JP3699285B2 - 茶園用薬液散布管装置及び茶園用薬液散布装置 - Google Patents

茶園用薬液散布管装置及び茶園用薬液散布装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、茶園における防除作業に使用される薬液散布管装置及び茶園用薬液散布装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
畝に植えられた茶木列1の上面1aは、通常は機械刈り等により円弧状に形成されており、従来前記茶木列1に対する薬液散布は、図4に示すごとく、畝に植えられた茶木列をその幅方向に横断する長さのノズル管17を、前記茶木列1の上面1aの円弧状の形状に略適合するように湾曲させ、該湾曲させたノズル管17に、所定間隔をあけて突出寸法が同じ複数の噴霧ノズル18,18,…を前記畝に植えられた茶木列1の略中央方向に向けて設け、前記ノズル管17の一端を手に持つ等して行われている。なお、図中、19は、図示しないポンプから延長された薬液供給ホースである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来の前記湾曲させたノズル管17の場合、畝に植えられた茶木列1の、特に両側下部、すなわち、図4に示す左右のA部に薬液が適切に供給されず、該A部に害虫が集中してしまう等して、防除効果において問題が残されていた。
【0004】
さらに、前記予め湾曲させたノズル管17の場合、地域、圃場等によって茶木列1の上面1aの円弧状態が異なる場合に対応できず、したがって、薬液散布が均一に行われない場合があり、さらにまた、全体が湾曲させられているため、格納、運搬時等の取扱い及び効率散布のための自動化等に困難が伴う等の問題が残されていた。
【0005】
本発明は、前記事情に鑑み為されたもので、薬液が適切に散布されない部分を無くして防除効果の向上を図り、さらに茶木列の上面の各種円弧状態に合わせて各長さ調整管の長さ調整あるいは各噴霧ノズルの噴出口部の交換により均一散布が可能であり、さらにまた、格納、運搬等の取扱い及び自動化等が容易な茶園用薬液散布管装置及び茶園用薬液散布装置を提供することを目的とする。
【0006】
【問題を解決するための手段】
請求項1に記載の本発明は、茶木列をその幅方向に横断する長さの直線状管からなるノズル管と、該ノズル管に所定間隔をあけて着脱自在の長さ調整管によって垂下させられ且つ下端に交換自在の噴出口部を有する複数の噴霧ノズルからなり、該噴霧ノズルの下端の噴出口部が前記茶木列の上面から等距離離隔するように前記長さ調整管の長さ調整されてなる茶園用薬液散布管装置であり、請求項2の発明は、前記茶園用薬液散布管装置を、自走車に立設した支柱に、高さ調整自在及び横行自在に設けたことを特徴とする茶園用薬液散布装置である。前記本発明では、従来と異なり、前記噴霧ノズルが前記直線状管からなるノズル管から垂れ下がった状態に設けられる。その結果、前記A部へも前記茶木列の上面部からの薬液が適切に供給される。
【0007】
さらに、前記噴霧ノズルの下端の噴出口部を前記茶木列の上面から等距離離隔するように設けることは、前記のごとく、前記噴霧ノズルを構成する長さ調整管を前記ノズル管に対して着脱自在に構成することにより容易であり、取扱い及び自動化の容易性を考えて前記ノズル管を直線状管としたため、前記茶木列の幅方向中央部に位置する噴霧ノズルの垂下寸法は短く、その両側方向へ順次配置される噴霧ノズルは順次長く構成される。
【0008】
また、前記噴霧ノズルを構成する長さ調整管を前記ノズル管に対して着脱自在に構成することは、長さの異なる前記噴霧ノズルの適数をアダプターとして予め準備しておくことにより、前記茶木列の上面の円弧状態が異なる場合にも、該それぞれの円弧状態に容易に合わせることができ、したがって、均一散布が可能になる。
【0009】
また、前記ノズル管を直線状管で構成することは、格納、運搬等の取扱い、及び後に述べる自動化が容易であり、この場合には、前記のごとく、前記茶木列の幅方向中央部に位置する噴霧ノズルは短く、その両側方向へ順次配置される噴霧ノズルは順次長く構成される。
【0010】
さらに、前記各噴霧ノズルの前記下端である噴霧口部を交換自在に構成することは、前記各噴霧ノズルの薬液拡散角度の調整等を前記口部の交換により、容易に行うことができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の一形態を図面に基づいて説明する。図1は本発明の一実施の形態を示す茶園用薬液散布管装置の正面図、図2は噴霧ノズル着脱部の一実施の形態を示す一部を断面ににした分解図、図3は自走式散布車に適用した状態を示す茶園用薬液散布装置の正面図、図4は従来の茶園用薬液散布管装置を示す正面図である。
【0012】
図中、1は畝に植えられた茶木列であり、該茶木列1の上面1aは、円弧状に刈り取られている。図中、2は軽量合金材等よりなる前記茶木列1をその幅方向に横断する長さの直線状管からなるノズル管であり、一端に薬液供給ホース3が連結され、さらに前記ノズル管2には、垂直且つその下端が前記茶木列1の上面1aからそれぞれ等距離離隔するように長さを調整した噴霧ノズル4a、4b、4c、4d…4nが所定間隔をあけて垂れ下げて設けられる。
【0013】
すなわち、前記畝に植えられた前記茶木列1の上面1aが円弧状に形成されているため、長さ調整管5によって前記噴霧ノズル4a、4b、4c、4d…4nの垂下長さが調整され、したがって、畝に植えられた前記茶木列1の中央部に位置する噴霧ノズル4aは最も短く構成され、該中央部の噴霧ノズル4aの両側方向へ順次配置されるそれぞれの噴霧ノズル4b、4c、4d…4nが順次長く構成される。
【0014】
また、前記長さの異なる各噴霧ノズル4a、4b、4c、4d…4nが設けられる所定間隔とは、前記それぞれの噴霧ノズル4a、4b、4c、4d…4nの薬液拡散角度によって異なるが、一般の散布高さ、例えば、前記茶木列1の上面1aの上方約25〜30cmから均等に薬液を噴霧した場合に、非散布部分が生じることがない間隔を意味する。
【0015】
また、前記各噴霧ノズル4a、4b、4c、4d…4nは、前記ノズル管2に対して着脱自在とされ、さらにその噴出口部6a、6b、6c、6d…6nも交換自在とされる。その一実施の形態が図2に示されている。
【0016】
すなわち、前記ノズル管2に所定間隔をあけて雌ねじ孔7が設けられ、該それぞれの雌ねじ孔7に、両端にそれぞれ雄ねじ8が形成された中空の連結金具9が予め螺合される。そして、前記それぞれ所定の長さ調整管5の上端には、それぞれ前記中空の連結金具9の雄ねじ8に螺合する雌ねじ孔10が形成される。
【0017】
さらに、前記それぞれ所定の長さ調整管5の下端に雄ねじ11が形成され、該雄ねじ11に前記噴出口部6a、6b、6c、6d…6nに設けられた雌ねじ孔12が螺合される。
【0018】
そして、前記噴霧ノズル4a、4b、4c、4d・・・4nと長さ調整管5、並びに前記噴出口部6a、6b、6c、6d・・・6nを、それぞれ複数個アダプターとして予め準備しておけば、それらを使用して前記茶木列1の上面1aの円弧状態に合わせて使用することができ、均一散布が可能である。
【0019】
前記構成の茶園用薬液散布管装置Sは、その一端を作業者が手に持って畝に植えられた茶木列1の上面1aを移動させて使用することができる他、自走車に搭載して容易に自動化を図ることができる。図3は自走車に適用した状態を示す茶園用薬液散布装置である。
【0020】
その詳細説明は省略するが、エンジン、薬液タンク及びポンプ等を搭載し、畝間を走行する自走車13に支柱14を立設し、該支柱14に高さ調整自在及び該支柱14に対して横行自在の水平ガイドレール15を設け、さらに該ガイドレール15に、その両端方向にそれぞれスライド及び固定自在の前記構成の茶園用薬液散布管装置S1及びS2が設けられる。図中、16は薬液供給ホースである。
【0021】
前記自走車13による薬液散布の一例を述べると、前記茶園用薬液散布管装置S1及びS2を図3に示す状態、すなわち、前記水平ガイドレール15が前記支柱14の左方向に移動させられた状態で前記自走車13を往路走行させると、左側の前記茶園用薬液散布装置S1によって左側の茶木列1Bに対して薬液散布が行われ、右側の前記茶園用薬液散布装置S2によって右側の茶木列1Dに対して薬液散布が行われる。
【0022】
つぎに、前記水平ガイドレール15を同図において、前記支柱14の右方向に移動させて復路を走行させると、前記左側の茶園用薬液散布管装置S1によって中央の茶木列1Cに対して薬液散布が行われ、前記右側の茶園用薬液散布管装置S2によって前記右側の茶木列1Dのさらに右に位置している茶木列(図示せず)に対して薬剤散布が行われる。
【0023】
すなわち、前記自走車13を一本の畝を往復走行させるごとに、四列の茶木列に薬液散布が可能であり、前記ノズル管2を直線状管することにより、作業の自動化も容易となる。
【0024】
【発明の効果】
本発明によれば、薬液が適切に散布されない部分を無くして防除効果の向上を図り、さらに茶木列の上面の各種円弧具合に合わせて長さ調整管による噴霧ノズルの長さの調整あるいは、該噴霧ノズル下端の噴出口部を適宜交換する等して均一散布が可能であり、さらにまた、格納、運搬等の取扱い、及び自動化が容易である等の効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施の形態を示す茶園用薬液散布管装置の正面図である。
【図2】 噴霧ノズル着脱部の一実施の形態を示す一部を断面にした分解図である。
【図3】 自走車に適用した状態を示す茶園用薬液散布装置の正面図である。
【図4】 従来の茶園用薬液散布管装置を示す正面図である。
【符号の説明】
1 茶木列
1a 上面
2 ノズル管
4a・・・4n 噴霧ノズル
長さ調整管
6a・・・6n 噴出口部(下端)

Claims (2)

  1. 茶木列(1)をその幅方向に横断する長さの直線状管からなるノズル管(2)と、該ノズル管(2)に所定間隔をあけて着脱自在の長さ調整管(5)によって垂下させられ且つ下端に交換自在の噴出口部(6a・・・6n)を有する複数の噴霧ノズル(4a・・・4n)からなり、該噴霧ノズル(4a・・・4n)の下端の前記噴出口部(6a・・・6n)が前記茶木列(1)の上面(1a)から等距離離隔するように前記長さ調整官(5)の長さ調整されてなることを特徴とする茶園用薬液散布管装置。
  2. 請求項1に記載の茶園用薬液散布管装置を、自走車(13)に立設した支柱(14)に、高さ調整自在及び横行自在に設けた水平ガイドレール(15)の両端にスライド及び固定自在に設けたことを特徴とする茶園用薬液散布装置。
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