JP2001071460A - 水性及び油性グラビアインキを用いるグラビア印刷機用インキパン及び水性グラビアインキを用いるグラビア印刷用ファニッシャーロール及びドクターの構造 - Google Patents

水性及び油性グラビアインキを用いるグラビア印刷機用インキパン及び水性グラビアインキを用いるグラビア印刷用ファニッシャーロール及びドクターの構造

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JP2001071460A JP25042399A JP25042399A JP2001071460A JP 2001071460 A JP2001071460 A JP 2001071460A JP 25042399 A JP25042399 A JP 25042399A JP 25042399 A JP25042399 A JP 25042399A JP 2001071460 A JP2001071460 A JP 2001071460A
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Koji Fukumori
広次 福森
Toshiyuki Torasawa
敏行 虎沢
Katsumi Nakaya
克己 中屋
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Abstract

(57)【要約】 【技術課題】 グラビアインキを用いるグラビア印刷機
において、残インキ量の減少を図り、更に濡れ不良と版
かぶりの問題を解消する。 【解決手段】 水性及び油性グラビアインキを用いるグ
ラビア印刷機におけるインキパン1の構造において、イ
ンキ溜り4は、ファニッシャーロール2のみが浸漬する
大きさに形成し、版胴3は、インキ溜り4から外し、浅
底1a側に位置させて残インキ量を減少させる。又、水
性グラビアインキを用いるグラビア印刷機において、フ
ァニッシャーロール2をドクター5側に配置することに
より、特に高速回転時に遠心力で版面3aからインキが
飛散するのを防止して濡れ不良を解消する。又、水性グ
ラビアインキを用いるグラビア印刷機において、ドクタ
ー5は、バックプレート5bの長さLを30m/m以
下、20m/m以上に設定し、ドクターナイフ5cの刃
先長L1を4m/m以下、3m/m以上に設定して接触
圧を最適に設定し、版かぶりを解消する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水性及び油性グラ
ビアインキを用いてグラビア印刷を行う印刷機のインキ
パン及び水性グラビアインキを用いてグラビア印刷を行
う印刷機のファニッシャーロール及びドクターの構造に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】油性タイプのグラビアインキに対して水
性タイプのグラビアインキの場合、印刷における作業環
境を大幅に改善できる特徴があることから、今後のグラ
ビア印刷は、水性グラビアインキ使用の方向に向かうも
のと思われる。
【0003】従来のグラビア印刷機において、そのイン
キパン1は、図5に示すように、非常に大型のものであ
ることから、インキパン1中に大量の残インキ(約20
kg/版当り)が発生し、それが標準色であれば次の印
刷にも直ちに使用できるが、得意先毎の特別色であれば
次回の受注まで在庫しなければならず、重大なコストア
ップの要因となっている。
【0004】特に、水性グラビアインキを用いる印刷機
の構造として、上記の構造のままでは、水性グラビアイ
ンキの本質的欠点であるインキの再溶解性不良に起因す
る版かぶりのため、残インキの再使用が困難となり、致
命的なコスト問題が発生する。
【0005】図5において、2はファニッシャーロー
ル、3は版胴、3aは版面、5はドクター、6は圧胴、
7はフィルムである。次に、従来のグラビア印刷機にお
いて、ファニッシャーロール2は、図6に示すように、
ドクター5の反対側に設置されている。
【0006】このため、特に水性グラビアインキを用い
てグラビア印刷をする場合に、従来からの上記構造で
は、水性グラビアインキなるが故の本質的欠点として表
面張力に起因するインキの版面への濡れ不良が発生する
上に、高速回転になればなるほど版面のインキがインキ
パン1に落下して不均一となり、その結果、印刷物にイ
ンキのかすれ、あるいは版かぶりが発生し、良好な印刷
を行うことができないという欠点が発生する。
【0007】次に、従来のグラビア印刷機において、ド
クター5は、図7,8に示すように、取付金具5aから
突出しているバックプレート5bの長さLは30m/m
に設定され、ドクターナイフ5cの刃先L1は4m/m
に設定されていて、この寸法設定により、油性インキの
場合は基材フィルムへの着肉性と階調性が良好になって
いる。
【0008】しかしながら、水性グラビアインキを用い
て行う印刷において、上記油性グラビアインキの場合と
同一条件では、水性グラビアインキの本質的欠点である
水溶媒へのインキの再溶解性不良に起因するドクター切
れ不良のために、版かぶりが発生し、従来通りのドクタ
ーの構造では印刷に供することができないという問題が
発生する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的の第1
は、水性及び油性グラビアインキを用いるグラビア印刷
機のインキパンにおいて、残インキ量を可及的に少なく
してインキコストの低減を可能にすることである。
【0010】次に、本発明の目的の第2は、水性グラビ
アインキを用いるグラビア印刷機のファニッシャーロー
ルにおいて、特に高速化しても濡れ不良の問題が発生し
ないようにすることである。
【0011】次に、本発明の目的の第3は、水性グラビ
アインキを用いるグラビア印刷機のドクターにおいて、
版かぶりが発生しないようにすることである。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1に記載の発明においては、水性及び油性グ
ラビアインキを用いるグラビア印刷機用インキパンの構
造において、インキ溜りは、ファニッシャーロールのみ
が浸漬する大きさに形成し、版胴は、前記インキ溜りか
ら外れていることを特徴とするものである。
【0013】更に、請求項2に記載の発明においては、
水性グラビアインキを用いるグラビア印刷機用ファニッ
シャーロールの構造において、ファニッシャーロールを
ドクター側に配置したことを特徴とするものである。
【0014】更に、請求項3に記載の発明においては、
水性グラビアインキを用いるグラビア印刷機用ドクター
の構造において、ドクターは、取付金具から突出してい
るバックプレート長Lが30m/m以下、20m/m以
上に設定され、バックプレートから突出しているドクタ
ーナイフの刃長L1は4m/m以下、3m/m以上に設
定されていることを特徴とするものである。
【0015】
【実施例1】本実施例は、請求項1に記載した発明に係
るインキパンの構造に関するもので、図1に基づいてそ
の詳細を説明する。図1は、グラビア印刷機の要部とな
る版胴と、印刷用のグラビアインキを溜めておくための
インキパンと、このインキパンから印刷用のインキを版
胴面に転移させて塗布するファニッシャーロールと、版
面に刃先を接触させて版面から余分なインキを掻き落と
すドクターと、フィルムを版面に押圧する圧胴を横から
見た図である。
【0016】この図1において、1はインキパンであっ
て、本実施例のインキパン1は、ファニッシャーロール
2が位置する部分を深底に形成してここをインキ溜り4
となし、版胴3が位置する部分は版胴3から落下したイ
ンキを受け止める程度の浅底1aに形成し、この浅底1
aは前記インキ溜り4側に向けて下り傾斜がつけてあ
り、印刷用のインキをこの浅底1aの部分には溜めない
構造である。
【0017】本実施例のインキパン1においては、常時
インキ溜り4の部分にのみ印刷用のインキが溜められて
いて、このインキは、ファニッシャーロール2を介して
版胴3の版面3aに塗布されたのち、ドクター5で余分
なインキのみが版面から掻き落とされ、印刷に供され
る。
【0018】
【実施例2】本実施例は、請求項2に記載した発明に係
るファニッシャーロールの構造に関するもので、図2に
基づいてその詳細を説明する。図2は、グラビア印刷機
の要部となる版胴と、印刷用のインキを溜めておくため
のインキパンと、このインキパンから印刷用のインキを
版胴側に転移させて塗布するファニッシャーロールと、
版面に刃先を接触させて版面から余分なインキを掻き落
とすドクターと、フィルムを版面に押圧する圧胴を横か
ら見た図である。
【0019】この図2において、1はインキパンであっ
て、本実施例のインキパン1は、ドクター5が位置する
側にインキ溜り4を形成した構成から成り、このインキ
溜り4から版胴3の版面3aに印刷用のインキを塗布す
るファニッシャーロール2もドクター5側に位置してい
る。
【0020】本実施例のファニッシャーロール2はドク
ター5側に位置しているため、ファニッシャーロール2
から版胴3の版面3aに塗布されたインキには、上向き
の遠心力が作用することから、特に高速回転時に、表面
張力の大きい水性グラビアインキの場合、インキパン1
側には落下せず、よって濡れ不良が発生することがな
い。
【0021】
【実施例3】本実施例は、請求項3に記載した発明に係
るドクターの構造に関するもので、図3,4に基づいて
その詳細を説明する。図3は、グラビア印刷機の要部と
なる版胴と、印刷用のインキを溜めておくためのインキ
パンと、このインキパンから印刷用のインキを版胴面に
転移させて塗布するファニッシャーロールと、版面に刃
先を接触させて版面から余分なインキを掻き落とすドク
ターと、フィルムを版面に押圧する圧胴を横から見た図
である。
【0022】この図3において、1はインキパンであっ
て、本実施例のインキパン1は、ファニッシャーロール
2が位置する部分を深底に形成してここをインキ溜り4
となし、版胴3が位置する部分は版胴3から落下したイ
ンキを受け止める程度の浅底1aに形成し、この浅底1
aは前記インキ溜り4側に向けて下り傾斜がつけてあ
り、印刷用のインキをこの浅底1aの部分には溜めない
構造である。
【0023】5はドクターであって、本実施例のドクタ
ー5は、図4に示すように取付金具5aから突出してい
るバックプレート5bの長さLは25m/m、このバッ
クプレート5bの先端から突出しているドクターナイフ
5cの刃先の長さL1は3.5m/mである。
【0024】なお、ドクター5において、バックプレー
ト5bの長さLは27m/m以上になるとドクターナイ
フ5cの刃先の押えが利かず、インキの掻き落としが不
充分となり、逆に22m/m以下になると押えが利きす
ぎて版面3aに摩擦等の悪影響が出るようになるので、
バックプレート5bの長さLは、27m/m以下、22
m/m以上、好ましくは25m/mが最良である。
【0025】同様に、ドクターナイフ5cの刃先の長さ
1は3.7m/m以上になるとインキの掻き落としが
不充分となり、3.2m/m以下になると版面3aに摩
擦などの悪影響が出るようになるので、L1は、3.7
m/m以下、3.2m/m以上、好ましくは3.5m/
mが最良である。
【0026】
【比較例】実施例3のドクター5について、その比較例
を次に説明する。比較対象ドクターは図8に示すバック
プレート5bの長さLが35m/m、ドクターナイフ5
cの刃長L1が6.5m/mであって、油性インキ用の
ものである。
【0027】2軸延伸ナイロンフィルム15μを基材と
して、これにレーザー方式による線数350線、版深1
3μの版を作製し、市販の水性グラビアインキ藍、赤、
黄、墨、白を用いて5版で6色分の印刷を行う際に、ド
クター5の寸法条件として、本実施例と図8に示した従
来例を比較した場合、後者は各色ともドクター切れ不良
による版かぶりが発生し、良質の印刷フィルムが得られ
なかったが、前者、すなわち本発明によるドクター5の
場合は、各色ともドクター切れが良く、版かぶりが皆無
となり良質の印刷フィルムが得られた。
【0028】
【発明の効果】本発明の効果は次のとおりである。 1.請求項1に記載の発明においては、インキパンに溜
めるインキの量を必要最小限とすることができるため、
残インキの量を従来の約20kg/版当りから約5kg
/版当りに減少することができる。この結果、インキコ
ストの低減と、残インキのストックコストの低減及び省
資源化を図ることができる。 2.請求項2に記載の発明においては、版面が上り方向
に回転する位置でファニッシャーロールからインキが塗
布されるため、高表面張力の水性グラビアインキ使用に
おいて、特に高速回転時にインキの飛散がなくなり、濡
れ不良の問題が発生しない。 3.請求項3に記載の発明においては、ドクターの刃先
において、版面への接触圧が水性グラビアインキを用い
て行うグラビア印刷において最適となり、版かぶりの問
題が発生しない。
【図面の簡単な説明】
【図1】水性及び油性グラビアインキを用いるグラビア
印刷機において、インキパンのインキ溜りを可及的に小
さくして残インキ量を大幅に減らすように構成した実施
例1の説明図。
【図2】水性グラビアインキを用いるグラビア印刷機に
おいて、ファニッシャーロールの位置をドクター側に変
更することにより、濡れ不良の問題を解消するように構
成した実施例2の説明図。
【図3】水性グラビアインキを用いるグラビア印刷機に
おいて、ドクターの接触圧不適に基づく版かぶりの問題
を解消する実施例3の説明図。
【図4】実施例3のドクターの詳細構造の説明図。
【図5】従来のインキパンの説明図。
【図6】従来のファニッシャーロールの位置の説明図。
【図7】従来のグラビア印刷機における要部とドクター
の説明図。
【図8】従来のドクターの詳細構造の説明図。
【符号の説明】
1 インキパン 1a 浅底 2 ファニッシャーロール 3 版胴 3a 版面 4 インキ溜り 5 ドクター 5a 取付金具 5b バックプレート 5c ドクターナイフ 6 圧胴 7 フィルム

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水性及び油性グラビアインキを用いるグ
    ラビア印刷機において、インキ溜りは、ファニッシャー
    ロールのみが浸漬する大きさに形成し、版胴は、前記イ
    ンキ溜りから外れていることを特徴とする水性及び油性
    グラビアインキを用いるグラビア印刷機用インキパンの
    構造。
  2. 【請求項2】 水性グラビアインキを用いるグラビア印
    刷機において、ファニッシャーロールをドクター側に配
    置したことを特徴とする水性グラビアインキを用いるグ
    ラビア印刷機用ファニッシャーロールの構造。
  3. 【請求項3】 水性グラビアインキを用いるグラビア印
    刷機において、ドクターは、取付金具から突出している
    バックプレート長Lが30m/m以下、20m/m以上
    に設定され、バックプレートから突出しているドクター
    ナイフの刃長L1は4m/m以下、3m/m以上に設定
    されていることを特徴とする水性グラビアインキを用い
    るグラビア印刷機用ドクターの構造。
JP25042399A 1999-07-27 1999-09-03 水性及び油性グラビアインキを用いるグラビア印刷機用インキパン及び水性グラビアインキを用いるグラビア印刷用ファニッシャーロール及びドクターの構造 Pending JP2001071460A (ja)

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