JP2001072779A - 防汚用フッ素系樹脂フィルム - Google Patents

防汚用フッ素系樹脂フィルム

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JP2001072779A
JP2001072779A JP25112699A JP25112699A JP2001072779A JP 2001072779 A JP2001072779 A JP 2001072779A JP 25112699 A JP25112699 A JP 25112699A JP 25112699 A JP25112699 A JP 25112699A JP 2001072779 A JP2001072779 A JP 2001072779A
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vinylidene fluoride
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dyn
fluoride resin
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JP25112699A
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English (en)
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Kenji Miyagawa
健志 宮川
Ichiro Araki
一郎 荒木
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Denka Co Ltd
Original Assignee
Denki Kagaku Kogyo KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】各種樹脂、金属などの表面保護フィルムとして
長期にわたり耐汚染性が良好な防汚用フィルムに関し、
該フィルムで被覆された加工品は建材、自動車部品等に
好適に使用される。 【解決手段】フッ素系樹脂フィルムの表面の濡れ指数を
45dyn/cmとすることにより雨垂れ跡をつきにく
くすることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各種樹脂、金属な
どの表面保護フィルムとして長期にわたり耐汚染性が良
好な防汚用フィルムに関し、該フィルムで被覆された加
工品は建材、自動車部品等に好適に使用される。
【0002】
【従来の技術】住宅建材には塩化ビニル系樹脂が多く使
われているが、近年の脱塩ビの流れの中でポリオレフィ
ン系樹脂が使用される傾向にある。しかしながら、ポリ
オレフィン系樹脂は耐候性が悪く外装材としては不適で
あり、これら耐候性の要求される部位にはフッ素系樹脂
が使用されている。
【0003】フッ素系樹脂は長期間に及ぶ耐候性は良好
であるが意外にもポリオレフィン系樹脂に比べ雨垂れ跡
などの汚染が表面に残りやすい欠点があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこれらの問題
点を解決するものであり、長期にわたり雨垂れなどの耐
汚染性が良好な、建材、自動車部品等の被覆用に好適に
使用できるフィルムを提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、前述の課
題を解決するために種々検討した結果、その理由は明確
ではないがフィルム表面の濡れ指数を45dyn/cm
以上、好ましくは50dyn/cm以上とすることによ
り、長期にわたり雨垂れなどの汚染に耐えうるフィルム
が得られることを見いだし本発明を完成させたものであ
る。すなわち、本発明は、(1)フッ素系樹脂からな
る、少なくとも片面の濡れ指数が45dyn/cm以上
であるフッ素系樹脂フィルム、(2)フッ化ビニリデン
樹脂若しくはフッ化ビニリデン樹脂とアクリル樹脂から
なる濡れ指数が45dyn/cm以上であるフッ素系樹
脂フィルム、(3)単層又は複層である(1)又は
(2)に記載のフッ素系樹脂フィルム、(4)フッ化ビ
ニリデン樹脂若しくはフッ化ビニリデン樹脂とアクリル
樹脂からなる表面保護層とアクリル樹脂若しくはアクリ
ル樹脂とフッ化ビニリデン樹脂からなる接着層からな
り、該表面保護層側の濡れ指数が45dyn/cm以上
であるフッ素系樹脂フィルム、(5)表面保護層中のフ
ッ化ビニリデン樹脂の含有量が50重量%以上であり、
接着層中のフッ化ビニリデン樹脂含有量が50重量%以
下である(4)記載のフッ素系樹脂フィルム、(6)
(1)から(5)のいずれか一項に記載されたフッ素系
樹脂フィルムからなる防汚用フィルム、である。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
【0007】本発明で用いられるフッ素系樹脂とはその
分子骨格の繰り返し単位中にフッ素元素を含有するもの
を主成分とするものであれば特に制限はないが、それら
の中でもフィルムへの加工性の面から特にフッ化ビニリ
デン樹脂が好適である。フッ化ビニリデン樹脂とはフッ
化ビニリデンの単独重合体若しくはフッ化ビニリデンと
共重合可能な単量体との共重合体をいう。共重合可能な
単量体としては例えば4フッ化エチレン、6フッ化プロ
ピレン、フッ化ビニルなどがある。
【0008】本発明で使用するアクリル樹脂とはメタク
リル酸メチルの単独重合体若しくはメタクリル酸メチル
と共重合可能な単量体との共重合体をいう。共重合可能
な単量体としては炭素数2〜4のメタクリル酸エステ
ル、アクリル酸ブチルをはじめとする炭素数1〜8のア
クリル酸エステル、スチレン、α−メチルスチレン、ア
クリロニトリル、アクリル酸、他のエチレン性不飽和モ
ノマー等がある。また、これら単独重合体や共重合体を
合わせて使用することも可能であるし、例えばアクリル
系ゴムなどをブレンドすることも可能である。
【0009】フッ素系樹脂フィルム層は単層でも複層で
もよいが、表面保護層と接着層とからなる2層のものは
好適である。表面保護層はフッ化ビニリデン樹脂、又は
フッ化ビニリデン樹脂とアクリル樹脂とからなり、好ま
しくはフッ化ビニリデン樹脂とアクリル樹脂とからなる
ものであり、更にそのフッ化ビニリデン樹脂の含有量が
アクリル樹脂との合計量中50重量%以上が好適であ
る。フッ化ビニリデン樹脂の含有量が50重量%未満と
なると自動車外装用として使用する際にガソリンなどに
含まれ得る各種溶剤に対する耐性が劣ってしまう。
【0010】接着層はアクリル樹脂、若しくはアクリル
樹脂とフッ化ビニリデン樹脂とからなり、好ましくはア
クリル樹脂とフッ化ビニリデン樹脂からなり、更にその
フッ化ビニリデン樹脂の含有量がアクリル樹脂との合計
量中5重量%以上50重量%以下が好適である。フッ化
ビニリデン樹脂の含有量が5重量%未満では表面保護層
との層間接着性が下がり、また50重量%を越えると基
材との接着が困難となる。フッ化ビニリデン樹脂の含有
量が50重量%以下であれば、広範な種類の樹脂例えば
ABS樹脂やアクリル系樹脂等と接着剤を使用せずに熱
ラミネート等による接着が可能となり、また熱ラミネー
トによる接着が困難な場合にも市販のアクリル系接着剤
やウレタン系接着剤など公知のものから広く選定し接着
することが可能となる。
【0011】フッ素系樹脂フィルムにはフッ素系樹脂、
フッ化ビニリデン樹脂及びアクリル樹脂以外に少量の他
の樹脂を添加することができる。また紫外線吸収剤、顔
料、充填剤、染料等の添加物を添加することができる。
【0012】フッ素系樹脂フィルム表面のJIS−K−
6768に基づく濡れ指数は45dyn/cm以上、好
ましくは50dyn/cm以上でなければならない。フ
ッ素系樹脂フィルムの濡れ指数は通常40dyn/cm
であるが、この濡れ指数を45dyn/cm以上とする
ためにはフィルム表面をエンボスロールなどの転写によ
り物理的に微細に荒らす方法、コロナ放電処理やプラズ
マ処理などによる方法、親水性ポリマーや親水性フィラ
ーのブレンドなど種々の方法を採用できる。
【0013】フッ素系樹脂フィルムを製造するには2台
の押出機を使用したマルチマニホールドダイやフィード
ブロックを用いた共押出法の他、1台の押出機でどちら
か一方の層を製造しこれに押出ラミネートなどによりも
う一方の層を積層することが可能である。このように押
出法により製造することで溶剤を必要とせず、環境に対
する影響の懸念もなく薄膜フィルム層を製造することが
可能となる。
【0014】フッ素系樹脂フィルムの厚みは10μm以
上200μm以下が好ましく、20μm以上で120μm
以下のものを好適に使用することができる。また、フッ
素系樹脂フィルム中に表面保護層と接着層を設ける場合
にはその比率は任意に選択できるが、製造の安定性から
各々の層が5μm以上であることが好ましい。
【0015】
【実施例】(実施例1)ポリフッ化ビニル樹脂にチタン
系顔料(白)を20wt%、親水性シリカ微粒子(日産
化学工業社 スノーテックス40)を10wt%混合し
溶剤キャスト法により40μmのフィルムを得た。得ら
れたフィルムの濡れ指数は53dyn/cmであった。
【0016】(実施例2)フッ化ビニリデン樹脂(日本
ソルベー社 SOLED1010)にチタン系顔料(グ
レー)を20wt%、親水性シリカ微粒子を10wt%
混合しエンボスシリコンゴムロール(#500)を用い
た押出法により表面を物理的に荒らしたフィルムを得
た。得られたフィルムの濡れ指数は51dyn/cmで
あった。
【0017】(実施例3)フッ化ビニリデン樹脂(エル
フ・アトケム・ジャパン社 KYNAR720)55重
量%、ポリメチルメタクリレート樹脂(クラレ社 GR
−F5)25重量%、チタン系顔料(白)20wt%を
混合した表面保護層と、フッ化ビニリデン樹脂30wt
%、ポリメチルメタクリレート樹脂70wt%を混合し
た接着層をマルチマニホールドダイを用いた共押出法に
て積層し、さらにエンボスシリコンゴムロール(#30
0)を用いて表面保護層側表面を荒らしたフィルムを得
た。得られたフィルムの濡れ指数は46dyn/cmで
あった。
【0018】(比較例)フッ化ビニリデン樹脂55重量
%、ポリチルメタクリレート樹脂25重量%、チタン系
顔料(白)20wt%を混合した表面保護層と、フッ化
ビニリデン樹脂30wt%、ポリメチルメタクリレート
樹脂70wt%を混合した接着層をマルチマニホールド
ダイを用いた共押出法にて積層し、さらに鏡面シリコン
ゴムロールを用いて表面保護層側表面が平滑なフィルム
を得た。得られたフィルムの濡れ指数は35dyn/c
mであった。
【0019】実施例1〜3、比較例で得られたフィルム
を屋外にて曝露試験を実施した。フィルムは定盤上に平
滑に固定し45°の傾きで設置し更に口径60mm、足
外形6mmのロートを使用し雨垂れがフィルム上部に滴
下するように設置した。
【0020】晴天4日、雨天3日後の各フィルムの色差
を測定した結果、実施例1は0.50、実施例2は0.
61、実施例3は0.83、比較例は2.38であっ
た。また、目視により雨垂れ跡を確認したところ実施例
1及び実施例2では雨垂れ跡は殆ど確認出来ず、実施例
3ではよく見るとかすかに見える程度であった。比較例
では明確に雨垂れ跡が見られた。
【0021】
【発明の効果】フッ素系樹脂フィルムの表面の濡れ指数
を45dyn/cmとすることにより雨垂れ跡をつきに
くくすることができる。
フロントページの続き Fターム(参考) 4F071 AA26 AA33 AF04 AH03 AH07 AH17 BB02 BB06 BC01 BC10 CD06 4F100 AA20A AA20H AA21A AA21H AK19A AK19B AK25A AK25B AL05B BA01 BA02 BA10A BA10B BA27 CA13A DE01A DE01H GB07 GB32 JB04A JB04B JL06 JL11B YY00A YY00B 4J002 BD141 BG062 FD010 FD050 FD090 GF00 GL00 GM00

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】フッ素系樹脂からなる、少なくとも片面の
    濡れ指数が45dyn/cm以上であるフッ素系樹脂フ
    ィルム。
  2. 【請求項2】フッ化ビニリデン樹脂若しくはフッ化ビニ
    リデン樹脂とアクリル樹脂からなる濡れ指数が45dy
    n/cm以上であるフッ素系樹脂フィルム。
  3. 【請求項3】単層又は複層である請求項1又は請求項2
    に記載のフッ素系樹脂フィルム。
  4. 【請求項4】フッ化ビニリデン樹脂若しくはフッ化ビニ
    リデン樹脂とアクリル樹脂からなる表面保護層とアクリ
    ル樹脂若しくはアクリル樹脂とフッ化ビニリデン樹脂か
    らなる接着層からなり、該表面保護層側の濡れ指数が4
    5dyn/cm以上であるフッ素系樹脂フィルム。
  5. 【請求項5】表面保護層中のフッ化ビニリデン樹脂の含
    有量が50重量%以上であり、接着層中のフッ化ビニリ
    デン樹脂含有量が50重量%以下である請求項4記載の
    フッ素系樹脂フィルム。
  6. 【請求項6】請求項1から請求項5のいずれか一項に記
    載されたフッ素系樹脂フィルムからなる防汚用フィル
    ム。
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