吸着分子の長軸の基板面に対する
    傾き及び/又は配向方位により制御されていることを特
    徴とする、 請求項15または16に記載の液晶表示装置。
  18. 【請求項18】 前記液晶配向膜を構成する吸着分子の
    長軸の基板面に対する傾き及び/又は配向方位は、一画
    素領域が複数かつパターン状に分割された隣合う分割領
    域ごとで異なることを特徴とする、 請求項17に記載の液晶表示装置。
  19. 【請求項19】 画素電極と対向電極とが同一基板上に
    配置されるとともに、前記電極の配置された基板表面に
    液晶配向膜が形成されてなるインプレーンスイッチング
    型の液晶表示装置において、 前記液晶配向膜は、電極の形成された基板面に直接また
    は他の物質層を介して化学吸着されてなる吸着分子の集
    合群からなり、前記吸着分子が、化6で表される特性基
    と分子末端部分にSiを有するものである、 ことを特徴とする液晶表示装置。 【化6】
  20. 【請求項20】 化6で表される特性基と分子末端部分
    Siを有する前記吸着分子が、化7で表される化合物
    であることを特徴とする、 請求項19に記載の液晶表示装置。 【化7】
  21. 【請求項21】 前記セルギャップ内に収容された液晶
    分子のプレチルト角及び/又はプレチルト方位は、前記
    液晶配向膜を構成する吸着分子の長軸の基板面に対する
    傾き及び/又は配向方位により制御されていることを特
    徴とする、 請求項19または20に記載の液晶表示装置。
  22. 【請求項22】 前記液晶配向膜を構成する吸着分子同
    士が、前記化4、5、6、または7に示す炭素C’およ
    び/または炭素C”の結合手を介して架橋結合されてい
    ることを特徴とする、 請求項15乃至21のいずれかに記載の液晶表示装置。
  23. 【請求項23】 前記液晶配向膜の膜厚は、0.5nm
    以上、10nm未満であることを特徴とする、 請求項22に記載の液晶表示装置。
  24. 【請求項24】 前記液晶配向膜は、単分子層状の薄膜
    であることを特徴とする、 請求項22に記載の液晶表示装置。
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