JP2001059549A - 丸ベルト - Google Patents

丸ベルト

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JP2001059549A
JP2001059549A JP11234451A JP23445199A JP2001059549A JP 2001059549 A JP2001059549 A JP 2001059549A JP 11234451 A JP11234451 A JP 11234451A JP 23445199 A JP23445199 A JP 23445199A JP 2001059549 A JP2001059549 A JP 2001059549A
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JP
Japan
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belt
round belt
isocyanate
elastomer
urethane
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JP11234451A
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English (en)
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Kazuyuki Kondo
一幸 近藤
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Mitsuboshi Belting Ltd
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Mitsuboshi Belting Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 プーリ間に掛架して駆動用或いは搬送用とし
て使用されるエラストマー製の丸ベルトにおいて、耐屈
曲性を改良して早期にベルトにクラックが入らなく、さ
らにゲート部やウェルド部で早期にベルトにクラックが
入らなく、さらにゲート部やウェルド部で早期にベルト
が切断しない丸ベルトを提供する。 【解決手段】 丸ベルト8を構成するエラストマーがウ
レタン製であり、前記ウレタン材料として少なくともソ
フトセグメントを構成するポリオールと、ハードセグメ
ントを構成する鎖延長剤及びイソシアネートを含んだ材
料を混練りしたペレットを使用し、上記ペレット中での
未反応のイソシアネート量をペレット重量に対して0.
1%以下とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は丸ベルトに係り、詳
しくは耐屈曲性を改良したエラストマー製の丸ベルトに
関する。
【0002】
【従来の技術】この種の丸ベルトは、駆動プーリと従動
プーリとに緊張状態で掛け渡され、電動モータの動力を
摩擦伝動により伝えるようになされている。この丸ベル
トは、駆動プーリの回転軸と従動プーリの回転軸とが直
交するクォーターターン掛けで使用されると、駆動プー
リ及び従動プーリに巻き付く直前で捻じれが生じる。図
5に拡大詳示するように、この捻じれた丸ベルトaは、
矢印b方向の捻じり力によって矢印c方向に自転しなが
らプーリdを下向き走行から上向き走行に向きを変えて
走行する。この場合、丸ベルトaとプーリdとの摩擦係
数が高過ぎると、丸ベルトaは矢印c方向には自転せず
に仮想線にて示すように矢印e方向にプーリdの丸溝f
を移動し、その結果、丸ベルトaに偏摩耗が発生してベ
ルト寿命が短くなるという問題がある。
【0003】そこで、例えば実開昭59−144245
号公報に開示されているように、丸ベルトの表面全体に
小突起や溝等を形成してベルト表面を粗面にすることに
より、丸ベルトとプーリとの摩擦係数を低減するように
した丸ベルトが提案されている。
【0004】また、最近では、材質面からの改良も試み
られており、熱可塑性ポリウレタンエラストマーで丸ベ
ルトを成形することにより、永久伸びや偏摩耗を低減さ
せるようにしているものもある。
【0005】ところで、この熱可塑性ポリウレタンエラ
ストマーを成形原料とする成形方法は射出成形等によっ
て成形されるのが一般的であるが、成形金型のキャビテ
ィ周りでその周方向180°反対の位置には、成形原料
をキャビティに供給するゲート部と、供給に伴いキャビ
ティ内のガスを押しやるウェルド樹脂溜め部とが形成さ
れているため、成形直後のリング状成形体には、上記ゲ
ート部及びウェルド樹脂溜め部とが形成されているた
め、成形直後のリング状成形体には、上記ゲート部及び
ウェルド樹脂溜め部に対応して固形樹脂が一体に形成さ
れており、これらは製品には不要なものであるので脱型
後に切断除去している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上述の如く
丸ベルトの表面を小突起等によって粗面にしても、この
小突起等はベルト走行中に摩耗して消失し、摩擦係数の
低減効果が無くなってしまうという問題がある。
【0007】また、単に材質を熱可塑性ポリウレタンエ
ラストマーに変更してみても、高負荷、長寿命の要求が
高まっている現状ではさらなる対策が望まれる。
【0008】さらに、成形直後にゲート部及びウェルド
樹脂溜め部に対応して一体に形成されている不要な固形
樹脂を脱型後に切断除去すると、これらのカット跡が丸
ベルトに残るが、これらのカット跡が丸ベルトの内周り
にある場合には、該内周りの曲率半径は外周りの曲率半
径に比べて小さいことから、クォーターターン掛けで使
用する場合に上記カット跡が丸ベルトの自転により駆動
プーリ又は従動プーリへの巻き掛け箇所で外周りに位置
した際、該カット跡の逆曲げの度合いが大きくなって大
きく伸ばされ、ベルト走行中においてカット跡に作用す
る繰り返し屈曲疲労が増大してクラックや切断が発生す
るおそれがある。
【0009】さらに、単に熱可塑性ポリウレタンエラス
トマーを成形原料として射出成形しただけでは、溶融粘
度が低くなりキャビティ−内での流動性が良く、ウェル
ドが出にくくなるというメリットは有るが、上記クラッ
クやゲート部やウェルド部での切断が早期に発生してい
た。
【0010】本発明はかかる点に鑑みてなされたもので
あり、その目的とするところは耐屈曲性を改良して早期
にベルトにクラックが入らなく、さらにゲート部やウェ
ルド部で早期にベルトが切断しない丸ベルトを提供する
ことにある。
【0011】
【課題を解決する為の手段】すなわち、本発明は、この
ような目的を達成するために請求項1としてはプーリ間
に掛架して駆動用或いは搬送用として使用されるエラス
トマー製の丸ベルトにおいて、前記エラストマーがウレ
タン製であり、少なくともポリオール、イソシアネー
ト、及び鎖延長剤からなるウレタンエラストマーで前記
丸ベルトの未反応イソシアネート量が製品重量に対して
0.02%以下である丸ベルトにある。
【0012】請求項1に記載の発明によると、前記エラ
ストマーがウレタン製であり、少なくともポリオール、
イソシアネート、及び鎖延長剤からなるウレタンエラス
トマーで前記丸ベルトの未反応イソシアネート量が製品
重量に対して0.02%以下であることから、曲げ応力
が高くなく、ベルトは伸び易くなることからベルトにク
ラックが入りにくくなる。
【0013】請求項2に記載の発明は、プーリ間に掛架
して駆動用或いは搬送用として使用されるエラストマー
製の丸ベルトにおいて、前記エラストマーがウレタン製
であり、前記ウレタン材料として少なくともソフトセグ
メントを構成するポリオールと、ハードセグメントを構
成する鎖延長剤及びイソシアネートを含んだ材料を混練
りしたペレットを使用し、上記ペレット中での残存イソ
シアネート量がペレット重量に対して0.1%以下であ
る丸ベルトにある。
【0014】請求項2に記載の発明によれば、前記エラ
ストマーがウレタン製であり、前記ウレタン材料として
少なくともソフトセグメントを構成するポリオールと、
ハードセグメントを構成する鎖延長剤及びイソシアネー
トを含んだ材料を混練りしたペレットを使用し、上記ペ
レット中での残存イソシアネート量がペレット重量に対
して0.1%以下である丸ベルトであることより、曲げ
応力が高くなく、ベルトは伸び易くなることからベルト
にクラックが入りにくくなる。さらに、ペレットの未反
応イソシアネート量を制限することから、丸ベルト製造
工程での管理も行ない易くなる。
【0015】請求項3記載の発明は、上記鎖延長剤がヒ
ドロキノンービス(β−ヒドロキシルエチル)エーテル
である丸ベルトにある。請求項3に記載の発明による
と、上記鎖延長剤としてヒドロキノンービス(β−ヒド
ロキシルエチル)エーテルを使用した丸ベルトであるこ
とから、永久伸びが小さくなりベルトが張力低下を起こ
さない。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。図2はローラコンベヤ1を示し、該ローラコンベ
ヤ1は、複数本(図では2本のみ現れる)の支柱2,
2,…に水平に支持された2本のフレーム3,3を備え
てなり、該両フレーム3,3間には、図示しない駆動モ
ータ4が平行に配置されているとともに、多数本のロー
ラ5,5,…が上記ラインシャフト4と直交するように
所定間隔をあけて回転自在に配置されている。
【0017】図1にも拡大詳示するように、上記ライン
シャフト4には、多数の駆動プーリ6,6,…が各ロー
ラ5の間隔に対応して遊嵌され、該各駆動プーリ6には
断面が略半円形の丸溝7aが形成され、該部分でもって
従動プーリ7を構成している。
【0018】また、上記各駆動プーリ6と各従動プーリ
7には、本発明の実施例に係る断面が円形の丸ベルト8
が巻き掛けられ、上記各駆動プ―リ6は丸ベルト8の張
力により各従動プーリ7側に引っ張られて上記ラインシ
ャフト4に押し付けられ、この押し付けにより発生する
摩擦力によって上記ラインシャフト4の回転を各駆動プ
ーリ6に伝えるようになされている。
【0019】そして、上記ラインシャフト4と各ローラ
5とが直交することから、駆動プーリ6と従動プーリ7
とに巻き掛けられている丸ベルト8は、クォーターター
ン掛けになっていて駆動プーリ6及び従動プーリ7に巻
き付く直前で捻じれが生じている。従って捻じれた状態
で駆動プーリ6及び従動プーリ7に巻き付いた丸ベルト
8は、図5矢印b方向の捻じり力によって図5矢印c方
向に自転しながら駆動プーリ6及び従動プーリ7を上下
方向に向きを変えながら走行する。
【0020】従って、上記のようなクォーターターン掛
けをした丸ベルトは捻じりが発生することから、ベルト
の長手方向のみならず直径方向にも力が掛かるので、2
つのプーリ間に通常に掛け渡した使用方法と比較すれば
クラックが発生し易くなる。
【0021】本発明においては、上記のようにクォータ
ーターン掛けであってもベルトにクラックが発生しにく
くするように丸ベルトの材料を限定するものである。
【0022】本発明の特徴として、上記丸ベルト8は、
熱可塑性ポリウレタンエラストマーを主原料とし、少な
くともポリオール、イソシアネート、及び鎖延長剤から
なるウレタンエラストマーで前記丸ベルトの未反応イソ
シアネート量が製品重量に対して0.02%以下であ
る。
【0023】そして、本発明で使用されるポリオールと
しては、ポリエチレンアジペートエステルポリオール、
ポリエチレンブチレンアジペートエステルポリオール、
カプロラクトンエステルポリオールなどのポリエステル
ポリオールやポリオキシテトラメチレングリコールなど
のポリエーテルポリオール、ポリカーボネイトポリオー
ル等が使用される。
【0024】また、本発明で使用されるイソシアネート
としては、例えば、1,4−テトラメチレンジイソシア
ネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、リ
ジンジイソシアネートなどの脂肪族系ジイソシアネート
や、イソホロンジイソシアネート、水添キシリレンジシ
ソシアネート、水添4,4´−ジフェニルメタンジシソ
シアネートなどの脂環状系ジイソシアネートや、キシリ
レンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、
4,4´−ジフェニルメタンジイソシアネート、トリジ
ンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネー
ト、1,5−ナフタレンジイソシアネートなどの芳香族
系ジイソシアネートを用いることができる。
【0025】さらに、本発明で使用される鎖延長剤とし
ては、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、
2,3−ブタンジオール、1,1,1−トリメチロール
プロパン、ヒドロキノン−ビス(β−ヒドロキシルエチ
ル)エーテル等が用いられるが、丸ベルトとして永久伸
びを小さくし張力低下を防ぐ為にはヒドロキノン−ビス
(β−ヒドロキシルエチル)エーテルを用いるのが好ま
しい。
【0026】鎖延長剤にヒドロキノン―ビス(β―ヒド
ロキシエチル)エーテルを使用した熱可塑性ポリウレタ
ンは、前記ヒドロキノン―ビス(β―ヒドロキシエチ
ル)エーテルが化1のように安定なエーテル結合と2個
の反応性水酸基を有することによって、架橋密度が高く
なりハードセグメントの結晶性が強くなる。このことか
ら上記ヒドロキノン―ビス(β―ヒドロキシエチル)エ
ーテルを使用した熱可塑性ポリウレタンは耐熱変形が良
好で、反発弾性が大きい、永久伸びが小さい等の特長が
ある。
【0027】
【化1】
【0028】しかし、上記ヒドロキノン―ビス(β―ヒ
ドロキシエチル)エーテルを使用した熱可塑性ポリウレ
タンは、残存イソシアネート量が多く、分子量が小さい
ものはハードセグメントの結晶性がより強くなる。ま
た、キャビティー内での流動性が悪くなり、ウェルドが
出やすくなる。残存イソシアネート量が多いものは硬さ
が高くなり、モジュラスが高くなる傾向があるので、残
存イソシアネートの量を制限することによって、永久伸
びを小さくしたままで、ハードセグメントの適正な結晶
性を保つことができる。
【0029】本発明では、少なくともこれらのイソシア
ネート、鎖延長剤、ポリオールを混合して120〜25
0°Cの範囲に温度調節した二軸押出機で溶融混練して
ペレット化する。上記ペレット中での未反応イソシアネ
ート量をペレット重量に対して0.1%以下として未反
応イソシアネート量を管理することもできる。
【0030】ペレット中での未反応イソシアネート量を
管理することによって、ベルトの曲げ応力が高くなく、
ベルトが伸び易くなり、ベルトにクラックが入りにくく
なり、さらに一定の物性を有する丸ベルトを製造するこ
とができる。
【0031】本発明における未反応イソシアネートの測
定方法としては、赤外線吸光度測定方法を用い、 吸光度比=イソシアネート基の吸光度/フェニル基 上記算出式で吸光度を算出して被測定物の全体に占める
イソシアネート基の割合から未反応のイソシアネートの
量を求めることができる。この測定方法は、ペレット状
でも丸ベルトの製品状のどちらであっても同様に測定で
きる。
【0032】
【実施例】実施例としてポリオールとしてポリエチレン
−ブチレン−アジペート(PEBA)を100重量部、
イソシアネートとして1,4−テトラメチレンジイソシ
アネート(MDI)を37重量部、さらに鎖延長剤とし
てヒドロキノン−ビス(β−ヒドロキシルエチル)エー
テルを17重量部混合してタンブラーでドライブレンド
したものを、二軸押出機(池貝鉄鋼社製、PCM45)
の原料供給ホッパーより供給し、230°C、100r
pmで混練して押し出しペレット化した。実施例1とし
ては未反応のイソシアネート量が0.06%のペレット
を用い、実施例2としては未反応のイソシアネート量が
0.03%のペレットを用いた。上記ペレットを用いて
丸ベルトを製造した。未反応イソシアネートの測定方法
としては、赤外線吸光度測定方法を用い、 吸光度比=イソシアネート基の吸光度/フェニル基の吸
光度 で求められる吸光度比を算出して被測定物の全体に占め
るイソシアネート基の割合から未反応のイソシアネート
の重量%を求めた。
【0033】次に、図3及び図4に示すような成形金型
9を用意した。該成形金型9は、各々断面が半円形をな
す固定側型10と移動側型11とで構成され、型締め状
態でこの固定側型10と移動側型11との間に丸ベルト
8の形状に対応する断面が円形でリング状のキャビティ
12を形成している。また、このキャビティ12の外周
りで成形金型9中心に近い位置には、図示しない射出成
形機に接続され該射出成形機により射出された熱可塑性
ポリウレタンエラストマーを上記キャビティ12に供給
するフィルムゲート部13が形成され、その180°反
対の位置には、熱可塑性ポリウレタンエラストマーの供
給に伴い上記キャビティ12内のガスを押しやるウェル
ド樹脂溜め部14が形成され、該ウェルド樹脂溜め部1
4とキャビティ12との間にはフィルム状連結部15が
介設されている。したがって、射出成形機により射出さ
れた熱可塑性ポリウレタンエラストマーはは、金型中心
のスプルーからランナーを通り、ゲート部13を経てキ
ャビティ12に供給され、ゲート部13より2方向に分
かれてキャビティ12内のエアを金型割面等より型の外
に追い出しながらキャビティ12を充填していき、ウェ
ルド部で合流して連結部15を経てウェルド樹脂溜め部
14に合体部を形成するようになっている。なお、上記
ゲート部13及び連結部15をフィルム状にするのは、
成形後の切断がしやすく、また、応力集中が点ゲートの
ようには起こりにくいからである。
【0034】そして、製造に当たっては、まず、熱可塑
性ポリウレタンエラストマーのペレット中で未反応のイ
ソシアネート量がペレット重量に対して0.06%のペ
レットと0.03%のペレットを選んだ。
【0035】次に、上記選ばれたペレットを射出成形機
からゲート13を経てキャビティ12に射出してリング
状成形体を成形する。このリング状成形体には、スプル
ー、ランナー、ゲート部13、連結部15及びウェルド
樹脂溜め部14の樹脂が一体となって形成されている。
【0036】次いで、上記成形金型9を型開きして上記
リング状成形体を脱型し、上記ゲート部13及び連結部
15をリングの外周とほぼ同じ曲率を有する刃物(ニッ
パ等)で切断除去して丸ベルト8を得た。
【0037】 得られた丸ベルトのサイズは、直径が
5.5mmで外周長が349mmのものであった。
【0038】さらに、比較例1としてペレットの未反応
イソシアネート量が0.16%のペレットを使用し実施
例と同様の製造方法で同じサイズの丸ベルトを製造し
た。次に、比較例2としてポリオールとしてはPEBA
を用い、イソシアネートとしてはMDIを使用し、鎖延
長剤としては1,4−ブタンジオールを使用した。ペレ
ット中の未反応イソシアネートの量としては1.6%の
ものを使用した。比較例2のベルトの製造方法は実施例
と同様とし、ベルトサイズも実施例と同じサイズとし
た。
【0039】次に、実施例1のベルトと比較例1のベル
トでDSC測定(示差走査熱量測定)を行なった。この
測定は、窒素気流下で加熱速度20°C/分、測定温度
範囲が0〜300°C迄で測定したチャートである。イ
ソシアネート基によるピーク熱量と未反応のイソシアネ
ート量とは相関関係にあると思われる。その結果を表1
に示す。
【0040】次に、実施例と比較例のベルトで永久伸び
の測定を行なった。試験方法としては、伸張率を10%
にして150時間放置したときのベルトの伸び率を測定
した。その結果を表1に示す。
【0041】さらに、実施例と比較例のベルトで走行試
験を行なった。試験条件としては、2軸走行試験機にお
いて駆動側プーリ径と従動側プーリ径とをともにφ30
mmとし、ベルトに張力を与えて伸張率を10%とし
た。さらに、ベルト速度としては2m/secの速度を
与え無負荷で600時間走行させた。その結果を表1に
示す。
【0042】
【表1】
【0043】表1より、ベルト状態での未反応イソシア
ネートの量が増えるとDSC測定でのイソシアネート基
によるピーク熱量も増えることがわかる。
【0044】さらに表1より実施例は走行試験において
も特に異常無く600時間走行することができ、永久伸
びも大きくないことから張力低下も起こさなかった。
【0045】
【発明の効果】以上のように本発明の請求項1では、エ
ラストマーがウレタン製であり、少なくともポリオー
ル、イソシアネート、及び鎖延長剤からなるウレタンエ
ラストマーで前記丸ベルトの未反応イソシアネート量が
製品重量に対して0.02%以下であることから、曲げ
応力が高くなく、ベルトは伸び易くなることからベルト
にクラックが入りにくくなるという効果が有る。
【0046】請求項2記載の発明では前記エラストマー
がウレタン製であり、前記ウレタン材料として少なくと
もソフトセグメントを構成するポリオールと、ハードセ
グメントを構成する鎖延長剤及びイソシアネートを含ん
だ材料を混練りしたペレットを使用し、上記ペレット中
での残存イソシアネート量がペレット重量に対して0.
1%以下である丸ベルトであることより、曲げ応力が高
くなく、ベルトは伸び易くなることからベルトにクラッ
クが入りにくくなるという効果が有る。さらに、ペレッ
トの未反応イソシアネート量を制限することから、丸ベ
ルト製造工程での管理も行ない易くなる。
【0047】請求項3記載の発明では、上記鎖延長剤と
してヒドロキノン−ビス(β−ヒドロキシルエチル)エ
ーテルを使用した丸ベルトであることから、永久伸びが
小さくなりベルトが張力低下を起こさないという効果が
有る。
【図面の簡単な説明】
【図1】ローラコンベヤにおいて丸ベルトがクォータタ
ーン掛けされた駆動プーリと従動プーリとの配置図であ
る。
【図2】ローラコンベヤの斜視図である。
【図3】成形金型の移動側型を示す平面図である。
【図4】成形金型の縦面図である。
【図5】丸ベルトの偏摩耗の発生メカニズムを説明する
説明図である。
【図6】本発明の丸ベルトの要部断面図である。
【符号の説明】
8 丸ベルト 9 成形金型 12 キャビティ 13 ゲート部 14 ウェルド樹脂溜め部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 75:04 Fターム(参考) 3F024 AA04 AA11 BA04 CA06 CA08 4F071 AA53 AH17 BA01 BB05 BC02 BC06 BC07 4J034 BA05 BA08 CA01 CB03 CB04 CB08 CC02 CC03 CC12 DA01 DB04 DB05 DC02 DF01 DF02 DG02 FD03 HA07 HA08 HC03 HC22 HC45 HC46 HC52 HC53 HC61 HC64 HC71 HC73 JA32

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プーリ間に掛架して駆動用或いは搬送用
    として使用されるエラストマー製の丸ベルトにおいて、 前記エラストマーがウレタン製であり、少なくともポリ
    オール、イソシアネート、及び鎖延長剤からなるウレタ
    ンエラストマーで前記丸ベルトの未反応イソシアネート
    量が製品重量に対して0.02%以下であることを特徴
    とする丸ベルト。
  2. 【請求項2】 プーリ間に掛架して駆動用或いは搬送用
    として使用されるエラストマー製の丸ベルトにおいて、
    前記エラストマーがウレタン製であり、前記ウレタン材
    料として少なくともソフトセグメントを構成するポリオ
    ールと、ハードセグメントを構成する鎖延長剤及びイソ
    シアネートを含んだ材料を混練りしたペレットを使用
    し、上記ペレット中での残存イソシアネート量がペレッ
    ト重量に対して0.1%以下であることを特徴とする丸
    ベルト。
  3. 【請求項3】 上記鎖延長剤がヒドロキノン−ビス(β
    −ヒドロキシルエチル)エーテルである請求項1又は2
    に記載の丸ベルト。
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