JP6690817B2 - 糊抜きデニム製品の製造方法 - Google Patents

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本発明は、酵素を使用して糊抜きをする糊抜きデニム製品の製造方法に関する。
デニム生地を使用した衣料品としてジーンズパンツ、ジーンズシャツ、ジーンズジャケット等が普及している。デニム生地は、インジゴ染料で染色後に糊付された経糸と、未染色の緯糸とを織成してなるものである。経糸を糊付けすることで、経糸の毛羽立ちが抑制される、経糸の強度を保持できる、織成時に経糸をさばきやすくなり開口させやすいなどの利点がある。一方でデニム生地に糊が残存していると、製品を使用する際に肌触りが硬くなる。このため、デニム生地の糊を抜く作業が一般的に行われている。
例えば、特許文献1にはα-アミラーゼとエンドグルカナーゼとを配合し、ドラム型洗濯機(ワスケータ、登録商標)で洗浄することが記載されている。
特許文献2には、ポリビニルアルコール(以下、PVAと称する。)で糊付した綿スフ糸を、Pseudomonas C-3の乾燥菌体を加えた30℃の液中に浸けて糊抜きをすることが記載されている。
特許第3626203号公報 特公昭46−28224号公報
特許文献1の方法は、セルラーゼの一種であるエンドグルカナーゼを配合して洗浄するため、デニム生地を構成するセルロースが部分的に分解され着心地が柔らかくなると推測される。しかし、この方法はストーンウォッシュのための方法であってデニム生地に脱色による縞模様が現れる。
特許文献2には、PVAで糊付けした綿スフ糸を糊抜きする方法が記載されているに過ぎず、デニム製品の糊抜きについては記載されていない。デニム生地の経糸はインジゴ染料で染色されPVAの他にデンプン系の糊で糊付けされているため、特許文献2の方法では、デニム生地から糊を抜くことは難しい。
その他、デニム製品をお湯に浸漬して撹拌式の洗浄機で洗浄することで糊抜きを行う方法もあるが、デニム生地に毛羽立ったり脱色したりするなどの問題がある。
本発明は、デニム生地の脱色を防ぎつつ、デニム生地の糊を糊抜きして柔軟な糊抜きデニム製品を製造する方法を提供する。
ポリビニルアルコールを酸化可能な酵素及びアミラーゼを含有する脱糊液と、糊付けされたデニム製品とを接触させて、接触後に酵素接触後のデニム製品を洗浄し、洗浄後のデニム製品を乾燥して糊抜きされたデニム製品を得る糊抜きデニム製品の製造方法によって、上記の課題を解決する。この方法によれば、デニム生地を糊抜きして肌触りを軟らかくし、しかもデニム生地の脱色を防ぐことができる。
前記のPVAを酸化可能な酵素は第2級アルコールオキシダーゼを含むことが好ましい。当該酵素は菌体外に分泌される可溶性酵素であるため取り扱いが容易である点で好ましい。
脱糊液は酸化されたPVAを加水分解可能な酵素を含有することが好ましい。当該酵素を用いることにより酸化されたPVAを速やかに低分子化することができる。
前記の酸化されたPVAを加水分解可能な酵素はβ‐ジケトンヒドロラーゼを含むものであることが好ましい。当該酵素は菌体外に分泌される可溶性酵素であるため取り扱いが容易である点で好ましい。
脱糊液及び糊付けされたデニム製品を接触させるに際しては、脱糊液に糊付けされたデニム製品を浸漬した状態で0.5〜12時間接触させることが好ましい。これにより、比較的に短い時間、かつ簡便な操作でデニム製品を糊抜きすることが可能である。
脱糊液と糊付けされたデニム製品とを接触させるときの温度は15℃〜60℃であることが好ましい。これにより、比較的に低温でデニム製品を糊抜きすることが可能である。
脱糊液及び糊付けされたデニム製品を接触させるに際しては、pH4.0〜9.0の脱糊液を糊付けされたデニム製品に接触させることが好ましい。強酸性又は強塩基性などの厳しい反応条件ではなく、穏やかな反応条件とすることができるので操作が簡易であり、デニム製品へのダメージも少なくすることが可能である。
本発明の製造方法によれば、デニム生地の脱色を防ぎつつ、デニム生地の糊を糊抜きして柔軟な糊抜きデニム製品を製造することができる。
実施例1の方法で糊抜きしたジーンズパンツの表面を高倍率で撮影した写真である。 加工前のジーンズパンツの表面を高倍率で撮影した写真である。 比較例1の方法で糊抜きしたジーンズパンツの表面を高倍率で撮影した写真である。
以下、本発明を実施するための形態について説明する。
本発明は、PVAを酸化可能な酵素及びアミラーゼを含有する脱糊液と、糊付けされたデニム製品とを接触させて、接触後に酵素接触後のデニム製品を洗浄し、洗浄後のデニム製品を乾燥して糊抜きされたデニム製品を得る糊抜きデニム製品の製造方法である。
脱糊液とデニム製品とを接触させる際には、振とう状態若しくは撹拌状態又は静置した状態で接触させることが好ましい。振とう状態又は静置した状態で接触させることによってデニム製品同士が擦れて脱色が生じることを防ぐことができる。振とう状態若しくは撹拌状態で接触させるには、例えば、撹拌子などを使用して弱く撹拌する方法や浸漬容器を揺らす方法が挙げられる。脱糊液が対流し、デニム製品が激しく擦れない程度に撹拌又は振とうすればよい。例えば、一実施形態として、適宜の浸漬容器に脱糊液とデニム製品とを投入して振とうしながら又は静置した状態でデニム製品と脱糊液とを接触させることができる。振とうは、3〜15rpm程度とすることが好ましい。他の実施形態として、デニム製品に脱糊液を適用した状態で所定時間静置して酵素反応を進めることができる。適用する方法としては、デニム製品に脱糊液を塗ったり、噴霧したり、浸漬後に引き上げる方法が挙げられる。
脱糊液は、アミラーゼ及びPVAを酸化可能な酵素を含有するものであればよく種々の方法によって得られる。例えば、PVA分解活性を有する微生物の培養液に粉末若しくは液体のアミラーゼを配合すればよい。別の例としては、アミラーゼ活性を有する微生物の培養液に粉末若しくは液体のPVA分解酵素を配合すればよい。ここでいうPVA分解酵素とは、PVAを酸化可能な酵素及び/又は酸化されたPVAを加水分解可能な酵素のことである。脱糊液には、水、緩衝液等が含まれてもよい。上記の培養液は公知のたんぱく質の精製方法によって粗精製したものでもよい。
PVAを分解する活性を有する微生物としては、例えば、Pseudomonas属の細菌、Acinetobacter属の細菌、Sphingomonas属の細菌が挙げられる。アミラーゼ活性を有する微生物としては、例えばBacillus subtilis Marburg、Bacillus subtilis natto、Bacillus amyloliquefaciens、Bacillus licheniformis、Bacillus cereus、Bacillus macerans、Pseudomonas stutzeri、Klebusiella aerogenes等のバチルス属を中心とする細菌、Streptomyces griseus等の放線菌、Aspergillus oryzae、Aspergillus niger等のカビ類が挙げられる。これらは公知の方法により培養し、公知の方法で酵素液を抽出することができる。
脱糊液は、アミラーゼ及びPVAを酸化可能な酵素に加えて、酸化されたPVAを加水分解可能な酵素を含有することが好ましい。酸化されたPVAは経時的に低分子化するが、酸化されたPVAを加水分解可能な酵素を含有させることで速やかに酸化されたPVAを低分子化することが可能になる。酸化されたPVAを加水分解可能な酵素は、前記のPVAを分解する活性を有する微生物が生産することができる。
アミラーゼとしては、加工デンプンやデンプンに含まれるグリコシド結合を加水分解することでそれらに含まれるアミロースやアミロペクチンを低分子化するものを使用することが好ましい。たとえば、α-アミラーゼ、β-アミラーゼ、グルコアミラーゼ、イソアミラーゼなどが挙げられる。
PVAを酸化可能な酵素は、第2級アルコールオキシダーゼ(EC 1.1.3.18)を含むことが好ましい。酸化されたPVAを加水分解可能な酵素は、β-ジケトンヒドロラーゼ(EC 3.7.1.7)を含有することが好ましい。両酵素は、可溶性かつ分泌型の酵素であるとされており、例えば、両酵素の活性を有する微生物の培養液を遠心分離して得た上清をそのまま、あるいはそれから酵素を粗精製することで酵素液とすることができる。両酵素を生産する微生物として、それぞれ公知である、Pseudomonas属の細菌、Acinetobacter属の細菌、Sphingomonas属の細菌が挙げられ、例えば、Pseudomonas vesicularis PDが挙げられる。
第2級アルコールオキシダーゼは以下の化1の反応を触媒し、酸化されたPVA分子鎖の隣接する2個の水酸基を酸化する。β-ジケトンヒドロラーゼは以下の化2の反応を触媒し、化1で生じた産物を加水分解してPVAを低分子化させると考えられる。
上述のように、脱糊液はPVAを酸化可能な酵素及びアミラーゼを含有する。脱糊液は、酸化されたPVAを加水分解可能な酵素をさらに含有することが好ましい。各酵素は精製された酵素である必要はない。例えば、アミラーゼ活性、PVAを酸化する活性、酸化されたPVAを分解する活性を有する各種の微生物の培養液をそのまま酵素液として使用してもよいし、各種の微生物の培養液に含まれる微生物を破砕して酵素液として使用してもよいし、破砕物から酵素を精製して使用してもよい。さらに、遠心分離により菌体を除去した培養上清を酵素液として使用してもよいし、破砕物及び/又は培養上清から酵素を粗精製して使用してもよい。酵素の精製には、公知のたんぱく質の単離精製方法であれば特に限定することなく使用できる。具体的には、遠心分離、膜濃縮、透析、硫安飽和や溶媒沈澱法、イオン交換クロマトグラフィーやアフィニティクロマトグラフィー等の各種クロマトグラフィー等を組み合わせて使用すればよい。
脱糊液に接触させた後にデニム製品を洗浄、及び乾燥する工程は定法により行えばよい。例えば、公知の水洗機や乾燥機を使用して行うことができる。
デニム製品としては、デンプンや加工デンプンなどのデンプン系の糊と、PVA糊とを併用して経糸を糊付けしたものが挙げられる。例えば、デニムシャツ、ジーンズパンツ、ジーンズジャケット、デニム生地を利用した帽子などの被服、デニム生地を使用したバッグなどの鞄類などが挙げられる。
脱糊液とデニム製品とを接触させるときの温度は、15℃〜60℃であることが好ましく、15℃〜55℃であることがより好ましく、15℃〜35℃であることがさらに好ましく、常温であることが特に好ましい。常温とは加熱、冷却を行わない平常の温度のことである。比較的に低温で糊抜きを行うことができるので加熱の煩わしさを低減することができる。また、温度を低くすることでデニム製品の脱色の程度をより小さくすることができる。デニム製品を脱糊液に浸漬する場合は、脱糊液の温度を調節するとよい。デニム製品に脱糊液を適用する場合は雰囲気の温度を調節するとよい。
糊液及び糊付けされたデニム製品を接触させるに際しては、pH4.0〜9.0の脱糊液を糊付けされたデニム製品に接触させることが好ましく、pH5.8〜pH7.2とすることがより好ましい。浸漬する場合と適用する場合共に、脱糊液のpHを調節するとよい。pHを当該範囲とすることにより、反応条件を穏やかにすることができ、操作を安全に行い、デニム製品へのダメージを軽減することができる。
以下、本発明の実施例を挙げてさらに具体的に説明する。なお、本発明の構成は以下に挙げる実施例に限定するものではない。
[酵素活性]
以下において、特に明記しない限り、酵素液の酵素活性は以下のように定義する。
[PVA酸化活性]
PVAを基質とし、30℃、pH7.0の条件で酵素液を作用させ、1分間に1μmolの過酸化水素を生成する酵素量を1単位(1U)とした。
[酸化されたPVAを加水分解可能な酵素の活性]
酸化されたPVAを加水分解可能な酵素は、β−ジケトン構造を有する化合物に作用するため(Agric. Biol. Chem., 48, 1093(1986))、本構造を有する3,5−ヘプタンジオンを基質とし、30℃、pH7.0の条件で酵素液を作用させ、1分間に1μmolのメチルエチルケトンを生成する酵素量を1単位(1U)とした。
〔酵素液の調製〕
Pseudomonas vesicularis PDを科学と工業 72, 112(1993)に基づく方法で培養し、培養液から菌体を除去した後、硫安で塩析した。析出物を50mmоl/lのリン酸カリウム緩衝液(pH7.0)で溶解後、透析し、酵素液を得た。本酵素液の酵素活性を以下に記載する方法で測定したところ、PVA酸化活性が約777.6mU/mlであり、酸化されたPVAを加水分解可能な酵素が約1.7mU/mlであった。
〔酵素活性の測定方法〕
[PVA酸化活性]
50mmol/lのリン酸緩衝液(pH7.0)、1%PVA(重合度約2000、ナカライテスク株式会社製)、酵素液を含む全量1.0mlの反応液を、7ml容量のL型試験管に入れ、27℃で60min振とう反応した。反応液0.32mlにチタニウム試薬(硫酸チタン(IV)溶液(ナカライテスク株式会社製)を10%硫酸で25倍希釈したもの)0.8mlを加え、410nmの吸光度を測定した。
[β−ジケトンヒドロラーゼ活性]
50mmol/lのリン酸緩衝液(pH7.0)、8mmol/lの3,5−ヘプタンジオン、酵素液を含む全量1.0mlの反応液を、2ml容量のバイアルに入れ、ふたをした後、30℃で5hインキュベートした。0.2mlの反応液、0.04mlの0.375mol/l硫酸、および1.0mlの2.5mmol/lの1,4−ジオキサンを10ml容量のバイアル内で混合し、Shimadzu GCMS−QP2010 Ultraを用い、1,4−ジオキサンを内部標準としたヘッドスペース法により生成したメチルエチルケトン測定した。
〔実施例1〕
公知の方法によってインジゴ染色し、その後、加工澱粉糊及びPVAで糊付けした経糸と、無染色で糊付けをしていない緯糸とで織成したデニム生地を素材とするジーンズパンツに対して脱糊液を適用して糊抜きを行った。デニム生地は、14オンス(経糸7番手、緯糸6番手)の一般的なジーンズを使用した。糊抜き後、公知の方法により水洗・乾燥した。ジーンズパンツを糊抜き加工に供する前と、糊抜き、水洗、及び乾燥を経た後において、生地の柔軟性と色濃度を調べた。結果を表1に示す。ジーンズパンツに脱糊液を適用する作業は以下のようにして行った。浸漬槽に水と、上記のPVA分解活性を備える酵素液と、ユケンケミカル株式会社製のα-アミラーゼ(商品名マルチザイム YS-20)とを投入して泡立たないように慎重に撹拌して脱糊液とした。水の量はジーンズパンツとの浴比が、ジーンズの重量1に対して水の重量が20となるようにした(浴比1:20)。PVA分解活性を備える酵素液は、50ml/lとなるようにした。α−アミラーゼは、1ml/lとなるようにした。
浸漬槽に蓄えられた脱糊液に対して上記の浴比となるようにジーンズパンツを投入して、30℃で10秒に1回浸漬槽を揺すりながら8時間振とうする作業を行った。脱糊液のpHは7.0である。脱糊液からジーンズパンツを引き上げて水洗、乾燥して糊抜きされたジーンズパンツを得た。
柔軟性の評価は、カトーテック株式会社製の純曲げ試験機(KESFB2)を使用して、曲げ硬さと、回復性を測定し、以下の数1により柔軟性を求めた。数1においてBは曲げ硬さ(g・cm/cm)であり、2HBは回復性(g・cm/cm)である。
色濃度については、倉敷紡績株式会社製の分光測色機によって波長360nmから780nmの分光反射率を測定し、以下の数2のKubelka−Munk式によって濃色性の指標であるtotal k/s値に換算することで色濃度を評価した。total k/s値が大きいほど色濃度が濃いことを示す。なお、数2において、kは光の吸光係数を示し、sは光の散乱係数を示し、Rは表面反射率を示す。
〔実施例2〕
ジーンズパンツに脱糊液を適用するにあたって、浸漬槽にジーンズパンツを投入した後、10秒に1回浸漬槽を揺すりながら3時間振とうする作業を行った以外は実施例1と同様にして糊抜きされたジーンズパンツを製造した。実施例1と同様の方法で柔軟性及び色濃度を求めた。結果を表1に示す。
〔比較例1〕
ジーンズパンツに脱糊液を適用するにあたって、実施例1の脱糊液をα-アミラーゼに変更し、α-アミラーゼとジーンズパンツとの接触を撹拌式の洗浄機(ウォッシャー)による洗浄に変更し、さらに洗浄時の温度及び時間を90℃で20分に変更し、α-アミラーゼ酵素液による洗浄を行った後60℃の温水で5分洗浄した点以外は実施例1と同様の方法で糊抜きされたジーンズパンツを製造した。α-アミラーゼは実施例1と同様のものを使用し、水200lに対しα-アミラーゼを200ml及び界面活性剤としてマルチトールHK−200(ユケンケミカル株式会社製)200mlを投入して混合した。比較例1について、実施例1と同様の方法で柔軟性及び色濃度を求めた。結果を表1に示す。
〔比較例2〕
実施例1の脱糊液を使用せず60℃のお湯に変更し、このお湯とジーンズパンツとの接触を撹拌式の洗浄機による洗浄に変更し、お湯による洗浄時の温度及び時間を60℃で10分に変更した点以外は実施例1と同様の方法で糊抜きされたジーンズパンツを製造した。比較例2について、実施例1と同様の方法で柔軟性及び色濃度を求めた。結果を表1に示す。
〔比較例3〕
実施例1の脱糊液を第2級アルコールオキシダーゼ及びβ−ジケトンヒドロラーゼの酵素液に変更しアミラーゼを配合しなかった点、及び10秒に1回浸漬槽を揺すりながら3時間振とうする作業に変更した点以外は実施例1と同様の方法で糊抜きされたジーンズパンツを製造した。第2級アルコールオキシダーゼ及びβ−ジケトンヒドロラーゼの酵素液は実施例1と同様のものを使用した。比較例3について、実施例1と同様の方法で柔軟性及び色濃度を求めた。結果を表1に示す。
比較例3の方法で糊抜きしたジーンズパンツは、色濃度はほどんど低下しなかったが曲げ硬さと回復性の合計値が加工前と同じであり柔軟性に乏しいことが確認された。比較例1又は比較例2の方法で脱色したジーンズパンツは、曲げ硬さと回復性の合計値は加工前と比較して小さくなり柔軟性に富むことが確認されたが、加工前と比較して色濃度の値が顕著に小さくなった。実施例1又は実施例2の方法で脱色したジーンズパンツは、曲げ硬さと回復性の合計値が小さくなり適度な柔軟性を備え、色濃度の値も加工前と比較して顕著な変化は見られなかった。以上から明らかなように、PVAを酸化可能な酵素及びアミラーゼを含有する脱糊液を使用することにより、デニム生地の脱色を防ぎつつ、デニム生地の糊を糊抜きして肌触りのよい糊抜きデニム製品を製造することができることが確認された。
実施例1の方法で糊抜きしたジーンズパンツ、加工前のジーンズパンツ、及び比較例1の方法で糊抜きしたジーンズパンツ、それぞれのデニム生地の拡大図を図1ないし図3に示す。
図1及び図2の比較から明らかなように、実施例1の方法で糊抜きしたジーンズパンツは、加工前のジーンズパンツと比較して、感応評価では色濃度に違いは見られず、デニム生地を構成する繊維の毛羽立も見られなかった。一方、図3から明らかなように、比較例1の方法で糊抜きしたジーンズパンツは、経糸の表面が濃紺から淡い紺色に変化している部分が観察され、図1及び図2と比較してデニム生地の表面が毛羽立っていることが確認された。

Claims (5)

  1. ポリビニルアルコールを酸化可能な酵素、酸化されたポリビニルアルコールを加水分解可能な酵素、及びアミラーゼを含有する脱糊液と、デンプン系糊とポリビニルアルコールで糊付けされたデニム製品とを、15℃〜35℃で、振とう状態若しくは撹拌状態又は静置した状態でデニム製品が激しく擦れないように接触させて、
    接触後に酵素接触後のデニム製品を洗浄し、
    洗浄後のデニム製品を乾燥して糊抜きされたデニム製品を得る糊抜きデニム製品の製造方法。
  2. ポリビニルアルコールを酸化可能な酵素は第2級アルコールオキシダーゼを含む請求項1に記載の糊抜きデニム製品の製造方法。
  3. 酸化されたポリビニルアルコールを加水分解可能な酵素はβ‐ジケトンヒドロラーゼを含む請求項に記載の糊抜きデニム製品の製造方法。
  4. 糊液に糊付けされたデニム製品を浸漬した状態で0.5〜12時間接触させる請求項1ないしのいずれかに記載の糊抜きデニム製品の製造方法。
  5. pH4.0〜9.0の脱糊液を糊付けされたデニム製品に接触させる請求項1ないしのいずれかに記載の糊抜きデニム製品の製造方法。
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