JP2001064242A - ジアルカノールアミンの製造法およびこれに用いる触媒 - Google Patents

ジアルカノールアミンの製造法およびこれに用いる触媒

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JP2001064242A
JP2001064242A JP23800899A JP23800899A JP2001064242A JP 2001064242 A JP2001064242 A JP 2001064242A JP 23800899 A JP23800899 A JP 23800899A JP 23800899 A JP23800899 A JP 23800899A JP 2001064242 A JP2001064242 A JP 2001064242A
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dialkanolamine
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alkylene oxide
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Hideaki Tsuneki
英昭 常木
Atsushi Moriya
篤 守屋
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Nippon Shokubai Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 原料アンモニアのリサイクル量を低減し、効
率よく選択的にジアルカノールアミンを生産できる方法
を提供する。 【解決手段】 層状粘土を多価カチオンでイオン交換し
て調製された、モノアルカノールアミンとアルキレンオ
キシドの反応速度定数を1とした時の、アンモニアとア
ルキレンオキシドの反応速度定数をα、ジアルカノール
アミンとアルキレンオキシドの反応速度定数をβと定義
すれば、αが0.05ないし1、且つβが0.7以下で
あることを特徴とする触媒を用い、特定の原料組成で反
応させる事でジアルカノールアミンを選択的に生成させ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はアルキレンオキシド
をアンモニアでアミノ化させてジアルカノールアミン類
を選択的に製造する方法および該方法に用いる触媒に関
する。
【0002】
【従来の技術】アルキレンオキシドをアンモニアでアミ
ノ化してアルカノールアミン類を製造する方法として
は、工業的にはエチレンオキシドとアンモニア水(20
〜40重量%のアンモニア濃度)とを反応させてエタノ
ールアミン類を製造する方法が行われている。この方法
では、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、ト
リエタノールアミンの3種が生成するが、これらの中で
トリエタノールアミンの需要が減退しているので、トリ
エタノールアミンの生成を抑えることが求められてい
る。そのため、通常、アンモニアとエチレンオキシドと
のモル比を3〜5程度とアンモニア大過剰にして反応を
行うが、それでもトリエタノールアミンの選択率は10
〜20重量%ないしそれ以上であリ、ジエタノールアミ
ンの選択率も40重量%以下である。
【0003】一方、水が存在しない系ではアルキレンオ
キシドとアンモニアとは、ほとんど反応しない。従っ
て、このような反応には、触媒の存在が不可欠であり、
例えば、有機酸類、無機酸類、アンモニウム塩などの均
一系の触媒が提案されている(スエーデン国特許第15
8167号)。均一系の触媒では触媒の分離に難点があ
り、また性能も十分ではなかった。この均一系の酸触媒
を固定化する試みとして、スルホン酸基を樹脂に固定し
たイオン交換樹脂が提案された(特公昭49−4772
8号)。この触媒は比較的活性および選択性がよく工業
的に実施されている。しかし、イオン交換樹脂では最高
使用温度が低いという問題がある。通常市販されている
イオン交換樹脂の使用できる最高温度は120℃程度と
かなり低く(「イオン交換−理論と応用への手引き−」
黒田六朗・渋川雅美共訳、1981年丸善株式会社発
行、34ページ参照)、従ってアンモニアとエチレンオ
キシドとのモル比を低くして反応すると、反応熱のため
触媒層の温度が耐熱温度を超えてしまい、長期間このよ
うな温度条件で使用すると触媒が劣化してしまう問題が
ある。このためアンモニアとエチレンオキシドとのモル
比を20〜25程度以下にすることは困難であった。
【0004】そこで耐熱性が低いというイオン交換樹脂
の欠点を克服するため、熱安定性に優れる無機の触媒が
検討されてきた。米国特許第4438281号では一般
的によく用いられるシリカアルミナが活性を示すことが
開示されている。インダストリアル・アンド・エンジニ
アリングケミストリー、プロダクトリサーチ・アンド・
デベロップメント、1986年、25巻、424〜43
0頁にはイオン交換樹脂と、各種ゼオライト触媒などが
比較検討されているが、特にモノアルカノールアミンへ
の選択性の面ではイオン交換樹脂に勝るものではなかっ
た。また特開平2−225446号公報では、酸活性化
粘土触媒が開示されている。これらの触媒でもモノエタ
ノールアミンの収率が60重量%以上もの高いものもあ
る。しかし、いずれもモノアルカノールアミンへの選択
率が十分ではないので、アンモニアとエチレンオキシド
とのモル比を20〜30倍以上にして反応を行ってお
り、アンモニアを回収し循環使用するための設備費が大
きくて実用上困難が多い。
【0005】これらの問題を解決するために特開平7−
173114号公報では希土類元素を耐熱性担体に担持
した触媒を用いて、高活性で且つモノアルカノールアミ
ンを高選択的に製造できる触媒が提案されている。しか
し、これらの触媒の目的はモノアルカノールアミンを高
選択的に製造する事にあり、ジアルカノールアミンを製
造するにはまだ不十分であった。またこのようなモノア
ルカノールアミンの選択性の高い触媒を用いる場合は生
成したモノアルカノールアミンを分離した後一部を反応
系にリサイクルすることでジアルカノールアミンの生成
量を増大させることができるが、リサイクルのための用
役費などが多く実用上はまだ問題が残っていた。
【0006】また東ドイツ国特許298636号公報には、結
晶性アルミノシリケートのNa塩を用い、エチレンオキシ
ドとアンモニアから気相反応を行いジエタノールアミン
を選択的に合成する方法が開示されているが、エチレン
オキシドの転化率は30〜38%にすぎず実用とするに
は不十分であった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のよう
な問題点を解決するためになされたものであり、アルキ
レンオキシドをアンモニアでアミノ化させてアルカノー
ルアミン類を製造する際に、トリアルカノールアミンを
抑え、ジアルカノールアミンを選択的に、しかも長期間
生産性良く製造する方法およびこれに用いる触媒を提供
することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は前記課題を解決
すべく鋭意研究を重ねた結果、特定の反応速度定数比を
持ち多価金属カチオンでイオン交換された層状粘土触媒
がジアルカノールアミンの製造に有利であることを見い
だし、本発明を完成するに至った。
【0009】すなわち本発明の製造法は、 下記一般式
(I)
【0010】
【化5】
【0011】(式中、R1、R2、R3およびR4は各々独
立して水素原子、メチル基またはエチル基を表す。)で
示されるアルキレンオキシドとアンモニアとを液相で触
媒の存在下に反応させて下記一般式(II)
【0012】
【化6】
【0013】(式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6
7およびR8は各々独立して水素原子、メチル基または
エチル基を表す。)で示されるジアルカノールアミンを
製造する際に、前記触媒として、層状粘土化合物を多価
金属カチオンでイオン交換してなる触媒を用い、かつ、
前記反応を、(i)モノアルカノールアミンとアルキレ
ンオキシドの反応速度定数を1とした時の、アンモニア
とアルキレンオキシドの反応速度定数αが0.1以上
で、かつ(ii)ジアルカノールアミンとアルキレンオ
キシドの反応速度定数βが0.7以下である条件下で行
うことを特徴とする。
【0014】前記多価金属イオンの電子陰性度は4以上
10以下で、且つ前記多価金属イオンのイオン半径が
0.05nm以上であることが好ましい。
【0015】前記アンモニアのモル数は、アルキレンオ
キシドを1モルとしたとき、2β/α0.3以上、1/
(0.5αβ0.5)以下の範囲であることが好ましい。
【0016】本発明の触媒は、下記一般式(I)
【0017】
【化7】
【0018】(式中、R1、R2、R3およびR4は各々独
立して水素原子、メチル基またはエチル基を表す。)で
示されるアルキレンオキシドとアンモニアとを液相で反
応させて下記一般式(II)
【0019】
【化8】
【0020】(式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6
7およびR8は各々独立して水素原子、メチル基または
エチル基を表す。)で示されるジアルカノールアミンを
製造する際に用いる触媒であって、該触媒が、層状粘土
化合物を多価金属カチオンでイオン交換してなる触媒で
あって、かつ、(i)モノアルカノールアミンとアルキ
レンオキシドの反応速度定数を1とした時の、アンモニ
アとアルキレンオキシドの反応速度定数αが0.1以上
で、且つ(ii)ジアルカノールアミンとアルキレンオ
キシドの反応速度定数βが0.7以下である反応特定を
有することを特徴とする。
【0021】前記多価金属イオンのイオンの電子陰性度
が4以上10以下で且つ、前記多価金属イオンのイオン
半径が0.05nm以上である触媒が好ましい。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳しく説明する。
【0023】アンモニアとアルキレンオキシドの反応は
逐次反応であり、中間生成物であるジアルカノールアミ
ンを選択的に長期間安定的に製造するには、触媒に優れ
た選択性と触媒寿命が必要である。
【0024】また前記反応は、例えば、 NH3+AO(アルキレンオキシド)→ MAA(モノアルカノールアミン) …(1) MAA+AO → DAA(ジアルカノールアミン) …(2) DAA+AO → TAA(トリアルカノールアミン) …(3) という3つの反応が逐次的に起こる。
【0025】(1)、(2)及び(3)の反応がアルキ
レンオキシド、アンモニアおよびアミンそれぞれの原料
濃度に1次であるとすると、それぞれの反応式の反応速
度定数をk1、k2、k3とすれば、反応速度はそれぞれ r1=k1NH3AO …(4) r2=k2MAAAO …(5) r3=k3DAAAO …(6) と表すことができる。
【0026】ここで前記のα及びβは、α=k1/k2
及びβ=k3/k2 と定義される。
【0027】AO転化率100%の時の反応液中のNH
3,MAA,DAA,TAAのモル分率をそれぞれx,
y,z,uと置くと、反応速度式(4)〜(6)の積分
と物質収支式(x+y+z+u=1)からα、βは次の
非線型方程式(i)、(ii)の解である。これらの非
線型方程式は通常の数値解法で解くことができ、α、β
それぞれの値を求めることができる。
【0028】
【数1】
【0029】
【数2】
【0030】本発明者らは、液相において触媒の存在下
でアルキレンオキシドとアンモニアとからジアルカノー
ルアミンを製造するための反応を検討した結果、まず前
記触媒として、層状粘土化合物を多価金属カチオンでイ
オン交換してなる触媒を用いることにより、ジアルカノ
ールアミンを選択的に長期間安定的に製造できることを
見出した。
【0031】前記層状粘土化合物としては、スメクタイ
ト系粘土が知られ、具体的にはモンモリロナイト、サポ
ナイト、ヘクトライト、ノントロナイトなどが用いられ
る。これらの粘土化合物はイオン交換サイトを持ち、通
常ナトリウムなどのアルカリ金属イオンがこのサイトを
占めており、このサイトを多価金属カチオンでイオン交
換することにより、前記触媒が得られる。
【0032】この多価金属カチオンとしては電気陰性度
が4ないし10の範囲で且つイオン半径が0.05nm
以上のカチオンが好ましく、具体的にはMg2+、Ca2+、Sr
2+などのアルカリ土類金属イオンや、Y3+、La3+、C
e3+、などの希土類金属イオンなどが挙げられる。交換
するイオンの電気陰性度が4より小さいと、電気的に陽
性が強すぎて好ましくない不純物が生成しやすくなる。
また10より大きいとイオンが加水分解し易くなりイオ
ン交換が円滑に行われなくなったり、選択性が低下する
場合がある。 また、交換するイオンの半径が0.05
nmより小さいと、選択性が低下する場合がある。
【0033】また本発明者らは、液相において触媒の存
在下でアルキレンオキシドとアンモニアとからジアルカ
ノールアミンを製造するための反応を検討した結果、
(i)前記αは0.05ないし1 好ましくは0.1な
いし1の範囲となり、且つ、(ii)前記βは0.7以
下、好ましくは0.6以下の範囲となるような条件下に
反応させることにより、ジアルカノールアミンを効率良
く選択的に製造できることを見出した。
【0034】αが前記下限値より小さいと第1の生成物
であるモノアルカノールアミンを製造する際に原料のア
ルキレンオキシドに対するアンモニアのモル比を大きし
なければならず、効率が悪い。逆にαが前記上限値より
大きいと、アルキレンオキシドに対するアンモニアのモ
ル比を小さくする事はできるがアルキレンオキシドの濃
度が高くなりすぎ反応系からの除熱が問題になってく
る。
【0035】βが前記上限値を超えると、ジアルカノー
ルアミンからトリアルカノールアミンへの逐次反応が大
きくなりすぎジアルカノールアミンを選択的に得ること
ができなくなる。トリアルカノールアミンをまったく生
成させない場合は、βが0の触媒を用いれば良いことに
なるが、アンモニアとアルキレンオキシドの反応と異な
りアルカノールアミンとアルキレンオキシドは無触媒で
も反応がある程度進行するのでβが0の触媒は理論上有
り得ないので、βは0より大きく0.7以下である必要
がある。
【0036】さらに本発明者らは、原料モル比を適当な
範囲に制御することにより、さらにジアルカノールアミ
ンを選択的に製造することができることを見出した。す
なわち、アルキレンオキシドを1モルとしたときのアン
モニアの原料モル数が、2β/α0.3以上、1/(0.5
αβ0.5)以下、好ましくは2β/α0.3以上、1/(0.
7αβ0.5)以下である組成の反応原料を用いることがジ
アルカノールアミンを効率良く選択的に生産するために
好ましいことを見出したものである。
【0037】例えば α=0.2、β=0.5の場合、
モル比の下限は 2×0.5/0.20.3=1.62、
上限は1/(0.5×0.2×0.250.5)=15.
1好ましくは1/(0.7×0.2×0.250.5)=
10.8となる。
【0038】この間でモル比を変化させた場合の生成物
分布をアルキレンオキシドがエチレンオキシドの場合に
ついて模式的に示すと、図1のようになる。
【0039】モル比が下限の1.62より小さいとジア
ルカノールアミン(DEA)が減少し、トリアルカノー
ルアミン(TEA)が著しく増大してしまう。モル比が
上限の10.8を超えると、トリアルカノールアミン
(TEA)は少ないが、ジアルカノールアミン(DE
A)も減少してしまう。したがって、ジアルカノールア
ミン(DEA)を選択的に得たい場合はこの範囲内にあ
ることが好ましい。
【0040】本発明にかかる触媒は、アルキレンオキシ
ドとアンモニアとからジアルカノールアミンを液相で製
造するための反応に好適に用いられる触媒であって、該
触媒が、層状粘土化合物を多価金属カチオンでイオン交
換してなる触媒で、かつ前記αが0.05ないし1 好
ましくは0.1ないし1、且つ前記βが0.7以下、好
ましくは0.6以下の範囲となるような反応特性を有す
る触媒であれば特に限定されない。
【0041】この触媒の調製方法としては、特に限定さ
れないが、例えば、触媒の酸・塩基性、細孔構造、結晶
構造などを最適化して調製すればよい。
【0042】具体的な調製方法としては、例えば、イオ
ン交換する金属イオンを含む硝酸塩・硫酸塩・塩化物な
どの水溶液に、イオン交換したい層状粘土をよく分散さ
せてイオン交換を行う方法が挙げられる。イオン交換
は、通常、室温から100℃の温度で行われる。またイ
オン交換率は通常50〜100%が好ましい。イオン交
換率を上げるには粘土のイオン交換等量より多い金属イ
オンが必要で、通常1.2倍等量程度以上が用いられ
る。イオン交換率が50%よリ低いと多価金属イオン交
換処理の効果が少なくなる場合がある。イオン交換終了
後は、スラリーを水でよく洗浄し、室温から150℃ま
での温度で乾燥し、必要に応じて200〜700℃で焼
成する。
【0043】得られる触媒の細孔構造の最適化には、例
えば細孔容積を増加させるには結晶性セルロースなどの
細孔形成剤を触媒成型時に用いて、焼成時に分解除去す
ることにより行える。
【0044】本発明に係わる原料のアルキレンオキシド
は2〜4個の炭素原子を有する前記一般式(I)で示さ
れるアルキレンオキシドであり、エチレンオキシド、プ
ロピレンオキシド等が例示される。これらの原料に対応
して前記一般式(II)で示されるアルカノールアミン
が得られる。具体例としては、モノエタノールアミン、
ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、プロパノ
ールアミン類等が例示される。
【0045】反応は液相状態で行わなければならないの
で、一般には反応圧力は反応器内の最高温度における反
応液の蒸気圧より高く保つ必要があるが、アルキレンオ
キシドの濃度が高く反応熱の除去が困難な場合はアンモ
ニアの一部を気化させてその蒸発潜熱で反応熱を除去す
ることもできる。この場合は反応圧力を反応系内の最高
温度での反応液の蒸気圧より低くする。
【0046】通常、アルカノールアミン類の製造は、4
0〜300℃の温度範囲で実施することができる。好ま
しい範囲は80〜200℃である。操作圧力は、1〜2
0MPaである。
【0047】また、上述の条件下、液毎時空間速度(L
HSV)に特に制限はないが1hr-1以上の条件が通常用
いられる。
【0048】
【実施例】以下に続く実施例は、主としてエチレンオキ
シドとアンモニアからのエタノールアミン類の製造例を
示す。該実施例は、説明の目的に意図されるものであ
り、それにより本発明が限定されるものではない。
【0049】また、LHSV、エチレンオキシドの転化
率及びモノエタノールアミンの選択率は次のように定義
する。なお、エタノールアミン類以外の生成物はほとん
どできておらず、従ってエチレンオキシドの転化率(モ
ル%)は、エチレンオキシド基準の(モノ、ジ、トリ)
エタノールアミンの総合収率(モル%)にほぼ等しい。
【0050】
【数3】
【0051】
【数4】
【0052】
【数5】
【0053】参考例1 層状粘土としてモンモリロナイトを多価カチオンとして
マグネシウムを用いた例である。
【0054】0.075mol/dm3 の硝酸マグネシ
ウム水溶液10dm3 にモンモリロナイト200gを攪
拌しながら添加し、室温で1日攪拌を行い、ろ過後、1
0dm3 の純水で洗浄した。このケーキを120℃で1
日乾燥後、0.05〜0.1mmに粉砕して触媒とし
た。これを触媒Aとする。Mg2+の電気陰性度は6.
0、イオン半径は0.078nmである。
【0055】参考例2 硝酸マグネシウムの代わりに硝酸カルシウムを用いる以
外は参考例1と同様の手順で触媒を調製した。これを触
媒Bとする。Ca2+の電気陰性度は5.0、イオン半径
は0.099nmである。
【0056】参考例3 硝酸マグネシウムの代わりに硝酸ストロンチウムを用い
る以外は参考例1と同様の手順で触媒を調製した。これ
を触媒Cとする。Sr2+の電気陰性度は5.0、イオン
半径は0.127nmである。
【0057】参考例4 硝酸マグネシウムの代わりに硝酸ランタンを用いる以外
は参考例1と同様の手順で触媒を調製した。これを触媒
Dとする。La3+の電気陰性度は7.7、イオン半径は
0.122nmである。
【0058】参考例5 硝酸マグネシウムの代わりに硝酸セリウムを用いる以外
は参考例1と同様の手順でCe交換モンモリロナイトの
ケーキを得た。ここへ、結晶性セルロースのアビセルを
120g添加し良く混練した後120℃で1日乾燥後、
0.05〜0.1mmに粉砕した。これを空気流通下5
00℃で4時間焼成して触媒を調製した。これを触媒E
とする。Ce3+の電気陰性度は7.5、イオン半径は
0.118nmである。
【0059】参考例6 硝酸マグネシウムの代わりに硝酸アルミニウムを用いる
以外は参考例1と同様の手順で触媒を調製した。これを
触媒Fとする。Al3+の電気陰性度は10.5、イオン
半径は0.057nmである。
【0060】参考例7 リンタングステン酸29水和物51gを水100cm3
溶解させた溶液に50−100メッシュのシリカゲル1
0gを投入し、撹拌しながら湯浴上で蒸発乾固させた。
120℃で10時間乾燥後、300℃で2時間焼成して
触媒Gとした。
【0061】実施例1 内容積3cm3のステンレススチール管製反応器(内径5m
m)に触媒Aを充填した。反応容器内に一定速度でアン
モニアおよびエチレンオキシドを高圧ポンプを用いて送
りこみ、反応容器はオイルバス中で加熱した。反応圧は
14MPaに維持した。反応液を捕集し、ガスクロマト
グラフにより分析した。
【0062】反応条件および結果を表1に示す。
【0063】実施例 2〜5 反応条件・用いる触媒を変えた以外は実施例7と同様の
手順で反応を行った。
【0064】反応条件および結果を表1に示す。
【0065】
【表1】
【0066】比較例1 触媒Aの代わりにDOWX−50W(50−100メッ
シュ)を用いた他は、実施例1と同様に反応を行った。
反応条件および結果を表2に示す。この触媒はαも特に
大きくなくβが大きいためモノエタノールアミン・ジエ
タノールアミン共に選択性は良くない事がわかる。
【0067】比較例2 触媒Aの代わりに触媒F(Al3+交換モンモリロナイ
ト)を用いた他は、実施例1と同様に反応を行った。反
応条件および結果を表2に示す。
【0068】比較例3 この触媒Gを用いる他は実施例1と同様に反応を行っ
た。反応条件および結果を表2に示す。この触媒はαが
小さいためNH3を大過剰にしてもモノエタノールアミ
ン選択率が悪く、またβも大きいためトリエタノールア
ミンも生成しやすいこどがわかる。
【0069】
【表2】
【0070】
【発明の効果】本発明によれば、アルキレンオキシドを
アンモニアでアミノ化させてアルカノールアミン類を製
造する際に、トリアルカノールアミンを抑え、ジアルカ
ノールアミンを選択的に、しかも長期間生産性良く製造
することができる。
【0071】また本発明によれば、ジアルカノールアミ
ン生成の選択性が高いため、生成物のモノアルカノール
アミンをリサイクルせずとも同等のアルカノールアミン
類の生成比率となるので、未反応のアンモニアの回収コ
ストが小さくなると同時に、供給原料の総量が減少し、
そのため反応系や回収系の装置を小さくすることがで
き、設備費が小さくできる点で優れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】原料アンモニアとエチレンオキシドの原料モル
比を変化させて反応した場合に生成する各エタノールア
ミンの分布を示す模式図である。原料モル比(エチレン
オキシドに対するアンモニアのモル数)を横軸に、(モ
ノ、ジ、トリ)エタノールアミンの生成割合(重量%)
を縦軸に示した。
【符号の説明】
EO:エチレンオキシド MEA:モノエタノールアミン DEA:ジエタノールアミン TEA:トリエタノールアミン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4G069 AA02 AA08 BA10A BA10B BB12A BB12B BB12C BC10B BC12B BC42B BC43B CB77 DA05 FB14 FB26 FB31 4H006 AA02 AC41 AC52 BA06 BA08 BA71 BC14 BC18 BC31 BE14 4H039 CA60 CA71 CF90

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(I) 【化1】 (式中、R1、R2、R3およびR4は各々独立して水素原
    子、メチル基またはエチル基を表す。)で示されるアル
    キレンオキシドとアンモニアとを液相で触媒の存在下に
    反応させて下記一般式(II) 【化2】 (式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7およびR8
    は各々独立して水素原子、メチル基またはエチル基を表
    す。)で示されるジアルカノールアミンを製造する際
    に、前記触媒として、層状粘土化合物を多価金属カチオ
    ンでイオン交換してなる触媒を用い、かつ、前記反応
    を、(i)モノアルカノールアミンとアルキレンオキシ
    ドの反応速度定数を1とした時の、アンモニアとアルキ
    レンオキシドの反応速度定数αが0.1以上で、かつ
    (ii)ジアルカノールアミンとアルキレンオキシドの
    反応速度定数βが0.7以下である条件下で行うことを
    特徴とするジアルカノールアミンの製造法。
  2. 【請求項2】 前記多価金属イオンの電子陰性度が4以
    上10以下で、且つ前記多価金属イオンのイオン半径が
    0.05nm以上である請求項1記載のジアルカノール
    アミンの製造法。
  3. 【請求項3】 前記アンモニアのモル数が、アルキレン
    オキシドを1モルとしたとき、2β/α0.3以上、1/
    (0.5αβ0.5)以下の範囲である請求項1または2記
    載のジアルカノールアミンの製造法。
  4. 【請求項4】 下記一般式(I) 【化3】 (式中、R1、R2、R3およびR4は各々独立して水素原
    子、メチル基またはエチル基を表す。)で示されるアル
    キレンオキシドとアンモニアとを液相で反応させて下記
    一般式(II) 【化4】 (式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7およびR8
    は各々独立して水素原子、メチル基またはエチル基を表
    す。)で示されるジアルカノールアミンを製造する際に
    用いる触媒であって、該触媒が、層状粘土化合物を多価
    金属カチオンでイオン交換してなる触媒であって、か
    つ、(i)モノアルカノールアミンとアルキレンオキシ
    ドの反応速度定数を1とした時の、アンモニアとアルキ
    レンオキシドの反応速度定数αが0.1以上で、且つ
    (ii)ジアルカノールアミンとアルキレンオキシドの
    反応速度定数βが0.7以下である反応特定を有するこ
    とを特徴とするジアルカノールアミン製造用触媒。
  5. 【請求項5】 前記多価金属イオンのイオンの電子陰性
    度が4以上10以下で且つ、前記多価金属イオンのイオ
    ン半径が0.05nm以上である請求項4記載のジアル
    カノールアミン製造用触媒。
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