JP2001062351A - 液体噴射ノズル - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 噴射ノズルの方向変更を手やモータ等で頻度
高く行なわなくても広範囲の均一散布が可能な液体噴射
ノズルを提供すること 【解決手段】 液体輸送手段１２の吐出口側に接続し、
先端側が扁平筒体とされた液体噴射ノズル１４。扁平筒
体内１４に一群の平行管路１６と他の一群の平行管路１
８とを同一平面上で交差させ合流と分流が連続している
ものとしたネットワーク管路部２０を形成する。ネット
ワーク管路部２０の液流入側に整流部２２を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、液体噴射ノズルに
関する。特に大面積に対して液体を均一散布するのに好
適な液体噴射ノズルに関し、散水機、塗料の塗布装置、
農薬散布機、洗浄機等に適用できる液体噴射ノズルに関
する。

【０００２】

【背景技術】従来における液体噴射ノズルは、その噴射
方向が一方向または複数方向に固定している。

【０００３】このため、例えば、散水装置を用いて水を
広範囲に均一散布しようとするような場合、噴射方向が
一方向の場合は、頻度高く噴射ノズルの方向変更を行な
う必要があり、また、噴射方向が末広がりになっている
ような場合は、散布範囲は広がるが、中心部に対しては
粗となり均一散布するためには、やはり頻度高く噴射ノ
ズルの方向変更を行なう必要がある。

【０００４】また、屋外設置のカメラレンズや鏡さらに
はガラス窓等を洗浄する際、洗浄水を噴射しながらワイ
パで汚れを同時にふき取ることが望ましい。この際、従
来においては、ワイパは別動力で動かしていた。

【０００５】本発明の一つは、上記にかんがみて、液体
噴射ノズルの方向変更を手やモータ等で頻度高く行なわ
なくても広範囲の均一散布が可能な液体噴射ノズルを提
供することを目的とする。

【０００６】本発明の他の一つは、屋外設置のガラス製
品等をワイパを用いて洗浄するに際して、ワイパを別動
力で動かす必要がないワイパ付き液体噴射洗浄ノズルを
提供することを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために、特許第２８４１１７３号で提案され
て下記構成の流体噴出方向の振動発生管路体（流体を振
り子噴出する管路体）に着目した。

【０００８】「一群の平行管路と他の一群の平行管路を
同一平面上で交叉させて合流と分流が連続しているもの
としたネットワーク管路を主体となしたことを特徴とす
る流体噴出方向の振動発生管路体。」 そして、鋭意努力をした結果、下記構成の液体噴射ノズ
ル(1) 及びワイパ付き液体噴射洗浄ノズル(2) に想到し
た。

【０００９】(1) 液体輸送手段の吐出口側に接続され、
少なくとも先端側が扁平筒体とされた液体噴射ノズルで
あって、前記扁平筒体内に一群の平行管路と他の一群の
平行管路とを同一平面上で交差させ合流と分流が連続し
ているものとしたネットワーク管路部を形成し、前記ネ
ットワーク管路部の液流入側に整流部を形成したことを
特徴とする。

【００１０】そして、ネットワーク管路部は、６本以上
の管路からなる一群の平行管路と、同じく６本以上の管
路からなる他の一群の平行管路を凡そ２０〜６０°程度
の挟角で交叉させ、且つ、管路群の全体配置を略対称状
とした構成とすることが、液体の噴射方向の周期的変更
（液体の振り子噴出）が確実にできて望ましい。

【００１１】また、整流部としては、扁平筒体の元部側
延設部に柱部を千鳥状に流れ方向に複数段配して形成し
たものとすることが望ましい。

【００１２】(2) ワイパ付き液体噴射ノズルは、上記各
構成の液体噴射ノズルの先端に、該噴射ノズルからの液
体の振り子噴出により駆動されるワイパが付設されてい
ることを特徴とする。

【００１３】

【発明の実施の形態】次に、本発明の各実施形態を図例
に基づいて詳細に説明する。

【００１４】図１〜２に本発明の液体噴射ノズル１４の
一形態を示す。

【００１５】液体輸送手段（ポンプ）１２の吐出口側に
接続され、少なくとも先端側が扁平筒体とされた液体噴
射ノズル１４である。

【００１６】扁平筒体の先端側が、一群の平行管路と他
の一群の平行管路とを同一平面上で交差させ合流と分流
が連続しているものとしたネットワーク管路部２０とさ
れ、該扁平筒体の元部側が整流部２２とされている。

【００１７】より、具体的にはネットワーク管路部２０
は、図３に示す如く、４本（図例では６本）以上の管路
からなる一群の平行管路（一点鎖線）１６と、同じく４
本以上の管路からなる他の一群の平行管路（二点鎖線）
１８を凡そ１５〜９０°（望２０°〜６０°、さらに望
ましくは２５〜４０°）程度の挟角αで交叉させ、且
つ、管路群の全体配置を略対称状とした構成とすること
が、液体の噴出方向を周期的に交互に方向変換できる、
いわゆる、振れ子噴出（フリップフロップ噴出）を発生
させることができる。挟角αが小さすぎても大き過ぎて
もコアンダ効果（壁への流脈付着現象）が得難くて液体
噴射に際して振れ子噴出（フリップフロップ噴出）を発
生させ難くなる。さらに、挟角αが小さすぎると、方向
変更の振れ角度が小さくなり、結果的に広範囲散布に適
しなくなる。

【００１８】整流部２２における、扁平筒体の内側の縦
横比（ａ／ｂ）は、１／４０〜１／２、望ましくは、１
／１２〜１／６とする。当該縦横比（ａ／ｂ）が小さす
ぎると液体圧縮率が高くなり液体の流動抵抗が増大す
る。逆に、当該縦横比が大きすぎるとコアンダ効果が得
難くなり、振り子噴出が発生し難くなる。

【００１９】また、平行管路１６、１８を構成する菱形
柱部２４の幅ｗと、該菱形柱部２４間透き間ｓの比（ｗ
／ｓ）は、通常、１／２〜２／１、望ましくは略同一と
する。菱形柱部２４の幅ｗが小さすぎると、相対的に透
き間ｓが大きくなりコアンダ効果（壁への流脈付着現
象）が得難くて液体噴射に際して振れ子噴出（フリップ
フロップ噴出）を発生させ難くなる。また、逆に菱形柱
部２４の幅ｗが大きすぎると、相対的に透き間ｓが小さ
くなり、ノズル実体開口量が小さくなり、大きな流量を
確保し難くなる。

【００２０】さらに、具体的数値を挙げると、例えば、
ネットワーク管路部：扁平筒体開口断面（ａ＝５mm、ｂ
＝４０mm、ａ／ｂ＝１／８）、長さ＝８０mm、挟角＝３
０°とし、ｗ＝５mm、ｓ＝５mm、ｗ／ｓ＝１／１とす
る。

【００２１】なお、上記菱形柱部２４の形状は、図４に
示す如く、角度に変化を付けたり、図５に示す如く大き
さに変化を付けることもできる。図４に示す角度変化
は、３段目（前：３０°、後：３０°）、４段目（前：
３０°、後：３５°）、５段目（前：３５°、後：４０
°）である。

【００２２】このようにした場合には、噴出する液体の
振り幅を大きくすることができる。

【００２３】整流部２２は、ネットワーク管路部２０と
液体流入口２６との間に液体を整流可能な十分な長さを
有すれば、扁平筒体の内部を完全な空洞としてもよい
が、噴射ノズルを可及的に短くする見地から、図例のよ
うな柱部２３を両対向面感に千鳥に流れ方向に複数段配
することが望ましい。このとき、図例では、柱列と柱列
の交叉角度β＝６０°であり、長さも、ネットワーク管
路部２０と略同様の長さ（８０mm）とする。また、図例
では柱部２３は円形であるが、角柱、十字形等であって
もよい。即ち、ネットワーク管路部２０と同様な交差角
度としてもよいが、液体の振り子噴出が発生しない構成
とすることが必要である。

【００２４】なお、ネットワーク管路部（扁平筒体）２
０及び整流部は２２、掃除が容易なように、図６に示す
如く、上蓋２８を取り外し可能としておくことが望まし
い。取り外しの態様としては、ボルト脱着（図６(a)
）、スライド蓋（図６(b) ）、ヒンジ蓋（図６(c) ）
等を挙げることができる。

【００２５】整流部２２Ａ、２２Ｂは、図７〜８に示す
如く、貯水式としてもよいが、高さ方向に嵩張り易く、
余り好ましくない。即ち、整流部の形状は、特に限定さ
れず、整流作用を奏するならば、図７に示す如く、塔形
状な、図８に示す如く、タンク形状など任意である。例
えば、前述の仕様のネットワーク管路部の場合、開口形
状をネットワーク管路の同一幅で対向面間距離を１．５
倍としたとき、高さは、約１ｍ以上とする。

【００２６】なお、噴射ノズルの材質は、プラスチッ
ク、金属を問わないが、カビ、コケ、汚れがつきにくい
ものが望ましい。プラスチックであれば、ＰＰ、ＰＥ等
のポリオレフィン系のものが汚れ付着しがたく付着して
も剥れ易く、しかも安価で望ましい。また、金属を使用
する場合は、防錆コーティングやフッ素樹脂コーティン
グをする。

【００２７】次に、上記実施形態の使用態様を説明す
る。

【００２８】噴射ノズルの液体輸送手段に接続する。液
体輸送手段としては、液体が水の場合は、水道供給口と
接続するが、他の塗料塗布や農薬散布の場合は、通常、
液体タンク（図示せず）からポンプ１２を介して、噴射
ノズル１４に接続する。そして、噴射ノズル１４の液流
入口２６に圧送された液体は、整流部２２で整流され
て、ネットワーク管路部２０に至る。

【００２９】流入液体はコアンダ効果により周期的に交
互に噴出方向が幅方向が変化する扁平筒状ノズル１４の
幅方向に噴出方向が周期的（６０〜１８０cpm ）に変化
する。このときのノズル噴出部の流速は、前記仕様の噴
射ノズル１４の場合で液体が水のとき、通常、５０〜２
００ｍ／min とする。

【００３０】したがって、噴射ノズルの幅に比して、大
きい面積への均一散布が可能となる。即ち、同一面積に
対して液体を散布するに際して、手で噴射ノズルを変更
する頻度が小さくで済み、散水・農薬散布・塗料噴射ノ
ズルさらには洗浄ノズル等への適用が可能である。

【００３１】図９(a) に示す如く、噴射ノズル１４を縦
方向にして使用した場合、上下方向に分散するため、樹
木等、高さのあるものに対する農薬・水の散布に適す
る。

【００３２】また、図９(b) に示す如く、噴射ノズル１
４を横方向にして使用した場合、左右方向に分散するた
め、田畑等、平坦で広いところへの農薬・水の散布に適
する。

【００３３】図１０に本発明の噴射ノズルをワイパ付き
液体噴射洗浄ノズル３０に適用した一実施形態を示す。
当該実施形態は、噴射ノズル１４の先端にワイパ３２を
回動自在に取り付け、噴射ノズル１４からの洗浄液体の
振り子噴出により駆動させる構成であり、洗浄ととも
に、屋外設置のカメラレンズ、鏡、ガラス窓等のガラス
製品（被洗浄物）３４の洗浄を可能としたものである。
このワイパ付き液体噴射洗浄ノズル１４は、屋外設置の
ガラス製品等をワイパを用いて洗浄するに際して、ワイ
パを別動力で動かす必要がない。

【００３４】ワイパ３２の材質は、本体部はプラスチッ
ク、金属等を使用できるが、噴射ノズルの材質と同様、
カビ、コケ、汚れが付着しにくく、安価なものが望まし
い。また、金属を使用する場合は防錆コーティングヤフ
ッ素樹脂コーティングをすることが望ましい。ワイパ３
２の拭き部は自動車用ワイパと同様、ゴムプレート、ゴ
ムブレードを用いる。このとき、拭き部が被洗浄面に弾
接するように、ワイパ３２の先端側にゴムやコイルばね
を装着することが望ましい。拭き部の幅・長さ等は、被
洗浄物３４の形状・大きさに合わせて設定する。ワイパ
３２の回動角度は、噴出液の振り幅の大きさによるが、
通常、９０^O 前後とする。なお、上記構成のワイパは、
当然のことながら、自動車用ワイパと同様、被洗浄物３
４にある程度の圧力が加わり、かつ液体の振り子噴出で
スムーズに洗浄が行えるように調整する必要がある。

【００３５】

【発明の作用・効果】本発明の液体噴射ノズルは、液体
輸送手段の吐出口側に接続され、少なくとも先端側が扁
平筒体とされた構成において、扁平筒体内に一群の平行
管路と他の一群の平行管路とを同一平面上で交差させ合
流と分流が連続しているものとしたネットワーク管路部
を備え、該ネットワーク管路の液流入側に整流部を備え
たことを特徴とする構成により下記のような作用・効果
を奏するものである。

【００３６】該液体噴射ノズルはネットワーク管路部を
先端側に備えており、該ネットワーク管路部を通過して
噴射される液体は、短い周期で交互に幅方向で液噴射方
向が変わる振り子噴出を行なう。このため、幅方向の噴
射幅（散布幅）が広がるとともに均一散布が可能とな
る。したがって、相対的に同一面積に形態を散布するの
に、手で噴射方向を変更する頻度が少なくてすむ。

【００３７】また、当該液体噴射ノズルの先端に回動可
能なワイパを取り付けた場合は、該フリップフロップ噴
射で、特別な動力を使用しなくてもワイパを動かすこと
ができ、簡単な構造のワイパ付き洗浄装置を提供でき
る。

【００３８】なお、上記実施形態では、いずれも、噴射
ノズルの扁平筒体が一個の場合について説明したが、噴
射ノズルを複数段や放射状の複数個組み合わせてユニッ
ト化した構成としても、本発明の効果は当然奏するもの
である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の噴射ノズルの一実施形態を示す平面断
面図

【図２】図１の２−２線断面図

【図３】ネットワーク管路部の説明用平面断面図

【図４】ネットワーク管路部の変形態様を示す部分概念
図

【図５】同じく別の変形態様を示す部分概念図

【図６】掃除が容易なネットワーク管路部の各態様図

【図７】整流部を貯水部で形成した一概念立面図

【図８】同じく他の概念立面図

【図９】本発明の噴射ノズルを縦方向又は横方向に用い
た各散布態様を示す概念斜視図

【図１０】本発明のワイパ付き液体噴射洗浄ノズルの概
念斜視図

【符号の説明】

１２ 液体輸送手段 １４、１４Ａ 液体噴射ノズル １６ 一群の平行管路 １８ 他の一群の平行管路 ２０、２０Ａ、２０Ｂ ネットワーク管路部（扁平筒
体） ２２、２２Ａ、２２Ｂ 整流部 ２３ 整流部を構成する柱部 ２４ ネットワーク管路部を構成する菱形柱部 ２６ 液体噴射ノズルの液体流入口 ３０ 液体噴射洗浄ノズル ３２ ワイパ ３４ ガラス製品

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Ｆターム(参考） 3B201 AA01 AB52 BA08 BA12 BB22 BB87 BB92 CB01 4F033 AA04 BA03 CA05 DA01 EA01 JA03 LA00 NA01

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 液体輸送手段の吐出口側に接続され、少
   なくとも先端側が扁平筒体とされた液体噴射ノズルであ
   って、 前記扁平筒体内に一群の平行管路と他の一群の平行管路
   とを同一平面上で交差させ合流と分流が連続しているも
   のとしたネットワーク管路部を形成し、 前記ネットワーク管路部の液流入側に整流部を形成した
   ことを特徴とする液体噴射ノズル。
2. 【請求項２】 前記ネットワーク管路部が、６本以上の
   管路からなる一群の平行管路と、同じく６本以上の管路
   からなる他の一群の平行管路を凡そ２０〜６０°程度の
   挟角で交叉させ、且つ、管路群の全体配置を略対称状と
   した構成であることを特徴とする請求項１記載の液体噴
   射ノズル。
3. 【請求項３】 前記整流部が、前記扁平筒体の元部側延
   設部に柱部を千鳥状に流れ方向に複数段配して形成した
   ものであることを特徴とする請求項１記載の液体噴射ノ
   ズル。
4. 【請求項４】 前記整流部が、前記ネットワーク管路部
   の液流入側と、底部側で接続される貯液部で形成したも
   のであることを特徴とする請求項１記載の液体噴射ノズ
   ル。
5. 【請求項５】 請求項１〜４のいずれかに記載の液体噴
   射ノズルの先端に、該噴射ノズルからの振り子噴出によ
   り駆動されるワイパが付設されていることを特徴とする
   ワイパ付き液体噴射洗浄ノズル。