JP2001070084A - 自動車用シートのシートパッド、そのシートパッドの成形方法およびシートパッドの成形型 - Google Patents

自動車用シートのシートパッド、そのシートパッドの成形方法およびシートパッドの成形型

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JP2001070084A
JP2001070084A JP25176299A JP25176299A JP2001070084A JP 2001070084 A JP2001070084 A JP 2001070084A JP 25176299 A JP25176299 A JP 25176299A JP 25176299 A JP25176299 A JP 25176299A JP 2001070084 A JP2001070084 A JP 2001070084A
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seat
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main pad
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JP25176299A
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English (en)
Inventor
Akihiko Mizoo
彰彦 溝尾
Akihiro Sakurai
昭弘 櫻井
Eiji Matsumoto
栄治 松本
Masahiko Ando
真彦 安藤
Hidetoshi Kawase
英利 川瀬
Shosuke Sasaki
章介 佐々木
Kenichiro Ogawara
賢一郎 小河原
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Howa Kogyo KK
Suzuki Motor Corp
Howa Machinery Ltd
Original Assignee
Howa Kogyo KK
Suzuki Motor Corp
Howa Machinery Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 乗員に座り心地の良さと安定感とを与えるこ
とができ、自動車用シートの製造コストを低減すること
ができる自動車用シートのシートパッド、そのシートパ
ッドの成形方法およびシートパッドの成形型を提供する
こと。 【解決手段】 自動車用シート1の各パッド6,8によ
れば、メインパッド6a,8aの着座面6a1及び背当
面8a1の一部分にはメインパッド6a,8aの硬度よ
り軟らかく形成されたインサートパッド6b,8bが設
けられる。このため、各パッド6,8の一部分の硬度を
インサートパッド6b,8bにより軟らかくし、他の部
分の硬度をメインパッド6a,8aにより硬く維持する
ことができる。よって、各パッド6,8の所望の一部分
の硬度をインサートパッド6b,8bにより軟化させる
ことで自動車用シート1の座り心地を向上させることが
でき、メインパッド6a,8aにおける硬度の硬い部分
により乗員の身体を安定した状態で支えることができる
のである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】 本発明は、自動車用シート
の安定性を維持しつつ、その座り心地を向上させること
ができる自動車用シートのシートパッド、そのシートパ
ッドの成形方法およびシートパッドの成形型に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】 自動車用シートは、主に、その表面を
覆う表皮材と、骨格をなすフレームと、そのフレームに
取着され表皮材により覆われる緩衝材としてのシートパ
ッドとにより構成されている。シートパッドは、例え
ば、ウレタンフォーム等の弾性材料で構成されており、
このウレタンフォームの硬度はシートに着座した乗員が
感ずる安定感を向上させるために硬くされている。とこ
ろが、このように硬いシートパッドを用いたシートバッ
クでは、このシートバックに乗員が凭れた場合に、乗員
の背面、特に、両肩の肩胛骨近傍部分が局部的に圧迫さ
れ、乗員に違和感を与えてしまう。また、硬いシートパ
ッドを用いたシートクッションでは、このシートクッシ
ョンに乗員が着座した場合に、乗員の下半身、特に、大
腿二頭筋近傍部分が局部的に圧迫され、乗員に違和感を
与えてしまう。よって、自動車用シートの座り心地が低
下してしまう。
【0003】そこで、かかる違和感を解消するため、例
えば、シート状の軟らかいウレタンフォーム等のワディ
ング(弾性材)をシートパッドを覆う表皮材の内面に取
着したシートクッションやシートバックが提案されてい
る。これらのシートクッション及びシートバックによれ
ば、シートクッションは軟らかいワディングが取着され
た表皮材により硬いシートパッドの着座面全体が覆われ
る一方、シートバックも軟らかいワディングが取着され
た表皮材により硬いシートパッドの背当面全体が覆われ
る。よって、乗員が両肩の肩胛骨近傍部分や大腿二頭筋
近傍部分に感ずる違和感が緩和されるのである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】 しかしながら、上記
のように、軟らかいワディングを取着した表皮材により
シートパッドの着座面や背当面を覆った自動車用シート
では、ワディングによりシートパッドの着座面全体や背
当面全体が覆われてしまう。よって、シートクッション
の着座面における乗員の座骨結節近傍部分を支える部分
や、シートバックの背当面における乗員の腰骨近傍部分
を支える部分の硬度も低下するため、乗員の身体を安定
した状態で支えることができず、自動車用シート全体と
しての安定性が低下してしまうという問題点があった。
【0005】また、表皮材の内面の一部分に軟らかいワ
ディングを取着することも考えられるが、表皮材の内面
にワディングを部分的に取着すると、表皮材におけるワ
ディングの取着部分と非取着部分との境界部分に段差が
できてしまい、かかる段差により乗員に違和感を与えて
しまう。よって、自動車用シートに着座した乗員に違和
感を与えることなく、シートクッションやシートバック
の所望の部分の硬度を軟らかくして、自動車用シートの
座り心地を向上させることができないという問題点があ
った。
【0006】しかも、表皮材内面の一部分に取着される
ワディングは、例えば、表皮材と表皮材内面に敷設され
る裏基布(ワディングカバー)との間に挟み込まれた状
態で、ミシン縫い等の縫合や高周波融着が施されて表皮
材に取着される。よって、かかるワディングを表皮材に
取着するための縫合工程や高周波融着工程が、自動車用
シートの製造工程に必要となるため、その分、自動車用
シート全体としての製造コストが増加して、ひいては、
自動車用シート自体の価格が増加してしまうという問題
点があった。
【0007】本発明は、上述した問題点を解決するため
になされたものであり、乗員に座り心地の良さと安定感
とを与えることができ、自動車用シートの製造コストを
低減することができる自動車用シートのシートパッド、
そのシートパッドの成形方法およびシートパッドの成形
型を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】 この目的を達成するた
めに請求項1記載の自動車用シートのシートパッドは、
自動車用シートの骨格をなすフレームに取着され緩衝材
として使用されるものであり、前記フレームの座面側に
取着可能に形成されるメインパッドと、そのメインパッ
ドの硬度より軟らかく形成され、そのメインパッドの座
面の一部分に設けられるインサートパッドとを備えてい
る。
【0009】この請求項1記載の自動車用シートによれ
ば、メインパッドは、自動車用シートの骨格をなすフレ
ームの座面側に取着されて緩衝材として使用される。し
かも、メインパッドの座面の一部分にはインサートパッ
ドが設けられ、このインサートパッドの硬度はメインパ
ッドの硬度より軟らかくされている。よって、メインパ
ッドの座面は、インサートパッドにより所望の一部分の
み硬度が軟らかくされ、その他の部分の硬度の低下が防
止される。
【0010】請求項2記載の自動車用シートのシートパ
ッドは、請求項1記載の自動車用シートのシートパッド
において、前記インサートパッドの座面は、前記メイン
パッドの座面と略面一とされている。
【0011】請求項3記載の自動車用シートのシートパ
ッドは、請求項1又は2に記載の自動車用シートのシー
トパッドにおいて、前記メインパッドは、発泡体原料を
成形型内へ注入して発泡させた発泡体で構成され、その
発泡体原料は、前記インサートパッドの座面の反対面へ
注入され、そのインサートパッドの表層部分に含浸して
硬化することにより、そのインサートパッドに接着され
る。
【0012】請求項4記載の自動車用シートのシートパ
ッドは、請求項3記載の自動車用シートのシートパッド
において、前記インサートパッドの座面の反対面には、
そのインサートパッドへの前記発泡体原料の含浸を抑制
するラミネート材が敷設されている。
【0013】請求項5記載の自動車用シートのシートパ
ッドは、請求項1又は2に記載の自動車用シートのシー
トパッドにおいて、前記メインパッドは、前記インサー
トパッドと別個に形成され、そのメインパッドの座面に
は前記インサートパッドを嵌合可能な嵌合凹部が凹設さ
れている。
【0014】この請求項5記載の自動車用シートのシー
トパッドによれば、請求項1又は2に記載の自動車用シ
ートのシートパッドと同様に作用する上、メインパッド
は、インサートパッドと別個に形成され、メインパッド
の座面には嵌合凹部が凹設される。この嵌合凹部にイン
サートパッドが嵌合されることにより、インサートパッ
ドがメインパッドの座面の一部分に設けられる。
【0015】請求項6記載の自動車用シートのシートパ
ッドは、請求項1から5のいずれかに記載の自動車用シ
ートのシートパッドにおいて、前記メインパッドは、シ
ートバックが一端側に立設されたシートクッションの骨
格をなすフレームに取着可能に形成されており、前記イ
ンサートパッドは、前記メインパッドの座面における前
記シートバック側部分との反対側部分に設けられる。
【0016】この請求項6記載の自動車用シートのシー
トパッドによれば、請求項1から5のいずれかに記載の
自動車用シートのシートパッドと同様に作用する上、メ
インパッドはシートクッションの骨格をなすフレームに
取着され、このシートクッションの一端側にはシートバ
ックが立設される。一方、インサートパッドは、メイン
パッドの座面におけるシートバック側部分の反対側部分
に設けられる。よって、かかる軟らかいインサートパッ
ドは、メインパッドの一部分であって、シートクッショ
ンに着座する乗員の大腿二頭筋近傍部分が当たる位置に
設けられる。このため、乗員の大腿二頭筋の近傍部分に
圧迫感を与えることがない。
【0017】請求項7記載の自動車用シートのシートパ
ッドは、請求項1から5のいずれかに記載の自動車用シ
ートのシートパッドにおいて、前記メインパッドは、シ
ートクッションの一端側から立設されたシートバックの
骨格をなすフレームに取着可能に形成されており、前記
インサートパッドは、前記メインパッドの座面における
前記シートクッション側部分との反対側部分に設けられ
る。
【0018】この請求項7記載の自動車用シートのシー
トパッドによれば、請求項1から5のいずれかに記載の
自動車用シートのシートパッドと同様に作用する上、メ
インパッドはシートバックの骨格をなすフレームに取着
され、このシートバックはシートクッションの一端側に
立設される。一方、インサートパッドは、メインパッド
の座面におけるシートクッション側部分の反対側部分に
設けられる。よって、かかる軟らかいインサートパッド
は、メインパッドの座面の一部分であって、シートバッ
クに凭れる乗員の両肩の肩胛骨近傍部分が当たる位置に
設けられる。このため、乗員の両肩の肩胛骨近傍部分に
圧迫感を与えることがない。
【0019】請求項8記載の成形型は、発泡体原料を発
泡させた発泡体で構成されるメインパッドとそのメイン
パッドの硬度より軟らかく形成され前記メインパッドの
座面の一部分に設けられるインサートパッドとを備えた
自動車用シートのシートパッドを成形するためのもので
あり、前記メインパッドの座面側の形状に適合した凹状
の受面を有する第1型枠と、その第1型枠の受面に対向
して覆設され、前記メインパッドの外形に適合した発泡
空間を前記第1型枠の受面との間に形成する第2型枠
と、前記第1型枠の受面から前記第2型枠へ向けて立設
される仕切壁板が周設されて凹状に形成されると共に、
前記インサートパッドが挿置される挿置凹部とを備えて
いる。
【0020】この請求項8記載の成形型によれば、イン
サートパッドを挿置凹部に挿置し、更に、その第1型枠
の受面に対向させつつ第2型枠を覆設して、第1型枠の
受面と第2型枠との間に発泡空間を形成する。この発泡
空間内へ発泡体原料が注入されると、注入された発泡体
原料が発泡してメインパッドの外形が成形される。一
方、このメインパッドの成形と共に、インサートパッド
における挿置凹部から発泡空間側へ露出した部分、即
ち、インサートパッドの座面の反対面における表層部分
に発泡体原料が含浸される。このインサートパッドに含
浸した発泡体原料が発泡し硬化して、メインパッドの座
面の一部にインサートパッドが接着され、インサートパ
ッドがメインパッドの座面の一部分にインサートパッド
が設けられたシートパッドが成形される。しかも、第1
型枠の挿置凹部に挿置されたインサートパッドの周囲は
仕切壁板により囲まれるので、発泡空間内へ注入された
発泡体原料が仕切壁板とインサートパッドとの間部分へ
浸入してインサートパッドに含浸することが防止され
る。
【0021】請求項9記載の成形型は、請求項8記載の
成形型において、前記第1型枠の挿置凹部に周設される
仕切壁板は薄板状に形成されている。
【0022】請求項10記載の成形方法は、請求項8又
は9に記載の成形型を使用して、発泡体原料を発泡させ
た発泡体で構成されるメインパッドとそのメインパッド
の硬度より軟らかく形成され前記メインパッドの座面の
一部に設けられるインサートパッドとを備えた自動車用
シートのシートパッドを成形するための方法であり、前
記第1型枠の挿置凹部へ前記インサートパッドを挿置す
る挿置工程と、その挿置工程により前記インサートパッ
ドが挿置された第1型枠に前記第2型枠を覆設して、そ
の第2及び第1型枠との間に形成される発泡空間内へ発
泡体原料を注入する発泡体原料注入工程と、その発泡体
原料注入工程の後、注入された発泡体原料を発泡させて
前記メインパッドを成形し、そのメインパッドの座面の
一部に前記インサートパッドを接着するメインパッド成
形工程とを備えている。
【0023】
【発明の実施の形態】 以下、本発明の好ましい実施例
について、添付図面を参照して説明する。図1は、本発
明のシートパッドの一実施例であるクッションパッド6
及びバックパッド8を使用した自動車用シート1の外観
斜視図であり、表皮材5,7を部分的に断面視して図示
している。自動車用シート1は、自動車に搭乗する乗員
が座るためのものであり、主に、シートクッション2
と、そのシートクッション2の後部一端側から上方へ向
けて立設されるシートバック3とを備えている。
【0024】シートクッション2は自動車用シート1に
座る乗員の下半身が載置され、乗員が着座するためのも
のである。シートクッション2の後部であって、シート
クッション2の幅方向における両側には一対のリクライ
ニングアジャスタ4がそれぞれ配設されており、このリ
クライニングアジャスタ4を介して、シートバック3が
シートクッション2の後部に回動可能に連結されてい
る。尚、図1ではシートクッション2の後部であって、
シートクッション2の幅方向一側(図1の右側)に配設
されるリクライニングアジャスタ4のみを図示してい
る。
【0025】シートクッション2の表面は表皮材5によ
り覆われている。表皮材5は、ウールモケットなどの布
製のものやビニールレザー、皮革などが使用されてお
り、クッションパッド6の表面を覆っている。このクッ
ションパッド6は、シートクッション2のクッションの
役目をする緩衝材であって、主に、メインパッド6a
と、インサートパッド6bとを備えている。
【0026】メインパッド6aは多孔質(多孔性)の弾
性材料であるウレタンフォーム(発泡体)で構成されて
いる。このウレタンフォームは、例えば以下のように構
成されている。即ち、イソシアナート化合物とポリオー
ル化合物との反応により得られるポリウレタン樹脂を構
成成分とするウレタン原液(発泡体原料)を成形型内へ
注入し、イソシアナート化合物と架橋剤として用られる
水との反応により生成される二酸化炭素(CO)又は
揮発性溶剤を発泡剤として加えることによって、ウレタ
ン原液を発泡硬化させたものである。
【0027】メインパッド6aの上面略中央には、乗員
の下半身を支える略平面状の着座面6a1(図1の上
面)が形成され、その着座面6a1の幅方向(図1の左
右方向)両側には着座面6a1よりも上方へ隆起された
サポート部6a2がそれぞれ設けられている。よって、
このサポート部6a2,6a2により、乗員の下半身の
左右両側をホールド(保持)することができるのであ
る。また、メインパッド6aの着座面6a1の一部分に
は、その着座面6a1と同一平面をなす平面視略台形シ
ート状に形成されたインサートパッド6bが設けられて
いる。具体的に、インサートパッド6bは、メインパッ
ド6aの着座面6a1における前側部分(着座面6a1
におけるシートバック3との反対側部分)に設けられて
いる。
【0028】インサートパッド6bは、上述したメイン
パッド6aと同様に、多孔質の弾性材料であるウレタン
フォームで構成されている。このインサートパッド6b
を構成するウレタンフォームは、メインパッド6aを構
成するウレタンフォームより硬度が軟らかく形成されて
いる。例えば、インサートパッド6bは、その硬さが略
5kgf/314cm以下とされ、その厚みが略1
2mm以上とされている。また、インサートパッド6b
の上面には、メインパッド6aの着座面6a1と略面一
の着座面6b1が形成されており、その周囲であって各
パッド6a,6bの境界部分には凹状の凹み部6cが周
設されている。
【0029】ここで、クッションパッド6における凹み
部6cは、例えば、その溝幅W1が略3mm以下となる
ように形成されており、乗員がシートクッション2に着
座した場合に、乗員に対して、クッションパッド6の凹
み部6cにより違和感を与えることを抑制している。
【0030】シートバック3は自動車用シート1に座る
乗員の上半身を凭れ掛けるためのものである。シートバ
ック3は、上述したシートクッション2の後部一端側か
ら上方へ向けて立設されており、上述したリクライニン
グアジャスタ4によりシートクッション2に回動可能に
連結されている。シートバック3の表面は表皮材7によ
り覆われている。表皮材7は、上述した表皮材5と同様
にウールモケットなどの布製のものやビニールレザー、
皮革などが使用されており、バックパッド8の表面を覆
っている。このバックパッド8は、シートバック3のク
ッションの役目をする緩衝材であって、主に、メインパ
ッド8aと、インサートパッド8bとを備えている。
【0031】メインパッド8aは、上述したシートクッ
ション2のメインパッド6aと同様に多孔質の弾性材料
であるウレタンフォームで構成されている。また、メイ
ンパッド8aの前面略中央には、乗員の下半身を支える
略平面状の背当面8a1(図1の前面側)が形成され、
その背当面8a1の幅方向(図1の左右方向)両側には
背当面8a1よりも前方へ隆起されたサポート部8a2
がそれぞれ設けられている。よって、このサポート部8
a2,8a2により、乗員の上半身の左右両側をホール
ド(保持)することができるのである。
【0032】また、メインパッド8aの背当面8a1の
一部分には、その背当面8a1と同一平面をなす正面視
略台形シート状に形成されたインサートパッド8bが設
けられている。具体的に、インサートパッド8bは、メ
インパッド8aの背当面8a1における上側部分(背当
面8a1におけるシートクッション2との反対側部分)
に設けられている。
【0033】インサートパッド8bは、上述したクッシ
ョンパッド6のインサートパッド6bと同様に、多孔質
の弾性材料であるウレタンフォーム(発泡体)で構成さ
れている。このインサートパッド8bを構成するウレタ
ンフォームは、メインパッド8aを構成するウレタンフ
ォームより硬度が軟らかく形成されている。例えば、イ
ンサートパッド8bは、上述したインサートパッド6b
と同様に、その硬さが略5kgf/314cm以下
とされ、その厚みが略12mm以上とされている。ま
た、インサートパッド8bの前面には、メインパッド8
aの背当面8a1と略面一の背当面8b1が形成されて
おり、その周囲であって各パッド8a,8bの境界部分
には凹状の凹み部8cが周設されている。
【0034】ここで、バックパッド8における凹み部8
cは、例えば、その溝幅W2が略3mm以下となるよう
に形成されており、乗員がシートバック3に凭れた場合
に、乗員に対して、バックパッド8の凹み部8cにより
違和感を与えることを抑制している。
【0035】図2(a)は、図1のIIA−IIA線に
おけるシートバック3の側断面図であり、図2(b)
は、図1のIIB−IIB線におけるシートクッション
2の側断面図である。図2(a)に示すように、シート
バック3のバックパッド8内には、シートバック3の骨
格をなすバックフレーム10が埋設されている。このバ
ックフレーム10の背当面側、即ち、バックフレーム1
0の前面側(図2(a)の左側)には、バックパッド8
のメインパッド8aが取着されている。インサートパッ
ド8bの背当面8b1側の反対面、即ち、インサートパ
ッド8bの裏面8b2(図2(a)の右側)の表層部分
には、メインパッド8aを構成するウレタンフォームの
原液が含浸して硬化することにより形成された薄層状の
接着層8dが設けられている。この接着層8dによっ
て、メインパッド8aとインサートパッド8bとが接着
されている。
【0036】一方、図2(b)に示すように、シートク
ッション2のクッションパッド6内には、シートクッシ
ョン2の骨格をなすクッションフレーム9が埋設されて
いる。このクッションフレーム9の着座面側、即ち、ク
ッションフレーム9の上面側(図2(b)の上側)に
は、クッションパッド6のメインパッド6aが取着され
ている。インサートパッド6bの着座面6b1側の反対
面、即ち、インサートパッド6bの裏面6b2(図2の
下側)の表層部分には、メインパッド6aを構成するウ
レタンフォームの原液が含浸して硬化することにより形
成された薄層状の接着層6dが設けられている。この接
着層6dによって、メインパッド6aとインサートパッ
ド6bとが接着されている。
【0037】次に、図3及び図4を参照して、上述した
シートバック3のバックパッド8の成形型11について
説明する。図3は、成形型11の側断面図であり、注入
装置14を部分的に図示している。図3に示すように、
成形型11は、主に、雌型12と、その雌型12に着脱
自在に覆設される雄型13とを備えている。雌型12
は、その1面(図3の上側)に雄型13を覆設するため
に開放された開口12aが設けられており、この開口1
2aにより開放された雌型12内部の底面には受面12
bが形成されている。この受面12bは、バックパッド
8のメインパッド8aの背当面8a1側の形状に適合し
て形成されている。
【0038】一方、雄型13は、受面12bに対向しつ
つ開口12aを塞ぐようして雌型12に覆設されてい
る。雌型12と雄型13との間部分には、上述したメイ
ンパッド8aの外形に適合した発泡空間11aが形成さ
れており、この発泡空間11a内でメインパッド8aを
構成するウレタンフォームのウレタン原液Sが発泡され
るのである。また、雌型12の受面12bには、その受
面12bと対向する雄型13へ向けて薄板状の仕切壁板
12cが立設されると共に、この仕切壁板12cが周設
されることにより凹状に形成された挿置凹部12dが設
けられている。
【0039】この挿置凹部12dに周設される仕切壁板
12cは、雌型12の受面12bに一体成形されてお
り、その受面12bからの高さがインサートパッド8b
の厚さに対して略等しく又は若干小さくされている。よ
って、図3に示すように、挿置凹部12dにインサート
パッド8bが挿置された場合に、インサートパッド8b
の裏面8b2側端部を仕切壁板12cの上端よりも高い
位置に若干露出させることができる。しかも、かかるイ
ンサートパッド8bの露出部分、即ち、インサートパッ
ド8bの裏面8b2の表層部分には、メインパッド8a
のウレタン原液Sが僅かに含浸し発泡硬化して、薄層状
の接着層8dが形成されるのである。
【0040】図4は、雌型12の外観斜視図であり、そ
の受面12bに立設される仕切壁板12cを図示したも
のである。図4に示すように、挿置凹部12dは、その
周囲に4枚の仕切壁板12cが周設されており、その4
枚の仕切壁板12cの上端側が開放され、平面視略台形
状の凹部となるように形成されている。この挿置凹部1
2dは、その内周部分にインサートパッド8bを挿置可
能に形成され、インサートパッド8bの平面視形状と適
合するように形成されている。
【0041】しかも、挿置凹部12dの開口面積は、イ
ンサートパッド8bを平面視した面積より若干小さく形
成されている。よって、インサートパッド8bが挿置凹
部12d内に挿置された場合、4枚の仕切壁板12cと
インサートパッド8bの側面とを密着させることができ
る。よって、この仕切壁板12cとインサートパッド8
b側面との間に隙間ができることを防止して、かかる隙
間からメインパッド8aのウレタン原液S(図3参照)
が滲入することを防止することができる。よって、メイ
ンパッド8aのウレタン原液Sがインサートパッド8b
の背当面8b1側の表層部分へ含浸して硬化することを
防止して、かかるウレタン原液Sの硬化に伴ってバック
パッド8の背当面8b1側が硬くなることを防止するこ
とができるのである。
【0042】また、インサートパッド8bは挿置凹部1
2d内に挿置されるので、発泡空間11a内へ注入され
るメインパッド8aのウレタン原液Sが発泡して膨張す
る際に、その膨張力によりインサートパッド8bが押さ
れて、インサートパッド8bの位置がズレることを防止
することができるのである。
【0043】雌型12の受面12bにおける挿置凹部1
2dの内側部分と、受面12bにおける挿置凹部12d
の外側部分とは、略面一とされている。よって、成形型
11により成形されたバックパッド8は、そのメインパ
ッド8aの背当面8a1とインサートパッド8bの背当
面8b1とが略面一とされるのである。また、インサー
トパッド8bの周囲には、挿置凹部12dに周設される
4枚の仕切壁板12cによって、そのインサートパッド
8bとメインパッド8aとの境界部分に凹み部8cが形
成される。ここで、各仕切壁板12cは、それぞれ薄板
状に形成されており、例えば、その板厚が略3mm以下
となるように形成され、バックパッド8における凹み部
8cの溝幅W2が小さくなるようにされている。よっ
て、乗員がシートバック3に凭れた場合に、バックパッ
ド8の凹み部8cにより乗員が感ずる違和感を抑制する
ことができる。
【0044】図3に戻って説明する。図3に示すよう
に、挿置凹部12dに周設される仕切壁板12cの上端
と雄型13の内面との間には間隔が設けられており、発
泡空間11a内へメインパッド8aのウレタン原液Sが
注入された場合に、そのウレタン原液Sがインサートパ
ッド8bの裏面8b2へ流入するように形成されてい
る。よって、発泡空間11a内へ注入されたメインパッ
ド8aのウレタン原液Sは、インサートパッド8bの裏
面8b2の表層部分へ含浸し硬化して、インサートパッ
ド8bと接着されるのである。
【0045】次に、上記のように構成された成形型11
を使用したバックパッド8の成形工程を説明する。図4
に示すように、まず、雌型12から雄型13を取り外し
た状態でインサートパッド8bを雌型12の挿置凹部1
2d内側における受面12b上面に挿置する。図3に示
すようにインサートパッド8bを雌型12の挿置凹部1
2d内に挿置した後、注入装置14の注入ノズル14a
から液状のウレタン原液Sが雌型12の受面12bへ向
けて注入される。かかる場合に、注入装置14の注入ノ
ズル14aは、雌型12の受面12bであって、インサ
ートパッド8bが挿置された挿置凹部12dから離れた
位置(部分)(図3の左側部分)へウレタン原液Sを注
入するのである。よって、注入口ノズル14aから注入
されたウレタン原液Sは、インサートパッド8bの裏面
8b2側の表層部分へ直接に含浸することが防止される
のである。即ち、注入されたウレタン原液Sは、注入装
置14の注入ノズル14aによって、インサートパッド
8bから離れた位置から注入されるので、かかる原液S
がインサートパッド8bへ向かって流動し接近する間に
発泡し始め、インサートパッド8bへ含浸し難くなるの
である。このため、ウレタン原液Sがインサートパッド
8bへ過剰(過度)に含浸することが抑制されるのであ
る。
【0046】ウレタン原液Sの注入後、図3に示すよう
に、雄型13を雌型12の開口12aに対向させて、開
口12aを塞ぐようにして雄型13を雌型12に覆設す
る。即ち、雌型12の受面12bにウレタン原液Sが貯
められた後、成形型11が型締めされるのである。この
成形型11の型締めにより、雌型12の受面12bと雄
型13との間に発泡空間11aが設けられる。この発泡
空間11a内で、ウレタン原液Sの発泡が更に進行する
と、その発泡を続けるウレタン原液Sは、その一部が受
面12bを流動して、インサートパッド8bの背当面8
b1の反対面、即ち、インサートパッド8bの裏面8b
2へ回り込んで到達する。このインサートパッド8bの
裏面8b2は、その表層部分が挿置凹部12dから発泡
空間11a内へ向けて露出されており、このインサート
パッド8bへ到達したウレタン原液Sが含浸する。その
後、ウレタン原液Sが発泡され硬化されて、所定形状の
メインパッド8aが成形される。一方、メインパッド8
aの成形に伴って、インサートパッド8bに含浸したウ
レタン原液Sがインサートパッド8b内で発泡し硬化し
て接着層8dが形成され、この接着層8dによりメイン
パッド8aの所定位置にインサートパッド8bが接着さ
れる。
【0047】しかも、インサートパッド8bが挿置され
る挿置凹部12dに周設される仕切壁板12cによっ
て、インサートパッド8bの側面や背当面8b1側への
ウレタン原液Sの含浸が防止される。その結果、インサ
ートパッド8bの背当面8b1側と、メインパッド8a
の背当面8a1側との境界部分には凹み部8cが凹設さ
れる。その後、雄型13及び雌型12を分離して、成形
されたメインパッド8aを取り出す。すると、メインパ
ッド8aの背当面8a1とインサートパッド8bの背当
面8b1とが略面一とされた状態で、メインパッド8a
の背当面8a1における一部分にインサートパッド8b
が接着されて、バックパッド8が成形されるのである。
【0048】尚、以上、バックパッド8の成形型11を
例にシートパッドの成形型を説明したが、かかるシート
パッドの成形型をクッションパッド6の成形に適用して
も良い。
【0049】以上説明したように、本実施例の自動車用
シート1のクッションパッド6によれば、メインパッド
6aの着座面6a1の一部分にはメインパッド6aの硬
度より軟らかく形成されたインサートパッド6bが設け
られるので、このインサートパッド6bによりクッショ
ンパッド6の一部分の硬度を軟らかくする一方、他の部
分の硬度をメインパッド6aにより硬く維持することが
できる。よって、インサートパッド6bにより、クッシ
ョンパッド6の所望の一部分の硬度を軟化させて、自動
車用シート1の座り心地を向上させることができる。
【0050】具体的に、自動車用シート1では、インサ
ートパッド6bが、シートクッション2のメインパッド
6a(クッションパッド6)の着座面6a1におけるシ
ートバック3側部分の反対側部分、即ち、メインパッド
6a(クッションパッド6)の前側部分に設けられてい
る。即ち、インサートパッド6bは、クッションパッド
6における乗員の大腿二頭筋やその近傍と当たる部分に
設けられている。よって、乗員の大腿二頭筋やその近傍
にはメインパッド6aの硬度より軟らかく形成されたイ
ンサートパッド6bが当たるので、かかる乗員に圧迫感
を与えることがなく、自動車用シート1の座り心地を向
上させることができるのである。
【0051】しかも、軟らかいインサートパッド6b
は、硬いメインパッド6aの着座面6a1の一部分にの
み設けられるので、メインパッド6aの着座面6a1の
他部分は硬度が硬いままとされる。よって、このメイン
パッド6aの着座面6a1における硬度の硬い部分によ
り、乗員の身体は安定した状態で支えられるので、自動
車用シート1に着座した乗員に安定感を与えることがで
きる。
【0052】一方、バックパッド8によれば、メインパ
ッド8aの背当面8a1の一部分にはメインパッド8a
の硬度より軟らかく形成されたインサートパッド8bが
設けられるので、このインサートパッド8bよりバック
パッド8の一部分の硬度を軟らかくする一方、他の部分
の硬度をメインパッド8aにより硬く維持することがで
きる。よって、インサートパッド8bにより、バックパ
ッド8の所望の一部分の硬度を軟化させて、自動車用シ
ート1の座り心地を向上させることができる。
【0053】具体的に、自動車用シート1では、インサ
ートパッド8bが、シートバック3のメインパッド8a
(バックパッド8)の背当面8a1におけるシートクッ
ション2側部分の反対側部分、即ち、メインパッド8a
(バックパッド8)の上側部分に設けられている。即
ち、インサートパッド8bは、バックパッド8における
乗員の肩胛骨やその近傍と当たる部分に設けられてい
る。よって、乗員の肩胛骨やその近傍の部位にはメイン
パッド8aの硬度より軟らかく形成されたインサートパ
ッド8bが当たるので、かかる乗員の部位に圧迫感を与
えることがなく、自動車用シート1の座り心地を向上さ
せることができるのである。
【0054】しかも、軟らかいインサートパッド8b
は、硬いメインパッド8aの背当面8a1の一部分にの
み設けられるので、メインパッド8aの着座面8a1の
他部分は硬度が硬いままとされる。よって、このメイン
パッド8aの背当面8a1における硬度の硬い部分によ
り、乗員の身体は安定した状態で支えられるので、自動
車用シート1に着座した乗員に安定感を与えることがで
きる。
【0055】また、インサートパッド6bの着座面6b
1はメインパッド6aの着座面6a1と略面一とされ、
且つ、インサートパッド8bの背当面8b1はメインパ
ッド8aの背当面8a1と略面一とされるので、そのメ
インパッド6a,8aとインサートパッド6b,8bと
の間に段差ができることを防止することができる。よっ
て、各パッド6,8を使用した自動車用シート1に着座
した乗員に段差による違和感を与えることがない。
【0056】メインパッド8aは、ウレタン原液Sを成
形型11内へ注入して発泡させたウレタンフォームで構
成されている。このウレタン原液Sは、成形型11の発
泡空間11aにおけるインサートパッド8bの背当面8
b1の反対面、即ち、裏面8b2側へ発泡するように注
入され、そのインサートパッド8bの裏面8b2の表層
部分へに含浸して硬化することにより接着層8dを形成
して、かかる接着層8dによりメインパッド8aがイン
サートパッド8bに接着される。このため、メインパッ
ド8aの成形と同時に、メインパッド8aとインサート
パッド8bとの接着を行うことができるので、バックパ
ッド8の製造工程を簡素化することができる。
【0057】しかも、ウレタン原液Sはインサートパッ
ド8bの背当面8b1の反対面、即ち、裏面8b2側へ
発泡するように注入され、そのインサートパッド8bの
裏面8b2の表層部分に含浸して硬化するので、インサ
ートパッド8bの背当面8b1側部分がウレタン原液S
の硬化により硬くなることを防止することができる。こ
のため、インサートパッド8bの背当面8b1側部分の
硬化によって、自動車用シート1に着座する乗員に違和
感を与えることがない。
【0058】また、シートクッション2のクッションパ
ッド6についても、バックパッド8と同様に、メインパ
ッド6aは、ウレタン原液を成形型内へ注入して発泡さ
せたウレタンフォームで構成されている。このウレタン
原液は、成形型の発泡空間におけるインサートパッド6
bの着座面6b1の反対面、即ち、裏面6b2側へ発泡
するように注入され、そのインサートパッド6bの裏面
6b2の表層部分に含浸して硬化することにより接着層
6dを形成して、かかる接着層6dによりメインパッド
6aがインサートパッド6bに接着される。このため、
メインパッド6aの成形と同時に、メインパッド6aと
インサートパッド6bとの接着を行うことができるの
で、クッションパッド6の製造工程を簡素化することが
できる。
【0059】しかも、ウレタン原液はインサートパッド
6bの着座面6a1の反対面、即ち、裏面側6b2側へ
発泡するように注入され、そのインサートパッド6bの
裏面6b2の表層部分に含浸して硬化するので、インサ
ートパッド6bの着座面6b1側部分がウレタン原液の
硬化により硬くなることを防止することができる。この
ため、インサートパッド6bの着座面6b1側部分の硬
化によって、自動車用シート1に着座する乗員に違和感
を与えることがない。
【0060】次に、図5を参照して、第2実施例の自動
車用シートを説明する。図5(a)は、第2実施例にお
ける自動車用シートのバックパッド22の側断面図であ
り、図5(b)は、自動車用シートのクッションパッド
21の側断面図であり、本実施例の説明を容易にするた
めに表皮材5,7を省略して図示している。第2実施例
の自動車用シートは、上述した第1実施例の自動車用シ
ート1に対して、クッションパッドのメインパッドとイ
ンサートパッドとの接着手段、及び、バックパッドのメ
インパッドとインサートパッドとの接着手段を、それぞ
れ変更したものである。以下、第1実施例と同一の部分
には同一の符号を付して、その説明を省略し異なる部分
のみを説明する。
【0061】図5(a)に示すように、シートバック2
2のクッションパッド8は、インサートパッド8bの背
当面8b1側の反対面、即ち、インサートパッド8bの
裏面8b2に略シート状のラミネート材24が層状に敷
設されている。このラミネート材24は、メインパッド
8aのウレタン原液がインサートパッド8bへ過剰に含
浸することを抑制するためのものであり、例えば、不織
布などで構成されている。ラミネート材24は、インサ
ートパッド8bの裏面8b2に接着剤等により貼着され
ている。
【0062】また、ラミネート材24とメインパッド8
aとの境界部分には、メインパッド8aを構成するウレ
タンフォームの原液がラミネート材24に含浸し硬化し
た接着層24aが形成されている。この接着層24aに
より、ラミネート材24とメインパッド8aとが接着さ
れ、この接着によりメインパッド8aとインサートパッ
ド8bとを接着することができるのである。
【0063】図5(b)に示すように、シートクッショ
ン21のクッションパッド6は、インサートパッド6b
の着座面6b1側の反対面、即ち、インサートパッド6
bの裏面6b2に略シート状のラミネート材23が層状
に敷設されている。このラミネート材23は、メインパ
ッド6aのウレタン原液がインサートパッド6bへ過剰
に含浸することを抑制するためのものであり、上記のラ
ミネート材24と同様に、例えば不織布などで構成され
ている。ラミネート材23は、インサートパッド6bの
裏面6b2に接着剤等により貼着されている。
【0064】また、ラミネート材23とメインパッド6
aとの境界部分には、メインパッド6aを構成するウレ
タンフォームの原液がラミネート材23に含浸し硬化し
た接着層23aが形成されている。この接着層23aに
より、ラミネート材23とメインパッド6aとが接着さ
れ、この接着によりメインパッド6aとインサートパッ
ド6bとを接着することができるのである。
【0065】このように第2実施例の自動車用シートに
よれば、インサートパッド6b,8bの裏面6b2,8
b2には、その表層部分へメインパッド6a,8aを構
成するウレタンフォームのウレタン原液の含浸を抑制す
るラミネート材23,24が敷設されるので、ウレタン
原液の粘度が小さくインサートパッド6b,8bに含浸
し易い場合に、かかるウレタン原液の過剰な含浸を抑制
して、かかる含浸に伴うインサートパッド6b,8bの
硬化を抑制することができる。例えば、コールドキュア
に使用されるウレタン原液に比べて粘度が低いウレタン
原液を使用するホットキュアによりメインパッド6a,
8aのウレタンフォームを成形する場合には、ラミネー
ト材23,24によって、粘度の低いウレタン原液がイ
ンサートパッド6b,8bに過剰に含浸し硬化すること
を抑制し、かかるウレタン原液の硬化によりインサート
パッド6b,8bが硬化することを抑制することができ
るのである。
【0066】次に、図6を参照して、第3実施例の自動
車用シート31を説明する。図6は、第3実施例におけ
る自動車用シート31の分解斜視図であり、本実施例の
説明を容易にするために表皮材5,7を省略して図示し
ている。以下、第1実施例と同一の部分には同一の符号
を付して、その説明を省略し異なる部分のみを説明す
る。
【0067】図6に示すように、クッションパッド32
のメインパッド6aはインサートパッド6bと別個に形
成されており、その着座面6a1の一部分にはインサー
トパッド6bの平面視形状に適合した平面視略台形状の
凹部である嵌合凹部34が凹設されている。この嵌合凹
部34は、クッションパッド32のインサートパッド6
bを嵌合可能に形成されており、メインパッド6aの着
座面6a1における前側部分(着座面6a1におけるシ
ートバック3との反対側部分)に凹設されている。
【0068】一方、バックパッド33のメインパッド8
aはインサートパッド8bと別個に形成されており、そ
の背当面8a1の一部分にはインサートパッド8bの前
面視形状に適合した前面視略台形状の凹部である嵌合凹
部35が凹設されている。この嵌合凹部35は、バック
パッド33のインサートパッド8bを嵌合可能に形成さ
れており、メインパッド8aの背当面8a1における上
側部分(背当面8a1におけるシートクッション2との
反対側部分)に凹設されている。
【0069】各嵌合凹部34,35は、その深さがイン
サートパッド6b,8bの厚さと略等しくされている。
よって、各嵌合凹部34,35内へ各インサートパッド
6b,8bが嵌合された場合には、メインパッド6aの
着座面6a1がインサートパッド6bの着座面6b1と
略面一状にされ、メインパッド8aの背当面8a1がイ
ンサートパッド8bの背当面8b1と略面一状にされ
る。
【0070】従って、各嵌合凹部34,35内へ各イン
サートパッド6b,8bが嵌合された場合に、メインパ
ッド6aとインサートパッド6bとの間、及び、メイン
パッド8aとインサートパッド8bとの間に段差ができ
ることを防止することができる。よって、各パッド3
2,33を使用した自動車用シート31に着座した乗員
に段差による違和感を与えることがない。
【0071】また、自動車用シート31の各パッド3
2,33によれば、各インサートパッド6b,8bが各
嵌合凹部34,35に嵌合された各メインパッド6a,
8aを表皮材5,7により覆うことにより、各インサー
トパッド6b,8bが各嵌合凹部34,35から外れ落
ちることを防止できる。よって、インサートパッド6
b,8bをメインパッド6a,8aに接着する必要がな
く、かかるインサートパッド6b,8bの接着工程が不
要となる分、自動車用シート31の製造コストを低減す
ることができる。
【0072】以上、実施例に基づき本発明を説明した
が、本発明は上記実施例に何ら限定されるものではな
く、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形
が可能であることは容易に推察できるものである。
【0073】例えば、各実施例では、インサートパッド
6b,8bを、例えばポリウレタン樹脂等のウレタンフ
ォームで構成したが、ポリプロピレンパッドやゴムラバ
ー等で構成しても良い。即ち、インサートパッドは、そ
の硬度がメインパッドの硬度より軟らかい材質のもので
あれば良い。
【0074】第1実施例では、注入装置14の注入ノズ
ル14aによって、雄型13を取り外した状態における
成形型11の雌型12の受面12bへウレタン原液Sを
注入した。しかも、かかる場合には、インサートパッド
8bが挿置された挿置凹部12dから離れた位置へウレ
タン原液Sを注入することにより、ウレタン原液Sのイ
ンサートパッド8bへの過剰な含浸を抑制した。しかし
ながら、かかるウレタン原液の過剰な含浸を抑制する手
段は、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、
雌型の外面に発泡空間と連通する注入口を穿設して、か
かる注入口からウレタン原液を発泡空間内へ注入しても
良い。
【0075】しかも、かかる場合には、注入口の穿設位
置を雌型の挿置凹部に挿置されたインサートパッドの裏
面よりも低い位置とすることにより、注入口から注入さ
れるウレタン原液がインサートパッドの裏面側の表層部
分へ直接に含浸することが抑制されるのである。即ち、
注入されたウレタン原液は、注入口からインサートパッ
ドの裏面側よりも低い位置から注入されるので、かかる
原液がインサートパッドの裏面側へ向かって流動し接近
する間に発泡し始め、インサートパッドの裏面側へ含浸
し難くなるのである。このため、ウレタン原液がインサ
ートパッドへ過剰(過度)に含浸することが抑制される
のである。
【0076】また、第2実施例では、ラミネート材2
3,24を不織布で構成した。しかしながら、ラミネー
ト材は必ずしも不織布で構成する必要はなく、例えば、
ナイロン系繊維を網目状に織ったナイロンハーフや、シ
ート状の布材や、フィルム材であっても良い。即ち、メ
インパッドを構成するウレタンフォームのウレタン原液
がインサートパッドへ含浸することを抑制することがで
きる材質のものであれば良い。
【0077】更に、第2実施例では、ラミネート材2
3,24を用いて、ウレタン原液のインサートパッド6
b,8bへの過剰な含浸を抑制した。しかしながら、ウ
レタン原液のインサートパッドへの含浸抑制手段は、必
ずしもこれに限られるものではなく、例えば、インサー
トパッドをメインパッドのウレタン原液が含浸し難いウ
レタンフォームで構成すれば良い。即ち、インサートパ
ッドを構成するウレタンフォームに多数形成される小孔
の孔径を小さく形成して、メインパッドのウレタン原液
の含浸を抑制しても良い。
【0078】第3実施例では、インサートパッド6b,
8bをメインパッド6a,8aの嵌合凹部34,35へ
嵌合する場合に、インサートパッド6b,8bをメイン
パッド6a,8aに接着せずに嵌合したが、かかる場合
にはインサートパッドとメインパッドとを接着剤により
接着しても良い。
【0079】
【発明の効果】 請求項1記載の自動車用シートのシー
トパッドによれば、メインパッドの硬度より軟らかく形
成されたインサートパッドはメインパッドの座面の一部
分に設けられるので、このインサートパッドによりメイ
ンパッドの座面における所望の一部分のみ硬度を軟らか
くすることができる。よって、かかる軟らかいインサー
トパッドにより乗員の身体に加わる過度の圧迫を抑制す
ることができる。このため、かかる圧迫による乗員の違
和感を緩和して、自動車用シートの座り心地を向上する
ことができるという効果がある。
【0080】しかも、軟らかいインサートパッドは、硬
いメインパッドの座面の一部分にのみ設けられるので、
メインパッドの座面の他部分は硬度が硬いままとされ
る。よって、このメインパッドの座面における硬度の硬
い部分により、乗員の身体は安定した状態で支えられる
ので、自動車用シートに着座した乗員に安定感を与える
ことができるという効果がある。
【0081】また、従来のように、シートパッドの座面
の硬さを軟らかくするために、表皮材内面の一部分にワ
ディング等の弾性材を取着する必要がなく、この弾性材
を表皮材内面の一部分に取着する工程が不要となる。よ
って、かかる工程が不要となる分、自動車用シート全体
としての製造コストを低減して、安価な自動車用シート
を製造することができるという効果がある。
【0082】請求項2記載の自動車用シートのシートパ
ッドによれば、請求項1記載の自動車用シートのシート
パッドの奏する効果に加え、インサートパッドの座面は
メインパッドの座面と略面一とされるので、そのメイン
パッドの座面とインサートパッド座面との間に段差が生
じることを防止することができる。よって、シートパッ
ドを使用した自動車用シートに着座した乗員に段差によ
る違和感を与えることがないという効果がある。
【0083】請求項3記載の自動車用シートのシートパ
ッドによれば、請求項1又は2に記載の自動車用シート
のシートパッドの奏する効果に加え、メインパッドは、
発泡体原料を成形型内へ注入して発泡させた発泡体で構
成され、その発泡体原料は、インサートパッドの座面の
反対面へ発泡するように注入され、そのインサートパッ
ドの表層部分に含浸して硬化することにより、そのイン
サートパッドに接着される。よって、メインパッドの成
形と同時に、メインパッドとインサートパッドとの接着
を行うことができるので、シートパッドの製造工程を簡
素化することができるという効果がある。
【0084】しかも、発泡体原料は、インサートパッド
の座面の反対面へ発泡するように注入され、そのインサ
ートパッドの座面の反対面の表層部分に含浸して硬化す
るので、インサートパッドの座面側が発泡体原料の硬化
により硬くなることを防止することができる。よって、
シートパッドを使用した自動車用シートに着座した乗員
に対して、インサートパッドの座面側の硬化による違和
感を与えることがないという効果がある。
【0085】請求項4記載の自動車用シートのシートパ
ッドによれば、請求項3記載の自動車用シートのシート
パッドの奏する効果に加え、インサートパッドの座面の
反対面には、メインパッドの発泡体原料の含浸を抑制す
るラミネート材が敷設されるので、発泡体原料の粘度が
小さくインサートパッドに含浸し易い場合に、かかる発
泡体原料の過剰な含浸を抑制して、かかる含浸に伴うイ
ンサートパッドの硬化を抑制することができるという効
果がある。
【0086】例えば、コールドキュア製法に使用される
発泡体原料に比べて粘度が低い発泡体原料を使用するホ
ットキュア製法によって、メインパッドの発泡体を成形
する場合には、ラミネート材によって、粘度の低い発泡
体原料がインサートパッドに過剰に含浸し硬化すること
を抑制されるので、かかる発泡体原料の硬化によりイン
サートパッドが硬化することを抑制することができるの
である。
【0087】請求項5記載の自動車用シートのシートパ
ッドによれば、請求項1又は2に記載の自動車用シート
のシートパッドの奏する効果に加え、メインパッドは、
インサートパッドと別個に形成され、そのメインパッド
の座面に凹設された嵌合凹部にインサートパッドが嵌合
される。よって、例えば、メインパッドを成形する際
に、そのメインパッドの成形型内にインサートパッドを
設置し、メインパッドの発泡体原液を成形型内へ注入し
て、メインパッドとインサートパッドとを接着する必要
がなく、メインパッドの発泡体原液がインサートパッド
に含浸することがないという効果がある。
【0088】請求項6記載の自動車用シートのシートパ
ッドによれば、請求項1から5のいすれかに記載の自動
車用シートのシートパッドの奏する効果に加え、インサ
ートパッドはシートクッションのフレームに取着された
メインパッドの座面におけるシートバック側部分の反対
側部分に設けられるので、そのインサートパッドをシー
トクッションに着座する乗員の大腿二頭筋近傍部分が当
たる位置に設けることができる。よって、メインパッド
の硬度より軟らかく形成されたインサートパッドによ
り、乗員の大腿二頭筋近傍部分に加わる過度の圧迫を抑
制することができる。このため、かかる圧迫による乗員
の違和感を緩和して、自動車用シートの座り心地を向上
することができるという効果がある。
【0089】請求項7記載の自動車用シートのシートパ
ッドによれば、請求項1から5のいずれかに記載の自動
車用シートのシートパッドの奏する効果に加え、インサ
ートパッドはシートバックのフレームに取着されたメイ
ンパッドの座面におけるシートクッション側部分の反対
側部分に設けられるので、そのインサートパッドをシー
トバックに凭れる乗員の両肩の肩胛骨近傍部分と当たる
位置に設けることができる。よって、メインパッドの硬
度より軟らかく形成されたインサートパッドにより、乗
員の両肩の肩胛骨近傍部分に加わる過度の圧迫を抑制す
ることができる。このため、かかる圧迫による乗員の違
和感を緩和して、自動車用シートの座り心地を向上する
ことができるという効果がある。
【0090】請求項8或いは9に記載の成形型、又は、
請求項10記載の成型方法を用いれば、インサートパッ
ドをメインパッドの座面の一部分に接着しつつ、メイン
パッドを成形することができるという効果がある。しか
も、インサートパッドが挿置される挿置凹部には仕切壁
板が周設され、この仕切壁板によりインサートパッドの
周囲が覆われ、挿置凹部内の受面によりインサートパッ
ドの座面側が覆われるので、これらのインサートパッド
の周囲や座面側へ発泡体原料が含浸して硬化することを
防止することができる。よって、シートパッドを使用し
た自動車用シートに着座する乗員に対して、インサート
パッドの座面側の硬化による違和感を与えることがな
く、自動車用シートの座り心地を向上することができる
という効果がある。
【0091】また、インサートパッドは仕切壁板が周設
されて凹状に形成された挿置凹部に挿置されるので、発
泡空間内へ注入された発泡体原料の発泡に伴って位置ズ
レすることを防止して、インサートパッドを所定の位置
に駐止させることができるという効果がある。
【0092】更に、請求項9記載の成形型によれば、イ
ンサートパッドを挿置する挿置凹部に周設された仕切壁
板は薄板状に形成されるので、その仕切壁板の介在によ
りインサートパッドとメインパッドとの境界部分に生じ
る凹みの幅を小さくすることができる。よって、シート
パッドの座面に着座した乗員に対して、インサートパッ
ドとメインパッドとの境界部分に生じる凹みによる違和
感を与えることが抑制されるので、シートパッドの座り
心地が低下することを抑制することができるという効果
がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明における一実施例であるクッションパ
ッド及びバックパッドを使用した自動車用シートの外観
斜視図である。
【図2】 (a)は、図1のIIA−IIA線における
シートバックの側断面図であり、(b)は、図1のII
B−IIB線におけるシートクッションの側断面図であ
る。
【図3】 成形型の側断面図である。
【図4】 雌型の外観斜視図であり、その受面に立設さ
れる仕切壁板を図示したものである。
【図5】 (a)は、第2実施例における自動車用シー
トのバックパッドの側断面図であり、(b)は、自動車
用シートのクッションパッドの側断面図である。
【図6】 第3実施例における自動車用シートの分解斜
視図である。
【符号の説明】
1,31 自動車用シート 2 シートクッション 3 シートバック 6,21,32 クッションパッド(シー
トパッド) 6a,8a メインパッド 6a1,6b1 着座面(座面) 6b,8b インサートパッド 6b2,8b2 裏面(インサートパッド
の座面の反対面) 6d,8d,23a,24a 接着層 8,22,33 バックパッド(シートパ
ッド) 8a1,8b1 背当面(座面) 9 クッションフレーム(フ
レーム) 10 バックフレーム(フレー
ム) 11 成形型 11a 発泡空間 12 雌型(第1型枠) 12b 受面 12c 仕切壁板 12d 挿置凹部 13 雄型(第2型枠) 23,24 ラミネート材 34,35 嵌合凹部 S ウレタン原液(発泡体原
料)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // B29K 105:04 B29L 31:58 (72)発明者 櫻井 昭弘 静岡県浜松市高塚町300番地 スズキ株式 会社内 (72)発明者 松本 栄治 静岡県浜松市高塚町300番地 スズキ株式 会社内 (72)発明者 安藤 真彦 静岡県浜松市高塚町300番地 スズキ株式 会社内 (72)発明者 川瀬 英利 豊橋市冨士見町145番地 宝和工業株式会 社豊橋工場内 (72)発明者 佐々木 章介 豊橋市冨士見町145番地 宝和工業株式会 社豊橋工場内 (72)発明者 小河原 賢一郎 豊橋市冨士見町145番地 宝和工業株式会 社豊橋工場内 Fターム(参考) 3B084 CB01 EC05 4F202 AA42 AD17 AH26 CA01 CB01 CB12 CK23 CK41 CQ01 CQ05 4F204 AA42 AD17 AH26 EA01 EB01 EB12 EK17 EK24

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 自動車用シートの骨格をなすフレームに
    取着され緩衝材として使用される自動車用シートのシー
    トパッドにおいて、 前記フレームの座面側に取着可能に形成されるメインパ
    ッドと、 そのメインパッドの硬度より軟らかく形成され、そのメ
    インパッドの座面の一部分に設けられるインサートパッ
    ドとを備えていることを特徴とする自動車用シートのシ
    ートパッド。
  2. 【請求項2】 前記インサートパッドの座面は、前記メ
    インパッドの座面と略面一とされていることを特徴とす
    る請求項1記載の自動車用シートのシートパッド。
  3. 【請求項3】 前記メインパッドは、発泡体原料を成形
    型内へ注入して発泡させた発泡体で構成され、その発泡
    体原料は、前記インサートパッドの座面の反対面へ注入
    され、そのインサートパッドの表層部分に含浸して硬化
    することにより、そのインサートパッドに接着されるこ
    とを特徴とする請求項1又は2に記載の自動車用シート
    のシートパッド。
  4. 【請求項4】 前記インサートパッドの座面の反対面に
    は、そのインサートパッドへの前記発泡体原料の含浸を
    抑制するラミネート材が敷設されていることを特徴とす
    る請求項3記載の自動車用シートのシートパッド。
  5. 【請求項5】 前記メインパッドは、前記インサートパ
    ッドと別個に形成され、そのメインパッドの座面には前
    記インサートパッドを嵌合可能な嵌合凹部が凹設されて
    いることを特徴とする請求項1又は2に記載の自動車用
    シートのシートパッド。
  6. 【請求項6】 前記メインパッドは、シートバックが一
    端側に立設されたシートクッションの骨格をなすフレー
    ムに取着可能に形成されており、 前記インサートパッドは、前記メインパッドの座面にお
    ける前記シートバック側部分との反対側部分に設けられ
    ることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の
    自動車用シートのシートパッド。
  7. 【請求項7】 前記メインパッドは、シートクッション
    の一端側から立設されたシートバックの骨格をなすフレ
    ームに取着可能に形成されており、 前記インサートパッドは、前記メインパッドの座面にお
    ける前記シートクッション側部分との反対側部分に設け
    られることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記
    載の自動車用シートのシートパッド。
  8. 【請求項8】 発泡体原料を発泡させた発泡体で構成さ
    れるメインパッドとそのメインパッドの硬度より軟らか
    く形成され前記メインパッドの座面の一部分に設けられ
    るインサートパッドとを備えた自動車用シートのシート
    パッドを成形するための成形型において、 前記メインパッドの座面側の形状に適合した凹状の受面
    を有する第1型枠と、 その第1型枠の受面に対向して覆設され、前記メインパ
    ッドの外形に適合した発泡空間を前記第1型枠の受面と
    の間に形成する第2型枠と、 前記第1型枠の受面から前記第2型枠へ向けて立設され
    る仕切壁板が周設されて凹状に形成されると共に、前記
    インサートパッドが挿置される挿置凹部とを備えている
    ことを特徴とする自動車用シートのシートパッドの成形
    型。
  9. 【請求項9】 前記第1型枠の挿置凹部に周設される仕
    切壁板は薄板状に形成されていることを特徴とする請求
    項8記載の自動車用シートのシートパッドの成形型。
  10. 【請求項10】 請求項8又は9に記載の成形型を使用
    して、発泡体原料を発泡させた発泡体で構成されるメイ
    ンパッドとそのメインパッドの硬度より軟らかく形成さ
    れ前記メインパッドの座面の一部分に設けられるインサ
    ートパッドとを備えた自動車用シートのシートパッドを
    成形するための成形方法において、 前記第1型枠の挿置凹部へ前記インサートパッドを挿置
    する挿置工程と、 その挿置工程により前記インサートパッドが挿置された
    第1型枠に前記第2型枠を覆設して、その第2及び第1
    型枠との間に形成される発泡空間内へ発泡体原料を注入
    する発泡体原料注入工程と、 その発泡体原料注入工程の後、注入された発泡体原料を
    発泡させて前記メインパッドを成形し、そのメインパッ
    ドの座面の一部に前記インサートパッドを接着するメイ
    ンパッド成形工程とを備えていることを特徴とする自動
    車用シートのシートパッドの成形方法。
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