JP2001059772A - ベースライン補正方法 - Google Patents

ベースライン補正方法

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JP2001059772A
JP2001059772A JP11238565A JP23856599A JP2001059772A JP 2001059772 A JP2001059772 A JP 2001059772A JP 11238565 A JP11238565 A JP 11238565A JP 23856599 A JP23856599 A JP 23856599A JP 2001059772 A JP2001059772 A JP 2001059772A
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Jun Koshobu
純 小勝負
Norio Wakimoto
範雄 脇本
Akio Wada
明生 和田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明の目的は、様々なベースライン形状を
持つスペクトルに対して、ベースライン補正をより容易
に及び正確に行うことのできるベースライン補正方法を
提供することにある。 【解決手段】 測定スペクトルデータの局所的な波数領
域での各データ値の平均値と分散を計算し、該平均値と
分散に基づきベースライン補正のためのフィッティング
データの初期値を、測定スペクトルデータから選択する
初期値選択工程(ステップ20〜30)と、一定規範に
より前記初期値選択工程により得られたフィッティング
データの削除と新たなフィッティングデータの追加の反
復を行い、最適なフィッティングデータを得るカーブフ
ィッティング工程(ステップ32〜40)と、前記カー
ブフィッティング工程により得られたフィッティングデ
ータに基づき試料のみに起因する補正スペクトルデータ
を得るスペクトル再生工程(ステップ42)と、を備え
たことを特徴とするベースライン補正方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はベースライン補正方
法、特に測定者によるパラメータの初期設定なしにベー
スライン補正が行えるベースライン補正方法に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、試料に測定光を透過させ、得ら
れた吸収スペクトルデータの透過率(吸光度)のピーク
から該試料に含まれる成分の同定或いは定量を行なう分
光光度計が周知である。ところで、赤外吸収スペクトル
の測定においてサンプルの光学的特性、形状、配置また
は装置的ドリフト等の原因により測定スペクトルにベー
スラインの変動が生じる場合がある。
【0003】このようなベースライン変動は、測定スペ
クトルからサンプルの定量および定性分析を行う場合に
分析精度に影響を及ぼすものであり、試料のみから得ら
れる真のスペクトルデータを歪ませる原因となってしま
う。したがって、前記測定スペクトルデータからでは正
確な試料分析ができない場合も多く、前記ベースライン
変動の影響を除去した補正スペクトルデータを得なけれ
ばならない。つまり、測定スペクトルデータからこのベ
ースライン部分を差引いて、試料のみに起因する補正ス
ペクトルデータを得るのである。
【0004】従来、前記ベースラインを除去する方法と
しては、1次式、2次式および3次式で最小二乗法を用
いてフィッティングを行うもの、周波数領域において低
周波数帯遮断フィルタリングを行うものがある。また、
複雑な形状のベースラインを除去する方法としてスペク
トル領域を分割して各々の領域に対して1次式の最小二
乗法フィッティングを行うものがGoehnerらによ
って提案された。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の手法は測定者が何らかのパラメータの初期設定を試行
錯誤して行う必要があり、測定者の主観がベースライン
補正の結果に影響を及ぼすことがある。また、何らかの
先見情報もなく、測定者による試行錯誤で最適な初期パ
ラメータ値を探していたのでは時間がかかり、面倒であ
った。
【0006】一方、同様な最小二乗フィッティングを基
に統計学的規範をフィティングの収束性に取り入れた手
法がLiuとKoeingによって提案された。しかし
ながら、この手法はスペクトルの全データ点数に対して
フィッティングを行うため、データ点数が多いスペクト
ルに対しては収束性が悪くなり、計算量が多くなるの
で、解決手段として採用するには至らなかった。本発明
は前記従来技術の課題に鑑みなされたものであり、その
目的は様々なベースライン形状を持つスペクトルに対し
て、ベースライン補正をより容易に及び正確に行うこと
のできるベースライン補正方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に本発明にかかるベースライン補正方法は、初期値選択
工程と、カーブフィッティング工程と、スペクトル再生
工程と、を備えることを特徴とする。ここで、前記初期
値選択工程は、測定スペクトルデータの局所的な波数領
域での各データ値の平均値と分散を計算し、該平均値と
分散に基づきベースライン補正のためのフィッティング
データの初期値を、前記測定スペクトルデータから選択
する。
【0008】また、前記カーブフィッティング工程は、
一定規範により前記初期値選択工程により得られたフィ
ッティングデータの削除と新たなフィッティングデータ
の追加の反復を、フィッティングデータの削除がなくな
るまで行い、最適なフィッティングデータを得る。前記
スペクトル再生工程は、前記カーブフィッティング工程
により得られたフィッティングデータに基づき試料のみ
に起因する補正スペクトルデータを得る。なお、本発明
において、前記初期値選択工程でのフィッティングデー
タの初期値は、次記数5のベースライン判定係数a
(ν)の最小値aminに対して、次記数6の条件を満
たすものが含まれることが好適である。
【0009】
【数5】 (ここで、σ (ν)は前記測定スペクトルデータの
局所的な波数ν領域での各データ値の分散、σ は該
分散σ (ν)のうちの所定の点数の平均値)
【0010】
【数6】 また、本発明において、前記カーブフィッティング工程
での一定規範は、フィッティングデータが次記数7の条
件を満たす時、該フィッティングデータを、該カーブフ
ィッティング工程でのフィッティングデータから削除
し、前記測定スペクトルデータのデータ値が次記数8の
A及びBの条件を満たす時、該データ値に基づくフィッ
ティングデータを、前記カーブフィッティング工程での
フィッティングデータに追加することも好適である。
【0011】
【数7】 (ここで、RE(ν)は前記フィッティングデータの初
期値と前記カーブフィッティング工程でのフィッティン
グ結果との残差、σREは該残差RE(ν)の標準偏
差)
【0012】
【数8】 (ここで、Y(ν)は波数νにおける測定スペクトルデ
ータのデータ値、R(ν)は前記カーブフィッティング
工程でのフィッティング結果) ここにいう波数位置が所定範囲の領域ではないとは、例
えば赤外吸収スペクトルでは、水(OH)に起因するブ
ロードな吸収帯がよく現れる領域がわかっているので、
このような領域を選択しないようにすること等をいう。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づき本発明の好適
な実施形態を説明する。図1には本発明の一実施形態に
かかるベースライン補正方法を行うための装置の構成が
示されている。同図に示す装置は、スペクトル測定部1
0と、CPU12、ROM14、RAM16を含む。
【0014】同図において、まず、スペクトル測定部1
0により、試料の赤外吸収スペクトルを測定し、この測
定スペクトルデータをCPU12により、RAM16に
順次記憶する。その後、RAM16の測定スペクトルデ
ータに対して、ベースラインを補正するための一連のデ
ータ処理を行うこととなる。
【0015】ここで、通常は、まず、測定者が何らかの
パラメータの初期設定を試行錯誤して行う必要がある
が、測定者の主観がベースライン補正の結果に影響を及
ぼすことがある。また、何らかの先見情報もなく、測定
者による試行錯誤を用いたのでは、最適な初期パラメー
タ値を探すのに時間がかかり、面倒であった。そこで、
本発明において特徴的なことは、測定者によるパラメー
タの初期設定なしにベースライン補正が行えることであ
る。
【0016】このために本実施形態は、CPU12が、
ROM14の一定規範に基づきベースラインを補正する
ための一連のデータ処理を行うこととなる。特に本実施
形態において特徴的なことは、測定者の試行錯誤による
パラメータの初期設定なしにCPU12によりROM1
4の一定規範により初期値の選択を選択、決定可能とし
ている。さらに、後段のカーブフィッティングではフィ
ッティングデータの削除に加えて、新たなフィッティン
グデータの追加を可能としている。
【0017】本実施形態の方法は、つぎの手順を要件と
する。 初期値選択工程:CPU12は、RAM16の測定ス
ペクトルデータのある局所的な波数νの領域での各デー
タ値の平均値と分散を計算し、該平均値と分散に基づき
ベースライン補正のためのフィッティングデータの初期
値を、測定スペクトルデータから選択する。 カーブフィッティング工程:CPU12は、ROM1
4の一定規範により、前記RAM16のフィッティング
データの削除と、新たなフィッティングデータの追加の
反復を行い、最適なフィッティングデータを検索する。 スペクトル再生工程:CPU12は、前記フィッティ
ングデータの検索結果に基づき、試料のみに起因する補
正スペクトルデータを得る。 以下、このデータ処理の流れを図2に基づき具体的に説
明する。
【0018】初期値選択工程 手順(1) 波数ν(νmin≦ν≦νmax)に対して窓幅9点
(例えば図3(a)の測定スペルトル中、w1参照)で
局所分散σ (ν)を計算する(ステップ20)。 手順(2) σ (ν)の値の小さいものから全データ点数の10
%分を抜き出し、それらの平均値をσ とする(ステ
ップ22)。 手順(3) 波数ν(νmin≦ν≦νmax)に対してベースライ
ン判定係数a(ν)を計算する(ステップ24)。
【0019】
【数9】 手順(4) νmax〜νmax−100cm−1の領域(図3
(a)の測定スペルトル中、w4)で測定スペクトル
(スペクトル縦軸)Y(ν)の小さいものから20点を
選択する(ステップ26)。 手順(5) νmin+100〜νmincm−1の領域(図3
(a)の測定スペルトル中、w5)でスペクトル縦軸Y
(ν)の小さいものから5点を選択する。
【0020】手順(6) νmax〜3500cm−1の領域(図3(a)の測定
スペルトル中、w6)で判定係数a(ν)が0.1以下
で小さいものから30点を選択する(ステップ28)。 手順(7) 2300〜1800cm−1の領域(図3(a)の測定
スペルトル中、w7)で判定係数a(ν)が0.1以下
で小さいものから30点を選択する。 手順(8) 1800〜νmincm−1の領域(図3(a)の測定
スペルトル中、w8)で判定係数a(ν)が判定係数a
(ν)の最小値aminに対して以下の条件を満たすも
のを選択する。
【0021】
【数10】 手順(9) ここで、前記手順(4)〜(8)(ステップ26〜2
8)で選択されたνにおけるY(ν)をベースライン補
正のためのフィッティングデータ点の初期値B(ν)と
する(ステップ30)。このように本実施形態は、測定
者が試行錯誤してパラメータの初期設定をするのではな
く、前述のような計算により選択され、決定される。
【0022】フィッティング工程 手順(10) 初期値B(ν)に対して3次式多項式を用いたフィッテ
ィングをDLS法で行う(ステップ32)。 手順(11) DLS法の結果であるR(ν)から各フィッティングデ
ータ点で以下の式からRE(ν)を計算する。さらにそ
の残差の標準偏差σREを計算する(ステップ34)。
【0023】
【数11】 手順(12) 各フィッティングデータ点で
【0024】
【数12】 の時、そのフィッティングデータ点をB(ν)から削除
する(ステップ36)。 手順(13) 測定スペクトルの各データ点が以下の条件A及びBの両
方を満たす時、フィッティングデータ点にB(ν)に追
加する(ステップ38)。
【0025】
【数13】 このように本実施形態では、条件A及びBの両方を満た
す場合のみデータ点を追加している。これにより、赤外
吸収スペクトルでは、前記条件Aの領域に水(OH)に
起因するブロードな吸収帯が現れる場合が多いが(図3
(a)等参照)、この領域(所定範囲)を選択しないよ
うにしている。
【0026】手順(14) 上記手順(9)〜(13)(ステップ32〜38)を、
上記手順(12)で削除するデータがなくなるまで反復
する(ステップ40)。このように本実施形態は、赤外
吸収の測定スペクトルデータの局所的な平均値と分散か
らフィッティングデータの初期値を得、一定規範でのフ
ィッティングデータの取捨選択を行いながら反復を行
う。
【0027】ここで、カーブフィッティングを行う際
は、通常、不要な初期パラメータ値の削除のみを行う
が、本実施形態の方法は、新たなフィッティングデータ
の追加をも可能としている。これにより、前段での初期
値選択の精度があまりよくない場合であっても、後段の
カーブフィッティングでその補完が可能となる。
【0028】このようにして本実施形態の方法は、測定
者の試行錯誤によるパラメータの初期設定なしに、CP
U12によりROM14の一定規範により初期値を選
択、決定可能としていることと、後段のカーブフィッテ
ィングではフィッティングデータの削除に加えて、新た
なフィッティングデータの追加を可能としていること、
という特徴的な組合せによりはじめて、測定スペクトル
データから、試料のみに起因する真のスペルトルデータ
を規定するパラメータ群と、ベースラインを規定するパ
ラメータ群を、より容易に及び正確に得る。
【0029】再生工程 手順(15) そして、前記試料のみに起因する真のスペルトルデータ
を規定するパラメータ群に基づき、前記ベースライン変
動の影響が除去された補正スペクトルデータ(図3
(b)参照)を得る(ステップ42)。したがって、本
実施形態は、一度に赤外吸収スペクトルの全波数領域に
対してパラメータの設定なしに3次式でのベースライン
補正がより容易に及び正確に実行できる。
【0030】つぎに、様々な形状のベースラインを有す
る赤外吸収スペクトルで本実施形態の有用性を確認する
ため、前記図3に示したインドメタシンと同様、ポリカ
ーボネート(Polycarbonate(PC))お
よびポリ塩化ビニル(Polyvinyl Chlor
ide(PVC))の赤外吸収スペクトルの測定を日本
分光製FT/IR−610で分解能4cm−1、積算回
数16回で各々行った。
【0031】測定法は前記図3に示したインドメタシン
の場合と同様、PCがKBr錠剤法、PVCが反射法で
ある。また、各測定は故意にベースライン形状が歪むよ
うにサンプルを調整して行った。PCおよびPVCの赤
外吸収スペクトルを、図4(a)および図5(a)にそ
れぞれ示す。図4(a)および図5(a)より、各々の
赤外吸収スペクトルにベースライン変動が生じているこ
とが判る。
【0032】これら赤外吸収スペクトルに対して本実施
形態の方法を適用し、ベースライン補正を行った結果
を、図4(b)および図5(b)にそれぞれ示す。この
ように図4(b)および図5(b)は、前記図3(b)
と同様、各々の赤外吸収スペクトルのベースライン形状
に対応した良好なベースライン補正の結果が得られた。
【0033】以上のように本実施形態は、DLS法等の
カーブフィッティング法を基に、スペクトルの局所的な
平均値と分散によるフィッティングデータ初期値の選
択、フィッティング後の結果からフィッティングデータ
の削除と追加の反復を一定の規範で行っている。したが
って、良好なフィッティングデータの初期値が選択で
き、フィッティングデータの取捨選択により高精度に少
ない反復回数でベースライン補正が行える。 つまり、
全波数領域の赤外吸収スペクトルに対してパラメータ設
定の必要なしにベースライン補正が行える。
【0034】このことから本実施形態はデータ点数また
は波数領域が大きい場合特に有効である。なお、本発明
は前記構成に限定されるものではなく、発明の要旨の範
囲内であれば、種々の変形が可能である。例えばベース
ラインの補正精度を向上させたい場合や、複雑なベース
ライン形状を持つスペクトルに対してベースライン補正
を実行する場合には、波数領域を分割し、各々の領域に
対して本実施形態の方法を適用することで補正精度の向
上が期待できる。
【0035】また、前記実施形態において、手順(1)
では窓幅を9点としたので、実測スペクトルデータのデ
ータ間隔(分解能)が例えば4cm−1の場合は窓幅が
32cm−1となるが、実測スペクトルデータの分解能
が高い場合(例えば1cm )で、同様の結果を得よ
うとすれば、窓幅は4倍の37点となる。このように窓
幅は所望により種々の設定変更が可能である。
【0036】また、手順(4)では、νmax〜ν
max−100cm−1の領域を用いた例について説明
したが、本発明はこれに限られるものではなく、ν
max〜ν ax−任意の値cm−1の領域を用いるこ
とが可能である。また、手順(5)では、νmin+1
00〜νmincm−1の領域を用いた例について説明
したが、νmin+任意の値〜νmincm−1の領域
を用いることが可能である。
【0037】つまり、手順(4)と(5)では、DLS
法等のフィッティングにおいて、スペクトルデータの両
端での発散を防ぐため、スペクトル領域両端のデータを
フィッティングデータ初期値に加えることができれば、
数値は特に限定されない。また、手順(6)では、ν
max〜3500cm−1の領域を用いた例について説
明したが、νmax〜任意の値cm−1領域を用いるこ
とが可能である。また、手順(7)では、2300〜1
800cm−1の領域を用いた例について説明したが、
他の領域を用いることが可能である。
【0038】また、手順(8)では、1800〜ν
mincm−1の領域を用いた例について説明したが、
任意の値〜νmincm−1の領域をを用いることが可
能である。また、これらの手順(4)〜(8)で選択さ
れるデータ点数は、前記実施形態の数に限られるもので
はなく、任意のデータ点数を用いることが可能である。
また、手順(6)〜(7)では、判定係数a(ν)によ
る判定基準を0.1に設定したが、他の値を用いること
が可能である。
【0039】すなわち、前記実施形態では、手順(6)
と(7)は、赤外吸収スペクトルにおいて、手順(8)
の領域(例えば図3(a)中、領域w8等参照)と比較
すると、吸収スペクトルのないフラットな形状を示すこ
とが多いので(図3(a)中、w6,w7等参照)、手
順(8)とは異なる規範を用いている。つまり、前記実
施形態において、手順(6)と(7)に、手順(8)と
同じ規範を用いた場合、殆ど全てのデータ点が選択され
てしまい(この領域がフラットな形状であるため)、計
算量が多くなるため、手順(6)と(7)は、手順
(8)の領域とは異なる規範を用いた。
【0040】また、前記実施形態では、手順(8)の領
域は、吸収スペクトルが多数現れる領域であるため、数
10に示したような規範を用いている。これは判定係数
aが他の領域と比較して大きくなることがあるからであ
る。また、前記手順(10)では、3次式多項式フィッ
ティングを、DLS法により行った例について説明した
が、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば特
異値分解(SVD)等を適用することも可能である。
【0041】また、手順(13)では、波数位置が35
00〜2300cm−1の領域ではないという条件Aを
設けたが、3500〜2300cm−1の領域を他の領
域に設定することが可能である。また、条件Aを設けな
いことも可能である。また、手順(14)では、手順
(12)で削除するデータがなくなるまでという条件を
設けたが、さらに手順(13)で追加するデータがなく
なるまでという条件を設定することも可能である。
【0042】さらに、前記実施形態の方法を、赤外吸収
スペクトルに適用した例について説明したが、本発明は
これに限られるものではなく、ベースライン補正の必要
な様々な測定スペクトルデータに適用することが可能で
ある。
【0043】
【発明の効果】以上説明したように本発明にかかるベー
スライン補正方法によれば、初期値選択工程により、測
定スペクトルデータの局所的な平均値と分散からフィッ
ティングデータの初期値を得、カーブフィッティング工
程により、一定規範でのフィッティングデータの取捨選
択を行いながら反復を行い、スペクトル再生工程によ
り、該フィッティング結果に基づき補正スペクトルを得
ることとした。この結果、本発明の方法では、特に前記
初期値選択工程と、前記カーブフィッティング工程での
新たなフィッティングデータ追加という特徴的な組合せ
により、良好なフィッティングデータの初期値が選択で
き、測定スペクトルデータに対してパラメータの初期設
定なしに高次多項式等でのベースライン補正が、少ない
反復回数で高精度に行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態にかかるベースライン補正
方法を行うための装置の概略構成の説明図である。
【図2】本発明の一実施形態にかかるベースライン補正
方法の流れを示すフローチャート図である。
【図3】同図(a)はインドメタシンの赤外吸収測定ス
ペクトル、同図(b)は同図(a)に示した測定スペク
トルに、本発明の一実施形態にかかるベースライン補正
方法を適用した結果の説明図である。
【図4】同図(a)はポリカーボネートの赤外吸収測定
スペクトル、同図(b)は同図(a)に示した測定スペ
クトルに、本発明の一実施形態にかかるベースライン補
正方法を適用した結果の説明図である。
【図5】同図(a)はポリ塩化ビニルの赤外吸収測定ス
ペクトル、同図(b)は同図(a)に示した測定スペク
トルに、本発明の一実施形態にかかるベースライン補正
方法を適用した結果の説明図である。
【符号の説明】
10…スペクトル測定部 12…CPU 14…ROM 16…RAM
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 和田 明生 東京都八王子市石川町2967番地の5 日本 分光株式会社内 Fターム(参考) 2G020 AA03 BA02 BA03 CA02 CB42 CC22 CC47 CD04 CD13 CD22 CD35 CD37 CD38 2G059 AA01 BB08 CC12 EE01 HH01 JJ01 JJ22 KK01 MM01 MM03 MM09 MM10 MM17 NN01

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 測定スペクトルデータからベースライン
    変動の影響を除去し、試料のみに起因する補正スペクト
    ルデータを得るベースライン補正方法において、 測定スペクトルデータの局所的な波数領域での各データ
    値の平均値と分散を計算し、該平均値と分散に基づきベ
    ースライン補正のためのフィッティングデータの初期値
    を、前記測定スペクトルデータから選択する初期値選択
    工程と、 一定規範により前記初期値選択工程により得られたフィ
    ッティングデータの削除と新たなフィッティングデータ
    の追加の反復を行い、最適なフィッティングデータを得
    るカーブフィッティング工程と、 前記カーブフィッティング工程により得られたフィッテ
    ィングデータに基づき試料のみに起因する補正スペクト
    ルデータを得るスペクトル再生工程と、 を備えたことを特徴とするベースライン補正方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のベースライン補正方法に
    おいて、 前記初期値選択工程でのフィッティングデータ点の初期
    値は、次記数1のベースライン判定係数a(ν)の最小
    値aminに対して、次記数2の条件を満たすものが含
    まれることを特徴とするベースライン補正方法。 【数1】 (ここで、σ (ν)は前記測定スペクトルデータの
    局所的な波数ν領域での各データ値の分散、σ は該
    分散σ (ν)のうちの所定の点数の平均値) 【数2】
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載のベースライン補正
    方法において、 前記カーブフィッティング工程での一定規範は、フィッ
    ティングデータが次記数3の条件を満たす時、該フィッ
    ティングデータを、該カーブフィッティング工程でのフ
    ィッティングデータから削除し、 前記測定スペクトルデータのデータ値が次記数4のA及
    びBの条件を満たす時、該データ値に基づくフィッティ
    ングデータを、前記カーブフィッティング工程でのフィ
    ッティングデータに追加することを特徴とするベースラ
    イン補正方法。 【数3】 (ここで、RE(ν)は前記フィッティングデータの初
    期値と前記カーブフィッティング工程でのフィッティン
    グ結果との残差、σREは該残差RE(ν)の標準偏
    差) 【数4】 (ここで、Y(ν)は波数νにおける測定スペクトルデ
    ータのデータ値、R(ν)は前記カーブフィッティング
    工程でのフィッティング結果)
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Cited By (8)

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