JP4684447B2 - 光学素子及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、支持体上に光学活性化合物を有することを特徴とする光学素子に関する。
【0002】
【従来の技術】
1/2波長板、旋光性結晶板や位相差板等の直線偏光や楕円偏光の方位を回転させるための旋光子としては、水晶等の旋光性結晶や方解石等の複屈折性結晶からなるものが知られている。しかしながら、精度向上のための結晶調節や研磨処理などに高度な技術と多大な労力、時間を要するため生産性が非常に低く、また、大面積の形成が困難であるという問題点があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上述のような従来技術の課題を解決し、良好な生産性で製造された大面積の光学素子を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、支持体上に光学活性化合物を有する光学素子が、上記課題を解決できるという知見を見出し、本知見に基づき本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、以下の[1]〜[13]に記載した事項により特定される。
[1] 光学活性を有するポリ乳酸系樹脂が該支持体と或いは該支持体上の薄層と化学結合し、該ポリ乳酸系樹脂の主鎖が支持体面に垂直に配向しており、旋光性を有する光学素子。
[2] 支持体が酸化ケイ素を含む、[1]の光学素子。
[3] 支持体がFused Silicaである、[2]の光学素子。
[4] ポリ乳酸系樹脂が、乳酸と乳酸以外の(共)重合可能な多官能性化合物との共重合体である、[1]〜[3]の何れかの光学素子。
[5] ポリ乳酸系樹脂中の乳酸由来繰り返し単位における異性体含有量が、0〜10モル%である、[1]〜[4]の何れかの光学素子。
[6] 旋光性が、10〜10000°/1mmの旋光能を発現するものである、[1]〜[5]の何れかの光学素子。
[7] 少なくとも2軸方向に旋光性を有する[1]〜[6]の何れかの光学素子。
[8] [1]〜[7]の何れかの光学素子からなる光変調素子。
[9] 駆動周波数が、1MHz〜100GHzである、[8]の光変調素子。
[10] 駆動電圧が、0.01kV/m〜1MV/mである、[8]又は[9]の光変調素子。
[11] 支持体表面上の官能基或いは該支持体上の薄層の官能基と、光学活性を有するポリ乳酸系樹脂中の官能基を反応させることにより、支持体上にポリ乳酸系樹脂を結合させる、[1]〜[7]の光学素子の製造方法。
[12] 光学活性を有するポリ乳酸系樹脂中の官能基が、光学活性を有するポリ乳酸系樹脂の末端基である[11]の光学素子の製造方法。
[13] 支持体表面上の官能基或いは該支持体上の薄層の官能基を開始剤とし、単量体を重合させることにより、支持体上に光学活性を有するポリ乳酸系樹脂を結合させる、[1]〜[7]の光学素子の製造方法。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態につき詳細に説明する。
【0006】
[光学活性化合物]
旋光性を有する光学活性化合物としては、不斉の立体構造を有する分子、イオン、分子不斉を有する分子、イオン、結晶の分子配列により旋光性を示す物質が挙げられる。光学活性化合物は、右旋性、左旋性、どちらでも良く、また、混合物の場合には一方が過剰であれば良い。
【0009】
[ポリ乳酸系樹脂]
本発明において、光学活性化合物としてポリ乳酸系樹脂を使用する。ポリ乳酸系樹脂とは、ポリ乳酸、乳酸とヒドロキシカルボン酸等の共重合可能な多官能性化合物とのコポリマー、乳酸及び多価アルコールと多価カルボン酸のコポリマー、及びそれらの混合物を包含する。これらのポリ乳酸系樹脂のうち、ホモポリマーであるポリ乳酸が好ましく、L−ポリ乳酸がより好ましい。以下の説明においてはポリ乳酸系樹脂を、適宜、光学活性化合物と称すことがある。
【0010】
また、混合物の場合、相溶化剤を含有してもよい。ポリ乳酸系樹脂がコポリマーの場合、コポリマーの配列の様式は、ランダム共重合体、交替共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合体の何れでもよい。さらに、これらは少なくとも一部が、キシリレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート等の多価イソシアネートや、セルロース、アセチルセルロースやエチルセルロース等の多糖類等の架橋剤で架橋されたものでも良く、少なくとも一部が、線状、環状、分岐状、星状、三次元網目構造等のいずれの構造をとっていても良く、何ら制限されない。
【0011】
[乳酸]
原料となる乳酸は、L−乳酸、D−乳酸、DL−乳酸、又は、それらの混合物が挙げられ、乳酸の環状2量体であるラクチドを樹脂の原料として使用する場合には、L−ラクチド、D−ラクチド、メソ−ラクチド、又は、それらの混合物が挙げられる。
これらの光学異性体原料を種々に組み合わせて、また、反応条件により、所望の光学純度を有する乳酸と乳酸以外の(共)重合可能な多官能性化合物との共重合体を重合することができるが、異性体含有量は、0〜10%が好ましく、0〜5%がより好ましく、0〜2%がさらに好ましい。例えば、乳酸がL−乳酸である場合、D−乳酸の含有量は、0〜10%が好ましく、0〜5%がより好ましく、0〜2%がさらに好ましい。
【0012】
[共重合可能な多官能性化合物]
共重合可能な多官能性化合物としては、例えば、グリコール酸、ジメチルグリコール酸、2−ヒドロキシ酪酸、3−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ酪酸、2−ヒドロキシプロパン酸、3−ヒドロキシプロパン酸、2−ヒドロキシ吉草酸、3−ヒドロキシ吉草酸、4−ヒドロキシ吉草酸、5−ヒドロキシ吉草酸、2−ヒドロキシカプロン酸、3−ヒドロキシカプロン酸、4−ヒドロキシカプロン酸、5−ヒドロキシカプロン酸、6−ヒドロキシカプロン酸、6−ヒドロキシメチルカプロン酸、マンデル酸等のヒドロキシカルボン酸;グリコリド、β−メチル−δ−バレロラクトン、γ−バレロラクトン、ε−カプロラクトン等の環状エステル;シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、テレフタル酸等の多価カルボン酸、及びこれらの無水物;エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、ネオペンチルグリコール、テトラメチレングリコール、1,4−ヘキサンジメタノール等の多価アルコール;セルロース等の多糖類、α−アミノ酸等のアミノカルボン酸等を挙げることができる。
これらの共重合可能な多官能性化合物は、一種類又は二種類以上の混合物であってもよく、不斉炭素を有する場合、L体、D体、及びその任意の割合の混合物であってもよい。
【0013】
[ポリ乳酸系樹脂の製造方法]
本発明において使用するポリ乳酸系樹脂の製造方法は特に限定されないが、例えば、特開昭59−096123号、特開平7−033861号等に記載されている、乳酸を直接脱水縮合して得る方法、又は、米国特許第4,057,357号、Polymer Bulletin,14巻,491〜495頁(1985年)、Makromol.Chem.,187巻,1611〜1628頁(1986年)等に記載されている乳酸の環状二量体であるラクチドを用いて開環重合させる方法等により製造することができる。
開始剤として、支持体上の官能基を用いて重合することができる。
【0014】
[ポリ乳酸系樹脂]
本発明において使用するポリ乳酸系樹脂の重量平均分子量(Mw)は、特に制限されるものではないが、1万〜1000万が好ましく、3万〜300万がより好ましく、5万〜100万がさらに好ましい。本発明で使用するポリ乳酸系樹脂の重量平均分子量(Mw)及び分子量分布(Mw/Mn)は、その製造方法において、原料の種類、溶媒の種類、触媒の種類及び量、反応温度、反応時間、反応系の脱水の程度等の反応条件を適宜選択することにより所望のものに制御することができる。
本発明で使用するポリ乳酸系樹脂は、透明性が高いことから、光学素子として広く用いることができる。
【0015】
[ポリアミノ酸の製造方法]
ポリアミノ酸の合成方法は特に制限されないが、普通、N−カルボキシアミノ酸無水物の重合により得ることができる。
N−カルボキシアミノ酸無水物の重合に触媒や開始剤を用いる場合、普通、ブチルアミン、ヘキシルアミン等の1級アミン、ジエチルアミン等の2級アミン、トリエチルアミン等の3級アミン、ナトリウムアルコラート等の塩基性触媒や開始剤を用いることができる。支持体上のアミノ基を開始剤として重合することができる。
重合溶媒は、テトラヒドロフラン、ジクロロエタン、ジクロロメタン、アセトニトリル、トルエン、ジメチルスルホキシド等が用いられるが、アミノ酸の種類により適当な溶媒を選択することにより、高重合度のポリアミノ酸を得ることができる。
【0016】
[支持体]
本発明で用いられる支持体は、光学活性物質を支持することができれば特に制限されない。無機物質、有機物質、あるいはそれらの複合体を支持体としても良い。また、支持体は、単層でも、2層以上の多層構造でも構わない。
例えば、ソーダ石灰ガラス、鉛ガラス、バリウムガラス、ホウケイ酸ガラス、リンケイ酸ガラス、フッ化物ガラス、さらにランタン、トリウム、チタンなどを含むガラス;
金、銀、白金、パラジウム、銅、鉄、チタン、アルミニウム、等の金属及びその酸化物;
インジウムチンオキサイド(ITO)、酸化ジルコニウム等の金属酸化物;
シリコン、ガリウム砒素、インジウムリン;
石英、水晶等の二酸化ケイ素、マイカ、雲母;
ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイソブチレン等のポリオレフィン、ポリスチレン、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリロニトリル、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸、ポリメタクリル酸エステル、ポリアクリルアミド、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリオキシメチレン、ポリビニルアルコール、ポリエチレンイミン、ポリアリルアミン、ポリビニルアミン、6−ナイロン、66−ナイロン等のポリアミド、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリイミド、ポリイミダゾール、ポリオキサゾール、ポリ(エーテルエーテルケトン)、ポリジメチルシロキサン、ポリフェニレンスルフィド、ポリテトラフルオロエチレン、ポリビニリデンフルオリド等の樹脂;
等が挙げられる。
樹脂が用いられる場合、1種でも2種以上の混合物でも良く、また、共重合体でも構わない。
【0017】
光学活性化合物は、化学結合の形成により支持体上に結合しており、この結合は支持体の性質と、光学活性化合物の性質により決定される。化学結合としては、共有結合、イオン結合、金属結合、配位結合、水素結合、疎水性相互作用、π−π相互作用などが挙げられる。支持体上の光学活性化合物による被覆率は、特に制限されないが、通常50〜100%、好ましくは70〜100%である。光学活性化合物の吸着力を高めたり、化学結合を形成させるために光学活性化合物と支持体の間に、単分子層等の薄層を形成させることもできる。
【0018】
本発明で用いる支持体の厚さは、特に限定されないが、通常、1μm〜10mm、好ましくは10μm〜2mmである。
【0019】
本発明で用いる支持体の形状は、特に、制限されない。通常、平面の板状であるが、その使用目的によっては、球状、半球状、その他いかなる曲面を有していても良く、また、凸凹を有していても構わない。その使用目的により、適当な形状を有するものが使用される。
【0020】
本発明で用いる支持体は、光線を透過させて使用する場合には光学的に透明であることが好ましく、光線を反射させて使用することもできる。
【0021】
[製造方法]
本発明の光学素子の製造方法は、特に、制限されない。
例えば、支持体上に光学活性化合物層を形成するには、スピンコーティング等、公知の方法を用いることができる。
支持体と光学活性化合物を共有結合により化学結合させる場合、通常、支持体表面上の官能基と、光学活性化合物中の官能基を反応させる。
【0022】
本発明において光学活性化合物は光学活性ポリマー(ポリ乳酸系樹脂)なので、二通りの方法があり、支持体表面上の官能基と、光学活性ポリマー中の(末端)官能基を反応させることにより化学結合させる方法と、支持体表面の官能基を開始剤とし、単量体を重合させることにより、支持体上に光学活性ポリマーを結合させる方法がある。
【0023】
本発明で用いられる支持体や光学活性化合物が官能基を有する場合、官能基としては、長鎖アルキル基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、アミノ基、4級アンモニウム基、アミド基、エポキシ基、アルコキシシリル基、ハロシリル基、チオール基、ジスルフィド基、スルフィド基、スルホン酸基、シアノ基、イソシアノ基、二重結合、三重結合、リン酸基、等が挙げられる。
【0024】
支持体表面上に適当な官能基がない場合、支持体上に官能基を有する層を形成させて所望の官能基を付与することができる。例えば、シランカップリング剤等で処理することができる。シランカップリング剤としては、アミノプロピルトリメトキシシラン、アミノプロピルトリエトキシシラン、アミノプロピルジメトキシメチルシラン、アミノプロピルジエトキシメチルシラン、アミノプロピルメトキシジメチルシラン、アミノプロピルエトキシジメチルシラン、(3−グリシドキシプロピル)ジメチルエトキシシラン、(3−グリシドキシプロピル)ジメチルメトキシシラン等が挙げられる。
他の手段を併用し、このようにして得られた支持体上の光学活性化合物の配向度を向上させることができる。
【0025】
[支持体上に光学活性物質を有する光学素子の旋光性]
本発明の支持体上に光学活性化合物を有する光学素子は、適当な構造制御により、高い旋光性を発現せしめることができる。本発明においては、主鎖がらせん構造を形成するポリマーの主鎖方向を支持体面に垂直に配向させているので、支持体面垂直方向に巨大な旋光能を生じさせることができる。旋光性を利用する光学素子である場合、その旋光能は特に制限されないが、普通、10〜10000°/1mmであることが好ましい。
【0026】
[添加剤]
本発明で使用する光学活性化合物には、旋光性やその他の物性を改善する目的で、目的に応じて添加することができる。
添加剤の具体例としては、例えば、可塑剤、熱安定剤、光安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、顔料、着色剤、各種フィラー、帯電防止剤、離型剤、香料、滑剤、難燃剤、発泡剤、充填剤、抗菌剤、防菌剤、核形成剤等を挙げることができる。
【0027】
添加する添加剤の組成比は、実質的に機能を発揮することができれば特に制限されないが、通常、光学活性化合物の重量を規準として、0.001〜30重量%、好ましくは0.01〜20重量%、さらに好ましくは0.1〜10重量%である。
これらの添加剤を加えることにより、例えば、少なくとも2軸方向に旋光性を付与することもでき、この場合、添加剤が光学活性を有する化合物であることが好ましい。
【0028】
[用途]
本発明に係る光学素子は、例えば、光通信システム、光交換システム、光計測システムの分野において、旋光子、波長板、偏光板、光偏向機、位相差板、導波路、レンズ、光ファイバー、光ファイバーの被覆材料、発光素子、光変調素子、光増幅素子、光スイッチ、光シャッター、調光体、調光パネル、光磁気記憶素子、光メモリー、ホログラム等の記録媒体、光演算素子、バーコード、太陽電池、光検出器、半導体レーザー、固体レーザー、LED、EL、空間光変調器、波長変換素子、光アイソレーター、フォトリフラクティブ、PSHB、液晶パネル、ヘッドアップディスプレイ等の表示材料などに用いることができる。
旋光性を利用して、光変調素子として用いることができ、駆動周波数が1MHz〜100GHzであることが好ましく、駆動電圧が0.01kV/m〜1MV/mであることが好ましい。
また、少なくとも2軸方向に旋光性を有することにより、より高度な演算素子等の光学素子として用いることができる。
光学素子として用いる際に、他の偏光板等の光学素子と組み合わせた形態として用いることができる。
【0029】
【実施例】
以下、実施例によって本発明をより具体的に説明するが、本発明は実施例のみに限定されるものではない。
【0030】
[実施例1]
直径15mmのFused Silica板(CVI Laser Corporation、PW−0604−UV)を、30%過酸化水素水/濃硫酸(15ml/35ml)中で、3時間、超音波洗浄した。
蒸留水で良く洗浄し、80℃で、1時間、窒素気流下で乾燥した。
Fused Silica板、L−ラクタイド(50g)、オクタン酸錫(0.005g)を混合し、180℃で、2時間反応し、更に、215℃で、1時間反応させた。
反応終了後、クロロホルムに可溶なポリ乳酸を溶解除去した。このポリ乳酸の重量平均分子量は、20.2万だった。
更に、基板をクロロホルム50ml中で5分間、超音波洗浄を行なった。この操作を3回行ない、更にクロロホルムでリンスし、窒素気流下で乾燥した。
屈折率楕円体測定装置を用い旋光能を測定したところ、80°/1mmであった。
【0031】
[実施例2]
トルエン(80ml)に、3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン(0.8ml)、Fused Silica板を加え、室温で22時間反応させた。
トルエン(50ml)中で3分間、超音波洗浄を行った。超音波洗浄を3回行なった後、更にトルエンでリンスした。
重量平均分子量14万のポリ乳酸(10g)/クロロホルム溶液(90g)にシランカップリング剤で処理したFused Silica板を加え、氷浴で冷却した。ジシクロヘキシルカルボジイミド(2.1g)/クロロホルム(2.1g)溶液を加え、1時間後に室温にした。20時間後に、クロロホルム(100g)を追加し、更に8時間反応させた。このポリ乳酸の重量平均分子量は、19.6万だった。実施例1と同様に超音波洗浄、リンスし、窒素気流下乾燥した。
実施例1と同様に旋光能を測定したところ、50°/1mmであった。
【0032】
[参考例]
Fused Silica板を、同様に過酸化水素水/濃硫酸で処理した。トルエン(90ml)に、グリシドキシプロピルジメチルエトキシシラン(1.2ml)、Fused Silica板を加え、室温で20時間反応させた。Fused Silica板をトルエン(100ml)中で3分間、超音波洗浄を行なった。超音波洗浄を3回行なった後、更にトルエンでリンスし、真空乾燥した。重量平均分子量2.2万のポリ−γ−ベンジル−L−グルタメート(1g)/N,N−ジメチルホルムアミド溶液(50ml)にシランカップリング剤で処理したFused Silica板を加え、60℃で13時間反応させた。支持体をN,N−ジメチルホルムアミド(100ml)中で3分間超音波洗浄した。超音波洗浄を2回行なった後、更にN,N−ジメチルホルムアミドでリンスし、真空乾燥した。実施例1と同様に旋光能を測定したところ、60°/1mmであった。
【0033】
[比較例1]
直径15mmのFused Silica板(CVI Laser Corporation、PW−0604−UV)を、30%過酸化水素水/濃硫酸(15ml/35ml)中で、3時間、超音波洗浄した。
蒸留水で良く洗浄し、80℃で、1時間、窒素気流下で乾燥した。
Fused Silica板、D,L−ラクタイド(50g)、オクタン酸錫(0.005g)を混合し、180℃で、2時間反応し、更に、215℃で、1時間反応させた。
反応終了後、クロロホルムに可溶なポリ乳酸を溶解除去した。このポリ乳酸の重量平均分子量は、12.2万だった。
更に、支持体をクロロホルム50ml中で5分間、超音波洗浄を行なった。この操作を3回行ない、更にクロロホルムでリンスし、窒素気流下で乾燥した。
実施例1と同様に旋光能を測定したところ、0°/1mmであった。
【0034】
【発明の効果】
本発明の光学素子は、成形性、加工性、柔軟性、軽量性、薄膜性、取扱性に優れるので、種々の分野で幅広く使用することができる。
Claims (13)
- 光学活性を有するポリ乳酸系樹脂が支持体と或いは該支持体上の薄層と化学結合し、該ポリ乳酸系樹脂の主鎖が支持体面に垂直に配向しており、旋光性を有する光学素子。
- 支持体が酸化ケイ素を含む、請求項1に記載の光学素子。
- 支持体がFused Silicaである、請求項2に記載の光学素子。
- ポリ乳酸系樹脂が、乳酸と乳酸以外の(共)重合可能な多官能性化合物との共重合体である、請求項1乃至3の何れかに記載の光学素子。
- ポリ乳酸系樹脂中の乳酸由来繰り返し単位における異性体含有量が、0〜10モル%である、請求項1乃至4の何れかに記載した光学素子。
- 旋光性が、10〜10000°/1mmの旋光能を発現するものである、請求項1乃至5の何れかに記載した光学素子。
- 少なくとも2軸方向に旋光性を有する請求項1乃至6の何れかに記載した光学素子。
- 請求項1乃至7の何れかに記載した光変調素子。
- 駆動周波数が、1MHz〜100GHzである、請求項8に記載した光変調素子。
- 駆動電圧が、0.01kV/m〜1MV/mである、請求項8又は9に記載した光変調素子。
- 支持体表面上の官能基或いは該支持体上の薄層の官能基と、光学活性を有するポリ乳酸系樹脂中の官能基を反応させることにより、支持体上にポリ乳酸系樹脂を結合させる、請求項1乃至7の何れかに記載の光学素子の製造方法。
- 光学活性を有するポリ乳酸系樹脂中の官能基が、光学活性を有するポリ乳酸系樹脂の末端基である請求項11に記載した光学素子の製造方法。
- 支持体表面上の官能基或いは該支持体上の薄層の官能基を開始剤とし、単量体を重合させることにより、支持体上に光学活性を有するポリ乳酸系樹脂を結合させる、請求項1乃至7の何れかに記載の光学素子の製造方法。
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