JP2001068313A - 異方性磁石粉末コンパウンド、その製造方法およびそれを使用した異方性ボンド磁石の製造方法 - Google Patents

異方性磁石粉末コンパウンド、その製造方法およびそれを使用した異方性ボンド磁石の製造方法

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寛 青木
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恭彦 入山
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    • H01F1/00Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties
    • H01F1/01Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高性能な異方性ボンド磁石を、特別の設備を
必要としない簡単な工程で、高い生産性をもって、した
がって低コストで製造することができる方法を提供する
こと。また、そのために使用する異方性磁石粉末とバイ
ンダー樹脂とのコンパウンドを提供すること。 【解決手段】 異方性磁石粉末に、常温における粘度が
2〜250ポイズの範囲にある液状のエポキシ樹脂を混
合し、混合物を50〜90℃に10分〜10時間加熱す
ることにより、エポキシ樹脂が不完全に硬化した異方性
磁石粉末コンパウンドを得る。このエポキシ樹脂が不完
全に硬化した異方性磁石粉末コンパウンドを、磁場中で
圧縮成形することにより、高性能、とくに高い磁束密度
と最大エネルギー積をもつ異方性ボンド磁石が製造でき
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、異方性ボンド磁石
用の異方性磁石粉末コンパウンドとその製造方法に関
し、この異方性磁石粉末コンパウンドを使用した異方性
ボンド磁石の製造方法にも関する。
【0002】
【従来の技術】希土類ボンド磁石は、比較的高いエネル
ギー積を有し、ほぼ所望の製品形状に成形することがで
きるため、OA機器部品を中心にひろく使用されてお
り、今後も需要の増大が見込まれている。現在、希土類
ボンド磁石の主流をなすものは、等方性のNd−Fe−
B系ボンド磁石であって、その最大エネルギー積は、最
も高性能を発揮できる圧縮成形ボンド磁石の場合、8〜
12MGOe程度である。OA機器の高性能化はさらに
進んでおり、それにともなって、機器に使用されるボン
ド磁石もまた、いっそうの高性能化が望まれている。こ
の要望に答えようとして、希土類系の異方性ボンド磁石
の開発が盛んに行なわれている。
【0003】異方性ボンド磁石は、磁気異方性を有する
磁石粉末と合成樹脂バインダーとを混合してコンパウン
ドをつくり、このコンパウンドを、磁場を印加した状態
で圧縮成形、押出成形または射出成形することにより製
造されている。高い磁束密度をもつ異方性ボンド磁石を
製造するには、磁場中の成形時に、異方性磁石粉末の磁
場方向への配向性を極力高め、磁場の方向と、異方性磁
石粉末の結晶の磁化容易軸とをできるだけ一致させる必
要がある。そのためには、磁場中成形時に、磁石粉末の
磁場方向への回転が容易に行なわれるような条件を与え
てやることが必要である。
【0004】磁石粉末の粒子の配向性には、粒子の表面
摩擦がおおいにかかわっており、たとえばバインダーと
して代表的なエポキシ樹脂を使用した異方性ボンド磁石
において、固体のエポキシ樹脂を使用すると、粒子が回
転しにくいため、磁場中成形時に高い配向性を得ること
ができず、結果として、特性の低いボンド磁石しか得ら
れない。これに対し、液体のエポキシ樹脂を使用すれ
ば、粒子の回転が容易で磁場中成形時に高度の配向が実
現し、高エネルギー積をもった異方性ボンド磁石を得る
ことが可能である。ところが、磁石粉末と液状エポキシ
樹脂との混合物は水飴状のものであり、コンパウンドと
して流動性に欠けるため、圧縮成形機への充填が困難
で、工業的には実用性に乏しい。
【0005】この問題に対処するため、水飴状の混合物
を造粒して流動性のあるコンパウンドとすることが試み
られているが、コンパウンド製造の工程が煩雑になる
し、造粒装置の設備費・運転費もかかることから、実用
性が低い。別の解決法として、異方性磁石粉末と固体の
エポキシ樹脂との混合物を金型に充填したのち、金型を
加熱して温度を高め、樹脂を溶融状態にしてその粘度を
低下させることで、磁場中成形時の配向性を高めること
も提案された(「日本応用磁気学会誌」第21巻第4−
1号、1997年発行、160〜167頁)。この手法
は、1ショットあたりに要する時間がかかりすぎ、生産
性において劣るという難点がある。
【0006】発明者らは、液状のエポキシ樹脂をバイン
ダーとして使用する異方性ボンド磁石の製造プロセスを
詳細に検討した過程で、異方性磁石粉末と液状のエポキ
シ樹脂とからなるコンパウンドを常温に放置すると、長
い期間の経過後、コンパウンドが水飴状から砂状に変化
し、粉体としての流動性を獲得すること、そしてこの砂
状のコンパウンドを磁場中圧縮成形すると、予想外に良
好な配向が行なわれることを見出した。
【0007】そこで、このような状態を促進的に実現す
ることを考えて、異方性磁石粉末に液状のエポキシ樹脂
を配合したコンパウンドを比較的低い温度で加熱して行
くことにより、常温で長期間放置した後に見られる状態
に到達することを確認した。すなわち、コンパウンド中
のエポキシ樹脂が不完全に硬化して見かけ上は固体のよ
うになり、コンパウンドが粉体としての流動性を示すこ
と、またこのコンパウンドにおいては、理由は十分に明
らかでないが、磁場中圧縮成形に際して異方性磁石粉末
の粒子の回転が容易であって、磁場の方向への配向の度
合いが大きいこと、高い配向性をもって成形された成形
品を通常の硬化温度に加熱すると、エポキシ樹脂が完全
に硬化して製品ボンド磁石になり、この異方性磁石は高
い性能を示す、という事実を確認した。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
した発明者らの新知見を活用し、高性能な異方性ボンド
磁石を、特別の設備を必要としない簡単な工程で、高い
生産性をもって、したがって低コストで製造することが
できる方法を提供することにある。そのために使用する
中間製品である異方性磁石粉末とバインダー樹脂とのコ
ンパウンドを提供することもまた、本発明の目的に含ま
れる。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の異方性磁石粉末
コンパウンドは、異方性磁石粉末にエポキシ樹脂を混合
してなるコンパウンドであって、エポキシ樹脂が不完全
に硬化した状態にあることを特徴とする。
【0010】上記の異方性磁石粉末コンパウンドを製造
する本発明の方法は、異方性磁石粉末に、常温における
粘度が2〜250ポイズの範囲にある液状のエポキシ樹
脂を混合し、混合物を50〜90℃に加熱することによ
り不完全に硬化させることを特徴とする。
【0011】このようにして得た異方性磁石粉末コンパ
ウンドを使用して行なう本発明の異方性ボンド磁石の製
造方法は、上述の異方性磁石粉末コンパウンドを磁場中
で圧縮成形し、ついで成形体を、エポキシ樹脂の完全硬
化をもたらす温度および時間の条件の下に加熱すること
からなる。
【0012】
【発明の実施形態】異方性磁石粉末としては、磁気異方
性を有する限り任意の磁石粉末が使用できるが、好適な
ものは、Nd−Fe−B系、Sm−Fe−N系またはS
m−Co系の希土類磁石の粉末である。エポキシ樹脂
は、ビスフェノール型でもノボラック型でもよく、一般
に行なわれるように、硬化剤を添加して使用する。
【0013】本発明の異方性磁石粉末とエポキシ樹脂バ
インダーとのコンパウンドは、液状であったエポキシ樹
脂が不完全に硬化した状態にあり、その状態において粉
体としての流動性が高く、かつ異方性磁石粉末の磁場に
よる配向は容易であるという現象を利用している。
【0014】このような現象を利用するためには、ま
ず、使用する液状のエポキシ樹脂の常温(後記する実施
例では、常温の代表として25℃をとった)における粘
度が適切であることを要し、適切な粘度は2〜250ポ
イズの範囲にある。2ポイズに達しない低い粘度のもの
では、磁石粉末との混合物を熱処理しても、期待した粉
末流動性が得られず、製品ボンド樹脂の強度も不足であ
る。一方、250ポイズを超える高粘度のものを使用し
た場合は、コンパウンドの粉体としての流動性はあるも
のの、異方性磁石粉末の磁場による配向性が低く、固体
のエポキシ樹脂を使用した場合と、結果において大差の
ないものとなってしまう。好ましい粘度の範囲は20〜
200ポイズ、とくに好ましい範囲は50〜180ポイ
ズである。
【0015】次の問題は、異方性磁石粉末と液状のエポ
キシ樹脂との混合物を適切な温度・時間の条件で加熱し
て、エポキシ樹脂を不完全に硬化させることである。発
明者らの経験によれば、本発明で意図する不完全な硬化
は、エポキシ樹脂の通常の硬化温度(より具体的にいえ
ば、市販品のカタログで指定されている硬化温度)から
少なくとも50℃低い温度において、好ましく進行す
る。ボンド磁石の製造に好んで使用されるエポキシ樹脂
の硬化温度は、通常120〜150℃であるから、前記
のように、50〜90℃の範囲内の温度を選択する。5
0℃に満たない低温では、不相当に長い時間加熱しない
限り、コンパウンドは依然として水飴状であって、粉体
としての流動性を獲得するに至らない。
【0016】一方、加熱温度を高くすれば、加熱時間を
短くすることができるが、比較的高い温度で開始させた
硬化は、加熱を止めて常温に冷却した後も、ある程度進
行する傾向が見られ、不完全硬化の程度をコントロール
することが困難になったり、そこまで行かなくても、コ
ンパウンドのシェルライフを短くする危険があるから、
低めの温度が無難である。90℃以下に止めておくこと
により、加熱時間の長短の影響を小さくでき、最適条件
の決定に苦労しなくて済む。硬化が進行しすぎた場合、
得られるコンパウンドの粉体としての流動性に関しては
問題ないが、磁場中成形時の配向性が損なわれるため、
高性能の異方性ボンド磁石を得ることができない。
【0017】好適な加熱時間は、10分〜10時間の範
囲内にあるが、好ましくは30分〜3時間の範囲から選
ぶ。加熱時間があまり短いと、粉体としての流動性がよ
いコンパウンドは得られないし、長すぎると、磁場中成
形時の配向性を悪くする。本発明の眼目は、バインダー
としてのエポキシ樹脂が不完全に硬化した状態で示す特
性を利用することにあり、その成否は硬化の程度と硬化
のありようにかかっているから、適切な原料エポキシ樹
脂を選択するとともに、その磁石粉末との混合物の熱処
理条件を適切に決定することが重要である。後記する実
施例を参考に、必要であれば若干の実験を追加すること
により、当業者は最適な態様を容易に見出すことができ
るであろう。
【0018】磁場中の圧縮成形は、既知の技術に従って
行なえばよく、在来の磁場成形プレス機をそのまま使用
することができる。本発明によるコンパウンドは、粉体
としての流動性が高いから、製造しようとするボンド磁
石製品が1mm程度の肉薄であっても、金型への充填に
特別の工夫を必要とせず、通常の、粉末の自由落下を利
用する自動フィーダーを使用することができる。
【0019】
【実施例】[実施例1]市販のNd−Fe−B系異方性
磁石粉末「MQA−T」(マグネクエンチ・インターナ
ショナル社)100重量部に対し、常温における粘度が
120ポイズであるビスフェノールA型液状エポキシ樹
脂「エピコート828」(油化シェルエポキシ製)を2
重量部と、硬化剤「エポメートB002」(同)を0.
5重量部添加し、よく混合した。この混合物を窒素雰囲
気下に75℃に1時間保持して、エポキシ樹脂の不完全
な硬化をさせた。その結果、硬い水飴状であった混合物
は、砂状に変化して、粉体としての流動性を獲得した。
【0020】このようにして得た磁石粉末コンパウンド
約200gを、磁場成形プレス機に取り付けてある自動
金型フィーダーに入れた。金型は、外径25mm、内径
23mm(したがって肉厚1mm)のリング磁石製造用
のものであり、磁場は、ラジアル方向に印加する構造で
ある。金型の自動充填深さは、12.5mmに設定し
た。自動フィーダーは、金型の上部を往復運動し、粉体
の自動落下により金型へ粉体が供給される方式のもので
ある。
【0021】この装置を使用して、コンパウンドの自動
充填→磁場中圧縮成形→成形体の金型からの取り出しの
サイクルを、自動運転により行なった。自動フィーダー
の往復運動は3回、磁場の強さはラジアル方向に12k
Oe、成形圧力は10トン/cm2とした。コンパウン
ドの金型への充填は良好に行なわれ、外径25mm、内
径23mm、高さ5mmのリング状成形体を得た。得ら
れた成形体を、窒素雰囲気下に150℃に1時間加熱し
て、エポキシ樹脂を完全に硬化させた。
【0022】バインダーの完全な硬化によって得られた
異方性ボンド磁石を、ラジアル方向の磁気特性を測定で
きるように加工し、磁気特性をBHループトレーサーに
より測定した。結果は、つぎのとおりであった。 Nd−Fe−B異方性ボンド磁石の磁気特性 Br(kG) iHc(kOe) (BH)max(MGOe) 9.5 14.3 18.4
【0023】[実施例2]実施例1において、異方性磁
石粉末をSm−Fe−N系(Sm2Fe173型、平均粒
子径3μmの微粉)に変更したほかは同様に処理してコ
ンパウンドを用意し、磁場中圧縮成形により自動成形し
た。コンパウンドの金型への充填は良好で、外径25m
m、内径23mm、高さ4.6mmのリング状成形体を
得た。エポキシ樹脂の完全硬化により得られた異方性ボ
ンド磁石の磁気特性は、つぎのとおりであった。 Sm−Fe−N異方性ボンド磁石の磁気特性 Br(kG) iHc(kOe) (BH)max(MGOe) 8.6 9.4 15.3
【0024】[実施例3]実施例1において、異方性磁
石粉末をSm−Co系(Sm2Co17型、平均粒子径1
50μmの粗粉)に変更したほかは同様に処理してコン
パウンドを用意し、磁場中圧縮成形により自動成形し
た。コンパウンドの金型への充填は良好で、外径25m
m、内径23mm、高さ5.2mmのリング状成形体を
得た。エポキシ樹脂の完全硬化により得られた異方性ボ
ンド磁石の磁気特性は、つぎのとおりであった。 Sm−Co異方性ボンド磁石の磁気特性 Br(kG) iHc(kOe) (BH)max(MGOe) 8.9 12.6 17.5
【0025】[比較例1]実施例1において、磁石粉末
とエポキシ樹脂の混合物を75℃に1時間加熱する処理
をしなかったものは、上記の装置において金型への充填
ができず、したがって成形もできなかった。
【0026】[比較例2]実施例1において、エポキシ
樹脂として液状でなく固体のものを使用し、磁石粉末と
の混合物を75℃に1時間加熱する処理をしなかったほ
かは、同様に磁場中圧縮成形により自動成形した。コン
パウンドの金型への充填は良好に行なえたが、得られた
異方性ボンド磁石の磁気特性は、次のとおり低いものに
止まった。 Nd−Fe−Bボンド磁石の磁気特性 Br(kG) iHc(kOe) (BH)max(MGOe) 7.6 14.6 8.6
【0027】[比較例3]実施例1において、エポキシ
樹脂として液状でなく固体のものを使用し、かつ磁石粉
末との混合物を75℃に1時間加熱する処理を加え、同
様に磁場中圧縮成形により自動成形した。コンパウンド
の金型への充填はこの場合も良好に行なえたが、得られ
た異方性ボンド磁石の磁気特性は、つぎのとおり低かっ
た。 Nd−Fe−Bボンド磁石の磁気特性 Br(kG) iHc(kOe) (BH)max(MGOe) 7.3 14.7 8.2
【0028】[実施例4〜15および比較例4〜8]実
施例1において、使用する液状エポキシ樹脂バインダー
の常温粘度を種々選択して使用し、またコンパウンド製
造時の熱処理条件を種々変更して、磁場プレス成形機に
よる自動成形を行なった。得られた成形体に、実施例1
と同様な150℃、1時間の熱処理を施してエポキシ樹
脂を完全に硬化させて、異方性ボンド磁石を製造した。
各製品磁石について磁気特性を測定した。そのデータ
を、バインダーの常温粘度、混合物の熱処理条件、金型
へのコンパウンド充填性および得られた成形体の高さと
ともに、下にまとめて示す。
【0029】 区 分 25℃に 熱処理 充填性 成形体 Nd-Fe-Bボンド磁石の磁気特性 おける粘度 条 件 高 さ Br iHc (BH)max (ポイズ) (mm) (kG) (kOe) (MGOe) 実施例 4 2 75℃×30分 良 2.6 9.8 13.9 19.1 5 50 75℃×30分 優 4.3 9.8 14.0 19.0 6 100 75℃×30分 優 4.8 9.6 14.2 18.6 7 180 75℃×30分 優 5.1 9.3 14.4 17.9 8 250 75℃×30分 優 5.2 8.8 14.6 15.8 9 100 75℃×10分 優 4.6 9.8 14.1 19.2 10 100 75℃×1時間 優 4.8 9.7 14.3 18.8 11 100 75℃×5時間 優 5.1 9.5 14.4 18.1 12 100 75℃×10時間 優 5.2 9.3 14.2 17.8 13 100 50℃×30分 良 2.3 9.8 13.7 19.5 14 100 60℃×30分 良 2.5 9.9 13.9 19.915 100 90℃×30分 優 5.1 8.9 14.5 16.3 比較例 4 1 75℃×30分 不可 − − − − 5 300 75℃×30分 優 5.2 7.8 14.9 11.9 6 100 75℃× 5分 不良 1.5 9.6 14.3 17.9 7 100 40℃×30分 不可 − − − − 8 100 100 ℃×30分 優 5.1 7.7 14.4 11.5
【0030】以上の実施例・比較例のデータから、次の
ことがわかる。 ・ バインダーとしては、適切な常温粘度をもつ液状の
エポキシ樹脂を使用し、磁石粉末との混合物を適切な温
度・時間の条件で熱処理することにより、充填性のよい
コンパウンドができる。 ・ コンパウンドの充填性は良好であっても、あまりに
高粘度のエポキシ樹脂を使用したり、熱処理が過度にな
ったものは、ボンド磁石の磁気特性が劣る。
【0031】
【発明の効果】本発明の異方性ボンド磁石用コンパウン
ドは、粉体としての流動性が高いから、在来の自動充填
式の磁場中圧縮成形機で容易に成形することができ、高
い生産性をもってボンド磁石を製造することができる。
得られた異方性ボンド磁石は、コンパウンドが磁場中で
示す配向性が高いことから、異方性を高度に実現した、
高性能の磁石である。とりわけ、磁束密度および最大エ
ネルギー積が大きい磁石が得られる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 異方性磁石粉末にエポキシ樹脂を混合し
    てなるコンパウンドであって、エポキシ樹脂が不完全に
    硬化した状態にあることを特徴とする異方性磁石粉末コ
    ンパウンド。
  2. 【請求項2】 異方性磁石粉末として、Nd−Fe−B
    系、Sm−Fe−N系またはSm−Co系の希土類磁石
    の粉末を使用した請求項1の異方性磁石粉末コンパウン
    ド。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の異方性磁石粉末コンパ
    ウンドを製造する方法であって、異方性磁石粉末に、常
    温における粘度が2〜250ポイズの範囲にある液状の
    エポキシ樹脂を混合し、混合物を50〜90℃に加熱す
    ることにより不完全に硬化させることを特徴とする製造
    方法。
  4. 【請求項4】 異方性磁石粉末とエポキシ樹脂との混合
    物の加熱を、10分〜10時間行う請求項1の製造方
    法。
  5. 【請求項5】 請求項1または2に記載の異方性磁石粉
    末コンパウンドを磁場中で圧縮成形し、ついで成形体
    を、エポキシ樹脂の完全硬化をもたらす温度および時間
    の条件の下に加熱することからなる異方性ボンド磁石の
    製造方法。
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