JP2001062951A - 複合材料およびこの複合材料を用いた合成枕木 - Google Patents

複合材料およびこの複合材料を用いた合成枕木

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JP2001062951A
JP2001062951A JP23996299A JP23996299A JP2001062951A JP 2001062951 A JP2001062951 A JP 2001062951A JP 23996299 A JP23996299 A JP 23996299A JP 23996299 A JP23996299 A JP 23996299A JP 2001062951 A JP2001062951 A JP 2001062951A
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Ryuichi Matsuo
龍一 松尾
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】電気絶縁性の長期保持性に優れ、吸水に起因す
る凍結融解等の物性低下がなく、優れた曲げ強度、圧縮
強度、釘打ち性能を備えた複合材料およびこの複合材料
を用いた合成枕木を提供することを目的としている。よ
り圧縮強度や釘打ち性能の向上が望める複合材料および
この複合材料を用いた合成枕木を提供することを目的と
している。 【解決手段】充填材と熱硬化性樹脂発泡体とからなる芯
層と、長手方向に平行な長繊維によって補強された熱硬
化性樹脂発泡体からなり、前記芯層の少なくとも厚み方
向の一方の面を被覆するように積層された表面層とを備
えている複合材料において、前記芯層の吸水量が20m
g/cm2 /24hr以下である構成とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複合材料およびこ
の複合材料を用いた合成枕木に関する。
【0002】
【従来の技術】外観的に天然木材と類似しており、また
物性的に天然木材と同等以上の性能を示す繊維強化され
た熱硬化性発泡樹脂成形品が建材、構造部材、枕木、水
回り板材等の構造体として使用されている。従来、この
種の熱硬化性発泡樹脂成形品は、特公昭52−2421
号公報や特開平5−237947号公報等に開示されて
いるように、板状または棒状の成形品本体が、熱硬化性
発泡樹脂液を発泡硬化させて形成されていて、この成形
品本体内に長繊維のガラス繊維が補強繊維として長手方
向に引き揃えられて略平行に並んで分散されている。
【0003】しかし、上記従来の熱硬化性発泡樹脂成形
品は、補強繊維が長手方向に引き揃えられて成形品本体
内に略平行に並んで分散されているため、長手方向に直
交する曲げ応力に対し十分な強度を備えているのである
が、たとえば、釘打ちなどの際に補強繊維に平行な方向
にひびや割れが生じやすいと言う欠点、あるいは、釘の
引抜き強度が低いと言う欠点がある。
【0004】そこで、50重量%以下の充填材が分散さ
れた熱硬化性樹脂発泡体からなる芯層の表面に、補強繊
維が長手方向に引き揃えられて略平行に並んで分散され
ている熱硬化性樹脂発泡体からなる表面層が積層された
複合材料が提案されている(特開平5−138797号
公報参照)。すなわち、この複合材料の場合、圧縮強度
の優れた芯層を表面層で挟んだサンドイッチ構造にする
ことによって圧縮強度や釘打ち性能を改善しようとして
いる。
【0005】しかしながら、この複合材料の場合、図7
に示すように、芯層100を構成する充填材200と充
填材200との間に熱硬化性樹脂層300が存在するた
め、圧縮強度や釘打ち性能の向上が不十分であると言う
問題がある。また、大きく撓ませたり繰り返し曲げた場
合、熱硬化性樹脂層300が破壊してしまうと言う問題
がある。
【0006】そこで、このような複合材料を構造体とし
て使用するために、特開平9−86991号公報に開示
されているレジンコンクリートのように、熱硬化性樹脂
発泡体中に50重量%を越える多くの充填材を分散した
芯層を用いることが考えられる。
【0007】ところが、芯層中に多くの充填材を分散さ
せるには、粒径の大きな充填材と粒径の小さな充填材を
使用する必要がある。粒径の小さな充填材としては、た
とえは、平均粒径が0.1〜0.5mmである充填材を使
用する必要がある。一方、熱硬化性樹脂発泡体のセル径
は、たとえば、樹脂として熱硬化性ポリウレタンを用い
るとともに、発泡剤として一般的な水を用いた場合、
0.1〜0.5mmとなる。
【0008】すなわち、充填材の粒径と発泡体のセル径
がほぼ同じになってしまう。そして、このように充填材
の粒径とセル径が同じような大きさになると、熱硬化性
樹脂の発泡状態が連続気泡となるため、芯層の吸水性が
大きくなり、吸水によって複合材料の電気絶縁性が低下
し、鉄道用枕木として用いたときに迷走電流により信号
が乱れたり、凍結融解等により曲げ物性等が低下しやす
くなる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
事情に鑑みて、電気絶縁性の長期保持性に優れ、吸水に
起因する凍結融解等の物性低下がなく、優れた曲げ強
度、圧縮強度、釘打ち性能を備えた複合材料およびこの
複合材料を用いた合成枕木を提供することを目的として
いる。
【0010】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために、請求項1に記載の発明にかかる複合材料(以
下、「請求項1の複合材料」と記す)は、充填材と熱硬
化性樹脂発泡体とからなる芯層と、長手方向に平行な長
繊維によって補強された熱硬化性樹脂発泡体からなり、
前記芯層の少なくとも厚み方向の一方の面を被覆するよ
うに積層された表面層とを備えている複合材料におい
て、前記芯層の吸水量が20mg/cm2 /24hr以下で
ある構成とした。
【0011】請求項2に記載の発明にかかる複合材料
(以下、「請求項2の複合材料」と記す)は、充填材と
熱硬化性樹脂発泡体とからなる芯層と、長手方向に平行
な長繊維によって補強された熱硬化性樹脂発泡体からな
り、前記芯層の少なくとも厚み方向の一方の面を被覆す
るように積層された表面層とを備えている複合材料にお
いて、前記充填材が、前記芯層の体積に対し50容量%
を越え95容量%以下の割合で芯層中に含まれていて、
芯層中の充填材の全重量が、芯層の体積と充填材の嵩密
度との積に対して0.7倍以上であるとともに、48メ
ッシュの篩を不通過の充填材が、全充填材中75容量%
を越えているようにした。
【0012】請求項3に記載の発明にかかる合成枕木
(以下、「請求項3の枕木」と記す)は、請求項1また
は請求項2の複合材料を用いるようにした。
【0013】請求項1および請求項2の複合材料におい
て、表面層および芯層に使用される熱硬化性樹脂は、同
じものでも異なるものでも構わず、特に限定されない
が、たとえば、ポリウレタン樹脂,フェノール樹脂,ポ
リエステル樹脂、エポキシ樹脂、ジアリルフタレート樹
脂等の反応前には、液体または粉体の樹脂が挙げられ
る。
【0014】発泡は、発泡剤によって行われる。そし
て、発泡剤は使用する樹脂により適宜選択でき、たとえ
ば、フロン,炭酸ガス,ペンタン等の物理発泡剤、アゾ
化合物,重曹等の分解型発泡剤、イソシアネートと水の
反応で発生する炭酸ガス等の反応型発泡剤などが挙げら
れる。なお、ポリウレタン樹脂の場合、フロンではオゾ
ン層を破壊する恐れがあるため、イソシアネートと水と
の反応で発生した炭酸ガスを用いることが好ましい。ま
た、発泡剤は予め樹脂と混合しておく。
【0015】芯層に用いられる充填材としては、特に限
定されないが、たとえば、岩石粉粒体,ガラス粒粉,珪
酸カルシウム,セメントコンクリート粉砕物,珪砂等の
無定型粒体,ウォラストナイト等の無機短繊維粉体,膨
張頁岩,軽石,ガラス発泡体等の気泡を有した無機粉
体,塩化ビニル樹脂,繊維強化樹脂粉砕品,繊維強化樹
脂発泡体の粉砕品や切りくず,炭酸カルシウム,フライ
アッシュ等の粒径の比較的小さい無機粉体や汚泥乾燥粉
粒体を予め樹脂で結合した造粒物、珪砂粉、石英粉、マ
イカ、ガラス短繊維や炭素短繊維等の無機短繊維、ビニ
ロン,ナイロン,ポリエステル,芳香族アラミド等の有
機短繊維、汚泥乾燥粉粒体、無機粉粒体に属するものな
どが挙げられるが、芯層に用いる樹脂より圧縮弾性率の
高く、面層に使用される長繊維の熱膨張率に近いものが
好ましい。なお、これらは単独であるいは2種以上複合
して用いることができる。
【0016】請求項1および請求項2の複合材料におい
て、長繊維とは、補強繊維としての機能を有していれ
ば、その形状が限定されず、たとえば、モノフィラメン
ト,フィブリル(髭状の繊維が突き出た物)化繊維素,
織り糸等が挙げられ、その材質は、ガラス,炭素,合成
樹脂などの有機物等が挙げられ、ガラスあるいは炭素が
補強効果が大きく好適である。なお、これらは単独であ
るいは2種以上複合して用いることができる。表面層中
の長繊維の占める割合は、特に限定されないが、5容量
%以上40容量%以下が好ましい。すなわち、5容量%
未満であると曲げ強度などの補強効果がなく、40容量
%を越えると、釘打ち時に繊維の平行な方向にひび割れ
が生じる恐れがある。
【0017】請求項1の複合材料において、芯層の吸水
量が20mg/cm2 /24hr以下に限定され、好ましく
は15mg/cm2 /24hr以下、より好ましくは10m
g/cm2 /24hr以下であるが、その理由は、芯層の吸
水量が20mg/cm2 /24hrを越えると、吸水による
電気絶縁性の低下や凍結融解による物性の低下が大きく
なる。加減は特にないが実際的には上記構成から製造さ
れるものの物性となる。なお、本発明において、吸水量
は、JIS Z 2101の方法による測定方法で得ら
れる吸水量を言う。
【0018】一方、請求項2の複合材料において、芯層
中に、芯層体積と充填材嵩密度との積に対して0.7倍
以上の重量の充填材を含有される必要があるのは、充填
材が芯層体積と充填材嵩密度との積に対して0.7倍を
下回る重量しか含有されていないと、充填材と充填材と
の間に熱硬化性樹脂層が存在して充填材と充填材とが直
接接触しない割合が増え、圧縮強度および釘打ち性能が
不十分となる恐れがあるためである。
【0019】また、請求項2の複合材料において、充填
材が、芯層の体積に対し50容量%を越え95容量%以
下の割合で芯層中に含まれていて、芯層中の充填材の全
重量が、芯層体積と充填材嵩密度との積に対して0.7
倍以上であるとともに、48メッシュの篩を不通過の充
填材が、全充填材中75容量%を越えている必要がある
が、その理由は、以下のとおりである。すなわち、充填
材の添加量が50容量%以下になると、充填材と充填材
との間に熱硬化性樹脂層が存在して充填材と充填材とが
直接接触しないため,圧縮強度および釘打ち性能が不十
分となり、95容量%を越えると、芯層が脆くなり、曲
げ強度が低下する。
【0020】また、充填材が芯層体積と充填材嵩密度と
の積に対して0.7倍を下回る重量しか含有されていな
いと、充填材と充填材との間に熱硬化性樹脂層が存在し
て充填材と充填材とが直接接触しない割合が増え、曲げ
強度、圧縮強度および釘打ち性能が不十分となる恐れが
ある。
【0021】さらに、48メッシュの篩を不通過の充填
材が全充填材中75容量%以下であると、熱硬化性樹脂
発泡体のセル径(0.1〜0.5mm)と同じような大き
さの充填材が増え、熱硬化性樹脂の発泡状態が連続気泡
となり、芯層からの吸水が大きくなり、複合材料の電気
絶縁性や凍結融解等の吸水に起因する物性等が低下しや
すくなる。また、このように粒径の小さな充填材が多く
なると充填材の表面積が大きくなるので、樹脂の硬化や
発泡に熱を用いる場合、たとえば、熱硬化性樹脂として
ポリウレタン、発泡剤として水を用いる場合、熱硬化反
応により発生する熱が充填材に奪われて樹脂の硬化反応
や炭酸ガスの発生反応や炭酸ガスの樹脂からの溶出が遅
くなり樹脂の発泡も起こりにくくなる。下限は特にない
が、実際的には、上記充填材構成で本発明の複合材料が
製造される範囲となる。
【0022】また、請求項1および請求項2の複合材料
において、芯層の密度は0.5g/cm3 以上1.9g/
cm3 以下が好ましい。すなわち、芯層の密度がが0.5
g/cm3 を下回ると、圧縮強度、釘打ち性能が不十分に
なり、芯層の密度が1.9g/cm3 を越えると、弾性率
が甚だ高くなり,釘を打ち込みにくくなるためである。
【0023】さらに、請求項1および請求項2の複合材
料において、表面層の密度は、0.5g/cm3 以上1.
0g/cm3 以下が好ましい。すなわち、表面層の密度が
0.5g/cm3 未満になると、曲げ特性で充分な強度
(たとえば、枕木等では曲げ強度50MPa程度が必
要)を発現せず、1.0g/cm3 を越えると釘を打つ時
に亀裂が走りやすくなる恐れがあるためである。請求項
1および請求項2の複合材料において、充填材の粒径の
上限は、実質的に芯層の厚みより小さくすることが好ま
しい。すなわち、実質的に芯層の厚みより大なる径を有
する充填材を用いた場合、釘打ち性能が釘を打つ部位に
よって大きく変化し使用に耐えれなくなる恐れがある。
【0024】本発明の複合材料の製造方法は、特に限定
されず、バッチ式で製造してもよいし、連続的に製造し
ても構わない。バッチ式の製造方法としては、たとえ
ば、特開平5−138797号公報に開示されているよ
うに、芯層となる予備成形体あるいは表面層となる予備
成形体を予備成形し、この予備成形体を金型内にセット
したのち、予備成形体が硬化する前に、表面層あるいは
芯層となる長繊維と熱硬化性樹脂、または、充填材と熱
硬化性樹脂の混合物あるいは成形体を金型内に充填し、
熱硬化性樹脂を加熱硬化させる方法が挙げられる。
【0025】一方、連続式の製造方法としては、補強繊
維となる多数の長繊維を所定の間隔に引き揃えながら一
方向に進行させ、進行途中で引き揃えられた長繊維群の
上方から、熱硬化性発泡樹脂液を振りかけたのち、各長
繊維を構成する繊維と繊維との間に、振りかけられた熱
硬化性発泡樹脂液を含浸させる。
【0026】そして、この熱硬化性発泡樹脂液が各長繊
維に含浸された長繊維群の中央部に、押出賦形型を臨ま
せ、この押出賦形型から長繊維群で囲繞されるように芯
層となる充填材と熱硬化性樹脂の混合物を賦形しながら
連続的に押し出したのち、筒状の成形用通路に導入し、
成形用通路内で熱硬化性樹脂を熱硬化させて、芯層と表
面層とを同時に成形する方法が挙げられる。
【0027】また、この熱硬化性発泡樹脂液が上下2段
に分割した各長繊維に含浸された長繊維群の間隙におい
て、芯層になる充填材と熱硬化性樹脂の混合物を送り込
み無端ベルト等で押圧して長繊維群により包囲させた所
定の断面形状にして未硬化の状態のまま、または、筒状
の成形用通路内で発泡熱硬化させた後、そのまま、もし
くは、表面をサンディング等により研磨した後に連続的
に送り出し、これを筒状の成形用通路に導入し、成形用
通路内で熱硬化性樹脂を発泡熱硬化させて、芯層と表面
層とを同時にまたは順番に成形する方法が挙げられる。
【0028】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を、
図面を参照しつつ詳しく説明する。図1は本発明にかか
る複合材料の第1の実施の形態をあらわしている。
【0029】図1に示すように、この複合材料1は、芯
層2と表面層3とを備えている。芯層2は、充填材22
と熱硬化性樹脂21とからなり、充填材22が、芯層体
積と充填材嵩密度との積に対して0.7倍以上の重量含
有されているとともに、その密度が0.5g/cm3 以上
1.7g/cm3 以下になっている。また、充填材22
は、芯層2の体積に対し50容量%を越え95容量%以
下の割合で芯層2中に含まれているとともに、48メッ
シュの篩を不通過の充填材が、全充填材中75容量%を
越えている。
【0030】また、芯層2の吸水量(JIS Z 21
01の方法で測定)は、20mg/cm2 /24hr以下と
なっている。表面層3は、芯層2を周囲から囲繞するよ
うに芯層2に一体に設けられていて、長繊維5が長手方
向に略平行に配置された熱硬化性樹脂発泡体で形成され
ている。
【0031】また、表面層3は、全体の10容量%以上
80容量%未満を占めている。
【0032】つぎに、図2に示す製造装置を用いたこの
複合材料1の製造方法を詳しく説明する。図2に示すよ
うに、この製造装置4は、吐出機41と、含浸装置42
と、連続ニーダー43と、賦形型44と、成形用通路4
5と、引取り機46とを備えている。
【0033】吐出機41は、原料タンク(図示せず)か
ら送られてきた熱硬化性樹脂原料を混合して得た熱硬化
性発泡樹脂液59を連続的に吐出して、引き揃えられつ
つ成形用通路45を通って引取り機46側に連続的に引
き取られる長繊維群55の上に振りかけるようになって
いる。含浸装置42は、含浸板42aとこの含浸板42
aを受ける含浸台(図示せず)とを備え、熱硬化性発泡
樹脂液59が振りかけられた長繊維群55を含浸台と含
浸板42aとの間で揉み、各繊維と繊維との間に均等に
熱硬化性発泡樹脂液59を含浸させるようになってい
る。
【0034】連続ニーダー43は、芯層2を形成する熱
硬化性発泡樹脂液と充填材とを混合し混合原料とすると
ともに、この混合原料を連続的に賦形型44へ送るよう
になっている。賦形型44は、連続ニーダー43から送
り込まれた混合原料を所定の連続的に賦形して賦形物を
含浸装置42と成形用通路45との間で長繊維群55の
中央部に芯層形成用の賦形物58として連続的に送り込
むようになっている。
【0035】成形用通路45は、駆動手段によって同一
方向に回転駆動する4つの無端ベルト45a(図では2
つしかあらわれていない)を組み合わせて断面矩形に形
成されているとともに、図示していないが、加熱装置を
備え、成形用通路45内へ連続して送り込まれる長繊維
5に含浸された熱硬化性発泡樹脂液59および賦形物5
8中の熱硬化性発泡樹脂液をそれぞれ発泡硬化させて図
1に示すような断面形状の芯層2および表面層3を備え
た複合材料1として連続的に送り出すようになってい
る。
【0036】引取り機46は、この複合材料1を一定速
度で引き取るようになっている。
【0037】以上のようにして得られた複合材料1は、
表面層3が熱硬化性樹脂内に長繊維5を長手方向に平行
に並べた状態に形成されているので、釘等が容易に打ち
込め、長手方向の曲げ強度にも優れている。また、芯層
2が、充填材22と熱硬化性樹脂21とからなり、充填
材が、前記芯層の体積に対し50容量%を越え95容量
%以下の割合で芯層中に含まれていて、芯層中の充填材
の全重量が、芯層の体積と充填材の嵩密度との積に対し
て0.7倍以上であるので、図3に示すように、充填材
22同士が接触した状態で熱硬化性樹脂によって接着さ
れている。
【0038】したがって、圧縮に対しては芯層2の変形
が小さく、表面層3に依存するため、表面層3の圧縮比
例限界を下回ることがなく、総合的に見て圧縮強度に優
れているとともに、芯層2の充填材22によって釘抜き
性能が向上する。すなわち、充填材22が密であるた
め、充填材22と熱硬化性樹脂21によって引抜き抵抗
力が大きくなり、引抜き強度が大きくなる。しかも、4
8メッシュの篩を不通過の充填材が、全充填材中75容
量%を越えているので、芯層2中の熱硬化性樹脂が独立
気泡となる。したがって、吸水量が20mg/cm2 /2
4hr以下と低くなり、電気絶縁性の長期保持性に優れ、
吸水に起因する凍結融解等による物性低下がない。
【0039】さらに、充填材22として、無機粉粒体、
汚泥乾燥粉粒体、繊維強化樹脂粉砕品が用いられている
ので、充填材の熱膨張率が熱硬化性樹脂の約1/10程
度となり、芯層2とガラス繊維で補強された表面層3と
熱膨張率が近くなる。したがって、環境温度に大きな温
度変化が生じても表面層と芯層の界面に歪みが生じず、
長期的な層間接着性の信頼性が高い。
【0040】また、表面層3が、長手方向に平行な長繊
維によって補強された熱硬化性樹脂発泡体からなり、そ
の密度が0.5g/cm3 以上1.0g/cm3 以下である
ので、曲げ強度において充分な特性を備えているととも
に、釘を打つ最にも亀裂が走りにくい。
【0041】本発明にかかる複合材料は、上記の実施の
形態に限定されない。たとえば、上記の実施の形態の製
造装置4では、長繊維群55の上から熱硬化性発泡樹脂
液59を振りかけたのち、含浸装置42で含浸させるよ
うになっていたが、長繊維群55を熱硬化性発泡樹脂液
中に浸漬させるようにしても構わなし、バンクを設けた
2つのロールを通過させて含浸させるようにしても構わ
ない。
【0042】
【実施例】以下に、本発明の実施例をより詳しく説明す
る。
【0043】(実施例1)以下の表1に示す熱硬化性発
泡樹脂液充填材からなる190×100mmの大きさの断
面を有する芯層の周囲を囲繞するように、表1に示す長
繊維および熱硬化性発泡樹脂液からなる表面層を備えた
200×140mmの大きさの断面を有する複合材料を図
2に示す製造装置4で製造した。なお、表面層の厚み
は、芯層の厚み方向の面で上下とも20mmであり、幅方
向の面で左右とも5mmとした。
【0044】
【表1】
【0045】(実施例2)以下の表2に示す熱硬化性発
泡樹脂液および充填材からなる芯層および表2に示す長
繊維および熱硬化性発泡樹脂液を用いた以外は、実施例
1と同様にして複合材料を得た。
【0046】
【表2】
【0047】(実施例3)以下の表3に示す熱硬化性発
泡樹脂液および充填材からなる芯層および表3に示す長
繊維および熱硬化性発泡樹脂液を用いた以外は、実施例
1と同様にして複合材料を得た。
【0048】
【表3】
【0049】(実施例4)以下の表4に示す熱硬化性発
泡樹脂液および充填材からなる芯層および表4に示す長
繊維および熱硬化性発泡樹脂液を用いた以外は、実施例
1と同様にして複合材料を得た。
【0050】
【表4】
【0051】(比較例1)以下の表5に示す熱硬化性発
泡樹脂液および充填材からなる芯層および表5に示す長
繊維および熱硬化性発泡樹脂液を用いた以外は、実施例
1と同様にして複合材料を得た。
【0052】
【表5】
【0053】(比較例2)以下の表6に示す熱硬化性発
泡樹脂液および充填材からなる芯層および表6に示す長
繊維および熱硬化性発泡樹脂液を用いた以外は、実施例
1と同様にして複合材料を得た。
【0054】
【表6】
【0055】上記実施例1〜4、比較例1,2で得られ
た複合材料について、充填材の芯層中に占める体積割
合、芯層体積と充填材嵩密度との積に対する充填材重量
の比率(充填材倍率)、48メッシュの篩を不通過の充
填材の全充填材に占める割合、芯層の吸水量、凍結融解
後の曲げ強度保持率、芯層の直流絶縁抵抗、複合材料の
曲げ強度、曲げ弾性率、釘保持力を調べ、その結果を以
下の表7に示した。なお、曲げ強度、曲げ弾性率、吸水
量、凍結融解後の曲げ強度保持率、直流絶縁抵抗、釘保
持力は、以下のようにして測定した。
【0056】〔曲げ強度、曲げ弾接率〕図4に示すよう
に、複合材料1の厚み方向の下面を2つの支点61で支
持し、上面の作用点62に荷重をかけてJIS Z 2
101の方法により測定した。
【0057】〔吸水量〕図5に示すように、芯層2が露
出した複合材料1の長手方向の一方の端面11を残して
ワセリンとパラフィンの当重量混合物を塗布して吸水防
止処理を施したのち、JIS Z 2101の方法によ
り測定した。
【0058】〔凍結融解後の曲げ強度保持率〕サンプル
を水中に浸漬し、−10℃に4時間保ったのち、−10
℃から20℃に2時間かけて昇温した。その後、20℃
で40時間保持したのち、20℃から−10℃まで2時
間かけて降温するサイクルを30サイクル行った。つぎ
に、サンプルを水中から取り出して40℃の恒温室内で
48時間乾燥した後の室温で凍結融解後の曲げ強度を測
定するとともに、凍結融解前の曲げ強度に対する凍結融
解後の曲げ強度の比を求めた。
【0059】〔直流絶縁抵抗試験〕図6に示す寸法の複
合材料のサンプル12を20℃の蒸留水中に48時間浸
漬したのち、図6示すように、サンプル12にφ5mmの
2つの黄銅製電極7,7をそれぞれ深さ60mmまでさし
込み、両電極7,7間に500Vの電圧を1分間印加し
たときの両電極7,7間の抵抗値を測定した。なお、図
6中、各部の寸法の単位はmmである。
【0060】〔釘保持力〕サンプルの表面層が形成され
た面に直径17mm、深さ120mmの下穴をあけたあと、
JIS E 1108のレール用ねじくぎを首下20mm
まで打ち込み、毎分10mmで引抜き抵抗値を測定し、2
3kN以上を△、28kN以上を○、33kN以上を
◎、23kN未満を×であらわした。
【0061】
【表7】
【0062】表7から実施例の複合材料は、曲げ強度、
圧縮強度や釘打ち性能に優れることは勿論のこと、いず
れも吸水量が少なく、電気絶縁性に優れ、吸水似伴う凍
結融解等の物性低下が少ないことがよくわかる。さら
に、実施例1の複合材料の芯層と、比較例1の複合材料
の芯層とをそれぞれ液体窒素で凍結させたのち、破断さ
せ、その断面を走査型電子顕微鏡で観察したところ、比
較例1の複合材料の芯層では、セル壁に孔があき、連続
気泡となっていたが、実施例1の芯層では独立気泡とな
っていた。
【0063】
【発明の効果】本発明にかかる複合材料は、以上のよう
に構成されているので、電気絶縁性の長期保持性に優
れ、吸水に起因する凍結融解等の物性の低下がない。し
かも、曲げ強度、圧縮強度,釘打ち性能に優れ、特に請
求項3のように合成枕木に好適に使用することができ
る。また、シールド発進到達用土留め壁(SEW)板や
受圧板としても好適に用いることができる。
【0064】また、枕木等として使用した場合、振動を
吸収しやすく、騒音が減少するとともに、芯層が破壊し
にくいために劣化による損傷が起こっても表面層の損傷
となり、損傷が発見しやすくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる複合材料の第1の実施の形態を
あらわし、その縦断面図である。
【図2】図1の複合材料の製造装置を模式的にあらわす
模式図である。
【図3】図1の複合材料の芯層の断面を拡大して模式的
にあらわす模式図である。
【図4】曲げ強度の試験方法を説明する説明図である。
【図5】吸水量の測定方法を説明する説明図である。
【図6】直流絶縁抵抗の測定方法を説明する説明図であ
る。
【図7】従来の複合材料の芯層の断面を拡大して模式的
にあらわす模式図である。
【符号の説明】
1 複合材料 2 芯層 3 表面層 5 長繊維 22 充填材

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】充填材と熱硬化性樹脂発泡体とからなる芯
    層と、長手方向に平行な長繊維によって補強された熱硬
    化性樹脂発泡体からなり、前記芯層の少なくとも厚み方
    向の一方の面を被覆するように積層された表面層とを備
    えている複合材料において、前記芯層の吸水量が20m
    g/cm2 /24hr以下であることを特徴とする複合材
    料。
  2. 【請求項2】充填材と熱硬化性樹脂発泡体とからなる芯
    層と、長手方向に平行な長繊維によって補強された熱硬
    化性樹脂発泡体からなり、前記芯層の少なくとも厚み方
    向の一方の面を被覆するように積層された表面層とを備
    えている複合材料において、前記充填材が、前記芯層の
    体積に対し50容量%を越え95容量%以下の割合で芯
    層中に含まれていて、芯層中の充填材の全重量が、芯層
    の体積と充填材の嵩密度との積に対して0.7倍以上で
    あるとともに、48メッシュの篩を不通過の充填材が、
    全充填材中75容量%を越えていること特徴とする複合
    材料。
  3. 【請求項3】請求項1または請求項2に記載の複合材料
    からなる合成枕木。
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