JP2001058952A - ペピノ抽出物を含有する血中アルコール濃度低下用組成物及びその製造方法 - Google Patents

ペピノ抽出物を含有する血中アルコール濃度低下用組成物及びその製造方法

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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】血中アルコールの低下能力に優れ、かつ簡単な
工程により製造可能な組成物及びその製造方法の提供。 【解決手段】ペピノ(pepino)の葉、茎及び果実の抽出
物を有効成分とする血中アルコール濃度低下用組成物。
さらにペピノの葉及び茎の抽出物と甘草とを混合してか
ら濃縮することにより得られる上記の組成物。ペピノの
葉及び茎の水またはアルコール抽出物と甘草とを混合
し、濃縮して得られる濃縮物と、ペピノの果実の水また
はアルコール抽出物とを一定割合で混合する段階を含む
上記組成物の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、果菜類の一種であ
るペピノ(pepino)の葉、茎及び果実の抽出物を有効成
分とする血中アルコール濃度低下用組成物及びその製造
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、多くの人々が、社会活動の一環と
して、あるいは募るストレスを解消する手段として、多
量の酒類を摂取する。多量飲酒後には頭痛、全身倦怠
感、疲労感,腹部の膨満感,吐き気などの症状を呈する
二日酔現象を起こすようになる。人体に吸収されたアル
コールは、胃腸または小腸に吸収され、血管を通過して
肝臓に送達されて、アルコール脱水素酵素によりアセト
アルデヒドへと酸化され、最終的には炭酸ガスと水に分
解される。二日酔現象は、このアルコール代謝過程にお
けるアセトアルデヒドの毒作用によって代謝過程に障害
が生じることにより起こる。この二日酔現象を解消すべ
く、血中アルコール濃度を低下させるための多くの製品
が開発されてきている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし従来の製品は、
二日酔の解消において顕著な効果がなく、また血中アル
コール濃度を実質的に低下させる能力についても現在の
ところ立証がなされていない。
【0004】
【発明の目的】本発明は上記従来の問題点を解決するた
めに案出されたものであって、本発明の目的は、血中ア
ルコール濃度の低下能力に優れ、かつ簡単な工程により
製造可能な組成物及びその製造方法を提供することにあ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、ペピノ(pepi
no)の葉、茎及び果実の抽出物を有効成分とする血中ア
ルコール濃度低下用の組成物を提供することを特徴とす
る。
【0006】さらに、本発明はペピノの葉及び茎を水あ
るいはアルコールで抽出して、甘草と混合して濃縮して
から、その濃縮液をペピノ果実抽出物と混合濃縮する段
階を含む血中アルコール濃度低下用の組成物の製造方法
の提供を特徴とする。
【0007】本発明の血中アルコール濃度低下用の組成
物は各種の飲料物,食品及び薬品に使用されうることを
特徴とする。
【0008】ペピノの原産地は南米であって、葉の形態
はピーマンと類似している。花はナスの花と似ており、
実は短いナス状を呈し、大きさは約200〜300gで
あり、肉質はスイカに類似の多汁質である。ペピノの果
実は一般に果物として摂取されている。葉は苦味が強い
ことから食されていなかった。
【0009】本発明は、このペピノの果実、葉および茎
を利用したものであって、ペピノの葉と茎の抽出物20
リットルに30gの甘草を添加して濃縮させた濃縮物6
0〜70重量%と果実抽出物30〜40重量%とからな
る血中アルコール濃度低下用組成物であることを特徴と
している。
【0010】ペピノの果実抽出物が40重量%を超す
と、血中アルコール濃度を低下させる効果は上昇する
が、糖度が高くなり、消化作用に問題が発生する。30
重量%以下の場合には、血中アルコール濃度を低下させ
る効果が減少する。
【0011】ペピノの葉及び茎が70重量%を超すと、
血中アルコール濃度を低下させる効果が減少し、60重
量%以下であれば、消化作用に問題が生じる。ペピノの
葉及び茎は、88.80%の水分、2.92%の食物繊
維及びその他の成分とからなり、その食物繊維が消化を
助けるものとみなされている。
【0012】本発明の組成物がどのような作用機構によ
って血中アルコール濃度低下効果を奏するのかについて
はいまだに知られていないが、ペピノの葉及び果実のア
ミノ酸成分の分析結果を示す下記表1及び表2を鑑み
て、豊富なアスパラギン酸成分によるものと推測され
る。
【0013】
【表1】
【0014】
【表2】
【0015】さらに、本発明は1)ペピノの葉及び茎を
水またはアルコールで抽出して抽出物を得、2)この抽
出物20リットルと甘草30gを混合してから、濃縮さ
せ、濃縮物を得、3)ペピノ果実を水またはアルコール
で抽出して抽出物を得、4)段階2)の濃縮物の60〜7
0重量%と、段階3)の抽出物の30〜40重量%とを
混合させる段階を含む血中アルコール濃度低下用組成物
の製造方法であることを特徴としている。
【0016】上記において、抽出方法及び濃縮方法は、
当技術分野における周知の方法により実施可能である。
葉及び茎の抽出物と甘草の配合割合が上記範囲の外にな
ると、苦味及び甘味の調和が狂う。段階2)の濃縮物と
段階3)の抽出物の配合範囲を外れれば、本発明の組成
物について上述したような問題が生じる。
【0017】本発明による組成物は、二日酔を解消する
ための飲料物、アルコール中毒を解消するための薬品、
及び、葉と茎に豊富な食物繊維を利用したダイエット食
品として利用されうる。たとえば、本発明の組成物をダ
イエット食品に使用するためには、上記段階2)の濃縮
物を80〜90重量%に増やし、段階3)の抽出物を10
〜20重量%に減少させて混合して使用しうる。この場
合、ペピノの葉及び茎に豊富な食物繊維の機作により、
ダイエットに有用な食品として提供できる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施例に沿って詳
細に説明し、実施例に沿って製造された本発明の組成物
に関する急性毒性の試験結果、抗酸化作用の測定の結果
及び血中アルコール濃度低下効果の測定試験の結果を実
験例として記述する。
【0019】ペピノの葉及び茎を洗浄してから、水気を
切ってみじん切りにし、10〜70%のエタノールを用
いて30℃〜80℃で1時間乃至10時間、抽出器で抽
出して抽出物を得た。この抽出物の20リットルと甘草
粉末30gとを混合して通常の方法で濃縮して濃縮物を
得た。別途にペピノ果実も、葉及び茎の抽出と同様の方
法により抽出して抽出物を得た。葉と茎及び甘草の濃縮
物の65重量%と果実抽出物35重量%とを混合して本発
明の組成物を得た。このように製造された本発明の組成
物に関する実施例は次のとおりである。
【0020】実施例1 急性毒性試験(LD50) 生後8週の雄ラット10匹を一群として、本発明の組成
物を0.8,1.6,3.2,6.48g/kg b.w.の用量で
1回経口投与した。一週間後の死亡ラット数及び肉眼上
での異状の有無について観察した結果、LD50は6.48g
/kg以上であり、肉眼上では異状が認められなかっ
た。その結果を下記表3に示す。
【0021】
【表3】 * 用量:g/kg *( ):死亡ラット数/本発明での処理ラット数
【0022】実施例2. 抗酸化作用測定(試験管内の
実験) ラットの肝臓における脂質過酸化の阻害作用を測定し
た。体重15〜25gの雄ラットの肝臓を採取し、1g
当たり10mlの0.9%生理食塩水を加え、2分間にわ
たって均質化を行った。この肝均質物(ホモジェネー
ト)0.3mlと検液0.1mlとを混合し、37.5℃の
恒温槽で5時間反応させた。 TBA指示薬は、2−チオパ
ルビツル酸とソディウムドデシルサルフェート(SDS)
を、7.5%酢酸緩衝液(pH4.0)にそれぞれ0.3%,
0.4%となるように溶かして使用した。本発明の組成物
は0.4、4、40mg/ml濃度で使用した。供試験群と対
照群の実験をともに実行し、下記の数式によって抑制効
果を算出した。 各検液に対する阻害率を求めてIC50を求めた。その結果
を表4に示す。
【0023】
【表4】 *TBA値:肝組織1グラムあたりのA535の含湿重
量 上記でわかるように、本発明の組成物は用量依存的に抗
酸化活性が観察され、最高55.8%まで脂質過酸化活性を
抑制するものと示された。
【0024】実施例3.抗酸化作用の測定(インビボ実
験) 体重15〜25gの雄ラットを24時間にわたって絶食させた
後、一定の期間、本発明の組成物を0.5、1、2、4g/kg
b.w.用量で経口投与して、最後に試料を投与してか
ら、8時間にわたって絶食させた後、アルコールを0.52
ml/40g b.w.ずつ経口投与した。 24時間後にラッ
トの肝臓を採取し、実施例2と同様の方法で生体内での
抗酸化活性を測定した。その結果は表5及び図1のとお
りである。
【0025】
【表5】 上記表5及び図1でわかるように、本発明の組成物は、
アルコールによる生体内での過酸化脂質の生成を用量依
存的に抑制し、最高31.0%まで抑制した。
【0026】実施例4. 血中アルコール濃度低下効果の
測定 体重150〜200gの雄ラットを24時間にわたって絶食させ
てから、本発明の組成物を2,3,4g/kg用量で経口投与
して、1時間後にエタノール(2.4,3g/Kg b.w.30%w
/v 水)を経口投与した。エタノール投与後、0.5、1、
2、4、6、8時間時点で尾部の静脈から血液を採取した。
24時間にわたって絶食させた対照群のラットには、本発
明の組成物の代わりに水を飲ませた1時間後にエタノー
ルを投与して血液を採取した。血液からタンパク質を除
去するため、血液0.5mlに0.33Mの氷冷過塩素酸の4
mlを加えて混合した後、遠心分離してその上澄液を回
収した。上澄液を凍結させた後、−70℃で保管して評価
キット(ベーリンガーマンハイム社)を用いてエタノー
ル濃度を測定した。その結果は表6及び図2,3のとおり
である。
【0027】
【表6】 a)血中アルコール濃度(g/kg).6〜8頭の平均値±SE * p<0.05 ** p<0.01 上記表6及び図2,3からわかるように、血中アルコー
ル濃度は本発明の組成物を投与した群において、対照群
に比べて顕著な減少を示した。その抗酸化効果は用量依
存的であり、最高31.0%まで脂質過酸化活性を抑制
するものと示された。ラットの体重kg当たり3gの本
発明の組成物を投与する際、最高70%の血中アルコー
ル濃度の減少効果を奏していた。この減少現象はすべて
の用量において、アルコール投与の1時間後からはっき
り表われた。さらに、アルコールの投与量によっても、
投与アルコールの用量に反比例して血中アルコール濃度
の減少効果を奏した。すなわち、本発明組成物の投与量
3g/kgでアルコール投与量を2.4g/kgとした
とき、血中アルコール濃度の低下効果は3g/kgを投
与したときより、すべての測定時点で約2倍さらに高か
った。
【0028】
【発明の効果】上述のように、本発明の組成物は急性毒
性がないうえ、肝臓での抗酸化活性を有し、さらに、血
中アルコール濃度の低下効果にも優れ、多様な製品、た
とえば食品、医薬品などに用いられる有用な発明であ
る。
【0029】本発明は実施例に沿って詳細に説明した
が、当業者は多様な変化及び変形をなし得る。このよう
な変形及び変化も本発明の範囲内にあると理解されるべ
きである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明組成物の体内における抗酸化作用を示す
グラフである。
【図2】本発明組成物による血中アルコール低下効果を
示すグラフである。
【図3】本発明組成物による血中アルコール低下効果を
示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A23L 2/52 A23L 2/02 Z 2/02 A61P 39/06 A61P 39/06 43/00 43/00 A23L 2/00 F (71)出願人 500317936 29−4,Samsan−ri,Joma− myeon,Kimcheon−si,K yungsangbuk−do,Kore a

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ペピノの葉、茎及び果実の抽出物を有効成
    分とする血中アルコール濃度低下用組成物。
  2. 【請求項2】ペピノの葉及び茎の抽出物と甘草とを混合
    してから濃縮することを特徴とする請求頂1に記載の組
    成物。
  3. 【請求項3】ペピノの葉及び茎と甘草の混合物の抽出物
    を60〜70重量%、及びペピノの果実抽出物を30〜
    40重量%含むことを特徴とする請求項1または2に記
    載の組成物.
  4. 【請求項4】ダイエット食品、飲料または薬品として使
    用される請求項1に記載の組成物。
  5. 【請求項5】ペピノの葉及び茎と甘草の混合物の抽出物
    を80〜90重量%、及びペピノの果実抽出物を10〜
    20重量%含むことを特徴とする請求項4に記載の組成
    物。
  6. 【請求項6】1)ペピノの葉及び茎を水またはアルコー
    ルで抽出して抽出物を得、 2)その抽出物20リット
    ルと甘草30gとを混合、濃縮して濃縮物を得、3)ペ
    ピノの果実を水またはアルコールで抽出して抽出物を
    得、4)段階2)の濃縮物を60〜70重量%、段階
    3)の抽出物を30〜40重量%の割合で混合する段階
    を含むことを特徴とする、血中アルコール濃度低下用組
    成物の製造方法。
JP2000204280A 1999-07-05 2000-07-05 ペピノ抽出物を含有する血中アルコール濃度低下用組成物及びその製造方法 Expired - Fee Related JP3297673B2 (ja)

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