JP2939848B2 - 分光分析における定量方法 - Google Patents

分光分析における定量方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、赤外線吸収スペクトル
を用いた定量方法に関し、特に、ランバートベールの法
則に従わない吸収、つまり、吸光度と濃度とが比例関係
にない吸収に対して定量演算を精度よく行う方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】例えばCO(一酸化炭素)のようにピー
ク形状の鋭い吸収を持つ成分は、装置の分解能が低い場
合、その装置の分解能に起因して非線型な吸収を示す。
例えば図6は、2373ppmのCOの吸収スペクトル
を、濃度を7分割、つまり、339ppmきざみ(33
9,678,1356,1695,2034,2373
ppm)で表したものであるが、面積は7等分されてな
い。
【0003】ところで、本願出願人は、平成2年10月
13日付けにて、「分光分析における多成分定量方法」
を特許出願している〔特願平2−274204号(特開
平4−148830号)〕。この特許出願は、試料に対
して例えば赤外光を照射したときに得られる赤外線吸収
スペクトルにおいて、複数の成分の吸収に対する局所的
ピークと局所的ベースの周波数点を予め定めておき、そ
れらピーク、ベースの吸光度の差から相対吸光度を求
め、次いで、これらの相対吸光度を加算して得られる相
対吸光度の和を用いて成分スペクトルを求め、この成分
スペクトルと各成分についての参照スペクトルとに基づ
いて、前記複数の成分を個別に分析するようにしたもの
で、この定量方法によれば、ノイズおよび成分どうしの
干渉影響を受けることなく、正確に定量できる。
【0004】ここで、吸光度和とは、例えば図2に示す
ような吸収スペクトルがあった場合、予め定めた複数の
波数点における吸光度の総和をとったものである。すな
わち、スペクトルの各点における値が同図中に示すよう
な場合、このスペクトルのある領域における吸光度
は、1.89(=0.08+0.2+0.4+0.5+
0.39+0.15+0.1+0.07)となるのであ
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記先
願に係る定量方法は、吸収がランバートベールの法則に
従うものとして、つまり、吸光度は濃度に比例すること
を前提としているため、これをそのまま非線型な吸収に
適用すると矛盾を生じ、定量精度が悪くなったり、成分
間の干渉を生じたりすることがある。
【0006】これに対し、従来からの主成分分析(Prin
cipal Component Regression、以下、PCRという)や
部分最小二乗法(Partial Least Square、以下、PLS
という)といったアルゴリズムを用いると、スペクトル
と非線型な濃度とを直接関連付けて濃度推定を行うこと
ができる。
【0007】すなわち、図7に示すように、リファレン
ススペクトルと等分割(例えば7分割)の濃度とを、P
CRまたはPLSの手法により定量用行列(校正マトリ
ックス)を求め、濃度未知のサンプルスペクトルに対し
てこの計算結果を用いることにより濃度を推定するので
ある。
【0008】しかしながら、この従来のPCR・PLS
による定量方法を非線型な吸収スペクトルに適用した場
合、その結果は大きな誤差を含み、連続測定時において
はノイズが大きいといった欠点がある。
【0009】つまり、吸光度が濃度に比例しない吸収に
対して、スペクトルと濃度とを用いて校正するといった
従来の定量方法では、吸収が非線型になるにつれて干渉
が増えたり、ノイズが増えたりするといった欠点があっ
たのである。
【0010】本発明は、上述の事柄に留意してなされた
もので、その目的は、吸光度が濃度に比例しない吸収に
対して精度よく定量演算することができる分光分析にお
ける定量方法(以下、単に定量方法という)を提供する
ことにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明に係る定量方法は、校正用データとして、あ
測定対象成分に関する複数の濃度に対応する吸収スペ
クトル、それら吸収スペクトルに対応する吸光度和
を用いて定量用行列を作成する一方、前記吸光度和と
濃度とを非線型カーブフィット処理を行って両者の関係
を求めておき、測定時には、前記定量用行列と濃度未知
スペクトルとから測定対象成分による吸収分の吸光
度和を推定し、この推定によって得られた吸光度和を、
記濃度との関係を用いることにより、測定対象成分
の濃度を推定するようにしている。
【0012】
【作用】スペクトルとそれから計算される吸光度和(面
積)とは比例している。従って、前記PCRやPLSの
校正段階に線型な情報が入力できる。例えば前記図6に
示したCOのように濃度とスペクトルが比例しない場
合、濃度値を用いるより吸光度和を用いた方が線型性は
はるかに高くなる。従って、本発明によれば、吸光度と
濃度とが比例しない吸収に対しても精度よく定量演算す
ることができる。
【0013】
【実施例】以下、本発明の実施例を、図面を参照しなが
ら説明する。
【0014】図1は、本発明に係る定量方法の一例を示
すフローチャートである。この図1の説明に入る前に、
本発明方法で用いるデータについて説明する。校正用デ
ータとして、図2に示すようなある成分(例えばCO)
に関するリファレンススペクトル(吸収スペクトル)
と、下記表1に示すような等分割された濃度と、下記表
2に示すような吸光度和を用意する。ここで、吸光度和
は、濃度に対して、非線型である。
【0015】
【表1】
【0016】
【表2】
【0017】次に、図1に基づいて本発明に係る定量方
法を説明すると、この図1のフローチャートに示すよう
に、まず、校正段階では、 ステップ1:前記吸収スペクトルと吸光度和を用いて、
PCRまたはPLSの手法により校正マトリックス計算
を行い、定量用行列を作成する。 ステップ2:一方、前記吸光度和と濃度とを非線型カー
ブフィット処理を行って両者の関係を求め、図3に示す
ような吸光度和と濃度との関係曲線を得る。この関係曲
線は、この実施例においては、前記表1および表2に示
すデータから、例えば次のような4次式で表される。す
なわち、濃度(横軸)をy、吸光度和をxとするとき、 y=1.74×10-64 +2.49×102 3 +2.786×103 2 +1.765×102 x ……(1)
【0018】次いで、推定段階では、 ステップ3:前記定量用行列と別途求めておいた濃度未
知スペクトルとから測定対象成分の吸光度和を推定す
る。この実施例では、前記推定吸光度和が例えば0.7
とする。 ステップ4:前記推定によって得られた吸光度和、すな
わち、x=0.7を、前記式(1)で表される4次式に
代入することにより、yの値、すなわち、このときの推
定濃度は、1574ppmとなる。
【0019】そして、校正段階におけるアルゴリズムと
してPLSを用い、本発明に係る定量方法と図7に示し
た従来の定量方法とにおける濃度推定能力を比較したと
ころ、図4(A)に示す本発明方法の濃度推定能力は、
同図(B)に示す従来方法のそれと殆ど同じで、両方と
も満足できる濃度推定能力があることが判った。
【0020】また、100個のN2 (窒素ガス)スペク
トル(吸収は全く無し)を定量したときのゼロノイズに
ついて、本発明に係る定量方法と従来方法とを比べたと
ころ、図5に示すような結果が得られた。すなわち、こ
の図において、曲線Aは本発明方法によるゼロノイズ
を、曲線Bは従来方法によるゼロノイズをそれぞれ示し
ている。それぞれ従来法によるゼロノイズのRMS(実
効値)が9.95ppmであるのに対し、本発明方法の
それは0.29ppmと大きく減少しており、本発明に
よれば偏差が小さいことがとが判る。
【0021】本発明は、上述の実施例に限られるもので
はなく、前記吸光度和と濃度との関連付けは、上記4次
式などの多項式の他に、例えば指数関数によって表すこ
ともできる。
【0022】また、本発明方法の前処理として、すでに
説明した「分光分析における多成分定量方法」(特願平
2−274204号)を実施することにより、より精度
の高い吸光度和の相対値を得ることができる。
【0023】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
吸収がランバートベールの法則に従わない場合に、PC
RやPLSなどのアルゴリズムを適用しても誤差の少な
い定量を行うことができる。また、これらのアルゴリズ
ムの高い干渉補正能力を損なうこともない。特に、分解
能の低いスペクトルにおいては、吸収の非線型性が増加
するので、そのような場合、大きな効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る定量方法の一例を説明するための
フローチャートである。
【図2】吸収スペクトルの一例を示す図である。
【図3】吸光度和と濃度との関係を示す図である。
【図4】本発明に係る定量方法と従来方法とにおける濃
度推定能力を示す図である。
【図5】本発明に係る定量方法と従来方法とにおけるゼ
ロノイズの大きさを示した図である。
【図6】COの吸収スペクトルの一例を示す図である。
【図7】従来の定量方法を説明するためのフローチャー
トである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−197828(JP,A) 特開 平4−148828(JP,A) 特開 平4−148830(JP,A) 特開 平4−251712(JP,A) 特開 昭63−47637(JP,A) 特開 平1−197631(JP,A) 特開 平5−180759(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G01N 21/27 - 21/39 G01J 3/00 - 3/52

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 校正用データとして、ある測定対象成分
    に関する複数の濃度に対応する吸収スペクトル、それ
    吸収スペクトルに対応する吸光度和を用いて定量
    用行列を作成する一方、前記吸光度和と濃度とを非線型
    カーブフィット処理を行って両者の関係を求めておき、
    測定時には、前記定量用行列と濃度未知スペクトルと
    から測定対象成分による吸収分の吸光度和を推定し、
    この推定によって得られた吸光度和を、前記濃度との関
    係を用いることにより、測定対象成分の濃度を推定す
    るようにしたことを特徴とする分光分析における定量方
    法。
JP11404793A 1993-04-15 1993-04-15 分光分析における定量方法 Expired - Lifetime JP2939848B2 (ja)

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CN103808669B (zh) * 2014-01-26 2016-03-23 沈阳农业大学 一种基于高光谱成像技术的苹果虫眼快速无损检测方法

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