JP2001069996A - 新規生理活性物質、その製造法および用途 - Google Patents

新規生理活性物質、その製造法および用途

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JP2001069996A
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dna
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Tsukasa Sugo
司 周郷
Mika Kurihara
美香 栗原
Chieko Kitada
千恵子 北田
Masaaki Mori
森  正明
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Takeda Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】新規SENRリガンドポリペプチドの提供。 【解決手段】 SENRリガンドポリペプチドまたはそ
の塩、該SENRリガンドポリペプチドをコードする核
酸、 SENRリガンドポリペプチドとSENRとの結
合性を変化させる化合物のスクリーニング方法/スクリ
ーニング用キットなど。 【効果】本発明のポリペプチドをコードするDNAまた
は本発明のポリペプチドは、本発明のポリペプチドの
有する生理作用の探索、合成オリゴヌクレオチドプロ
ーブあるいはPCRのプライマーの作成、SENRの
リガンドや前駆体蛋白質をコードするDNAの入手、
組換え型レセプター蛋白質の発現系を用いたレセプター
結合アッセイ系の開発と医薬品候補化合物のスクリーニ
ング、抗体および抗血清の入手、DNA、RNA、
抗体または抗血清を用いた診断薬の開発、中枢神経機
能調節剤、循環機能調節剤、心臓機能調節剤、腎臓機能
調節剤、泌尿器機能調節剤、感覚器官機能調節剤などの
医薬の開発、遺伝子治療等に用いることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、G蛋白質共役型レ
セプター蛋白質であるSENR(sensory epithelium n
europeptide-like receptor)に対する新規ポリペプチ
ド、及びこれをコードするDNAに関する。
【0002】
【従来の技術】多くのホルモンや神経伝達物質は細胞膜
に存在する特異的なレセプターを通じて生体の機能を調
節している。これらのレセプターの多くは共役している
guanine nucleotide-binding protein(以下、G蛋白
質と略称する場合がある)の活性化を通じて細胞内のシ
グナル伝達を行い、また7個の膜貫通領域を有する共通
した構造をもっていることから、G蛋白質共役型レセプ
ターあるいは7回膜貫通型レセプターと総称される。こ
のようなホルモンや神経伝達物質とG蛋白質共役型レセ
プターとの相互作用を通じて生体のホメオスタシスの維
持、生殖、個体の発達、代謝、成長、神経系、循環器
系、免疫系、消化器系、代謝系の調節、感覚受容などの
生体にとって重要な機能調節が行われている。このよう
に生体機能の調節には様々なホルモンや神経伝達物質に
対するレセプター蛋白質が存在し、その機能調節に重要
な役割を果たしていることがわかっているが、未知の作
用物質(ホルモンや神経伝達物質など)およびそれに対
するレセプターが存在するかどうかについては未だ不明
なことが多い。近年、G蛋白質共役型レセプター蛋白質
がその構造の一部にアミノ酸配列の類似性を示すことを
利用して、ポリメラーゼ・チェーン・リアクション(Pol
ymerase Chain Reaction:以下、PCRと略称する)法
によって新規レセプター蛋白質をコードするDNAを探
索する方法が行われるようになり、数多くの、リガンド
が不明ないわゆるオーファンG蛋白質共役型レセプター
蛋白質がクローニングされている(Libert, F., et al.
Science, 244, 569-572, 1989, Welch, S.K., etal., B
iochem. Biophys. Res. Commun., 209, 606-613, 1995,
Marchese, A.,et al., Genomics, 23, 609-618, 1994,
Marchese, A., Genomics, 29, 335-344, 1995)。ま
た、ゲノムDNAあるいはcDNAのランダムな配列決
定によっても、新規G蛋白質共役型レセプター蛋白質が
次々と見出されている(Nomura, N.,et al., DNA Resear
ch 1巻、27-35頁、1994年)。これらのオーファンG蛋
白質共役型レセプター蛋白質のリガンドを決定する一般
的な手段としては、G蛋白質共役型レセプター蛋白質の
一次構造上の類似性から推定するしかなかった。しか
し、多くのオーファンG蛋白質共役型レセプター蛋白質
は既知のレセプターとのホモロジーが低いものが多く、
実際は既知リガンドのレセプターサブタイプである場合
を除いては一次構造上の類似性だけでそのリガンドを推
定することは困難であった。一方、遺伝子解析から多く
のオーファンG蛋白質共役型レセプターがみつかってい
ることから対応する未知のリガンドがまだ数多く存在し
ていることが推定されているが、これまで実際にオーフ
ァンG蛋白質共役型レセプターのリガンドを同定した例
は数少ない。
【0003】最近、動物細胞にオーファンG蛋白質共役
型レセプター蛋白質をコードするcDNAを導入し、新
規オピオイドペプチドを探索した例が報告されている
(Reinsheid, R. K. et al. , Science、270巻、792-79
4頁、1995年、Menular, J.-C.,et al. , Nature 377
巻、532-535頁、1995年)。しかしこの場合は既知G蛋
白質共役型レセプター蛋白質との類似性や組織分布か
ら、容易にリガンドはオピオイドペプチドのファミリー
に属することが予想されていた。オピオイドレセプター
を介して生体に作用する物質の研究・開発の歴史は長
く、種々のアンタゴニスト・アゴニストが開発されてい
た。そこで人為的に合成した化合物群の中からこの受容
体に対するアゴニストを見出し、それをプローブとして
受容体cDNA導入細胞における受容体の発現を検証し
た後に、アゴニストと同じ様な細胞内情報伝達系の活性
化物質を探索し、これを精製し、リガンドの構造を決定
している。またカタツムリのオーファンG蛋白質共役型
レセプター(GRL104)をコードするcDNAをC
HO細胞に導入してレセプター発現細胞での特異的な細
胞内遊離カルシウム濃度の上昇を指標として新規生理活
性ペプチドを同定した例が報告されているが(Cox,K.J.
A., et al., J. Neurosci., 17(4), 1197-1205, 199
7)、この新規生理活性ペプチドは既知のleucokininと高
い相同性を有し、GRL104は既知のleucokininとの
反応性もあった。このようにオーファンG蛋白質共役型
レセプター蛋白質の中でリガンドがおおよそ推定されう
るものはほとんどなく、特に、既知のG蛋白質共役型レ
セプター蛋白質ファミリーと類似性が低い場合、リガン
ドに関する情報はほとんどなく、リガンドを推定するこ
とは困難であった。オーファンG蛋白質共役型レセプタ
ーとして報告されているものの一つにSENRがある(T
al, M. et al., Biochem. Biophys. Res. Commun., 20
9, 752-759,1995)。SENRはソマトスタチンレセプタ
ー(SSTR4)と低いホモロジーがあるが、そのリガンド
が何であるのかはこれまで不明であった。なお、Marche
se,A.らによって報告されたGPR14(Marchese, A.,
Genomics, 29, 335-344, 1995)はSENRと同一のレ
セプターである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】中枢神経系、循環器
系、生殖器系、免疫系、消化器、泌尿器系器官、感覚器
官等で発現しているG蛋白質共役型レセプターであるS
ENRに対するリガンドは、医薬として有用であると考
えられるが、これまでにその構造および機能については
明らかにされていない。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、SENR
をコードするcDNAを適当な手段で発現させた細胞を
用い、特異的な細胞刺激(シグナル伝達)活性の測定等
を指標に、該レセプター蛋白質がリガンドとして認識す
るポリペプチドをスクリーニングすることに成功した。
さらに、本発明者らは、該活性因子であるリガンドと上
記SENRとの結合性を変化させる化合物のスクリーニ
ングを行なうことができることを見いだした。
【0006】すなわち、本発明は、(1)配列番号:1
4で表わされるアミノ酸配列と同一もしくはN末端にグ
ルタミン残基またはピログルタミン酸残基を有し配列番
号:14で表わされるアミノ酸配列と実質的に同一のア
ミノ酸配列を含有するポリペプチドまたはそのアミドも
しくはそのエステルまたはその塩、(2)実質的に同一
のアミノ酸配列が配列番号:15、配列番号:27、配
列番号:31、配列番号:32、配列番号:33または
配列番号:34で表されるアミノ酸配列である上記
(1)記載のポリペプチド、(3)配列番号:14、配
列番号:15、配列番号:27、配列番号:31、配列
番号:32、配列番号:33または配列番号:34で表
されるアミノ酸配列を有する上記(1)記載のポリペプ
チド、(4)上記(1)記載のポリペプチドの前駆体タ
ンパク質またはそのアミドもしくはそのエステルまたは
その塩、(5)配列番号:13または配列番号:26で
表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一の
アミノ酸配列を含有する上記(4)記載の前駆体タンパ
ク質、(6)上記(1)記載のポリペプチドをコードす
る塩基配列を有するDNAを含有するDNA、(7)配
列番号:16、配列番号:17、配列番号:28、配列
番号:35、配列番号:36、配列番号:37または配
列番号:38で表される塩基配列を有する上記(6)記
載のDNA、(8)上記(4)記載の前駆体タンパク質
をコードする塩基配列を有するDNAを含有するDN
A、(9)配列番号:12または配列番号:25で表さ
れる塩基配列を有する上記(8)記載のDNA、(1
0)上記(6)または(8)記載のDNAを含有する組
換えベクター、(11)上記(10)記載の組換えベク
ターで形質転換された形質転換体、(12)上記(1
1)記載の形質転換体を培養し、上記(1)記載のポリ
ペプチドまたは上記(4)記載の前駆体タンパク質を生
成、蓄積せしめ、これを採取することを特徴とする上記
(1)記載のポリペプチドまたは上記(4)記載の前駆
体タンパク質またはそのアミドもしくはそのエステルま
たはその塩の製造法、(13)上記(1)記載のポリペ
プチドまたは上記(4)記載の前駆体タンパク質または
そのアミドもしくはそのエステルまたはその塩に対する
抗体、(14)上記(1)記載のポリペプチドまたは上
記(4)記載の前駆体タンパク質またはそのアミドもし
くはそのエステルまたはその塩を含有してなる医薬、
(15)上記(6)または(8)記載のDNAを含有し
てなる医薬、(16)中枢機能調節剤、循環機能調節
剤、心臓機能調節剤、腎臓機能調節剤、泌尿器機能調節
剤または感覚器官機能調節剤である上記(14)または
(15)記載の医薬、(17)上記(1)記載のポリペ
プチドまたは上記(4)記載の前駆体タンパク質または
そのアミドもしくはそのエステルまたはその塩を用いる
ことを特徴とするSENRと上記(1)記載のポリペプ
チドまたは上記(4)記載の前駆体タンパク質またはそ
のアミドもしくはそのエステルまたはその塩との結合性
を変化させる化合物またはその塩のスクリーニング方
法、(18)上記(1)記載のポリペプチドまたは上記
(4)記載の前駆体タンパク質またはそのアミドもしく
はそのエステルまたはその塩を用いることを特徴とする
SENRと上記(1)記載のポリペプチドまたは上記
(4)記載の前駆体タンパク質またはそのアミドもしく
はそのエステルまたはその塩との結合性を変化させる化
合物またはその塩のスクリーニング用キット、(19)
上記(17)記載のスクリーニング方法または上記(1
8)記載のスクリーニング用キットを用いて得られる、
SENRと上記(1)記載のポリペプチドまたは上記
(4)記載の前駆体タンパク質またはそのアミドもしく
はそのエステルまたはその塩との結合性を変化させる化
合物またはその塩、(20)上記(13)記載の抗体を
用いることを特徴とする上記(1)記載のポリペプチド
または上記(4)記載の前駆体タンパク質またはそのア
ミドもしくはそのエステルまたはその塩の定量方法、お
よび(21)上記(13)記載の抗体を含有することを
特徴とする上記(1)記載のポリペプチドまたは上記
(4)記載の前駆体タンパク質またはそのアミドもしく
はそのエステルまたはその塩が関与する疾患の診断剤な
どに関する。
【0007】さらに、本発明は、(22)哺乳動物由来
である上記(1)項記載のポリペプチド、または上記
(4)項記載の前駆体タンパク質、および(23)高血
圧症、低血圧症、腎疾患、心疾患、頻尿、尿失禁、難
聴、嗅覚異常、視覚異常などの疾病の治療・予防剤であ
る上記(14)または(15)項記載の医薬などを提供
するものである。
【0008】本発明におけるポリペプチドに対するSE
NRに関して、具体的には、上述の公知のSENRまた
はその塩などがあげられるのみならず、(24)配列番
号:29または配列番号:30で表わされるアミノ酸配
列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有す
ることを特徴とするSENRまたはその塩、または(2
5)蛋白質が、配列番号:29または配列番号:30で
表わされるアミノ酸配列中の1個以上30個以下、好ま
しくは1個以上10個以下のアミノ酸が欠失したアミノ
酸配列、配列番号:29または配列番号:30で表わさ
れるアミノ酸配列に1個以上30個以下、好ましくは1
個以上10個以下のアミノ酸が付加した(または挿入さ
れた)アミノ酸配列、あるいは配列番号:29または配
列番号:30で表わされるアミノ酸配列中の1個以上3
0個以下、好ましくは1個以上10個以下のアミノ酸が
他のアミノ酸で置換されたアミノ酸配列を含有する蛋白
質である上記(24)項記載のSENRまたはその塩な
どがあげられる。
【0009】本明細書において、「実質的に同一」とは
タンパク質の活性、例えば、リガンドと受容体(SEN
R)の結合活性、生理的な特性などが、実質的に同じこ
とを意味する。アミノ酸の置換、欠失、付加あるいは挿
入はしばしばポリペプチドの生理的な特性や化学的な特
性に大きな変化をもたらさないが、こうした場合その置
換、欠失、付加あるいは挿入を施されたポリペプチド
は、そうした置換、欠失、付加あるいは挿入のされてい
ないものと実質的に同一であるとされるであろう。該ア
ミノ酸配列中のアミノ酸の実質的に同一な置換物として
は、たとえばそのアミノ酸が属するところのクラスのう
ち他のアミノ酸類から選ぶことができうる。非極性(疎
水性)アミノ酸としては、アラニン、ロイシン、イソロ
イシン、バリン、プロリン、フェニルアラニン、トリプ
トファン、メチオニンなどが挙げられる。極性(中性)
アミノ酸としてはグリシン、セリン、スレオニン、シス
テイン、チロシン、アスパラギン、グルタミンなどが挙
げられる。陽電荷をもつ(塩基性)アミノ酸としてはア
ルギニン、リジン、ヒスチジンなどが挙げられる。負電
荷をもつ(酸性)アミノ酸としては、アスパラギン酸、
グルタミン酸などがあげられる。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明のポリペプチドは、SEN
Rに対するリガンドであり、具体的には、配列番号:1
4で表されるアミノ酸配列と同一もしくはN末端にグル
タミン残基またはピログルタミン酸残基を有し配列番
号:14で表わされるアミノ酸配列と実質的に同一のア
ミノ酸配列を含有するポリペプチド、そのアミド、その
エステルおよびそれらの塩など(以下、本発明のポリペ
プチドと略称する場合がある)があげられる。
【0011】本発明のポリペプチド、その製造法および
用途を以下にさらに詳細に説明する。本発明の上記ポリ
ペプチドとしては、ヒトや温血動物(例えば、モルモッ
ト、ラット、マウス、ブタ、ヒツジ、ウシ、サルなど)
のあらゆる組織(たとえば、下垂体、膵臓、脳、腎臓、
肝臓、生殖腺、甲状腺、胆のう、骨髄、副腎、皮膚、筋
肉、肺、消化管、血管、心臓など)または細胞などに由
来するポリペプチドであって、配列番号:14で表わさ
れるアミノ酸配列と同一もしくはN末端にグルタミン残
基またはピログルタミン酸残基を有し配列番号:14で
表わされるアミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列
を含有するポリペプチドであれば如何なるものであって
もよい。例えば、本発明のポリペプチドとしては、配列
番号:14で表わされるアミノ酸配列を含有するポリペ
プチドなどの他に、 N末端にグルタミン残基またはピ
ログルタミン酸残基を有し配列番号:14で表わされる
アミノ酸配列を含有するポリペプチドと実質的に同質の
活性を有するポリペプチド(例えば、配列番号:15、
配列番号:27、配列番号:31、配列番号:32、配
列番号:33または配列番号:34で表されるアミノ酸
配列を含有するポリペプチドなど)などが挙げられる。
実質的に同質の活性としては、例えばレセプター結合活
性、シグナル伝達活性などが挙げられる。実質的に同質
とは、レセプター結合活性などが性質的に同質であるこ
とを示す。したがって、レセプター結合活性の強さなど
の強弱、ポリペプチドの分子量などの量的要素は異なっ
ていてもよい。
【0012】N末端にグルタミン残基またはピログルタ
ミン酸残基を有し配列番号:14で表わされるアミノ酸
配列と実質的に同一のアミノ酸配列を含有するポリペプ
チドとして具体的には、例えば、(1)N末端にグル
タミン残基またはピログルタミン酸残基を有し、配列
番号:14で表されるアミノ酸配列のN末端から第8番
目(Ala)から第17番目(Ile)までのアミノ酸配列を
含有し、14〜17個のアミノ酸残基からなるポリペ
プチドや(2)N末端にグルタミン残基またはピログ
ルタミン酸残基を有し、配列番号:14で表されるア
ミノ酸配列のN末端から第8番目(Ala)から第17番
目(Ile)までのアミノ酸配列を含有し、14〜17
個のアミノ酸残基からなるポリペプチドのN末端にさら
に3〜10個のアミノ酸残基が付加されたポリペプチ
ドなどがあげられる。なかでも、配列番号:15、配列
番号:27、配列番号:31、配列番号:32、配列番
号:33または配列番号:34で表されるアミノ酸配列
を含有するポリペプチドなどが好ましい例としてあげら
れる。本明細書におけるポリペプチドはペプチド標記の
慣例に従って左端がN末端(アミノ末端)、右端がC末
端(カルボキシル末端)である。配列番号:14で表
されるアミノ酸配列、配列番号:15で表されるアミ
ノ酸配列、配列番号:27で表されるアミノ酸配列、
配列番号:31で表されるアミノ酸配列、配列番
号:32で表されるアミノ酸配列、配列番号:33で
表されるアミノ酸配列、配列番号:34で表されるア
ミノ酸配列などを含有するポリペプチドはC末端が通常
カルボキシル基(-COOH)またはカルボキシレート(-CO
O-)であるが、C末端がアミド(-CONH2)またはエステル
(-COOR)であってもよい。エステルのRとしては、例え
ばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピルもしく
はn−ブチルなどのC1-6アルキル基、シクロペンチ
ル、シクロヘキシルなどのC3-8シクロアルキル基、フ
ェニル、α−ナフチルなどのC6-12アリール基、ベンジ
ル、フェネチル、ベンズヒドリルなどのフェニル−C
1-2アルキル、もしくはα−ナフチルメチルなどのα−
ナフチル−C1-2アルキルなどのC7-14アラルキル基の
ほか、経口用エステルとして汎用されるピバロイルオキ
シメチル基などが挙げられる。本発明のポリペプチドの
塩としては、生理学的に許容される塩基(例えばアルカ
リ金属など)や酸(有機酸、無機酸)との塩が用いられ
るが、とりわけ生理学的に許容される酸付加塩が好まし
い。このような塩としては例えば無機酸(例えば、塩
酸、リン酸、臭化水素酸、硫酸)との塩、あるいは有機
酸(例えば、酢酸、ギ酸、プロピオン酸、フマル酸、マ
レイン酸、コハク酸、酒石酸、クエン酸、リンゴ酸、シ
ュウ酸、安息香酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホ
ン酸)との塩などが用いられる。本発明のポリペプチド
は、ヒトや温血動物の組織または細胞からポリペプチド
を精製する方法によって製造することもできるし、後述
のポリペプチド合成法に準じて製造することもできる。
また、後述するポリペプチドをコードするDNAを含有
する形質転換体を培養することによっても製造すること
ができる。ヒトや温血動物の組織または細胞から製造す
る場合、ヒトや温血動物の組織または細胞をホモジナイ
ズした後、酸、有機溶媒などで抽出を行い、該抽出液
を、塩析、透析、ゲル濾過、逆相クロマトグラフィー、
イオン交換クロマトグラフィー、アフィニティークロマ
トグラフィーなどのクロマトグラフィーを組み合わせる
ことにより精製単離することができる。
【0013】上記したように本発明のポリペプチドは、
自体公知のポリペプチドの合成法に従って、あるいは本
発明のポリペプチドを含有するポリペプチドを適当なペ
プチダーゼで切断することによって製造することができ
る。ペプチドの合成法としては、例えば固相合成法、液
相合成法のいずれによっても良い。すなわち、本発明の
ポリペプチドを構成し得る部分ペプチドもしくはアミノ
酸と残余部分とを縮合させ、生成物が保護基を有する場
合は保護基を脱離することにより目的のペプチドを製造
することができる。公知の縮合方法や保護基の脱離とし
てはたとえば、以下の〜に記載された方法が挙げら
れる。 M. Bodanszky および M.A. Ondetti、ペプチド シン
セシス (Peptide Synthesis), Interscience Publisher
s, New York (1966年) SchroederおよびLuebke、ザ ペプチド(The Peptide),
Academic Press, New York (1965年) 泉屋信夫他、ペプチド合成の基礎と実験、 丸善(株)
(1975年) 矢島治明 および榊原俊平、生化学実験講座 1、 タン
パク質の化学IV、 205、(1977年) 矢島治明監修、続医薬品の開発 第14巻 ペプチド合成
広川書店 また、反応後は通常の精製法、たとえば、溶媒抽出・蒸
留・カラムクロマトグラフィー・液体クロマトグラフィ
ー・再結晶などを組み合わせて本発明のポリペプチドを
精製単離することができる。上記方法で得られるポリペ
プチドが遊離体である場合は、公知の方法によって適当
な塩に変換することができるし、逆に塩で得られた場合
は、公知の方法によって遊離体に変換することができ
る。
【0014】ポリペプチドのアミド体は、アミド形成に
適した市販のペプチド合成用樹脂を用いることができ
る。そのような樹脂としては例えば、クロロメチル樹
脂、ヒドロキシメチル樹脂、ベンズヒドリルアミン樹
脂、アミノメチル樹脂、4−ベンジルオキシベンジルア
ルコール樹脂、4−メチルベンズヒドリルアミン樹脂、
PAM樹脂、4−ヒドロキシメチルメチルフェニルアセト
アミドメチル樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、4−
(2',4'-ジメトキシフェニル−ヒドロキシメチル)フ
ェノキシ樹脂、4−(2',4'-ジメトキシフェニル−Fm
ocアミノエチル)フェノキシ樹脂などを挙げることがで
きる。このような樹脂を用い、α−アミノ基と側鎖官能
基を適当に保護したアミノ酸を、目的とするペプチドの
配列通りに、自体公知の各種縮合方法に従い、樹脂上で
縮合させる。反応の最後に樹脂からペプチドを切り出す
と同時に各種保護基を除去し、必要に応じて高希釈溶液
中で分子内ジスルフィド結合形成反応を実施し、目的の
ポリペプチドを取得する。上記した保護されたアミノ酸
の縮合に関しては、ペプチド合成に使用できる各種活性
化試薬を用いることができるが、特に、カルボジイミド
類がよい。カルボジイミド類としてはDCC、N,N'-ジイソ
プロピルカルボジイミド、N-エチル-N'-(3-ジメチルア
ミノプロピル)カルボジイミドなどが挙げられる。これ
らによる活性化にはラセミ化抑制添加剤(例えば、HOB
t、HOOBtなど)とともに保護されたアミノ酸を直接樹脂
に添加するかまたは、対称酸無水物またはHOBtエステル
あるいはHOOBtエステルとしてあらかじめ保護されたア
ミノ酸の活性化を行ったのちに樹脂に添加することがで
きる。保護されたアミノ酸の活性化や樹脂との縮合に用
いられる溶媒としては、ペプチド縮合反応に使用しうる
ことが知られている溶媒から適宜選択されうる。たとえ
ばN,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルア
セトアミド、N−メチルピロリドンなどの酸アミド類、
塩化メチレン、クロロホルムなどのハロゲン化炭化水素
類、トリフルオロエタノールなどのアルコール類、ジメ
チルスルホキシドなどのスルホキシド類、ピリジンなど
の三級アミン類、ジオキサン、テトラヒドロフランなど
のエーテル類、アセトニトリル、プロピオニトリルなど
のニトリル類、酢酸メチル、酢酸エチルなどのエステル
類あるいはこれらの適宜の混合物などが用いられる。反
応温度はペプチド結合形成反応に使用され得ることが知
られている範囲から適宜選択され、通常約−20℃〜5
0℃の範囲から適宜選択される。活性化されたアミノ酸
誘導体は通常1.5ないし4倍過剰で用いられる。ニン
ヒドリン反応を用いたテストの結果、縮合が不十分な場
合には保護基の脱離を行うことなく縮合反応を繰り返す
ことにより十分な縮合を行うことができる。反応を繰り
返しても十分な縮合が得られないときには、無水酢酸ま
たはアセチルイミダゾールを用いて未反応アミノ酸をア
セチル化して、後の反応に影響を及ぼさないようにする
ことができる。原料アミノ酸のアミノ基の保護基として
は、たとえば、Z、Boc、ターシャリーペンチルオキシ
カルボニル、イソボルニルオキシカルボニル、4−メト
キシベンジルオキシカルボニル、Cl-Z、Br-Z、アダマン
チルオキシカルボニル、トリフルオロアセチル、フタロ
イル、ホルミル、2−ニトロフェニルスルフェニル、ジ
フェニルホスフィノチオイル、Fmocなどが挙げられる。
カルボキシル基の保護基としては、たとえばRとして上
記したC1-6アルキル基、C3-8シクロアルキル基、C
7-14アラルキル基の他、2−アダマンチル、4−ニトロ
ベンジル、4−メトキシベンジル、4−クロロベンジ
ル、フェナシル基およびベンジルオキシカルボニルヒド
ラジド、ターシャリーブトキシカルボニルヒドラジド、
トリチルヒドラジドなどが挙げられる。セリンおよびス
レオニンの水酸基は、たとえばエステル化またはエーテ
ル化によって保護することができる。このエステル化に
適する基としては例えばアセチル基などの低級アルカノ
イル基、ベンゾイル基などのアロイル基、ベンジルオキ
シカルボニル基、エトキシカルボニル基などの炭素から
誘導される基などが挙げられる。また、エーテル化に適
する基としては、たとえばベンジル基、テトラヒドロピ
ラニル基、ターシャリーブチル基などである。チロシン
のフェノール性水酸基の保護基としては、たとえばBz
l、Cl2-Bzl、2−ニトロベンジル、Br-Z、ターシャリー
ブチルなどが挙げられる。ヒスチジンのイミダゾールの
保護基としては、Tos、4-メトキシ-2,3,6-トリメチル
ベンゼンスルホニル、DNP、ベンジルオキシメチル、Bu
m、Boc、Trt、Fmocなどが挙げられる。原料のカルボキ
シル基の活性化されたものとしては、たとえば対応する
酸無水物、アジド、活性エステル[アルコール(たとえ
ば、ペンタクロロフェノール、2,4,5-トリクロロフェノ
ール、2,4-ジニトロフェノール、シアノメチルアルコー
ル、パラニトロフェノール、HONB、N-ヒドロキシスクシ
ミド、N-ヒドロキシフタルイミド、HOBt)とのエステ
ル]などが挙げられる。原料のアミノ基の活性化された
ものとしては、たとえば対応するリン酸アミドが挙げら
れる。
【0015】保護基の除去(脱離)方法としては、たと
えばPd黒あるいはPd炭素などの触媒の存在下での水素気
流中での接触還元や、また、無水フッ化水素、メタンス
ルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、トリフルオ
ロ酢酸あるいはこれらの混合液などによる酸処理や、ジ
イソプロピルエチルアミン、トリエチルアミン、ピペリ
ジン、ピペラジンなどによる塩基処理、また液体アンモ
ニア中ナトリウムによる還元なども挙げられる。上記酸
処理による脱離反応は一般に−20℃〜40℃の温度で
行われるが、酸処理においてはアニソール、フェノー
ル、チオアニソール、メタクレゾール、パラクレゾー
ル、ジメチルスルフィド、1,4-ブタンジチオール、1,2-
エタンジチオールのようなカチオン捕捉剤の添加が有効
である。また、ヒスチジンのイミダゾール保護基として
用いられる2,4-ジニトロフェニル基はチオフェノール処
理により除去され、トリプトファンのインドール保護基
として用いられるホルミル基は上記の1,2-エタンジチオ
ール、1,4-ブタンジチオールなどの存在下の酸処理によ
る脱保護以外に、希水酸化ナトリウム、希アンモニアな
どによるアルカリ処理によっても除去される。原料の反
応に関与すべきでない官能基の保護および保護基、なら
びにその保護基の脱離、反応に関与する官能基の活性化
などは公知の基あるいは公知の手段から適宜選択しう
る。ポリペプチドのアミド体を得る別の方法としては、
まず、カルボキシル末端アミノ酸のα−カルボキシル基
をアミド化した後、アミノ基側にペプチド鎖を所望の鎖
長まで延ばした後、該ペプチド鎖のN末端のα−アミノ
基の保護基のみを除いたペプチドとC末端のカルボキシ
ル基の保護基のみを除いたペプチド(またはアミノ酸)
とを製造し、この両ペプチドを上記したような混合溶媒
中で縮合させる。縮合反応の詳細については上記と同様
である。縮合により得られた保護ペプチドを精製した
後、上記方法によりすべての保護基を除去し、所望の粗
ポリペプチドを得ることができる。この粗ポリペプチド
は既知の各種精製手段を駆使して精製し、主要画分を凍
結乾燥することで所望のポリペプチドのアミド体を得る
ことができる。ポリペプチドのエステル体を得るにはカ
ルボキシ末端アミノ酸のα−カルボキシル基を所望のア
ルコール類と縮合しアミノ酸エステルとした後、ポリペ
プチドのアミド体と同様にして所望のポリペプチドのエ
ステル体を得ることができる。
【0016】本発明のポリペプチドとしては、上記した
配列番号:14で表されるアミノ酸配列と同一もしくは
N末端にグルタミン残基またはピログルタミン酸残基を
有し配列番号:14で表わされるアミノ酸配列と実質的
に同一のアミノ酸配列を含有し、該ポリペプチドと同様
の作用、例えば中枢神経機能調節作用、循環機能調節作
用、心臓機能調節作用、腎臓機能調節作用、泌尿器機能
調節作用または感覚器官機能調節作用などを有している
ものであれば、どのようなポリペプチドであってもよ
い。本発明のポリペプチドはさらに該ポリペプチドに対
する抗体の調製のための抗原として用いることができ
る。このような抗原としてのポリペプチドは上記した本
発明のポリペプチドの他に、上記本発明のポリペプチド
のN末端ペプチド、C末端ペプチド、中央部分のペプチ
ドなどの部分ペプチドなどが用いられる。部分ペプチド
としては、個々のドメインを個別に含むペプチドも用い
得るが、複数のドメインを同時に含む部分のペプチドで
も良い。本明細書における部分ペプチドもC末端がアミ
ド(-CONH2)またはエステル(-COOR)であってもよい。こ
こでエステル基の例としては上記したポリペプチドの場
合と同様である。該部分ペプチドがC末端以外にカルボ
キシル基またはカルボキシレートを有している場合、そ
れらの基がアミド化またはエステル化されているものも
本発明の部分ペプチドに含まれる。この時のエステルと
しては、例えば、上記したC末端のエステルなどが用い
られる。本発明の部分ペプチドとして具体的には、例え
ば、配列番号:14で表されるアミノ酸配列のN末端か
ら5番目(His)および6番目(Gly)を含有する
2ないし16個のアミノ酸を含有するアミノ酸配列から
なるペプチドなどがあげられる。本発明のポリペプチド
またはその部分ペプチドは、さらに、機能あるいは性質
がよく知られているタンパク質との融合タンパク質であ
ってもよい。本発明のポリペプチドの部分ペプチドの塩
としては、前述のポリペプチドの塩と同様のものが用い
られる。本発明のポリペプチドの部分ペプチドまたはそ
のアミド、エステルもしくはその塩は、上記したポリペ
プチドの場合と同様の合成法に従って、あるいは本発明
のポリペプチドを適当なペプチダーゼで切断することに
よって製造することができる。
【0017】本発明のポリペプチドをコードするDNA
としては、配列番号:14で表わされるアミノ酸配列と
同一もしくはN末端にグルタミン残基またはピログルタ
ミン酸残基を有し配列番号:14で表わされるアミノ酸
配列と実質的に同一のアミノ酸配列を含有するポリペプ
チドをコードするDNAを含有するDNA(以下、本発
明のDNAと略称する場合がある)であればいかなるも
のであってもよい。また、ゲノムDNA、ゲノムDNA
ライブラリー、前記した組織・細胞由来のcDNA、前
記した組織・細胞由来のcDNAライブラリー、合成D
NAのいずれでもよい。ライブラリーに使用するベクタ
ーはバクテリオファージ、プラスミド、コスミド、ファ
ージミドなどいずれであってもよい。また、前記した組
織・細胞よりRNA画分を調製したものを用いて直接Re
verse Transcriptase PolymeraseChain Reaction (以
下、RT-PCR法と略称する)によって増幅することも
できる。ここで、配列番号:14で表されるアミノ酸配
列を含有するポリペプチドをコードするDNAを含有す
るDNAとしては、例えば、配列番号:16で表される
塩基配列を有するDNAを含有するDNAなどがあげら
れ、配列番号:15で表されるアミノ酸配列を含有する
ポリペプチドをコードするDNAを含有するDNAとし
ては、例えば、配列番号:17で表される塩基配列を有
するDNAを含有するDNAなどがあげられ、配列番
号:27で表されるアミノ酸配列を含有するポリペプチ
ドをコードするDNAを含有するDNAとしては、例え
ば、配列番号:28で表される塩基配列を有するDNA
を含有するDNAなどがあげられ、配列番号:31で表
されるアミノ酸配列を含有するポリペプチドをコードす
るDNAを含有するDNAとしては、例えば、配列番
号:35で表される塩基配列を有するDNAを含有する
DNAなどがあげられ、配列番号:32で表されるアミ
ノ酸配列を含有するポリペプチドをコードするDNAを
含有するDNAとしては、例えば、配列番号:36で表
される塩基配列を有するDNAを含有するDNAなどが
あげられ、配列番号:33で表されるアミノ酸配列を含
有するポリペプチドをコードするDNAを含有するDN
Aとしては、例えば、配列番号:37で表される塩基配
列を有するDNAを含有するDNAなどがあげられ、配
列番号:34で表されるアミノ酸配列を含有するポリペ
プチドをコードするDNAを含有するDNAとしては、
例えば、配列番号:38で表される塩基配列を有するD
NAを含有するDNAなどがあげられる。N末端にグル
タミン残基またはピログルタミン酸残基を有し配列番
号:14で表わされるアミノ酸配列と実質的に同一のア
ミノ酸配列を含有するDNAとしては、例えば、(1)
5'末端から3塩基がCAAであり、配列番号:16で
表される塩基配列と約80%以上、好ましくは約90%
以上、さらに好ましくは約95%以上、より好ましくは
約98%以上の相同性を有する塩基配列を有するDNA
を含有するDNAや(2)さらに5'末端に9〜30個
の塩基が付加したDNAなどがあげられる。N末端にグ
ルタミン残基またはピログルタミン酸残基を有し配列番
号:14で表わされるアミノ酸配列と実質的に同一のア
ミノ酸配列を含有するDNAとしては、例えば、配列
番号:16、配列番号:17、配列番号:28、配列番
号:35、配列番号:36、配列番号:37または配列
番号:38で表される塩基配列中の1または2個以上
(好ましくは1〜30個程度、より好ましくは、1〜1
0個程度、さらに好ましくは数個(1または2個))の
塩基が欠失した塩基配列、配列番号:16、配列番
号:17、配列番号:28、配列番号:35、配列番
号:36、配列番号:37または配列番号:38で表さ
れる塩基配列中の1または2個以上(好ましくは1〜3
0個程度、より好ましくは、1〜10個程度、さらに好
ましくは数個(1または2個))の塩基が付加した塩基
配列、配列番号:16、配列番号:17、配列番号:
28、配列番号:35、配列番号:36、配列番号:3
7または配列番号:38で表される塩基配列中の1また
は2個以上(好ましくは1〜30個程度、より好ましく
は、1〜10個程度、さらに好ましくは数個(1または
2個))の塩基が挿入された塩基配列、配列番号:1
6、配列番号:17、配列番号:28、配列番号:3
5、配列番号:36、配列番号:37または配列番号:
38で表される塩基配列中の1または2個以上(好まし
くは1〜30個程度、より好ましくは、1〜10個程
度、さらに好ましくは数個(1または2個))の他の塩
基で置換された塩基配列、またはそれらを組み合わせ
た塩基配列を有するDNAを含有するDNAなども含ま
れる。より具体的には、 (1)ストリンジェントな条件下
で配列番号:14で表わされるアミノ酸配列と同一もし
くはN末端にグルタミン残基またはピログルタミン酸残
基を有し配列番号:14で表わされるアミノ酸配列と実
質的に同一のアミノ酸配列を含有するレセプター蛋白質
に対する結合能を有するDNAを含有するDNAの有す
る配列とハイブリダイズする哺乳動物由来のDNA、
(2)遺伝コードの縮重のため配列番号:14で表わされ
るアミノ酸配列と同一もしくはN末端にグルタミン残基
またはピログルタミン酸残基を有し配列番号:14で表
わされるアミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列を
含有するレセプター蛋白質に対する結合能を有するDN
Aを含有するDNAの有する配列および(1)に定められ
ている配列とハイブリッド形成しないが、同一アミノ酸
配列をもつポリペプチドをコードするDNAなどが用い
られる。ハイブリダイゼーションは、自体公知の方法あ
るいはそれに準じた方法に従って行うことができる。上
記ストリンジェントな条件としては、例えば42℃、5
0%ホルムアミド、4×SSPE(1×SSPE=150mM
NaCl, 10mM NaH2PO4・H2O, 1mM EDTA pH7.4)、5×デン
ハート溶液、0.1%SDSである。配列番号:14で
表わされるアミノ酸配列と同一もしくはN末端にグルタ
ミン残基またはピログルタミン酸残基を有し配列番号:
14で表わされるアミノ酸配列と実質的に同一のアミノ
酸配列を含有するタンパク質をコードするDNAを含有
するDNAの有する配列とハイブリダイズするDNAと
しては、例えば、5'末端から3塩基がCAAであり、
配列番号:16で表される塩基配列と約70%以上、好
ましくは約80%以上、さらに好ましくは約90%以
上、最も好ましくは約95%以上の相同性を有する塩基
配列を含有するDNAなどが用いられる。また、本発明
の配列番号:14で表されるアミノ酸配列などを含有
するポリペプチドをコードするDNAの部分塩基配列を
含有するDNA断片はDNA検出プローブとしても好ま
しく用いられる。
【0018】本発明のポリペプチドをコードするDNA
は以下の遺伝子工学的手法によっても製造することがで
きる。本発明のポリペプチドを完全にコードするDNA
のクローニングの手段としては、本発明のポリペプチド
の部分塩基配列を有する合成DNAプライマーを用いて
自体公知のPCR法によって前記DNAライブラリー等
から目的とするDNAを増幅するか、または適当なベク
ターに組み込んだDNAを例えば本発明のポリペプチド
の一部あるいは全領域を有するDNA断片もしくは合成
DNAを用いて標識したものとのハイブリダイゼーショ
ンによって選別することができる。ハイブリダイゼーシ
ョンの方法は、例えば Molecular Cloning(2nd ed.;
J. Sambrook et al., Cold Spring Harbor Lab. Press,
1989)に記載の方法などに従って行われる。また、市
販のライブラリーを使用する場合、添付の使用説明書に
記載の方法に従って行う。クローン化された本発明のポ
リペプチドをコードするDNAは目的によりそのまま、
または所望により制限酵素で消化したり、リンカーを付
加したりして使用することができる。該DNAはその
5’末端側に翻訳開始コドンとしてのATGを有し、ま
た3’末端側には翻訳終止コドンとしてのTAA、TG
AまたはTAGを有していてもよい。これらの翻訳開始
コドンや翻訳終止コドンは、適当な合成DNAアダプタ
ーを用いて付加することもできる。本発明のポリペプチ
ドの発現ベクターは、例えば、(イ)本発明のポリペプ
チドをコードするDNAから目的とするDNA断片を切
り出し、(ロ)該DNA断片を適当な発現ベクター中の
プロモーターの下流に連結することにより製造すること
ができる。ベクターとしては、大腸菌由来のプラスミド
(例、pBR322,pBR325,pUC12,pU
C13)、枯草菌由来のプラスミド(例、pUB11
0,pTP5,pC194)、酵母由来プラスミド
(例、pSH19,pSH15)、λファージなどのバ
クテリオファージ、レトロウイルス,ワクシニアウイル
ス,バキュロウイルスなどの動物ウイルスなどが用いら
れる。本発明で用いられるプロモーターとしては、遺伝
子の発現に用いる宿主に対応して適切なプロモーターで
あればいかなるものでもよい。
【0019】形質転換する際の宿主が動物細胞である場
合には、SV40由来のプロモーター、レトロウイルス
のプロモーター、メタロチオネインプロモーター、ヒー
トショックプロモーター、サイトメガロウイルスプロモ
ーター、SRαプロモーターなどが利用できる。宿主が
エシェリヒア属菌である場合は、trpプロモーター、
T7プロモーター、lacプロモーター、recAプロ
モーター、λPLプロモーター、lppプロモーターな
どが、宿主がバチルス属菌である場合は、SPO1プロ
モーター、SPO2プロモーター、penPプロモータ
ーなど、宿主が酵母である場合は、PHO5プロモータ
ー、PGKプロモーター、GAPプロモーター、ADH
1プロモーター、GALプロモーターなどが好ましい。
宿主が昆虫細胞である場合は、ポリヘドリンプロモータ
ー、P10プロモーターなどが好ましい。発現ベクター
には、以上の他に、所望によりエンハンサー、スプライ
シングシグナル、ポリA付加シグナル、選択マーカー、
SV40複製オリジン(以下、SV40oriと略称す
る場合がある)などを含有しているものを用いることが
できる。選択マーカーとしては、例えば、ジヒドロ葉酸
還元酵素(以下、dhfrと略称する場合がある)遺伝
子〔メソトレキセート(MTX)耐性〕、アンピシリン
耐性遺伝子(以下、Amprと略称する場合がある)、
ネオマイシン耐性遺伝子(以下、Neoと略称する場合
がある、G418耐性)等が挙げられる。特に、CHO
(dhfr-)細胞を用いてDHFR遺伝子を選択マー
カーとして使用する場合、チミジンを含まない培地によ
っても選択できる。また、必要に応じて、宿主に合った
シグナル配列を、ポリペプチドまたはその部分ペプチド
のN端末側に付加する。宿主がエシェリヒア属菌である
場合は、phoA・シグナル配列、OmpA・シグナル配列な
どが、宿主がバチルス属菌である場合は、α−アミラー
ゼ・シグナル配列、サブチリシン・シグナル配列など
が、宿主が酵母である場合は、メイテイングファクター
α(MFα)・シグナル配列、インベルターゼ・シグナル
配列など、宿主が動物細胞である場合には、例えばイン
シュリン・シグナル配列、α−インターフェロン・シグ
ナル配列、抗体分子・シグナル配列などがそれぞれ利用
できる。このようにして構築されたポリペプチドをコー
ドするDNAを含有するベクターを用いて、形質転換体
を製造することができる。
【0020】宿主としては、たとえばエシェリヒア属
菌、バチルス属菌、酵母、昆虫または昆虫細胞、動物細
胞などが用いられる。エシェリヒア属菌としては、エシ
ェリヒア・コリ(Escherichia coli)K12・DH1
〔プロシージングズ・オブ・ザ・ナショナル・アカデミ
ー・オブ・サイエンシイズ・オブ・ザ・ユーエスエー
(Proc. Natl. Acad. Sci. USA),60巻,160
(1968)〕,JM103〔ヌクイレック・アシッズ・
リサーチ,(Nucleic Acids Research),9巻,309
(1981)〕,JA221〔ジャーナル・オブ・モレキ
ュラー・バイオロジー(Journal of Molecular Biolog
y)〕,120巻,517(1978)〕,HB101
〔ジャーナル・オブ・モレキュラー・バイオロジー,4
1巻,459(1969)〕,C600〔ジェネティック
ス(Genetics),39巻,440(1954)〕などが用
いられる。バチルス属菌としては、たとえばバチルス・
サチルス(Bacillus subtilis)MI114〔ジーン,
24巻,255(1983)〕,207−21〔ジャーナ
ル・オブ・バイオケミストリー(Journal of Biochemis
try),95巻,87(1984)〕などが用いられる。
【0021】酵母としては、たとえばサッカロマイセス
セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)AH22,
AH22R-,NA87−11A,DKD−5D,20
B−12などが用いられる。昆虫としては、例えばカイ
コの幼虫などが用いられる〔前田ら、ネイチャー(Natu
re),315巻,592(1985)〕。昆虫細胞として
は、例えば、ウイルスがAcNPVの場合は、夜盗蛾の
幼虫由来株化細胞(Spodoptera frugiperda cell;Sf
細胞)、Trichoplusia niの中腸由来のMG1細胞、Tri
choplusia niの卵由来のHigh FiveTM細胞、Mamestra br
assicae由来の細胞またはEstigmena acrea由来の細胞な
どが用いられる。ウイルスがBmNPVの場合は、蚕由
来株化細胞(Bombyx mori N;BmN細胞)などが用い
られる。該Sf細胞としては、例えば、Sf9細胞(AT
CC CRL1711)、Sf21細胞〔以上、Vaughn, J.L.ら、
イン・ヴィトロ(in Vitro),13巻,213−217
頁(1977年)〕などが用いられる。動物細胞として
は、たとえばサルCOS−7細胞,Vero細胞,チャイ
ニーズハムスター細胞CHO,DHFR遺伝子欠損チャ
イニーズハムスター細胞CHO(dhfr-CHO細
胞),マウスL細胞,マウス3T3細胞、マウスミエロ
ーマ細胞,ヒトHEK293細胞、ヒトFL細胞、29
3細胞、C127細胞、BALB3T3細胞、Sp−2
/O細胞などが用いられる。エシェリヒア属菌を形質転
換するには、たとえばプロシージングズ・オブ・ザ・ナ
ショナル・アカデミー・オブ・サイエンジイズ・オブ・
ザ・ユーエスエー(Proc. Natl. Acad. Sci. US
A),69巻,2110(1972)やジーン(Gene),
17巻,107(1982)などに記載の方法に従って行
なわれる。バチルス属菌を形質転換するには、たとえば
モレキュラー・アンド・ジェネラル・ジェネティックス
(Molecular & General Genetics),168巻,11
1(1979)などに記載の方法に従って行われる。酵母
を形質転換するには、たとえばプロシージングズ・オブ
・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンシイズ
・オブ・ザ・ユーエスエー(Proc. Natl.Acad. Sci. U
SA),75巻,1929(1978)に記載の方法に従
って行なわれる。
【0022】昆虫細胞または昆虫を形質転換するには、
たとえばバイオ/テクノロジー(Bio/Technology),6
巻, 47−55頁(1988年)などに記載の方法に従
って行なわれる。動物細胞を形質転換するには、たとえ
ばヴィロロジー(Virology),52巻,456(197
3)に記載の方法に従って行なわれる。発現ベクターの
細胞への導入方法としては、例えば、リポフェクション
法〔Felgner, P.L. et al. プロシージングズ・オブ・
ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンジイズ・
オブ・ザ・ユーエスエー(Proceedings of the Nationa
l Academy of Sciences of the United States of Amer
ica),84巻,7413頁(1987年)〕、リン酸
カルシウム法〔Graham, F. L. and van der Eb,A. J.ヴ
ィロロジー(Virology),52巻,456−467頁
(1973年)〕、電気穿孔法〔Nuemann, E. et al.
エンボ・ジャーナル(EMBO J.),1巻,841−84
5頁(1982年)〕等が挙げられる。このようにし
て、本発明のポリペプチドをコードするDNAを含有す
る発現ベクターで形質転換された形質転換体が得られ
る。なお、動物細胞を用いて、本発明のポリペプチドを
安定に発現させる方法としては、上記の動物細胞に導入
された発現ベクターが染色体に組み込まれた細胞をクロ
ーン選択によって選択する方法がある。具体的には、上
記の選択マーカーを指標にして形質転換体を選択する。
さらに、このように選択マーカーを用いて得られた動物
細胞に対して、繰り返しクローン選択を行なうことによ
り本発明のポリペプチドの高発現能を有する安定な動物
細胞株を得ることができる。また、dhfr遺伝子を選
択マーカーとして用いた場合、MTX濃度を徐々に上げ
て培養し、耐性株を選択することにより、dhfr遺伝
子とともに、本発明のポリペプチドまたはその部分ペプ
チドをコードするDNAを細胞内で増幅させて、さらに
高発現の動物細胞株を得ることもできる。上記の形質転
換体を本発明のポリペプチドをコードするDNAが発現
可能な条件下で培養し、本発明のポリペプチドを生成、
蓄積せしめることによって、本発明のポリペプチドを製
造することができる。宿主がエシェリヒア属菌、バチル
ス属菌である形質転換体を培養する際、培養に使用され
る培地としては液体培地が適当であり、その中には該形
質転換体の生育に必要な炭素源、窒素源、無機物その他
が含有せしめられる。炭素源としては、たとえばグルコ
ース、デキストリン、可溶性澱粉、ショ糖など、窒素源
としては、たとえばアンモニウム塩類、硝酸塩類、コー
ンスチープ・リカー、ペプトン、カゼイン、肉エキス、
大豆粕、バレイショ抽出液などの無機または有機物質、
無機物としてはたとえば塩化カルシウム、リン酸二水素
ナトリウム、塩化マグネシウムなどが挙げられる。ま
た、酵母、ビタミン類、生長促進因子などを添加しても
よい。培地のpHは約5〜8が望ましい。
【0023】エシェリヒア属菌を培養する際の培地とし
ては、例えばグルコース、カザミノ酸を含むM9培地
〔ミラー(Miller),ジャーナル・オブ・エクスペリメ
ンツ・イン・モレキュラー・ジェネティックス(Journa
l of Experiments in Molecular Genetics),431−
433,Cold Spring Harbor Laboratory, New York 1
972〕が好ましい。ここに必要によりプロモーターを
効率よく働かせるために、たとえば3β−インドリルア
クリル酸のような薬剤を加えることができる。宿主がエ
シェリヒア属菌の場合、培養は通常約15〜43℃で約
3〜24時間行い、必要により、通気や撹拌を加えるこ
ともできる。宿主がバチルス属菌の場合、培養は通常約
30〜40℃で約6〜24時間行ない、必要により通気
や撹拌を加えることもできる。宿主が酵母である形質転
換体を培養する際、培地としては、たとえばバークホー
ルダー(Burkholder)最小培地〔Bostian, K. L. ら、
「プロシージングズ・オブ・ザ・ナショナル・アカデミ
ー・オブ・サイエンシイズ・オブ・ザ・ユーエスエー
(Proc. Natl. Acad. Sci. USA),77巻,450
5(1980)〕や0.5%カザミノ酸を含有するSD培
地〔Bitter, G. A. ら、「プロシージングズ・オブ・ザ
・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンシイズ・オ
ブ・ザ・ユーエスエー(Proc. Natl. Acad. Sci. US
A),81巻,5330(1984)〕が挙げられる。
培地のpHは約5〜8に調整するのが好ましい。培養は
通常約20℃〜35℃で約24〜72時間行い、必要に
応じて通気や撹拌を加える。
【0024】宿主が昆虫細胞である形質転換体を培養す
る際、培地としては、Grace's Insect Medium(Grace,
T.C.C.,ネイチャー(Nature),195,788(1962))に非動
化した10%ウシ血清等の添加物を適宜加えたものなど
が用いられる。培地のpHは約6.2〜6.4に調整す
るのが好ましい。培養は通常約27℃で約3〜5日間行
い、必要に応じて通気や撹拌を加える。宿主が動物細胞
である形質転換体を培養する際、培地としては、たとえ
ば約5〜20%の胎児牛血清を含むMEM培地〔サイエ
ンス(Science),122巻,501(1952)〕,D
MEM培地〔ヴィロロジー(Virology),8巻,396
(1959)〕,RPMI 1640培地〔ジャーナル・
オブ・ザ・アメリカン・メディカル・アソシエーション
(The Journal of the American Medical Associatio
n)199巻,519(1967)〕,199培地〔プロ
シージング・オブ・ザ・ソサイエティ・フォー・ザ・バ
イオロジカル・メディスン(Proceeding ofthe Society
for the Biological Medicine),73巻,1(195
0)〕などが用いられる。pHは約6〜8であるのが好
ましい。培養は通常約30℃〜40℃で約15〜60時
間行い、必要に応じて通気や撹拌を加える。特にCHO
(dhfr-)細胞およびdhfr遺伝子を選択マーカーとして
用いる場合には、チミジンをほとんど含まない透析ウシ
胎児血清を含むDMEM培地を用いるのが好ましい。
【0025】上記培養物から本発明のポリペプチドを分
離精製するには、例えば下記の方法により行なうことが
できる。本発明のポリペプチドを培養菌体あるいは細胞
から抽出するに際しては、培養後、公知の方法で菌体あ
るいは細胞を集め、これを適当な緩衝液に懸濁し、超音
波、リゾチームおよび/または凍結融解などによって菌
体あるいは細胞を破壊したのち、遠心分離やろ過により
ポリペプチドの粗抽出液を得る方法などが適宜用い得
る。緩衝液の中に尿素や塩酸グアニジンなどのたんぱく
変性剤や、トリトンX−100(登録商標。以下、TM
と省略することがある。)などの界面活性剤が含まれて
いてもよい。培養液中にポリペプチドが分泌される場合
には、培養終了後、自体公知の方法で菌体あるいは細胞
と上清とを分離し、上清を集める。このようにして得ら
れた培養上清、あるいは抽出液中に含まれる本発明のポ
リペプチドの精製は、自体公知の分離・精製法を適切に
組み合わせて行なうことができる。これらの公知の分
離、精製法としては、塩析や溶媒沈澱法などの溶解度を
利用する方法、透析法、限外ろ過法、ゲルろ過法、およ
びSDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動法などの主
として分子量の差を利用する方法、イオン交換クロマト
グラフィーなどの荷電の差を利用する方法、アフィニテ
ィークロマトグラフィーなどの特異的親和性を利用する
方法、逆相高速液体クロマトグラフィーなどの疎水性の
差を利用する方法、等電点電気泳動法やクロマトフォー
カシングなどの等電点の差を利用する方法などが用いら
れる。かくして得られる本発明のポリペプチドが遊離体
で得られた場合には、自体公知の方法あるいはそれに準
じる方法によって塩に変換することができ、逆に塩で得
られた場合には自体公知の方法あるいはそれに準じる方
法により、遊離体または他の塩に変換することができ
る。なお、組換え体が産生する本発明のポリペプチド
を、精製前または精製後に適当な蛋白修飾酵素を作用さ
せることにより、任意に修飾を加えたり、ポリペプチド
を部分的に除去することもできる。蛋白修飾酵素として
は、例えば、トリプシン、キモトリプシン、アルギニル
エンドペプチダーゼ、プロテインキナーゼ、グリコシダ
ーゼなどが用いられる。かくして生成する本発明のポリ
ペプチドの存在は特異抗体を用いたエンザイムイムノア
ッセイなどにより測定することができる。
【0026】本発明のポリペプチドをコードするDNA
または本発明のポリペプチドは、本発明のポリペプチ
ドの有する生理作用の探索、合成オリゴヌクレオチド
プローブあるいはPCRのプライマーの作成、SEN
Rのリガンドや前駆体蛋白質をコードするDNAの入
手、組換え型レセプター蛋白質の発現系を用いたレセ
プター結合アッセイ系の開発と医薬品候補化合物のスク
リーニング、抗体および抗血清の入手、DNA、R
NA、抗体または抗血清を用いた診断薬の開発、中枢
神経機能調節剤、循環機能調節剤、心臓機能調節剤、腎
臓機能調節剤、泌尿器機能調節剤、感覚器官機能調節剤
などの医薬の開発、遺伝子治療等に用いることができ
る。特に、後述の組換え型SENRの発現系を用いたレ
セプター結合アッセイ系によって、ヒトなどの温血動物
に特異的なSENRアゴニストまたはアンタゴニストを
スクリーニングすることができ、該アゴニストまたはア
ンタゴニストを各種疾病の予防・治療剤などとして使用
することができる。
【0027】さらに、上記に関し、本発明のポリペプ
チドまたはそれをコードするDNAは中枢神経系、循環
器系、心臓、腎臓、泌尿器系または感覚器官系などで発
現しているSENRがリガンドとして認識するものであ
るので、安全で低毒性な医薬として有用である。本発明
のポリペプチドまたはそれをコードするDNAは中枢神
経機能調節作用、循環機能調節作用、心臓機能調節作
用、腎臓機能調節作用、泌尿器機能調節作用あるいは感
覚器官調節作用などに関与していることから、たとえば
老人性痴呆、脳血管性痴呆、系統変成型の退行変成疾患
(例:アルツハイマー病、パーキンソン病、ピック病、
ハンチントン病など)に起因する痴呆、高(低)血圧
症、腎疾患(例:慢性腎不全、腎炎など)、心疾患
(例:心不全、急性心筋梗塞など)、頻尿、尿失禁、難
聴、嗅覚異常、視覚異常などの疾病の治療・予防剤とし
て用いることができる。本発明のポリペプチドまたはそ
れをコードするDNAを上述の医薬として使用する場
合、常套手段に従って実施することができる。例えば、
必要に応じて糖衣や腸溶性被膜を施した錠剤、カプセル
剤、エリキシル剤、マイクロカプセル剤などとして経口
的に、あるいは水もしくはそれ以外の薬学的に許容し得
る液との無菌性溶液、または懸濁液剤などの注射剤の形
で非経口的に使用できる。例えば、該化合物またはその
塩を生理学的に認められる担体、香味剤、賦形剤、ベヒ
クル、防腐剤、安定剤、結合剤などとともに一般に認め
られた製薬実施に要求される単位用量形態で混和するこ
とによって製造することができる。これら製剤における
有効成分量は指示された範囲の適当な用量が得られるよ
うにするものである。本発明のDNAを用いる場合は、
該DNAを単独またはレトロウイルスベクター、アデノ
ウイルスベクター、アデノウイルスアソシエーテッドウ
イルスベクターなどの適当なベクターに挿入した後、常
套手段に従がって実施することができる。
【0028】錠剤、カプセル剤などに混和することがで
きる添加剤としては、例えばゼラチン、コーンスター
チ、トラガントガム、アラビアゴムのような結合剤、結
晶性セルロースのような賦形剤、コーンスターチ、ゼラ
チン、アルギン酸などのような膨化剤、ステアリン酸マ
グネシウムのような潤滑剤、ショ糖、乳糖またはサッカ
リンのような甘味剤、ペパーミント、アカモノ油または
チェリーのような香味剤などが用いられる。調剤単位形
態がカプセルである場合には、前記タイプの材料にさら
に油脂のような液状担体を含有することができる。注射
のための無菌組成物は注射用水のようなベヒクル中の活
性物質、胡麻油、椰子油などのような天然産出植物油な
どを溶解または懸濁させるなどの通常の製剤実施にした
がって処方することができる。
【0029】注射用の水性液としては、例えば、生理食
塩水、ブドウ糖やその他の補助薬を含む等張液(例え
ば、D−ソルビトール、D−マンニトール、塩化ナトリ
ウムなど)などがあげられ、適当な溶解補助剤、たとえ
ばアルコール(たとえばエタノール)、ポリアルコール
(たとえばプロピレングリコール、ポリエチレングリコ
ール)、非イオン性界面活性剤(たとえばポリソルベー
ト80(TM)、HCO−50)などと併用してもよい。
油性液としてはゴマ油、大豆油などがあげられ、溶解補
助剤として安息香酸ベンジル、ベンジルアルコールなど
と併用してもよい。
【0030】また、緩衝剤(例えば、リン酸塩緩衝液、
酢酸ナトリウム緩衝液)、無痛化剤(例えば、塩化ベン
ザルコニウム、塩酸プロカインなど)、安定剤(例え
ば、ヒト血清アルブミン、ポリエチレングリコールな
ど)、保存剤(例えば、ベンジルアルコール、フェノー
ルなど)、酸化防止剤などと配合してもよい。調製され
た注射液は通常、適当なアンプルに充填される。
【0031】このようにして得られる製剤は安全で低毒
性であるので、例えばヒトや哺乳動物(例えば、マウ
ス、ラット、モルモット、ウサギ、ヒツジ、ブタ、ウ
シ、ネコ、イヌ、サルなど)に対して投与することがで
きる。本発明のポリペプチドまたはそれをコードするD
NAの投与量は、症状などにより差異はあるが、経口投
与の場合、一般的に成人(体重60kgとして)におい
ては、一日につき約0.1から100mg、好ましくは
約1.0から50mg、より好ましくは約1.0から2
0mgである。非経口的に投与する場合は、その1回投
与量は投与対象、対象臓器、症状、投与方法などによっ
ても異なるが、たとえば注射剤の形では成人の心不全患
者(体重60kgとして)への投与においては、一日に
つき約0.01から30mg程度、好ましくは約0.1
から20mg程度、より好ましくは約0.1から10m
g程度を静脈注射により投与するのが好都合である。他
の動物の場合も、60kg当たりに換算した量を投与す
ることができる。本発明のポリペプチドの前駆体タンパ
ク質、その製造法および用途を以下にさらに詳細に説明
する。本発明の上記ポリペプチドの前駆体タンパク質、
そのアミド、そのエステルまたはその塩(以下、本発明
の前駆体タンパク質と称する場合がある)としては、例
えば、前記した本発明のタンパク質のN末端または(お
よび)C末端に1個または2個以上、好ましくは1〜2
00個程度、より好ましくは1〜120個程度、さらに
好ましくは50〜120個程度のアミノ酸が結合したタ
ンパク質である。具体的には、本発明の前駆体タンパク
質は、配列番号:13または配列番号:26で表わされ
るアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸
配列を有するタンパク質などが用いられる。より具体的
には、配列番号:13で表されるアミノ酸配列と同一も
しくは実質的に同一のアミノ酸配列を有するタンパク質
は配列番号:14、配列番号:15、配列番号:31ま
たは配列番号:32で表されるアミノ酸配列を含有する
ポリペプチドの前駆体の例として、配列番号:26で表
されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミ
ノ酸配列を有するタンパク質は配列番号:27、配列番
号:33または配列番号:34で表されるアミノ酸配列
を含有するポリペプチドの前駆体の例としてあげられ
る。また、本発明の前駆体タンパク質は、ヒトや温血動
物(例えば、モルモット、ラット、マウス、ブタ、ヒツ
ジ、ウシ、サルなど)のあらゆる組織(たとえば、下垂
体、膵臓、脳、腎臓、肝臓、生殖腺、甲状腺、胆のう、
骨髄、副腎、皮膚、筋肉、肺、消化管、血管、心臓な
ど)または細胞などに由来するタンパク質であって、配
列番号:13または配列番号:26で表わされるアミノ
酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含
有するタンパク質であれば如何なるものであってもよ
い。実質的に同質の活性としては、例えばレセプター結
合活性、シグナル伝達活性などが挙げられる。実質的に
同質とは、レセプター結合活性などが性質的に同質であ
ることを示す。したがって、レセプター結合活性の強さ
などの強弱、タンパク質の分子量などの量的要素は異な
っていてもよい。
【0032】配列番号:13または配列番号:26で表
わされるアミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列と
して具体的には、配列番号:13または配列番号:26
で表わされるアミノ酸配列と約50%以上、好ましくは
約60%以上、さらに好ましくは約70%以上、より好
ましくは約80%以上、特に好ましくは約90%以上、
最も好ましくは約95%以上の相同性を有するアミノ酸
配列を示す。また、本発明の前駆体タンパク質として
は、例えば、配列番号:13または配列番号:26で
表わされるアミノ酸配列中の1または2個以上(好まし
くは1〜30個程度、好ましくは、1〜10個程度、さ
らに好ましくは数個(1または2個))のアミノ酸が欠
失したアミノ酸配列、配列番号:13または配列番
号:26で表わされるアミノ酸配列中の1または2個以
上(好ましくは1〜30個程度、好ましくは、1〜10
個程度、さらに好ましくは数個(1または2個))のア
ミノ酸が付加したアミノ酸配列、配列番号:13また
は配列番号:26で表わされるアミノ酸配列中の1また
は2個以上(好ましくは1〜30個程度、好ましくは、
1〜10個程度、さらに好ましくは数個(1または2
個))のアミノ酸が挿入されたアミノ酸配列、配列番
号:13または配列番号:26で表わされるアミノ酸配
列中の1または2個以上(好ましくは1〜30個程度、
好ましくは、1〜10個程度、さらに好ましくは数個
(1または2個))のアミノ酸が他のアミノ酸で置換さ
れたアミノ酸配列、またはそれらを組み合わせたアミ
ノ酸配列を含有するタンパク質なども含まれる。本明細
書における前駆体タンパク質はペプチド標記の慣例に従
って左端がN末端(アミノ末端)、右端がC末端(カル
ボキシル末端)である。例えば、配列番号:13または
配列番号:26で表されるアミノ酸配列で表されるアミ
ノ酸配列などを含有する本発明の前駆体タンパク質はC
末端が通常カルボキシル基(-COOH)またはカルボキシレ
ート(-COO-)であるが、C末端がアミド(-CONH2)または
エステル(-COOR)であってもよい。エステルのRとして
は、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピ
ルもしくはn−ブチルなどのC1-6アルキル基、シクロ
ペンチル、シクロヘキシルなどのC3-8シクロアルキル
基、フェニル、α−ナフチルなどのC6-12アリール基、
ベンジル、フェネチル、ベンズヒドリルなどのフェニル
−C1-2アルキル、もしくはα−ナフチルメチルなどの
α−ナフチル−C1-2アルキルなどのC7-14アラルキル
基のほか、経口用エステルとして汎用されるピバロイル
オキシメチル基などが挙げられる。本発明の前駆体タン
パク質の塩としては、例えば、上記の本発明のポリペプ
チドの塩として例示したものと同様のものなどがあげら
れる。本発明の前駆体タンパク質は、ヒトや温血動物の
組織または細胞からタンパク質を精製する方法によって
製造することもできるし、後述のタンパク質合成法に準
じて製造することもできる。また、後述するタンパク質
をコードするDNAを含有する形質転換体を培養するこ
とによっても製造することができる。ヒトや温血動物の
組織または細胞から製造する場合、ヒトや温血動物の組
織または細胞をホモジナイズした後、酸、有機溶媒など
で抽出を行い、該抽出液を、塩析、透析、ゲル濾過、逆
相クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィ
ー、アフィニティークロマトグラフィーなどのクロマト
グラフィーを組み合わせることにより精製単離すること
ができる。
【0033】上記したように本発明の前駆体タンパク質
は、自体公知のタンパク質の合成法に従って、あるいは
本発明のタンパク質を含有するタンパク質を適当なペプ
チダーゼで切断することによって製造することができ
る。ペプチドの合成法としては、上記と同様の方法など
が用いられる。本発明の前駆体タンパク質のアミド体
は、アミド形成に適した市販のペプチド合成用樹脂を用
いることができる。そのような樹脂としては例えば、上
記のペプチド合成用樹脂などが用いられる。このような
樹脂を用い、α−アミノ基と側鎖官能基を適当に保護し
たアミノ酸を、目的とするペプチドの配列通りに、自体
公知の各種縮合方法に従い、樹脂上で縮合させる。反応
の最後に樹脂からペプチドを切り出すと同時に各種保護
基を除去し、必要に応じて高希釈溶液中で分子内ジスル
フィド結合形成反応を実施し、目的の本発明の前駆体タ
ンパク質を取得する。
【0034】本発明の前駆体タンパク質としては、上記
した配列番号:13または配列番号:26で表されるア
ミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列
を含有し、該本発明のポリペプチド質と同様の作用、例
えば中枢神経機能調節作用、循環機能調節作用、心臓機
能調節作用、腎臓機能調節作用、泌尿器機能調節作用ま
たは感覚器官機能調節作用などを前駆体タンパク質自身
が有しているものであってもよい。本発明の前駆体タン
パク質はさらに該前駆体タンパク質に対する抗体の調製
のための抗原として用いることができる。このような抗
原としてのタンパク質は上記した本発明の前駆体タンパ
ク質の他に、上記本発明の前駆体タンパク質のN末端ペ
プチド、C末端ペプチド、中央部分のペプチドなどの部
分ペプチドなどが用いられる。部分ペプチドとしては、
個々のドメインを個別に含むペプチドも用い得るが、複
数のドメインを同時に含む部分のペプチドでも良い。本
発明の前駆体タンパク質の部分ペプチドの塩としては、
前述の本発明のポリペプチドの塩と同様のものが用いら
れる。本発明の前駆体タンパク質の部分ペプチドまたは
そのアミド、エステルもしくはその塩は、上記した前駆
体タンパク質の場合と同様の合成法に従って、あるいは
本発明の前駆体タンパク質を適当なペプチダーゼで切断
することによって製造することができる。
【0035】本発明の前駆体タンパク質をコードするD
NAとしては、配列番号:13または配列番号:26で
表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一の
アミノ酸配列を含有するタンパク質をコードするDNA
を含有するDNAであればいかなるものであってもよ
い。また、ゲノムDNA、ゲノムDNAライブラリー、
前記した組織・細胞由来のcDNA、前記した組織・細
胞由来のcDNAライブラリー、合成DNAのいずれで
もよい。ライブラリーに使用するベクターはバクテリオ
ファージ、プラスミド、コスミド、ファージミドなどい
ずれであってもよい。また、前記した組織・細胞よりR
NA画分を調製したものを用いて直接Reverse Transcri
ptase Polymerase Chain Reaction (以下、RT-PCR
法と略称する)によって増幅することもできる。ここ
で、配列番号:13または配列番号:26で表わされる
アミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配
列を含有するタンパク質をコードするDNAを含有する
DNAとしては、例えば、配列番号:12または配列番
号:25で表される塩基配列を有するDNAを含有する
DNAなどがあげられる他、配列番号:12または配列
番号:25で表される塩基配列と約50%以上、好まし
くは約60%以上、さらに好ましくは約70%以上、よ
り好ましくは約80%以上、特に好ましくは約90%以
上、最も好ましくは約95%以上の相同性を有する塩基
配列を有するDNAを含有するDNAなどがあげられ
る。また、配列番号:13または配列番号:26で表わ
されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミ
ノ酸配列を含有するタンパク質をコードするDNAを含
有するDNAとしては、例えば、配列番号:12また
は配列番号:25で表される塩基配列中の1または2個
以上(好ましくは1〜30個程度、好ましくは、1〜1
0個程度、さらに好ましくは数個(1または2個))の
塩基が欠失した塩基配列、配列番号:12または配列
番号:25で表される塩基配列中の1または2個以上
(好ましくは1〜30個程度、好ましくは、1〜10個
程度、さらに好ましくは数個(1または2個))の塩基
が付加した塩基配列、配列番号:12または配列番
号:25で表される塩基配列中の1または2個以上(好
ましくは1〜30個程度、好ましくは、1〜10個程
度、さらに好ましくは数個(1または2個))の塩基が
挿入された塩基酸配列、配列番号:12または配列番
号:25で表される塩基配列中の1または2個以上(好
ましくは1〜30個程度、好ましくは、1〜10個程
度、さらに好ましくは数個(1または2個))の塩基が
他の塩基で置換されたアミノ酸配列、またはそれらを
組み合わせた塩基配列を有するDNAを含有するDNA
なども含まれる。より具体的には、 (1)ストリンジェン
トな条件下で配列番号:13または配列番号:26で表
わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のア
ミノ酸配列を含有するタンパク質をコードするDNAを
含有するDNAの有する配列とハイブリダイズする哺乳
動物由来のDNA、(2)遺伝コードの縮重のため配列番
号:13または配列番号:26で表わされるアミノ酸配
列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有す
るタンパク質をコードするDNAを含有するDNAの有
する配列および(1)に定められている配列とハイブリッ
ド形成しないが、同一アミノ酸配列をもつタンパク質を
コードするDNAなどが用いられる。ハイブリダイゼー
ションは、自体公知の方法あるいはそれに準じた方法に
従って行うことができる。上記ストリンジェントな条件
としては、例えば42℃、50%ホルムアミド、4×S
SPE(1×SSPE=150mM NaCl, 10mM NaH2PO4・H2O,
1mM EDTA pH7.4)、5×デンハート溶液、0.1%SD
Sである。配列番号:13または配列番号:26で表わ
されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミ
ノ酸配列を含有するタンパク質をコードするDNAを含
有するDNAの有する配列とハイブリダイズするDNA
としては、例えば、配列番号:12または配列番号:2
5で表される塩基配列と約70%以上、好ましくは約8
0%以上、さらに好ましくは約90%以上、最も好まし
くは約95%以上の相同性を有する塩基配列を含有する
DNAなどが用いられる。また、本発明の配列番号:1
3または配列番号:26で表わされるアミノ酸配列と同
一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するタン
パク質をコードするDNAの部分塩基配列を含有するD
NA断片はDNA検出プローブとしても好ましく用いら
れる。本発明の前駆体タンパク質をコードするDNAは
上記した本発明のポリペプチドと同様にして遺伝子工学
的手法によっても製造することができる。
【0036】本発明の前駆体タンパク質をコードするD
NAまたは本発明の前駆体タンパク質は、本発明の前
駆体タンパク質(または本発明のポリペプチド)の有す
る生理作用の探索、合成オリゴヌクレオチドプローブ
あるいはPCRのプライマーの作成、本発明のポリペ
プチドをコードするDNAの入手、組換え型レセプタ
ー蛋白質の発現系を用いたレセプター結合アッセイ系の
開発と医薬品候補化合物のスクリーニング、抗体およ
び抗血清の入手、DNA、RNA、抗体または抗血清
を用いた診断薬の開発、中枢神経機能調節剤、循環機
能調節剤、心臓機能調節剤、腎臓機能調節剤、泌尿器機
能調節剤、感覚器官機能調節剤などの医薬の開発、遺
伝子治療等に用いることができる。特に、後述の組換え
型SENRの発現系を用いたレセプター結合アッセイ系
によって、ヒトなどの温血動物に特異的なSENRアゴ
ニストまたはアンタゴニストをスクリーニングすること
ができ、該アゴニストまたはアンタゴニストを各種疾病
の予防・治療剤などとして使用することができる。
【0037】さらに、上記に関し、本発明の前駆体タ
ンパク質またはそれをコードするDNAは中枢神経系、
循環器系、心臓、腎臓、泌尿器系または感覚器官系など
で発現しているSENRがリガンドとして認識するもの
であるので、安全で低毒性な医薬として有用である。本
発明の前駆体タンパク質またはそれをコードするDNA
は中枢神経機能調節作用、循環機能調節作用、心臓機能
調節作用、腎臓機能調節作用、泌尿器機能調節作用ある
いは感覚器官調節作用などに関与していることから、た
とえば老人性痴呆、脳血管性痴呆、系統変成型の退行変
成疾患(例:アルツハイマー病、パーキンソン病、ピッ
ク病、ハンチントン病など)に起因する痴呆、高(低)
血圧症、腎疾患(例:慢性腎不全、腎炎など)、心疾患
(例:心不全、急性心筋梗塞など)、頻尿、尿失禁、難
聴、嗅覚異常、視覚異常などの疾病の治療・予防剤とし
て用いることができる。本発明の前駆体タンパク質また
はそれをコードするDNAを上述の医薬として使用する
場合、常套手段に従って実施することができる。例え
ば、必要に応じて糖衣や腸溶性被膜を施した錠剤、カプ
セル剤、エリキシル剤、マイクロカプセル剤などとして
経口的に、あるいは水もしくはそれ以外の薬学的に許容
し得る液との無菌性溶液、または懸濁液剤などの注射剤
の形で非経口的に使用できる。例えば、該化合物または
その塩を生理学的に認められる担体、香味剤、賦形剤、
ベヒクル、防腐剤、安定剤、結合剤などとともに一般に
認められた製薬実施に要求される単位用量形態で混和す
ることによって製造することができる。これら製剤にお
ける有効成分量は指示された範囲の適当な用量が得られ
るようにするものである。錠剤、カプセル剤などに混和
することができる添加剤としては、上記の添加剤と同様
のものなどを用いることができる。
【0038】注射用の水性液としては、例えば、生理食
塩水、ブドウ糖やその他の補助薬を含む等張液(例え
ば、D−ソルビトール、D−マンニトール、塩化ナトリ
ウムなど)などがあげられ、適当な溶解補助剤、たとえ
ばアルコール(たとえばエタノール)、ポリアルコール
(たとえばプロピレングリコール、ポリエチレングリコ
ール)、非イオン性界面活性剤(たとえばポリソルベー
ト80(TM)、HCO−50)などと併用してもよい。
油性液としてはゴマ油、大豆油などがあげられ、溶解補
助剤として安息香酸ベンジル、ベンジルアルコールなど
と併用してもよい。
【0039】また、緩衝剤(例えば、リン酸塩緩衝液、
酢酸ナトリウム緩衝液)、無痛化剤(例えば、塩化ベン
ザルコニウム、塩酸プロカインなど)、安定剤(例え
ば、ヒト血清アルブミン、ポリエチレングリコールな
ど)、保存剤(例えば、ベンジルアルコール、フェノー
ルなど)、酸化防止剤などと配合してもよい。調製され
た注射液は通常、適当なアンプルに充填される。このよ
うにして得られる製剤は安全で低毒性であるので、例え
ばヒトや哺乳動物(例えば、マウス、ラット、モルモッ
ト、ウサギ、ヒツジ、ブタ、ウシ、ネコ、イヌ、サルな
ど)に対して投与することができる。本発明の前駆体タ
ンパク質またはそれをコードするDNAの投与量は、症
状などにより差異はあるが、経口投与の場合、一般的に
成人(体重60kgとして)においては、一日につき約
0.1から100mg、好ましくは約1.0から50m
g、より好ましくは約1.0から20mgである。非経
口的に投与する場合は、その1回投与量は投与対象、対
象臓器、症状、投与方法などによっても異なるが、たと
えば注射剤の形では成人の心不全患者(体重60kgと
して)への投与においては、一日につき約0.01から
30mg程度、好ましくは約0.1から20mg程度、
より好ましくは約0.1から10mg程度を静脈注射に
より投与するのが好都合である。他の動物の場合も、6
0kg当たりに換算した量を投与することができる。
【0040】本発明のポリペプチド、その前駆体タンパ
ク質、該ポリペプチドまたは前駆体タンパク質をコード
するDNAおよび抗体などの用途について、以下に具体
的に説明する。 (1)ポリペプチド欠乏症の予防・治療剤 SENRに対する本発明のポリペプチドおよびその前駆
体タンパク質が有する作用に応じて、本発明のポリペプ
チドをコードするDNAをポリペプチドまたはSENR
欠乏症の予防・治療剤としても使用することができる。
例えば、生体内において、本発明のポリペプチド、その
前駆体タンパク質またはSENRが減少しているために
リガンドの生理作用(中枢神経機能調節作用,循環機能
調節作用、心臓機能調節作用、腎臓機能調節作用、泌尿
器機能調節作用あるいは感覚器官機能調節作用など)が
期待できない患者がいる場合に、(イ)本発明のポリペ
プチドまたはその前駆体タンパク質をコードするDNA
を該患者に投与し発現させることによって、あるいは
(ロ)脳細胞などに本発明のポリペプチドまたはその前
駆体タンパク質をコードするDNAを挿入し発現させた
後に、該脳細胞を該患者に移植することなどによって、
該患者の脳細胞におけるポリペプチドまたはその前駆体
タンパク質の量を増加させ、ポリペプチドまたはその前
駆体タンパク質の作用を充分に発揮させることができ
る。したがって、本発明のポリペプチドまたはその前駆
体タンパク質をコードするDNAは、安全で低毒性なポ
リペプチドまたはその前駆体タンパク質の欠乏症の予防
・治療剤などとして用いることができる。上記DNAを
上記治療剤として使用する場合は、該DNAを単独ある
いはレトロウイルスベクター、アデノウイルスベクタ
ー、アデノウイルスアソシエーテッドウイルスベクター
などの適当なベクターに挿入した後、上記した本発明の
ポリペプチドまたはその前駆体タンパク質もしくはそれ
らの部分ペプチドをコードするDNAを医薬として使用
する場合と同様の手段に従って実施することができる。
【0041】(2)ポリペプチドに対するSENRの定
量法 本発明のポリペプチドまたはその前駆体タンパク質はS
ENRまたはその塩や該レセプター蛋白質の部分ペプチ
ドまたはその塩に対して結合性を有しているので、生体
内におけるSENRもしくはその塩、または該SENR
の部分ペプチドまたはその塩の濃度を感度良く定量する
ことができる。この定量法は、例えば競合法と組み合わ
せることによって用いることができる。すなわち、被検
体を本発明のポリペプチドまたはその前駆体タンパク質
と接触させることによって被検体中のSENRもしくは
その塩、またはSENRの部分ペプチドもしくはその塩
の濃度を測定することができる。具体的には、例えば、
以下のまたはなどに記載の自体公知の方法あるいは
それに準じる方法に従って用いることができる。 入江寛編「ラジオイムノアッセイ」(講談社、昭和4
9年発行) 入江寛編「続ラジオイムノアッセイ」(講談社、昭和
54年発行)
【0042】(3)SENRと、本発明のポリペプチド
またはその前駆体タンパク質またはそれらのアミド、エ
ステルもしくはそれら塩(以下、リガンドまたはポリペ
プチドと略称する場合がある。)との結合性を変化させ
る化合物のスクリーニング方法SENRまたはその塩や
該部分ペプチドもしくはその塩を用いるか、または組換
え型SENRの発現系を構築し、該発現系を用いたレセ
プター結合アッセイ系を用いることによって、ポリペプ
チドまたはその前駆体タンパク質とSENRとの結合性
を変化させる化合物(例えば、ペプチド、蛋白質、非ペ
プチド性化合物、合成化合物、発酵生産物など)または
その塩をスクリーニングすることができる。このような
化合物には、 SENRを介して細胞刺激活性(例え
ば、アラキドン酸遊離、アセチルコリン遊離、細胞内C
2+遊離、細胞内cAMP生成、細胞内cGMP生成、
イノシトールリン酸産生、細胞膜電位変動、細胞内蛋白
質のリン酸化、c−fosの活性化、pHの低下などを
促進する活性または抑制する活性など)を有する化合物
(即ちSENRアゴニスト)と該細胞刺激活性を有しな
い化合物(即ちSENRアンタゴニスト)などが含まれ
る。「リガンドとの結合性を変化させる」とは、リガン
ドとの結合を阻害する場合とリガンドとの結合を促進す
る場合の両方を包含するものである。
【0043】すなわち、本発明は、(i)SENRもし
くはその塩または該SENRの部分ペプチドもしくはそ
の塩に、本発明のポリペプチドまたはその前駆体タンパ
ク質を接触させた場合と(ii)上記したSENRもしく
はその塩または該SENRの部分ペプチドもしくはその
塩に、本発明のポリペプチドまたはその前駆体タンパク
質および試験化合物を接触させた場合との比較を行なう
ことを特徴とする本発明のポリペプチドまたはその前駆
体タンパク質と上記したSENRとの結合性を変化させ
る化合物またはその塩のスクリーニング方法などを提供
する。本発明のスクリーニング方法においては、(i)
上記したSENRまたは該SENRの部分ペプチドに、
本発明のポリペプチドまたはその前駆体タンパク質を接
触させた場合と(ii)上記したSENRまたは該SEN
Rの部分ペプチドに、本発明のポリペプチドまたはその
前駆体タンパク質および試験化合物を接触させた場合に
おける、例えば該SENRまたは該SENRの部分ペプ
チドに対するリガンドの結合量、細胞刺激活性などを測
定して、比較する。
【0044】本発明のスクリーニング方法は具体的に
は、 標識した本発明のポリペプチドまたはその前駆体タン
パク質を、上記したSENRもしくはその塩またはSE
NRの部分ペプチドまたはその塩に接触させた場合と、
標識した本発明のポリペプチドまたはその前駆体タンパ
ク質および試験化合物をSENRもしくはその塩または
SENRの部分ペプチドもしくはその塩に接触させた場
合における、標識した本発明のポリペプチドまたはその
前駆体タンパク質の該SENRもしくはその塩、または
該部分ペプチドもしくはその塩に対する結合量を測定
し、比較することを特徴とする本発明のポリペプチドま
たはその前駆体タンパク質とSENRとの結合性を変化
させる化合物またはその塩のスクリーニング方法、 標識した本発明のポリペプチドまたはその前駆体タン
パク質を、SENRを含有する細胞または該細胞の膜画
分に接触させた場合と、標識した本発明のポリペプチド
またはその前駆体タンパク質および試験化合物をSEN
Rを含有する細胞または該細胞の膜画分に接触させた場
合における、標識した本発明のポリペプチドまたはその
前駆体タンパク質の該細胞または該膜画分に対する結合
量を測定し、比較することを特徴とする本発明のポリペ
プチドまたはその前駆体タンパク質とSENRとの結合
性を変化させる化合物またはその塩のスクリーニング方
法、 標識した本発明のポリペプチドまたはその前駆体タン
パク質を、SENRをコードするDNAを含有する形質
転換体を培養することによって細胞膜上に発現したSE
NRに接触させた場合と、標識した本発明のポリペプチ
ドまたはその前駆体タンパク質および試験化合物をSE
NRをコードするDNAを含有する形質転換体を培養す
ることによって細胞膜上に発現したSENRに接触させ
た場合における、標識した本発明のポリペプチドまたは
その前駆体タンパク質のSENRに対する結合量を測定
し、比較することを特徴とする本発明のポリペプチドま
たはその前駆体タンパク質とSENRとの結合性を変化
させる化合物またはその塩のスクリーニング方法、
【0045】SENRを活性化する化合物(例えば、
本発明のポリペプチドまたはその前駆体タンパク質)を
SENRを含有する細胞に接触させた場合と、 SEN
Rを活性化する化合物および試験化合物をSENRを含
有する細胞に接触させた場合における、 SENRを介
した細胞刺激活性(例えば、アラキドン酸遊離、アセチ
ルコリン遊離、細胞内Ca2+遊離、細胞内cAMP生
成、細胞内cGMP生成、イノシトールリン酸産生、細
胞膜電位変動、細胞内蛋白質のリン酸化、c−fosの
活性化、pHの低下などを促進する活性または抑制する
活性など)を測定し、比較することを特徴とする本発明
のポリペプチドまたはその前駆体タンパク質とSENR
との結合性を変化させる化合物またはその塩のスクリー
ニング方法、および SENRを活性化する化合物(例えば、本発明のポリ
ペプチドまたはその前駆体タンパク質など)をSENR
をコードするDNAを含有する形質転換体を培養するこ
とによって細胞膜上に発現したSENRに接触させた場
合と、SENRを活性化する化合物および試験化合物
を、SENRをコードするDNAを含有する形質転換体
を培養することによって細胞膜上に発現したSENRに
接触させた場合における、SENRを介する細胞刺激活
性(例えば、アラキドン酸遊離、アセチルコリン遊離、
細胞内Ca2+遊離、細胞内cAMP生成、細胞内cGM
P生成、イノシトールリン酸産生、細胞膜電位変動、細
胞内蛋白質のリン酸化、c−fosの活性化、pHの低
下などを促進する活性または抑制する活性など)を測定
し、比較することを特徴とする本発明のポリペプチドま
たはその前駆体タンパク質とSENRとの結合性を変化
させる化合物またはその塩のスクリーニング方法などで
ある。
【0046】本発明のスクリーニング方法の具体的な説
明を以下にする。まず、本発明のスクリーニング方法に
用いるSENRとしては、上記のSENRまたはSEN
Rの部分ペプチドを含有するものであれば何れのもので
あってもよいが、ヒトや温血動物の臓器の膜画分などが
好適である。しかし、特にヒト由来の臓器は入手が極め
て困難なことから、スクリーニングに用いられるものと
しては、組換え体を用いて大量発現させたSENRなど
が適している。SENRを製造するには、前述の方法な
どが用いられる。本発明のスクリーニング方法におい
て、SENRを含有する細胞あるいは該細胞膜画分など
を用いる場合、後述の調製法に従えばよい。SENRを
含有する細胞を用いる場合、該細胞をグルタルアルデヒ
ド、ホルマリンなどで固定化してもよい。固定化方法は
それ自体公知の方法に従って行うことができる。SEN
Rを含有する細胞としては、 SENRを発現した宿主
細胞をいうが、該宿主細胞としては、前述の大腸菌、枯
草菌、酵母、昆虫細胞、動物細胞などが挙げられる。膜
画分としては、細胞を破砕した後、それ自体公知の方法
で得られる細胞膜が多く含まれる画分のことをいう。細
胞の破砕方法としては、Potter−Elvehjem型ホモジナイ
ザーで細胞を押し潰す方法、ワーリングブレンダーやポ
リトロン(Kinematica社製)による破砕、超音波による
破砕、フレンチプレスなどで加圧しながら細胞を細いノ
ズルから噴出させることによる破砕などが挙げられる。
細胞膜の分画には、分画遠心分離法や密度勾配遠心分離
法などの遠心力による分画法が主として用いられる。例
えば、細胞破砕液を低速(500rpm〜3000rp
m)で短時間(通常、約1分〜10分)遠心し、上清を
さらに高速(15000rpm〜30000rpm)で
通常30分〜2時間遠心し、得られる沈澱を膜画分とす
る。該膜画分中には、発現したSENRと細胞由来のリ
ン脂質や膜蛋白質などの膜成分が多く含まれる。該SE
NRを含有する細胞や膜画分中のSENRの量は、1細
胞当たり103〜108分子であるのが好ましく、105
〜107分子であるのが好適である。なお、発現量が多
いほど膜画分当たりのリガンド結合活性(比活性)が高
くなり、高感度なスクリーニング系の構築が可能になる
ばかりでなく、同一ロットで大量の試料を測定できるよ
うになる。
【0047】本発明のポリペプチドまたはその前駆体タ
ンパク質とSENRとの結合性を変化させる化合物をス
クリーニングする前記の〜を実施するためには、適
当なSENR画分と、標識した本発明のポリペプチドま
たはその前駆体タンパク質が用いられる。SENR画分
としては、天然型のSENR画分か、またはそれと同等
の活性を有する組換え型SENR画分などが望ましい。
ここで、同等の活性とは、同等のリガンド結合活性など
を示す。標識したリガンドとしては、標識したリガン
ド、標識したリガンドアナログ化合物などが用いられ
る。例えば〔3H〕、〔125I〕、〔14C〕、〔35S〕な
どで標識されたリガンドなどを利用することができる。
具体的には、本発明のポリペプチドまたはその前駆体タ
ンパク質とSENRとの結合性を変化させる化合物のス
クリーニングを行うには、まずSENRを含有する細胞
または細胞の膜画分を、スクリーニングに適したバッフ
ァーに懸濁することによりレセプター標品を調製する。
バッファーには、pH4〜10(望ましくはpH6〜
8)のリン酸バッファー、トリス−塩酸バッファーなど
のリガンドとレセプターとの結合を阻害しないバッファ
ーであればいずれでもよい。また、非特異的結合を低減
させる目的で、CHAPS、Tween−80TM(花王
−アトラス社)、ジギトニン、デオキシコレートなどの
界面活性剤をバッファーに加えることもできる。さら
に、プロテアーゼによるレセプターや本発明のポリペプ
チドの分解を抑える目的でPMSF、ロイペプチン、E
−64(ペプチド研究所製)、ペプスタチンなどのプロ
テアーゼ阻害剤を添加することもできる。0.01ml〜
10mlの該レセプター溶液に、一定量(5000cp
m〜500000cpm)の標識した本発明のポリペプ
チドを添加し、同時に10-10〜10-7Mの試験化合物
を共存させる。非特異的結合量(NSB)を知るために
大過剰の未標識の本発明のポリペプチドを加えた反応チ
ューブも用意する。反応は0℃から50℃、望ましくは
4℃から37℃で20分から24時間、望ましくは30
分から3時間行う。反応後、ガラス繊維濾紙等で濾過
し、適量の同バッファーで洗浄した後、ガラス繊維濾紙
に残存する放射活性を液体シンチレーションカウンター
またはγ−カウンターで計測する。拮抗する物質がない
場合のカウント(B0)から非特異的結合量(NSB)を
引いたカウント(B0−NSB)を100%とした時、
特異的結合量(B−NSB)が例えば50%以下になる
試験化合物を拮抗阻害能力のある候補物質として選択す
ることができる。
【0048】本発明のポリペプチドまたはその前駆体タ
ンパク質とSENRとの結合性を変化させる化合物をス
クリーニングする前記の〜の方法を実施するために
は、SENRを介する細胞刺激活性(例えば、アラキド
ン酸遊離、アセチルコリン遊離、細胞内Ca2+遊離、細
胞内cAMP生成、細胞内cGMP生成、イノシトール
リン酸産生、細胞膜電位変動、細胞内蛋白質のリン酸
化、c−fosの活性化、pHの低下などを促進する活
性または抑制する活性など)を公知の方法または市販の
測定用キットを用いて測定することができる。具体的に
は、まず、SENRを含有する細胞をマルチウェルプレ
ート等に培養する。スクリーニングを行うにあたっては
前もって新鮮な培地あるいは細胞に毒性を示さない適当
なバッファーに交換し、試験化合物などを添加して一定
時間インキュベートした後、細胞を抽出あるいは上清液
を回収して、生成した産物をそれぞれの方法に従って定
量する。細胞刺激活性の指標とする物質(例えば、アラ
キドン酸など)の生成が、細胞が含有する分解酵素によ
って検定困難な場合は、該分解酵素に対する阻害剤を添
加してアッセイを行なってもよい。また、cAMP産生
抑制などの活性については、フォルスコリンなどで細胞
の基礎的産生量を増大させておいた細胞に対する産生抑
制作用として検出することができる。細胞刺激活性を測
定してスクリーニングを行なうには、適当なSENRを
発現した細胞が必要である。本発明のSENRを発現し
た細胞としては、前述の組換え型SENR発現細胞株な
どが望ましい。試験化合物としては、例えばペプチド、
タンパク、非ペプチド性化合物、合成化合物、発酵生産
物、細胞抽出液、植物抽出液、動物組織抽出液などが挙
げられる。
【0049】本発明のポリペプチドまたはその前駆体タ
ンパク質とSENRとの結合性を変化させる化合物また
はその塩のスクリーニング用キットは、SENRまたは
その塩、SENRの部分ペプチドまたはその塩、SEN
Rを含有する細胞、あるいはSENRを含有する細胞の
膜画分、および本発明のポリペプチドまたはその前駆体
タンパク質を含有するものである。本発明のスクリーニ
ング用キットの例としては、次のものが挙げられる。 1.スクリーニング用試薬 測定用緩衝液および洗浄用緩衝液 Hanks' Balanced Salt Solution(ギブコ社製)に、0.
05%のウシ血清アルブミン(シグマ社製)を加えたも
の。孔径0.45μmのフィルターで濾過滅菌し、4℃
で保存するか、あるいは用時調製しても良い。 SENR標品 SENRを発現させたCHO細胞を、12穴プレートに
5×105個/穴で継代し、37℃、5%CO2、95%
airで2日間培養したもの。 標識リガンド 〔3H〕、〔125I〕、〔14C〕、〔35S〕などで標識し
たリガンド 適当な溶媒または緩衝液に溶解したものを4℃あるいは
−20℃にて保存し、用時に測定用緩衝液にて1μMに
希釈する。 リガンド標準液 本発明のポリペプチドまたはその前駆体タンパク質を
0.1%ウシ血清アルブミン(シグマ社製)を含むPB
Sで1mMとなるように溶解し、−20℃で保存する。
【0050】2.測定法 12穴組織培養用プレートにて培養したSENRを発
現させた細胞を、測定用緩衝液1mlで2回洗浄した
後、490μlの測定用緩衝液を各穴に加える。 10-3〜10-10Mの試験化合物溶液を5μl加えた
後、標識した本発明のペプチドまたはその前駆体タンパ
ク質を5μl加え、室温にて1時間反応させる。非特異
的結合量を知るためには試験化合物のかわりに10-3
のリガンドを5μl加えておく。 反応液を除去し、1mlの洗浄用緩衝液で3回洗浄す
る。細胞に結合した標識リガンドを0.2N NaOH
−1%SDSで溶解し、4mlの液体シンチレーターA
(和光純薬製)と混合する。 液体シンチレーションカウンター(ベックマン社製)
を用いて放射活性を測定し、Percent Maximum Binding
(PMB)を次の式〔数1〕で求める。 〔数1〕 PMB=[(B−NSB)/(B0−NSB)]×10
0 PMB:Percent Maximum Binding B :検体を加えた時の値 NSB:Non-specific Binding(非特異的結合量) B0 :最大結合量
【0051】本発明のスクリーニング方法またはスクリ
ーニング用キットを用いて得られる化合物またはその塩
は、本発明のポリペプチドまたはその前駆体タンパク質
とSENRとの結合を変化させる(結合を阻害あるいは
促進する)化合物であり、具体的にはSENRを介して
細胞刺激活性を有する化合物またはその塩(いわゆるS
ENRアゴニスト)、あるいは該刺激活性を有しない化
合物(いわゆるSENRアンタゴニスト)である。該化
合物としては、ペプチド、タンパク、非ペプチド性化合
物、合成化合物、発酵生産物などが挙げられ、これら化
合物は新規な化合物であってもよいし、公知の化合物で
あってもよい。上記SENRアゴニストであるかアンタ
ゴニストであるかの具体的な評価方法は以下の(i)ま
たは(ii)に従えばよい。 (i)前記〜のスクリーニング方法で示されるバイ
ンディング・アッセイを行い、本発明のポリペプチドま
たはその前駆体タンパク質とSENRとの結合性を変化
させる(特に、結合を阻害する)化合物を得た後、該化
合物が上記したSENRを介する細胞刺激活性を有して
いるか否かを測定する。細胞刺激活性を有する化合物ま
たはその塩はSENRアゴニストであり、該活性を有し
ない化合物またはその塩はSENRアンタゴニストであ
る。 (ii)(a)試験化合物をSENRを含有する細胞に接触
させ、上記SENRを介した細胞刺激活性を測定する。
細胞刺激活性を有する化合物またはその塩はSENRア
ゴニストである。 (b)SENRを活性化する化合物(例えば、本発明のポ
リペプチド、その前駆体タンパク質またはSENRアゴ
ニストなど)をSENRを含有する細胞に接触させた場
合と、SENRを活性化する化合物および試験化合物を
SENRを含有する細胞に接触させた場合における、S
ENRを介した細胞刺激活性を測定し、比較する。SE
NRを活性化する化合物による細胞刺激活性を減少させ
得る化合物またはその塩はSENRアンタゴニストであ
る。該SENRアゴニストは、SENRに対する本発明
のポリペプチドまたはその前駆体タンパク質が有する生
理活性と同様の作用を有しているので、本発明のポリペ
プチドまたはその前駆体タンパク質と同様に安全で低毒
性な医薬として有用である。逆に、SENRアンタゴニ
ストは、SENRに対する本発明のポリペプチドが有す
る生理活性を抑制することができるので、該レセプター
活性を抑制する安全で低毒性な医薬として有用である。
本発明のポリペプチドまたはその前駆体タンパク質は中
枢神経機能調節作用、循環機能調節作用、心臓機能調節
作用、腎臓機能調節作用、泌尿器機能調節作用あるいは
感覚器官調節作用などに関与していることから、 SE
NRアゴニストは、たとえば老人性痴呆、脳血管性痴
呆、系統変成型の退行変成疾患(例:アルツハイマー
病、パーキンソン病、ピック病、ハンチントン病など)
に起因する痴呆、高(低)血圧症、腎疾患(例:慢性腎
不全、腎炎など)、心疾患(例:心不全、急性心筋梗塞
など)、頻尿、尿失禁、難聴、嗅覚異常、視覚異常など
の疾病の治療・予防剤として用いることができる。上記
のスクリーニング方法またはスクリーニング用キットを
用いて得られる化合物の塩としては、例えば、薬学的に
許容可能な塩などが用いられる。例えば、無機塩基との
塩、有機塩基との塩、無機酸との塩、有機酸との塩、塩
基性または酸性アミノ酸との塩などがあげられる。無機
塩基との塩の好適な例としては、例えばナトリウム塩、
カリウム塩などのアルカリ金属塩、カルシウム塩、マグ
ネシウム塩などのアルカリ土類金属塩、ならびにアルミ
ニウム塩、アンモニウム塩などがあげられる。有機塩基
との塩の好適な例としては、例えばトリメチルアミン、
トリエチルアミン、ピリジン、ピコリン、2,6−ルチ
ジン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエ
タノールアミン、シクロヘキシルアミン、ジシクロヘキ
シルアミン、N,N’−ジベンジルエチレンジアミンな
どとの塩あげられる。無機酸との塩の好適な例として
は、例えば塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸などとの塩
があげられる。有機酸との塩の好適な例としては、例え
ばギ酸、酢酸、プロピオン酸、フマル酸、シュウ酸、酒
石酸、マレイン酸、クエン酸、コハク酸、リンゴ酸、メ
タンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸などと
の塩があげられる。塩基性アミノ酸との塩の好適な例と
しては、例えばアルギニン、リジン、オルチニンなどと
の塩があげられ、酸性アミノ酸との好適な例としては、
例えばアスパラギン酸、グルタミン酸などとの塩があげ
られる。本発明のスクリーニング方法またはスクリーニ
ング用キットを用いて得られる化合物またはその塩を上
述の医薬として使用する場合、上記の本発明のポリペプ
チドまたはその前駆体タンパク質を医薬として実施する
場合と同様にして実施することができる。
【0052】(4)本発明のポリペプチドまたはその前
駆体タンパク質に対する抗体または抗血清の製造 本発明のポリペプチドまたはその前駆体タンパク質に対
する抗体(例えば、ポリクローナル抗体、モノクローナ
ル抗体)または抗血清は、本発明のポリペプチドまたは
その前駆体タンパク質またはそれらの部分ペプチドを抗
原として用い、自体公知の抗体または抗血清の製造法に
従って製造することができる。例えば、ポリクローナル
抗体は、後述の方法に従って製造することができる。
【0053】[ポリクローナル抗体の作製]本発明のポ
リペプチドまたはその前駆体タンパク質に対するポリク
ローナル抗体は、それ自体公知あるいはそれに準じる方
法にしたがって製造することができる。例えば、免疫抗
原(ポリペプチド等抗原)とキャリアー蛋白質との複合
体をつくり、後述のモノクローナル抗体の製造法と同様
に温血動物(例えば、哺乳動物(例、ウサギ、ヒツジ、
ヤギ、ラット、マウス、モルモット、ウシ、ウマ、ブ
タ)、鳥類(例、ニワトリ、ハト、アヒル、ガチョウ、
ウズラ)など)に免疫を行ない、該免疫動物から本発明
のポリペプチドに対する抗体含有物を採取して、抗体の
分離精製を行なうことにより製造できる。哺乳動物を免
疫するために用いられる免疫抗原とキャリアー蛋白質と
の複合体に関し、キャリアー蛋白質の種類およびキャリ
アーとハプテン(本発明のポリペプチドまたはその部分
ペプチド)との混合比は、キャリアーに架橋させて免疫
したハプテンに対して抗体が効率良くできれば、どの様
なものをどの様な比率で架橋させてもよいが、例えば、
ウシ血清アルブミン、ウシサイログロブリン、キーホー
ル・リンペット・ヘモシアニン等を重量比でハプテン1
に対し、約0.1〜20、好ましくは約1〜5の割合で
カプルさせる方法が用いられる。また、ハプテンとキャ
リアーのカプリングには、種々の縮合剤を用いることが
できるが、グルタルアルデヒドやカルボジイミド、マレ
イミド活性エステル、チオール基、ジチオピリジル基を
含有する活性エステル試薬等が用いられる。縮合生成物
は、上記温血動物に対して、抗体産生が可能な部位にそ
れ自体あるいは担体、希釈剤とともに投与される。投与
に際して抗体産生能を高めるため、完全フロイントアジ
ュバントや不完全フロイントアジュバントを投与しても
よい。投与は、通常約2〜6週毎に1回ずつ、計約3〜
10回程度行なわれる。ポリクローナル抗体は、上記の
方法で免疫された哺乳動物の血液、腹水など、好ましく
は血液から採取される。抗血清中の本発明のポリペプチ
ドまたはその前駆体タンパク質に対する抗体価の測定
は、後述のハイブリドーマ培養上清の抗体価の測定と同
様にして測定できる。抗体の分離精製は、後述のモノク
ローナル抗体の分離精製と同様の免疫グロブリンの分離
精製法に従って行なうことができる。
【0054】また、モノクローナル抗体は、後述の方法
に従って製造することができる。 〔モノクローナル抗体の作製〕 (a)モノクロナール抗体産生細胞の作製 本発明のポリペプチドまたはその前駆体タンパク質は、
温血動物(例えば、哺乳温血動物(例、ウサギ、ヒツ
ジ、ヤギ、ラット、マウス、モルモット、ウシ、ウマ、
ブタ)、鳥類(例、ニワトリ、ハト、アヒル、ガチョ
ウ、ウズラ)など)に対して投与により抗体産生が可能
な部位にそれ自体あるいは担体、希釈剤とともに投与さ
れる。投与に際して抗体産生能を高めるため、完全フロ
イントアジュバントや不完全フロイントアジュバントを
投与してもよい。投与は通常2〜6週毎に1回ずつ、計
2〜10回程度行われる。
【0055】モノクローナル抗体産生細胞の作製に際し
ては、抗原を免疫された上記の温血動物、たとえばマウ
スなどから抗体価の認められた個体を選択し最終免疫の
2〜5日後に脾臓またはリンパ節を採取し、それらに含
まれる抗体産生細胞を骨髄腫細胞と融合させることによ
り、モノクローナル抗体産生ハイブリドーマを調製する
ことができる。抗血清中の抗体価の測定は、例えば後記
の標識化した本発明のポリペプチド、その前駆体タンパ
ク質またはそれらの部分ペプチドと抗血清とを反応させ
たのち、抗体に結合した標識剤の活性を測定することに
よりなされる。融合操作は既知の方法、たとえばケーラ
ーとミルスタインの方法〔ネイチャー(Nature)、256、
495 (1975)〕等に従い実施できる。融合促進剤としては
ポリエチレングリコール(PEG)やセンダイウィルス
などが挙げられるが、好ましくはPEGが用いられる。
骨髄腫細胞としてはたとえばNS−1、P3U1、SP
2/0、AP−1などがあげられるが、P3U1が好ま
しく用いられる。用いられる抗体産生細胞(脾臓細胞)
数と骨髄腫細胞数との好ましい比率は1:1〜20:1
程度であり、PEG(好ましくはPEG1000〜PE
G6000)が10〜80%程度の濃度で添加され、2
0〜40℃、好ましくは30〜37℃で1〜10分間イ
ンキュベートすることにより効率よく細胞融合を実施で
きる。本発明のポリペプチドまたはその前駆体タンパク
質に対する抗体産生ハイブリドーマのスクリーニングに
は種々の方法が使用できるが、たとえば本発明のポリペ
プチド抗原またはその前駆体タンパク質抗原を直接ある
いは担体とともに吸着させた固相(例、マイクロプレー
ト)にハイブリドーマ培養上清を添加し、次に放射性物
質や酵素などで標識した抗免疫グロブリン抗体(細胞融
合に用いられる細胞がマウスの場合、抗マウス免疫グロ
ブリン抗体が用いられる)またはプロテインAを加え、
固相に結合した本発明のポリペプチドまたはその前駆体
タンパク質に対するモノクローナル抗体を検出する方
法、抗免疫グロブリン抗体またはプロテインAを吸着さ
せた固相にハイブリドーマ培養上清を添加し、放射性物
質や酵素などで標識した本発明のポリペプチドを加え、
固相に結合した本発明のポリペプチドまたはその前駆体
タンパク質に対するモノクローナル抗体を検出する方法
などがあげられる。本発明のポリペプチドまたはその前
駆体タンパク質に対するモノクローナル抗体の選別は、
自体公知あるいはそれに準じる方法に従って行なうこと
ができる。通常HAT(ヒポキサンチン、アミノプテリ
ン、チミジン)を添加した動物細胞用培地で行なわれ
る。選別および育種用培地としては、ハイブリドーマが
生育できるものならばどのような培地を用いても良い。
例えば、1〜20%、好ましくは10〜20%の牛胎児
血清を含むRPMI 1640培地、1〜10%の牛胎
児血清を含むGIT培地(和光純薬工業(株))あるい
はハイブリドーマ培養用無血清培地(SFM−101、
日水製薬(株))などを用いることができる。培養温度
は、通常20〜40℃、好ましくは約37℃である。培
養時間は、通常5日〜3週間、好ましくは1週間〜2週
間である。培養は、通常5%炭酸ガス下で行なわれる。
ハイブリドーマ培養上清の抗体価は、上記の抗血清中の
本発明のポリペプチドに対する抗体価の測定と同様にし
て測定できる。
【0056】(b)モノクロナール抗体の精製 本発明のポリペプチドまたはその前駆体タンパク質に対
するモノクローナル抗体の分離精製は通常のポリクロー
ナル抗体の分離精製と同様に免疫グロブリンの分離精製
法〔例、塩析法、アルコール沈殿法、等電点沈殿法、電
気泳動法、イオン交換体(例、DEAE)による吸脱着
法、超遠心法、ゲルろ過法、抗原結合固相あるいはプロ
テインAあるいはプロテインGなどの活性吸着剤により
抗体のみを採取し、結合を解離させて抗体を得る特異的
精製法〕に従って行われる。上記の(a)および(b)
の方法に従って製造させる本発明のポリペプチドまたは
その前駆体タンパク質に対する抗体は、それぞれ本発明
のポリペプチドまたはその前駆体タンパク質を特異的に
認識することができるので、被検液中の本発明のポリペ
プチドまたはその前駆体タンパク質の定量、特にサンド
イッチ免疫測定法による定量などに使用することができ
る。すなわち、本発明は、例えば、(i)本発明のポリ
ペプチドまたはその前駆体タンパク質に反応する抗体
と、被検液および標識した本発明のポリペプチドまたは
その前駆体タンパク質とを競合的に反応させ、該抗体に
結合した標識した本発明のポリペプチドまたはその前駆
体タンパク質の割合を測定することを特徴とする被検液
中の本発明のポリペプチドまたはその前駆体タンパク質
の定量法、(ii)被検液と担体上に不溶化した抗体およ
び標識化された抗体とを同時あるいは連続的に反応させ
たのち、不溶化担体上の標識剤の活性を測定することを
特徴とする被検液中の本発明のポリペプチドまたはその
前駆体タンパク質の定量法において、一方の抗体が、本
発明のポリペプチドまたはその前駆体タンパク質のN端
部を認識する抗体で、他方の抗体が本発明のポリペプチ
ドまたはその前駆体タンパク質のC端部に反応する抗体
であることを特徴とする被検液中の本発明のポリペプチ
ドまたはその前駆体タンパク質の定量法を提供する。
【0057】本発明のポリペプチドまたはその前駆体タ
ンパク質を認識するモノクローナル抗体を用いて本発明
のポリペプチドまたはその前駆体タンパク質の測定を行
なえるほか、組織染色等による検出を行なうこともでき
る。これらの目的には、抗体分子そのものを用いてもよ
く、また、抗体分子のF(ab')2 、Fab'、あるいは
Fab画分を用いてもよい。本発明の抗体を用いる測定
法は、 特に制限されるべきものではなく、被測定液中
の抗原量(例えばポリペプチド量)に対応した抗体、抗
原もしくは抗体−抗原複合体の量を化学的または物理的
手段により検出し、これを既知量の抗原を含む標準液を
用いて作製した標準曲線より算出する測定法であれば、
いずれの測定法を用いてもよい。例えば、ネフロメトリ
ー、競合法、イムノメトリック法およびサンドイッチ法
が好適に用いられるが、感度、特異性の点で、後述する
サンドイッチ法を用いるのが特に好ましい。標識物質を
用いる測定法に用いられる標識剤としては、放射性同位
元素、酵素、蛍光物質、発光物質などが挙げられる。放
射性同位元素としては、例えば〔125I〕、〔131I〕、
3H〕、〔14C〕などが、上記酵素としては、安定で
比活性の大きなものが好ましく、例えばβ−ガラクトシ
ダーゼ、β−グルコシダーゼ、アルカリフォスファター
ゼ、パーオキシダーゼ、リンゴ酸脱水素酵素等が、蛍光
物質としては、フルオレスカミン、フルオレッセンイソ
チオシアネートなどが、発光物質としては、ルミノー
ル、ルミノール誘導体、ルシフェリン、ルシゲニンなど
がそれぞれ挙げられる。さらに、抗体あるいは抗原と標
識剤との結合にビオチン−アビジン系を用いることもで
きる。
【0058】抗原あるいは抗体の不溶化に当っては、物
理吸着を用いてもよく、また通常蛋白質あるいは酵素等
を不溶化、固定化するのに用いられる化学結合を用いる
方法でもよい。担体としては、アガロース、デキストラ
ン、セルロースなどの不溶性多糖類、ポリスチレン、ポ
リアクリルアミド、シリコン等の合成樹脂、あるいはガ
ラス等が挙げられる。サンドイッチ法においては不溶化
した抗ポリペプチド抗体に被検液を反応させ(1次反
応)、さらに標識化抗ポリペプチド抗体を反応させ(2
次反応)たのち、不溶化担体上の標識剤の活性を測定す
ることにより被検液中のポリペプチド量を定量すること
ができる。1次反応と2次反応は逆の順序に行っても、
また、同時に行なってもよいし時間をずらして行なって
もよい。標識化剤および不溶化の方法は前記のそれらに
準じることができる。また、サンドイッチ法による免疫
測定法において、固相用抗体あるいは標識用抗体に用い
られる抗体は必ずしも1種類である必要はなく、測定感
度を向上させる等の目的で2種類以上の抗体の混合物を
用いてもよい。本発明のサンドイッチ法による本発明の
ポリペプチドまたはその前駆体タンパク質の測定法にお
いては、1次反応と2次反応に用いられる抗ポリペプチ
ドまたはその前駆体タンパク質抗体は本発明のポリペプ
チドまたはその前駆体タンパク質の結合する部位が相異
なる抗体が好ましく用いられる。即ち、1次反応および
2次反応に用いられる抗体は、例えば、2次反応で用い
られる抗体が、本発明のポリペプチドまたはその前駆体
タンパク質のC端部を認識する場合、1次反応で用いら
れる抗体は、好ましくはC末端部以外、例えばN末端部
を認識する抗体が用いられる。
【0059】本発明のポリペプチドまたはその前駆体タ
ンパク質に対する抗体をサンドイッチ法以外の測定シス
テム、例えば、競合法、イムノメトリック法あるいはネ
フロメトリーなどに用いることができる。競合法では、
被検液中の抗原と標識抗原とを抗体に対して競合的に反
応させたのち、未反応の標識抗原と(F)と抗体と結合
した標識抗原(B)とを分離し(B/F分離)、B,F
いずれかの標識量を測定し、被検液中の抗原量を定量す
る。本反応法には、抗体として可溶性抗体を用い、B/
F分離をポリエチレングリコール、前記抗体に対する第
2抗体などを用いる液相法、および、第1抗体として固
相化抗体を用いるか、あるいは、第1抗体は可溶性のも
のを用い第2抗体として固相化抗体を用いる固相化法と
が用いられる。イムノメトリック法では、被検液中の抗
原と固相化抗原とを一定量の標識化抗体に対して競合反
応させた後固相と液相を分離するか、あるいは、被検液
中の抗原と過剰量の標識化抗体とを反応させ、次に固相
化抗原を加え未反応の標識化抗体を固相に結合させたの
ち、固相と液相を分離する。次に、いずれかの相の標識
量を測定し被検液中の抗原量を定量する。また、ネフロ
メトリーでは、ゲル内あるいは溶液中で抗原抗体反応の
結果生じた不溶性の沈降物の量を測定する。被検液中の
抗原量が僅かであり、少量の沈降物しか得られない場合
にもレーザーの散乱を利用するレーザーネフロメトリー
などが好適に用いられる。
【0060】これら個々の免疫学的測定法を本発明の測
定方法に適用するにあたっては、特別の条件、操作等の
設定は必要とされない。それぞれの方法における通常の
条件、操作法に当業者の通常の技術的配慮を加えて本発
明のポリペプチド、その前駆体タンパク質またはそれら
の部分ペプチドの測定系を構築すればよい。これらの一
般的な技術手段の詳細については、総説、成書などを参
照することができる〔例えば、入江 寛編「ラジオイム
ノアッセイ〕(講談社、昭和49年発行)、入江 寛編
「続ラジオイムノアッセイ〕(講談社、昭和54年発
行)、石川栄治ら編「酵素免疫測定法」(医学書院、昭
和53年発行)、石川栄治ら編「酵素免疫測定法」(第
2版)(医学書院、昭和57年発行)、石川栄治ら編
「酵素免疫測定法」(第3版)(医学書院、昭和62年
発行)、「Methods in ENZYMOLOGY」 Vol. 70(Immunoche
mical Techniques(Part A))、 同書 Vol. 73(Immunoche
micalTechniques(Part B))、 同書 Vol. 74(Immunochem
ical Techniques(Part C))、同書 Vol. 84(Immunochemi
cal Techniques(Part D:Selected Immunoassays))、同
書 Vol. 92(Immunochemical Techniques(Part E:Monocl
onal Antibodies andGeneral Immunoassay Methods))、
同書 Vol. 121(Immunochemical Techniques(Part I:Hy
bridoma Technology and Monoclonal Antibodies))(以
上、アカデミックプレス社発行)など参照〕。以上のよ
うに、本発明のポリペプチドまたはその前駆体タンパク
質に対する抗体を用いることによって、本発明のポリペ
プチドまたはその前駆体タンパク質を感度良く定量する
ことができる。被検液中の本発明のポリペプチドまたは
その前駆体タンパク質を定量することによって、本発明
のポリペプチドまたはその前駆体タンパク質が関与する
疾患を診断することができる。本発明のポリペプチドま
たはその前駆体タンパク質が関与する疾患としては、例
えば、老人性痴呆、脳血管性痴呆、系統変成型の退行変
成疾患(例:アルツハイマー病、パーキンソン病、ピッ
ク病、ハンチントン病など)に起因する痴呆、高(低)
血圧症、腎疾患(例:慢性腎不全、腎炎など)、心疾患
(例:心不全、急性心筋梗塞など)、頻尿、尿失禁、難
聴、嗅覚異常、視覚異常などの疾病があげられる。被検
液は被検哺乳動物(例、ヒト、ウサギ、ヒツジ、ヤギ、
ラット、マウス、モルモット、ウシ、ウマ、ブタ)から
自体公知の方法によって調製できる。被検液としては、
例えば、血液、リンパ液、尿などが挙げられる。本明細
書および図面において、塩基やアミノ酸などを略号で表
示する場合、IUPAC−IUB Commission on Bioc
hemical Nomenclature による略号あるいは当該分野に
おける慣用略号に基づくものであり、その例を下記す
る。またアミノ酸に関し光学異性体があり得る場合は、
特に明示しなければL体を示すものとする。
【0061】 DNA :デオキシリボ核酸 cDNA :相補的デオキシリボ核酸 A :アデニン T :チミン G :グアニン C :シトシン Y :チミンまたはシトシン N :チミン、シトシン、アデニンまたはグアニン R :アデニンまたはグアニン M :シトシンまたはアデニン W :チミンまたはアデニン S :シトシンまたはグアニン RNA :リボ核酸 mRNA :メッセンジャーリボ核酸 dATP :デオキシアデノシン三リン酸 dTTP :デオキシチミジン三リン酸 dGTP :デオキシグアノシン三リン酸 dCTP :デオキシシチジン三リン酸 ATP :アデノシン三リン酸 EDTA :エチレンジアミン四酢酸 SDS :ドデシル硫酸ナトリウム TFA :トリフルオロ酢酸 EIA :エンザイムイムノアッセイ GlyまたはG :グリシン AlaまたはA :アラニン ValまたはV :バリン LeuまたはL :ロイシン IleまたはI :イソロイシン SerまたはS :セリン
【0062】 ThrまたはT :スレオニン CysまたはC :システイン MetまたはM :メチオニン GluまたはE :グルタミン酸 AspまたはD :アスパラギン酸 LysまたはK :リジン ArgまたはR :アルギニン HisまたはH :ヒスチジン PheまたはF :フェニルアラニン TyrまたはY :チロシン TrpまたはW :トリプトファン ProまたはP :プロリン AsnまたはN :アスパラギン GlnまたはQ :グルタミン pGlu :ピログルタミン酸 Me :メチル基 Et :エチル基 Bu :ブチル基 Ph :フェニル基 TC :チアゾリジン−4(R)−カルボキサミド基 Bom :ベンジルオキシメチル NMP :N−メチルピロリドン PAM :フェニルアセトアミドメチル
【0063】また、本明細書中で繁用される置換基、保
護基および試薬を下記の記号で表記する。 Tos:p−トルエンスルフォニル HONB:N−ヒドロキシ−5−ノルボルネン−2,3
−ジカルボキシイミド Bzl:ベンジル Z:ベンジルオキシカルボニル Br−Z:2−ブロモベンジルオキシカルボニル Cl−Z:2−クロルベンジルオキシカルボニル Boc:t−ブチルオキシカルボニル HOBt:1−ヒドロキシベンズトリアゾール DCC:N、N'−ジシクロヘキシルカルボジイミド TFA:トリフルオロ酢酸 Fmoc:N−9−フルオレニルメトキシカルボニル DNP:ジニトロフェニル Bum:ターシャリーブトキシメチル Trt:トリチル MeBzl:4−メチルベンジル CHO:ホルミル NMP:N−メチルピロリドン
【0064】本願明細書の配列表の配列番号は、以下の
配列を示す。 〔配列番号:1〕ラットurotensin II like peptide前駆
体蛋白質をコードするcDNAの部分配列を取得するのに使
用した合成DNAを示す。 〔配列番号:2〕ラットurotensin II like peptide前駆
体蛋白質をコードするcDNAの部分配列を取得するのに使
用した合成DNAを示す。 〔配列番号:3〕ラットurotensin II like peptide前駆
体蛋白質の一部をコードするcDNAの塩基配列を示す。 〔配列番号:4〕ラットurotensin II like peptide前駆
体蛋白質をコードするcDNAの5'側部分配列を取得するた
めのRACE-PCRに使用した合成DNAを示す。 〔配列番号:5〕ラットurotensin II like peptide前駆
体蛋白質をコードするcDNAの5'側部分配列を取得するた
めのRACE-PCRに使用した合成DNAを示す。 〔配列番号:6〕ラットurotensin II like peptide前駆
体蛋白質をコードするcDNAの5'側部分配列の塩基配列を
示す。 〔配列番号:7〕ラットurotensin II like peptide前駆
体蛋白質をコードするcDNAの3'側部分配列を取得するた
めのRACE-PCRに使用した合成DNAを示す。 〔配列番号:8〕ラットurotensin II like peptide前駆
体蛋白質をコードするcDNAの3'側部分配列を取得するた
めに放射化標識プローブとして使用した合成DNAを示
す。 〔配列番号:9〕ラットurotensin II like peptide前駆
体蛋白質をコードするcDNAの3'側部分配列の塩基配列を
示す。 〔配列番号:10〕ラットurotensin II like peptide前
駆体蛋白質をコードするcDNAの全長配列を取得するのに
使用した合成DNAを示す。 〔配列番号:11〕ラットurotensin II like peptide前
駆体蛋白質をコードするcDNAの全長配列を取得するのに
使用した合成DNAを示す。 〔配列番号:12〕ラットurotensin II like peptide前
駆体蛋白質cDNAの全塩基配列を示す。 〔配列番号:13〕ラットurotensin II like peptide前
駆体蛋白質の全アミノ酸配列を示す。 〔配列番号:14〕ラットurotensin II like peptide-1
のアミノ酸配列を示す。 〔配列番号:15〕ラットurotensin II like peptide-2
のアミノ酸配列を示す。 〔配列番号:16〕配列番号14(ラットurotensin II lik
e peptide-1)のDNA配列を示す。 〔配列番号:17〕配列番号15(ラットurotensin II lik
e peptide-2)のDNA配列を示す。 〔配列番号:18〕マウスurotensin II like peptide前
駆体蛋白質をコードするcDNAの5'側部分配列を取得する
のに使用した合成DNAを示す。 〔配列番号:19〕マウスurotensin II like peptide前
駆体蛋白質をコードするcDNAの5'側部分配列を取得する
のに使用した合成DNAを示す。 〔配列番号:20〕マウスurotensin II like peptide前
駆体蛋白質コードするcDNAの5'側部分配列を示す。 〔配列番号:21〕マウスurotensin II like peptide前
駆体蛋白質をコードするcDNAの3'側部分配列を取得する
のに使用した合成DNAを示す。 〔配列番号:22〕マウスurotensin II like peptide前
駆体蛋白質をコードするcDNAの3'側部分配列および全長
配列を取得するのに使用した合成DNAを示す。 〔配列番号:23〕マウスurotensin II like peptide前
駆体蛋白質コードするcDNAの3'側部分配列を示す。 〔配列番号:24〕マウスurotensin II like peptide前
駆体蛋白質をコードするcDNAの全長配列を取得するのに
使用した合成DNAを示す。 〔配列番号:25〕マウスurotensin II like peptide前
駆体蛋白質cDNAの全塩基配列を示す。 〔配列番号:26〕マウスurotensin II like peptide前
駆体蛋白質の全アミノ酸配列を示す。 〔配列番号:27〕マウスurotensin II like peptideの
アミノ酸配列を示す。 〔配列番号:28〕配列番号27(マウスurotensin II lik
e peptide)のDNA配列を示す。 〔配列番号:29〕ラットSENR蛋白質のアミノ酸配列を示
す。 〔配列番号:30〕ヒトSENR蛋白質のアミノ酸配列を示
す。 〔配列番号:31〕前駆体蛋白質のアミノ酸配列から推定
されるラットurotensin II like peptideの成熟ペプチ
ドのアミノ酸配列を示す。 〔配列番号:32〕前駆体蛋白質のアミノ酸配列から推定
されるラットurotensin II like peptideの成熟ペプチ
ドのアミノ酸配列を示す。 〔配列番号:33〕前駆体蛋白質のアミノ酸配列から推定
されるマウスurotensin II like peptideの成熟ペプチ
ドのアミノ酸配列を示す。 〔配列番号:34〕前駆体蛋白質のアミノ酸配列から推定
されるマウスurotensin II like peptideの成熟ペプチ
ドのアミノ酸配列を示す。 〔配列番号:35〕配列番号:31(ラットurotensin II l
ike peptideの成熟ペプチド)のDNA配列を示す。 〔配列番号:36〕配列番号:32(ラットurotensin II l
ike peptideの成熟ペプチド)のDNA配列を示す。 〔配列番号:37〕配列番号:33(マウスurotensin II l
ike peptideの成熟ペプチド)のDNA配列を示す。 〔配列番号:38〕配列番号:34(マウスurotensin II l
ike peptideの成熟ペプチド)のDNA配列を示す。 後述の実施例3で得られた形質転換体 Escherichia col
i XL10-Gold/pcrII-rUII likeは、平成11年6月2日
から日本国茨城県つくば市東1丁目1番3号(郵便番号
305−8566)の通商産業省工業技術院生命工学工
業技術研究所(NIBH)に寄託番号FERM BP−
6740として、日本国大阪市淀川区十三本町2丁目1
7番85号(郵便番号532−8686)の財団法人発
酵研究所(IFO)に平成11年4月18日から寄託番
号 IFO 16285として寄託されている。
【0065】
【実施例】以下に参考例および実施例を示して、本発明
をより詳細に説明するが、これらは本発明の範囲を限定
するものではない。
【0066】参考例1 ヒト脳由来cDNAを用いたPCR法
によるヒトSENR (=GPR14)受容体cDNAの増幅 ヒト脳由来poly (A)+ RNA(クロンテック社)を鋳型と
し、ランダムプライマーを用いて逆転写反応を行なう。
逆転写反応は、タカラRNA PCR ver. 2キットの試薬を使
用する。次にこの逆転写生成物を鋳型として用い、配列
番号23および24の合成DNAプライマーを用いてPCR法によ
る増幅を行なう。合成DNAプライマーは受容体蛋白に翻
訳される領域の遺伝子が増幅されるように構築するが、
その際に遺伝子の5'側に制限酵素Sal Iの認識する塩基
配列が付加され、また3'側に制限酵素Spe Iの認識する
塩基配列が付加されるように、5'側および3'側にそれぞ
れの制限酵素の認識配列を付加する。反応液の組成は、
cDNA鋳型5μl、合成DNAプライマー各1μM、0.2 mM dNTP
s、1 mM MgCl2、KOD DNAポリメラーゼ1μlおよび酵素に
付属のバッファーで、総反応量は50μlとする。増幅の
ためのサイクルはサーマルサイクラー(パーキンエルマ
ー社)を用い、94度・60秒の加熱の後、94℃・30秒、59
℃・30秒、74℃・60秒のサイクルを35回繰り返す。増幅
産物の確認は、0.8%アガロースゲル電気泳動の後、エチ
ジウムブロマイド染色によって行なう。
【0067】参考例2 PCR産物のプラスミドベクター
へのサブクローニングおよび挿入cDNA部分の塩基配列の
解読による増幅cDNA配列の確認 参考例1で行なうPCR後の反応産物は0.8 %の低融点アガ
ロースゲルを用いて分離し、バンドの部分をカミソリで
切り出した後、細片化、フェノール抽出、フェノール・
クロロホルム抽出、エタノール沈殿を行なってDNAを回
収する。PCR-ScriptTM Amp SK(+)クローニングキット
(ストラタジーン社)の処方に従い、回収したDNAをプ
ラスミドベクターpCR-Script Amp SK(+)へサブクローニ
ングする。これをエシェリヒア コリ(Escherichia co
li)JM109 competent cell(宝酒造)に導入して形質転
換した後、cDNA挿入断片を持つクローンをアンピシリン
およびX-galを含むLB寒天培地中で選択し、白色を呈す
るクローンのみを滅菌したつま楊枝を用いて分離し、形
質転換体E. coli JM109/SENRを得る。個々のクローンを
アンピシリンを含むLB培地で一晩培養し、QIA prep8 mi
ni prep(キアゲン社)を用いてプラスミドDNAを調製す
る。調製したDNAの一部を用いて制限酵素Sal IおよびSp
e Iによる切断を行ない、挿入されている受容体cDNA断
片の大きさを確認する。塩基配列の決定のための反応は
DyeDeoxy Terminator Cycle Sequence Kit(パーキンエ
ルマー社)を用いて行ない、蛍光式自動シーケンサーを
用いて解読する。得られたクローンの配列を解析し、全
ての配列が報告されているヒトGPR14 (=SENR)遺伝子(E
P 0 859 052 A1)の配列の5'側にSal I認識配列が付加
し、3'側にSpe I認識配列が付加した遺伝子配列と一致
することを確認する。
【0068】参考例3 ヒトSENR発現CHO細胞の作製 参考例2で配列が確認されるヒト脳由来のSENRの全長ア
ミノ酸配列をコードし5'側にSal I認識配列が付加し、
また3'側にSpe I認識配列を付加した遺伝子が導入され
たプラスミドによって形質転換されたE. coliのクロー
ンよりPlasmid Midi Kit(キアゲン社)を用いてプラス
ミドを調製し、制限酵素Sal IおよびSpe Iで切断してイ
ンサート部分を切り出す。インサートDNAは電気泳動
後、アガロースゲルからカミソリで切り出し、次に細片
化、フェノール抽出、フェノール・クロロホルム抽出、
エタノール沈殿を行なって回収する。このインサートDN
AをSalIおよびSpe Iで切断した動物細胞発現用ベクター
プラスミドpAKKO-111H(Hinuma, S. et al. Biochim. B
iophys. Acta, Vol. 1219, pp. 251-259 (1994)記載のp
AKKO1.11Hと同一のベクタープラスミド)に加え、T4ラ
イゲース(宝酒造)を用いてライゲーションを行ない、
蛋白発現用プラスミドpAKKO-hSENRを構築する。pAKKO-h
SENRで形質転換したE. co li DH5(トーヨーボー)を培
養後、PlasmidMidi Kit(キアゲン社)を用いてpAKKO-S
ENRのプラスミドDNAを調製する。これをCellPhect Tran
sfection Kit(アマシャムファルマシアバイオテク社)
を用い添付のプロトコルに従ってCHO dhfr-細胞に導入
する。10 mgのDNAをリン酸カルシウムとの共沈懸濁液と
し、24時間前に5 x 105または1 x 106個のCHO dhfr-
胞を播種した10 cmシャーレに添加する。10%ウシ胎児血
清を含むMEMa培地で1日間培養した後、継代し、選択培
地である10%透析ウシ胎児血清を含む核酸不含MEMa培地
で培養する。選択培地中で増殖してくるヒトSENR発現CH
O細胞である形質転換細胞(CHO/hSENR)のコロニーを選
択する。
【0069】参考例4 ラット脳由来cDNAを用いたPCR
法によるラットSENR (=GPR14)受容体cDNAの増幅 ラット脳由来poly (A) +RNA(クローンテック社)を鋳
型とし、ランダムプライマーを用いて逆転写反応を行な
った。逆転写反応は、タカラRNA PCR ver. 2キットの試
薬を使用した。次にこの逆転写生成物を鋳型として用
い、配列番号:1および2の合成DNAプライマーを用い
てPCR法による増幅を行なった。合成DNAプライマーは受
容体蛋白に翻訳される領域の遺伝子が増幅されるように
構築したが、その際に遺伝子の5'側に制限酵素Sal Iの
認識する塩基配列が付加され、また3'側に制限酵素Spe
Iの認識する塩基配列が付加されるように、5'側および
3'側にそれぞれの制限酵素の認識配列を付加した。反応
液の組成は、cDNA鋳型5 ml、合成DNAプライマー各1μ
M、0.2 mM dNTPs、1 mM MgCl2、KOD (King of DNA) DNA
ポリメラーゼ1 μlおよび酵素に付属のバッファーで、
総反応量は50 μlとした。増幅のためのサイクルはサー
マルサイクラー(パーキンエルマー社)を用い、94℃・
60秒の加熱の後、94℃・30秒、59℃・30秒、74℃・60秒
のサイクルを35回繰り返した。増幅産物の確認は、0.8
%アガロースゲル電気泳動の後、エチジウムブロマイド
染色によって行なった。
【0070】参考例5 PCR産物のプラスミドベクター
へのサブクローニングおよび挿入cDNA部分の塩基配列の
解読による増幅cDNA配列の確認 参考例4で行なったPCR後の反応産物は0.8 %の低融点
アガロースゲルを用いて分離し、バンドの部分をカミソ
リで切り出した後、細片化、フェノール抽出、フェノー
ル・クロロホルム抽出、エタノール沈殿を行なってDNA
を回収した。PCR-ScriptTM Amp SK(+)クローニングキッ
ト(ストラタジーン社)の処方に従い、回収したDNAを
プラスミドベクターpCR-Script Amp SK(+)へサブクロー
ニングした。これをエシェリヒア コリ(Escherichia
coli)JM109 competent cell(宝酒造)に導入して形質
転換した後、cDNA挿入断片を持つクローンをアンピシリ
ンおよびX-galを含むLB寒天培地中で選択し、白色を呈
するクローンのみを滅菌したつま楊枝を用いて分離し、
形質転換体E. coli JM109/SENRを得た。個々のクローン
をアンピシリンを含むLB培地で一晩培養し、QIA prep8
mini prep(キアゲン社)を用いてプラスミドDNAを調製
した。調整したDNAの一部を用いて制限酵素Sal Iおよび
Spe Iによる切断を行ない、挿入されている受容体cDNA
断片の大きさを確認した。塩基配列の決定のための反応
はDyeDeoxy Terminator Cycle Sequence Kit(パーキン
エルマー社)を用いて行ない、蛍光式自動シーケンサー
を用いて解読した。得られた3クローンの配列を解析し
全ての配列が報告されているSENR (sensory epithelial
neuropeptide-like receptor)のDNA配列(Tal, M. et
al. Biochem. Biophys. Res. Commun., Vol. 209, pp.
752-759 (1995))の5'側にSal I認識配列が付加し、3'
側にSpe I認識配列が付加した遺伝子配列と一致するこ
とを確認した。なお、報告されているGPR14遺伝子の配
列(Marchese, A. etal. Genomics, vol. 29, pp. 335-
344 (1995))では開始コドンであるATGのAを1番目とし
たとき945番目がGであるが、SENRの配列および上記で決
定した配列ではCである。
【0071】参考例6 SENR発現CHO細胞の作製 参考例5で配列が確認されたラット脳由来のSENRの全長
アミノ酸配列をコードし5'側にSal I認識配列が付加
し、また3'側にSpe I認識配列を付加した遺伝子が導入
されたプラスミドによって形質転換されたE. coliのク
ローンよりPlasmid Midi Kit(キアゲン社)を用いてプ
ラスミドを調製し、制限酵素Sal IおよびSpeIで切断し
てインサート部分を切り出した。インサートDNAは電気
泳動後、アガロースゲルからカミソリで切り出し、次に
細片化、フェノール抽出、フェノール・クロロホルム抽
出、エタノール沈殿を行なって回収した。このインサー
トDNAをSal IおよびSpe Iで切断した動物細胞発現用ベ
クタープラスミドpAKKO-111H(Hinuma, S. et al. Bioc
him. Biophys. Acta, Vol. 1219, pp. 251-259 (1994)
記載のpAKKO1.11Hと同一のベクタープラスミド)に加
え、T4ライゲース(宝酒造)を用いてライゲーションを
行ない、蛋白発現用プラスミドpAKKO-SENRを構築した。
pAKKO-SENRで形質転換したE. co li DH5(トーヨーボ
ー)を培養後、Plasmid Midi Kit(キアゲン社)を用い
てpAKKO-SENRのプラスミドDNAを調製した。これをCellP
hect Transfection Kit(アマシャムファルマシアバイ
オテク社)を用い添付のプロトコルに従ってCHO dhfr-
細胞に導入した。10 μgのDNAをリン酸カルシウムとの
共沈懸濁液とし、24時間前に5 x 105または1 x 106個の
CHO dhfr-細胞を播種した10 cmシャーレに添加した。10
%ウシ胎児血清を含むMEMα培地で1日間培養した後、継
代し、選択培地である10%透析ウシ胎児血清を含む核酸
不含MEMα培地で培養した。選択培地中で増殖してくるS
ENR発現CHO細胞である形質転換細胞のコロニー68クロー
ンを選択した。
【0072】実施例1 ラット脊髄 cDNAの調製 ラット脊髄よりIsogen kit(ニッポンジーン社)を用い
てtotal RNAを調製後、Oligotex (dT)30 (宝酒造)を用
いてpoly (A)+RNA画分を調製した。このpoly (A)+RNAか
らThermoScript逆転写酵素(ギブコBRL社)を用い、マニ
ュアルにしたがって3'-RACEアダプタープライマー(GGC
CACGCGTCGACTAGTAC(T)17 : ギブコBRL社)をプライマー
に用いて50℃で逆転写を行ない、一本鎖ラット脊髄 cDN
Aを作成した。また、同様にマニュアルにしたがってThe
rmoScript逆転写酵素(ギブコBRL社)を用い、random he
xamerを用いて同じpoly (A)+RNAから50℃で逆転写したc
DNAをMarathon cDNA amplification kit(クロンテック
社)のマニュアルにしたがって第二ストランドを合成し
て二本鎖cDNAとし、キットに付属のMarathon cDNAアダ
プター配列の付加を行なった。
【0073】実施例2 PCR法によるラットurotensin I
I like peptide前駆体蛋白質をコードするcDNAの部分配
列の決定 ヒトurotensin II前駆体蛋白質をコードする塩基配列
(GenBank accession No. AF104118)の開始コドンにあ
たるATGから265-287番目の塩基配列および352-375番目
の塩基配列にそれぞれ基づいて作製した配列番号:1お
よび2のプライマー(日本バイオサービスに合成委託)
を用い、ラット脊髄より実施例1で得られた一本鎖cDNA
を鋳型としてPCR反応を行なった。反応液の組成は、プ
ライマー濃度をともに2.5μMとし、2.5 mM MgCl2、 dNT
P 0.2 mM、AmpliTaq Gold(パーキンエルマー社)1/200
volume、10倍濃縮AmpliTaq Gold Buffer 1/10 volum
e、液量は25μlとした。PCRの条件は、95℃で9分間保温
した後、94℃・20秒、60℃・15秒、80℃・20秒のサイク
ルを3回、94℃・20秒、58℃・15秒、80℃・20秒のサイ
クルを5回、94℃・20秒、55℃・15秒、80℃・20秒のサ
イクルを7回、94℃・20秒、53℃・15秒、80℃・20秒の
サイクルを30回繰り返した。PCR反応液を3.5% Nusieve
GTG Agarose(宝酒造)を用いて電気泳動し、エチジウ
ムブロマイドによる染色によって検出される110 bp付近
のバンドからGeneClean Spin kit(バイオ101社)によ
ってDNAを抽出した。これをTOPO TA cloning kit(イン
ビトロジェン社)を用いてプラスミドベクターpcrIIに
サブクローニングし、大腸菌XL10-Gold(ストラタジー
ン社)に導入した。生じた形質転換体からQIA prep8 mi
ni prepkit(キアゲン社)を用いてプラスミドDNAを精
製した。塩基配列決定のための反応はDyeDeoxy Termina
tor Cycle Sequence kit(パーキンエルマー社)を用い
て行ない、蛍光式自動シーケンサーを用いて解読した。
その結果、配列番号:3に示す塩基配列が得られた。こ
の配列はヒトurotensin II前駆体蛋白質遺伝子の塩基配
列に相同性が認められ、urotensin IIに類似したペプチ
ドの前駆体蛋白質をコードしていることが示唆された。
しかし、別にラット染色体配列から決定したラットurot
ensin II(ラットSENR ligand)前駆体蛋白質遺伝子の
部分配列(WO00/32627に記載)とは異なっていた。そこ
で、この配列はラットurotensin IIの前駆体蛋白質では
なく、これとは別なラットurotensin II類似のペプチド
の前駆体蛋白質をコードするcDNAの部分配列であると結
論された。このラットurotensin IIに類似したペプチド
をラットurotensin II like peptideと命名した。
【0074】実施例3 RACE(rapid amplification of
cDNA ends)法によるラットurotensin II like peptid
e前駆体蛋白質をコードするcDNA配列の決定 ラットurotensin II like peptide前駆体蛋白質をコー
ドする遺伝子の5'末端側の配列を決定するため、実施例
1で得た二本鎖cDNA調製液をMarathon cDNA amplificati
on kit(クロンテック社)の指示のとおり25倍希釈して
2.5μlを鋳型にし、配列番号:4(日本バイオサービス
に合成委託)のプライマーおよびキットに付属のアダプ
タープライマーAP1を用いてPCRを行なった。反応液の組
成は、プライマー濃度を配列番号:4を0.4μM、AP1を0.
2μMとし、2.5 mM MgCl2、dNTP 0.2 mM、AmpliTaq Gold
(パーキンエルマー社)1/100 volume、10倍濃縮AmpliT
aqGold Buffer 1/10 volume、液量は25μlとした。PCR
の条件は、95℃で9分保温した後、94℃・20秒、70℃・1
分のサイクルを3回、94℃・20秒、68℃・1分のサイクル
を5回、94℃・20秒、66℃・1分のサイクルを25回、繰り
返した。この反応液1μlを鋳型にし、配列番号:5(日
本バイオサービスに合成委託)のプライマーおよびキッ
トに付属のアダプタープライマーAP2を用いて再度PCRを
行なった。反応液の組成は、プライマー濃度を配列番
号:5を0.4μM、AP2を0.2μMとし、2.5 mM MgCl2、dNTP
0.2 mM、AmpliTaq Gold(パーキンエルマー社)1/100
volume、10倍濃縮AmpliTaq Gold Buffer 1/10 volume、
液量は25μlとした。PCRの条件は、95℃ で9分保温した
後、94℃・20秒、64℃・30秒のサイクルを35回繰り返し
た後、72℃・7分保温した。PCR反応液を3.5% Nusieve G
TG Agarose(宝酒造)を用いて電気泳動して、エチジウ
ムブロマイドによる染色によって検出される420bp付近
のバンドからGeneClean Spin kit (バイオ101社)によ
ってDNAを抽出し、TOPO TA cloning kit(インビトロジ
ェン社)を用いてサブクローニングを行なった。生じた
形質転換体からQIA prep8 mini prep kit(キアゲン
社)を用いてプラスミドDNAを精製した。塩基配列決定
のための反応はDyeDeoxy TerminatorCycle Sequence ki
t(パーキンエルマー社)を用いて行ない、蛍光式自動
シーケンサーを用いて解読したところ、配列番号:6に
示す配列が得られた。この配列にはラットurotensin II
like peptide前駆体蛋白質をコードするcDNAの開始コ
ドンを含む5'末端側の配列が含まれていた。ラットurot
ensin II like peptide前駆体蛋白質をコードするcDNA
の3'末端側の配列を決定するため、実施例1で調製した
ラット脊髄由来一本鎖cDNA 50 ngを鋳型にし、配列番
号:7(日本バイオサービスに合成委託)のプライマー
およびAbridged Universal Amplification Primer(ギ
ブコBRL社)を用いてPCRを行った。反応液量は50μlで
反応液の組成は、プライマー濃度を0.2μMとし、dNTP
0.2mM、Advantage2(クロンテック社)1/50 volume、10
倍濃縮Advantage2 Buffer 1/10 volumeとした。PCRの条
件は、94℃で1分保温した後、94℃・30秒、55℃・30
秒、72℃・2分のサイクルを30回繰り返した後、72℃で1
0分保温した。反応液の一部を1.6% Seakem GTG Agarose
(宝酒造)で電気泳動して0.4 N NaOHで変性させ、BYOD
YNE B Transmembrane(ポールバイオサポート社)にア
ルカリブロッティングを行なった。この膜を0.2 Mリン
酸緩衝液pH 6.8で中和した後、風乾し、0.12 J/cm2の紫
外線を当てて80℃で30分加温した。この膜に対してT4キ
ナーゼにより[32P]ATP標識した配列番号:8のプローブ
をハイブリダイズさせ、65℃の0.1% SDSを加えた0.2 x
SSC(ニッポンジーン社)で洗浄後、BAS2000(富士フ
ィルム社)により放射活性がハイブリダイズしている位
置を調べたところ、300-400bpにラットurotensin II li
ke peptide前駆体蛋白質遺伝子由来と考えられる増幅産
物が泳動されていることが認められた。そこでこの部分
のゲルからQIAGEN Gel Extraction kit(キアゲン社)
によってDNAを抽出し、これをTOPO TA cloning kit(イ
ンビトロジェン社)を用いてプラスミドベクターpcrII
にサブクローニングして大腸菌XL10-Gold(ストラタジ
ーン社)に導入した。生じた形質転換体からQIA prep8
mini prep kit(キアゲン社)を用いてプラスミドDNAを
精製した。塩基配列決定のための反応は、DyeDeoxy Ter
minator Cycle Sequence kit(パーキンエルマー社)を
用いて行ない、蛍光式自動シーケンサーを用いて解読し
た。その結果、ラットurotensin II like peptide前駆
体蛋白質をコードするcDNAの終止コドンを含む3'末端側
の配列である配列番号:9が得られた。上に述べたよう
にしてRACE法を用いて得られた5'末端側および3'末端側
の配列情報から予想されるラットurotensin II like pe
ptide前駆体蛋白質をコードするcDNAの全長を含む配列
を得るため、実施例1で得られた脊髄由来一本鎖cDNAを
鋳型とし、配列番号:10および配列番号:11のプライマ
ー(アマシャムファルマシアバイオテク社に合成委託)
を用いてPCRを行なった。反応液の組成は、プライマー
濃度をともに0.2μMとし、 dNTP 0.2 mM、 Advantage2
(クロンテック社)1/50 volume、10倍濃縮Advantage2
Buffer 1/10 volume、液量を25μlとした。PCRの条件
は、94℃で1分保温した後、94℃・30秒、57℃・30秒、7
2℃・30秒のサイクルを30回繰り返した後、72℃で10分
保温した。PCR反応液を1.6% Seakem GTG Agarose(宝酒
造)を用いて電気泳動し、サイバーグリーン (ニッポン
ジーン社)による染色によって検出される450 bp付近の
バンドからQIAGEN Gel Extraction kit(キアゲン社)
によってDNAを抽出してTOPO TA cloning kit(インビト
ロジェン社)を用いてサブクローニングを行なった。生
じた形質転換体からQIAprep8 mini prep kit(キアゲン
社)を用いてプラスミドDNAを精製した。塩基配列決定
のための反応はDyeDeoxy Terminator Cycle Sequence k
it(パーキンエルマー社)を用いて行ない、蛍光式自動
シーケンサーを用いて解読した。その結果、配列番号:
12に示す配列が得られた。この配列にはラットurotensi
n II likepeptide前駆体蛋白質をコードするcDNAの開始
コドンと終止コドンを含む全長配列が含まれていた。こ
のラットurotensin II like peptide前駆体蛋白質をコ
ードするcDNAが挿入されたplasmid pcrII-rUII likeで
大腸菌XL10−Gold(ストラタジーン社)を形質転換して
大腸菌XL10- Gold/pcrII-rUII likeを得た。配列番号:
12の塩基配列から翻訳されるラットurotensin II like
peptide前駆体蛋白質のアミノ酸配列を配列番号:13と
して示した。また、図1にラットurotensin II like pe
ptide前駆体のDNA配列および対応するアミノ酸配列を示
した。この前駆体蛋白質配列から予想される成熟ペプチ
ドであるurotensin II likepeptideは、染色体配列から
予想された12残基のアミノ酸からなるラットurotensin
IIとは異なり、成熟ペプチドを切り出す切断部位が5残
基または2残基N末側にあるため17残基または14残基であ
ると推定された。17残基からなるurotensin IIlike pep
tideをラットurotensin II likepeptide-1、また14残基
からなるurotensin II like peptideをラットurotensin
II likepeptide-2とよぶ。また、予想される成熟ペプ
チドのN末端がグルタミンであるため実際のペプチドのN
末端はピログルタミン酸であると考えられた。配列番
号:14および15に予想されるラットurotensin II like
peptide-1および-2の配列を示した。ただし、ここで想
定した成熟ペプチドの切断部位は非典型的であることか
ら、前駆体蛋白のアミノ酸配列の103番目あるいは99番
目のArg残基を切断部位とした場合は、さらにN末の長い
20残基からなる配列番号:31に示す配列または24残基か
らなる配列番号:32に示す配列が成熟ペプチドの構造と
して考えられる。
【0075】実施例4 マウス脊髄 cDNAの調製 マウス脊髄よりIsogen kit(ニッポンジーン社)を用い
てtotal RNAを調製後、Oligotex (dT)30 (宝酒造)を用
いてpoly (A)+RNA画分を調製した。このpoly (A)+RNAか
らThermoScript逆転写酵素(ギブコBRL社)を用い、マニ
ュアルにしたがってoligo dTプライマーを用いて60℃で
逆転写を行なってマウス脊髄cDNAを作製した。
【0076】実施例5 PCR法によるマウスurotensin I
I like peptide前駆体蛋白質をコードするcDNAの部分配
列の決定 マウスurotensin II like peptide前駆体蛋白質をコー
ドするcDNAの5'末端側の配列を決定するためにラットur
otensin II like peptide前駆体蛋白質cDNAの5'末端側
非翻訳領域の開始コドンの上流14塩基から35塩基の配列
に相当するプライマー(配列番号:18)およびラットur
otensin II like peptideのC末端領域を参考に作成した
プライマー(配列番号:19)を用い、実施例4で逆転写
したマウス脊髄cDNAのうち30 ng mRNA相当分を鋳型とし
てPCR反応を行なった。反応液の組成は、プライマー濃
度をともに0.4μMとし、2.5 mM MgCl2、 dNTP 0.2 mM、
AmpliTaq Gold(パーキンエルマー社)1/100 volume、1
0倍濃縮AmpliTaq Gold Buffer 1/10 volume、液量は20
μlとした。PCRの条件は、95℃で9分間保温した後、95
℃・10秒、57℃・15秒、72℃・30秒のサイクルを5回、9
5℃・10秒、54℃・15秒、72℃・30秒のサイクルを40回
繰り返し、72℃で7分間保温した。PCR反応液を3.5% Nu
sieve GTG Agarose(宝酒造)を用いて電気泳動し、エ
チジウムブロマイドによる染色によって検出される420
bp付近のバンドからGeneClean Spin kit(バイオ101
社)によってDNAを抽出した。これをTOPO TA cloning k
it(インビトロジェン社)を用いてプラスミドベクター
pcr2.1にサブクローニングし、大腸菌TOP10に導入し
た。生じた形質転換体からQIA prep8 mini prep kit
(キアゲン社)を用いてプラスミドDNAを精製した。塩
基配列決定のための反応はdRhodamine Terminator Cycl
e Sequence kit(パーキンエルマー社)を用いて行な
い、蛍光式自動シーケンサーを用いて解読した。その結
果、配列番号:20に示す塩基配列が得られた。この配列
はラットurotensin II like peptide前駆体蛋白質遺伝
子の塩基配列に高い相同性が認められ、マウスurotensi
n II like peptide前駆体蛋白質遺伝子の5'末端側部分
配列であると考えられた。また、マウスurotensin II l
ike peptide前駆体蛋白質をコードするcDNAの3'末端側
の配列を決定するためにラットurotensin II like pept
ide前駆体蛋白質のGly90-Arg99領域を参考に作成したプ
ライマー(配列番号:21)およびラットurotensin II l
ike peptide前駆体蛋白質cDNAの3'末端側非翻訳領域の
終止コドンの下流22塩基から43塩基の配列に相当するプ
ライマー(配列番号:22)を用い、実施例4で逆転写し
たcDNAのうち30 ng mRNA相当分を鋳型としてPCR反応を
行なった。反応液の組成は、プライマー濃度をともに0.
4μMとし、dNTP 0.2 mM、ExTaq(宝酒造)1/50 volum
e、10倍濃縮ExTaq Buffer 1/10 volume、液量は20μlと
した。PCRの条件は、95℃で1分間保温した後、95℃・10
秒、47℃・15秒、72℃・30秒のサイクルを40回繰り返
し、72℃で7分間保温した。PCR反応液を3.5% Nusieve
GTG Agarose(宝酒造)を用いて電気泳動し、エチジウ
ムブロマイドによる染色によって検出される170 bp付近
のバンドからMermaid Spin kit(バイオ101社)によっ
てDNAを抽出した。これをTOPO TA cloning kit(インビ
トロジェン社)を用いてプラスミドベクターpcr2.1にサ
ブクローニングし、大腸菌TOP10に導入した。生じた形
質転換体からQIA prep8 mini prep kit(キアゲン社)
を用いてプラスミドDNAを精製した。塩基配列決定のた
めの反応はdRhodamine TerminatorCycle Sequence kit
(パーキンエルマー社)を用いて行ない、蛍光式自動シ
ーケンサーを用いて解読した。その結果、配列番号:23
に示す塩基配列が得られた。この配列は、上に得られた
配列番号:20と約50塩基に亘って一致し、またラットur
otensin II like peptide前駆体蛋白質遺伝子の塩基配
列に高い相同性が認められたのでマウスurotensin II l
ike peptide前駆体蛋白質遺伝子の3'末端側部分配列で
あると考えられた。
【0077】実施例6 PCR法によるマウスurotensin I
I like peptide前駆体蛋白質をコードするcDNAの全長配
列の取得 上に述べたようにして得られた5'末端側および3'末端側
の配列情報から予想されるマウスurotensin II like pe
ptide前駆体蛋白質をコードするcDNAの全長を含む配列
を得るため、配列番号:24および実施例5に記載の3'末
端側部分配列を取得するのに用いた配列番号:22のプラ
イマーを用い、実施例4で逆転写したマウス脊髄cDNAの
うち30 ng mRNA相当分を鋳型としてPCR反応を行なっ
た。反応液の組成は、プライマー濃度をともに0.4μMと
し、dNTP 0.2 mM、ExTaq(宝酒造)1/50 volume、10倍
濃縮ExTaq Buffer 1/10 volume、液量は20μlとした。P
CRの条件は、94℃で2分間保温した後、95℃・10秒、47
℃・15秒、72℃・30秒のサイクルを40回繰り返し、72℃
で10分間保温した。PCR反応液を3.5% Nusieve GTG Agar
ose(宝酒造)を用いて電気泳動し、エチジウムブロマ
イドによる染色によって検出される430 bp付近のバンド
からGeneClean Spin kit(バイオ101社)によってDNAを
抽出した。これをTOPO TA cloning kit(インビトロジ
ェン社)を用いてプラスミドベクターpcr2.1にサブクロ
ーニングし、大腸菌TOP10に導入した。生じた形質転換
体からQIA prep8 mini prep kit(キアゲン社)を用い
てプラスミドDNAを精製した。塩基配列決定のための反
応はdRhodamine Terminator CycleSequence kit(パー
キンエルマー社)を用いて行ない、蛍光式自動シーケン
サーを用いて解読した。その結果、配列番号:25に示す
配列が得られた。この配列にはマウスurotensin II lik
e peptide前駆体蛋白質をコードするcDNAの開始コドン
と終止コドンを含む全長配列が含まれていた。このマウ
スurotensin II like peptide前駆体蛋白質をコードす
るcDNAが挿入されたplasmid pcr2.1-mULPで大腸菌TOP10
(インビトロジェン社)を形質転換して大腸菌XL10-Gol
d/pcr2.1-mULPを得た。配列番号:25の塩基配列から翻
訳されるラットurotensin II like peptide前駆体蛋白
質のアミノ酸配列を配列番号:26として示した。また、
図2にマウスurotensin II like peptide前駆体のDNA配
列および対応するアミノ酸配列を示した。この前駆体蛋
白質配列から予想される成熟ペプチドであるマウスurot
ensin IIlike peptideは、ラットurotensin II like pe
ptide-1と同様に17残基であると推定された。また、予
想される成熟ペプチドのN末端がグルタミンであるため
実際のペプチドのN末端はピログルタミン酸であると考
えられた。配列番号:27に予想されるマウスurotensin
II like peptideの配列を示した。ただし、ラットの場
合と同様、ここで想定した成熟ペプチドの切断部位は非
典型的であることから、前駆体蛋白のアミノ酸配列の10
3番目あるいは99番目のArg残基を切断部位とした場合
は、さらにN末の長い20残基からなる配列番号:33に示
す配列または24残基からなる配列番号:34に示す配列が
成熟ペプチドの構造として考えられる。
【0078】実施例7 ラットurotensin II like pept
ide-1:pGlu-Arg-Lys-Gln-His-Gly-Thr-Ala-Pro-Glu-Cy
s-Phe-Trp-Lys-Tyr-Cys-Ile-OH(配列番号:14)の製造 市販Boc-Ile-OCH2-PAM樹脂(0.746 m mole/g resin) 0.
5 m mole 分をペプチド合成機ABI 430Aの反応曹に入
れ、Boc-strategy (NMP-HOBt) ペプチド合成方法でBoc
-Cys(MeBzl), Boc-Tyr(Br-Z), Boc-Lys(Cl-Z), Boc-Trp
(CHO), Boc-Phe,Boc-Cys(MeBzl), Boc-Glu(OcHex), Boc
-Pro, Boc-Ala, Boc-Thr(Bzl), Boc-Gly, Boc-His(Bo
m), Boc-Gln, Boc-Lys(Cl-Z), Boc-Arg(Tos), Z-pGluを
順に導入し目的の保護ペプチド樹脂を得た。 この樹脂
をp-クレゾール、1,4-ブタンジチオールと共に無水弗化
水素中、0℃ 60分撹袢した後、弗化水素を減圧留去
し、残留物へジエチルエーテルを加え沈殿を濾過した。
この沈殿に50%酢酸水を加え抽出し、不溶部分を除
き、抽出液を十分に濃縮後、50%酢酸水で充填したセ
ファデックスTM G-25カラム(2.0 x 80 cm)に付し、同
溶媒で展開、主要画分を集めLiChroprepTM RP-18を充填
した逆相クロマトカラム(2.6 x 60 cm)に付け0.1%TFA
水 200mlで洗浄、0.1%TFA水 300mlと0.1%TFA含有40%
アセトニトリル水300mlを用いた線型勾配溶出を行い、
主要画分を集め濃縮した。 此れを2%酢酸水に5 x10
-5モル/L程度の濃度で溶解し、アンモニア水を用いpH7.
5に調整後、緩やかに空気を吹込み攪拌した。 反応をHP
LCで追跡し、SH体ペプチドのピークがすべてジスルフィ
ド体に変化した事を確認後、酢酸を加え溶液のpHを3に
調整し、 上記LiChroprepTM RP-18カラムに吸着した。
カラムを0.1%TFA水 200mlで洗浄後、0.1%TFA水 300m
lと0.1%TFA含有50%アセトニトリル水 300mlを用いた線
型勾配溶出を行い、主要画分を集め、凍結乾燥し白色粉
末を得た。 質量分析による(M+H)+ 2076.12 ( 計算値2075.96 ) HPLC溶出時間 18.3分 カラム条件 カラム Wakosil 5C18T 4.6 x 100mm 溶離液:A液−0.1% TFA水、B液−0.1%TFA含有アセト
ニトリルを用い A/B : 95/5〜45/55へ直線型濃度勾配
溶出(25分) 流速:1.0 ml / 分
【0079】実施例8 ラットurotensin II like pept
ide-1:Gln-Arg-Lys-Gln-His-Gly-Thr-Ala-Pro-Glu-Cys
-Phe-Trp-Lys-Tyr-Cys-Ile-OH(配列番号:14)の製造 前記製造実施例7のZ-pGluをBoc-Glnに変更し、同様の
固相ペプチド合成、脱保護反応、ジスルフィド形成、精
製を行った後、目的物を1/100N-HClに溶解、ペプチドを
塩酸塩として凍結乾燥し白色粉末を得た。 質量分析による(M+H)+ 2093.20 (計算値2092.99 ) HPLC溶出時間 17.8分 カラム条件 カラム Wakosil 5C18T 4.6 x 100mm 溶離液:A液−0.1% TFA水、B液−0.1%TFA含有アセト
ニトリルを用い A/B : 95/5〜45/55へ直線型濃度勾配
溶出(25分) 流速:1.0 ml / 分
【0080】実施例9 ラットurotensin II like pept
ide-2:pGlu-His-Gly-Thr-Ala-Pro-Glu-Cys-Phe-Trp-Ly
s-Tyr-Cys-Ile-OH(配列番号:15)の製造 市販Boc-Ile-OCH2-PAM樹脂(0.746 mmole/g resin) 0.5
mmole 分をペプチド合成機ABI 430Aの反応曹に入れ、B
oc-strategy (NMP-HOBt) ペプチド合成方法でBoc-Cys
(MeBzl), Boc-Tyr(Br-Z), Boc-Lys(Cl-Z), Boc-Trp(CH
O), Boc-Phe, Boc-Cys(MeBzl), Boc-Glu(OcHex), Boc-P
ro, Boc-Ala, Boc-Thr(Bzl), Boc-Gly,Boc-His(Bom), Z
-pGluを順に導入し目的の保護ペプチド樹脂を得た。こ
の樹脂0.45 gをp-クレゾール、1,4-ブタンジチオールと
共に無水弗化水素中、0℃・60分撹袢した後、弗化水素
を減圧留去し、残留物へジエチルエーテルを加え沈殿を
濾過した。 この沈殿に50%酢酸水を加え抽出し、不溶
部分を除き、抽出液を十分に濃縮後、50%酢酸水で充填
したセファデックス(商品名)G-25カラム(2.0 x80 c
m)に付し、同溶媒で展開、主要画分を集めLiChroprep
(商品名)RP-18を充填した逆相クロマトカラム(2.6 x
60 cm)に付け0.1% TFA水200 mlで洗浄、0.1%TFA水300
mlと0.1% TFA含有40%アセトニトリル水300 mlを用いた
線型勾配溶出を行い、主要画分を集め濃縮した。これを
約4 mlの酢酸に溶解し、蒸留水で240mlに希釈の後、ア
ンモニア水を用いpH 7.5に調整し、緩やかに空気を吹込
み攪拌した。 反応をHPLCで追跡し、SH体ペプチドのピ
ークがすべてSS体に変化した事を確認後、酢酸を加え溶
液のpHを3に調整し、 上記LiChroprep(商品名) RP-18
カラムに吸着した。 カラムを0.1% TFA水200 mlで洗浄
後、0.1% TFA水300 mlと0.1% TFA含有50%アセトニトリ
ル水300 mlを用いた線型勾配溶出を行ない、主要画分を
集め、凍結乾燥し白色粉末を得た。 質量分析による(M+H)+ 1664.1(計算値1663.7) HPLC溶出時間 19.9分 カラム条件 カラム Wakosil 5C18T 4.6 x 100mm 溶離液:A液−0.1% TFA水、B液−0.1% TFA含有アセトニ
トリルを用い、A/B : 95/5〜45/55へ直線型濃度勾配溶
出(25分) 流速:1.0 ml / 分
【0081】実施例10 ラットurotensin II like pe
ptide-2:Gln-His-Gly-Thr-Ala-Pro-Glu-Cys-Phe-Trp-L
ys-Tyr-Cys-Ile-OH(配列番号:15)の製造 前記製造実施例9の固相ペプチド合成のZ-pGluをBoc-Gl
nに変更し、同様に脱保護反応、ジスルフィド形成、精
製を行った後、目的物を1/100N-HClに溶解、ペプチドを
塩酸塩として凍結乾燥し白色粉末を得た。 質量分析による(M+H)+ 1680.92 ( 計算値1680.73 ) HPLC溶出時間 19.3分 カラム条件 カラム Wakosil 5C18T 4.6 x 100mm 溶離液:A液−0.1% TFA水、B液−0.1%TFA含有アセト
ニトリルを用い A/B : 95/5〜45/55へ直線型濃度勾配
溶出(25分) 流速:1.0 ml / 分
【0082】実施例11 マウスurotensin II like pe
ptide:pGlu-His-Lys-Gln-His-Gly-Ala-Ala-Pro-Glu-Cy
s-Phe-Trp-Lys-Tyr-Cys-Ile(配列番号:27)の製造 実施例7に記載のラットurotensin II like peptide-1
の製造中のBoc-Thr(Bzl)をBoc-AlaにBoc-Arg(Tos)をBoc
-His(Bom)に代え同様の固相ペプチド合成、脱保護反
応、ジスルフィド形成、精製を行い凍結乾燥し白色粉末
を得た。 質量分析による(M+H)+ 2027.11( 計算値2026.91 ) HPLC溶出時間 18.9分 カラム条件 カラム Wakosil 5C18T 4.6 x 100mm 溶離液:A液−0.1% TFA水、B液−0.1%TFA含有アセト
ニトリルを用い A/B : 95/5〜45/55へ直線型濃度勾配
溶出(25分) 流速:1.0 ml / 分
【0083】実施例12 マウスurotensin II like pe
ptide:Gln-His-Lys-Gln-His-Gly-Ala-Ala-Pro-Glu-Cys
-Phe-Trp-Lys-Tyr-Cys-Ile(配列番号:27)の製造 実施例8に記載のラットurotensin II like peptide-1の
製造中のBoc-Thr(Bzl)をBoc-AlaにBoc-Arg(Tos)をBoc-H
is(Bom)に代え同様の固相ペプチド合成、脱保護反応、
ジスルフィド形成、精製を行った後、目的物を1/100N-H
Clに溶解、ペプチドを塩酸塩として凍結乾燥し白色粉末
を得た。 質量分析による(M+H)+ 2044.07 ( 計算値2043.93 ) HPLC溶出時間 18.5分 カラム条件 カラム Wakosil 5C18T 4.6 x 100mm 溶離液:A液−0.1% TFA水、B液−0.1%TFA含有アセト
ニトリルを用い A/B : 95/5〜45/55へ直線型濃度勾配
溶出(25分) 流速:1.0 ml / 分
【0084】実施例13 合成ラットurotensin II lik
e peptide-1およびurotensin II likepeptide-2のCHO/r
SENR細胞株に対するアラキドン酸代謝物遊離促進活性 実施例9で合成したラットurotensin II like peptide-
2(配列番号:15)が示すラットSENR発現CHO細胞に対す
るアラキドン酸代謝物放出活性を以下の方法により測定
した。CHO/rSENR細胞(WO 00/32627に記載のCHO/SENR細
胞と同一の細胞)を24穴プレートに5 x 104 cell/well
で播種し、24時間培養後、[3H]アラキドン酸を0.25μCi
/wellとなるよう添加した。[3H]アラキドン酸添加16時
間後、細胞を0.05% ウシ血清アルブミン(BSA)を含む
ハンクス氏液(HBSS)で洗浄し、各wellに合成ラットur
otensin II like peptideを加えた0.05% BSA含有HBSS 5
00μlを添加した。37℃で30分間インキュベートした後
に、反応液500 μlから350 μlをシンチレーターに加
え、反応中に遊離された[3H]アラキドン酸代謝物の量を
シンチレーションカウンターにより測定した。その結
果、ラットurotensin II like peptideによってペプチ
ドの濃度依存的にアラキドン酸代謝物の培地中への放出
が確認された(図3)。このときのEC50値は1.1 nMであ
った。また、同様の活性は、実施例7で合成したラット
urotensin II like peptide-1(配列番号:14)を投与
した場合にも確認された(EC50値は1.7 nM)。さらに、
同様の活性はマウスurotensin II like peptide(配列
番号:27)を投与した場合にも確認される。また、ラッ
トurotensin II like peptide-1および-2あるいはマウ
スurotensin II likepeptideをヒトSENR発現CHO細胞(W
O 00/32627に記載のCHO/hSENR細胞)に対して投与した
場合にも確認される。
【0085】実施例14 合成ラットurotensin II lik
e peptide-1およびurotensin II likepeptide-2の麻酔
下ラットの血圧に対する作用 実施例9で合成したラットurotensin II like peptide-
2(配列番号:15)の麻酔下ラットの血圧に対する作用
を以下の方法により測定した。8-9週齢の雄性Wistar ra
t(日本チャールスリバーより購入)をネンブタール注
射液(大日本製薬、50 mg/ml sodium pentobarbital、5
0 mg/kg腹腔内投与)により麻酔し、トランスデューサ
ーに接続した血圧測定用カテーテル(SP-55)を左頚動
脈に、静脈投与用カテーテル(SP-35)を左大腿動脈に
それぞれ挿入した。合成ラットurotensin II like pept
ide-2は0.05% BSAを含む生理的食塩水に溶解し、10 nmo
l/kgとなるように左大腿静脈より投与した。血圧は連続
してポリグラフ(NEC三栄社)で記録した。ラットの血
圧はペプチドの投与によって低下し、ラットurotensin
II like peptide-2は降圧作用を示した。ラットurotens
in II like peptide-2を10 nmol/kg投与したときの投与
前の平均血圧に比べた低下血圧は約35 mmHgであった。
また、同様の活性は、実施例7で合成したラットuroten
sin II like peptide-1(配列番号:14)を投与した場
合にも確認された。ラットurotensin IIlike peptide-1
を10 nmol/kg投与したときの投与前の平均血圧に比べた
低下血圧は約33 mmHgであった。さらに、同様の活性は
マウスurotensin II like peptide(配列番号:27)を
投与した場合にも確認される。
【0086】実施例15 合成ラットurotensin II lik
e peptid-1のラット頚動脈に対する収縮作用 実施例7で合成したラットurotensin II like peptide-
1(配列番号:14)のラット胸部大動脈に対する作用を
以下の方法により測定する。9-12週齢の雄性Wistar rat
(日本チャールスリバーより購入)をネンブタール注射
液(大日本製薬、50 mg/ml sodium pentobarbital、50
mg/kg腹腔内投与)により麻酔し、腹部大動脈より全採
血して失血死させる。このラットより胸部大動脈を摘出
し、幅5mmのリング標本を作製する。標本を混合ガス(9
5% O2-5% CO2)を通気して37℃に保温したKrebs-Hensel
eit溶液(NaCl 118 mM、 KCl 4.7 mM、CaCl2 2.5 mM、K
H2PO4 1.2 mM、NaHCO3 25 mM、MgSO4 1.2 mM、glucose
10.0 mM)3 mlを満たしたオーガンバス中に懸垂し、等
尺性収縮張力を微小荷重変換器(UL-10GR、ミネベア
社)を介してポリグラフ(NEC三栄社)で記録する。静
止張力は約0.5 gとする。内皮の存在は、10-6 M norepi
nephrine投与によって惹起した収縮が10-5 Macetylchol
ine投与によって弛緩することを観察することによって
確認する。ラットurotensin II like peptide-1は終濃
度10-10 - 10-7 Mとなるように累積投与する。ラット頚
動脈リング標本はラットurotensin II like peptide-1
の添加によって用量依存的に収縮する。また、同様の活
性はラットurotensin II likepeptide-2(配列番号:1
5)あるいはマウスurotensin II like peptide(配列番
号:27)を投与した場合にも確認される。
【0087】実施例16 ラットurotensin II like pe
ptide-1が誘起するラットSENR発現CHO細胞膜画分へ
のGTPγS結合活性の測定 実施例7で合成したラットurotensin II like peptide-
1(配列番号:14)のラットSENR発現CHO細胞膜画分に対
する [35S]-guanosine 5'-(γ-thio)triphosphateの結
合促進活性を以下の方法により測定する。最初に膜画分
の調製法を記載する。1 x 108個のCHO/rSENR細胞に10 m
lのホモジネートバッファー(10 mM NaHCO3, 5 mM EDT
A, 0.5 mM PMSF, 1μg/ml pepstatin, 4μg/ml E64, 20
μg/ml leupeptin)を添加し、ポリトロン(12,000 rp
m、1分間)を用いて破砕する。細胞破砕液を遠心(1,00
0 g, 15分間)して上清を得る。次にこの上清を超遠心
分離(Beckman type 30ローター、30,000 rpm, 1時間)
し、得られた沈殿物をラットSENR発現CHO細胞膜画分と
する。GTPγS結合活性の測定は以下の通りである。ラッ
トSENR発現CHO細胞膜画分を膜希釈緩衝液(50 mMトリス
塩酸緩衝液(pH 7.4)、5 mM MgCl2、150 mM NaCl、1μ
M GDP)で希釈して、タンパク質濃度30μg/mlのアッセ
イ用細胞膜画分溶液をつくる。アッセイ用膜画分溶液20
0μlに、51.5 nMの濃度の[35S]-guanosine 5'-(γ-thi
o)triphosphate(NEN社)を2μlと種々の濃度のラットu
rotensin II like peptideを2μl添加し、この混合液を
25℃で一時間保温する。混合液をフィルター濾過し、さ
らにフィルター洗浄用バッファー(50 mMトリス塩酸緩
衝液(pH7.4)、5 mM MgCl2、1 mM EDTA、0.1% BSA)1.
5 mlで2回洗浄した後、フィルターの放射活性を液体シ
ンチレーションカウンターで測定する。ラットurotensi
nII like peptide-1は、用量依存的に、膜画分に結合す
る[35S]-guanosine 5'-(γ-thio)triphosphate量を増大
させる。また、同様の活性はラットurotensin IIlike p
eptide-2(配列番号:15)あるいはマウスurotensin II
like peptide(配列番号:27)を投与した場合にも確
認される。また、ラットurotensin II like peptide-1
および-2あるいはマウスurotensin II like peptideを
上記と同様にして作製したヒトSENR発現CHO細胞の膜画
分に投与した場合にも確認される。
【0088】実施例17 アイソトープ標識ラットurot
ensin II like peptide-1の作製 結合阻害実験に使用するためのアイソトープ標識ラット
urotensin II like peptide-1を以下のようにして作製
した。実施例7で合成したラットurotensin IIlike pep
tide-1(配列番号:14)5μgを25μlの0.4 M酢酸ナトリ
ウム(pH 5.6)に溶解し、これに200 ngのラクトパーオ
キシダーゼ(和光純薬)を加えた後、1mCiの[125I]-ヨ
ウ化ナトリウム(アマシャムファルマシアバイオテク
社)および200 ngの過酸化水素(10μl)を加えた。室
温で10分間静置した後、さらに200 ngの過酸化水素(10
μl)を加えて10分間静置した。これをTSKgel ODS-80TS
カラム(4.6 mm x 25 cm、トーソー)を用いたHPLCによ
って精製し、[125I]標識ラットurotensin II like pept
ide-1を得た。また、同様の[125I]標識ペプチドはラッ
トurotensin II like peptide-2(配列番号:15)ある
いはマウスurotensin II like peptide(配列番号:2
7)についても同様の操作を行なって作製することが出
来る。
【0089】実施例18 アイソトープ標識ラットurot
ensin II like peptide-1とCHO/rSENR細胞を使用した結
合阻害実験 実施例17で作製した[125I]標識ラットurotensin II l
ike peptide-1とラットSENR発現CHO細胞を使用した結合
阻害実験の方法を以下に示す。CHO/rSENR細胞を24穴プ
レートに5 x 104 cell/wellで播種して48時間培養し、
その後細胞を0.05% BSAを含むMEMα培地0.5mlで洗う
(以下0.05% BSAを含むMEMα培地を反応用バッファーと
呼ぶ)。総結合を調べるために10 pM [125I]標識ラット
urotensin IIlike peptide-1を含む反応用バッファー、
非特異的結合を調べるために10 pM [125I]標識ラットur
otensin II like peptide-1と1μM非アイソトープ標識
ラットurotensin II like peptide-1を含む反応用バッ
ファー、さらにラットSENRに対する結合活性を調べる試
料と10 pM [125I]標識ラットurotensin II like peptid
e-1を含む反応用バッファー、各0.5 mlをそれぞれ細胞
に添加し、室温で30分間反応させる。細胞を反応用バッ
ファーで洗浄した後、0.5 N NaOHを0.2 ml添加して細胞
を溶解し、溶解物の放射活性をガンマカウンターにより
測定する。特異的結合は、総結合から非特異的結合を減
じた値である。被験試料のラットSENR結合活性は、総結
合から試料を加えた細胞溶解物の放射活性を減じた値の
特異的結合に対する比率で示される。また、同様の結合
阻害実験は[1 25I]標識したラットurotensin II like pe
ptide-2(配列番号:15)あるいはマウスurotensin II
likepeptide(配列番号:27)を用いても実施すること
ができる。また、[125I]した標識ラットurotensin II l
ike peptide-1および-2あるいはマウスurotensin IIlik
e peptideとヒトSENR発現CHO細胞を用いても実施するこ
とができる。
【0090】実施例19 アイソトープ標識ラットurot
ensin II like peptide-1とCHO/rSENR細胞膜画分を使用
した結合阻害実験 実施例17で作製した[125I]標識ラットurotensin II l
ike peptide-1とラットSENR発現CHO細胞の膜画分を使用
した結合阻害実験の方法を以下に示す。実施例16に記
載した、CHO/rSENR細胞から調製した膜画分を膜希釈緩
衝液(50 mMトリス塩酸緩衝液(pH 7.4)、5 mM MgC
l2、0.1% BSA、5 mM EDTA、0.5 mM PMSF、1μg/ml peps
tatin、4μg/ml E64、20μg/ml leupeptin)で希釈し
て、タンパク質濃度60μg/mlのアッセイ用細胞膜画分溶
液をつくった。アッセイ用膜画分溶液100μlに、総結合
を調べるために20 pM [125I]標識ラットurotensin II l
ike peptide-1を含む膜希釈緩衝液、非特異的結合を調
べるために20 pM [125I]標識ラットurotensin II like
peptide-1と2μM非アイソトープ標識ラットurotensin I
I like peptide-1を含む膜希釈緩衝液、さらにラットSE
NRに対する結合活性を調べる試料と20 pM [125I]標識ラ
ットurotensin II like peptide-1を含む膜希釈緩衝
液、各100μlをそれぞれ添加して室温で60分間反応させ
た。混合液をフィルター濾過し、さらにフィルターを膜
希釈緩衝液1.5 mlで2回洗浄した後、フィルターの放射
活性をガンマカウンターにより測定した。特異的結合
は、総結合から非特異的結合を減じた値である。被験試
料のラットSENR結合活性は、総結合から試料を加えた細
胞膜画分の放射活性を減じた値の特異的結合に対する比
率で示される。この実験において非標識ラットurotensi
n II like peptide-1による結合阻害が観測され、そのI
C50値は1.2 nMであった。また、同様の結合阻害実験は[
125I]標識したラットurotensin II like peptide-2(配
列番号:15)あるいはマウスurotensin II like peptid
e(配列番号:27)を用いても実施することができる。
また、[125I]標識したラットurotensin II like peptid
e-1および-2あるいはマウスurotensin II like peptide
とヒトSENR発現CHO細胞の膜画分を用いても実施するこ
とができる。 (配列表フリーテキスト) 配列番号:14 配列に関する他の情報:第11番目および第16番目の2つ
のCys残基は分子内ジスルフィド結合を形成している。 配列番号:15 配列に関する他の情報:第8番目および第13番目の2つ
のCys残基は分子内ジスルフィド結合を形成している。 配列番号:27 配列に関する他の情報:第11番目および第16番目の2つ
のCys残基は分子内ジスルフィド結合を形成している。 配列番号:31 配列に関する他の情報:第14番目および第19番目の2つ
のCys残基は分子内ジスルフィド結合を形成している。 配列番号:32 配列に関する他の情報:第18番目および第23番目の2つ
のCys残基は分子内ジスルフィド結合を形成している。 配列番号:33 配列に関する他の情報:第14番目および第19番目の2つ
のCys残基は分子内ジスルフィド結合を形成している。 配列番号:34 配列に関する他の情報:第18番目および第23番目の2つ
のCys残基は分子内ジスルフィド結合を形成している。
【0091】
【発明の効果】本発明のポリペプチドをコードするDN
Aまたは本発明のポリペプチドは、本発明のポリペプ
チドの有する生理作用の探索、合成オリゴヌクレオチ
ドプローブあるいはPCRのプライマーの作成、SE
NRのリガンドや前駆体蛋白質をコードするDNAの入
手、組換え型レセプター蛋白質の発現系を用いたレセ
プター結合アッセイ系の開発と医薬品候補化合物のスク
リーニング、抗体および抗血清の入手、DNA、R
NA、抗体または抗血清を用いた診断薬の開発、中枢
神経機能調節剤、循環機能調節剤、心臓機能調節剤、腎
臓機能調節剤、泌尿器機能調節剤、感覚器官機能調節剤
などの医薬の開発、遺伝子治療等に用いることができ
る。
【0092】
【配列表】 <110> Takeda Chemical Industries, Ltd. <120> Novel Physiologically Active Substance, Its Production and Use <130> B00161 <150> JP 11-194091 <151> 1999-07-08 <160> 38 <210> 1 <211> 23 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> <400> 1 GATTTCTCTG GACAAGATCC TAA 23 <210> 2 <211> 24 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> <400> 2 TCAGACACAG TATTTCCAGA AGCA 24 <210> 3 <211> 67 <212> DNA <213> Rat <400> 3 CACTGTACTG AGCCGTCTTT TGGCGAGAAC CAGGAAACAA CGTAAGCAAC ACGGGACTGC 60 CCCAGAA 67 <210> 4 <211> 27 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> <400> 4 CCAGAAGCAT TCTGGGGCAG TCCCGTG 27 <210> 5 <211> 30 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> <400> 5 CAGTCCCGTG TTGCTTACGT TGTTTCCTGG 30 <210> 6 <211> 349 <212> DNA <213> Rat <400> 6 CTCCGGAGCA GACACCCAGC CAGANTTCTT CCCGTCGTCA TGGACAGGGT GCCCTTCTGC 60 TGCCTGCTCT TCGTAGGACT CCTGAATCCA CTCCTGTCTT TTCCCGTCAC GGACACTGGT 120 GAAATGTCTC TTCAGCTTCC AGTGCTTGAG GAAAATGCTC TTCGGGCTCT GGAGGAGCTG 180 GAGAGGACTG CCCTCCTGCA GACGCTGCGC CAGACCGTGG GCACAGAAGC AGAGGGAAGC 240 CTTGGCCAGG CAGATCCCAG TGCCGAGACT CCCACTCCAA GGGGAAGCTT GAGGAAGGCT 300 CTCACTGGGC AAGATTCTAA CACTGTACTG AGCCGTCTTT TGGCGAGAA 349 <210> 7 <211> 29 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> <400> 7 GGACAAGATC CTAACACTGT ACTGAGCCG 29 <210> 8 <211> 24 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> <400> 8 GAAACAACGT AAGCAACACG GGAC 24 <210> 9 <211> 274 <212> DNA <213> Rat <400> 9 GCCGTCTTTT GGCGAGAACC AGGAAACAAC GTAAGCAACA CGGGACTGCC CCAGAATGCT 60 TCTGGAAGTA CTGCATTTGA AGAGAGACGT CTCCTCAGAA CCATCACTTC AGGAAACTAA 120 AGAGCAGATG CTTGAAGAAA AATCGTGCCA ACAACGCCCC GTTCTCCACT ATGAGAAATA 180 AACCCTCTAT GTTTCTCAAG TGTCAAAAAA AAAAAAAAAA AAAAAAAAAA AAAAAAAAAA 240 AAAAAAAAAA AAAAAAAAAA AAAAAAAAAA AAAA 274 <210> 10 <211> 22 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> <400> 10 GGAGCAGACA CCCAGCCAGA CT 22 <210> 11 <211> 22 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> <400> 11 CTTTAGTTTC CTGAAGTGAT GG 22 <210> 12 <211> 405 <212> DNA <213> Rat <400> 12 TCTTCCCGTC GTCATGGACA GGGTGCCCTT CTGCTGCCTG CTCTTCGTAG GACTCCTGAA 60 TCCACTCCTG TCTTTTCCCG TCACGGACAC TGGTGAAATG TCTCTTCAGC TTCCAGTGCT 120 TGAGGAAAAT GCTCTTCGGG CTCTGGAGGA GCTGGAGAGG ACTGCCCTCC TGCAGACGCT 180 GCGCCAGACC GTGGGCACAG AAGCAGAGGG AAGCCTTGGC CAGGCAGATC CCAGTGCCGA 240 GACTCCCACT CCAAGGGGAA GCTTGAGGAA GGCTCTCACT GGGCAAGATT CTAACACTGT 300 ACTGAGCCGT CTTTTGGCGA GAACCAGGAA ACAACGTAAG CAACACGGGA CTGCCCCAGA 360 ATGCTTCTGG AAGTACTGCA TTTGAAGAGA GACGTCTCCT CAGAA 405 <210> 13 <211> 123 <212> PRT <213> Rat <400> 13 Met Asp Arg Val Pro Phe Cys Cys Leu Leu Phe Val Gly Leu Leu Asn 1 5 10 15 Pro Leu Leu Ser Phe Pro Val Thr Asp Thr Gly Glu Met Ser Leu Gln 20 25 30 Leu Pro Val Leu Glu Glu Asn Ala Leu Arg Ala Leu Glu Glu Leu Glu 35 40 45 Arg Thr Ala Leu Leu Gln Thr Leu Arg Gln Thr Val Gly Thr Glu Ala 50 55 60 Glu Gly Ser Leu Gly Gln Ala Asp Pro Ser Ala Glu Thr Pro Thr Pro 65 70 75 80 Arg Gly Ser Leu Arg Lys Ala Leu Thr Gly Gln Asp Ser Asn Thr Val 85 90 95 Leu Ser Arg Leu Leu Ala Arg Thr Arg Lys Gln Arg Lys Gln His Gly 100 105 110 Thr Ala Pro Glu Cys Phe Trp Lys Tyr Cys Ile 115 120 <210> 14 <211> 17 <212> PRT <213> Rat <223> Xaa shows pyroglutamic acid or glutamine <400> 14 Xaa Arg Lys Gln His Gly Thr Ala Pro Glu Cys Phe Trp Lys Tyr Cys Ile 1 10 17 <210> 15 <211> 14 <212> PRT <213> Rat <223> Xaa shows pyroglutamic acid or glutamine <400> 15 Xaa His Gly Thr Ala Pro Glu Cys Phe Trp Lys Tyr Cys Ile 1 10 14 <210> 16 <211> 51 <212> DNA <213> Rat <400> 16 CAACGTAAGC AACACGGGACT GCCCCAGAA TGCTTCTGGA AGTACTGCAT T 51 <210> 17 <211> 42 <212> DNA <213> Rat <400> 17 CAACACGGGA CTGCCCCAGA ATGCTTCTGG AAGTACTGCA TT 42 <210> 18 <211> 22 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> <400> 18 GGAGCAGACACCCAGCCAGA CT 22 <210> 19 <211> 30 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> <400> 19 TCAGACACAG TATTTCCAGA AGCATTCTGG 30 <210> 20 <211> 354 <212> DNA <213> Mouse <400> 20 TCTCGCCGCA TCATGGACAG GGTGCCCTTC TGCTGCCTGC TCTTCATAGG ACTTCTGAAT 60 CCACTGCTGT CCCTTCCCGT CACGGACACT GGTGAGAGGA CTCTTCAGCT TCCAGTGCTT 120 GAGGAAGACG CTCTTCGGGC TCTGGAGGAG CTGGAGAGGA TGGCCCTCCT GCAGACCCTG 180 CGTCAGACCA TGGGCACGGA AGCAGGGGAG AGCCCTGGAG AAGCAGGTCC CAGCACTGAG 240 ACTCCCACTC CACGGGGAAG CATGAGGAAG GCTTTCGCTG GGCAAAATTC TAACACTGTA 300 CTGAGTCGTC TCTTGGCAAG AACCAGGAAA CAACATAAGC AACACGGGGC TGCC 354 <210> 21 <211> 29 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> <400> 21 GGACAAGATC CTAACACTGT ACTGAGCCG 29 <210> 22 <211> 22 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> <400> 22 CTTTAGTTTC CTGAAGTGAT GG 22 <210> 23 <211> 107 <212> DNA <213> Mouse <400> 23 TCTCTTGGCA AGAACCAGGA AACAACATAA GCAACACGGG GCTGCCCCAG AGTGCTTCTG 60 GAAATACTGC ATTTGAGGAG ACACAAGCGC CCGTTGGTCT CTCAGAA 107 <210> 24 <211> 21 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> <400> 24 AGCCAGACGT CTCGCCGCAT C 21 <210> 25 <211> 403 <212> DNA <213> Mouse <400> 25 ATGGACAGGG TGCCCTTCTG CTGCCTGCTC TTCATAGGAC TTCTGAATCC ACTGCTGTCC 60 CTTCCCGTCA CGGACACTGG TGAGAGGACT CTTCAGCTTC CAGTGCTTGA GGAAGACGCT 120 CTTCGGGCTC TGGAGGAGCT GGAGAGGATG GCCCTCCTGC AGACCCTGCG TCAGACCATG 180 GGCACGGAAG CAGGGGAGAG CCCTGGAGAA GCAGGTCCCA GCACTGAGAC TCCCACTCCA 240 CGGGGAAGCA TGAGGAAGGC TTTCGCTGGG CAAAATTCTA ACACTGTACT GAGTCGTCTC 300 TTGGCAAGAA CCAGGAAACA ACATAAGCAA CACGGGGCTG CCCCAGAGTG CTTCTGGAAA 360 TACTGCATTT GAGGAGACAC AAGCGCCCGT TGGTCTCTCA GAA 403 <210> 26 <211> 123 <212> PRT <213> Mouse <400> 26 Met Asp Arg Val Pro Phe Cys Cys Leu Leu Phe Ile Gly Leu Leu 1 5 10 15 Asn Pro Leu Leu Ser Leu Pro Val Thr Asp Thr Gly Glu Arg Thr 20 25 30 Leu Gln Leu Pro Val Leu Glu Glu Asp Ala Leu Arg Ala Leu Glu 35 40 45 Glu Leu Glu Arg Met Ala Leu Leu Gln Thr Leu Arg Gln Thr Met 50 55 60 Gly Thr Glu Ala Gly Glu Ser Pro Gly Glu Ala Gly Pro Ser Thr 65 70 75 Glu Thr Pro Thr Pro Arg Gly Ser Met Arg Lys Ala Phe Ala Gly 80 85 90 Gln Asn Ser Asn Thr Val Leu Ser Arg Leu Leu Ala Arg Thr Arg 95 100 105 Lys Gln His Lys Gln His Gly Ala Ala Pro Glu Cys Phe Trp Lys 110 115 120 Tyr Cys Ile 123 <210> 27 <211> 17 <212> PRT <213> Mouse <223> Xaa shows pyroglutamic acid or glutamine <400> 27 Xaa His Lys Gln His Gly Ala Ala Pro Glu Cys Phe Trp Lys Tyr Cys Ile 5 10 15 17 <210> 28 <211> 51 <212> DNA <213> Mouse <400> 28 CAACATAAGC AACACGGGGC TGCCCCAGAG TGCTTCTGGA AATACTGCAT T 51 <210> 29 <211> 386 <212> PRT <213> Rat <400> 29 Met Ala Leu Ser Leu Glu Ser Thr Thr Ser Phe His Met Leu Thr Val 1 5 10 15 Ser Gly Ser Thr Val Thr Glu Leu Pro Glu Asp Ser Asn Val Ser Leu 20 25 30 Asn Ser Ser Trp Ser Gly Pro Thr Asp Pro Ser Ser Leu Lys Asp Leu 35 40 45 Val Ala Thr Gly Val Ile Gly Ala Val Leu Ser Ala Met Gly Val Val 50 55 60 Gly Met Val Gly Asn Val Tyr Thr Leu Val Val Met Cys Arg Phe Leu 65 70 75 80 Arg Ala Ser Ala Ser Met Tyr Val Tyr Val Val Asn Leu Ala Leu Ala 85 90 95 Asp Leu Leu Tyr Leu Leu Ser Ile Pro Phe Ile Ile Ala Thr Tyr Val 100 105 110 Thr Lys Asp Trp His Phe Gly Asp Val Gly Cys Arg Val Leu Phe Ser 115 120 125 Leu Asp Phe Leu Thr Met His Ala Ser Ile Phe Thr Leu Thr Ile Met 130 135 140 Ser Ser Glu Arg Tyr Ala Ala Val Leu Arg Pro Leu Asp Thr Val Gln 145 150 155 160 Arg Ser Lys Gly Tyr Arg Lys Leu Leu Val Leu Gly Thr Trp Leu Leu 165 170 175 Ala Leu Leu Leu Thr Leu Pro Met Met Leu Ala Ile Gln Leu Val Arg 180 185 190 Arg Gly Ser Lys Ser Leu Cys Leu Pro Ala Trp Gly Pro Arg Ala His 195 200 205 Arg Thr Tyr Leu Thr Leu Leu Phe Gly Thr Ser Ile Val Gly Pro Gly 210 215 220 Leu Val Ile Gly Leu Leu Tyr Val Arg Leu Ala Arg Ala Tyr Trp Leu 225 230 235 240 Ser Gln Gln Ala Ser Phe Lys Gln Thr Arg Arg Leu Pro Asn Pro Arg 245 250 255 Val Leu Tyr Leu Ile Leu Gly Ile Val Leu Leu Phe Trp Ala Cys Phe 260 265 270 Leu Pro Phe Trp Leu Trp Gln Leu Leu Ala Gln Tyr His Glu Ala Met 275 280 285 Pro Leu Thr Pro Glu Thr Ala Arg Ile Val Asn Tyr Leu Thr Thr Cys 290 295 300 Leu Thr Tyr Gly Asn Ser Cys Ile Asn Pro Leu Leu Tyr Thr Leu Leu 305 310 315 320 Thr Lys Asn Tyr Arg Glu Tyr Leu Arg Gly Arg Gln Arg Ser Leu Gly 325 330 335 Ser Ser Cys His Ser Pro Gly Ser Pro Gly Ser Phe Leu Pro Ser Arg 340 345 350 Val His Leu Gln Gln Asp Ser Gly Arg Ser Leu Ser Ser Ser Ser Gln 355 360 365 Gln Ala Thr Glu Thr Leu Met Leu Ser Pro Val Pro Arg Asn Gly Ala 370 375 380 Leu Leu 385 <210> 30 <211> 389 <212> PRT <213> Human <400> 30 Met Ala Leu Thr Pro Glu Ser Pro Ser Ser Phe Pro Gly Leu Ala Ala 1 5 10 15 Thr Gly Ser Ser Val Pro Glu Pro Pro Gly Gly Pro Asn Ala Thr Leu 20 25 30 Asn Ser Ser Trp Ala Ser Pro Thr Glu Pro Ser Ser Leu Glu Asp Leu 35 40 45 Val Ala Thr Gly Thr Ile Gly Thr Leu Leu Ser Ala Met Gly Val Val 50 55 60 Gly Val Val Gly Asn Ala Tyr Thr Leu Val Val Thr Cys Arg Ser Leu 65 70 75 80 Arg Ala Val Ala Ser Met Tyr Val Tyr Val Val Asn Leu Ala Leu Ala 85 90 95 Asp Leu Leu Tyr Leu Leu Ser Ile Pro Phe Ile Val Ala Thr Tyr Val 100 105 110 Thr Lys Glu Trp His Phe Gly Asp Val Gly Cys Arg Val Leu Phe Gly 115 120 125 Leu Asp Phe Leu Thr Met His Ala Ser Ile Phe Thr Leu Thr Val Met 130 135 140 Ser Ser Glu Arg Tyr Ala Ala Val Leu Arg Pro Leu Asp Thr Val Gln 145 150 155 160 Arg Pro Lys Gly Tyr Arg Lys Leu Leu Ala Leu Gly Thr Trp Leu Leu 165 170 175 Ala Leu Leu Leu Thr Leu Pro Val Met Leu Ala Met Arg Leu Val Arg 180 185 190 Arg Gly Pro Lys Ser Leu Cys Leu Pro Ala Trp Gly Pro Arg Ala His 195 200 205 Arg Ala Tyr Leu Thr Leu Leu Phe Ala Thr Ser Ile Ala Gly Pro Gly 210 215 220 Leu Leu Ile Gly Leu Leu Tyr Ala Arg Leu Ala Arg Ala Tyr Arg Arg 225 230 235 240 Ser Gln Arg Ala Ser Phe Lys Arg Ala Arg Arg Pro Gly Ala Arg Ala 245 250 255 Leu Arg Leu Val Leu Gly Ile Val Leu Leu Phe Trp Ala Cys Phe Leu 260 265 270 Pro Phe Trp Leu Trp Gln Leu Leu Ala Gln Tyr His Gln Ala Pro Leu 275 280 285 Ala Pro Arg Thr Ala Arg Ile Val Asn Tyr Leu Thr Thr Cys Leu Thr 290 295 300 Tyr Gly Asn Ser Cys Ala Asn Pro Phe Leu Tyr Thr Leu Leu Thr Arg 305 310 315 320 Asn Tyr Arg Asp His Leu Arg Gly Arg Val Arg Gly Pro Gly Ser Gly 325 330 335 Gly Gly Arg Gly Pro Val Pro Ser Leu Gln Pro Arg Ala Arg Phe Gln 340 345 350 Arg Cys Ser Gly Arg Ser Leu Ser Ser Cys Ser Pro Gln Pro Thr Asp 355 360 365 Ser Leu Val Leu Ala Pro Ala Ala Pro Ala Arg Pro Ala Pro Glu Gly 370 375 380 Pro Arg Ala Pro Ala 385 <210> 31 <211> 20 <212> PRT <213> Rat <400> 31 Thr Arg Lys Gln Arg Lys Gln His Gly Thr Ala Pro Glu Cys Phe Trp 1 5 10 15 Lys Tyr Cys Ile 20 <210> 32 <211> 24 <212> PRT <213> Rat <400> 32 Leu Leu Ala Arg Thr Arg Lys Gln Arg Lys Gln His Gly Thr Ala Pro 1 5 10 15 Glu Cys Phe Trp Lys Tyr Cys Ile 20 24 <210> 33 <211> 20 <212> PRT <213> Mouse <400> 33 Thr Arg Lys Gln His Lys Gln His Gly Ala Ala Pro Glu Cys Phe Trp 1 5 10 15 Lys Tyr Cys Ile 20 <210> 34 <211> 24 <212> PRT <213> Mouse <400> 34 Leu Leu Ala Arg Thr Arg Lys Gln His Lys Gln His Gly Ala Ala Pro 1 5 10 15 Glu Cys Phe Trp Lys Tyr Cys Ile 20 24 <210> 35 <211> 60 <212> DNA <213> Rat <400> 35 ACCAGGAAAC AACGTAAGCA ACACGGGACT GCCCCAGAAT GCTTCTGGAA GTACTGCATT 60 <210> 36 <211> 72 <212> DNA <213> Rat <400> 36 CTTTTGGCGA GAACCAGGAA ACAACGTAAG CAACACGGGA CTGCCCCAGA ATGCTTCTGG 60 AAGTACTGCA TT 72 <210> 37 <211> 60 <212> DNA <213> Mouse <400> 37 ACCAGGAAAC AACATAAGCA ACACGGGGCT GCCCCAGAGT GCTTCTGGAA ATACTGCATT 60 <210> 38 <211> 72 <212> DNA <213> Mouse <400> 38 CTCTTGGCAA GAACCAGGAA ACAACATAAG CAACACGGGG CTGCCCCAGA GTGCTTCTGG 60 AAATACTGCA TT 72
【0093】
【図面の簡単な説明】
【図1】ラット脊髄cDNAより単離したラットurotensin
like peptide前駆体蛋白質cDNAの全塩基配列およびそれ
から翻訳されるラットurotensin like peptide前駆体蛋
白質の全アミノ酸配列を示す。
【図2】マウス脊髄cDNAより単離したマウスurotensin
like peptide前駆体蛋白質cDNAの全塩基配列およびそれ
から翻訳されるマウスurotensin like peptide前駆体蛋
白質の全アミノ酸配列を示す。
【図3】合成ラットurotensin like peptide-2のCHO/rS
ENR細胞株に対するアラキドン酸代謝物遊離活性を示
す。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 13/00 A61P 13/02 13/02 13/12 13/12 25/00 25/00 25/28 25/28 27/00 27/00 27/16 27/16 C07K 7/08 C07K 7/08 14/47 14/47 16/18 16/18 C12N 1/15 C12N 1/15 1/19 1/19 1/21 1/21 C12P 21/02 C 5/10 21/08 C12P 21/02 G01N 33/15 Z 21/08 33/50 Z G01N 33/15 P 33/50 A61K 37/02 C12N 5/00 B //(C12N 5/10 C12R 1:91) (72)発明者 森 正明 茨城県つくば市春日1丁目7番地9 武田 春日ハイツ702号

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】配列番号:14で表わされるアミノ酸配列
    と同一もしくはN末端にグルタミン残基またはピログル
    タミン酸残基を有し配列番号:14で表わされるアミノ
    酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列を含有するポリペ
    プチドまたはそのアミドもしくはそのエステルまたはそ
    の塩。
  2. 【請求項2】実質的に同一のアミノ酸配列が配列番号:
    15、配列番号:27、配列番号:31、配列番号:3
    2、配列番号:33または配列番号:34で表されるア
    ミノ酸配列である請求項1記載のポリペプチド。
  3. 【請求項3】配列番号:14、配列番号:15、配列番
    号:27、配列番号:31、配列番号:32、配列番
    号:33または配列番号:34で表されるアミノ酸配列
    を有する請求項1記載のポリペプチド。
  4. 【請求項4】請求項1記載のポリペプチドの前駆体タン
    パク質またはそのアミドもしくはそのエステルまたはそ
    の塩。
  5. 【請求項5】配列番号:13または配列番号:26で表
    わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のア
    ミノ酸配列を含有する請求項4記載の前駆体タンパク
    質。
  6. 【請求項6】請求項1記載のポリペプチドをコードする
    塩基配列を有するDNAを含有するDNA。
  7. 【請求項7】配列番号:16、配列番号:17、配列番
    号:28、配列番号:35、配列番号:36、配列番
    号:37または配列番号:38で表される塩基配列を有
    する請求項6記載のDNA。
  8. 【請求項8】請求項4記載の前駆体タンパク質をコード
    する塩基配列を有するDNAを含有するDNA。
  9. 【請求項9】配列番号:12または配列番号:25で表
    される塩基配列を有する請求項8記載のDNA。
  10. 【請求項10】請求項6または請求項8記載のDNAを
    含有する組換えベクター。
  11. 【請求項11】請求項10記載の組換えベクターで形質
    転換された形質転換体。
  12. 【請求項12】請求項11記載の形質転換体を培養し、
    請求項1記載のポリペプチドまたは請求項4記載の前駆
    体タンパク質を生成、蓄積せしめ、これを採取すること
    を特徴とする請求項1記載のポリペプチドまたは請求項
    4記載の前駆体タンパク質またはそのアミドもしくはそ
    のエステルまたはその塩の製造法。
  13. 【請求項13】請求項1記載のポリペプチドまたは請求
    項4記載の前駆体タンパク質またはそのアミドもしくは
    そのエステルまたはその塩に対する抗体。
  14. 【請求項14】請求項1記載のポリペプチドまたは請求
    項4記載の前駆体タンパク質またはそのアミドもしくは
    そのエステルまたはその塩を含有してなる医薬。
  15. 【請求項15】請求項6または請求項8記載のDNAを
    含有してなる医薬。
  16. 【請求項16】中枢機能調節剤、循環機能調節剤、心臓
    機能調節剤、腎臓機能調節剤、泌尿器機能調節剤または
    感覚器官機能調節剤である請求項14または請求項15
    記載の医薬。
  17. 【請求項17】請求項1記載のポリペプチドまたは請求
    項4記載の前駆体タンパク質またはそのアミドもしくは
    そのエステルまたはその塩を用いることを特徴とするS
    ENRと請求項1記載のポリペプチドまたは請求項4記
    載の前駆体タンパク質またはそのアミドもしくはそのエ
    ステルまたはその塩との結合性を変化させる化合物また
    はその塩のスクリーニング方法。
  18. 【請求項18】請求項1記載のポリペプチドまたは請求
    項4記載の前駆体タンパク質またはそのアミドもしくは
    そのエステルまたはその塩を用いることを特徴とするS
    ENRと請求項1記載のポリペプチドまたは請求項4記
    載の前駆体タンパク質またはそのアミドもしくはそのエ
    ステルまたはその塩との結合性を変化させる化合物また
    はその塩のスクリーニング用キット。
  19. 【請求項19】請求項17記載のスクリーニング方法ま
    たは請求項18記載のスクリーニング用キットを用いて
    得られる、SENRと請求項1記載のポリペプチドまた
    は請求項4記載の前駆体タンパク質またはそのアミドも
    しくはそのエステルまたはその塩との結合性を変化させ
    る化合物またはその塩。
  20. 【請求項20】請求項13記載の抗体を用いることを特
    徴とする請求項1記載のポリペプチドまたは請求項4記
    載の前駆体タンパク質またはそのアミドもしくはそのエ
    ステルまたはその塩の定量方法。
  21. 【請求項21】請求項13記載の抗体を含有することを
    特徴とする請求項1記載のポリペプチドまたは請求項4
    記載の前駆体タンパク質またはそのアミドもしくはその
    エステルまたはその塩が関与する疾患の診断剤。
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