JP2001056323A - カチオン検出装置、カチオン検出方法、水処理装置、及び超純水製造装置 - Google Patents

カチオン検出装置、カチオン検出方法、水処理装置、及び超純水製造装置

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JP2001056323A
JP2001056323A JP23169399A JP23169399A JP2001056323A JP 2001056323 A JP2001056323 A JP 2001056323A JP 23169399 A JP23169399 A JP 23169399A JP 23169399 A JP23169399 A JP 23169399A JP 2001056323 A JP2001056323 A JP 2001056323A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 構造が簡単で故障しにくく安価かつ高精度で
リークカチオンを検出できるカチオン検出装置、カチオ
ン検出方法、水処理装置、超純水製造装置を提供する。 【解決手段】 イオン交換樹脂カラムの水移動方向下流
側に小型の測定用カラム41を配設し、前記イオン交換
樹脂カラムとこの測定用カラム41との間の水のpHを
測定するとともに測定用カラム41の更に水移動方向下
流側の水のpHを測定する。前記上流側の水のpH測定
値から前記下流側の水のpH測定値を差し引きして正味
のpH増加量ΔpHを求め、このΔpHに基づいてカチ
オンリーク率を求める。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は水処理装置に係り、
更に詳細にはイオン交換カラムなどの水処理ユニットを
通過して流下するカチオンを高精度に検出することので
きるカチオン検出装置、カチオン検出方法、水処理装
置、及び超純水製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より市水や工業用水から水の純度を
上げる純水製造技術が研究されている。 特に先端技術
の分野では、半導体を製造する際に超純水が必要となる
ので、市水や工業用水から超純水を製造する技術が求め
られている。この超純水を製造するには水中の不純物を
除去する必要がある。具体的には水に含まれる陽イオ
ン、炭酸ガス、陰イオンなどを除去する。一般に、純水
製造装置では、陽イオンを水処理ユニットのイオン交換
樹脂でイオン交換したのち、脱気処理して炭酸ガスを除
去し、しかる後に逆浸透膜で陰イオンを除去する。
【0003】ここで、水に含まれる陽イオンには、ナト
リウムイオン(Na+ )やカリウムイオン(K+ )など
の一価のものから、カルシウムイオン(Ca2+)や、マ
グネシウムイオン(Mg2+)などの二価以上のものまで
存在し、これらの陽イオンはまとめて「カチオン」と呼
ばれる。
【0004】これらのカチオンは原子量及び価数の大き
いものほどイオン交換樹脂との結合力が大きい。また、
水処理ユニットのイオン交換樹脂が新しく、イオン交換
能力が大きい間はカチオンの殆どはイオン交換されるた
め、カチオンのリーク量は小さいが、イオン交換樹脂が
古くなるにつれてイオン交換能力が低下し、カチオンの
リーク量が増大する。
【0005】ここで、価数の小さいナトリウムイオン
(Na+ )やカリウムイオン(K+ )はイオン交換樹脂
を通しても完全に除去することは困難であり、若干量の
リークは避けられない反面、水に溶解しやすいので水処
理装置の各ユニットに目詰まりなどのトラブルを引き起
こすことも少ない。
【0006】これに対して、カルシウムイオン(C
2+)や、マグネシウムイオン(Mg2+)などの二価以
上の、いわゆる硬水を構成する硬度成分は固形化合物に
なりやすく、これらが各ユニットを通過すると目詰まり
を起こしやすい。具体的にはイオン交換カラムから二価
以上のカチオンがリークすると純水製造装置の下流側の
逆浸透膜を目詰まりさせてしまい、純水製造装置の機能
を停止させてしまう。
【0007】そのため純水製造装置の運転を安定して行
うためには、イオン交換カラムからのカチオンリーク量
を常にモニタリングする必要がある。
【0008】このため従来の純水製造装置ではイオン交
換カラムの処理水出口側にカチオン検出装置を配設して
処理水中のカルシウムイオン(Ca2+)やマグネシウム
イオン(Mg2+)などの二価以上の硬度成分の有無を分
析してイオン交換樹脂のイオン交換能力をモニタリング
している。この従来のカチオン検出装置ではカルマガイ
ド比色法を利用しており、処理水にカルマガイド指示薬
を添加し、その発色を波長520nmの光で測定し、カ
ルシウムイオンやマグネシウムイオンの量を測定する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、この方法で
は、定量純水装置、恒温装置、定量注入装置、試薬貯留
装置、攪拌装置、定光源発光装置、定電流変換装置、演
算装置、といった複雑な分析装置を必要とする。これら
の装置からなる分析装置は分析精度は高いものの、高価
な上に複雑かつ繊細で故障がおきやすい。特に工場など
の製造現場では振動や熱、ガス、電磁波などの外乱因子
が多く、精密な分析装置の機能を維持するのは容易では
ないという問題がある。
【0010】本発明はこれら従来の問題を解決するため
になされた発明である。
【0011】即ち、本発明は構造が簡単で故障しにく
く、しかも安価で精度の高いリークカチオンを検出する
ことのできるカチオン検出装置やカチオン検出方法を提
供することを目的とする。
【0012】更に本発明はそのようなカチオン検出装置
やカチオン検出方法を応用した水処理装置や超純水製造
装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明のカチオン検出装
置は、イオン交換樹脂が充填され、水処理ユニットの出
口側に接続される測定用カラムと、前記測定用カラムの
水移動方向上流側に配設された第1のpHメータと、前
記測定用カラムの水移動方向下流側に配設された第2の
pHメータと、前記第1のpHメータ測定値及び前記第
2のpHメータ測定値に基づいて、処理水中のカチオン
リーク率を割り出す演算手段と、を具備する。
【0014】上記カチオン検出装置において、前記演算
手段は、前記カチオンリーク率が所定の値になったとき
に告知する機能を備えていることが好ましい。
【0015】上記発明において水処理ユニットとは、イ
オン交換カラムなどの水処理を行う装置をいう。
【0016】本発明の水処理装置は、イオン交換樹脂が
充填され、原水をイオン交換するイオン交換カラムと、
前記イオン交換カラムの出口側に接続される測定用カラ
ムと、前記測定用カラムの水移動方向上流側に配設され
た第1のpHメータと、前記測定用カラムの水移動方向
下流側に配設された第2のpHメータと、前記第1のp
Hメータ測定値及び前記第2のpHメータ測定値に基づ
いて、処理水中のカチオンリーク率を割り出す演算手段
と、を具備する。
【0017】本発明の超純水製造装置は、イオン交換樹
脂が充填され、原水をイオン交換するイオン交換カラム
と、前記イオン交換カラムの水移動方向下流側に配設さ
れ、前記イオン交換カラムで処理された水を脱気する脱
気ユニットと、前記脱気ユニットの水移動方向下流側に
配設され、前記脱気ユニットで脱気された水からイオン
や有機物などの不純物を除去する逆浸透濾過ユニット
と、前記イオン交換カラムと前記脱気ユニットとの間を
流下する水をサンプリングする分岐配管と、前記分岐配
管に接続される測定用カラムと、前記測定用カラムの水
移動方向上流側に配設された第1のpHメータと、前記
測定用カラムの水移動方向下流側に配設された第2のp
Hメータと、前記第1のpHメータ測定値及び前記第2
のpHメータ測定値に基づいて、処理水中のカチオンリ
ーク率を割り出す演算手段と、を具備する。
【0018】本発明のカチオン検出方法は、水処理ユニ
ットから吐出される処理水のpHを測定する一方で、該
処理水の一部をイオン交換樹脂が充填された測定用カラ
ムに通し、該測定用カラム通過後の水のpH基準値を測
定し、前記処理水のpH測定値と、前記pH基準値との
差をモニタリングすることにより前記水処理ユニットの
カチオンリーク率を検出することを特徴とする。
【0019】上記方法において、pH基準値とは、測定
用カラムでイオン交換後に排出された水のpH値をい
う。
【0020】上記の本発明では、測定用カラムと、その
前後に配設した二つのpHメータと、演算手段とから構
成されるという、既存の装置を巧みに組み合わせた単純
な構成となっているので、構造が簡単で故障しにくく、
しかも安価で精度の高いリークカチオンを検出すること
のできるカチオン検出装置やカチオン検出方法、水処理
装置や超純水製造装置を提供することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
説明する。
【0022】図1は本実施形態に係る超純水製造装置1
の概略構成を図示したフローシートである。
【0023】この超純水製造装置1では図1に示したよ
うに、イオン交換ユニット10、脱気ユニット20、逆
浸透濾過ユニット30が水の移動方向に関して直列に配
設されており、これらイオン交換ユニット10、脱気ユ
ニット20、及び逆浸透濾過ユニット30相互間は配管
101及び102で接続されている。更にイオン交換ユ
ニット10には原水を導入する配管103が接続され、
逆浸透濾過ユニット30には得られた超純水を外部に供
給するための配管104が取り付けられている。 上記
イオン交換ユニット10と脱気ユニット20とを結ぶ配
管101は途中で分岐して配管105が取り付けられて
いる。この配管105はイオン交換ユニット10でイオ
ン交換処理された処理水をサンプリングするための配管
で、この配管105の先には本発明に係るカチオン検出
装置40が取り付けられている。
【0024】図2はイオン交換ユニット10とカチオン
検出装置40取り付け部分を拡大した部分拡大図であ
る。図2に示したように、イオン交換ユニット10はイ
オン交換塔11内にイオン交換カラム12が収容されて
おり、このイオン交換カラム12内に大量のイオン交換
樹脂が充填されている。
【0025】図3は本発明に係るカチオン検出装置40
の概略構造を示した図である。図3に示したように、カ
チオン検出装置40は配管105に沿って流量調節装置
50、測定用カラム41が配設されており、測定用カラ
ム41と配管105との間は、測定用カラム頂部に配設
されたコネクタ42とこのコネクタ42と接続された配
管105b及び配管105cとにより接続されている。
【0026】配管105の上流側に配設された上流側配
管105aの途中には、測定用カラム41より上流側の
水のpHを測定するための上流側pH電極44が埋設さ
れており、同様に、配管105の測定用カラム41より
下流側に配設された下流側配管105cの途中には、測
定用カラム41より下流側の水のpHを測定するための
下流側pH電極46が埋設されている。上流側pH電極
44は検知部43を経て上流側pHメータ(第1のpH
メータ)47に測定したpH値データを送信するように
なっており、同様に、下流側pH電極46は検知部45
を経て下流側pHメータ(第2のpHメータ)48に測
定したpH値データを送信するようになっている。これ
らのpHメーター47及び48は共に演算処理装置49
と電気的に接続されており、上流側pH電極44、下流
側pH電極46がそれぞれ検出したpHデータに基づい
てカチオンリーク率を算出する。カチオンリーク率など
の演算処理については後述する。
【0027】測定用カラム41の内部にはイオン交換樹
脂が充填されている。この測定用カラム41では水の出
し入れを頂部に配設したコネクタ42を介して行うよう
になっており、配管105bからコネクタ42を介して
測定用カラム41内部に導入された水が内部に充填され
たイオン交換樹脂と接触してイオン交換処理が施された
処理後の水は処理前の水の流路から隔離された別の流路
を通って、再びコネクタ42を介して配管105c側に
流出するようになっている。
【0028】次にこの超純水製造装置1を運転する場合
の水の流動状態について説明する。
【0029】まず、この純水製造装置1を起動すると、
図示しないポンプが作動して原水を配管103内に供給
する。配管103内に供給された原水はまずイオン交換
ユニット10内に流入する。イオン交換ユニット10内
では流入した原水がユニットのイオン交換カラムに充填
されたイオン交換樹脂と接触することによりイオン交換
処理が施され、いわゆるカチオンの大部分はH+ イオン
に交換される。このイオン交換ユニット10でイオン交
換処理された処理後の水は次に配管105で分岐する分
を除き、配管101を通って後続の脱気ユニット20に
送られる。脱気ユニット20に送られた水はここで脱気
処理を施されて水中の炭酸ガスを除去され、しかる後に
配管102を通って逆浸透濾過ユニット30に入り、こ
こで逆浸透膜によりイオンや有機物などの不純物を取り
除かれ、配管104を経て装置外へ送り出される。
【0030】一方、配管101で分岐する配管105内
に流入した処理水は、配管105a内に配設された上流
側pH電極44によりpH測定された後、流量調節器5
0、配管105b、コネクタ42を経て測定用カラム4
1内に流入する。測定用カラム41内で更にイオン交換
樹脂と接触して処理水中に残存するイオンをイオン交換
した後に再びコネクタ42に戻り、配管105c内に流
れ込む。配管105c内を流下する際に下流側pH電極
46に接触しここで再びpH測定される。しかる後に配
管105cを更に流下して系外に排出される。
【0031】上流側pH電極44と下流側pH電極46
とでそれぞれpH測定され、得られた測定値はこれらp
H電極44,46と電気的に接続されたpHメーター4
7,48,及び演算処理装置49に送信される。pH測
定値のデータ信号を受け取った演算処理装置49では受
信した信号データから測定用カラム41の上流側の配管
105a内の処理水のpHと下流側配管105c内の処
理水のpHとからカチオンリーク率を算出する。以下、
本発明のカチオン検出装置のカチオンリーク率測定原理
について説明する。
【0032】本発明のカチオン検出装置では、原水中の
カチオン(陽イオン)はイオン交換ユニット10でH+
イオンに交換され、そのH+ イオン濃度はpHの値で測
定できる。イオン交換ユニット10からカチオンがリー
クすると、その分H+ イオンが減少し、pHが上昇す
る。
【0033】一方、測定用カラム41ではリークしたカ
チオンを吸着するので、測定用カラム41の出口には常
時原水のカチオン濃度と同じH+ イオンが存在する。こ
の測定用カラム41の出口のH+ イオン濃度を下流側p
H電極46で測定することにより原水のカチオン濃度を
求める。
【0034】他方、イオン交換ユニット10を通過した
処理水にはイオン交換ユニット10でイオン交換し切れ
なかったカチオン、即ちイオン交換ユニット10からリ
ークしたカチオンが含まれている。このリークしたカチ
オンを含む処理水のH+ イオン濃度を上流側pH電極4
4で測定することにより、元々原水に含まれるH+ イオ
ンとイオン交換ユニット10からリークしたカチオンと
を合計したH+ イオン濃度が求まる。従って、上流側p
H電極44で測定したH+ イオン濃度から、下流側pH
電極46で測定した原水のH+ イオン濃度を差し引きす
ることにより、正味のリークカチオンの濃度が求められ
る。
【0035】ここで、イオン交換ユニット10を通すこ
とにより処理された処理水のpH、測定用カラム41を
通すことにより処理された水のpH、及びイオン交換樹
脂のリーク率等の因子を以下の記号で示す。
【0036】pHIN :イオン交換樹脂で処理した水の
pH(−), pHOUT :測定用カラムで処理した水のpH(−), HIN :イオン交換樹脂で処理した水の(eq/
L), HOUT :測定用カラムで処理した水の(eq/L), L :リーク率(%) このとき、pH=−Log[H+ ]の式より、H+ =1
-pH の関係が得られる。従って、イオン交換ユニット
10からカチオンのリークが生じるとリークした分、p
Hが減少する。そのため、カチオンリーク率は、次式で
与えられる。
【0037】L=(HOUT −HIN)/HOUT (%) 次に、本発明の超純水製造装置1を継続して運転した場
合のカチオンのリーク状態について説明する。
【0038】図4はイオン交換樹脂カラムと測定用カラ
ム内のイオン交換状態を模式的に示した図であり、図5
は運転時間とカチオンリーク量の変化に基づくpH変化
量(ΔpH)との関係を示したグラフである。
【0039】図4(1)に示した、超純水製造装置の運
転開始から短時間しか経過していない初期(時間t1)
では、イオン交換樹脂カラム内のイオン交換樹脂のイオ
ン交換能力が十分高く、カラム上部から流入したカチオ
ンがイオン交換カラム内で能率よくH+ イオンにイオン
交換されている。また、この時点ではイオン交換カラム
の下側に描いた測定用カラム側にはリークカチオンは流
入しない。そのため、測定用カラムの上流側pHメータ
と下流側pHメータとの間の値の差ΔpHはゼロであ
る。
【0040】次に、所定期間継続運転した後の中期(時
間t2)では図4(2)に示したように、イオン交換樹
脂のイオン交換能力が低下しており、カラム底部付近に
までカチオンが拡散している。この段階ではイオン交換
カラム内の大部分にまでカチオンが拡散しているが、ま
だイオン交換カラムの外側まではカチオンはリークして
いない。そのため、イオン交換カラムの下流側にある測
定用カラムにもカチオンは流入せず、したがって、測定
用カラムの上流側pHメータと下流側pHメータとの間
の値の差ΔpHはゼロである。
【0041】更に継続して運転した後の後期(時間t
3)になると、図4(3)に示したようにイオン交換樹
脂のイオン交換能力が低下して、原水からイオン交換カ
ラムに流入したカチオンをイオン交換し切れなくなる。
その結果、カチオンの一部はイオン交換カラムから溢れ
出し、H+ イオンにイオン交換されないアルカリイオン
(Na+ )のままイオン交換カラムの下流側に流れ出
る。このイオン交換カラムの下流側に流れ出たアルカリ
イオン(Na+ )を含んだ水は、測定用カラムの上流側
pHメータを通過し、その際にpHが測定される。この
とき、測定される水中にはイオン交換カラムからリーク
してきたアルカリイオン(Na+ )が含まれているた
め、pHの値は例えば、H+ イオンのみが含まれている
場合の2.406より高い3.406となる。
【0042】この上流側pHメータを通過後、アルカリ
イオン(Na+ )を含んだ水は測定用カラム内に流入
し、ここで測定用カラム内に充填されたイオン交換樹脂
と接触してH+ イオンにイオン交換される。そのため測
定用カラムの下流側に流れ出る水にはH+ イオンしか含
まれておらず、従って測定用カラムの下流側pHメータ
で測定される水のpHはH+ イオンのみを含む場合の
2.406の値を示す。
【0043】ここで、測定用カラムの上流側の水のpH
値が3.406であり、測定用カラムの下流側pHメー
タの水のpH値が2.406であるため、その差はΔp
H=1.000となる。
【0044】上流側pHメータ及び下流側pHメータと
接続された演算部(図示省略)としてのCPUは検出さ
れたpHデータからΔpHを求め、この値からカチオン
のリーク状況を把握する。
【0045】具体的にはΔpHの値とリークカチオン量
との関係がデータベースとして記憶されており、このデ
ータベースを参照することによりイオン交換カラム内の
イオン交換樹脂のポットライフを求め、必要に応じてイ
オン交換樹脂を新たなものと交換することが必要な旨を
表示したり、警報を発したりする。
【0046】更に図5に示したように、イオン交換カラ
ム内のイオン交換樹脂の劣化に伴い、時間t1や時間t
2では、上流側pHメータでpH測定される水にはH+
イオンしか含まれておらず、ΔpHもゼロかそれに近い
低い水準である。時間t3になり、運転時間の伸長に伴
いイオン交換樹脂のイオン交換能力が低下すると、上流
側pHメータでpH測定される水中にNa+ イオンがリ
ークしてくるためpH値が上昇しΔpHの値も増大す
る。更に時間がt4まで経過して更にイオン交換樹脂の
イオン交換能力が低下すると、Na+ イオンより原子量
及び価数の大きなイオンであるCa2+イオンやMg2+
オンのような二価の硬度成分がリークしてくる。これら
硬度成分がリークしてくると、更に上流側pHメータで
pH測定される水のpHは上昇し、ΔpHも増大する。
【0047】そこで、本発明ではNa+ イオンのみリー
クし、Ca2+イオンやMg2+イオンのような二価の硬度
成分がリークしてくる前のΔpHの価を予備実験や実測
値から把握しておき、ΔpHがこの価になったときに警
報を発したり信号を送るなりしてイオン交換樹脂のイオ
ン交換能力が限界近くまで低下したことを告知させるの
である。
【0048】実際にΔpHの値をどの範囲にするかは設
計事項であるので、理論値、実測値、予備実験データな
どを元にして決定する。
【0049】このように、Na+ イオンのような溶解度
が大きく、逆浸透膜の目詰まりなどを惹起することのな
いイオンがリークした時点でイオン交換樹脂のイオン交
換能力の低下を知らせるような構成としたので、硬度成
分がリークして逆浸透膜を詰まらせ、曳いては超純水製
造装置全体を停止させてしまうというような甚大なトラ
ブルの発生を未然に防止することができる。
【0050】以上詳述したように、本発明の超純水製造
装置1では、イオン交換カラムの下流側にサンプリング
用の分岐管を配設し、この分岐管に測定用カラム、及び
その前後に上流側pHメータと下流側pHメータとを配
設し、イオン交換カラムからのカチオンのリークを、測
定用カラムの前後の二つのpHメータの測定値の差の大
小により検知するようにした。
【0051】そのため装置の構造が簡単で故障しにく
く、しかも高精度にカチオンのリーク状態を検出するこ
とができる。
【0052】なお、本発明は上記実施形態に記載された
範囲に限定されない。例えば、上記実施形態では超純水
製造装置の一部にカチオン検出装置を配設した構造とし
たが、超純水製造装置以外の水処理装置にカチオン検出
装置を配設することも可能である。
【0053】
【発明の効果】本発明では測定用カラムと、その前後に
配設した二つのpHメータと、演算手段とから構成され
るという、既存の装置を巧みに組み合わせた単純な構成
となっているので、構造が簡単で故障しにくく、しかも
安価で精度の高いリークカチオンを検出することのでき
るカチオン検出装置やカチオン検出方法、水処理装置や
超純水製造装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る超純水製造装置の概略構成を図示
したフローシートである。
【図2】本発明に係るイオン交換ユニットとカチオン検
出装置取り付け部分の部分拡大図である。
【図3】本発明に係るカチオン検出装置の概略構造を示
したである。
【図4】本発明に係るカチオン検出装置のイオン交換樹
脂カラムと測定用カラム内のイオン交換状態を模式的に
示した図である。
【図5】本発明に係る超純水製造装置の運転時間とpH
変化量との関係を示したグラフである。
【符号の説明】
10………水処理ユニット、 20………脱気ユニット、 30………逆浸透濾過ユニット、 40………カチオン検出装置、 41………測定用カラム、 47………上流側pHメータ(第1のpHメータ)、 48………下流側pHメータ(第2のpHメータ)。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 イオン交換樹脂が充填され、水処理ユニ
    ットの出口側に接続される測定用カラムと、 前記測定用カラムの水移動方向上流側に配設された第1
    のpHメータと、 前記測定用カラムの水移動方向下流側に配設された第2
    のpHメータと、 前記第1のpHメータ測定値及び前記第2のpHメータ
    測定値に基づいて、処理水中のカチオンリーク率を割り
    出す演算手段と、 を具備することを特徴とするカチオン検出装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のカチオン検出装置であ
    って、前記演算手段が、前記カチオンリーク率が所定の
    値になったときに告知する機能を備えていることを特徴
    とするカチオン検出装置。
  3. 【請求項3】 イオン交換樹脂が充填され、原水をイオ
    ン交換するイオン交換カラムと、 前記イオン交換カラムの出口側に接続される測定用カラ
    ムと、 前記測定用カラムの水移動方向上流側に配設された第1
    のpHメータと、 前記測定用カラムの水移動方向下流側に配設された第2
    のpHメータと、 前記第1のpHメータ測定値及び前記第2のpHメータ
    測定値に基づいて、処理水中のカチオンリーク率を割り
    出す演算手段と、 を具備することを特徴とする水処理装置。
  4. 【請求項4】 イオン交換樹脂が充填され、原水をイオ
    ン交換するイオン交換カラムと、 前記イオン交換カラムの水移動方向下流側に配設され、
    前記イオン交換カラムで処理された水を脱気する脱気ユ
    ニットと、 前記脱気ユニットの水移動方向下流側に配設され、前記
    脱気ユニットで脱気された水からイオンや有機物などの
    不純物を除去する逆浸透濾過ユニットと、 前記イオン交換カラムと前記脱気ユニットとの間を流下
    する水をサンプリングする分岐配管と、 前記分岐配管に接続される測定用カラムと、 前記測定用カラムの水移動方向上流側に配設された第1
    のpHメータと、 前記測定用カラムの水移動方向下流側に配設された第2
    のpHメータと、 前記第1のpHメータ測定値及び前記第2のpHメータ
    測定値に基づいて、処理水中のカチオンリーク率を割り
    出す演算手段と、 を具備することを特徴とする超純水製造装置。
  5. 【請求項5】 イオン交換カラムから吐出される処理水
    のpHを測定する一方で、該処理水の一部をイオン交換
    樹脂が充填された測定用カラムに通し、該測定用カラム
    通過後の水のpH基準値を測定し、 前記処理水のpH測定値と、前記pH基準値との差をモ
    ニタリングすることにより前記水処理ユニットのカチオ
    ンリーク率を検出するカチオン検出方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR101279695B1 (ko) * 2005-01-25 2013-06-27 쿠리타 고교 가부시키가이샤 생물 처리수 함유수의 처리 방법 및 처리 장치
JP2013193004A (ja) * 2012-03-16 2013-09-30 Kurita Water Ind Ltd 純水製造方法

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