JP2001128688A - ポリペプチド、その製造法および用途 - Google Patents

ポリペプチド、その製造法および用途

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JP2001128688A
JP2001128688A JP33841099A JP33841099A JP2001128688A JP 2001128688 A JP2001128688 A JP 2001128688A JP 33841099 A JP33841099 A JP 33841099A JP 33841099 A JP33841099 A JP 33841099A JP 2001128688 A JP2001128688 A JP 2001128688A
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Masaaki Mori
森  正明
Masako Abe
理子 阿部
Yukio Shimomura
行生 下村
Tsukasa Sugo
司 周郷
Chieko Kitada
千恵子 北田
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Takeda Pharmaceutical Co Ltd
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Takeda Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】新規SENRリガンドポリペプチドの提供。 【解決手段】SENRリガンドポリペプチドもしくはそ
の誘導体またはその塩、該SENRリガンドポリペプチ
ドをコードする核酸、SENRリガンドポリペプチドと
SENRとの結合性を変化させる化合物のスクリーニン
グ方法/スクリーニング用キットなど。 【効果】本発明のポリペプチドをコードするDNAまた
は本発明のポリペプチドは、本発明のポリペプチドの
有する生理作用の探索、合成オリゴヌクレオチドプロ
ーブあるいはPCRのプライマーの作成、SENRの
リガンドや前駆体蛋白質をコードするDNAの入手、
組換え型レセプター蛋白質の発現系を用いたレセプター
結合アッセイ系の開発と医薬品候補化合物のスクリーニ
ング、抗体および抗血清の入手、DNA、RNA、
抗体または抗血清を用いた診断薬の開発、中枢神経機
能調節剤、循環機能調節剤、心臓機能調節剤、腎臓機能
調節剤、泌尿器機能調節剤、感覚器官機能調節剤などの
医薬の開発、遺伝子治療等に用いることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、G蛋白質共役型レ
セプター蛋白質であるSENR(sensory epithelium n
europeptide-like receptor)に対するリガンド活性を
有する新規ポリペプチド及びこれをコードするDNAな
どに関する。
【0002】
【従来の技術】多くのホルモンや神経伝達物質は細胞膜
に存在する特異的なレセプターを通じて生体の機能を調
節している。これらのレセプターの多くは共役している
guanine nucleotide-binding protein(以下、G蛋白
質と略称する場合がある)の活性化を通じて細胞内のシ
グナル伝達を行い、また7個の膜貫通領域を有する共通
した構造をもっていることから、G蛋白質共役型レセプ
ターあるいは7回膜貫通型レセプターと総称される。こ
のようなホルモンや神経伝達物質とG蛋白質共役型レセ
プターとの相互作用を通じて生体のホメオスタシスの維
持、生殖、個体の発達、代謝、成長、神経系、循環器
系、免疫系、消化器系、代謝系の調節、感覚受容などの
生体にとって重要な機能調節が行われている。このよう
に生体機能の調節には様々なホルモンや神経伝達物質に
対するレセプター蛋白質が存在し、その機能調節に重要
な役割を果たしていることがわかっているが、未知の作
用物質(ホルモンや神経伝達物質など)およびそれに対
するレセプターが存在するかどうかについては未だ不明
なことが多い。近年、G蛋白質共役型レセプター蛋白質
がその構造の一部にアミノ酸配列の類似性を示すことを
利用して、ポリメラーゼ・チェーン・リアクション(Pol
ymerase Chain Reaction:以下、PCRと略称する)法
によって新規レセプター蛋白質をコードするDNAを探
索する方法が行われるようになり、数多くの、リガンド
が不明ないわゆるオーファンG蛋白質共役型レセプター
蛋白質がクローニングされている(Libert, F., et al.
Science, 244, 569-572, 1989, Welch, S.K., etal., B
iochem. Biophys. Res. Commun., 209, 606-613, 1995,
Marchese, A.,et al., Genomics, 23, 609-618, 1994,
Marchese, A., Genomics, 29, 335-344, 1995)。ま
た、ゲノムDNAあるいはcDNAのランダムな配列決
定によっても、新規G蛋白質共役型レセプター蛋白質が
次々と見出されている(Nomura, N.,et al., DNA Resear
ch 1巻、27-35頁、1994年)。これらのオーファンG蛋
白質共役型レセプター蛋白質のリガンドを決定する一般
的な手段としては、G蛋白質共役型レセプター蛋白質の
一次構造上の類似性から推定するしかなかった。しか
し、多くのオーファンG蛋白質共役型レセプター蛋白質
は既知のレセプターとのホモロジーが低いものが多く、
実際は既知リガンドのレセプターサブタイプである場合
を除いては一次構造上の類似性だけでそのリガンドを推
定することは困難であった。一方、遺伝子解析から多く
のオーファンG蛋白質共役型レセプターがみつかってい
ることから対応する未知のリガンドがまだ数多く存在し
ていることが推定されているが、これまで実際にオーフ
ァンG蛋白質共役型レセプターのリガンドを同定した例
は数少ない。最近、動物細胞にオーファンG蛋白質共役
型レセプター蛋白質をコードするcDNAを導入し、新
規オピオイドペプチドを探索した例が報告されている
(Reinsheid, R. K. et al. , Science、270巻、792-79
4頁、1995年、Menular, J.-C.,et al. , Nature 377
巻、532-535頁、1995年)。しかしこの場合は既知G蛋
白質共役型レセプター蛋白質との類似性や組織分布か
ら、容易にリガンドはオピオイドペプチドのファミリー
に属することが予想されていた。オピオイドレセプター
を介して生体に作用する物質の研究・開発の歴史は長
く、種々のアンタゴニスト・アゴニストが開発されてい
た。そこで人為的に合成した化合物群の中からこの受容
体に対するアゴニストを見出し、それをプローブとして
受容体cDNA導入細胞における受容体の発現を検証し
た後に、アゴニストと同じ様な細胞内情報伝達系の活性
化物質を探索し、これを精製し、リガンドの構造を決定
している。またカタツムリのオーファンG蛋白質共役型
レセプター(GRL104)をコードするcDNAをC
HO細胞に導入してレセプター発現細胞での特異的な細
胞内遊離カルシウム濃度の上昇を指標として新規生理活
性ペプチドを同定した例が報告されているが(Cox,K.J.
A., et al., J. Neurosci., 17(4), 1197-1205, 199
7)、この新規生理活性ペプチドは既知のleucokininと高
い相同性を有し、GRL104は既知のleucokininとの
反応性もあった。このようにオーファンG蛋白質共役型
レセプター蛋白質の中でリガンドがおおよそ推定されう
るものはほとんどなく、特に、既知のG蛋白質共役型レ
セプター蛋白質ファミリーと類似性が低い場合、リガン
ドに関する情報はほとんどなく、リガンドを推定するこ
とは困難であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】オーファンG蛋白質共
役型レセプターとして報告されているものの一つにSE
NRがある(Tal, M. et al., Biochem. Biophys. Res.
Commun., 209, 752-759,1995)。 SENRはソマトスタ
チンレセプター(SSTR4)と低いホモロジーがあるが、
そのリガンドが何であるのかはこれまで不明であった。
なお、Marchese,A.らによって報告されたGPR14(M
archese, A., Genomics, 29, 335-344, 1995)はSEN
Rと同一のレセプターである。 中枢神経系、循環器
系、生殖器系、免疫系、消化器、泌尿器系器官、感覚器
官等で発現しているG蛋白質共役型レセプターであるS
ENRに対するリガンドは、医薬として有用であると考
えられるが、これまでにその構造および機能については
明らかにされていない。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、SENR
をコードするcDNAを適当な手段で発現させた細胞を
用い、特異的な細胞刺激(シグナル伝達)活性の測定等
を指標に、該レセプター蛋白質がリガンドとして認識す
るポリペプチドをスクリーニングすることに成功した。
さらに、本発明者らは、該活性因子であるリガンドと上
記SENRとの結合性を変化させる化合物のスクリーニ
ングを行なうことができることを見いだした。すなわ
ち、本発明は、(1)配列番号:7で表されるアミノ酸
配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有
するポリペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエス
テルまたはその塩、(2)実質的に同一のアミノ酸配列
が配列番号:8または配列番号:21で表されるアミノ
酸配列である上記(1)記載のポリペプチドもしくはそ
のアミドもしくはそのエステルまたはその塩、(3)上
記(1)記載のポリペプチドの前駆体タンパク質または
その塩、(4)配列番号:18または配列番号:19で
表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のア
ミノ酸配列を含有する上記(3)記載の前駆体タンパク
質またはその塩、(5)上記(1)記載のポリペプチド
をコードする塩基配列を有するDNAを含有するDN
A、(6)配列番号:27または配列番号:28で表さ
れる塩基配列を有する上記(5)記載のDNA、(7)
上記(3)記載の前駆体タンパク質をコードする塩基配
列を有するDNAを含有するDNA、(8)配列番号:
15、配列番号:16または配列番号:17で表される
塩基配列を有する上記(7)記載のDNA、(9)上記
(5)または上記(7)記載のDNAを含有する組換え
ベクター、(10)上記(9)記載の組換えベクターで
形質転換された形質転換体、(11)上記(10)記載
の形質転換体を培養し、上記(1)記載のポリペプチド
または上記(3)記載の前駆体タンパク質を生成、蓄積
せしめ、これを採取することを特徴とする上記(1)記
載のポリペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエス
テルまたはその塩、または上記(3)記載の前駆体タン
パク質もしくはその塩の製造法、(12)上記(1)記
載のポリペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエス
テルまたはその塩、または上記(3)記載の前駆体タン
パク質もしくはその塩に対する抗体、(13)上記
(1)記載のポリペプチドもしくはそのアミドもしくは
そのエステルまたはその塩、または上記(3)記載の前
駆体タンパク質もしくはその塩を含有してなる医薬、
(14)上記(5)または上記(7)記載のDNAを含
有してなる医薬、(15)中枢機能調節剤、循環機能調
節剤、心臓機能調節剤、腎臓機能調節剤、泌尿器機能調
節剤または感覚器官機能調節剤である上記(13)また
は上記(14)記載の医薬、(16)上記(1)記載の
ポリペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエステル
またはその塩または上記(3)記載の前駆体タンパク質
もしくはその塩を用いることを特徴とするSENRと上
記(1)記載のポリペプチドもしくはそのアミドもしく
はそのエステルまたはその塩、または上記(3)記載の
前駆体タンパク質もしくはその塩との結合性を変化させ
る化合物またはその塩のスクリーニング方法、(17)
上記(1)記載のポリペプチドもしくはそのアミドもし
くはそのエステルまたはその塩、または上記(3)記載
の前駆体タンパク質もしくはその塩を含有してなるSE
NRと上記(1)記載のポリペプチドもしくはそのアミ
ドもしくはそのエステルまたはその塩、または上記
(3)記載の前駆体タンパク質もしくはその塩との結合
性を変化させる化合物またはその塩のスクリーニング用
キット、(18)配列番号:22で表されるアミノ酸配
列を含有するポリペプチドもしくはそのアミドもしくは
そのエステルまたはその塩を用いることを特徴とするS
ENRと配列番号:22で表されるアミノ酸配列を含有
するポリペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエス
テルまたはその塩との結合性を変化させる化合物または
その塩のスクリーニング方法、(19)配列番号:22
で表されるアミノ酸配列を含有するポリペプチドもしく
はそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩を含有
してなるSENRと配列番号:22で表されるアミノ酸
配列を含有するポリペプチドもしくはそのアミドもしく
はそのエステルまたはその塩との結合性を変化させる化
合物またはその塩のスクリーニング用キット、(20)
上記(16)もしくは上記(18)記載のスクリーニン
グ方法または上記(17)もしくは上記(19)記載の
スクリーニング用キットを用いて得られる、SENR
と上記(1)記載のポリペプチドもしくはそのアミドも
しくはそのエステルまたはその塩、または上記(3)記
載の前駆体タンパク質もしくはその塩、またはSEN
Rと配列番号:22で表されるアミノ酸配列を含有する
ポリペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエステル
またはその塩との結合性を変化させる化合物またはその
塩、(21)上記(20)記載の化合物またはその塩を
含有することを特徴とする高血圧症の予防・治療薬、
(22)上記(12)記載の抗体を用いることを特徴と
する上記(1)記載のポリペプチドもしくはそのアミド
もしくはそのエステルまたはその塩、または上記(3)
記載のタンパク質もしくはその塩の定量方法、および
(23)上記(12)記載の抗体を含有することを特徴
とする上記(1)記載のポリペプチドもしくはそのアミ
ドもしくはそのエステルまたはその塩、または請求項3
記載の前駆体タンパク質もしくはその塩の機能が関与す
る疾患の診断剤などに関する。
【0005】さらに、本発明は、(24)哺乳動物由来
である上記(1)項記載のポリペプチドもしくはそのア
ミドもしくはそのエステルまたはその塩、または上記
(3)記載の前駆体タンパク質もしくはその塩、および
(25)高(低)血圧症、腎疾患、心疾患、頻尿、尿失
禁、難聴、嗅覚異常、視覚異常などの疾病の治療・予防
剤である上記(13)または(14)記載の医薬などを
提供するものである。 本発明におけるポリペプチドに
対するSENRに関して、具体的には、上述の公知のS
ENRまたはその塩などがあげられるのみならず、(2
6)配列番号:9または配列番号:26で表されるアミ
ノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を
含有することを特徴とするSENRまたはその塩、また
は(27)SENRが、配列番号:9または配列番号:
26で表されるアミノ酸配列中の1個以上30個以下、
好ましくは1個以上10個以下のアミノ酸が欠失したア
ミノ酸配列、配列番号:9または配列番号:26で表さ
れるアミノ酸配列に1個以上30個以下、好ましくは1
個以上10個以下のアミノ酸が付加した(または挿入さ
れた)アミノ酸配列、あるいは配列番号:9または配列
番号:26で表されるアミノ酸配列中の1個以上30個
以下、好ましくは1個以上10個以下のアミノ酸が他の
アミノ酸で置換されたアミノ酸配列を含有する蛋白質で
ある上記(26)項記載のSENRまたはその塩などに
関する。
【0006】
【発明の実施の形態】本明細書において、「実質的に同
一」とはポリペプチドまたはタンパク質の活性、例え
ば、リガンドと受容体(SENR)の結合活性、生理的
な特性などが、実質的に同じことを意味する。アミノ酸
の置換、欠失、付加あるいは挿入はしばしばポリペプチ
ドまたはタンパク質の生理的な特性や化学的な特性に大
きな変化をもたらさないが、こうした場合その置換、欠
失、付加あるいは挿入を施されたポリペプチドは、そう
した置換、欠失、付加あるいは挿入のされていないもの
と実質的に同一であるとされるであろう。該アミノ酸配
列中のアミノ酸の実質的に同一な置換物としては、たと
えばそのアミノ酸が属するところのクラスのうち他のア
ミノ酸類から選ぶことができうる。非極性(疎水性)ア
ミノ酸としては、アラニン、ロイシン、イソロイシン、
バリン、プロリン、フェニルアラニン、トリプトファ
ン、メチオニンなどがあげられる。極性(中性)アミノ
酸としてはグリシン、セリン、スレオニン、システイ
ン、チロシン、アスパラギン、グルタミンなどがあげら
れる。陽電荷をもつ(塩基性)アミノ酸としてはアルギ
ニン、リジン、ヒスチジンなどがあげられる。負電荷を
もつ(酸性)アミノ酸としては、アスパラギン酸、グル
タミン酸などがあげられる。本発明のポリペプチドもし
くはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩は、
SENRに対するリガンドであり、具体的には、配列番
号:7で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に
同一のアミノ酸配列を含有するポリペプチドもしくはそ
のアミドもしくはそのエステルまたはその塩などがあげ
られる。
【0007】本発明のポリペプチドもしくはそのアミド
もしくはそのエステルまたはその塩(以下、単に本発明
のポリペプチドと称する場合がある)、その製造法およ
び用途を以下にさらに詳細に説明する。本発明のポリペ
プチドとしては、ヒトや温血動物(例えば、モルモッ
ト、ラット、マウス、ブタ、ヒツジ、ウシ、サルなど)
のあらゆる組織(たとえば、下垂体、膵臓、脳、腎臓、
肝臓、生殖腺、甲状腺、胆のう、骨髄、副腎、皮膚、筋
肉、肺、消化管、血管、心臓など)または細胞などに由
来するポリペプチドであって、配列番号:7で表される
アミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配
列を含有するポリペプチドであれば如何なるものであっ
てもよい。例えば、本発明のポリペプチドとしては、配
列番号:7で表されるアミノ酸配列を含有するポリペプ
チドなどの他に、配列番号:7で表されるアミノ酸配列
を含有するポリペプチドと実質的に同質の活性を有する
ポリペプチド(例えば、配列番号:8または配列番号:
21で表されるアミノ酸配列を含有するポリペプチドな
ど)などがあげられる。実質的に同質の活性としては、
例えばレセプター結合活性、シグナル伝達活性などがあ
げられる。実質的に同質とは、レセプター結合活性など
が性質的に同質であることを示す。したがって、レセプ
ター結合活性の強さなどの強弱、ポリペプチドの分子量
などの量的要素は異なっていてもよい。配列番号:7で
表されるアミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列を
含有するポリペプチドとして具体的には、配列番号:7
で表されるアミノ酸配列を含有するポリペプチドのN末
端から3番目のアミノ酸(Thr)が他のアミノ酸
(例、Ala, Leu, Ile, Val, Pro, Phe, Trp, Met, Gly,
Ser, Cys, Tyr, Asn, Gln,Arg, Lys, His, Asp, Glu)
に置換されているアミノ酸配列を含有するポリペプチド
などがあげられる。なかでも、配列番号:7で表される
アミノ酸配列を含有するポリペプチドのN末端から3番
目のアミノ酸(Thr)がProに置換されているアミ
ノ酸配列(配列番号:8)を含有するポリペプチドおよ
び配列番号:7で表されるアミノ酸配列を含有するポリ
ペプチドのN末端から3番目のアミノ酸(Thr)がS
erに置換されているアミノ酸配列(配列番号:21)
などが好ましい例としてあげられる。本明細書における
ポリペプチドはペプチド標記の慣例に従って左端がN末
端(アミノ末端)、右端がC末端(カルボキシル末端)
である。配列番号:7で表されるアミノ酸配列、配
列番号:8で表されるアミノ酸配列、配列番号:21
で表されるアミノ酸配列で表されるアミノ酸配列などを
含有するポリペプチドはC末端が通常カルボキシル基
(-COOH)またはカルボキシレート(-COO-)であるが、C
末端がアミド(-CONH2)またはエステル(-COOR)であって
もよい。エステルのRとしては、例えばメチル、エチ
ル、n−プロピル、イソプロピルもしくはn−ブチルな
どのC1-6アルキル基、シクロペンチル、シクロヘキシ
ルなどのC3-8シクロアルキル基、フェニル、α−ナフ
チルなどのC6-12アリール基、ベンジル、フェネチル、
ベンズヒドリルなどのフェニル−C1-2アルキル、もし
くはα−ナフチルメチルなどのα−ナフチル−C1-2
ルキルなどのC7-14アラルキル基のほか、経口用エステ
ルとして汎用されるピバロイルオキシメチル基などがあ
げられる。本発明のポリペプチドの塩としては、生理学
的に許容される塩基(例えばアルカリ金属など)や酸
(有機酸、無機酸)との塩が用いられるが、とりわけ生
理学的に許容される酸付加塩が好ましい。このような塩
としては例えば無機酸(例えば、塩酸、リン酸、臭化水
素酸、硫酸)との塩、あるいは有機酸(例えば、酢酸、
ギ酸、プロピオン酸、フマル酸、マレイン酸、コハク
酸、酒石酸、クエン酸、リンゴ酸、シュウ酸、安息香
酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸)との塩な
どが用いられる。
【0008】本発明のポリペプチドは、ヒトや温血動物
の組織または細胞からポリペプチドを精製する方法によ
って製造することもできるし、後述のポリペプチド合成
法に準じて製造することもできる。また、後述するポリ
ペプチドをコードするDNAを含有する形質転換体を培
養することによっても製造することができる。ヒトや温
血動物の組織または細胞から製造する場合、ヒトや温血
動物の組織または細胞をホモジナイズした後、酸、有機
溶媒などで抽出を行い、該抽出液を、塩析、透析、ゲル
濾過、逆相クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグ
ラフィー、アフィニティークロマトグラフィーなどのク
ロマトグラフィーを組み合わせることにより精製単離す
ることができる。上記したように本発明のポリペプチド
は、自体公知のポリペプチドの合成法に従って、あるい
は本発明のポリペプチドを含有するポリペプチドを適当
なペプチダーゼで切断することによって製造することが
できる。ペプチドの合成法としては、例えば固相合成
法、液相合成法のいずれによっても良い。すなわち、本
発明のポリペプチドを構成し得る部分ペプチドもしくは
アミノ酸と残余部分とを縮合させ、生成物が保護基を有
する場合は保護基を脱離することにより目的のペプチド
を製造することができる。公知の縮合方法や保護基の脱
離としてはたとえば、以下の〜に記載された方法が
あげられる。 M. Bodanszky および M.A. Ondetti、ペプチド シン
セシス (Peptide Synthesis), Interscience Publisher
s, New York (1966年) SchroederおよびLuebke、ザ ペプチド(The Peptide),
Academic Press, New York (1965年) 泉屋信夫他、ペプチド合成の基礎と実験、 丸善(株)
(1975年) 矢島治明 および榊原俊平、生化学実験講座 1、 タン
パク質の化学IV、 205、(1977年) 矢島治明監修、続医薬品の開発 第14巻 ペプチド合
成 広川書店 また、反応後は通常の精製法、たとえば、溶媒抽出・蒸
留・カラムクロマトグラフィー・液体クロマトグラフィ
ー・再結晶などを組み合わせて本発明のポリペプチドを
精製単離することができる。上記方法で得られるポリペ
プチドが遊離体である場合は、公知の方法によって適当
な塩に変換することができるし、逆に塩で得られた場合
は、公知の方法によって遊離体に変換することができ
る。
【0009】ポリペプチドのアミド体は、アミド形成に
適した市販のペプチド合成用樹脂を用いることができ
る。そのような樹脂としては例えば、クロロメチル樹
脂、ヒドロキシメチル樹脂、ベンズヒドリルアミン樹
脂、アミノメチル樹脂、4−ベンジルオキシベンジルア
ルコール樹脂、4−メチルベンズヒドリルアミン樹脂、
PAM樹脂、4−ヒドロキシメチルメチルフェニルアセト
アミドメチル樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、4−
(2',4'-ジメトキシフェニル−ヒドロキシメチル)フ
ェノキシ樹脂、4−(2',4'-ジメトキシフェニル−Fm
ocアミノエチル)フェノキシ樹脂などをあげることがで
きる。このような樹脂を用い、α−アミノ基と側鎖官能
基を適当に保護したアミノ酸を、目的とするペプチドの
配列通りに、自体公知の各種縮合方法に従い、樹脂上で
縮合させる。反応の最後に樹脂からペプチドを切り出す
と同時に各種保護基を除去し、必要に応じて高希釈溶液
中で分子内ジスルフィド結合形成反応を実施し、目的の
ポリペプチドを取得する。
【0010】上記した保護されたアミノ酸の縮合に関し
ては、ペプチド合成に使用できる各種活性化試薬を用い
ることができるが、特に、カルボジイミド類がよい。カ
ルボジイミド類としてはDCC、N,N'-ジイソプロピルカル
ボジイミド、N-エチル-N'-(3-ジメチルアミノプロピ
ル)カルボジイミドなどがあげられる。これらによる活
性化にはラセミ化抑制添加剤(例えば、HOBt、HOOBtな
ど)とともに保護されたアミノ酸を直接樹脂に添加する
かまたは、対称酸無水物またはHOBtエステルあるいはHO
OBtエステルとしてあらかじめ保護されたアミノ酸の活
性化を行ったのちに樹脂に添加することができる。保護
されたアミノ酸の活性化や樹脂との縮合に用いられる溶
媒としては、ペプチド縮合反応に使用しうることが知ら
れている溶媒から適宜選択されうる。たとえばN,N−
ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミ
ド、N−メチルピロリドンなどの酸アミド類、塩化メチ
レン、クロロホルムなどのハロゲン化炭化水素類、トリ
フルオロエタノールなどのアルコール類、ジメチルスル
ホキシドなどのスルホキシド類、ピリジンなどの三級ア
ミン類、ジオキサン、テトラヒドロフランなどのエーテ
ル類、アセトニトリル、プロピオニトリルなどのニトリ
ル類、酢酸メチル、酢酸エチルなどのエステル類あるい
はこれらの適宜の混合物などが用いられる。反応温度は
ペプチド結合形成反応に使用され得ることが知られてい
る範囲から適宜選択され、通常約−20℃〜50℃の範
囲から適宜選択される。活性化されたアミノ酸誘導体は
通常1.5ないし4倍過剰で用いられる。ニンヒドリン
反応を用いたテストの結果、縮合が不十分な場合には保
護基の脱離を行うことなく縮合反応を繰り返すことによ
り十分な縮合を行うことができる。反応を繰り返しても
十分な縮合が得られないときには、無水酢酸またはアセ
チルイミダゾールを用いて未反応アミノ酸をアセチル化
して、後の反応に影響を及ぼさないようにすることがで
きる。
【0011】原料アミノ酸のアミノ基の保護基として
は、たとえば、Z、Boc、ターシャリーペンチルオキシ
カルボニル、イソボルニルオキシカルボニル、4−メト
キシベンジルオキシカルボニル、Cl-Z、Br-Z、アダマン
チルオキシカルボニル、トリフルオロアセチル、フタロ
イル、ホルミル、2−ニトロフェニルスルフェニル、ジ
フェニルホスフィノチオイル、Fmocなどがあげられる。
カルボキシル基の保護基としては、たとえばRとして上
記したC1-6アルキル基、C3-8シクロアルキル基、C
7-14アラルキル基の他、2−アダマンチル、4−ニトロ
ベンジル、4−メトキシベンジル、4−クロロベンジ
ル、フェナシル基およびベンジルオキシカルボニルヒド
ラジド、ターシャリーブトキシカルボニルヒドラジド、
トリチルヒドラジドなどがあげられる。セリンおよびス
レオニンの水酸基は、たとえばエステル化またはエーテ
ル化によって保護することができる。このエステル化に
適する基としては例えばアセチル基などの低級アルカノ
イル基、ベンゾイル基などのアロイル基、ベンジルオキ
シカルボニル基、エトキシカルボニル基などの炭素から
誘導される基などがあげられる。また、エーテル化に適
する基としては、たとえばベンジル基、テトラヒドロピ
ラニル基、ターシャリーブチル基などである。チロシン
のフェノール性水酸基の保護基としては、たとえばBz
l、Cl2-Bzl、2−ニトロベンジル、Br-Z、ターシャリー
ブチルなどがあげられる。ヒスチジンのイミダゾールの
保護基としては、Tos、4-メトキシ-2,3,6-トリメチル
ベンゼンスルホニル、DNP、ベンジルオキシメチル、Bu
m、Boc、Trt、Fmocなどがあげられる。
【0012】原料のカルボキシル基の活性化されたもの
としては、たとえば対応する酸無水物、アジド、活性エ
ステル[アルコール(たとえば、ペンタクロロフェノー
ル、2,4,5-トリクロロフェノール、2,4-ジニトロフェノ
ール、シアノメチルアルコール、パラニトロフェノー
ル、HONB、N-ヒドロキシスクシミド、N-ヒドロキシフタ
ルイミド、HOBt)とのエステル]などがあげられる。原
料のアミノ基の活性化されたものとしては、たとえば対
応するリン酸アミドがあげられる。保護基の除去(脱
離)方法としては、たとえばPd黒あるいはPd炭素などの
触媒の存在下での水素気流中での接触還元や、また、無
水フッ化水素、メタンスルホン酸、トリフルオロメタン
スルホン酸、トリフルオロ酢酸あるいはこれらの混合液
などによる酸処理や、ジイソプロピルエチルアミン、ト
リエチルアミン、ピペリジン、ピペラジンなどによる塩
基処理、また液体アンモニア中ナトリウムによる還元な
どもあげられる。上記酸処理による脱離反応は一般に−
20℃〜40℃の温度で行われるが、酸処理においては
アニソール、フェノール、チオアニソール、メタクレゾ
ール、パラクレゾール、ジメチルスルフィド、1,4-ブタ
ンジチオール、1,2-エタンジチオールのようなカチオン
捕捉剤の添加が有効である。また、ヒスチジンのイミダ
ゾール保護基として用いられる2,4-ジニトロフェニル基
はチオフェノール処理により除去され、トリプトファン
のインドール保護基として用いられるホルミル基は上記
の1,2-エタンジチオール、1,4-ブタンジチオールなどの
存在下の酸処理による脱保護以外に、希水酸化ナトリウ
ム、希アンモニアなどによるアルカリ処理によっても除
去される。原料の反応に関与すべきでない官能基の保護
および保護基、ならびにその保護基の脱離、反応に関与
する官能基の活性化などは公知の基あるいは公知の手段
から適宜選択しうる。
【0013】ポリペプチドのアミド体を得る別の方法と
しては、まず、カルボキシル末端アミノ酸のα−カルボ
キシル基をアミド化した後、アミノ基側にペプチド鎖を
所望の鎖長まで延ばした後、該ペプチド鎖のN末端のα
−アミノ基の保護基のみを除いたペプチドとC末端のカ
ルボキシル基の保護基のみを除いたペプチド(またはア
ミノ酸)とを製造し、この両ペプチドを上記したような
混合溶媒中で縮合させる。縮合反応の詳細については上
記と同様である。縮合により得られた保護ペプチドを精
製した後、上記方法によりすべての保護基を除去し、所
望の粗ポリペプチドを得ることができる。この粗ポリペ
プチドは既知の各種精製手段を駆使して精製し、主要画
分を凍結乾燥することで所望のポリペプチドのアミド体
を得ることができる。ポリペプチドのエステル体を得る
にはカルボキシ末端アミノ酸のα−カルボキシル基を所
望のアルコール類と縮合しアミノ酸エステルとした後、
ポリペプチドのアミド体と同様にして所望のポリペプチ
ドのエステル体を得ることができる。本発明のポリペプ
チドとしては、上記した配列番号:7で表されるアミノ
酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含
有し、該ポリペプチドと同様の作用、例えば中枢神経機
能調節作用、循環機能調節作用、心臓機能調節作用、腎
臓機能調節作用、泌尿器機能調節作用または感覚器官機
能調節作用などを有しているものであれば、どのような
ポリペプチドであってもよい。このようなポリペプチド
としてはたとえば、上記した配列番号:8または配列番
号:21で表されるアミノ酸配列を有するペプチドをあ
げることができる。本発明のポリペプチドはさらに該ポ
リペプチドに対する抗体の調製のための抗原として用い
ることができる。このような抗原としてのポリペプチド
は上記した本発明のポリペプチドの他に、上記本発明の
ポリペプチドのN末端ペプチド、C末端ペプチド、中央
部分のペプチドなどの部分ペプチドなどが用いられる。
部分ペプチドとしては、個々のドメインを個別に含むペ
プチドも用い得るが、複数のドメインを同時に含む部分
のペプチドでも良い。
【0014】本明細書における部分ペプチドもC末端が
アミド(-CONH2)またはエステル(-COOR)であってもよ
い。ここでエステル基の例としては上記したポリペプチ
ドの場合と同様である。該部分ペプチドがC末端以外に
カルボキシル基またはカルボキシレートを有している場
合、それらの基がアミド化またはエステル化されている
ものも本発明の部分ペプチドに含まれる。この時のエス
テルとしては、例えば、上記したC末端のエステルなど
が用いられる。本発明のポリペプチドまたはその部分ペ
プチドは、さらに、機能あるいは性質がよく知られてい
るタンパク質との融合タンパク質であってもよい。本発
明のポリペプチドの部分ペプチドの塩としては、前述の
ポリペプチドの塩と同様のものが用いられる。本発明の
ポリペプチドの部分ペプチドもしくはそのアミドもしく
はそのエステルまたはその塩は、上記した本発明のポリ
ペプチドの場合と同様の合成法に従って、あるいは本発
明のポリペプチドを適当なペプチダーゼで切断すること
によって製造することができる。
【0015】本発明のポリペプチドをコードするDNA
としては、配列番号:7で表されるアミノ酸配列と同一
もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するポリペ
プチドをコードするDNAを含有するDNAであればい
かなるものであってもよい。また、ゲノムDNA、ゲノ
ムDNAライブラリー、前記した組織・細胞由来のcD
NA、前記した組織・細胞由来のcDNAライブラリ
ー、合成DNAのいずれでもよい。ライブラリーに使用
するベクターはバクテリオファージ、プラスミド、コス
ミド、ファージミドなどいずれであってもよい。また、
前記した組織・細胞よりRNA画分を調製したものを用
いて直接Reverse Transcriptase Polymerase Chain Rea
ction (以下、RT-PCR法と略称する)によって増幅
することもできる。ここで、配列番号:7で表されるア
ミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列
を含有するポリペプチドとしては、上述のとおり、配列
番号:8または配列番号:21で表されるアミノ酸配列
などがあげられるが、配列番号:8で表されるアミノ酸
配列を含有するポリペプチドをコードするDNAを含有
するDNAとしては、例えば、配列番号:27で表され
る塩基配列を有するDNAを含有するDNAなどがあげ
られ、配列番号:21で表されるアミノ酸配列を含有す
るポリペプチドをコードするDNAを含有するDNAと
しては、例えば、配列番号:28で表される塩基配列を
有するDNAを含有するDNAなどがあげられる。配列
番号:7で表されるアミノ酸配列と実質的に同一のアミ
ノ酸配列を含有するポリペプチドをコードするDNAを
含有するDNAとしては、例えば、配列番号:27また
は配列番号:28で表される塩基配列と約80%以上、
好ましくは約90%以上、さらに好ましくは約95%以
上、より好ましくは約98%以上の相同性を有する塩基
配列を有するDNAを含有するDNAなどがあげられ
る。
【0016】また、配列番号:7で表されるアミノ酸配
列と実質的に同一のアミノ酸配列を含有するポリペプチ
ドをコードするDNAを含有するDNAとしては、例え
ば、配列番号:27または配列番号:28で表される
塩基配列中の1または2個以上(好ましくは1〜30個
程度、好ましくは、1〜10個程度、さらに好ましくは
(1または2個))の塩基が欠失した塩基配列、配列
番号:27または配列番号:28で表される塩基配列中
の1または2個以上(好ましくは1〜30個程度、好ま
しくは、1〜10個程度、さらに好ましくは(1または
2個))の塩基が付加した塩基配列、配列番号:27
または配列番号:28で表される塩基配列中の1または
2個以上(好ましくは1〜30個程度、好ましくは、1
〜10個程度、さらに好ましくは(1または2個))の
塩基が挿入された塩基酸配列、配列番号:27または
配列番号:28で表される塩基配列中の1または2個以
上(好ましくは1〜30個程度、好ましくは、1〜10
個程度、さらに好ましくは(1または2個))の塩基が
他の塩基で置換されたアミノ酸配列、またはそれらを
組み合わせた塩基配列を有するDNAを含有するDNA
なども含まれる。より具体的には、 (1)ストリンジェン
トな条件下で配列番号:7で表されるアミノ酸配列と同
一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するレセ
プター蛋白質に対する結合能を有するDNAを含有する
DNAの有する配列とハイブリダイズする哺乳動物由来
のDNA、(2)遺伝コードの縮重のため配列番号:7で
表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のア
ミノ酸配列を含有するレセプタータンパク質に対する結
合能を有するDNAを含有するDNAの有する配列およ
び(1)に定められている配列とハイブリッド形成しない
が、同一アミノ酸配列をもつポリペプチドをコードする
DNAなどが用いられる。ハイブリダイゼーションは、
自体公知の方法あるいはそれに準じた方法に従って行う
ことができる。上記ストリンジェントな条件としては、
例えば42℃、50%ホルムアミド、4×SSPE(1
×SSPE=150mM NaCl, 10mM NaH2PO4・H2O, 1mM EDTA
pH7.4)、5×デンハート溶液、0.1%SDSであ
る。配列番号:7で表されるアミノ酸配列と同一もしく
は実質的に同一のアミノ酸配列を含有するタンパク質を
コードするDNAを含有するDNAの有する配列とハイ
ブリダイズするDNAとしては、例えば、配列番号:2
7または配列番号:28で表される塩基配列と約70%
以上、好ましくは約80%以上、さらに好ましくは約9
0%以上、最も好ましくは約95%以上の相同性を有す
る塩基配列を含有するDNAなどが用いられる。また、
本発明の配列番号:7で表されるアミノ酸配列、配
列番号:8で表されるアミノ酸配列、配列番号:21
で表されるアミノ酸配列などを含有するポリペプチドを
コードするDNAの部分塩基配列を含有するDNA断片
はDNA検出プローブとしても好ましく用いられる。
【0017】本発明のポリペプチドをコードするDNA
は以下の遺伝子工学的手法によっても製造することがで
きる。本発明のポリペプチドを完全にコードするDNA
のクローニングの手段としては、本発明のポリペプチド
の部分塩基配列を有する合成DNAプライマーを用いて
自体公知のPCR法によって前記DNAライブラリー等
から目的とするDNAを増幅するか、または適当なベク
ターに組み込んだDNAを例えば本発明のポリペプチド
の一部あるいは全領域を有するDNA断片もしくは合成
DNAを用いて標識したものとのハイブリダイゼーショ
ンによって選別することができる。ハイブリダイゼーシ
ョンの方法は、例えば Molecular Cloning(2nd ed.;
J. Sambrook et al., Cold Spring Harbor Lab. Press,
1989)に記載の方法などに従って行われる。また、市
販のライブラリーを使用する場合、添付の使用説明書に
記載の方法に従って行う。クローン化された本発明のポ
リペプチドをコードするDNAは目的によりそのまま、
または所望により制限酵素で消化したり、リンカーを付
加したりして使用することができる。該DNAはその
5’末端側に翻訳開始コドンとしてのATGを有し、ま
た3’末端側には翻訳終止コドンとしてのTAA、TG
AまたはTAGを有していてもよい。これらの翻訳開始
コドンや翻訳終止コドンは、適当な合成DNAアダプタ
ーを用いて付加することもできる。本発明のポリペプチ
ドの発現ベクターは、例えば、(イ)本発明のポリペプ
チドをコードするDNAから目的とするDNA断片を切
り出し、(ロ)該DNA断片を適当な発現ベクター中の
プロモーターの下流に連結することにより製造すること
ができる。ベクターとしては、大腸菌由来のプラスミド
(例、pBR322,pBR325,pUC12,pU
C13)、枯草菌由来のプラスミド(例、pUB11
0,pTP5,pC194)、酵母由来プラスミド
(例、pSH19,pSH15)、λファージなどのバ
クテリオファージ、レトロウイルス,ワクシニアウイル
ス,バキュロウイルスなどの動物ウイルスなどが用いら
れる。本発明で用いられるプロモーターとしては、遺伝
子の発現に用いる宿主に対応して適切なプロモーターで
あればいかなるものでもよい。形質転換する際の宿主が
動物細胞である場合には、SV40由来のプロモータ
ー、レトロウイルスのプロモーター、メタロチオネイン
プロモーター、ヒートショックプロモーター、サイトメ
ガロウイルスプロモーター、SRαプロモーターなどが
利用できる。宿主がエシェリヒア属菌である場合は、t
rpプロモーター、T7プロモーター、lacプロモー
ター、recAプロモーター、λPLプロモーター、l
ppプロモーターなどが、宿主がバチルス属菌である場
合は、SPO1プロモーター、SPO2プロモーター、
penPプロモーターなど、宿主が酵母である場合は、
PHO5プロモーター、PGKプロモーター、GAPプ
ロモーター、ADH1プロモーター、GALプロモータ
ーなどが好ましい。宿主が昆虫細胞である場合は、ポリ
ヘドリンプロモーター、P10プロモーターなどが好ま
しい。発現ベクターには、以上の他に、所望によりエン
ハンサー、スプライシングシグナル、ポリA付加シグナ
ル、選択マーカー、SV40複製オリジン(以下、SV
40oriと略称する場合がある)などを含有している
ものを用いることができる。選択マーカーとしては、例
えば、ジヒドロ葉酸還元酵素(以下、dhfrと略称す
る場合がある)遺伝子〔メソトレキセート(MTX)耐
性〕、アンピシリン耐性遺伝子(以下、Amprと略称
する場合がある)、ネオマイシン耐性遺伝子(以下、N
eoと略称する場合がある、G418耐性)等があげら
れる。特に、CHO(dhfr-)細胞を用いてDHF
R遺伝子を選択マーカーとして使用する場合、チミジン
を含まない培地によっても選択できる。また、必要に応
じて、宿主に合ったシグナル配列を、ポリペプチドまた
はその部分ペプチドのN端末側に付加する。宿主がエシ
ェリヒア属菌である場合は、phoA・シグナル配列、Omp
A・シグナル配列などが、宿主がバチルス属菌である場
合は、α−アミラーゼ・シグナル配列、サブチリシン・
シグナル配列などが、宿主が酵母である場合は、メイテ
イングファクターα(MFα)・シグナル配列、インベル
ターゼ・シグナル配列など、宿主が動物細胞である場合
には、例えばインシュリン・シグナル配列、α−インタ
ーフェロン・シグナル配列、抗体分子・シグナル配列な
どがそれぞれ利用できる。
【0018】このようにして構築されたポリペプチドを
コードするDNAを含有するベクターを用いて、形質転
換体を製造することができる。宿主としては、たとえば
エシェリヒア属菌、バチルス属菌、酵母、昆虫または昆
虫細胞、動物細胞などが用いられる。エシェリヒア属菌
としては、エシェリヒア・コリ(Escherichia coli)K
12・DH1〔プロシージングズ・オブ・ザ・ナショナ
ル・アカデミー・オブ・サイエンシイズ・オブ・ザ・ユ
ーエスエー(Proc. Natl. Acad. Sci. USA),60
巻,160(1968)〕,JM103〔ヌクイレック・
アシッズ・リサーチ,(Nucleic Acids Research),9
巻,309(1981)〕,JA221〔ジャーナル・オ
ブ・モレキュラー・バイオロジー(Journal of Molecul
ar Biology)〕,120巻,517(1978)〕,HB
101〔ジャーナル・オブ・モレキュラー・バイオロジ
ー,41巻,459(1969)〕,C600〔ジェネテ
ィックス(Genetics),39巻,440(1954)〕な
どが用いられる。バチルス属菌としては、たとえばバチ
ルス・サチルス(Bacillus subtilis)MI114〔ジ
ーン,24巻,255(1983)〕,207−21〔ジ
ャーナル・オブ・バイオケミストリー(Journal of Bio
chemistry),95巻,87(1984)〕などが用いら
れる。酵母としては、たとえばサッカロマイセス セレ
ビシエ(Saccharomyces cerevisiae)AH22,AH2
2R-,NA87−11A,DKD−5D,20B−1
2などが用いられる。昆虫としては、例えばカイコの幼
虫などが用いられる〔前田ら、ネイチャー(Nature),
315巻,592(1985)〕。昆虫細胞としては、例
えば、ウイルスがAcNPVの場合は、夜盗蛾の幼虫由
来株化細胞(Spodoptera frugiperda cell;Sf細
胞)、Trichoplusia niの中腸由来のMG1細胞、Trich
oplusia niの卵由来のHigh FiveTM細胞、Mamestra bras
sicae由来の細胞またはEstigmena acrea由来の細胞など
が用いられる。ウイルスがBmNPVの場合は、蚕由来
株化細胞(Bombyx mori N;BmN細胞)などが用いら
れる。該Sf細胞としては、例えば、Sf9細胞(ATCC
CRL1711)、Sf21細胞〔以上、Vaughn, J.L.ら、イ
ン・ヴィトロ(in Vitro),13巻,213−217頁
(1977年)〕などが用いられる。
【0019】動物細胞としては、たとえばサルCOS−
7細胞,Vero細胞,チャイニーズハムスター細胞CH
O,DHFR遺伝子欠損チャイニーズハムスター細胞C
HO(dhfr-CHO細胞),マウスL細胞,マウス
3T3細胞、マウスミエローマ細胞,ヒトHEK293
細胞、ヒトFL細胞、293細胞、C127細胞、BA
LB3T3細胞、Sp−2/O細胞などが用いられる。
エシェリヒア属菌を形質転換するには、たとえばプロシ
ージングズ・オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ
・サイエンジイズ・オブ・ザ・ユーエスエー(Proc. Na
tl. Acad. Sci. USA),69巻,2110(197
2)やジーン(Gene),17巻,107(1982)など
に記載の方法に従って行なわれる。バチルス属菌を形質
転換するには、たとえばモレキュラー・アンド・ジェネ
ラル・ジェネティックス(Molecular & General Genet
ics),168巻,111(1979)などに記載の方法
に従って行われる。酵母を形質転換するには、たとえば
プロシージングズ・オブ・ザ・ナショナル・アカデミー
・オブ・サイエンシイズ・オブ・ザ・ユーエスエー(Pr
oc. Natl.Acad. Sci. USA),75巻,1929(1
978)に記載の方法に従って行なわれる。昆虫細胞ま
たは昆虫を形質転換するには、たとえばバイオ/テクノ
ロジー(Bio/Technology),6巻, 47−55頁(19
88年)などに記載の方法に従って行なわれる。動物細
胞を形質転換するには、たとえばヴィロロジー(Virolo
gy),52巻,456(1973)に記載の方法に従って
行なわれる。発現ベクターの細胞への導入方法として
は、例えば、リポフェクション法〔Felgner, P.L. et a
l. プロシージングズ・オブ・ザ・ナショナル・アカデ
ミー・オブ・サイエンジイズ・オブ・ザ・ユーエスエー
(Proceedings of the National Academy of Sciences
of the United States of America),84巻,741
3頁(1987年)〕、リン酸カルシウム法〔Graham,
F. L. and van der Eb,A. J.ヴィロロジー(Virolog
y),52巻,456−467頁(1973年)〕、電
気穿孔法〔Nuemann, E. et al. エンボ・ジャーナル(E
MBO J.),1巻,841−845頁(1982年)〕等
があげられる。このようにして、本発明のポリペプチド
をコードするDNAを含有する発現ベクターで形質転換
された形質転換体が得られる。
【0020】なお、動物細胞を用いて、本発明のポリペ
プチドを安定に発現させる方法としては、上記の動物細
胞に導入された発現ベクターが染色体に組み込まれた細
胞をクローン選択によって選択する方法がある。具体的
には、上記の選択マーカーを指標にして形質転換体を選
択する。さらに、このように選択マーカーを用いて得ら
れた動物細胞に対して、繰り返しクローン選択を行なう
ことにより本発明のポリペプチドの高発現能を有する安
定な動物細胞株を得ることができる。また、dhfr遺
伝子を選択マーカーとして用いた場合、MTX濃度を徐
々に上げて培養し、耐性株を選択することにより、dh
fr遺伝子とともに、本発明のポリペプチドまたはその
部分ペプチド等をコードするDNAを細胞内で増幅させ
て、さらに高発現の動物細胞株を得ることもできる。上
記の形質転換体を本発明のポリペプチドをコードするD
NAが発現可能な条件下で培養し、本発明のポリペプチ
ドを生成、蓄積せしめることによって、本発明のポリペ
プチドを製造することができる。宿主がエシェリヒア属
菌、バチルス属菌である形質転換体を培養する際、培養
に使用される培地としては液体培地が適当であり、その
中には該形質転換体の生育に必要な炭素源、窒素源、無
機物その他が含有せしめられる。炭素源としては、たと
えばグルコース、デキストリン、可溶性澱粉、ショ糖な
ど、窒素源としては、たとえばアンモニウム塩類、硝酸
塩類、コーンスチープ・リカー、ペプトン、カゼイン、
肉エキス、大豆粕、バレイショ抽出液などの無機または
有機物質、無機物としてはたとえば塩化カルシウム、リ
ン酸二水素ナトリウム、塩化マグネシウムなどがあげら
れる。また、酵母、ビタミン類、生長促進因子などを添
加してもよい。培地のpHは約5〜8が望ましい。エシ
ェリヒア属菌を培養する際の培地としては、例えばグル
コース、カザミノ酸を含むM9培地〔ミラー(Mille
r),ジャーナル・オブ・エクスペリメンツ・イン・モ
レキュラー・ジェネティックス(Journal of Experimen
ts in Molecular Genetics),431−433,Cold S
pring Harbor Laboratory, New York 1972〕が好ま
しい。ここに必要によりプロモーターを効率よく働かせ
るために、たとえば3β−インドリルアクリル酸のよう
な薬剤を加えることができる。宿主がエシェリヒア属菌
の場合、培養は通常約15〜43℃で約3〜24時間行
い、必要により、通気や撹拌を加えることもできる。宿
主がバチルス属菌の場合、培養は通常約30〜40℃で
約6〜24時間行ない、必要により通気や撹拌を加える
こともできる。宿主が酵母である形質転換体を培養する
際、培地としては、たとえばバークホールダー(Burkho
lder)最小培地〔Bostian, K. L. ら、「プロシージン
グズ・オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイ
エンシイズ・オブ・ザ・ユーエスエー(Proc. Natl. Ac
ad. Sci. USA),77巻,4505(1980)〕や
0.5%カザミノ酸を含有するSD培地〔Bitter, G. A.
ら、「プロシージングズ・オブ・ザ・ナショナル・ア
カデミー・オブ・サイエンシイズ・オブ・ザ・ユーエス
エー(Proc. Natl. Acad. Sci. USA),81巻,5
330(1984)〕があげられる。培地のpHは約5
〜8に調整するのが好ましい。培養は通常約20℃〜3
5℃で約24〜72時間行い、必要に応じて通気や撹拌
を加える。宿主が昆虫細胞である形質転換体を培養する
際、培地としては、Grace's Insect Medium(Grace, T.
C.C.,ネイチャー(Nature),195,788(1962))に非動化
した10%ウシ血清等の添加物を適宜加えたものなどが
用いられる。培地のpHは約6.2〜6.4に調整する
のが好ましい。培養は通常約27℃で約3〜5日間行
い、必要に応じて通気や撹拌を加える。宿主が動物細胞
である形質転換体を培養する際、培地としては、たとえ
ば約5〜20%の胎児牛血清を含むMEM培地〔サイエ
ンス(Science),122巻,501(1952)〕,D
MEM培地〔ヴィロロジー(Virology),8巻,396
(1959)〕,RPMI 1640培地〔ジャーナル・
オブ・ザ・アメリカン・メディカル・アソシエーション
(The Journal of the American Medical Associatio
n)199巻,519(1967)〕,199培地〔プロ
シージング・オブ・ザ・ソサイエティ・フォー・ザ・バ
イオロジカル・メディスン(Proceeding ofthe Society
for the Biological Medicine),73巻,1(195
0)〕などが用いられる。pHは約6〜8であるのが好
ましい。培養は通常約30℃〜40℃で約15〜60時
間行い、必要に応じて通気や撹拌を加える。特にCHO
(dhfr-)細胞およびdhfr遺伝子を選択マーカーとして
用いる場合には、チミジンをほとんど含まない透析ウシ
胎児血清を含むDMEM培地を用いるのが好ましい。上
記培養物から本発明のポリペプチドを分離精製するに
は、例えば下記の方法により行なうことができる。
【0021】本発明のポリペプチドを培養菌体あるいは
細胞から抽出するに際しては、培養後、公知の方法で菌
体あるいは細胞を集め、これを適当な緩衝液に懸濁し、
超音波、リゾチームおよび/または凍結融解などによっ
て菌体あるいは細胞を破壊したのち、遠心分離やろ過に
よりポリペプチドの粗抽出液を得る方法などが適宜用い
得る。緩衝液の中に尿素や塩酸グアニジンなどのタンパ
ク変性剤や、トリトンX−100(登録商標。以下、T
Mと省略することがある。)などの界面活性剤が含まれ
ていてもよい。培養液中にポリペプチドが分泌される場
合には、培養終了後、自体公知の方法で菌体あるいは細
胞と上清とを分離し、上清を集める。このようにして得
られた培養上清、あるいは抽出液中に含まれる本発明の
ポリペプチドの精製は、自体公知の分離・精製法を適切
に組み合わせて行なうことができる。これらの公知の分
離、精製法としては、塩析や溶媒沈澱法などの溶解度を
利用する方法、透析法、限外ろ過法、ゲルろ過法、およ
びSDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動法などの主
として分子量の差を利用する方法、イオン交換クロマト
グラフィーなどの荷電の差を利用する方法、アフィニテ
ィークロマトグラフィーなどの特異的親和性を利用する
方法、逆相高速液体クロマトグラフィーなどの疎水性の
差を利用する方法、等電点電気泳動法やクロマトフォー
カシングなどの等電点の差を利用する方法などが用いら
れる。かくして得られる本発明のポリペプチドが遊離体
で得られた場合には、自体公知の方法あるいはそれに準
じる方法によって塩に変換することができ、逆に塩で得
られた場合には自体公知の方法あるいはそれに準じる方
法により、遊離体または他の塩に変換することができ
る。なお、組換え体が産生する本発明のポリペプチド
を、精製前または精製後に適当な蛋白修飾酵素を作用さ
せることにより、任意に修飾を加えたり、ポリペプチド
を部分的に除去することもできる。蛋白修飾酵素として
は、例えば、トリプシン、キモトリプシン、アルギニル
エンドペプチダーゼ、プロテインキナーゼ、グリコシダ
ーゼなどが用いられる。かくして生成する本発明のポリ
ペプチドの存在は特異抗体を用いたエンザイムイムノア
ッセイなどにより測定することができる。本発明のポリ
ペプチドをコードするDNAまたは本発明のポリペプチ
ドは、本発明のポリペプチドの有する生理作用の探
索、合成オリゴヌクレオチドプローブあるいはPCR
のプライマーの作成、SENRのリガンドや前駆体タ
ンパク質をコードするDNAの入手、組換え型レセプ
タータンパク質の発現系を用いたレセプター結合アッセ
イ系の開発と医薬品候補化合物のスクリーニング、抗
体および抗血清の入手、DNA、RNA、抗体または
抗血清を用いた診断薬の開発、中枢神経機能調節剤、
循環機能調節剤、心臓機能調節剤、腎臓機能調節剤、泌
尿器機能調節剤、感覚器官機能調節剤などの医薬の開
発、遺伝子治療等に用いることができる。
【0022】特に、後述の組換え型SENRの発現系を
用いたレセプター結合アッセイ系によって、ヒトなどの
温血動物に特異的なSENRアゴニストまたはアンタゴ
ニストをスクリーニングすることができ、該アゴニスト
またはアンタゴニストを各種疾病の予防・治療剤などと
して使用することができる。さらに、上記に関し、本
発明のポリペプチドまたはそれをコードするDNAは中
枢神経系、循環器系、心臓、腎臓、泌尿器系または感覚
器官系などで発現しているSENRがリガンドとして認
識するものであるので、安全で低毒性な医薬として有用
である。本発明のポリペプチドまたはそれをコードする
DNAは中枢神経機能調節作用、循環機能調節作用、心
臓機能調節作用、腎臓機能調節作用、泌尿器機能調節作
用あるいは感覚器官調節作用などに関与していることか
ら、たとえば老人性痴呆、脳血管性痴呆、系統変成型の
退行変成疾患(例:アルツハイマー病、パーキンソン
病、ピック病、ハンチントン病など)に起因する痴呆、
高(低)血圧症、腎疾患(例:慢性腎不全、腎炎な
ど)、心疾患(例:心不全、急性心筋梗塞など)、頻
尿、尿失禁、難聴、嗅覚異常、視覚異常などの疾病の治
療・予防剤として用いることができる。本発明のポリペ
プチドまたはそれをコードするDNAを上述の医薬とし
て使用する場合、常套手段に従って製剤化することがで
きる。例えば、必要に応じて糖衣や腸溶性被膜を施した
錠剤、カプセル剤、エリキシル剤、マイクロカプセル剤
などとして経口的に、あるいは水もしくはそれ以外の薬
学的に許容し得る液との無菌性溶液、または懸濁液剤な
どの注射剤の形で非経口的に使用できる。例えば、該化
合物またはその塩を生理学的に認められる担体、香味
剤、賦形剤、ベヒクル、防腐剤、安定剤、結合剤などと
ともに一般に認められた製薬実施に要求される単位用量
形態で混和することによって製造することができる。こ
れら製剤における有効成分量は指示された範囲の適当な
用量が得られるようにするものである。
【0023】本発明のDNAを用いる場合は、該DNA
を単独またはレトロウイルスベクター、アデノウイルス
ベクター、アデノウイルスアソシエーテッドウイルスベ
クターなどの適当なベクターに挿入した後、常套手段に
従がって実施することができる。錠剤、カプセル剤など
に混和することができる添加剤としては、例えばゼラチ
ン、コーンスターチ、トラガントガム、アラビアゴムの
ような結合剤、結晶性セルロースのような賦形剤、コー
ンスターチ、ゼラチン、アルギン酸などのような膨化
剤、ステアリン酸マグネシウムのような潤滑剤、ショ
糖、乳糖またはサッカリンのような甘味剤、ペパーミン
ト、アカモノ油またはチェリーのような香味剤などが用
いられる。調剤単位形態がカプセルである場合には、前
記タイプの材料にさらに油脂のような液状担体を含有す
ることができる。注射のための無菌組成物は注射用水の
ようなベヒクル中の活性物質、胡麻油、椰子油などのよ
うな天然産出植物油などを溶解または懸濁させるなどの
通常の製剤実施にしたがって処方することができる。注
射用の水性液としては、例えば、生理食塩水、ブドウ糖
やその他の補助薬を含む等張液(例えば、D−ソルビト
ール、D−マンニトール、塩化ナトリウムなど)などが
あげられ、適当な溶解補助剤、たとえばアルコール(た
とえばエタノール)、ポリアルコール(たとえばプロピ
レングリコール、ポリエチレングリコール)、非イオン
性界面活性剤(たとえばポリソルベート80(TM)、H
CO−50)などと併用してもよい。油性液としてはゴ
マ油、大豆油などがあげられ、溶解補助剤として安息香
酸ベンジル、ベンジルアルコールなどと併用してもよ
い。また、緩衝剤(例えば、リン酸塩緩衝液、酢酸ナト
リウム緩衝液)、無痛化剤(例えば、塩化ベンザルコニ
ウム、塩酸プロカインなど)、安定剤(例えば、ヒト血
清アルブミン、ポリエチレングリコールなど)、保存剤
(例えば、ベンジルアルコール、フェノールなど)、酸
化防止剤などと配合してもよい。調製された注射液は通
常、適当なアンプルに充填される。
【0024】このようにして得られる製剤は安全で低毒
性であるので、例えばヒトや哺乳動物(例えば、マウ
ス、ラット、モルモット、ウサギ、ヒツジ、ブタ、ウ
シ、ネコ、イヌ、サルなど)に対して投与することがで
きる。本発明のポリペプチドまたはそれをコードするD
NAの投与量は、症状などにより差異はあるが、経口投
与の場合、一般的に成人の心不全患者(体重60kgと
して)においては、一日につき約0.1から100m
g、好ましくは約1.0から50mg、より好ましくは
約1.0から20mgである。非経口的に投与する場合
は、その1回投与量は投与対象、対象臓器、症状、投与
方法などによっても異なるが、たとえば注射剤の形では
成人の心不全患者(体重60kgとして)への投与にお
いては、一日につき約0.01から30mg程度、好ま
しくは約0.1から20mg程度、より好ましくは約
0.1から10mg程度を静脈注射により投与するのが
好都合である。他の動物の場合も、60kg当たりに換
算した量を投与することができる。本発明のポリペプチ
ドの前駆体タンパク質またはその塩、その製造法および
用途を以下にさらに詳細に説明する。本発明のポリペプ
チドの前駆体タンパク質またはその塩(以下、本発明の
前駆体タンパク質と称する場合がある)としては、例え
ば、前記した本発明のタンパク質のN末端または(およ
び)C末端に1個または2個以上、好ましくは1〜20
0個程度、より好ましくは1〜120個程度、さらに好
ましくは50〜120個程度のアミノ酸が結合したタン
パク質またはその塩である。具体的には、本発明の前駆
体タンパク質は、配列番号:18、配列番号:19また
は配列番号:29で表されるアミノ酸配列と同一もしく
は実質的に同一のアミノ酸配列を有するタンパク質など
が用いられる。
【0025】また、本発明の前駆体タンパク質は、ヒト
や温血動物(例えば、モルモット、ラット、マウス、ブ
タ、ヒツジ、ウシ、サルなど)のあらゆる組織(たとえ
ば、下垂体、膵臓、脳、腎臓、肝臓、生殖腺、甲状腺、
胆のう、骨髄、副腎、皮膚、筋肉、肺、消化管、血管、
心臓など)または細胞などに由来するタンパク質であっ
て、配列番号:18、配列番号:19または配列番号:
29で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同
一のアミノ酸配列を含有するタンパク質であれば如何な
るものであってもよい。実質的に同質の活性としては、
例えばレセプター結合活性、シグナル伝達活性などがあ
げられる。実質的に同質とは、レセプター結合活性など
が性質的に同質であることを示す。したがって、レセプ
ター結合活性の強さなどの強弱、タンパク質の分子量な
どの量的要素は異なっていてもよい。配列番号:18、
配列番号:19または配列番号:29で表されるアミノ
酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列として具体的に
は、配列番号:18、配列番号:19または配列番号:
29で表されるアミノ酸配列と約50%以上、好ましく
は約60%以上、さらに好ましくは約70%以上、より
好ましくは約80%以上、特に好ましくは約90%以
上、最も好ましくは約95%以上の相同性を有するアミ
ノ酸配列を示す。
【0026】また、本発明の前駆体タンパク質として
は、例えば、配列番号:18、配列番号:19または
配列番号:29で表されるアミノ酸配列中の1または2
個以上(好ましくは1〜30個程度、好ましくは、1〜
10個程度、さらに好ましくは(1または2個))のア
ミノ酸が欠失したアミノ酸配列、配列番号:18、配
列番号:19または配列番号:29で表されるアミノ酸
配列中の1または2個以上(好ましくは1〜30個程
度、好ましくは、1〜10個程度、さらに好ましくは
(1または2個))のアミノ酸が付加したアミノ酸配
列、配列番号:18、配列番号:19または配列番
号:29で表されるアミノ酸配列中の1または2個以上
(好ましくは1〜30個程度、好ましくは、1〜10個
程度、さらに好ましくは(1または2個))のアミノ酸
が挿入されたアミノ酸配列、配列番号:18、配列番
号:19または配列番号:29で表されるアミノ酸配列
中の1または2個以上(好ましくは1〜30個程度、好
ましくは、1〜10個程度、さらに好ましくは(1また
は2個))のアミノ酸が他のアミノ酸で置換されたアミ
ノ酸配列、またはそれらを組み合わせたアミノ酸配列
を含有するタンパク質なども含まれる。配列番号:8で
表されるアミノ酸配列を含有する本発明のポリペプチド
の前駆体タンパク質として、具体的には、配列番号:1
8または配列番号:19で表されるアミノ酸配列を含有
するタンパク質などがあげられ、配列番号:21で表さ
れるアミノ酸配列を含有する本発明のポリペプチドの前
駆体タンパク質として、具体的には、配列番号:29で
表されるアミノ酸配列を含有するタンパク質などがあげ
られる。
【0027】本明細書における前駆体タンパク質はペプ
チド標記の慣例に従って左端がN末端(アミノ末端)、
右端がC末端(カルボキシル末端)である。例えば、配
列番号:18、配列番号:19または配列番号:29で
表されるアミノ酸配列で表されるアミノ酸配列などを含
有する本発明の前駆体タンパク質はC末端が通常カルボ
キシル基(-COOH)またはカルボキシレート(-COO-)であ
るが、C末端がアミド(-CONH2)またはエステル(-COOR)
であってもよい。エステルのRとしては、例えばメチ
ル、エチル、n−プロピル、イソプロピルもしくはn−
ブチルなどのC1-6アルキル基、シクロペンチル、シク
ロヘキシルなどのC3-8シクロアルキル基、フェニル、
α−ナフチルなどのC6-12アリール基、ベンジル、フェ
ネチル、ベンズヒドリルなどのフェニル−C1-2アルキ
ル、もしくはα−ナフチルメチルなどのα−ナフチル−
1-2アルキルなどのC7-14アラルキル基のほか、経口
用エステルとして汎用されるピバロイルオキシメチル基
などがあげられる。本発明の前駆体タンパク質の塩とし
ては、例えば、上記の本発明のポリペプチドの塩として
例示したものと同様のものなどがあげられる。本発明の
前駆体タンパク質は、上述の本発明のポリぺプチドの製
造法に準じて、ヒトや温血動物の組織または細胞からタ
ンパク質を精製する方法によって製造することもできる
し、タンパク質合成法に準じて製造することもできる。
また、上述の本発明のポリぺプチドの製造法に準じて、
本発明の前駆体タンパク質をコードするDNAを含有す
る形質転換体を培養することによっても製造することが
できる。ヒトや温血動物の組織または細胞から製造する
場合、ヒトや温血動物の組織または細胞をホモジナイズ
した後、酸、有機溶媒などで抽出を行い、該抽出液を、
塩析、透析、ゲル濾過、逆相クロマトグラフィー、イオ
ン交換クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグ
ラフィーなどのクロマトグラフィーを組み合わせること
により精製単離することができる。本発明の前駆体タン
パク質のアミド体は、アミド形成に適した市販のペプチ
ド合成用樹脂を用いることができる。そのような樹脂と
しては例えば、上記のペプチド合成用樹脂などが用いら
れる。このような樹脂を用い、α−アミノ基と側鎖官能
基を適当に保護したアミノ酸を、目的とするペプチドの
配列通りに、自体公知の各種縮合方法に従い、樹脂上で
縮合させる。反応の最後に樹脂からペプチドを切り出す
と同時に各種保護基を除去し、必要に応じて高希釈溶液
中で分子内ジスルフィド結合形成反応を実施し、目的の
本発明の前駆体タンパク質を取得する。本発明の前駆体
タンパク質としては、上記した配列番号:18、配列番
号:19または配列番号:29で表されるアミノ酸配列
と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有し、
該本発明のポリペプチド質と同様の作用、例えば中枢神
経機能調節作用、循環機能調節作用、心臓機能調節作
用、腎臓機能調節作用、泌尿器機能調節作用または感覚
器官機能調節作用などを前駆体タンパク質自身が有して
いるものであってもよい。
【0028】本発明の前駆体タンパク質はさらに該前駆
体タンパク質に対する抗体の調製のための抗原として用
いることができる。このような抗原としてのタンパク質
は上記した本発明の前駆体タンパク質の他に、上記本発
明の前駆体タンパク質のN末端ペプチド、C末端ペプチ
ド、中央部分のペプチドなどの部分ペプチドなどが用い
られる。部分ペプチドとしては、個々のドメインを個別
に含むペプチドも用い得るが、複数のドメインを同時に
含む部分のペプチドでも良い。本発明の前駆体タンパク
質の部分ペプチドの塩としては、前述の前駆体タンパク
質の塩と同様のものが用いられる。本発明の前駆体タン
パク質の部分ペプチドまたはそのアミド、エステルもし
くはその塩は、上記した前駆体タンパク質の場合と同様
の合成法に従って、あるいは本発明の前駆体タンパク質
を適当なペプチダーゼで切断することによって製造する
ことができる。本発明の前駆体タンパク質をコードする
DNAとしては、配列番号:18、配列番号:19また
は配列番号:29で表されるアミノ酸配列と同一もしく
は実質的に同一のアミノ酸配列を含有するタンパク質を
コードするDNAを含有するDNAであればいかなるも
のであってもよい。また、ゲノムDNA、ゲノムDNA
ライブラリー、前記した組織・細胞由来のcDNA、前
記した組織・細胞由来のcDNAライブラリー、合成D
NAのいずれでもよい。ライブラリーに使用するベクタ
ーはバクテリオファージ、プラスミド、コスミド、ファ
ージミドなどいずれであってもよい。また、前記した組
織・細胞よりRNA画分を調製したものを用いて直接Re
verse Transcriptase Polymerase Chain Reaction (以
下、RT-PCR法と略称する)によって増幅することも
できる。ここで、配列番号:18、配列番号:19また
は配列番号:29で表されるアミノ酸配列と同一もしく
は実質的に同一のアミノ酸配列を含有するタンパク質を
コードするDNAを含有するDNAとしては、例えば、
配列番号:15、配列番号:16、配列番号:17また
は配列番号:30で表される塩基配列を有するDNAを
含有するDNAなどがあげられる他、配列番号:15、
配列番号:16、配列番号:17または配列番号:30
で表される塩基配列と約50%以上、好ましくは約60
%以上、さらに好ましくは約70%以上、より好ましく
は約80%以上、特に好ましくは約90%以上、最も好
ましくは約95%以上の相同性を有する塩基配列を有す
るDNAを含有するDNAなどがあげられる。
【0029】また、配列番号:18、配列番号:19ま
たは配列番号:29で表されるアミノ酸配列と同一もし
くは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するタンパク質
をコードするDNAを含有するDNAとしては、例え
ば、配列番号:15、配列番号:16、配列番号:1
7または配列番号:30で表される塩基配列中の1また
は2個以上(好ましくは1〜30個程度、好ましくは、
1〜10個程度、さらに好ましくは(1または2個))
の塩基が欠失した塩基配列、配列番号:15、配列番
号:16、配列番号:17または配列番号:30で表さ
れる塩基配列中の1または2個以上(好ましくは1〜3
0個程度、好ましくは、1〜10個程度、さらに好まし
くは(1または2個))の塩基が付加した塩基配列、
配列番号:15、配列番号:16、配列番号:17また
は配列番号:30で表される塩基配列中の1または2個
以上(好ましくは1〜30個程度、好ましくは、1〜1
0個程度、さらに好ましくは(1または2個))の塩基
が挿入された塩基酸配列、配列番号:15、配列番
号:16、配列番号:17または配列番号:30で表さ
れる塩基配列中の1または2個以上(好ましくは1〜3
0個程度、好ましくは、1〜10個程度、さらに好まし
くは(1または2個))の塩基が他の塩基で置換された
アミノ酸配列、またはそれらを組み合わせた塩基配列
を有するDNAを含有するDNAなども含まれる。より
具体的には、 (1)ストリンジェントな条件下で配列番
号:18、配列番号:19または配列番号:29で表さ
れるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ
酸配列を含有するタンパク質をコードするDNAを含有
するDNAの有する配列とハイブリダイズする哺乳動物
由来のDNA、(2)遺伝コードの縮重のため配列番号:
18、配列番号:19または配列番号:29で表される
アミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配
列を含有するタンパク質をコードするDNAを含有する
DNAの有する配列および(1)に定められている配列と
ハイブリッド形成しないが、同一アミノ酸配列をもつタ
ンパク質をコードするDNAなどが用いられる。ハイブ
リダイゼーションは、自体公知の方法あるいはそれに準
じた方法に従って行うことができる。上記ストリンジェ
ントな条件としては、例えば42℃、50%ホルムアミ
ド、4×SSPE(1×SSPE=150mM NaCl, 10mM Na
H2PO4・H2O, 1mM EDTA pH7.4)、5×デンハート溶液、
0.1%SDSである。配列番号:18、配列番号:1
9または配列番号:29で表されるアミノ酸配列と同一
もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するタンパ
ク質をコードするDNAを含有するDNAの有する配列
とハイブリダイズするDNAとしては、例えば、配列番
号:15、配列番号:16、配列番号:17または配列
番号:30で表される塩基配列と約70%以上、好まし
くは約80%以上、さらに好ましくは約90%以上、最
も好ましくは約95%以上の相同性を有する塩基配列を
含有するDNAなどが用いられる。また、本発明の配列
番号:18、配列番号:19または配列番号:29で表
されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミ
ノ酸配列を含有するタンパク質をコードするDNAの部
分塩基配列を含有するDNA断片はDNA検出プローブ
としても好ましく用いられる。
【0030】本発明の前駆体タンパク質をコードするD
NAは上記した本発明のポリペプチドと同様にして遺伝
子工学的手法によっても製造することができる。本発明
の前駆体タンパク質をコードするDNAまたは本発明の
前駆体タンパク質は、本発明の前駆体タンパク質(ま
たは本発明のポリペプチド)の有する生理作用の探索、
合成オリゴヌクレオチドプローブあるいはPCRのプ
ライマーの作成、本発明のポリペプチドをコードする
DNAの入手、組換え型レセプタータンパク質の発現
系を用いたレセプター結合アッセイ系の開発と医薬品候
補化合物のスクリーニング、抗体および抗血清の入
手、DNA、RNA、抗体または抗血清を用いた診断
薬の開発、中枢神経機能調節剤、循環機能調節剤、心
臓機能調節剤、腎臓機能調節剤、泌尿器機能調節剤、感
覚器官機能調節剤などの医薬の開発、遺伝子治療等に
用いることができる。特に、後述の組換え型SENRの
発現系を用いたレセプター結合アッセイ系によって、ヒ
トなどの温血動物に特異的なSENRアゴニストまたは
アンタゴニストをスクリーニングすることができ、該ア
ゴニストまたはアンタゴニストを各種疾病の予防・治療
剤などとして使用することができる。さらに、上記に
関し、本発明の前駆体タンパク質またはそれをコードす
るDNAは中枢神経系、循環器系、心臓、腎臓、泌尿器
系または感覚器官系などで発現しているSENRがリガ
ンドとして認識するものであるので、安全で低毒性な医
薬として有用である。本発明の前駆体タンパク質または
それをコードするDNAは中枢神経機能調節作用、循環
機能調節作用、心臓機能調節作用、腎臓機能調節作用、
泌尿器機能調節作用あるいは感覚器官調節作用などに関
与していることから、たとえば老人性痴呆、脳血管性痴
呆、系統変成型の退行変成疾患(例:アルツハイマー
病、パーキンソン病、ピック病、ハンチントン病など)
に起因する痴呆、高(低)血圧症、腎疾患(例:慢性腎
不全、腎炎など)、心疾患(例:心不全、急性心筋梗塞
など)、頻尿、尿失禁、難聴、嗅覚異常、視覚異常など
の疾病の治療・予防剤として用いることができる。
【0031】本発明の前駆体タンパク質またはそれをコ
ードするDNAを上述の医薬として使用する場合、常套
手段に従って製剤化することができる。例えば、必要に
応じて糖衣や腸溶性被膜を施した錠剤、カプセル剤、エ
リキシル剤、マイクロカプセル剤などとして経口的に、
あるいは水もしくはそれ以外の薬学的に許容し得る液と
の無菌性溶液、または懸濁液剤などの注射剤の形で非経
口的に使用できる。例えば、該化合物またはその塩を生
理学的に認められる担体、香味剤、賦形剤、ベヒクル、
防腐剤、安定剤、結合剤などとともに一般に認められた
製剤に要求される単位用量形態で混和することによって
製造することができる。これら製剤における有効成分量
は指示された範囲の適当な用量が得られるようにするも
のである。錠剤、カプセル剤などに混和することができ
る添加剤としては、上記の添加剤と同様のものなどを用
いることができる。注射用の水性液としては、例えば、
生理食塩水、ブドウ糖やその他の補助薬を含む等張液
(例えば、D−ソルビトール、D−マンニトール、塩化
ナトリウムなど)などがあげられ、適当な溶解補助剤、
たとえばアルコール(たとえばエタノール)、ポリアル
コール(たとえばプロピレングリコール、ポリエチレン
グリコール)、非イオン性界面活性剤(たとえばポリソ
ルベート80(TM)、HCO−50)などと併用しても
よい。油性液としてはゴマ油、大豆油などがあげられ、
溶解補助剤として安息香酸ベンジル、ベンジルアルコー
ルなどと併用してもよい。また、緩衝剤(例えば、リン
酸塩緩衝液、酢酸ナトリウム緩衝液)、無痛化剤(例え
ば、塩化ベンザルコニウム、塩酸プロカインなど)、安
定剤(例えば、ヒト血清アルブミン、ポリエチレングリ
コールなど)、保存剤(例えば、ベンジルアルコール、
フェノールなど)、酸化防止剤などと配合してもよい。
調製された注射液は通常、適当なアンプルに充填され
る。このようにして得られる製剤は安全で低毒性である
ので、例えばヒトや哺乳動物(例えば、マウス、ラッ
ト、モルモット、ウサギ、ヒツジ、ブタ、ウシ、ネコ、
イヌ、サルなど)に対して投与することができる。
【0032】本発明の前駆体タンパク質またはそれをコ
ードするDNAの投与量は、症状などにより差異はある
が、経口投与の場合、一般的に成人の心不全患者(体重
60kgとして)においては、一日につき約0.1から
100mg、好ましくは約1.0から50mg、より好
ましくは約1.0から20mgである。非経口的に投与
する場合は、その1回投与量は投与対象、対象臓器、症
状、投与方法などによっても異なるが、たとえば注射剤
の形では成人の心不全患者(体重60kgとして)への
投与においては、一日につき約0.01から30mg程
度、好ましくは約0.1から20mg程度、より好まし
くは約0.1から10mg程度を静脈注射により投与す
るのが好都合である。他の動物の場合も、60kg当た
りに換算した量を投与することができる。本発明におけ
るSENRとしては、上記のとおり、Tal, M. et al.,
Biochem.Biophys. Res. Commun., 209, 752-759, 1995
に記載のもの、Marchese, A., Genomics, 29, 335-344,
1995に記載のもの、EP 859052号に記載のものなどがあ
げられるのみならず、配列番号:9または配列番号:2
6で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一
のアミノ酸配列を含有することを特徴とするSENRま
たはその塩、または、配列番号:9または配列番号:2
6で表されるアミノ酸配列中の1個以上30個以下、好
ましくは1個以上10個以下のアミノ酸が欠失したアミ
ノ酸配列、配列番号:9または配列番号:26で表され
るアミノ酸配列に1個以上30個以下、好ましくは1個
以上10個以下のアミノ酸が付加した(または挿入され
た)アミノ酸配列、あるいは配列番号:9または配列番
号:26で表されるアミノ酸配列中の1個以上30個以
下、好ましくは1個以上10個以下のアミノ酸が他のア
ミノ酸で置換されたアミノ酸配列を含有する蛋白質であ
るSENRまたはその塩などがあげられる。また、本発
明で用いられるSENRの部分ペプチドは前記した本発
明のSENRの部分ペプチドであれば何れのものであっ
てもよいが、例えば、本発明のSENR蛋白質分子のう
ち、細胞膜の外に露出している部位であって、本発明の
ポリペプチドとの結合活性を有するものなどが用いられ
る。これら本発明で用いられるSENRまたはその部分
ペプチドは、Tal, M. et al., Biochem. Biophys. Res.
Commun., 209, 752-759, 1995に記載の方法、Marches
e, A., Genomics, 29, 335-344, 1995に記載の方法、EP
859052号に記載の方法と同一またはそれらに準じた方
法によって製造することができるし、上述の本発明のポ
リペプチドと同様の方法によっても製造することができ
る。また、本発明で用いられるSENRまたはその部分
ペプチドの塩としては、上記の本発明のポリペプチドの
塩と同様のものなどがあげられる。本発明で用いられる
SENRまたはその部分ペプチドをコードするDNAと
しては、上記のSENRまたはその部分ペプチドをコー
ドするDNAを含有するDNAであればいかなるもので
あってもよい。また、ゲノムDNA、ゲノムDNAライ
ブラリー、前記した組織・細胞由来のcDNA、前記し
た組織・細胞由来のcDNAライブラリー、合成DNA
のいずれでもよい。ライブラリーに使用するベクターは
バクテリオファージ、プラスミド、コスミド、ファージ
ミドなどいずれであってもよい。また、前記した組織・
細胞よりRNA画分を調整したものを用いて直接RT−
PCR法によって増幅することもできる。 本発明で用
いられるSENRまたはその部分ペプチドをコードする
DNAは、Tal, M.et al., Biochem. Biophys. Res. Co
mmun., 209, 752-759, 1995に記載の方法、Marchese,
A., Genomics, 29, 335-344, 1995に記載の方法、EP 85
9052号に記載の方法と同一またはそれらに準じた方法に
よって得ることもできる。
【0033】本発明のポリペプチド、その前駆体タンパ
ク質、該ポリペプチドまたは前駆体タンパク質をコード
するDNAおよび抗体などの用途について、以下に具体
的に説明する。 (1)ポリペプチド欠乏症の予防・治療剤 SENRに対する本発明のポリペプチドおよびその前駆
体タンパク質が有する作用に応じて、本発明のポリペプ
チドをコードするDNAをポリペプチドまたはSENR
欠乏症の予防・治療剤としても使用することができる。
例えば、生体内において、本発明のポリペプチド、その
前駆体タンパク質またはSENRが減少しているために
リガンドの生理作用(中枢神経機能調節作用,循環機能
調節作用、心臓機能調節作用、腎臓機能調節作用、泌尿
器機能調節作用あるいは感覚器官機能調節作用など)が
期待できない患者がいる場合に、(イ)本発明のポリペ
プチドまたはその前駆体タンパク質をコードするDNA
を該患者に投与し発現させることによって、あるいは
(ロ)脳細胞などに本発明のポリペプチドまたはその前
駆体タンパク質をコードするDNAを挿入し発現させた
後に、該脳細胞を該患者に移植することなどによって、
該患者の脳細胞におけるポリペプチドまたはその前駆体
タンパク質の量を増加させ、ポリペプチドまたはその前
駆体タンパク質の作用を充分に発揮させることができ
る。したがって、本発明のポリペプチドまたはその前駆
体タンパク質をコードするDNAは、安全で低毒性なポ
リペプチドまたはその前駆体タンパク質の欠乏症の予防
・治療剤などとして用いることができる。上記DNAを
上記治療剤として使用する場合は、該DNAを単独ある
いはレトロウイルスベクター、アデノウイルスベクタ
ー、アデノウイルスアソシエーテッドウイルスベクター
などの適当なベクターに挿入した後、上記した本発明の
ポリペプチドまたはその前駆体タンパク質もしくはそれ
らの部分ペプチドをコードするDNAを医薬として使用
する場合と同様の手段に従って実施することができる。
【0034】(2)ポリペプチドに対するSENRの定
量法 本発明のポリペプチドまたはその前駆体タンパク質はS
ENRまたはその塩やその部分ペプチドまたはその塩に
対して結合性を有しているので、生体内におけるSEN
Rもしくはその塩、または該SENRの部分ペプチドま
たはその塩の濃度を感度良く定量することができる。こ
の定量法は、例えば競合法と組み合わせることによって
用いることができる。すなわち、被検体を本発明のポリ
ペプチドまたはその前駆体タンパク質と接触させること
によって被検体中のSENRもしくはその塩、またはS
ENRの部分ペプチドもしくはその塩の濃度を測定する
ことができる。具体的には、例えば、以下のまたは
などに記載の自体公知の方法あるいはそれに準じる方法
に従って用いることができる。 入江寛編「ラジオイムノアッセイ」(講談社、昭和4
9年発行) 入江寛編「続ラジオイムノアッセイ」(講談社、昭和
54年発行)
【0035】(3)SENRと、本発明のポリペプチド
またはその前駆体タンパク質(以下、リガンドまたはポ
リペプチドと略称する場合がある。)との結合性を変化
させる化合物のスクリーニング方法 SENRまたはその塩やその部分ペプチドもしくはその
塩を用いるか、または組換え型SENRの発現系を構築
し、該発現系を用いたレセプター結合アッセイ系を用い
ることによって、ポリペプチドまたはその前駆体タンパ
ク質とSENRとの結合性を変化させる化合物(例え
ば、ペプチド、タンパク質、非ペプチド性化合物、合成
化合物、発酵生産物など)またはその塩をスクリーニン
グすることができる。このような化合物には、 SEN
Rを介して細胞刺激活性(例えば、アラキドン酸遊離、
アセチルコリン遊離、細胞内Ca2+遊離、細胞内cAM
P生成、細胞内cGMP生成、イノシトールリン酸産
生、細胞膜電位変動、細胞内タンパク質のリン酸化、c
−fosの活性化、pHの低下などを促進する活性また
は抑制する活性など)を有する化合物(即ちSENRア
ゴニスト)と該細胞刺激活性を有しない化合物(即ちS
ENRアンタゴニスト)などが含まれる。「リガンドと
の結合性を変化させる」とは、リガンドとの結合を阻害
する場合とリガンドとの結合を促進する場合の両方を包
含するものである。上記スクリーニング方法において
は、本発明のポリペプチドまたはその前駆体タンパク質
として、上記のものに加えて、配列番号:22で表され
るアミノ酸配列を含有するポリペプチドもしくはそのア
ミドもしくはそのエステルまたはその塩、およびその前
駆体タンパク質またはその塩が用いられる。配列番号:
22で表されるアミノ酸配列を含有するポリペプチドも
しくはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩、
およびその前駆体タンパク質またはその塩は上記の本発
明のポリペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエス
テルまたはその塩、およびその前駆体タンパク質または
その塩と同様の方法によって製造することができる。ま
た、配列番号:22で表されるアミノ酸配列を含有する
ポリペプチド、その前駆体タンパク質をコードするDN
Aは、上記の配列番号:22で表されるアミノ酸配列を
含有するポリペプチド、その前駆体タンパク質をコード
するDNAを含有するDNAであればいかなるものであ
ってもよい。また、ゲノムDNA、ゲノムDNAライブ
ラリー、前記した組織・細胞由来のcDNA、前記した
組織・細胞由来のcDNAライブラリー、合成DNAの
いずれでもよい。ライブラリーに使用するベクターはバ
クテリオファージ、プラスミド、コスミド、ファージミ
ドなどいずれであってもよい。また、前記した組織・細
胞よりRNA画分を調整したものを用いて直接RT−P
CR法によって増幅することもできる。 本発明で用い
られる配列番号:22で表されるアミノ酸配列を含有す
るポリペプチド、その前駆体タンパク質をコードするD
NAは、上記の本発明のポリペプチド、その前駆体タン
パク質をコードするDNAと同様の方法により得ること
ができる。以下、SENRと本発明のポリペプチドまた
はその前駆体タンパク質との結合性を変化させる化合物
のスクリーニング方法の説明においては、「本発明のポ
リペプチド」は、上記の「本発明のポリペプチド」およ
び「配列番号:22で表されるアミノ酸配列を含有する
ポリペプチド」を意味し、「本発明のポリペプチドの前
駆体」は、上記の「本発明のポリペプチドの前駆体」お
よび「配列番号:22で表されるアミノ酸配列を含有す
るポリペプチドの前駆体」を意味する。さらに、以下、
SENRと本発明のポリペプチドまたはその前駆体タン
パク質との結合性を変化させる化合物のスクリーニング
方法の説明においては、「本発明のポリペプチドをコー
ドするDNA」は、上記の「本発明のポリペプチドをコ
ードするDNA 」および「配列番号:22で表される
アミノ酸配列を含有するポリペプチドをコードするDN
A 」を意味し、「本発明のポリペプチドの前駆体をコ
ードするDNA 」は、上記の「本発明のポリペプチド
の前駆体をコードするDNA 」および「配列番号:2
2で表されるアミノ酸配列を含有するポリペプチドの前
駆体をコードするDNA 」を意味する。
【0036】すなわち、本発明は、(i)SENRもし
くはその塩または該SENRの部分ペプチドもしくはそ
の塩に、本発明のポリペプチドまたはその前駆体タンパ
ク質を接触させた場合と(ii)上記したSENRもしく
はその塩または該SENRの部分ペプチドもしくはその
塩に、本発明のポリペプチドまたはその前駆体タンパク
質および試験化合物を接触させた場合との比較を行なう
ことを特徴とする本発明のポリペプチドまたはその前駆
体タンパク質と上記したSENRとの結合性を変化させ
る化合物またはその塩のスクリーニング方法を提供す
る。本発明のスクリーニング方法においては、(i)上
記したSENRまたは該SENRの部分ペプチドに、本
発明のポリペプチドまたはその前駆体タンパク質を接触
させた場合と(ii)上記したSENRまたは該SENR
の部分ペプチドに、本発明のポリペプチドまたはその前
駆体タンパク質および試験化合物を接触させた場合にお
ける、例えば該SENRまたは該SENRの部分ペプチ
ドに対するリガンドの結合量、細胞刺激活性などを測定
して、比較する。
【0037】本発明のスクリーニング方法は具体的に
は、 標識した本発明のポリペプチドまたはその前駆体タン
パク質を、上記したSENRもしくはその塩またはSE
NRの部分ペプチドまたはその塩に接触させた場合と、
標識した本発明のポリペプチドまたはその前駆体タンパ
ク質および試験化合物をSENRもしくはその塩または
SENRの部分ペプチドもしくはその塩に接触させた場
合における、標識した本発明のポリペプチドまたはその
前駆体タンパク質の該SENRもしくはその塩、または
該部分ペプチドもしくはその塩に対する結合量を測定
し、比較することを特徴とする本発明のポリペプチドま
たはその前駆体タンパク質とSENRとの結合性を変化
させる化合物またはその塩のスクリーニング方法、 標識した本発明のポリペプチドまたはその前駆体タン
パク質を、SENRを含有する細胞または該細胞の膜画
分に接触させた場合と、標識した本発明のポリペプチド
またはその前駆体タンパク質および試験化合物をSEN
Rを含有する細胞または該細胞の膜画分に接触させた場
合における、標識した本発明のポリペプチドまたはその
前駆体タンパク質の該細胞または該膜画分に対する結合
量を測定し、比較することを特徴とする本発明のポリペ
プチドまたはその前駆体タンパク質とSENRとの結合
性を変化させる化合物またはその塩のスクリーニング方
法、 標識した本発明のポリペプチドまたはその前駆体タン
パク質を、SENRをコードするDNAを含有する形質
転換体を培養することによって細胞膜上に発現したSE
NRに接触させた場合と、標識した本発明のポリペプチ
ドまたはその前駆体タンパク質および試験化合物をSE
NRをコードするDNAを含有する形質転換体を培養す
ることによって細胞膜上に発現したSENRに接触させ
た場合における、標識した本発明のポリペプチドまたは
その前駆体タンパク質のSENRに対する結合量を測定
し、比較することを特徴とする本発明のポリペプチドま
たはその前駆体タンパク質とSENRとの結合性を変化
させる化合物またはその塩のスクリーニング方法、 SENRを活性化する化合物(例えば、本発明のポリ
ペプチドまたはその前駆体タンパク質)をSENRを含
有する細胞に接触させた場合と、 SENRを活性化す
る化合物および試験化合物をSENRを含有する細胞に
接触させた場合における、 SENRを介した細胞刺激
活性(例えば、アラキドン酸遊離、アセチルコリン遊
離、細胞内Ca2+遊離、細胞内cAMP生成、細胞内c
GMP生成、イノシトールリン酸産生、細胞膜電位変
動、細胞内タンパク質のリン酸化、c−fosの活性
化、pHの低下などを促進する活性または抑制する活性
など)を測定し、比較することを特徴とする本発明のポ
リペプチドまたはその前駆体タンパク質とSENRとの
結合性を変化させる化合物またはその塩のスクリーニン
グ方法、および SENRを活性化する化合物(例えば、本発明のポリ
ペプチドまたはその前駆体タンパク質など)をSENR
をコードするDNAを含有する形質転換体を培養するこ
とによって細胞膜上に発現したSENRに接触させた場
合と、SENRを活性化する化合物および試験化合物
を、SENRをコードするDNAを含有する形質転換体
を培養することによって細胞膜上に発現したSENRに
接触させた場合における、SENRを介する細胞刺激活
性(例えば、アラキドン酸遊離、アセチルコリン遊離、
細胞内Ca2+遊離、細胞内cAMP生成、細胞内cGM
P生成、イノシトールリン酸産生、細胞膜電位変動、細
胞内タンパク質のリン酸化、c−fosの活性化、pH
の低下などを促進する活性または抑制する活性など)を
測定し、比較することを特徴とする本発明のポリペプチ
ドまたはその前駆体タンパク質とSENRとの結合性を
変化させる化合物またはその塩のスクリーニング方法な
どである。
【0038】本発明のスクリーニング方法の具体的な説
明を以下にする。まず、本発明のスクリーニング方法に
用いるSENRとしては、上記のSENRまたはSEN
Rの部分ペプチドを含有するものであれば何れのもので
あってもよいが、ヒトや温血動物の臓器の膜画分などが
好適である。しかし、特にヒト由来の臓器は入手が極め
て困難なことから、スクリーニングに用いられるものと
しては、組換え体を用いて大量発現させたSENRなど
が適している。SENRを製造するには、前述の方法な
どが用いられる。本発明のスクリーニング方法におい
て、SENRを含有する細胞あるいは該細胞膜画分など
を用いる場合、後述の調製法に従えばよい。SENRを
含有する細胞を用いる場合、該細胞をグルタルアルデヒ
ド、ホルマリンなどで固定化してもよい。固定化方法は
それ自体公知の方法に従って行うことができる。SEN
Rを含有する細胞としては、 SENRを発現した宿主
細胞をいうが、該宿主細胞としては、前述の大腸菌、枯
草菌、酵母、昆虫細胞、動物細胞などがあげられる。膜
画分としては、細胞を破砕した後、それ自体公知の方法
で得られる細胞膜が多く含まれる画分のことをいう。細
胞の破砕方法としては、Potter−Elvehjem型ホモジナイ
ザーで細胞を押し潰す方法、ワーリングブレンダーやポ
リトロン(Kinematica社製)による破砕、超音波による
破砕、フレンチプレスなどで加圧しながら細胞を細いノ
ズルから噴出させることによる破砕などがあげられる。
細胞膜の分画には、分画遠心分離法や密度勾配遠心分離
法などの遠心力による分画法が主として用いられる。例
えば、細胞破砕液を低速(500rpm〜3000rp
m)で短時間(通常、約1分〜10分)遠心し、上清を
さらに高速(15000rpm〜30000rpm)で
通常30分〜2時間遠心し、得られる沈澱を膜画分とす
る。該膜画分中には、発現したSENRと細胞由来のリ
ン脂質や膜タンパク質などの膜成分が多く含まれる。該
SENRを含有する細胞や膜画分中のSENRの量は、
1細胞当たり103〜108分子であるのが好ましく、1
5〜107分子であるのが好適である。なお、発現量が
多いほど膜画分当たりのリガンド結合活性(比活性)が
高くなり、高感度なスクリーニング系の構築が可能にな
るばかりでなく、同一ロットで大量の試料を測定できる
ようになる。
【0039】本発明のポリペプチドまたはその前駆体タ
ンパク質とSENRとの結合性を変化させる化合物をス
クリーニングする前記の〜を実施するためには、適
当なSENR画分と、標識した本発明のポリペプチドま
たはその前駆体タンパク質が用いられる。SENR画分
としては、天然型のSENR画分か、またはそれと同等
の活性を有する組換え型SENR画分などが望ましい。
ここで、同等の活性とは、同等のリガンド結合活性など
を示す。標識したリガンドとしては、標識したリガン
ド、標識したリガンドアナログ化合物などが用いられ
る。例えば〔3H〕、〔125I〕、〔14C〕、〔35S〕な
どで標識されたリガンドなどを利用することができる。
具体的には、本発明のポリペプチドまたはその前駆体タ
ンパク質とSENRとの結合性を変化させる化合物のス
クリーニングを行うには、まずSENRを含有する細胞
または細胞の膜画分を、スクリーニングに適したバッフ
ァーに懸濁することによりレセプター標品を調製する。
バッファーには、pH4〜10(望ましくはpH6〜
8)のリン酸バッファー、トリス−塩酸バッファーなど
のリガンドとレセプターとの結合を阻害しないバッファ
ーであればいずれでもよい。また、非特異的結合を低減
させる目的で、CHAPS、Tween−80TM(花王
−アトラス社)、ジギトニン、デオキシコレートなどの
界面活性剤をバッファーに加えることもできる。さら
に、プロテアーゼによるレセプターや本発明のポリペプ
チドの分解を抑える目的でPMSF、ロイペプチン、E
−64(ペプチド研究所製)、ペプスタチンなどのプロ
テアーゼ阻害剤を添加することもできる。0.01ml〜
10mlの該レセプター溶液に、一定量(5000cp
m〜500000cpm)の標識した本発明のポリペプ
チドを添加し、同時に10-10〜10-7Mの試験化合物
を共存させる。非特異的結合量(NSB)を知るために
大過剰の未標識の本発明のポリペプチドを加えた反応チ
ューブも用意する。反応は0℃から50℃、望ましくは
4℃から37℃で20分から24時間、望ましくは30
分から3時間行う。反応後、ガラス繊維濾紙等で濾過
し、適量の同バッファーで洗浄した後、ガラス繊維濾紙
に残存する放射活性を液体シンチレーションカウンター
またはγ−カウンターで計測する。拮抗する物質がない
場合のカウント(B0)から非特異的結合量(NSB)を
引いたカウント(B0−NSB)を100%とした時、
特異的結合量(B−NSB)が例えば50%以下になる
試験化合物を拮抗阻害能力のある候補物質として選択す
ることができる。
【0040】本発明のポリペプチドまたはその前駆体タ
ンパク質とSENRとの結合性を変化させる化合物をス
クリーニングする前記の〜の方法を実施するために
は、SENRを介する細胞刺激活性(例えば、アラキド
ン酸遊離、アセチルコリン遊離、細胞内Ca2+遊離、細
胞内cAMP生成、細胞内cGMP生成、イノシトール
リン酸産生、細胞膜電位変動、細胞内タンパク質のリン
酸化、c−fosの活性化、pHの低下などを促進する
活性または抑制する活性など)を公知の方法または市販
の測定用キットを用いて測定することができる。具体的
には、まず、SENRを含有する細胞をマルチウェルプ
レート等に培養する。スクリーニングを行うにあたって
は前もって新鮮な培地あるいは細胞に毒性を示さない適
当なバッファーに交換し、試験化合物などを添加して一
定時間インキュベートした後、細胞を抽出あるいは上清
液を回収して、生成した産物をそれぞれの方法に従って
定量する。細胞刺激活性の指標とする物質(例えば、ア
ラキドン酸など)の生成が、細胞が含有する分解酵素に
よって検定困難な場合は、該分解酵素に対する阻害剤を
添加してアッセイを行なってもよい。また、cAMP産
生抑制などの活性については、フォルスコリンなどで細
胞の基礎的産生量を増大させておいた細胞に対する産生
抑制作用として検出することができる。細胞刺激活性を
測定してスクリーニングを行なうには、適当なSENR
を発現した細胞が必要である。本発明のSENRを発現
した細胞としては、前述の組換え型SENR発現細胞株
などが望ましい。試験化合物としては、例えばペプチ
ド、タンパク、非ペプチド性化合物、合成化合物、発酵
生産物、細胞抽出液、植物抽出液、動物組織抽出液など
があげられる。本発明のポリペプチドまたはその前駆体
タンパク質とSENRとの結合性を変化させる化合物ま
たはその塩のスクリーニング用キットは、SENRまた
はその塩、SENRの部分ペプチドまたはその塩、SE
NRを含有する細胞、あるいはSENRを含有する細胞
の膜画分、および本発明のポリペプチドまたはその前駆
体タンパク質を含有するものである。
【0041】本発明のスクリーニング用キットの例とし
ては、次のものがあげられる。 1.スクリーニング用試薬 測定用緩衝液および洗浄用緩衝液 Hanks' Balanced Salt Solution(ギブコ社製)に、0.
05%のウシ血清アルブミン(シグマ社製)を加えたも
の。孔径0.45μmのフィルターで濾過滅菌し、4℃
で保存するか、あるいは用時調製しても良い。 SENR標品 SENRを発現させたCHO細胞を、12穴プレートに
5×105個/穴で継代し、37℃、5%CO2、95%
airで2日間培養したもの。 標識リガンド 〔3H〕、〔125I〕、〔14C〕、〔35S〕などで標識し
たリガンド適当な溶媒または緩衝液に溶解したものを4
℃あるいは−20℃にて保存し、用時に測定用緩衝液に
て1μMに希釈する。 リガンド標準液 本発明のポリペプチドまたはその前駆体タンパク質を
0.1%ウシ血清アルブミン(シグマ社製)を含むPB
Sで1mMとなるように溶解し、−20℃で保存する。 2.測定法 12穴組織培養用プレートにて培養したSENRを発
現させた細胞を、測定用緩衝液1mlで2回洗浄した
後、490μlの測定用緩衝液を各穴に加える。 10-3〜10-10Mの試験化合物溶液を5μl加えた
後、標識した本発明のペプチドまたはその前駆体タンパ
ク質を5μl加え、室温にて1時間反応させる。非特異
的結合量を知るためには試験化合物のかわりに10-3
のリガンドを5μl加えておく。 反応液を除去し、1mlの洗浄用緩衝液で3回洗浄す
る。細胞に結合した標識リガンドを0.2N NaOH
−1%SDSで溶解し、4mlの液体シンチレーターA
(和光純薬製)と混合する。 液体シンチレーションカウンター(ベックマン社製)
を用いて放射活性を測定し、Percent Maximum Binding
(PMB)を次の式で求める。 式 PMB=[(B−NSB)/(B0−NSB)]×10
0 PMB:Percent Maximum Binding B :検体を加えた時の値 NSB:Non-specific Binding(非特異的結合量) B0 :最大結合量
【0042】本発明のスクリーニング方法またはスクリ
ーニング用キットを用いて得られる化合物またはその塩
は、本発明のポリペプチドまたはその前駆体タンパク質
とSENRとの結合を変化させる(結合を阻害あるいは
促進する)化合物であり、具体的にはSENRを介して
細胞刺激活性を有する化合物またはその塩(いわゆるS
ENRアゴニスト)、あるいは該刺激活性を有しない化
合物(いわゆるSENRアンタゴニスト)である。該化
合物としては、ペプチド、タンパク、非ペプチド性化合
物、合成化合物、発酵生産物などがあげられ、これら化
合物は新規な化合物であってもよいし、公知の化合物で
あってもよい。上記SENRアゴニストであるかアンタ
ゴニストであるかの具体的な評価方法は以下の(i)ま
たは(ii)に従えばよい。 (i)前記〜のスクリーニング方法で示されるバイ
ンディング・アッセイを行い、本発明のポリペプチドま
たはその前駆体タンパク質とSENRとの結合性を変化
させる(特に、結合を阻害する)化合物を得た後、該化
合物が上記したSENRを介する細胞刺激活性を有して
いるか否かを測定する。細胞刺激活性を有する化合物ま
たはその塩はSENRアゴニストであり、該活性を有し
ない化合物またはその塩はSENRアンタゴニストであ
る。 (ii)(a)試験化合物をSENRを含有する細胞に接触
させ、上記SENRを介した細胞刺激活性を測定する。
細胞刺激活性を有する化合物またはその塩はSENRア
ゴニストである。 (b)SENRを活性化する化合物(例えば、本発明のポ
リペプチド、その前駆体タンパク質またはSENRアゴ
ニストなど)をSENRを含有する細胞に接触させた場
合と、SENRを活性化する化合物および試験化合物を
SENRを含有する細胞に接触させた場合における、S
ENRを介した細胞刺激活性を測定し、比較する。SE
NRを活性化する化合物による細胞刺激活性を減少させ
得る化合物またはその塩はSENRアンタゴニストであ
る。
【0043】該SENRアゴニストは、SENRに対す
る本発明のポリペプチドまたはその前駆体タンパク質が
有する生理活性と同様の作用を有しているので、本発明
のポリペプチドまたはその前駆体タンパク質と同様に安
全で低毒性な医薬として有用である。逆に、SENRア
ンタゴニストは、SENRに対する本発明のポリペプチ
ドが有する生理活性を抑制することができるので、該レ
セプター活性を抑制する安全で低毒性な医薬として有用
である。本発明のポリペプチドまたはその前駆体タンパ
ク質は中枢神経機能調節作用、循環機能調節作用、心臓
機能調節作用、腎臓機能調節作用、泌尿器機能調節作用
あるいは感覚器官調節作用などに関与していることか
ら、 SENRアゴニストは、たとえば老人性痴呆、脳
血管性痴呆、系統変成型の退行変成疾患(例:アルツハ
イマー病、パーキンソン病、ピック病、ハンチントン病
など)に起因する痴呆、高(低)血圧症、腎疾患(例:
慢性腎不全、腎炎など)、心疾患(例:心不全、急性心
筋梗塞など)、頻尿、尿失禁、難聴、嗅覚異常、視覚異
常などの疾病の治療・予防剤として用いることができ
る。上記のスクリーニング方法またはスクリーニング用
キットを用いて得られる化合物の塩としては、例えば、
薬学的に許容可能な塩などが用いられる。例えば、無機
塩基との塩、有機塩基との塩、無機酸との塩、有機酸と
の塩、塩基性または酸性アミノ酸との塩などがあげられ
る。無機塩基との塩の好適な例としては、例えばナトリ
ウム塩、カリウム塩などのアルカリ金属塩、カルシウム
塩、マグネシウム塩などのアルカリ土類金属塩、ならび
にアルミニウム塩、アンモニウム塩などがあげられる。
有機塩基との塩の好適な例としては、例えばトリメチル
アミン、トリエチルアミン、ピリジン、ピコリン、2,
6−ルチジン、エタノールアミン、ジエタノールアミ
ン、トリエタノールアミン、シクロヘキシルアミン、ジ
シクロヘキシルアミン、N,N’−ジベンジルエチレン
ジアミンなどとの塩あげられる。無機酸との塩の好適な
例としては、例えば塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸な
どとの塩があげられる。有機酸との塩の好適な例として
は、例えばギ酸、酢酸、プロピオン酸、フマル酸、シュ
ウ酸、酒石酸、マレイン酸、クエン酸、コハク酸、リン
ゴ酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、安息香
酸などとの塩があげられる。塩基性アミノ酸との塩の好
適な例としては、例えばアルギニン、リジン、オルチニ
ンなどとの塩があげられ、酸性アミノ酸との好適な例と
しては、例えばアスパラギン酸、グルタミン酸などとの
塩があげられる。本発明のスクリーニング方法またはス
クリーニング用キットを用いて得られる化合物またはそ
の塩を上述の医薬として使用する場合、上記の本発明の
ポリペプチドまたはその前駆体タンパク質を医薬として
実施する場合と同様にして製剤化・投与することができ
る。
【0044】(4)本発明のポリペプチドまたはその前
駆体タンパク質に対する抗体または抗血清の製造 本発明のポリペプチドまたはその前駆体タンパク質に対
する抗体(例えば、ポリクローナル抗体、モノクローナ
ル抗体)または抗血清は、本発明のポリペプチドまたは
その前駆体タンパク質を抗原として用い、自体公知の抗
体または抗血清の製造法に従って製造することができ
る。例えば、ポリクローナル抗体は、後述の方法に従っ
て製造することができる。 [ポリクローナル抗体の作製]本発明のポリペプチドま
たはその前駆体タンパク質に対するポリクローナル抗体
は、それ自体公知あるいはそれに準じる方法にしたがっ
て製造することができる。例えば、免疫抗原(ポリペプ
チド等抗原)とキャリアータンパク質との複合体をつく
り、後述のモノクローナル抗体の製造法と同様に温血動
物(例えば、哺乳動物(例、ウサギ、ヒツジ、ヤギ、ラ
ット、マウス、モルモット、ウシ、ウマ、ブタ)、鳥類
(例、ニワトリ、ハト、アヒル、ガチョウ、ウズラ)な
ど)に免疫を行ない、該免疫動物から本発明のポリペプ
チドに対する抗体含有物を採取して、抗体の分離精製を
行なうことにより製造できる。哺乳動物を免疫するため
に用いられる免疫抗原とキャリアータンパク質との複合
体に関し、キャリアータンパク質の種類およびキャリア
ーとハプテン(本発明のポリペプチドまたはその部分ペ
プチド)との混合比は、キャリアーに架橋させて免疫し
たハプテンに対して抗体が効率良くできれば、どの様な
ものをどの様な比率で架橋させてもよいが、例えば、ウ
シ血清アルブミン、ウシサイログロブリン、キーホール
・リンペット・ヘモシアニン等を重量比でハプテン1に
対し、約0.1〜20、好ましくは約1〜5の割合でカ
プルさせる方法が用いられる。また、ハプテンとキャリ
アーのカプリングには、種々の縮合剤を用いることがで
きるが、グルタルアルデヒドやカルボジイミド、マレイ
ミド活性エステル、チオール基、ジチオピリジル基を含
有する活性エステル試薬等が用いられる。縮合生成物
は、上記温血動物に対して、抗体産生が可能な部位にそ
れ自体あるいは担体、希釈剤とともに投与される。投与
に際して抗体産生能を高めるため、完全フロイントアジ
ュバントや不完全フロイントアジュバントを投与しても
よい。投与は、通常約2〜6週毎に1回ずつ、計約3〜
10回程度行なわれる。ポリクローナル抗体は、上記の
方法で免疫された哺乳動物の血液、腹水など、好ましく
は血液から採取される。抗血清中の本発明のポリペプチ
ドまたはその前駆体タンパク質に対する抗体価の測定
は、後述のハイブリドーマ培養上清の抗体価の測定と同
様にして測定できる。抗体の分離精製は、後述のモノク
ローナル抗体の分離精製と同様の免疫グロブリンの分離
精製法に従って行なうことができる。
【0045】また、モノクローナル抗体は、後述の方法
に従って製造することができる。 〔モノクローナル抗体の作製〕 (a)モノクロナール抗体産生細胞の作製 本発明のポリペプチドまたはその前駆体タンパク質は、
温血動物(例えば、哺乳温血動物(例、ウサギ、ヒツ
ジ、ヤギ、ラット、マウス、モルモット、ウシ、ウマ、
ブタ)、鳥類(例、ニワトリ、ハト、アヒル、ガチョ
ウ、ウズラ)など)に対して投与により抗体産生が可能
な部位にそれ自体あるいは担体、希釈剤とともに投与さ
れる。投与に際して抗体産生能を高めるため、完全フロ
イントアジュバントや不完全フロイントアジュバントを
投与してもよい。投与は通常2〜6週毎に1回ずつ、計
2〜10回程度行われる。モノクローナル抗体産生細胞
の作製に際しては、抗原を免疫された上記の温血動物、
たとえばマウスなどから抗体価の認められた個体を選択
し最終免疫の2〜5日後に脾臓またはリンパ節を採取
し、それらに含まれる抗体産生細胞を骨髄腫細胞と融合
させることにより、モノクローナル抗体産生ハイブリド
ーマを調製することができる。抗血清中の抗体価の測定
は、例えば後記の標識化した本発明のポリペプチド、そ
の前駆体タンパク質またはそれらの部分ペプチドと抗血
清とを反応させたのち、抗体に結合した標識剤の活性を
測定することによりなされる。融合操作は既知の方法、
たとえばケーラーとミルスタインの方法〔ネイチャー
(Nature)、256、495 (1975)〕等に従い実施できる。融
合促進剤としてはポリエチレングリコール(PEG)や
センダイウィルスなどがあげられるが、好ましくはPE
Gが用いられる。骨髄腫細胞としてはたとえばNS−
1、P3U1、SP2/0、AP−1などがあげられる
が、P3U1が好ましく用いられる。用いられる抗体産
生細胞(脾臓細胞)数と骨髄腫細胞数との好ましい比率
は1:1〜20:1程度であり、PEG(好ましくはP
EG1000〜PEG6000)が10〜80%程度の
濃度で添加され、20〜40℃、好ましくは30〜37
℃で1〜10分間インキュベートすることにより効率よ
く細胞融合を実施できる。本発明のポリペプチドまたは
その前駆体タンパク質に対する抗体産生ハイブリドーマ
のスクリーニングには種々の方法が使用できるが、たと
えば本発明のポリペプチド抗原またはその前駆体タンパ
ク質抗原を直接あるいは担体とともに吸着させた固相
(例、マイクロプレート)にハイブリドーマ培養上清を
添加し、次に放射性物質や酵素などで標識した抗免疫グ
ロブリン抗体(細胞融合に用いられる細胞がマウスの場
合、抗マウス免疫グロブリン抗体が用いられる)または
プロテインAを加え、固相に結合した本発明のポリペプ
チドまたはその前駆体タンパク質に対するモノクローナ
ル抗体を検出する方法、抗免疫グロブリン抗体またはプ
ロテインAを吸着させた固相にハイブリドーマ培養上清
を添加し、放射性物質や酵素などで標識した本発明のポ
リペプチドを加え、固相に結合した本発明のポリペプチ
ドまたはその前駆体タンパク質に対するモノクローナル
抗体を検出する方法などがあげられる。本発明のポリペ
プチドまたはその前駆体タンパク質に対するモノクロー
ナル抗体の選別は、自体公知あるいはそれに準じる方法
に従って行なうことができる。通常HAT(ヒポキサン
チン、アミノプテリン、チミジン)を添加した動物細胞
用培地で行なわれる。選別および育種用培地としては、
ハイブリドーマが生育できるものならばどのような培地
を用いても良い。例えば、1〜20%、好ましくは10
〜20%の牛胎児血清を含むRPMI 1640培地、
1〜10%の牛胎児血清を含むGIT培地(和光純薬工
業(株))あるいはハイブリドーマ培養用無血清培地
(SFM−101、日水製薬(株))などを用いること
ができる。培養温度は、通常20〜40℃、好ましくは
約37℃である。培養時間は、通常5日〜3週間、好ま
しくは1週間〜2週間である。培養は、通常5%炭酸ガ
ス下で行なわれる。ハイブリドーマ培養上清の抗体価
は、上記の抗血清中の本発明のポリペプチドに対する抗
体価の測定と同様にして測定できる。
【0046】(b)モノクロナール抗体の精製 本発明のポリペプチドまたはその前駆体タンパク質に対
するモノクローナル抗体の分離精製は通常のポリクロー
ナル抗体の分離精製と同様に免疫グロブリンの分離精製
法〔例、塩析法、アルコール沈殿法、等電点沈殿法、電
気泳動法、イオン交換体(例、DEAE)による吸脱着
法、超遠心法、ゲルろ過法、抗原結合固相あるいはプロ
テインAあるいはプロテインGなどの活性吸着剤により
抗体のみを採取し、結合を解離させて抗体を得る特異的
精製法〕に従って行われる。上記の(a)および(b)
の方法に従って製造させる本発明のポリペプチドまたは
その前駆体タンパク質に対する抗体は、それぞれ本発明
のポリペプチドまたはその前駆体タンパク質を特異的に
認識することができるので、被検液中の本発明のポリペ
プチドまたはその前駆体タンパク質の定量、特にサンド
イッチ免疫測定法による定量などに使用することができ
る。すなわち、本発明は、例えば、(i)本発明のポリ
ペプチドまたはその前駆体タンパク質に反応する抗体
と、被検液および標識した本発明のポリペプチドまたは
その前駆体タンパク質とを競合的に反応させ、該抗体に
結合した標識した本発明のポリペプチドまたはその前駆
体タンパク質の割合を測定することを特徴とする被検液
中の本発明のポリペプチドまたはその前駆体タンパク質
の定量法、(ii)被検液と担体上に不溶化した抗体およ
び標識化された抗体とを同時あるいは連続的に反応させ
たのち、不溶化担体上の標識剤の活性を測定することを
特徴とする被検液中の本発明のポリペプチドまたはその
前駆体タンパク質の定量法において、一方の抗体が、本
発明のポリペプチドまたはその前駆体タンパク質のN端
部を認識する抗体で、他方の抗体が本発明のポリペプチ
ドまたはその前駆体タンパク質のC端部に反応する抗体
であることを特徴とする被検液中の本発明のポリペプチ
ドまたはその前駆体タンパク質の定量法を提供する。本
発明のポリペプチドまたはその前駆体タンパク質を認識
するモノクローナル抗体を用いて本発明のポリペプチド
またはその前駆体タンパク質の測定を行なえるほか、組
織染色等による検出を行なうこともできる。これらの目
的には、抗体分子そのものを用いてもよく、また、抗体
分子のF(ab')2 、Fab'、あるいはFab画分を用
いてもよい。本発明の抗体を用いる測定法は、 特に制
限されるべきものではなく、被測定液中の抗原量(例え
ばポリペプチド量)に対応した抗体、抗原もしくは抗体
−抗原複合体の量を化学的または物理的手段により検出
し、これを既知量の抗原を含む標準液を用いて作製した
標準曲線より算出する測定法であれば、いずれの測定法
を用いてもよい。例えば、ネフロメトリー、競合法、イ
ムノメトリック法およびサンドイッチ法が好適に用いら
れるが、感度、特異性の点で、後述するサンドイッチ法
を用いるのが特に好ましい。標識物質を用いる測定法に
用いられる標識剤としては、放射性同位元素、酵素、蛍
光物質、発光物質などがあげられる。放射性同位元素と
しては、例えば〔125I〕、〔131I〕、〔3H〕、〔14
C〕などが、上記酵素としては、安定で比活性の大きな
ものが好ましく、例えばβ−ガラクトシダーゼ、β−グ
ルコシダーゼ、アルカリフォスファターゼ、パーオキシ
ダーゼ、リンゴ酸脱水素酵素等が、蛍光物質としては、
フルオレスカミン、フルオレッセンイソチオシアネート
などが、発光物質としては、ルミノール、ルミノール誘
導体、ルシフェリン、ルシゲニンなどがそれぞれあげら
れる。さらに、抗体あるいは抗原と標識剤との結合にビ
オチン−アビジン系を用いることもできる。抗原あるい
は抗体の不溶化に当っては、物理吸着を用いてもよく、
また通常タンパク質あるいは酵素等を不溶化、固定化す
るのに用いられる化学結合を用いる方法でもよい。担体
としては、アガロース、デキストラン、セルロースなど
の不溶性多糖類、ポリスチレン、ポリアクリルアミド、
シリコン等の合成樹脂、あるいはガラス等があげられ
る。
【0047】サンドイッチ法においては不溶化した抗ポ
リペプチド抗体に被検液を反応させ(1次反応)、さら
に標識化抗ポリペプチド抗体を反応させ(2次反応)た
のち、不溶化担体上の標識剤の活性を測定することによ
り被検液中のポリペプチド量を定量することができる。
1次反応と2次反応は逆の順序に行っても、また、同時
に行なってもよいし時間をずらして行なってもよい。標
識化剤および不溶化の方法は前記のそれらに準じること
ができる。また、サンドイッチ法による免疫測定法にお
いて、固相用抗体あるいは標識用抗体に用いられる抗体
は必ずしも1種類である必要はなく、測定感度を向上さ
せる等の目的で2種類以上の抗体の混合物を用いてもよ
い。本発明のサンドイッチ法による本発明のポリペプチ
ドまたはその前駆体タンパク質の測定法においては、1
次反応と2次反応に用いられる抗ポリペプチドまたはそ
の前駆体タンパク質抗体は本発明のポリペプチドまたは
その前駆体タンパク質の結合する部位が相異なる抗体が
好ましく用いられる。即ち、1次反応および2次反応に
用いられる抗体は、例えば、2次反応で用いられる抗体
が、本発明のポリペプチドまたはその前駆体タンパク質
のC端部を認識する場合、1次反応で用いられる抗体
は、好ましくはC末端部以外、例えばN末端部を認識す
る抗体が用いられる。
【0048】本発明のポリペプチドまたはその前駆体タ
ンパク質に対する抗体をサンドイッチ法以外の測定シス
テム、例えば、競合法、イムノメトリック法あるいはネ
フロメトリーなどに用いることができる。競合法では、
被検液中の抗原と標識抗原とを抗体に対して競合的に反
応させたのち、未反応の標識抗原と(F)と抗体と結合
した標識抗原(B)とを分離し(B/F分離)、B,F
いずれかの標識量を測定し、被検液中の抗原量を定量す
る。本反応法には、抗体として可溶性抗体を用い、B/
F分離をポリエチレングリコール、前記抗体に対する第
2抗体などを用いる液相法、および、第1抗体として固
相化抗体を用いるか、あるいは、第1抗体は可溶性のも
のを用い第2抗体として固相化抗体を用いる固相化法と
が用いられる。イムノメトリック法では、被検液中の抗
原と固相化抗原とを一定量の標識化抗体に対して競合反
応させた後固相と液相を分離するか、あるいは、被検液
中の抗原と過剰量の標識化抗体とを反応させ、次に固相
化抗原を加え未反応の標識化抗体を固相に結合させたの
ち、固相と液相を分離する。次に、いずれかの相の標識
量を測定し被検液中の抗原量を定量する。また、ネフロ
メトリーでは、ゲル内あるいは溶液中で抗原抗体反応の
結果生じた不溶性の沈降物の量を測定する。被検液中の
抗原量が僅かであり、少量の沈降物しか得られない場合
にもレーザーの散乱を利用するレーザーネフロメトリー
などが好適に用いられる。これら個々の免疫学的測定法
を本発明の測定方法に適用するにあたっては、特別の条
件、操作等の設定は必要とされない。それぞれの方法に
おける通常の条件、操作法に当業者の通常の技術的配慮
を加えて本発明のポリペプチド、その前駆体タンパク質
またはそれらの部分ペプチドの測定系を構築すればよ
い。これらの一般的な技術手段の詳細については、総
説、成書などを参照することができる〔例えば、入江
寛編「ラジオイムノアッセイ〕(講談社、昭和49年発
行)、入江 寛編「続ラジオイムノアッセイ〕(講談
社、昭和54年発行)、石川栄治ら編「酵素免疫測定
法」(医学書院、昭和53年発行)、石川栄治ら編「酵
素免疫測定法」(第2版)(医学書院、昭和57年発
行)、石川栄治ら編「酵素免疫測定法」(第3版)(医
学書院、昭和62年発行)、「Methods in ENZYMOLOGY」
Vol. 70(Immunochemical Techniques(Part A))、 同書
Vol. 73(ImmunochemicalTechniques(Part B))、 同書
Vol. 74(Immunochemical Techniques(Part C))、同書 V
ol. 84(Immunochemical Techniques(Part D:Selected I
mmunoassays))、同書 Vol. 92(Immunochemical Techniq
ues(Part E:Monoclonal Antibodies andGeneral Immuno
assay Methods))、 同書 Vol. 121(Immunochemical Tec
hniques(Part I:Hybridoma Technology and Monoclonal
Antibodies))(以上、アカデミックプレス社発行)など
参照〕。以上のように、本発明のポリペプチドまたはそ
の前駆体タンパク質に対する抗体を用いることによっ
て、本発明のポリペプチドまたはその前駆体タンパク質
を感度良く定量することができる。
【0049】被検液中の本発明のポリペプチドまたはそ
の前駆体タンパク質を定量することによって、本発明の
ポリペプチドまたはその前駆体タンパク質が関与する疾
患を診断することができる。本発明のポリペプチドまた
はその前駆体タンパク質が関与する疾患としては、例え
ば、老人性痴呆、脳血管性痴呆、系統変成型の退行変成
疾患(例:アルツハイマー病、パーキンソン病、ピック
病、ハンチントン病など)に起因する痴呆、高(低)血
圧症、腎疾患(例:慢性腎不全、腎炎など)、心疾患
(例:心不全、急性心筋梗塞など)、頻尿、尿失禁、難
聴、嗅覚異常、視覚異常などの疾病があげられる。被検
液は被検哺乳動物(例、ヒト、ウサギ、ヒツジ、ヤギ、
ラット、マウス、モルモット、ウシ、ウマ、ブタ)から
自体公知の方法によって調製できる。被検液としては、
例えば、血液、リンパ液、尿などがあげられる。
【0050】本明細書および図面において、塩基やアミ
ノ酸などを略号で表示する場合、IUPAC−IUB
Commission on Biochemical Nomenclature による略号
あるいは当該分野における慣用略号に基づくものであ
り、その例を下記する。またアミノ酸に関し光学異性体
があり得る場合は、特に明示しなければL体を示すもの
とする。 DNA :デオキシリボ核酸 cDNA :相補的デオキシリボ核酸 A :アデニン T :チミン G :グアニン C :シトシン Y :チミンまたはシトシン N :チミン、シトシン、アデニンまたはグアニン R :アデニンまたはグアニン M :シトシンまたはアデニン W :チミンまたはアデニン S :シトシンまたはグアニン RNA :リボ核酸 mRNA :メッセンジャーリボ核酸 dATP :デオキシアデノシン三リン酸 dTTP :デオキシチミジン三リン酸 dGTP :デオキシグアノシン三リン酸 dCTP :デオキシシチジン三リン酸 ATP :アデノシン三リン酸 EDTA :エチレンジアミン四酢酸 SDS :ドデシル硫酸ナトリウム TFA :トリフルオロ酢酸 EIA :エンザイムイムノアッセイ GlyまたはG :グリシン AlaまたはA :アラニン ValまたはV :バリン LeuまたはL :ロイシン IleまたはI :イソロイシン SerまたはS :セリン ThrまたはT :スレオニン CysまたはC :システイン MetまたはM :メチオニン GluまたはE :グルタミン酸 AspまたはD :アスパラギン酸 LysまたはK :リジン ArgまたはR :アルギニン HisまたはH :ヒスチジン PheまたはF :フェニルアラニン TyrまたはY :チロシン TrpまたはW :トリプトファン ProまたはP :プロリン AsnまたはN :アスパラギン GlnまたはQ :グルタミン pGlu :ピログルタミン酸 Me :メチル基 Et :エチル基 Bu :ブチル基 Ph :フェニル基 TC :チアゾリジン−4(R)−カルボキサミド基 Bom :ベンジルオキシメチル NMP :N−メチルピロリドン PAM :フェニルアセトアミドメチル
【0051】また、本明細書中で繁用される置換基、保
護基および試薬を下記の記号で表記する。 Tos:p−トルエンスルフォニル HONB:N−ヒドロキシ−5−ノルボルネンー2,3−ジカルボキシイミド Bzl:ベンジル Z:ベンジルオキシカルボニル Br−Z:2−ブロモベンジルオキシカルボニル Cl−Z:2−クロルベンジルオキシカルボニル Boc:t−ブチルオキシカルボニル HOBt:1−ヒドロキシベンズトリアゾール DCC:N、N'−ジシクロヘキシルカルボジイミド TFA:トリフルオロ酢酸 Fmoc:N−9−フルオレニルメトキシカルボニル DNP:ジニトロフェニル Bum:ターシャリーブトキシメチル Trt:トリチル MeBzl:4−メチルベンジル CHO:ホルミル NMP:N−メチルピロリドン OcHex:シクロヘキシルエステル
【0052】本願明細書の配列表の配列番号は、以下の
配列を示す。 〔配列番号:1〕ラットSENRタンパク質をコードするcDN
Aのスクリーニングに使用した合成DNAを示す。 〔配列番号:2〕ラットSENRタンパク質をコードするcDN
Aのスクリーニングに使用した合成DNAを示す。 〔配列番号:3〕5'側に制限酵素Sal Iの認識する塩基配
列が付加され、また3'側に制限酵素SpeIの認識する塩基
配列が付加されたラットSENRタンパク質cDNAの全塩基配
列を示す。 〔配列番号:4〕SENR発現CHO細胞株の各クローンにおけ
るSENRレセプタータンパク質mRNAの発現量を測定するた
めに使用したriboprobeを示す。 〔配列番号:5〕ブタ脊髄から精製されたSENRに対する
リガンドペプチドのN末端アミノ酸配列解析の結果から
得られたアミノ酸配列を示す。 〔配列番号:6〕ブタ脊髄から精製されたSENRに対する
リガンドペプチドのN末端アミノ酸配列解析の結果から
得られたアミノ酸配列を示す。 〔配列番号:7〕ブタ脊髄から精製されたSENRに対する
リガンドペプチドのN末端アミノ酸配列解析の結果から
決定されたアミノ酸配列を示す。 〔配列番号:8〕ブタ脊髄から精製されたSENRに対する
リガンドペプチドのN末端アミノ酸配列解析の結果から
決定されたアミノ酸配列を示す。 〔配列番号:9〕実施例2で確認されたラットSENRタンパ
ク質のアミノ酸配列を示す。 〔配列番号:10〕ブタSENRリガンド前駆体タンパク質を
コードするcDNAの部分配列を取得するのに使用した合成
DNAを示す。 〔配列番号:11〕ブタSENRリガンド前駆体タンパク質を
コードするcDNAの部分配列を取得するのに使用した合成
DNAを示す。 〔配列番号:12〕ブタSENRリガンド前駆体タンパク質の
一部をコードするcDNAの塩基配列を示す。 〔配列番号:13〕ブタSENRリガンド前駆体タンパク質を
コードするcDNAのスクリーニングに使用した合成DNAプ
ローブを示す。 〔配列番号:14〕ブタSENRリガンド前駆体タンパク質を
コードするcDNAのスクリーニングに使用した合成DNAプ
ローブを示す。 〔配列番号:15〕ブタSENRリガンド前駆体タンパク質cD
NAの全塩基配列を示す。 〔配列番号:16〕ブタSENRリガンド前駆体タンパク質cD
NAの全塩基配列を示す。 〔配列番号:17〕ブタSENRリガンド前駆体タンパク質cD
NAの全塩基配列を示す。 〔配列番号:18〕ブタSENRリガンド前駆体タンパク質の
全アミノ酸配列を示す。 〔配列番号:19〕ブタSENRリガンド前駆体タンパク質の
全アミノ酸配列を示す。 〔配列番号:20〕ウシSENRリガンド前駆体タンパク質の
一部をコードするcDNAの塩基配列を示す。 〔配列番号:21〕ウシSENRリガンドペプチドのアミノ酸
配列を示す。 〔配列番号:22〕ヒトSENRリガンドポリペプチド(ヒト
urotensin II)のアミノ酸配列を示す。 〔配列番号:23〕ヒトSENRタンパク質をコードするcDNA
のスクリーニングに使用した合成DNAを示す。 〔配列番号:24〕ヒトSENRタンパク質をコードするcDNA
のスクリーニングに使用した合成DNAを示す。 〔配列番号:25〕5'側に制限酵素Sal Iの認識する塩基
配列が付加され、また3'側に制限酵素SpeIの認識する塩
基配列が付加されたヒトSENRタンパク質cDNAの全塩基配
列を示す。 〔配列番号:26〕実施例20で確認されたヒトSENRタンパ
ク質の全アミノ酸配列を示す。 〔配列番号:27〕 配列番号:8(ブタリガンド2)のDNA配列を示す。 〔配列番号:28〕 配列番号:21(ウシリガンド)のDNA配列を示す。 〔配列番号:29〕 ウシSENRリガンド前駆体タンパク質の全アミノ酸配列を
示す。 〔配列番号:30〕ウシSENRリガンド前駆体タンパク質cD
NAの全塩基配列を示す。 〔配列番号:31〕ウシSENRリガンド前駆体タンパク質を
コードするcDNAの5'側部分配列を取得するためのRACE-P
CRに使用した合成DNAを示す。 〔配列番号:32〕ウシSENRリガンド前駆体タンパク質を
コードするcDNAの5'側部分配列を取得するためのRACE-P
CRに使用した合成DNAを示す。 〔配列番号:33〕ウシSENRリガンド前駆体タンパク質を
コードするcDNAの5'側部分配列の塩基配列を示す。 〔配列番号:34〕ウシSENRリガンド前駆体タンパク質を
コードするcDNAの3'側部分配列を取得するためのRACE-P
CRに使用した合成DNAを示す。 〔配列番号:35〕ウシSENRリガンド前駆体タンパク質を
コードするcDNAの3'側部分配列を取得するためのRACE-P
CRに使用した合成DNAを示す。 〔配列番号:36〕ウシSENRリガンド前駆体タンパク質を
コードするcDNAの3'側部分配列の塩基配列を示す。 〔配列番号:37〕ウシSENRリガンド前駆体タンパク質を
コードするcDNAの全長配列を取得するために使用した合
成DNAを示す。 〔配列番号:38〕ウシSENRリガンド前駆体タンパク質を
コードするcDNAの全長配列を取得するために使用した合
成DNAを示す。 〔配列番号:39〕SENRリガンドポリペプチドのC末端側
を認識する抗体を作製するための抗原として使用したハ
ゼウロテンシンIIペプチドのアミノ酸配列を示す。
【0053】後述の実施例10で得られた配列番号:1
5で表される塩基配列を含有する形質転換体 Escherich
ia coli XL1 Blue/pZ1-puro2 は、1999年8月23
日から通商産業省工業技術院生命工学工業技術研究所
(NIBH)に寄託番号FERM BP−6858とし
て、財団法人発酵研究所(IFO)に1999年3月1
8日から寄託番号 IFO 16271として寄託されて
いる。後述の実施例10で得られた配列番号:17で表
される塩基配列を含有する形質転換体 Escherichia col
i XL1 Blue/pZ1-puro5 は、1999年8月23日から
通商産業省工業技術院生命工学工業技術研究所(NIB
H)に寄託番号FERM BP−6859として、財団
法人発酵研究所(IFO)に1999年3月18日から
寄託番号 IFO 16272として寄託されている。後
述の実施例10で得られた配列番号:16で表される塩
基配列を含有する形質転換体 Escherichia coli XL1 Bl
ue/pZ1-puro9 は、1999年8月23日から通商産業
省工業技術院生命工学工業技術研究所(NIBH)に寄
託番号FERM BP−6860として、財団法人発酵
研究所(IFO)に1999年3月18日から寄託番号
IFO 16273として寄託されている。後述の実施
例36で得られた配列番号:36で表される塩基配列を
含有する形質転換体Escherichia coli TOP10/pCR-buro
は、1999年11月8日から通商産業省工業技術院生
命工学工業技術研究所(NIBH)に寄託番号FERM
BP−6932として、財団法人発酵研究所(IF
O)に1999年10月27日から寄託番号 IFO 1
6332として寄託されている。
【0054】
【実施例】以下に実施例を示して、本発明をより詳細に
説明するが、これらは本発明の範囲を限定するものでは
ない。 実施例1 ラット脳由来cDNAを用いたPCR法によるラッ
トSENR (=GPR14)受容体cDNAの増幅 ラット脳由来poly (A)+RNA(クローンテック社)を鋳型
とし、ランダムプライマーを用いて逆転写反応を行なっ
た。逆転写反応は、タカラRNA PCR ver. 2キットの試薬
を使用した。次にこの逆転写生成物を鋳型として用い、
配列番号:1および2の合成DNAプライマーを用いてPCR
法による増幅を行なった。合成DNAプライマーは受容体
蛋白に翻訳される領域の遺伝子が増幅されるように構築
したが、その際に遺伝子の5'側に制限酵素Sal Iの認識
する塩基配列が付加され、また3'側に制限酵素Spe Iの
認識する塩基配列が付加されるように、5'側および3'側
にそれぞれの制限酵素の認識配列を付加した。反応液の
組成は、cDNA鋳型5 ml、合成DNAプライマー各1μM、0.2
mM dNTPs、1 mM MgCl2、KOD (King of DNA) DNAポリメ
ラーゼ1 μlおよび酵素に付属のバッファーで、総反応
量は50 μlとした。増幅のためのサイクルはサーマルサ
イクラー(パーキンエルマー社)を用い、94℃・60秒の
加熱の後、94℃・30秒、59℃・30秒、74℃・60秒のサイ
クルを35回繰り返した。増幅産物の確認は、0.8%アガ
ロースゲル電気泳動の後、エチジウムブロマイド染色に
よって行なった。
【0055】実施例2 PCR産物のプラスミドベクター
へのサブクローニングおよび挿入cDNA部分の塩基配列の
解読による増幅cDNA配列の確認 実施例1で行なったPCR後の反応産物は0.8 %の低融点
アガロースゲルを用いて分離し、バンドの部分をカミソ
リで切り出した後、細片化、フェノール抽出、フェノー
ル・クロロホルム抽出、エタノール沈殿を行なってDNA
を回収した。PCR-ScriptTM Amp SK(+)クローニングキッ
ト(ストラタジーン社)の処方に従い、回収したDNAを
プラスミドベクターpCR-Script Amp SK(+)へサブクロー
ニングした。これをエシェリヒア コリ(Escherichia
coli)JM109 competent cell(宝酒造)に導入して形質
転換した後、cDNA挿入断片を持つクローンをアンピシリ
ンおよびX-galを含むLB寒天培地中で選択し、白色を呈
するクローンのみを滅菌したつま楊枝を用いて分離し、
形質転換体E. coli JM109/SENRを得た。個々のクローン
をアンピシリンを含むLB培地で一晩培養し、QIA prep8
mini prep(キアゲン社)を用いてプラスミドDNAを調製
した。調製したDNAの一部を用いて制限酵素Sal Iおよび
Spe Iによる切断を行ない、挿入されている受容体cDNA
断片の大きさを確認した。塩基配列の決定のための反応
はDyeDeoxy Terminator Cycle Sequence Kit(パーキン
エルマー社)を用いて行ない、蛍光式自動シーケンサー
を用いて解読した。得られた3クローンの配列を解析し
全ての配列が報告されているSENR (sensory epithelial
neuropeptide-like receptor)のDNA配列(Tal, M. et
al. Biochem. Biophys. Res. Commun., Vol. 209, pp.
752-759 (1995))の5'側にSal I認識配列が付加し、3'
側にSpe I認識配列が付加した遺伝子配列と一致するこ
とを確認した(図1および配列番号:3)。なお、報告
されているGPR14遺伝子の配列(Marchese, A. et al. G
enomics, vol. 29, pp. 335-344 (1995))では開始コド
ンであるATGのAを1番目としたとき945番目がGである
が、SENRの配列および上記で決定した配列ではCであ
る。
【0056】実施例3 SENR発現CHO細胞の作製 実施例2で配列が確認されたラット脳由来のSENRの全長
アミノ酸配列をコードし5'側にSal I認識配列が付加
し、また3'側にSpe I認識配列を付加した遺伝子が導入
されたプラスミドによって形質転換されたE. coliのク
ローンよりPlasmid Midi Kit(キアゲン社)を用いてプ
ラスミドを調製し、制限酵素Sal IおよびSpeIで切断し
てインサート部分を切り出した。インサートDNAは電気
泳動後、アガロースゲルからカミソリで切り出し、次に
細片化、フェノール抽出、フェノール・クロロホルム抽
出、エタノール沈殿を行なって回収した。このインサー
トDNAをSal IおよびSpe Iで切断した動物細胞発現用ベ
クタープラスミドpAKKO-111H(Hinuma, S. et al. Bioc
him. Biophys. Acta, Vol. 1219, pp. 251-259 (1994)
記載のpAKKO1.11Hと同一のベクタープラスミド)に加
え、T4ライゲース(宝酒造)を用いてライゲーションを
行ない、蛋白発現用プラスミドpAKKO-SENRを構築した。
pAKKO-SENRで形質転換したE. co li DH5(トーヨーボ
ー)を培養後、Plasmid Midi Kit(キアゲン社)を用い
てpAKKO-SENRのプラスミドDNAを調製した。これをCellP
hect Transfection Kit(アマシャムファルマシアバイ
オテク社)を用い添付のプロトコルに従ってCHO dhfr-
細胞に導入した。10 μgのDNAをリン酸カルシウムとの
共沈懸濁液とし、24時間前に5 x 105または1 x 106個の
CHO dhfr-細胞を播種した10 cmシャーレに添加した。10
%ウシ胎児血清を含むMEMα培地で1日間培養した後、継
代し、選択培地である10%透析ウシ胎児血清を含む核酸
不含MEMα培地で培養した。選択培地中で増殖してくるS
ENR発現CHO細胞である形質転換細胞のコロニー68クロー
ンを選択した。
【0057】実施例4 全長SENRレセプタータンパク質
mRNAの発現量の高いCHO/SENR細胞株の選択 実施例3で樹立されたCHO/SENR株68クローンの全長SENR
レセプタータンパク質mRNAの発現量をCytostar T Plate
(アマシャムファルマシアバイオテク社)を用い、添付
のプロトコルに従って以下のように測定した。CHO/SENR
株の各クローンをCytostar T Plateの各wellに2.5 x 10
4個ずつ播種して24時間培養した後、10%ホルマリン
によって細胞を固定した。各wellに0.25% Triton
X-100を添加して細胞の透過性をあげた後、35Sラベルし
た配列番号:4のriboprobeを加えてハイブリダイズさ
せた。20 mg/mlのRNaseAを各wellに加えて遊離のribopr
obeを消化し、プレートをよく洗浄した後、ハイブリダ
イズしたriboprobeの放射活性をTopcounterで測定し
た。放射活性の高い株がmRNA発現量が高い。mRNA発現量
の高い2クローン(#36および61)を以下の実験に用いた
が、特にクローン番号61を主に用いた。
【0058】実施例5 ブタ脊髄抽出物に含まれ、CHO/
SENR細胞株から特異的にアラキドン酸代謝物の遊離を促
進する活性の検出 ブタ脊髄抽出物の高速液体クロマトグラフィー(HPLC)
フラクションを以下に述べる方法で調製した。東京芝浦
臓器(株)より購入した、処理当日に屠殺して摘出後は
氷冷保存したブタ脊髄350 g(10頭分)を細かく切断
し、直ぐに沸騰した蒸留水1.4 lに投じて10分間煮沸し
た。煮沸後、直ちに氷冷し、84 mlの酢酸を加えて終濃
度1.0 Mとし、ポリトロン(20,000 rpm、6分間)を用い
て破砕した。破砕液を遠心(8,000 rpm、30分)して上
清を取り、沈殿には1.0 M酢酸1.4 lを加えて再度ポリト
ロンによって破砕し、一晩攪拌した後、遠心(8,000 rp
m、30分)して上清を得た。上清に2倍量の冷アセトン
を4℃でゆっくり滴下した後、1回目の遠心によって得
た上清については一晩攪拌し、2回目の遠心によって得
た上清については4時間攪拌した。アセトンを加えた抽
出液は遠心(8,000 rpm、30分)して沈殿を除き、得ら
れた上清からエバポレーターによって減圧化にアセトン
を溜去した。アセトンを除いた抽出液に等量のジエチル
エーテルを加え、分液ロートを使って脂質を含むエーテ
ル層を分離して水層を回収した。エーテル脱脂した抽出
液はエバポレーターによって減圧化に濃縮してエーテル
を完全に除去した。濃縮液をガラス繊維濾紙(アドバン
テック、DP70 (90 mmφ))で濾過し、濾液をガラス製カ
ラム(20φ x 240 mm)に充填したC18(ワイエムシー、
YMCgel ODS-AM 120-S50)カラムに添加した。カラムを
1.0 M酢酸300 mlで洗浄後、0.1%トリフルオロ酢酸を含
む60%アセトニトリル300 mlで溶出した。溶出液を減圧
化に濃縮して溶媒を溜去した後、濃縮液を凍結乾燥し
た。凍結乾燥品約0.2 gを14 mlの0.1%トリ
フルオロ酢酸を含む10%アセトニトリルに溶解し、7 ml
ずつをC18カラム(トーソー、TSKgel ODS-80TM (21.5φ
x 300 mm))を用いた10%から60%の0.1%トリフルオ
ロ酢酸を含むアセトニトリルの濃度勾配溶出法によるHP
LCにかけた。HPLCは2回行なった。溶出液は60分画に分
取し、2回分の溶出液をまとめた。各分画を減圧化に濃
縮・乾固し、残渣を0.35 mlのジメチルスルフオキシド
(DMSO)で溶解した。CHO/SENR細胞およびmock CHO細胞
を24穴プレートに5 x 104 cell/wellで播種し、24時間
培養後、[3H]アラキドン酸を0.25 μCi/wellとなるよう
添加した。[3H]アラキドン酸添加16時間後、細胞を0.05
% ウシ血清アルブミン(BSA)を含むハンクス試液(HB
SS)で洗浄し、各wellに上述のHPLC分画のDMSO溶液2 μ
l(脊髄2 g相当)を加えた0.05% BSA含有HBSS 500 μl
を添加した。37℃で30分間インキュベートした後に、反
応液500 μlから350 μlをシンチレーターに加え、反応
中に遊離された[3H]アラキドン酸代謝物の量をシンチレ
ーションカウンターにより測定した。その結果、分画番
号33にCHO/SENR細胞特異的なアラキドン酸代謝物遊離活
性が認められた(図2)。図2中、アラキドン酸代謝物
の遊離促進活性はDMSO 2 μlのみを添加したときに遊離
された[3H]アラキドン酸代謝物の量を100%として、HPL
Cフラクション(2 μl)を加えたときに放出されるアラ
キドン酸代謝物の量を%として表わした。分画番号33に
CHO/SENR細胞株に特異的なアラキドン酸代謝物の遊離を
促進する活性が認められた。分画番号26から29に認めら
れるアラキドン酸代謝物の遊離を促進する活性はmock C
HO細胞にも認められたことから、 CHO/SENR細胞株に特
異的なアラキドン酸代謝物の遊離を促進する活性ではな
い。なお、活性はDMSOのみを添加した対照区のアラキド
ン酸代謝物遊離量に対する百分率で示した。
【0059】実施例6 ブタ脊髄抽出物中のSENR発現CH
O細胞に対して特異的にアラキドン酸代謝物遊離活性を
示す活性物質のプロナーゼによる失活 実施例5でCHO/SENR細胞に対するアラキドン酸代謝物遊
離活性を示したHPLC分画#33を蛋白分解酵素であるプロ
ナーゼ(Sigma, protease Type XIV (P5147))で処理
し、活性物質が蛋白性であるかを調べた。上記脊髄抽出
物HPLC分画(#33)4 μlを0.2 M酢酸アンモニウム200
μlに加え、これにプロナーゼ3 μgを添加して37℃で2
時間インキュベートした後、沸騰水中で10分間加熱して
プロナーゼを失活させた。これにBSA 0.05mgおよびCHAP
S 0.05 mgを含む蒸留水2 mlを加えてから凍結乾燥し
た。プロナーゼそのものあるいは加熱および凍結乾燥の
影響を調べるため、プロナーゼのみ、HPLC分画のみおよ
びプロナーゼのみを加熱処理した後にHPLC分画を加えた
ものについても同様に処理して凍結乾燥した。凍結乾燥
した各試料を0.05% BSA含有HBSS 500 μlに溶解し、実
施例5に示す方法によってCHO/SENR細胞に添加してアラ
キドン酸代謝物遊離活性を測定した。結果を図3に示し
た。活性は0.05% BSA含有HBSS 500 μlを加えたwellの
アラキドン酸代謝物遊離量に対する百分率で示した。ブ
タ脊髄抽出物中のCHO/SENR細胞に対するアラキドン酸代
謝物遊離活性を示す活性物質はプロナーゼによって完全
に失活したことからこの物質が蛋白もしくはペプチドで
あることが示された。
【0060】実施例7 ブタ脊髄からのSENR発現CHO細
胞に対して特異的にアラキドン酸代謝物遊離活性を示す
活性物質の精製 CHO/SENR細胞に対して特異的にアラキドン酸代謝物遊離
活性を示す活性物質をブタ脊髄から精製した代表例を以
下に具体的に述べる。東京芝浦臓器(株)より購入し
た、処理当日に屠殺して摘出後は氷冷保存したブタ脊髄
1.0 kg(50頭分)を40 mM塩酸および1.0 M酢酸を含む70
%アセトン10 l中でポリトロン(20,000 rpm、10分間)
を用いて破砕した。破砕液を遠心(8,000 rpm、30分)
して上清を取り、沈殿には再度40 mM塩酸および1.0 M酢
酸を含む70%アセトン10 lを加えてポリトロンによって
破砕し、一晩攪拌した後、遠心(8,000 rpm、30分)し
て上清を得た。上清をまとめ、エバポレーターによって
減圧化にアセトンを溜去した。アセトンを除いた抽出液
に等量のジエチルエーテルを加え、分液ロートを使って
脂質を含むエーテル層を分離して水層を回収した。エー
テル脱脂した抽出液はエバポレーターによって減圧化に
濃縮してエーテルを完全に除去した。濃縮液をガラス繊
維濾紙(アドバンテック、DP70 (90 mmφ))で濾過し、
濾液の半量をガラス製カラム(30φ x 240 mm)に充填
したC18(ワイエムシー、YMCgel ODS-AM120-S50)カラ
ムに添加した。カラムを1.0 M酢酸400 mlで洗浄後、0.1
%トリフルオロ酢酸を含む60%アセトニトリル500 mlで
溶出した。溶出液を減圧化に濃縮して溶媒を溜去した
後、濃縮液を凍結乾燥した。残りの半量についても同様
に処理し、凍結乾燥した。合計約1.9 gの凍結乾燥品を6
0 mlの0.1%トリフルオロ酢酸を含む10%アセトニトリ
ルに溶解し、10 mlずつをC18カラム(トーソー、TSKgel
ODS-80TS (21.5φ x 300 mm))を用いた10%から60%
の0.1%トリフルオロ酢酸を含むアセトニトリルの濃度
勾配溶出法によるHPLCにかけた。HPLCは6回行ない、溶
出液は60分画に分取して6回分をまとめた。各分画につ
いて実施例5に示す方法によってSENR発現CHO細胞に添
加してアラキドン酸代謝物遊離活性を測定した。活性は
分画#31および#32に認められた。これらの分画#31
()および#32()を別々に以下に示すような同一
の工程で精製した。それぞれの活性分画を減圧化に濃縮
して溶媒を除いた後、凍結乾燥した。これを10%アセト
ニトリルを含む10 mMギ酸アンモニウム10 mlに溶解し、
陽イオン交換カラム(トーソー、TSKgel SP-5PW (20 mm
φ x 150 mm))に添加した後、10%アセトニトリルを含
む10 mMから300 mMのギ酸アンモニウムの濃度勾配によ
ってカラムを溶出した。およびのいずれについても
活性はギ酸アンモニウム140 mM付近に回収された。活性
分画を凍結乾燥し、0.1%トリフルオロ酢酸を含む10%
アセトニトリル1.0 mlに溶解し、0.5 mlずつをジフェニ
ルカラム(セパレーショングループ、Vydac 219-TP54)
に添加した後、0.1%トリフルオロ酢酸を含む26%から3
1%のアセトニトリルの濃度勾配によって溶出した。 HP
LCは2回行ない、溶出液は2回分をまとめて分取した。活
性はがアセトニトリル27.1%付近、が27.6%付近に
出現した。それぞれの活性分画を凍結乾燥し、0.1mlのD
MSOで溶解し、さらに0.4 mlの0.1%トリフルオロ酢酸を
含む10%アセトニトリルを加えてCNカラム(野村化学、
Develosil CN-UG-5)に添加した後、0.1%トリフルオロ
酢酸を含む28.5%から33.5%のアセトニトリルの濃度勾
配によって溶出した。溶出液はピーク毎に手動で分取し
た。活性はがアセトニトリル29.7%付近、が29.9%
付近に溶出された(図4、5)。これらの活性ピークを含
む溶出液を蒸留水で約2倍に希釈し、ODSカラム(和光純
薬、Wakosil-II 3C18HG)に添加した後、0.1%ヘプタフ
ルオロ酪酸を含む30%から35%のアセトニトリルの濃度
勾配によって溶出した。活性はがアセトニトリル32.2
%付近、が32.5%付近にそれぞれ単一ピークとして出
現した(図6、7)。
【0061】実施例8 ブタ脊髄から精製されたSENR発
現CHO細胞に対して特異的にアラキドン酸代謝物遊離活
性を示す活性物質のアミノ酸配列の決定 実施例7で精製されたCHO/SENR細胞に対して特異的にア
ラキドン酸代謝物遊離活性を示す活性物質のアミノ酸配
列解析を行なった。本活性物質は実施例6に示すように
蛋白またはペプチドであることが推定されていたので、
活性ピークを含む溶出液を用いてパーキンエルマー社Pr
ocise 494 Protein Sequencerによってアミノ末端アミ
ノ酸配列分析を行なった。その結果、配列番号:5およ
び6に示す配列が得られた。6残基目と11残基目にはアミ
ノ酸が検出されなかった。そこで、活性物質について
トリブチルフォスフィンと4-ビニルピリジンを用いて還
元/ピリジルエチル化を行なった後、配列分析を行なっ
たところ11残基目には依然としてアミノ酸が検出されな
かったが、6残基目はピリジルエチルシステインが検出
された。これにより、活性物質の6残基目および11残
基目はシステインであり、これら2つのCys残基は分子
内ジスルフィド結合を形成していることが推定された。
類似した構造を有する活性物質も同様に6残基目およ
び11残基目はシステインであり、これら2つのCys残基
は分子内ジスルフィド結合を形成していることが推定さ
れた。以上より、2つの活性物質の推定アミノ酸配列と
して配列番号:7および8が決定された。
【0062】実施例9 PCR法によるブタSENRリガンド
前駆体タンパク質の部分配列の取得 ブタゲノムDNA (クロンテック社)を鋳型にGenBankデー
タベースに登録されているヒトurotensin II(Coulouar
n, Y. et al. Proc. Natl. Acad. Sci. USA, vol. 95,
pp. 15803-15808 (1998))前駆体タンパク質の一部をコ
ードする塩基配列(accession No. AA535545)の部分配
列である配列番号:10および11のprimerを用いてPCR反
応を行なった。反応液の組成は、合成プライマー各1μ
M、鋳型DNA500 ng、0.2 mM dNTPs、ExTaq DNA polymera
se(宝酒造)1.25 unitおよび酵素に付属の緩衝液で総
反応液量は20μlとした。増幅のためのサイクルは、サ
ーマルサイクラー(パーキンエルマー社)を用い、94℃
・4分、の後、94℃・30秒、60℃・30秒、72℃・15秒の
サイクルを2回、94℃・30秒、55℃・30秒、72℃・15秒
のサイクルを4回、94℃・30秒、52.5℃・30秒、72℃・1
5秒のサイクルを6回、94℃・30秒、50℃・30秒、72℃・
15秒のサイクルを30回繰り返した。増幅産物の確認は1.
5%アガロース電気泳動及びエチジウムブロマイド染色に
よって行なった。得られた反応液2μlをTOPO TA clonin
g kit(インビトロジェン社)を用いてプラスミドベク
ターpcr IIへサブクローニングし、大腸菌DH5αへ導入
した。生じた形質転換体からQIA prep8 mini prep(キ
アゲン社)を用いてプラスミドDNAを精製した。塩基配
列決定のための反応はDyeDeoxy Terminator Cycle Sequ
ence Kit(パーキンエルマー社)を用いて行ない、蛍光
式自動シーケンサーを用いて解読した。その結果、ブタ
脊髄より精製されたSENRリガンドポリペプチドの部分配
列を含むブタSENRリガンド前駆体cDNAの一部と考えられ
る塩基配列(配列番号:12)を得た。この配列をプロー
ブとして実施例10に記載したブタ脊髄cDNAライブラリ
ーのスクリーニングを行なった。
【0063】実施例10 ブタ脊髄 cDNAライブラリー
から得られたSENRリガンド前駆体タンパク質全コード領
域を含むcDNAの配列決定 ブタ脊髄よりIsogen (ニッポンジーン社)によりtotal
RNAを調製後、Oligotex (dT)30 (宝酒造社)を用いてpo
ly (A)+ RNA画分を調製した。このpoly (A)+ RNA 2μg
からSuperScript Lamda System for cDNA Synthesis an
d λ cloning kit (ギブコBRL社)を用い、マニュアルに
したがってλZiplox Not I /Sal I ArmにcDNAを導入
し、Gigapack III Gold (ストラタジーン社)を用いてパ
ッケージングすることでブタ脊髄 cDNAライブラリーを
作成した。このうち1.6 x 106 pfu (plaque forming un
it)を大腸菌Y1090ZLと混合し、37℃で15分間インキュ
ベートした後、0.7%アガロース(FMC社)LBを加え、1.
5%寒天LBプレート121枚に蒔いた。プレートにニトロセ
ルロースフィルターを置き、プラークを転写した。この
フィルターをアルカリ処理することで変性させた後、中
和、乾燥し、254 nmの紫外線を照射して80℃で30分間加
熱することでDNAの固定を行なった。このフィルターを1
mM EDTA、7% SDSおよび1% BSAを含む0.5 Mリン酸中で4
5℃で4時間インキュベートした後、以下に述べるプロー
ブと16時間インキュベートしてハイブリダイズした。プ
ローブは、実施例9で得られた配列から正鎖として配列
番号:13およびこの配列と一部相補する逆鎖である配列
番号:14を選んで委託合成 (日本バイオサービス社)し
た。これらを70℃で変性させた後、徐々に冷却して互い
にハイブリダイズさせ、[32P]dCTP(デュポン社)存在
下でKlenow酵素を用いて放射標識した。さらに、Nick
カラム(アマシャムファルマシアバイオテク社)で精製
し、1,000,000 cpm/mlの濃度でハイブリダイズに用い
た。洗浄は0.1% SDSを含む0.2 x SSC(ニッポンジーン
社製20 x SSCを希釈)溶液で室温で4回、続いて65℃で2
回行なった。その後、-80℃でオートラジオグラフィー
を行なってハイブリダイズするプラークを検出した。こ
のスクリーニングにより9個の独立したプラークにハイ
ブリダイゼーションのシグナルが認められた。これらの
陽性プラークからSuperScript Lamda System for cDNA
Synthesis and λ cloning kit (ギブコBRL社)のマニ
ュアルにしたがってin vivo excision法で目的のブタSE
NRリガンド前駆体cDNAを含むプラスミドを切り出し、大
腸菌XL1Blueをトランスフォーメーションした。この大
腸菌からQIA prep8 mini prep (キアゲン社)を用いて
プラスミドDNAを精製した。塩基配列決定のための反応
は、DyeDeoxy Terminator Cycle Sequence Kit(パーキ
ンエルマー社)を用いて行ない、蛍光式自動シーケンサ
ーを用いて解読した。その結果、ブタSENRリガンド前駆
体タンパク質の全配列をコードする3種類の塩基配列
(配列番号:15、 16および17)が得られた。配列番
号:15では、翻訳開始コドンATGのAを1番目としたとき1
29番目の塩基がTであり配列番号:16ではCであるが、翻
訳されたアミノ酸はともにAsp (GAT、GAC)であり同一で
ある。配列番号:17は、配列番号:15の、翻訳開始コド
ンATGのAを1番目とすると101番目のCから208番目のGま
でが欠失したスプライシングバリアントであった。対応
するアミノ酸配列は、配列番号:15および16に対して配
列番号:18、配列番号:17に対して配列番号:19であ
る。いずれの前駆体タンパク質もブタSENRリガンド
(配列番号:8)の前駆体であった。図8にブタSENRリガ
ンド前駆体のDNA配列(配列番号:15)および対応する
アミノ酸配列(配列番号:18)を示す。
【0064】実施例11 PCR法によるウシSENRリガン
ド前駆体タンパク質の部分配列の決定 ウシゲノムDNA(クロンテック社)を鋳型に、実施例9で用
いた配列番号:10および11のprimerを用いてPCR反応を
行なった。反応液の組成は、合成プライマー各0.5μM、
鋳型DNA 500 ng、0.2 mM dNTPs、2.5 mM MgCl2、AmpliT
aq Gold DNA polymerase (パーキンエルマー社) 0.2μ
lおよび酵素に付属の緩衝液で総反応液量は20μlとし
た。増幅のためのサイクルは、サーマルサイクラー(パ
ーキンエルマー社)を用い、95℃・9分の後、94℃・15
秒、60℃・20秒、72℃・20秒のサイクルを2回、94℃・1
5秒、55℃・20秒、72℃・20秒のサイクルを4回、94℃・
20秒、52.5℃・20秒、72℃・20秒のサイクルを6回、94
℃・20秒、50℃・20秒、72℃・20秒のサイクルを8回、9
4℃・30秒、48℃・20秒、72℃・20秒のサイクルを30回
繰り返した後、72℃・5分保温した。増幅産物の確認は
1.5%アガロース電気泳動及びエチジウムブロマイド染
色によって行なった。得られた反応液2μlをTOPOTA clo
ning kit (インビトロジェン社)を用いてプラスミドベ
クターpcr 2.1へサブクローニングし、大腸菌TOP10へ導
入した。生じた形質転換体からQIA prep8mini prep(キ
アゲン社)を用いてプラスミドDNAを精製した。塩基配列
決定のための反応はDyeDeoxy Terminator Cycle Sequen
ce Kit(パーキンエルマー社)を用いて行ない、蛍光式
自動シーケンサーを用いて解読した。その結果、PCR産
物として、ブタSENRリガンド前駆体の配列と類似するこ
とからウシSENRリガンド前駆体の一部であると考えられ
る配列番号:20が得られた。配列番号:11のプライマー
はリガンドペプチドの一部をコードする塩基配列である
が、ブタSENRリガンドのアミノ酸配列と比較することに
より、ウシSENRリガンドとして配列番号:21が決定され
た。
【0065】実施例12 ブタSENRリガンド:Gly-Pr
o-Thr-Ser-Glu-Cys-Phe-Trp-Lys-Tyr-Cys-Val(配列番
号:7)の製造 市販Boc-Val-OCH2-PAM樹脂(0.77 m mole/g resin) 0.5
m mole 分をペプチド合成機ABI 430Aの反応槽に入れ、
Boc-strategy (NMP-HOBt) ペプチド合成方法でBoc-Cys
(MeBzl), Boc-Tyr(Br-Z), Boc-Lys(Cl-Z), Boc-Trp(CH
O), Boc-Phe, Boc-Cys(MeBzl), Boc-Glu(OcHex), Boc-
Ser(Bzl), Boc-Thr(Bzl), Boc-Pro, Boc-Gly,を順に導
入し目的の保護ペプチド樹脂を得た。 この樹脂0.59g
をp-クレゾール2.22g、1,4-ブタンジチオール1.2 mlと
共に無水弗化水素10 ml中、0℃・60分撹袢した後、
弗化水素を減圧留去し、残留物へジエチルエーテルを加
え沈殿を濾過した。 この沈殿に50%酢酸水を加え抽
出し、不溶部分を除き、抽出液を十分に濃縮後、50%
酢酸水で充填したセファデックスG-25(商品名)カラム
(2.0 x 80 cm)に付し、同溶媒で展開、主要画分を集め
LiChroprep(商品名) RP-18を充填した逆相クロマトカ
ラム(2.6 x 60 cm)に付け0.1%TFA水 200mlで洗浄、0.
1%TFA水 300mlと0.1%TFA含有40%アセトニトリル水 30
0mlを用いた線型勾配溶出を行い、主要画分を集め濃縮
した。此れを約4mlの酢酸に溶解し、蒸留水で240ml
に希釈の後、アンモニア水を用いpH7.5に調整し、緩や
かに空気を吹込み攪拌した。 反応をHPLCで追跡し、SH
体ペプチドのピークがすべてSS体に変化した事を確認
後、酢酸を加え溶液のpHを3に調整し、 上記LiChropre
p(商品名) RP-18カラムに吸着した。カラムを0.1%TFA
水 200mlで洗浄後、0.1%TFA水 300mlと0.1%TFA含有50
%アセトニトリル水 300mlを用いた線型勾配溶出を行
い、主要画分を集め、凍結乾燥し白色粉末17mgを得
た。 質量分析による(M+H)+ 1417.4(計算値 1417.6) HPLC溶出時間 19.0分 カラム条件 カラム Wakosil 5C18T 4.6 x 100mm 溶離液:A液−0.1% TFA水、B液−0.1%TFA含有アセト
ニトリルを用い A/B : 95/5〜45/55へ直線型濃度勾配
溶出(25分) 流速:1.0 ml / 分
【0066】実施例13 ブタSENRリガンド:Gly-Pr
o-Pro-Ser-Glu-Cys-Phe-Trp-Lys-Tyr-Cys-Val(配列番
号:8)の製造 実施例12のThrをProに変えて導入し、実施例12と同様に
樹脂からの切り出し、SHペプチドの精製、酸化、SSペプ
チドの精製を行い、白色粉末15mgを得た。 質量分析による(M+H)+ 1413.4(計算値 1413.4) HPLC溶出時間 19.3分 カラム条件 カラム Wakosil 5C18T 4.6 x 100mm 溶離液:A液−0.1% TFA水、B液−0.1%TFA含有アセト
ニトリルを用い A/B : 95/5〜45/55へ直線型濃度勾配
溶出(25分) 流速:1.0 ml / 分
【0067】実施例14 ウシSENRリガンド:Gly-Pro-
Pro-Ser-Glu-Cys-Phe-Trp-Lys-Tyr-Cys-Val(配列番
号:21)の製造 実施例12のThrをSerに変えて導入し、実施例12と同様に
樹脂からの切り出し、SHペプチドの精製、酸化、SSペプ
チドの精製を行った。 質量分析による(M+H)+ 1403.5(計算値 1403.6) HPLC溶出時間 18.8分 カラム条件 カラム Wakosil 5C18T 4.6 x 100mm 溶離液:A液−0.1% TFA水、B液−0.1%TFA含有アセト
ニトリルを用い A/B : 95/5〜45/55へ直線型濃度勾配
溶出(25分) 流速:1.0 ml / 分
【0068】実施例15 ヒトSENRリガンド:Glu-Thr-
Pro-Asp-Cys-Phe-Trp-Lys-Tyr-Cys-Val(ヒトurotensin
II、配列番号:22)の製造 ヒトSENRリガンド(配列番号:22)はヒトurotensin II
として報告されている(Coulouarn, Y. et al. Proc. N
atl. Acad. Sci. USA, vol. 95, pp. 15803-15808 (199
8))ペプチドと同一である。市販Boc-Val-OCH2-PAM樹脂
(0.77 m mole/g resin) 0.5 m mole 分を用い実施例12
と同様にBoc-Cys(MeBzl), Boc-Tyr(Br-Z), Boc-Lys(Cl-
Z), Boc-Trp(CHO),Boc-Phe, Boc-Cys(MeBzl), Boc-Asp
(OcHex), Boc-Pro, Boc-Thr(Bzl), Boc-Glu(OcHex)
を順に導入した。この樹脂を実施例12と同様に処理し、
ペプチドの切り出し、酸化した後精製した。 質量分析による(M+H)+ 1388.4(計算値 1388.6) HPLC溶出時間 19.0分 カラム条件 カラム Wakosil 5C18T 4.6 x 100mm 溶離液:A液−0.1% TFA水、B液−0.1%TFA含有アセト
ニトリルを用い A/B : 95/5〜45/55へ直線型濃度勾配
溶出(25分) 流速:1.0 ml / 分
【0069】実施例16 合成ブタSENRリガンドポリペ
プチドのCHO/SENR細胞株に対するアラキドン酸代謝物遊
離促進活性 実施例12および13で合成した種々の濃度のSENRリガンド
ポリペプチドおよび(配列番号:7および:8)が示
すSENR発現CHO細胞に対するアラキドン酸代謝物放出活
性を以下の方法により測定した。CHO/SENR細胞を24穴プ
レートに5 x 104 cell/wellで播種し、24時間培養後、[
3H]アラキドン酸を0.25μCi/wellとなるよう添加した。
[3H]アラキドン酸添加16時間後、細胞を0.05% ウシ血清
アルブミン(BSA)を含むハンクス試液(HBSS)で洗浄
し、各wellに種々の濃度の合成SENRリガンドポリペプチ
ドを加えた0.05% BSA含有HBSS 500μlを添加した。37℃
で30分間インキュベートした後に、反応液500 μlから3
50 μlをシンチレーターに加え、反応中に遊離された[3
H]アラキドン酸代謝物の量をシンチレーションカウンタ
ーにより測定した。その結果、SENRリガンドポリペプチ
ドおよび(配列番号:7および:8)のいずれについ
てもペプチドの濃度依存的にアラキドン酸代謝物の培地
中への放出が確認された。(図9)。なお、活性はバッ
ファーのみを添加した対照区のアラキドン酸代謝物遊離
量に対する百分率で示した。また、同様の活性はウシSE
NRリガンド(配列番号:21)あるいはヒトSENRリガンド
(ヒトurotensin II)(配列番号:22)を使用しても確
認された。
【0070】実施例17 合成ブタSENRリガンドポリペ
プチドの麻酔下ラットの血圧に対する作用 実施例12および13で合成した種々の濃度のSENRリガンド
ポリペプチドおよび(配列番号:7および:8)の麻
酔下ラットの血圧に対する作用を以下の方法により測定
した。8-9週齢の雄性Wistar rat(日本クレアより購
入)をネンブタール注射液(大日本製薬、50 mg/ml sod
ium pentobarbital、50 mg/kg腹腔内投与)により麻酔
し、トランスデューサーに接続した血圧測定用カテーテ
ル(SP-55)を左頚動脈に、静脈投与用カテーテル(SP-
35)を左大腿静脈にそれぞれ挿入した。合成SENRリガン
ドは0.05% BSAを含む生理的食塩水に溶解し、1, 10, 10
0 nmol/kgとなるように左大腿静脈より投与した。血圧
は連続してポリグラフ(NEC三栄社製)で記録した。ラ
ット血圧は用量依存的に低下し、SENRリガンドポリペプ
チドはラットに対して降圧作用を示した。ブタSENRリガ
ンド10 nmol/kg投与時のラット血圧(麻酔下)に対する
降圧作用を表1に示す。なお、降圧作用は投与前の平均
血圧に対してSENRリガンド投与によって低下した平均血
圧の値で示した。また、同様の活性はウシSENRリガンド
(配列番号:21)あるいはヒトSENRリガンド(ヒトurot
ensin II)(配列番号:22)を使用しても確認された。
これらのペプチドの降圧作用を表1に示した。
【0071】表1 ラット血圧(麻酔下)に対する合成
ブタSENRリガンドポリペプチド、合成ウシSENRリガンド
ポリペプチドおよび合成ヒトSENRリガンドポリペプチド
(urotensin II)の降圧作用
【表1】
【0072】実施例18 合成ブタSENRリガンドポリペ
プチドのラット胸部大動脈に対する収縮作用 実施例13で合成した種々の濃度のSENRリガンドポリペプ
チド(配列番号:8)のラット胸部大動脈に対する作
用を以下の方法により測定した。9-12週齢の雄性Wistar
rat(日本チャールスリバーより購入)をネンブタール
注射液(大日本製薬、50 mg/ml sodium pentobarbita
l、50 mg/kg腹腔内投与)により麻酔し、腹部大動脈よ
り全採血して失血死させた。このラットより胸部大動脈
を摘出し、幅5 mmのリング標本を作製した。標本を混合
ガス(95% O2-5% CO2)を通気して37℃に保温したKrebs
-Henseleit溶液(NaCl 118 mM、 KCl 4.7 mM、CaCl2 2.
5 mM、KH2PO4 1.2 mM、NaHCO3 25 mM、MgSO4 1.2 mM、g
lucose 10.0 mM)3 mlを満たしたオーガンバス中に懸垂
し、等尺性収縮張力を微小荷重変換器(UL-10GR、ミネ
ベア社)を介してポリグラフ(NEC三栄社)で記録し
た。静止張力は約0.5 gとした。内皮の存在は、10-6 M
norepinephrine投与によって惹起した収縮が10-5M acet
ylcholine投与によって弛緩することを観察することに
よって確認した。ブタSENRリガンドポリペプチドは終濃
度10-10 - 10-7 Mとなるように累積投与した。ラット胸
部大動脈リング標本はSENRリガンドの添加によって図10
に示すように用量依存的に収縮した。また、同様の活性
はブタSENRリガンド(配列番号:7)、ウシSENRリガ
ンド(配列番号:21)あるいはヒトSENRリガンド(ヒト
urotensin II)(配列番号:22)を使用しても確認され
た。
【0073】実施例19 ヒト骨格筋由来cDNAを用いた
PCR法によるヒトSENR(=GPR14)受容体cDNAの増幅 ヒト骨格筋由来cDNA(クロンテック社)を鋳型として用
い、配列番号:23および24の合成DNAプライマーを用い
てPCR法による増幅を行なった。合成DNAプライマーは受
容体蛋白に翻訳される領域の遺伝子が増幅されるように
構築したが、その際に遺伝子の5'側に制限酵素Sal Iの
認識する塩基配列が付加され、また3'側に制限酵素Spe
Iの認識する塩基配列が付加されるように、5'側および
3'側にそれぞれの制限酵素の認識配列を付加した。反応
液の組成は、cDNA鋳型2.5μl、合成DNAプライマー各0.2
μM、0.2 mM dNTPs、Advantage2 polymerase mix(クロ
ンテック社)1μlおよび酵素に付属のバッファーで、総
反応量は50μmlとした。増幅のためのサイクルはサーマ
ルサイクラー(パーキンエルマー社)を用い、95℃・60
秒の加熱の後、95℃・30秒、72℃・3分のサイクルを5回
繰り返し、その後、95℃・30秒、70℃・3分のサイクル
を5回繰り返し、さらに、95℃・30秒、68℃・3分のサイ
クルを20回繰り返して最後に68℃・3分の加熱を行なっ
た。増幅産物の確認は、0.8%アガロースゲル電気泳動の
後、エチジウムブロマイド染色によって行なった。
【0074】実施例20 PCR産物のプラスミドベクタ
ーへのサブクローニングおよび挿入cDNA部分の塩基配列
の解読による増幅cDNA配列の確認 実施例19で行なったPCR後の反応産物は0.8 %の低融点ア
ガロースゲルを用いて分離し、バンドの部分をカミソリ
で切り出した後、GENECLEAN SPIN(バイオ101社)を
用いてDNAを回収した。Eukaryotic TOPOTM TA Cloning
kit(インビトロゲン社)の処方に従い、回収したDNAを
動物細胞発現用プラスミドベクター pcDNA3.1/V5/Hisへ
クローニングしてタンパク発現用プラスミドpcDNA3.1-h
SENRを構築した。これをエシェリヒア コリ(Escheric
hia coli)DH5α competent cell(東洋紡)に導入して
形質転換した後、cDNA挿入断片を持つクローンをアンピ
シリンを含むLB寒天培地中で選択し、滅菌したつま楊枝
を用いて分離して形質転換体E. coli DH5α/pcDNA3.1-h
SENRを得た。個々のクローンをアンピシリンを含むLB培
地で一晩培養し、Quiawell 8 Ultra Plasmid kit(キア
ゲン社)を用いてプラスミドDNAを調製した。調製したD
NAの一部を用いて制限酵素Sal Iによる切断を行ない、
挿入されている受容体cDNA断片の大きさおよび方向性を
確認した。塩基配列の決定のための反応はDyeDeoxy Ter
minator Cycle Sequence Kit(パーキンエルマー社)を
用いて行ない、蛍光式自動シーケンサーを用いて解読し
た。得られたクローンの配列を解析し、全ての配列が報
告されているヒトGPR14 (=SENR)遺伝子(EP 0 859 052
A1)の配列の5'側にSal I認識配列が付加し、3'側にSpe
I認識配列が付加した遺伝子配列と一致することを確認
した(配列番号:25および26)。ただし、配列番号:25
のヒトSENR遺伝子の配列中1133番目の塩基は該報告(EP
0 859 052 A1)ではCと記載されているが、本実施例で
決定した配列ではGであった。いずれの塩基についても
翻訳されたアミノ酸は同一である。
【0075】実施例21 ヒトSENR発現CHO細胞の作製 実施例20で作製した形質転換体E. coli DH5α/pcDNA
3.1-hSENRを培養後、Plasmid Midi Kit(キアゲン社)
を用いてpcDNA3.1-hSENRのプラスミドDNAを調製した。
これをCellPhect Transfection Kit(アマシャムファル
マシアバイオテク社)を用い添付のプロトコルに従って
CHO dhfr-細胞に導入した。10μgのDNAをリン酸カルシ
ウムとの共沈懸濁液とし、24時間前に5 x 105または1 x
106個のCHO dhfr-細胞を播種した10 cmシャーレに添加
した。10%ウシ胎児血清を含むMEMα培地で1日間培養し
た後、継代し、選択培地である0.4 mg/mlのG418(ギブ
コBRL社)および10%透析ウシ胎児血清を含むMEMα培地
で培養した。選択培地中で増殖してくるヒトSENR発現CH
O細胞である形質転換細胞(CHO/hSENR)のコロニーを選
択した。
【0076】実施例22 合成ヒトSENRリガンドポリペ
プチド(ヒトurotensin II)のCHO/hSENR細胞株に対す
るアラキドン酸代謝物遊離促進活性 実施例15で合成した種々の濃度のヒトSENRリガンドポリ
ペプチド(ヒトurotensin II)(配列番号:22)が示す
ヒトSENR発現CHO細胞に対するアラキドン酸代謝物放出
活性を以下の方法により測定した。CHO/hSENR細胞を24
穴プレートに5 x104 cell/wellで播種し、24時間培養
後、[3H]アラキドン酸を0.25μCi/wellとなるよう添加
した。[3H]アラキドン酸添加16時間後、細胞を0.05% ウ
シ血清アルブミン(BSA)を含むハンクス試液(HBSS)
で洗浄し、各wellに種々の濃度の合成ヒトSENRリガンド
ポリペプチドを加えた0.05% BSA含有HBSS 500μlを添加
した。37℃で30分間インキュベートした後に、反応液50
0 μlから350 μlをシンチレーターに加え、反応中に遊
離された[3H]アラキドン酸代謝物の量をシンチレーショ
ンカウンターにより測定した。その結果、ヒトSENRリガ
ンドポリペプチド(ヒトurotensin II、配列番号:22)
のペプチドの濃度依存的にアラキドン酸代謝物の培地中
への放出が確認された(図11)。なお、活性はバッファ
ーのみを添加した対照区のアラキドン酸代謝物遊離量に
対する百分率で示した。また、同様の活性はブタSENRリ
ガンド(配列番号:7および8)およびウシSENRリガンド
(配列番号:21)を使用しても確認された。
【0077】実施例23 ウシSENRリガンドが誘起する
SENR発現CHO細胞膜画分へのGTPγS結合活性の測定 ウシSENRリガンド(配列番号:21)の ウシSENR発現CHO
細胞膜画分に対する [35S]-guanosine 5'-(γ-thio)tri
phosphateの結合促進活性を以下の方法により測定し
た。最初に膜画分の調製法を記載する。1 x 108個のCHO
/SENR細胞に10 mlのホモジネートバッファー(10 mM Na
HCO3, 5 mM EDTA, 0.5 mM PMSF, 1μg/mlpepstatin, 4
μg/ml E64, 20μg/ml leupeptin)を添加し、ポリトロ
ン(12,000rpm、1分間)を用いて破砕した。細胞破砕液
を遠心(1,000 g, 15分間)して上清を得た。次にこの
上清を超遠心分離(Beckman type 30ローター、30,000
rpm,1時間)し、得られた沈殿物をラットSENR発現CHO細
胞膜画分とした。GTPγS結合活性の測定は以下の通りで
ある。ラットSENR発現CHO細胞膜画分を膜希釈緩衝液(5
0 mMトリス塩酸緩衝液(pH 7.4)、5 mM MgCl2、150 mM
NaCl、1μM GDP)で希釈して、タンパク質濃度30μg/m
lのアッセイ用細胞膜画分溶液をつくった。アッセイ用
膜画分溶液200μlに、51.5 nM濃度の[35S]-Guanosine
5'-(γ-thio)triphosphate(NEN社)を2μlと種々の濃
度のウシSENRリガンド(配列番号:21)を2μl添加し、
この混合液を25℃で一時間保温する。混合液をフィルタ
ー濾過し、さらにフィルター洗浄用バッファー(50 mM
トリス塩酸緩衝液(pH7.4)、5 mM MgCl2、1 mM EDTA、
0.1% BSA)1.5 mlで2回洗浄した後、フィルターの放射
活性を液体シンチレーションカウンターで測定した。ウ
シSENRリガンドは、用量依存的に、膜画分に結合する[
35S]-guanosine 5'-(γ-thio)triphosphate量を増大さ
せた。また、同様の活性はブタSENRリガンド(配列番
号:7および8)あるいはヒトSENRリガンド(ヒトuroten
sin II)(配列番号:22)を使用しても確認された。
【0078】実施例24 ヒトSENRリガンドが誘起する
ヒトSENR発現CHO細胞膜画分へのGTPγS結合活性の測定 ヒトSENRリガンド(ヒトurotensin II)(配列番号:2
2)の ヒトSENR発現CHO細胞膜画分に対する [35
S]−guanosine 5’−(γ-thio)triphosp
hateの結合促進活性を以下の方法により測定した。最初
に膜画分の調製法を記載する。1 x 108個のCHO/hSENR細
胞に10 mlのホモジネートバッファー(10 mM NaHCO3, 5
mM EDTA,0.5 mM PMSF, 1μg/ml pepstatin, 4μg/ml E
64, 20μg/ml leupeptin)を添加し、ポリトロン(12,0
00 rpm、1分間)を用いて破砕した。細胞破砕液を遠心
(1,000 g, 15分間)して上清を得た。次にこの上清を
超遠心分離(Beckman type 30ローター、30,000 rpm, 1
時間)し、得られた沈殿物をヒトSENR発現CHO細胞膜画
分とした。GTPγS結合活性の測定は以下の通りである。
ヒトSENR発現CHO細胞膜画分を膜希釈緩衝液(50 mMトリ
ス塩酸緩衝液(pH 7.4)、5 mM MgCl2、150 mM NaCl、1
μM GDP)で希釈して、タンパク質濃度30μg/mlのアッ
セイ用細胞膜画分溶液をつくった。アッセイ用膜画分溶
液200μlに、51.5 nM濃度の[35S]-Guanosine 5'-(γ-th
io)triphosphate(NEN社)を2μlと種々の濃度のヒトSE
NRリガンド(配列番号:22)を2μl添加し、この混合液
を25℃で一時間保温した。混合液をフィルター濾過し、
さらにフィルター洗浄用バッファー(50 mMトリス塩酸
緩衝液(pH7.4)、5 mM MgCl2、1 mM EDTA、0.1% BSA)
1.5 mlで2回洗浄した後、フィルターの放射活性を液体
シンチレーションカウンターで測定した。ヒトSENRリガ
ンドは、用量依存的に、膜画分に結合する[35S]-guanos
ine 5'-(γ-thio)triphosphate量を増大させた。また、
同様の活性はブタSENRリガンド(配列番号:7および8)
あるいはウシSENRリガンド(配列番号:21)を使用して
も確認された。
【0079】実施例25 アイソトープ標識ウシSENRリ
ガンドの作製 結合阻害実験に使用するためのアイソトープ標識ウシSE
NRリガンドを以下のようにして作製した。ウシSENRリガ
ンド(配列番号:21)5μgを25μlの0.4 M酢酸ナトリウ
ム(pH 5.6)に溶解し、これに200 ngのラクトパーオキ
シダーゼ(和光純薬製)を加えた後、1 mCiの[125I]-ヨ
ウ化ナトリウム(アマシャムファルマシアバイオテク
社)および200 ngの過酸化水素(10μl)を加えた。室
温で10分間静置した後、さらに200 ngの過酸化水素(10
μl)を加えて10分間静置した。これをTSKgel ODS-80TS
カラム(4.6 mm x 25 cm、トーソー)を用いたHPLCによ
って精製し、[125I]標識ウシSENRリガンドを得た。同様
にして、ブタSENRリガンド(配列番号:7および8)ある
いはヒトSENRリガンド(配列番号:22)の[125I]標識体
を作製した。
【0080】実施例26 アイソトープ標識ウシSENRリ
ガンドとCHO/SENR細胞を使用した結合阻害実験 実施例25で作製した[125I]標識ウシSENRリガンドとラッ
トSENR発現CHO細胞を使用した結合阻害実験の方法を以
下に示す。CHO/SENR細胞を24穴プレートに5 x104 cell/
wellで播種して48時間培養し、その後細胞を0.05% BSA
を含むMEMα培地0.5mlで洗った(以下0.05% BSAを含むM
EMα培地を反応用バッファーと呼ぶ)。総結合を調べる
ために200 pM [125I]標識ウシSENRリガンドを含む反応
用バッファー、非特異的結合を調べるために200 pM [
125I]標識ウシSENRリガンドと1μM非アイソトープ標識
ウシSENRリガンドを含む反応用バッファー、さらにSENR
受容体に対する結合活性を調べる試料と200 pM [125I]
標識ウシSENRリガンドを含む反応用バッファー、各0.5
mlをそれぞれ細胞に添加し、室温で30分間反応させた。
細胞を反応用バッファーで洗浄した後、0.5 N NaOHを0.
2 ml添加して細胞を溶解し、溶解物の放射活性をガンマ
カウンターにより測定した。特異的結合は、総結合から
非特異的結合を減じた値である。被験試料のラットSENR
受容体結合活性は、総結合から試料を加えた細胞溶解物
の放射活性を減じた値の特異的結合に対する比率で示さ
れる。
【0081】実施例27 アイソトープ標識ヒトSENRリ
ガンドとCHO/hSENR細胞を使用した結合阻害実験 実施例25と同様にしてヒトSENRリガンド(配列番号:2
2)を[125I]標識して作製した[125I]標識ヒトSENRリガ
ンドとヒトSENR発現CHO細胞を使用した結合阻害実験の
方法を以下に示す。 CHO/hSENR細胞を24穴プレートに5
x 104 cell/wellで播種して48時間培養し、その後細胞
を0.05% BSAを含むMEMα培地0.5mlで洗った(以下0.05%
BSAを含むMEMα培地を反応用バッファーと呼ぶ)。総
結合を調べるために150 pM [125I]標識ヒトSENRリガン
ドを含む反応用バッファー、非特異的結合を調べるため
に150 pM [125I]標識ヒトSENRリガンドと1μM非アイソ
トープ標識ヒトSENRリガンドを含む反応用バッファー、
さらにヒトSENR受容体に対する結合活性を調べる試料と
150 M [125I]標識ヒトSENRリガンドを含む反応用バッフ
ァー、各0.5 mlをそれぞれ細胞に添加し、室温で30分間
反応させた。細胞を反応用バッファーで洗浄した後、0.
5 N NaOHを0.2 ml添加して細胞を溶解し、溶解物の放射
活性をガンマカウンターにより測定した。特異的結合
は、総結合から非特異的結合を減じた値である。被験試
料のヒトSENR受容体結合活性は、総結合から試料を加え
た細胞溶解物の放射活性を減じた値の特異的結合に対す
る比率で示される。
【0082】実施例28 アイソトープ標識ウシSENRリ
ガンドとCHO/SENR細胞膜画分を使用した結合阻害実験 実施例25で作製した[125I]標識ウシSENRリガンドとラッ
トSENR発現CHO細胞の膜画分を使用した結合阻害実験の
方法を以下に示す。実施例23に記載した、CHO/SENR細胞
から調製した膜画分を膜希釈緩衝液(50 mMトリス塩酸
緩衝液(pH 7.4)、5 mM MgCl2、0.1% BSA、5 mM EDT
A、0.5 mM PMSF、1μg/ml pepstatin、4μg/ml E64、20
μg/ml leupeptin)で希釈して、タンパク質濃度4μg/m
lのアッセイ用細胞膜画分溶液をつくった。アッセイ用
膜画分溶液100μlに、総結合を調べるために200 pM [
125I]標識ウシSENRリガンドを含む膜希釈緩衝液、非特
異的結合を調べるために200 pM [125I]標識ウシSENRリ
ガンドと2μM非アイソトープ標識ウシSENRリガンドを含
む膜希釈緩衝液、さらにラットSENR受容体に対する結合
活性を調べる試料と200 pM [125I]標識ウシSENRリガン
ドを含む膜希釈緩衝液、各100μlをそれぞれ添加して室
温で60分間反応させた。混合液をフィルター濾過し、さ
らにフィルターを膜希釈緩衝液1.5 mlで2回洗浄した
後、フィルターの放射活性をガンマカウンターにより測
定した。特異的結合は、総結合から非特異的結合を減じ
た値である。被験試料のラットSENR受容体結合活性は、
総結合から試料を加えた細胞膜画分の放射活性を減じた
値の特異的結合に対する比率で示される。図12に種々の
濃度のウシSENRリガンドの結合活性を示した。
【0083】実施例29 アイソトープ標識ヒトSENRリ
ガンドとCHO/hSENR細胞膜画分を使用した結合阻害実験 実施例25と同様にしてヒトSENRリガンド(配列番号:2
2)を[125I]標識して作製した[125I]標識ヒトSENRリガ
ンドとヒトSENR発現CHO細胞の膜画分を使用した結合阻
害実験の方法を以下に示す。実施例24に記載した、CHO/
hSENR細胞から調製した膜画分を膜希釈緩衝液(50 mMト
リス塩酸緩衝液(pH 7.4)、5 mM MgCl2、0.1% BSA、5
mM EDTA、0.5 mM PMSF、1μg/ml pepstatin、4μg/ml E
64、20μg/ml leupeptin)で希釈して、タンパク質濃度
60μg/mlのアッセイ用細胞膜画分溶液をつくった。アッ
セイ用膜画分溶液100μlに、総結合を調べるために150
pM[125I]標識ヒトSENRリガンドを含む膜希釈緩衝液、非
特異的結合を調べるために150 pM [125I]標識ヒトSENR
リガンドと2μM非アイソトープ標識ヒトSENRリガンドを
含む膜希釈緩衝液、さらにヒトSENR受容体に対する結合
活性を調べる試料と150 pM [125I]標識ヒトSENRリガン
ドを含む膜希釈緩衝液、各100μlをそれぞれ添加して室
温で60分間反応させた。混合液をフィルター濾過し、さ
らにフィルターを膜希釈緩衝液1.5 mlで2回洗浄した
後、フィルターの放射活性をガンマカウンターにより測
定した。特異的結合は、総結合から非特異的結合を減じ
た値である。被験試料のヒトSENR受容体結合活性は、総
結合から試料を加えた細胞膜画分の放射活性を減じた値
の特異的結合に対する比率で示される。図13に種々の濃
度のヒトSENRリガンドの結合活性を示した。
【0084】実施例30 合成ウシSENRリガンドのラッ
トSENR発現CHO細胞に対するcAMP合成抑制活性 実施例14で合成したウシSENRリガンド(配列番号:21)
が示すラットSENR発現CHO細胞に対するcAMP合成抑制活
性を以下に示す方法で測定した。CHO/SENR細胞を24穴プ
レートに5 x 104 cell/wellで播種し、48時間培養し
た。細胞を0.2 mM3−イソブチル−メチルキサンチンと
0.05% BSAと20 mM HEPESを含むハンクスバッファー(pH
7.4)で洗浄した(以下、0.2 mM 3−イソブチル−メチ
ルキサンチンと0.05% BSAと20 mM HEPESを含むハンクス
バッファー(pH 7.4)を、反応用バッファーと呼ぶ)。そ
の後0.5 mlの反応用バッファーを加えて30分間培養器で
保温した。反応用バッファーを除き、新たに0.25 mlの
反応用バッファーを細胞に加えた後、種々の量のウシSE
NRリガンドと2μMフォルスコリンを含む0.25 mlの反応
用バッファーを細胞に加え、37℃で24分間反応させた。
100μlの20%過塩素酸を加えて反応を停止させ、次に氷
上で1時間置くことにより細胞内cAMPを抽出した。抽出
液中のcAMP量は、cAMP EIAキット(アマシャムファルマ
シアバイオテク)を用いて測定した。その結果、ウシSE
NRリガンドは0.3 nMの濃度で明らかに細胞内cAMP量を低
下させ、さらにペプチド濃度を増やすと容量依存的に細
胞内cAMP量は減少した。また、同様の活性はブタSENRリ
ガンドおよび(配列番号:7および8)あるいはヒト
SENRリガンド(ヒトurotensin II)(配列番号:22)を
使用しても確認された。
【0085】実施例31 合成ヒトSENRリガンドのヒト
SENR発現CHO細胞に対するcAMP合成抑制活性 実施例15で合成したヒトSENRリガンド(ヒトurotensin
II)(配列番号:22)が示すヒトSENR発現CHO細胞に対
するcAMP合成抑制活性を以下に示す方法で測定した。CH
O/hSENR細胞を24穴プレートに5 x 104 cell/wellで播種
し、48時間培養した。細胞を0.2 mM 3−イソブチル−
メチルキサンチンと0.05% BSAと20 mM HEPESを含むハ
ンクスバッファー(pH 7.4)で洗浄した(以下、0.2 mM
3−イソブチル−メチルキサンチンと0.05% BSAと20 mM
HEPESを含むハンクスバッファー(pH 7.4)を、反応用バ
ッファーと呼ぶ)。その後0.5 mlの反応用バッファーを
加えて30分間培養器で保温した。反応用バッファーを除
き、新たに0.25 mlの反応用バッファーを細胞に加えた
後、種々の量のヒトSENRリガンドと2μMフォルスコリン
を含む0.25 mlの反応用バッファーを細胞に加え、37℃
で24分間反応させた。100μlの20%過塩素酸を加えて反
応を停止させ、次に氷上で1時間置くことにより細胞内
cAMPを抽出した。抽出液中のcAMP量は、cAMP EIAキット
(アマシャムファルマシアバイオテク)を用いて測定し
た。その結果、ヒトSENRリガンドは0.3 nMの濃度で明ら
かに細胞内cAMP量を低下させ、さらにペプチド濃度を増
やすと容量依存的に細胞内cAMP量は減少した。また、同
様の活性はブタSENRリガンドおよび(配列番号:7
および8)あるいはウシSENRリガンド(配列番号:21)
を使用しても確認された。
【0086】実施例32 PCR法によるウシSENRリガン
ド前駆体タンパク質の部分配列の決定 ウシゲノムDNA(クロンテック社)を鋳型に、配列番号:
10および配列番号:11で表されるプライマーを用い
てPCR反応を行なった。反応液の組成は、合成プライマ
ーは配列番号:10で表されるプライマーが5μM、配列
番号:11で表されるプライマーが1μM、鋳型DNA 50 n
g、0.2 mM dNTPs、2.5 mM MgCl2、AmpliTaq Gold DNA p
olymerase (パーキンエルマー社) 0.4μlおよび10倍濃
縮のAmpliTaq Gold buffer 1/10量で総反応液量は40μl
とした。増幅のためのサイクルは、サーマルサイクラー
(パーキンエルマー社)を用い、95℃で9分保温した
後、94℃・15秒、60℃・20秒、72℃・20秒のサイクルを
4回、94℃・15秒、52.5℃・20秒、72℃・20秒のサイク
ルを6回、94℃・20秒、52.5℃・20秒、72℃・20秒のサ
イクルを6回、94℃・20秒、50℃・20秒、72℃・20秒の
サイクルを8回、94℃・15秒、48℃・20秒、72℃・20秒
のサイクルを30回繰り返した後、72℃で7分保温した。
得られた反応液2μlをTOPO TA cloning kit (インビト
ロジェン社)を用いてプラスミドベクターpcr 2.1へサブ
クローニングし、大腸菌TOP10へ導入した。生じた形質
転換体からQIA prep8 mini prep(キアゲン社)を用いて
プラスミドDNAを精製した。塩基配列決定のための反応
はDyeDeoxy Terminator Cycle SequenceKit(パーキン
エルマー社)を用いて行ない、蛍光式自動シーケンサー
を用いて解読した。その結果、PCR産物として、ブタSEN
Rリガンド前駆体の配列と類似することからウシSENRリ
ガンド前駆体の一部をコードすると考えられる配列番
号:20が得られた。
【0087】実施例33 ウシ全脳cDNAの調製 ウシ全脳poly (A)+RNA (クロンテック社)1.0μgか
ら、ThermoScript逆転写酵素(ギブコ BRL社)を用い、マ
ニュアルにしたがってoligo (dT)プライマーを用いて60
℃で逆転写を行ない、cDNAを作成した。このcDNAについ
てMarathon cDNAamplification kit (クロンテック社)
のマニュアルに従って第二ストランドの合成およびアダ
プター配列の付加を行なった。
【0088】実施例34 5'-RACE法によるウシSENRリ
ガンド前駆体タンパク質をコードする遺伝子の5'側の配
列の取得 実施例33で得た2本鎖cDNA調製液の4 ng mRNA相当分を
鋳型にし、Marathon cDNA amplification kit (クロン
テック社)に付属のアダプタープライマーAP1および配列
番号:31で表されるプライマーを用いてPCRを行なっ
た。反応液の組成は、合成プライマーは配列番号:31
で表されるプライマーが0.5μM、AP1が0.2μM、0.2 mM
dNTPs、2.5 mM MgCl2、AmpliTaq Gold DNA polymerase
(パーキンエルマー社) 0.2μlおよび10倍濃縮のAmpliT
aq Gold buffer 1/10量で総反応液量は20μlとした。増
幅のためのサイクルは、サーマルサイクラー(パーキン
エルマー社)を用い、95℃で9分保温した後、95℃・10
秒、68℃・1分のサイクルを40回繰り返した。この反応
液の0.04μl相当分を鋳型にし、アダプタープライマーA
P1をAP2、配列番号:31で表されるプライマーを配列
番号:32で表されるプライマーに置き換えてPCRを行
なった。反応液の組成は、合成プライマーは配列番号:
32で表されるプライマーが0.5μM、AP2が0.2μM、0.2
mM dNTPs、2.5 mM MgCl2、AmpliTaq Gold DNA polymer
ase (パーキンエルマー社) 0.2μlおよび10倍濃縮のAm
pliTaq Gold buffer 1/10量で総反応液量は20μlとし
た。増幅のためのサイクルは、サーマルサイクラー(パ
ーキンエルマー社)を用い、95℃・9分保温した後、95
℃・10秒、66℃・1分のサイクルを40回繰り返した後、7
2℃・10分保温した。PCR反応液を3.5% Nusieve GTG Aga
rose(宝酒造)を用いて電気泳動してエチジウムブロマ
イドによる染色によって検出される420 bp付近のバンド
からGeneClean Spin kit (バイオ101社)によってDNA
を抽出し、TOPO TA cloning kit(インビトロジェン
社)を用いてプラスミドpcr 2.1にサブクローニングを
行なって大腸菌TOPO10へ導入した。生じた形質転換体か
らQIA prep8 miniprep kit(キアゲン社)を用いてプラ
スミドDNAを精製した。塩基配列決定のための反応はDye
Deoxy Terminator Cycle Sequence kit(パーキンエル
マー社)を用いて行ない、蛍光式自動シーケンサーを用
いて解読したところ、配列番号:33に示す配列が得ら
れた。
【0089】実施例35 3'-RACE法によるウシSENRリ
ガンド前駆体タンパク質をコードする遺伝子の3'側の配
列の取得 実施例33で得た2本鎖cDNA調製液の4 ng mRNA相当分を
鋳型にし、Marathon cDNA amplification kit (クロン
テック社)に付属のアダプタープライマーAP1および配列
番号:34で表されるプライマーを用いてPCRを行なっ
た。反応液の組成は、合成プライマーは配列番号:34
で表されるプライマーが0.2μM、AP1が0.2μM、0.2 mM
dNTPs、2.5 mM MgCl2、AmpliTaq Gold DNA polymerase
(パーキンエルマー社) 0.2μlおよび10倍濃縮のAmpliT
aq Gold buffer 1/10量で総反応液量は20μlとした。増
幅のためのサイクルは、サーマルサイクラー(パーキン
エルマー社)を用い、95℃で9分保温した後、95℃・10
秒、68℃・1分のサイクルを40回繰り返した。この反応
液の0.04μl相当分を鋳型にし、アダプタープライマーA
P1をAP2、配列番号:34で表されるプライマーを配列
番号:35で表されるプライマーに置き換えてPCRを行
なった。反応液の組成は、合成プライマーは配列番号:
35で表されるプライマーが0.2μM、AP2が0.2μM、0.2
mM dNTPs、2.5 mM MgCl2、AmpliTaq Gold DNA polymer
ase (パーキンエルマー社) 0.2μlおよび10倍濃縮のAm
pliTaq Gold buffer 1/10量で総反応液量は20μlとし
た。増幅のためのサイクルは、サーマルサイクラー(パ
ーキンエルマー社)を用い、95℃・9分保温した後、95
℃・10秒、66℃・1分のサイクルを40回繰り返した後、7
2℃・10分保温した。PCR反応液を3.5% Nusieve GTG Aga
rose(宝酒造)を用いて電気泳動してエチジウムブロマ
イドによる染色によって検出される300 bp付近のバンド
からGeneClean Spin kit (バイオ101社)によってDNA
を抽出し、TOPO TA cloning kit(インビトロジェン
社)を用いてプラスミドpcr 2.1にサブクローニングを
行なって大腸菌TOPO10へ導入した。生じた形質転換体か
らQIA prep8 miniprep kit(キアゲン社)を用いてプラ
スミドDNAを精製した。塩基配列決定のための反応はDye
Deoxy Terminator Cycle Sequence kit(パーキンエル
マー社)を用いて行ない、蛍光式自動シーケンサーを用
いて解読したところ、配列番号:36に示す配列が得ら
れた。
【0090】実施例36 ウシSENRリガンド前駆体タン
パク質をコードする遺伝子の全長配列の取得 実施例34および実施例35に述べたようにしてRACE法
を用いて得られた5'末端側および3'末端側の配列情報か
ら予想されるウシSENRリガンド前駆体タンパク質をコー
ドするcDNAの全長を含む配列を得るため、実施例33で
得られた二本鎖cDNA調製液の4 ng mRNA相当分を鋳型と
し、配列番号:37および配列番号:38で表されるプ
ライマーを用いてPCRを行なった。反応液の組成は、プ
ライマー濃度をともに0.5μMとし、0.2 mM dNTPs、2.5
mM MgCl2、AmpliTaq Gold DNA polymerase (パーキンエ
ルマー社) 0.2μlおよび10倍濃縮のAmpliTaq Gold buf
fer1/10量で総反応液量は20μlとした。増幅のためのサ
イクルは、サーマルサイクラー(パーキンエルマー社)
を用い、95℃で9分保温した後、95℃・10秒、62℃・20
秒、72℃・1分のサイクルを40回繰り返した後、72℃で1
0分保温した。PCR反応液を3.5% Nusieve GTG Agarose
(宝酒造)を用いて電気泳動してエチジウムブロマイド
による染色によって検出される490 bp付近のバンドから
GeneClean Spinkit (バイオ101社)によってDNAを抽出
し、TOPO TA cloning kit(インビトロジェン社)を用
いてプラスミドpcr 2.1にサブクローニングを行なって
大腸菌TOPO10へ導入した。生じた形質転換体からQIA pr
ep8 mini prep kit(キアゲン社)を用いてプラスミドD
NAを精製した。塩基配列決定のための反応はDyeDeoxy T
erminator Cycle Sequence kit(パーキンエルマー社)
を用いて行ない、蛍光式自動シーケンサーを用いて解読
したところ、配列番号:30に示す配列が得られた。こ
の配列にはウシSENRリガンド前駆体の全長が含まれてい
たのでこのplasmidで大腸菌TOP10を形質転換してEscher
ichia coli TOP10/pCR-buroを得た。配列番号:30か
ら翻訳されるウシSENRリガンド前駆体タンパク質のアミ
ノ酸配列を配列番号:29に示す。また、ウシSENRリガ
ンド前駆体タンパク質のアミノ酸配列から予想されるウ
シSENRリガンドのアミノ酸配列を配列番号:21に、そ
れをコードするDNAの塩基配列を配列番号:28にそれ
ぞれ示す。また、ウシSENRリガンド前駆体タンパク質の
全塩基配列およびアミノ酸配列を図14に示す。
【0091】実施例37 SENRリガンドポリペプチドに
対する抗体の作製 ブタ、ウシおよびヒトSENRリガンドポリペプチドとC末
端側の構造(Cys-Phe-Trp-Lys-Tyr-Cys-Val)が一致す
るハゼ(long-jawed mudsucker, Gillichthys mirabili
s)ウロテンシンII(配列番号:39)を抗原としてSENR
リガンドポリペプチドのC末側を認識する抗体を作製し
た。1 mgのハゼウロテンシンIIペプチドと4mgのBTG (bo
vine thyroglobulin)を、30 mgのECDI (1-ethyl-3-(3-d
imethylaminopropyl)carbodiimide、同仁化学)により結
合させ、ハゼウロテンシンII−キャリアタンパク複合体
を作製した。ハゼウロテンシンII−キャリアタンパク複
合体を0.15 M NaCl水溶液に対して透析した後、透析内
液とフロイントの完全アジュバントを混ぜ、これを抗原
として1頭当たりハゼウロテンシンII 20μg相当をBalb/
cマウス(雌、6〜8週令)に初回免役した。初回免疫か
ら3週間後、複合体とフロイントの不完全アジュバント
を混ぜ、これを抗原として2回目の免疫をした。抗体価
が上昇するまで、2週間おきに複合体とフロイントの不
完全アジュバント混合物を免疫した。抗体価の測定は、
ビオチン化ハゼウロテンシンIIペプチドを利用した酵素
免疫測定法で行なった。ビオチン化ハゼウロテンシンII
ペプチド([N-biotinyl-Ala1]-urotensin II)は、NHS-
biotin (N-hydroxysuccinimidobiotin)とハゼウロテン
シンIIペプチドの反応物をHPLC分取することで得た。得
られたN末端ラベル体のビオチン化ハゼウロテンシンII
ペプチドの構造は、質量分析とアミノ末端配列分析にお
いてN末が検出できないことにより確定した。酵素免疫
測定法は以下の通り。抗マウスIgGヒツジIgG画分溶液を
コートした96穴イムノプレートをブロックエース(大日
本製薬)でブロックした後、段階希釈した免疫マウス血
清とビオチン化ハゼウロテンシンIIペプチドをウェル内
で4℃にて16時間反応させた。次にウェルを洗浄後、パ
ーオキシダーゼ標識ストレプトアビジンをウェル内で室
温にて4時間反応させた。最後にウェルを洗浄後、パー
オキシダーゼ基質をウェルに加え、基質の発色を96穴マ
ルチフォトメーターで測定した。基質の発色が認められ
たウェルに添加した血清を抗体価が上昇していると判断
した。ここで検出される抗体はN末端ラベル体のビオチ
ン化ハゼウロテンシンIIと結合することからこのペプチ
ドのC末端側の構造を認識するものと考えられる。こう
した血清に含まれる抗体がブタ、ウシおよびヒトSENRリ
ガンドポリペプチドを認識していることは、上記の酵素
免疫測定法においてこれらのペプチドをウェルに添加す
ることによってビオチン化ハゼウロテンシンIIペプチド
と抗体との結合が阻害され、その結果、発色が阻害され
ることによって確認した。
【0092】(配列表フリーテキスト) 配列番号:7 配列に関する他の情報:第6番目および第11番目の2
つのCys残基は分子内ジスルフィド結合を形成してい
る。 配列番号:8 配列に関する他の情報:第6番目および第11番目の2
つのCys残基は分子内ジスルフィド結合を形成してい
る。 配列番号:21 配列に関する他の情報:第6番目および第11番目の2
つのCys残基は分子内ジスルフィド結合を形成してい
る。 配列番号:22 配列に関する他の情報:第5番目および第10番目の2
つのCys残基は分子内ジスルフィド結合を形成してい
る。 配列番号:39 配列に関する他の情報:第5番目および第11番目の2
つのCys残基は分子内ジスルフィド結合を形成してい
る。
【0093】
【発明の効果】本発明のポリペプチドをコードするDN
Aまたは本発明のポリペプチドは、本発明のポリペプ
チドの有する生理作用の探索、合成オリゴヌクレオチ
ドプローブあるいはPCRのプライマーの作成、SE
NRのリガンドや前駆体タンパク質をコードするDNA
の入手、組換え型レセプタータンパク質の発現系を用
いたレセプター結合アッセイ系の開発と医薬品候補化合
物のスクリーニング、抗体および抗血清の入手、D
NA、RNA、抗体または抗血清を用いた診断薬の開
発、中枢神経機能調節剤、循環機能調節剤、心臓機能
調節剤、腎臓機能調節剤、泌尿器機能調節剤、感覚器官
機能調節剤などの医薬の開発、遺伝子治療等に用いる
ことができる。
【0094】
【配列表】 [Sequence Listing] <110> Takeda Chemical Industries, Ltd. <120> Polypeptide, Its Production and Use <130> A99268 <150> JP 10-338984 <151> 1998-11-30 <150> JP 11-026848 <151> 1999-02-04 <150> JP 11-239367 <151> 1999-08-26 <160> 39 <210> 1 <211> 32 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> <400> 1 GTCGACATGG CTCTGAGCCT GGAGTCTACA AC 32 <210> 2 <211> 32 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> <400> 2 ACTAGTATTG CACAGTGCAC TCTCAGAGAA GG 32 <210> 3 <211> 1189 <212> DNA <213> Rat <400> 3 GTCGACATGG CTCTGAGCCT GGAGTCTACA ACAAGCTTTC ATATGCTCAC CGTGTCCGGA 60 AGCACTGTGA CTGAGCTGCC TGGTGACTCC AACGTGTCCC TCAACAGTTC CTGGTCCGGC 120 CCAACAGATC CCAGCTCCCT GAAAGACCTT GTGGCCACGG GTGTCATCGG GGCAGTGCTC 180 TCAGCCATGG GTGTGGTGGG CATGGTGGGA AATGTATACA CTTTGGTGGT CATGTGCCGG 240 TTTCTGCGTG CCTCGGCCTC CATGTACGTC TATGTGGTCA ACCTAGCGCT GGCTGATCTG 300 CTGTACCTGC TGAGCATTCC CTTCATCATA GCCACCTACG TCACTAAGGA CTGGCACTTT 360 GGAGATGTGG GCTGCAGAGT CCTCTTTAGC CTGGACTTCC TGACAATGCA CGCCAGCATC 420 TTCACCCTGA CCATAATGAG CAGCGAACGC TATGCAGCCG TACTGAGGCC TCTGGACACA 480 GTCCAGCGCT CCAAGGGTTA CCGTAAGCTG CTGGTGCTGG GCACCTGGTT GCTGGCACTG 540 CTGCTGACCC TACCCATGAT GCTTGCCATC CAGCTGGTCC GCAGGGGCTC TAAGAGCCTC 600 TGCCTGCCAG CCTGGGGCCC TCGTGCCCAC CGTACTTACC TAACGTTGCT CTTTGGGACC 660 AGCATTGTGG GGCCTGGCTT GGTCATTGGG CTGCTCTATG TCCGTCTGGC CAGGGCCTAC 720 TGGCTATCTC AGCAAGCTTC TTTCAAGCAG ACACGGCGGC TGCCCAACCC CAGGGTGCTC 780 TACCTCATCC TTGGTATCGT CCTTCTCTTC TGGGCCTGCT TTCTACCCTT CTGGCTGTGG 840 CAGCTGCTGG CCCAGTACCA CGAGGCCATG CCACTGACTC CCGAGACTGC ACGCATTGTC 900 AACTACCTGA CCACCTGCCT CACTTATGGC AACAGTTGCA TCAATCCCTT CCTCTACACT 960 CTGCTCACCA AGAACTATCG AGAGTACCTA CGTGGCCGCC AGCGGTCACT GGGTAGTAGT 1020 TGCCACAGCC CAGGGAGTCC TGGCAGCTTC CTGCCCAGCC GAGTCCACCT CCAGCAGGAC 1080 TCGGGCCGCT CGCTGTCCTC CAGCAGCCAA CAGGCCACAG AGACCCTCAT GCTGTCTCCA 1140 GTCCCCCGTA ACGGGGCCCT TCTCTGAGAG TGCACTGTGC AATACTAGT 1189 <210> 4 <211> 326 <212> RNA <213> Unknown <220> <223> <400> 4 CAAAAGCUGG AGCUCCACCG CGGUGGCGGC CGCUCUAACU AGUAUUGCAC AGUGCACUCU 60 CAGAGAAGGG CCCCGUUACG GGGGACUGGA GACAGCAUGA GGGUCUCUGU GGCCUGUUGG 120 CUGCUGGAGG ACAGCGAGCG GCCCGAGUCC UGCUGGAGGU GGACUCGGCU GGGCAGGAAG 180 CUGCCAGGAC UCCCUGGGCU GUGGCAACUA CUACCCAGUG ACCGCUGGCG GCCACGUAGG 240 UACUCUCGAU AGUUCUUGGU GAGCAGAGUG UAGAGGAAGG GAUUGAUGCA ACUGUUGCCA 300 UAAGUGAGGC AGGUGGUCAG GUAGUU 326 <210> 5 <211> 12 <212> PRT <213> Pig <220> <221> <223> <400> 5 Gly Pro Thr Ser Glu Xaa Phe Trp Lys Tyr Xaa Val 1 5 10 12 <210> 6 <211> 12 <212> PRT <213> Pig <220> <221> <223> <400> 6 Gly Pro Pro Ser Glu Xaa Phe Trp Lys Tyr Xaa Val 1 5 10 12 <210> 7 <211> 12 <212> PRT <213> Pig <223> The 6th cystein residue binds with the 11th cystein residue to for m a intra-molecular disulfide-bond. <400> 7 Gly Pro Thr Ser Glu Cys Phe Trp Lys Tyr Cys Val 1 5 10 12 <210> 8 <211> 12 <212> PRT <213> Pig <223> The 6th cystein residue binds with the 11th cystein residue to for m a intra-molecular disulfide-bond. <400> 8 Gly Pro Pro Ser Glu Cys Phe Trp Lys Tyr Cys Val 1 5 10 12 <210> 9 <211> 386 <212> PRT <213> Pig <400> 9 Met Ala Leu Ser Leu Glu Ser Thr Thr Ser Phe His Met Leu Thr Val 1 5 10 15 Ser Gly Ser Thr Val Thr Glu Leu Pro Glu Asp Ser Asn Val Ser Leu 20 25 30 Asn Ser Ser Trp Ser Gly Pro Thr Asp Pro Ser Ser Leu Lys Asp Leu 35 40 45 Val Ala Thr Gly Val Ile Gly Ala Val Leu Ser Ala Met Gly Val Val 50 55 60 Gly Met Val Gly Asn Val Tyr Thr Leu Val Val Met Cys Arg Phe Leu 65 70 75 80 Arg Ala Ser Ala Ser Met Tyr Val Tyr Val Val Asn Leu Ala Leu Ala 85 90 95 Asp Leu Leu Tyr Leu Leu Ser Ile Pro Phe Ile Ile Ala Thr Tyr Val 100 105 110 Thr Lys Asp Trp His Phe Gly Asp Val Gly Cys Arg Val Leu Phe Ser 115 120 125 Leu Asp Phe Leu Thr Met His Ala Ser Ile Phe Thr Leu Thr Ile Met 130 135 140 Ser Ser Glu Arg Tyr Ala Ala Val Leu Arg Pro Leu Asp Thr Val Gln 145 150 155 160 Arg Ser Lys Gly Tyr Arg Lys Leu Leu Val Leu Gly Thr Trp Leu Leu 165 170 175 Ala Leu Leu Leu Thr Leu Pro Met Met Leu Ala Ile Gln Leu Val Arg 180 185 190 Arg Gly Ser Lys Ser Leu Cys Leu Pro Ala Trp Gly Pro Arg Ala His 195 200 205 Arg Thr Tyr Leu Thr Leu Leu Phe Gly Thr Ser Ile Val Gly Pro Gly 210 215 220 Leu Val Ile Gly Leu Leu Tyr Val Arg Leu Ala Arg Ala Tyr Trp Leu 225 230 235 240 Ser Gln Gln Ala Ser Phe Lys Gln Thr Arg Arg Leu Pro Asn Pro Arg 245 250 255 Val Leu Tyr Leu Ile Leu Gly Ile Val Leu Leu Phe Trp Ala Cys Phe 260 265 270 Leu Pro Phe Trp Leu Trp Gln Leu Leu Ala Gln Tyr His Glu Ala Met 275 280 285 Pro Leu Thr Pro Glu Thr Ala Arg Ile Val Asn Tyr Leu Thr Thr Cys 290 295 300 Leu Thr Tyr Gly Asn Ser Cys Ile Asn Pro Leu Leu Tyr Thr Leu Leu 305 310 315 320 Thr Lys Asn Tyr Arg Glu Tyr Leu Arg Gly Arg Gln Arg Ser Leu Gly 325 330 335 Ser Ser Cys His Ser Pro Gly Ser Pro Gly Ser Phe Leu Pro Ser Arg 340 345 350 Val His Leu Gln Gln Asp Ser Gly Arg Ser Leu Ser Ser Ser Ser Gln 355 360 365 Gln Ala Thr Glu Thr Leu Met Leu Ser Pro Val Pro Arg Asn Gly Ala 370 375 380 Leu Leu 385 <210> 10 <211> 20 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> <400> 10 GATTTCTCTG GACAAGATCC 20 <210> 11 <211> 24 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> <400> 11 TCAGACACAG TATTTCCAGA AGCA 24 <210> 12 <211> 70 <212> DNA <213> Pig <400> 12 TAACATTTTT CTGAGTCACC TTTTGGCCAG AATCAAGAAA CCATACAAGA AACGTGGGCC 60 CCCCTCTGAA 70 <210> 13 <211> 44 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> <400> 13 TAACATTTTT CTGAGTCACC TTTTGGCCAG AATCAAGAAA CCAT 44 <210> 14 <211> 46 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> <400> 14 TTCAGAGGGG GGCCCACGTT TCTTGTATGG TTTCTTGATT CTGGCC 46 <210> 15 <211> 638 <212> DNA <213> Pig <220> <223> <400> 15 CGGACCAACA GAAGCCAGGA AGGAAGTGTC CTGCCTCCTG CCAGTCATGT CCAAGCTGGT 60 CCCCTGCTTG CTCCTCCTAG GATGCTTAGG TCTCCTCTTC GCTCTTCCCG TCCCTGACTC 120 CAGGAAAGAG CCCCTGCCCT TCTCAGCACC TGAAGATGTC AGATCAGCTT GGGATGAGCT 180 GGAAAGAGCC TCCCTTCTTC AGATGCTGCC AGAGACGCCA GGTGCAGAGG CAGGAGAGGA 240 TCTCAGGGAA GCAGATGCCG GAATGGACAT TTTTTACCCA AGAGGAGAAA TGAGAAAGGC 300 TTTCTCTGGA CAAGATCCTA ACATTTTTCT GAGTCACCTT TTGGCCAGAA TCAAGAAACC 360 ATACAAGAAA CGTGGGCCCC CCTCTGAATG CTTCTGGAAA TACTGTGTCT GAAGTCACCT 420 CAACAACAAC CATCTTAGAA AATGTAAAAA AAGTGCTTGA CTTGACAGCA GTGCAGATGA 480 AAAACCAGGC AAACCCTACT CTGTTCACTA TTATCTGGAA AATAAACCCT TTGTGTTTGG 540 CCAAAAAAAA AAAAAAAAAA AAAAAAAAAA AAAAAAAAAA AAAAAAAAAA AAAAAAAAAA 600 AAAAAAAAAA AAAAAAAAAA AAAAAAAAAA AAAAAAAA 638 <210> 16 <211> 583 <212> DNA <213> Pig <400> 16 GACCAACAGA AGCCAGGAAG GAAGTGTCCT GCCTCCTGCC AGTCATGTCC AAGCTGGTCC 60 CCTGCTTGCT CCTCCTAGGA TGCTTAGGTC TCCTCTTCGC TCTTCCCGTC CCTGACTCCA 120 GGAAAGAGCC CCTGCCCTTC TCAGCACCTG AAGATGTCAG ATCAGCTTGG GACGAGCTGG 180 AAAGAGCCTC CCTTCTTCAG ATGCTGCCAG AGACGCCAGG TGCAGAGGCA GGAGAGGATC 240 TCAGGGAAGC AGATGCCGGA ATGGACATTT TTTACCCAAG AGGAGAAATG AGAAAGGCTT 300 TCTCTGGACA AGATCCTAAC ATTTTTCTGA GTCACCTTTT GGCCAGAATC AAGAAACCAT 360 ACAAGAAACG TGGGCCCCCC TCTGAATGCT TCTGGAAATA CTGTGTCTGA AGTCACCTCA 420 ACAACAACCA TCTTAGAAAA TGTAAAAAAA GTGCTTGACT TGACAGCAGT GCAGATGAAA 480 AACCAGGCAA ACCCTACTCT GTTCACTATT ATCTGGAAAA TAAACCCTTT GTGTTTGGCA 540 AGTTAAAAAA AAAAAAAAAA AAAAAAAAAA AAAAAAAAAA AAA 583 <210> 17 <211> 522 <212> DNA <213> Pig <400> 17 AGTTGAGGCT TCGGACCAAC AGAAGCCAGG AAGGAAGTGT CCTGCCTCCT GCCAGTCATG 60 TCCAAGCTGG TCCCCTGCTT GCTCCTCCTA GGATGCTTAG GTCTCCTCTT CGCTCTTCCC 120 GTCCCTGACT CCAGGAAAGA GCCCCTGCCC TTCTCAGATG CCGGAATGGA CATTTTTTAC 180 CCAAGAGGAG AAATGAGAAA GGCTTTCTCT GGACAAGATC CTAACATTTT TCTGAGTCAC 240 CTTTTGGCCA GAATCAAGAA ACCATACAAG AAACGTGGGC CCCCCTCTGA ATGCTTCTGG 300 AAATACTGTG TCTGAAGTCA CCTCAACAAC AACCATCTTA GAAAATGTAA AAAAAGTGCT 360 TGACTTGACA GCAGTGCAGA TGAAAAACCA GGCAAACCCT ACTCTGTTCA CTATTATCTG 420 GAAAATAAAC CCTTTGTGTT TGGCAAGTTA AAAAAAAAAA AAAAAAAAAA AAAAAAAAAA 480 AAAAAAAAAA AAAAAAAAAA AAAAAAAAAA AAAAAAAAAA AA 522 <210> 18 <211> 121 <212> PRT <213> Pig <400> 18 Met Ser Lys Leu Val Pro Cys Leu Leu Leu Leu Gly Cys Leu Gly Leu 1 5 10 15 Leu Phe Ala Leu Pro Val Pro Asp Ser Arg Lys Glu Pro Leu Pro Phe 20 25 30 Ser Ala Pro Glu Asp Val Arg Ser Ala Trp Asp Glu Leu Glu Arg Ala 35 40 45 Ser Leu Leu Gln Met Leu Pro Glu Thr Pro Gly Ala Glu Ala Gly Glu 50 55 60 Asp Leu Arg Glu Ala Asp Ala Gly Met Asp Ile Phe Tyr Pro Arg Gly 65 70 75 80 Glu Met Arg Lys Ala Phe Ser Gly Gln Asp Pro Asn Ile Phe Leu Ser 85 90 95 His Leu Leu Ala Arg Ile Lys Lys Pro Tyr Lys Lys Arg Gly Pro Pro 100 105 110 Ser Glu Cys Phe Trp Lys Tyr Cys Val 115 120 <210> 19 <211> 85 <212> PRT <213> Pig <400> 19 Met Ser Lys Leu Val Pro Cys Leu Leu Leu Leu Gly Cys Leu Gly Leu 1 5 10 15 Leu Phe Ala Leu Pro Val Pro Asp Ser Arg Lys Glu Pro Leu Pro Phe 20 25 30 Ser Asp Ala Gly Met Asp Ile Phe Tyr Pro Arg Gly Glu Met Arg Lys 35 40 45 Ala Phe Ser Gly Gln Asp Pro Asn Ile Phe Leu Ser His Leu Leu Ala 50 55 60 Arg Ile Lys Lys Pro Tyr Lys Lys Arg Gly Pro Pro Ser Glu Cys Phe 65 70 75 80 Trp Lys Tyr Cys Val 85 <210> 20 <211> 67 <212> DNA <213> Rat <400> 20 GCTTTTCCTG AGTGACCTTT TGTCCAGAAT TAGGAAACAA TCTAAGAAAC GTGGACCTTC 60 CTCTGAA 67 <210> 21 <211> 12 <212> PRT <213> Rat <223> The 6th cystein residue binds with the 11th cystein residue to for m a intra-molecular disulfide-bond. <400> 21 Gly Pro Ser Ser Glu Cys Phe Trp Lys Tyr Cys Val 1 5 10 12 <210> 22 <211> 11 <212> PRT <213> Human <223> The 5th cystein residue binds with the 10th cystein residue to for m a intra-molecular disulfide-bond. <400> 22 Glu Thr Pro Asp Cys Phe Trp Lys Tyr Cys Val 1 5 10 11 <210> 23 <211> 37 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> <400> 23 TCGTGAGTCG ACCACCATGG CGCTGACCCC CGAGTCC 37 <210> 24 <211> 33 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> <400> 24 GCCTGGACTA GTGCCGCCCC TCCGCGTGCT CAC 33 <210> 25 <211> 1215 <212> DNA <213> Human <400> 25 TCGTGAGTCG ACCACCATGG CGCTGACCCC CGAGTCCCCG AGCAGCTTCC CTGGGCTGGC 60 CGCCACCGGC AGCTCTGTGC CGGAGCCGCC TGGCGGCCCC AACGCAACCC TCAACAGCTC 120 CTGGGCCAGC CCGACCGAGC CCAGCTCCCT GGAGGACCTG GTGGCCACGG GCACCATTGG 180 GACTCTGCTG TCGGCCATGG GCGTGGTGGG CGTGGTGGGC AACGCCTACA CGCTGGTGGT 240 CACCTGCCGC TCCCTGCGTG CGGTGGCCTC CATGTACGTC TACGTGGTCA ACCTGGCGCT 300 GGCCGACCTG CTGTACCTGC TCAGCATCCC CTTCATCGTG GCCACCTACG TCACCAAGGA 360 GTGGCACTTC GGGGACGTGG GCTGCCGCGT GCTCTTCGGC CTGGACTTCC TGACCATGCA 420 CGCCAGCATC TTCACGCTGA CCGTCATGAG CAGCGAGCGC TACGCTGCGG TGCTGCGGCC 480 GCTGGACACC GTGCAGCGCC CCAAGGGCTA CCGCAAGCTG CTGGCGCTGG GCACCTGGCT 540 GCTGGCGCTG CTGCTGACGC TGCCCGTGAT GCTGGCCATG CGGCTGGTGC GCCGGGGTCC 600 CAAGAGCCTG TGCCTGCCCG CCTGGGGCCC GCGCGCCCAC CGCGCCTACC TGACGCTGCT 660 CTTCGCCACC AGCATCGCGG GGCCCGGGCT GCTCATCGGG CTGCTCTACG CGCGCCTGGC 720 CCGCGCCTAC CGCCGCTCGC AGCGCGCCTC CTTCAAGCGG GCCCGGCGGC CGGGGGCGCG 780 CGCGCTGCGC CTGGTGCTGG GCATCGTGCT GCTCTTCTGG GCCTGCTTCC TGCCCTTCTG 840 GCTGTGGCAG CTGCTCGCCC AGTACCACCA GGCCCCGCTG GCGCCGCGGA CGGCGCGCAT 900 CGTCAACTAC CTGACCACCT GCCTCACCTA CGGCAACAGC TGCGCCAACC CCTTCCTCTA 960 CACGCTGCTC ACCAGGAACT ACCGCGACCA CCTGCGCGGC CGCGTGCGGG GCCCGGGCAG 1020 CGGGGGAGGC CGGGGGCCCG TTCCCTCCCT GCAGCCCCGC GCCCGCTTCC AGCGCTGTTC 1080 GGGCCGCTCC CTGTCTTCCT GCAGCCCACA GCCCACTGAC AGCCTCGTGC TGGCCCCAGC 1140 GGCCCCGGCC CGACCTGCCC CCGAGGGTCC CAGGGCCCCG GCGTGAGCAC GCGGAGGGGC 1200 GGCACTAGTC CAGGC 1215 <210> 26 <211> 389 <212> PRT <213> Human <400> 26 Met Ala Leu Thr Pro Glu Ser Pro Ser Ser Phe Pro Gly Leu Ala Ala 1 5 10 15 Thr Gly Ser Ser Val Pro Glu Pro Pro Gly Gly Pro Asn Ala Thr Leu 20 25 30 Asn Ser Ser Trp Ala Ser Pro Thr Glu Pro Ser Ser Leu Glu Asp Leu 35 40 45 Val Ala Thr Gly Thr Ile Gly Thr Leu Leu Ser Ala Met Gly Val Val 50 55 60 Gly Val Val Gly Asn Ala Tyr Thr Leu Val Val Thr Cys Arg Ser Leu 65 70 75 80 Arg Ala Val Ala Ser Met Tyr Val Tyr Val Val Asn Leu Ala Leu Ala 85 90 95 Asp Leu Leu Tyr Leu Leu Ser Ile Pro Phe Ile Val Ala Thr Tyr Val 100 105 110 Thr Lys Glu Trp His Phe Gly Asp Val Gly Cys Arg Val Leu Phe Gly 115 120 125 Leu Asp Phe Leu Thr Met His Ala Ser Ile Phe Thr Leu Thr Val Met 130 135 140 Ser Ser Glu Arg Tyr Ala Ala Val Leu Arg Pro Leu Asp Thr Val Gln 145 150 155 160 Arg Pro Lys Gly Tyr Arg Lys Leu Leu Ala Leu Gly Thr Trp Leu Leu 165 170 175 Ala Leu Leu Leu Thr Leu Pro Val Met Leu Ala Met Arg Leu Val Arg 180 185 190 Arg Gly Pro Lys Ser Leu Cys Leu Pro Ala Trp Gly Pro Arg Ala His 195 200 205 Arg Ala Tyr Leu Thr Leu Leu Phe Ala Thr Ser Ile Ala Gly Pro Gly 210 215 220 Leu Leu Ile Gly Leu Leu Tyr Ala Arg Leu Ala Arg Ala Tyr Arg Arg 225 230 235 240 Ser Gln Arg Ala Ser Phe Lys Arg Ala Arg Arg Pro Gly Ala Arg Ala 245 250 255 Leu Arg Leu Val Leu Gly Ile Val Leu Leu Phe Trp Ala Cys Phe Leu 260 265 270 Pro Phe Trp Leu Trp Gln Leu Leu Ala Gln Tyr His Gln Ala Pro Leu 275 280 285 Ala Pro Arg Thr Ala Arg Ile Val Asn Tyr Leu Thr Thr Cys Leu Thr 290 295 300 Tyr Gly Asn Ser Cys Ala Asn Pro Phe Leu Tyr Thr Leu Leu Thr Arg 305 310 315 320 Asn Tyr Arg Asp His Leu Arg Gly Arg Val Arg Gly Pro Gly Ser Gly 325 330 335 Gly Gly Arg Gly Pro Val Pro Ser Leu Gln Pro Arg Ala Arg Phe Gln 340 345 350 Arg Cys Ser Gly Arg Ser Leu Ser Ser Cys Ser Pro Gln Pro Thr Asp 355 360 365 Ser Leu Val Leu Ala Pro Ala Ala Pro Ala Arg Pro Ala Pro Glu Gly 370 375 380 Pro Arg Ala Pro Ala 385 <210> 27 <211> 36 <212> DNA <213> Pig <400> 27 GGGCCCCCCT CTGAATGCTT CTGGAAATAC TGTGTC 36 <210> 28 <211> 36 <212> DNA <213> Bovine <400> 28 GGACCTTCCT CTGAATGCTT CTGGAAATAC TGTGTC 36 <210> 29 <211> 122 <212> PRT <213> Bovine <400> 29 Met Tyr Lys Leu Val Ser Cys Cys Leu Leu Phe Ile Gly Ser Leu Asn 1 5 10 15 Pro Leu Leu Ser Leu Pro Val Leu Asp Ser Arg Gln Glu Ser Leu Gln 20 25 30 Leu Leu Ala Pro Glu Asp Val Arg Ser Thr Leu Asp Glu Leu Glu Arg 35 40 45 Ala Ser Leu Leu Gln Met Leu Pro Glu Met Ser Gly Ala Glu Thr Gly 50 55 60 Glu Gly Leu Arg Asn Thr Asp Pro Ile Thr Asn Ile Phe Tyr Pro Arg 65 70 75 80 Gly Asn Met Arg Lys Ala Phe Ser Gly Gln Asp Pro Lys Leu Phe Leu 85 90 95 Ser Asp Leu Leu Ser Arg Ile Arg Lys Gln Ser Lys Lys Arg Gly Pro 100 105 110 Ser Ser Glu Cys Phe Trp Lys Tyr Cys Val 115 120 <210> 30 <211> 431 <212> DNA <213> Bovine <400> 30 ATGTATAAGC TGGTCTCCTG CTGTTTGCTT TTCATAGGAT CCTTAAATCC GCTCCTGTCT 60 CTTCCTGTCC TTGACTCCAG GCAAGAGTCC CTGCAGCTCT TAGCACCTGA AGATGTCAGA 120 TCAACTCTGG ATGAGCTGGA AAGAGCGTCT CTTCTGCAGA TGCTGCCAGA GATGTCAGGC 180 GCAGAGACAG GAGAGGGTCT TAGGAACACA GATCCCATTA CCAACATTTT TTACCCAAGA 240 GGAAACATGA GAAAGGCCTT CTCTGGGCAA GATCCTAAGC TTTTCCTGAG TGACCTTTTG 300 TCCAGAATTA GGAAACAATC TAAGAAACGT GGACCTTCCT CTGAATGCTT CTGGAAATAC 360 TGTGTCTGAA GCAAAATGAC CCTCTACTAG TTACCTCCAA GACGACCATC TGAGAAAATG 420 TAAAATAAAG A 431 <210> 31 <211> 23 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> <400> 31 GAAGCATTCA GAGGAAGGTC CAC 23 <210> 32 <211> 29 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> <400> 32 AAGGTCCACG TTTCTTAGAT TGTTTCCTA 29 <210> 33 <211> 415 <212> DNA <213> Bovine <400> 33 CTCTAACACT GGACTCTACC CCCGAGAAGG AGCAAGTTGG AAGAAGCTAA GAAGGAAGAC 60 TTCTATCTCC TGCCAATCAT GTATAAGCTG GTCTCCTGCT GTTTGCTTTT CATAGGATCC 120 TTAAATCCGC TCCTGTCTCT TCCTGTCCTT GACTCCAGGC AAGAGTCCCT GCAGCTCTTA 180 GCACCTGAAG ATGTCAGATC AACTCTGGAT GAGCTGGAAA GAGCGTCTCT TCTGCAGATG 240 CTGCCAGAGA TGTCAGGCGC AGAGACAGGA GAGGGTCTTA GGAACACAGA TCCCATTACC 300 AACATTTTTT ACCCAAGAGG AAACATGAGA AAGGCCTTCT CTGGGCAAGA TCCTAAGCTT 360 TTCCTGAGTG ACCTTTTGTC CAGAATTAGG AAACAATCTA AGAAACGTGG ACCTT 415 <210> 34 <211> 30 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> <400> 34 GGACAAGATC CTAAGCTTTT CCTGAGTGAC 30 <210> 35 <211> 34 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> <400> 35 GCTTTTCCTG AGTGACCTTT TGTCCAGAAT TAGG 34 <210> 36 <211> 240 <212> DNA <213> Bovine <400> 36 GCTTTTCCTG AGTGACCTTT TGTCCAGAAT TAGGAAACAA TCTAAGAAAC GTGGACCTTC 60 CTCTGAATGC TTCTGGAAAT ACTGTGTCTG AAGCAAAATG ACCCTCTACT AGTTACCTCC 120 AAGACGACCA TCTGAGAAAA TGTAAAATAA AGATGCTTGA TTTGAAAGCA GTATAGATGA 180 AAAACTAGGC AAGCTAGACC CTGTTCATTA TTATTTGGAA AATAAATCCT CTATGTTTTG 240 <210> 37 <211> 25 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> <400> 37 GGTAGACTTC TATCTCCTGC CAATC 25 <210> 38 <211> 21 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> <400> 38 ACACTGTTTT CAAATCAAGC A 21 <210> 39 <211> 12 <212> PRT <213> Gillichthys mirabilis <223> The 6th cystein residue binds with the 11th cystein residue to for m a intra-molecular disulfide-bond. <400> 39 Ala Gly Thr Ala Asp Cys Phe Trp Lys Tyr Cys Val 1 5 10 12
【0095】
【図面の簡単な説明】
【図1】ラット全脳cDNAを用いてPCR法によって単離し
たラットSENRのcDNA配列を示す(配列番号:3)。
【図2】ブタ脊髄抽出物から調製したHPLCフラクション
についてCHO/SENR細胞株からのアラキドン酸代謝物の遊
離を促進する活性を測定した結果を示す図を示す。
【図3】実施例6中のHPLC分画#33のアラキドン酸代謝
物遊離活性のプロナーゼ処理に対する挙動を示す図を示
す。
【図4】実施例7中のCNカラム(Develosil CN-UG-5)
で精製した画分についてCHO/SENRに特異的なアラキドン
酸代謝物の遊離を促進する活性を測定した結果を示す図
を示す。
【図5】実施例7中のCNカラム(Develosil CN-UG-5)
で精製した画分についてCHO/SENRに特異的なアラキドン
酸代謝物の遊離を促進する活性を測定した結果を示す図
を示す。
【図6】実施例7中のODSカラム(Wakosil-II 3C18HG)
で精製した画分についてCHO/SENRに特異的なアラキドン
酸代謝物の遊離を促進する活性を測定した結果を示す図
を示す。
【図7】実施例7中のODSカラム(Wakosil-II 3C18HG)
で精製した画分についてCHO/SENRに特異的なアラキドン
酸代謝物の遊離を促進する活性を測定した結果を示す図
を示す。
【図8】ブタ脊髄cDNAより単離したブタSENRリガンド前
駆体蛋白質cDNAの全塩基配列およびそれから翻訳される
ブタSENRリガンド前駆体蛋白質の全アミノ酸配列を示
す。□内はSENRリガンドポリペプチドの配列である。
【図9】合成ブタSENRリガンドのCHO/SENR細胞株に対す
るアラキドン酸代謝物遊離活性を示す図を示す。
【図10】は合成ブタSENRリガンドのラット胸部大動脈
リング標本に対する収縮活性を示す図を示す。
【図11】合成ヒトSENRリガンド(ヒトurotensin II)
のCHO/hSENR細胞株に対するアラキドン酸代謝物遊離活
性を示す図を示す。
【図12】合成ウシSENRリガンドのCHO/SENR細胞膜画分
に対する結合活性を示す図を示す。
【図13】合成ヒトSENRリガンドのCHO/hSENR細胞膜画
分に対する結合活性を示す図を示す。
【図14】ウシ全脳cDNAより単離したウシSENRリガンド
前駆体蛋白質cDNAの全塩基配列およびそれから翻訳さ
れるウシSENRリガンド前駆体蛋白質の全アミノ酸配列を
示す。□で囲まれた配列は、ウシSENRリガンドポリペプ
チドの配列である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 25/28 C07K 14/705 4H045 27/00 16/28 C07K 14/705 C12N 1/15 16/28 1/19 C12N 1/15 1/21 1/19 C12P 21/02 C 1/21 21/08 5/10 G01N 33/15 Z C12P 21/02 33/50 Z 21/08 33/53 D G01N 33/15 33/566 33/50 33/577 B 33/53 C12N 15/00 ZNAA 33/566 A61K 37/02 33/577 C12N 5/00 A (72)発明者 周郷 司 茨城県つくば市花畑2丁目7番地26 テク ノタウン筑波301号 (72)発明者 北田 千恵子 大阪府堺市南向陽町1丁2番8号 Fターム(参考) 2G045 AA34 AA35 BB10 BB16 BB20 DA12 DA13 DA36 FB01 FB02 FB03 FB04 FB05 FB06 FB08 4B024 AA01 AA11 BA63 BA80 CA04 DA02 EA04 GA11 HA01 4B064 AG01 AG20 CA10 CA19 CC24 DA01 DA13 4B065 AA90X AA91Y AA93Y AA99Y AB01 BA02 CA24 CA44 CA46 4C084 AA01 AA02 AA06 AA07 AA13 BA01 BA18 BA20 BA21 CA53 DC50 ZA022 ZA322 ZA362 ZA422 ZA812 4H045 AA10 AA11 BA10 CA40 DA50 EA20 EA50 FA74

Claims (23)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】配列番号:7で表されるアミノ酸配列と同
    一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するポリ
    ペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエステルまた
    はその塩。
  2. 【請求項2】実質的に同一のアミノ酸配列が配列番号:
    8または配列番号:21で表されるアミノ酸配列である
    請求項1記載のポリペプチドもしくはそのアミドもしく
    はそのエステルまたはその塩。
  3. 【請求項3】請求項1記載のポリペプチドの前駆体タン
    パク質またはその塩。
  4. 【請求項4】配列番号:18または配列番号:19で表
    されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミ
    ノ酸配列を含有する請求項3記載の前駆体タンパク質ま
    たはその塩。
  5. 【請求項5】請求項1記載のポリペプチドをコードする
    塩基配列を有するDNAを含有するDNA。
  6. 【請求項6】配列番号:27または配列番号:28で表
    される塩基配列を有する請求項5記載のDNA。
  7. 【請求項7】請求項3記載の前駆体タンパク質をコード
    する塩基配列を有するDNAを含有するDNA。
  8. 【請求項8】配列番号:15、配列番号:16または配
    列番号:17で表される塩基配列を有する請求項7記載
    のDNA。
  9. 【請求項9】請求項5または請求項7記載のDNAを含
    有する組換えベクター。
  10. 【請求項10】請求項9記載の組換えベクターで形質転
    換された形質転換体。
  11. 【請求項11】請求項10記載の形質転換体を培養し、
    請求項1記載のポリペプチドまたは請求項3記載の前駆
    体タンパク質を生成、蓄積せしめ、これを採取すること
    を特徴とする請求項1記載のポリペプチドもしくはその
    アミドもしくはそのエステルまたはその塩、または請求
    項3記載の前駆体タンパク質もしくはその塩の製造法。
  12. 【請求項12】請求項1記載のポリペプチドもしくはそ
    のアミドもしくはそのエステルまたはその塩、または請
    求項3記載の前駆体タンパク質もしくはその塩に対する
    抗体。
  13. 【請求項13】請求項1記載のポリペプチドもしくはそ
    のアミドもしくはそのエステルまたはその塩、または請
    求項3記載の前駆体タンパク質もしくはその塩を含有し
    てなる医薬。
  14. 【請求項14】請求項5または請求項7記載のDNAを
    含有してなる医薬。
  15. 【請求項15】中枢機能調節剤、循環機能調節剤、心臓
    機能調節剤、腎臓機能調節剤、泌尿器機能調節剤または
    感覚器官機能調節剤である請求項13または請求項14
    記載の医薬。
  16. 【請求項16】請求項1記載のポリペプチドもしくはそ
    のアミドもしくはそのエステルまたはその塩または請求
    項3記載の前駆体タンパク質もしくはその塩を用いるこ
    とを特徴とするSENRと請求項1記載のポリペプチド
    もしくはそのアミドもしくはそのエステルまたはその
    塩、または請求項3記載の前駆体タンパク質もしくはそ
    の塩との結合性を変化させる化合物またはその塩のスク
    リーニング方法。
  17. 【請求項17】請求項1記載のポリペプチドもしくはそ
    のアミドもしくはそのエステルまたはその塩、または請
    求項3記載の前駆体タンパク質もしくはその塩を含有し
    てなるSENRと請求項1記載のポリペプチドもしくは
    そのアミドもしくはそのエステルまたはその塩、または
    請求項3記載の前駆体タンパク質もしくはその塩との結
    合性を変化させる化合物またはその塩のスクリーニング
    用キット。
  18. 【請求項18】配列番号:22で表されるアミノ酸配列
    を含有するポリペプチドもしくはそのアミドもしくはそ
    のエステルまたはその塩を用いることを特徴とするSE
    NRと配列番号:22で表されるアミノ酸配列を含有す
    るポリペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエステ
    ルまたはその塩との結合性を変化させる化合物またはそ
    の塩のスクリーニング方法。
  19. 【請求項19】配列番号:22で表されるアミノ酸配列
    を含有するポリペプチドもしくはそのアミドもしくはそ
    のエステルまたはその塩を含有してなるSENRと配列
    番号:22で表されるアミノ酸配列を含有するポリペプ
    チドもしくはそのアミドもしくはそのエステルまたはそ
    の塩との結合性を変化させる化合物またはその塩のスク
    リーニング用キット。
  20. 【請求項20】請求項16もしくは請求項18記載のス
    クリーニング方法または請求項17もしくは請求項19
    記載のスクリーニング用キットを用いて得られる、S
    ENRと請求項1記載のポリペプチドもしくはそのアミ
    ドもしくはそのエステルまたはその塩、または請求項3
    記載の前駆体タンパク質もしくはその塩、またはSE
    NRと配列番号:22で表されるアミノ酸配列を含有す
    るポリペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエステ
    ルまたはその塩との結合性を変化させる化合物またはそ
    の塩。
  21. 【請求項21】請求項20記載の化合物またはその塩を
    含有することを特徴とする高血圧症の予防・治療薬。
  22. 【請求項22】請求項12記載の抗体を用いることを特
    徴とする請求項1記載のポリペプチドもしくはそのアミ
    ドもしくはそのエステルまたはその塩、または請求項3
    記載のタンパク質もしくはその塩の定量方法。
  23. 【請求項23】請求項12記載の抗体を含有することを
    特徴とする請求項1記載のポリペプチドもしくはそのア
    ミドもしくはそのエステルまたはその塩、または請求項
    3記載の前駆体タンパク質もしくはその塩の機能が関与
    する疾患の診断剤。
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