JP2001066429A - 偏光光学素子 - Google Patents

偏光光学素子

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JP2001066429A
JP2001066429A JP24563099A JP24563099A JP2001066429A JP 2001066429 A JP2001066429 A JP 2001066429A JP 24563099 A JP24563099 A JP 24563099A JP 24563099 A JP24563099 A JP 24563099A JP 2001066429 A JP2001066429 A JP 2001066429A
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JP24563099A
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Masato Kuwabara
眞人 桑原
Koichi Fujisawa
幸一 藤沢
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Sumitomo Chemical Co Ltd
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Sumitomo Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】偏光分離・合成を用いずに自然光に対する透過
率が50%を超える偏光光学素子を提供する。 【解決手段】(1)一方の領域(A)が、長さが光の波
長より長い長軸と光の波長より短い短軸を有する異方的
な形状であり、長軸に平行な直線偏光に対する旋光度
が、該領域(A)の部分では、式1:n×180゜+φ
゜であり、該領域以外の部分(領域B)では、式2:m
×180゜+φ゜であり、該形状の短軸に平行な直線偏
光に対して、 式3:(k+1/2)×180゜+φ゜ [n、m、k:整数、φ:0〜180°]になるように
領域A、Bが形成され、実質的に光の吸収や反射を伴わ
なずに、入射した自然光が領域A及び/又はBを経由し
て同一方向に振動する直線偏光として出射して、出射光
の強さが入射光の強さの50%を超えて取り出せる偏光
光学素子。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、不特定な偏光状態
が混合された自然光を一方向の偏光に変換するための偏
光光学素子であって、偏光の分離・合成を伴わずに自然
光に対する透過率が50%を超える偏光光学素子およ
び、それを用いた表示装置、光源または記憶装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】液晶表示装置などに用いられている偏光
板は、延伸された高分子フィルムにヨウ素や二色性色素
などの吸収に異方性を有する化合物を吸着、配向させて
なり、偏光板に入射した光のうち二色性色素の吸収軸に
平行な光を吸収し、それと直交する成分の光を透過する
ことにより直線偏光を得ている。このような吸収型の偏
光板では原理的に自然光に対する透過率は50%を超え
ることができないため、光の利用効率が悪かった。分光
分析などに用いられている偏光素子は、複屈折性結晶を
伝搬する固有偏光に対する屈折率の違いや、反射率の違
いを利用し、一方の固有偏光を光路からはずすことによ
り直線偏光を得ている。このような偏光素子の例として
グラン−トンプソンプリズムやニコルプリズムなどが挙
げられるが、自然光に対する透過率は原理的に50%を
超えることができない。また、可視光より波長の長い赤
外線に対しては、細い金属線を平行に並べたワイヤーグ
リッド偏光子が用いられている。ワイヤーグリッド偏光
子では、金属線に垂直に振動する電気ベクトルを持つよ
うな偏光を透過し、金属に平行に振動する電気ベクトル
を持つ偏光を反射することにより、直線偏光を得てい
る。
【0003】コレステリック液晶を用いた円偏光板で
は、選択波長域の光が入射した場合に、コレステリック
液晶のネジレと同じ方向の円偏光は反射され、異なる方
向の円偏光が透過するいわゆる選択反射性を示す。コレ
ステリック液晶の選択反射を用いて円偏光板として、ま
たはコレステリック液晶層の後にλ/4板を配置するこ
とで、得られた円偏光を直線偏光に変換して直線偏光板
として使うことが試みられているが、この場合でも自然
光に対する透過率は50%を超えることができない。
【0004】偏光ビームスプリッターは、屈折率の異な
る多層膜からなり、自然光を多層膜にブリュースター角
で入射することによりp偏光を透過し、s偏光を反射す
ることで直線偏光を得ている。この場合でも自然光に対
する透過率は50%を超えることができず、光の利用効
率が悪かった。異方性結晶基板に回折格子を形成し偏光
素子とすることも検討されている。特開平6−2732
2号公報には異方性を有する基板上に回折格子を形成
し、基板を伝搬する固有偏光のうちいずれかに対しては
回折が起こらず、残る固有偏光に対して回折が起こるよ
うに屈折率異方性を調整することにより、異なる固有偏
光の進行方向を変化させ、偏光分離できることが開示さ
れている。この方法でも偏光を分離しているため、自然
光に対する透過率は良くなかった。
【0005】このように従来ある偏光光学素子では、自
然光に対する透過率が50%を越えることがなく光の利
用効率が悪かった。上記したような偏光の反射や屈折を
利用した偏光素子の場合、反射や屈折された光を、透過
した光の偏光状態と同じになるように変換し、透過光と
合わせて用いることにより、光の利用効率をあげること
が試みられている。例えば、特開平3−122631号
公報には、偏光ビームスプリッターの場合、図1に示す
ように偏光ビームスプリッター(1−2)に反射された
s偏光(1−4)の光路にλ/2波長板(1−5)を配
置しs偏光をp偏光(1−6)に変換した後、偏光ビー
ムスプリッターを透過したp偏光(1−3)と合成する
方法が開示されている。また、特開平10−28233
7号公報には、偏光ビームスプリッターの替わりに、直
角三角形柱列を用いる方法が例示されている。
【0006】コレステリック液晶を用いた場合も同様な
分離された偏光の再利用が検討されている。例えば欧州
公開特許第407830号明細書には、光源の背後に反
射板を配置し、コレステリック液晶により反射された偏
光を反対まわりの偏光に変換し、再度利用することが開
示されている。さらに欧州公開特許第407830号明
細書には、コレステリック液晶を偏光ビームスプリッタ
ーの代わりに使用することも開示されている。すなわち
コレステリック液晶層への自然光の入射角が45゜にな
るように配置し、右円偏光と左円偏光に分離し、反射さ
れた円偏光を再度反射させるときに円偏光の向きを逆転
させ、透過した円偏光と同じ偏光状態に変換し、2つの
同じ円偏光を利用することが開示されている。
【0007】また、再公表特許WO97/43671号
公報には、配向した旋光性物質層を透過した直線偏光の
旋光性が、偏光方向により異なることを利用し、ある特
定の方向の直線偏光の成分を強まるように偏光面をそろ
えるようにした偏光変換素子が開示されている。直線偏
光の偏光面をそろえる方法として、旋光性物質を配向さ
せて針状結晶のような異方性を有するものにすること
や、旋光性があっても良いベースポリマーに旋光性物質
の配向した結晶を分散する方法などが開示されている。
以上述べてきたように、従来の偏光板または偏光光学素
子で、自然光に対する透過率を50%以上にするために
は、偏光分離を行い、分離された一方の偏光状態を変換
し、2つの偏光を再度合成すると言った煩雑な工程を経
て、一つの偏光状態を得る必要があった。また、上記し
た先行文献には記載のないものもあるが、2つの偏光を
再度合成するための光学系が大きくなり、高精度の位置
調整が要求されるなどの問題もあった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、偏光
分離・合成を用いずに自然光に対する透過率が50%を
超える偏光光学素子を供給すること、および該偏光光学
素子を用いた表示装置、偏光光源または記憶装置を提供
することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前述の課
題を解決するため鋭意検討を重ねた結果、異方的な形状
の部分による旋光性と、そうでない部分の旋光性の違い
を積極的に利用することにより、偏光分離を伴わず偏光
が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0010】すなわち、本発明は下記の(1)または
(2)を提供する。 (1)一方の領域(A)が、長さが光の波長より長い長
軸と光の波長より短い短軸を有する異方的な形状であ
り、長軸に平行な直線偏光に対する旋光度が、該領域
(A)の部分では、式1
【数4】n×180゜+φ゜ (nは整数、φは0か
ら180の任意の角度) であり、該領域以外の部分(領域B)では、式2
【数5】m×180゜+φ゜ (mは整数でm≠n、
φは式1と同じ角度) であり、該形状の短軸に平行な直線偏光に対して、式3
【数6】(k+1/2)×180゜+φ゜ (kは整
数、φは式1と同じ角度) になるように領域A、Bが形成され、実質的に光の吸収
や反射を伴わなずに、入射した自然光が領域A及び/又
はBを経由して同一方向に振動する直線偏光として出射
して、出射光の強さが入射光の強さの50%を超えて取
り出せることを特徴とする偏光光学素子。 (2)上記(1)記載の偏光光学素子を用いた表示装
置、光源または記憶装置。
【0011】
【発明の実施の形態】以下本発明の思想を図を元に詳細
に説明する。図2のaは本発明の一例の偏光素子であ
り、異方的な形状としてストライプ状の形状を例にとっ
て本発明の動作原理を説明する。透明で90゜の右旋光
性(式1においてn=0かつφ=90に該当する)を有
するストライプ状の部分(2−1)と、90゜の左旋光
性(式2においてm=−1かつφ=90に該当する)を
有するストライプ状の部分(2−2)とからなる。図2
のaにおいてストライプ状の形状2−1は領域Aに該当
し、ストライプ状の形状2−2は領域Bに該当する。右
旋光性の部分と左旋光性の部分は交互に配置されてお
り、ストライプの長さは光の波長と比較して充分長く形
成されている。ストライプの幅は光の波長に対して短く
なるよう形成されており、領域Aと領域Bのストライプ
の幅が等しくなるように形成されている。
【0012】いまストライプに平行なy軸方向に電気ベ
クトルが振動するような直線偏光が基板の下側から入射
し、z軸方向に伝播する場合を考える。図2のaに示す
ように、本発明の偏光素子は、2−1で示す部分に入射
した直線偏光に対して90゜の右旋性を示し、2−2で
示す部分に入射した直線偏光に対し90゜の左旋性を示
す。
【0013】図2のbは、2−1に示す右旋性を示す部
分に入射したy方向に電気ベクトルが振動する直線偏光
を示しており、電気ベクトルの振動方向が角柱(2−
5)で示されており、角柱の長軸(長さ方向)が電気ベ
クトルの振動方向に該当する。図2のaの2−1で示す
部分に入射した直線偏光は、2−1の部分による旋光性
のため、図2のbに示すように入射した光の偏光方向を
90゜回転させ、ストライプと直交したx軸方向に電気
ベクトルが振動する直線偏光として出射する。
【0014】また、図2のcは、2−2に示す左旋性を
示す部分に入射したy方向に電気ベクトルが振動する直
線偏光を示している。図2−aの2−2で示す部分に入
射した直線偏光は、2−2の部分による旋光性のため図
2−cに示すように入射した光の偏光方向を−90゜回
転させ、ストライプと直交したx軸方向に電気ベクトル
が振動する直線偏光として出射する。従ってストライプ
に平行なy軸方向に電気ベクトルが振動するような直線
偏光は、領域A,Bのいずれを通ってもストライプに直
交するx軸方向に振動する直線偏光として出射する。
【0015】次に,ストライプに直交するx軸方向に電
気ベクトルが振動するような直線偏光が本発明の偏光素
子の下側から入射しz軸方向に伝播する場合を考える。
ストライプの幅は光の波長より短くなるように形成され
ているため、x方向に電気ベクトルが振動するような直
線偏光は右旋性の部分(2−1)と左旋性の部分(2−
2)に同時に入射するため、複数のストライプの旋光性
を平均して感じる。この例ではストライプの幅が等しく
なるように形成されているため、旋光性の平均値が0
(請求項1の式3において、k=−1かつφ=90)に
なる。図2のdに示すように入射したx軸方向に電気ベ
クトルが振動する直線偏光は、本発明の偏光素子を透過
する際に旋光を受けずに伝播し、ストライプに直交する
x軸方向に電気ベクトルを有する直線偏光として出射す
る。
【0016】このように本発明の偏光素子では、ストラ
イプの幅を適当に選択することによりストライプに平行
なy軸方向に振動する直線偏光も、ストライプに直交す
る方向のx軸方向の直線偏光も、ストライプに直交する
x軸方向の直線偏光として出射することができ、直交す
る2つの直線偏光を分離することなしに、1種類の直線
偏光を得ることができる直線偏光光学素子として作用す
る。
【0017】自然光はあらゆる状態の偏光を均等に含ん
だように見える光であり、強度の等しいx軸方向の直線
偏光とy軸方向の直線偏光の和と考えて良い。従って入
射した自然光の強度を100とするとx軸方向の直線偏
光の強度が50、y軸方向の直線偏光の強度が50と考
えられる。
【0018】以上説明してきたよう本願の偏光光学素子
では、入射した自然光のうち強度50のy軸方向の直線
偏光は強度を保ったまま、x軸方向の直線偏光に変換さ
れ偏光光学素子を出射し、入射した自然光のうち強度5
0のx軸方向の直線偏光は強度を保ったままx軸方向の
直線偏光として偏光光学素子を出射する。従って本発明
の偏光光学素子を出射するx軸方向の直線偏光強度は5
0以上になり、本発明の偏光光学素子では偏光分離・合
成を伴わず自然光に対する透過率が50%を超えること
ができる。
【0019】また、上記の例では領域Aと領域Bの旋光
度の符号が逆で、それぞれの領域の幅が同じである場合
を例にとって説明したが、旋光度と領域A,Bの幅は上
記に限定されるものではない。例えば、上記の式1およ
び式2において、nとmの符号が逆の場合、領域Aと領
域Bのストライプの幅の比がm:nかつmおよびnが光
の波長以下になるように設定すると、ストライプに直交
する方向の偏光に対して領域Aの部分の旋光性と領域B
の部分の旋光性がキャンセルされ、ストライプに直交す
る偏光は旋光を受けずに伝播し、上述した自然光に対す
る透過率が50%を超えるような効果が得られる。
【0020】本発明の異方的な形状を有する領域として
上記したストライプ状の形状に限定されるものではな
く、本発明の思想を損なわなければどのような形状であ
っても良い。例えば、図3のaに示すような等方的な媒
質(3−1)に旋光性物質を分散し異方的な形状(3−
2)としたものでは、領域Aとして分散された旋光性物
質が、領域Bとして等方的な媒質が相当する。また、図
3のbに示すように旋光性の媒質(3−3)に等方的な
物質を分散させ異方的な形状(3−4)としたものなど
では、領域Aとして分散された等方的な物質が、領域B
として旋光性の媒質が相当する。
【0021】式1〜3のn,m,k,φの値の組み合わ
せにも限定はなく、上記したように(n,m,k,φ)
=(0,−1,−1,90)の組み合わせも可能であ
る。等方的な媒質中に180゜の旋光性を有する物質で
異方的な形状を有するものを分散させ、形状の短軸方向
の偏光に対しては90゜の旋光性を示すよう、媒質と分
散させた物質の比を最適化した場合では(n,m,k,
φ)=(0,1,0,0)になる。また180゜の旋光
性の媒質に等方的な物質を異方的な形状になるよう分散
させ、短軸方向の偏光に対しては90゜の旋光性になる
ように分散させた物質の形状を最適化した場合では
(n,m,k,φ)=(1,0,0,0)になる。この
ように本発明の主旨を損なわない限り、(n,m,k,
φ)の組み合わせは任意にして良い。
【0022】次に本願と一見関連が深そうに見える、再
公表特許WO97/43671号公報と本願との関係に
ついて説明する。再公表特許WO97/43671号公
報では、旋光性の異方性を利用した光の利用効率の高い
偏光光学素子が開示されているが、旋光性の異方性を得
るために、旋光性物質を配向させる必要がある。従って
該出願の明細書中では、「多数の分子からなるアモルフ
ァス状態の固体やポリマーないしは水溶液などの状態で
は分子ごとの異方性があらゆる角度で生じ、その異方性
がお互いに相殺されるため、いずれの偏光面でも旋光角
は同じになり、異方性が無くなってしまう。」と記載さ
れている。一方、本願では、該出願とは異なり旋光性物
質を配向させるのではなく、上記したように異方的な形
状を有し、旋光性の異なる領域を作製することで、入射
した直線偏光方向により旋光角の違いが生じ異方性が発
現する。従って該出願では否定されているアモルファス
状態や水溶液の状態などでも、旋光性の異なる領域を作
製さえすれば旋光性の異方性が発現する。このように本
願は該出願とは本質的な発想が異なる。
【0023】次に、本発明の異方的な形状を構成する旋
光性物質としては、分子自体には光学的に不活性である
が配向して光学活性を示すものや、分子自体に不整元素
を有し分子の立体構造に起因する光学活性を示すもので
ある。前者の例としては対称中心がない結晶構造を取る
ものであり石英、硫化水銀、硫酸リチウムカリウム、塩
素酸ナトリウム、臭素酸ナトリウムなどの結晶やネジレ
配向したネマティック液晶などであり、後者の例として
は不整炭素を有する有機物で乳酸、酒石酸、酒石酸塩、
ショ糖、ブドウ糖、アラニンなどや、液晶物質に混合し
て液晶をネジレ配向させるためのキラルドーパントなど
の物質が例示される。
【0024】本発明の異方的な形状の形成方法としては
とくに限定はなく、公知の微細化高技術が適用できる。
例えばストライプ状の異方的な形状を形成する場合は、
基板上に形成した上記旋光性物質をフォトリソグラフィ
ー、電子ビームリソグラフィーなどの公知の方法でスト
ライプ状にパターンニングし、基板を露出させることに
より旋光度の異なる2種類の領域を作製する方法などが
例示される。
【0025】また媒体に異方的な形状を有するものを分
散させる方法では、異方的な形状を有する結晶で旋光性
のあるものなどを直接等方的な媒体に分散させて、媒体
を延伸する、分散させるときにシェアを加えて異方的な
形状のものを配向させる方法などが例示される。また、
可塑性の媒体に物質を分散させて媒体を延伸することに
より分散したドメインの形状を変形させ、異方的な形状
を形成する方法なども例示される。
【0026】本発明の偏光光学素子は光の吸収や反射が
なく、自然光に対する透過率が50%を超えるため、光
を有効利用することができ、明るい光源が必要な場合
や、光源による消費電力が大きい装置に用いることがで
き、例えば、表示装置、光源、記憶装置などに使用でき
る。表示装置としては、液晶表示装置や投影型の液晶表
示装置の偏光板として好適に使用できる。光源として
は、偏光した光が必要な光源であり、発光源と証明した
い物体の間に本発明の偏光光学素子を配置することによ
り、偏光を照射する光源として使用することができ、自
動車用のヘッドライトや液晶プロジェクター用の偏光光
源などが例示される。記憶装置としては、光磁気ディス
クなどの偏光状態の変化により情報を記憶する装置の光
源もしくは光検出器に用いられる偏光素子として使用で
きる。
【0027】
【実施例】以下、本発明を更に詳細に説明する。言うま
でもないが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。
【0028】実施例1 旋光性を有する物質として、ネジレ配向した液晶化合物
を用いる。図2のaの2−1に相当する右旋性を与える
部分には、液晶化合物に右旋性を与えるキラルドーパン
トをドープし、右90度ネジレのネジレ配向させる。図
2のaの2−2に相当する左旋性を与える部分には、液
晶化合物に左旋性を付与するキラルドーパントをドープ
し、左90゜ネジレの配向を得る。これらの右旋性と左
旋性を有する部分とがストライプ状で同じ幅になるよう
形成し、図2のaのように配置し、本発明の偏光光学素
子を得る。得られる偏光光学素子に自然光を入射する
と、ストライプの長手方向に直交する直線偏光が出射す
る。入射光と出射光の強度比を測定すると、出射光の強
さは入射光の強さの50%を超える。
【0029】実施例2 旋光性を有する物質として、実施例1記載の液晶化合物
の替わりに、右水晶と左水晶を用いて、実施例1と同様
の構造を有する偏光光学素子を得る。得られた偏光光学
素子に自然光を入射すると、ストライプの長手方向に直
交する直線偏光が出射する。入射光と出射光の強度比を
測定すると出射光の強さは入射光の強さの50%を超え
る。
【0030】実施例3 実施例1または2記載の偏光光学素子を液晶表示装置の
偏光板として用いるとバックライトの光を有効に使うこ
とができ、明るい表示ができる。またノートパソコンに
該液晶表示装置を用いた場合、バックライトの輝度を落
とすことができるため、消費電力を小さくすることが可
能であり、バッテリーが小型化できるなどのメリットが
ある。また、実施例1記載の偏光光学素子を投影型の液
晶表示装置の偏光板として用いると、非吸収型の偏光板
であるため偏光板による吸熱が少なく、偏光板の冷却フ
ァンを省くことができると共に、光源の輝度を落とすこ
とができ、消費電力の削減が可能である。また従来の偏
光ビームスプリッターと比較して光学系が小型化でき
る。
【0031】実施例4 実施例1または2記載の偏光光学素子を自動車のヘッド
ライトに用い、道路面に対して垂直な偏光が出射するよ
うに配置する。車のヘッドライトからの光の路面への入
射角は大きいため、路面に水たまりがあった場合の水た
まりによるs偏光とp偏光の反射率は大きく異なり、p
偏光の反射率が小さい。従ってヘッドライトからp偏光
を出射する用に本願の偏光光学素子を配置すると、雨の
日などの対向車の運転者が感じるまぶしさが少なくな
る。更に本願の偏光光学素子は吸収型の偏光素子ではな
いため、光のロスも少なく、ヘッドライトの光を有効に
利用することができる。
【0032】
【発明の効果】本発明によれば、光の分離合成のための
複雑な光学系は必要なく、また、光の吸収、反射などを
伴わず光のロスがないため、光の利用効率が極めて高い
偏光素子が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の偏光ビームスプリッターを用いた、偏光
分離・合成法による偏光光学素子の作用を説明する図。
【図2】a:本発明の実施例を示した偏光光学素子の構
造の例。90゜の旋光性と−90゜の旋光性を有するス
トライプ状の異方的な形状を形成した状態を示す図。 b:本発明の偏光光学素子のストライプ状に形成された
右旋性の領域をz方向に伝播し、入射時にはy方向に振
動する直線偏光が、出射時にはx方向に振動する直線偏
光になる状況を説明する図。 c:本発明の偏光光学素子のストライプ状に形成された
左旋性の領域をz方向に伝播し、入射時にはy方向に振
動する直線偏光が、出射時にはx方向に振動する直線偏
光になる状況を説明する図。 d:本発明の偏光光学素子のストライプに垂直なx方向
に振動する直線偏光が、z方向に伝播する間に、右旋性
の領域と左旋性の領域の両方の旋光性平均として感じ、
偏光状態を変えずに出射時にもx軸方向に振動する直線
偏光になる様子を説明する図。
【図3】a:本発明の別の様態の偏光光学素子の一例。
等方的な媒体に旋光性物質が分散し、異方的な形状を有
する領域を形成している状態を示す図。 b:本発明の別の様態の偏光光学素子の一例。旋光性物
質からなる媒体に等方的な物質が分散し、異方的な形状
を有する領域を形成している状態を示す図。
【符号の説明】
1−1:入射した自然光 1−2:偏光ビームスプリッター 1−3:偏光ビームスプリッターを透過したp偏光 1−4:偏光ビームスプリッターにより反射されたs偏
光 1−5:2分の1波長板(λ/2板) 1−6:λ/2板により変換されたp偏光 2−1:右旋性を有するストライプ状構造 2−2:左旋性を有するストライプ状構造 2−3:図2のaにおける座標系 2−4:光の進行方向 2−5:直線偏光の電気ベクトルの振動方向 3−1:等方的な媒体 3−2:旋光性物質からなる異方性形状を持った領域A 3−3:旋光性物質からなる媒体 3−4:等方的な物質からなる異方性形状を持った領域

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一方の領域(A)が、長さが光の波長より
    長い長軸と光の波長より短い短軸を有する異方的な形状
    であり、長軸に平行な直線偏光に対する旋光度が、該領
    域(A)の部分では、式1 【数1】n×180゜+φ゜ (nは整数、φは0か
    ら180の任意の角度) であり、該領域以外の部分(領域B)では、式2 【数2】m×180゜+φ゜ (mは整数でm≠n、
    φは式1と同じ角度) であり、該形状の短軸に平行な直線偏光に対して、式3 【数3】(k+1/2)×180゜+φ゜ (kは整
    数、φは式1と同じ角度) になるように領域A、Bが形成され、実質的に光の吸収
    や反射を伴わなずに、入射した自然光が領域A及び/又
    はBを経由して同一方向に振動する直線偏光として出射
    して、出射光の強さが入射光の強さの50%を超えて取
    り出せることを特徴とする偏光光学素子。
  2. 【請求項2】請求項1記載の偏光光学素子を用いた表示
    装置、光源または記憶装置。
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