JP2001064886A - い草の高堅牢度染色複合処理法 - Google Patents
い草の高堅牢度染色複合処理法Info
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 い草の染色において求められる安定な摩擦堅
牢度を実現し、染色い草製品の品質向上と安全且つ安定
な生産を実現可能とする。 【構成】 い草の清浄化と湿潤性向上を目的とする処理
工程を設け、染色前のい草改質処理とする。その後、分
散染料及び酸性染料を用いた染色を行い、い草表皮及び
茎内部海綿体にいたるまで安定な染色を実現せしめる。
この前処理工程と染色工程から構成される、新規性の高
い複合処理方法である。
牢度を実現し、染色い草製品の品質向上と安全且つ安定
な生産を実現可能とする。 【構成】 い草の清浄化と湿潤性向上を目的とする処理
工程を設け、染色前のい草改質処理とする。その後、分
散染料及び酸性染料を用いた染色を行い、い草表皮及び
茎内部海綿体にいたるまで安定な染色を実現せしめる。
この前処理工程と染色工程から構成される、新規性の高
い複合処理方法である。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、畳表、茣蓙及び花
茣蓙等に製品化されるい草を染色する場合において、摩
擦や水濡れによる色落ちを防ぎ染色堅牢性を高め、その
高品質を確保するための、洗浄及び湿潤化を目的とする
前処理加工及び新規性の高い染色処理加工と云う、連続
する複合処理法に関するものである。
茣蓙等に製品化されるい草を染色する場合において、摩
擦や水濡れによる色落ちを防ぎ染色堅牢性を高め、その
高品質を確保するための、洗浄及び湿潤化を目的とする
前処理加工及び新規性の高い染色処理加工と云う、連続
する複合処理法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来のい草染色加工は、塩基性染料及び
無機系顔料を用いて行われており、染色前に染色性に影
響を及ぼす何等かの前処理加工を施すことは無かった。
結果として染色い草は、簡単な指先による摩擦圧力程度
でも色落ちし、濡れた白布等で軽く摩擦すると明確に脱
落色素が白布へと移染すると云う、摩擦堅牢度が劣悪の
状況を呈していた。これは、日常生活において衣類等を
汚染すると云うことであり、人体皮膚に直接的に染料及
び着色剤が付着する機会が多くなることを意味してお
り、染色い草製品の安全性確保および販売環境の確立に
大きな障害となっていた。
無機系顔料を用いて行われており、染色前に染色性に影
響を及ぼす何等かの前処理加工を施すことは無かった。
結果として染色い草は、簡単な指先による摩擦圧力程度
でも色落ちし、濡れた白布等で軽く摩擦すると明確に脱
落色素が白布へと移染すると云う、摩擦堅牢度が劣悪の
状況を呈していた。これは、日常生活において衣類等を
汚染すると云うことであり、人体皮膚に直接的に染料及
び着色剤が付着する機会が多くなることを意味してお
り、染色い草製品の安全性確保および販売環境の確立に
大きな障害となっていた。
【0003】この摩擦堅牢性の品質劣悪傾向を改善する
ために、塩基性染料で染色した後に疎水性の酢酸ビニー
ル等のポリマー樹脂でい草表面をコーティングし、摩擦
堅牢度の維持を図ろうとしてきたが、完全な色落ち防止
結果は得られていない。また、塩基性染料に替わり、有
機顔料及び反応性染料等を用いた染色方法も考案されて
きたが、十分なる品質結果を出すには至っていない。ま
た、前処理を施さない分散染料及び酸性染料による染色
も試みられているが、安定的染着及び製品化品質の実現
には至らなかった。
ために、塩基性染料で染色した後に疎水性の酢酸ビニー
ル等のポリマー樹脂でい草表面をコーティングし、摩擦
堅牢度の維持を図ろうとしてきたが、完全な色落ち防止
結果は得られていない。また、塩基性染料に替わり、有
機顔料及び反応性染料等を用いた染色方法も考案されて
きたが、十分なる品質結果を出すには至っていない。ま
た、前処理を施さない分散染料及び酸性染料による染色
も試みられているが、安定的染着及び製品化品質の実現
には至らなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】以上のような状況に鑑
み、本発明は、い草の染色処理法を前処理工程と染色工
程の二工程から構成するものとし、前処理工程において
染色阻害性物質を排除せしめ、染色工程においては使用
染料を分散染料及び酸性染料とすることで完全なる摩擦
堅牢度結果を得ることを実現し、高品質の染色い草製品
を提供することを目的としている。
み、本発明は、い草の染色処理法を前処理工程と染色工
程の二工程から構成するものとし、前処理工程において
染色阻害性物質を排除せしめ、染色工程においては使用
染料を分散染料及び酸性染料とすることで完全なる摩擦
堅牢度結果を得ることを実現し、高品質の染色い草製品
を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は上述の課題を達
成するために、鋭意研究試験を重ねた結果、以下に述べ
る新規な、い草染色処理法を完成するに至ったものであ
る。
成するために、鋭意研究試験を重ねた結果、以下に述べ
る新規な、い草染色処理法を完成するに至ったものであ
る。
【0006】しかして本発明は、い草を染色するにあた
り前処理工程を設け、い草表皮及び茎内部海綿体に付着
する無機金属塩、乾燥泥土、油脂成分、澱粉系展着剤、
有機合成糊及び着色剤等を洗浄除去し、表皮気孔を清浄
化せしめ、併せてい草の湿潤性を向上させるものであ
る。
り前処理工程を設け、い草表皮及び茎内部海綿体に付着
する無機金属塩、乾燥泥土、油脂成分、澱粉系展着剤、
有機合成糊及び着色剤等を洗浄除去し、表皮気孔を清浄
化せしめ、併せてい草の湿潤性を向上させるものであ
る。
【0007】上述の前処理工程において、い草の持つ緑
色色素を漂白あるいは漂白傾向に制御し、後の工程であ
る染色処理における分散染料及び酸性染料の安定染着と
染料の発色性向上とを図るものである。
色色素を漂白あるいは漂白傾向に制御し、後の工程であ
る染色処理における分散染料及び酸性染料の安定染着と
染料の発色性向上とを図るものである。
【0008】本発明では、前処理工程において、い草の
持つ染色阻害性を排除し清浄な状態を現出せしめ、併せ
て染色工程での分散染料及び酸性染料の染着反応を有効
とさせ得る、い草の湿潤改質処理とも云える二工程の構
成からなる複合処理方法である。
持つ染色阻害性を排除し清浄な状態を現出せしめ、併せ
て染色工程での分散染料及び酸性染料の染着反応を有効
とさせ得る、い草の湿潤改質処理とも云える二工程の構
成からなる複合処理方法である。
【0009】以下に本発明の、い草の高堅牢度染色複合
処理法について詳細に説明する。
処理法について詳細に説明する。
【0010】本発明における前処理工程では、後の染色
工程で求められる発色性及び色相に対応していくつかの
処理手法を整備している。これは、淡色から濃色にいた
る各色相に対応すべく設けられたものである。
工程で求められる発色性及び色相に対応していくつかの
処理手法を整備している。これは、淡色から濃色にいた
る各色相に対応すべく設けられたものである。
【0011】染色結果において淡色の色相を求める場
合、過酸化水素水、化1に示す化学組成を有する低級ア
ルキル基系洗浄促進剤及び浸透性、洗浄性を有する界面
活性剤二種以上を用いて50℃以上90℃未満の処理温
度を以って前処理を水浴中にて行い、い草の緑色色素を
減色漂白せしめる。ここで用いられる浸透性及び洗浄性
を有する界面活性剤としては、高級アルコール系、サク
シネート系、ナフタリン縮合物系、ポリエチレングリコ
ール系、脂肪酸エステル系等があげられる。
合、過酸化水素水、化1に示す化学組成を有する低級ア
ルキル基系洗浄促進剤及び浸透性、洗浄性を有する界面
活性剤二種以上を用いて50℃以上90℃未満の処理温
度を以って前処理を水浴中にて行い、い草の緑色色素を
減色漂白せしめる。ここで用いられる浸透性及び洗浄性
を有する界面活性剤としては、高級アルコール系、サク
シネート系、ナフタリン縮合物系、ポリエチレングリコ
ール系、脂肪酸エステル系等があげられる。
【0012】
【化1】
【0013】染色結果において中間色以上、或いは濃色
の色相を求める場合には、過酸化水素水を使用せず、低
級アルキル基系洗浄促進剤及び浸透性、洗浄性を有する
界面活性剤二種以上を用いて50℃以上70℃未満の水
浴中にて前処理を行う。この場合、い草の緑色色素の減
色漂白は行われていない。
の色相を求める場合には、過酸化水素水を使用せず、低
級アルキル基系洗浄促進剤及び浸透性、洗浄性を有する
界面活性剤二種以上を用いて50℃以上70℃未満の水
浴中にて前処理を行う。この場合、い草の緑色色素の減
色漂白は行われていない。
【0014】上述の中間色及び濃色の染色結果を求める
場合に、過酸化水素水を用いる前処理方法を行うことに
何らの結果的悪影響は存在しない。い草の緑色色素が染
色での発色性を阻害しない場合に、敢えて減色漂白を目
的とする過酸化水素水を用いる必要はない。
場合に、過酸化水素水を用いる前処理方法を行うことに
何らの結果的悪影響は存在しない。い草の緑色色素が染
色での発色性を阻害しない場合に、敢えて減色漂白を目
的とする過酸化水素水を用いる必要はない。
【0015】染色での色相に影響するい草緑色色素の漂
白に関しては、過酸化水素水及び低級アルキル基系洗浄
促進剤による酸化漂白反応と浸透性及び洗浄性を有する
界面活性剤二種以上を添加することによる付着油脂類の
洗浄除去性能の貢献等により、安定な漂白結果を短時間
に実現可能とした。後の染色工程において、染料の発色
性が確保され、従来にない鮮やかな淡色色相を実現せし
めた。
白に関しては、過酸化水素水及び低級アルキル基系洗浄
促進剤による酸化漂白反応と浸透性及び洗浄性を有する
界面活性剤二種以上を添加することによる付着油脂類の
洗浄除去性能の貢献等により、安定な漂白結果を短時間
に実現可能とした。後の染色工程において、染料の発色
性が確保され、従来にない鮮やかな淡色色相を実現せし
めた。
【0016】前処理工程として過酸化水素水を用いない
処理法を選択した場合においても、上述の低級アルキル
基系洗浄促進剤及び界面活性剤の作用によって、い草の
前処理湿潤化改質がなされ、安定的に分散染料及び酸性
染料が染着し、高堅牢度を有した染色結果が実現される
ものである。
処理法を選択した場合においても、上述の低級アルキル
基系洗浄促進剤及び界面活性剤の作用によって、い草の
前処理湿潤化改質がなされ、安定的に分散染料及び酸性
染料が染着し、高堅牢度を有した染色結果が実現される
ものである。
【0017】前処理工程に用いられる低級アルキル基系
洗浄促進剤として、化2、化3、化4及び化5に示す化
学組成を有したものも含まれる。
洗浄促進剤として、化2、化3、化4及び化5に示す化
学組成を有したものも含まれる。
【0018】
【化2】
【0019】
【化3】
【0020】
【化4】
【0021】
【化5】
【0022】前処理工程から染色工程に至る、い草の洗
浄、漂白及び湿潤化改質の効果に関わる内容を以下に詳
細説明する。
浄、漂白及び湿潤化改質の効果に関わる内容を以下に詳
細説明する。
【0023】い草は収穫された直後に泥土に浸され、そ
の後に乾燥される。これはい草乾燥時の水分調整能力を
泥土に期待したものであり、その背景には泥土に含まれ
る無機物質の紫外線遮蔽効果も存在し、い草の品質維持
を目的とされ行われてきたものである。しかしながら、
い草表皮には乾燥泥土が鱗状に密集固着し、茎内部海綿
体にも微粉末状に乾燥泥土が残留する結果を招いてい
る。その上、この泥土に漬込む際に、展着剤及び無機顔
料系の着色剤等が添加されており、これらがい草の清浄
性を阻害する要因となっている。結果として、泥土を主
とする残留物により、表皮気孔及び茎内部海綿体が閉塞
状態をきたし、い草本来の浸透吸収能力が抑制され染料
の染着性も劣った状況を呈している。
の後に乾燥される。これはい草乾燥時の水分調整能力を
泥土に期待したものであり、その背景には泥土に含まれ
る無機物質の紫外線遮蔽効果も存在し、い草の品質維持
を目的とされ行われてきたものである。しかしながら、
い草表皮には乾燥泥土が鱗状に密集固着し、茎内部海綿
体にも微粉末状に乾燥泥土が残留する結果を招いてい
る。その上、この泥土に漬込む際に、展着剤及び無機顔
料系の着色剤等が添加されており、これらがい草の清浄
性を阻害する要因となっている。結果として、泥土を主
とする残留物により、表皮気孔及び茎内部海綿体が閉塞
状態をきたし、い草本来の浸透吸収能力が抑制され染料
の染着性も劣った状況を呈している。
【0024】上述の状況に対し前処理工程において、界
面活性剤二種以上を添加し、い草に付着の油脂及び不純
分を洗浄除去し、低級アルキル基系洗浄促進剤で洗浄及
び浸透性を高め茎内部海綿体までの清浄化を行い、必要
により過酸化水素水を併用し漂白を実施する。この処理
により染色工程以前に、い草は清浄性を回復し湿潤性を
も付与され、より精度の高い染色性を実現し得る前処理
改質状況となる。
面活性剤二種以上を添加し、い草に付着の油脂及び不純
分を洗浄除去し、低級アルキル基系洗浄促進剤で洗浄及
び浸透性を高め茎内部海綿体までの清浄化を行い、必要
により過酸化水素水を併用し漂白を実施する。この処理
により染色工程以前に、い草は清浄性を回復し湿潤性を
も付与され、より精度の高い染色性を実現し得る前処理
改質状況となる。
【0025】前処理工程において、い草の漂白効果を求
める場合には、過酸化水素水を用いるが、低級アルキル
基系洗浄促進剤を添加することで酸化反応速度は加速さ
れ、活性酸素を放出しつつ、い草を漂白傾向へと移行さ
せて行く。その反応結果として処理浴中に有機過酸化物
質が生成されpHは酸性域へと傾斜して行く。この場合
の過酸化水素水使用量は、処理浴対比で1%から4%以
内を適正量とし、低級アルキル基系洗浄促進剤は処理浴
対比で0.5%から2%を適量とする。また、処理にお
ける温度条件は50℃以上90℃未満とすることで、時
間的短縮が可能ともなる。ここで使用される過酸化水素
水は35%品の工業用製品を用い、過酸化水素水の反応
安定を目的として、アミノカルボン酸系安定剤を添加し
ている。この前処理及び漂白は、1時間の処理時間を消
費する。処理後は排水を行い、湯洗及び水洗を実施し、
必要によりチオ硫酸ソーダ及びEDTA2Na塩等によ
り残留過酸化水素水の中和を行う。その後、新たな処理
浴に分散染料及び酸性染料をい草重量対比2%、酢酸1
0%濃度品を処理浴対比0.03%、染色助剤、浸透剤
の界面活性剤各種を処理浴対比0.02%から0.05
%各々添加し、90℃以上100℃未満まで処理浴を昇
温させ1時間の染色時間を維持させる。
める場合には、過酸化水素水を用いるが、低級アルキル
基系洗浄促進剤を添加することで酸化反応速度は加速さ
れ、活性酸素を放出しつつ、い草を漂白傾向へと移行さ
せて行く。その反応結果として処理浴中に有機過酸化物
質が生成されpHは酸性域へと傾斜して行く。この場合
の過酸化水素水使用量は、処理浴対比で1%から4%以
内を適正量とし、低級アルキル基系洗浄促進剤は処理浴
対比で0.5%から2%を適量とする。また、処理にお
ける温度条件は50℃以上90℃未満とすることで、時
間的短縮が可能ともなる。ここで使用される過酸化水素
水は35%品の工業用製品を用い、過酸化水素水の反応
安定を目的として、アミノカルボン酸系安定剤を添加し
ている。この前処理及び漂白は、1時間の処理時間を消
費する。処理後は排水を行い、湯洗及び水洗を実施し、
必要によりチオ硫酸ソーダ及びEDTA2Na塩等によ
り残留過酸化水素水の中和を行う。その後、新たな処理
浴に分散染料及び酸性染料をい草重量対比2%、酢酸1
0%濃度品を処理浴対比0.03%、染色助剤、浸透剤
の界面活性剤各種を処理浴対比0.02%から0.05
%各々添加し、90℃以上100℃未満まで処理浴を昇
温させ1時間の染色時間を維持させる。
【0026】前処理工程において、過酸化水素水を用い
ず漂白効果を必要としない場合、その処理浴pHは中性
域を維持しており、70℃の処理条件下で前処理を施
し、その前処理浴中に直接、分散染料及び酸性染料をい
草重量対比2%添加する。この染料添加時期は、70℃
で30分間の前処理終了時点が好ましい。染料添加と同
じくして、低濃度酢酸及び染色助剤、浸透剤の界面活性
剤二種以上も直接添加され、90℃以上100℃未満ま
で処理浴を昇温させ1時間の染色時間を維持させる。こ
こでは、前処理後の排水による処理浴の入れ替えは行わ
ず、前処理浴をそのまま染色浴として使用するものであ
る。
ず漂白効果を必要としない場合、その処理浴pHは中性
域を維持しており、70℃の処理条件下で前処理を施
し、その前処理浴中に直接、分散染料及び酸性染料をい
草重量対比2%添加する。この染料添加時期は、70℃
で30分間の前処理終了時点が好ましい。染料添加と同
じくして、低濃度酢酸及び染色助剤、浸透剤の界面活性
剤二種以上も直接添加され、90℃以上100℃未満ま
で処理浴を昇温させ1時間の染色時間を維持させる。こ
こでは、前処理後の排水による処理浴の入れ替えは行わ
ず、前処理浴をそのまま染色浴として使用するものであ
る。
【0027】
【発明の実施の形態】このように本発明においては、前
処理工程としてい草の清浄性回復及び湿潤性付与と云う
改質処理を施し、併せて漂白処理を行うことで分散染料
及び酸性染料の安定染着を可能とし、高摩擦堅牢度を有
した染色結果を実現なさしめたものである。この前処理
工程と染色工程から構成される複合処理法を用いること
により、い草の茎内部海綿体まで均一に染色され、強固
な染着結果と鮮やかな任意の色彩とを実現可能となさし
めたものである。
処理工程としてい草の清浄性回復及び湿潤性付与と云う
改質処理を施し、併せて漂白処理を行うことで分散染料
及び酸性染料の安定染着を可能とし、高摩擦堅牢度を有
した染色結果を実現なさしめたものである。この前処理
工程と染色工程から構成される複合処理法を用いること
により、い草の茎内部海綿体まで均一に染色され、強固
な染着結果と鮮やかな任意の色彩とを実現可能となさし
めたものである。
【0028】上述のごとく本発明は、前処理工程と云う
従来のい草染色法には存在しなかった処理工程を設け、
い草の本来的清浄性を回復せしめ、従来技術では染色不
可能であった分散染料及び酸性染料による、強固な安定
染着と高摩擦堅牢度を可能としたものである。
従来のい草染色法には存在しなかった処理工程を設け、
い草の本来的清浄性を回復せしめ、従来技術では染色不
可能であった分散染料及び酸性染料による、強固な安定
染着と高摩擦堅牢度を可能としたものである。
【0029】以下に本発明における複合処理法に関し、
実施例をもってさらに具体的に説明するが、本発明の範
囲はこれらによって限定されるものではない。
実施例をもってさらに具体的に説明するが、本発明の範
囲はこれらによって限定されるものではない。
【0030】
【実施例】乾燥い草1Kgを処理するにあたり、以下に
記す処理条件を実施した。 実施例1(過酸化水素水を用いて前処理後、染色を行う
場合の例)
記す処理条件を実施した。 実施例1(過酸化水素水を用いて前処理後、染色を行う
場合の例)
【0031】実施例2(過酸化水素水を用いない前処理
後、染色を行う場合の例)
後、染色を行う場合の例)
【0032】実施例に基づく染色結果を第1表、第2表
及び第3表にそれぞれ示す。
及び第3表にそれぞれ示す。
【0033】
【表1】
【0034】
【表2】
【0035】
【表3】
【0036】上述の実施例結果のごとく、本発明による
複合処理法を用いることで、摩擦堅牢度は確実に向上し
安定な品質を実現することを可能とした。また、日常生
活環境下における品質安定性も確認された。
複合処理法を用いることで、摩擦堅牢度は確実に向上し
安定な品質を実現することを可能とした。また、日常生
活環境下における品質安定性も確認された。
【0037】
【発明の効果】本発明におけるい草の高堅牢度染色複合
処理法は、前処理加工としてい草の清浄化及び湿潤化改
質を行い、分散染料及び酸性染料と云う安定な染料での
染色を可能とした。その貢献により高摩擦堅牢度染色結
果と衛生的品質を確保し、い草製品の高品質化と安全で
安定的な生産を実現したものである。
処理法は、前処理加工としてい草の清浄化及び湿潤化改
質を行い、分散染料及び酸性染料と云う安定な染料での
染色を可能とした。その貢献により高摩擦堅牢度染色結
果と衛生的品質を確保し、い草製品の高品質化と安全で
安定的な生産を実現したものである。
Claims (8)
- 【請求項1】い草の染色を行う以前に清浄化、漂白及び
湿潤浸透性付与を目的とする前処理工程を設け、その後
分散染料及び酸性染料による染色工程へと移行する、複
合処理を特徴とするい草の処理方法。 - 【請求項2】前処理工程として、低級アルキル基系洗浄
促進剤の調製配合された水浴中に洗浄性及び浸透性を有
する界面活性剤を二種以上添加し、い草を加温処理する
請求項1記載の処理方法。 - 【請求項3】前処理工程として漂白傾向を求める場合、
過酸化水素水を添加し水浴中でい草を加温漂白処理する
請求項1または請求項2記載の処理方法。 - 【請求項4】染色工程として、分散染料及び酸性染料を
着色剤とし、低濃度酢酸、分散性及び浸透性を有する界
面活性剤を二種以上添加し、水浴中でい草を加温染色す
る請求項1記載の処理方法。 - 【請求項5】前処理工程と染色工程とを工程移行時の排
水を行わず、同一処理浴にて実施処理される請求項1、
2または請求項4記載の処理方法。 - 【請求項6】分散染料及び酸性染料以外の着色剤を用い
て、い草を染色する場合における請求項1、2、3、4
または請求項5記載の処理方法。 - 【請求項7】い草が乾燥い草及び生い草である請求項
1、2、3、4、5または請求項6記載の処理方法。 - 【請求項8】過酸化水素水及び低級アルキル基系洗浄促
進剤との酸化反応結果として生成される、有機過酸化物
質による殺菌効果の付与。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27292599A JP2001064886A (ja) | 1999-08-20 | 1999-08-20 | い草の高堅牢度染色複合処理法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27292599A JP2001064886A (ja) | 1999-08-20 | 1999-08-20 | い草の高堅牢度染色複合処理法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001064886A true JP2001064886A (ja) | 2001-03-13 |
Family
ID=17520677
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP27292599A Pending JP2001064886A (ja) | 1999-08-20 | 1999-08-20 | い草の高堅牢度染色複合処理法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001064886A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011052464A (ja) * | 2009-09-02 | 2011-03-17 | Toshin:Kk | お茶成分と染料成分を含侵させた藺草製品とその製造方法 |
CN108724397A (zh) * | 2017-04-19 | 2018-11-02 | 福建农林大学 | 一种竹质铅笔材的制作方法 |
-
1999
- 1999-08-20 JP JP27292599A patent/JP2001064886A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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