JPH10318838A - スペクトルのピーク判定方法 - Google Patents
スペクトルのピーク判定方法Info
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Abstract
るようにする。 【解決手段】 2次微分スペクトルの負側に凸になって
いる部分の極小値をピークの候補点とし、次の条件を満
足する場合に正式なピークとする。 ピークの候補点の値が閾値以下である場合。 ピークの候補点の値が閾値より大きい場合であって
も、当該候補点の部分の負側の面積が、の条件でピー
クがあると判定された位置の部分の負側の面積の最大も
しくは最小あるいはそれらの平均のものの所定係数倍以
上である場合。
Description
分析装置、ESCA、蛍光X線分析装置等の分析機器よ
り得られたスペクトルのピーク判定方法に関する。
分析装置を用いた測定において、得られたスペクトルか
ら正確なピークの検出を行うことは分析精度の向上とい
う観点から非常に重要である。
の結果得られたスペクトルあるいはそれを平滑化処理し
たスペクトル(以下、これらを総称して原スペクトルと
称する)を2次微分して2次微分スペクトルを得、その
2次微分スペクトルの負側のピークが閾値以下になった
ものについてのみ、原スペクトルの当該位置にピークが
存在するものとしていたので、半値幅の広いなだらかな
ピークが検出されない場合があった。
スペクトルが図2(a)に示すようであり、その2次微
分スペクトルが図2(b)に示すようであったとする。
なお、図2(a)、(b)の横軸は、当該原スペクトル
を得るために用いた分析装置の種類によって異なる。例
えば、原スペクトルがEPMAや蛍光X線分析装置によ
って得られたものであれば、横軸は検出されたX線の波
長またはエネルギーを表し、Auger分析装置によっ
て得られたものであれば横軸は検出されたAuger電
子のエネルギーを表し、ESCAによって得られたもの
であれば横軸は束縛エネルギーを表す。また、縦軸は通
常は強度あるいはカウント値を表すが、その他のもので
ある場合もあり得る。
部分は、2次微分スペクトルでは負側に凸になる性質が
ある。図2(a)、(b)においては、原スペクトルで
上に凸になっているP1 に対しては2次微分スペクトル
の同一位置に負側に凸であるP1′ が現れ、同様に原ス
ペクトルの上に凸になっているP2 ,P3 ,P4 に対し
ても2次微分スペクトルの同一位置に負側に凸であるP
2′ ,P3′ ,P4′が現れている。
分スペクトルの値を、図中一点鎖線で示す閾値と比較す
るのである。閾値が負の値であることは当然である。こ
の閾値は適宜な手法によって定めることができる。例え
ば、負の一定値としてもよいし、他の従来知られている
手法によって定めてもよい。
なっている部分の極小値が閾値以下になっているものに
ついては、原スペクトル中の当該極小値の位置に、ノイ
ズではない有意なピークがあると判定するのである。従
って、図2(b)においては、原スペクトル中におい
て、P2′ とP3′ の位置にピークがあると判定される
ことになる。
を見れば、P1 ,P4 の位置にもピークがあると判断さ
れるのであるが、これらの位置における2次微分スペク
トルP1′ ,P4′ の値は閾値より大きいので、P1 ,
P4 の位置に有意のピークがあるとは判定されないので
ある。
2(a)のP2 ,P3 のように半値幅の小さいピークは
検出されるのであるが、P1 ,P4 のように半値幅の広
いピークは検出されない場合があるのである。
って、半値幅の広い、なだらかなピークをも検出するこ
とができ、以て分析精度の向上を図ることができるスペ
クトルのピーク判定方法を提供することを目的とするも
のである。
めに、本発明のスペクトルのピーク判定方法は、2次微
分スペクトルの負側に凸の部分の極小値が閾値以下であ
るものについては原スペクトルの当該位置にピークが存
在すると判定し、2次微分スペクトルの負側に凸の部分
の極小値が閾値以下でないものについては、その負側に
凸の部分の負の部分の面積に基づいて原スペクトルの当
該位置におけるピークの有無を判定することを特徴とす
る。ここで、閾値としてはノイズ標準偏差値を用いるこ
とができる。
態について説明する。まず、測定の結果得られたスペク
トルを平滑化すると共に、2次微分スペクトルを得る。
スペクトルの平滑化は、スペクトルの各点の回りにピー
クの平均半値幅程度の数の平滑化点をとって行う、サビ
ツキー−ゴーレイ(Savitzky−Golay)法を用いればよ
い。これによれば、スペクトルの回りにとる平滑化点の
数を 2m+1 (mは自然数)、スペクトルのステップ幅を
t、スペクトル中のピーク半値幅をwとすると、mは m=[w/t] …(1) 程度とすればよいことが知られている。ここで、[]は
括弧内の整数部分を取るガウス記号を示す。
点の値をpi (i=1,2,…,n)とすると、平滑化されたス
ペクトルの各点の値si は、平滑化フィルタによって定
まる係数をfとして
の各点の値di は、2次微分フィルタによって定まる係
数をgとして
様に定めることができることは当然であるが、ここでは
ノイズ標準偏差値Ti を用いるものとする。ノイズ標準
偏差値Ti は次のようにして求めることができる。
δi 2とすると、pi は互いに独立であると仮定すれば、
誤差伝搬の関係から
いう仮定は厳密には正しくないが、ノイズ標準偏差値を
求める計算には実際上差し支えないものである。ここ
で、測定が統計的な事象であることを利用すれば、
算するのは容易ではないが、平滑化されたスペクトルの
各点の値si と、測定によって得られたスペクトルpi
とは大きな変化がないのが通常であるので si ≒pi …(8) としても大きな誤りはなく、しかも上述したようにpi
は互いに独立であると仮定することができるのと同様
に、si も互いに独立であると仮定することができるの
で、(3) 式から2次微分スペクトルの分散σi 2は、
の標準偏差σi は
数aを導入して、ノイズ標準偏差値Ti を次のように定
める。
いるのである。ここで、正の係数aは経験的、実験的に
定めればよいが、通常は 0.5〜 3程度の範囲で設定すれ
ばよいことが確認されている。
ま、平滑化したスペクトルが図1(a)に示すようであ
り、その2次微分スペクトルが図1(b)に示すようで
あるとする。なお、図1(a)に示すスペクトルは図2
(a)に示す原スペクトルと同じであり、図1(b)に
示す2次微分スペクトルは図2(b)に示す2次微分ス
ペクトルと同じである。図1(b)では閾値は直線で示
されているが、ノイズ標準偏差値Ti を結ぶ線は実際に
は曲線になる。
凸になっている部分の極小値をピークの候補点として、
各ピーク候補点について、その負側の面積を求める。従
って図1(b)の場合、P1′,P2′,P3′,P4′の
位置がピークの候補点として抽出され、これらの候補点
について図1(b)の斜線部で示すように、その負側の
面積を求める。ここでは候補点P1′,P2′,P3′,
P4′の部分の負側の面積をそれぞれS1 ,S2 ,S
3 ,S4 とする。
れか一方の条件を満足する場合に平滑化されたスペクト
ルの当該候補点の位置にピークが存在すると判定する。
合。これは従来と同じ判定条件である。従って、図1
(b)に示す場合には、この条件によってピークの候補
点P2′、P3′の位置にピークが存在すると判定され
る。
合であっても、当該候補点の部分の負側の面積が、の
条件でピークがあると判定された位置の部分の負側の面
積の最大もしくは最小あるいはそれらの平均のものの所
定係数倍以上である場合。
の候補点の部分の負側の面積をSxとし、の条件でピ
ークがあると判定された位置の部分の負側の面積の最大
のものをSMAX としたとき、 Sx ≧b・SMAX …(12) を満足する場合には、平滑化されたスペクトルの当該候
補点の位置にピークが存在すると判定するようにするの
である。ここで、bは正の係数であり、この値は実験
的、経験的に設定すればよい。
候補点の部分の負側の面積をSx とし、の条件でピー
クがあると判定された位置の部分の負側の面積の最小の
ものをSMIN としたとき、 Sx ≧c・SMIN …(13) を満足する場合に、平滑化されたスペクトルの当該候補
点の位置にピークが存在すると判定するようにしてもよ
い。ここで、cは正の係数であり、この値は実験的、経
験的に設定すればよい。
の候補点の部分の負側の面積をSxとし、の条件でピ
ークがあると判定された全ての位置の部分の負側の面積
を合計した値をSTOT としたとき、 Sx ≧d・STOT …(14) を満足する場合に、平滑化されたスペクトルの当該候補
点の位置にピークが存在すると判定するようにしてもよ
い。ここで、dは正の係数であり、この値は実験的、経
験的に設定すればよい。
側の面積について適宜な条件を設定することも可能であ
ることは当然であり、それらの条件の何れか一つをの
条件とすればよい。従って、図1(b)に示す場合、P
1′,P4′の二つのピークの候補点はの条件は満足し
ないが、の条件は満足する可能性があり、平滑化され
たスペクトルの当該候補点の位置にピークが存在すると
判定される場合があることになる。
うプログラムを作成して種々の分析装置に搭載し、測定
の結果得られたスペクトルに対して上述した処理を実行
させることによって、従来では検出されなかった半値幅
の広いなだらかなピークをも検出することが可能となる
ので分析精度の向上を図ることができるものである。
差値が計算できるのは、信号検出の際、確率事象に基づ
いてノイズが発生する場合であり、本発明はそれに当て
はまるEPMA、Auger分析装置、ESCA、蛍光
X線分析装置等の分析機器より得られたスペクトルのピ
ーク判定に適用することができる。
が、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく種
々の変形が可能である。例えば、上記の説明では測定の
結果得られたスペクトルを平滑化するものとしたが、こ
れは必須の要件ではなく省略することも可能である。そ
の場合には(3) 式のsi+j としてはpi+j を用いればよ
い。
説明するための図である。
るための図である。
Claims (2)
- 【請求項1】2次微分スペクトルの負側に凸の部分の極
小値が閾値以下であるものについては原スペクトルの当
該位置にピークが存在すると判定し、 2次微分スペクトルの負側に凸の部分の極小値が閾値以
下でないものについては、その負側に凸の部分の負の部
分の面積に基づいて原スペクトルの当該位置におけるピ
ークの有無を判定することを特徴とするスペクトルのピ
ーク判定方法。 - 【請求項2】閾値はノイズ標準偏差値であることを特徴
とする請求項1記載のスペクトルのピーク判定方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12969197A JP3547288B2 (ja) | 1997-05-20 | 1997-05-20 | スペクトルのピーク判定方法 |
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JP12969197A JP3547288B2 (ja) | 1997-05-20 | 1997-05-20 | スペクトルのピーク判定方法 |
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Publication Number | Publication Date |
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JPH10318838A true JPH10318838A (ja) | 1998-12-04 |
JP3547288B2 JP3547288B2 (ja) | 2004-07-28 |
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Family Applications (1)
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JP12969197A Expired - Fee Related JP3547288B2 (ja) | 1997-05-20 | 1997-05-20 | スペクトルのピーク判定方法 |
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JP (1) | JP3547288B2 (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009218679A (ja) * | 2008-03-07 | 2009-09-24 | Nec Corp | 信号抽出装置および信号抽出方法 |
JP2014168442A (ja) * | 2013-03-05 | 2014-09-18 | Azbil Corp | 微生物検出装置及び微生物検出方法 |
CN113331864A (zh) * | 2020-02-18 | 2021-09-03 | 株式会社日立制作所 | 超声波诊断装置、方法以及程序存储介质 |
-
1997
- 1997-05-20 JP JP12969197A patent/JP3547288B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JP2014168442A (ja) * | 2013-03-05 | 2014-09-18 | Azbil Corp | 微生物検出装置及び微生物検出方法 |
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CN113331864B (zh) * | 2020-02-18 | 2024-04-26 | 富士胶片医疗健康株式会社 | 超声波诊断装置、方法以及程序存储介质 |
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---|---|
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