JP2001055454A - ラミネート用ポリエステルフィルム - Google Patents
ラミネート用ポリエステルフィルムInfo
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Abstract
にラミネートして用いるのに好適なラミネート用ポリエ
ステルフィルムを提供すること。 【解決手段】陥没部中に突起部を有する凹凸部および/
または陥没部の隣接点に突起部を有する凹凸部がフィル
ムの少なくとも片面に複数個形成され、該陥没部の周辺
が盛り上がってなり、かつ融点が246〜270℃であ
るラミネート用ポリエステルフィルム。
Description
ステルフィルムに関するものである。詳しくは、金属板
などの基材とのラミネートが容易であり、ラミネート後
に成形加工を施しても密着性が良好であり、金属缶など
の容器への成形加工が容易で、味特性に優れ、さらには
ラミネート、成形加工時の耐削れ性に優れるラミネート
用ポリエステルフィルムに関するものである。
耐熱性、機械特性、電気特性を有することから、磁気記
録材料等のベースフィルムや電気絶縁材料、被覆材料な
どの工業材料、さらには印刷性、蒸着性に優れることか
ら、包装材料にも広く使用されている。
の用途がますます多様化し、基材と接着剤を介して、あ
るいは直接熱によりラミネートされ、成形などを施し使
用される用途が開発されてきている。
は腐食防止を目的として、エポキシ系、フェノール系な
どの各種熱硬化性樹脂を溶剤に溶解または分散させたも
のを塗布し、金属表面を被覆することが広く行われてい
た。しかしながら、このような熱硬化性樹脂の被覆、印
刷工程は、塗料やインキの乾燥に長時間を要し、生産性
が低下したり、多量の有機溶剤による環境汚染など好ま
しくない問題がある。
硬化性樹脂の被覆の代わりに、金属缶の材料である鋼
板、アルミニウム板、あるいは該金属板にメッキなど各
種の表面処理を施した金属板にフィルムを接着剤を介し
て、もしくは直接表面を融解させてラミネートする方法
がある。そして、フィルムをラミネートした金属板を用
いて金属缶を製造する場合、フィルムには次のような特
性が要求される。 (1)金属板へのラミネート性、密着性に優れているこ
と。 (2)成形性に優れ、成形時にフィルムにクラック、ピ
ンホールおよび削れなどの欠陥が生じないこと。 (3)成形後の金属缶に衝撃が加わった際に、フィルム
にクラック、ピンホールが発生しないこと。 (4)缶の内容物の味覚、嗅覚成分がフィルムに吸着さ
れたり、フィルムからの溶出物によって内容物の風味が
そこなわれないこと(以下、味特性と記載する)。
がなされており、たとえば、特開平8−239492号
公報には、特定の静摩擦係数を有するポリエステルフィ
ルムが開示されている。また、特開平9−87397号
公報には、特定の表面粗さと破れ突起について開示され
ている。さらには、特開平10−44319号公報に
は、80℃における摩擦係数が特定の値以上であるフィ
ルムが開示されている。しかしながら、これらの提案
は、上述のような多岐にわたる要求特性を必ずしも総合
的に満足できるものではなく、特に優れた耐削れ性、成
形性が要求される用途での味特性を両立することは困難
であった。
した従来技術の問題点を解消することにあり、耐削れ
性、成形性および味特性に優れ、基材にラミネートして
用いるのに好適なラミネート用ポリエステルフィルムを
提供することにある。
突起部を有する凹凸部および/または陥没部の隣接点に
突起部を有する凹凸部がフィルムの少なくとも片面に複
数個形成され、該陥没部の周辺が盛り上がってなり、か
つ融点が246〜270℃であるラミネート用ポリエス
テルフィルムによって達成することができる。
構成するポリエステルとは、主鎖中の主要な結合をエス
テル結合とする高分子の総称であって、通常ジカルボン
酸成分とグリコール成分を重縮合反応させることによっ
て得ることができる。ここでジカルボン酸成分として
は、たとえばテレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、
イソフタル酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェニルス
ルホンジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン
酸、5−ナトリウムスルホンジカルボン酸、フタル酸な
どの芳香族ジカルボン酸、シュウ酸、コハク酸、アジピ
ン酸、セバシン酸、ダイマー酸、マレイン酸、フマル酸
などの脂肪族ジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン
酸などの脂環族ジカルボン酸、パラオキシ安息香酸など
のオキシカルボン酸などを挙げることができる。また、
グリコール成分としては、たとえばエチレングリコー
ル、プロパンジオール、ブタンジオール、ペンタンジオ
ール、ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコールなど
の脂肪族グリコール、ジエチレングリコール、ポリエチ
レングリコール、ポリプロピレングリコールなどのポリ
オキシアルキレングリコール、シクロヘキサンジメタノ
ールなどの脂環族グリコール、ビスフェノールA、ビス
フェノールSなどの芳香族グリコールなどが挙げられ
る。
性の観点から、ポリエステルの融点が246〜270℃
であることが必要である。融点が246℃未満である
と、耐熱性に劣り、長期間の保存によりその特性が劣化
することがあり、また、融点が270℃を越えると、ポ
リエステルフィルムを基材に熱ラミネートする際のラミ
ネート温度が高くなりすぎる。融点が250〜265℃
であると、ラミネート性、保存性の点からさらに好まし
い。ポリエステルの融点をかかる範囲内とする方法は特
に限定されるものではないが、本発明のポリエステルフ
ィルムを構成するポリエステルの95モル%以上が、エ
チレンテレフタレート単位および/もしくはエチレン
2,6−ナフタレンジカルボキシレートであることが好
ましい。
ルボン酸成分とグリコール成分を共重合してもよく、ジ
カルボン酸成分、グリコール成分としては上述のものな
どが使用される。なお、これらのジカルボン酸成分、グ
リコール成分は2種以上を併用してもよい。味特性の点
ではジフェニルジカルボン酸、5−ナトリウムスルホン
ジカルボン酸が好ましい。さらに、本発明の効果を阻害
しない限りにおいて、ポリエステルにトリメリット酸、
トリメシン酸、トリメチロールプロパンなどの多官能化
合物を共重合したものを使用してもよい。
ート性、成形時の耐削れ性、ひいては味特性の観点か
ら、陥没部中に突起部を有する凹凸部および/または陥
没部の隣接点に突起部を有する凹凸部が、フィルムの少
なくとも片面に複数個形成されてなり、該陥没部の周辺
が盛り上がっていることが必要である。該陥没部を有し
ない場合、耐削れ性に劣り、ラミネート、成形時に削れ
が発生し、容器の内面に用いられると、内容物との接触
面積が広くなり、低分子量体の内容物への溶出が増える
場合があり、味特性が悪化する。また、容器外面に用い
ると、意匠性、美麗性に劣ってしまう。ここで、陥没部
中に突起部を有する凹凸部とは、フィルム面に陥没部が
形成され、その陥没部の中に1個または複数個の突起部
が形成されたものである。また、その陥没部の周辺は盛
り上がっている。
は、フィルム面上に形成された凹凸部の平面を模式的に
示した図、図2は、図1の A−A’断面、すなわち凹
凸部の断面を模式的に示した図である。図において1は
二軸延伸フィルム、2は陥没部、3は突起部、4は陥没
部2と突起部3から形成された凹凸部である。かかる凹
凸部4における陥没部2の形状は図1には長楕円状をし
たものを示したが、その形は特に限定されるものではな
く、どのような形状でも良い。陥没部2の周辺は図2に
示したように、盛り上がっている。図2中、5は陥没部
周辺部の盛り上がりである。突起部3の数は1個であっ
てもよく、複数個であっても良い。また、突起部3の位
置は陥没部2の中のいずれの位置にあっても良い。
凹凸部とは、2個以上の陥没部が隣接する隣接点に1個
または複数個の突起部が形成されたものである。
3は、フィルム面上に形成された平面を模式的に示した
図、図4は、図3の A−A’断面を模式的に示した図
である。図において符号1〜4は第1図と同意である。
図示したように凹凸部4は、2個の楕円状の陥没部2の
隣接点と想定される位置に、突起部3が形成されたもの
である。なお、陥没部2は、3個以上の複数個が隣接し
たものであってもよい。陥没部2の周辺は図4に示した
ように盛り上がっている。図4中、5は陥没部周辺部の
盛り上がりである。また、図5は、実際にフィルム表面
に形成された凹凸部の顕微鏡写真(ただし、実施例1の
表面写真(倍率5000倍))である。
が1×10-3〜5×10-1であると耐削れ性がさらに向
上するので好ましい。面積分率が上記範囲を下回ると、
ラミネート時にシワが入りやすくなる場合がある。ま
た、上記範囲を上回ると、味特性が悪化することがあ
る。味特性、成形性などの観点からは、上記陥没部の面
積分率が1×10-2〜3×10-1であるとより好まし
い。
製造方法は、溶融、成形、二軸延伸、熱固定からなる後
述の製膜におけるフィルムに、陥没部形成工程を経るこ
とにより製造することができる。そして、この方法にお
ける陥没部成形工程としては、最初の延伸過程におい
て、フィルム面垂直方向に10kg/cm以上の荷重を
加える方法が有用である。ただし、本発明はこの方法に
限定されるものではない。
の観点から、150℃におけるフィルムの長手方向およ
び幅方向の破断強度が120MPa以上であることが好
ましい。150℃での破断強度が120MPa未満であ
ると、成形の際フィルムにクラックが入る場合があり、
耐腐食性が低下する場合がある。成形性の観点からは、
170MPa以上であるとさらに好ましい。150℃で
の破断伸度をかかる範囲にする方法としては、特に限定
されるものではないが、たとえば製膜時の延伸温度、倍
率、熱固定温度を制御することにより達成する方法や製
膜後フィルムをエージングさせる方法など任意の方法を
採ることができる。
は、従来公知の反応触媒、着色防止剤を使用することが
でき、反応触媒としては、たとえばアルカリ金属化合
物、アルカリ土類金属化合物、亜鉛化合物、鉛化合物、
マンガン化合物、コバルト化合物、アルミニウム化合
物、アンチモン化合物、チタン化合物など、着色防止剤
としては、たとえばリン化合物などを使用することがで
きる。
応触媒としては、ゲルマニウム元素を含有する化合物を
使用することが特に好ましい。ゲルマニウム元素を含有
する金属化合物としては、たとえば二酸化ゲルマニウ
ム、水酸化ゲルマニウム水和物、あるいはゲルマニウム
テトラメトキシド、ゲルマニウムエチレングリコキシド
などのゲルマニウムアルコキシド化合物、ゲルマニウム
フェノキシド化合物、リン酸ゲルマニウム、亜リン酸ゲ
ルマニウムなどのリン酸含有ゲルマニウム化合物、酢酸
ゲルマニウムなどが挙げられる。さらに味特性の点で、
ゲルマニウム元素を含有する化合物が、実質的に非晶質
であるとより一層好ましい。ここで、非晶質のゲルマニ
ウム化合物とは、X線回折法において結晶性回折ピーク
を有しないものである。
量が2〜50ppmであると、味特性の点でさらに好ま
しい。さらに、ゲルマニウム元素の含有量が10〜45
ppmあると、より好ましい。残存ゲルマニウム元素量
が2ppm未満となると、重合触媒としてゲルマニウム
元素を含有した化合物を使用した効果が発現しないこと
があり、逆に残存ゲルマニウム元素量が50ppmを越
えると、触媒量が過剰になり、味特性に劣る場合があ
る。ゲルマニウム元素量をかかる範囲とする方法は、特
に限定されるものではない。
を使用することができるが、特にこれに限定されるもの
ではない。
たとえばゲルマニウム化合物を例にすると、ゲルマニウ
ム化合物粉体をそのまま添加する方法や、あるいは特公
昭54−22234号公報に記載されているように、ポ
リエステルの出発原料であるグリコール成分中にゲルマ
ニウム化合物を溶解させて添加する方法を使用すること
ができる。
は製造される。ここで具体的な例で説明するが、本発明
はこれに限定されない。たとえば、ポリエチレンテレフ
タレートを製造するに際して、触媒として非晶二酸化ゲ
ルマニウムを添加する場合には、テレフタル酸成分とエ
チレングリコール成分をエステル交換またはエステル化
反応させ、次に二酸化ゲルマニウム、リン化合物を添加
し、引き続き高温、減圧下で一定のジエチレングリコー
ル含有量になるまで重縮合させ、ゲルマニウム元素含有
重合体を得る方法が好ましく採用される。さらに好まし
い方法としては、得た重合体をその融点以下の温度にお
いて、減圧下または不活性ガス雰囲気下で固相重合反応
し、アセトアルデヒドの含有量を減少させ、所定の固有
粘度、カルボキシ末端基を得る方法などが用いられる。
ら、フィルム中のジカルボン酸モノメチルエステルの含
有量が6ppm以下であることが好ましく、含有量が3
ppm以下であるとさらに好ましく、検出されないとよ
り一層好ましい。ジカルボン酸モノメチルエステル含有
量が6ppmを越えると、缶の内容物中に溶出すること
があり、味を低下させることがある。ここで、ジカルボ
ン酸モノメチルエステルとしては、テレフタル酸モノメ
チルエステル、イソフタル酸モノメチルエステル、ナフ
タレンジカルボン酸モノメチルエステルなどが挙げら
れ、ジカルボン酸の二つあるカルボキシル基のうち、片
方のみがメチルエステル化されたものである。ジカルボ
ン酸モノメチルエステル含有量をかかる値以下とする手
法としては、特に限定されるものではないが、たとえば
ポリエステルの重合の際、ジカルボン酸成分とグリコー
ル成分を直接エステル交換する方法、重合後ポリマー中
の他のモノマー、オリゴマー成分と同時に抽出する方
法、製膜後のフィルムから抽出する方法などが挙げられ
る。
はジエチレングリコール成分量が0.01〜3.5重量
%、さらに好ましくは0.01〜2.5重量%、特に好
ましくは0.01〜2.0重量%であることが、接着剤
塗布、乾燥や加工時の熱処理、レトルト処理などの多く
の履歴を受けても優れた味特性を維持する上で望まし
い。さらに公知の酸化防止剤を0.0001〜1重量%
添加してもよい。
を介して基材にラミネートする際の接着剤との親和性、
ひいては基材への密着性を向上する点で、少なくとも片
面の表面張力が45mN/m以上であることが好まし
い。表面張力がこの値未満であると、密着力が劣る場合
があるので好ましくない。また、基材にラミネート後、
成形されて使用される場合の印刷性、美麗性の観点か
ら、両面の表面張力が45mN/m以上であることが好
ましい。さらに表面張力が48mN/m以上であると密
着性がさらに向上するのでさらに好ましい。また、表面
張力はポリエステルフィルムの製造時の効率、経済性を
考慮すると、65mN/m以下であることが好ましい。
表面張力をかかる値以上とする方法としては本発明の効
果を阻害しない限りにおいて特に限定されるものではな
いが、フィルム表面に公知の方法でコロナ放電処理を施
す方法や、公知の各種塗布化合物、方法により、コーテ
ィングを施す方法を挙げることができる。
基材にラミネートした後の成形性、基材に対する被覆
性、耐衝撃性、味特性の点で、好ましくは3〜50μ
m、さらに好ましくは5〜35μm、特に好ましくは8
〜30μmであるものを使用するのがよい。
造方法としては、特に限定されないが、たとえばポリエ
ステルを必要に応じて乾燥した後、公知の溶融押出機に
供給、溶融し、スリット状のダイからシート状またはチ
ューブ状に押出し、前者では静電印可などの方式により
キャスティングドラムに密着させ冷却固化し未延伸シー
トを得る。かかる未延伸シートを用いて製膜する方法と
しては、チューブラー方式、テンター方式などがある
が、フィルムの品質の面でテンター方式によるものが好
ましく、長手方向に延伸した後幅方向に延伸する、ある
いは、幅方向に延伸した後長手方向に延伸する逐次二軸
延伸方式、長手方向、幅方向をほぼ同時に延伸していく
同時二軸延伸方式などが望ましい。
倍率としては、それぞれの方向に、好ましくは1.6〜
4.2倍、さらに好ましくは1.7〜4.0倍である。
また、延伸速度は1000〜200000%/分である
ことが望ましく、延伸温度はポリエステルのガラス転移
点以上ガラス転移点+100℃以下であれば任意の温度
とすることができるが、好ましくは80〜170℃、特
に好ましくは、縦延伸温度を90〜150℃、横延伸温
度を80〜150℃とするのがよい。
行うが、この熱処理はオーブン中、加熱されたロール上
など従来公知の任意の方法で行うことができる。熱処理
温度は120℃以上ポリエステルの融点以下の任意の温
度とすることができるが、好ましくは150〜融点−5
℃以下である。また、熱処理時間は任意とすることがで
きるが、通常1〜60秒間行うのが好ましい。熱処理は
フィルムをその長手方向および/または幅方向に弛緩さ
せて行ってもよい。さらに再延伸を各方向に対して1回
以上行ってもよい。
性を向上させるために、平均粒子径0.01〜10μm
の公知の内部粒子、無機粒子、有機粒子などの外部粒子
のなかから任意に選定される粒子を0.01〜50重量
%含有させることが好ましい。特に平均粒子径0.1〜
5μmの内部粒子、無機粒子および/または有機粒子を
0.01〜3重量%含有することが、缶内面に使用する
フィルムとして好ましい。内部粒子の析出方法として
は、公知の技術を採用することができるが、たとえば特
開昭48−61556号公報、特開昭51−12860
号公報、特開昭53−41355号公報、特開昭54−
90397号公報などに記載の技術を採用することがで
きる。さらに特開昭55−20496号公報、特開昭5
9−204617号公報などの他の粒子を併用すること
もできる。なお、10μmを越える平均粒子径を有する
粒子を使用すると、フィルムの欠陥が生じることがある
ので注意を要する。
よび乾式シリカ、コロイダルシリカ、ケイ酸アルミ、酸
化チタン、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、硫酸バ
リウム、アルミナ、マイカ、カオリン、クレーなど、有
機粒子としてはスチレン、シリコーン、アクリル酸類、
メタクリル酸、ポリエステル、ジビニルベンゼンなどを
構成成分とする粒子を使用することができる。なかでも
湿式および乾式コロイド状シリカ、アルミナなどの無機
粒子およびスチレン、シリコーン、アクリル酸、メタク
リル酸、ポリエステル、ジビニルベンゼンなどを構成成
分とする粒子を使用することが好ましい。これらの内部
粒子、無機粒子、有機粒子は二種以上を併用してもよ
い。
定されないが、金属素材としては、成形の点で鉄やアル
ミニウムなどを素材とする金属板が好ましい。さらに、
鉄を素材とする金属板の場合、その表面に接着性や耐腐
食性を改良する無機酸化物被膜層、たとえばクロム酸処
理、リン酸処理、クロム酸/リン酸処理、電解クロム酸
処理、クロメート処理、クロムクロメート処理などで代
表される化成処理被膜層を設けてもよい。特に金属クロ
ム換算値でクロムとして6.5〜150mg/m2 のク
ロム水和酸化物が好ましく、さらに展延性金属メッキ
層、たとえばニッケル、スズ、亜鉛、アルミニウム、砲
金、真鍮などを設けてもよい。スズメッキの場合0.5
〜15mg/m2 、ニッケルまたはアルミニウムの場合
1.8〜20g/m2 のメッキ量を有するものが好まし
い。一方、非金属素材としては、特に限定されるもので
はないが、紙、不織布、ガラス、高分子素材が最終製品
での軽量性の点で好ましい。
ムは、基材とラミネートした後、成形加工される用途、
特にスリーピース金属缶の底、胴、フタの被覆用や、紙
容器、プラスチック容器などの内面および外面被覆用と
して良好なラミネート性およびラミネート後の成形時の
耐削れ性に優れた特性を有するため、これらの用途に好
ましく使用することができる。
る。なお、特性は以下の方法により測定評価した。
をDi,niとすれば、[ΣiniDi/S]として求められ
る。
m) フィルム約10mgを示差走査熱量計(パーキン・エル
マー社製DSC2型)により、20℃/分の昇温速度で
測定し、融解のピーク温度を融点(Tm)とした。
ソプロパノールに溶解させる。これにメタノールを加え
濾過した濾液を液体クロマトグラフにかけフィルム中の
ジカルボン酸モノメチルエステル量を定量した。
フィルムを試料長100mmとなるよう設置し、150
℃雰囲気のチャンバー内で90秒保持した。その後、ク
ロスヘッドスピード300mm/分としてフィルムの長
手方向,幅方向について、破断時に掛かっていた応力
(破断強度)を測定した。
て行った。標準液は表面張力の大きさに応じて下記の3
種類を用いた。 30mN/m≦γ<56mN/m:JIS K−676
8標準液。 56mN/m≦γ<72mN/m:アンモニア水。 72mN/m≦γ:水酸化ナトリウム水溶液。
トリメリット酸系硬化剤を、95/5の割合で有機溶媒
に溶解させた樹脂溶液を均一厚さ(約2μm)で塗布し
た。そして、接着剤の硬化が進行しないように、120
℃で20秒間乾燥させた。この接着剤塗布フィルムを1
80℃でポリエチレンテレフタレート不織布に圧着し、
その後200℃以上で1分間加熱することで接着を行っ
た。接着後のフィルムのラミネート状態を下記のように
評価した。 A級:全面シワなし。 B級:フィルム端部にシワが認められた。 C級:全面にシワが認められた。
トリメリット酸系硬化剤を、95/5の割合で有機溶剤
に溶解させた樹脂溶液を均一厚さ(約2μm)で塗布し
た。そして、接着剤の硬化が進行しないように、120
℃で20秒間乾燥させた。この接着剤塗布フィルムを1
82℃に予め加熱しておいた金属板に接着剤塗布面側を
圧着し、その後200℃以上で1分間加熱することで接
着を行った。該ラミネート金属板を絞り成形機で成形
(絞り比(最大厚み/最小厚み)=1.5、70〜12
0℃の成形可能温度領域にて成形)した。成形後の容器
側面に接着テープを貼付、はく離しフィルム削れ物の接
着テープへの接着状態の程度を下記のように評価した。 A級:粉状はく離が全くない。 B級:局部的に若干の粉状はく離が認められる。 C級:全面に粉状はく離が認められる。
気処理を施した後、精製水を充填密閉後35℃で15週
間放置し、その後開封して官能検査によって臭気の変化
(これを味特性とした)を評価した。 A級:臭気に全く変化が見られない。 B級:臭気にほとんど変化が見られない。 C級:臭気に大きく変化が見られる。
ム(GeO2)を使用して、テレフタル酸とエチレング
リコールから、直接エステル交換反応によりポリエチレ
ンテレフタレート(以下、PETという)を得た。この
PETを180℃で4時間真空乾燥したのち、押出機に
供給し、口金から冷却ドラム上に溶融押出しキャストフ
ィルムを得た。その後、キャストフィルムを縦延伸(延
伸温度108℃、延伸倍率3.3倍)、横延伸(延伸温
度120℃、延伸倍率3.0倍)と逐次二軸延伸し、熱
処理(温度190℃、時間7秒)を施し、二軸延伸フィ
ルムを得た。この際、縦延伸工程後にコロナ放電処理を
施し、また縦延伸工程にて荷重16kg/cmの加圧プ
ロセスを行い、続く横延伸工程にて縦方向のドローを
1.05倍で行うことで、表面に陥没部中に突起部を有
する凹凸部を有する厚さ15μmのフィルムを製膜し
た。このようにして得られた二軸延伸フィルムの表面写
真を図5に示す(倍率5000倍)。このフィルムを評
価したところ、表1に示した通り優れた特性を示した。
使用し、製膜条件を変更することで、表に示した物性を
有するフィルムを得た。この二軸延伸フィルムを評価し
たところ、表1に示したように優れた特性を示した。
チモン(Sb2O3)を使用して、テレフタル酸ジメチル
とエチレングリコールのエステル交換反応により、PE
Tを重合して得た。このPETを用いて、実施例1と延
伸条件以外は同様に溶融押し出し、二軸延伸を行い、表
に示したようなフィルムを得た。このフィルムを評価し
たところ、表1に示したように優れた特性であった。
O2に変更して、エステル交換反応によりPETを得
た。この後、製膜条件は変更したが、実施例1と同様に
逐次二軸延伸を行い、表面に陥没部中に突起部を有する
凹凸部を有する二軸延伸フィルムを得た。このフィルム
を評価したところ、表1に示したように優れた特性を示
した。
ソフタル酸12モル%をエチレングリコールとSb2O3
を重合触媒としてエステル交換反応により重合し、イソ
フタル酸12モル%共重合ポリエチレンテレフタレート
を得た。このポリマーを150℃で3時間真空乾燥後、
押出機に供給し、延伸条件を変更して実施例1と同様に
製膜を行った。なお、比較例1では縦延伸工程における
加圧プロセスは行わず、その結果表面には陥没部中に突
起部を有する凹凸部が形成されなかった。このフィルム
を評価したところ、表1に示したように特性は劣ってい
た。
を使用して、比較例1と同様に縦延伸工程における加圧
プロセスは行わず、その結果表面には陥没部中に突起部
を要する凹凸部が形成されなかった。表1に示したよう
な二軸延伸フィルムを得た。このフィルムを評価したと
ころ、各特性に劣っていた。なお、表中の略号は以下の
通りである。 PET:ポリエチレンテレフタレート PET/I*:イソフタル酸共重合ポリエチレンテレフ
タレート(*は共重合率) GeO2:二酸化ゲルマニウム Sb2O3:三酸化アンチモン MMT:フィルム中のジカルボン酸モノメチルエステル
含有量
ト用ポリエステルフィルムによれば、金属板とラミネー
ト後に成形加工を施したとしても、金属板との密着性が
良好であり、金属缶などの容器への成形加工が容易で、
さらにはラミネート、成形加工時の耐削れ性に優れるも
のであり、金属缶などの容器に好適に使用することがで
きる。
面図である。
面図である。
微鏡写真である。
Claims (10)
- 【請求項1】陥没部中に突起部を有する凹凸部および/
または陥没部の隣接点に突起部を有する凹凸部がフィル
ムの少なくとも片面に複数個形成され、該陥没部の周辺
が盛り上がってなり、かつ融点が246〜270℃であ
るラミネート用ポリエステルフィルム。 - 【請求項2】該陥没部の面積分率が1×10-3〜5×1
0-1である請求項1に記載のラミネート用ポリエステル
フィルム。 - 【請求項3】150℃でのフィルム長手方向および幅方
向の破断強度が120MPa以上である請求項1または
2に記載のラミネート用ポリエステルフィルム。 - 【請求項4】重合触媒としてゲルマニウム元素を含有す
る金属化合物を使用して製造された請求項1〜3のいず
れかに記載のラミネート用ポリエステルフィルム。 - 【請求項5】フィルム中の遊離のジカルボン酸モノメチ
ルエステルの含有量が6ppm以下である請求項1〜4
のいずれかに記載のラミネート用ポリエステルフィル
ム。 - 【請求項6】ラミネートされた後、容器に成形され使用
される請求項1〜5のいずれかに記載のラミネート用ポ
リエステルフィルム。 - 【請求項7】金属板にラミネートされた後使用される請
求項1〜6のいずれかに記載のラミネート用ポリエステ
ルフィルム。 - 【請求項8】3ピース金属缶に用いられる請求項1〜7
のいずれかに記載のラミネート用ポリエステルフィル
ム。 - 【請求項9】非金属素材とラミネートされた後、使用さ
れる請求項1〜6のいずれかに記載のラミネート用ポリ
エステルフィルム。 - 【請求項10】非金属素材が紙、不織布、ガラスまたは
高分子素材である請求項9に記載のラミネート用ポリエ
ステルフィルム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23023599A JP2001055454A (ja) | 1999-08-17 | 1999-08-17 | ラミネート用ポリエステルフィルム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23023599A JP2001055454A (ja) | 1999-08-17 | 1999-08-17 | ラミネート用ポリエステルフィルム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001055454A true JP2001055454A (ja) | 2001-02-27 |
Family
ID=16904659
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP23023599A Pending JP2001055454A (ja) | 1999-08-17 | 1999-08-17 | ラミネート用ポリエステルフィルム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001055454A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002337225A (ja) * | 2001-05-17 | 2002-11-27 | Toray Ind Inc | 成形用二軸延伸ポリエステルフィルム |
US7364786B2 (en) * | 2002-09-10 | 2008-04-29 | Toray Industries, Inc. | Biaxially oriented polyester film |
-
1999
- 1999-08-17 JP JP23023599A patent/JP2001055454A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002337225A (ja) * | 2001-05-17 | 2002-11-27 | Toray Ind Inc | 成形用二軸延伸ポリエステルフィルム |
US7364786B2 (en) * | 2002-09-10 | 2008-04-29 | Toray Industries, Inc. | Biaxially oriented polyester film |
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