JP4284034B2 - スクリーニング方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、レセプターと該レセプターと特異的に結合する能力を有するポリペプチドとを用いる医薬(食欲(摂食)促進剤、抗肥満薬等)のスクリーニング方法、該スクリーニング方法によって得られうる化合物などに関する。
【0002】
【従来の技術】
生体のホメオスタシスの維持、生殖、個体の発達、代謝、成長、神経系、循環器系、免疫系、消化器系、代謝系の調節、感覚受容などの重要な機能調節は、様々なホルモンや神経伝達物質のような内在性因子あるいは光や匂いなどの感覚刺激をこれらに対して生体が備えている細胞膜に存在する特異的なレセプターを介して細胞が受容し、それに応じた反応をすることによって行われている。このような機能調節によるホルモンや神経伝達物質のレセプターの多くはguanine nucleotide-binding protein(以下、Gタンパク質と略称する場合がある)と共役しており、このGタンパク質の活性化によって細胞内にシグナルを伝達して様々な機能を発現させることを特徴とする。また、これらのレセプタータンパク質は共通して7個の膜貫通領域を有する。これらのことからこうしたレセプターはGタンパク質共役型レセプターあるいは7回膜貫通型レセプターと総称される。このように生体機能の調節には様々なホルモンや神経伝達物質およびそれに対するレセプタータンパク質が存在して相互作用し、重要な役割を果たしていることがわかっているが、未知の作用物質(ホルモンや神経伝達物質など)およびそれに対するレセプターが存在するかどうかについてはいまだ不明なことが多い。
近年、ヒトゲノムDNAあるいは各種ヒト組織由来のcDNAのランダムな配列決定による配列情報の蓄積および遺伝子解析技術の急速な進歩によってヒトの遺伝子が加速度的に解明されてきている。それにともない、機能未知のタンパク質をコードすると予想される多くの遺伝子の存在が明らかになっている。Gタンパク質共役型レセプターは、7個の膜貫通領域を有するのみでなくその核酸あるいはアミノ酸に多くの共通配列が存在するためそのようなタンパク質の中から明確にGタンパク質共役型レセプターとして区分することができる。一方でこうした構造の類似性を利用したポリメラーゼ・チェーン・リアクション(Polymerase Chain Reaction:以下、PCRと略称する)法によってもこうしたGタンパク質共役型レセプター遺伝子が得られている。このようにしてこれまでに得られたGタンパク質共役型レセプターのうちには既知のレセプターとの構造の相同性が高いサブタイプであって容易にそのリガンドを予測することが可能な場合もあるが、ほとんどの場合その内在性リガンドは予測不能であり、これらのレセプターは対応するリガンドが見いだされていない。このことからこれらのレセプターはオーファンレセプターと呼ばれている。このようなオーファンレセプターの未同定の内生リガンドは、リガンドが知られていなかったために十分な解析がなされていなかった生物現象に関与している可能性がある。そして、このようなリガンドが重要な生理作用や病態と関連している場合には、そのレセプター作動薬あるいは拮抗薬の開発が革新的な医薬品の創製に結びつくことが期待される(Stadel, J. et al.、TiPS、18巻、430-437頁、1997年、Marchese, A. et al.、TiPS、20巻、370-375頁、1999年、Civelli, O. et al.、Brain Res.、848巻、63-65頁、1999年、Howard, A. D. et al.、TiPS、22巻、132-140頁、2001年)。
最近、幾つかのグループによってこうしたオーファンレセプターのリガンド探索の試みがなされ、新たな生理活性ペプチドであるリガンドの単離・構造決定が報告されている。ReinsheidらおよびMeunierらは独立に、動物細胞にオーファンGタンパク質共役型レセプターLC132あるいはORL1をコードするcDNAを導入してレセプターを発現させ、その応答を指標としてorphanin FQあるいはnociceptinとそれぞれ名付けられた同一の新規ペプチドをブタ脳あるいはラット脳の抽出物より単離し、配列を決定した(Reinsheid, R. K. et al.、Science、270巻、792-794頁、1995年、Meunier, J.-C. et al.、Nature、377巻、532-535頁、1995年)。このペプチドは痛覚に関与していることが報告されたが、さらに、レセプターのノックアウトマウスの研究により記憶に関与していることが明らかにされた(Manabe, T. et al.、Nature、394巻、577-581頁、1998年)。
その後これまでにPrRP(prolactin releasing peptide)、orexin、apelin、ghrelinおよびGALP(galanin-like peptide)などの新規ペプチドがオーファンGタンパク質共役型レセプターのリガンドとして単離された(Hinuma, S. et al.、Nature、393巻、272-276頁、1998年、Sakurai, T. et al.、Cell、92巻、573-585頁、1998年、Tatemoto, K. et al.、Bichem. Biophys. Res. Commun.、251巻、471-476頁、1998年、Kojima, M. et al.、Nature、402巻、656-660頁、1999年、Ohtaki, T. et al.、J. Biol. Chem.、274巻、37041-37045頁、1999年)。一方、これまで明らかでなかった生理活性ペプチドのレセプターが解明された例もある。腸管収縮に関与するmotilinのレセプターがGPR38であることが明らかにされた(Feighner, S. D. et al.、Science、284巻、2184-2188頁、1999年)ほか、SLC−1がMCHのレセプターとして同定され(Chambers, J. et al.、Nature、400巻、261-265頁、1999年、Saito, Y. et al.、Nature、400巻、265-269頁、1999年、Shimomura, Y. et al.、Biochem. Biophys. Res. Commun.、261巻、622-626頁、1999年、Lembo, P. M. C. et al.、Nature Cell Biol.、1巻、267-271頁、1999年、Bachner, D. et al.、FEBS Lett.、457巻、522-524頁、1999年)、また、GPR14(SENR)がurotensin IIのレセプターであることが報告された(Ames, R. S. et al.、Nature、401巻、282-286頁、1999年、Mori, M. et al.、Biochem. Biophys. Res. Commun.、265巻、123-129頁、1999年、Nothacker, H.-P. et al.、Nature Cell Biol.、1巻、383-385頁、1999年、Liu, Q. et al.、Biochem. Biophys. Res. Commun.、266巻、174-178頁、1999年)。さらに、最近、神経ペプチドであるneuromedin U、neuropeptide FFのレセプターが明らかにされたほか、これらのペプチド以外にもcysteinyl leukotriene類、sphingosine-1-phosphate、lysophosphatidic acid、sphingosylphosphorylcholine、UDP-glucoseなど低分子の生理活性脂質あるいは核酸誘導体がオーファンレセプターのリガンドとして同定された(Howard, A. D. et al.、TiPS、22巻、132-140頁、2001年)。MCHはそのノックアウトマウスが羸痩の表現型(phenotype)を示すことから肥満に関与することが示されていたが(Shimada, M. et al.、Nature、396巻、670-674頁、1998年)、そのレセプターが明らかにされたことにより抗肥満薬としての可能性を有するレセプター拮抗薬の探索が可能となった。また、urotensin IIはサルに静脈内投与することによって心虚血を惹起することから心循環系に強力な作用を示すことも報告されている(Ames, R. S. et al.、Nature、401巻、282-286頁、1999年)。
このように、オーファンレセプターおよびそのリガンドは新たな生理作用に関与する場合が多く、その解明は新たな医薬品開発に結びつくことが期待される。しかし、オーファンレセプターのリガンド探索においては多くの困難さが伴うことが知られている。例えば、細胞に発現させたオーファンレセプターがリガンドに応答した後にいかなる二次情報伝達系が作動するかは一般に不明であり、様々な応答系について検討する必要がある。また、リガンドの存在する組織は容易には予想されないため種々の組織抽出物を用意しなければならない。さらに、リガンドがペプチドである場合、レセプターを刺激するのに必要なリガンド量はごく低濃度で十分であるためにこのようなリガンドの生体内の存在量は極微量であることが多いことに加え、ペプチドはタンパク質分解酵素によって消化されて活性を失ったり、非特異的吸着によって精製過程において回収が悪かったりするために、生体より抽出して構造決定に必要な量を単離することは通常極めて困難である。これらの問題によって、これまでに数多くのオーファンレセプターの存在が明らかにされながらそのリガンドが明らかにされたレセプターはごく一部に過ぎない。
オーファンGタンパク質共役型レセプターとして報告されているものの一つにGPR7(配列番号:129、O' Dowd, B. F. et al., Genomics、28巻、84-91頁、1995年)がある。GPR7はソマトスタチンレセプター(SSTR3)およびオピオイドレセプター(δ、κおよびμ)と低いホモロジーがあるが、そのリガンドが何であるのかはこれまで不明であった。また、GPR7は、GPR8(配列番号:4、O'Dowd, B. F. et al., Genomics、28巻、84-91頁、1995年)とアミノ酸レベルで64%程度の相同性が認められるものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従って、GPR7の内因性リガンドを見出し、該リガンドを直接利用する、または該リガンド(好ましくはGPR7と組み合わせて)を用いた医薬のスクリーニング系を利用することにより、全く新規な作用機序を有する医薬の開発が望まれていた。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者たちは上記の課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、ブタ視床下部抽出物より、GPR7と相同性を有するGPR8に特異的に結合することを指標にして見出した内因性リガンドがGPR7に対しても内因性リガンドであることを見出すとともに、該リガンドが食欲(摂食)増進作用を有すること、GPR7アゴニストが食欲(摂食)促進剤、GPR7アンタゴニストが肥満症の予防・治療剤(抗肥満薬)になることを見出した。これらの知見に基づいて、さらに検討を重ねた結果本発明を完成するに至った。
【0005】
すなわち、本発明は、
〔1〕(1)配列番号:129で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するタンパク質またはその塩および(2)該タンパク質と特異的に結合する能力を有するポリペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩を用いることを特徴とする、該タンパク質またはその塩と該ポリペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩との結合性を変化させる化合物またはその塩のスクリーニング方法、
〔2〕ポリペプチドが、配列番号:16で表されるアミノ酸配列と同一または実質的に同一のアミノ酸配列を含有するポリペプチドである前記〔1〕記載のスクリーニング方法、
〔3〕ポリペプチドが、配列番号:16または配列番号:17で表されるアミノ酸配列を含有するポリペプチドである前記〔1〕記載のスクリーニング方法、
〔4〕(1)配列番号:129で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するタンパク質またはその塩および(2)該タンパク質と特異的に結合する能力を有するポリペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩を含有することを特徴とする、該タンパク質またはその塩と該ポリペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩との結合性を変化させる化合物またはその塩のスクリーニング用キット、
〔5〕前記〔1〕記載のスクリーニング方法または前記〔4〕記載のスクリーニング用キットを用いて得られうる(1)配列番号:129で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するタンパク質またはその塩と(2)該タンパク質と特異的に結合する能力を有するポリペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩との結合性を変化させる化合物またはその塩、
〔6〕前記〔5〕記載の化合物またはその塩を含有してなる医薬、
〔7〕配列番号:129で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するタンパク質またはその塩の活性を阻害する化合物である前記〔5〕記載の化合物、
〔8〕前記〔1〕記載のスクリーニング方法または前記〔4〕記載のスクリーニング用キットを用いて得られうる抗肥満薬、
〔9〕前記〔7〕記載の化合物またはその塩を含有してなる抗肥満薬、
〔10〕哺乳動物に対し、前記〔7〕記載の化合物またはその塩の有効量を投与することを特徴とする肥満の予防・治療方法、
〔11〕抗肥満薬を製造するための、前記〔7〕記載の化合物またはその塩の使用などに関する。
【0006】
さらに、本発明は、
〔12〕配列番号:16で表されるアミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列が、配列番号:6、配列番号:17、配列番号:20、配列番号:21、配列番号:22、配列番号:23、配列番号:24、配列番号:25、配列番号:56、配列番号:57、配列番号:73、配列番号:74、配列番号:91、配列番号:92、配列番号:95、配列番号:96、配列番号:97、配列番号:98、配列番号:99、配列番号:100、配列番号:101、配列番号:102、配列番号:103、配列番号:104、配列番号:105、配列番号:106、配列番号:107、配列番号:108、配列番号:109、配列番号:110、配列番号:111、配列番号:112、配列番号:113または配列番号:135で表されるアミノ酸配列である前記〔2〕記載のスクリーニング方法、
〔13〕ポリペプチドが、配列番号:15、配列番号:42、配列番号:55、配列番号:72または配列番号:90で表されるアミノ酸配列を含有するポリペプチドである前記〔1〕記載のスクリーニング方法、
〔14〕(1)配列番号:129で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するタンパク質またはその塩および(2)該タンパク質と特異的に結合する能力を有するポリペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩を用いることを特徴とする、該タンパク質の活性を阻害する化合物またはその塩のスクリーニング方法、
〔15〕(1)配列番号:129で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するタンパク質またはその塩および(2)該タンパク質と特異的に結合する能力を有するポリペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩を用いることを特徴とする、該タンパク質の活性を促進する化合物またはその塩のスクリーニング方法、
〔16〕配列番号:129で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するタンパク質もしくはその塩、または該タンパク質の部分ペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩を用いる前記〔1〕記載のスクリーニング方法、
〔17〕配列番号:129で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するタンパク質またはその塩の発現量を減少させる化合物またはその塩を含有してなる抗肥満剤、
〔18〕配列番号:129で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するタンパク質、その部分ペプチドまたはその塩を含有してなる拒食症の予防・治療剤または食欲(摂食)促進剤、
〔19〕配列番号:129で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するタンパク質またはその部分ペプチドをコードするポリヌクレオチドを含有するポリヌクレオチドを含有してなる拒食症の予防・治療剤または食欲(摂食)促進剤、
〔20〕配列番号:129で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するタンパク質またはその部分ペプチドをコードするポリヌクレオチドを含有するポリヌクレオチドを含有してなる肥満の診断薬、
〔21〕配列番号:129で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するタンパク質、その部分ペプチドまたはその塩に対する抗体を含有してなる抗肥満剤、
〔22〕配列番号:129で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するタンパク質、その部分ペプチドまたはその塩に対する抗体を含有してなる肥満の診断薬、
〔23〕配列番号:129で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するタンパク質またはその部分ペプチドをコードするポリヌクレオチドを含有するポリヌクレオチドと相補的な塩基配列またはその一部を含有してなるアンチセンスポリヌクレオチドを含有してなる抗肥満剤、
〔24〕配列番号:129で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するタンパク質またはその部分ペプチドをコードするポリヌクレオチドを含有するポリヌクレオチドと相補的な塩基配列またはその一部を含有してなるアンチセンスポリヌクレオチドを含有してなる肥満の診断薬なども提供する。
【0007】
【発明の実施の形態】
配列番号:129で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するタンパク質またはその塩と特異的に結合する能力を有するポリペプチドを、以下、本発明のポリペプチドと称する場合がある。
本発明のポリペプチドとしては、配列番号:129で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するタンパク質またはその塩と結合する能力を有するポリペプチドとの結合の解離定数が、1nM以下、好ましくは200pM以下、さらに好ましくは100pM以下、特に好ましくは80pM以下、最も好ましくは50pM以下であるポリペプチドなどが挙げられる。
本発明のポリペプチドの例として挙げられる、配列番号:16で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を有するポリペプチドは、ヒトや非ヒト温血動物(例えば、モルモット、ラット、マウス、ニワトリ、ウサギ、ブタ、ヒツジ、ウシ、サルなど)の細胞(例えば、網膜細胞、肝細胞、脾細胞、神経細胞、グリア細胞、膵臓β細胞、骨髄細胞、メサンギウム細胞、ランゲルハンス細胞、表皮細胞、上皮細胞、内皮細胞、繊維芽細胞、繊維細胞、筋細胞、脂肪細胞、免疫細胞(例、マクロファージ、T細胞、B細胞、ナチュラルキラー細胞、肥満細胞、好中球、好塩基球、好酸球、単球)、巨核球、滑膜細胞、軟骨細胞、骨細胞、骨芽細胞、破骨細胞、乳腺細胞、肝細胞もしくは間質細胞、またはこれら細胞の前駆細胞、幹細胞もしくは癌細胞など)もしくはそれらの細胞が存在するあらゆる組織、例えば、脳、脳の各部位(例、網膜、嗅球、扁桃核、大脳基底球、海馬、視床、視床下部、大脳皮質、延髄、小脳)、脊髄、下垂体、胃、膵臓、腎臓、肝臓、生殖腺、甲状腺、胆のう、骨髄、副腎、皮膚、筋肉、肺、消化管(例、大腸、小腸)、血管、心臓、胸腺、脾臓、顎下腺、末梢血、前立腺、睾丸、卵巣、胎盤、子宮、骨、関節、骨格筋など、または血球系の細胞もしくはその培養細胞(例えば、MEL,M1,CTLL−2,HT−2,WEHI−3,HL−60,JOSK−1,K562,ML−1,MOLT−3,MOLT−4,MOLT−10,CCRF−CEM,TALL−1,Jurkat,CCRT−HSB−2,KE−37,SKW−3,HUT−78,HUT−102,H9,U937,THP−1,HEL,JK−1,CMK,KO−812,MEG−01など)に由来するポリペプチドであってもよく、合成ポリペプチドであってもよい。
【0008】
配列番号:16で表わされるアミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列としては、配列番号:16で表わされるアミノ酸配列と約90%以上、好ましくは約95%以上、より好ましくは約98%以上の相同性を有するアミノ酸配列などがあげられる。
特に、配列番号:16で表わされるアミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列としては、上記のアミノ酸配列の他、
(i) 配列番号:16で表されるアミノ酸配列中の1〜5個(好ましくは1〜3個、さらに好ましくは1〜2個、より好ましくは、1個)のアミノ酸が欠失したアミノ酸配列、
(ii) 配列番号:16で表されるアミノ酸配列に1〜5個(好ましくは1〜3個、さらに好ましくは1〜2個、より好ましくは、1個)のアミノ酸が付加したアミノ酸配列、
(iii) 配列番号:16で表されるアミノ酸配列に1〜5個(好ましくは1〜3個、さらに好ましくは1〜2個、より好ましくは、1個)のアミノ酸が挿入されたアミノ酸配列、
(iv) 配列番号:16で表されるアミノ酸配列中の1〜5個(好ましくは1〜3個、さらに好ましくは1〜2個、より好ましくは、1個)のアミノ酸が他のアミノ酸で置換されたアミノ酸配列、
(v) 上記(i)〜(iv)を組み合わせたアミノ酸配列などがあげられる。
【0009】
配列番号:16で表わされるアミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列を有するポリペプチドとしては、例えば、前記の配列番号:16で表わされるアミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列を有し、配列番号:16で表わされるアミノ酸配列を有するポリペプチドと実質的に同質の活性を有するポリペプチドなどが好ましい。
実質的に同質の活性としては、例えば、本発明のポリペプチドの有する活性(例えば、後述の疾患の予防・治療活性、レセプターとの結合活性、レセプター発現細胞に対する細胞刺激活性(例えば、アラキドン酸遊離、アセチルコリン遊離、細胞内Ca2+遊離、細胞内cAMP生成、細胞内cAMP生成抑制、細胞内cGMP生成、イノシトールリン酸産生、細胞膜電位変動、細胞内タンパク質のリン酸化、c−fosの活性化、pHの低下、GTPγS結合活性などを促進する活性等))などがあげられる。
実質的に同質とは、それらの活性が性質的に(例、生理化学的に、または薬理学的に)同質であることを示す。
配列番号:16で表されるアミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列の具体例としては、例えば、配列番号:6、配列番号:17、配列番号:20、配列番号:21、配列番号:22、配列番号:23、配列番号:24、配列番号:25、配列番号:56、配列番号:57、配列番号:73、配列番号:74、配列番号:91、配列番号:92、配列番号:95、配列番号:96、配列番号:97、配列番号:98、配列番号:99、配列番号:100、配列番号:101、配列番号:102、配列番号:103、配列番号:104、配列番号:105、配列番号:106、配列番号:107、配列番号:108、配列番号:109、配列番号:110、配列番号:111、配列番号:112、配列番号:113または配列番号:135で表されるアミノ酸配列などがあげられる。
【0010】
本発明のポリペプチドの具体例としては、例えば、配列番号:16で表わされるアミノ酸配列を有するポリペプチド、配列番号:6で表されるアミノ酸配列を有するポリペプチド、配列番号:17で表されるアミノ酸配列を有するポリペプチド、配列番号:20で表されるアミノ酸配列を有するポリペプチド、配列番号:21で表されるアミノ酸配列を有するポリペプチド、配列番号:22で表されるアミノ酸配列を有するポリペプチド、配列番号:23で表されるアミノ酸配列を有するポリペプチド、配列番号:24で表されるアミノ酸配列を有するポリペプチド、配列番号:25で表されるアミノ酸配列を有するポリペプチド、配列番号:56で表されるアミノ酸配列を有するポリペプチド、配列番号:57で表されるアミノ酸配列を有するポリペプチド、配列番号:73で表されるアミノ酸配列を有するポリペプチド、配列番号:74で表されるアミノ酸配列を有するポリペプチド、配列番号:91で表されるアミノ酸配列を有するポリペプチド、配列番号:92で表されるアミノ酸配列を有するポリペプチド、配列番号:95で表されるアミノ酸配列を有するポリペプチド、配列番号:96で表されるアミノ酸配列を有するポリペプチド、配列番号:97で表されるアミノ酸配列を有するポリペプチド、配列番号:98で表されるアミノ酸配列を有するポリペプチド、配列番号:99で表されるアミノ酸配列を有するポリペプチド、配列番号:100で表されるアミノ酸配列を有するポリペプチド、配列番号:101で表されるアミノ酸配列を有するポリペプチド、配列番号:102で表されるアミノ酸配列を有するポリペプチド、配列番号:103で表されるアミノ酸配列を有するポリペプチド、配列番号:104で表されるアミノ酸配列を有するポリペプチド、配列番号:105で表されるアミノ酸配列を有するポリペプチド、配列番号:106で表されるアミノ酸配列を有するポリペプチド、配列番号:107で表されるアミノ酸配列を有するポリペプチド、配列番号:108で表されるアミノ酸配列を有するポリペプチド、配列番号:109で表されるアミノ酸配列を有するポリペプチド、配列番号:110で表されるアミノ酸配列を有するポリペプチド、配列番号:111で表されるアミノ酸配列を有するポリペプチド、配列番号:112で表されるアミノ酸配列を有するポリペプチド、配列番号:113で表されるアミノ酸配列を有するポリペプチドおよび配列番号:135で表されるアミノ酸配列を有するポリペプチドなどのGPR7と特異的に結合する能力を有するポリペプチドがあげられる。
【0011】
また、本発明のポリペプチドは、配列番号:129で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するタンパク質またはその塩との結合活性、該タンパク質発現細胞に対する細胞刺激活性(例えば、アラキドン酸遊離、アセチルコリン遊離、細胞内Ca2+遊離、細胞内cAMP生成、細胞内cAMP生成抑制、細胞内cGMP生成、イノシトールリン酸産生、細胞膜電位変動、細胞内タンパク質のリン酸化、c−fosの活性化、pHの低下、GTPγS結合活性などを促進する活性等)等を有するポリペプチドのみならず、該結合活性または細胞刺激活性を有するポリペプチドの前駆体ポリペプチドをも包含する意味で用いられる。
該結合活性または細胞刺激活性を有するポリペプチドの前駆体ポリペプチドの具体例としては、例えば、配列番号:15で表されるアミノ酸配列と同一または実質的に同一のアミノ酸配列を含有することを特徴とするポリペプチド等があげられる。
より、具体的には、配列番号:15で表わされるアミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列としては、配列番号:15で表わされるアミノ酸配列と約80%以上、好ましくは約90%以上、より好ましくは約95%以上の相同性を有するアミノ酸配列などがあげられる。
【0012】
特に、配列番号:15で表わされるアミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列としては、上記のアミノ酸配列の他、
(i) 配列番号:15で表されるアミノ酸配列中の1〜15個(好ましくは1〜10個、さらに好ましくは1〜5個、より好ましくは、1〜3個)のアミノ酸が欠失したアミノ酸配列、
(ii) 配列番号:15で表されるアミノ酸配列に1〜100個(好ましくは1〜50個、さらに好ましくは1〜5個、より好ましくは、1〜3個)のアミノ酸が付加したアミノ酸配列、
(iii) 配列番号:15で表されるアミノ酸配列に1〜15個(好ましくは1〜10個、さらに好ましくは1〜5個、より好ましくは、1〜3個)のアミノ酸が挿入されたアミノ酸配列、
(iv) 配列番号:15で表されるアミノ酸配列中の1〜15個(好ましくは1〜10個、さらに好ましくは1〜5個、より好ましくは、1〜3個)のアミノ酸が他のアミノ酸で置換されたアミノ酸配列、
(v) 上記(i)〜(iv)を組み合わせたアミノ酸配列などがあげられる。
配列番号:15で表されるアミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列の具体例としては、例えば、配列番号:42、配列番号:55、配列番号:72または配列番号:90で表されるアミノ酸配列などがあげられる。
上記前駆体ポリペプチドの具体例としては、例えば、配列番号:15で表わされるアミノ酸配列を有するポリペプチド、配列番号:42で表されるアミノ酸配列を有するポリペプチド、配列番号:55で表されるアミノ酸配列を有するポリペプチド、配列番号:72で表されるアミノ酸配列を有するポリペプチドおよび配列番号:90で表されるアミノ酸配列を有するポリペプチドなどがあげられる。
【0013】
配列番号:129で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を有するタンパク質(以下、本発明のレセプターと称する場合がある)は、ヒトや非ヒト温血動物(例えば、モルモット、ラット、マウス、ニワトリ、ウサギ、ブタ、ヒツジ、ウシ、サルなど)の細胞(例えば、網膜細胞、肝細胞、脾細胞、神経細胞、グリア細胞、膵臓β細胞、骨髄細胞、メサンギウム細胞、ランゲルハンス細胞、表皮細胞、上皮細胞、内皮細胞、繊維芽細胞、繊維細胞、筋細胞、脂肪細胞、免疫細胞(例、マクロファージ、T細胞、B細胞、ナチュラルキラー細胞、肥満細胞、好中球、好塩基球、好酸球、単球)、巨核球、滑膜細胞、軟骨細胞、骨細胞、骨芽細胞、破骨細胞、乳腺細胞、肝細胞もしくは間質細胞、またはこれら細胞の前駆細胞、幹細胞もしくは癌細胞など)もしくはそれらの細胞が存在するあらゆる組織、例えば、脳、脳の各部位(例、網膜、嗅球、扁桃核、大脳基底球、海馬、視床、視床下部、大脳皮質、延髄、小脳)、脊髄、下垂体、胃、膵臓、腎臓、肝臓、生殖腺、甲状腺、胆のう、骨髄、副腎、皮膚、筋肉、肺、消化管(例、大腸、小腸)、血管、心臓、胸腺、脾臓、顎下腺、末梢血、前立腺、睾丸、卵巣、胎盤、子宮、骨、関節、骨格筋など、または血球系の細胞もしくはその培養細胞(例えば、MEL,M1,CTLL−2,HT−2,WEHI−3,HL−60,JOSK−1,K562,ML−1,MOLT−3,MOLT−4,MOLT−10,CCRF−CEM,TALL−1,Jurkat,CCRT−HSB−2,KE−37,SKW−3,HUT−78,HUT−102,H9,U937,THP−1,HEL,JK−1,CMK,KO−812,MEG−01など)に由来するタンパク質であってもよく、合成タンパク質であってもよい。
【0014】
配列番号:129で表わされるアミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列としては、配列番号:129で表わされるアミノ酸配列と約70%以上、好ましくは約80%以上、より好ましくは約90%以上の相同性を有するアミノ酸配列などがあげられる。
特に、配列番号:129で表わされるアミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列としては、上記のアミノ酸配列の他、
(i) 配列番号:129で表されるアミノ酸配列中の1〜15個(好ましくは1〜10個、さらに好ましくは1〜5個、より好ましくは、1〜3個)のアミノ酸が欠失したアミノ酸配列、
(ii) 配列番号:129で表されるアミノ酸配列に1〜15個(好ましくは1〜10個、さらに好ましくは1〜5個、より好ましくは、1〜3個)のアミノ酸が付加したアミノ酸配列、
(iii) 配列番号:129で表されるアミノ酸配列に1〜15個(好ましくは1〜10個、さらに好ましくは1〜5個、より好ましくは、1〜3個)のアミノ酸が挿入されたアミノ酸配列、
(iv) 配列番号:129で表されるアミノ酸配列中の1〜15個(好ましくは1〜10個、さらに好ましくは1〜5個、より好ましくは、1〜3個)のアミノ酸が他のアミノ酸で置換されたアミノ酸配列、
(v) 上記(i)〜(iv)を組み合わせたアミノ酸配列などがあげられる。
本発明のレセプターの部分ペプチド(以下、本発明の部分ペプチドと称する場合がある)としては、後述の医薬等のスクリーニング方法に用いることのできる部分ペプチドであれば、いかなるものであっていてもよいが、好ましくは、本発明のポリペプチドに対する結合能を有する部分ペプチド、細胞膜外領域に相当するアミノ酸配列を含有する部分ペプチド等が用いられる。
【0015】
本発明のポリペプチド、レセプターまたはその部分ペプチドは、ペプチド標記の慣例に従って左端がN末端(アミノ末端)、右端がC末端(カルボキシル末端)である。
本発明のポリペプチドは、C末端が通常カルボキシル基(−COOH)またはカルボキシレート(−COO-)であるが、C末端がアミド(−CONH2)またはエステル(−COOR)であってもよい。
ここでエステルにおけるRとしては、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピルもしくはn−ブチルなどのC1-6アルキル基、例えば、シクロペンチル、シクロヘキシルなどのC3-8シクロアルキル基、例えば、フェニル、α−ナフチルなどのC6-12アリール基、例えば、ベンジル、フェネチルなどのフェニル−C1-2アルキル基もしくはα−ナフチルメチルなどのα−ナフチル−C1-2アルキル基などのC7-14アラルキル基のほか、経口用エステルとして汎用されるピバロイルオキシメチル基などが用いられる。
本発明のポリペプチド、レセプターまたはその部分ペプチドがC末端以外にカルボキシル基(またはカルボキシレート)を有している場合、カルボキシル基がアミド化またはエステル化されているものも本発明のポリペプチドに含まれる。この場合のエステルとしては、例えば上記したC末端のエステルなどが用いられる。
さらに、本発明のポリペプチド、レセプターまたはその部分ペプチドには、N末端のアミノ酸残基(例、メチオニン残基)のアミノ基が保護基(例えば、ホルミル基、アセチル基などのC1-6アルカノイルなどのC1-6アシル基など)で保護されているもの、生体内で切断されて生成するN末端のグルタミン残基がピログルタミン酸化したもの、分子内のアミノ酸の側鎖上の置換基(例えば−OH、−SH、アミノ基、イミダゾール基、インドール基、グアニジノ基など)が適当な保護基(例えば、ホルミル基、アセチル基などのC1-6アルカノイル基などのC1-6アシル基など)で保護されているもの、あるいは糖鎖が結合したいわゆる糖タンパク質などの複合タンパク質なども含まれる。
【0016】
本発明のポリペプチド、レセプターまたはその部分ペプチドの塩としては、生理学的に許容される酸(例、無機酸、有機酸)や塩基(例、アルカリ金属塩)などとの塩が用いられ、とりわけ生理学的に許容される酸付加塩が好ましい。このような塩としては、例えば、無機酸(例えば、塩酸、リン酸、臭化水素酸、硫酸)との塩、あるいは有機酸(例えば、酢酸、ギ酸、プロピオン酸、フマル酸、マレイン酸、コハク酸、酒石酸、クエン酸、リンゴ酸、蓚酸、安息香酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸)との塩などが用いられる。
本発明のポリペプチド、レセプターまたはその部分ペプチドは、前述したヒトや非ヒト温血動物の細胞または組織から公知のポリペプチドの精製方法によって製造することもできるし、後述するポリペプチドをコードするDNAで形質転換された形質転換体を培養することによっても製造することができる。また、後述のペプチド合成法に準じて製造することもできる。
ヒトや非ヒト哺乳動物の組織または細胞から製造する場合、ヒトや非ヒト哺乳動物の組織または細胞をホモジナイズした後、酸などで抽出を行ない、得られた抽出液を逆相クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィーなどのクロマトグラフィーを組み合わせることにより精製単離することができる。
【0017】
本発明のポリペプチド、レセプター、その部分ペプチド、もしくはそれらの塩、またはそれらのアミド体の合成には、通常市販のポリペプチド合成用樹脂を用いることができる。そのような樹脂としては、例えば、クロロメチル樹脂、ヒドロキシメチル樹脂、ベンズヒドリルアミン樹脂、アミノメチル樹脂、4−ベンジルオキシベンジルアルコール樹脂、4−メチルベンズヒドリルアミン樹脂、PAM樹脂、4−ヒドロキシメチルメチルフェニルアセトアミドメチル樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、4−(2',4'−ジメトキシフェニル−ヒドロキシメチル)フェノキシ樹脂、4−(2',4'−ジメトキシフェニル−Fmocアミノエチル)フェノキシ樹脂などをあげることができる。このような樹脂を用い、α−アミノ基と側鎖官能基を適当に保護したアミノ酸を、目的とするポリペプチドの配列通りに、公知の各種縮合方法に従い、樹脂上で縮合させる。反応の最後に樹脂からポリペプチドを切り出すと同時に各種保護基を除去し、さらに高希釈溶液中で分子内ジスルフィド結合形成反応を実施し、目的のポリペプチド、レセプター、部分ペプチドまたはそれらのアミド体を取得する。
上記した保護アミノ酸の縮合に関しては、ポリペプチド合成に使用できる各種活性化試薬を用いることができるが、特に、カルボジイミド類がよい。カルボジイミド類としては、DCC、N,N'−ジイソプロピルカルボジイミド、N−エチル−N'−(3−ジメチルアミノプロリル)カルボジイミドなどが用いられる。これらによる活性化にはラセミ化抑制添加剤(例えば、HOBt、HOOBt)とともに保護アミノ酸を直接樹脂に添加するかまたは、対応する酸無水物またはHOBtエステルあるいはHOOBtエステルとしてあらかじめ保護アミノ酸の活性化を行なった後に樹脂に添加することができる。
保護アミノ酸の活性化や樹脂との縮合に用いられる溶媒としては、ポリペプチド縮合反応に使用しうることが知られている溶媒から適宜選択されうる。例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドンなどの酸アミド類、塩化メチレン、クロロホルムなどのハロゲン化炭化水素類、トリフルオロエタノールなどのアルコール類、ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類、ピリジン、ジオキサン、テトラヒドロフランなどのエーテル類、アセトニトリル、プロピオニトリルなどのニトリル類、酢酸メチル、酢酸エチルなどのエステル類あるいはこれらの適宜の混合物などが用いられる。反応温度はポリペプチド結合形成反応に使用され得ることが知られている範囲から適宜選択され、通常約−20℃〜50℃の範囲から適宜選択される。活性化されたアミノ酸誘導体は通常1.5〜4倍過剰で用いられる。ニンヒドリン反応を用いたテストの結果、縮合が不十分な場合には保護基の脱離を行なうことなく縮合反応を繰り返すことにより十分な縮合を行なうことができる。反応を繰り返しても十分な縮合が得られないときには、無水酢酸またはアセチルイミダゾールを用いて未反応アミノ酸をアセチル化することによって、後の反応に影響を与えないようにすることができる。
【0018】
原料のアミノ基の保護基としては、例えば、Z、Boc、t−ペンチルオキシカルボニル、イソボルニルオキシカルボニル、4−メトキシベンジルオキシカルボニル、Cl−Z、Br−Z、アダマンチルオキシカルボニル、トリフルオロアセチル、フタロイル、ホルミル、2−ニトロフェニルスルフェニル、ジフェニルホスフィノチオイル、Fmocなどが用いられる。
カルボキシル基は、例えば、アルキルエステル化(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、t−ブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、2−アダマンチルなどの直鎖状、分枝状もしくは環状アルキルエステル化)、アラルキルエステル化(例えば、ベンジルエステル、4−ニトロベンジルエステル、4−メトキシベンジルエステル、4−クロロベンジルエステル、ベンズヒドリルエステル化)、フェナシルエステル化、ベンジルオキシカルボニルヒドラジド化、t−ブトキシカルボニルヒドラジド化、トリチルヒドラジド化などによって保護することができる。
セリンの水酸基は、例えば、エステル化またはエーテル化によって保護することができる。このエステル化に適する基としては、例えば、アセチル基などの低級(C1-6)アルカノイル基、ベンゾイル基などのアロイル基、ベンジルオキシカルボニル基、エトキシカルボニル基などの炭酸から誘導される基などが用いられる。また、エーテル化に適する基としては、例えば、ベンジル基、テトラヒドロピラニル基、t−ブチル基などである。
チロシンのフェノール性水酸基の保護基としては、例えば、Bzl、Cl2−Bzl、2−ニトロベンジル、Br−Z、t−ブチルなどが用いられる。
ヒスチジンのイミダゾールの保護基としては、例えば、Tos、4−メトキシ−2,3,6−トリメチルベンゼンスルホニル、DNP、ベンジルオキシメチル、Bum、Boc、Trt、Fmocなどが用いられる。
【0019】
原料のカルボキシル基の活性化されたものとしては、例えば、対応する酸無水物、アジド、活性エステル〔アルコール(例えば、ペンタクロロフェノール、2,4,5−トリクロロフェノール、2,4−ジニトロフェノール、シアノメチルアルコール、パラニトロフェノール、HONB、N−ヒドロキシスクシミド、N−ヒドロキシフタルイミド、HOBt)とのエステル〕などが用いられる。原料のアミノ基の活性化されたものとしては、例えば、対応するリン酸アミドが用いられる。
保護基の除去(脱離)方法としては、例えば、Pd−黒あるいはPd−炭素などの触媒の存在下での水素気流中での接触還元や、また、無水フッ化水素、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、トリフルオロ酢酸あるいはこれらの混合液などによる酸処理や、ジイソプロピルエチルアミン、トリエチルアミン、ピペリジン、ピペラジンなどによる塩基処理、また液体アンモニア中ナトリウムによる還元なども用いられる。上記酸処理による脱離反応は、一般に約−20℃〜40℃の温度で行なわれるが、酸処理においては、例えば、アニソール、フェノール、チオアニソール、メタクレゾール、パラクレゾール、ジメチルスルフィド、1,4−ブタンジチオール、1,2−エタンジチオールなどのようなカチオン捕捉剤の添加が有効である。また、ヒスチジンのイミダゾール保護基として用いられる2,4−ジニトロフェニル基はチオフェノール処理により除去され、トリプトファンのインドール保護基として用いられるホルミル基は上記の1,2−エタンジチオール、1,4−ブタンジチオールなどの存在下の酸処理による脱保護以外に、希水酸化ナトリウム溶液、希アンモニアなどによるアルカリ処理によっても除去される。
原料の反応に関与すべきでない官能基の保護ならびに保護基、およびその保護基の脱離、反応に関与する官能基の活性化などは公知の基または公知の手段から適宜選択しうる。
【0020】
本発明のポリペプチド、レセプターまたはその部分ペプチドのアミド体を得る別の方法としては、例えば、まず、カルボキシ末端アミノ酸のα−カルボキシル基をアミド化して保護した後、アミノ基側にペプチド(ポリペプチド)鎖を所望の鎖長まで延ばした後、該ペプチド鎖のN末端のα−アミノ基の保護基のみを除いたポリペプチドとC末端のカルボキシル基の保護基のみを除去したポリペプチドとを製造し、この両ポリペプチドを上記したような混合溶媒中で縮合させる。縮合反応の詳細については上記と同様である。縮合により得られた保護ポリペプチドを精製した後、上記方法によりすべての保護基を除去し、所望の粗ポリペプチドを得ることができる。この粗ポリペプチドは既知の各種精製手段を駆使して精製し、主要画分を凍結乾燥することで所望のポリペプチド、レセプターまたはその部分ペプチドのアミド体を得ることができる。
本発明のポリペプチド、レセプターまたはその部分ペプチドのエステル体を得るには、例えば、カルボキシ末端アミノ酸のα−カルボキシル基を所望のアルコール類と縮合しアミノ酸エステルとした後、ポリペプチド、レセプターまたはその部分ペプチドのアミド体と同様にして、所望のポリペプチド、レセプターまたはその部分ペプチドのエステル体を得ることができる。
【0021】
本発明のポリペプチド、レセプターまたはその部分ペプチドは、公知のペプチドの合成法に従って、あるいはレセプターの部分ペプチドについては、レセプターを適当なペプチダーゼで切断することによって製造することができる。ペプチドの合成法としては、例えば、固相合成法、液相合成法のいずれによっても良い。すなわち、本発明のポリペプチド、レセプターまたはその部分ペプチドを構成し得る部分ペプチドもしくはアミノ酸と残余部分とを縮合させ、生成物が保護基を有する場合は保護基を脱離することにより目的のペプチドを製造することができる。公知の縮合方法や保護基の脱離としては、例えば、以下の(i)〜(v)に記載された方法があげられる。
(i)M. Bodanszky および M.A. Ondetti、ペプチド・シンセシス (Peptide Synthesis), Interscience Publishers, New York (1966年)
(ii)SchroederおよびLuebke、ザ・ペプチド(The Peptide), Academic Press, New York (1965年)
(iii)泉屋信夫他、ペプチド合成の基礎と実験、 丸善(株) (1975年)
(iv)矢島治明 および榊原俊平、生化学実験講座 1、 タンパク質の化学IV、 205、(1977年)
(v)矢島治明監修、続医薬品の開発、第14巻、ペプチド合成、広川書店
また、反応後は通常の精製法、例えば、溶媒抽出・蒸留・カラムクロマトグラフィー・液体クロマトグラフィー・再結晶などを組み合わせて本発明のポリペプチド、レセプターまたはその部分ペプチドを精製単離することができる。上記方法で得られるポリペプチド、レセプターまたはその部分ペプチドが遊離体である場合は、公知の方法あるいはそれに準じる方法によって適当な塩に変換することができるし、逆に塩で得られた場合は、公知の方法あるいはそれに準じる方法によって遊離体または他の塩に変換することができる。
本発明のポリペプチド、レセプターまたはその部分ペプチドをコードするDNAとしては、前述した本発明のポリペプチド、レセプターまたはその部分ペプチドをコードする塩基配列を含有するものであればいかなるものであってもよい。また、ゲノムDNA、ゲノムDNAライブラリー、前記した細胞・組織由来のcDNA、前記した細胞・組織由来のcDNAライブラリー、合成DNAのいずれでもよい。
ライブラリーに使用するベクターは、バクテリオファージ、プラスミド、コスミド、ファージミドなどいずれであってもよい。また、前記した細胞・組織よりtotalRNAまたはmRNA画分を調製したものを用いて直接Reverse Transcriptase Polymerase Chain Reaction(以下、RT−PCR法と略称する)によって増幅することもできる。
【0022】
本発明のポリペプチドをコードするDNAとしては、例えば(i)配列番号:18、配列番号:19、配列番号:26、配列番号:27、配列番号:28、配列番号:29、配列番号:30、配列番号:31、配列番号:58、配列番号:59、配列番号:75、配列番号:76、配列番号:93、配列番号:94、配列番号:114、配列番号:115、配列番号:116、配列番号:117、配列番号:118、配列番号:119、配列番号:120、配列番号:121、配列番号:122、配列番号:123、配列番号:124または配列番号:125で表わされる塩基配列を含有するDNA、(ii)配列番号:18、配列番号:19、配列番号:26、配列番号:27、配列番号:28、配列番号:29、配列番号:30、配列番号:31、配列番号:58、配列番号:59、配列番号:75、配列番号:76、配列番号:93、配列番号:94、配列番号:114、配列番号:115、配列番号:116、配列番号:117、配列番号:118、配列番号:119、配列番号:120、配列番号:121、配列番号:122、配列番号:123、配列番号:124または配列番号:125で表わされる塩基配列とハイストリンジェントな条件下でハイブリダイズする塩基配列を有し、本発明のポリペプチドと実質的に同質の活性を有するポリペプチドをコードするDNA、(iii)配列番号:14、配列番号:41、配列番号:54、配列番号:71または配列番号:89で表わされる塩基配列を含有するDNA、または(iv)配列番号:14、配列番号:41、配列番号:54、配列番号:71または配列番号:89で表わされる塩基配列とハイストリンジェントな条件下でハイブリダイズする塩基配列を有するDNAなどであれば何れのものでもよい。
【0023】
配列番号:18、配列番号:19、配列番号:26、配列番号:27、配列番号:28、配列番号:29、配列番号:30、配列番号:31、配列番号:58、配列番号:59、配列番号:75、配列番号:76、配列番号:93、配列番号:94、配列番号:114、配列番号:115、配列番号:116、配列番号:117、配列番号:118、配列番号:119、配列番号:120、配列番号:121、配列番号:122、配列番号:123、配列番号:124または配列番号:125、または配列番号:14、配列番号:41、配列番号:54、配列番号:71または配列番号:89で表わされる塩基配列とハイストリンジェントな条件下でハイブリダイズできるDNAとしては、例えば、それぞれ配列番号:18、配列番号:19、配列番号:26、配列番号:27、配列番号:28、配列番号:29、配列番号:30、配列番号:31、配列番号:58、配列番号:59、配列番号:75、配列番号:76、配列番号:93、配列番号:94、配列番号:114、配列番号:115、配列番号:116、配列番号:117、配列番号:118、配列番号:119、配列番号:120、配列番号:121、配列番号:122、配列番号:123、配列番号:124または配列番号:125、または配列番号:14、配列番号:41、配列番号:54、配列番号:71または配列番号:89で表わされる塩基配列と約70%以上、好ましくは約80%以上、より好ましくは約90%以上、さらに好ましくは約95%以上の相同性を有する塩基配列を含有するDNAなどが用いられる。
ハイブリダイゼーションは、公知の方法あるいはそれに準じる方法、例えば、モレキュラー・クローニング(Molecular Cloning)2nd(J. Sambrook et al., Cold Spring Harbor Lab. Press, 1989)に記載の方法などに従って行なうことができる。また、市販のライブラリーを使用する場合、添付の使用説明書に記載の方法に従って行なうことができる。より好ましくは、ハイストリンジェントな条件に従って行なうことができる。
ハイストリンジェントな条件とは、例えば、ナトリウム濃度が約19〜40mM、好ましくは約19〜20mMで、温度が約50〜70℃、好ましくは約60〜65℃の条件を示す。特に、ナトリウム濃度が約19mMで温度が約65℃の場合が最も好ましい。
【0024】
より具体的には、
(i) 配列番号:16で表わされるアミノ酸配列を含有するポリペプチドをコードするDNAとしては、配列番号:18で表わされる塩基配列を含有するDNAなどが用いられ、
(ii) 配列番号:17で表わされるアミノ酸配列を含有するポリペプチドをコードするDNAとしては、配列番号:19で表わされる塩基配列を含有するDNAなどが用いられ、
(iii) 配列番号:20で表わされるアミノ酸配列を含有するポリペプチドをコードするDNAとしては、配列番号:26で表わされる塩基配列を含有するDNAなどが用いられ、
(iv) 配列番号:21で表わされるアミノ酸配列を含有するポリペプチドをコードするDNAとしては、配列番号:27で表わされる塩基配列を含有するDNAなどが用いられ、
(v) 配列番号:22で表わされるアミノ酸配列を含有するポリペプチドをコードするDNAとしては、配列番号:28で表わされる塩基配列を含有するDNAなどが用いられ、
(vi) 配列番号:23で表わされるアミノ酸配列を含有するポリペプチドをコードするDNAとしては、配列番号:29で表わされる塩基配列を含有するDNAなどが用いられ、
(vii) 配列番号:24で表わされるアミノ酸配列を含有するポリペプチドをコードするDNAとしては、配列番号:30で表わされる塩基配列を含有するDNAなどが用いられ、
(viii) 配列番号:25で表わされるアミノ酸配列を含有するポリペプチドをコードするDNAとしては、配列番号:31で表わされる塩基配列を含有するDNAなどが用いられ、
(ix) 配列番号:56で表わされるアミノ酸配列を含有するポリペプチドをコードするDNAとしては、配列番号:58で表わされる塩基配列を含有するDNAなどが用いられ、
(x) 配列番号:57で表わされるアミノ酸配列を含有するポリペプチドをコードするDNAとしては、配列番号:59で表わされる塩基配列を含有するDNAなどが用いられ、
(xi) 配列番号:73で表わされるアミノ酸配列を含有するポリペプチドをコードするDNAとしては、配列番号:75で表わされる塩基配列を含有するDNAなどが用いられ、
(xii) 配列番号:74で表わされるアミノ酸配列を含有するポリペプチドをコードするDNAとしては、配列番号:76で表わされる塩基配列を含有するDNAなどが用いられ、
(xiii) 配列番号:91で表わされるアミノ酸配列を含有するポリペプチドをコードするDNAとしては、配列番号:93で表わされる塩基配列を含有するDNAなどが用いられ、
(xiv) 配列番号:92で表わされるアミノ酸配列を含有するポリペプチドをコードするDNAとしては、配列番号:94で表わされる塩基配列を含有するDNAなどが用いられ、
(xv) 配列番号:95で表わされるアミノ酸配列を含有するポリペプチドをコードするDNAとしては、配列番号:18で表わされる塩基配列を含有するDNAなどが用いられ、
(xvi) 配列番号:96で表わされるアミノ酸配列を含有するポリペプチドをコードするDNAとしては、配列番号:114で表わされる塩基配列を含有するDNAなどが用いられ、
(xvii) 配列番号:97で表わされるアミノ酸配列を含有するポリペプチドをコードするDNAとしては、配列番号:115で表わされる塩基配列を含有するDNAなどが用いられ、
【0025】
(xviii) 配列番号:98で表わされるアミノ酸配列を含有するポリペプチドをコードするDNAとしては、配列番号:116で表わされる塩基配列を含有するDNAなどが用いられ、
(xix) 配列番号:99で表わされるアミノ酸配列を含有するポリペプチドをコードするDNAとしては、配列番号:117で表わされる塩基配列を含有するDNAなどが用いられ、
(xx) 配列番号:100で表わされるアミノ酸配列を含有するポリペプチドをコードするDNAとしては、配列番号:118で表わされる塩基配列を含有するDNAなどが用いられ、
(xxi) 配列番号:101で表わされるアミノ酸配列を含有するポリペプチドをコードするDNAとしては、配列番号:119で表わされる塩基配列を含有するDNAなどが用いられ、
(xxii) 配列番号:102で表わされるアミノ酸配列を含有するポリペプチドをコードするDNAとしては、配列番号:120で表わされる塩基配列を含有するDNAなどが用いられ、
(xxiii) 配列番号:103で表わされるアミノ酸配列を含有するポリペプチドをコードするDNAとしては、配列番号:58で表わされる塩基配列を含有するDNAなどが用いられ、
(xxiv) 配列番号:104で表わされるアミノ酸配列を含有するポリペプチドをコードするDNAとしては、配列番号:75で表わされる塩基配列を含有するDNAなどが用いられ、
(xxv) 配列番号:105で表わされるアミノ酸配列を含有するポリペプチドをコードするDNAとしては、配列番号:18で表わされる塩基配列を含有するDNAなどが用いられ、
(xxvi) 配列番号:106で表わされるアミノ酸配列を含有するポリペプチドをコードするDNAとしては、配列番号:18で表わされる塩基配列を含有するDNAなどが用いられ、
(xxvii) 配列番号:107で表わされるアミノ酸配列を含有するポリペプチドをコードするDNAとしては、配列番号:121で表わされる塩基配列を含有するDNAなどが用いられ、
(xxviii) 配列番号:108で表わされるアミノ酸配列を含有するポリペプチドをコードするDNAとしては、配列番号:122で表わされる塩基配列を含有するDNAなどが用いられ、
(xxix) 配列番号:109で表わされるアミノ酸配列を含有するポリペプチドをコードするDNAとしては、配列番号:123で表わされる塩基配列を含有するDNAなどが用いられ、
(xxx) 配列番号:110で表わされるアミノ酸配列を含有するポリペプチドをコードするDNAとしては、配列番号:124で表わされる塩基配列を含有するDNAなどが用いられ、
(xxxi) 配列番号:6で表わされるアミノ酸配列を含有するポリペプチドをコードするDNAとしては、配列番号:125で表わされる塩基配列を含有するDNAなどが用いられ、
(xxxii) 配列番号:111で表わされるアミノ酸配列を含有するポリペプチドをコードするDNAとしては、配列番号:121で表わされる塩基配列を含有するDNAなどが用いられ、
(xxxiii) 配列番号:112で表わされるアミノ酸配列を含有するポリペプチドをコードするDNAとしては、配列番号:18で表わされる塩基配列を含有するDNAなどが用いられ、
(xxxiv) 配列番号:113で表わされるアミノ酸配列を含有するポリペプチドをコードするDNAとしては、配列番号:121で表わされる塩基配列を含有するDNAなどが用いられる。
【0026】
本発明のレセプターをコードするDNAとしては、例えば、配列番号:128で表される塩基配列を含有するDNA、または配列番号:128で表わされる塩基配列とハイストリンジェントな条件下でハイブリダイズする塩基配列を有し、本発明のレセプターと実質的に同質の活性を有するポリペプチドをコードするDNAなどであれば何れのものでもよい。
配列番号:128で表わされる塩基配列とハイストリンジェントな条件下でハイブリダイズできるDNAとしては、例えば、それぞれ配列番号:128で表わされる塩基配列と約70%以上、好ましくは約80%以上、より好ましくは約90%以上、さらに好ましくは約95%以上の相同性を有する塩基配列を含有するDNAなどが用いられる。
ハイブリダイゼーションは、公知の方法あるいはそれに準じる方法、例えば、モレキュラー・クローニング(Molecular Cloning)2nd(J. Sambrook et al., Cold Spring Harbor Lab. Press, 1989)に記載の方法などに従って行なうことができる。また、市販のライブラリーを使用する場合、添付の使用説明書に記載の方法に従って行なうことができる。より好ましくは、ハイストリンジェントな条件に従って行なうことができる。
ハイストリンジェントな条件とは、例えば、ナトリウム濃度が約19〜40mM、好ましくは約19〜20mMで、温度が約50〜70℃、好ましくは約60〜65℃の条件を示す。特に、ナトリウム濃度が約19mMで温度が約65℃の場合が最も好ましい。
より具体的には、配列番号:129で表わされるアミノ酸配列を含有するポリペプチドをコードするDNAとしては、配列番号:128で表わされる塩基配列を含有するDNAなどが用いられる。
本発明のレセプターの部分ペプチドをコードするDNAとしては、前述した本発明のレセプターの部分ペプチドをコードする塩基配列を含有するものであればいかなるものであってもよい。また、ゲノムDNA、ゲノムDNAライブラリー、前記した細胞・組織由来のcDNA、前記した細胞・組織由来のcDNAライブラリー、合成DNAのいずれでもよい。
【0027】
本発明のレセプターの部分ペプチドをコードするDNAとしては、例えば、配列番号:128で表わされる塩基配列を有するDNAの部分塩基配列を有するDNA、または配列番号:128で表わされる塩基配列とハイストリンジェントな条件下でハイブリダイズする塩基配列を有し、本発明のレセプターと実質的に同質の活性を有するポリペプチドをコードするDNAの部分塩基配列を有するDNAなどが用いられる。
配列番号:128で表わされる塩基配列とハイブリダイズできるDNAは、前記と同意義を示す。
ハイブリダイゼーションの方法およびハイストリンジェントな条件は前記と同様のものが用いられる。
【0028】
本発明のポリペプチド、レセプターまたはその部分ペプチドをコードするDNAは、公知の方法で標識化されていてもよく、具体的にはアイソトープラベル化されたもの、蛍光標識されたもの(例えば、フルオレセインなどによる蛍光標識)、ビオチン化されたものまたは酵素標識されたものなどがあげられる。
本発明のポリペプチド、レセプターまたはその部分ペプチド(以下、これらポリペプチド等をコードするDNAのクローニングおよび発現の説明においては、これらポリペプチド等を単に本発明のポリペプチドと略記する場合がある)を完全にコードするDNAのクローニングの手段としては、本発明のポリペプチドの部分塩基配列を有する合成DNAプライマーを用いて公知のPCR法によって増幅するか、または適当なベクターに組み込んだDNAを本発明のポリペプチドの一部あるいは全領域をコードするDNA断片もしくは合成DNAを用いて標識したものとのハイブリダイゼーションによって選別することができる。ハイブリダイゼーションの方法は、例えば、モレキュラー・クローニング(Molecular Cloning)2nd(J. Sambrook et al., Cold Spring Harbor Lab. Press, 1989)に記載の方法などに従って行なうことができる。また、市販のライブラリーを使用する場合、添付の使用説明書に記載の方法に従って行なうことができる。
【0029】
DNAの塩基配列の変換は、公知のキット、例えば、MutanTM-super Express Km(宝酒造(株))、MutanTM-K(宝酒造(株))等を用いて、ODA-LA PCR法、Gapped duplex法、Kunkel法等の公知の方法あるいはそれらに準じる方法に従って行なうことができる。
クローン化されたポリペプチドをコードするDNAは目的によりそのまま、または所望により制限酵素で消化したり、リンカーを付加したりして使用することができる。該DNAはその5’末端側に翻訳開始コドンとしてのATGを有し、また3’末端側には翻訳終止コドンとしてのTAA、TGAまたはTAGを有していてもよい。これらの翻訳開始コドンや翻訳終止コドンは、適当な合成DNAアダプターを用いて付加することもできる。
本発明のポリペプチドの発現ベクターは、例えば、(イ)本発明のポリペプチドをコードするDNAを含有するDNA(例えば、cDNA)から目的とするDNA断片を切り出し、(ロ)該DNA断片を適当な発現ベクター中のプロモーターの下流に連結することにより製造することができる。
ベクターとしては、大腸菌由来のプラスミド(例、pBR322,pBR325,pUC12,pUC13)、枯草菌由来のプラスミド(例、pUB110,pTP5,pC194)、酵母由来プラスミド(例、pSH19,pSH15)、λファージなどのバクテリオファージ、レトロウイルス,ワクシニアウイルス,バキュロウイルスなどの動物ウイルスなどの他、pA1−11、pXT1、pRc/CMV、pRc/RSV、pcDNAI/Neoなどが用いられる。
本発明で用いられるプロモーターとしては、遺伝子の発現に用いる宿主に対応して適切なプロモーターであればいかなるものでもよい。例えば、動物細胞を宿主として用いる場合は、SRαプロモーター、SV40プロモーター、HIV・LTRプロモーター、CMVプロモーター、HSV-TKプロモーターなどがあげられる。
【0030】
これらのうち、CMV(サイトメガロウイルス)プロモーター、SRαプロモーターなどを用いるのが好ましい。宿主がエシェリヒア属菌である場合は、trpプロモーター、lacプロモーター、recAプロモーター、λPLプロモーター、lppプロモーター、T7プロモーターなどが、宿主がバチルス属菌である場合は、SPO1プロモーター、SPO2プロモーター、penPプロモーターなど、宿主が酵母である場合は、PHO5プロモーター、PGKプロモーター、GAPプロモーター、ADHプロモーターなどが好ましい。宿主が昆虫細胞である場合は、ポリヘドリンプロモーター、P10プロモーターなどが好ましい。
発現ベクターには、以上の他に、所望によりエンハンサー、スプライシングシグナル、ポリA付加シグナル、選択マーカー、SV40複製オリジン(以下、SV40oriと略称する場合がある)などを含有しているものを用いることができる。選択マーカーとしては、例えば、ジヒドロ葉酸還元酵素(以下、dhfrと略称する場合がある)遺伝子〔メソトレキセート(MTX)耐性〕、アンピシリン耐性遺伝子(以下、Amprと略称する場合がある)、ネオマイシン耐性遺伝子(以下、Neorと略称する場合がある、G418耐性)等があげられる。特に、dhfr遺伝子欠損チャイニーズハムスター細胞を用いてdhfr遺伝子を選択マーカーとして使用する場合、目的遺伝子をチミジンを含まない培地によっても選択できる。
また、必要に応じて、宿主に合ったシグナル配列を、本発明のポリペプチドのN端末側に付加する。宿主がエシェリヒア属菌である場合は、PhoA・シグナル配列、OmpA・シグナル配列などが、宿主がバチルス属菌である場合は、α−アミラーゼ・シグナル配列、サブチリシン・シグナル配列などが、宿主が酵母である場合は、MFα・シグナル配列、SUC2・シグナル配列など、宿主が動物細胞である場合には、インシュリン・シグナル配列、α−インターフェロン・シグナル配列、抗体分子・シグナル配列などがそれぞれ利用できる。
このようにして構築された本発明のポリペプチドをコードするDNAを含有するベクターを用いて、形質転換体を製造することができる。
宿主としては、例えば、エシェリヒア属菌、バチルス属菌、酵母、昆虫細胞、昆虫、動物細胞などが用いられる。
【0031】
エシェリヒア属菌の具体例としては、例えば、エシェリヒア・コリ(Escherichia coli)K12・DH1〔プロシージングズ・オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンシイズ・オブ・ザ・ユーエスエー(Proc. Natl. Acad. Sci. USA),60巻,160(1968)〕,JM103〔ヌクイレック・アシッズ・リサーチ,(Nucleic Acids Research),9巻,309(1981)〕,JA221〔ジャーナル・オブ・モレキュラー・バイオロジー(Journal of Molecular Biology)〕,120巻,517(1978)〕,HB101〔ジャーナル・オブ・モレキュラー・バイオロジー,41巻,459(1969)〕,C600〔ジェネティックス(Genetics),39巻,440(1954)〕などが用いられる。
バチルス属菌としては、例えば、バチルス・サブチルス(Bacillus subtilis)MI114〔ジーン,24巻,255(1983)〕,207−21〔ジャーナル・オブ・バイオケミストリー(Journal of Biochemistry),95巻,87(1984)〕などが用いられる。
酵母としては、例えば、サッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)AH22,AH22R-,NA87−11A,DKD−5D,20B−12、シゾサッカロマイセス・ポンベ(Schizosaccharomyces pombe)NCYC1913,NCYC2036、ピキア・パストリス(Pichia pastoris)KM71などが用いられる。
【0032】
昆虫細胞としては、例えば、ウイルスがAcNPVの場合は、ヨトウガの幼虫由来株化細胞(Spodoptera frugiperda cell;Sf細胞)、Trichoplusia niの中腸由来のMG1細胞、Trichoplusia niの卵由来のHigh FiveTM細胞、Mamestra brassicae由来の細胞またはEstigmena acrea由来の細胞などが用いられる。ウイルスがBmNPVの場合は、カイコ由来株化細胞(Bombyx mori N 細胞;BmN細胞)などが用いられる。該Sf細胞としては、例えば、Sf9細胞(ATCC CRL1711)、Sf21細胞(以上、Vaughn, J.L.ら、イン・ヴィボ(In Vivo),13, 213-217,(1977))などが用いられる。
昆虫としては、例えば、カイコの幼虫などが用いられる〔前田ら、ネイチャー(Nature),315巻,592(1985)〕。
動物細胞としては、例えば、サル細胞COS−7(COS7)、Vero、チャイニーズハムスター細胞CHO(以下、CHO細胞と略記)、dhfr遺伝子欠損チャイニーズハムスター細胞CHO(以下、CHO(dhfr-)細胞と略記)、マウスL細胞、マウスAtT−20、マウスミエローマ細胞、ラットGH3、ヒトFL細胞などが用いられる。
エシェリヒア属菌を形質転換するには、例えば、プロシージングズ・オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンジイズ・オブ・ザ・ユーエスエー(Proc. Natl. Acad. Sci. USA),69巻,2110(1972)やジーン(Gene),17巻,107(1982)などに記載の方法に従って行なうことができる。
バチルス属菌を形質転換するには、例えば、モレキュラー・アンド・ジェネラル・ジェネティックス(Molecular & General Genetics),168巻,111(1979)などに記載の方法に従って行なうことができる。
酵母を形質転換するには、例えば、メソッズ・イン・エンザイモロジー(Methods in Enzymology),194巻,182−187(1991)、プロシージングズ・オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンシイズ・オブ・ザ・ユーエスエー(Proc. Natl. Acad. Sci. USA),75巻,1929(1978)などに記載の方法に従って行なうことができる。
【0033】
昆虫細胞または昆虫を形質転換するには、例えば、バイオ/テクノロジー(Bio/Technology), 6, 47-55(1988)などに記載の方法に従って行なうことができる。
動物細胞を形質転換するには、例えば、細胞工学別冊8 新細胞工学実験プロトコール.263−267(1995)(秀潤社発行)、ヴィロロジー(Virology),52巻,456(1973)に記載の方法に従って行なうことができる。
このようにして、ポリペプチドをコードするDNAを含有する発現ベクターで形質転換された形質転換体を得ることができる。
宿主がエシェリヒア属菌、バチルス属菌である形質転換体を培養する際、培養に使用される培地としては液体培地が適当であり、その中には該形質転換体の生育に必要な炭素源、窒素源、無機物その他が含有せしめられる。炭素源としては、例えば、グルコース、デキストリン、可溶性澱粉、ショ糖など、窒素源としては、例えば、アンモニウム塩類、硝酸塩類、コーンスチープ・リカー、ペプトン、カゼイン、肉エキス、大豆粕、バレイショ抽出液などの無機または有機物質、無機物としては、例えば、塩化カルシウム、リン酸二水素ナトリウム、塩化マグネシウムなどがあげられる。また、酵母エキス、ビタミン類、生長促進因子などを添加してもよい。培地のpHは約5〜8が望ましい。
エシェリヒア属菌を培養する際の培地としては、例えば、グルコース、カザミノ酸を含むM9培地〔ミラー(Miller),ジャーナル・オブ・エクスペリメンツ・イン・モレキュラー・ジェネティックス(Journal of Experiments in Molecular Genetics),431−433,Cold Spring Harbor Laboratory, New York 1972〕が好ましい。ここに必要によりプロモーターを効率よく働かせるために、例えば、3β−インドリルアクリル酸のような薬剤を加えることができる。
【0034】
宿主がエシェリヒア属菌の場合、培養は通常約15〜43℃で約3〜24時間行ない、必要により、通気や撹拌を加えることもできる。
宿主がバチルス属菌の場合、培養は通常約30〜40℃で約6〜24時間行ない、必要により通気や撹拌を加えることもできる。
宿主が酵母である形質転換体を培養する際、培地としては、例えば、バークホールダー(Burkholder)最小培地〔Bostian, K. L. ら、プロシージングズ・オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンシイズ・オブ・ザ・ユーエスエー(Proc. Natl. Acad. Sci. USA),77巻,4505(1980)〕や0.5%カザミノ酸を含有するSD培地〔Bitter, G. A. ら、プロシージングズ・オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンシイズ・オブ・ザ・ユーエスエー(Proc. Natl. Acad. Sci. USA),81巻,5330(1984)〕があげられる。培地のpHは約5〜8に調整するのが好ましい。培養は通常約20℃〜35℃で約24〜72時間行ない、必要に応じて通気や撹拌を加える。
宿主が昆虫細胞または昆虫である形質転換体を培養する際、培地としては、Grace's Insect Medium(Grace, T.C.C.,ネイチャー(Nature),195,788(1962))に非働化した10%ウシ血清等の添加物を適宜加えたものなどが用いられる。培地のpHは約6.2〜6.4に調整するのが好ましい。培養は通常約27℃で約3〜5日間行ない、必要に応じて通気や撹拌を加える。
宿主が動物細胞である形質転換体を培養する際、培地としては、例えば、約5〜20%の胎児牛血清を含むMEM培地〔サイエンス(Science),122巻,501(1952)〕,DMEM培地〔ヴィロロジー(Virology),8巻,396(1959)〕,RPMI 1640培地〔ジャーナル・オブ・ザ・アメリカン・メディカル・アソシエーション(The Journal of the American Medical Association)199巻,519(1967)〕,199培地〔プロシージング・オブ・ザ・ソサイエティ・フォー・ザ・バイオロジカル・メディスン(Proceeding of the Society for the Biological Medicine),73巻,1(1950)〕などが用いられる。pHは約6〜8であるのが好ましい。培養は通常約30℃〜40℃で約15〜60時間行ない、必要に応じて通気や撹拌を加える。
以上のようにして、形質転換体の細胞内、細胞膜または細胞外などに本発明のポリペプチドを生成せしめることができる。
上記培養物から本発明のポリペプチドを分離精製するには、例えば、下記の方法により行なうことができる。
【0035】
本発明のポリペプチドを培養菌体あるいは細胞から抽出するに際しては、培養後、公知の方法で菌体あるいは細胞を集め、これを適当な緩衝液に懸濁し、超音波、リゾチームおよび/または凍結融解などによって菌体あるいは細胞を破壊したのち、遠心分離やろ過によりポリペプチドの粗抽出液を得る方法などが適宜用いられる。緩衝液の中に尿素や塩酸グアニジンなどのタンパク質変性剤や、トリトンX−100TMなどの界面活性剤が含まれていてもよい。培養液中にポリペプチドが分泌される場合には、培養終了後、公知の方法で菌体あるいは細胞と上清とを分離し、上清を集める。
このようにして得られた培養上清、あるいは抽出液中に含まれるポリペプチドの精製は、公知の分離・精製法を適宜組み合わせて行なうことができる。これらの公知の分離、精製法としては、塩析や溶媒沈澱法などの溶解度を利用する方法、透析法、限外ろ過法、ゲルろ過法、およびSDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動法などの主として分子量の差を利用する方法、イオン交換クロマトグラフィーなどの荷電の差を利用する方法、アフィニティークロマトグラフィーなどの特異的親和性を利用する方法、逆相高速液体クロマトグラフィーなどの疎水性の差を利用する方法、等電点電気泳動法などの等電点の差を利用する方法などが用いられる。
かくして得られるポリペプチドが遊離体で得られた場合には、公知の方法あるいはそれに準じる方法によって塩に変換することができ、逆に塩で得られた場合には公知の方法あるいはそれに準じる方法により、遊離体または他の塩に変換することができる。
なお、組換え体が産生するポリペプチドを、精製前または精製後に適当なタンパク質修飾酵素を作用させることにより、任意に修飾を加えたり、ポリペプチドを部分的に除去することもできる。タンパク質修飾酵素としては、例えば、トリプシン、キモトリプシン、アルギニルエンドペプチダーゼ、プロテインキナーゼ、グリコシダーゼなどが用いられる。
【0036】
以下に、本発明のスクリーニング方法について詳述する。
(i)本発明のレセプター、部分ペプチドもしくはその塩(以下、これらを本発明のレセプターと略記する場合がある)用い、または組換え型本発明のレセプターの発現系を用いたレセプター結合アッセイ系を用いることにより、および(ii)本発明のポリペプチドを用い、または組換え型本発明のポリペプチド発現系を用いたレセプター結合アッセイ系を用いることにより、本発明のレセプターと本発明のポリペプチドとの結合性を変化させる化合物(例えば、ペプチド、タンパク質、非ペプチド性化合物、合成化合物、発酵生産物など)またはその塩を効率よくスクリーニングすることがおできる。
該化合物またはその塩には、1)本発明のレセプターを介して細胞刺激活性(例えば、アラキドン酸遊離、アセチルコリン遊離、細胞内Ca2+遊離、細胞内cAMP生成、細胞内cAMP産生抑制、細胞内cGMP生成、イノシトールリン酸産生、細胞膜電位変動、細胞内タンパク質のリン酸化、c−fosの活性化、pHの低下、GTPγS結合活性などを促進する活性など)を有する化合物(アゴニスト)、2)上記細胞刺激活性を有しない化合物(アンタゴニスト)、3)本発明のレセプターと本発明のリガンドとの結合力を促進する化合物、4)本発明のレセプターと本発明のリガンドとの結合力を阻害する化合物などが含まれる。
【0037】
具体的には、本発明のレセプターに、本発明のポリペプチドを接触させた場合と(ii)本発明のレセプターに、本発明のポリペプチドおよび試験化合物を接触させた場合との比較を行なう。比較は、例えば、本発明のレセプターに対する本発明のポリペプチドの結合量、細胞刺激活性などを測定して行う。
本発明のスクリーニング方法としては、例えば、
▲1▼標識した本発明のポリペプチドを、本発明のレセプターに接触させた場合と、標識した本発明のポリペプチドおよび試験化合物を本発明のレセプターに接触させた場合における、標識した本発明のポリペプチドの本発明のレセプターに対する結合量を測定し、比較することを特徴とする本発明のポリペプチドと本発明のレセプターとの結合性を変化させる化合物またはその塩のスクリーニング方法、
▲2▼標識した本発明のポリペプチドを、本発明のレセプターを含有する細胞または該細胞の膜画分に接触させた場合と、標識した本発明のポリペプチドおよび試験化合物を本発明のレセプターを含有する細胞または該細胞の膜画分に接触させた場合における、標識した本発明のポリペプチドの該細胞または該膜画分に対する結合量を測定し、比較することを特徴とする本発明のポリペプチドと本発明のレセプターとの結合性を変化させる化合物またはその塩のスクリーニング方法、
▲3▼標識した本発明のポリペプチドを、本発明のレセプターをコードするDNAを含有する形質転換体を培養することによって細胞膜上に発現した本発明のレセプターに接触させた場合と、標識した本発明のポリペプチドおよび試験化合物を本発明のレセプターをコードするDNAを含有する形質転換体を培養することによって細胞膜上に発現した本発明のポリペプチドのレセプターに接触させた場合における、標識した本発明のポリペプチドの本発明のレセプターに対する結合量を測定し、比較することを特徴とする本発明のポリペプチドと本発明のレセプターとの結合性を変化させる化合物またはその塩のスクリーニング方法、
▲4▼本発明のポリペプチドを本発明のレセプターを含有する細胞に接触させた場合と、本発明のポリペプチドおよび試験化合物を本発明のレセプターを含有する細胞に接触させた場合における、本発明のレセプターを介した細胞刺激活性(例えば、アラキドン酸遊離、アセチルコリン遊離、細胞内Ca2+遊離、細胞内cAMP生成、細胞内cAMP産生抑制、細胞内cGMP生成、イノシトールリン酸産生、細胞膜電位変動、細胞内タンパク質のリン酸化、c−fosの活性化、pHの低下、GTPγS結合活性などを促進する活性または抑制する活性など)を測定し、比較することを特徴とする本発明のポリペプチドと本発明のレセプターとの結合性を変化させる化合物またはその塩のスクリーニング方法、および
▲5▼本発明のポリペプチドを本発明のレセプターをコードするDNAを含有する形質転換体を培養することによって細胞膜上に発現した本発明のレセプターに接触させた場合と、本発明のレセプターを活性化する化合物および試験化合物を、本発明のレセプターをコードするDNAを含有する形質転換体を培養することによって細胞膜上に発現した本発明のレセプターに接触させた場合における、本発明のレセプターを介する細胞刺激活性(例えば、アラキドン酸遊離、アセチルコリン遊離、細胞内Ca2+遊離、細胞内cAMP生成、細胞内cAMP産生抑制、細胞内cGMP生成、イノシトールリン酸産生、細胞膜電位変動、細胞内タンパク質のリン酸化、c−fosの活性化、pHの低下、GTPγS結合活性などを促進する活性または抑制する活性など)を測定し、比較することを特徴とする本発明のポリペプチドと本発明のレセプターとの結合性を変化させる化合物またはその塩のスクリーニング方法などが挙げられる。
【0038】
本発明のスクリーニング方法の具体的な説明を以下にする。
本発明のレセプターとしては、ヒトや非ヒト温血動物の臓器の膜画分などが好適に用いられる。しかし、特にヒト由来の臓器は入手が極めて困難なことから、スクリーニングに用いられるものとしては、組換え体を用いて大量発現させた本発明のレセプターなどが適している。
本発明のレセプターを製造するには、前述の本発明のレセプターの製造方法などが用いられる。
本発明のスクリーニング方法において、本発明のレセプターを含有する細胞あるいは該細胞膜画分などを用いる場合、後述の調製法に従えばよい。
本発明のレセプターを含有する細胞を用いる場合、該細胞をグルタルアルデヒド、ホルマリンなどで固定化してもよい。固定化方法は公知の方法に従って行うことができる。
本発明のレセプターを含有する細胞としては、本発明のレセプターを発現した宿主細胞をいうが、該宿主細胞としては、前述の大腸菌、枯草菌、酵母、昆虫細胞、動物細胞などが挙げられる。また、本発明のレセプターを発現した宿主細胞は、前述の本発明のポリペプチドを含有する発現ベクターで形質転換された形質転換体の製造方法と同様の方法などがあげられる。
膜画分としては、細胞を破砕した後、公知の方法で得られる細胞膜が多く含まれる画分のことをいう。細胞の破砕方法としては、Potter−Elvehjem型ホモジナイザーで細胞を押し潰す方法、ワーリングブレンダーやポリトロン(Kinematica社製)による破砕、超音波による破砕、フレンチプレスなどで加圧しながら細胞を細いノズルから噴出させることによる破砕などがあげられる。細胞膜の分画には、分画遠心分離法や密度勾配遠心分離法などの遠心力による分画法が主として用いられる。例えば、細胞破砕液を低速(500rpm〜3000rpm)で短時間(通常、約1分〜10分)遠心し、上清をさらに高速(15000rpm〜30000rpm)で通常30分〜2時間遠心し、得られる沈澱を膜画分とする。該膜画分中には、発現した本発明のレセプターと細胞由来のリン脂質や膜タンパク質などの膜成分が多く含まれる。
該本発明のレセプターを含有する細胞や膜画分中の本発明のレセプターの量は、1細胞当たり103〜108分子であるのが好ましく、105〜107分子であるのが好適である。なお、発現量が多いほど膜画分当たりのリガンド結合活性(比活性)が高くなり、高感度なスクリーニング系の構築が可能になるばかりでなく、同一ロットで大量の試料を測定できるようになる。
【0039】
前記▲1▼〜▲3▼のスクリーニング方法を実施するためには、適当な本発明のレセプター画分と、標識した本発明のポリペプチドなどが用いられる。本発明のレセプター画分としては、天然型の本発明のレセプター画分か、またはそれと同等の活性を有する組換え型本発明のレセプター画分などが望ましい。ここで、同等の活性とは、同等のリガンド結合活性などを示す。標識したリガンドとしては、標識したリガンド、標識したリガンドアナログ化合物などが用いられる。例えば〔3H〕、〔125I〕、〔14C〕、〔35S〕などで標識されたリガンドなどを利用することができる。
具体的には、本発明のポリペプチドと本発明のレセプターとの結合性を変化させる化合物のスクリーニングを行うには、まず本発明のレセプターを含有する細胞または細胞の膜画分を、スクリーニングに適したバッファーに懸濁することによりレセプター標品を調製する。バッファーには、pH4〜10(望ましくはpH6〜8)のリン酸バッファー、トリス−塩酸バッファーなどのリガンドとレセプターとの結合を阻害しないバッファーであればいずれでもよい。また、非特異的結合を低減させる目的で、CHAPS、Tween−80TM(花王−アトラス社)、ジギトニン、デオキシコレートなどの界面活性剤をバッファーに加えることもできる。さらに、プロテアーゼによる本発明のレセプターや本発明のポリペプチドの分解を抑える目的でPMSF、ロイペプチン、E−64(ペプチド研究所製)、ペプスタチンなどのプロテアーゼ阻害剤を添加することもできる。0.01ml〜10mlの該レセプター溶液に、一定量(5000cpm〜500000cpm)の標識した本発明のポリペプチドを添加し、同時に10-10〜10-7Mの試験化合物を共存させる。非特異的結合量(NSB)を知るために大過剰の未標識の本発明のポリペプチドを加えた反応チューブも用意する。反応は0℃〜50℃、望ましくは4℃〜37℃で20分〜24時間、望ましくは30分〜3時間行う。反応後、ガラス繊維濾紙等で濾過し、適量の同バッファーで洗浄した後、ガラス繊維濾紙に残存する放射活性を液体シンチレーションカウンターまたはγ−カウンターで計測する。拮抗する物質がない場合のカウント(B0)から非特異的結合量(NSB)を引いたカウント(B0−NSB)を100%とした時、特異的結合量(B−NSB)が例えば50%以下になる試験化合物を拮抗阻害能力のある候補物質として選択することができる。
【0040】
前記▲4▼〜▲5▼のスクリーニング方法を実施するためには、本発明のレセプターを介する細胞刺激活性(例えば、アラキドン酸遊離、アセチルコリン遊離、細胞内Ca2+遊離、細胞内cAMP生成、細胞内cAMP産生抑制、細胞内cGMP生成、イノシトールリン酸産生、細胞膜電位変動、細胞内タンパク質のリン酸化、c−fosの活性化、pHの低下、GTPγS結合活性などを促進する活性または抑制する活性など)を、公知の方法または市販の測定用キットを用いて測定することができる。具体的には、まず、本発明のレセプターを含有する細胞をマルチウェルプレート等に培養する。スクリーニングを行うにあたっては前もって新鮮な培地あるいは細胞に毒性を示さない適当なバッファーに交換し、試験化合物などを添加して一定時間インキュベートした後、細胞を抽出あるいは上清液を回収して、生成した産物をそれぞれの方法に従って定量する。細胞刺激活性の指標とする物質(例えば、アラキドン酸など)の生成が、細胞が含有する分解酵素によって検定困難な場合は、該分解酵素に対する阻害剤を添加してアッセイを行なってもよい。また、cAMP産生抑制などの活性については、フォルスコリンなどで細胞の基礎的産生量を増大させておいた細胞に対する産生抑制作用として検出することができる。
細胞刺激活性を測定してスクリーニングを行なうには、適当な本発明のレセプターを発現した細胞が必要である。本発明のレセプターを発現した細胞としては、前述の本発明のレセプター発現細胞株などが望ましい。
試験化合物としては、例えばペプチド、タンパク質、非ペプチド性化合物、合成化合物、発酵生産物、細胞抽出液、植物抽出液、動物組織抽出液などがあげられる。
【0041】
本発明のポリペプチドと本発明のレセプターとの結合性を変化させる化合物またはその塩のスクリーニング用キットは、本発明のレセプターまたは本発明のレセプターを含有する細胞もしくは細胞の膜画分、および本発明のポリペプチドを含有する。
本発明のスクリーニング用キットの例としては、次のものが挙げられる。
1.スクリーニング用試薬
(a)測定用緩衝液および洗浄用緩衝液
Hanks' Balanced Salt Solution(ギブコ社製)に、0.05%のウシ血清アルブミン(シグマ社製)を加えたもの。
孔径0.45μmのフィルターで濾過滅菌し、4℃で保存するか、または用時調製しても良い。
(b)本発明のレセプター標品
本発明のレセプターを発現させたCHO細胞を、12穴プレートに5×105個/穴で継代し、37℃、5%CO2、95%airで2日間培養したもの。
(c)標識リガンド
3H〕、〔125I〕、〔14C〕、〔35S〕などで標識した本発明のポリペプチドを適当な溶媒または緩衝液に溶解したものを、4℃または−20℃にて保存し、用時に測定用緩衝液にて1μMに希釈する。
(d)リガンド標準液
本発明のポリペプチドを0.1%ウシ血清アルブミン(シグマ社製)を含むPBSで1mMとなるように溶解し、−20℃で保存する。
【0042】
2.測定法
(a)12穴組織培養用プレートにて培養した本発明のレセプターを発現させた細胞を、測定用緩衝液1mlで2回洗浄した後、490μlの測定用緩衝液を各穴に加える。
(b)10-3〜10-10Mの試験化合物溶液を5μl加えた後、標識した本発明のペプチドを5μl加え、室温にて1時間反応させる。非特異的結合量を知るためには試験化合物の代わりに10-3Mの本発明のポリペプチドを5μl加えておく。
(c)反応液を除去し、1mlの洗浄用緩衝液で3回洗浄する。細胞に結合した標識された本発明のポリペプチドを0.2N NaOH−1%SDSで溶解し、4mlの液体シンチレーターA(和光純薬製)と混合する。
(d)液体シンチレーションカウンター(ベックマン社製)を用いて放射活性を測定し、Percent Maximum Binding(PMB)を次式で求める。
PMB=[(B−NSB)/(B0−NSB)]×100
PMB:Percent Maximum Binding
B :検体を加えた時の値
NSB:Non-specific Binding(非特異的結合量)
0 :最大結合量
【0043】
本発明のスクリーニング方法またはスクリーニング用キットを用いて得られうる化合物またはその塩は、本発明のポリペプチドと本発明のレセプターとの結合を変化させる化合物あるいは本発明のレセプターの活性を促進または阻害する化合物であり、具体的には、1)本発明のレセプターを介して細胞刺激活性を有する化合物またはその塩(本発明のレセプターアゴニスト)、2)該刺激活性を有しない化合物(本発明のレセプターアンタゴニスト)、3)本発明のレセプターと本発明のリガンドとの結合力を促進する化合物、4)本発明のレセプターと本発明のリガンドとの結合力を阻害する化合物などである。該化合物としては、ペプチド、タンパク質、非ペプチド性化合物、合成化合物、発酵生産物、細胞抽出液、植物抽出液、動物組織抽出液、血漿などから選ばれた化合物などが挙げられ、これら化合物は新規な化合物であってもよいし、公知の化合物であってもよい。
該化合物の塩としては、前記した本発明のポリペプチドの塩と同様のものが用いられる。
【0044】
上記本発明のレセプターアゴニストであるか、またはアンタゴニストであるかの評価方法は、例えば、以下の(i)または(ii)に従えばよい。
(i)前記▲1▼〜▲3▼のスクリーニング方法で示されるバインディング・アッセイを行い、本発明のポリペプチドと本発明のレセプターとの結合性を変化させる(特に、結合を阻害する)化合物を得た後、該化合物が上記した本発明のレセプターを介する細胞刺激活性を有しているか否かを測定する。細胞刺激活性を有する化合物またはその塩は本発明のレセプターアゴニストであり、該活性を有しない化合物またはその塩は本発明のレセプターアンタゴニストである。
(ii)(a)試験化合物を本発明のレセプターを含有する細胞に接触させ、本発明のレセプターを介した細胞刺激活性を測定する。細胞刺激活性を有する化合物またはその塩は本発明のレセプターアゴニストである。
(b)本発明のポリペプチドを本発明のレセプターを含有する細胞に接触させた場合と、本発明のポリペプチドおよび試験化合物を本発明のレセプターを含有する細胞に接触させた場合における、本発明のレセプターを介した細胞刺激活性を測定し、比較する。本発明のレセプターを活性化する化合物による細胞刺激活性を減少させ得る化合物またはその塩は本発明のレセプターアンタゴニストである。
【0045】
本発明のレセプターアゴニストは、本発明のレセプターに対する本発明のポリペプチドが有する生理活性〔例、食欲(摂食)増進作用〕と同様の作用を有しており、安全で低毒性な医薬(例えば、拒食症の予防・治療剤、食欲(摂食)促進剤等)として有用である。
本発明のレセプターアンタゴニストは、本発明のレセプターに対する本発明のポリペプチドが有する生理活性〔例、食欲(摂食)増進作用〕を抑制することができるので、安全で低毒性な医薬、例えば、肥満症〔例、悪性肥満細胞症(malignant mastocytosis)、外因性肥満 (exogenous obesity)、過インシュリン性肥満症(hyperinsulinar obesity)、過血漿性肥満(hyperplasmic obesity)、下垂体性肥満(hypophyseal adiposity)、減血漿性肥満症(hypoplasmic obesity)、甲状腺機能低下肥満症(hypothyroid obesity)、視床下部性肥満(hypothalamic obesity)、症候性肥満症(symptomatic obesity)、小児肥満 (infantile obesity)、上半身肥満(upper body obesity)、食事性肥満症 (alimentary obesity)、性機能低下性肥満(hypogonadal obesity)、全身性肥満細胞症(systemic mastocytosis)、単純性肥満(simple obesity)、中心性肥満(central obesity)など〕、摂食亢進症(hyperphagia)などの予防・治療剤として有用である。
本発明のレセプターと本発明のリガンドとの結合力を促進する化合物は、安全で低毒性な医薬(例えば、拒食症の予防・治療剤、食欲(摂食)促進剤等)として有用である。
本発明のレセプターと本発明のリガンドとの結合力を阻害する化合物は、安全で低毒性な医薬、例えば、肥満症〔例、悪性肥満細胞症、外因性肥満、過インシュリン性肥満症、過血漿性肥満、下垂体性肥満、減血漿性肥満症、甲状腺機能低下肥満症、視床下部性肥満、症候性肥満症、小児肥満、上半身肥満、食事性肥満症、性機能低下性肥満、全身性肥満細胞症、単純性肥満、中心性肥満など〕、摂食亢進症などの予防・治療剤として有用である。
【0046】
本発明のスクリーニング方法またはスクリーニング用キットを用いて得られる化合物またはその塩を上記の医薬(予防・治療剤)として使用する場合、常套手段に従って実施することができる。
該化合物またはその塩は、例えば、必要に応じて糖衣を施した錠剤、カプセル剤、エリキシル剤、マイクロカプセル剤などとして経口的に、あるいは水もしくはそれ以外の薬学的に許容し得る液との無菌性溶液、または懸濁液剤などの注射剤の形で非経口的(例、静脈投与、皮下投与、経鼻投与等)に使用できる。例えば、本発明のポリペプチドを生理学的に認められる担体、香味剤、賦形剤、ベヒクル、防腐剤、安定剤、結合剤などとともに一般に認められた製剤実施に要求される単位用量形態で混和することによって製造することができる。これら製剤における有効成分量は指示された範囲の適当な用量が得られるようにするものである。
【0047】
錠剤、カプセル剤などに混和することができる添加剤としては、例えば、ゼラチン、コーンスターチ、トラガント、アラビアゴムのような結合剤、結晶性セルロースのような賦形剤、コーンスターチ、ゼラチン、アルギン酸などのような膨化剤、ステアリン酸マグネシウムのような潤滑剤、ショ糖、乳糖またはサッカリンのような甘味剤、ペパーミント、アカモノ油またはチェリーのような香味剤などが用いられる。調剤単位形態がカプセルである場合には、前記タイプの材料にさらに油脂のような液状担体を含有することができる。注射のための無菌組成物は注射用水のようなベヒクル中の活性物質、胡麻油、椰子油などのような天然産出植物油などを溶解または懸濁させるなどの通常の製剤実施に従って処方することができる。
注射用の水性液としては、例えば、生理食塩水、ブドウ糖やその他の補助薬を含む等張液(例えば、D−ソルビトール、D−マンニトール、塩化ナトリウムなど)などがあげられ、適当な溶解補助剤、例えば、アルコール(例えば、エタノールなど)、ポリアルコール(例えば、プロピレングリコール、ポリエチレングリコールなど)、非イオン性界面活性剤(例えば、ポリソルベート80TM、HCO−50など)などと併用してもよい。油性液としては、例えば、ゴマ油、大豆油などがあげられ、溶解補助剤として安息香酸ベンジル、ベンジルアルコールなどと併用してもよい。また、該化合物またはその塩を、緩衝剤(例えば、リン酸塩緩衝液、酢酸ナトリウム緩衝液など)、無痛化剤(例えば、塩化ベンザルコニウム、塩酸プロカインなど)、安定剤(例えば、ヒト血清アルブミン、ポリエチレングリコールなど)、保存剤(例えば、ベンジルアルコール、フェノールなど)、酸化防止剤などと配合してもよい。調製された注射液は、通常、適当なアンプルに充填される。
このようにして得られる製剤は安全で低毒性であるので、例えば、ヒトまたは非ヒト温血動物(例えば、マウス、ラット、ウサギ、ヒツジ、ブタ、ウシ、ウマ、トリ、ネコ、イヌ、サル、チンパンジーなど)に対して投与することができる。
【0048】
該化合物またはその塩の投与量は、その作用、対象疾患、投与対象、投与ルートなどにより差異はある。
例えば、拒食症患者(体重60kg当たり)に、一日につき該化合物(アゴニスト)を約0.1〜100mg、好ましくは約1.0〜50mg、より好ましくは約1.0〜20mg経口投与する。非経口的に投与する場合、例えば、該化合物を注射剤の形で拒食症患者(60kg当たり)に投与する場合、一日につき該化合物を約0.01〜30mg程度、好ましくは約0.1〜20mg程度、より好ましくは約0.1〜10mg程度を静脈注射により投与するのが好都合である。好ましくは、中枢に投与する、または中枢移行性の高い投薬形態により投与する。他の動物の場合も、60kg当たりに換算した量を投与することができる。
また、例えば、肥満症患者(体重60kg当たり)に、一日につき該化合物(アンタゴニスト)を約0.1〜100mg、好ましくは約1.0〜50mg、より好ましくは約1.0〜20mg経口投与する。非経口的に投与する場合、例えば、該化合物を注射剤の形で肥満症患者(60kg当たり)に投与する場合、一日につき該化合物を約0.01〜30mg程度、好ましくは約0.1〜20mg程度、より好ましくは約0.1〜10mg程度を静脈注射により投与するのが好都合である。好ましくは、中枢に投与する、または中枢移行性の高い投薬形態により投与する。他の動物の場合も、60kg当たりに換算した量を投与することができる。
【0049】
さらに、本発明は、(a)本発明のレセプター、(b)本発明のDNA、(c)本発明の抗体、および(d)アンチセンスDNAの用途も提供する。以下、本発明のレセプター、レセプターまたはその部分ペプチドをコードするDNAを本発明のDNAと略記する場合がある。
(1)本発明のレセプターが関与する疾患の予防・治療剤
本発明のレセプターが本発明のポリペプチドに応答すると、摂食行動が促進される。
従って本発明のレセプターまたは本発明のDNAに異常があったり、欠損している場合、または本発明のレセプターまたは該レセプターをコードするDNAに異常があったり、欠損している場合には、例えば、拒食症、食欲不振症等となる可能性が高い。従って、本発明のレセプターおよび該レセプターをコードするポリヌクレオチド(例、DNA)は、例えば、拒食症の予防・治療剤、食欲(摂食)促進剤等として使用することができる。
【0050】
本発明のレセプターおよび本発明のDNAは、例えば、生体内において本発明のレセプターが減少あるいは欠損している患者がいる場合に、(イ)本発明のDNAを該患者に投与し、生体内で本発明のレセプターを発現させることによって、(ロ)細胞に本発明のDNAを挿入し、本発明のレセプターを発現させた後に、該細胞を患者に移植することによって、または(ハ)本発明のレセプターを該患者に投与することなどによって、該患者における本発明のレセプターの役割を十分に、あるいは正常に発揮させることができる。
本発明のDNAを上記の予防・治療剤として使用する場合は、該DNAを単独あるいはレトロウイルスベクター、アデノウイルスベクター、アデノウイルスアソシエーテッドウイルスベクターなどの適当なベクターに挿入した後、常套手段に従って、ヒトまたは非ヒト温血動物に投与することができる。本発明のDNAは、そのままで、あるいは摂取促進のための補助剤などの生理学的に認められる担体とともに製剤化し、遺伝子銃やハイドロゲルカテーテルのようなカテーテルによって投与できる。
本発明のレセプターを上記の予防・治療剤として使用する場合は、少なくとも90%、好ましくは95%以上、より好ましくは98%以上、さらに好ましくは99%以上に精製されたものを使用するのが好ましい。
本発明のレセプターは、例えば、必要に応じて糖衣を施した錠剤、カプセル剤、エリキシル剤、マイクロカプセル剤などとして経口的に、あるいは水もしくはそれ以外の薬学的に許容し得る液との無菌性溶液、または懸濁液剤などの注射剤の形で非経口的(例、静脈投与、皮下投与、経鼻投与等、好ましくは皮下投与)に使用できる。例えば、本発明のレセプターを生理学的に認められる担体、香味剤、賦形剤、ベヒクル、防腐剤、安定剤、結合剤などとともに一般に認められた製剤実施に要求される単位用量形態で混和することによって製造することができる。これら製剤における有効成分量は指示された範囲の適当な用量が得られるようにするものである。
【0051】
錠剤、カプセル剤などに混和することができる添加剤としては、例えば、ゼラチン、コーンスターチ、トラガント、アラビアゴムのような結合剤、結晶性セルロースのような賦形剤、コーンスターチ、ゼラチン、アルギン酸などのような膨化剤、ステアリン酸マグネシウムのような潤滑剤、ショ糖、乳糖またはサッカリンのような甘味剤、ペパーミント、アカモノ油またはチェリーのような香味剤などが用いられる。調剤単位形態がカプセルである場合には、前記タイプの材料にさらに油脂のような液状担体を含有することができる。注射のための無菌組成物は注射用水のようなベヒクル中の活性物質、胡麻油、椰子油などのような天然産出植物油などを溶解または懸濁させるなどの通常の製剤実施に従って処方することができる。
注射用の水性液としては、例えば、生理食塩水、ブドウ糖やその他の補助薬を含む等張液(例えば、D−ソルビトール、D−マンニトール、塩化ナトリウムなど)などがあげられ、適当な溶解補助剤、例えば、アルコール(例えば、エタノールなど)、ポリアルコール(例えば、プロピレングリコール、ポリエチレングリコールなど)、非イオン性界面活性剤(例えば、ポリソルベート80TM、HCO−50など)などと併用してもよい。油性液としては、例えば、ゴマ油、大豆油などがあげられ、溶解補助剤として安息香酸ベンジル、ベンジルアルコールなどと併用してもよい。また、緩衝剤(例えば、リン酸塩緩衝液、酢酸ナトリウム緩衝液など)、無痛化剤(例えば、塩化ベンザルコニウム、塩酸プロカインなど)、安定剤(例えば、ヒト血清アルブミン、ポリエチレングリコールなど)、保存剤(例えば、ベンジルアルコール、フェノールなど)、酸化防止剤などと配合してもよい。調製された注射液は、通常、適当なアンプルに充填される。
本発明のDNAが挿入されたベクターも上記と同様に製剤化され、通常、非経口的に使用される。
このようにして得られる製剤は、安全で低毒性であるので、例えば、ヒトまたは非ヒト温血動物(例えば、ラット、マウス、モルモット、ウサギ、トリ、ヒツジ、ブタ、ウシ、ウマ、ネコ、イヌ、サル、など)に対して投与することができる。
【0052】
本発明のレセプターの投与量は、対象疾患、投与対象、投与ルートなどにより差異はあるが、例えば、食欲促進剤として本発明のレセプターを皮下投与する場合、一般的に成人(60kgとして)においては、一日につき該レセプターを約0.1mg〜100mg、好ましくは約1.0〜50mg、より好ましくは約1.0〜20mg投与する。好ましくは、中枢に投与する、または中枢移行性の高い投薬形態により投与する。他の動物の場合も、60kg当たりに換算した量を投与することができる。
【0053】
(2)遺伝子診断薬
本発明のDNAは、例えば、プローブとして使用することにより、ヒトまたは非ヒト温血動物(例えば、ラット、マウス、モルモット、ウサギ、トリ、ヒツジ、ブタ、ウシ、ウマ、ネコ、イヌ、サル、など)における本発明のレセプターをコードするDNAまたはmRNAの異常(遺伝子異常)を検出することができるので、例えば、該DNAまたはmRNAの損傷、突然変異あるいは発現低下や、該DNAまたはmRNAの増加あるいは発現過多などの遺伝子診断薬として有用である。
本発明のDNAを用いる上記の遺伝子診断は、例えば、公知のノーザンハイブリダイゼーションやPCR−SSCP法(ゲノミックス(Genomics),第5巻,874〜879頁(1989年)、プロシージングズ・オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンシイズ・オブ・ユーエスエー(Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America),第86巻,2766〜2770頁(1989年))などにより実施することができる。
例えば、ノーザンハイブリダイゼーションにより発現低下が検出された場合は、例えば、拒食症である可能性が高いまたは将来拒食症となる可能性が高いと診断することができる。
また、ノーザンハイブリダイゼーションにより発現過多が検出された場合は、例えば、肥満症である可能性が高いまたは将来肥満症となる可能性が高いと診断することができる。
【0054】
(3)抗体を含有する抗肥満薬およひ診断薬
本発明のレセプターに対する抗体(以下、単に本発明の抗体と称する場合がある)は、本発明のレセプターもしくはその部分ペプチドまたはその塩に対する抗体を認識し得る抗体であれば、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体の何れであってもよい。
本発明のレセプターに対する抗体は、本発明のレセプターを抗原として用い、公知の抗体または抗血清の製造法に従って製造することができる。
〔モノクローナル抗体の作製〕
(a)モノクローナル抗体産生細胞の作製
本発明のレセプターは、温血動物に対して投与により抗体産生が可能な部位にそれ自体あるいは担体、希釈剤とともに投与される。投与に際して抗体産生能を高めるため、完全フロイントアジュバントや不完全フロイントアジュバントを投与してもよい。投与は通常2〜6週毎に1回ずつ、計2〜10回程度行われる。用いられる温血動物としては、例えば、サル、ウサギ、イヌ、モルモット、マウス、ラット、ヒツジ、ヤギ、ニワトリがあげられるが、マウスおよびラットが好ましく用いられる。
モノクローナル抗体産生細胞の作製に際しては、抗原で免疫された温血動物、例えばマウスから抗体価の認められた個体を選択し最終免疫の2〜5日後に脾臓またはリンパ節を採取し、それらに含まれる抗体産生細胞を同種または異種動物の骨髄腫細胞と融合させることにより、モノクローナル抗体産生ハイブリドーマを調製することができる。抗血清中の抗体価の測定は、例えば、後記の標識化レセプターと抗血清とを反応させたのち、抗体に結合した標識剤の活性を測定することにより行なうことができる。融合操作は既知の方法、例えば、ケーラーとミルスタインの方法〔ネイチャー(Nature)、256、495 (1975)〕に従い実施することができる。融合促進剤としては、例えば、ポリエチレングリコール(PEG)やセンダイウィルスなどがあげられるが、好ましくはPEGが用いられる。
骨髄腫細胞としては、例えば、NS−1、P3U1、SP2/0、AP−1などの温血動物の骨髄腫細胞があげられるが、P3U1が好ましく用いられる。用いられる抗体産生細胞(脾臓細胞)数と骨髄腫細胞数との好ましい比率は1:1〜20:1程度であり、PEG(好ましくはPEG1000〜PEG6000)が10〜80%程度の濃度で添加され、20〜40℃、好ましくは30〜37℃で1〜10分間インキュベートすることにより効率よく細胞融合を実施できる。
モノクローナル抗体産生ハイブリドーマのスクリーニングには種々の方法が使用できるが、例えば、レセプター抗原を直接あるいは担体とともに吸着させた固相(例、マイクロプレート)にハイブリドーマ培養上清を添加し、次に放射性物質や酵素などで標識された抗免疫グロブリン抗体(細胞融合に用いられる細胞がマウスの場合、抗マウス免疫グロブリン抗体が用いられる)またはプロテインAを加え、固相に結合したモノクローナル抗体を検出する方法、抗免疫グロブリン抗体またはプロテインAを吸着させた固相にハイブリドーマ培養上清を添加し、放射性物質や酵素などで標識されたレセプターを加え、固相に結合したモノクローナル抗体を検出する方法などがあげられる。
モノクローナル抗体の選別は、公知あるいはそれに準じる方法に従って行なうことができる。通常HAT(ヒポキサンチン、アミノプテリン、チミジン)を添加した動物細胞用培地で行なうことができる。選別および育種用培地としては、ハイブリドーマが生育できるものならばどのような培地を用いても良い。例えば、1〜20%、好ましくは10〜20%の牛胎児血清を含むRPMI 1640培地、1〜10%の牛胎児血清を含むGIT培地(和光純薬工業(株))あるいはハイブリドーマ培養用無血清培地(SFM−101、日水製薬(株))などを用いることができる。培養温度は、通常20〜40℃、好ましくは約37℃である。培養時間は、通常5日〜3週間、好ましくは1週間〜2週間である。培養は、通常5%炭酸ガス下で行なうことができる。ハイブリドーマ培養上清の抗体価は、上記の抗血清中の抗体価の測定と同様にして測定できる。
(b)モノクローナル抗体の精製
モノクローナル抗体の分離精製は、公知の方法、例えば、免疫グロブリンの分離精製法〔例、塩析法、アルコール沈殿法、等電点沈殿法、電気泳動法、イオン交換体(例、DEAE)による吸脱着法、超遠心法、ゲルろ過法、抗原結合固相あるいはプロテインAあるいはプロテインGなどの活性吸着剤により抗体のみを採取し、結合を解離させて抗体を得る特異的精製法〕に従って行なうことができる。
【0055】
〔ポリクローナル抗体の作製〕
本発明のポリクローナル抗体は、公知あるいはそれに準じる方法に従って製造することができる。例えば、免疫抗原(レセプター抗原)自体、あるいはそれとキャリアータンパク質との複合体をつくり、上記のモノクローナル抗体の製造法と同様に温血動物に免疫を行ない、該免疫動物から本発明のレセプターに対する抗体含有物を採取して、抗体の分離精製を行なうことにより製造することができる。
温血動物を免疫するために用いられる免疫抗原とキャリアータンパク質との複合体に関し、キャリアータンパク質の種類およびキャリアーとハプテンとの混合比は、キャリアーに架橋させて免疫したハプテンに対して抗体が効率良くできれば、どの様なものをどの様な比率で架橋させてもよいが、例えば、ウシ血清アルブミンやウシサイログロブリン、ヘモシアニン等を重量比でハプテン1に対し、約0.1〜20、好ましくは約1〜5の割合でカプルさせる方法が用いられる。
また、ハプテンとキャリアーのカプリングには、種々の縮合剤を用いることができるが、グルタルアルデヒドやカルボジイミド、マレイミド活性エステル、チオール基、ジチオビリジル基を含有する活性エステル試薬等が用いられる。
縮合生成物は、温血動物に対して、抗体産生が可能な部位にそれ自体あるいは担体、希釈剤とともに投与される。投与に際して抗体産生能を高めるため、完全フロイントアジュバントや不完全フロイントアジュバントを投与してもよい。投与は、通常約2〜6週毎に1回ずつ、計約3〜10回程度行なわれる。
ポリクローナル抗体は、上記の方法で免疫された温血動物の血液、腹水など、好ましくは血液から採取することができる。
抗血清中のポリクローナル抗体価の測定は、上記の抗血清中の抗体価の測定と同様にして測定できる。ポリクローナル抗体の分離精製は、上記のモノクローナル抗体の分離精製と同様の免疫グロブリンの分離精製法に従って行なうことができる。
【0056】
本発明の抗体は、例えば、肥満症〔例、悪性肥満細胞症、外因性肥満、過インシュリン性肥満症、過血漿性肥満、下垂体性肥満、減血漿性肥満症、甲状腺機能低下肥満症、視床下部性肥満、症候性肥満症、小児肥満、上半身肥満、食事性肥満症、性機能低下性肥満、全身性肥満細胞症、単純性肥満、中心性肥満など〕、摂食亢進症などの予防・治療剤、好ましくは抗肥満薬などとして使用することができる。
本発明の抗体を含有する上記疾患の予防・治療剤は、そのまま液剤として、または適当な剤型の医薬組成物として、ヒトまたは非ヒト哺乳動物(例、ラット、ウサギ、ヒツジ、ブタ、ウシ、ネコ、イヌ、サルなど)に対して経口的または非経口的に投与することができる。投与量は、投与対象、対象疾患、症状、投与ルートなどによっても異なるが、例えば、成人の抗肥満薬として使用する場合には、本発明の抗体を1回量として、通常0.01〜20mg/kg体重程度、好ましくは0.1〜10mg/kg体重程度、さらに好ましくは0.1〜5mg/kg体重程度を、1日1〜5回程度、好ましくは1日1〜3回程度、静脈注射により投与するのが好都合である。他の非経口投与および経口投与の場合もこれに準ずる量を投与することができる。症状が特に重い場合には、その症状に応じて増量してもよい。
本発明の抗体は、それ自体または適当な医薬組成物として投与することができる。上記投与に用いられる医薬組成物は、上記またはその塩と薬理学的に許容され得る担体、希釈剤もしくは賦形剤とを含むものである。かかる組成物は、経口または非経口投与に適する剤形として提供される。
すなわち、例えば、経口投与のための組成物としては、固体または液体の剤形、具体的には錠剤(糖衣錠、フィルムコーティング錠を含む)、丸剤、顆粒剤、散剤、カプセル剤(ソフトカプセル剤を含む)、シロップ剤、乳剤、懸濁剤などがあげられる。かかる組成物は公知の方法によって製造され、製剤分野において通常用いられる担体、希釈剤もしくは賦形剤を含有するものである。例えば、錠剤用の担体、賦形剤としては、乳糖、でんぷん、蔗糖、ステアリン酸マグネシウムなどが用いられる。
【0057】
非経口投与のための組成物としては、例えば、注射剤、坐剤などが用いられ、注射剤は静脈注射剤、皮下注射剤、皮内注射剤、筋肉注射剤、点滴注射剤などの剤形を包含する。かかる注射剤は、公知の方法に従って、例えば、上記抗体またはその塩を通常注射剤に用いられる無菌の水性もしくは油性液に溶解、懸濁または乳化することによって調製する。注射用の水性液としては、例えば、生理食塩水、ブドウ糖やその他の補助薬を含む等張液などが用いられ、適当な溶解補助剤、例えば、アルコール(例、エタノール)、ポリアルコール(例、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール)、非イオン界面活性剤〔例、ポリソルベート80、HCO−50(polyoxyethylene(50mol)adduct of hydrogenated castor oil)〕などと併用してもよい。油性液としては、例えば、ゴマ油、大豆油などが用いられ、溶解補助剤として安息香酸ベンジル、ベンジルアルコールなどを併用してもよい。調製された注射液は、通常、適当なアンプルに充填される。直腸投与に用いられる坐剤は、上記抗体またはその塩を通常の坐薬用基剤に混合することによって調製される。
上記の経口用または非経口用医薬組成物は、活性成分の投与量に適合するような投薬単位の剤形に調製されることが好都合である。かかる投薬単位の剤形としては、錠剤、丸剤、カプセル剤、注射剤(アンプル)、坐剤などが例示され、それぞれの投薬単位剤形当たり通常5〜500mg、とりわけ注射剤では5〜100mg、その他の剤形では10〜250mgの上記抗体が含有されていることが好ましい。
なお前記した各組成物は、上記抗体との配合により好ましくない相互作用を生じない限り他の活性成分を含有してもよい。
【0058】
(5)アンチセンスDNAを含有する医薬
本発明のレセプター、レセプターまたはその部分ペプチドをコードするDNAに相補的な、または実質的に相補的な塩基配列を有するアンチセンスDNA(以下、これらのDNAをアンチセンスDNAと略記する場合がある)としては、本発明のDNAに相補的な、または実質的に相補的な塩基配列を有し、該DNAの発現を抑制し得る作用を有するものであれば、いずれのアンチセンスDNAであってもよい。
本発明のDNAに実質的に相補的な塩基配列とは、例えば、本発明のDNAに相補的な塩基配列(すなわち、本発明のDNAの相補鎖)の全塩基配列あるいは部分塩基配列と約70%以上、好ましくは約80%以上、より好ましくは約90%以上、最も好ましくは約95%以上の相同性を有する塩基配列などがあげられる。特に、本発明のDNAの相補鎖の全塩基配列うち、本発明のレセプターのN末端部位をコードする部分の塩基配列(例えば、開始コドン付近の塩基配列など)の相補鎖と約70%以上、好ましくは約80%以上、より好ましくは約90%以上、最も好ましくは約95%以上の相同性を有するアンチセンスDNAが好適である。これらのアンチセンスDNAは、公知のDNA合成装置などを用いて製造することができる。
【0059】
本発明のDNAに相補的に結合し、該DNAの発現を抑制することができるアンチセンスDNAは、例えば、肥満症〔例、悪性肥満細胞症、外因性肥満、過インシュリン性肥満症、過血漿性肥満、下垂体性肥満、減血漿性肥満症、甲状腺機能低下肥満症、視床下部性肥満、症候性肥満症、小児肥満、上半身肥満、食事性肥満症、性機能低下性肥満、全身性肥満細胞症、単純性肥満、中心性肥満など〕、摂食亢進症などの予防・治療剤、好ましくは抗肥満薬などとして使用することができる。
例えば、該アンチセンスDNAを用いる場合、該アンチセンスDNAを単独あるいはレトロウイルスベクター、アデノウイルスベクター、アデノウイルスアソシエーテッドウイルスベクターなどの適当なベクターに挿入した後、常套手段に従って実施することができる。該アンチセンスDNAは、そのままで、あるいは摂取促進のために補助剤などの生理学的に認められる担体とともに製剤化し、遺伝子銃やハイドロゲルカテーテルのようなカテーテルによって投与できる。
さらに、該アンチセンスDNAは、組織や細胞における本発明のDNAの存在やその発現状況を調べるための診断用オリゴヌクレオチドプローブとして使用することもできる。
【0060】
さらに、本発明は、
(i)本発明のレセプターをコードするRNAの一部とそれに相補的なRNAを含有する二重鎖RNA、
(ii)前記二重鎖RNAを含有してなる医薬、
(iii)本発明のタンパク質をコードするRNAの一部を含有するリボザイム、
(iv)前記リボザイムを含有してなる医薬、
(v)前記リボザイムをコードする遺伝子(DNA)を含有する発現ベクターなども提供する。
上記アンチセンスポリヌクレオチドと同様に、二重鎖RNA、リボザイムなども、本発明のDNAから転写されるRNAを破壊またはその機能を抑制することができ、生体内における本発明のレセプターまたは本発明のDNAの機能を抑制することができるので、例えば、肥満症〔例、悪性肥満細胞症、外因性肥満、過インシュリン性肥満症、過血漿性肥満、下垂体性肥満、減血漿性肥満症、甲状腺機能低下肥満症、視床下部性肥満、症候性肥満症、小児肥満、上半身肥満、食事性肥満症、性機能低下性肥満、全身性肥満細胞症、単純性肥満、中心性肥満など〕、摂食亢進症などの予防・治療剤、好ましくは抗肥満薬などの医薬として使用することができる。
二重鎖RNAは、公知の方法(例、Nature, 411巻, 494頁, 2001年)に準じて、本発明のポリヌクレオチドの配列を基に設計して製造することができる。
リボザイムは、公知の方法(例、TRENDS in Molecular Medicine, 7巻, 221頁, 2001年)に準じて、本発明のポリヌクレオチドの配列を基に設計して製造することができる。例えば、公知のリボザイムの配列の一部を本発明のレセプターをコードするRNAの一部に置換することによって製造することができる。本発明のレセプターをコードするRNAの一部としては、公知のリボザイムによって切断され得るコンセンサス配列NUX(式中、Nはすべての塩基を、XはG以外の塩基を示す)の近傍の配列などが挙げられる。
上記の二重鎖RNAまたはリボザイムを上記予防・治療剤として使用する場合、アンチセンスポリヌクレオチドと同様にして製剤化し、投与することができる。また、前記(v)の発現ベクターは、公知の遺伝子治療法などと同様に用い、上記予防・治療剤として使用する。
【0061】
本明細書および図面において、塩基やアミノ酸などを略号で表示する場合、IUPAC-IUB Commission on Biochemical Nomenclatureによる略号あるいは当該分野における慣用略号に基づくものであり、その例を下記する。またアミノ酸に関し光学異性体があり得る場合は、特に明示しなければL体を示すものとする。
DNA :デオキシリボ核酸
cDNA :相補的デオキシリボ核酸
A :アデニン
T :チミン
G :グアニン
C :シトシン
I :イノシン
R :アデニン(A)またはグアニン(G)
Y :チミン(T)またはシトシン(C)
M :アデニン(A)またはシトシン(C)
K :グアニン(G)またはチミン(T)
S :グアニン(G)またはシトシン(C)
W :アデニン(A)またはチミン(T)
B :グアニン(G)、グアニン(G)またはチミン(T)
D :アデニン(A)、グアニン(G)またはチミン(T)
V :アデニン(A)、グアニン(G)またはシトシン(C)
N :アデニン(A)、グアニン(G)、シトシン(C)もしくはチミン(T)または不明もしくは他の塩基
RNA :リボ核酸
mRNA :メッセンジャーリボ核酸
dATP :デオキシアデノシン三リン酸
dTTP :デオキシチミジン三リン酸
dGTP :デオキシグアノシン三リン酸
dCTP :デオキシシチジン三リン酸
ATP :アデノシン三リン酸
EDTA :エチレンジアミン四酢酸
SDS :ドデシル硫酸ナトリウム
BHA :ベンズヒドリルアミン
pMBHA :p−メチルベンズヒドリルアミン
Tos :p−トルエンスルフォニル
Bzl :ベンジル
Bom :ベンジルオキシメチル
Boc :t−ブチルオキシカルボニル
DCM :ジクロロメタン
HOBt :1−ヒドロキシベンズトリアゾール
DCC :N,N'−ジシクロヘキシルカルボジイミド
TFA :トリフルオロ酢酸
DIEA :ジイソプロピルエチルアミン
BSA :ウシ血清アルブミン
CHAPS :3−〔(3−コラミドプロピル)ジメチルアンモニオ〕−1−プロパンスホナート
【0062】
Gly又はG :グリシン
Ala又はA :アラニン
Val又はV :バリン
Leu又はL :ロイシン
Ile又はI :イソロイシン
Ser又はS :セリン
Thr又はT :スレオニン
Cys又はC :システイン
Met又はM :メチオニン
Glu又はE :グルタミン酸
Asp又はD :アスパラギン酸
Lys又はK :リジン
Arg又はR :アルギニン
His又はH :ヒスチジン
Phe又はF :フェニルアラニン
Tyr又はY :チロシン
Trp又はW :トリプトファン
Pro又はP :プロリン
Asn又はN :アスパラギン
Gln又はQ :グルタミン
pGlu :ピログルタミン酸
Tyr(I) :3−ヨードチロシン
DMF :N,N−ジメチルホルムアミド
Fmoc :N−9−フルオレニルメトキシカルボニル
Trt :トリチル
Pbf :2,2,4,6,7−ペンタメチルジヒドロベンゾフラン−5−スルホニル
Clt :2−クロロトリチル
But :t−ブチル
Met(O) :メチオニンスルフォキシド
【0063】
本願明細書の配列表の配列番号は、以下の配列を示す。
〔配列番号:1〕
ヒトGPR8をコードするcDNAのスクリーニングに使用した合成DNAを示す。
〔配列番号:2〕
ヒトGPR8をコードするcDNAのスクリーニングに使用した合成DNAを示す。
〔配列番号:3〕
5’側に制限酵素ClaIの認識する塩基配列が付加され、また3’側に制限酵素SpeIの認識する塩基配列が付加されたヒトGPR8 cDNAの全塩基配列を示す。
〔配列番号:4〕
ヒトGPR8の全アミノ酸配列を示す。
〔配列番号:5〕
GPR8発現CHO細胞株の各クローンにおけるGPR8 mRNAの発現量を測定するために使用したriboprobeの配列を示す。
〔配列番号:6〕
ブタ視床下部から精製されたGPR8に対するリガンドペプチドのアミノ末端アミノ酸配列解析の結果から得られたアミノ酸配列を示す。
〔配列番号:7〕
相補鎖がGPR8リガンドペプチドのヒトホモログの前駆体タンパク質の一部をコードしていると推定されるEST配列(アクセッション番号:AW007531)を示す。
〔配列番号:8〕
相補鎖がGPR8リガンドペプチドのヒトホモログの前駆体タンパク質の一部をコードしていると推定されるEST配列(アクセッション番号:AI500303)を示す。
〔配列番号:9〕
相補鎖がGPR8リガンドペプチドのヒトホモログの前駆体タンパク質の一部をコードしていると推定されるEST配列(アクセッション番号:AI990964)を示す。
〔配列番号:10〕
相補鎖がGPR8リガンドペプチドのヒトホモログの前駆体タンパク質の一部をコードしていると推定されるEST配列(アクセッション番号:AA744804)を示す。
〔配列番号:11〕
GPR8リガンドペプチドのラットホモログの前駆体タンパク質の一部をコードしていると推定されるEST配列(アクセッション番号:H31598)を示す。
〔配列番号:12〕
GPR8に対するリガンドペプチドのヒトホモログの前駆体タンパク質の一部をコードするcDNAのスクリーニングに使用した合成DNAを示す。
〔配列番号:13〕
GPR8に対するリガンドペプチドのヒトホモログの前駆体タンパク質の一部をコードするcDNAのスクリーニングに使用した合成DNAを示す。
〔配列番号:14〕
ヒト脳由来cDNAから増幅されたGPR8に対するリガンドペプチドのヒトホモログの前駆体タンパク質の一部をコードするDNA配列を示す。
〔配列番号:15〕
GPR8に対するリガンドペプチドのヒトホモログの前駆体タンパク質の一部のアミノ酸配列を示す。
〔配列番号:16〕
配列番号:15から推定されたGPR8に対するリガンドペプチドのヒトホモログのアミノ酸配列を示す。
〔配列番号:17〕
配列番号:15から推定されたGPR8に対するリガンドペプチドのヒトホモログのアミノ酸配列を示す。
〔配列番号:18〕
配列番号:16で表されるアミノ酸配列をコードする塩基配列を示す。
〔配列番号:19〕
配列番号:17で表されるアミノ酸配列をコードする塩基配列を示す。
〔配列番号:20〕
後述の参考例14で合成されたヒトGPRリガンド(1−29)のアミノ酸配列を示す。
〔配列番号:21〕
後述の参考例15で合成されたヒトGPRリガンド(1−28)のアミノ酸配列を示す。
〔配列番号:22〕
後述の参考例16で合成されたヒトGPRリガンド(1−27)のアミノ酸配列を示す。
〔配列番号:23〕
後述の参考例17で合成されたヒトGPRリガンド(1−26)のアミノ酸配列を示す。
〔配列番号:24〕
後述の参考例18で合成されたヒトGPRリガンド(1−25)のアミノ酸配列を示す。
〔配列番号:25〕
後述の参考例19で合成されたヒトGPRリガンド(1−24)のアミノ酸配列を示す。
〔配列番号:26〕
配列番号:20で表されるアミノ酸配列をコードする塩基配列を示す。
〔配列番号:27〕
配列番号:21で表されるアミノ酸配列をコードする塩基配列を示す。
〔配列番号:28〕
配列番号:22で表されるアミノ酸配列をコードする塩基配列を示す。
〔配列番号:29〕
配列番号:23で表されるアミノ酸配列をコードする塩基配列を示す。
〔配列番号:30〕
配列番号:24で表されるアミノ酸配列をコードする塩基配列を示す。
〔配列番号:31〕
配列番号:25で表されるアミノ酸配列をコードする塩基配列を示す。
〔配列番号:32〕
配列番号:4で表されるアミノ酸配列をコードする塩基配列を示す。
〔配列番号:33〕
GPR8に対するリガンドペプチドのヒトホモログの前駆体タンパク質をコードするcDNAの5’上流側配列を得るのに使用した合成DNAを示す。
〔配列番号:34〕
GPR8に対するリガンドペプチドのヒトホモログの前駆体タンパク質をコードするcDNAの5’上流側配列を得るのに使用した合成DNAを示す。
〔配列番号:35〕
GPR8に対するリガンドペプチドのヒトホモログの前駆体タンパク質をコードするcDNAの5’上流側DNA配列を示す。
〔配列番号:36〕
GPR8に対するリガンドペプチドのヒトホモログの前駆体タンパク質をコードするcDNAの3’下流側配列を得るのに使用した合成DNAを示す。
〔配列番号:37〕
GPR8に対するリガンドペプチドのヒトホモログの前駆体タンパク質をコードするcDNAの3’下流側配列を得るのに使用した合成DNAを示す。
〔配列番号:38〕
GPR8に対するリガンドペプチドのヒトホモログの前駆体タンパク質をコードするcDNAの3’下流側DNA配列を示す。
〔配列番号:39〕
GPR8に対するリガンドペプチドのヒトホモログの前駆体タンパク質をコードするcDNAを得るのに使用した合成DNAを示す。
〔配列番号:40〕
GPR8に対するリガンドペプチドのヒトホモログの前駆体タンパク質をコードするcDNAを得るのに使用した合成DNAを示す。
〔配列番号:41〕
GPR8に対するリガンドペプチドのヒトホモログの前駆体タンパク質をコードするcDNAの配列を示す。
〔配列番号:42〕
GPR8に対するリガンドペプチドのヒトホモログの前駆体タンパク質のアミノ酸配列を示す。
〔配列番号:43〕
GPR8に対するリガンドペプチドのブタホモログの前駆体タンパク質をコードするcDNAの5’上流側配列を得るのに使用した合成DNAを示す。
〔配列番号:44〕
GPR8に対するリガンドペプチドのブタホモログの前駆体タンパク質をコードするcDNAの5’上流側配列を得るのに使用した合成DNAを示す。
〔配列番号:45〕
GPR8に対するリガンドペプチドのブタホモログの前駆体タンパク質をコードするcDNAの5’上流側DNA配列を示す。
〔配列番号:46〕
GPR8に対するリガンドペプチドのブタホモログの前駆体タンパク質をコードするcDNAの5’上流側配列を得るのに使用した合成DNAを示す。
〔配列番号:47〕
GPR8に対するリガンドペプチドのブタホモログの前駆体タンパク質をコードするcDNAの5’上流側配列を得るのに使用した合成DNAを示す。
〔配列番号:48〕
GPR8に対するリガンドペプチドのブタホモログの前駆体タンパク質をコードするcDNAの5’上流側DNA配列を示す。
〔配列番号:49〕
GPR8に対するリガンドペプチドのブタホモログの前駆体タンパク質をコードするcDNAの3’下流側配列を得るのに使用した合成DNAを示す。
〔配列番号:50〕
GPR8に対するリガンドペプチドのブタホモログの前駆体タンパク質をコードするcDNAの3’下流側配列を得るのに使用した合成DNAを示す。
【0064】
〔配列番号:51〕
GPR8に対するリガンドペプチドのブタホモログの前駆体タンパク質をコードするcDNAの3’下流側DNA配列を示す。
〔配列番号:52〕
GPR8に対するリガンドペプチドのブタホモログの前駆体タンパク質をコードするcDNAを得るのに使用した合成DNAを示す。
〔配列番号:53〕
GPR8に対するリガンドペプチドのブタホモログの前駆体タンパク質をコードするcDNAを得るのに使用した合成DNAを示す。
〔配列番号:54〕
GPR8に対するリガンドペプチドのブタホモログの前駆体タンパク質をコードするcDNAの配列を示す。
〔配列番号:55〕
GPR8に対するリガンドペプチドのブタホモログの前駆体タンパク質のアミノ酸配列を示す。
〔配列番号:56〕
配列番号:55から推定されたGPR8に対するリガンドペプチドのブタホモログのアミノ酸配列を示す。
〔配列番号:57〕
配列番号:55から推定されたGPR8に対するリガンドペプチドのブタホモログのアミノ酸配列を示す。
〔配列番号:58〕
配列番号:56で表されるアミノ酸配列をコードする塩基配列を示す。
〔配列番号:59〕
配列番号:57で表されるアミノ酸配列をコードする塩基配列を示す。
〔配列番号:60〕
GPR8に対するリガンドペプチドのラットホモログの前駆体タンパク質の一部をコードするcDNAを得るのに使用した合成DNAを示す。
〔配列番号:61〕
GPR8に対するリガンドペプチドのラットホモログの前駆体タンパク質の一部をコードするcDNAを得るのに使用した合成DNAを示す。
〔配列番号:62〕
GPR8に対するリガンドペプチドのラットホモログの前駆体タンパク質の一部をコードするcDNAの配列を示す。
〔配列番号:63〕
GPR8に対するリガンドペプチドのラットホモログの前駆体タンパク質をコードするcDNAの5’上流側配列を得るのに使用した合成DNAを示す。
〔配列番号:64〕
GPR8に対するリガンドペプチドのラットホモログの前駆体タンパク質をコードするcDNAの5’上流側配列を得るのに使用した合成DNAを示す。
〔配列番号:65〕
GPR8に対するリガンドペプチドのラットホモログの前駆体タンパク質をコードするcDNAの5’上流側DNA配列を示す。
〔配列番号:66〕
GPR8に対するリガンドペプチドのラットホモログの前駆体タンパク質をコードするcDNAの3’下流側配列を得るのに使用した合成DNAを示す。
〔配列番号:67〕
GPR8に対するリガンドペプチドのラットホモログの前駆体タンパク質をコードするcDNAの3’下流側配列を得るのに使用した合成DNAを示す。
〔配列番号:68〕
GPR8に対するリガンドペプチドのラットホモログの前駆体タンパク質をコードするcDNAの3’下流側DNA配列を示す。
〔配列番号:69〕
GPR8に対するリガンドペプチドのラットホモログの前駆体タンパク質をコードするcDNAを得るのに使用した合成DNAを示す。
〔配列番号:70〕
GPR8に対するリガンドペプチドのラットホモログの前駆体タンパク質をコードするcDNAを得るのに使用した合成DNAを示す。
〔配列番号:71〕
GPR8に対するリガンドペプチドのラットホモログの前駆体タンパク質をコードするcDNAの配列を示す。
〔配列番号:72〕
GPR8に対するリガンドペプチドのラットホモログの前駆体タンパク質のアミノ酸配列を示す。
〔配列番号:73〕
配列番号:72から推定されたGPR8に対するリガンドペプチドのラットホモログのアミノ酸配列を示す。
〔配列番号:74〕
配列番号:72から推定されたGPR8に対するリガンドペプチドのラットホモログのアミノ酸配列を示す。
〔配列番号:75〕
配列番号:73で表されるアミノ酸配列をコードする塩基配列を示す。
〔配列番号:76〕
配列番号:74で表されるアミノ酸配列をコードする塩基配列を示す。
〔配列番号:77〕
GPR8リガンドペプチドのマウスホモログの前駆体タンパク質の一部をコードしていると推定されるマウスゲノム断片配列を示す。
〔配列番号:78〕
GPR8に対するリガンドペプチドのマウスホモログの前駆体タンパク質の一部をコードするcDNAのスクリーニングに使用した合成DNAを示す。
〔配列番号:79〕
GPR8に対するリガンドペプチドのマウスホモログの前駆体タンパク質の一部をコードするcDNAのスクリーニングに使用した合成DNAを示す。
〔配列番号:80〕
マウス精巣由来cDNAから増幅されたGPR8に対するリガンドペプチドのヒトホモログの前駆体タンパク質の一部をコードするDNA配列を示す。
〔配列番号:81〕
GPR8に対するリガンドペプチドのマウスホモログの前駆体タンパク質をコードするcDNAの5’上流側配列を得るのに使用した合成DNAを示す。
〔配列番号:82〕
GPR8に対するリガンドペプチドのマウスホモログの前駆体タンパク質をコードするcDNAの5’上流側配列を得るのに使用した合成DNAを示す。
〔配列番号:83〕
GPR8に対するリガンドペプチドのマウスホモログの前駆体タンパク質をコードするcDNAの5’上流側DNA配列を示す。
〔配列番号:84〕
GPR8に対するリガンドペプチドのマウスホモログの前駆体タンパク質をコードするcDNAの3’下流側配列を得るのに使用した合成DNAを示す。
〔配列番号:85〕
GPR8に対するリガンドペプチドのマウスホモログの前駆体タンパク質をコードするcDNAの3’下流側配列を得るのに使用した合成DNAを示す。
〔配列番号:86〕
GPR8に対するリガンドペプチドのマウスホモログの前駆体タンパク質をコードするcDNAの3’下流側DNA配列を示す。
〔配列番号:87〕
GPR8に対するリガンドペプチドのマウスホモログの前駆体タンパク質をコードするcDNAを得るのに使用した合成DNAを示す。
〔配列番号:88〕
GPR8に対するリガンドペプチドのマウスホモログの前駆体タンパク質をコードするcDNAを得るのに使用した合成DNAを示す。
〔配列番号:89〕
GPR8に対するリガンドペプチドのマウスホモログの前駆体タンパク質をコードするcDNAの配列を示す。
〔配列番号:90〕
GPR8に対するリガンドペプチドのマウスホモログの前駆体タンパク質のアミノ酸配列を示す。
〔配列番号:91〕
配列番号:90から推定されたGPR8に対するリガンドペプチドのマウスホモログのアミノ酸配列を示す。
〔配列番号:92〕
配列番号:90から推定されたGPR8に対するリガンドペプチドのマウスホモログのアミノ酸配列を示す。
〔配列番号:93〕
配列番号:91で表されるアミノ酸配列をコードする塩基配列を示す。
〔配列番号:94〕
配列番号:92で表されるアミノ酸配列をコードする塩基配列を示す。
〔配列番号:95〕
後述の参考例44で合成されたヒトGPR8リガンド(1−23)酸化体のアミノ酸配列を示す。
〔配列番号:96〕
後述の参考例45で合成されたヒトGPR8リガンド(1−22)のアミノ酸配列を示す。
〔配列番号:97〕
後述の参考例46で合成されたヒトGPR8リガンド(1−21)のアミノ酸配列を示す。
〔配列番号:98〕
後述の参考例47で合成されたヒトGPR8リガンド(1−20)のアミノ酸配列を示す。
〔配列番号:99〕
後述の参考例48で合成されたヒトGPR8リガンド(1−19)のアミノ酸配列を示す。
〔配列番号:100〕
後述の参考例49で合成されたヒトGPR8リガンド(1−18)のアミノ酸配列を示す。
【0065】
〔配列番号:101〕
後述の参考例50で合成されたヒトGPR8リガンド(1−17)のアミノ酸配列を示す。
〔配列番号:102〕
後述の参考例51で合成されたヒトGPR8リガンド(1−16)のアミノ酸配列を示す。
〔配列番号:103〕
後述の参考例54で合成さブタGPR8リガンド(1−23)酸化体のアミノ酸配列を示す。
〔配列番号:104〕
後述の参考例55で合成されたラットあるいはマウスGPR8リガンド(1−23)酸化体のアミノ酸配列を示す。
〔配列番号:105〕
後述の参考例12で合成されたFmoc化ヒトGPR8リガンド(1−23)のアミノ酸配列を示す。
〔配列番号:106〕
後述の参考例56で合成された[Nα-Acetyl-Trp1]−ヒトGPR8リガンド(1−23)のアミノ酸配列を示す。
〔配列番号:107〕
後述の参考例57で合成されたヒトGPR8リガンド(2−23)のアミノ酸配列を示す。
〔配列番号:108〕
後述の参考例58で合成されたヒトGPR8リガンド(4−23)のアミノ酸配列を示す。
〔配列番号:109〕
後述の参考例59で合成されたヒトGPR8リガンド(9−23)のアミノ酸配列を示す。
〔配列番号:110〕
後述の参考例60で合成されたヒトGPR8リガンド(15−23)のアミノ酸配列を示す。
〔配列番号:111〕
後述の参考例61で合成された[N-Acetyl-Tyr2]−ヒトGPR8リガンド(2−23)のアミノ酸配列を示す。
〔配列番号:112〕
後述の参考例62で合成された[D-Trp1]−ヒトGPR8リガンド(1−23)のアミノ酸配列を示す。
〔配列番号:113〕
後述の参考例63で合成された[N-3-Indolepropanoyl-Tyr2]−ヒトGPR8リガンド(2−23)のアミノ酸配列を示す。
〔配列番号:114〕
配列番号:96で表されるアミノ酸配列をコードする塩基配列を示す。
〔配列番号:115〕
配列番号:97で表されるアミノ酸配列をコードする塩基配列を示す。
〔配列番号:116〕
配列番号:98で表されるアミノ酸配列をコードする塩基配列を示す。
〔配列番号:117〕
配列番号:99で表されるアミノ酸配列をコードする塩基配列を示す。
〔配列番号:118〕
配列番号:100で表されるアミノ酸配列をコードする塩基配列を示す。
〔配列番号:119〕
配列番号:101で表されるアミノ酸配列をコードする塩基配列を示す。
〔配列番号:120〕
配列番号:102で表されるアミノ酸配列をコードする塩基配列を示す。
〔配列番号:121〕
配列番号:107で表されるアミノ酸配列をコードする塩基配列を示す。
〔配列番号:122〕
配列番号:108で表されるアミノ酸配列をコードする塩基配列を示す。
〔配列番号:123〕
配列番号:109で表されるアミノ酸配列をコードする塩基配列を示す。
〔配列番号:124〕
配列番号:110で表されるアミノ酸配列をコードする塩基配列を示す。
〔配列番号:125〕
配列番号:6で表されるアミノ酸配列をコードする塩基配列を示す。
〔配列番号:126〕
ヒトGPR7をコードするcDNAのスクリーニングに使用した合成DNAを示す。
〔配列番号:127〕
ヒトGPR7をコードするcDNAのスクリーニングに使用した合成DNAを示す。
〔配列番号:128〕
5’側に制限酵素ClaIの認識する塩基配列が付加され、また3’側に制限酵素SpeIの認識する塩基配列が付加されたヒトGPR7タンパク質cDNAの全塩基配列を示す。
〔配列番号:129〕
ヒトGPR7の全アミノ酸配列を示す。
〔配列番号:130〕
標準ヒトGPR7 DNAを増幅するのにプライマーとして使用したDNA塩基配列を示す。
〔配列番号:131〕
標準ヒトGPR7 DNAを増幅するのにプライマーとして使用したDNA塩基配列を示す。
〔配列番号:132〕
ヒトGPR7発現CHO細胞のGPR7遺伝子発現量を測定するのにプライマーとして用いた合成DNAの配列を示す。
〔配列番号:133〕
ヒトGPR7発現CHO細胞のGPR7遺伝子発現量を測定するのにプライマーとして用いた合成DNAの配列を示す。
〔配列番号:134〕
ヒトGPR7発現CHO細胞のGPR7遺伝子発現量を測定するのにプローブとして用いた合成DNAの配列を示す。
〔配列番号:135〕
[Phe2]ヒトGPR8リガンド(1−20)のアミノ酸配列を示す。
【0066】
後述の参考例3で得られた形質転換体、Escherichia coli DH5α/pAKKO-GPR8は、大阪府大阪市淀川区十三本町2丁目17番85号(郵便番号532−8686)の財団法人発酵研究所(IFO)に2001年2月27日から寄託番号IFO 16564として、茨城県つくば市東1丁目1番地1 中央第6(郵便番号305−8566)の独立行政法人産業技術総合研究所 特許生物寄託センターに2001年4月11日から受託番号FERM BP−7540として、それぞれ寄託されている。
後述の参考例28で得られた形質転換体、Escherichia coli TOP10/pCR2.1-TOPO Human GPR8 Ligand Precursorは、大阪府大阪市淀川区十三本町2丁目17番85号(郵便番号532−8686)の財団法人発酵研究所(IFO)に2001年2月27日から寄託番号IFO 16568として、茨城県つくば市東1丁目1番地1 中央第6(郵便番号305−8566)の独立行政法人産業技術総合研究所 特許生物寄託センターに2001年4月11日から受託番号FERMBP−7544として、それぞれ寄託されている。
後述の参考例32で得られた形質転換体、Escherichia coli TOP10/pCR2.1-TOPO Porcine GPR8 Ligand Precursorは、大阪府大阪市淀川区十三本町2丁目17番85号(郵便番号532−8686)の財団法人発酵研究所(IFO)に2001年2月27日から寄託番号IFO 16565として、茨城県つくば市東1丁目1番地1 中央第6(郵便番号305−8566)の独立行政法人産業技術総合研究所 特許生物寄託センターに2001年4月11日から受託番号FERM BP−7541として、それぞれ寄託されている。
後述の参考例36で得られた形質転換体、Escherichia coli TOP10/pCR2.1-TOPO Rat GPR8 Ligand Precursorは、大阪府大阪市淀川区十三本町2丁目17番85号(郵便番号532−8686)の財団法人発酵研究所(IFO)に2001年2月27日から寄託番号IFO 16567として、茨城県つくば市東1丁目1番地1 中央第6(郵便番号305−8566)の独立行政法人産業技術総合研究所 特許生物寄託センターに2001年4月11日から受託番号FERM BP−7543として、それぞれ寄託されている。
後述の参考例41で得られた形質転換体、Escherichia coli TOP10/pCR2.1-TOPO Mouse GPR8 Ligand Precursorは、大阪府大阪市淀川区十三本町2丁目17番85号(郵便番号532−8686)の財団法人発酵研究所(IFO)に2001年2月27日から寄託番号IFO 16566として、茨城県つくば市東1丁目1番地1 中央第6(郵便番号305−8566)の独立行政法人産業技術総合研究所 特許生物寄託センターに2001年4月11日から受託番号FERMBP−7542として、それぞれ寄託されている。
【0067】
【実施例】
以下に参考例および実施例を示して、本発明をより詳細に説明するが、これらは本発明の範囲を限定するものではない。
参考例1 ヒト脳由来cDNAを用いたPCR法によるヒトGPR8 cDNAの増幅
ヒト脳由来poly (A) +RNA(クローンテック)を鋳型として、ランダムプライマーを用いて逆転写反応を行なった。逆転写は、タカラRNA PCR ver 2.1キット試薬を使用した。次にこの逆転写生成物を鋳型として用い、配列番号:1および配列番号:2で表される合成プライマーを用いてPCR法による増幅を行なった。合成プライマーはレセプタータンパク質に翻訳される領域の遺伝子が増幅されるように構築したが、その際に遺伝子の5’側に制限酵素ClaIの認識する塩基配列が付加され、3’側に制限酵素SpeIの認識する塩基配列が付加されるように、5’側および3’側にそれぞれの制限酵素の認識配列を付加した。反応液の組成は、cDNA鋳型5μl、合成DNAプライマー各0.4μM、0.8mM dNTPs、Pfuポリメラーゼ(ストラタジーン)0.5μlおよび酵素に付属のバッファーで、総反応量は50μlとした。増幅のためのサイクルはサーマルサイクラー(PE Biosystems)を用い、94℃・60秒の加熱の後、94℃・60秒、65℃・60秒、72℃・150秒のサイクルを35回繰り返した。増幅産物の確認は、0.8%アガロースゲル電気泳動の後、エチジウムブロマイド染色によって行なった。
【0068】
参考例2 PCR産物のプラスミドベクターへのサブクローニングおよび挿入cDNA部分の塩基配列の解読による増幅cDNA配列の確認
参考例1で行なったPCR反応液を0.8%の低融点アガロースゲル電気泳動により分離し、バンドの部分をかみそりで切り出した後、細片化、フェノール抽出、フェノール/クロロホルム抽出、エタノール沈殿の操作を行なってDNAを回収した。PCR-ScriptTM Amp SK(+)クローニングキット(ストラタジーン)の処方に従い、回収したDNAをプラスミドベクターpCR-Script Amp SK(+)へサブクローニングした。これをエシェリヒア・コリ(Escherichia coli)DH5α competent cell(トーヨーボー)に導入して形質転換した後、cDNA挿入断片を持つクローンをアンピシリン、IPTGおよびX−galを含むLB寒天培地で選択し、白色を呈するクローンのみを滅菌したつま楊枝を用いて分離し、形質転換体Escherichia coli DH5α/GPR8を得た。個々のクローンをアンピシリンを含むLB培地で一晩培養し、QIAwell 8 Plasmid Kit(キアゲン)を用いてプラスミドDNAを調製した。調製したDNAの一部に対して制限酵素ClaIおよびSpeIによる切断を行ない、挿入されているレセプターcDNA断片の大きさを確認した。塩基配列の決定のための反応はDyeDeoxyTerminator Cycle Sequence Kit(PE Biosystems)を用いて行ない、蛍光式自動シーケンサーを用いて解読した(配列番号:3)。図1にヒトGPR8レセプタータンパク質cDNAの全塩基配列(配列番号:23)およびそれから翻訳されるヒトGPR8レセプタータンパク質の全アミノ酸配列(配列番号:4)を示した。
【0069】
参考例3 GPR8発現CHO細胞の作製
参考例2で配列が確認されたヒト脳由来のGPR8の全長アミノ酸配列をコードし5’側にClaI認識配列を付加し、また3’側にSpeI認識配列を付加した遺伝子が導入されたプラスミドによって形質転換されたEscherichia coliのクローンからPlasmid Midi KIt(キアゲン)を用いてプラスミドDNAを調製し、これを制限酵素ClaIおよびSpeIで消化してインサートDNAを切り出した。インサートDNAは電気泳動後、アガロースゲルからカミソリで切り出し、次に細片化、フェノール抽出、フェノール・クロロホルム抽出、エタノール沈殿の操作により回収された。このインサートDNAをClaIおよびSpeIで切断した動物細胞発現用ベクタープラスミドpAKKO-111H(S. Hinuma et al.、Biochim. Biophys. Acta、1219巻、251-259頁、1994年、記載のpAKKO1.11Hと同一のベクタープラスミド)に加え、T4ライゲース(タカラ)を用いてライゲーションを行ない、タンパク質発現用プラスミドpAKKO-GPR8を構築した。このプラスミドpAKKO-GPR8で形質転換した大腸菌をDH5α/pAKKO-GPR8(Escherichia coli DH5α/pAKKO-GPR8)と命名した。
pAKKO-GPR8で形質転換したEscherichia coli DH5α(トーヨーボー)を培養後、Plasmid Midi Kit(キアゲン)を用いてpAKKO-GPR8プラスミドDNAを調製した。これをCellPhect Transfection Kit(アマシャムファルマシアバイオテク)を用いて、添付のプロトコールに従ってCHO dhfr-細胞に導入した。4.5μgのDNAをリン酸カルシウムとの共沈懸濁液とし、24時間前に5×105または1×106個のCHO dhfr-細胞を播種した直径6cmシャーレに添加した。10%ウシ胎児血清を含むMEMα培地で1日間培養した後、継代し、選択培地である10%透析ウシ胎児血清を含む核酸不含MEMα培地で培養した。選択培地中に増殖してくるGPR8発現CHO細胞である形質転換細胞のコロニー47クローンを選択した。
【0070】
参考例4 全長ヒトGPR8タンパク質mRNAの発現量の高いCHO/GPR8細胞株の選択
参考例3で樹立されたCHO/GPR8細胞株47クローンの全長GPR8タンパク質mRNAの発現量をCytostar T Plate(アマシャムファルマシアバイオテク)を用い、添付のプロトコールに従って以下のように測定した。CHO/GPR8細胞株の各クローンをCytostar T Plateに1well当たり2.5×104個ずつ播種して24時間培養した後、10%ホルマリンによって細胞を固定した。各wellに0.25% Triton X-100を添加して細胞の透過性をあげた後、35Sラベルした配列番号:5のriboprobeを加えてハイブリダイズさせた。20μg/mlのRNase Aを各wellに加えて遊離のriboprobeを消化し、プレートをよく洗浄した後、ハイブリダイズしたriboprobeの放射活性をTopcounterで測定した。放射活性の高い細胞株は、mRNA発現量が高い。mRNA発現量の高い3クローン(#17、41および46)を以下に実験に用いたが、特にクローン番号17を用いた。
【0071】
参考例5 GPR8発現CHO細胞を用いた細胞内cAMP産生量の測定
参考例4で作製したCHO/GPR8細胞およびmock CHO細胞を24穴プレートに5×104 cell/wellで播種し、48時間培養した。細胞を0.2mM 3−イソブチル−メチルキサンチンと0.05% BSAと20mM HEPSを含むハンクスバッファー(pH7.4)で洗浄した(以下、0.2mM3−イソブチル−メチルキサンチンと0.05% BSAと20mM HEPSを含むハンクスバッファー(pH7.4)を、反応用バッファーと呼ぶ)。その後0.5mlの反応用バッファーを加えて30分間培養器で保温した。反応用バッファーを除き、新たに0.25mlの反応用バッファーを細胞に加えた後、試料と2μM フォルスコリンを含む0.25mlの反応用バッファーを細胞に加え、37℃で24分間反応させた。100μlの200% 過塩素酸を加えて反応を停止させ、次に氷上で1時間置くことにより細胞内cAMPを抽出した。抽出液中のcAMP量は、cAMP EIAキット(アマシャムファルマシアバイオテク)を用いて測定した。
【0072】
参考例6 GPR8発現CHO細胞の膜画分を用いたGTPγS結合活性の測定GPR8発現CHO細胞膜画分に対する[35S]-Guanosine 5'-(γ-thio)triphosphateの結合促進活性を以下の方法により測定した。最初に膜画分の調整法を記載する。1×108個のCHO/GPR8細胞に10mlのホモジネートバッファー(10mM NaHCO3, 5mM EDTA, 0.5mM PMSF, 1μg/ml pepstatin, 4μg/ml E64, 20μg/ml leupeptin)を添加し、ポリトロン(12,000rpm、1分間)を用いて破砕した。細胞破砕液を遠心(1,000g、15分間)して上清を得た。次にこの上清を超遠心分離(Beckman type 30ローター、30,000rpm、1時間)し、得られた沈殿物をGPR8発現CHO細胞膜画分とした。
GTPγS結合活性の測定は以下の通りである。GPR8発現CHO細胞膜画分を膜希釈緩衝液(50mMトリス塩酸緩衝液(pH 7.4), 5mM MgCl2, 150mM NaCl, 1μM GDP)で希釈して、タンパク質濃度30 mg/mlのアッセイ用細胞膜画分溶液を調製した。アッセイ用膜画分溶液200μlに、51.5nM濃度の[35S]-Guanosine 5'-(γ-thio)triphosphate(NEN社)を2μlと試料を添加し、この混合液を25℃で一時間保温した。混合液をフィルター濾過し、さらにフィルターを洗浄用バッファー(50mMトリス塩酸緩衝液(pH 7.4), 5mM MgCl2, 1mM EDTA, 0.1% BSA)1.5mlで2回洗浄した後、フィルターの放射活性を液体シンチレーションカウンターで測定した。
【0073】
参考例7 ブタ視床下部抽出物に含まれ、CHO/GPR8細胞株に対して特異的にcAMP産生抑制およびGTPγS結合促進を示す活性の検出
ブタ視床下部抽出物の高速液体クロマトグラフィー(HPLC)フラクションを以下に述べる方法で調製した。東京芝浦臓器(株)より購入した、処理当日に屠殺して摘出後は氷冷保存したブタ視床下部500 g(30頭分)を細かく切断し、直ぐに沸騰した蒸留水2.0 lに投じて10分間煮沸した。煮沸後、直ちに氷冷し、120 mlの酢酸を加えて終濃度1.0 Mとし、ポリトロン(20,000 rpm、6分間)を用いて破砕した。破砕液を遠心(8,000 rpm、30分)して上清を取り、沈殿には1.0 M酢酸2.0 lを加えて再度ポリトロンによって破砕し、一晩攪拌した後、遠心(8,000 rpm、30分)して上清を得た。上清に2倍量の冷アセトンを4℃でゆっくり滴下した後、1回目の遠心によって得た上清については一晩攪拌し、2回目の遠心によって得た上清については4時間攪拌した。アセトンを加えた抽出液は遠心(8,000 rpm、30分)して沈殿を除き、得られた上清からエバポレーターによって減圧下にアセトンを溜去した。アセトンを除いた抽出液に等量のジエチルエーテルを加え、分液ロートを使って脂質を含むエーテル層を分離して水層を回収した。エーテル脱脂した抽出液はエバポレーターによって減圧下に濃縮してエーテルを完全に除去した。濃縮液をガラス繊維濾紙(アドバンテック、DP70 (90 mmφ))で濾過し、濾液をガラス製カラム(30φ x 240 mm)に充填したC18(ワイエムシー、YMCgel ODS-AM 120-S50)カラムに添加した。カラムを1.0 M酢酸400 mlで洗浄後、0.1%トリフルオロ酢酸を含む60%アセトニトリル500 mlで溶出した。溶出液を減圧下に濃縮して溶媒を溜去した後、濃縮液を凍結乾燥した。凍結乾燥品約0.5 gを30 mlの0.1%トリフルオロ酢酸を含む10%アセトニトリルに溶解し、10mlずつをC18カラム(トーソー、TSKgel ODS-80TS (21.5φ x 300 mm))を用いた10%から60%の0.1%トリフルオロ酢酸を含むアセトニトリルの濃度勾配溶出法によるHPLCにかけた。HPLCは3回行なった。溶出液は60分画に分取し、3回分の溶出液をまとめた。各分画を減圧下に濃縮・乾固し、残渣を0.5mlのジメチルスルフォキシド(DMSO)で溶解した。
上記によって得られたHPLCフラクションのDMSO溶液を参考例5に示した方法によってCHO/GPR8細胞に投与し、細胞内cAMP産生量の測定を行なった結果、分画番号30に顕著なcAMP産生抑制活性が認められた。また同様な試料についてGPR8発現CHO細胞用いてGTPγS結合促進活性を調べたところ、やはり分画番号30付近に顕著な活性が確認された。これらの活性は他のレセプター発現細胞では認められなかったことからブタ視床下部抽出物にGPR8特異的なリガンド活性物質が存在することが示された。
【0074】
参考例8 ブタ視床下部抽出物中のGPR8発現CHO細胞に対して特異的に細胞内cAMP産生抑制活性を示す活性物質のプロナーゼによる失活
参考例7でGPR8発現CHO細胞に対して細胞内cAMP産生抑制活性を示したHPLC分画30をタンパク質分解酵素であるプロナーゼ(Sigma, protease Type XIV (P5147))で処理し、活性物質がタンパク性であるかを調べた。
上記視床下部抽出物HPLC分画(#30)2μlを0.2 M酢酸アンモニウム200μlに加え、これにプロナーゼ3μgを添加して37℃で2時間インキュベートした後、沸騰水中で10分間加熱してプロナーゼを失活させた。これにBSA 0.05mgおよびCHAPS 0.05 mgを含む蒸留水2mlを加えてから凍結乾燥した。プロナーゼそのものあるいは加熱および凍結乾燥の影響を調べるため、プロナーゼのみ、HPLC分画のみおよびプロナーゼのみを加熱処理した後にHPLC分画を加えたものについても同様に処理して凍結乾燥した。凍結乾燥した各試料を参考例5に示す方法によってGPR8発現CHO細胞に添加して細胞内cAMP産生抑制活性を測定した。ブタ視床下部抽出物中のGPR8発現CHO細胞に対する細胞内cAMP産生抑制活性を示す活性物質はプロナーゼによって完全に失活したことからこの物質がタンパク質もしくはペプチドであることが示された。
【0075】
参考例9 ブタ視床下部からのGPR8発現CHO細胞膜画分に対して特異的にGTPγS結合促進活性を示す活性物質の精製
GPR8に特異的なリガンド活性を示す物質をGPR8発現CHO細胞膜画分に対するGTPγS結合促進活性を指標としてブタ視床下部から精製した代表例を以下に具体的に述べる。参考例7に述べた方法と全く同一の方法により、ブタ視床下部500g(30頭分)を1.0 M酢酸で抽出し、アセトン沈殿およびエーテル脱脂をした後、C18(ワイエムシー、YMCgel ODS-AM 120-S50)カラムに吸着させ、0.1%トリフルオロ酢酸を含む60%アセトニトリルで溶出した。溶出液を濃縮し、凍結乾燥した後、C18カラム(トーソー、TSKgel ODS-80TS (21.5φ x 300 mm))を用いたHPLCによって活性分画を得た。活性は分画番号30に回収された。これを以下の方法によってさらに精製した。
この分画を10%アセトニトリルを含む10 mMギ酸アンモニウム10mlに溶解し、陽イオン交換カラム(トーソー、TSKgel SP-5PW (20 mmφ x 150 mm))に添加した後、10%アセトニトリルを含む10 mMから2.0 Mのギ酸アンモニウムの濃度勾配によってカラムを溶出した。活性はギ酸アンモニウム0.8 M付近に回収された。活性分画を凍結乾燥し、0.1%トリフルオロ酢酸を含む10%アセトニトリル1.0 mlに溶解し、CNカラム(野村化学、Develosil CN-UG-5 (4.6 mmφx 250 mm))に添加した後、0.1%トリフルオロ酢酸を含む21%から26%のアセトニトリルの濃度勾配によって溶出した。活性はアセトニトリル22.1%付近に出現した。活性分画を凍結乾燥し、0.1 mlのDMSOで溶解し、さらに0.4 mlの0.1%トリフルオロ酢酸を含む10%アセトニトリルを加えてODSカラム(和光純薬、Wakosil-II 3C18HG (2.0 mmφx 150 mm))に添加した後、0.1%トリフルオ酢酸を含む22.5%から32.5%のアセトニトリルの濃度勾配によって溶出した。活性はアセトニトリル26.5%付近に単一ピークとして出現した(図2)。
【0076】
参考例10 ブタ視床下部から精製されたGPR8発現CHO細胞膜画分に対して特異的にGTPγS結合促進活性を示す活性物質のアミノ末端アミノ酸配列の解析およびGPR8リガンドのヒトおよびラットホモログペプチドの前駆体タンパク質の一部をコードしていると推定されるEST配列
参考例9で精製されたGPR8発現CHO細胞膜画分に対して特異的にGTPγS結合促進活性を示す活性物質のアミノ末端アミノ酸配列解析を行なった。本活性物質は参考例8に示すようにタンパク質またはペプチドであることが推定されていたので、活性ピークを含む溶出液を用いてパーキンエルマー社Procise 494 Protein Sequencerによってアミノ末端アミノ酸配列分析を行なった。その結果、アミノ末端から17残基までに配列番号:6に示す配列が得られた。この配列はリガンドペプチドの一部であると考えられた。
この配列に基づいて遺伝子データベースの検索を行なったところ、そのものもしくはその相補鎖がこのペプチドの前駆体タンパク質の一部をコードしていると推定される幾つかのEST(Expressed Sequence Tag)配列が見出された。それらのアクセッション番号、cDNAの由来、配列の長さおよび配列番号は次の通りである。AW007531 (anaplastic oligodendroglioma、438 base、配列番号:7)、AI500303 (anaplastic oligodendroglioma、 264 base、配列番号:8)、AI990964 (colonic mucosa from patient of Crohn's disease、424 base、配列番号:9)、AA744804 (germinal center B cell、375 base、配列番号:10)、H31598 (PC12 cells、260 base、配列番号:11)。初めの4つはヒト由来であり、最後の1つはラット由来である。これらのESTのDNA配列はブタ視床下部より単離した活性ペプチドの配列に相当するアミノ酸配列をコードする領域では極めてよく一致してしており、また翻訳されたアミノ酸配列はブタ視床下部より単離され明らかとなったペプチドの配列とは5残基目のThrがValであること以外はほぼ一致した。以上からこれらのESTはGPR8のリガンドペプチドのヒトおよびラットホモログの前駆体タンパク質の一部をコードしているものと推定した。
【0077】
参考例11 GPR8リガンドペプチド前駆体の一部をコードするヒトcDNAの増幅と増幅cDNA配列の解読
参考例10に述べたGPR8リガンドペプチドの前駆体タンパク質の一部をコードすると推定されたEST配列に基づいてプライマーを設計し、ヒト脳由来cDNAよりPCRによってGPR8リガンドペプチド前駆体の一部をコードするcDNAを増幅した。
ヒト脳由来poly (A) +RNA(クローンテック)を鋳型として、ランダムプライマーを用いて逆転写反応を行なった。逆転写反応には、RNase H活性を欠失させたMMLV由来の逆転写酵素であるReverTra Ace(トーヨーボー)を使用した。続いて参考例10に述べたEST配列に基づいて設計した配列番号:12および配列番号:13の合成DNAプライマーを用いてPCR法による増幅を行なった。反応液の組成は、cDNA鋳型2μl、合成DNAプライマー各0.5μM、1.6mM dNTPs、LA Taq (タカラ)0.2μlおよび酵素に付属のバッファーで、総反応量は20μlとした。増幅のためのサイクルはサーマルサイクラー(PE Biosystems)を用い、96℃・120秒の加熱の後、96℃・30秒、72℃・45秒のサイクルを4回、96℃・30秒、70℃・45秒のサイクルを4回、96℃・30秒、68℃・45秒のサイクルを4回、96℃・30秒、64℃・30秒、72℃・45秒のサイクルを5回、96℃・30秒、60℃・30秒、72℃・45秒のサイクルを20回繰り返し、最後に72℃で10分間保温した。増幅産物の確認は、3%アガロースゲル電気泳動の後、エチジウムブロマイド染色によって行なった。
PCR反応液を3%の低融点アガロースゲル電気泳動により分離し、バンドの部分をかみそりで切り出した後、QIAquick Gel Extraction Kit(キアゲン)を用いてDNAを回収した。TOPO TAクローニングキット(インビトロゲン)の処方に従い、回収したDNAをプラスミドベクターpCR2.1-TOPOへサブクローニングした。これをEscherichia coli TOP10(インビトロゲン)に導入して形質転換した後、cDNA挿入断片を持つクローンをアンピシリンおよびX-galを含むLB寒天培地で選択し、白色を呈するクローンのみを滅菌したつま楊枝を用いて分離し、形質転換体を得た。個々のクローンをアンピシリンを含むLB培地で一晩培養し、QIAwell 8 Plasmid KIt (キアゲン)を用いてプラスミドDNAを調製した。塩基配列の決定のための反応はDyeDeoxyTerminator Cycle Sequence Kit(PE Biosystems)を用いて行ない、蛍光式自動シーケンサーを用いて解読し、配列番号:14に示すDNA配列を得た。このこの配列から翻訳されるGPR8リガンドぺプチド前駆体タンパク質の一部(配列番号:15)には予想どおりブタ視床下部より単離されて配列が明らかになった活性ペプチドに相当するペプチド配列が存在した。さらに、そのC末側には通常の生理活性ペプチドが切り出されると考えられるArg-Argの配列(Seidah, N. G. et al.、Ann. N. Y. Acad. Sci.、839巻、9-24頁、1998年)が2ヶ所存在した。このことから、GPR8のリガンドペプチドのヒトホモログのアミノ酸配列は配列番号:16および17のいずれかもしくは両方であると推定された。
【0078】
参考例12 Fmoc化ヒトGPR8 ligand (1-23):Fmoc-Trp-Tyr-Lys-His-Val-Ala-Ser-Pro-Arg-Tyr-His-Thr-Val-Gly-Arg-Ala-Ala-Gly-Leu-Leu-Met-Gly-Leu(配列番号:105)およびヒトGPR8 ligand (1-23):Trp-Tyr-Lys-His-Val-Ala-Ser-Pro-Arg-Tyr-His-Thr-Val-Gly-Arg-Ala-Ala-Gly-Leu-Leu-Met-Gly-Leu(配列番号:16)の製造
市販 2-chlorotrityl resin (Clt resin,1.33mmol/g) にFmoc-Leu を導入したFmoc-Leu-O-Clt resin(0.76mmol/g) 0.25mmol を出発原料とし、ペプチド合成機ABI 433A を用い Fmoc/ DCC/ HOBt法により、Fmoc-Gly, Fmoc-Met, Fmoc-Leu, Fmoc-Leu, Fmoc-Gly, Fmoc-Ala, Fmoc-Ala, Fmoc-Arg(Pbf), Fmoc-Gly, Fmoc-Val, Fmoc-Thr(But), Fmoc-His(Trt), Fmoc-Tyr(But), Fmoc-Arg(Pbf), Fmoc-Pro, Fmoc-Ser(But), Fmoc-Ala, Fmoc-Val, Fmoc-His(Trt), Fmoc-Lys(Boc), Fmoc-Tyr(But), Fmoc-Trp(Boc) の順に縮合を行い、Fmoc-Trp(Boc)-Tyr(But)-Lys(Boc)-His(Trt)-Val-Ala-Ser(But)-Pro-Arg(Pbf)-Tyr(But)-His(Trt)-Thr(But)-Val-Gly-Arg(Pbf)-Ala-Ala-Gly-Leu-Leu-Met-Gly-Leu-O-Clt resin 830 mg を得た。
この樹脂150mgに TFA / thioanisole / m-cresol / triisopropylsilane / ethanedithiol (85 / 5 / 5 / 2.5 / 2.5) 5 ml を加え、室温にて 2時間振盪した後樹脂をろ去し、溶媒を濃縮後エーテルを加え、粗 Fmoc-Trp-Tyr-Lys-His-Val-Ala-Ser-Pro-Arg-Tyr-His-Thr-Val-Gly-Arg-Ala-Ala-Gly-Leu-Leu-Met-Gly-Leu を沈殿として得た。これを YMC D-ODS-5-ST S-5 120A カラム(20 x 150mm)を用いた分取HPLCで、A液: 0.1%TFA-水、B液: 0.1%TFA含有アセトニトリルによるA/B: 72/28〜52/48への直線型濃度勾配溶出(60分)を行い、目的物を含む分画を集め凍結乾燥し白色粉末9.7mgを得た。
質量分析による(M+H)+ 2805.7 (計算値2805.4)
HPLC溶出時間 25.1 分
溶出条件
カラム Wakosil-II 5C18 HG (4.6 x 100mm)
溶離液 A液: 0.1%TFA-水、B液: 0.1%TFA含有アセトニトリルを用い、 A/B: 100 / 0 〜 30 / 70へ 直線型濃度勾配溶出(35分)
流速 1.0ml/分
得られた Fmoc-Trp-Tyr-Lys-His-Val-Ala-Ser-Pro-Arg-Tyr-His-Thr-Val-Gly-Arg-Ala-Ala-Gly-Leu-Leu-Met-Gly-Leu 5 mg に 20% diethylamine / DMF 1 mLを加え室温にて 2 時間撹拌した。溶媒を留去後 YMC D-ODS-5-ST S-5 120A カラム(20 x 150mm)を用いた分取HPLCで、A液: 0.1%TFA-水、B液: 0.1%TFA含有アセトニトリルによるA/B: 74/26〜64/36への直線型濃度勾配溶出(60分)を行い、目的物を含む分画を集め凍結乾燥し白色粉末1.2mgを得た。
質量分析による(M+H)+ 2583.6 (計算値2583.4)
HPLC溶出時間 20.4 分
溶出条件
カラム Wakosil-II 5C18 HG (4.6 x 100mm)
溶離液 A液: 0.1%TFA-水、B液: 0.1%TFA含有アセトニトリルを用い、 A/B: 100 / 0 〜30 / 70へ 直線型濃度勾配溶出(35分)
流速 1.0ml/分
【0079】
参考例13 ヒトGPR8 ligand (1-30):Trp-Tyr-Lys-His-Val-Ala-Ser-Pro-Arg-Tyr-His-Thr-Val-Gly-Arg-Ala-Ala-Gly-Leu-Leu-Met-Gly-Leu-Arg-Arg-Ser-Pro-Tyr-Leu-Trp(配列番号:17)の製造
市販 2-chlorotrityl resin (Clt resin,1.33mmol/g) にFmoc-Trp(Boc) を導入したFmoc-Trp(Boc)-O-Clt resin(0.64mmol/g) 0.25mmol を出発原料として参考例12と同様に配列順通りにアミノ酸を縮合、最後のTrpを導入後樹脂から切り出す前にFmoc基を樹脂上で除去したのち、 TFA / thioanisole / m-cresol / triisopropylsilane / ethanedithiol (85 / 5 / 5 / 2.5 / 2.5)で処理し樹脂からの切り出しと側鎖保護基の除去を同時に行った。 粗ペプチドを参考例12と同様の方法で精製しTrp-Tyr-Lys-His-Val-Ala-Ser-Pro-Arg-Tyr-His-Thr-Val-Gly-Arg-Ala-Ala-Gly-Leu-Leu-Met-Gly-Leu-Arg-Arg-Ser-Pro-Tyr-Leu-Trpを得た。
質量分析による(M+H)+ 3543.4 (計算値3544.2)
HPLC溶出時間 21.5 分
溶出条件
カラム Wakosil-II 5C18 HG (4.6 x 100mm)
溶離液 A液: 0.1%TFA-水、B液: 0.1%TFA含有アセトニトリルを用い、 A/B: 100 / 0 〜 30 / 70へ 直線型濃度勾配溶出(35分)
流速 1.0ml/分
【0080】
参考例14 ヒトGPR8 ligand (1-29):Trp-Tyr-Lys-His-Val-Ala-Ser-Pro-Arg-Tyr-His-Thr-Val-Gly-Arg-Ala-Ala-Gly-Leu-Leu-Met-Gly-Leu-Arg-Arg-Ser-Pro-Tyr-Leu(配列番号:20)の製造
参考例12の樹脂を用い参考例13と同様に配列順にアミノ酸を縮合したのち樹脂からの切り出しと精製を行いTrp-Tyr-Lys-His-Val-Ala-Ser-Pro-Arg-Tyr-His-Thr-Val-Gly-Arg-Ala-Ala-Gly-Leu-Leu-Met-Gly-Leu-Arg-Arg-Ser-Pro-Tyr-Leuを得る。
【0081】
参考例15 ヒトGPR8 ligand (1-28):Trp-Tyr-Lys-His-Val-Ala-Ser-Pro-Arg-Tyr-His-Thr-Val-Gly-Arg-Ala-Ala-Gly-Leu-Leu-Met-Gly-Leu-Arg-Arg-Ser-Pro-Tyr(配列番号:21)の製造
市販 2-chlorotrityl resin (Clt resin,1.33mmol/g) にFmoc-Tyr(But) を導入したのち参考例13と同様に配列順にアミノ酸の縮合と樹脂からの切り出し、精製を行いTrp-Tyr-Lys-His-Val-Ala-Ser-Pro-Arg-Tyr-His-Thr-Val-Gly-Arg-Ala-Ala-Gly-Leu-Leu-Met-Gly-Leu-Arg-Arg-Ser-Pro-Tyrを得る。
【0082】
参考例16 ヒトGPR8 ligand (1-27):Trp-Tyr-Lys-His-Val-Ala-Ser-Pro-Arg-Tyr-His-Thr-Val-Gly-Arg-Ala-Ala-Gly-Leu-Leu-Met-Gly-Leu-Arg-Arg-Ser-Pro(配列番号:22)の製造
市販 2-chlorotrityl resin (Clt resin,1.33mmol/g) にFmoc-Proを導入したのち参考例13と同様に配列順にアミノ酸の縮合と樹脂からの切り出し、精製を行いTrp-Tyr-Lys-His-Val-Ala-Ser-Pro-Arg-Tyr-His-Thr-Val-Gly-Arg-Ala-Ala-Gly-Leu-Leu-Met-Gly-Leu-Arg-Arg-Ser-Proを得る。
【0083】
参考例17 ヒトGPR8 ligand (1-26):Trp-Tyr-Lys-His-Val-Ala-Ser-Pro-Arg-Tyr-His-Thr-Val-Gly-Arg-Ala-Ala-Gly-Leu-Leu-Met-Gly-Leu-Arg-Arg-Ser(配列番号:23)の製造
市販 2-chlorotrityl resin (Clt resin,1.33mmol/g) にFmoc-Ser(But)を導入したのち参考例13と同様に配列順にアミノ酸の縮合と樹脂からの切り出し、精製を行いTrp-Tyr-Lys-His-Val-Ala-Ser-Pro-Arg-Tyr-His-Thr-Val-Gly-Arg-Ala-Ala-Gly-Leu-Leu-Met-Gly-Leu-Arg-Arg-Serを得る。
【0084】
参考例18 ヒトGPR8 ligand (1-25):Trp-Tyr-Lys-His-Val-Ala-Ser-Pro-Arg-Tyr-His-Thr-Val-Gly-Arg-Ala-Ala-Gly-Leu-Leu-Met-Gly-Leu-Arg-Arg(配列番号:24)の製造
市販 2-chlorotrityl resin (Clt resin,1.33mmol/g) にFmoc-Arg(Pbf)を導入したのち参考例13と同様に配列順にアミノ酸の縮合と樹脂からの切り出し、精製を行いTrp-Tyr-Lys-His-Val-Ala-Ser-Pro-Arg-Tyr-His-Thr-Val-Gly-Arg-Ala-Ala-Gly-Leu-Leu-Met-Gly-Leu-Arg-Argを得る。
【0085】
参考例19 ヒトGPR8 ligand (1-24):Trp-Tyr-Lys-His-Val-Ala-Ser-Pro-Arg-Tyr-His-Thr-Val-Gly-Arg-Ala-Ala-Gly-Leu-Leu-Met-Gly-Leu-Arg(配列番号:25)の製造
市販 2-chlorotrityl resin (Clt resin,1.33mmol/g) にFmoc-Arg(Pbf)を導入したのち参考例13と同様に配列順にアミノ酸の縮合と樹脂からの切り出し、精製を行いTrp-Tyr-Lys-His-Val-Ala-Ser-Pro-Arg-Tyr-His-Thr-Val-Gly-Arg-Ala-Ala-Gly-Leu-Leu-Met-Gly-Leu-Argを得る。
【0086】
参考例20 GPR8発現CHO細胞膜画分を用いて測定した23残基のGPR8リガンドペプチドのヒトホモログのGTPγS結合促進活性
参考例12で合成した23残基のGPR8リガンドペプチドのヒトホモログ(以下、hGPR8L(1−23)と記載することがある)を種々の濃度で参考例6に記載した方法でGPR8発現CHO細胞膜画分に投与してGTPγS結合促進活性を測定した。結果を図3に示した。明らかにhGPR8L(1−23)は濃度依存的にGPR8発現CHO細胞膜画分のGTPγS結合を促進した。このことから配列番号:16の構造を有するペプチドがGPR8に対するリガンドであることが明らかとなった。
【0087】
参考例21 GPR8発現CHO細胞膜画分を用いて測定した30残基のGPR8リガンドペプチドのヒトホモログのGTPγS結合促進活性
参考例13で合成した30残基のGPR8リガンドペプチドのヒトホモログ(以下、hGPR8L(1−30)と記載することがある)を種々の濃度で参考例6に記載した方法でGPR8発現CHO細胞膜画分に投与してGTPγS結合促進活性を測定した。結果を図4に示した。明らかにhGPR8L(1−30)は濃度依存的にGPR8発現CHO細胞膜画分のGTPγS結合を促進した。このことから配列番号:17の構造を有するペプチドがGPR8に対するリガンドであることが明らかとなった。
【0088】
参考例22 GPR8発現CHO細胞を用いて測定した23残基のGPR8リガンドペプチドのヒトホモログの細胞内cAMP産生抑制活性
参考例12で合成したhGPR8L(1−23)を種々の濃度で参考例5に記載した方法でGPR8発現CHO細胞に接触させて細胞内cAMP産生抑制活性を測定した。結果を図5に示した。明らかにhGPR8L(1−23)は濃度依存的にGPR8発現CHO細胞に対して細胞内cAMPの産生を抑制した。図中、 cAMP合成抑制活性は、フォルスコリンを含む反応用バッファーを添加したときの細胞内cAMP量から反応用バッファーを添加したときの細胞内cAMP量を減じた量を100%として、hGPR8L(1−23)を加えたときの細胞内cAMP量から反応用バッファーを添加したときの細胞内cAMP量を減じた量を%として表わした。
【0089】
参考例23 GPR8発現CHO細胞を用いて測定した30残基のGPR8リガンドペプチドのヒトホモログの細胞内cAMP産生抑制活性
参考例13で合成したhGPR8L(1−30)を種々の濃度で参考例5に記載した方法でGPR8発現CHO細胞に接触させて細胞内cAMP産生抑制活性を測定した。結果を図7に示した。明らかにhGPR8L(1−30)は濃度依存的にGPR8発現CHO細胞に対して細胞内cAMPの産生を抑制した。図7中、cAMP合成抑制活性は、フォルスコリンを含む反応用バッファーを添加したときの細胞内cAMP量から反応用バッファーを添加したときの細胞内cAMP量を減じた量を100%として、hGPR8L(1−30)を加えたときの細胞内cAMP量から反応用バッファーを添加したときの細胞内cAMP量を減じた量を%として表わした。
【0090】
参考例24 GPR8 ligandの摂食行動に対する作用
Wistar雄性ラット(9週令)の側脳室(AP:8.1,L:1.8,H:7.1mm)にペントバルビタール麻酔下でガイドカニューレ(AG-8)を挿入した。その後、1週間以上回復させてから実験を行った。回復期間中、毎日ハンドリングを行い、脳室内投与時のストレスを軽減させた。
摂食実験は15:00から開始した。ラットに無麻酔、無拘束下でマイクロインジェクションカニューレを取り付け、PBSに溶解させた参考例12で得たペプチド(配列番号:16で表されるアミノ酸配列からなるペプチド)またはPBSのみを5μl/minで2分間投与した。投与終了後から1分後にマイクロインジェクションカニューレを取り外し、あらかじめ重量を計測しておいた餌(固形飼料 CE2:日本クレア)を自由に摂食させた。投与開始から時間を計測し、30、60、120分後に餌を計量して摂食量を求めた(図6)。
【0091】
参考例25 ヒトGPR8リガンド前駆体タンパク質をコードするcDNAの5’上流端のクローニング
参考例11に記載したGPR8のリガンドペプチドのヒトホモログ(以下、ヒトGPR8リガンドと記載することがある)の前駆体タンパク質の一部をコードするヒトcDNA配列(配列番号:14)を基に作製したプライマーでヒト視床下部cDNAを鋳型とした5' RACE PCRを行ない、ヒトGPR8リガンド前駆体タンパク質をコードするcDNAの5'上流塩基配列を明らかにした。5'RACE PCRクローニングは、ヒト視床下部Marathon-Ready cDNA (CLONTECH)を鋳型としてキットに添付のAP1プライマーと配列番号:33の合成プライマーでPCR反応を行ない、次にこのPCR反応液を鋳型としてキットに添付のAP2プライマーと配列番号:34の合成プライマーでPCR反応を行なうことにより達成された。PCR の反応液組成と反応条件は以下のとおりである。反応液はヒト視床下部cDNA 4μl、AP1プライマー0.5μM、配列番号:33の合成DNAプライマー0.5μM、0.4 mM dNTPs、LATaqポリメラーゼ(タカラ)0.2μlおよび酵素に付属のGC(I)バッファーで総反応量を20μlとし、サーマルサイクラー(PE Biosystems)を用い、96℃・120秒の加熱の後、96℃・30秒、68℃・240秒のサイクルを30回繰り返し、さらに72℃で10分間保温した。次に、キットに添付のTricine-EDTA Bufferで50倍希釈したPCR反応液2μl、AP2プライマー0.5μM、配列番号:34の合成DNAプライマー0.5μM、0.4 mM dNTPs、LATaqポリメラーゼ(タカラ)0.2μlおよび酵素に付属のGC(I)バッファーで総反応量を20μlとし、サーマルサイクラー(PE Biosystems)を用い、96℃・120秒の加熱の後、96℃・30秒、72℃・180秒のサイクルを4回、次に96℃・30秒、70℃・180秒のサイクルを4回、次に96℃・30秒、68℃・180秒のサイクルを17回、最後に72℃で10分間保温した。増幅したDNAを1.2%のアガロースゲル電気泳動により分離した後、約1,200塩基長のDNAをカミソリで切り出し、DNAをQIAquick Gel Extraction Kit(キアゲン)を用いて回収した。このDNAを、TOPO TA Cloning Kit (Invitrogen)のプロトコールに従ってpCR2.1-TOPOベクターへクローニングした。これをエシェリヒア コリ(Escherichia coli) TOP10 competent cell(Invitrogen)に導入して形質転換した後、cDNA挿入断片を持つクローンをアンピシリンおよびX-galを含むLB寒天培地で選択し、白色を呈するクローンのみを滅菌したつま楊枝を用いて分離し、形質転換体を得た。個々のクローンをアンピシリンを含むLB培地で一晩培養し、QIAwell 8 Plasmid Kit (キアゲン)を用いてプラスミドDNAを調整した。塩基配列の決定のための反応はBigDye Terminator Cycle Sequencing Ready Reaction Kit (PE Biosystems)を用いて行ない、蛍光式自動シーケンサーを用いて解読し、配列番号:35に示すDNA配列を得た。
【0092】
参考例26 ヒト脳cDNAの作製
ヒト脳cDNAは、Marathon TM cDNA Amplification Kit (CLONTECH)を用いてヒト脳poly A(+) RNA (CLONTECH)から作製した。RACE PCRに供されるcDNAは1st strand cDNA合成を除き、キットに添付のプロトコールに従って作製した。1st strand cDNAは、キットに添付の逆転写酵素AMVの代わりに逆転写酵素MMLV (-RNAse H)(RevTraAce,トーヨーボー)を用いて、1μgのヒト脳poly A(+) RNAから合成した。
【0093】
参考例27 ヒトGPR8リガンド前駆体タンパク質をコードするcDNAの3’下流端のクローニング
参考例11に記載のヒトGPR8リガンド前駆体タンパク質の一部をコードするヒトcDNA配列(配列番号:14)を基に作製したプライマーでヒト脳cDNAを鋳型とした3' RACE PCRを行ない、ヒトGPR8リガンドをコードするcDNAの3'下流塩基配列を明らかにした。3'RACE PCR クローニングは、ヒト脳 cDNAを鋳型としてキットに添付のAP1プライマーと配列番号:36の合成プライマーでPCR反応を行ない、次にこのPCR反応液を鋳型としてキットに添付のAP2プライマーと配列番号:37の合成プライマーでPCR反応を行なうことにより達成された。PCR の反応液組成と反応条件は以下のとおりである。反応液はキットに添付のTricine-EDTA Bufferで50倍希釈したヒト脳cDNA 1μl、AP1プライマー0.5μM、配列番号:36の合成DNAプライマー0.5μM、0.4 mM dNTPs、LATaqポリメラーゼ(タカラ)0.2μlおよび酵素に付属のGC(I)バッファーで総反応量を20μlとし、サーマルサイクラー(PE Biosystems)を用い、96℃・120秒の加熱の後、96℃・30秒、68℃・240秒のサイクルを30回繰り返し、さらに72℃で10分間保温した。次に、キットに添付のTricine-EDTA Bufferで50倍希釈したPCR反応液1μl、AP2プライマー0.5μM、配列番号:37の合成DNAプライマー0.5μM、0.4 mM dNTPs、LATaqポリメラーゼ(タカラ)0.2μlおよび酵素に付属のGC(I)バッファーで総反応量を20μlとし、サーマルサイクラー(PE Biosystems)を用い、96℃・120秒の加熱の後、96℃・30秒、72℃・180秒のサイクルを4回、次に96℃・30秒、70℃・180秒のサイクルを4回、次に96℃・30秒、68℃・180秒のサイクルを17回、最後に72℃で10分間保温した。増幅したDNAを1.5%のアガロースゲル電気泳動により分離した後、約600塩基長のDNAをカミソリで切り出し、DNAをQIAquick Gel Extraction Kit(キアゲン)を用いて回収した。このDNAを、TOPO TA Cloning Kit (Invitrogen)のプロトコールに従ってpCR2.1-TOPOベクターへクローニングした。これをエシェリヒア コリ(Escherichia coli) TOP10 competent cell(Invitrogen)に導入して形質転換した後、cDNA挿入断片を持つクローンをアンピシリンおよびX-galを含むLB寒天培地で選択し、白色を呈するクローンのみを滅菌したつま楊枝を用いて分離し、形質転換体を得た。個々のクローンをアンピシリンを含むLB培地で一晩培養し、QIAwell 8 Plasmid Kit (キアゲン)を用いてプラスミドDNAを調整した。塩基配列の決定のための反応はBigDye Terminator Cycle Sequencing Ready Reaction Kit (PE Biosystems)を用いて行ない、蛍光式自動シーケンサーを用いて解読し、配列番号:38に示すDNA配列を得た。
【0094】
参考例28 ヒトGPR8リガンド前駆体タンパク質をコードするcDNAのクローニング
ヒト視床下部cDNAを鋳型として、ヒトGPR8リガンド前駆体タンパク質をコードするcDNAの5’上流塩基配列を基に作製したプライマーとヒトGPR8リガンド前駆体タンパク質をコードするcDNAの3’下流塩基配列を基に作製したプライマーでPCR増幅を行なうことにより、ヒトGPR8リガンド前駆体タンパク質をコードするcDNAをクローニングした。PCRの反応液組成と反応条件は以下のとおりである。反応液は、ヒト視床下部Marathon-Ready cDNA (CLONTECH) 1μl、配列番号:39の合成DNAプライマー0.5μM、配列番号:40の合成DNAプライマー0.5μM、0.4 mM dNTPs、2.5 mM MgCl2、5% DMSO、LATaqポリメラーゼ(タカラ)0.2μlおよび酵素に付属のバッファーで総反応量を20μlとし、サーマルサイクラー(PE Biosystems)を用い、96℃・60秒の加熱の後、96℃・30秒、64℃・30秒、72℃・120秒のサイクルを35回、最後に72℃で10分間保温した。増幅したDNAを1.5%のアガロースゲル電気泳動により分離した後、約700塩基長のDNAをカミソリで切り出し、DNAをQIAquick Gel Extraction Kit(キアゲン)を用いて回収した。このDNAを、TOPO TA Cloning Kit (Invitrogen)のプロトコールに従ってpCR2.1-TOPOベクターへクローニングした。これをエシェリヒア コリ(Escherichia coli) TOP10 competent cell(Invitrogen)に導入して形質転換した後、cDNA挿入断片を持つクローンをアンピシリンおよびX-galを含むLB寒天培地で選択し、白色を呈するクローンのみを滅菌したつま楊枝を用いて分離し、形質転換体を得た。個々のクローンをアンピシリンを含むLB培地で一晩培養し、QIAwell 8 Plasmid Kit (キアゲン)を用いてプラスミドDNAを調整した。塩基配列の決定のための反応はBigDye Terminator Cycle Sequencing Ready Reaction Kit (PE Biosystems)を用いて行ない、蛍光式自動シーケンサーを用いて解読し、配列番号:41に示すDNA配列を得た。
この配列(配列番号:41)はヒトGPR8リガンド前駆体タンパク質をコードするためこのDNAを含むプラスミドで形質転換した大腸菌をTOP10/pCR2.1-TOPOヒトGPR8リガンド前駆体(Escherichia coli TOP10/pCR2.1-TOPO Human GPR8 Ligand Precursor)と命名した。
配列番号:41に示すDNA配列には、参考例11に記載したヒトGPR8リガンドペプチドのアミノ酸配列をコードするようなフレームが存在するが、その5'上流側にはタンパク質翻訳の開始コドンであると予想されるATGが存在しない。しかし、これまでに幾つかのタンパク質でATG以外のコドンを開始コドンとすることが予想されている例が報告されている(ヒト塩基性線維芽細胞増殖因子(H. Prats et al.、Proc. Natl. Acad. Sci. USA、86巻、1836-1840頁、1989年、R. Z. FlorkiewiczおよびA. Sommer、Proc. Natl. Acad. Sci. USA、86巻、3978-3981頁、1989年)、マウスレチノイン酸レセプターβ4(S. Nagpal et al.、Proc. Natl. Acad. Sci. USA、89巻、2718頁、1992年)、ヒトホスホリボシルピロリン酸合成酵素(M. Taira et al.、J. Biol. Chem.、265巻、16491-16497頁、1990年)、ショウジョウバエコリンアセチル転移酵素(H. Sugihara et al.、J. Biol. Chem.、265巻、21714-21719頁、1990年))。
これらの例ではATGに代わりLeuをコードするCTGが開始コドンとして仮定されていることが多い。ヒトGPR8リガンド前駆体タンパク質においても同様であると考え、後述のブタあるいはラットのGPR8リガンドホモログの前駆体タンパク質との比較からこれらの前駆体タンパク質における開始コドンと予想されるATGにほぼ対応する位置に存在するCTGコドンを開始コドンと仮定し、前駆体タンパク質の配列を推定した。この仮想的ヒトGPR8リガンド前駆体タンパク質のアミノ酸配列を配列番号:42に示した。また、仮想的ヒトGPR8リガンド前駆体タンパク質のアミノ酸配列およびDNA配列を図8に示した。
【0095】
参考例29 ブタ脊髄cDNAの作製
ブタ脊髄cDNAは、MarathonTM cDNA Amplification Kit (CLONTECH)を用いてブタ脊髄poly A(+) RNAから作製した。ブタ脊髄poly A(+) RNAは、ブタ脊髄から以下のように調製した。ブタ脊髄を、ISOGEN(日本ジーン)中にてポリトロンホモゲナイザーで完全に破砕し、この破砕溶液からISOGEN溶液を用いたtotal RNA調製法に従ってブタ脊髄total RNAを得た。次に、ブタ脊髄total RNAからmRNA Purification Kit(Amersham Pharmacia Biotech)に添付のoligo dT celluloseカラムを用いた クロマトグラフィーを2回行なうことにより、7μgのブタ脊髄poly A(+) RNAを得た。RACE PCRに供したcDNAは1st strand cDNA合成を除き、キットに添付のプロトコールに従って作製した。1st strand cDNAは、キットに添付の逆転写酵素AMVの代わりに逆転写酵素MMLV (-RNAse H)(RevTraAce,トーヨーボー)を用いて、1μgのブタ脊髄poly A(+) RNAから合成した。
【0096】
参考例30 ブタGPR8リガンド前駆体タンパク質をコードするcDNAの5’上流端のクローニング
1回目の5'RACE PCR クローニングと、そのPCR増幅 DNAの塩基配列を利用した2回目の5'RACE PCR クローニングにより、GPR8のリガンドペプチドのブタホモログ(以下、ブタGPR8リガンドと記載することがある)の前駆体タンパク質をコードするcDNAの5’上流塩基配列を明らかにした。
1回目の5'RACE PCR クローニングは、上記ブタ脊髄cDNAを鋳型としてキットに添付のAP1プライマーと配列番号:43の合成プライマーでPCR反応を行ない、次にこのPCR反応液を鋳型としてキットに添付のAP2プライマーと配列番号:44の合成プライマーでPCR反応を行なうことにより達成された。PCR の反応液組成と反応条件は以下のとおりである。反応液はキットに添付のTricine-EDTA Bufferで50倍希釈したブタ脊髄cDNA 4μl、AP1プライマー0.5μM、配列番号:43の合成DNAプライマー0.5μM、0.4 mM dNTPs、LATaqポリメラーゼ(タカラ)0.2μlおよび酵素に付属のGC(I)バッファーで総反応量を20μlとし、サーマルサイクラー(PE Biosystems)を用い、96℃・120秒の加熱の後、96℃・30秒、68℃・180秒のサイクルを30回繰り返し、さらに72℃で10分間保温した。次に、キットに添付のTricine-EDTA Bufferで100倍希釈したPCR反応液1μl、AP2プライマー0.5μM、配列番号:44の合成DNAプライマー0.5μM、0.4 mM dNTPs、Advantage-GC 2ポリメラーゼ(CLONTECH) 0.2μlおよび酵素に付属のバッファーで総反応量を20μlとし、サーマルサイクラー(PE Biosystems)を用い、96℃・60秒の加熱の後、96℃・30秒、72℃・180秒のサイクルを3回、次に96℃・30秒、70℃・180秒のサイクルを3回、次に96℃・30秒、68℃・180秒のサイクルを4回、次に96℃・30秒、64℃・30秒、72℃・180秒のサイクルを15回繰り返し、最後に72℃で10分間保温した。増幅したDNAを1.2%のアガロースゲル電気泳動により分離した後、約300塩基長のDNAをカミソリで切り出し、DNAをQIAquick Gel Extraction Kit(キアゲン)を用いて回収した。このDNAを、TOPO TA Cloning Kit (Invitrogen)のプロトコールに従ってpCR2.1-TOPOベクターへクローニングした。これをエシェリヒア コリ(Escherichia coli) TOP10F' competent cell(Invitrogen)に導入して形質転換した後、cDNA挿入断片を持つクローンをアンピシリン、IPTGおよびX-galを含むLB寒天培地で選択し、白色を呈するクローンのみを滅菌したつま楊枝を用いて分離し、形質転換体を得た。個々のクローンをアンピシリンを含むLB培地で一晩培養し、QIAwell 8 Plasmid Kit (キアゲン)を用いてプラスミドDNAを調整した。塩基配列の決定のための反応はBigDye Terminator Cycle Sequencing Ready Reaction Kit (PE Biosystems)を用いて行ない、蛍光式自動シーケンサーを用いて解読し、配列番号:45に示すDNA配列を得た。
2回目の5'RACE PCR クローニングは、ブタ脊髄cDNAを鋳型としてキットに添付のAP1プライマーと配列番号:46の合成プライマーでPCR反応を行ない、次にこのPCR反応液を鋳型としてキットに添付のAP2プライマーと配列番号:47の合成プライマーでPCR反応を行なうことにより達成された。PCRの反応液組成と反応条件は以下のとおりである。反応液は、キットに添付のTricine-EDTA Bufferで50倍希釈したブタ脊髄cDNA 1μl、AP1プライマー0.5μM、配列番号:46の合成DNAプライマー0.5μM、0.4 mM dNTPs、Advantage-GC 2ポリメラーゼ(CLONTECH) 0.2μlおよび酵素に付属のバッファーで総反応量を20μlとし、サーマルサイクラー(PE Biosystems)を用い、96℃・60秒の加熱の後、96℃・30秒、72℃・180秒のサイクルを5回、次に96℃・30秒、70℃・180秒のサイクルを5回、次に96℃・30秒、68℃・180秒のサイクルを20回繰り返し、最後に72℃で10分間保温した。次に、キットに添付のTricine-EDTA Bufferで100倍希釈したPCR反応液1μl、AP2プライマー0.5μM、配列番号:47の合成DNAプライマー0.5μM、0.4 mM dNTPs、Advantage-GC 2ポリメラーゼ(CLONTECH) 0.2μlおよび酵素に付属のバッファーで総反応量を20μlとし、サーマルサイクラー(PE Biosystems)を用い、96℃・60秒の加熱の後、96℃・30秒、68℃・180秒のサイクルを31回繰り返し、最後に72℃で10分間保温した。増幅したDNAを2.0%のアガロースゲル電気泳動により分離した後、約200塩基長のDNAをカミソリで切り出し、DNAをQIAquick Gel Extraction Kit(キアゲン)を用いて回収した。このDNAを、TOPO TA Cloning Kit (Invitrogen)のプロトコールに従ってpCR2.1-TOPOベクターへクローニングした。これをエシェリヒア コリ(Escherichia coli) TOP10F' competent cell(Invitrogen)に導入して形質転換した後、cDNA挿入断片を持つクローンをアンピシリン、IPTGおよびX-galを含むLB寒天培地で選択し、白色を呈するクローンのみを滅菌したつま楊枝を用いて分離し、形質転換体を得た。個々のクローンをアンピシリンを含むLB培地で一晩培養し、QIAwell 8 Plasmid Kit (キアゲン)を用いてプラスミドDNAを調整した。塩基配列の決定のための反応はBigDye Terminator Cycle Sequencing Ready Reaction Kit(PE Biosystems)を用いて行ない、蛍光式自動シーケンサーを用いて解読し、配列番号:48に示すDNA配列を得た。
【0097】
参考例31 ブタGPR8リガンド前駆体タンパク質をコードするcDNAの3’下流端のクローニング
ブタGPR8リガンド前駆体タンパク質をコードするcDNAの5'上流端の塩基配列を基に作製したプライマーを用いた3'RACE PCRクローニングにより、ブタGPR8リガンドペプチドの前駆体タンパク質をコードするcDNAの3'下流塩基配列を明らかにした。3'RACE PCR クローニングは、ブタ脊髄cDNAを鋳型としてキットに添付のAP1プライマーと配列番号:49の合成プライマーでPCR反応を行ない、次にこのPCR反応液を鋳型としてキットに添付のAP2プライマーと配列番号:50の合成プライマーでPCR反応を行なうことにより達成された。PCRの反応液組成と反応条件は以下のとおりである。反応液は、キットに添付のTricine-EDTA Bufferで50倍希釈したブタ脊髄cDNA 1μl、AP1プライマー0.5μM、配列番号:49の合成DNAプライマー0.5μM、0.4 mM dNTPs、Advantage-GC 2ポリメラーゼ(CLONTECH) 0.2μlおよび酵素に付属のバッファーで総反応量を20μlとし、サーマルサイクラー(PE Biosystems)を用い、96℃・60秒の加熱の後、96℃・30秒、72℃・120秒のサイクルを5回、次に96℃・30秒、70℃・120秒のサイクルを5回、次に96℃・30秒、68℃・120秒のサイクルを20回繰り返し、最後に72℃で10分間保温した。次に、キットに添付のTricine-EDTA Bufferで100倍希釈したPCR反応液1μl、AP2プライマー0.5μM、配列番号:50の合成DNAプライマー0.5μM、0.4 mM dNTPs、Advantage-GC 2ポリメラーゼ(CLONTECH) 0.2μlおよび酵素に付属のバッファーで総反応量を20μlとし、サーマルサイクラー(PE Biosystems)を用い、96℃・120秒の加熱の後、96℃・30秒、68℃・120秒のサイクルを31回繰り返し、最後に72℃で10分間保温した。増幅したDNAを2.0%のアガロースゲル電気泳動により分離した後、約650塩基長のDNAをカミソリで切り出し、DNAをQIAquick Gel Extraction Kit(キアゲン)を用いて回収した。このDNAを、TOPO TA Cloning Kit (Invitrogen)のプロトコールに従ってpCR2.1-TOPOベクターへクローニングした。これをエシェリヒア コリ(Escherichia coli) TOP10F' competent cell(Invitrogen)に導入して形質転換した後、cDNA挿入断片を持つクローンをアンピシリンおよびX-gal、IPTGを含むLB寒天培地で選択し、白色を呈するクローンのみを滅菌したつま楊枝を用いて分離し、形質転換体を得た。個々のクローンをアンピシリンを含むLB培地で一晩培養し、QIAwell 8 Plasmid Kit (キアゲン)を用いてプラスミドDNAを調整した。塩基配列の決定のための反応はBigDye Terminator Cycle Sequencing Ready Reaction Kit (PE Biosystems)を用いて行ない、蛍光式自動シーケンサーを用いて解読し、配列番号:51に示すDNA配列を得た。
【0098】
参考例32 ブタGPR8リガンド前駆体タンパク質をコードするcDNAのクローニング
ブタ脊髄cDNAを鋳型として、ブタGPR8リガンド前駆体タンパク質をコードするcDNAの5’上流塩基配列を基に作製したプライマーとブタGPR8リガンド前駆体タンパク質をコードするcDNAの3’下流塩基配列を基に作製したプライマーでPCR増幅を行なうことにより、ブタGPR8リガンド前駆体タンパク質をコードするcDNAをクローニングした。PCRの反応液組成と反応条件は以下のとおりである。反応液は、キットに添付のTricine-EDTA Bufferで50倍希釈したブタ脊髄cDNA 1μl、配列番号:52の合成DNAプライマー0.5μM、配列番号:53の合成DNAプライマー0.5μM、0.4 mM dNTPs、Advantage 2ポリメラーゼ(CLONTECH) 0.2μlおよび酵素に付属のバッファーで総反応量を20μlとし、サーマルサイクラー(PE Biosystems)を用い、96℃・60秒の加熱の後、96℃・30秒、72℃・75秒のサイクルを4回、次に96℃・30秒、70℃・75秒のサイクルを4回、次に96℃・30秒、68℃・75秒のサイクルを4回、次に96℃・30秒、64℃・30秒、72℃・45秒のサイクルを5回、次に96℃・30秒、60℃・30秒、72℃・45秒のサイクルを20回繰り返し、最後に72℃で10分間保温した。増幅したDNAを1.2%のアガロースゲル電気泳動により分離した後、約600塩基長のDNAをカミソリで切り出し、DNAをQIAquick Gel Extraction Kit(キアゲン)を用いて回収した。このDNAを、TOPO TA Cloning Kit (Invitrogen)のプロトコールに従ってpCR2.1-TOPOベクターへクローニングした。これをエシェリヒア コリ(Escherichia coli) TOP10 competent cell(Invitrogen)に導入して形質転換した後、cDNA挿入断片を持つクローンをアンピシリンおよびX-galを含むLB寒天培地で選択し、白色を呈するクローンのみを滅菌したつま楊枝を用いて分離し、形質転換体を得た。個々のクローンをアンピシリンを含むLB培地で一晩培養し、QIAwell 8 Plasmid Kit (キアゲン)を用いてプラスミドDNAを調整した。塩基配列の決定のための反応はBigDye Terminator Cycle Sequencing Ready Reaction Kit(PE Biosystems)を用いて行ない、蛍光式自動シーケンサーを用いて解読し、配列番号:54に示すDNA配列を得た。この配列(配列番号:54)はブタGPR8リガンド前駆体タンパク質をコードするためこのDNAを含むプラスミドで形質転換した大腸菌をTOP10/pCR2.1-TOPOブタGPR8リガンド前駆体(Escherichia coli TOP10/pCR2.1-TOPO Porcine GPR8 Ligand Precursor)と命名した。
配列番号:54のDNA配列がコードするブタGPR8リガンド前駆体タンパク質のアミノ酸配列を配列番号:55に示した。この前駆体タンパク質のアミノ酸配列には参考例10に記載のGPR8発現細胞膜画分に対するGTPγS結合活性を指標にブタ視床下部より単離されたGPR8リガンドペプチドのアミノ酸配列分析によって明らかにされたアミノ末端から17残基までの配列が存在した。さらにその配列のカルボキシ末端側にはGPR8リガンドペプチドのヒトホモログ前駆体タンパク質の場合と同様に、通常の生理活性ペプチドが切り出されると考えられるArg-Argの配列(Seidah, N. G. et al.、Ann. N. Y. Acad. Sci.、839巻、9-24頁、1998年)が2ヶ所存在した。このことから、GPR8リガンドペプチドのブタホモログのアミノ酸配列は配列番号:56および57のいずれかもしくは両方であると推定された。ブタGPR8リガンド前駆体タンパク質のアミノ酸配列およびDNA配列を図9に示した。
【0099】
参考例33 ラットGPR8リガンド前駆体タンパク質の一部をコードするcDNA断片のクローニング
参考例10に記載したように、GPR8発現細胞膜画分に対するGTPγS結合活性を指標にブタ視床下部から精製したペプチドのアミノ末端から17アミノ酸配列(配列番号:6)に基づいてデータベース検索を行なったところ、配列番号:11の塩基配列に合致するラットEST塩基配列(アクセッション番号:H31598)が見出された。このDNA配列は15アミノ酸の配列がブタ視床下部から精製したペプチドのアミノ酸配列(配列番号:6)と同一となる翻訳枠を持っていた。このH31598は、ラットPC12細胞から作製したcDNAライブラリー由来のEST 配列であり、未確定な7塩基を含む260塩基からなる。このH31598はGPR8リガンドのラットホモログペプチド(以下、ラットGPR8リガンドと記載することがある)の前駆体タンパク質の一部をコードしていると推定されたのでその正確な塩基配列を決定するため、H31598の5'塩基配列と3'塩基配列を基に作製したそれぞれのプライマーでラット脳Marathon-Ready cDNA (CLONTECH)を鋳型としたPCRクローニングを行なった。PCRの反応液組成と反応条件は以下のとおりである。ラット脳Marathon cDNA (CLONTECH) 2μl、配列番号:60の合成DNAプライマー0.5μM、配列番号:61の合成DNAプライマー0.5μM、0.4 mM dNTPs、Advantage-GC 2ポリメラーゼ(CLONTECH) 0.2μlおよび酵素に付属のバッファーで総反応量を20μlとし、サーマルサイクラー(PE Biosystems)を用い、96℃・60秒の加熱の後、次に96℃・30秒、60℃・30秒、72℃・60秒のサイクルを35回繰り返し、最後に72℃で10分間保温した。増幅したDNAを4.0%のアガロースゲル電気泳動により分離した後、約250塩基長のDNAをカミソリで切り出し、DNAをQIAquick Gel Extraction Kit(キアゲン)を用いて回収した。このDNAを、TOPO TA Cloning Kit (Invitrogen)のプロトコールに従ってpCR2.1-TOPOベクターへクローニングした。これをエシェリヒア コリ(Escherichia coli) TOP10 competent cell(Invitrogen)に導入して形質転換した後、cDNA挿入断片を持つクローンをアンピシリンおよびX-galを含むLB寒天培地で選択し、白色を呈するクローンのみを滅菌したつま楊枝を用いて分離し、形質転換体を得た。個々のクローンをアンピシリンを含むLB培地で一晩培養し、QIAwell 8 Plasmid Kit (キアゲン)を用いてプラスミドDNAを調整した。塩基配列の決定のための反応はBigDye Terminator Cycle Sequencing Ready Reaction Kit (PE Biosystems)を用いて行ない、蛍光式自動シーケンサーを用いて解読し、配列番号:62に示すDNA配列を得た。PCRクローニングしたDNAの塩基配列(配列番号:62)とH31598の塩基配列との比較により、1塩基欠失の読み誤りがH31598の塩基配列にあることが明らかになった。
【0100】
参考例34 ラットGPR8リガンド前駆体タンパク質をコードするcDNAの5’上流端のクローニング
5'RACE PCR クローニングによりラットGPR8リガンド前駆体タンパク質をコードするcDNAの5'上流塩基配列を明らかにした。5'RACE PCR クローニングは、ラット脳Marathon-Ready cDNA (CLONTECH)を鋳型としてキットに添付のAP1プライマーと配列番号:63の合成プライマーでPCR反応を行ない、次にこのPCR反応液を鋳型としてキットに添付のAP2プライマーと配列番号:64の合成プライマーでPCR反応を行なうことにより達成された。PCR の反応液組成と反応条件は以下のとおりである。 反応液はラット脳Marathon cDNA 2μl、AP1プライマー0.5μM、配列番号:63の合成DNAプライマー0.5μM、0.4 mM dNTPs、LATaqポリメラーゼ(タカラ)0.2μlおよび酵素に付属のGC(I)バッファーで総反応量を20μlとし、サーマルサイクラー(PE Biosystems)を用い、96℃・60秒の加熱の後、96℃・30秒、68℃・120秒のサイクルを30回繰り返し、さらに72℃で10分間保温した。次に、キットに添付のTricine-EDTA Bufferで200倍希釈したPCR反応液2μl、AP2プライマー0.5μM、配列番号:64の合成DNAプライマー0.5μM、0.4 mM dNTPs、Advantage-GC 2ポリメラーゼ(CLONTECH) 0.2μlおよび酵素に付属のバッファーで総反応量を20μlとし、サーマルサイクラー(PE Biosystems)を用い、96℃・60秒の加熱の後、96℃・30秒、68℃・120秒のサイクルを31回、最後に72℃で10分間保温した。増幅したDNAを1.2%のアガロースゲル電気泳動により分離した後、約600塩基長のDNAをカミソリで切り出し、DNAをQIAquick Gel Extraction Kit(キアゲン)を用いて回収した。このDNAを、TOPO TA Cloning Kit (Invitrogen)のプロトコールに従ってpCR2.1-TOPOベクターへクローニングした。これをエシェリヒア コリ(Escherichia coli) TOP10 competent cell(Invitrogen)に導入して形質転換した後、cDNA挿入断片を持つクローンをアンピシリンおよびX-galを含むLB寒天培地で選択し、白色を呈するクローンのみを滅菌したつま楊枝を用いて分離し、形質転換体を得た。個々のクローンをアンピシリンを含むLB培地で一晩培養し、QIAwell 8 Plasmid Kit (キアゲン)を用いてプラスミドDNAを調整した。塩基配列の決定のための反応はBigDye Terminator Cycle Sequencing Ready Reaction Kit (PE Biosystems)を用いて行ない、蛍光式自動シーケンサーを用いて解読し、配列番号:65に示すDNA配列を得た。
【0101】
参考例35 ラットGPR8リガンド前駆体タンパク質をコードするcDNAの3’下流端のクローニング
ラットGPR8リガンド前駆体タンパク質をコードするcDNAの5'上流端の塩基配列を基に作製したプライマーおよびラットGPR8リガンド前駆体タンパク質の一部をコードするcDNA断片配列を基に作製したプライマーを用いた3'RACE PCRクローニングにより、ラットGPR8リガンド前駆体タンパク質をコードするcDNAの3'下流塩基配列を明らかにした。3'RACE PCR クローニングは、ラット脳Marathon-Ready cDNA (CLONTECH)を鋳型としてキットに添付のAP1プライマーと配列番号:66の合成プライマーでPCR反応を行ない、次にこのPCR反応液を鋳型としてキットに添付のAP2プライマーと配列番号:67の合成プライマーでPCR反応を行なうことにより達成された。PCRの反応液組成と反応条件は以下のとおりである。反応液は、ラット脳Marathon-Ready cDNA 2μl、AP1プライマー0.5μM、配列番号:66の合成DNAプライマー0.5μM、0.4 mM dNTPs、Advantage-GC 2ポリメラーゼ(CLONTECH) 0.4μlおよび酵素に付属のバッファーで総反応量を20μlとし、サーマルサイクラー(PE Biosystems)を用い、96℃・60秒の加熱の後、96℃・30秒、68℃・180秒のサイクルを30回繰り返し、最後に72℃で10分間保温した。次に、キットに添付のTricine-EDTA Bufferで200倍希釈したPCR反応液2μl、AP2プライマー0.5μM、配列番号:67の合成DNAプライマー0.5μM、0.4 mM dNTPs、Advantage-GC 2ポリメラーゼ(CLONTECH) 0.4μlおよび酵素に付属のバッファーで総反応量を20μlとし、サーマルサイクラー(PE Biosystems)を用い、96℃・60秒の加熱の後、96℃・30秒、68℃・180秒のサイクルを30回繰り返し、最後に72℃で10分間保温した。増幅したDNAを1.2%のアガロースゲル電気泳動により分離した後、約600塩基長のDNAをカミソリで切り出し、DNAをQIAquick Gel Extraction Kit(キアゲン)を用いて回収した。このDNAを、TOPO TA Cloning Kit (Invitrogen)のプロトコールに従ってpCR2.1-TOPOベクターへクローニングした。これをエシェリヒア コリ(Escherichia coli) TOP10 competent cell(Invitrogen)に導入して形質転換した後、cDNA挿入断片を持つクローンをアンピシリンおよびX-galを含むLB寒天培地で選択し、白色を呈するクローンのみを滅菌したつま楊枝を用いて分離し、形質転換体を得た。個々のクローンをアンピシリンを含むLB培地で一晩培養し、QIAwell 8 Plasmid Kit (キアゲン)を用いてプラスミドDNAを調整した。塩基配列の決定のための反応はBigDye Terminator Cycle Sequencing Ready Reaction Kit (PE Biosystems)を用いて行ない、蛍光式自動シーケンサーを用いて解読し、配列番号:68に示すDNA配列を得た。
【0102】
参考例36 ラットGPR8リガンド前駆体タンパク質をコードするcDNAのクローニング
ラット脳cDNAを鋳型として、ラットGPR8リガンド前駆体タンパク質をコードするcDNAの5’上流塩基配列を基にしたプライマーとラットGPR8リガンド前駆体タンパク質をコードするcDNAの3'下流塩基配列を基にしたプライマーでPCR増幅を行なうことにより、ラットGPR8リガンド前駆体タンパク質をコードするcDNAをクローニングした。PCRの反応液組成と反応条件は以下のとおりである。反応液は、ラット脳Marathon-Ready cDNA 1μl、配列番号:69の合成DNAプライマー0.5μM、配列番号:70の合成DNAプライマー0.5μM、0.4 mM dNTPs、Advantage 2ポリメラーゼ(CLONTECH) 0.4μlおよび酵素に付属のバッファーで総反応量を20μlとし、サーマルサイクラー(PE Biosystems)を用い、96℃・60秒の加熱の後、、96℃・30秒、60℃・30秒、72℃・60秒のサイクルを35回繰り返し、最後に72℃で10分間保温した。増幅したDNAを1.2%のアガロースゲル電気泳動により分離した後、約750塩基長のDNAをカミソリで切り出し、DNAをQIAquick Gel Extraction Kit(キアゲン)を用いて回収した。このDNAを、TOPO TA Cloning Kit (Invitrogen)のプロトコールに従ってpCR2.1-TOPOベクターへクローニングした。これをエシェリヒア コリ(Escherichia coli) TOP10 competent cell(Invitrogen)に導入して形質転換した後、cDNA挿入断片を持つクローンをアンピシリンおよびX-galを含むLB寒天培地で選択し、白色を呈するクローンのみを滅菌したつま楊枝を用いて分離し、形質転換体を得た。個々のクローンをアンピシリンを含むLB培地で一晩培養し、QIAwell 8 Plasmid Kit (キアゲン)を用いてプラスミドDNAを調整した。塩基配列の決定のための反応はBigDye Terminator Cycle Sequencing Ready Reaction Kit(PE Biosystems)を用いて行ない、蛍光式自動シーケンサーを用いて解読し、配列番号:71に示すDNA配列を得た。この配列(配列番号:71)は、ラットGPR8リガンド前駆体タンパク質をコードするためこのDNAを含むプラスミドで形質転換した大腸菌をTOP10/pCR2.1-TOPOラットGPR8リガンド前駆体(Escherichia coli TOP10/pCR2.1-TOPO Rat GPR8 Ligand Precursor)と命名した。
配列番号:71のDNA配列がコードするラットGPR8リガンド前駆体タンパク質のアミノ酸配列を配列番号:72に示した。この前駆体タンパク質のアミノ酸配列には参考例10に記載のGPR8発現細胞膜画分に対するGTPγS結合活性を指標にブタ視床下部より単離されたGPR8リガンドペプチドのアミノ酸配列分析によって明らかにされたアミノ末端から17残基までの配列と5残基目および17残基目のアミノ酸のみが異なる類似した配列が存在した。さらにその配列のカルボキシ末端側にはGPR8リガンドペプチドのヒトあるいはブタホモログ前駆体タンパク質の場合と同様に、通常の生理活性ペプチドが切り出されると考えられるArg-Argの配列(Seidah, N. G. et al.、Ann. N. Y. Acad. Sci.、839巻、9-24頁、1998年)が2ヶ所存在した。これらのことから、GPR8リガンドペプチドのラットホモログのアミノ酸配列は配列番号:73および74のいずれかもしくは両方であると推定された。ラットGPR8リガンド前駆体タンパク質のアミノ酸配列およびDNA配列を図10に示した。
【0103】
参考例37 マウスGPR8リガンド前駆体タンパク質の一部をコードするcDNA断片のクローニング
配列番号:58の23アミノ酸残基のブタGPR8リガンドペプチドをコードする塩基配列に基づいてデータベース検索を行なった。セレラ社マウスゲノムデータベースに対して検索を行なった結果、配列番号:58の塩基配列に類似した塩基配列を含む配列番号:77のマウスゲノム断片配列が見出された。この配列はGPR8リガンドペプチドのマウスホモログ(以下、マウスGPR8リガンドと記載することがある)の前駆体タンパク質の一部をコードするゲノム断片配列であることが予想された。
マウス精巣cDNAを鋳型として、このマウスゲノム断片配列を基に作製したプライマーでPCR増幅を行ない、増幅DNAの塩基配列を決定した。PCRの反応液組成と反応条件は以下のとおりである。マウス精巣cDNA (CLONTECH) 1μl、配列番号:78の合成DNAプライマー0.5μM、配列番号:79の合成DNAプライマー0.5μM、0.4 mM dNTPs、LATaqポリメラーゼ(タカラ)0.2μlおよび酵素に付属のGC(I)バッファーで総反応量を20μlとし、サーマルサイクラー(PE Biosystems)を用い、96℃・120秒の加熱の後、96℃・30秒、68℃・120秒のサイクルを10回繰り返し、次に96℃・30秒、64℃・30秒、72℃・120秒のサイクルを25回繰り返し、最後に72℃で10分間保温した。増幅したDNAを1.5%のアガロースゲル電気泳動により分離した後、約350塩基長のDNAをカミソリで切り出し、DNAをQIAquick Gel Extraction Kit(キアゲン)を用いて回収した。このDNAを、TOPO TA Cloning Kit (Invitrogen)のプロトコールに従ってpCR2.1-TOPOベクターへクローニングした。これをエシェリヒア コリ(Escherichia coli) TOP10 competent cell(Invitrogen)に導入して形質転換した後、cDNA挿入断片を持つクローンをアンピシリンおよびX-galを含むLB寒天培地で選択し、白色を呈するクローンのみを滅菌したつま楊枝を用いて分離し、形質転換体を得た。個々のクローンをアンピシリンを含むLB培地で一晩培養し、QIAwell 8 Plasmid Kit (キアゲン)を用いてプラスミドDNAを調整した。塩基配列の決定のための反応はBigDye Terminator Cycle Sequencing Ready Reaction Kit (PE Biosystems)を用いて行ない、蛍光式自動シーケンサーを用いて解読した(配列番号:80)。ここに得られたPCRクローニングしたcDNAの塩基配列(配列番号:80)は、配列番号:78および配列番号:79のプライマーに用いた2つの塩基配列に挟まれたマウスゲノム断片塩基配列に完全に一致した。
【0104】
参考例38 マウス脳cDNAの作製
マウス脳cDNAは、SMARTTM RACE cDNA Amplification Kit (CLONTECH)を用いてマウス脳poly A(+) RNA (CLONTECH)から、キットに添付のプロトコールに従って作製した。合成した1st strand cDNA溶液を、キットに添付のTricine-EDTA Bufferで10倍に希釈し、この溶液をRACE PCR反応に供した。
【0105】
参考例39 マウスGPR8リガンド前駆体タンパク質をコードするcDNAの5'上流端のクローニング
5'RACE PCR クローニングにより、マウスGPR8リガンド前駆体タンパク質をコードするcDNAの5'上流塩基配列を明らかにした。5'RACE PCR クローニングは、マウス脳cDNAを鋳型としてSMARTTM RACE cDNA Amplification Kitに添付のUniversal Primer Mixと配列番号:81の合成プライマーでPCR反応を行ない、次にこのPCR反応液を鋳型としてキットに添付のNested Universal Primerと配列番号:82の合成プライマーでPCR反応を行なうことにより達成された。PCR の反応液組成と反応条件は以下のとおりである。 反応液はマウス脳cDNA 1μl、Universal Primer Mix 2μl、配列番号:81の合成DNAプライマー0.2μM、0.8 mM dNTPs、Advantage-GC 2ポリメラーゼ(CLONTECH) 0.4μlおよび酵素に付属のバッファーで総反応量を20μlとし、サーマルサイクラー(PE Biosystems)を用い、96℃・120秒の加熱の後、96℃・30秒、68℃・120秒のサイクルを30回繰り返し、さらに72℃で10分間保温した。次に、キットに添付のTricine-EDTA Bufferで50倍希釈したPCR反応液0.5μl、Nested Universal Primer 0.5μM、配列番号:82の合成DNAプライマー0.5μM、0.8 mM dNTPs、Advantage-GC 2ポリメラーゼ(CLONTECH) 0.4μlおよび酵素に付属のバッファーで総反応量を20μlとし、サーマルサイクラー(PE Biosystems)を用い、96℃・120秒の加熱の後、96℃・30秒、60℃・30秒、72℃・120秒のサイクルを30回繰り返し、さらに72℃で10分間保温した。増幅したDNAを1.5%のアガロースゲル電気泳動により分離した後、約300塩基長のDNAをカミソリで切り出し、DNAをQIAquick Gel Extraction Kit(キアゲン)を用いて回収した。このDNAを、TOPO TA Cloning Kit (Invitrogen)のプロトコールに従ってpCR2.1-TOPOベクターへクローニングした。これをエシェリヒア コリ(Escherichia coli) TOP10 competent cell(Invitrogen)に導入して形質転換した後、cDNA挿入断片を持つクローンをアンピシリンおよびX-galを含むLB寒天培地で選択し、白色を呈するクローンのみを滅菌したつま楊枝を用いて分離し、形質転換体を得た。個々のクローンをアンピシリンを含むLB培地で一晩培養し、QIAwell 8 Plasmid Kit (キアゲン)を用いてプラスミドDNAを調整した。塩基配列の決定のための反応はBigDye Terminator Cycle Sequencing Ready Reaction Kit (PE Biosystems)を用いて行ない、蛍光式自動シーケンサーを用いて解読し、配列番号:83に示すDNA配列を得た。
【0106】
参考例40 マウスGPR8リガンド前駆体タンパク質をコードするcDNAの3'下流端のクローニング
3'RACE PCRクローニングにより、マウスGPR8リガンド前駆体タンパク質をコードするcDNAの3'下流塩基配列を明らかにした。3'RACE PCR クローニングは、マウス脳cDNAを鋳型としてSMARTTM RACE cDNA Amplification Kitに添付のUniversal Primer Mixと配列番号:84の合成プライマーでPCR反応を行ない、次にこのPCR反応液を鋳型としてキットに添付のNested Universal Primerと配列番号:85の合成プライマーでPCR反応を行なうことにより達成された。PCRの反応液組成と反応条件は以下のとおりである。反応液は、マウス脳cDNA 1μl、Universal Primer Mix 2μl、配列番号:84の合成DNAプライマー0.5μM、0.8 mM dNTPs、Advantage-GC 2ポリメラーゼ(CLONTECH) 0.4μlおよび酵素に付属のバッファーで総反応量を20μlとし、サーマルサイクラー(PE Biosystems)を用い、96℃・120秒の加熱の後、96℃・30秒、68℃・120秒のサイクルを30回繰り返し、最後に72℃で10分間保温した。次に、キットに添付のTricine-EDTA Bufferで50倍希釈したPCR反応液0.5μl、Nested Universal Primer 0.5μM、配列番号:85の合成DNAプライマー0.5μM、0.8 mM dNTPs、Advantage-GC 2ポリメラーゼ(CLONTECH) 0.4μlおよび酵素に付属のバッファーで総反応量を20μlとし、サーマルサイクラー(PE Biosystems)を用い、96℃・120秒の加熱の後、96℃・30秒、64℃・30秒、72℃・120秒のサイクルを30回繰り返し、最後に72℃で10分間保温した。増幅したDNAを1.5%のアガロースゲル電気泳動により分離した後、約700塩基長のDNAをカミソリで切り出し、DNAをQIAquick Gel Extraction Kit(キアゲン)を用いて回収した。このDNAを、TOPO TA Cloning Kit (Invitrogen)のプロトコールに従ってpCR2.1-TOPOベクターへクローニングした。これをエシェリヒア コリ(Escherichia coli) TOP10 competent cell(Invitrogen)に導入して形質転換した後、cDNA挿入断片を持つクローンをアンピシリンおよびX-galを含むLB寒天培地で選択し、白色を呈するクローンのみを滅菌したつま楊枝を用いて分離し、形質転換体を得た。個々のクローンをアンピシリンを含むLB培地で一晩培養し、QIAwell 8 Plasmid Kit (キアゲン)を用いてプラスミドDNAを調整した。塩基配列の決定のための反応はBigDye Terminator Cycle Sequencing Ready Reaction Kit (PE Biosystems)を用いて行ない、蛍光式自動シーケンサーを用いて解読し、配列番号:86に示すDNA配列を得た。
【0107】
参考例41 マウスGPR8リガンド前駆体タンパク質をコードするcDNAのクローニング
マウス脳cDNAを鋳型として、マウスGPR8リガンド前駆体タンパク質をコードするcDNAの5'上流塩基配列を基にしたプライマーとマウスGPR8リガンド前駆体タンパク質をコードするcDNAの3'下流塩基配列を基にしたプライマーでPCR増幅を行なうことにより、マウスGPR8リガンド前駆体タンパク質をコードするcDNAをクローニングした。PCRの反応液組成と反応条件は以下のとおりである。反応液は、マウス脳cDNA 0.5μl、配列番号:87の合成DNAプライマー0.5μM、配列番号:88の合成DNAプライマー0.5μM、1.6 mM dNTPs、LATaqポリメラーゼ(タカラ)0.2μlおよび酵素に付属のGC(I)バッファーで総反応量を20μlとし、サーマルサイクラー(PE Biosystems)を用い、96℃・120秒の加熱の後、96℃・30秒、64℃・30秒、72℃・120秒のサイクルを40回繰り返し、最後に72℃で10分間保温した。増幅したDNAを1.5%のアガロースゲル電気泳動により分離した後、約700塩基長のDNAをカミソリで切り出し、DNAをQIAquick Gel Extraction Kit(キアゲン)を用いて回収した。このDNAを、TOPO TA Cloning Kit (Invitrogen)のプロトコールに従ってpCR2.1-TOPOベクターへクローニングした。これをエシェリヒア コリ(Escherichia coli) TOP10 competent cell(Invitrogen)に導入して形質転換した後、cDNA挿入断片を持つクローンをアンピシリンおよびX-galを含むLB寒天培地で選択し、白色を呈するクローンのみを滅菌したつま楊枝を用いて分離し、形質転換体を得た。個々のクローンをアンピシリンを含むLB培地で一晩培養し、QIAwell 8 Plasmid Kit (キアゲン)を用いてプラスミドDNAを調整した。塩基配列の決定のための反応はBigDye Terminator Cycle Sequencing Ready Reaction Kit (PE Biosystems)を用いて行ない、蛍光式自動シーケンサーを用いて解読し、配列番号:89に示すDNA配列を得た。この配列(配列番号:89)は,マウスGPR8リガンド前駆体タンパク質をコードするため、このDNAを含むプラスミドで形質転換した大腸菌をTOP10/pCR2.1-TOPOマウスGPR8リガンド前駆体(Escherichia coli TOP10/pCR2.1-TOPO Mouse GPR8 Ligand Precursor)と命名した。
配列番号:89に示すDNA配列には、参考例10に記載のGPR8発現細胞膜画分に対するGTPγS結合活性を指標にブタ視床下部より単離されたGPR8リガンドペプチドのアミノ酸配列分析によって明らかにされたアミノ末端から17残基までの配列と5残基目および17残基目のアミノ酸のみが異なる類似したアミノ酸配列をコードするようなフレームが存在する。しかし、ヒトGPR8リガンド前駆体の場合と同様に、その5'上流側にはタンパク質翻訳の開始コドンであると予想されるATGが存在しない。しかし、ヒトGPR8リガンド前駆体タンパク質において推測されたように、ブタあるいはラットのGPR8リガンドホモログの前駆体タンパク質との比較からこれらの前駆体タンパク質における開始コドンと予想されるATGにほぼ対応する位置に存在するCTGコドンを開始コドンと仮定し、マウスGPR8リガンド前駆体タンパク質の配列を推定した。この仮想的マウスGPR8リガンド前駆体タンパク質のアミノ酸配列を配列番号:90に示した。マウスGPR8リガンドのアミノ酸配列と予想される配列のカルボキシ末端側にはGPR8リガンドペプチドのヒト、ブタあるいはラットホモログ前駆体タンパク質の場合と同様に、通常の生理活性ペプチドが切り出されると考えられるArg-Argの配列(Seidah, N. G. et al.、Ann. N. Y. Acad. Sci.、839巻、9-24頁、1998年)が2ヶ所存在した。これらのことから、GPR8リガンドペプチドのマウスホモログのアミノ酸配列は配列番号:91および92のいずれかもしくは両方であると推定された。なお、配列番号:91の23残基型マウスGPR8リガンドのアミノ酸配列は、23残基型ラットGPR8リガンドのアミノ酸配列(配列番号:73)と一致している。仮想的マウスGPR8リガンド前駆体タンパク質のアミノ酸配列およびDNA配列を図11に示した。
【0108】
参考例42 ラクトパーオキシダーゼ法を用いた [125I-Tyr2]-hGPR8L(1-23) および[125I-Tyr10]-hGPR8L(1-23)の作製
DMSO 5μlに溶かしたhGPR8L(1-23)(配列番号:16で表されるアミノ酸配列からなるポリペプチド) 1 nmolを0.1 M 塩化ニッケル5μl と混合し、 0.1 M HEPES (pH 7)に溶かした 0.001% 過酸化水素水 10μl、0.1 M HEPES (pH 7)に溶かしたラクトパーオキシダーゼ (シグマ社) 10μg/ml を10μlおよび [125I] NaI 37 MBq (NENライフサイエンスプロダクツ社) 10μlを混合後、室温で60分反応し、以下の条件でHPLC分取した。
用いたカラムは、ODS-80TM (4.6 mm x 15 cm)(トーソー社)、溶出液Aとして10% アセトニトリル/0.1% TFA、溶出液Bとして60% アセトニトリル/0.1% TFA を用い、0-0 (2 min)、0-30 (3 min)、30-38 (5 min)、38-43 (55 min) %B/A+B のグラディエント溶出法を行なった。流速は1 mL/min、カラム温度は25℃、検出は220nmの吸光度を用いて行った。
hGPR8L(1-23)には、チロシン残基が2つ存在するので、ヨード化によって、[125I-Tyr2]-hGPR8L(1-23)および [125I-Tyr10]-hGPR8L(1-23)が生成する。このHPLC条件では、hGPR8L(1-23)が24分、[125I-Tyr2]-hGPR8L(1-23)が30分、[125I-Tyr10]-hGPR8L(1-23)が32分付近に溶出した。
【0109】
参考例43 [125I-Tyr10]-hGPR8L(1-23)を用いたレセプター結合実験
参考例42に記載したように作製した[125I]-標識hGPR8L(1-23)および参考例6に記載した方法と同様にしてヒトGPR8発現CHO細胞から調製した細胞膜画分を用いてレセプター結合実験を行なった。
ヒトGPR8発現CHO細胞から調製した細胞膜画分を、アッセイ用バッファー(25 mM Tris-HCl、5 mM EDTA(エチレンジアミン四酢酸)、0.05% CHAPS(3−〔(3−コラミドプロピル)ジメチルアンモニオ〕−1−プロパン硫酸)、0.1% BSA(ウシ血清アルブミン)、0.25 mM PMSF(フェニルメタンスルホニルフルオライド)、1μg/ml ペプスタチン、20μg/ml ロイペプチン、pH 7.4)で各種濃度に希釈後、ポリプロピレン製試験管(Falcon 2053)に200μlずつ分注した。最大結合量(TB)を測定するために2μlのDMSOと7 nMの[125I-Tyr2]-hGPR8L(1-23)または[125I-Tyr10]-hGPR8L(1-23) 2μlを膜画分溶液に添加した。また、非特異的結合(NSB)を測定するために100μM hGPR8L(1-23)のDMSO溶液2μlと7 nMの[125I-Tyr2]-hGPR8L(1-23)または[125I-Tyr10]-hGPR8L(1-23) 2μlを膜画分溶液に添加した。25 ℃で60分間反応させた後、ポリエチレンイミン処理したワットマングラスフィルター(GF-F)を用いて反応液を吸引ろ過した。ろ過後、γ-カウンターを用いてろ紙上に残った放射活性を測定し、最大結合量から非特異的結合量を引いて特異的結合量(SB)を見積もった。[125I-Tyr2]-hGPR8L(1-23)を用いた場合に比べて[125I-Tyr10]-hGPR8L(1-23)を用いた方が、特異的結合量が2倍多かったので実際の結合実験には[125I-Tyr10]-hGPR8L(1-23)を用いた。膜画分の濃度を変化させると膜画分の濃度に依存した[125I-Tyr10]-hGPR8L(1-23)の特異的な結合が認められた。また、膜画分濃度を5μg/mlに設定して阻害率(%) からhGPR8L(1-23)の50%阻害濃度(IC50値)を算出したところ、IC50値は0.25 nMであった。図12に種々の濃度におけるhGPRL(1-23)の結合阻害を示す。
【0110】
参考例44 ヒトGPR8 ligand (1-23)酸化体:Trp-Tyr-Lys-His-Val-Ala-Ser-Pro-Arg-Tyr-His-Thr-Val-Gly-Arg-Ala-Ala-Gly-Leu-Leu-Met(O)-Gly-Leu(配列番号:95)の製造
参考例12の化合物0.45 mg を 50% 酢酸水0.5 mlに溶解後、0.3%過酸化水素水0.05 mlを 加え、室温にて8時間放置した。減圧濃縮後SepPakにより精製し、白色粉末0.443 mgを得た。
質量分析による(M+H)+:2599.2 (計算値2599.4)
HPLC溶出時間:19.1 分
溶出条件
カラム:Wakosil-II 5C18HG (4.6 x 100 mm)
溶離液:A液: 0.1%TFA-水、B液: 0.1%TFA含有アセトニトリルを用い、A/B: 100/0〜0/70へ直線型濃度勾配溶出(35分)
流速:1.0 ml/分
【0111】
参考例45 ヒトGPR8 ligand (1-22):Trp-Tyr-Lys-His-Val-Ala-Ser-Pro-Arg-Tyr-His-Thr-Val-Gly-Arg-Ala-Ala-Gly-Leu-Leu-Met-Gly(配列番号:96)の製造
市販 2-chlorotrityl resin (Clt resin、1.33 mmol/g) にFmoc-Gly を導入したのち参考例13と同様に配列順にアミノ酸の縮合と樹脂からの切り出し、精製を行ない目的物を得た。
【0112】
参考例46 ヒトGPR8 ligand (1-21):Trp-Tyr-Lys-His-Val-Ala-Ser-Pro-Arg-Tyr-His-Thr-Val-Gly-Arg-Ala-Ala-Gly-Leu-Leu-Met(配列番号:97)の製造
市販2-chlorotrityl resin (Clt resin,1.33mmol/g)にFmoc-Met を導入したのち参考例13と同様に配列順にアミノ酸の縮合と樹脂からの切り出し、精製を行ない目的物を得た。
【0113】
参考例47 ヒトGPR8 ligand (1-20):Trp-Tyr-Lys-His-Val-Ala-Ser-Pro-Arg-Tyr-His-Thr-Val-Gly-Arg-Ala-Ala-Gly-Leu-Leu(配列番号:98)の製造
市販2-chlorotrityl resin (Clt resin、1.33mmol/g)にFmoc-Leuを導入したのち参考例13と同様に配列順にアミノ酸の縮合と樹脂からの切り出し、精製を行ない目的物を得た。
質量分析によるM+ :2282.8 (計算値2282.6)
HPLC溶出時間:17.2 分
溶出条件
カラム:Wakosil-II 5C18HG (4.6 x 100 mm)
溶離液:A液: 0.1%TFA-水、B液: 0.1%TFA含有アセトニトリルを用い、A/B: 100/0〜0/70へ直線型濃度勾配溶出(35分)
流速:1.0 ml/分
【0114】
参考例48 ヒトGPR8 ligand (1-19):Trp-Tyr-Lys-His-Val-Ala-Ser-Pro-Arg-Tyr-His-Thr-Val-Gly-Arg-Ala-Ala-Gly-Leu(配列番号:99)の製造
市販2-chlorotrityl resin (Clt resin、1.33mmol/g)にFmoc-Leuを導入したのち参考例13と同様に配列順にアミノ酸の縮合と樹脂からの切り出し、精製を行ない目的物を得た。
質量分析によるM+ :2169.6 (計算値2169.5)
HPLC溶出時間:16.4 分
溶出条件
カラム:Wakosil-II 5C18HG (4.6 x 100 mm)
溶離液:A液: 0.1%TFA-水、B液: 0.1%TFA含有アセトニトリルを用い、A/B: 100/0〜0/70へ直線型濃度勾配溶出(35分)
流速:1.0 ml/分
【0115】
参考例49 ヒトGPR8 ligand (1-18):Trp-Tyr-Lys-His-Val-Ala-Ser-Pro-Arg-Tyr-His-Thr-Val-Gly-Arg-Ala-Ala-Gly(配列番号:100)の製造
市販2-chlorotrityl resin (Clt resin、1.33mmol/g)にFmoc-Glyを導入したのち参考例13と同様に配列順にアミノ酸の縮合と樹脂からの切り出し、精製を行ない目的物を得た。
質量分析によるM+ :2056.8 (計算値2056.3)
HPLC溶出時間:14.2 分
溶出条件
カラム:Wakosil-II 5C18HG (4.6 x 100 mm)
溶離液:A液: 0.1%TFA-水、B液: 0.1%TFA含有アセトニトリルを用い、A/B: 100/0〜0/70へ直線型濃度勾配溶出(35分)
流速:1.0 ml/分
【0116】
参考例50 ヒトGPR8 ligand (1-17):Trp-Tyr-Lys-His-Val-Ala-Ser-Pro-Arg-Tyr-His-Thr-Val-Gly-Arg-Ala-Ala(配列番号:101)の製造
市販2-chlorotrityl resin (Clt resin、1.33mmol/g)にFmoc-Alaを導入したのち参考例13と同様に配列順にアミノ酸の縮合と樹脂からの切り出し、精製を行ない目的物を得た。
【0117】
参考例51 ヒトGPR8 ligand (1-16):Trp-Tyr-Lys-His-Val-Ala-Ser-Pro-Arg-Tyr-His-Thr-Val-Gly-Arg-Ala(配列番号:102)の製造
市販2-chlorotrityl resin (Clt resin、1.33mmol/g)にFmoc-Alaを導入したのち参考例13と同様に配列順にアミノ酸の縮合と樹脂からの切り出し、精製を行ない目的物を得た。
【0118】
参考例52 ブタGPR8 ligand (1-23):Trp-Tyr-Lys-His-Thr-Ala-Ser-Pro-Arg-Tyr-His-Thr-Val-Gly-Arg-Ala-Ala-Gly-Leu-Leu-Met-Gly-Leu(配列番号:56)の製造
市販2-chlorotrityl resin (Clt resin,1.33mmol/g)にFmoc-Leuを導入したのち参考例13と同様に配列順にアミノ酸の縮合と樹脂からの切り出し、精製を行ない目的物を得た。
質量分析による(M+H)+:2585.2 (計算値2585.4)
HPLC溶出時間:20.2 分
溶出条件
カラム:Wakosil-II 5C18HG (4.6 x 100 mm)
溶離液:A液: 0.1%TFA-水、B液: 0.1%TFA含有アセトニトリルを用い、A/B: 100/0〜0/70へ直線型濃度勾配溶出(35分)
流速:1.0 ml/分
【0119】
参考例53 ラット/マウスGPR8 ligand (1-23):Trp-Tyr-Lys-His-Val-Ala-Ser-Pro-Arg-Tyr-His-Thr-Val-Gly-Arg-Ala-Ser-Gly-Leu-Leu-Met-Gly-Leuの製造(配列番号:73および配列番号:91)
参考例52と同様に配列順にアミノ酸の縮合と樹脂からの切り出し、精製を行ない目的物を得ることができる。
【0120】
参考例54 ブタGPR8 ligand (1-23)酸化体:Trp-Tyr-Lys-His-Thr-Ala-Ser-Pro-Arg-Tyr-His-Thr-Val-Gly-Arg-Ala-Ala-Gly-Leu-Leu-Met(O)-Gly-Leu(配列番号:103)の製造
参考例52の化合物を用い参考例44と同様に酸化して目的物を得た。
質量分析による(M+H)+:2601.3 (計算値2601.4)
HPLC溶出時間:18.9 分
溶出条件
カラム:Wakosil-II 5C18HG (4.6 x 100 mm)
溶離液:A液: 0.1%TFA-水、B液: 0.1%TFA含有アセトニトリルを用い、A/B: 100/0〜0/70へ直線型濃度勾配溶出(35分)
流速:1.0 ml/分
【0121】
参考例55 ラット/マウスGPR8 ligand (1-23)酸化体:Trp-Tyr-Lys-His-Val-Ala-Ser-Pro-Arg-Tyr-His-Thr-Val-Gly-Arg-Ala-Ser-Gly-Leu-Leu-Met(O)-Gly-Leu(配列番号:104)の製造
参考例53の化合物を用い参考例44と同様に酸化して目的物を得ることができる。
【0122】
参考例56 [Nα-Acetyl-Trp1]-ヒトGPR8 ligand (1-23):Ac-Trp-Tyr-Lys-His-Val-Ala-Ser-Pro-Arg-Tyr-His-Thr-Val-Gly-Arg-Ala-Ala-Gly-Leu-Leu-Met-Gly-Leu(配列番号:106)の製造
参考例12で調製した樹脂のFmoc基を除去、無水酢酸でアセチル化した後、TFA / thioanisole / m-cresol / triisopropylsilane / ethanedithiol (85 / 5 / 5 / 2.5 / 2.5)で処理し樹脂からの切り出しと側鎖保護基の除去を同時に行った。 粗ペプチドを参考例12と同様の方法で精製し目的物を得た。
質量分析による (M+H)+ 2626.12625.8 (計算値2627.12626.1)
HPLC溶出時間 21.4 分
溶出条件
カラム Wakosil-II 5C18 HG (4.6 x 100mm)
溶離液 A液: 0.1%TFA-水、B液: 0.1%TFA含有アセトニトリルを用い、 A/B: 100 / 0 〜 30 / 70へ 直線型濃度勾配溶出(35分)
流速 1.0ml/分
【0123】
参考例57 ヒトGPR8 ligand (2-23): Tyr-Lys-His-Val-Ala-Ser-Pro-Arg-Tyr-His-Thr-Val-Gly-Arg-Ala-Ala-Gly-Leu-Leu-Met-Gly-Leu(配列番号:107)の製造
参考例12と同様に所望のアミノ酸配列を樹脂に導入した。最後のTyrを導入後樹脂から切り出す前にFmoc基を樹脂上で除去したのち、 TFA / thioanisole / m-cresol / triisopropylsilane / ethanedithiol (85 / 5 / 5 / 2.5 / 2.5)で処理し樹脂からの切り出しと側鎖保護基の除去を同時に行った。粗ペプチドを参考例12と同様の方法で精製し目的物を得た。
質量分析による(M+H)+ 2397.1 (計算値2397.3)
HPLC溶出時間 19.9 分
溶出条件
カラム Wakosil-II 5C18 HG (4.6 x 100mm)
溶離液 A液: 0.1%TFA-水、B液: 0.1%TFA含有アセトニトリルを用い、 A/B: 100 / 0 〜 30 / 70へ 直線型濃度勾配溶出(35分)
流速 1.0ml/分
【0124】
参考例58 ヒトGPR8 ligand (4-23): His-Val-Ala-Ser-Pro-Arg-Tyr-His-Thr-Val-Gly-Arg-Ala-Ala-Gly-Leu-Leu-Met-Gly-Leu(配列番号:108)の製造
参考例12と同様に所望のアミノ酸配列を樹脂に導入した。最後のHisを導入後樹脂から切り出す前にFmoc基を樹脂上で除去したのち、 TFA / thioanisole / m-cresol / triisopropylsilane / ethanedithiol (85 / 5 / 5 / 2.5 / 2.5)で処理し樹脂からの切り出しと側鎖保護基の除去を同時に行った。粗ペプチドを参考例12と同様の方法で精製し目的物を得た。
質量分析による(M+H)+ 2106.0 (計算値2106.1)
HPLC溶出時間 20.0 分
溶出条件
カラム Wakosil-II 5C18 HG (4.6 x 100mm)
溶離液 A液: 0.1%TFA-水、B液: 0.1%TFA含有アセトニトリルを用い、 A/B: 100 / 0 〜 30 / 70へ 直線型濃度勾配溶出(35分)
流速 1.0ml/分
【0125】
参考例59 ヒトGPR8 ligand (9-23): Arg-Tyr-His-Thr-Val-Gly-Arg-Ala-Ala-Gly-Leu-Leu-Met-Gly-Leu(配列番号:109)の製造
参考例12と同様に所望のアミノ酸配列を樹脂に導入した。最後のArgを導入後樹脂から切り出す前にFmoc基を樹脂上で除去したのち、 TFA / thioanisole / m-cresol / triisopropylsilane / ethanedithiol (85 / 5 / 5 / 2.5 / 2.5)で処理し樹脂からの切り出しと側鎖保護基の除去を同時に行った。粗ペプチドを参考例12と同様の方法で精製し目的物を得た。
質量分析による(M+H)+ 1615.0 (計算値1614.9)
HPLC溶出時間 20.2 分
溶出条件
カラム Wakosil-II 5C18 HG (4.6 x 100mm)
溶離液 A液: 0.1%TFA-水、B液: 0.1%TFA含有アセトニトリルを用い、 A/B: 100 / 0 〜 30 / 70へ 直線型濃度勾配溶出(35分)
流速 1.0ml/分
【0126】
参考例60 ヒトGPR8 ligand (15-23): Arg-Ala-Ala-Gly-Leu-Leu-Met-Gly-Leu(配列番号:110)の製造
参考例12と同様に所望のアミノ酸配列を樹脂に導入した。最後のArgを導入後樹脂から切り出す前にFmoc基を樹脂上で除去したのち、 TFA / thioanisole / m-cresol / triisopropylsilane / ethanedithiol (85 / 5 / 5 / 2.5 / 2.5)で処理し樹脂からの切り出しと側鎖保護基の除去を同時に行った。粗ペプチドを参考例12と同様の方法で精製し目的物を得た。
質量分析による(M+H)+ 901.4 (計算値901.5)
HPLC溶出時間 20.2 分
溶出条件
カラム Wakosil-II 5C18 HG (4.6 x 100mm)
溶離液 A液: 0.1%TFA-水、B液: 0.1%TFA含有アセトニトリルを用い、 A/B: 100 / 0 〜 30 / 70へ 直線型濃度勾配溶出(35分)
流速 1.0ml/分
【0127】
参考例61 [N-Acetyl-Tyr2]-ヒトGPR8 ligand (2-23):Ac-Tyr-Lys-His-Val-Ala-Ser-Pro-Arg-Tyr-His-Thr-Val-Gly-Arg-Ala-Ala-Gly-Leu-Leu-Met-Gly-Leu(配列番号:111)の製造
参考例57で調製した樹脂を無水酢酸でアセチル化した後、参考例57と同様に処理、精製し目的物を得た。
質量分析による(M+H)+ 2439.3 (計算値2439.3)
HPLC溶出時間 20.2 分
溶出条件
カラム Wakosil-II 5C18 HG (4.6 x 100mm)
溶離液 A液: 0.1%TFA-水、B液: 0.1%TFA含有アセトニトリルを用い、 A/B: 100 / 0 〜 30 / 70へ 直線型濃度勾配溶出(35分)
流速 1.0ml/分
【0128】
参考例62 [D-Trp1]-ヒトGPR8 ligand (1-23):D-Trp-Tyr-Lys-His-Val-Ala-Ser-Pro-Arg-Tyr-His-Thr-Val-Gly-Arg-Ala-Ala-Gly-Leu-Leu-Met-Gly-Leu(配列番号:112)の製造
参考例12のFmoc-Trp(Boc)の代りにFmoc-D-Trp(Boc)を用い同様に目的物を得た。
質量分析による(M+H)+ 2583.4 (計算値2583.4)
HPLC溶出時間 20.6 分
溶出条件
カラム Wakosil-II 5C18 HG (4.6 x 100mm)
溶離液 A液: 0.1%TFA-水、B液: 0.1%TFA含有アセトニトリルを用い、 A/B: 100 / 0 〜 30 / 70へ 直線型濃度勾配溶出(35分)
流速 1.0ml/分
【0129】
参考例63 [N-3-Indolepropanoyl-Tyr2]-ヒトGPR8 ligand (2-23):3-Indolepropanoyl-Tyr-Lys-His-Val-Ala-Ser-Pro-Arg-Tyr-His-Thr-Val-Gly-Arg-Ala-Ala-Gly-Leu-Leu-Met-Gly-Leu(配列番号:113)の製造
参考例12のFmoc-Trp(Boc)の代りに3-Indolepropionic acidを用い所望の樹脂を得、此れをTFA / thioanisole / m-cresol / triisopropylsilane / ethanedithiol (85 / 5 / 5 / 2.5 / 2.5)で処理し樹脂からの切り出しと側鎖保護基の除去を同時に行った。粗ペプチドを参考例12と同様の方法で精製し目的物を得た。
質量分析による(M+H)+ 2568.4 (計算値2568.4)
HPLC溶出時間 21.7 分
溶出条件
カラム Wakosil-II 5C18 HG (4.6 x 100mm)
溶離液 A液: 0.1%TFA-水、B液: 0.1%TFA含有アセトニトリルを用い、 A/B: 100 / 0 〜 30 / 70へ 直線型濃度勾配溶出(35分)
流速 1.0ml/分
【0130】
参考例64 GPR8発現CHO細胞膜画分を用いて測定したGPR8リガンドペプチドのヒトおよびブタホモログの誘導体のGTPγS結合促進活性
本明細書に合成法を記載したGPR8リガンドペプチドのヒトおよびブタホモログの誘導体を種々の濃度で参考例6に記載した方法でGPR8発現CHO細胞膜画分に投与してGTPγS結合促進活性を測定した。測定した誘導体の配列番号とGTPγS結合促進活性を表1に示した。なお、活性は50%有効濃度(EC50値)で示した。また、参考例20および21に記載のhGPR8L(1-23)およびhGPR8L(1-30)のGTPγS結合促進活性も合わせて記載した。
【0131】
参考例65 GPR8発現CHO細胞膜画分および[125I-Tyr10]-hGPR8L(1-23)を用いて測定したGPR8リガンドペプチドのヒトおよびブタホモログの誘導体のレセプター結合活性
本明細書に合成法を記載したGPR8リガンドペプチドのヒトおよびブタホモログの誘導体のレセプター結合活性を参考例43に記載した方法でGPR8発現CHO細胞膜画分および[125I-Tyr10]−hGPR8L(1−23)を用いて測定した。測定した誘導体の配列番号とレセプター結合活性を表1に示した。なお、レセプター結合活性は50%結合阻害濃度(IC50値)で示した。また、参考例43に記載のhGPR8L(1−23)のレセプター結合活性も合わせて記載した。
【0132】
【表1】
Figure 0004284034
【0133】
参考例66 ヒト染色体DNAを用いたPCR法によるヒトGPR7 DNAの増幅
ヒト染色体DNAを鋳型として、2種の合成プライマー(配列番号:126および配列番号:127)を用いたPCR法によるDNA増幅を行なった。合成プライマーはレセプタータンパク質に翻訳される領域の遺伝子が増幅されるように構築したが、その際に遺伝子の5'側に制限酵素Cla Iの認識する塩基配列が付加され、3'側に制限酵素Spe Iの認識する塩基配列が付加されるように、5'側および3'側にそれぞれの制限酵素の認識配列を付加した。反応液の組成は、ヒト染色体DNA(タカラ)0.5μg、合成DNAプライマー各1μM、0.8 mM dNTPs、1 mM MgCl2、KODポリメラーゼ(トーヨーボー)1μlおよび酵素に付属のバッファーで、総反応量は50μlとした。増幅のためのサイクルはサーマルサイクラー(タカラ)を用い、94℃・60秒の加熱の後、98℃・15秒、65℃・2秒、74℃・30秒のサイクルを35回繰り返した。増幅産物の確認は、0.8%アガロースゲル電気泳動の後、エチジウムブロマイド染色によって行なった。
【0134】
参考例67 PCR産物のプラスミドベクターへのサブクローニングおよび挿入DNA部分の塩基配列の解読による増幅DNA配列の確認
参考例66で行なったPCR反応液を0.8%の低融点アガロースゲル電気泳動により分離し、バンドの部分をかみそりで切り出した後、細片化、フェノール抽出、フェノール/クロロホルム抽出、エタノール沈殿の操作を行なってDNAを回収した。pCR-ScriptTM Amp SK(+)クローニングキット(ストラタジーン)の処方に従い、回収したDNAをプラスミドベクターpCR-Script Amp SK(+)へサブクローニングした。これをエシェリヒア・コリ(Escherichia coli) DH5αcompetent cell(トーヨーボー)に導入して形質転換した後、DNA挿入断片を持つクローンをアンピシリン、IPTGおよびX-galを含むLB寒天培地で選択し、白色を呈するクローンのみを滅菌したつま楊枝を用いて分離し、形質転換体Escherichia coli DH5α/GPR7を得た。個々のクローンをアンピシリンを含むLB培地で一晩培養し、QIAwell 8 Plasmid Kit (キアゲン)を用いてプラスミドDNAを調整した。調整したDNAの一部に対して制限酵素Cla IおよびSpe Iによる切断を行ない、挿入されているレセプターDNA断片の大きさを確認した。塩基配列の決定のための反応はDyeDeoxyTerminator Cycle Sequence Kit (Applied Biosystems社)を用いて行ない、蛍光式自動シーケンサーを用いて解読した(配列番号:128)。配列番号:128で表される塩基配列を有するDNAを保持するpCR-Script Amp SK(+)プラスミドを、pCR-ScriptヒトGPR7と命名した。配列番号:128で表される塩基配列を有するDNAがコードするヒトGPR7のアミノ酸配列を配列番号:129に示した。また、ヒトGPR7のDNA配列とアミノ酸配列を図13に示した。ここで配列を決定したヒトGPR7のDNA配列はO'Dowdらの報告(O'Dowd, B. F. et al.、Genomics、28巻、84-91頁、1995年)にあるDNA配列とは2塩基が異なっていた。これらは配列番号:128の893番目および894番目に当たり、O'Dowdらの報告ではそれぞれCおよびGであるが、本参考例ではGおよびCであった。これにより、翻訳されるアミノ酸配列において配列番号:129の296番目のアミノ酸が、O'Dowdらの報告のThrが本実施例ではSerとなる。
【0135】
参考例68 ヒトGPR7発現CHO細胞の作製
参考例67で配列が確認されたヒトGPR7の全長アミノ酸配列をコードし5'側にCla I認識配列を付加し、また3'側にSpe I認識配列を付加した遺伝子が導入されたプラスミドによって形質転換されたEscherichia coliのクローンからPlasmid Midi KIt(キアゲン)を用いてプラスミドDNAを調整し、これを制限酵素ClaIおよびSpe Iで消化してインサートDNAを切り出した。インサートDNAは電気泳動後、アガロースゲルからカミソリで切り出し、次に細片化、フェノール抽出、フェノール・クロロホルム抽出、エタノール沈殿の操作により回収された。このインサートDNAをClaIおよびSpe Iで切断した動物細胞発現用ベクタープラスミドpAKKO-111H (Hinuma, S. et al. Biochim. Biophys. Acta、1219巻、251-259頁、1994年、記載のpAKKO1.11Hと同一のベクタープラスミド)に加え、T4ライゲース(タカラ)を用いてライゲーションを行ない、タンパク質発現用プラスミドpAKKO-Human GPR7を構築した。このプラスミドpAKKO-Human GPR7で形質転換した大腸菌をDH5α/pAKKO-Human GPR7と命名した。
pAKKO-Human GPR7で形質転換したEscherichia coli DH5α(トーヨーボー)を培養後、Plasmid Midi Kit(キアゲン)を用いてpAKKO-Human GPR7プラスミドDNAを調整した。これをCellPhect Transfection Kit(アマシャムファルマシアバイオテク)を用いて、添付のプロトコールに従ってCHO dhfr-細胞に導入した。3μgのDNAをリン酸カルシウムとの共沈懸濁液とし、24時間前に5 x 105または1 x 106個のCHO dhfr-細胞を播種した直径6 cmシャーレに添加した。10%ウシ胎児血清を含むMEMα培地で1日間培養した後、継代し、選択培地である10%透析ウシ胎児血清を含む核酸不含MEMα培地で培養した。選択培地中に増殖してくるGPR8発現CHO細胞である形質転換細胞のコロニー24クローンを選択した。
【0136】
参考例69 TaqMan PCR法を用いたヒトGPR7発現CHO細胞株のヒトGPR7遺伝子発現量の測定
参考例68に従って作製したヒトGPR7発現CHO細胞株24クローンを各25 cm2フラスコに培養し、増殖した細胞からISOGEN(ニッポンジーン社)を用いてtotal RNA画分を調製した。このtotal RNA画分に対してMessageClean (Gen Hunter社)キットを用いたDNase I処理を行ない、DNAを含まないtotal RNAを得た。
Total RNA を鋳型としたcDNA合成は、TaqMan Reverse Transcription Reagents (Applied Biosystems 社)キットを用いて行なった。反応液の組成は、DNase I処理したtotal RNA 4μg、ランダムプライマー1μl、25 mM MgCl2溶液4.4μl、10 mM dNTP mix 2μl、RNase Inhibitor 0.4μl、逆転写酵素0.5μlおよびキットに付属の反応バッファーで、総反応量を20μlとした。逆転写反応はサーマルサイクラー(タカラ)を用いて、25℃・10分、48℃・30分、95℃・5分の条件で行なった。
標準ヒトGPR7 DNAは、全長ヒトGPR7 DNAを鋳型としたPCR増幅DNAを精製することにより調製された。PCR反応液の組成は、参考例67に記載のpCR-ScriptヒトGPR7 5pg、合成DNAプライマー(配列番号:130)0.5μM、合成DNAプライマー(配列番号:131)0.5μM、1.6 mM dNTPs、2.5 mM MgCl2、LATaqポリメラーゼ(タカラ)0.5μlおよび酵素に付属のバッファーで、総反応量は50μlとした。増幅のための反応はサーマルサイクラー(Applied Biosystems 社)を用い、94℃・120秒の加熱の後、94℃・30秒、60℃・30秒、72℃・60秒のサイクルを25回繰り返し、最後に72℃・10分間保温した。PCR反応液を0.8%のアガロースゲル電気泳動により分離し、バンドの部分をかみそりで切り出した後、QIAquick PCR Purification Kit(キアゲン)を用いてPCR増幅DNAを回収した。このPCR増幅DNA溶液に混入しているプライマーDNAおよびdNTPsを取り除くため、このDNA溶液をクロモスピンカラム400(CLONTECH社)ゲルクロマトグラフィーに供し、増幅ヒトGPR7 DNA溶出画分を得た。この増幅ヒトGPR7 DNA溶液の260 nmの吸収から計算されたDNA量と増幅ヒトGPR7 DNA塩基組成から、本増幅ヒトGPR7 DNA溶液に含まれるDNAのコピー数が算出された。このDNAコピー数が明らかとなった増幅ヒトGPR7 DNAを標準ヒトGPR7 DNAとして、定量を目的としたTaqMan PCRに用いることにした。
【0137】
ヒトGPR7CHO細胞株の発現ヒトGPR7遺伝子コピー数は、TaqMan PCR法により決定された。TaqMan PCR反応液の組成は、蒸留水で100倍希釈した逆転写cDNA溶液 1μlまたは種々のコピー数の標準ヒトGPR7 DNA溶液 1μl、合成DNAプライマー(配列番号:132)0.2μM、合成DNAプライマー(配列番号:133)0.2μM、ヒトGPR7 TaqManプローブ〔 配列番号:134(Fam-TTCATCCTCA ACCTGGCCAT CGC-Tamra;配列中、Famは6-carboxy-fluoresceinを、Tamraは6-carboxy-tetramethyl-rhodamineを、それぞれ示す。)で表される塩基配列を有するプローブ〕0.2μMおよびTaqMan Universal PCR Master Mix(Applied Biosystems社)で、総反応量を25μlとした。PCR反応は、ABI PRISM 7700 Sequence Detector System (Applied Biosystems社)を用い、50℃・2分、95℃・10分で保温し、次に95℃・15秒、60℃・60秒のサイクルを40回繰り返すことにより行なった。ヒトGPR7遺伝子発現量はABI PRISM 7700 SDSソフトウェアによって算出した。リポーターの蛍光強度が、設定された値に達した瞬間のサイクル数を縦軸にとり、種々の標準ヒトGPR7 DNAのコピー数の対数値を横軸にとって標準曲線を作成した。標準曲線より逆転写cDNAに含まれるヒトGPR7 cDNAのコピー数を算出し、total RNA 1ng当たりのヒトGPR7遺伝子発現量を決定した。ヒトGPR7遺伝子発現量の高いクローンNo. 7, 8および 14を、ヒトGPR7遺伝子高発現細胞株として選択した。
【0138】
参考例70 ヒトGPR7発現CHO細胞を用いた細胞内cAMP産生量の測定参考例68で作製し、参考例69に記載したようにして選択したヒトGPR7発現CHO細胞を24穴プレートに5 x 104 cell/wellで播種し、48時間培養した。細胞を0.2 mM 3−イソブチル−メチルキサンチン、0.05% BSA(ウシ血清アルブミン)および20 mM HEPESを含むMEMαバッファー(pH7.4)で洗浄した(以下、0.2 mM 3−イソブチル−メチルキサンチン、0.05% BSAおよび20 mM HEPESを含むMEMαバッファー(pH7.4)を、反応用バッファーと呼ぶ)。その後0.5 mlの反応用バッファーを加えて30分間培養器で保温した。反応用バッファーを除き、新たに0.25 mlの反応用バッファーを細胞に加えた後、適当な濃度のDMSO溶液とした試料と2μMフォルスコリンを含む0.25 mlの反応用バッファーを細胞に加え、37℃で30分間反応させた。100μlの20%過塩素酸を加えて反応を停止させ、次に氷上で1時間置くことにより細胞内cAMPを抽出した。抽出液中のcAMP量は、 cAMP EIAキット(アマシャムファルマシアバイオテク)を用いて測定した。
【0139】
参考例71
(1)[Phe2]ヒトGPR8リガンド(1-20): Trp-Phe-Lys-His-Val-Ala-Ser-Pro-Arg-Tyr-His-Thr-Val-Gly-Arg-Ala-Ala-Gly-Leu-Leu(配列番号:135)の製造
アプライドバイオシステムズ社のペプチド自動合成機(ABI 433モデル)を使用し、プログラムに従ってC端より逐次Fmoc法によりペプチド鎖を延長し目的の保護ペプチド樹脂の合成を行った。
出発アミノ酸樹脂担体はWang(p-benzyloxybenzyl alcohol)樹脂(0.25 mmol)を使用し、Fmoc-Leu、Fmoc-Gly、Fmoc-Ala、Fmoc-Arg(Pbf)、Fmoc-Val、Fmoc-Thr(But)、Fmoc-His(Trt)、Fmoc-Tyr(But)、Fmoc-Pro、Fmoc-Ser(But)、Fmoc-Lys(Boc)、Fmoc-Phe、Fmoc-Trp(Boc)のFmocアミノ酸誘導体をHBTU(2−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウム ヘキサフルオロホスフェート)によりシークエンスにしたがって逐次縮合した。
樹脂上へのペプチドの構築が終了後、保護ペプチド樹脂を乾燥した。得られた保護ペプチドの脱保護処理とペプチドの樹脂担体からの切り離しはTFA処理によって行なった。得られた粗ペプチドは0.1% TFA水によって抽出し、凍結乾燥により粉末固体として得た。続いて、粗ペプチドを逆相高速クロマトグラフィー(島津製作所、分取装置:モデルLC8A)によりアセトニトリル−0.1% TFA水の系(15-35%、80分)を用いて分取精製を行なって目的とする精製ペプチド35 mgを得た。
精製物を0.2% 3−(2−アミノエチル)インドールを含む4N メタンスルホン酸によって110℃・22時間の条件で加水分解して得た加水分解物のアミノ酸分析値は(括弧内は理論値)以下のとおり。
Thr (1) 0.93, Ser (1) 0.92, Gly (2) 2.03, Ala (3) 3.09, Val (2) 1.90, Leu (2) 2.02, Tyr (1) 1.02, Phe (1) 1.00, His (2) 1.91, Lys (1) 0.98, Trp (1) 0.88, Arg (2) 2.06, Pro (1) 1.02
純度はHPLCにより98.8%と算出された。また、質量分析値は2266.6(理論値2266.6)であった。
【0140】
(2)ラクトパーオキシダーゼ法を用いた[Phe2,125I-Tyr10]ヒトGPR8リガンド(1-20)の作製
DMSO 10μlに溶かした、上記(1)に記載した製法に準じて得られた[Phe2] ヒトGPR8リガンド(1-20)(配列番号:135)10 nmolを、0.1 M塩化ニッケル水溶液10μl、0.1 M HEPES (pH 7.6)に溶かした0.001%過酸化水素水10μl、0.1 M HEPES (pH 7.6)に溶かしたラクトパーオキシダーゼ (シグマ社) 10μg/mlを10μl、および[125I]NaI 40 MBq(NENライフサイエンスプロダクツ社)10μlを混合して室温で50分間反応させた後、生成した[Phe2, 125I-Tyr10] ヒトGPR8リガンド(1-20)を以下の条件のHPLCにより分取した。
用いたカラムは、ODS-80TM (4.6 mm x 15 cm)(トーソー社)、溶出液Aとして10%アセトニトリル/0.1% TFA、溶出液Bとして60%アセトニトリル/0.1% TFAを用い、0-0 (2 min)、0-27 (5 min)、27-32 (40 min) %B/A+Bのグラディエント溶出法を行なった。流速は1 mL/min、カラム温度は40℃、検出は215 nmとした。このHPLC条件では、[Phe2, 125I-Tyr10] ヒトGPR8リガンド(1-20)は25分付近に溶出した。
【0141】
実施例1 ヒトGPR7発現CHO細胞を用いて測定した23残基または30残基のGPR8リガンドペプチドヒトホモログの細胞内cAMP産生抑制活性
hGPR8L(1-23)(配列番号:16)またはhGPR8L(1-30)(配列番号:17)を種々の濃度で、参考例70に記載した方法に従い、ヒトGPR7発現CHO細胞に投与して細胞内cAMP産生抑制活性を測定した。結果を図14に示す。図中、cAMP合成抑制活性は、フォルスコリンを含む反応用バッファーを添加したときの細胞内cAMP量から反応用バッファーを添加したときの細胞内cAMP量を減じた量を100%として、hGPR8L(1-23) またはhGPR8L(1-30)を加えたときの細胞内cAMP量から反応用バッファーを添加したときの細胞内cAMP量を減じた量を%として表わした。
明らかにhGPR8L(1-23)およびhGPR8L(1-30)は濃度依存的にヒトGPR7発現CHO細胞細胞内cAMPの産生を抑制した。このことからhGPR8L(1-23)およびhGPR8L(1-30)が、ヒトGPR7に対するリガンドであることが明らかとなった。cAMP産生量から50%阻害濃度(IC50値)を算出したところ、hGPR8L(1-23)のIC50値は0.025 nMであった。また、hGPR8L(1-30)のIC50値は0.13 nMであった。
hGPR8L(1-23)のブタ、ラットおよびマウスのホモログ(配列番号:56、配列番号:73および配列番号:91)およびhGPR8L(1-30)のブタ、ラットおよびマウスのホモログ(配列番号:57、配列番号:74および配列番号:92)を用いても、上記と同様にヒトGPR7発現CHO細胞の反応を確認できる。
【0142】
実施例2 [125I-Tyr10]-hGPR8L(1-23)を用いたレセプター結合実験
参考例42に記載した方法により作製した[125I-Tyr10]-hGPR8L(1-23)およびヒトGPR7発現CHO細胞から調製した細胞膜画分を用いてレセプター結合実験を行なった。
最初に膜画分の調製法を以下に記載する。
1 x 108個のヒトGPR7発現CHO細胞に10 mlのホモジネートバッファー(10 mM NaHCO3、5 mM EDTA(エチレンジアミン四酢酸)、0.5 mM PMSF(フェニルメタンスルホニルフルオライド)、1μg/ml ペプスタチン、4μg/ml E64、20μg/ml ロイペプチン)添加し、ポリトロン(12,000 rpm、1分間)を用いて破砕した。細胞破砕液を遠心(1,000 g、15分間)して上清を得た。次にこの上清を超遠心分離(Beckman type 30ローター、30,000 rpm, 1時間)し、得られた沈殿物をヒトGPR7発現CHO細胞膜画分とした。
このようにして製された細胞膜画分を、アッセイ用バッファー(25 mM Tris-HCl、5 mM EDTA、0.05% CHAPS(3−〔(3−コラミドプロピル)ジメチルアンモニオ〕−1−プロパン硫酸)、0.1% BSA、0.5 mM PMSF、1μg/ml ペプスタチン、20μg/ml ロイペプチン、4μg/ml E-64、pH 7.4)で各種濃度に希釈後、ポリプロピレン製試験管(Falcon 2053)に200μlずつ分注した。最大結合量を測定するために2μlのDMSOと8 nMの[125I-Tyr10]-hGPR8L(1-23) 2μlを膜画分溶液に添加した。また、非特異的結合を測定するために1 mM hGPR8L(1-23)のDMSO溶液2μlと8 nMの [125I-Tyr10]-hGPR8L(1-23) 2μlを膜画分溶液に添加した。25 ℃で75分間反応させた後、ポリエチレンイミン処理したワットマングラスフィルター(GF-F)を用いて反応液を吸引ろ過しさらにフィルターを洗浄用バッファー(25 mM Tris-HCl、5 mM EDTA、0.05% CHAPS、0.1% BSA、pH 7.4)1.5 mlで2回洗浄した。ろ過後、γ-カウンターを用いてろ紙上に残った放射活性を測定し、最大結合量から非特異的結合量を引いて特異的結合量を見積もった。
膜画分の濃度を変化させると膜画分の濃度に依存した[125I-Tyr10]-hGPR8L(1-23)の特異的な結合が認められた。膜画分濃度を10μg/mlに設定してhGPR8L(1-23)および hGPR8L(1-30)による[125I-Tyr10]-hGPR8L(1-23)のヒトGPR7発現細胞膜画分への特異的結合に対する結合阻害を調べた。阻害率から50%阻害濃度(IC50値)を算出したところ、hGPR8L(1-23)のIC50値は0.099 nMであった。また、hGPR8L(1-30)のIC50値は0.025 nMであった。
これより、hGPR8L(1-23)およびhGPR8L(1-30)がヒトGPR7発現細胞膜画分に対して高い親和性を有することが示された。このことは、hGPR8L(1-23)およびhGPR8L(1-30)がヒトGPR7レセプターの高親和性リガンドであることを意味するものである。図15に、種々の濃度におけるhGPR8L(1-23)および hGPR8L(1-30)の結合阻害を示す。
hGPR8L(1-23)のラットおよびマウスのホモログ(配列番号:73および配列番号:91)およびhGPR8L(1-30)のブタ、ラットおよびマウスのホモログ(配列番号:57、配列番号:74および配列番号:92)を用いても、上記と同様に[125I-Tyr10]-hGPR8L(1-23)のヒトGPR7発現細胞膜画分への特異的結合に対する結合阻害を確認できる。
【0143】
実施例3
1)GPR7発現CHO細胞の膜画分を用いたGTPγS結合活性の測定
GPR7発現CHO細胞膜画分に対する[35S]-guanosine 5'-(γ-thio)triphosphate(GTPγS)の結合促進活性を以下の方法により測定した。
実施例2に記載の方法により調製したGPR7発現CHO細胞膜画分を膜希釈緩衝液(50mM トリス塩酸緩衝液(pH7.4)、5 mM MgCl2、150 mM NaCl、1μM GDP、0.1% BSA)で希釈して、タンパク質濃度30 μg/mlのアッセイ用細胞膜画分溶液を調製した。アッセイ用膜画分溶液200 μlに、50 nM濃度の[35S]-guanosine 5'-(γ-thio)triphosphate(NEN社)を2 μlと適当な濃度のDMSO溶液とした試料2 μlとを添加し、この混合液を25℃で一時間保温した。混合液をフィルター濾過し、さらにフィルターを洗浄用バッファー(50 mM トリス塩酸緩衝液(pH7.4)、5 mM MgCl2、1mM EDTA、0.1% BSA)1.5 mlで2回洗浄した後、フィルターの放射活性を液体シンチレーションカウンターで測定した。
2)GPR7発現CHO細胞膜画分を用いて測定したhGPR8L(1-23)またはhGPR8L(1-30)のGTPγS結合促進活性
hGPR8L(1-23)またはhGPR8L(1-30)を種々の濃度で、上記1)に記載した方法に従い、GPR7発現CHO細胞膜画分に投与し、GTPγS結合促進活性を測定した。
結果を図16に示す。
これより明らかに、hGPR8L(1-23)およびhGPR8L(1-30)は濃度依存的にGPR7発現CHO細胞膜画分のGTPγS結合を促進した。
GTPγS結合促進活性から50%有効濃度(EC50値)を算出したところ、hGPR8L(1-23)のEC50値は0.74 nMであった。また、hGPR8L(1-30)のEC50値は0.67 nMであった(表2)。
hGPR8L(1-23)のラットおよびマウスのホモログ(配列番号:73および配列番号:91)およびhGPR8L(1-30)のブタ、ラットおよびマウスのホモログ(配列番号:57、配列番号:74および配列番号:92)を用いても、上記と同様にヒトGPR7発現CHO細胞の反応を確認できる。
【0144】
実施例4 GPR7発現CHO細胞膜画分を用いて測定したGPR8リガンドペプチドのヒトおよびブタホモログの誘導体のGTPγS結合促進活性
参考例で得られたGPR8リガンドペプチドのヒトおよびブタホモログの誘導体を、種々の濃度で、実施例3に記載した方法でGPR7発現CHO細胞膜画分に投与し、GTPγS結合促進活性を測定した。
測定した誘導体の配列番号およびGTPγS結合促進活性を表2に示す。活性は、50%有効濃度(EC50値)で示した。
【0145】
【表2】
Figure 0004284034
【0146】
実施例5 GPR7発現CHO細胞膜画分および[125I-Tyr10]-hGPR8L(1-23)を用いて測定したGPR8リガンドペプチドのヒトおよびブタホモログの誘導体のレセプター結合活性
参考例で得られたGPR8リガンドペプチドのヒトおよびブタホモログの誘導体のレセプター結合活性を、実施例2に記載した方法でGPR7発現CHO細胞膜画分および[125I-Tyr10]-hGPR8L(1-23)を用いて測定した。
測定した誘導体の配列番号およびレセプター結合活性を表2に示す。レセプター結合活性は50%結合阻害濃度(IC50値)で示した。
【0147】
実施例6 [Phe2125I−Tyr10]ヒトGPR8リガンド(1−20)とヒトGPRとの結合を変化させる化合物のスクリーニング法
参考例71に記載した方法によって作製した[Phe2125I−Tyr10]ヒトGPR8リガンド(1−20)および実施例2に記載した方法により調製されたGPR7発現CHO細胞膜画分を用いてレセプター結合実験を行ない、被検化合物の結合阻害活性を測定することができる。
GPR7発現CHO細胞から調製した細胞膜画分をアッセイ用バッファー(25 mM Tris-HCl、5 mM EDTA、0.05% CHAPS、0.1% BSA、0.5 mM PMSF、1μg/ml ペプスタチン、4μg/ml E-64、20μg/ml ロイペプチン、pH 7.4)で15μg/mlに希釈後、ポリプロピレン製試験管(Falcon 2053)に200μlずつ分注する。最大結合量を測定するために、2μlのDMSOおよび7nM [Phe2125I−Tyr10]ヒトGPR8リガンド(1−20)のアッセイ用バッファー溶液2μlを膜画分溶液に添加する。また、非特異的結合を測定するために100μM ヒトGPR8リガンド(1−23)のDMSO溶液2μlおよび7nM[Phe2125I−Tyr10]ヒトGPR8リガンド(1−20)のアッセイ用バッファー溶液2μlを膜画分溶液に添加する。さらに、被検化合物の結合阻害活性を測定するために、種々の濃度に希釈した被検化合物のDMSO溶液2μlおよび7nM [Phe2125I−Tyr10]ヒトGPR8リガンド(1−20)のアッセイ用バッファー溶液2μlを膜画分溶液に添加する。25℃で75分間反応させた後、ポリエチレンイミン処理したワットマングラスフィルター(GF/F)を用いて反応液を吸引ろ過する。ろ過後、γ−カウンターを用いて濾紙上に残った放射活性を測定し、最大結合量から非特異的結合量を減じて特異的結合量を見積もる。被験化合物のGPR7レセプターに対する結合阻害活性(阻害率、%)は、最大結合量(TB)から被検化合物および[Phe2125I−Tyr10]ヒトGPR8リガンド(1−20)を加えたときに濾紙上に残った放射活性(X)を減じた値の特異的結合量(SB)に対する比率((TB−X)/SB×100(%))で示される。
【0148】
実施例7 ヒトGPR8リガンドのヒトGPR7発現細胞の細胞内cAMP産生抑制活性を変化させる化合物のスクリーニング法
参考例70に記載した方法に従って、反応用バッファー溶液とした250nMのヒトGPR8リガンド(1−23)(配列番号:16)2μlおよび種々の濃度の被検化合物DMSO溶液2μlを同時にヒトGPR7発現CHO細胞に投与することによりヒトGPR8リガンドのヒトGPR7発現細胞の細胞内cAMP産生抑制活性を変化させる化合物のスクリーニングを行なうことができる。
被検化合物の、ヒトGPR8リガンドによるヒトGPR7発現細胞の細胞内cAMP産生抑制活性に対する作用は、フォルスコリンを含む反応用バッファーを添加したときの細胞内cAMP量からヒトGPR8リガンドのみを添加したときの細胞内cAMP量を減じた量を100%として、フォルスコリンを含む反応用バッファーを添加したときの細胞内cAMP量からヒトGPR8リガンドおよび被検化合物を加えたときの細胞内cAMP量減じた量を%として表わす。被検化合物がヒトGPR8リガンドの作用を抑制する場合は、その値が100%以下となり、被検化合物がヒトGPR8リガンドの作用を増強する場合は、その値が100%以上となる。
【0149】
実施例8 ヒトGPR8リガンドのヒトGPR7発現細胞膜画分に対するGTPγS結合促進活性を変化させる化合物のスクリーニング法
実施例3に記載した方法に従って、100nMのヒトGPR8リガンド(1−23)(配列番号:16)DMSO溶液2μlおよび種々の濃度の被検化合物DMSO溶液2μlを同時にヒトGPR7発現CHO細胞より調製したアッセイ用膜画分溶液に投与することによりヒトGPR8リガンドのヒトGPR7発現細胞膜画分に対するGTPγS結合促進活性を変化させる化合物のスクリーニングを行なうことができる。
被検化合物の、ヒトGPR8リガンドのヒトGPR7発現細胞膜画分に対するGTPγS結合促進活性に対する作用は、ヒトGPR8リガンドを添加したときの放射活性からDMSO 2μlのみを添加したときの放射活性を減じた量を100%としてヒトGPR8リガンドおよび被検化合物を加えたときの放射活性からDMSO 2μlのみを添加したときの放射活性を減じた量を%として表わす。被検化合物がヒトGPR8リガンドの作用を抑制する場合は、その値が100%以下となり、被検化合物がヒトGPR8リガンドの作用を増強する場合は、その値が100%以上となる。
【0150】
【発明の効果】
本発明のスクリーニング方法またはスクリーニング用キットで得られるうる化合物またはその塩は、低毒性で、例えば拒食症の予防・治療剤、食欲(摂食)促進剤、肥満症〔例、悪性肥満細胞症、外因性肥満、過インシュリン性肥満症、過血漿性肥満、下垂体性肥満、減血漿性肥満症、甲状腺機能低下肥満症、視床下部性肥満、症候性肥満症、小児肥満、上半身肥満、食事性肥満症、性機能低下性肥満、全身性肥満細胞症、単純性肥満、中心性肥満など〕の予防・治療剤、摂食亢進症の予防・治療剤などとして有用である。なかでも、本発明のレセプターアンタゴニストは、抗肥満薬として有用である。さらに、本発明のレセプター本発明のレセプターおよび該レセプターをコードするポリヌクレオチドは、例えば、拒食症の予防・治療剤、食欲(摂食)促進剤等として有用である。本発明のレセプターをコードするポリヌクレオチドは、拒食症または肥満症の診断に有用である。さらに、本発明のレセプターの抗体およびアンチセンスヌクレオチドは、抗肥満薬およひ診断薬として有用である。
【0151】
【配列表】
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【図面の簡単な説明】
【図1】 ヒトGPR8レセプタータンパク質cDNAの全塩基配列およびそれから翻訳されるヒトGPR8レセプタータンパク質の全アミノ酸配列を示す。
【図2】 Wakosil-II 3C18HGカラムを用いたGPR8リガンドの最終段階の精製におけるHPLCのUV吸収と各ピークのGTPγS活性を示す。活性は矢印に示すピークに回収された。
【図3】 種々の濃度の23残基のGPR8リガンドペプチドのヒトホモログのCHO/GPR8細胞膜画分に対するGTPγS結合促進活性を示す。
【図4】 種々の濃度の30残基のGPR8リガンドペプチドのヒトホモログのCHO/GPR8細胞膜画分に対するGTPγS結合促進活性を示す。
【図5】 種々の濃度の23残基のGPR8リガンドペプチドのヒトホモログのCHO/GPR8細胞に対するcAMP産生抑制活性を示す。
【図6】 GPR8リガンドペプチドの摂食量に対する作用を示す。各値は平均値±SEMを示す(n=10)。
【図7】 種々の濃度の30残基のGPR8リガンドペプチドのヒトホモログのCHO/GPR8細胞に対するcAMP産生抑制活性を示す。
【図8】 GPR8リガンドペプチドのヒトホモログ前駆体タンパク質cDNAの全塩基配列およびそれから翻訳されるGPR8リガンドペプチドのヒトホモログ前駆体レセプタータンパク質の全アミノ酸配列を示す。予想される23残基のGPR8リガンドのヒトホモログペプチドの配列を□で示す。
【図9】 GPR8リガンドペプチドのブタホモログ前駆体タンパク質cDNAの全塩基配列およびそれから翻訳されるGPR8リガンドペプチドのブタホモログ前駆体レセプタータンパク質の全アミノ酸配列を示す。予想される23残基のGPR8リガンドのブタホモログペプチドの配列を□で示す。
【図10】 GPR8リガンドペプチドのラットホモログ前駆体タンパク質cDNAの全塩基配列およびそれから翻訳されるGPR8リガンドペプチドのラットホモログ前駆体レセプタータンパク質の全アミノ酸配列を示す。予想される23残基のGPR8リガンドのラットホモログペプチドの配列を□で示す。
【図11】 GPR8リガンドペプチドのマウスホモログ前駆体タンパク質cDNAの全塩基配列およびそれから翻訳されるGPR8リガンドペプチドのマウスホモログ前駆体レセプタータンパク質の全アミノ酸配列を示す。予想される23残基のGPR8リガンドのマウスホモログペプチドの配列を□で示す。
【図12】 ヒトGPR8発現CHO細胞から調製した細胞膜画分を用いた、[125I]で標識した23残基のヒトGPR8リガンドに対する23残基のヒトGPR8リガンドの結合阻害活性を示す図を示す。
【図13】 ヒトGPR7cDNAの全塩基配列およびそれから翻訳されるヒトGPR7の全アミノ酸配列を示す。
【図14】 種々の濃度の23残基および30残基のGPR8リガンドペプチドヒトホモログのCHO/GPR7細胞に対するcAMP産生抑制活性を示す。
【図15】 [125I]で標識した23残基のヒトGPR8リガンドのヒトGPR7発現CHO細胞から調製した細胞膜画分への結合に対する種々の濃度のhGPR8L(1−23)およびhGPR8L(1−30)の結合阻害活性を示す図を示す。
【図16】 hGPR8L(1−23)およびhGPR8L(1−30)のCHO/GPR7細胞膜画分に対するGTPγS結合促進活性を示す図である。図中、−●−は、hGPR8L(1−23)を投与した場合を、−■−は、hGPR8L(1−30)を投与した場合を示す。

Claims (9)

  1. (1)配列番号:129で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するタンパク質またはその塩および(2)配列番号:16で表されるアミノ酸配列と同一または実質的に同一のアミノ酸配列を含有するポリペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩を用いることを特徴とする、該タンパク質またはその塩と該ポリペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩との結合性を変化させる化合物またはその塩のスクリーニング方法。
  2. ポリペプチドが、配列番号:16または配列番号:17で表されるアミノ酸配列を含有するポリペプチドである請求項記載のスクリーニング方法。
  3. (1)配列番号:129で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するタンパク質またはその塩および(2)配列番号:16で表されるアミノ酸配列と同一または実質的に同一のアミノ酸配列を含有するポリペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩を含有することを特徴とする、該タンパク質またはその塩と該ポリペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩との結合性を変化させる化合物またはその塩のスクリーニング用キット。
  4. 配列番号:16で表されるアミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列が、配列番号:6、配列番号:17、配列番号:20、配列番号:21、配列番号:22、配列番号:23、配列番号:24、配列番号:25、配列番号:56、配列番号:57、配列番号:73、配列番号:74、配列番号:91、配列番号:92、配列番号:95、配列番号:96、配列番号:97、配列番号:98、配列番号:99、配列番号:100、配列番号:101、配列番号:102、配列番号:103、配列番号:104、配列番号:105、配列番号:106、配列番号:107、配列番号:108、配列番号:109、配列番号:110、配列番号:111、配列番号:112、配列番号:113または配列番号:135で表されるアミノ酸配列である請求項記載のスクリーニング方法。
  5. (1)配列番号:129で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するタンパク質またはその塩および(2)配列番号:15、配列番号:42、配列番号:55、配列番号:72または配列番号:90で表されるアミノ酸配列を含有するポリペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩を用いることを特徴とする、該タンパク質またはその塩と該ポリペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩との結合性を変化させる化合物またはその塩のスクリーニング方法。
  6. (1)配列番号:129で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するタンパク質またはその塩および(2)配列番号:16で表されるアミノ酸配列と同一または実質的に同一のアミノ酸配列を含有するポリペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩を用いることを特徴とする、該タンパク質の活性を阻害する化合物またはその塩のスクリーニング方法。
  7. (1)配列番号:129で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するタンパク質またはその塩および(2)配列番号:16で表されるアミノ酸配列と同一または実質的に同一のアミノ酸配列を含有するポリペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩を用いることを特徴とする、該タンパク質の活性を促進する化合物またはその塩のスクリーニング方法。
  8. 配列番号:129で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するタンパク質もしくはその塩、または該タンパク質の部分ペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩を用いる請求項記載のスクリーニング方法。
  9. 配列番号:129で表されるアミノ酸配列を有するタンパク質もしくはその塩、または該タンパク質の部分ペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩を用いる請求項記載のスクリーニング方法。
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