JP2001055617A - ヘルメットシールドの曇り防止装置 - Google Patents

ヘルメットシールドの曇り防止装置

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JP2001055617A
JP2001055617A JP11226823A JP22682399A JP2001055617A JP 2001055617 A JP2001055617 A JP 2001055617A JP 11226823 A JP11226823 A JP 11226823A JP 22682399 A JP22682399 A JP 22682399A JP 2001055617 A JP2001055617 A JP 2001055617A
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helmet
outside air
shield
helmet shield
air
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Makoto Inagaki
真 稲垣
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Suzuki Motor Corp
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    • AHUMAN NECESSITIES
    • A42HEADWEAR
    • A42BHATS; HEAD COVERINGS
    • A42B3/00Helmets; Helmet covers ; Other protective head coverings
    • A42B3/04Parts, details or accessories of helmets
    • A42B3/18Face protection devices
    • A42B3/22Visors
    • A42B3/24Visors with means for avoiding fogging or misting
    • A42B3/245Visors with means for avoiding fogging or misting using means for heating, e.g. electric heating of the visor

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ヘルメットシールドの曇り止めに必要とされ
る量の除湿空気を車両の走行速度に関わりなくヘルメッ
トシールドに供給することができ、エネルギーを無駄に
することなく送風機を作動させることのできるヘルメッ
トシールド用曇り防止装置を提供する。 【解決手段】 除湿した空気を送風する除湿空気送風手
段3と、一方及び他方の開口部5a,5a有する除
湿空気通路5aとを備え、前述した一方の開口部5a
を前述した除湿空気送風手段3に接続すると共に、前述
した他方の開口部5aをヘルメットシールド4aの内
側近傍で且つ当該ヘルメットシールド4aに向けて装備
したことを特徴とするヘルメットシールドの曇り防止装
置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ヘルメットシール
ドの曇り防止装置に関し、特に、ヘルメットシールドに
除湿空気を吹き付けてヘルメットシールドの曇りを防止
するヘルメットシールドの曇り防止装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ヘルメットシールド用曇り止め装
置としては、ヘルメットに設けられた換気用開口部から
走行風を取り入れてヘルメットシールドの曇りを解消す
るようにしたものが周知であり、また、最近では、ヘル
メットとは別に構成された送風機からヘルメット内に強
制的に外気を送り込んでヘルメットシールドの曇りを解
消するものも提案されている。まず、換気用開口部から
走行風を取り入れてヘルメットシールドの曇りを解消す
るようにしたものは、ヘルメットの外殻と内部パットと
の間に空調用空気通路を形成し、オートバイやスクータ
ー等の走行によって発生する相対的な外気の流れを利用
して、外殻に穿設された空気取り入れ口から空調用空気
通路に外気を取り入れ、内部パットに穿設された多数の
小孔からヘルメットシールドに外気を導くことにより、
ヘルメットシールドの曇りを防止している。
【0003】また、ヘルメットに前述した換気用開口部
とは別に、ヘルメットとは独立させて車両側に空調ユニ
ットを設け、空調ユニットからヘルメット内に強制的に
除湿空気を送り込む構造のヘルメットシールドの曇り防
止装置も提案されている。この空調ユニット内部には外
気を取り込むためのブロアファンと、そのモータ及び取
り込んだ外気を冷却または暖房するためのペルチェ素子
等が設けられており、これらの電気部品には、電源プラ
グを介してオートバイやスクーター側のバッテリーから
電源が供給されるようになっている。そして、空調ユニ
ットで冷却または暖房された空気はエアホースを介して
ヘルメットの空調用空気通路に流れ込んでヘルメットシ
ールドの除湿を行い、ヘルメットの排気孔から外部に排
出される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ヘルメ
ットに設けられた換気用開口部から走行風を取り入れて
ヘルメットシールドの曇りを解消する従来のヘルメット
シールド用曇り止め装置では、オートバイやスクーター
等の車両の走行速度が遅い場合に十分な外気が取り込ま
れなくなることもあり、所望する曇り除去の効果が十分
に達成されなくなるという可能性があった。一方、送風
機からヘルメットに強制的に外気を送り込む構成のもの
においては、除湿範囲がヘルメット内部全体であるた
め、ヘルメットシールドの曇りを除去するためには、大
量の除湿空気を必要とし、エネルギーの無駄に繋がると
いう問題を生じている。さらに、この送風機からヘルメ
ットに強制的に外気を送り込む構成のものによれば、十
分な外気が取り入れられなくなるといった心配は必ずし
もないが、曇り止め装置にスイッチが入っている間は送
風機が定速で運転され続ける構造であるため、外気の取
り込み量が容易に調整できないという難点があった。そ
の結果、低速走行時でも十分な外気が供給されるように
送風機の送風量を大き目に調整しておくと、車両の走行
速度が高速になった場合、ヘルメットの換気用開口部か
ら十分な外気が取り込まれているにも関わらず送風機か
らヘルメット内に強制的に外気が送り込まれることにな
り、全体的な送風量が過剰になるといった問題が発生す
る。このような現象は、送風機を駆動するエネルギーの
無駄に繋がり、また、場合によっては、ヘルメットの着
用者が目の乾き等の不快感を感じる可能性もある。ま
た、これとは逆に高速走行時に快適な換気効果が得られ
るように送風機の送風量を小さ目に調整しておくと、車
両の走行速度が低速になったときに換気用開口部からの
外気の取り込み不足を送風機で補償することが困難とな
り、全体的な送風量が過小になるといった弊害が生じ
る。このような現象は、ヘルメットシールドの曇りを十
分に解消することができなくなるといった問題に繋が
る。
【0005】
【発明の目的】本発明は、上記従来の課題を解決するた
めになされたものであり、少量の除湿空気でヘルメット
シールドの曇りを防止することができると共に、ヘルメ
ットシールドの曇り防止に必要とされる量の除湿空気を
車両の走行速度に関わりなくヘルメットシールドに供給
することができるヘルメットシールドの曇り防止装置を
提供することを、その目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ために、除湿した空気を送風する除湿空気送風手段と、
一方及び他方の開口部を有する除湿空気通路とを備え、
前述した一方の開口部を前述した除湿空気送風手段に接
続すると共に、前述した他方の開口部をヘルメットシー
ルドの内側近傍で且つ当該ヘルメットシールドに向けて
装備したという構成を採っている。
【0007】このように構成したことで、除湿空気送風
手段から送付された除湿空気は、一方の開口部より除湿
空気通路に流れ、他方の開口部から放出される。この放
出された除湿空気は、他方の開口部がヘルメットシール
ドに向けられているため、ヘルメットシールドに直接吹
き付けられる。この吹き付けられた除湿空気は、ヘルメ
ットシールドを伝い、ヘルメットシールドの曇りを除去
する。そして、ヘルメットシールドの曇りを除去した空
気は、ヘルメット内を循環して外部に放出される。
【0008】請求項2及び3記載の発明は、請求項1記
載のヘルメットシールドの曇り防止装置であって、前述
したヘルメットシールドの内側に所定の間隙を形成する
内側シールド部材を備え、前述した内側シールド部材の
両端を前述したヘルメットシールドに一体的に連結した
という構成を採っている。
【0009】このように構成することにより、除湿空気
送風手段から送風された除湿空気は、一方の開口部より
除湿空気通路に流れ、他方の開口部から放出される。こ
の放出された除湿空気は、ヘルメットシールドと内側シ
ールド部材で形成された除湿空気通路側の開口(以下、
空気導入口)よりヘルメットシールドの内側シールド部
材側の壁面と内側シールド部材のヘルメットシールド側
壁面との間に形成された室(以下、除湿室)に流れ込
み、各々の壁面の間を伝わり、各々の壁面の曇りを除去
する。この各々の壁面の曇りを除去した除湿空気は、ヘ
ルメットシールドと内側シールド部材で形成された空気
導入口とは反対側の開口(以下、空気排出口)から排出
され、内側シールド部材のヘルメットシールド側壁面と
反対側壁面を伝わり、その壁面に曇りが生じていた場合
には除去する。
【0010】また、前述した内側シールド部材の開口側
端部を、前述したヘルメットシールドと反対方向に屈曲
して形成してもよい。
【0011】このように構成することにより、除湿空気
送風手段から送風された除湿空気は、内側シールド部材
の空気導入口側端部がヘルメットシールドと反対方向に
屈曲しているため、一方の開口部よりより多くの除湿空
気が除湿室内に流れ込み、ヘルメットシールドの内側シ
ールド部材側の壁面と内側のシールド部材のヘルメット
シールド側壁面の曇りが確実に除去される。さらに、除
湿室より放出された除湿空気は、内側シールド部材の空
気排出口側端部がヘルメットシールドと反対方向に屈曲
しているため、その壁面に沿ってより多くの除湿空気が
内側シールド部材のヘルメットシールド側壁面と反対側
壁面を伝わり、その壁に着いた曇りを確実に除去する。
【0012】請求項4記載の発明は、前述した請求項
1,2又は3記載のヘルメットシールドの曇り防止装置
であって、前述した除湿空気通路を管体で形成すると共
に、この管体の一部を前述したヘルメットのヘルメット
シールドの縁部に沿って配設し、前述した他方開口部を
前述した除湿空気通路の前述したヘルメットシールドの
縁部に沿った部位に所定間隔で穿設された複数の孔を設
けて形成したという構成を採っている。
【0013】このように構成することにより、除湿空気
送風手段から送風された除湿空気は、一方の開口部より
除湿空気通路に流れ、ヘルメットシールドの縁部に沿っ
た部位に所定間隔で穿設された複数の孔からヘルメット
シールドにむらなく、吹き付けられる。このため、ヘル
メットシールドの全域にわたり、曇りが除去される。
【0014】請求項5記載の発明は、前述した請求項
1,2,3又は4記載のヘルメットシールドの曇り防止
装置であって、前述した除湿空気送風手段を、外気を導
入する第1の外気導入口と、管路を介して前述した第1
の外気導入口から外気を吸入し除湿機構に送風する送風
機と、この送風機の送風量の制御と併せて除湿機構への
電力供給を制御する制御部とで構成している。
【0015】このように構成したことで、制御部からの
指令により送風機及び除湿機構の電源が投入されると、
送風機により第1の外気導入口より導入された外気は、
除湿機構に送られる。この除湿機構で除湿された除湿空
気は、一方の開口部より除湿空気通路に流れ、他方の開
口部から放出される。この放出された除湿空気は、他方
の開口部がヘルメットシールドに向けられているため、
ヘルメットシールドに直接吹き付けられる。この吹き付
けられた除湿空気は、ヘルメットシールドを伝い、ヘル
メットシールドの曇りを除去する。そして、ヘルメット
シールドの曇りを除去した空気は、ヘルメット内を循環
して外部に放出される。
【0016】請求項6記載の発明は、前述した請求項5
記載のヘルメットシールドの曇り防止装置であって、前
述したヘルメットシールドに所定量の外気を導入する第
2の外気導入口をヘルメットに設けると共に、前述した
制御部にスピードに対応した外気流入量情報を出力する
外気流入量情報出力手段を接続し、前述した制御部が、
前述した外気流入量情報が予め設定された判定値に達し
ているか否かを判別するための外気流入量判別機能と、
この外気流入量判別機能により外気の流入量が判定値に
満たないと判別された場合に前述した送風機及び除湿機
構を駆動する送風機駆動制御機能とを有するこという構
成を採っている。
【0017】このように構成することにより、ヘルメッ
トを装着した運転者が二輪車等に搭乗し、走行した場合
には、第2の外気導入口された外気は、ヘルメットシー
ルドに吹き付けられる。そして、この第2の外気導入口
を介してヘルメット内部に流れ込む外気の流入量が外気
流入量情報出力手段から外気流入量情報として出力さ
れ、この外気流入量情報が判定値に達しているか否かを
外気流入量判別機能が判別する。そして、外気の流入量
が判定値に満たないと判別された場合に送風機駆動制御
機能が送風機及び除湿機構を駆動する。この送風機によ
り第2の外気導入口より導入された外気は、除湿機構に
送られる。この除湿機構で除湿された除湿空気は、除湿
空気通路に送られる。この除湿空気は第2の外気導入口
より導入された外気と合流し、ヘルメットシールドに吹
き付けられる。また、外気の流入量が判定値以上と判別
された場合に送風機駆動制御機能が送風機及び除湿機構
を停止させる。これにより、第2の外気導入口より導入
された外気のみが除湿空気通路に導入され、ヘルメット
シールドに吹き付けられる。このように、外気流入量が
少ない場合にだけ、送風機及び除湿機構が駆動されるた
め、エネルギーの無駄がなくなる。
【0018】請求項7記載の発明は、ヘルメット装着者
の視界を確保する窓を覆うヘルメットシールドを備え、
前述したヘルメットシールドのヘルメットの内側に所定
空間の密閉室を形成する内側シールド部材を前述したヘ
ルメットシールドと一体的に形成すると共に、前述した
密閉室の内部を真空にするという構成を採っている。
【0019】このように構成することにより、ヘルメッ
トの内部と外部に温度差が生じても密閉室が断熱室とし
て作用するため、その断熱効果により、ヘルメット内部
に曇りを生じることがなくなる。
【0020】
【発明の実施の形態】まず、ヘルメットシールドの曇り
防止装置は、例えば、図1に示すように、オートバイや
スクーター等の二輪車Sの搭乗時に使用されるヘルメッ
ト等に設けられるが、これに限らず、四輪自動車や船舶
の搭乗時に使用されるヘルメット等にも設けられる。こ
のヘルメットシールドの曇り防止装置1は、ヘルメット
2a内部側のヘルメットシールド4aに所定圧力の空気
を吹き付けてヘルメットシールド4aの曇りを防止する
ものである。以下、本発明の第1の実施形態を図2乃至
図10に基づいて順を追って説明する。
【0021】[ヘルメット]まず、ヘルメットシールド
の曇り防止装置1が設けられるヘルメット2aについて
説明する。このヘルメット2aは、図3(A)に示すよ
うに、所謂フルフェイスタイプのヘルメットであり、下
部が開放された頭部全体を覆う略球殻状の殻体を有して
いる。この殻体には、運転者P(図1参照)がこのヘル
メット2aを装着した状態で、運転者Pの目前となる部
分に、一定の視界を確保できる窓2a が設けられてい
る。さらに、殻体の内面には、窓2aや運転者Pの口
と鼻にあたる部分を除いてほぼ全域に衝撃を吸収する緩
衝剤、所謂、パッドが装備されている。
【0022】前述した窓2aには、着脱自在のヘルメ
ットシールド4aが装着されている。このヘルメットシ
ールド4aは、ヘルメット2aの殻体に沿って窓2a
を覆う形状とされている。このヘルメットシールド4a
は、透明な樹脂製材料で形成されている。
【0023】また、ヘルメット2aには、走行風を取り
入れてヘルメット2aの内部に所定量の外気を導入し、
ヘルメットシールド4aの曇りを解消するための第2の
外気導入口18が設けられている。この第2の外気導入
口18は窓2aの下部に設けられている。第2の外気
導入口18は外気導入通路を介してヘルメットシールド
4aの近傍に設けられた外気送風口に接続されている。
このように形成することにより、二輪車S(図1参照)
が走行した際に、第2の外気導入口18から直接取り入
れられた外気は、外気導入通路を通り、外気送風口から
ヘルメットシールド4aに吹き付けられ、ヘルメットシ
ールド4aの曇りが解消される。
【0024】[ヘルメットシールドの曇り防止装置の概
要]ヘルメットシールドの曇り防止装置1は、図2に示
すように、除湿した空気を送風する除湿空気送風手段3
と、この除湿空気送風手段3から送風された除湿空気を
ヘルメット2a内部側のヘルメットシールド4aに送風
する除湿空気通路5aとを備えている。
【0025】[除湿空気通路]図3に示すように、ヘル
メット2aの窓2aの下部のパッドには、除湿空気通
路5aが設けられている。この除湿空気通路5aの開口
部5a(他方の開口部)は、ヘルメットシールド4a
の近傍に設けられ、且つ、ヘルメットシールド4aに向
けて形成されている。この開口部5a(他方の開口
部)は、先すぼみのノズル形状とされ、その先端がヘル
メットシールド4aに沿う形状とされている。この除湿
空気通路5aは管体で形成されている。また、図3
(B)に示すように、この除湿空気通路5aの開口部5
とは反対側の開口部5a(一方の開口部)が除湿
空気送風手段3に接続されている。この除湿空気送風手
段3とヘルメット2aとの間の除湿空気通路5aは可撓
性チューブ29で形成されている。この可撓性チューブ
29は、除湿空気送風手段3及びヘルメット2aに設け
られた除湿空気通路5aに対して着脱自在に形成されて
いる。
【0026】前述した他方の開口部5aは、図4
(A)に示すような形状とすることも可能である。この
図4(A)の他方の開口部5aをヘルメット2aの正
面から見た図が図4(B)である。図4(A),(B)
に示すように、除湿空気通路5a、即ち、管体の一部を
ヘルメット2aの開口部下縁のパッドであって、ヘルメ
ットシールド4aの下縁部に沿わせて配設し、除湿空気
通路5aのヘルメットシールド4aの縁部に沿った部位
に所定間隔で複数の孔を穿設することにより他方の開口
部5aを形成している。
【0027】[除湿空気送風手段]次に、除湿空気送風
手段3は、図2に示すように、外気を導入する第1の外
気導入口26aと、管路を介して前記第1の外気導入口
26aに接続されて所定風量で外気を供給する送風機3
cと、この送風機3cにより供給された外気を除湿する
除湿機構3bと、前記送風機3c及び除湿機構3bを制
御する制御部3aとにより構成されている。この除湿空
気送風手段3は二輪車両Sの前部に一体的に設けられて
いる(図1参照)。この除湿空気送風手段3は車両側の
バッテリを電源として使用しており、このバッテリから
送風機3cを回転させるモータ12、除湿機構3bを構
成するペルチェモジュール15、更には、制御部3aに
電力が供給される。
【0028】[制御部]次に、図5は、制御部3aの要
部及びその周辺を示すブロック図である。この制御部3
aは送風機3cのケーシング5(図3(B)参照)の内
部に配備されている。制御部3aは、外気流入量判別機
能および送風機駆動制御機能の主要部を形成するマイク
ロプロセッサ6(以下、単にCPUという)と、その制
御プログラムを格納したROM7および演算処理用のR
AM8を備え、各要素6,7,8間はバス9を介して情
報伝達可能に接続されている。また、バス9に接続され
た入出力回路10には、送風機3cの送風ファンのモー
タ12を駆動制御するモータ駆動回路13および除湿機
構3bのペルチェモジュール15への電力供給をON/
OFF制御するための電源スイッチ14と、CPU6の
処理動作を開始させるためのスタートスイッチ16が接
続されている。
【0029】この制御部3aには外気流入量情報出力手
段17(図2参照)が接続されている。この外気流入量
情報出力手段17は、例えば、オートバイやスクーター
等の車両S側(図1参照)に配備された速度計から出力
される速度情報に対応した外気流入量情報を制御部3a
に出力する。そして、制御部3aでは、外気流入量情報
を所定周期毎にA/D変換して入出力回路10およびバ
ス9を介してRAM8に更新記憶することで、その値を
CPU6に認識させるようにしている。オートバイやス
クーター等の車両Sの走行速度は、必ずしも、単位時間
あたりに第2の外気導入口18からヘルメット2aに取
り込まれる外気の流入量と比例するものではないが、実
用上は、車両Sの走行速度に比例する値を第2の外気導
入口18からの外気流入量と見なして差し支えない。
【0030】ここで、前述した速度計の変わりに、圧力
センサを第2の外気導入口18に設け、この圧力センサ
を外気流入量情報出力手段17に接続することも可能で
ある。 この場合に、外気流入量情報出力手段17は、
圧力センサから出力される圧力情報に対応した外気流入
量情報を制御部3aに出力する。圧力情報は、必ずし
も、単位時間あたりに第2の外気導入口18からヘルメ
ット2aに取り込まれる外気の流入量と比例するもので
はないが、実用上は、圧力情報に比例する値を第2の外
気導入口18からの外気流入量と見なして差し支えな
い。
【0031】[除湿機構]除湿機構3bは、図3(B)
に示すように、多数のフィンを列設してなる熱交換器1
9,20とペルチェモジュール15とで構成されてい
る。この除湿機構3bには開口部(第2の開口部)26
aを有するダクト26が設けられ、このダクト26の開
口部26a(第1の外気導入口)と除湿機構3bとの間
には送風機3cが設けられている。この送風機3cは、
送風ファン11の回転により開口部26aからケーシン
グ5内に外気を送り込むように構成されている。
【0032】図6はペルチェモジュール15の作用原理
を示す概念図である。ペルチェモジュール15は、N型
半導体ペルチェ素子21とP型半導体ペルチェ素子22
とを上接合部23(銅電極)と下接合部24(銅電極)
で接合して形成されている。そして、電源25によりN
型半導体ペルチェ素子21からP型半導体ペルチェ素子
22の側に電流を流すと熱交換器19の側が吸熱すると
共に熱交換器20の側が放熱し、また、電源25の極性
を反転させてP型半導体ペルチェ素子22からN型半導
体ペルチェ素子21の側に電流を流すようにすると、熱
交換器19の側が放熱して熱交換器20の側が吸熱す
る。従って、図3(B)に示すように、ペルチェモジュ
ール15および熱交換器19,20を除湿機構として利
用する場合には、N型半導体ペルチェ素子21からP型
半導体ペルチェ素子22の側に電流を流し、熱交換器1
9の側が吸熱側、また、熱交換器20の側が放熱側とし
て機能するようにして電源25を接続する。すると、送
風機3cの回転により外気導入ダクト26を介してケー
シング5内に送り込まれた外気は、まず、冷却側の熱交
換器19によって熱を奪われ、急激な温度変化によって
生じる結露作用によって空気中の湿気を取り除かれる。
また、このとき結露した水分はケーシング5に穿設され
たドレイン27を介して排出される。そして、湿気を取
り除かれた空気は、更に、加熱側の熱交換器20で加熱
されて常温に戻され、可撓性の接続ホース29を介して
ヘルメット2aに送られ、他方の開口部2aからヘル
メットシールド4aに吹き付けられる。
【0033】図7は外気流入量判別機能および送風機駆
動制御機能としてのCPU6によって実施される送風量
調整処理の概略を示すフローチャートである。
【0034】運転者によるスタートスイッチ16の操作
を検知して送風量調整処理を開始したCPU6は、ま
ず、RAM8に記憶されている車両走行速度の最新の
値、要するに、単位時間あたりに第2の外気導入口18
から取り込まれる外気の流入量Vrの現在値を読み込み
(ステップa1)、その値が予め設定された判定値Vth
に達しているか否かを判別する(ステップa2)。判定
値Vthは、第2の外気導入口18からの外気の取り込み
のみによってヘルメットシールド4aの曇りを解消する
か、または、第2の外気導入口18からの外気の導入に
加え、送風機3を用いた外気の強制導入を併用してヘル
メットシールド4aの曇りを解消するかの何れか一方を
選択するための判別基準となる判定値である。
【0035】ステップa2の判別結果が真となった場
合、要するに、第2の外気導入口18からの外気の流入
量が十分であって送風機3cによる外気の強制導入が不
必要であると判定された場合には、CPU6は、モータ
駆動フラグFがセットされているか否か、つまり、現時
点で送風ファン11のモータ12が駆動されているか否
かを判別する(ステップa3)。
【0036】そして、ステップa3の判別結果が真とな
ってモータ駆動フラグFがセットされていることが明ら
かになった場合、つまり、現時点でモータ12が駆動さ
れていることが明らかとなった場合には、CPU6は、
モータ駆動回路13にモータ停止指令を出力してモータ
12の駆動を停止させると共に、電源スイッチ14にO
FF指令を出力してペルチェモジュール15への電力供
給を停止させる(ステップa4)。次いで、CPU6は
モータ駆動フラグFをリセットして送風機3cを非作動
状態としたことを記憶し(ステップa5)、再びステッ
プa1の処理に移行する。一方、ステップa3の判別結
果が偽となった場合は、既にモータ12が停止している
ことが明らかであるので、CPU6はステップa4およ
びステップa5の処理をスキップし、モータ12および
ペルチェモジュール15の非作動状態を保持したままス
テップa1の処理に移行する。
【0037】また、ステップa2の判別結果が偽となっ
た場合、つまり、第2の外気導入口18からの外気の流
入量が不充分であって送風機3による外気の強制導入が
必要であると判定された場合には、CPU6は、モータ
駆動フラグFがリセットされているか否か、つまり、現
時点で送風ファン11のモータ12が停止しているか否
かを判別する(ステップa6)。そして、モータ12が
停止していれば、つまり、モータ駆動フラグFがリセッ
トされていれば、CPU6は、モータ駆動回路13にモ
ータ駆動指令を出力してモータ12の駆動を開始させる
と共に、電源スイッチ14にON指令を出力してペルチ
ェモジュール15への電力供給を開始させる(ステップ
a7)。次いで、CPU6は、モータ駆動フラグFをセ
ットして送風機3を作動状態としたことを記憶し(ステ
ップa8)、再びステップa1の処理に移行する。一
方、ステップa6の判別結果が偽となった場合には、既
にモータ12が駆動されていることが明らかであるの
で、CPU6はステップa7およびステップa8の処理
をスキップし、モータ12およびペルチェモジュール1
5の作動状態を保持したままステップa1の処理に移行
する。
【0038】以下、第2の外気導入口18から取り込ま
れる外気の流入量Vrと判定値Vthとの大小関係の判別
結果に応じて、前記と同様の処理が繰り返し実行される
ことになる。
【0039】その結果、第2の外気導入口18から取り
込まれる外気の流入量Vrが不足気味(Vr<Vth)のと
きには、送風機3が連続的に作動して第2の外気導入口
18からの外気の導入による換気不足を補い、ヘルメッ
ト2a内の空気を強制的に換気してヘルメットシールド
4の曇りを防止する。また、第2の外気導入口18から
取り込まれる外気の流入量Vrが十分(Vr≧Vth)な場
合には送風機3cの駆動が自動的に停止されるので、車
両の走行速度に関わりなく送風ファン11を定常的に回
転させていた従来のこの主の曇り止め装置と比較して、
電気エネルギーを大幅に節約することができる。これと
共に、必要以上の強制換気が行われることも防止される
ので、過剰な換気による不快感、例えば、目の乾きとい
った不快感をヘルメット2の着用者が感じるといった問
題も解消することができる。
【0040】図8は、外気の流入量Vr(車両の走行速
度)の変化に応じて送風ファン11のモータ12がどの
ようにON/OFF制御されるか、また、実際にヘルメ
ット2a内に送風される外気の総和Q′がどのように変
化するかの一例について示す概念図であり、送風機3で
送風される外気の量はQmax(一定)として示してい
る。
【0041】まず、車両発進時t0の時点ではモータ駆
動フラグFは初期のリセット状態に保持されており、か
つ、Vr<Vthであるので、CPU6は、まず、第2の
外気導入口18からの外気の流入量Vrを読み込んでス
テップa2およびステップa6の判別処理を実行した
後、ステップa7の処理でモータ12の駆動を開始して
ステップa8の処理でモータ駆動フラグFをセットす
る。モータ駆動フラグFがセットされる結果、次周期以
降の処理ではモータ12の駆動を維持したままステップ
a1,ステップa2,ステップa6の処理だけが繰り返
し実行されることになり、この状況は、t1の時点でVr
=Vthとなるまで継続する。よって、t0からt1の区間
で実際にヘルメット2内に送風される外気の総和Q′
は、Q′=Qmax+Vrとなる。
【0042】そして、t1の時点でVr=Vthとなると、
CPU6はVrを読み込んでステップa2およびステッ
プa3の判別処理を実行した後、ステップa4の処理で
モータ12の駆動を停止してステップa5の処理でモー
タ駆動フラグFをリセットする。モータ駆動フラグFが
リセットされる結果、次周期以降の処理ではモータ12
の駆動を停止したままステップa1,ステップa2,ス
テップa3の処理だけが繰り返し実行されることにな
り、この状況は、t2の時点でVr<Vthとなるまで継続
する。よって、t1からt2の区間で実際にヘルメット2
内に送風される外気の総和Q′は、Q′=Vrとなる。
【0043】そして、t2の時点でVr<Vthとなると、
CPU6はVrを読み込んでステップa2およびステッ
プa6の判別処理を実行した後、ステップa7の処理で
モータ12の駆動を開始してステップa8の処理でモー
タ駆動フラグFをセットする。モータ駆動フラグFがセ
ットされる結果、次周期以降の処理ではモータ12を駆
動したままステップa1,ステップa2,ステップa6
の処理だけが繰り返し実行されることになり、この状況
は、少なくともt7の時点まで継続する。よって、t2以
降の区間で実際にヘルメット2内に送風される外気の総
和Q′は、Q′=Qmax+Vrとなる。なお、t3からt4
の区間およびt7以降の区間では車両は実質的に停止し
ており第2の外気導入口18からの外気の流入量Vr=
0となっているので、実際にヘルメット2内に送風され
る外気の総和Q′は送風ファン12による送風量Qmax
に等しい。
【0044】次に、前述した送風機3のON/OFF制
御に加え、第2の外気導入口18からの外気の取り込み
量Vrの変化に応じて送風機3の送風量Qを変化させる
処理を行うことで外気供給量の総和Q′を可能な限り望
ましい値に維持するようにするように制御することも可
能である。ハードウェアの構成に関しては前述したもの
と概ね同様であるが、モータ駆動回路13がCPU6か
らの速度指令値に基づいてモータ12の速度制御を行う
点が前述した実施形態と相違する。なお、ここでは一例
として、ヘルメット2の着用者にとって望ましい外気供
給量の総和Q′の値がQmaxであるものとして説明を進
める。
【0045】次に、図9は送風ファン12の送風量Qを
変化させて最適な外気供給量Qmaxを維持するためにC
PU6が実施する送風量調整処理の概略を示すフローチ
ャートである。
【0046】送風量調整処理を開始したCPU6は、ま
ず、RAM8に記憶されている車両走行速度の最新の
値、要するに、単位時間あたりに第2の外気導入口18
から取り込まれる外気の流入量Vrの現在値を読み込み
(ステップb1)、その値が予め設定された判定値Vth
に達しているか否かを判別する(ステップb2)。判定
値Vthは、第2の外気導入口18からの外気の取り込み
のみによってヘルメットシールド4の曇りを解消する
か、または、第2の外気導入口18からの外気の導入に
加え、送風機3を用いた外気の強制導入を併用してヘル
メットシールド4の曇りを解消するかの何れか一方を選
択するための判別基準となる判定値である。
【0047】ステップb2の判別結果が真となった場
合、つまり、第2の外気導入口18からの外気の流入量
が十分であって送風機3cによる外気の強制導入が不必
要であると判定された場合には、CPU6は、送風量設
定レジスタQに0をセットし(ステップb5)、送風機
3からの送風量を0とするための速度指令をモータ駆動
回路13に出力すると共に、電源スイッチ14にOFF
指令を出力してペルチェモジュール15への電力供給を
停止させる(ステップb4)。従って、先に述べた実施
形態の場合と同様、車両走行速度が上昇してVr≧Vth
となった状態ではモータ12の回転およびペルチェモジ
ュール15の作動は完全に停止され、第2の外気導入口
18からの外気の取り込みのみが行われることになる。
【0048】一方、ステップb2の判別結果が偽となっ
た場合、つまり、第2の外気導入口18からの外気の流
入が不充分であって送風機3cによる外気の強制導入が
必要であることが明らかとなった場合には、CPU6
は、Q=Qmax(1−Vr/Vth)の演算式を実行し、第
2の外気導入口18の換気不足を補って外気供給量の総
和Q′を望ましい値Qmaxに近似させるために必要とさ
れる送風機3cの送風量Qの値を求め、その値を送風量
設定レジスタQにセットする(ステップb3)。
【0049】Q=Qmax(1−Vr/Vth)の演算式から
明らかなように、車両停止等で第2の外気導入口18の
換気機能が実質的に無効となっているVr=0の状況下
ではQ=Qmax・1=Qmaxとなり、送風機3の送風作用
のみによって、必要とされる送風量Q′=Q+Vr=Qm
ax+0=Qmaxが達成される。また、車両走行速度の上
昇により第2の外気導入口18から取り込まれる外気の
量Vrが判定値Vthに達してVr=Vthとなった段階では
Q=Qmax・0=0となって送風機3の送風動作が完全
に停止する。このとき、Vr=Vthであるから、ヘルメ
ット2内には第2の外気導入口18の換気作用だけで判
定値Vthと同等量の外気、即ち、Q′=Q+Vr=0+
Vth=Vthが供給されることになる(但し、Vth=Qma
xとは限らない)。なお、判定値Vthと望ましい送風量
Qmaxとを必ずしも同じ値に設定する必要はないが、仮
にVth=Qmaxと設定するなら、Vr=0の場合にはQ′
=Q+Vr=Qmax+0=Qmaxが達成され、また、Vr=
Vthの場合にも、Q′=Q+Vr=0+Vth=Qmaxが達
成されることになる。
【0050】前述したQ=Qmax(1−Vr/Vth)の演
算式では、第2の外気導入口18からの外気の取り込み
量Vrの値に送風機3cの送風量Qを反比例させること
によって外気流入量の総和Q′=Q+Vrの値を略一定
に保持するようにしているが、Q=Qmax−Vr等の単純
な演算式を利用してヘルメット2内に流れ込む外気の流
入量Vrと送風機3の送風量Qとの和を略一定にするこ
とも可能である。
【0051】ステップb5またはステップb3の処理で
送風機3cの送風量Qを求めたCPU6は、送風量Qを
達成するために必要とされる速度指令をモータ駆動回路
12に出力し(ステップb4)、再びステップb1の読
み込み処理に移行して前記と同様の処理を繰り返し実行
する。
【0052】図10は、図9の処理を実施した場合に外
気の流入量Vr(車両の走行速度)の変化に応じて送風
機3cの送風量Qがどのように変化するか、また、実際
にヘルメット2内に送風される外気の総和Q′がどのよ
うに変化するかの一例について示す概念図である。
【0053】前述した通り、第2の外気導入口18から
の外気の流入量Vrが十分であって送風機3cによる外
気の強制導入が不必要であると判定された場合には送風
機3cが完全に非作動とされるので、外気の送風量の総
和Q′は第2の外気導入口18からの外気の流入量Vr
の影響のみを受けて変化する。従って、Vth<Vrとな
る図10のt1からt2の区間で生じる変化は、先に述べ
た単純なON/OFF制御による実施形態の図8のt1
からt2の区間で生じる変化と全く同一である。また、
図10のt3からt4の区間および図10のt7以降の区
間ではVrの値が0となっているので、モータ12は最
大の送風量Qmaxを達成すべく回転する。従って、Vr=
0となるt3からt4の区間およびt7以降の区間に関し
ても、送風量の総和Q′の状況に関しては、先に述べた
実施形態の図8のt3からt4の区間および図8のt7以
降の区間と全く同様である。
【0054】これに対し、図10のt0からt1の区間お
よび図10のt2からt3の区間や図10のt4からt7
の区間のように0<Vr<Vthとなる状況下では、前述
したステップb3の処理によりQ=Qmax(1−Vr/V
th)の演算式、または、Q=Qmax−Vrの演算式で送風
機3cの送風量Qが自動的に調整されるので、外気流入
量の総和Q′は概ねQmaxと等しい値に保持され、図8
で示した実施形態に見られるようなQ′の不連続的な変
化を取り除くことができる。モータ12を用いた送風量
の最大値はQmaxであるから、モータ12の回転速度を
調整することによってVr<Qmaxの範囲のVrの変動に
対処して外気流入量の総和Q′の値を概ね望ましい値Q
maxに保持することが可能である。
【0055】[作用]本発明の実施形態の作用を図3及
び図4により簡単に説明する。まず、制御部の外気流入
量判別機能が、第2の外気導入口を介してヘルメット内
部に流れ込む外気の流入量がが判定値に達しているか否
かを判別し、外気の流入量が判定値に満たないと判別し
た場合に送風機駆動制御機能が送風機3cを駆動する。
そして、送風機駆動制御機能が送風機3cを駆動するこ
とにより送風ファン11が回転し、開口部26aから外
気が取り入れられる。この取り入れられた外気は除湿機
構3bに送られ、この除湿機構3bで除湿される。この
除湿された除湿空気は、一方の開口部5aより除湿空
気通路5aに流れ、他方の開口部5aから放出され
る。この放出された除湿空気は、他方の開口部5a
ヘルメットシールド4aに向けられているため、ヘルメ
ットシールド4aに直接吹き付けられる。この吹き付け
られた除湿空気は、ヘルメットシールド4aを伝いなが
ら、ヘルメットシールド4aの曇りを除去する。このよ
うに、除湿空気が直接ヘルメットシールド4aに吹き付
けられるため、少ない除湿空気量でヘルメットシールド
の曇りを除去可能であるため、エネルギーの無駄が解消
される。
【0056】また、他方の開口部5aがヘルメットシ
ールド4aの縁部に沿って複数の孔で形成されている場
合には、除湿空気がヘルメットシールド4aにむらな
く、吹き付けられるため、ヘルメットシールド4aの全
域にわたり、曇りが除去される。そして、ヘルメットシ
ールド4aの曇りを除去した空気は、ヘルメット2a内
を循環してヘルメット2aの外部に放出される。
【0057】[第2の実施形態]本発明の第2の実施形
態を図11に基づいて説明する。まず、図11(A)に
示すように、前述した第1の実施の形態とは、ヘルメッ
トシールド4bの内側に内側シールド部材4cが、その
両端で一体的に連結されている点で異なる。さらに詳細
には、内側シールド部材4cは、ヘルメットシールド4
bより少し小さい板状部材の長手方向の両端を同一方向
に屈曲させることにより、略断面コ字状とすることで、
シールド部4cの両端に壁部4cが形成されてい
る。この内、シールド部4cはヘルメットシールド4
bど略同一形状とされている。壁部4cの端面はヘル
メットシールド4bに一体成形又は接着可能な形状とさ
れている。
【0058】そして、このように形成することで、ヘル
メットシールド4bの内側シールド部材側4c側の壁面
と内側シールド部材4cのヘルメットシールド4b側壁
面との間に除湿室4dが形成されている。さらに、ヘル
メットシールド4bと内側シールド部材4cの除湿空気
通路側(図11(A)おいて下方向)には空気導入口4
が形成されている。また、ヘルメットシールド4b
と内側シールド部材4cの除湿空気通路5bとは反対側
(図11(A)おいて上方向)には、空気排出口4d
が形成されている。ここで、内側シールド部材4cは、
空気吸入口4b及び空気排出口4b側端部を内側シ
ールド部材4cと反対方向に屈曲させて形成する事も可
能である。
【0059】さらに、第1の実施形態と同様に、ヘルメ
ット2bの窓2bの下部のパッドには除湿空気通路5
bが設けられている。この除湿空気通路5bの開口部5
(他方の開口部)は、ヘルメットシールド4bの近
傍であって、ヘルメットシールド4bの空気導入口4d
に向けて形成されている。
【0060】また、他方の開口部5bは、図12
(A)に示す形状とすることも可能である。この図12
(A)の他方の開口部をヘルメット2bの正面から見た
図が図12(B)である。図11(A),(B)に示す
ように、除湿空気通路5b、即ち、管体の一部をヘルメ
ット2bの開口部下縁のパッドであって、ヘルメットシ
ールド4bの下縁部に沿わせて配設し、除湿空気通路5
bのヘルメットシールド4bの縁部に沿った部位に所定
間隔で複数の孔を穿設することにより他方の開口部5b
を形成している。
【0061】このようにすることで、除湿空気送風手段
3から送風された除湿空気は、一方の開口部5bより
除湿空気通路5bに流れ、他方の開口部5bから放出
される。この放出された除湿空気は、空気導入口4d
より除湿室4dに流れ込み、ヘルメットシールド4bの
内側シールド部材4c側壁面と内側シールド部材4cの
ヘルメットシールド4b側壁面を伝わり、各々の壁面の
曇りを除去する。この各々の壁面の曇りを除去した除湿
空気は、除湿室4dの空気排出口4dから排出され、
内側シールド部材4cのヘルメットシールド4b側壁面
と反対側壁面を伝わり、この側壁面に曇りが生じていた
場合には除去する。
【0062】ここで、内側シールド部材4cの空気導入
口4d側端部を内側シールド部材4cと反対方向に屈
曲させた場合には、除湿空気送風手段3から送風された
除湿空気は、空気導入口4dよりより多くの除湿空気
が除湿室4d内に流れ込み、ヘルメットシールド4bの
内壁面の曇りが確実に除去される。また、内側シールド
部材4cの空気排出口4d側端部をヘルメット2bの
内部方向に屈曲させた場合には、除湿室4dより放出さ
れた除湿空気は、内側シールド部材4cのヘルメットシ
ールド4bの反対側壁面を伝わり、この内側シールド部
材4cの外壁に曇りを確実に除去する。
【0063】さらに、他方の開口部5bがヘルメット
シールド4bの縁部に沿って複数の孔で形成されている
場合には、除湿空気がヘルメットシールド4bにむらな
く、吹き付けられるため、ヘルメットシールド4bの全
域にわたり、曇りが除去される。そして、ヘルメットシ
ールド4bの曇りを除去した除湿空気は、ヘルメット2
a内を循環してヘルメット2aの外部に放出される。
【0064】[第3の実施形態]本発明の第3の実施形
態を図13に基づいて説明する。図13に示すように、
ヘルメットシールド4eのヘルメット2c内部側壁面と
の間に所定空間の密閉室4gを形成する内側シールド部
材4fをヘルメットシールド4eと一体的に備えている
点で異なる。そして、前記密閉室4gの内部は真空にさ
れている。
【0065】このようにすることで、密閉室4gが断熱
層として作用し、断熱効果によりヘルメット2c内部の
結露が解消される。このため、前述した第1及び第2の
実施形態のように、除湿空気送風手段等を装備すること
なく、簡易な手段でヘルメットシールド4eの曇りを防
止することが可能となる。また、この密閉室は、真空に
することなく、断熱効果を有するガスを封入することも
可能である。
【0066】
【発明の効果】請求項1記載の発明は以上のように構成
され機能するため、これによれば、除湿空気通路の他方
の開口部がヘルメットシールドに向けられているため、
ヘルメットシールドに吹き付けられる。この吹き付けら
れた除湿空気は、ヘルメットシールドを伝い、ヘルメッ
トシールドの曇りを除去するため、少ない除湿空気量で
ヘルメットシールドの曇りを除去可能であるため、エネ
ルギーの無駄が解消される。
【0067】請求項2記載の発明によれば、内側シール
ド部材で除湿室が形成されていることにより、除湿範囲
が除湿室に限定されるため、エネルギーの無駄が解消さ
れる。また、除湿効率が大きくなるため、除湿装置の小
型化が可能である。
【0068】請求項3記載の発明によれば、内側シール
ド部材の空気導入口側端部がヘルメットシールドの反対
方向に屈曲しているため、一方の開口部よりより多くの
除湿空気が除湿室内に流れ込み、ヘルメットシールド内
側シールド部材側の壁面と内側シールド部材のヘルメッ
トシールド側壁面の曇りが確実に除去されると共に、除
湿空気が直接顔面に当たることがないため快適である。
さらに、除湿室より放出された除湿空気は、内側シール
ド部材の空気排出口側端部がヘルメットシールドの反対
方向に屈曲しているため、より多くの除湿空気が内側シ
ールド部材のヘルメットシールド側壁面と反対側壁面を
伝わり、その壁に着いた曇りを確実に除去できる。
【0069】請求項4記載の発明によれば、除湿空気通
路の他方の開口部がヘルメットシールドの縁部に沿った
部位に所定間隔で穿設された複数の孔からなるため、除
湿空気がヘルメットシールドにむらなく吹き付けられ
る。このため、ヘルメットシールドの曇りが全域にわた
り確実に除去される。
【0070】請求項5記載の発明によれば、制御部で除
湿機構及び送風機を適切に制御することにより、除湿機
構及び送風機を操作する煩わしさが解消されると共に、
エネルギーの無駄も解消される。
【0071】請求項6記載の発明によれば、外気流入量
検出部で推定された外気の流入量が判定値に達している
か否かを外気流入量判別機能が判別し、この判別に応じ
て、送風機駆動制御機能により送風機及び除湿機構が駆
動される。このため、外気流入量が少ない場合にだけ、
送風機及び除湿機構が駆動されるため、エネルギーの無
駄がなくなる。
【0072】請求項7記載の発明によれば、真空の密閉
室が断熱層として作用するため、その断熱効果により、
簡易で且つ安価に、ヘルメットシールドの内側に曇りを
生じることがなくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態を示す概略図である。
【図2】図1のヘルメットシールド用曇り止め装置のブ
ロック図である。
【図3】図2のヘルメットシールド用曇り止め装置の要
部を示す図で、図3(A)はヘルメットの縦断側面図
で、図3(B)は除湿機構の断面図である。
【図4】図3の除湿空気通路の変形例を示す図で、図4
(A)はヘルメットの縦断側面図で、図4(B)は図4
(A)の他方の開口部の斜視図である。
【図5】図2のヘルメットシールド用曇り止め装置の制
御部を示す図である。
【図6】図3(B)の除湿機構に設けられたペルチェモ
ジュールの概念図である。
【図7】外気流入量判別手段および送風機駆動制御手段
としてのCPUによって実施される送風量調整処理の概
略を示すフローチャートである。
【図8】車両の走行による外気の流入量と送風機のON
/OFF状態とヘルメット内に送風される外気の総和と
の関係を例示した概念図である。
【図9】図7の送風量調整処理の変形例を示すフローチ
ャートである。
【図10】車両の走行による外気の流入量と送風機の送
風量とヘルメット内に送風される外気の総和との関係を
例示した概念図である。
【図11】本発明の第2の実施形態を示す図である。
【図12】図11の除湿空気通路の変形例を示す図で、
図12(A)はヘルメットの縦断側面図で、図12
(B)は図12(A)の他方の開口部の斜視図である。
【図13】本発明の第3の実施形態を示す図である。
【符号の説明】
1 ヘルメットシールドの曇り防止装置 2a,2b,2c ヘルメット 3 除湿空気送風手段 3a 制御部 3b 除湿機構 3c 送風機 4a,4b,4e ヘルメットシールド 4c,4f 内側シールド部材 4d 空気導入口 4d 空気排出口 4g 密閉室 5a,5b 除湿空気通路 5a,5b 一方の開口部 5a,5b 他方の開口部 17 外気流入量情報出力手段 18 第2の外気導入口 26a 第1の外気導入口

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 除湿した空気を送風する除湿空気送風手
    段と、一方及び他方の開口部を有する除湿空気通路とを
    備え、 前記一方の開口部を前記除湿空気送風手段に接続すると
    共に、 前記他方の開口部をヘルメットシールドの内側近傍で且
    つ当該ヘルメットシールドに向けて装備したことを特徴
    とするヘルメットシールドの曇り防止装置。
  2. 【請求項2】 前記ヘルメットシールドの内側に所定の
    間隙を形成する内側シールド部材を備え、 前記内側シールド部材の両端を前記ヘルメットシールド
    に一体的に連結したことを特徴とする請求項1記載のヘ
    ルメットシールドの曇り防止装置。
  3. 【請求項3】 前記内側シールド部材の開口側端部を、
    前記ヘルメットシールドと反対方向に屈曲して形成した
    ことを特徴とする請求項2記載のヘルメットシールドの
    曇り防止装置。
  4. 【請求項4】 前記除湿空気通路を管体で形成すると共
    に、この管体の一部をヘルメットシールドの縁部に沿っ
    て配設し、 前記他方の開口部を、前記管体に所定間隔で穿設された
    複数の孔を設けて形成したことを特徴とする請求項1,
    2又は3記載のヘルメットシールドの曇り防止装置。
  5. 【請求項5】 前記除湿空気送風手段を、外気を導入す
    る第1の外気導入口と、管路を介して前記第1の外気導
    入口から外気を吸入し除湿機構に送風する送風機と、こ
    の送風機の送風量の制御と併せて除湿機構への電力供給
    を制御する制御部とで構成することを特徴とする請求項
    1,2,3又は4記載のヘルメットシールドの曇り防止
    装置。
  6. 【請求項6】 前記ヘルメットシールドに所定量の外気
    を導入する第2の外気導入口をヘルメットに設けると共
    に、 前記制御部にスピードに対応した外気流入量情報を出力
    する外気流入量情報出力手段を接続し、 前記制御部が、前記外気流入量情報が予め設定された判
    定値に達しているか否かを判別するための外気流入量判
    別機能と、この外気流入量判別機能により外気の流入量
    が判定値に満たないと判別された場合に前記送風機及び
    除湿機構を駆動する送風機駆動制御機能とを有すること
    を特徴とする請求項5記載のヘルメットシールドの曇り
    防止装置。
  7. 【請求項7】 ヘルメット装着者の視界を確保する窓を
    覆うヘルメットシールドを備え、 前記ヘルメットシールドの内側に所定空間の密閉室を形
    成する内側シールド部材を前記ヘルメットシールドと一
    体的に形成すると共に、 前記密閉室の内部を真空にすることを特徴とするヘルメ
    ットシールドの曇り防止装置。
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