JP2001056401A - 導電性反射防止膜 - Google Patents

導電性反射防止膜

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JP2001056401A
JP2001056401A JP11230863A JP23086399A JP2001056401A JP 2001056401 A JP2001056401 A JP 2001056401A JP 11230863 A JP11230863 A JP 11230863A JP 23086399 A JP23086399 A JP 23086399A JP 2001056401 A JP2001056401 A JP 2001056401A
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English (en)
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Toshimasa Kanai
敏正 金井
Tsutomu Imamura
努 今村
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Nippon Electric Glass Co Ltd
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Nippon Electric Glass Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 膜総数が2層であっても、反射光の低減、コ
ントラストの向上、帯電防止、電磁波遮蔽に優れ、陰極
線管の輝度が低下したり、映像が二重に見えることのな
い導電性反射防止膜を提供する。 【解決手段】 本発明の導電性反射防止膜は、基体上に
形成される2つの層を含み、基体側から順に第1の層、
第2の層と呼ぶとき、第1の層は、可視光の屈折率が
1.2〜2.5であり、かつ可視光の吸収係数が0.0
5〜1.0の導電性を有する着色層であって70〜20
0nmの幾何学的厚みを有し、第2の層は、可視光の屈
折率が1.4〜1.6であって60〜150nmの幾何
学的厚みを有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、導電性反射防止膜に関
し、特に陰極線管用ガラスパネルの前面に形成するのに
適した導電性反射防止膜に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、陰極線管の表示面であるパネ
ル前面には、反射光の低減やコントラストの向上が要求
されており、最近では、帯電防止や、さらに人体や精密
機器に悪影響を及ぼす可能性のある電磁波を遮蔽するこ
とも求められるようになってきている。
【0003】そのため、陰極線管のパネル前面に各種の
多層膜を形成することによって、陰極線管に、反射光の
低減、コントラストの向上、帯電防止及び電磁波遮蔽の
機能を付与することが試みられており、これらの特性を
満足させる導電性反射防止膜として、例えば、特表平6
−510382号公報には、基体側から順に、NbNを
含む層、TiO2を含む層、SiO2を含む層からなる導
電性反射防止膜が提案されている。
【0004】また、特開平9−156964号公報に
は、基体側から順に、Ti、Zr及びHfから選ばれた
金属の酸化物を主成分とする層、SiO2層からなる導
電性反射防止膜が提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特表平
6−510382号公報や特開平9−156964号に
開示された導電性反射防止膜は、導電層がNbNやTi
N等の着色膜で、可視光の屈折率が、それぞれ1.3〜
1.8、2.5〜3.7であり、また可視光の吸収係数
がそれぞれ1.4〜2.4、2.1〜3.1であり、強
い光吸収性を有している。これらの膜を用い、コントラ
ストを向上させるために透過率が50%程度の膜を成膜
する場合、着色膜はそれぞれ、25nm、8nm程度の
幾何学的厚みが必要になる。このときのNbN膜やTi
N膜の抵抗値は十分に低く、SiO 2を含む層等を積層
し多層膜にして干渉作用により、表面反射率は十分に小
さいものになるが、強い光吸収性の着色膜を使用したた
めに、結果として導電性反射防止膜の裏面反射率が大き
くなる。このような導電性反射防止膜を光透過率の高い
ガラスからなる陰極線管用ガラスパネル上に形成する
と、陰極線管内面の蛍光体の光が導電性反射防止膜の裏
面で反射され、再び陰極線管内面で反射されるので、陰
極線管の表面には蛍光体からの直接光による映像と、反
射光による位置がずれた映像とが同時に映し出され、映
像が二重に見えるという欠点を有している。
【0006】本発明の目的は、膜総数が2層であって
も、反射光の低減、コントラストの向上、帯電防止及び
電磁波遮蔽について優れた能力を有し、しかも、光透過
率の高いガラスからなる陰極線管用ガラスパネル上に形
成しても、画像が二重に見えることがない導電性反射防
止膜を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の導電性反射防止
膜は、基体上に形成される2つの層を含み、基体側から
順に第1の層、第2の層と呼ぶとき、第1の層は、可視
光の屈折率が1.2〜2.5であり、かつ可視光の吸収
係数が0.05〜1.0の導電性を有する着色層であっ
て70〜200nmの幾何学的厚みを有し、第2の層
は、可視光の屈折率が1.4〜1.6であって60〜1
50nmの幾何学的厚みを有することを特徴とするもの
であり、第1の層が遷移金属、遷移金属化合物、遷移金
属微粒子、および遷移金属化合物微粒子から選ばれる少
なくとも1種が主成分となる層であることが好ましい。
【0008】本発明において吸収係数とは、物体を透過
する前後の光強度の対数比を意味している。記号を用い
て説明すると、物体に吸収される吸収光の放射束をa、
物体に入射する入射光の放射束をi、物体表面で反射さ
れる反射光の放射束をr、物体を透過する透過光の放射
束をtとするとき、a=i−r−tという式が成り立
つ。Lambert−Bouguerの法則により、入
射光の放射束iに対する透過光の放射束tの比の対数
は、物体を透過する光の透過距離xに比例するので、l
n(t/i)=−kxの関係が成り立つ。このときの比
例係数kを吸収係数という。基板上に薄膜を形成した場
合、薄膜の表面の反射と、基板と薄膜との界面での反射
とが生じ、これら二つの反射光が干渉するため、吸収係
数kは薄膜の反射率にも影響する。この吸収係数kが
0.05未満であると、薄膜の厚さxが同じ場合、入射
光の放射束iに対して透過光の放射束tが大きくなり着
色性が弱く、コントラストが悪くなる。一方、1.0を
越えると入射光の放射束iに対して透過光の放射束tが
小さくなり着色性が強すぎて薄膜の裏面反射率が大きく
なり、光透過率の高いガラスからなる陰極線管用ガラス
パネル上に薄膜を形成すると、陰極線管に映し出された
映像が二重に見えることになる。本発明の導電性反射防
止膜は、導電性を有する着色層である第1の層の可視光
における吸収係数kが0.05〜1.0であることが重
要である。
【0009】また、本発明において幾何学的厚みとは、
λ/4等の光学的厚みと区別するもので、波長に依存し
ない厚みを意味するものである。
【0010】さらに、本発明の導電性反射防止膜は、第
2の層が、SiO2からなる層であることを特徴とす
る。
【0011】
【作用】本発明において、最も基体側に形成される、第
1の層は、70〜200nmの幾何学的厚みを有する屈
折率が1.2〜2.5、可視光の吸収係数が0.05〜
1.0の導電性を有する光吸収性の低い着色層であり、
膜と基体との密着強度を向上させると共に、第2層との
干渉効果により表面反射光の低減、裏面反射光の低減を
付与する作用を有している。また、第1の層としては、
成膜性、生産コスト等を考慮すると、遷移金属、遷移金
属化合物、遷移金属微粒子、および遷移金属化合物微粒
子から選ばれる少なくとも1種が主成分となる層である
ことが好ましく、70nm以上と厚く成膜するため低い
抵抗値が得られる。
【0012】また、第2の層は、60〜150nmの幾
何学的厚みを有する可視光の屈折率が1.4〜1.6の
透明層で、第1の層との干渉効果により表面反射光の低
減および裏面反射光の低減に作用を有している。成膜
性、生産コスト等を考慮すると、SiO2からなる層で
あることが好ましい。
【0013】このような第1、第2の膜層からなる本発
明の導電性反射防止膜は、光吸収率の低い着色導電膜で
あり、またNbNやTiNの光吸収率の高い膜を使用し
ないため、光透過率の高いガラスからなる陰極線管用ガ
ラスパネル上に形成しても、画像が二重に見えることが
ない。
【0014】尚、各膜層の屈折率、吸収係数及び膜厚
は、反射低減、帯電防止、電磁波遮蔽の各特性を考慮し
て限定したものであり、屈折率、吸収係数及び膜厚が上
記の範囲外になると、これらの特性が不十分となりやす
いため、好ましくない。
【0015】本発明においては、上記したような第1、
第2の層以外にも、必要に応じて膜の密着性を向上させ
たり、色調を調整する目的で、付加的な薄膜の層を適宜
設けることも可能である。
【0016】本発明の導電性反射防止膜の成膜方法とし
ては、一般的な薄膜形成手段が使用できる。例えばスパ
ッタリング法、真空蒸着法、CVD法、スピンコート
法、ゾルゲル法等が適用可能である。
【0017】
【実施例】以下、本発明の導電性反射防止膜を実施例に
基づいて詳細に説明する。
【0018】表1は、実施例と比較例1、2の導電性反
射防止膜の膜構成を示し、表2は、実施例の導電性反射
防止膜を構成するTi及びCuが主成分となる第1の層
である導電性着色膜の可視光の波長域における屈折率と
吸収係数を示し、表3は、比較例1の第1の層であるT
iNからなる着色導電膜の各波長における屈折率と吸収
係数を示し、表4は、比較例2の第1の層であるNbN
からなる着色導電膜の各波長における屈折率と吸収係数
を示すものである。また、図1は、実施例の可視光の波
長における表面反射率と裏面反射率を示し、図2、3
は、比較例1、2の表面反射率と裏面反射率を各々示す
ものであり。図4は、実施例の可視光の波長における透
過率を示し、図5、6は、比較例1、2の透過率を各々
示すものである。
【0019】
【表1】実施例及び比較例の導電性反射防止膜の膜構成
【0020】
【表2】実施例のTi+Cuの金属微粒子からなる第1
の層の可視光の各波長における屈折率と吸収係数
【0021】
【表3】比較例1のTiNからなる第1の層の可視光の
各波長における屈折率と吸収係数
【0022】
【表4】比較例2のNbNからなる第1の層の可視光の
各波長における屈折率と吸収係数
【0023】その結果、図4〜図6に示すように、実施
例の導電性反射防止膜と、比較例1、2の膜の透過率は
共に50%程度であり、コントラストに関しては同等で
あるが、実施例の導電性反射防止膜は、表2に示すよう
に、着色層としてTi+Cuの金属微粒子からなる第1
層の吸収係数が0.3〜0.6であり、図1に示すよう
に、裏面反射率が2〜10%と低いため画像が二重に見
えることがない。また、実施例の導電性反射防止膜の表
面反射率も十分低いものであった。さらに、実施例の導
電性反射防止膜は、表1に示すように、第1の層を90
nmの厚さに成膜したので、250Ωの低い抵抗値が得
られ、帯電防止及び電磁波遮蔽の機能を有していること
がわかる。
【0024】これに対して比較例1、2は、表3、4に
示すように第1層の着色層の吸収係数が1.4〜3.0
7と1.0を越えており、図2、図3に示すように、比
較例1、2の裏面反射率は、15〜25%と大きく、陰
極線管に映し出された映像が二重に見えるものである。
【0025】表中の導電性反射防止膜は、次のようにし
て作製した。
【0026】実施例の導電性反射防止膜は、次のように
して作成した。まず17インチサイズの陰極線管パネル
ガラスを準備し、その前面にマグネトロンスパッタ成膜
装置を用いて、表1に示すような2層構造の導電性反射
防止膜を形成した。表1の膜構成の欄には、各膜層の材
料、幾何学的厚み、表2には第1層の屈折率及び吸収係
数を示した。
【0027】比較例の導電性反射防止膜は、実施例と同
様に17インチサイズの陰極線管パネルガラスの前面に
表1に示すような3層構造の導電性反射防止膜を形成し
た。表1の膜構成の欄には、各膜層の材料、幾何学的厚
み、表3にはそれぞれの第1層の屈折率及び吸収係数を
示した。
【0028】なお、反射率、透過率、裏面反射率は、日
立製作所製自記分光光度計U−4000を用いて測定し
たものである。
【0029】また、抵抗値は、パネル短辺側の中央部に
超音波ハンダで電極を取り付け、電極間の抵抗をテスタ
ーにより測定したものである。
【0030】また、導電性反射防止膜を構成する第1の
層の各波長における屈折率、吸収係数は、分光エリプソ
メータにより測定したものである。
【0031】
【発明の効果】以上のように、本発明の導電性反射防止
膜は、膜総数が2層であっても、反射低減、帯電防止、
電磁波遮蔽について優れた能力を有し、しかも、光透過
率の高いガラスからなる陰極線管用ガラスパネル上に形
成しても、画像が二重に見えることがないため、陰極線
管パネル上に成膜される導電性反射防止膜として好適で
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の可視光の波長域における表面
反射率と裏面反射率を示す図。
【図2】比較例1の可視光の波長域における表面反射率
と裏面反射率を各々示す図。
【図3】比較例2の可視光の波長域における表面反射率
と裏面反射率を各々示す図。
【図4】本発明の実施例の可視光の波長域における透過
率を示す図。
【図5】比較例1の可視光の波長域における透過率を示
す図。
【図6】比較例2の可視光の波長域における透過率を示
す図。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基体上に形成される2つの層を含み、基
    体側から順に第1の層、第2の層と呼ぶとき、第1の層
    は、可視光の屈折率が1.2〜2.5であり、かつ可視
    光の吸収係数が0.05〜1.0の導電性を有する着色
    層であって70〜200nmの幾何学的厚みを有し、第
    2の層は、可視光の屈折率が1.4〜1.6であって6
    0〜150nmの幾何学的厚みを有することを特徴とす
    る導電性反射防止膜。
  2. 【請求項2】 第1の層が、遷移金属、遷移金属化合
    物、遷移金属微粒子、および遷移金属化合物微粒子から
    選ばれる少なくとも1種が主成分となる層である請求項
    1に記載の導電性反射防止膜。
  3. 【請求項3】 第2の層が、SiO2からなる層である
    請求項1または2に記載の導電性反射防止膜。
JP11230863A 1999-08-17 1999-08-17 導電性反射防止膜 Withdrawn JP2001056401A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010107543A (ja) * 2008-10-28 2010-05-13 Hitachi Maxell Ltd 反射防止フィルム

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010107543A (ja) * 2008-10-28 2010-05-13 Hitachi Maxell Ltd 反射防止フィルム

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