JP2001062551A - 連続鋳造方法 - Google Patents

連続鋳造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】鋳片に表面割れを発生させずに中心偏析を軽減
できるバルジング後圧下する連続鋳造方法を提供する。 【解決手段】未凝固部分を含む鋳片を液相線クレータエ
ンド8a相当位置から固相線クレータエンド8相当位置ま
での間の所定範囲に配列されたガイドロール群の鋳片厚
さ方向の間隙を広げ、鋳片にバルジングを起こさせ、次
いで少なくとも一対の圧下ロール4aによりバルジング相
当量の圧下量で圧下を加える連続鋳造方法であって、鋳
型1直下から鋳片矯正点3iまでの二次冷却帯における鋳
片の表面温度を1000℃以上とし、さらに矯正点3iから圧
下を開始する位置までの二次冷却帯における鋳片の表面
温度を1000℃以下として鋳造する方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鋼鋳片の内部割
れ、表面割れおよび中心偏析の発生を軽減させることが
できるバルジング後圧下する連続鋳造方法に関する。特
に、本発明は、中心偏析が大きな問題になる厚鋼板用素
材である亜包晶鋼鋳片の連続鋳造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】連続鋳造法で鋼鋳片を製造する場合に
は、しばしば中心偏析と呼ばれる内部欠陥の発生が問題
となる。この中心偏析の発生は、鋳片の厚み方向中心部
の最終凝固部に溶鋼中のC、Mn、S、Pなどの成分元素
が濃化して正偏析する現象である。この現象は、厚板鋼
材において特に深刻な問題であり、偏析部分における靱
性の低下や水素誘起割れの原因となることが知られてい
る。
【0003】このような中心偏析の発生原因は、凝固末
期における樹枝状晶(デンドライト)間に成分元素が濃
化した溶鋼が残り、鋳片厚み方向中心部でそのまま凝固
すること、および凝固時の収縮またはバルジングと呼ば
れる鋳片の膨れによる溶鋼流動により、最終凝固部の凝
固完了点に向かって溶鋼がマクロ的に移動することにあ
る。したがって、中心偏析防止対策としては、樹枝状晶
間の濃化溶鋼の移動を少なくすること、および濃化溶鋼
の局部的な集積を防止することが有効である。
【0004】上述したように、鋳造中の鋳片にバルジン
グが発生すると、中心偏析が発生するといわれていた
が、鋳片を積極的にバルジングせた後圧下することによ
って中心偏析の発生を防止する方法(以下、この方法を
「バルジング後圧下する連続鋳造法」という)、たとえ
ば次に挙げる方法が提案されている(図1参照)。
【0005】鋳型1と鋳片2の液相線クレータエンド8a
との間で凝固シェル2aにバルジング力を作用させ、次い
で、液相線クレータエンド8aと固相線クレータエンド8
との間で鋳片に圧下を加える連続鋳造方法(特開昭60-6
254号公報参照)。
【0006】扁平比1.6以下の鋳片2の連続鋳造におい
て、鋳型1の下に配置されたガイドロールの複数組(3a〜
3n)の一対のロールの鋳片厚さ方向の間隙(以下、これ
を単に「ロール間隙」と記載する)を鋳型下端内側厚み
よりも広くし、鋳片厚み方向にバルジングさせ、その後
方において他のロールによって鋳片を0.04〜10%圧下す
る鋳片の製造方法(特開昭60-21150号公報参照)。
【0007】鋳型1の直下から引き抜き方向に配列さ
れたガイドロール(3a〜3n)を鋳片2の厚さ方向にロール
間隙を段階的に増加させ、鋳片にバルジングを生じさ
せ、鋳片の厚さを鋳型短辺の2〜3倍とした後、クレー
タエンド8付近で小径ロールによって軽圧下する鋳片の
連続鋳造方法(特開平1-178355号公報参照)。
【0008】鋳片2の中心部の固相率が0.1以下の位置
でバルジングを生ぜしめ、鋳片の最大厚さを鋳型1の短
辺長さよりも20〜100mm厚くし、凝固完了点8の直前で圧
下ロール4aの一対あたり20mm以上の圧下を与え、バルジ
ング量相当分を圧下する連続鋳造方法(特開平9-57410
号公報参照)。
【0009】鋳片2の未凝固厚みが30mm以上の位置ま
での間に鋳片にバルジングを生ぜしめ、鋳片の最大厚さ
を鋳型1の短辺長さの10〜50%分厚くし、凝固完了直前
までに少なくとも一対の圧下ロールを用いて鋳片長さあ
たり80mm/m以上の圧下勾配で圧下を与え、バルジング
量相当分を圧下する連続鋳造方法(特開平9-206903号公
報参照)。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上記のからまでに
提案されたバルジング後圧下する連続鋳造法は、湾曲型
の連続鋳造装置に適用されると、鋼種によっては鋳片の
表面に割れが発生して手入れ工数が増加するという問題
がある。湾曲型の連続鋳造装置とは、鋳片の引き抜き方
向がほぼ垂直な鋳型の長手方向から直角に曲げられて引
き抜かれる装置である。これには、垂直ベンディング
型、垂直プログレッシブベンディング型、円弧湾曲型お
よび多段円弧湾曲型がある(第3版、鉄鋼便覧II、製銑
・製鋼、p.624参照)。
【0011】本発明の目的は、バルジング後圧下する連
続鋳造法において、どのような鋼種を湾曲型連続鋳造装
置で鋳造しても、鋳片の表面割れの発生なしに中心偏析
を軽減できる方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】バルジング後圧下する連
続鋳造法によって発生する鋳片の表面割れは、特定の炭
素鋼が特定の表面温度になったときに発生する。これを
防止するには、鋳型から曲げ矯正点までの鋳片の表面温
度を高くするのがよいが、鋳片の表面温度を高くすると
中心偏析が増加する。したがって、矯正点近傍では鋳片
の表面温度を高くし、圧下位置では鋳片の表面温度を低
くするとよいことを見いだし、本発明を完成した。
【0013】本発明の要旨は、下記に示すバルジング後
圧下する連続鋳造方法にある。
【0014】鋳片の液相線クレータエンド8a相当位置か
ら固相線クレータエンド8相当位置までの間の所定範囲
に配列されたガイドロール群のロール間隙を広げて鋳片
にバルジングを起こさせ、次いで少なくとも一対の圧下
ロール4aによりバルジング相当量の圧下量で圧下を加え
る連続鋳造方法であって、鋳型1直下から鋳片矯正点3i
までの二次冷却帯Aにおける鋳片の表面温度を1000℃以
上とし、さらに矯正点3iから圧下を開始する位置までの
二次冷却帯Bにおける鋳片の表面温度を1000℃以下とし
て鋳造する方法。
【0015】上記のように鋳片の表面温度を調整する方
法の一つとして、次の方法がある。鋳型1直下から鋳片
矯正点3iまでの二次冷却帯Aにおける冷却の強度、すな
わち比水量を1.0(リットル/1kg鋼)以下とし、さらに矯正
点3iから圧下を開始する位置までの二次冷却帯Bの間で
比水量を0.2〜1.5(リットル/1kg鋼)として鋳片を冷却す
る方法。
【0016】
【発明の実施の形態】発明者らは、バルジング後圧下す
る連続鋳造法で鋳造された鋳片を調査した結果、表面に
割れが認められるのは、湾曲型連続鋳造装置を使用した
場合であること、下記(a)式で計算される炭素当量(C
p)が0.1重量%から0.2重量%までの亜包晶鋼である、
ことを見いだした。以下の説明で、鋼の成分含有量の表
記を%としたのは、重量%を意味する。
【0017】 Cp=[%C]+0.02[%Mn]+0.04[%Ni]−0.01[%Si]+0.02[%Cr]+0.07[%S]・・・(a) そして鋳片の表面割れを防止するには、湾曲部矯正点で
の鋳片の表面温度を1000℃以上に高めることが有効であ
るが、圧下ゾーンで鋳片の表面温度が高ければ、中心偏
析が顕著になることを見いだした。
【0018】そこで本発明の方法では、垂直湾曲型連続
鋳造装置を使用して亜包晶鋼をバルジング後圧下する鋳
造を行う場合、鋳型から曲げ矯正点までの鋳片表面温度
を高め、圧下領域での鋳片表面温度を低くすることとし
た。これらの温度調節を冷却水の水量を調節することで
行う。
【0019】図1は、バルジング後圧下する連続鋳造法
を実施する垂直湾曲型連続鋳造装置の一例を模式的に示
す図である。
【0020】本発明の連続鋳造方法は、図1に示すよう
な連続鋳造設備を用いてバルジング後圧下する方法であ
る。なお、本発明方法は、湾曲型連続鋳造装置でも垂直
曲げ型連続鋳造装置でも実施できる。ただし、バルジン
グとその後の圧下の原理はどの型の連続鋳造装置におい
ても基本的には同じであるから、ここでは図1に示した
装置を例にして説明する。
【0021】連続鋳造装置は、鋳型1の直下から鋳片2の
引き抜き方向に配列されたガイドロール群(3a〜3n)およ
び圧下ロール装置(4a〜4n)を備えている。そのガイドロ
ール群の中で、たとえば符号3dから3nまでのガイドロー
ルは、そのロール間隙を鋳片の厚さ方向に20〜100mm広
げることができる。圧下ロール装置(4a〜4n)は、少なく
とも一対の圧下ロールからなり、バルジング量に相当す
る圧下量の圧下を加えることができる。
【0022】本発明では、図1に示すようにガイドロー
ル3dから3nまでをバルジングゾーン、圧下ロール4aから
4nまでを圧下ゾーン、ガイドロール3cの位置を曲げ点お
よびガイドロール3iの位置を矯正点という。また、鋳型
直下から矯正点までの範囲を二次冷却帯A、矯正点から
圧下開始点までの範囲を二次冷却帯Bという。
【0023】溶鋼5は、浸漬ノズル6を経て鋳型1に注入
され、水冷されている鋳型1およびその下方に配置され
たガイドロール群(3a〜3n)のロールの間に設けられたス
プレーノズル群(図示せず)から噴射される冷却水によ
り二次冷却帯Aおよび二次冷却帯Bで冷却されて、凝固シ
ェル2aが形成され、鋳片2となりピンチロール群7で引き
抜かれる。
【0024】本発明の方法では、図1に示すように、液
相線クレータエンド8aから固相線クレータエンド8まで
の間の所定範囲をバルジングさせるため、その区間の鋳
片厚さ方向のロール間隙を拡大する。この拡大は、段階
的に(即ち、上部から下方へ漸次ロール間隙が大きくな
るように)行うのが望ましい。このゾーンで鋳片2は、
内部に未凝固部2bを保持した状態で引き抜かれつつ、そ
の長辺側の中央部が膨らむ、いわゆるバルジングを起こ
す。その後鋳片は、固相線クレータエンド8近傍で圧下
ロール(4a〜4n)によってバルジング相当量の圧下を加
えられ、ピンチロールによって引き抜かれる。この際、
鋳型直下から矯正点までの鋳片を緩冷却して表面に発生
する割れを防止し、さらに矯正点から圧下終了点までを
強冷却することとともに圧下を加えることによって中心
偏析の発生を防止する。
【0025】次に、比水量を規定した理由について説明
する。
【0026】(1)二次冷却帯Aの鋳片の表面温度を1000℃
以上とすることについて:炭素当量(Cp)が0.1%から
0.2%までの亜包晶鋼は、温度に対する割れ感受性の高
い鋼であり、850℃〜1000℃の温度域で脆化し、鋳片の
表面に割れが頻発する。このため、湾曲型連続鋳造装置
の場合には、矯正点までの鋳片の温度を少なくとも1000
℃以上に保つように、冷却水の量を調節する。比水量
は、小さいほど鋳片の温度は高くなるが、ガイドロール
の損傷が激しくなるので、通常の操業条件下では少なく
とも0.2(リットル/1kg鋼)以上とするのが望ましい。しか
し、比水量が1.0(リットル/1kg鋼)を超えると矯正点での
鋳片表面温度が1000℃よりも低くなって亜包晶鋼の場
合、鋳片表面に割れが発生する。したがって、比水量
は、1.0(リットル/1kg鋼)以下とするのがよい。
【0027】(2)二次冷却帯Bの鋳片の表面温度を1000℃
以下とすることについて:湾曲型連続鋳造装置で鋳造さ
れた鋳片は、前記のように鋳型から矯正点までの表面温
度を高くすることによって表面割れの発生を防止できる
が、中心偏析が増加する。これは、圧下ゾーンにおける
鋳片の表面温度が高いため、バルジング後圧下しても圧
下浸透率が小さく、中心偏析を軽減させる効果が得られ
ないからである。
【0028】図1に示す湾曲型連続鋳造機を用い、二次
冷却帯A、Bの比水量を0.05〜2.25(リットル/鋼1kg)とし
て鋳片短辺長さ240mm、長辺長さ2000mmの鋳片を鋳造
し、圧下浸透率、Pの最大偏析度および圧下部の表面温
度との関係について調査した。二次冷却帯A、Bの比水量
は、鋳造速度を一定として、冷却水量を変化させること
によって変化させた。
【0029】圧下浸透率とは、鋳片内部の未凝固部分の
圧下量を鋳片表面の圧下量で除した値である。これは、
トレーサーなどを投入して未凝固部分の厚さを測定する
ことによって求めることができる。
【0030】Pの最大偏析度は、次のようにして求め
た。
【0031】鋳片の鋳造方向に垂直な断面から鋳造方
向を厚さとする厚さ約10mmの板状材を切り出し、さらに
その板状材の中央部から約100mm角の試験片を採取す
る。
【0032】試験片表面の鋳片厚さ方向100mmを200μ
mピッチに分割し、その交点のりん(P)濃度をEPMA法
で測定し、最大P濃度(Pmax)を求める。
【0033】最大P濃度(Pmax)と母溶鋼のP濃度
(Pave)との比(Pmax/Pave)を求め、最大偏析度
とする。
【0034】図2は、圧下浸透率と鋳片のPの最大偏析
度との関係を示す図である。この図から明らかなよう
に、圧下浸透率が大きいほどPの最大偏析度は小さくな
る。このPの最大偏析度が2.5以下であれば、実用上問
題がない鋳片であると言える。したがって、圧下浸透率
を40%以上にすればよい。
【0035】図3は、表面温度と圧下浸透率との関係を
示す図である。この図は、鋳片の圧下部の表面温度と鋳
片圧下時の圧下浸透率との関係をプロットした図であ
る。この図から、圧下浸透率を40%以上にするには、鋳
片の圧下部の表面温度を1000℃以下にする必要があるこ
とがわかる。
【0036】図2および図3から、鋳片圧下直部の表面
温度を下げ、圧下浸透率を大きくすることで偏析の少な
い良好な鋳片を得ることができる。
【0037】鋳片の表面温度を下げるためには、二次冷
却帯Bの比水量を大きくする必要がある。そのために
は、水量を増やす、冷却帯を長くする、鋳造速度
を下げる、などの方法がある。
【0038】の水量を増やすことは、設備コストの増
大を招くのみならず、鋳片を過度に冷却すると熱割れな
どの表面欠陥を引き起こす原因となるため、適正な水量
範囲に調整する必要がある。
【0039】の冷却帯を長くすることは、設備上困難
であり、最適な長さを見いだす必要がある。
【0040】の鋳造速度を下げることは、生産性の悪
化を招くため、極力鋳造速度は高くしたい。しかし、鋳
造速度を高くすると、冷却水を注水しない範囲で生じる
鋳片表面への復熱のため、圧下部の表面温度が高くな
る。また、鋳造設備の長さによって鋳造速度の限界は決
まるため、通常の操業を行う鋳造速度に応じた二次冷却
帯Bの冷却する範囲の長さと比水量を決定すれば適正な
圧下部表面温度を得ることができる。
【0041】図4は、二次冷却帯Bの比水量と圧下部の
表面温度との関係を示す図である。この図は、二次冷却
帯Bで冷却する鋳片の冷却範囲の長さを5mとし、比水量
を0.05〜2.25(リットル/1kg鋼)の範囲で変化させ、圧下
部の表面温度を測定し、プロットした図である。ここで
は、鋳造速度を1.0m/minに一定とし、二次冷却帯Bに
入る前の鋳片温度を1100℃になるように、二次冷却帯A
の比水量を調整した。
【0042】図4から明らかなように、二次冷却帯Bの
比水量を0.2(リットル/1kg鋼)以上とすることによって、
圧下部の鋳片の表面温度を1000℃以下にすることができ
る。しかし、比水量が1.5(リットル/1kg鋼)を超えると、
鋳片表面に熱割れが発生する。したがって、二次冷却帯
Bの比水量を0.2〜1.5(リットル/1kg鋼)とした。
【0043】
【実施例】図1に示す垂直湾曲型連続鋳造設備を用い、
表1に示す7種類の鋳造条件で、厚板用40キロ級の鋼
(C:0.16〜0.18重量%)を製造した。バルジング量を
20mmとし、直径350mmの一対の圧下ロールでバルジング
相当量の圧下を施した。
【0044】溶鋼の注入温度は1545℃とし、過熱度を20
℃とした。使用した鋳型の内法断面寸法は、短辺長さが
250mm、長辺長さが2000mmである。鋳造速度は1.0m/min
に一定とした。二次冷却帯AおよびBの比水量をそれぞれ
表1に示すように変化させた。二次冷却帯Bの冷却範囲
を5mとした。表中、*印を付したのは、鋳造条件が本
発明で定める範囲から外れていることを意味する。
【0045】
【表1】
【0046】評価は、上記の条件で鋳造した鋳片の表面
性状および中心偏析を調査した。
【0047】表面性状は、鋳片の幅方向の表面を厚さ方
向に3mmスカーフィングし、その表面を目視観察し、表
面疵長さの総和(疵長さと個数の積、mm)を鋳片の表面
積で除したものを表面疵指数(mm/mm2)とした。この表
面疵指数が0(零)の場合を本発明で定める範囲とし
た。
【0048】中心偏析は、りん(P)の最大偏析度を前
述の方法で求めた。それらの結果を表1に併記した。
【0049】表1から明らかなように、本発明例の試験
番号〜は、鋳片の表面疵指数がいずれも0、Pの最
大偏析度が1.0〜2.3の範囲であり、良好である。
【0050】これに対し、比較例の試験番号および
は、二次冷却帯Aの比水量が1.8、1.2(リットル/1kg鋼)と
大きいため、鋳片の表面疵指数が8、13(mm/mm2)と大
きい。また、比較例の試験番号は、二次冷却帯Bの比
水量が0.1(リットル/1kg鋼)と小さいため、Pの最大偏析
度が7.4と高い。
【0051】以上の試験から明らかなように、比較例の
ように二次冷却帯Aまたは二次冷却帯Bの冷却条件が本発
明で定める範囲からはずれると、鋳片に表面割れまたは
中心偏析が発生し、良好な鋳片は得られない。
【0052】
【発明の効果】本発明の方法では、鋳片にバルジングを
起こさせた後、バルジング相当量の圧下量で圧下を加え
る際に、鋳型直下から鋳片矯正点までの二次冷却帯にお
いて比水量および矯正点から圧下を開始する位置までの
間で冷却範囲の長さと比水量を調節することにより、鋳
片の中心偏析を防止することができる。本発明方法を用
いれば、亜包晶鋼を湾曲型連続鋳造装置でバルジング後
圧下する鋳造を行っても、表面割れおよび中心偏析のな
い鋳片を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】バルジング後圧下する連続鋳造法を実施する垂
直湾曲型連続鋳造装置の一例を模式的に示す図である。
【図2】圧下浸透率と鋳片のP最大偏析度との関係を示
す図である。
【図3】表面温度と圧下浸透率との関係を示す図であ
る。
【図4】二次冷却帯2の比水量と鋳片表面温度との関係
を示す図である。
【符号の説明】
1.鋳型 2.鋳片 3.ガイドロール 4.圧下ロール装置 5.溶鋼 6.浸漬ノズル 7.ピンチロール 8.固相線クレータエンド 8a.液相線クレータエンド
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 木村 貴司 茨城県鹿嶋市大字光3番地住友金属工業株 式会社鹿島製鉄所内 Fターム(参考) 4E004 KA12 KA14 MC07 MC20

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】鋳片の液相線クレータエンド相当位置から
    固相線クレータエンド相当位置までの間の所定範囲に配
    列されたガイドロール群の鋳片厚さ方向の間隙を広げて
    鋳片にバルジングを起こさせ、次いで少なくとも一対の
    圧下ロールによりバルジング相当量の圧下量で圧下を加
    える連続鋳造方法であって、鋳型直下から鋳片矯正点ま
    での二次冷却帯における鋳片の表面温度を1000℃以上と
    し、さらに鋳片の矯正点から圧下を開始する位置までの
    二次冷却帯における鋳片の表面温度を1000℃以下とする
    ことを特徴とする連続鋳造方法。
  2. 【請求項2】鋳片の液相線クレータエンド相当位置から
    固相線クレータエンド相当位置までの間の所定範囲に配
    列されたガイドロール群の鋳片厚さ方向の間隙を広げて
    鋳片にバルジングを起こさせ、次いで少なくとも一対の
    圧下ロールによりバルジング相当量の圧下量で圧下を加
    える連続鋳造方法であって、鋳型直下から鋳片矯正点ま
    での二次冷却帯における比水量を1.0(リットル/1kg鋼)以
    下として鋳片を冷却し、さらに鋳片の矯正点から圧下を
    開始する位置までの二次冷却帯の比水量を0.2〜1.5(リッ
    トル/1kg鋼)として冷却することを特徴とする連続鋳造
    方法。
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