JP2001064661A - 低温運転性に優れた軽油組成物およびその製造方法 - Google Patents
低温運転性に優れた軽油組成物およびその製造方法Info
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Abstract
おいても通油に支障をきたさない優れた実用性能を有す
る軽油組成物及びその製造方法の提供する。 【解決手段】 本発明は、特定の蒸留性状(50%留出
温度が260℃以上、90%留出温度が300℃〜35
0℃。)、セタン指数(45以上)に加え、軽油組成物
の全反射光の温度変化に基づくワックス析出点を−2.
5℃以下に、−6℃までのワックス結晶化潜熱に基づく
ワックス析出量を1.7%以下とし、更に含有されるノ
ルマルパラフィンの分子量による分布特性を最大含有量
以上の炭素数のノルマルパラフィンにつき、それらの炭
素数(X)と含有量(Y:重量%)との相関を一次式で
近似したときその傾きの逆数(ΔX/ΔY)が−2.5
以下としたものである。また、本発明は、前記のワック
ス析出点、ワックス析出量の測定方法を用いて、当該軽
油成物の製造工程、特に配合工程を管理する軽油組成物
の製造方法である。
Description
料などに用いられる軽油組成物及びその製造方法に関
し、特に、低温使用における運転性に優れた軽油組成物
及び経済的にそれを製造する製造方法に関する。
は、冬季などの低温環境で使用される場合に、含有され
ているワックス分が析出し、外観が悪化して商品価値が
損なわれたり、また、極度な低温環境に曝された場合、
車両燃料系のフィルターの目詰まりによってディーゼル
エンジンへの燃料供給に支障をきたし、エンジンがかか
らなくなったり、エンジンが停止するトラブルが発生す
るおそれがある。このため、低温環境で使用される軽油
は、低温流動性、曇り点、目詰まり点を、精製会社独自
に、或いは当業界の基準として規定している。JIS規格
においても、軽油は流動点により、特1号、1号、2
号、3号、特3号の5種類に分類され、後者ほど低温に
対応できる仕様になっている。
の従来の品質評価指標を満たしていても、低温での使用
において問題を生じることがある。そのために、3号軽
油、特3号、更には、それ以上の低温特性を有する軽油
を使用すれば良いといえる。このような軽油を提供する
ために、製品の品質設計、精製条件を厳格に設定して、
品質的に十分に余裕を持った製品、低温環境の使用に耐
える製品を製造しなければならない。しかし、こうする
と余計な精製費用がかさみ、歩留まりも低下することか
らコスト的に高いものになることがどうしても避けられ
ない。また、現在、サービスステーションで販売されて
いる軽油は専ら2号軽油であり、低温特性を高めた軽油
を並行して供給することは設備的に対応が困難な状況に
ある。したがって、2号軽油であっても、より低温特性
を改善したものが求められている。
を改善するもので、新しい品質評価指標により、確実に
所定の低温運転性が得られる軽油組成物を提供するもの
である。さらに、新しい品質評価指標に基づいて前記軽
油組成物の製造工程を管理することにより、簡便で低コ
ストな軽油組成物の製造方法を提供することを課題とす
るものである。
方法は、一つ又は複数の基材からなる軽油組成物の製造
方法において、該軽油組成物との界面からの全反射光の
温度変化に基づいてワックス析出点を測定し、及び、該
軽油組成物の使用予定温度までにおけるワックス結晶化
潜熱に基づいてワックス析出量を測定することにより製
造工程を管理することを特徴とする。また、本発明によ
る低温運転性に優れた軽油組成物は、50%留出温度が
260℃以上、90%留出温度が300℃〜350℃、
かつ、セタン指数が45以上の軽油組成物であり、更
に、当該軽油組成物との界面からの全反射光の温度変化
に基づいて測定したワックス析出点が−2.5℃以下で
あり、かつ−6℃までのワックス結晶化潜熱に基づくワ
ックス析出量が1.7%以下であり、かつ当該軽油組成
物に含まれる各炭素数のノルマルパラフィンの含有重量
分布において、最大含有量以上の炭素数のノルマルパラ
フィンにつき、それらの炭素数(X)と含有量(Y:重
量%)との相関を一次式で近似したときその傾きの逆数
(ΔX/ΔY)が−2.5以下であることを特徴とす
る。
る。最初に、この発明でいう「ワックス析出点」、「ワ
ックス析出量」及び「ノルマルパラフィンの炭素数別の
含有量分布」について説明する。
ス析出点」は、軽油組成物との界面における全反射光の
温度変化に基づいて測定される温度である。この具体的
な測定方法は、国際公開番号 WO 98/01748
などに開示している。分析対象となる軽油組成物を冷却
していくと、その界面で全反射する光の入射角(全反射
臨界角)が不連続的に変化する温度がある。このときの
温度がワックス析出点である。つまり、光を入射する光
導波部分と軽油との界面に全反射臨界角程度の入射角で
光を照射し、該界面から光が反射してくるかを測定する
装置を用いてワックス析出点は検出される。より詳しく
説明すると、入射角は、液相での軽油に対して全反射す
る角度から、析出したワックスに対して全反射しない角
度の範囲で軽油界面に当て、軽油を徐々に冷却しなが
ら、界面から反射する反射光を法線に対して入射光の反
対側に設けられた光検出器(例えば、CCDセンサー)
で捕捉する。このとき、ワックスが析出すると、所定入
射角の入射光は析出したワックス内に侵入し、ワックス
表面から反射する光量は減少するので、光検出器で捕捉
する反射光分布が変化することになる。こうして、屈折
率が不連続に変化する温度をワックス析出点として精度
よく、迅速に測定することができる。光導波部分を冷却
することによって軽油を冷却する、及び/又は、光導波
部分の幅が5〜500μmであることが測定精度を向上
できるので好ましい。
ス析出量」は、DSC(示差熱量分析計)によって計測
されたワックス結晶化潜熱に基づいて求めた値である。
多数の軽油組成物について、ワックス結晶化潜熱とワッ
クス析出量との関連を調査した結果、約−30℃までの
温度において軽油留分中に析出するワックスの量Y(g
/g軽油組成物)と、常温から前記温度までにおける結
晶化潜熱X(cal/g)との間に、Y=2.3488Xの相
関(96%以上の相関)があることを見出した。したが
って、ワックス量は、DSCで求めたある温度までの結
晶化潜熱X(cal/g)に係数2.3488を乗ずること
によって、その温度において析出するワックス量(g/
g)として求めることができる。このワックス量を「ワ
ックス析出量」とした。この結果、ある温度ごとに析出
したワックスを回収して直接その重量を求めるよりも、
結晶化潜熱の測定によって求めることにより、高精度
で、簡便に、しかも測定はごく短時間に行うことができ
る。
分布]軽油組成物中に含有される炭化水素の炭素数ごと
の含有重量分布を、ガスクロマトグラフィなどの分析法
で測定し、そのうちノルマルパラフィンについて、最大
含有量の炭素数以上の炭素数Xとその含有量Yとの相関
関係(ΔY/ΔX)を一次式で近似してその傾きを求め
た。最大含有量の炭素数以上のノルマルパラフィンを対
象とするので、一般に炭素数Xが大きくなるほどその含
有量Yは小さくなり、傾きはマイナスである。ここで
は、前記傾きの逆数(ΔX/ΔY)をPD指数(normal
Paraffin Distribution Index)と定義する。
0%留出温度が260℃以上、90%留出温度が300
℃〜350℃の蒸留性状、45以上のセタン指数を有
し、かつ、全反射光の温度変化から測定したワックス析
出点が−2.5℃以下、−6℃までのワックス結晶化潜
熱に基づくワックス析出量が1.7%(0.017g/
g)以下であり、また、当該軽油組成物に含まれる最大
含有量以上の炭素数のノルマルパラフィンにおいて、そ
れらの炭素数(X)と含有量(Y:重量%)との相関を
一次式で近似したときその傾きの逆数(ΔX/ΔY)が
−2.5以下であるものである。
50%留出温度を260℃以上とし、90%留出温度を
300℃〜350℃とする。50%留出温度が低いと、
燃費が悪くなる傾向を示すので、好ましくは270℃〜
300℃である。また、90%留出温度が低いと、やは
り燃費が悪くなる傾向を示し、潤滑性も低くなり、一方
高くなると、流動点、ワックス析出等の低温性能に悪影
響を及ぼし易くなるので、320℃〜350℃が好まし
い。セタン指数は45以上が必要であり、これ未満では
ディーゼルエンジンの効率が悪化してゆく、より好まし
くは、50以上である。なお、セタン指数はセタン価で
あってもよい。
−2.5℃以下とする。この値が−2.5℃を超える
と、低温流動性が悪化し、エンジンへ軽油を供給する際
に流れにくくなる。なお、ここでいう「ワックス析出
点」は、上述のように軽油組成物の界面における全反射
光の温度変化に基づいて測定される温度である。本発明
の軽油組成物の−6℃までのワックス析出量は、軽油組
成物に対して1.7重量%以下である。この値を超える
と、軽油の低温流動性が悪くなる。なお、このワックス
析出量は、DSC(示差熱量分析計)により求めたワッ
クス結晶化潜熱(cal/g)から算出した値である。すな
わち、該ワックス結晶化潜熱に相関係数2.3488
(g/cal)を乗じて得た値であり、パーセント表示の場
合、さらに100を乗じて得た値である。
マルパラフィンの炭素数による重量分布において、前記
のPD指数が−2.5以下であり、特には、−3.5〜
−8が好ましい。軽油の低温特性にはワックス分、特に
ノルマルパラフィンが、何らかの影響を及ぼしていると
考え、種々検討したところ、PD指数が−2.5以下で
あると、優れた低温特性が得られることを見出した。こ
の相関関係は、より炭素数の大きなノルマルパラフィン
が含まれても、炭素数に対する含有量分布の減少勾配
(PD指数の逆数)がなだらな方が優れた低温特性を示
している。これが何によってもたらされるのかは、定か
でないが、炭素数による含有量の分布が狭い範囲に固ま
っていると(傾きが急であると)、特に重質側のノルマ
ルパラフィンが炭素数の狭い範囲に、すなわち、分子の
結晶構造が近似するもの同士が集中するため、結晶性が
加速されて大きなワックスが析出されるものと考えられ
る。
IS2号軽油に相当するものであるが、本発明はこの態
様に限定されることなく、上記のように各種の物性を特
定した構成によって、従来のものと比較して車両等のデ
ィーゼルエンジンに使用したとき、より低温環境におい
ても軽油の流れに支障をきたさない、より実用性能に優
れた効果を奏するものである。
有用な上記の製造方法に関する。すなわち、一つ又は複
数の基材からなる軽油組成物の製造方法において、該軽
油組成物の界面からの全反射光の温度変化に基づいてワ
ックス析出点を測定し、及び該軽油組成物の使用予定温
度までにおけるワックス結晶化潜熱に基づいてワックス
析出量を測定することにより製造工程を管理する軽油組
成物の製造方法である。
は、通常、沸点範囲150〜360℃の石油留分であ
り、20%留出温度が200〜280℃、50%留出温
度が260〜300℃、90%留出温度が300〜38
0℃の蒸留性状のものが好ましく使用できる。このよう
な軽油基材は、原油の常圧蒸留及び/又は減圧蒸留の軽
油留分、接触分解・熱分解の軽油留分、重油の直接・間
接脱硫で副生する軽油留分などとして得られる軽油留分
が挙げられる。これらの軽油留分はそのまま軽油基材と
して用いることができるが、通常、これらの軽油留分の
うち、硫黄分を多く含有するものは水素化脱硫され(脱
硫軽油留分)、不飽和分を多く含むものは水素化処理
(水素添加)して安定性を改善する(水素化軽油留分)
こともある。また、基材として灯油留分も重要な基材と
して好ましく用いることができる。また、例えば、改質
ガソリン製造装置から副生される炭素数9以上の芳香族
を主成分とする留分(芳香族留分)なども配合基材とし
て用いることができる。結局、軽油基材として、これら
の軽油留分、脱硫軽油留分や水素化軽油留分などが挙げ
られ、これらの1種又は2種以上を適宜組み合わせて混
合し、軽油組成物を調製することができる。更に、上記
各種の軽油留分に加えて、上記各種の灯油留分及び/又
は芳香族留分を配合して軽油組成物を調製することがで
きる。
は、セタン指数(又は、セタン価)が40〜60、特に
は45〜55であり、15℃における密度が0.76〜
0.92g/cm3、特には0.80〜0.88g/cm3であ
り、30℃における動粘度が1.5〜5.0mm2/sであ
る。また、環境規制上、硫黄分は水素化脱硫処理などに
より0.05質量%以下に低減されているものが好まし
く、0.005質量%以下に低減することもできる。こ
れらの基材を1種又は2種以上を適宜選択、混合して本
発明の軽油組成物を製造することができる。
は、−2.5℃以下のワックス析出点を有する。このワ
ックス析出点は厳しく管理する必要があるが、本発明の
製造方法に示す測定方法によって、すなわち、該軽油組
成物の界面からの全反射光の温度変化に基づいてワック
ス析出点を測定することによって、精度よく、迅速に測
定することができる。この測定方法は、既に前記[ワッ
クス析出点の測定]の項に記したとおりである。製造の
管理にこの方法を用いる場合、種々の軽油基材の個々に
ついて、その軽油基材の製造工程においてワックス析出
点を把握してその運転条件の変更に利用することがで
き、軽油基材がそれのみで軽油組成物の主成分となる場
合、非常に効率的である。特には、複数の基材を配合し
て軽油組成物を製造する配合工程に好適であり、軽油組
成物のワックス析出点をこの方法で測定し、得られた数
値をフィードバックして混合する基材個々の配合量を変
更、微調整することができる。また、本発明の製造方法
では、使用予定温度までにおけるワックス結晶化潜熱の
測定値から求めたワックス析出量に基づいて軽油組成物
の製造工程を管理することを含んでいる。このワックス
析出量の測定、算出の詳細は、前記[ワックス結晶化潜
熱によるワックス析出量]の項に記載したとおりであ
る。この方法は、ワックス析出点の場合と同様に、精度
よく、迅速に求めることができるので、個々の軽油基材
の製造工程において、或いは複数の基材を配合する配合
工程において有効に用いることができ、軽油組成物の製
造工程を管理する上で有用である。
エステル化合物などの含酸素化合物に代表される他の基
材を20重量%、特には10重量%まで含んでいてもよ
い。さらに、低温流動性向上剤、耐摩耗性向上剤、セタ
ン指数向上剤、酸化防止剤、金属不活性化剤、腐食防止
剤等の公知の燃料添加剤を添加してもよい。耐摩耗性向
上剤としては、長鎖(例えば、炭素数12〜24)の脂
肪酸またのその脂肪酸エステルが好ましく用いられる。
10〜500ppm、好ましくは50〜100ppmの
添加量で十分に耐摩耗性が向上する。低温流動性向上剤
としては、100〜1000ppm、特には150〜6
00ppm添加することができ、エチレン共重合体など
を用いることができるが、特に、酢酸ビニル、プロピオ
ン酸ビニル、酪酸ビニルなどの飽和脂肪酸のビニルエス
テルが好ましく用いられる。
説明する。表1に示す物性の実施例1〜3及び比較例1
〜3の供試油について、後述の評価試験を実施して、低
温運転(実用)性能を評価した。実施例及び比較例の供
試油は、次の基材を、混合して調製した。 脱硫直留軽油:常圧蒸留で得られた軽油留分を水素化脱
硫した基材。 脱硫直留灯油:常圧蒸留で得られた灯油留分を水素化脱
硫した基材。 脱硫脱ろう軽油:脱硫直留軽油を水素化脱ろうした基
材。 各供試油の物性は表1に示すとおりである。
準じて行った。 密度:JIS K 2249。CFPP:JIS K
2288。蒸留性状、セタン指数、流動点、動粘度、硫
黄分、10%残炭及び引火点:「JIS K2204
軽油」に記載のJIS試験方法。 ワックス析出点:本文中に記した方法によって測定し
た。(株)ジャパンエナジーで試作した測定器を用い、
供試油を6℃/分で冷却し、CCDセンサーで捕捉した
全反射光の温度変化を統計処理してワックス析出点を測
定した。 ワックス析出量:本文中に記した方法によって測定し
た。具体的には、供試油10mgを示差走査熱量測定器
(セイコー電子工業(株)製、DSC220C)にか
け、常温から測定温度(例えば、−6℃)まで3℃/分
で冷却してその間の結晶化潜熱を測定し、その測定値に
2.3488を乗じて、測定温度(例えば、−6℃)に
おけるワックス析出量を求めた。なお、表中の数値は供
試油全体に対する重量%の値である。
各供試油について、実用性能を把握するため実機を模し
た次の評価試験を行って低温運転性を評価した。乗用車
用ディーゼルエンジンの燃料系統として下記の流路のシ
ミュレータ実験装置を用い、供試油(実施例1〜3及び
比較例1〜3)を分配型燃料ポンプで循環した。シミュ
レータではエンジンを運転させず、燃料ポンプをモータ
で駆動した。 燃料タンク及び燃料ポンプなどのエンジン部品はカロー
ラ用ディーゼルエンジン(トヨタ自動車製、2C型)の
ものを使用した。燃料タンク部及びエンジン部は別々の
恒温槽に収納し、燃料タンク部及びエンジン部をそれぞ
れ独立して温度コントロールできるようになっている。
流路全体を下記の温度プロファイルでコントロールし
て、それぞれの供試油についてワックス析出量、メイン
フィルタ前後の差圧、及び差圧解消時間(上限30分)
を測定した。 [温度プロファイル] 1.装置全体をワックス析出点+5℃まで急冷する。 2.装置全体をワックス析出点+5℃から試験温度まで
1℃/時で降温する。 3.試験温度で4時間ソーキングする。 4.ソーキングの4時間が経過する2分前に予備運転の
ため燃料ポンプをモータ(回転数:400rpm)で駆動
し循環を開始する。 5.実車におけるエンジンによる熱条件を反映させるた
め、ソーキング終了後エンジン部を0.3℃/分、燃料
タンク部を0.05℃/分で昇温を開始すると同時にモ
ータ回転数を1000rpmに上げて循環を継続する。
(差圧及び差圧解消時間を測定。) ソーキングとは、供試油を含む装置全体を均一な温度と
するために試験温度で静置することである。それぞれの
供試油について、試験温度は、−5、−6、−7及び−
8℃にて実施した。なお、差圧が0.3kg/cm2を
超えた場合、あるいは急激に差圧が上昇してポンプが締
め切り運転の様相を呈した場合、流れないもの(「流れ
ず」)とし、ポンプ及びモータの保護のためモータを手
動で停止した。このようにして行った評価試験結果を表
2に示す。
の軽油は−6又は−7℃で流量を確保しているが、ワッ
クス析出点、ワックス析出量、又はPD指数のいずれか
が本発明の範囲を外れる比較例1〜3の油は、−6℃で
流量を確保することができないことが分かる。
性状、セタン指数に加え、その界面の全反射光の温度変
化に基づくワックス析出点、ワックス結晶化潜熱に基づ
くワックス析出量を特定し、更に含有されるノルマルパ
ラフィンの分子量による分布特性を特定したものであ
る。この結果ディーゼルエンジン燃料として、より低温
においても通油に支障をきたさない優れた実用性能を有
している。また、本発明の製造方法は、ワックス析出点
を全反射光の温度変化から、またワックス析出量を結晶
化潜熱から、高精度で、特に迅速に求めることができる
方法を利用するものであるので、軽油組成物の製造工
程、特に配合工程の管理に有用である。
Claims (2)
- 【請求項1】 一つ又は複数の基材からなる軽油組成物
の製造方法において、該軽油組成物との界面からの全反
射光の温度変化に基づいてワックス析出点を測定し、該
軽油組成物の使用予定温度までにおけるワックス結晶化
潜熱に基づいてワックス析出量を測定することにより製
造工程を管理することを特徴とする低温運転性に優れた
軽油組成物の製造方法。 - 【請求項2】 50%留出温度が260℃以上、90%
留出温度が300℃〜350℃、かつ、セタン指数が4
5以上の軽油組成物であり、更に、当該軽油組成物との
界面からの全反射光の温度変化に基づいて測定されたワ
ックス析出点が−2.5℃以下であり、かつ−6℃まで
のワックス結晶化潜熱の測定値に基づくワックス析出量
が1.7%以下であり、かつ当該軽油組成物に含まれる
各炭素数のノルマルパラフィンの含有重量分布におい
て、最大含有量以上の炭素数のノルマルパラフィンにつ
き、それらの炭素数(X)と含有量(Y:重量%)との
相関を一次式で近似したときその傾きの逆数(ΔX/Δ
Y)が−2.5以下であることを特徴とする低温運転性
に優れた軽油組成物。
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---|---|---|---|
JP24529799A JP4058201B2 (ja) | 1999-08-31 | 1999-08-31 | 低温運転性に優れた軽油組成物およびその製造方法 |
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005220329A (ja) * | 2004-02-09 | 2005-08-18 | Nippon Oil Corp | 軽油組成物 |
JP2005220330A (ja) * | 2004-02-09 | 2005-08-18 | Nippon Oil Corp | 軽油組成物 |
JP2011105958A (ja) * | 2011-03-08 | 2011-06-02 | Jx Nippon Oil & Energy Corp | 軽油組成物の製造方法 |
JP2011137174A (ja) * | 2011-03-08 | 2011-07-14 | Jx Nippon Oil & Energy Corp | 軽油組成物の製造方法 |
-
1999
- 1999-08-31 JP JP24529799A patent/JP4058201B2/ja not_active Expired - Lifetime
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