JP2001065544A - 加圧ローラおよび加熱定着装置 - Google Patents

加圧ローラおよび加熱定着装置

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JP2001065544A
JP2001065544A JP24585199A JP24585199A JP2001065544A JP 2001065544 A JP2001065544 A JP 2001065544A JP 24585199 A JP24585199 A JP 24585199A JP 24585199 A JP24585199 A JP 24585199A JP 2001065544 A JP2001065544 A JP 2001065544A
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pressure roller
elastic layer
sponge
silicone rubber
hollow body
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JP24585199A
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Kazuo Kishino
一夫 岸野
Masaaki Takahashi
正明 高橋
Hideo Kawamoto
英雄 川元
Osamu Saotome
修 五月女
Yuji Kitano
祐二 北野
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Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 十分なローラ硬度と断熱性が両立された加圧
ローラを提供すること。 【解決手段】 芯金11の外周に弾性層12および離型
層13が内側からこの順に形成された加圧ローラであっ
て、該弾性層が無機系微少中空体を含むスポンジ状シリ
コーンゴムよりなる加圧ローラ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真画像形成
装置などの複写機やプリンターに使用される加圧ローラ
および加熱定着装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】電子写真画像形成装置などの複写機やプ
リンターでは、加熱定着手段として、熱効率や安全性の
良好な接触加熱型の熱ローラ方式、および省エネルギー
タイプのフィルム加熱方式が採用されている。
【0003】熱ローラ方式の加熱定着装置は、加熱用回
転体としての加熱ローラ(定着ローラ)と、加熱ローラ
に圧接させた加圧用回転体としての加圧ローラを基本構
成としている。未定着画像(トナー画像)が形成された
被記録材(転写材シート、静電記録紙、エレクトロファ
ックス紙、印字用紙など)は、これらのローラを回転さ
せることによって、ローラ間の圧接ニップ部(定着ニッ
プ部)に導入される。そして、圧接ニップ部を通過する
際に、加熱ローラからの熱と圧接ニップ部の圧力によっ
て、未定着画像は被記録材上に永久画像として熱圧定着
される。
【0004】フィルム加熱方式の加熱定着装置では、加
熱ローラの代わりに耐熱性樹脂よりなる定着フィルムが
用いられ、加圧ローラにより定着フィルムが発熱体に圧
接されている。そして、加熱体と加圧ローラ間に形成さ
れる圧接ニップ部に、未定着画像を担持した被記録材と
定着フィルムとを同時に導入、搬送し、定着フィルムを
介して付与される加熱体からの熱と、圧接ニップ部の圧
力によって、未定着画像を被記録材上に永久画像として
熱圧定着させる。フィルム加熱方式については、例え
ば、特開昭63−313182号公報、特開平2−15
7878号公報、特開平4−44075〜44083号
各公報、特開平4−204980〜204984号各公
報に開示されている。フィルム加熱方式の加熱定着装置
では、加熱体として低熱容量線状加熱体を、また、定着
フィルムとして薄膜で低熱容量のものを用いることがで
きるので、省電力化・ウエイトタイム短縮化(クイック
スタート性向上)が実現できる。
【0005】これまで、複写機やプリンターなどの小型
が進み、これらに使用される加圧ローラも小径してき
た。そして、加圧ローラの小径化に伴い、定着時におけ
るニップ巾を確保することを目的に、加圧ローラの芯金
外周に形成される弾性体層は低硬度化されてきた。例え
ば、特公平4−77315号公報に開示されるように、
弾性体層にスポンジ状シリコーンゴムが用いられてき
た。しかし最近では、良好な定着性を実現するために
は、ニップ巾を確保するだけではなく、ニップ圧も確保
することが重要と考えられてようになってきている。す
なわち、加圧ローラのローラ硬度を適当な値とし、好ま
しいニップ巾とニップ圧を両立する試みがなされてい
る。例えば、フッ素樹脂チューブが被覆されたスポンジ
状シリコーンゴムよりなる加圧ローラにおいて、ローラ
硬度を従来に比べて若干高い45〜60°(ASKER
−C)に設定することにより、ニップ圧を確保し、定着
性が向上された加熱定着装置が提案されている(特開平
5−107972号公報)。
【0006】また近年、高速化および省電力化のため
に、加熱効率をあげることによりスタンバイ温調を行わ
ない(クイックスタート性)加熱定着装置が増えてきて
いる。このような装置においては、加熱体の発する熱量
が加圧ローラを介して放熱されることを防ぐため、加圧
ローラの断熱性を高める試みがなされている。例えば、
特開平5−46041号公報では、シャフトに支持さ
れ、内部に空気層を有する中空回転体なる加圧ローラが
提案されている。また、特開平9−212025号公報
においても、加圧ローラの熱容量を小さくしたまま、定
着性を向上し、加熱ローラの設定温度を下げ、ウォーム
アップタイムを短くすることが提案されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、弾性層
がスポンジ状シリコーンゴムよりなる加圧ローラにおい
て、十分に高いローラ硬度と断熱性を両立することは困
難な場合が多い。すなわち、従来のスポンジ状シリコー
ンゴムよりなる弾性層の熱伝導率は5×10-4(cal
/cm・℃・sec)程度あり、この値を小さくするに
は、スポンジ状シリコーンゴムの発泡倍率を挙げなけれ
ばならない。ところが、従来の加圧ローラのローラ硬度
(ASKER−C)は40°以下と低いため、スポンジ
状シリコーンゴムの発泡倍率を挙げると、さらにローラ
硬度が低下し、十分なニップ圧を確保できなくなるばか
りか、弾性層を構成するセル壁が薄くなり耐久性に問題
が生じる場合がある。内部に空気層を有する中空回転体
なる加圧ローラにおいても、十分なニップ圧を確保する
ことが難しく、定着性に問題が生じる可能性がある。特
に、最近トナーの小粒径化が進み、ニップ圧の確保はさ
らに重要となってきている。すなわち、小粒径化トナー
の良好な定着性には、従来以上のニップ圧が必要となる
のである。さらに、コットン(Cotton)含有の所
謂ボンド(Bond)紙のような表面の粗れた紙に対し
ても、良好な定着性を得るためには、より一層のニップ
圧の確保が望まれる。
【0008】一方既に述べたとおり特開平5−1079
72号公報には、ローラ硬度を従来に比べて若干高い4
5〜60°(ASKER−C)に設定することにより、
またスポンジ状シリコーンゴムの発泡倍率を150〜2
00%とすることにより、ニップ圧は確保されるが、こ
の場合、熱伝導率が従来の弾性層より高くなり、加圧ロ
ーラの断熱性は不十分となることが懸念される。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明によれば、芯金の外周に弾性層および離型層が
内側からこの順に形成された加圧ローラであって、該弾
性層が無機系微少中空体を含むスポンジ状シリコーンゴ
ムよりなることを特徴とする加圧ローラが提供される。
ここでスポンジ状シリコーンゴムとは多孔質シリコーン
ゴムまたは発泡シリコーンゴムとも呼ばれるものであ
る。本発明においては、スポンジ状シリコーンゴムにこ
れまで添加されてきた充填剤と異なり、無機系微少中空
体が使用される。このため、得られる弾性層は高剛性化
し、ロール硬度が向上する。さらに、無機系微少中空体
の添加により、弾性層に多数の中空構造が形成されるた
め、熱伝導率が低下し、断熱性が向上する。したがっ
て、弾性層がスポンジ状シリコーンゴムよりなる加圧ロ
ーラにおいて、十分に高いローラ硬度と断熱性の両立が
可能となる。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明においては、前記無機系微
少中空体の平均粒径および真比重が、それぞれ1mm以
下および0.05g/cm3以上1g/cm3以下であっ
て、前記弾性層は、前記スポンジ状シリコーンゴム10
0重量部に対して該無機系微少中空体が1重量部以上4
0重量部以下混合されてなることが好ましい。なお、真
比重とは空気を排除した粉体密度を意味しており、AS
TM D2840に準じて、エアーコンパリソンピクノ
メータを用いて測定される。
【0011】さらに好ましい平均粒径は800μm以
下、最も好ましくは600μmがよい。前記無機系微少
中空体を顕微鏡で観察し、各中空体の長径と短径の和の
半分を粒径とし、任意の20個の中空体の粒径を平均し
たものを平均粒径とする。無機系微少中空体の平均粒径
が十分小さい場合は、スポンジ状シリコーンゴム中での
より均一な混合が実現され、得られる加圧ローラの特性
はさらに良好となる。平均粒径の下限は特に制限されな
いが、1μm以上であれば無機系微少中空体の製造がよ
り容易となり、さらに好ましい。また、さらに好ましい
真比重は0.06g/cm3以上0.8g/cm3以下、
最も好ましくは0.07g/cm3以上0.6g/cm3
以下がよい。真比重がこの範囲内であれば、無機系微少
中空体の機械的強度がより高く、弾性層形成中に破壊さ
れることはなく、同時に無機系微少中空体はより広い体
積の中空構造を保持しているため、弾性層により広い体
積の中空構造が形成され、熱伝導率がより低下し、得ら
れる加圧ローラの特性はさらに良好となるからである。
また、スポンジ状シリコーンゴム100重量部に対する
該無機系微少中空体のさらに好ましい添加量は2重量部
以上30重量部以下、最も好ましくは3重量部以上20
重量部以下である。添加量がこの範囲内であれば、弾性
層の高剛性化と熱伝導率低下に関する効果はさらに顕著
となり、同時に混合性はより良好で、弾性層の引張強度
など他の機械特性がさらに好ましくなり、得られる加圧
ローラの特性はより良好となるからである。
【0012】本発明で使用される無機系微少中空体は珪
酸系バルーンと非珪酸系バルーンに分類され、珪酸系バ
ルーンとしては、シラスバルーン、パーライト、ガラス
バルーン、シリカバルーン、フライアッシュバルーンな
どが例示できる。非珪酸系バルーンとしては、アルミナ
バルーン、ジルコニアバルーン、カーボンバルーンなど
が例示できる。
【0013】無機系バルーンの具体例を以下に挙げるが
本発明はこれらに限定されない。シラスバルーンとして
は、イヂチ化成(株)製のウインライト、三機工業
(株)製のサンキライト、ガラスバルーンとしては、日
本板硝子(株)製のカルーン、旭ガラス(株)製のセル
スター、3M(株)製のグラスバブルズフィラー、シリ
カバルーンとしては、旭硝子(株)製のQ−CEL、フ
ライアッシュバルーンとしては、PFAMARKETI
NG(株)製のCEROSPHERES、アルミナバル
ーンとしては、昭和電工(株)製のBW、ジルコニアバ
ルーンとしては、ZIRCOA(株)製のHOLLOW
ZIRCONIUM SPHEES、カーボンバルー
ンとしては、呉羽化学(株)製クレカスフェアなどであ
る。
【0014】無機系微少中空体は熱伝導率低下に寄与し
ており、断熱性を付与する気体のより良好な保持性、お
よびスポンジ状シリコーンゴムへのより良好な分散性の
観点からガラスバルーンが好ましい。すなわち、本発明
においては、前記無機系微少中空体がガラスバルーンで
あることが好ましい。該ガラスバルーンの具体例として
は、住友3M株式会社製グラスバブルズフィラーK1、
K15、K20、K37、S15、S22、S32、S
38、または、旭硝子株式会社製セルスターZ27、Z
36、Z39、Z42、Z45などが例示されるが、本
発明はこれに限定されない。
【0015】さらに本発明者らは、十分なローラ硬度と
断熱性の両立を実現するために、互いに拮抗する関係に
あるローラ硬度と熱伝導率の至適な範囲を鋭意検討し、
以下の結果を見出した。すなわち、前記加圧ローラのロ
ーラ硬度(ASKER−C)が46゜以上60゜以下で
あり、前記弾性層の熱伝導率が3×10-4(cal/c
m・℃・sec)以下であることが好ましい。なお、ロ
ーラ硬度(ASKER−C)とは、JIS−S−605
0に準じて、加圧ローラの表面硬度を直接測定すること
により決定される。具体的には、高分子計器株式会社製
ASKER−C型ゴム硬度計により、荷重600gで測
定される。熱伝導率は例えば、京都電子(株)製迅速熱
伝導率計QTM−D3を用いて測定される。ローラ硬度
(ASKER−C)のさらに好ましい範囲は47゜以上
59゜以下であり、最も好ましくは48゜以上58゜以
下である。また熱伝導率のさらに好ましい範囲は2.9
×10-4(cal/cm・℃・sec)以下であり、最
も好ましくは2.8×10 -4(cal/cm・℃・se
c)以下である。ローラ硬度と熱伝導率がこれらの範囲
内であれば、ニップ圧と加圧ローラの断熱性は、さらに
好ましいものとなる。
【0016】本発明におけるスポンジ状シリコーンゴム
の例としては、ジオルガノポリシロキサンなどのシリコ
ーンゴム原料に重合触媒を混和し、これに発泡材として
アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)の所要量を配
合し、その均一混合物を加熱、発泡させて得られる有機
発泡型のスポンジ状シリコーンゴムが挙げられる。AI
BNは、加熱により容易に化学的に分解してガスを発生
し、そのガスによってスポンジ状シリコーンゴムが形成
される。また他の例としては、シラノール基含有ポリオ
ルガノシロキサンと、ポリオルガノハイドロジェンシロ
キサンと、微量の白金触媒とを含んでなる混合物を反応
させることによって得られる、水素発泡型のスポンジ状
シリコーンゴムを挙げることができる。この場合、ポリ
オルガノハイドロジェンシロキサンの水素原子が、シラ
ノール基含有ポリオルガノシロキサンのシラノール基と
脱水素反応により水素ガスを発生すると共に架橋を行う
ことによって、水素発泡型のスポンジ状シリコーンゴム
が形成される。
【0017】無機系微少中空体は、例えばジオルガノポ
リシロキサンと重合触媒との混合物や、シラノール基含
有ポリオルガノシロキサンと、ポリオルガノハイドロジ
ェンシロキサンと、微量の白金触媒とを含んでなる混合
物に添加できる。なお、重合触媒や発泡剤の重量、およ
び反応に伴う重量変化は無視できるので、混合物100
重量部に対する無機系微少中空体の添加重量部は、スポ
ンジ状シリコーンゴム100重量部対する無機系微少中
空体の添加重量部と解釈できる。
【0018】断熱性の観点からは、水素発泡型のスポン
ジ状シリコーンゴムを利用することが好ましいが、本発
明はこれに限定されない。なぜなら、水素発泡型のスポ
ンジ状シリコーンゴムは、高発泡倍率の均一なスポンジ
を形成することができるため、これよりなる弾性層の熱
伝導率を0.5×10-4〜1.5×10-4cal/cm
・℃・secと、さらに低くすることができるからであ
る。なお、0.5×10-4(cal/cm・℃・se
c)以上であれば、弾性層の機械的強度より良好で、よ
り好ましい。
【0019】本発明においては必要に応じて、シリコー
ンゴムに一般に添加される充填剤が使用されても構わな
い。例えば、ヒュームドシリカ、沈降性シリカ、疎水化
処理したシリカ、カーボンブラック、二酸化チタン、酸
化第二鉄、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化
亜鉛、石英粉末、ケイソウ土、ケイ酸カルシウム、タル
ク、ベントナイト、アスベスト、ガラス繊維、有機繊維
などである。中でも耐熱性、機械的強度などの観点から
好ましい無機フィラーとしては、ベンガラ、黒ベンガ
ラ、酸化セリウムおよび、シリカなどを挙げることがで
きる。特にシリカはシリコーンゴムの強度を改善するも
のとして好ましい。
【0020】本発明で開示される加圧ローラは十分なロ
ーラ硬度と断熱性が両立されているため、加熱定着装置
に該加圧ローラを採用することにより、良好な定着性を
有し小型化されたクイックスタート性の加熱定着装置が
実現される。すなわち本発明においては、上記記載の加
圧ローラを含んでなるフィルム加熱方式または熱ローラ
方式の加熱定着装置が提供される。
【0021】本発明の加圧ローラの最外層に形成される
離型層は、長期間に渡り加熱体により加熱され、被記録
材から多数回の摩擦を受け、さらにトナーに曝される。
このため、離型層には、良好な耐熱性、摺動性、トナー
離型性が要求される。このような要求を満たす好ましい
材料の例としては、フッ素樹脂、ポリフェニレンスルフ
ィド、ポリスルホン、ポリエーテルイミド、ポリエーテ
ルスルホン、ポリエーテルケトン、液晶ポリエステル、
ポリアミドイミド、ポリイミドなどを挙げることがで
き、フッ素樹脂の中では、PTFE、PFA、FEPな
どが例示される。なお、弾性層と離型層の間に接着層が
設けられても構わない。
【0022】本発明におけるフィルム加熱方式の加熱定
着装置に使用される定着フィルムは、熱容量を小さくし
てクイックスタート性を向上させるために、総膜厚を1
0μm以上100μm以下、好ましくは20μm以上6
0μm以下の範囲とすることが好ましい。また、耐熱
性、離型性、機械的強度、耐久性などが良好な、例えば
PTFE、PFA、PPSなどの単層フィルム、あるい
はポリイミド、ポリアミドイミド、PEEK、PESな
どのフィルム表面にフッソ系プライマーを介しPTF
E、PFA、FEPなどフッ素樹脂をフィルム離型層と
してコーティングした複合層フィルムなどから構成する
ことが好ましい。さらに、フィルム離型層表面の表面粗
さについては、Rz値が5μm以下が好ましい。
【0023】
【実施例】図1に、本発明の加圧ローラの概略断面図を
示す。11は鉄やアルミなどの芯金であり、芯金11上
に無機系微少中空体を含むスポンジ状シリコーンゴムか
らなる弾性層12、接着層(図示省略)、さらにPTF
E、PFA、FEPなどのフッソ樹脂よりなる離型層1
3が順次形成されている。
【0024】図2に、本発明におけるフィルム加熱方式
の加熱定着装置の概略断面図を示す。20はエンドレス
ベルト状の耐熱性フィルム(定着フィルム)であり、半
円弧状のフィルムガイド部材(スティ)23に対して周
長に余裕を持たせた形で外嵌している。21は本発明で
開示される加圧ローラである。定着フィルム20は加圧
ローラ21の回転により、加熱体22面に密着した状態
で、矢示の方向に摺動し、画像形成部側から搬送されて
くる未定着画像(トナー画像)が形成された被記録材2
4を、シワのない状態で搬送する。
【0025】加熱体22は、電力供給により発熱する発
熱源としての通電発熱体(抵抗発熱体)22aを含み、
加熱体22の温度制御は、温度検知素子22bによる加
熱体22の検知温度が一定となるように、通電発熱体2
2aへの通電が制御される。例えば温度検知素子22b
の出力をA/D変換し、CPU(中央演算装置、不図
示)に取り込み、その情報をもとにトライアック(不図
示)により通電発熱体22aに通電するAC電圧を、位
相あるいは波数制御などのパルス幅変調をかけ、ヒータ
通電電力を制御する。あるいは、温度検知素子22bと
CPUとによる温調系により通電発熱体22aへの給電
をon/offすることによって、加熱体22温度を適
切な定着可能温度(例えば190℃)に制御する。
【0026】本発明の加圧ローラは高い断熱性を有して
いるため、加熱体22からの熱量のフィルム20を通し
た加圧ローラへの熱流入が抑制される。このため、室温
から昇温し、本発明におけるフィルム加熱式の加熱定着
装置を立ち上げる場合、短時間で加熱体22および定着
フィルム20の温度を定着可能とすることができる。本
発明におけるフィルム加熱式の加熱定着装置が立ちあが
った後、加熱体22との間に形成された圧接ニップ部
(定着ニップ部)に被記録材24が導入され、加圧ロー
ラ21の弾性層の変形によって生じる弾性力により、未
定着画像は被記録材上に永久画像として熱圧定着され
る。本発明の加圧ローラは十分なローラ硬度を有してい
るため、定着性は良好である。
【0027】(実施例1−1)ジオルガノポリシロキサ
ンと、重合触媒と、AIBNとの混合物100重量部に
対して、無機系微少中空体としてガラスバルーン(グラ
スバブルスK15:平均粒径100μm、真比重0.1
5g/cc、住友3M社製)5重量部を添加し、これを
加熱して、ゴム長225mm、ゴム厚2.5mm、外形
20mmなるスポンジ状シリコーンゴムを得た。なお、
ガラスバルーンを顕微鏡で観察し、各ガラスバルーンの
長径と短径の和の半分を粒径とし、任意の20個のガラ
スバルーンの粒径を平均して、平均粒径を求めた(以下
の実施例において同じ)。真比重とは空気を排除した粉
体密度を意味しており、ASTM D2840に準じ
て、エアーコンパリソンピクノメータを用いて測定した
(以下の実施例において同じ)。また、重合触媒とAI
BNの重量、および反応に伴う重量変化は無視できるの
で、この場合、スポンジ状シリコーンゴム100重量部
に対して、ガラスバルーンを5重量部加えたこととな
る。得られたスポンジ状シリコーンゴムを、厚み30μ
mのPFAチューブで被覆、接着し、加圧ローラを作成
した。スポンジ状シリコーンゴムの発泡倍率は、およそ
150%であり、京都電子(株)製迅速熱伝導率計QT
M−D3を用いて測定した(以下の実施例においても同
じである)熱伝導は、2.8×10-4(cal/cm・
℃・sec)であった。また、ローラ硬度は、52°
(JIS−S−6050に準じて、加圧ローラの表面硬
度を直接測定した。具体的には、高分子計器株式会社製
ASKER−C型ゴム硬度計により、荷重600gで測
定した。以下の実施例においても同じである)であっ
た。
【0028】(実施例1−2)無機系微少中空体として
ガラスバルーン(グラスバブルスK1:平均粒径120
μm、真比重0.10g/cc、住友3M社製)8重量
部を用いた以外は、実施例1−1と同様にして加圧ロー
ラを作成した。発泡倍率は約130%であり、熱伝導
は、2.3×10-4(cal/cm・℃・sec)であ
った。また、ローラ硬度は、55°(ASKER−C)
であった。
【0029】(比較例1−1)無機系微少中空体を添加
することなくAIBNの配合量を変更した以外は、実施
例1−1と同様にして加圧ローラを作成した。発泡倍率
は約150%であり、熱伝導は、3.8×10-4(ca
l/cm・℃・sec)であった。また、ローラ硬度
は、45°(ASKER−C)であった。
【0030】(比較例1−2)AIBNの配合量を変更
した以外は比較例1−1と同様にして加圧ローラを作成
した。発泡倍率は約230%であり、熱伝導は、2.5
×10-4(cal/cm・℃・sec)であった。ま
た、ローラ硬度は、38°(ASKER−C)であっ
た。
【0031】(実施例2−1)離型層として用いる厚み
20μmのポリイミドチューブ内に芯金を挿入し、水素
発泡型スポンジ状シリコーンゴムの原料100重量部対
し、無機系微少中空体としてガラスバルーン(グラスバ
ブルスK15:平均粒径100μm、真比重0.15g
/cc、住友3M社製)を10重量部配合した混合物
を、芯金とチューブ間に注入し、発泡、硬化させること
により面長225mm、ゴム厚約2.5mm、外形20
mmの加圧ローラを得た。ポリイミドチューブの外周面
は、予め10μm厚のフッ素樹脂コートが施されてい
る。また、内周面は、予めプライマー処理されており、
スポンジ状シリコーンゴム形成と同時に、フッ素樹脂が
コートされたポリイミドよりなる離型層が接着される。
【0032】スポンジ状シリコーンゴムの発泡倍率は、
およそ400%であり、熱伝導は、1.3×10-4(c
al/cm・℃・sec)であった。また、ローラ硬度
は、53°(ASKER−C)であった。
【0033】(比較例2−1)ガラスバルーンを配合し
ないこと以外は実施例2−1と同じ要領で、面長225
mm、ゴム厚約2.5mm、外形20mmの加圧ローラ
を得た。発泡倍率は約700%であり、熱伝導は、1.
2×10-4(cal/cm・℃・sec)であった。ま
た、ローラ硬度は、35°(ASKER−C)であっ
た。
【0034】(実装実験)本発明における加圧ローラを
搭載するフィルム加熱方式の加熱定着装置を実際に運転
し、立上がり時間とトナーの定着性を検討した。実験に
用いた定着フィルムとしては、厚み40μm、外形25
mmのシームレスポリイミドフィルムに、5μm厚みの
フッ素系プライマーを介してフィルム離型層としてフッ
ソ樹脂分散液(PTFEとPFAを50/50でブレン
ドしたもの)を塗工・焼成し、長さ230mmに裁断し
たものを用いた。フッソ樹脂層表面のRz値は4.5μ
mであった。また、実験に用いた加圧ローラは、上記の
実施例および比較例で作成したものを用いた。
【0035】下記条件で、フィルム加熱方式の加熱定着
装置を室温から立ち上げた場合の定着可能温度までの到
達時間(立上がり時間)を計測した。また、立上げ直後
に所定の未定着画像の乗ったA4サイズ紙を用いて通紙
テストを行い、画像定着性について比較した。結果を表
1に示した。
【0036】 [テスト条件]・加圧ローラ周速:50mm/sec ・ニップ圧 :9kgf ・供給電力 :300W ・定着設定温度 :190℃
【0037】
【表1】 比較例1−1と比較して、実施例1−1および実施例1
−2のいずれの場合も立上がり時間は短くなっている。
また、ニップ圧が確保されているので、定着性は良好で
あった。一方、比較例1−2では、発泡倍率を高くして
熱伝導率を下げたため立上がり時間は短いが、それに伴
いローラ硬度も低下し、ニップ圧が不足し、定着不良気
味となった。実施例2−1の場合は、実施例1−1およ
び実施例1−2よりさらに熱伝導が低くなっているた
め、さらに、立上がり時間は短くなっており、定着性も
良好であった。一方、比較例2−1の場合は、立上がり
時間は短いものの、ニップ圧が不足し、定着不良が発生
したのみならず、機械的強度にも問題があった。
【0038】以上より、本発明で開示される構成が満た
されている場合のみに、良好な定着性とクイックスター
ト性が両立できることが判った。
【0039】
【発明の効果】本発明における加圧ローラでは、弾性層
が無機系微少中空体を含むスポンジ状シリコーンゴムよ
りなるため、十分なローラ硬度と断熱性が両立されてい
る。また、本発明における加熱定着装置は、該加圧ロー
ラを装備しているため、良好な定着性とクイックスター
ト性が実現される。
【図面の簡単な説明】
【図1】加圧ローラの実施例概略断面図。
【図2】フィルム加熱方式による加熱定着装置の実施例
概略断面図。
【符号の説明】
11 芯金 12 弾性層 13 離型層 20 定着フィルム 21 加圧ローラ 22 加熱体 22a 通電発熱体 22b 温度検知素子 23 フィルムガイド部材 24 被記録材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03G 15/20 103 G03G 15/20 103 (72)発明者 川元 英雄 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 五月女 修 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 北野 祐二 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 Fターム(参考) 2H033 AA30 BB01 BB29 BB30 BE03 3J103 AA02 AA14 AA21 AA33 AA51 BA19 BA31 BA41 FA01 FA02 FA14 FA23 GA02 GA57 GA58 GA66 GA68 HA03 HA04 HA05 HA12 HA13 HA18 HA32 HA37 HA43 HA44 HA46 HA53 HA54 HA60

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 芯金の外周に弾性層および離型層が内側
    からこの順に形成された加圧ローラであって、該弾性層
    が無機系微少中空体を含むスポンジ状シリコーンゴムよ
    りなることを特徴とする加圧ローラ。
  2. 【請求項2】 前記無機系微少中空体の平均粒径および
    真比重が、それぞれ1mm以下および0.05g/cm
    3以上1g/cm3以下であって、前記弾性層は、前記ス
    ポンジ状シリコーンゴム100重量部に対して該無機系
    微少中空体が1重量部以上40重量部以下混合されてな
    ることを特徴とする請求項1記載の加圧ローラ。
  3. 【請求項3】 前記無機系微少中空体がガラスバルーン
    であることを特徴とする請求項1または2記載の加圧ロ
    ーラ。
  4. 【請求項4】 前記加圧ローラのローラ硬度(ASKE
    R−C)が46゜以上60゜以下であることを特徴とす
    る請求項1乃至3いずれかに記載の加圧ローラ。
  5. 【請求項5】 前記弾性層の熱伝導率が3×10-4(c
    al/cm・℃・sec)以下であることを特徴とする
    請求項1乃至4いずれかに記載の加圧ローラ。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至5いずれかに記載の加圧ロ
    ーラを含んでなるフィルム加熱方式の加熱定着装置。
  7. 【請求項7】 請求項1乃至5いずれかに記載の加圧ロ
    ーラを含んでなる熱ローラ方式の加熱定着装置。
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