JP2001069961A - 苦味マスキング用組成物 - Google Patents

苦味マスキング用組成物

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JP2001069961A
JP2001069961A JP24827899A JP24827899A JP2001069961A JP 2001069961 A JP2001069961 A JP 2001069961A JP 24827899 A JP24827899 A JP 24827899A JP 24827899 A JP24827899 A JP 24827899A JP 2001069961 A JP2001069961 A JP 2001069961A
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bitterness
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erythritol
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JP24827899A
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Akiko Kitamura
亜紀子 北村
Takatoshi Uomi
隆敏 魚躬
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Fuji Chemical Industries Co Ltd
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Fuji Chemical Industries Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 苦味成分を有する食品、医薬品などに添加す
ることにより、苦味成分をマスキングできる苦味マスキ
ング用組成物、およびこの苦味マスキング用組成物から
なる口腔内崩壊錠を提供する。 【解決手段】 (A)リン酸水素カルシウム−エリスリ
トール組成物、および(B)L−グルタミン酸および/
またはその塩類、イノシン酸および/またはその塩類、
および5−リボヌクレオタイドおよび/またはその塩類
の群から選ばれる少なくとも1種からなる苦味マスキン
グ用組成物およびこの組成物を用いた苦味がマスキング
された錠剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、食品、医薬品など
の苦味をマスキングできる組成物に関する。より詳細に
は、(A)リン酸水素カルシウム−エリスリトール組成
物および(B)うま味成分(例えば、グルタミン酸ナト
リウム、イノシン酸および5−リボヌクレオタイドナト
リウムなど)を特定の配合比で含有させた苦味マスキン
グ用組成物および該組成物を圧縮成形して得られる風味
が改良された速崩壊性固形製剤に関する。さらに、本発
明は、上記苦味マスキング用組成物に、(C)香料(例
えば、味蕾の麻痺効果を有するミントパウダー類など)
を特定の配合比で含有させた苦味マスキング用組成物お
よび該組成物を圧縮成形して得られる風味が改良された
速崩壊性固形製剤に関する。
【0002】
【従来の技術】苦味を有する食物、医薬品などの苦味を
マスキングする方法としては、(1)苦味成分に糖類ま
たは人工の甘味剤を添加する方法、例えばアスパルテー
ムを用いる方法(特開平2−56416号公報)、
(2)苦味を有するエリスロマイシンに5’−イノシン
酸と5’−グアニル酸と甘味料を添加してマスキングす
る天然または合成のうま味成分を添加する方法(特開昭
61−148129号公報)、(3)苦味成分に茶抽出
物であるカテキン類などの嗜好性の苦味を添加する方
法、および(4)苦味成分にミントパウダーなどの服用
時に清涼感のある味蕾の麻痺効果を有する成分を配合す
る方法、(5)苦味成分をサイクロデキストリンに包接
させる方法(特開平3−236316号公報)、(6)
苦味成分に海草抽出物を添加する方法(特公平5−77
386号公報)、(7)苦味を感じる味蕾をタンパク質
で覆う方法(特開平6−316537号公報)などが報
告されている。
【0003】しかしながら、上記従来の方法は苦味のマ
スキングする方法としては未だ十分なものではなく、例
えば、上記(1)の方法は苦味を十分にマスキングする
ために甘味剤を多量に使用しなければ充分にマスキング
できないので甘味剤の大量摂取による健康上の問題があ
り、上記(3)、(6)および(7)の方法は、苦味を
完全に除くことは困難であり、また多くの添加量が必要
となり、添加成分の味が出てしまいまずくなるなどの欠
点があった。また、甘味に代えてノンカロリーのキシリ
トールの使用は大量摂取により下痢が発生し、えぐみ、
甘味の残留による不快感があり、うまみ成分および渋み
成分のみの使用では充分にマスキングされないので不快
感が口中に残る。苦味をマスキングする方法としては未
だ十分なものはない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記問題点を
解決することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記問題
点を解決するために鋭意検討した結果、本発明の組成
物、すなわち、(A)リン酸水素カルシウム−エリスリ
トール組成物および、(B)うま味成分(例えば、グル
タミン酸ナトリウム、イノシン酸および5−リボヌクレ
オタイドナトリウムなど)を特定の配合比で含有させた
苦味マスキング用組成物および/または上記苦味マスキ
ング用組成物に、(C)香料(例えば、味蕾の麻痺効果
を有するミントパウダー類など)を特定の配合比で含有
させた苦味マスキング用組成物が食品、医薬品などの苦
味をマスキングできることを見出した。また本発明者ら
は、この苦味マスキング用組成物からなる錠剤が口腔内
で苦味成分を放出することなく速やかに崩壊し、口腔内
(速)崩壊錠として有用であることを見出した。本発明
は係る知見に基づくものである。
【0006】すなわち、本発明は、 (1)(A)リン酸水素カルシウム−エリスリトール組
成物、および(B)L−グルタミン酸および/またはそ
の塩類、イノシン酸および/またはその塩類、5−リボ
ヌクレオタイドおよび/またはその塩類の群から選ばれ
る少なくとも1種からなる苦味マスキング用組成物。 (2)(A)リン酸水素カルシウム−エリスリトール組
成物、(B)L−グルタミン酸および/またはその塩
類、イノシン酸およびまたはその塩類、および5−リボ
ヌクレオタイドおよび/またはその塩類の群から選ばれ
る少なくとも1種、および(C)香料からなる苦味マス
キング用組成物。 (3)(D)苦味成分の1重量部当たりに対し、上記1
記載の(A)リン酸水素カルシウム−エリスリトール組
成物3〜10重量部、(B)L−グルタミン酸および/
またはその塩類、イノシン酸および/またはその塩類、
おおよび5−リボヌクレオタイドおよび/またはその塩
類の群から選ばれる少なくとも1種0.01〜0.15
重量部を混合することにより得られる苦味がマスキング
された組成物。 (4)(D)苦味成分の1重量部当たりに対し、上記2
記載の(A)リン酸水素カルシウム−エリスリトール組
成物3〜10重量部、(B)L−グルタミン酸および/
またはその塩類、イノシン酸および/またはその塩類、
および5−リボヌクレオタイドおよび/またはその塩類
の群から選ばれる少なくとも1種0.01〜0.15重
量部、および(C)香料0.01〜0.5重量部を混合
することにより得られる苦味がマスキングされた組成
物。 (5)苦味成分が苦味を有する医薬品である上記3また
は上記4記載の組成物。 (6)香料がミントパウダー類、ハッカエキス、メント
ール類の群から選ばれる少なくとも1種である上記2ま
たは上記4記載の組成物。 (7)上記3〜上記6記載の組成物を打錠することを特
徴とする苦味がマスキングされている固形製剤。 (8)上記3〜上記6記載の組成物を打錠することを特
徴とする苦味がマスキングされている崩壊性固形製剤。 (9)風味が改善された上記7〜上記8記載の固形製剤
である。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明に用いるリン酸水素カルシ
ウム−エリスリトール組成物は、通常の食品添加物、あ
るいは医薬品添加物に使用されるリン酸水素カルシウム
とエリスリトールからなる組成物であり、より好ましく
は、本出願人らが先に見出した特定のリン酸水素カルシ
ウム(特許第2700141号公報)と糖類の1種であ
るエリスリトールの懸濁液を用いて噴霧乾燥することに
より得られる粉末状の組成物であり、本出願人の出願に
開示した製法に従って調製することができる(国際出願
番号PCT/J99/02175号)。この組成物のリ
ン酸水素カルシウムとエリスリトールの配合比は1:9
〜9:1の範囲であり、好ましくは3:7〜7:3、よ
り好ましくは4:6〜6:4の範囲である。この組成物
を錠剤に配合すれば成形性と崩壊性の相反する性質を同
時に満足し、かつ味覚的服用感を満足させることができ
る。
【0008】本発明の粉体中に含まれるリン酸水素カル
シウム−エリスリトールの添加量は、苦味成分の1重量
部当たりに対し、リン酸水素カルシウム−エリスリトー
ル組成物3〜20重量部、好ましくは4〜10重量部、
より好ましくは約7.5重量部付近である。
【0009】本発明の苦味マスキング組成物に含まれる
うま味成分としては、昆布、シイタケのうま味成分であ
るL−グルタミン酸および/またはそれらの塩類、イノ
シン酸および/またはその塩類、および5−リボヌクレ
オタイドおよび/またはその塩類などである。具体的に
は、上記塩類としては、グルタミン酸ナトリウム、グル
タミン酸カリウムなど、好ましくは、グルタミン酸ナト
リウム、イノシン酸とヒスチジンなどの有機塩基との塩
類、あるいは無機塩基とのナトリウム塩など、および5
−リボヌクレオタイドのナトリウム塩などがあげられ
る。
【0010】上記うま味成分の使用量は、例えば、使用
するL−グルタミン酸、イノシン酸および5−リボヌク
レオタイドおよびこれらの塩の種類、配合割合、使用す
るリン酸水素カルシウム−エリスリトールの配合比、使
用量などにより異なり特定されるものではないが、通
常、苦味成分の1重量部当たりに対し、0.01〜0.
15重量部である。
【0011】本発明に使用される香料の使用量は、使用
するリン酸水素カルシウム−エリスリトールの種類、使
用量、あるいは、うま味成分の種類、使用量などにより
特定されるものではないが、通常、苦味成分の1重量部
当たりに対し0.01〜0.5重量部、好ましくは0.
01〜0.1である。香料の具体例としては、例えば、
ミントパウダー、ハッカエキス、メントールなどをあげ
ることができる。
【0012】本発明の苦味マスキング組成物には、所望
により、さらに抹茶類を添加することができる。抹茶類
の使用量は、使用する苦味成分の種類、使用量、使用す
る苦味マスキング組成物の種類、うま味成分の種類、使
用量、香料類の種類、使用量、若しくはこれら各成分の
配合の割合により異なり特定されるものではないが、通
常、苦味成分の1重量部当たりに対し、0.01〜0.
2重量部、好ましくは0.1〜0.15である。
【0013】本発明の苦味マスキング組成物は、以下の
方法により製造することができる。 (A)リン酸水素カルシウム−エリスリトール組成物、
および(B)L−グルタミン酸および/またはその塩
類、イノシン酸および/またはその塩類、および5−リ
ボヌクレオタイドおよび/その塩類の群から選ばれる少
なくとも1種を混合することからなる苦味マスキング用
組成物の製造方法である。
【0014】または、(A)リン酸水素カルシウム−エ
リスリトール組成物、(B)L−グルタミン酸および/
またはその塩類、イノシン酸および/またはその塩類、
および5−リボヌクレオタイドおよび/またはその塩類
の群から選ばれる少なくとも1種、および(C)香料を
混合するからなる苦味マスキング用組成物の製造方法で
ある。
【0015】混合方法は、上記各成分の粉末をそのま
ま、常法に従って、そのまま混合しても良く。また、所
望により、いわゆる湿式混合法で各成分に適当量の水を
添加しながら練合し、造粒、乾燥しても良い。
【0016】上記苦味マスキング用組成物の製造に際
し、必要に応じて、さらにコーンスターチ、結晶セルロ
ース、乳糖などの賦形剤を添加しても良い。
【0017】上記苦味マスキング用組成物は、粉末、細
粒、顆粒などの形態に成形することができる。さらには
常法に従って錠剤に調製することもできる。
【0018】本発明の組成物は、リン酸水素カルシウ
ム、エリスリトールおよび上記うま味成分を予め水に懸
濁させ、常法に従って、例えば上記リン酸水素カルシウ
ム−エリスリトール組成物を噴霧乾燥する条件下で噴霧
乾燥することによっても得ることができる。
【0019】本発明の苦味マスキング用組成物が苦味を
マスキングまたは軽減することは、上記苦味マスキング
用組成物を、例えば、苦味を有する医薬品、苦味成分を
含有する食品などに配合することによりこれらの苦味が
マスキングまたは軽減されることから分かる。
【0020】本発明の苦味マスキング用組成物が苦味を
マスキングまたは軽減することができる苦味を有する医
薬品としては、例えば、カフェイン、マレイン酸クロル
フェニラミン、リン酸ジヒドロコデイン、塩酸エフェド
リン、塩酸メチルエフェドリン、スピロノラクトン、テ
ガフール、ステアリン酸エリスロマイシン、アラセプリ
ル、パルプロ酸ナトリウム、塩酸メクロフェノキサー
ト、クロラムフェニコール、アミノフィリン、エリスロ
マイシン、ホパテン酸カルシウム、パントテン酸カルシ
ウム、フェノバルビタール、シメチジン、塩酸エチレフ
リン、塩酸ピレンゼピン、塩酸ブチルスコポラミン、塩
酸ジルチアゼム、エノキサシン、ピロミド酸三水和物、
塩酸プロプラノロール、フルフェナム酸、クロルプロマ
ジン、ジギトキシン、塩酸プロメタジン、塩酸メトクロ
プラミド、オフロキサン、スルピリン、塩酸キニーネ、
硫酸キニーネ、クエン酸カルベタペンタン、エチルコハ
ク酸エリスロマイシン、チモール、塩化ベルベリン、d
−マレイン酸クロルフェニラミン、塩酸ノスカピン、塩
酸パパベリン、タンニン酸、クラリスロマイシン、キタ
サマイシン、ジョサマイシン、アセチルスピラマイシ
ン、ミデカマイシン、ロキシスタマイシン、アジスロマ
イシン、オウレン、サイシン、ショウキョウ、ゲンチア
ナ、ゴシュユ、センブリ、チョウジ、ケイヒ、クジソ、
キハダ、ダイオウ、オオゴン、オウバク、ロガイ、イチ
ョウ、クロレラ、ナツメ、ギムネマ酸、アロエ、ロイシ
ン、イソロイシン、フェニルアラニン、アルキル硫酸ナ
トリウム、モノアルキルリン酸ナトリウム、リナロー
ル、メチルパラベン、プロピルパラベン、ブチルパラベ
ン、乳酸、乳酸ナトリウム、乳酸アルミニウムなどがあ
げられる。好ましくは、ウルソ、塩酸キニーネ、プロプ
ラノール、プロメタジン、プロラムフェニコール、ジフ
ェンヒドラミン、あるいは天然物由来のイチョウ葉エキ
スなどが苦味を有する化合物としてあげられる。
【0021】本発明に用いるリン酸水素カルシウム−エ
リスリトール組成物は、本出願人などの特許第2700
141号に記載されている製法で得られるリン酸水素カ
ルシウム(フジカリン、富士化学工業製)とエリスリト
ール(エリスリット、日研化学製)の懸濁液を噴霧乾燥
することにより調製した。
【0022】参考例1 リン酸水素カルシウム(フジカリン、富士化学工業製)
40gとエリスリトール(エリスリット、日研化学製)
60gの懸濁液を噴霧乾燥することによりリン酸水素カ
ルシウム−エリスリトール組成物を調製した。
【0023】参考例2〜5 参考例1と同様にして、各配合割合のリン酸水素カルシ
ウム−エリスリトール粉末を調製した。その結果は表1
に示す。
【0024】
【表1】
【0025】上記組成物中のリン酸水素カルシウム−エ
リスリトール組成物中のリン酸水素カルシウムとエリス
リトールの配合比は特に制限はないが、好ましくはリン
酸水素カルシウムとエリスリトールの重量比が0.4:
0.6付近のものである。
【0026】
【実施例】苦味成分として無水カフェインを用いて以下
の錠剤を作成した。 実施例1 (第1工程)粉体の調製:無水カフェイン(無水カフェ
イン、太陽エフディ製)6.0g、上記参考例3で得ら
れたリン酸水素カルシウム−エリスリトール組成物45
g、コーンスターチ(コーンスターチ特級、日本コーン
スターチ製)3.0g、結晶セルロース(アビセルPH
101、旭化成製)9.6gを十分に混合し、味の素
(L−グルタミン酸ナトリウム92.5%と5’−ヌク
レオタイドナトリウム7.5%含有品、味の素製)0.
9gを溶解した水約10mlを添加しながら練合し、押
し出し造粒した(30号メッシュ)。得られた湿末を6
0℃で3時間棚乾燥することにより粉体60gを得た。 (第2工程)上記第1工程で得られた粉体48gにステ
アリン酸マグネシウム0.5g、カルボキシメチルスタ
ーチナトリウム(DST−SF、YUNG−ZIP製)
1.5g、ミントパウダー(ミントパウダー No.3
−4853、長谷川香料製)0.15gを添加混合し、
その500mgを1錠として打錠圧300kg/cm 2
で打錠し、錠剤(φ11mm、厚さ4mm)を作成し
た。
【0027】実施例2〜8 無水カフェイン6gに下記表2に示す配合割合で参考例
3で得られるリン酸水素カルシウム−エリスリトール粉
末、実施例1で用いたコーンスターチ、結晶セルロー
ス、L−グルタミン酸ナトリウム(L−Glu)、5’
−リボヌクレオタイドおよび抹茶の存在下または非存在
下を加えて以下実施例1と同様に処理し、24号メッシ
ュにて粉体を調製した。
【0028】なお、表中の用語「PE組成物」はリン酸
水素カルシウム−エリスリトール組成物、コンスター
チ、結晶セルロース、L−Gluはグルタミン酸ナトリ
ウムを示す。
【0029】
【表2】
【0030】
【表3】
【0031】錠剤の製造方法 上記各実施例の製法で得られた各粉体48gに、表4に
示す配合割合でステアリン酸マグネシウム(St−M
g)、カルボキシメチルスターチナトリウム、ミントパ
ウダーを配合して実施例1の製造工程2と同様にして打
錠した(φ11mm、厚さ4mm)。
【0032】なお、表4に記載の各製剤例(錠剤)の調
製に用いた各粉体は、製剤例番号A−1〜A−13は実
施例1〜10で得られた粉体に対応し、製剤例番号B−
1〜B−10は比較例1〜9で得られた粉体を用いてい
る。
【0033】なお、表中の「St−Mg」はステアリン
酸マグネシウム、「CMS−Na」はカルボキシメチル
スターチナトリウム、ミントパウダーは前述のものを意
味する。
【0034】
【表4】
【0035】前記実施例の製法で得られた粉体を用いて
調製した上記錠剤と比較するために前記比較例の製法で
得られた粉体を用いて以下の錠剤を作成した。
【0036】
【表5】
【0037】味覚試験 上記製剤例A−1〜A−13およびB−1〜B−10の
錠剤を用いて、10人による味覚試験行った。苦味、エ
グ味の評価結果は、「苦味、エグ味を全く感じない」、
「苦味、エグ味が軽減した」および「苦味、エグ味を感
じる」で表現した。
【0038】その結果は下記表に示す。
【0039】
【表6】
【0040】
【表7】
【0041】その結果、製剤例A−1〜A−13の全て
の錠剤について、被験者の半数以上が、「苦味、エグ味
が軽減した」、「苦味、エグ味を全く感じない」との良
好な評価が得られた。しかし、グルタミン酸ナトリウ
ム、イノシン酸、リボククレオタイドナトリウムの群か
ら選ばれる1種、あるいは抹茶単独を用いた錠剤につい
ては、不快感を感じるとの評価が多く見られた。本発明
の組成物にさらに香料類、例えば、ミントを添加するこ
とにより、苦味がさらに軽減されるという評価が得られ
た。なお、本発明の苦味マスキング用組成物調製に用い
られるコーンスターチ、結晶セルロースはその配合比を
変化させても苦味、エグ味の軽減にはあまり影響がなか
った。
【0042】本発明の粉体は、常法に従って、錠剤に加
工することができる。得られた錠剤は、前記カフェイン
などの苦味を有する医薬品、または抽出物の苦味、エグ
味がマスキング、または軽減されたものであり、且つ風
味が改良されたものである。
【0043】また、錠剤作成時にさらに前記香料を添加
することにより、より効果的に苦味、エグ味を軽減させ
ることができる。
【0044】錠剤の崩壊性試験 日本薬局方に示される崩壊性試験法に従い、製剤例2で
得られた錠剤(3錠)を用いて錠剤の崩壊速度を測定し
た。その結果は以下に示すとおりであった。
【0045】
【表8】
【0046】表8の結果から本発明の錠剤は短時間に崩
壊するので苦味、エグ味がマスキングされた口腔内速崩
壊錠として用いることができる。
【0047】味覚試験例 本発明の苦味マスキング用組成物は、エキス類、例え
ば、イチョウ葉から抽出される能循環改善効果が期待さ
れるイチョウ葉エキスなどの苦味マスキング用にも使用
できる。イチョウ葉エキスは服用時に強烈な苦味があ
り、服用感の改善が望まれている。
【0048】リン酸水素カルシウム−エリスリトール、
うま味成分からなる本発明のマスキング成分の配合量
は、イチョウ葉の場合は、苦味が強烈であり、好ましく
は、2〜10%配合である。2%未満では苦味がマスキ
ングされず、また10%以上では効率が良くない。
【0049】苦味がマスキングされた錠剤は、前記と同
様にして各成分を常法に従って乾式混合または湿式造粒
した後、常法に従って打錠することにより錠剤にするこ
とができる。
【0050】本発明の錠剤などの固形製剤は、常法に従
って作製することができ、例えば、通常使用される、賦
形剤、崩壊剤、滑沢剤、結合剤、界面活性剤、可塑剤を
本発明の苦味マスキング用組成物、および本発明の苦味
がマスキングされていて且つ口腔内崩壊性錠剤などに用
いることができる固形製剤の特徴を阻害しない範囲であ
って、苦味が軽減される量であれば特に制限されるもの
ではない。
【0051】賦形剤としては、ラクトース、グルコー
ス、スクロース、マンニトールなど、崩壊剤としてはデ
ンプン、アルギン酸ソーダなど、滑沢剤としてはステア
リン酸マグネシウム、タルクなど、結合剤としてはポリ
ビニルアルコール、ヒドロキシプロピルセルロース、ゼ
ラチンなど、界面活性剤としては脂肪酸エステルなど、
可塑剤としてはポリエチレングリコール、ポリプロピレ
ングリコール、グリセリンなどをあげることができる。
甘味料として、リボース、キシロース、グルコース、マ
ンノース、ガラクトース、フラクトース、デキストロー
ス、スクロース、マルトース、部分加水分解デンプンま
たは固形コーンシロップおよびこれらの混合物を、本発
明の苦味がマスキングされていて且つ口腔内崩壊性錠剤
などに用いることができる固形製剤の特徴を阻害しない
範囲内で添加することができる。
【0052】苦味試験は前述と同様にしてパネラー10
人により、口腔中に滞留させ、(1)苦味を感じない、
(2)殆ど苦味を感じない、(3)僅かに苦味を感じ
る。(4)やや苦味を感じる、(5)苦味を感じるの区
分により、5段階で評価した。その結果、本発明のマス
キング剤はイチョウ葉エキスの苦味を有意に軽減し、服
用感を改善することがわかった。
【0053】
【発明の効果】本発明は、苦味成分を有する抽出物、食
品、医薬品などに添加することにより、苦味成分をマス
キングできる苦味マスキング配合物、それを用いた錠剤
を提供できた。本発明の苦味マスキング配合物は、シイ
タケ、カツオブシ、昆布などのうま味成分、およびミン
トパウダーなど香料の清涼感による味蕾の麻痺効果を有
する各成分を特定の配合比で含有する配合物からなり、
菓子類、健康食品、油脂加工食品、栄養補助食品などに
使用できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 47/12 A61K 47/12 47/22 47/22 // A23L 1/00 A23L 1/00 D Fターム(参考) 4B035 LC01 LE01 LG01 LG04 LG14 LG19 LK02 LP36 4B048 PS20 4C076 AA36 CC01 DD26T DD37T DD38T DD41 DD51T DD69T DD80T EE31 EE38 EE53T FF52

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)リン酸水素カルシウム−エリスリト
    ール組成物、および(B)L−グルタミン酸および/ま
    たはその塩類、イノシン酸および/またはその塩類、お
    よび5−リボヌクレオタイドおよび/またはその塩類の
    群から選ばれる少なくとも1種からなる苦味マスキング
    用組成物。
  2. 【請求項2】(A)リン酸水素カルシウム−エリスリト
    ール組成物、(B)L−グルタミン酸および/またはそ
    の塩類、イノシン酸および/またはその塩類、および5
    −リボヌクレオタイドおよびその塩類の群から選ばれる
    少なくとも1種、および(C)香料からなる苦味マスキ
    ング用組成物。
  3. 【請求項3】(D)苦味成分の1重量部当たりに対し、
    請求項1記載の(A)リン酸水素カルシウム−エリスリ
    トール組成物3〜10重量部、(B)L−グルタミン酸
    および/またはその塩類、イノシン酸および/またはそ
    の塩類、および5−リボヌクレオタイドおよび/または
    その塩類の群から選ばれる少なくとも1種0.01〜
    0.15重量部を混合することにより得られる苦味がマ
    スキングされた組成物。
  4. 【請求項4】(D)苦味成分の1重量部当たりに対し、
    請求項2記載の(A)リン酸水素カルシウム−エリスリ
    トール組成物3〜10重量部、(B)L−グルタミン酸
    および/その塩類、イノシン酸および/またはその塩
    類、5−リボヌクレオタイドおよび/またはその塩類の
    群から選ばれる少なくとも1種0.01〜0.15重量
    部、および(C)香料0.01〜0.5重量部を混合す
    ることにより得られる苦味がマスキングされた組成物。
  5. 【請求項5】苦味成分が苦味を有する医薬品である請求
    項3または請求項4記載の組成物。
  6. 【請求項6】香料がミントパウダー類、ハッカエキス、
    メントール類の群から選ばれる少なくとも1種である請
    求項2または請求項4記載の組成物。
  7. 【請求項7】請求項3〜請求項6記載の組成物を打錠す
    ることを特徴とする苦味がマスキングされている固形製
    剤。
  8. 【請求項8】請求項3〜請求項6記載の組成物を打錠す
    ることを特徴とする苦味がマスキングされている崩壊性
    固形製剤。
  9. 【請求項9】風味が改善された請求項7〜請求項8記載
    の固形製剤。
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