JP2001071990A - 浮体構造物 - Google Patents
浮体構造物Info
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Abstract
の浮体構造物を形成する。 【解決手段】 浮体2の各隅角部にピン穴21aが上下
方向に貫通して形成されるとともに、その隅角部の厚み
方向の約中間部に上下方向に向かう稜線に直交して切欠
溝21bが形成されている。そして、隣接する複数個の
浮体2の切欠溝21bにわたって連結板3(3A)が遊
挿され、該連結板3(3A)には、浮体2の隅角部に形
成されたピン穴21aに対応してピン穴が形成されてい
る。したがって、隣接する浮体2の切欠溝21bにわた
って連結板3(3A)を遊挿し、浮体2のピン穴21a
および連結板3(3A)のピン穴に連結ピン4を遊嵌す
ることにより、複数個の浮体2を簡単に連結して浮体構
造物1を形成することができる。
Description
体構造物に関するものである。
やボートなどの小型の船舶の接舷、係船に使用される浮
き桟橋などの浮体構造物は、複数個の浮体を連結して構
成されている。ここで、浮体としては、コンクリートま
たは鋼材によって内部が中空状に形成された外殻および
該外殻の内部に配置された合成樹脂発泡体製芯材からな
るモノコックタイプなどが知られている。
体構造物を構成する浮体は、通常、長さが10〜30m
と大型であり、輸送や保管に際しての取り扱いが困難で
あり、コストがかさむという問題があった。また、浮体
を連結して浮体構造物を構成する場合、浮体が大型であ
ることから、連結機構に作用する外力も大きくなる。し
たがって、浮体の連結機構は、荒天時においても、連結
機構に作用する大きな外力を考慮して設計しなけれなら
ず、例えば、浮体間をPC鋼線などによりポストテンシ
ョンを与えて強固に固定する必要がある。この結果、連
結作業に多くの時間と費用が入要となるとともに、作業
が煩雑になるという問題があった。
れたもので、浮体を簡単かつ短時間に連結することがで
きる安価な浮体構造物を提供するものである。
面が開放された浅い箱状の枠体と、枠体の下面を覆う複
数枚の底板と、枠体の内部に配置された複数個の合成樹
脂発泡体製芯材と、枠体の上面を覆う複数枚の床板と、
からなる複数個の浮体と、複数個の浮体を連結する連結
板および連結ピンと、から構成され、前記枠体の隅角部
にピン穴が上下方向に貫通して形成されるとともに、枠
体の隅角部における上下方向に向かう稜線の約中間部に
該稜線に直交して切欠溝が形成され、また、前記連結板
は、複数個の浮体の各枠体に形成された切欠溝にわたっ
て遊挿可能であるとともに、各浮体の枠体の隅角部に形
成されたピン穴に対応するピン穴を有し、隣接する複数
個の浮体の切欠溝にわたって連結板が遊挿され、各浮体
のピン穴および連結板のピン穴を通して連結ピンが遊嵌
されていることを特徴とするものである。
隅角部の厚み方向の約中間部において上下方向に向かう
稜線に直交して形成された切欠溝に連結板を遊挿し、枠
体の隅角部に上下方向に貫通して形成されたピン穴およ
び連結板に形成されたピン穴を通して連結ピンを遊嵌す
ることにより、隣接する浮体を連結することができる。
て安価な浮体構造物を形成することができる。
おいて挿入され、連結ピンは、浮体のピン穴および連結
板のピン穴に一定の隙間をおいて嵌入されているため、
一の浮体の浮き上がりによって浮体、連結板、連結ピン
は相対的に移動することができる。また、切欠溝は、浮
体の厚み方向の約中間部に形成されているため、浮体の
上下端部を連結する場合に比較して、一の浮体が持ち上
げられた際の浮体間に形成される間隔が小さくなる。し
たがって、浮体が一の浮体に対して宙吊り状態に支持さ
れることを防止することができる。
比重が1より小さなガラス長繊維強化合成樹脂発泡体に
よって形成されていると、水中に沈下することがなく、
しかも、非常に軽量となることから、輸送や格納などに
おける取り扱いが容易となるとともに、高舷側が得られ
る。また、腐食するおそれがなく、長期にわたって使用
することができる。
向する二辺の略中間部にそれぞれ一対のピン穴が上下方
向に貫通して形成されていると、複数個の浮体を連結し
た後、隣接する浮体上にまたがってその対向する二辺の
長さの1/2だけ変位して浮体を積み重ね、他の浮体の
隅角部に形成されたピン穴および下方の浮体の対向する
二辺の略中間部に形成されたピン穴を通して連結ピンを
遊嵌することにより、浮体を複数段に積み重ねて連結し
た浮体構造物を形成することもできる。
に基づいて説明する。
形態が示されている。この浮体構造物1は、複数個の浮
体2と、これらの浮体2を連結する連結板3および連結
ピン4と、から構成されており、河川や港湾などにおい
て、浮き桟橋として使用される。
空の浅い箱状に形成された枠体21と、この枠体21の
下面を覆う複数枚の底板22(図2参照)と、枠体21
の内部に配置された複数個の芯材23と、枠体21の上
面を覆う複数枚の床板24と、からなり、これらの枠体
21、底板22および床板24は、比重が1より小さな
ガラス長繊維強化合成樹脂発泡体(合成木材)によって
形成され、また、芯材23は、合成樹脂発泡体によって
ブロック状に形成されている。
熱硬化性樹脂発泡体(硬質ウレタン樹脂)をガラス長繊
維で強化した複合材料であって、比重が0.3〜0.8
程度であり、例えば、積水化学工業株式会社製の商品名
「エスロンネオランバーFFU」を採用することができ
る。
ロピレン、ポリエチレン、ポリウレタン、アクリル樹脂
などの合成樹脂を採用することができ、これらの合成樹
脂を嵩比重が0.001〜0.030g/cc、好まし
くは0.018〜0.025g/cc程度の高い独立気
泡率に発泡させたものを使用することができる。
11および対向する一対の短辺側周壁212を突き合わ
せて接着することによって長方形状に形成されており、
対向する一対の長辺側周壁211の内面間には、前述し
たガラス長繊維合成樹脂発泡体からなる複数枚の隔壁2
13が適宜間隔をおいて配設されている。
3によって枠体21の内部が5分割されており、これら
の分割された空間内に合成樹脂発泡体からなる芯材23
が配置されている。
下方向に貫通して形成されている他、その厚み方向の約
中間部において、上下方向に向かう稜線と直交して平面
視略直角二等辺三角形状の切欠溝21bが形成されてい
る(図3および図5参照)。このピン穴21aは、後述
する連結ピン4の軸部41の直径よりも大きな直径を有
し、一方、切欠溝21bは、後述する連結板3の厚みよ
りも大きな幅を有している。
間部にも、一対のピン穴21cが上下方向に貫通して形
成されている。この一対のピン穴21cの間隔は、後述
するように、複数個の浮体2を連結した際、隣接する2
個の浮体2において、各枠体21の対向する隅角部に形
成された2個のピン穴21aの間隔に一致している。連
結板3は、ステンレス鋼あるいは硬質ゴムなどで形成さ
れ、隣接する2個の浮体2を連結する略直角二等辺三角
形状の連結板3Aと、隣接する4個の浮体2を連結する
略正方形状の連結板3Bと、が用意されている。すなわ
ち、連結板3Aは、図4に示すように、各浮体2の切欠
溝21bの平面形状の約2倍の大きさに形成され、ま
た、連結板3Bは、図6に示すように、各浮体2の切欠
溝21bの平面形状の約4倍の大きさに形成されてい
る。そして、連結板3Aには、2個の浮体2を一定の間
隔をおいて突き合わせた際、それらの対向する2個のピ
ン穴21aを臨む位置に該ピン穴21aとほぼ同一直径
の2個のピン穴3aが形成されており、また、連結板3
Bには、4個の浮体2を一定の間隔をおいて突き合わせ
た際、それらの対向する4個のピン穴21aを臨む位置
に該ピン穴21aとほぼ同一直径の4個のピン穴3aが
形成されている。これらの連結板3A,3Bは、前述し
た浮体2の切欠溝21bに十分な余裕をもって挿入する
ことのできる厚みに設定されている。
長い軸部41および該軸部41の一端に一体に設けられ
た頭部42を有してステンレス鋼などで形成されてい
る。そして、連結ピン4の軸部41は、枠体21のピン
穴21aおよび連結板3A,3Bのピン穴3aに十分な
余裕をもって嵌入することのできる直径に設定され、そ
の際、頭部42が枠体21の上面に当接して連結ピン4
の脱落が防止される。
m×0.2mの浮体2を縦横方向にそれぞれ3個ずつ連
結して15m×6mの浮体構造物1を形成している。
3B)および連結ピン4を用いて連結し、浮体構造物1
を組み立てる手順について説明する。
平行に配置し、それらの浮体2の各枠体21に形成され
た対向する切欠溝21bにわたって連結板3Aを遊挿し
た後、枠体21のピン穴21aおよび連結板3Aのピン
穴3aを通して連結ピン4の軸部41を遊嵌し、2個の
浮体2をその対向する一対の隅角部において連結する
(図3および図7(a)参照)。そして、連結された2
個の浮体2のうちの一の浮体2を基準として、その縦横
方向にそれぞれ一定間隔をおいて浮体2を導き、同様
に、連結板3Aおよび連結ピン4を用いて順に浮体2を
連結し、L字状に形成する(図7(b)参照)。次い
で、L字状に連結された浮体2の内方角部における3個
の浮体2の枠体21に形成された切欠溝21bにわたっ
て連結板3Bを遊挿し、枠体21のピン穴21aおよび
連結板3Bのピン穴3aに連結ピン4を遊嵌し、L字状
に連結された浮体2の内方側角部における3個の浮体2
を連結する。この後、L字状に連結された浮体2の内方
角部に浮体2を一定間隔をおいて導き、その枠体21の
切欠溝21bを、3個の浮体2を連結している連結板3
Bに遊挿し、新たな枠体21のピン穴21aおよび連結
板3Bの残りのピン穴3aに連結ピン4を遊嵌し、新た
な浮体2を連結する(図7(c)参照)。
溝21bに連結板3Bを遊挿するとともに、それらのピ
ン穴21a,3aに連結ピン4を遊嵌することにより、
3個の浮体2を連結した後、これらの連結した3個の浮
体2に隣接して新たな浮体2を導き、3個の浮体2を連
結している連結板3Bに新たな浮体2の切欠溝21bを
遊挿し、それらのピン穴21a,3aを通して連結ピン
4を遊嵌し、新たな浮体2を連結する。また、外周に配
置される浮体2については、前述したように、隣接する
2個の浮体2を連結板3Aおよび連結ピン4を用いて連
結する。
個数順に連結することにより、任意の大きさと形状の浮
体構造物1を形成することができる。
内海や湖沼などに配置される浮体構造物1においては、
浮体2の厚みに比して十分な長さの連結ピン4を採用す
ることにより、浮体2からの抜け出しを防止することが
できるが、波高を考慮する場合は、連結ピン4の下端部
に抜け出し防止用ピンを差し込んで浮体2からの抜け出
しを確実に防止することが好ましい。
小型であることから、取り扱いが容易となり、浮体2を
トラックにて陸上輸送したり、保管することが可能とな
る他、浮体2の連結機構に作用する外力も相対的に小さ
くなり、簡単な構造の連結機構を採用して誰でも容易に
組み立てることができ、コストを大幅に削減することが
できる。
21bにわたって連結板3Aを遊挿し、また、隣接する
4個の浮体2の切欠溝21bにわたって連結板3Bを遊
挿し、それらの枠体21のピン穴21aおよび連結板3
A,3Bのピン穴3aを通して順次連結ピン4を遊嵌す
ることにより、複数個の浮体2を簡単かつ短時間に連結
して任意の大きさと形状の浮体構造物1を形成すること
ができる。また、浮体2を連結するための部品点数も少
なく、浮体構造物1を安価に形成することができる。
溝21bに遊挿され、連結ピン4は浮体2のピン穴21
aおよび連結板3A,3Bのピン穴3aに遊嵌されてい
るため、波によって一の浮体2が持ち上げられたとして
も、連結板3A,3Bおよび連結ピン4は相対的に移動
することができる。また、連結板3A,3Bは浮体2の
厚み方向の約中間部に配設されているため、一の浮体2
が持ち上げられた際、隣接する浮体との間隔は上下端部
に連結されている場合に比較して小さくなる。このた
め、一の浮体2に対して隣接する浮体2が宙吊り状態に
支持されることがなく、宙吊り状態に支持されることに
よる浮体2の負荷が、浮体2、連結板3A,3B、連結
ピン4に作用することが防止される。このため、浮体2
を長期にわたって連結することができる。
22および床板23は、ガラス長繊維強化合成樹脂発泡
体で形成され、また芯材23が合成樹脂発泡体によって
形成されているため、浮体2は軽量となり、輸送や保管
に際して取り扱いが容易となる。また、腐食することが
なく、長期にわたって使用することができる。
21、底板22および床板24をガラス長繊維強化合成
樹脂発泡体で形成された浮体2を例示したが、ガラス長
繊維強化合成樹脂発泡体に限らず、他の材料、例えば、
コンクリートや鋼材を利用してもよい。
平面視正方形状に形成することもできる。
辺三角形状に形成した場合を説明したが、扇形や方形あ
るいは多角形であってもよく、任意の形状を選択するこ
とができる。例えば、切欠溝21bが平面視扇形の場合
には、連結板3A,3Bを半円形や円状に形成すればよ
く、また、切欠溝21bが平面視正方形の場合は、連結
板3A,3Bを切欠溝21bの約2倍の大きさの長方形
や約4倍の大きさの正方形に形成すればよい。同様に、
切欠溝21bが多角形の場合も、切欠溝21bの形状に
合わせて約2倍あるいは約4倍の大きさの連結板3A,
3Bに形成すればよい。
それぞれ複数個の浮体2を連結した後、それらの上面に
さらに浮体2を積み重ねて連結し、浮体構造物1を形成
することもできる。すなわち、隣接する2個の浮体2に
またがってその短手方向の長さの1/2だけ変位して浮
体2を積み重ねた後、上方の浮体2の隅角部に形成され
たピン穴21aおよび下方の浮体2の短手方向の約中間
部に形成されたピン穴21cに連結ピン4を遊嵌するこ
とにより、浮体2を複数段に積み重ねて連結した浮体構
造物1を形成することができる。この場合の連結ピン4
の長さは、浮体2の厚みの2倍以上に設定されている。
浮体を簡単かつ短時間に連結して安価な浮体構造物を形
成することができる。
である。
て示す断面図である。
体の連結状態を示す平面図および側面図である。
平面図である。
体の連結状態を示す平面図である。
平面図である。
す説明図である。
図である。
Claims (3)
- 【請求項1】 上面および下面が開放された浅い箱状の
枠体と、枠体の下面を覆う複数枚の底板と、枠体の内部
に配置された複数個の合成樹脂発泡体製芯材と、枠体の
上面を覆う複数枚の床板と、からなる複数個の浮体と、
複数個の浮体を連結する連結板および連結ピンと、から
構成され、前記枠体の隅角部にピン穴が上下方向に貫通
して形成されるとともに、枠体の隅角部における上下方
向に向かう稜線の約中間部に該稜線に直交して切欠溝が
形成され、また、前記連結板は、複数個の浮体の各枠体
に形成された切欠溝にわたって遊挿可能であるととも
に、各浮体の枠体の隅角部に形成されたピン穴に対応す
るピン穴を有し、隣接する複数個の浮体の切欠溝にわた
って連結板が遊挿され、各浮体のピン穴および連結板の
ピン穴を通して連結ピンが遊嵌されていることを特徴と
する浮体構造物。 - 【請求項2】 前記浮体の枠体、底板および床板は、比
重が1より小さなガラス長繊維強化合成樹脂発泡体によ
って形成されていることを特徴とする請求項1記載の浮
体構造物。 - 【請求項3】 前記浮体の枠体の対向する二辺の略中間
部にそれぞれ一対のピン穴が上下方向に貫通して形成さ
れていることを特徴とする請求項1記載の浮体構造物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25045899A JP2001071990A (ja) | 1999-09-03 | 1999-09-03 | 浮体構造物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25045899A JP2001071990A (ja) | 1999-09-03 | 1999-09-03 | 浮体構造物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001071990A true JP2001071990A (ja) | 2001-03-21 |
Family
ID=17208186
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP25045899A Pending JP2001071990A (ja) | 1999-09-03 | 1999-09-03 | 浮体構造物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001071990A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002293288A (ja) * | 2001-03-30 | 2002-10-09 | Molten Corp | フロート装置の連結構造 |
JP2002293289A (ja) * | 2001-03-30 | 2002-10-09 | Molten Corp | フロート装置の連結構造 |
-
1999
- 1999-09-03 JP JP25045899A patent/JP2001071990A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002293288A (ja) * | 2001-03-30 | 2002-10-09 | Molten Corp | フロート装置の連結構造 |
JP2002293289A (ja) * | 2001-03-30 | 2002-10-09 | Molten Corp | フロート装置の連結構造 |
JP4611557B2 (ja) * | 2001-03-30 | 2011-01-12 | 株式会社モルテン | フロート装置の連結構造 |
JP4611558B2 (ja) * | 2001-03-30 | 2011-01-12 | 株式会社モルテン | フロート装置の連結構造 |
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