JPH0987052A - 軽量気泡コンクリート板及びその製造方法 - Google Patents

軽量気泡コンクリート板及びその製造方法

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JPH0987052A
JPH0987052A JP24461695A JP24461695A JPH0987052A JP H0987052 A JPH0987052 A JP H0987052A JP 24461695 A JP24461695 A JP 24461695A JP 24461695 A JP24461695 A JP 24461695A JP H0987052 A JPH0987052 A JP H0987052A
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JP
Japan
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specific gravity
layer
gravity layer
slurry
high specific
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JP24461695A
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English (en)
Inventor
Shigeo Shiibashi
重夫 椎橋
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B38/00Porous mortars, concrete, artificial stone or ceramic ware; Preparation thereof
    • C04B38/0038Porous mortars, concrete, artificial stone or ceramic ware; Preparation thereof by superficial sintering or bonding of particulate matter
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B2111/00Mortars, concrete or artificial stone or mixtures to prepare them, characterised by specific function, property or use
    • C04B2111/00241Physical properties of the materials not provided for elsewhere in C04B2111/00
    • C04B2111/00336Materials with a smooth surface, e.g. obtained by using glass-surfaced moulds

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高比重層と低比重層の境界部分が強固に結合
した複層軽量気泡コンクリートパネルを作製する。 【解決手段】 型枠内に、予備養生モルタルを含む同一
モルタル組成の低比重層用モルタルスラリーと高比重層
用モルタルスラリーを注入し、型枠振動を行なった後モ
ルタルを硬化させ、オートクレーブ養生することによ
り、結晶性が良好なトバモライトを含有する所定厚の高
比重層と結晶性が良好なトバモライトを含有する所定厚
の低比重層から構成された軽量気泡コンクリート板とす
る。 【効果】 パネル表面の機械的強度や平滑性に優れ、な
おかつ軽量にして断熱性に優れるパネルとなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、軽量にして断熱性
に優れている軽量気泡コンクリート板及びその製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】軽量気泡コンクリートパネルは、一般に
型枠内に発泡剤を含有したモルタルスラリーを打設し、
所定時間放置してモルタルが硬化した後、軽量気泡コン
クリートパネルを脱型し、オートクレーブ養生して製造
されている。型枠内に打設されるモルタルスラリーが高
比重の場合には硬化後のパネル表面の機械的特性等が優
れているが、断熱性が劣ると共に高重量となり易い。一
方、低比重の気泡モルタルスラリーの場合にはパネル表
面の機械的特性等が劣り衝撃や摩擦等により損傷を受け
やすいものであった。また、塗装下地としては平滑性が
不足しており、さらに水密性も不十分なものであった。
そのため、軽量気泡コンクリートパネルの製造後、後処
理が施されない状態ではパネルの取り扱いには特別の配
慮が必要であり、パネル表面の機械的強度の向上や平滑
性あるいは水密性を向上させるために種々の後処理を施
す必要があった。
【0003】軽量気泡コンクリートパネル表面の機械的
特性等に優れかつ軽量で断熱性に優れたパネルの製造方
法としては、特開昭61ー134202号公報のように
モルタルスラリーを型枠内に多層に打設する方法が挙げ
られる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開昭
61ー134202号公報のような同一モルタルスラリ
ーを型枠内に多層に打設する方法では、高比重層と低比
重層との界面の密着性に改善の余地があった。本発明
は、多層からなるコンクリートパネルの高比重層と低比
重層との界面の密着性が極めて優れ、かつ機械的特性に
優れた表面を有し、充分な耐久性を示し、軽量で断熱性
の優れた軽量気泡コンクリートパネル及びその製造方法
を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、高比重層Aと
低比重層Bとが一体的に形成された複層の軽量気泡コン
クリート板において、それらのトバモライトの結晶化度
が共に50〜85%であり、かつ、前記高比重層A及び
前記低比重層Bの前記トバモライトの結晶化度の比率A
/Bが、0.8〜1.2であることを特徴とする軽量気
泡コンクリート板である。
【0006】第2の発明の要旨は第1の発明において、
特に高比重層Aと低比重層Bの細孔率が共に0.6から
0.98である軽量気泡コンクリート板である。第3の
発明の要旨は第1又は第2の発明において、低比重層B
の両方の面に高比重層Aが設けられている軽量気泡コン
クリート板である。第4の発明の要旨は石灰質原料、珪
酸質原料、及び水を主成分とする2種のスラリーを型枠
に順次注入し、高比重層と低比重層が一体的に形成され
た複層の軽量気泡コンクリート板を製造する方法におい
て、少なくとも高比重層のスラリーとして予備養生モル
タルを添加したものを用い、注入されたスラリーの硬化
前にこのスラリーに振動を与えることを特徴とする軽量
気泡コンクリート板の製造方法である。
【0007】第5の発明の要旨は石灰質原料、珪酸質原
料、及び水を主成分とする2種又は3種のスラリーを型
枠に順次注入し、低比重層の両方の面に高比重層が一体
的に形成された3層の軽量気泡コンクリート板を製造す
る方法において、少なくとも前記高比重層のスラリーと
して予備養生モルタルを添加したものを用い、注入され
たスラリーの硬化前にこのスラリーに振動を与えること
を特徴とする軽量気泡コンクリート板の製造方法であ
る。
【0008】第6の発明の要旨は第1から第3の発明に
おいて補強筋を内部に含むことを特徴とする軽量気泡コ
ンクリート板である。第7の発明の要旨は型枠内に補強
筋を配設し、石灰質原料、珪酸質原料、及び水を主成分
とする2種のスラリーを型枠に順次注入し、高比重層と
低比重層が一体的に形成された複層の軽量気泡コンクリ
ート板を製造する方法において、少なくとも前記高比重
層のスラリーとして予備養生モルタルを添加したものを
用い、注入されたスラリーの硬化前にこのスラリーに振
動を与えることを特徴とする軽量気泡コンクリート板の
製造方法である。
【0009】そして第8の発明は型枠内に補強筋を配設
し、石灰質原料、珪酸質原料、及び水を主成分とする2
種又は3種のスラリーを型枠に順次注入し、低比重層の
両面に高比重層が一体的に形成された3層の軽量気泡コ
ンクリート板を製造する方法において、前記高比重層の
スラリーとして予備養生モルタルを添加したものを用
い、注入されたスラルーの硬化前にこのスラリーに振動
を与えることを特徴とする軽量気泡コンクリート板の製
造方法である。
【0010】本発明の軽量気泡コンクリート板は高比重
層及び低比重層とからなり、高比重層及び低比重層のト
バモライト結晶性を高くし、かつその結晶化度をほぼ同
等にすることにより、乾燥収縮、熱膨張等で引き起こさ
れるパネル内部のクラックの発生を防止するものであ
る。本発明で高比重層及び低比重層とは、複層軽量気泡
コンクリートパネルの2層以上を構成する比重の異なる
層の中で、比重の高い層を高比重層とし、比重の低い層
を低比重層とする。低比重層と高比重層の組み合わせの
一例としては、比重0.40〜0.70好ましくは0.
50〜0.60の低比重層と0.75〜1.30好まし
くは0.80〜1.00の高比重層とすることができ、
高比重層と低比重層とからなる複層軽量気泡コンクリー
ト板を成型することができる。この場合、高比重層の比
重が0.75以下であると表面領域に気泡が点在し外観
が悪くなり、比重が1.30以上になると界面での剥離
或いは、反りを生じ易くなる。また、高比重層と低比重
層の比重差としては、0.1〜0.7の範囲が好まし
く、特に、0.3〜0.5が好ましい。
【0011】高比重層及び低比重層の各々の結晶化度と
しては、トバモライト結晶化度が50〜85%であり、
特に60〜80%が好ましい。高比重層及び低比重層の
トバモライト結晶化度が50%未満になると強度が低下
し、かつ、炭酸化し易くなり、実用的な性能を充分発揮
することができなくなる。一方、高比重層及び低比重層
の結晶化度を85%以上に向上させるには、原料組成の
制約を受けると共に、予備養生及びオートクレーブ養生
が長時間必要になるため、結晶型の変化を起こし易くな
ると共に、工業的な製造には不利である。
【0012】高比重層及び低比重層のトバモライト結晶
の各々の比率としては、高比重層Aと低比重層Bのトバ
モライト結晶の比率A/Bが、0.8〜1.2であり、
特に、A/Bは0.85〜1.15が好ましい。高比重
層及び低比重層のトバモライト結晶の比率A/Bが0.
8〜1.2の範囲から外れると、高比重層及び低比重層
の乾燥収縮率、熱膨張率等の差が大きくなるため、亀
裂、剥離等の発生が起こり易くなる。また、トバモライ
ト結晶化度の高い部分と低い部分が同一モルタル内に形
成していると、オートクレーブ養生の際の圧力変化及び
温度変化で損傷を受け易くなる。
【0013】細孔率とは、0.0032μm〜0.1μ
mの範囲の細孔量と0.0032μm〜1.0μmの範
囲の細孔量の比率を示しており、トバモライトの結晶化
が進行するにつれて細孔率が高くなる。高比重層及び低
比重層の細孔率としては、0.6から0.98が好まし
く、特に、0.70から0.95の範囲が好ましい。高
比重層と低比重層の界面近傍において、低比重層の気泡
或いは空孔の大きさは0.3mmから8.0mmが好ま
しく、特に、0.5mmから5.0mmの範囲が好まし
い。ここで、気泡とはほぼ球形をした空隙構造であり、
空孔とは不規則な空隙構造をしたものを言い、その大き
さは縦及び横の長さの数値の大きい方を示している。
0.3mm以下になると気泡の大きさを均一にすること
が難しく、部分的に気泡が形成されず、高比重層Aと低
比重層Bの界面の山谷の差が大きくなると共に、そこに
応力が集中し易くなり、機械的及び熱的衝撃を加えると
亀裂が発生し易くなる。一方、8.0mm以上になる
と、低比重層Bの界面近傍の強度が低下し、衝撃に対し
て、亀裂或いは破壊が起こり易くなる。さらに、気泡或
いは空孔が大きくなったことによって、気泡が合一しや
すくなり、高比重層と低比重層の界面部分の一部に断層
が発生するようになる。
【0014】補強筋とは引張り強度や曲げ強度を高くす
るために軽量気泡コンクリートの内部に埋め込まれる強
靭な材料からなる補強材のことであって、軽量気泡コン
クリート板の強度を高められるものであればどのような
ものでもよい。その材料としては例えば鉄或いはステン
レス鋼等の金属でもよく、炭素繊維、その他高分子繊維
であってもよいし、もちろんこれらを適宜組み合わせて
用いてもよい。その形状としては例えば棒状或いは線状
のもの、あるいはこれらを格子状又は網状に並べたも
の、あるいはこれら格子状又は網状のものを複層、間隔
をおいて立体的に結合したものでも良い。
【0015】次に、本発明の製造方法について説明す
る。本発明の軽量気泡コンクリート板は、例えばセメン
ト等の石灰質原料、珪石等の珪酸質原料、予備養生モル
タル、石膏、水等を加えて混合したスラリー及び前記の
原料組成に気泡剤を加えた混合スラリーを各々型枠に順
次注入した後、型枠振動装置により型枠に振動を加えて
硬化させたものをオートクレーブ養生して製造する。
【0016】高比重層及び低比重層各々の層の原料配合
組成は、セメント等の石灰質原料、珪石等の珪酸質原料
及び水を主成分とし、石膏、気泡剤、予備養生モルタル
等を添加したものである。複層軽量気泡コンクリート板
の低比重層及び高比重層の比重は、用いるモルタル組成
等によって決まり、例えば、モルタル中の固形分と水と
の比率、金属アルミの添加量、予備養生モルタルを粉砕
した予備養生粉の添加量等によって変えることができ
る。
【0017】尚、低比重層用には予備養生モルタルを加
えないこともある。予備養生モルタルとしては、セメン
ト等の石灰質原料、珪石等の珪酸質原料、石膏、気泡
剤、水等を加えて混合したモルタルスラリーを予備養生
し、次に、水を予備養生モルタルに加え、混合すること
により調整することができる。予備養生モルタルに対す
る水の比率としては100/100〜200/100に
なるように混合することが好ましく、特に120/10
0〜160/100になるようにすることが好ましい。
また、混合時間は30分〜36時間が好ましく、特に、
3時間〜24時間が好ましい。予備養生温度としては3
0℃〜90℃にすることが好ましく、特に、40℃〜8
0℃が好ましい。予備養生時間としては30分〜24時
間が好ましく、特に、90分〜12時間が好ましい。
【0018】ここで用いられるモルタルスラリー中のC
aO/SiO2 モル比は0.4〜0.9が好ましく、特
に、0.5〜0.7が好ましい。CaO/SiO2 モル
比が0.9以上になるとオートクレーブ中の水熱反応に
よるトバモライトの生成が不充分になり、0.4以下に
なるとセメントの含有量が少なくなりモルタルの凝結が
遅延する。また、モルタルスラリーの固形分重量100
重量部に対する水の重量比は、50〜90重量部が好ま
しく、特に、60〜80重量部が好ましい。
【0019】このような原料組成からなる原材料とし
て、珪石として微粉珪石を用い更に予備養生モルタルを
添加することでトバモライトの結晶化度が向上し、微粉
珪石及び予備養生モルタルを用いないモルタルに比べ、
機械的強度が高く、パネル内部の乾燥収縮率の差の小さ
いモルタル硬化体が生成する。微粉珪石の粉末度はブレ
ーン法(JIS R5201)により測定し、ブレーン
値で2000〜7000cm2 /gが好ましく、特に、
2500〜6000cm2 /gが好ましい。
【0020】高比重層モルタルと低比重層モルタルの原
料モルタル組成は、ほぼ同一原料組成からなり、かつ予
備養生モルタルを用いることにより、界面領域での密着
性及びトバモライト結晶性を向上させることができる。
また、上記の方法で作成した複層軽量気泡コンクリート
板を構成する低比重層と高比重層の厚みは、低比重層用
モルタルスラリーと高比重層用モルタルスラリーの注入
量の比率を変えることにより所定の厚みに設定すること
が可能である。高比重層の厚みとしては、5mm〜80
mmに設定することが好ましく、特に、10mm〜50
mmに設定することが好ましい。高比重層の厚みが、5
mm以下になると高比重層側表面に部分的に気泡が現
れ、80mm以上になると高比重層内に亀裂等が発生し
易くなる。
【0021】本発明の軽量気泡コンクリート板は、例え
ばセメント等の石灰質原料、珪石等の珪酸質原料、石
膏、気泡剤、水、予備養生モルタル等を加えて混合した
スラリーを型枠に注入した後、気泡剤を除いた混合スラ
リーを型枠中の高比重層モルタル界面に対して水平に流
延した後、型枠に振動を加え、高比重層と低比重層の間
に空隙が発生しないようにしたモルタルを発泡硬化さ
せ、オートクレーブ養生して製造する。
【0022】本発明で使用する型枠振動装置の振幅及び
振動数は低比重層用モルタルスラリー中の気泡の脱ガス
発生することなく、低比重層用モルタルスラリーと高比
重層用モルタルスラリーとの比重差による分離を促進す
る範囲であればよく、振幅の最大限度は10mm、振動
数の最大限度は毎分10000回とし、各々のスラリー
の分離を促進する最小振幅及び最小振動数は0.1m
m、毎分1000回となるようにするのが好ましく、特
に振幅は1〜5mm、振動数は毎分3000〜6000
回の範囲が好ましい。振動時間は、低比重層用モルタル
スラリーと高比重層用モルタルスラリーが効率良く分離
し、低比重層用モルタルスラリー中の気泡が破壊あるい
は脱泡しない範囲であればよく、型枠注入後最大10分
間で、各々のモルタルの分離状態が良い3分間までがよ
く、1分までが特に好ましい。
【0023】型枠振動を与える駆動方法としては、上記
のような振幅や振動数を型枠に与えられるものであれば
どんな方法でもよいが、例えば、型枠の側面部、底面部
に振動を与える振動発生器を取り付け、内蔵された起振
器により振動を与えるものであって、その振動発生方式
が偏心重錘方式、遊星運動方式、鋼製ボールの回転によ
る遠心力方式等からなるもの等をあげることができる。
また、振動発生器の駆動装置としては、例えば、電動
機、エンジン、圧縮空気等が取り付けて有り、ベルト等
を通じて起振器に回転運動を伝達するもの等を用いるこ
とができる。
【0024】
【発明の実施の形態】傾斜構造を有する軽量気泡コンク
リートパネルの製造方法について実施例によりさらに具
体的に説明する。尚、実施例で用いた測定法は下記の通
りである。 1)細孔量;湯浅アイオニクス社製の水銀圧入ポロシメ
ータによる水銀圧入法によって行った。
【0025】2)X線強度比の測定;理学電機株式会社
製のX線回折装置(40KV、35mA)を用い、トバ
モライトピーク(11.3゜、5.48゜、3.08
゜、2.98゜、2.81゜)の5強線強度(cps)
から以下のようにして求めた。 トバモライトのX線強度比=高比重層のX線5強線強度
/低比重層のX線5強線強度 3)結晶化度の測定;酸溶解法によりマトリックス部分
を定量することにより行った。
【0026】試料マトリックス部を大きく分けてCSH
ゲル、トバモライト結晶、未反応珪石と考え、30g/
lピクリン酸メタノール溶液中で3時間撹拌後の溶解分
をCSHゲル、2NHClで60℃×15分、2%Na
2 CO3 で80℃×20分撹拌後の溶解残分を未反応珪
石、次に、100%からこれらの和を引いたものをトバ
モライト結晶量として定量を行った。
【0027】トバモライト結晶化度は以下のようにして
求めた。 トバモライト結晶化度=トバモライト結晶量/(トバモ
ライト結晶量+未反応珪石+CSHゲル)×100
(%) 4)引張り試験;試料の形状寸法は縦10cmx横10
cmx高さ20cmであり、高比重層及び低比重層の高
さを各々10cmとし、試料の上下に鉄板(10x10
cm)を接着し、ミネベア株式会社製AL型引っ張り圧
縮試験機により引張り強度を測定した。
【0028】
【実施例1】図1(a)のように幅600mm、長さ6
00mm、高さ150mmの型枠3に、珪石35重量
%、セメント30重量%、生石灰8重量%、石膏2重量
%、予備養生モルタル(珪石47重量%、セメント40
重量%、生石灰11重量%、石膏2重量%としたものを
100重量部に水155重量部、アルミ0.06重量部
を混練したスラリーを60℃、5時間常圧で蒸気養生し
たモルタル)25重量%としたものを20重量部に水1
0重量部を添加混練したモルタルスラリー2を注入し、
60℃で30分間養生硬化させた後、図1(b)のよう
に珪石35重量%、セメント30重量%、生石灰8重量
%、石膏2重量%、予備養生モルタル(珪石47重量
%、セメント40重量%、生石灰11重量%、石膏2重
量%としたものを100重量部に水155重量部、アル
ミ0.06重量部を混練したスラリーを60℃、5時間
常圧で蒸気養生したモルタル)25重量%としたものを
80重量部に水40重量部、アルミ0.06重量部を添
加混練したモルタルスラリーを同じ型枠に注入し、1分
間電磁式バイブレーターにより型枠3に振幅3mm、振
動数毎分2000回の振動を与えた。前記モルタルが所
定の硬度に達した後、図1(d)のように型枠から離型
してピアノ線により切断し、オートクレーブ養生した。
【0029】得られた軽量気泡コンクリートは高比重層
モルタルと低比重層モルタルからなり、境界面には亀裂
やずれの無い好ましいものであった。この製品を図2の
X−X線で切断し、切断面を観察したところ、高比重層
と低比重層との境界面に凹凸がなく、高比重層の厚みは
1cmでほぼ均一なものであった。また、高比重層と低
比重層の界面近傍において、低比重層の気泡の大きさは
0.8mmから2.3mmであった。低比重層モルタル
の比重は0.5g/cm3 で、高比重層モルタルの比重
は1.0g/cm3 であり、引張強度は5.0kg/c
2 で、破壊部分は低比重層の高さ方向の中間で鉄板面
に対してほぼ平行であった。X線強度比から求めた低比
重層に対する高比重層のトバモライト結晶の比率は1.
02であった。酸溶解法から求めた高比重層の結晶化度
は66%であり、低比重層の結晶化度は65%であっ
た。
【0030】また、重質層の細孔率は0.88であり、
発泡層の細孔率は0.85であった。細孔率=(0.0
032μm〜0. 1μmの細孔量)÷(0.0032μ
m〜1.0μmの細孔量)
【0031】
【実施例2】幅600mm、長さ600mm、高さ25
0mmの型枠3に、珪石35重量%、セメント30重量
%、生石灰8重量%、石膏2重量%、予備養生モルタル
(珪石47重量%、セメント40重量%、生石灰11重
量%、石膏2重量%としたものを100重量部に水15
5重量部、アルミ0.06重量部を混練したスラリーを
70℃、5時間常圧で蒸気養生したモルタル)25重量
%としたものを20重量部に水10重量部を添加混練し
たモルタルスラリー2を注入し、70℃、30分間養生
硬化させた後、珪石35重量%、セメント30重量%、
生石灰8重量%、石膏2重量%、予備養生モルタル(珪
石47重量%、セメント40重量%、生石灰11重量
%、石膏2重量%としたものを100重量部に水155
重量部、アルミ0.06重量部を混練したスラリーを7
0℃、5時間常圧で蒸気養生したモルタル)25重量%
としたものを80重量部に水40重量部、アルミ0.0
6重量部を添加混練したモルタルスラリーを同じ型枠に
注入し、1分間電磁式バイブレーターにより型枠3に振
幅2mm、振動数毎分3000回の振動を与えた。前記
モルタルが所定の硬度に達した後、珪石35重量%、セ
メント30重量%、生石灰8重量%、石膏2重量%、予
備養生モルタル(珪石47重量%、セメント40重量
%、生石灰11重量%、石膏2重量%としたものを10
0重量部に水155重量部、アルミ0.06重量部を混
練したスラリーを70℃、5時間常圧で蒸気養生したモ
ルタル)25重量%としたものを20重量部に水10重
量部、アルミ0.006重量部を添加混練したモルタル
スラリーを同じ型枠に注入し、1分間電磁式バイブレー
ターにより型枠に振幅2mm、振動数毎分3000回の
振動を与えた。
【0032】得られたALCは低比重層モルタルを高比
重層モルタルが挟み込む構造からなり、この製品を切断
し、切断面を観察したところ、高比重層と低比重層との
境界面に凹凸がなく、高比重層の厚みは1cmでほぼ均
一なものであった。また、高比重層と低比重層の界面近
傍において、低比重層の気泡の大きさは0.8mmから
2.3mmであった。低比重層モルタルの比重は0.5
g/cm3 で、高比重層モルタルの比重は各々1.0g
/cm3 であり、引張強度は5.0kg/cm 2 と4.
8kg/cm2 で、低比重層の部分で破壊した。X線強
度比から求めた低比重層に対する高比重層のトバモライ
ト結晶の比率は1.02及び0.93であった。酸溶解
法から求めた高比重層の結晶化度は66%及び60%で
あり、低比重層の結晶化度は65%であった。
【0033】また、重質層の細孔率は0.88及び0.
84であり、発泡層の細孔率は0.85であった。
【0034】
【比較例1】予備養生モルタルを加えず、型枠3に振動
を与えなかった以外は全て実施例1と同様の方法で軽量
気泡コンクリートを作製した。得られた軽量気泡コンク
リートを実施例1と同様に切断して切断面を観察したと
ころ高比重層と低比重層の境界面には凹凸がなく、高比
重層の厚みが均一になっていた。
【0035】ところが、高比重層と低比重層の界面近傍
において、低比重層の気泡の大きさは1.0mmから
4.3mmであったが、高比重層と低比重層の界面部分
の一部に断層があり、好ましいものではなかった。引張
強度は0.7kg/cm2 となり、低比重層と高比重層
の境界部分で破壊した。
【0036】X線強度比から求めた低比重層に対する高
比重層のトバモライト結晶の比率は0.74であった。
酸溶解法から求めた高比重層の結晶化度は48%であ
り、低比重層の結晶化度は65%であった。また、重質
層の細孔率は0. 58であり、発泡層の細孔率は0.8
5であった。
【0037】
【発明の効果】結晶性が良好なトバモライトを含有する
所定厚の高比重層と結晶性が良好なトバモライトを含有
する所定厚の低比重層から構成された軽量気泡コンクリ
ート板とすることにより、パネル表面の機械的強度や平
滑性に優れ、なおかつ軽量にして断熱性に優れるパネル
が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の複層軽量気泡コンクリート板の製造
例を示した工程断面図である。
【図2】 本発明の複層軽量気泡コンクリート板の一例
を示した斜視図である。
【図3】 図2の複層軽量気泡コンクリート板のX−X
で切断したときの断面図である。
【符号の説明】
1 低比重層用モルタルスラリー 2 高比重層用モルタルスラリー 3 型枠 4 振動装置 5 ミキサー 6 注入治具 7 低比重層用モルタル 8 高比重層用モルタル

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高比重層Aと低比重層Bとが一体的に形
    成された複層の軽量気泡コンクリート板において、それ
    らのトバモライトの結晶化度が共に50〜85%であ
    り、かつ、前記高比重層A及び前記低比重層Bの前記ト
    バモライトの結晶化度の比率A/Bが、0.8〜1.2
    であることを特徴とする軽量気泡コンクリート板。
  2. 【請求項2】 高比重層Aと低比重層Bの細孔率が共に
    0.6から0.98であることを特徴とする請求項1の
    軽量気泡コンクリート板。
  3. 【請求項3】 低比重層Bの両方の面に高比重層Aが設
    けられていることを特徴とする請求項1又は請求項2軽
    量気泡コンクリート板。
  4. 【請求項4】 石灰質原料、珪酸質原料、及び水を主成
    分とする2種のスラリーを型枠に順次注入し、高比重層
    と低比重層が一体的に形成された複層の軽量気泡コンク
    リート板を製造する方法において、少なくとも前記高比
    重層のスラリーとして予備養生モルタルを添加したもの
    を用い、注入されたスラリーの硬化前にこのスラリーに
    振動を与えることを特徴とする軽量気泡コンクリート板
    の製造方法。
  5. 【請求項5】 石灰質原料、珪酸質原料、及び水を主成
    分とする2種又は3種のスラリーを型枠に順次注入し、
    低比重層の両方の面に高比重層が一体的に形成された3
    層の軽量気泡コンクリート板を製造する方法において、
    少なくとも前記高比重層のスラリーとして予備養生モル
    タルを添加したものを用い、注入されたスラリーの硬化
    前にこのスラリーに振動を与えることを特徴とする軽量
    気泡コンクリート板の製造方法。
  6. 【請求項6】 補強筋を内部に含むことを特徴とする請
    求項1から3の軽量気泡コンクリート板。
  7. 【請求項7】 型枠内に補強筋を配設し、石灰質原料、
    珪酸質原料、及び水を主成分とする2種のスラリーを型
    枠に順次注入し、高比重層と低比重層が一体的に形成さ
    れた複層の軽量気泡コンクリート板を製造する方法にお
    いて、少なくとも前記高比重層のスラリーとして予備養
    生モルタルを添加したものを用い、注入されたスラリー
    の硬化前にこのスラリーに振動を与えることを特徴とす
    る軽量気泡コンクリート板の製造方法。
  8. 【請求項8】 型枠内に補強筋を配設し、石灰質原料、
    珪酸質原料、及び水を主成分とする2種又は3種のスラ
    リーを型枠に順次注入し、低比重層の両面に高比重層が
    一体的に形成された3層の軽量気泡コンクリート板を製
    造する方法において、前記高比重層のスラリーとして予
    備養生モルタルを添加したものを用い、注入されたスラ
    ルーの硬化前にこのスラリーに振動を与えることを特徴
    とする軽量気泡コンクリート板の製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002114562A (ja) * 2000-10-05 2002-04-16 Clion Co Ltd 水熱硬化体およびその製造方法
JP2007008109A (ja) * 2005-07-04 2007-01-18 Sumitomo Kinzoku Kozan Siporex Kk 耐錆性能に優れた軽量気泡コンクリートパネル
JP2016188535A (ja) * 2015-03-30 2016-11-04 住友大阪セメント株式会社 ポーラスコンクリートの製造方法

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