JP2001054602A - ゴルフクラブ用シャフト - Google Patents

ゴルフクラブ用シャフト

Info

Publication number
JP2001054602A
JP2001054602A JP2000169012A JP2000169012A JP2001054602A JP 2001054602 A JP2001054602 A JP 2001054602A JP 2000169012 A JP2000169012 A JP 2000169012A JP 2000169012 A JP2000169012 A JP 2000169012A JP 2001054602 A JP2001054602 A JP 2001054602A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
epoxy resin
weight
golf club
resin composition
fiber
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000169012A
Other languages
English (en)
Inventor
Ikuo Aoki
郁夫 青木
Shinya Fujioka
信也 藤岡
Mitsutaka Kato
光崇 加藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toray Industries Inc filed Critical Toray Industries Inc
Priority to JP2000169012A priority Critical patent/JP2001054602A/ja
Publication of JP2001054602A publication Critical patent/JP2001054602A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Epoxy Resins (AREA)
  • Golf Clubs (AREA)
  • Reinforced Plastic Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明の目的は、切削加工の際に必要以上に
切削されることがなく、また強化繊維と樹脂組成物の硬
化物が相剥離することによる脱落が少なく寸法安定性に
優れ、軽量かつ機械強度の低下の少ないゴルフクラブ用
シャフトを提供することにある。 【解決手段】引張弾性率が200〜800GPaである
強化繊維と、硬化剤、並びに次の構成要素[A]及び/
又は構成要素[B]を含んでなるエポキシ樹脂組成物を
構成要素とする繊維強化複合材料が使用されてなるゴル
フクラブ用シャフトであって、該エポキシ樹脂組成物の
硬化物の引張弾性率が3.4〜4.4GPaであり、前
記繊維強化複合材料の湿式切削加工による切削量が3重
量%以下であるゴルフクラブ用シャフト。 [A]分子内にエポキシ樹脂又は硬化剤と反応しうる官
能基1個と1個以上のアミド結合を有する化合物 [B]分子内に芳香環を有するポリエステルポリウレタ

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、寸法安定性、軽量
性、耐久性に優れるゴルフクラブ用シャフトに関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】近年ますます、ゴルフクラブに要求され
る品質特性は厳しいものとなり、繊維強化複合材料が、
軽量かつ高度の機械強度を有することから、多くのゴル
フクラブ用シャフトに使用されている。
【0003】ゴルフクラブ用シャフトは、繊維強化複合
材料の他、各種金属材料や樹脂材料、塗料等を接着し
て、製品を完成させるが、その際、各種の部材の接着強
度を高めるために、接着部位に切削加工が必要となるこ
とがある。
【0004】従来、繊維強化複合材料が使用されてなる
ゴルフクラブ用シャフトは、その複合材料部分が、かか
る切削加工の際に必要以上に切削され易く、又、相剥離
により強化繊維や樹脂が脱落し、ゴルフクラブ用シャフ
トの寸法安定性が低下する問題があった。この相剥離
は、強化繊維の使用量が多いときや、樹脂の使用量が少
ないとき、また中間基材としてプリプレグを使用する場
合は、プリプレグの単位重量が小さいときに、顕著とな
る傾向があった。
【0005】このようなゴルフクラブ用シャフトは、機
械強度も低下することがあるため、外層部において樹脂
含有率を高くして補強することで対処するが、これによ
れば、軽量性が不足することがあった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、切削
加工の際に必要以上に切削されることがなく、また強化
繊維とエポキシ樹脂組成物の硬化物が相剥離することに
よる脱落が少なく寸法安定性に優れ、軽量かつ機械強度
の低下の少ないゴルフクラブ用シャフトを提供すること
にある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するために以下の構成を有する。即ち、引張弾性率が2
00〜800GPaである強化繊維と、硬化剤、並びに
次の構成要素[A]及び/又は構成要素[B]を含んで
なるエポキシ樹脂組成物を構成要素とする繊維強化複合
材料が使用されてなるゴルフクラブ用シャフトであっ
て、該エポキシ樹脂組成物の硬化物の引張弾性率が3.
4〜4.4GPaであり、前記繊維強化複合材料の湿式
切削加工による切削量が3重量%以下であるゴルフクラ
ブ用シャフト。 [A]分子内にエポキシ樹脂又は硬化剤と反応しうる官
能基1個と1個以上のアミド結合を有する化合物 [B]分子内に芳香環を有するポリエステルポリウレタ
【0008】
【発明の実施の形態】本発明者らは、前記した課題につ
いて、鋭意検討し、引張弾性率が特定の範囲内である強
化繊維と、硬化剤と特定の配合物を含んでなり、引張弾
性率が特定される範囲にあるエポキシ樹脂組成物の硬化
物(以下、単に樹脂硬化物と略記)を構成要素とする繊
維強化複合材料をゴルフクラブ用シャフトに使用するこ
とにより、その切削加工時の切削量が従来になく少ない
ものとなり、また、強化繊維と樹脂硬化物が相剥離する
ことによる脱落を効果的に抑止しうることを見いだすに
至り、本発明に到達した。
【0009】本発明において、強化繊維としては、引張
弾性率に代表される機械強度や耐久性に優れることか
ら、炭素繊維を用いるのが好ましいが、その他強化繊維
として、表面処理を施したガラス繊維、アラミド繊維、
ボロン繊維、アルミナ繊維、炭化ケイ素繊維等も、その
引張弾性率が充分高いものであれば用いることができ、
これら強化繊維は2種以上混在させて用いることもでき
る。また、炭素繊維は、いわゆる黒鉛繊維を包含するも
のであり、具体的には、ポリアクリロニトリル系、ピッ
チ系、レーヨン系等の各種のものが使用できる。中で
も、容易に高強度の炭素繊維が得られるポリアクリロニ
トリル系のものが好ましく使用できる。
【0010】また、強化繊維は、有撚糸、解撚糸、又は
無撚糸等いずれでも良いが、解撚糸や無撚糸が、繊維強
化複合材料の成型性と機械強度を両立することから、好
ましく用いられる。さらに、強化繊維の形態は、繊維方
向が一方向に引き揃えたものや、織物が使用できる。織
物では、平織り、朱子織り等から、使用する部位や用途
に応じて自由に選択することができる。
【0011】本発明においては、かかる強化繊維の引張
弾性率が200〜800GPaであることが必要であ
り、好ましくは290〜800GPaであるのが良い。
200GPa未満であると、繊維強化複合材料が湿式切
削加工等による切削量が過大となることがあり、その結
果、得られる完成品の機械強度が低下することがある。
【0012】また、少量の材料で十分な製品の剛性を発
現させ得るように、弾性率はできるだけ高い強化繊維を
用いるのが良いが、現在の所、強化繊維としては800
GPa程度の引張弾性率を有するものが実用上限界であ
る。
【0013】ゴルフクラブ用シャフトのかかる切削性
は、強化繊維の引張弾性率と共に、強化繊維と樹脂硬化
物との接着性(以下、単に接着性と略記)を高めること
で、改善することができる。
【0014】接着性を高めるためには、強化繊維表面
を、何らかの処理により改質するか、樹脂組成物を改良
して強化繊維表面との親和性を高めるか、さらに、これ
ら特性が改善された強化繊維と樹脂組成物とを組み合わ
せて使用する方法が採用できる。
【0015】強化繊維としての炭素繊維表面の改質に
は、次の(1)又は(2)に示すような方法が採用でき
る。 (1)炭素繊維表面の官能基量を調節すること。即ち、
X線光電子分光法により測定される表面比酸素濃度(以
下、O/Cと略記)、化学修飾X線光電子分光法により
測定される表面カルボキシル基濃度(以下、COOH/
Cと略記)を、特定の範囲とすることである。
【0016】具体的には、炭素繊維表面のO/Cが、
0.02以上であるのが良く、好ましくは0.04以
上、さらに好ましくは0.06以上であるのが良い。O
/Cが0.02未満であると、樹脂硬化物の極性基との
親和性が低下することがある。さらに、O/Cの上限つ
いては、0.3以下、好ましくは0.25以下が良い。
O/Cが0.3を越えると、炭素繊維と、樹脂硬化物の
極性基との親和性は強くなるものの、炭素繊維自体が本
来有する機械強度より、かなり低い機械強度を有する酸
化物の層が炭素繊維の表面を被うため、得られるゴルフ
クラブ用シャフトの機械強度が低いものとなってしま
う。
【0017】一方、炭素繊維のCOOH/Cについて
は、0.002以上であるのが良く、好ましくは0.0
05以上であるのが良い。COOH/Cが0.002未
満であると、樹脂硬化物の極性基との親和性が低下する
ことがある。さらに、COOH/Cの上限については、
0.03以下、好ましくは0.02以下が良い。COO
H/Cが0.03を越えると、炭素繊維と、樹脂硬化物
の極性基との親和性は強くなるものの、炭素繊維自体が
本来有する機械強度より、かなり低い機械強度を有する
酸化物の層が炭素繊維の表面を被うため、得られるゴル
フクラブ用シャフトの機械強度が低いものとなってしま
う。さらには、エポキシ樹脂組成物の硬化速度を遅延さ
せる場合もある。
【0018】かかるO/C、COOH/Cが前記したよ
うな特定の範囲にある炭素繊維は、電解酸化処理を施し
たり、気相又は液相での酸化処理を施すことにより得る
ことができる。中でも、短時間で酸化処理することがで
き、酸化処理のコントロールも容易なことから電解酸化
処理を施すのが好ましい。
【0019】ここで電解酸化処理に使用する電解液に
は、酸性、アルカリ性、いずれも採用することができ
る。酸性の電解液に溶存させる電解質の具体例として
は、硫酸、硝酸等の無機酸、酢酸、酪酸等の有機酸、硫
酸アンモニウム、硫酸水素アンモニウム等の塩が挙げら
れる。中でも強酸性を示す硫酸、硝酸が好ましく使用で
きる。アルカリ性の電解液に溶存させる電解質の具体例
としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の水酸
化物、アンモニア、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウ
ム等の無機塩類、酢酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム
等の有機塩類、さらにこれらのカリウム塩、バリウム塩
又は他の金属塩、及びアンモニウム塩、水酸化テトラエ
チルアンモニウム又はヒドラジン等の有機化合物が挙げ
られるが、エポキシ樹脂組成物の硬化障害を防止する観
点から、アルカリ金属を含有しない炭酸アンモニウム、
炭酸水素アンモニウム、水酸化テトラアルキルアンモニ
ウム類が好ましく使用できる。
【0020】また、通電する電気量は、炭素繊維の炭化
度に応じて最適化することができる。表層の結晶性の低
下を適度に抑える観点から、かかる電気量は3〜500
クーロン/gの範囲とするのが良く、好ましくは5〜2
00クーロン/gの範囲とするのが良い。
【0021】電解酸化処理の後、糸条を水洗及び乾燥す
るのが良い。乾燥に際しては、温度が高過ぎると炭素繊
維の最表面に存在する官能基が熱分解により消失しやす
いため、乾燥温度はできる限り低くするのが望ましく、
250℃以下、好ましくは210℃以下で乾燥するのが
良い。
【0022】また、かかる処理により、炭素繊維表面の
粗度も同時に高めることができ、これによっても前記接
着性を高めることができる。 (2)炭素繊維の結晶サイズを小さくすること。即ち、
広角X線回折法により測定される炭素繊維の結晶サイズ
Lcを特定の範囲とし、活性点を多くすることである。
【0023】具体的には、炭素繊維の結晶サイズLcが
15〜70オンク゛ストローム、好ましくは20〜35オンク゛ストロー
ム、より好ましくは20〜30オンク゛ストロームであるのが良
い。
【0024】本発明は、強化繊維表面との親和性を高め
るために、特定の配合物を含んでなるエポキシ樹脂組成
物を加熱し、硬化させて樹脂硬化物とすることにより、
存外に大きな効果が得られることを見いだしたものであ
る。
【0025】本発明において、樹脂硬化物の構成要素で
あるエポキシ樹脂は、分子内に2個以上のエポキシ基を
有する化合物である。
【0026】なお、本発明において、ゴルフクラブ用シ
ャフトにおける複合材料の切削性を改善するには、接着
性を高めるとともに、JIS K7113で測定される
樹脂硬化物の引張弾性率が後述するように特定される範
囲にあることが必要であり、かつ引張伸度が大きいこと
が良いことから、分子内に2個のエポキシ基を有するエ
ポキシ樹脂を、エポキシ樹脂組成物における全エポキシ
樹脂100重量%に対して70〜100重量%配合する
のが好ましい。
【0027】本発明において使用するエポキシ樹脂の具
体例としては、ポリオールから得られるグリシジルエー
テル、活性水素を複数個有するアミンより得られるグリ
シジルアミン、ポリカルボン酸より得られるグリシジル
エステルや、分子内に複数の2重結合を有する化合物を
酸化して得られるポリエポキシド等が挙げられる。
【0028】グリシジルエーテルの具体例としては、ビ
スフェノールAから得られるビスフェノールA型エポキ
シ樹脂、ビスフェノールFから得られるビスフェノール
F型エポキシ樹脂、ビスフェノールSから得られるビス
フェノールS型エポキシ樹脂、テトラブロモビスフェノ
ールAから得られるテトラブロモビスフェノールA型エ
ポキシ樹脂等のビスフェノール型エポキシ樹脂等が挙げ
られる。
【0029】また、グリシジルエーテルの具体例として
は、フェノールやアルキルフェノール、ハロゲン化フェ
ノール等のフェノール誘導体から得られるノボラックの
グリシジルエステルであるノボラック型エポキシ樹脂等
が挙げられる。
【0030】グリシジルアミンの具体例としては、テト
ラグリシジルジアミノジフェニルメタンや、トリグリシ
ジルアミノフェノール等の多官能グリシジルアミン型エ
ポキシ樹脂等が挙げられる。
【0031】また、グリシジルエステルの具体例として
は、フタル酸ジグリシジルエステル、テレフタル酸ジグ
リシジルエステル、ダイマー酸ジグリシジルエステル等
が挙げられる。
【0032】さらに、これら以外のグリシジル基を有す
るエポキシ樹脂として、トリグリシジルイソシアヌレー
ト等が挙げられる。
【0033】本発明において、エポキシ樹脂組成物には
硬化剤が配合できる。硬化剤の具体例としては、4,4'-
ジアミノジフェニルメタン、4,4'-ジアミノジフェニル
スルホン、3,3'-ジアミノジフェニルスルホン、m-フェ
ニレンジアミン、m-キシリレンジアミンのような活性水
素を有する芳香族アミン、ジエチレントリアミン、トリ
エチレンテトラミン、イソホロンジアミン、ビス(アミ
ノメチル)ノルボルナン、ビス(4-アミノシクロヘキシ
ル)メタン、ポリエチレンイミンのダイマー酸エステル
のような活性水素を有する脂肪族アミン、これらの活性
水素を有するアミンにエポキシ化合物、アクリロニトリ
ル、フェノールとホルムアルデヒド、チオ尿素等の化合
物を反応させて得られる変性アミン、ジメチルアニリ
ン、ジメチルベンジルアミン、2,4,6-トリス(ジメチル
アミノメチル)フェノールや1−置換イミダゾールのよ
うな活性水素を持たない第三アミン、ジシアンジアミ
ド、テトラメチルグアニジン、ヘキサヒドロフタル酸無
水物、テトラヒドロフタル酸無水物、メチルヘキサヒド
ロフタル酸無水物、メチルナジック酸無水物のようなカ
ルボン酸無水物、アジピン酸ヒドラジドやナフタレンジ
カルボン酸ヒドラジドのようなポリカルボン酸ヒドラジ
ド、ノボラック樹脂等のポリフェノール化合物、チオグ
リコール酸とポリオールのエステルのようなポリメルカ
プタン、三フッ化ホウ素エチルアミン錯体のようなルイ
ス酸錯体、芳香族スルホニウム塩等が挙げられる。
【0034】これら硬化剤には、硬化活性を高めるため
に適当な硬化助剤を組合わせるのが好ましい。具体的に
は、ジシアンジアミドに、3-フェニル-1,1-ジメチル
ウレア、3-(3,4-ジクロロフェニル)-1,1-ジメチ
ルウレア(DCMU)、3-(3−クロロ−4-メチルフ
ェニル)-1,1-ジメチルウレア、2,4−ビス(3,
3−ジメチルウレイド)トルエンのような尿素誘導体を
硬化助剤として組合わせる例、カルボン酸無水物やノボ
ラック樹脂に第三アミンを硬化助剤として組合わせる例
等が挙げられる。
【0035】本発明においては、以下に詳述する構成要
素[A]及び/又は構成要素[B]を配合することが必
要であり、これにより、ゴルフクラブ用シャフトにおい
て、切削性の改善効果を高めることができる。
【0036】本発明において、構成要素[A]は、分子
内にエポキシ樹脂又は硬化剤と反応しうる官能基1個と
1個以上のアミド結合を有する化合物である。この化合
物は、接着性を高めるための高極性化合物として配合す
る。
【0037】ここでいうアミド結合とは、カルボニル
基、チオカルボニル基、スルホニル基、ホスホリル基か
ら選ばれる基とその炭素に単結合で結合する窒素原子か
らなる部分構造を意味する。アミド結合を有する化合物
の典型的な化合物はカルボン酸アミドであるが、それ以
外にも環の一部にアミド結合を有しても良く、あるいは
さらに複雑な構造、例えば、イミド、ウレタン、尿素、
ビウレット、ヒダントイン、カルボン酸ヒドラジド、ヒ
ドロキサム酸、セミカルバジド、セミカルバゾン等のよ
うな構造を有するものでも良い。
【0038】アミド結合のカルボニル酸素は酸素又は窒
素に結合した水素原子と強い水素結合を作る。従って、
強化繊維の表層面に存在するカルボキシル基や水酸基等
の水素原子との水素結合が生じ接着性を高める。
【0039】さらに、アミド結合のカルボニル基は強い
永久双極子であるため、炭素繊維のように分極率の高い
強化繊維に有機双極子を作り、双極子−双極子の電気的
引力により接着性を高める。
【0040】もし、アミド結合を持つ化合物がエポキシ
樹脂又は硬化剤と反応しうる官能基を有しないと、強化
繊維と樹脂硬化物が相剥離することにより接着性が充分
発現しなかったり、可塑剤として働き耐熱性が著しく低
下したりする恐れがあるが、アミド結合を持つ化合物が
エポキシ樹脂又は硬化剤と反応しうる官能基を有する場
合は、かかる化合物が、エポキシ樹脂組成物の硬化に伴
い、樹脂硬化物のネットワークの一部となるため、その
ような弊害を生じる恐れがない。
【0041】分子内に、エポキシ樹脂又は硬化剤と反応
しうる2個以上の官能基と1個以上のアミド結合を有す
る化合物を配合したエポキシ樹脂組成物を繊維強化複合
材料に用いることは公知であるが、これらの公知技術で
は、接着性の著しい改善は確認されていない。しかし、
本発明者らの見出した、分子内にエポキシ樹脂又は硬化
剤と反応しうる官能基1個のみと1個以上のアミド結合
を有する化合物を配合したエポキシ樹脂組成物では、著
しい接着性改善の効果が発現される。
【0042】この理由としては、分子内にエポキシ樹脂
又は硬化剤と反応しうる官能基を2個以上有する化合物
は、エポキシ樹脂のネットワークと2カ所以上で化学結
合するため、アミド結合の酸素原子が強化繊維表面に充
分接近できないのに対し、分子内にエポキシ樹脂又は硬
化剤と反応しうる官能基を分子内に1個のみ有する化合
物は、エポキシ樹脂のネットワークと1カ所のみで化学
結合するため、アミド結合の運動の自由度が大きく、カ
ルボニル基の酸素原子が強化繊維表面に接触しやすいた
めと本発明者らは推定している。
【0043】さらに構成要素[A]は、接着性を高める
だけではなく、樹脂硬化物の曲げ弾性率を高める効果も
有する。これは、エポキシ樹脂中に存在する水酸基とカ
ルボニル基の酸素が強い水素結合を作り分子運動を拘束
するためと考えられる。
【0044】エポキシ樹脂と反応しうる官能基として
は、カルボキシル基、フェノール性水酸基、アミノ基、
第2アミン構造、メルカプト基等が挙げられる。また硬
化剤と反応しうる官能基としては、エポキシ基、カルボ
ニル基と共役した二重結合等が挙げられる。カルボニル
基と共役した二重結合は、硬化剤中のアミノ基やメルカ
プト基とマイケル付加反応を行う。
【0045】カルボキシル基を1個有し、アミド結合を
有する化合物の具体例としては、スクシンアミド酸、オ
キサミン酸、N-アセチルグリシン、N-アセチルアラニ
ン、4-アセトアミド安息香酸、N-アセチルアントラニル
酸、4-アセトアミド酪酸、6-アセトアミドヘキサン酸、
馬尿酸、5-ヒダントイン酢酸、ピログルタミン酸、2-
(フェニルカルバモイルオキシ)プロピオン酸等が挙げら
れる。
【0046】フェノール性水酸基を1個有し、アミド結
合を有する化合物の具体例としては、サリチルアミド、
4-ヒドロキシベンズアミド、4-ヒドロキシフェニルアセ
トアミド、4-ヒドロキシアセトアニリド、3-ヒドロキシ
アセトアニリド等が挙げられる。
【0047】アミノ基を1個有し、アミド結合を有する
化合物の具体例としては、4-アミノベンズアミド、3-ア
ミノベンズアミド、4'-アミノアセトアニリド、4-アミ
ノブチルアミド、6-アミノヘキサンアミド、3-アミノフ
タルイミド、4-アミノフタルイミド等が挙げられる。
【0048】第2アミン構造を1個有し、アミド結合を
有する化合物の具体例としては、ニペコタミド、N,N-ジ
エチルニペコタミド、イソニペコタミド、1-アセチルピ
ペラジン等が挙げられる。
【0049】メルカプト基を1個有し、アミド結合を有
する化合物の具体例としては、4-アセトアミドチオフェ
ノール、N-(2-メルカプトエチル)アセトアミド等が挙
げられる。
【0050】エポキシ基を1個有し、アミド結合を有す
る化合物の具体例としては、グリシダミド、N-フェニル
グリシダミド、N,N-ジエチルグリシダミド、N-メトキシ
メチルグリシダミド、N-ヒドロキシメチルグリシダミ
ド、2,3-エポキシ-3-メチルブチルアミド、2,3-エポキ
シ-2-メチルプロピオンアミド、9,10-エポキシステアラ
ミド、N-グリシジルフタルイミド等が挙げられる。
【0051】カルボニル基と共役した二重結合を1個有
し、アミド結合を有する化合物は、二重結合と共役する
カルボニル基がアミド結合のカルボニル基と同一であっ
てもよく、異なっても良い。二重結合と共役するカルボ
ニル基がアミド結合のカルボニル基と同一である化合物
としては、α,β−不飽和カルボン酸のアミド及びその
窒素原子上に置換基を有する誘導体が該当する。かかる
化合物の具体例としては、アクリルアミド、メタクリル
アミド、N,N-ジメチルアクリルアミド、N,N-ジエチルア
クリルアミド、N-tert-ブチルアクリルアミド、N-イソ
プロピルアクリルアミド、N-ブチルアクリルアミド、N-
ヒドロキシメチルアクリルアミド、N-メトキシメチルア
クリルアミド、N-エトキシメチルアクリルアミド、N-n-
プロポキシメチルアクリルアミド、N-n-ブトキシメチル
アクリルアミド、N-イソブトキシメチルアクリルアミ
ド、N-ベンジロキシメチルアクリルアミド、ジアセトン
アクリルアミド、1-アクリロイルモルホリン、1-アクリ
ロイルピペリジン等が挙げられる。またそれ以外にもマ
レイミド、N-エチルマレイミド、N-フェニルマレイミド
のような不飽和ジカルボン酸のイミドも該当する。二重
結合と共役するカルボニル基がアミド結合のカルボニル
基と同一でない化合物としては、2-( フェニルカルバモ
イルオキシ) エチルメタクリレート等が挙げられる。
【0052】なお、構成要素[A]は、エポキシ樹脂組
成物に1種のみ配合しても、複数種混合して配合しても
良い。
【0053】また、構成要素[A](複数種用いる場合
はその合計)は、エポキシ樹脂組成物における全エポキ
シ樹脂100重量%に対して0.5〜15重量%配合す
るのが良く、好ましくは1〜10重量%、より好ましく
は2〜5重量%配合するのが良い。0.5重量%より少
ないと接着性の向上効果が充分に発現されず、15重量
%より多いと耐熱性が低下することがある。
【0054】なお、構成要素[A]は、室温で液状でも
固形でも良い。構成要素[A]として固形のものを用い
る場合は、エポキシ樹脂組成物に配合した後、加熱撹拌
等の手段で溶解しても良く、溶解せずに配合しても良
い。固形の構成要素[A]を溶解せずに配合する場合
は、粒径10μm以下に粉砕して使用するのが好まし
い。
【0055】本発明において、構成要素[B]は、分子
内に芳香環を有するポリエステルポリウレタンである。
この化合物は、硬化物の引張伸度を低下させることなく
弾性率を高めるための化合物として配する。
【0056】即ち、構成要素[B]の分子中に存在する
ウレタン構造がエポキシ樹脂中に存在する水酸基と強い
水素結合を形成して分子運動を拘束するため、樹脂硬化
物の弾性率が高められるようになると推定される。
【0057】また、構成要素[B]は、分子中のエステ
ル構造が硬化剤中のアミノ基、メルカプト基、フェノー
ル性水酸基等と求核置換反応により反応してエポキシ樹
脂硬化物のネットワークの一部となることから、相分離
が生じず、樹脂硬化物の弾性率が低下し難いという特長
も備える。
【0058】本発明において、構成要素[B]として
は、例えば、多価カルボン酸と多価アルコールの重縮合
によって得られるポリエステルポリオールにイソシアネ
ート基を2個以上有するポリイソシアネート及び必要に
応じて連鎖延長剤を用いてワンショット法やプレポリマ
ー法といった従来公知の方法を適用して得られるポリエ
ステルポリウレタンが使用できる。尚、本発明におい
て、構成要素[B]は、1種又は複数種、樹脂組成物に
配合することができる。
【0059】多価カルボン酸としては、マロン酸、コハ
ク酸、無水コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、アゼラ
イン酸、セバシン酸、フタル酸、無水フタル酸、ヘキサ
ヒドロ無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、イソ
フタル酸、テレフタル酸、無水ナジック酸、マレイン
酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコ
ン酸、トリメリット酸、無水トリメリット酸、ピロメリ
ット酸、無水ピロメリット酸等が挙げられ、中でもコハ
ク酸やアジピン酸等の脂肪族多価カルボン酸が好ましく
用いられる。
【0060】多価アルコールとしては、エチレングリコ
ール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピ
レングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,4
−ブチレングリコール、1,5−ブチレングリコール、
1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオー
ル、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、
ジプロピレングリコール、2,2,4−トリメチル−
1,3−ペンタンジオール、シクロヘキサンジオール、
ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物、ビスフェ
ノールAプロピレンオキサイド付加物、ポリエチレング
リコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチ
レングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパ
ン、トリメチロールエタン、ペンタエリスリトール等が
挙げられ、中でも1,2−プロピレングリコール、1,
4−ブチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール等
が好ましく用いられる。
【0061】ポリイソシアネートとしては、合成される
ポリエステルポリウレタンが、分子内に芳香環を有する
ことにより、エポキシ樹脂組成物が加熱硬化されて得ら
れる硬化物の弾性率がより高まることから、芳香族ポリ
イソシアネートが好ましく用いられる。例えば、2,4
−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソ
シアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネ
ート、トリジンジイソシアネート、1,5−ナフタレン
ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、p−
フェニレンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシ
アネート、キシリレンジイソシアネート、テトラメチル
キシレンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイ
ソシアネート、トリス(イソシアネートフェニル)チオ
ホスフェート、及びこれらのオリゴマーが挙げられ、中
でも2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリ
レンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジ
イソシアネートが好ましく用いられる。
【0062】連鎖延長剤としては、1,2−プロピレン
グリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサ
ンジオール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレン
グリコールや、これらの混合物が用いられる。
【0063】本発明において、構成要素[B]は、全エ
ポキシ樹脂100重量%に対して1〜15重量%、好ま
しくは1〜10重量%、より好ましくは1〜5重量%配
合するのが良い。1重量%未満であると樹脂硬化物の弾
性率の向上効果が不充分となり、15重量%を超えると
樹脂硬化物の耐熱性が低下することがある。
【0064】なお、構成要素[A]と構成要素[B]を
同時に配合する場合は、樹脂硬化物の耐熱性等を確保す
るため、構成要素[A]と構成要素[B]の配合量の合
計を、全エポキシ樹脂100重量%に対して1〜15重
量%、好ましくは1〜10重量%とするのが良い。
【0065】本発明においては、エポキシ樹脂組成物
に、前記した構成要素[A]や構成要素[B]の他、高
分子化合物、有機又は無機の粒子等、他の成分を適宜そ
の目的に応じて配合することができる。
【0066】高分子化合物としては、熱可塑性樹脂が好
適に用いられる。熱可塑性樹脂を配合することにより、
エポキシ樹脂組成物の粘度やプリプレグの取り扱い性の
適性化、又は接着性を改善する効果が増進される。
【0067】ここで用いる熱可塑性樹脂は、本発明の目
的である接着性を改善効果をさらに高めうる水素結合性
の官能基を有する熱可塑性樹脂が好ましい。
【0068】水素結合性官能基としては、アルコール性
水酸基、アミド結合、スルホニル基等が挙げられる。
【0069】アルコール性水酸基を有する熱可塑性樹脂
としては、ポリビニルホルマールやポリビニルブチラー
ル等のポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルアルコー
ル、フェノキシ樹脂、アミド結合を有する熱可塑性樹脂
としては、ポリアミド、ポリイミド、スルホニル基を有
する熱可塑性樹脂としては、ポリスルホン等が挙げられ
る。ポリアミド、ポリイミド及びポリスルホンは主鎖に
エーテル結合、カルボニル基等の官能基を有しても良
い。ポリアミドは、アミド基の窒素原子上に置換基を有
しても良い。
【0070】エポキシ樹脂に可溶で、水素結合性官能基
を有する熱可塑性樹脂の市販品を例示すると、ポリビニ
ルアセタール樹脂として、デンカブチラール及びデンカ
ホルマール(登録商標、電気化学工業(株)製)、ビニ
レック(登録商標、チッソ(株)製)、フェノキシ樹脂
として、UCARPKHP(商品名、ユニオンカーバイ
ド社製)、ポリアミド樹脂としてマクロメルト(登録商
標、ヘンケル白水(株)製)、アミランCM4000
(登録商標、東レ(株)製)、ポリイミドとしてウルテ
ム(登録商標、ジェネラル・エレクトリック社製)、M
atrimid5218(登録商標、チバ社製)、ポリ
スルホンとしてVictrex(登録商標、三井化学
(株)製)、UDEL(登録商標、ユニオンカーバイド
社製)等がそれぞれ挙げられる。
【0071】熱可塑性樹脂を配合する場合は、熱可塑性
樹脂を、エポキシ樹脂組成物における全エポキシ樹脂1
00重量%に対して1〜20重量%配合するのが、エポ
キシ樹脂組成物に適度な粘弾性を与え、得られる繊維強
化複合材料製の機械強度を高めるために好ましい。
【0072】エポキシ樹脂組成物に配合する有機粒子と
しては、ゴム粒子及び熱可塑性樹脂粒子が用いられる。
これらの粒子は樹脂の靭性向上、繊維強化複合材料の耐
衝撃性向上の効果を有する。
【0073】さらに、ゴム粒子としては、架橋ゴム粒
子、及び架橋ゴム粒子の表面に異種ポリマーをグラフト
重合したコアシェルゴム粒子が好ましく用いられる。
【0074】市販の架橋ゴム粒子としては、カルボキシ
ル変性のブタジエン−アクリロニトリル共重合体の架橋
物からなるXER−91(日本合成ゴム工業(株)
製)、アクリルゴム微粒子からなるCX−MNシリーズ
(日本触媒(株)製)、YR−500シリーズ(東都化
成(株)製)等を使用することができる。
【0075】市販のコアシェルゴム粒子としては、ブタ
ジエン・メタクリル酸アルキル・スチレン共重合体から
なるパラロイドEXL−2655(呉羽化学工業(株)
製)、アクリル酸エステル・メタクリル酸エステル共重
合体からなるスタフィロイドAC−3355、TR−2
122(武田薬品工業(株)製)、アクリル酸ブチル・
メタクリル酸メチル共重合体からなるPARALOID
EXL−2611、EXL−3387(登録商標、商品
名、Rohm & Haas社製)等を使用することができる。
【0076】また、熱可塑性樹脂粒子としては、ポリア
ミドあるいはポリイミドの粒子が好ましく用いられる。
市販のポリアミド粒子としては、東レ(株)製、商品
名:SP−500、ATOCHEM社製、オルガソール
(登録商標)等を使用することができる。
【0077】エポキシ樹脂組成物に配合する無機粒子と
しては、シリカ、アルミナ、スメクタイト、合成マイカ
等を配合することができる。これらの無機粒子は、主と
してレオロジー制御、即ち増粘や揺変性付与のために、
エポキシ樹脂組成物に配合する。
【0078】本発明では、上述したような組成により、
JIS K7113による樹脂硬化物の引張弾性率を
3.4〜4.4GPaとすることが必要であり、好まし
くは3.6〜4.4GPaとするのが良い。3.4GP
a未満であると、ゴルフクラブ用シャフトにおいて、複
合材料の切削加工による切削量が過大となることがあ
り、その結果、得られる完成品の機械強度が低下するこ
とがある。4.4GPaを越えると、繊維強化複合材料
の引張伸度が低下することがある。
【0079】また、樹脂硬化物の引張伸度についても、
8%以上、好ましくは10%以上とすることができる。
【0080】本発明において、ゴルフクラブ用シャフト
の製造には、各種の公知の方法が用いられる。前述した
ようなエポキシ樹脂組成物を、炭素繊維等の強化繊維に
含浸させて得られるプリプレグを作製し、ゴルフクラブ
用シャフトを構成する各材料の形状に裁断し、積層後、
積層体を加熱しながら圧力を付与する方法を採用するの
が、取り扱い性、成型時の利便性等の観点から好まし
い。
【0081】プリプレグは、樹脂硬化物をメチルエチル
ケトン、メタノール、溶媒に溶解させ低粘度化し、強化
繊維に含浸させるウエット法と、加熱により低粘度化
し、強化繊維に含浸させるホットメルト法等の方法によ
り製造することができる。
【0082】ウエット法は、強化繊維をエポキシ樹脂組
成物からなる溶液に浸漬した後に引き上げ、オーブン等
を用いて加熱しながら溶媒を蒸発させてプリプレグを得
る方法である。
【0083】ホットメルト法には、加熱により低粘度化
したエポキシ樹脂組成物を直接強化繊維に含浸させる方
法、あるいは一旦エポキシ樹脂組成物を離型紙等の上に
コーティングしたフィルムを作成しておき、ついで強化
繊維の両側あるいは片側から、かかるフィルムを重ね、
加熱することによりエポキシ樹脂組成物を含浸させてプ
リプレグとする方法がある。ホットメルト法は、溶媒が
プリプレグ中に実質的に残留しないことから好ましい。
【0084】積層体を加熱しながら圧力を付与する方法
には、ラッピングテープ法、内圧成型法等がある。
【0085】ラッピングテープ法は、マンドレル等の芯
金にプリプレグを巻いて、成型体を得る方法である。具
体的には、マンドレルにプリプレグを巻き付け、プリプ
レグの固定及び圧力付与のために、プリプレグの外側に
熱可塑性樹脂フィルムからなるラッピングテープを巻き
付け、オーブン中で樹脂を加熱し硬化させた後、芯金を
抜き去って円筒状成型体を得る方法である。次に円筒状
成型体の表面を切削し、塗装等を施すことによりゴルフ
クラブ用シャフトが作製される。
【0086】内圧成型法は、熱可塑性樹脂製のチューブ
等の内圧付与体にプリプレグを巻きつけプリフォームと
し、次にこれを金型中に設置し、次いで内圧付与体に高
圧の気体を導入して圧力をかけると共に金型を加熱して
成型する方法である。
【0087】本発明では、中間基材である前記プリプレ
グを用いずに繊維硬化複合材料を得ることもできる。具
体的には、強化繊維のロービングに樹脂を含浸させ、芯
金に巻き取った後、樹脂を加熱し硬化させるフィラメン
トワインディング成型法によっても円筒状成型体が得ら
れれる。次に円筒状成型体の表面を切削し、塗装等を施
すことによりゴルフクラブ用シャフトが作製される。
【0088】本発明では、上記したような方法によりゴ
ルフクラブ用シャフトを作製することにより、使用する
複合材料の、後述する方法により測定される切削量を3
重量%以下とすることができる。かかる切削量は、好ま
しくは2重量%以下、より好ましくは1重量%以下とす
ることができる。
【0089】
【実施例】以下、本発明を実施例により、さらに詳細に
説明する。各種特性値の評価は次に示す方法によった。 (1)プリプレグの作製 エポキシ樹脂組成物をリバースロールコーターを用いて
離型紙上に塗布し、樹脂フィルムを作成した。次に、こ
の樹脂フィルム2枚を、シート状に一方向に整列させた
炭素繊維の両側から挟み込むようにして重ね合わせ、加
圧しながら加熱して炭素繊維に樹脂を含浸させ、炭素繊
維目付125g/m2、樹脂含有率24重量%のプリプ
レグを得た。 (2)ゴルフクラブ用シャフトの作製 先端の径が6mmφ、手元径が13mmφ、長さが11
43mmのテーパー付きマンドレルにプリプレグを所定
の寸法にカットし、その繊維方向がマンドレル軸方向に
対して+45°になるよう1層巻き付け、次に−45°
になるように1層巻き付け、次いで+45°になるよう
に1層巻き付け、さらに−45°になるように1層巻き
付けた。さらに、前記所定の寸法にカットしたプリプレ
グを、その繊維方向がマンドレル軸方向と同じ(円筒軸
方向に対して0°の角度)になるように3層巻き付け
た。さらにラッピングテープを巻きつけ、135℃で2
時間加熱して硬化させた後、マンドレルを抜き取り、ゴ
ルフクラブ用シャフトを得た。 (3)湿式切削加工による切削量 粗さ#600、長さ50mm、の軸付き砥石を取り付け
たマイクログラインダー(シナノ工業(株)製“BG−
3”)を用い、49.0kPaの負荷をかけながら、砥
石が目詰まりしないように毎分100ccの水をかけ、
回転数1400rpmでゴルフクラブ用シャフトを湿式
切削加工し、次式により切削量(重量%)を求めた。
【0090】 切削量(重量%)=[(W1−W2)/W1]×100 ここで、W1:切削加工前の重量(g) W2:切削加工後の重量(g) (4)炭素繊維の引張強度、引張弾性率 測定する炭素繊維に、ユニオンカーバイド(株)製 、
ベークライト(登録商標)ERL−4221を1000
g(100重量部)、三フッ化ホウ素モノエチルアミン
(BF3・MEA)を30g(3重量部)及びアセトン
を40g(4重量部)混合したエポキシ樹脂組成物を含
浸させ、次に130℃で、30分間加熱し、硬化させ、
樹脂含浸ストランドを得た。樹脂含浸ストランド試験法
(JISR7601)に従い、引張強度と引張弾性率を
求めた。 (5)炭素繊維の引張伸度 JIS R7601に従い測定した。 (6)炭素繊維表面の官能基量 A.表面比酸素濃度O/C 表面比酸素濃度O/Cは、次の手順に従ってX線光電子
分光法により求めた。
【0091】先ず、測定する炭素繊維束から、溶媒でサ
イジング剤等を除去後、適当な長さにカットしてステン
レス製の試料支持台上に拡げて並べた後、下記条件にて
測定した。
【0092】・光電子脱出角度:90゜ ・X線源:MgKα1,2 ・試料チャンバー内真空度:1×10-8Torr 次に、測定時の帯電に伴うピークの補正のため、C1S
主ピークの結合エネルギー値B.E.を284.6eV
に合わせた。
【0093】次いで、C1sピーク面積[O1s]は、28
2〜296eVの範囲で直線のベースラインを引くこと
により求め、O1sピーク面積[C1s]は、528〜54
0eVの範囲で直線のベースラインを引くことにより求
めた。
【0094】表面比酸素濃度O/Cは、上記O1sピーク
面積[O1s]、C1sピーク面積 [C1s]の比、及び装
置固有の感度補正値より、次式により求めた。
【0095】 O/C=([O1s]/[C1s])/(感度補正値) なお、ここでは、測定装置として島津製作所(株)製、
ESCA−750を用い、前記装置固有の感度補正値を
2.85とした。 B.表面カルボキシル基濃度COOH/C 表面カルボキシル基濃度COOH/Cは、次の手順に従
って化学修飾X線光電子分光法により求めた。
【0096】先ず、測定する炭素繊維束から、溶媒でサ
イジング剤等を除去後、適当な長さにカットして白金製
の試料支持台上に拡げて並べた後、0.02モル/Lの
ジシクロヘキシルカルボジイミド気体及び0.04モル
/Lのピリジン気体を含む空気中に60℃で8時間曝露
して化学修飾処理した後、下記条件にて測定した。
【0097】・光電子脱出角度:35度 ・X線源:AlKα1,2 ・試料チャンバー内真空度:1×10-8Torr 次に、測定時の帯電に伴うピークの補正のため、C1S
主ピークの結合エネルギー値B.E.を284.6eV
に合わせた。
【0098】次いで、C1sピーク面積[C1s]は、28
2〜296eVの範囲で直線のベースラインを引くこと
により求め、F1sピーク面積[F1s]は、682〜69
5eVの範囲で直線のベースラインを引くことにより求
めた。
【0099】さらに、比較サンプルとして、化学修飾処
理したポリアクリル酸のC1sピーク分割から反応率r
を、O1sピーク分割からジシクロヘキシルカルボジイミ
ド誘導体の残存率mを求めた。次に、表面カルボキシル
基濃度COOH/Cを、次式により求めた。
【0100】 COOH/C=〔[F1s]/[(3k[C1s]-(2+13m)[F1s])r]〕 ここで、米国SSI社製モデルSSX-100-206を用いた。
本装置固有のC1sピーク面積に対するF1sピーク面積の
感度補正値kは3.919であった。 (7)広角X線回折による炭素網面の結晶ザイズLc A.測定試料の作製 上記(1)項のAと同様にして作製した樹脂硬化物板よ
り、長さ4cmの試験片を切り出し、金型とコロジオン
・アルコール溶液を用いて固め、角柱を作り測定試料と
した。 B.測定条件 X線源:CuKα(Niフィルター使用) 出力:40kV20mA C.結晶サイズLcの測定 透過法により得られた面指数(002)のピークの半値
幅から、次のScherrerの式を用いて計算した。 Lc(hkl)=Kλ/β0cosθB 但し、 Lc(hkl):微結晶の(hkl)面に垂直な方向の
平均の大きさ K:1.0,λ:X線の波長、β0:(βE2−β121/2 βE:見かけの半値幅(測定値)、β12:1.05×1
-2rad. θB:ブラッグ角 (8)樹脂硬化物の引張弾性率 JIS K7113に従い、測定するエポキシ樹脂組成
物を2mmの空隙を有するモールドに流し込み、135
℃で2時間加熱して硬化させた後、所定のサンプルを切
り出し測定した。 (実施例1)下記原料をニーダーで混合して樹脂組成物
を得た。 ビスフェノールA型エポキシ樹脂 40重量部 (エピコート828、登録商標、油化シェルエポキシ(株)製) ビスフェノールA型エポキシ樹脂 45重量部 (エピコート1001、登録商標、油化シェルエポキシ(株)製) フェノールノボラック型エポキシ樹脂 15重量部 (エピコート154、登録商標、油化シェルエポキシ(株)製) ジシアンジアミド 5重量部 (DICY7、商品名、油化シェルエポキシ(株)製) 3−(3,4−ジクロロフェニル)−1,1−ジメチルウレア 3重量部 (DCMU99、商品名、保土ヶ谷化学工業(株)製) N,N−ジメチルアクリルアミド 5重量部 ((株)興人製) ポリビニルホルマール 7重量部 (ビニレックK、チッソ(株)製) この樹脂組成物を用いて、前記した方法に従い、繊維方
向の引張弾性率が294GPaの炭素繊維を用いてプリ
プレグを作製した。内容を表1に示す。 (実施例2)実施例1と同一の樹脂組成物を用いて、前
記した方法に従い、繊維方向の引張弾性率が392GP
aの炭素繊維を用いてプリプレグを作製した。内容を表
1に示す。 (実施例3)実施例1と同一の樹脂組成物を用いて、前
記した方法に従い、繊維方向の引張弾性率が230GP
aの炭素繊維を用いてプリプレグを作製した。内容を表
1に示す。 (実施例4)下記原料をニーダーで混合して樹脂組成物
を得た。 ビスフェノールA型エポキシ樹脂 50重量部 (エピコート828、登録商標、油化シェルエポキシ(株)製) ビスフェノールA型エポキシ樹脂 40重量部 (エピコート1001、登録商標、油化シェルエポキシ(株)製) 臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂 10重量部 (エピクロン152、登録商標、大日本インキ化学工業(株)製) ジシアンジアミド 5重量部 (DICY7、登録商標、油化シェルエポキシ(株)製) 3−(3,4−ジクロロフェニル)−1,1−ジメチルウレア 3重量部 (DCMU99、商品名、保土ヶ谷化学工業(株)製) N−ブトキシメチルアクリルアミド 5重量部 (笠野興産(株)製) ポリビニルホルマール 7重量部 (ビニレックK、登録商標、チッソ(株)製) この樹脂組成物を用いて、前記した方法に従い、繊維方
向の引張弾性率が294GPaの炭素繊維を用いてプリ
プレグを作製した。内容を表1に示す。 (実施例5)実施例4と同一の樹脂組成物を用いて、前
記した方法に従い、繊維方向の引張弾性率が392GP
aの炭素繊維を用いてプリプレグを作製した。内容を表
1に示す。 (実施例6)実施例4と同一の樹脂組成物を用いて、前
記した方法に従い、繊維方向の引張弾性率が230GP
aの炭素繊維を用いてプリプレグを作製した。内容を表
1に示す。 (実施例7)下記原料をニーダーで混合して樹脂組成物
を得た。 ビスフェノールA型エポキシ樹脂 45重量部 (エピコート828、登録商標、油化シェルエポキシ(株)製) ビスフェノールA型エポキシ樹脂 40重量部 (エピコート1001、登録商標、油化シェルエポキシ(株)製) フェノールノボラック型エポキシ樹脂 15重量部 (エピコート154、登録商標、油化シェルエポキシ(株)製) ジシアンジアミド 5重量部 (DICY7、商品名、油化シェルエポキシ(株)製) 3−(3,4−ジクロロフェニル)−1,1−ジメチルウレア 3重量部 (DCMU99、商品名、保土ヶ谷化学工業(株)製) N−グリシジルフタルイミド 5重量部 (デナコールEx731、登録商標、ナガセ化成工業(株)製) ポリビニルホルマール 7重量部 (ビニレックK、チッソ(株)製) この樹脂組成物を用いて、前記した方法に従い、繊維方
向の引張弾性率が294GPaの炭素繊維を用いてプリ
プレグを作製した。内容を表2に示す。 (実施例8)実施例7と同一の樹脂組成物を用いて、前
記した方法に従い、繊維方向の引張弾性率が392GP
aの炭素繊維を用いてプリプレグを作製した。内容を表
2に示す。 (実施例9)実施例7と同一の樹脂組成物を用いて、前
記した方法に従い、繊維方向の引張弾性率が230GP
aの炭素繊維を用いてプリプレグを作製した。内容を表
2に示す。 (実施例10)下記原料をニーダーで混合して樹脂組成
物を得た。 ビスフェノールA型エポキシ樹脂 40重量部 (エピコート828、登録商標、油化シェルエポキシ(株)製) ビスフェノールA型エポキシ樹脂 45重量部 (エピコート1001、登録商標、油化シェルエポキシ(株)製) フェノールノボラック型エポキシ樹脂 15重量部 (エピコート154、登録商標、油化シェルエポキシ(株)製) ジシアンジアミド 5重量部 (DICY7、商品名、油化シェルエポキシ(株)製) 3−(3,4−ジクロロフェニル)−1,1−ジメチルウレア 3重量部 (DCMU99、商品名、保土ヶ谷化学工業(株)製) N,N−ジメチルアクリルアミド 3重量部 ((株)興人製) N−ブトキシメチルアクリルアミド 2重量部 (笠野興産(株)製) ポリビニルホルマール 7重量部 (ビニレックK、チッソ(株)製) この樹脂組成物を用いて、前記した方法に従い、繊維方
向の引張弾性率が294GPaの炭素繊維を用いてプリ
プレグを作製した。内容を表2に示す。 (実施例11)実施例10と同一の樹脂組成物を用い
て、前記した方法に従い、繊維方向の引張弾性率が39
2GPaの炭素繊維を用いてプリプレグを作製した。内
容を表2に示す。 (実施例12)実施例10と同一の樹脂組成物を用い
て、前記した方法に従い、繊維方向の引張弾性率が23
0GPaの炭素繊維を用いてプリプレグを作製した。内
容を表2に示す。 (実施例13)下記原料をニーダーで混合して樹脂組成
物を得た。 ビスフェノールA型エポキシ樹脂 40重量部 (エピコート828、登録商標、油化シェルエポキシ(株)製) ビスフェノールA型エポキシ樹脂 45重量部 (エピコート1001、登録商標、油化シェルエポキシ(株)製) フェノールノボラック型エポキシ樹脂 15重量部 (エピコート154、登録商標、油化シェルエポキシ(株)製) ジシアンジアミド 5重量部 (DICY7、商品名、油化シェルエポキシ(株)製) 3−(3,4−ジクロロフェニル)−1,1−ジメチルウレア 3重量部 (DCMU99、商品名、保土ヶ谷化学工業(株)製) ポリエステルポリウレタン 6重量部 (“PANDEX”T−5205、(株)大日本インキ工業製) ポリビニルホルマール 4重量部 (ビニレックK、チッソ(株)製) この樹脂組成物を用いて、前記した方法に従い、繊維方
向の引張弾性率が294GPaの炭素繊維を用いてプリ
プレグを作製した。内容を表3に示す。 (実施例14)実施例13と同一の樹脂組成物を用い
て、前記した方法に従い、繊維方向の引張弾性率が39
2GPaの炭素繊維を用いてプリプレグを作製した。内
容を表3に示す。 (実施例15)実施例13と同一の樹脂組成物を用い
て、前記した方法に従い、繊維方向の引張弾性率が23
0GPaの炭素繊維を用いてプリプレグを作製した。内
容を表3に示す。 (実施例16)下記原料をニーダーで混合して樹脂組成
物を得た。 ビスフェノールA型エポキシ樹脂 40重量部 (エピコート828、登録商標、油化シェルエポキシ(株)製) ビスフェノールA型エポキシ樹脂 45重量部 (エピコート1001、登録商標、油化シェルエポキシ(株)製) フェノールノボラック型エポキシ樹脂 15重量部 (エピコート154、登録商標、油化シェルエポキシ(株)製) ジシアンジアミド 5重量部 (DICY7、商品名、油化シェルエポキシ(株)製) 3−(3,4−ジクロロフェニル)−1,1−ジメチルウレア 3重量部 (DCMU99、商品名、保土ヶ谷化学工業(株)製) N,N−ジメチルアクリルアミド 3重量部 ((株)興人製) ポリエステルポリウレタン 3重量部 (“PANDEX”T−5205、(株)大日本インキ工業製) ポリビニルホルマール 5重量部 (ビニレックK、チッソ(株)製) この樹脂組成物を用いて、前記した方法に従い、繊維方
向の引張弾性率が294GPaの炭素繊維を用いてプリ
プレグを作製した。内容を表3に示す。 (実施例17)実施例16と同一の樹脂組成物を用い
て、前記した方法に従い、繊維方向の引張弾性率が39
2GPaの炭素繊維を用いてプリプレグを作製した。内
容を表3に示す。 (実施例18)実施例16と同一の樹脂組成物を用い
て、前記した方法に従い、繊維方向の引張弾性率が23
0GPaの炭素繊維を用いてプリプレグを作製した。内
容を表3に示す。 (比較例1)下記原料をニーダーで混合して樹脂組成物
を得た。 ビスフェノールA型エポキシ樹脂 40重量部 (エピコート828、登録商標、油化シェルエポキシ(株)製) ビスフェノールA型エポキシ樹脂 45重量部 (エピコート1001、登録商標、油化シェルエポキシ(株)製) フェノールノボラック型エポキシ樹脂 15重量部 (エピコート154、登録商標、油化シェルエポキシ(株)製) ジシアンジアミド 5重量部 (DICY7、商品名、油化シェルエポキシ(株)製) 3−(3,4−ジクロロフェニル)−1,1−ジメチルウレア 3重量部 (DCMU99、商品名、保土ヶ谷化学工業(株)製) ポリビニルホルマール 7重量部 (ビニレックK、チッソ(株)製) この樹脂組成物を用いて、前記した方法に従い、繊維方
向の引張弾性率が294GPaの炭素繊維を用いてプリ
プレグを作製した。内容を表4に示す。 (比較例2)比較例1と同一の樹脂組成物を用いて、前
記した方法に従い、繊維方向の引張弾性率が392GP
aの炭素繊維を用いてプリプレグを作製した。内容を表
4に示す。 (比較例3)比較例1と同一の樹脂組成物を用いて、前
記した方法に従い、繊維方向の引張弾性率が230GP
aの炭素繊維を用いてプリプレグを作製した。内容を表
4に示す。 (比較例4)下記原料をニーダーで混合して樹脂組成物
を得た。 ビスフェノールA型エポキシ樹脂 50重量部 (エピコート828、登録商標、油化シェルエポキシ(株)製) ビスフェノールA型エポキシ樹脂 40重量部 (エピコート1001、登録商標、油化シェルエポキシ(株)製) 臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂 10重量部 (エピクロン152、登録商標、大日本インキ化学工業(株)製) ジシアンジアミド 5重量部 (DICY7、登録商標、油化シェルエポキシ(株)製) 3−(3,4−ジクロロフェニル)−1,1−ジメチルウレア 3重量部 (DCMU99、商品名、保土ヶ谷化学工業(株)製) ポリビニルホルマール 7重量部 (ビニレックK、登録商標、チッソ(株)製) この樹脂組成物を用いて、前記した方法に従い、繊維方
向の引張弾性率が294GPaの炭素繊維を用いてプリ
プレグを作製した。内容を表4に示す。 (比較例5)比較例4と同一の樹脂組成物を用いて、前
記した方法に従い、繊維方向の引張弾性率が392GP
aの炭素繊維を用いてプリプレグを作製した。内容を表
4に示す。 (比較例6)比較例4と同一の樹脂組成物を用いて、前
記した方法に従い、繊維方向の引張弾性率が230GP
aの炭素繊維を用いてプリプレグを作製した。内容を表
4に示す。
【0101】
【表1】
【0102】
【表2】
【0103】
【表3】
【0104】
【表4】
【0105】
【発明の効果】本発明によれば、繊維強化複合材料が使
用されてなるゴルフクラブ用シャフトの製造時、複合材
料の切削量が過大となることがなく、又、強化繊維と樹
脂硬化物が相剥離することによる脱落が少なく、寸法安
定性に優れ、軽量かつ機械強度の低下の少ないゴルフク
ラブ用シャフトを提供することができる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08K 7/06 C08K 7/06 C08L 63/00 C08L 63/00 C A //(C08L 63/00 75:06)

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 引張弾性率が200〜800GPaであ
    る強化繊維と、硬化剤、並びに次の構成要素[A]及び
    /又は構成要素[B]を含んでなるエポキシ樹脂組成物
    を構成要素とする繊維強化複合材料が使用されてなるゴ
    ルフクラブ用シャフトであって、該エポキシ樹脂組成物
    の硬化物の引張弾性率が3.4〜4.4GPaであり、
    前記繊維強化複合材料の湿式切削加工による切削量が3
    重量%以下であるゴルフクラブ用シャフト。 [A]分子内にエポキシ樹脂又は硬化剤と反応しうる官
    能基1個と1個以上のアミド結合を有する化合物 [B]分子内に芳香環を有するポリエステルポリウレタ
  2. 【請求項2】 前記エポキシ樹脂組成物が、前記構成要
    素[A]を含んでなるものである請求項1記載のゴルフ
    クラブ用シャフト。
  3. 【請求項3】 前記繊維強化複合材料が、強化繊維にエ
    ポキシ樹脂組成物が含浸されてなるプリプレグが加熱さ
    れ硬化されてなるものである請求項1又は2記載のゴル
    フクラブ用シャフト。
  4. 【請求項4】 前記エポキシ樹脂組成物において、構成
    要素[A]の含有量が、全エポキシ樹脂100重量%に
    対して0.5〜15重量%である請求項2又は3記載の
    ゴルフクラブ用シャフト。
  5. 【請求項5】 前記エポキシ樹脂組成物が、構成要素
    [B]を含んでなり、該構成要素[B]の含有量が、全
    エポキシ樹脂100重量%に対して1〜15重量%であ
    る請求項1〜4のいずれかに記載のゴルフクラブ用シャ
    フト。
  6. 【請求項6】 前記エポキシ樹脂組成物において、分子
    内に2個のエポキシ基を有するエポキシ樹脂の含有量
    が、全エポキシ樹脂100重量%に対して70〜100
    重量%である請求項1〜5のいずれかに記載の繊維強化
    複合材料製ゴルフクラブ用シャフト。
  7. 【請求項7】 前記強化繊維が、炭素繊維である請求項
    1〜6のいずれかに記載のゴルフクラブ用シャフト。
  8. 【請求項8】 前記炭素繊維において、化学修飾X線光
    電子分光法により測定される表面カルボキシル基濃度C
    OOH/Cが0.002〜0.03である請求項7記載
    のゴルフクラブ用シャフト。
  9. 【請求項9】 前記炭素繊維において、X線光電子分光
    法により測定される表面比酸素濃度O/Cが0.02〜
    0.3である請求項7又は8記載のゴルフクラブ用シャ
    フト。
JP2000169012A 1999-06-07 2000-06-06 ゴルフクラブ用シャフト Pending JP2001054602A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000169012A JP2001054602A (ja) 1999-06-07 2000-06-06 ゴルフクラブ用シャフト

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11-159233 1999-06-07
JP15923399 1999-06-07
JP2000169012A JP2001054602A (ja) 1999-06-07 2000-06-06 ゴルフクラブ用シャフト

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001054602A true JP2001054602A (ja) 2001-02-27

Family

ID=26486093

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000169012A Pending JP2001054602A (ja) 1999-06-07 2000-06-06 ゴルフクラブ用シャフト

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001054602A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005087992A1 (ja) * 2004-03-11 2005-09-22 Toray Industries, Inc. 炭素繊維およびその製造方法、プリプレグ、ならびに、ゴルフシャフト
US8858358B2 (en) 2011-12-29 2014-10-14 Dunlop Sports Co. Ltd. Tubular body made of fiber-reinforced epoxy resin material
WO2016157933A1 (ja) * 2015-03-27 2016-10-06 東レ株式会社 炭素繊維強化複合材料製管状体およびゴルフクラブシャフト
US9840058B2 (en) 2012-10-31 2017-12-12 Dunlop Sports Co. Ltd. Fiber-reinforced epoxy resin material, prepreg and, tubular body made of fiber-reinforced epoxy resin material

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005087992A1 (ja) * 2004-03-11 2005-09-22 Toray Industries, Inc. 炭素繊維およびその製造方法、プリプレグ、ならびに、ゴルフシャフト
US8858358B2 (en) 2011-12-29 2014-10-14 Dunlop Sports Co. Ltd. Tubular body made of fiber-reinforced epoxy resin material
US9840058B2 (en) 2012-10-31 2017-12-12 Dunlop Sports Co. Ltd. Fiber-reinforced epoxy resin material, prepreg and, tubular body made of fiber-reinforced epoxy resin material
WO2016157933A1 (ja) * 2015-03-27 2016-10-06 東レ株式会社 炭素繊維強化複合材料製管状体およびゴルフクラブシャフト
US9931552B2 (en) 2015-03-27 2018-04-03 Toray Industries, Inc. Tubular carbon fiber reinforced composite material and golf club shaft

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TWI595030B (zh) 高模數纖維強化聚合物複合物及其製造方法
US6399199B1 (en) Prepeg and carbon fiber reinforced composite materials
KR102081662B1 (ko) 에폭시 수지 조성물, 프리프레그 및 탄소 섬유 강화 복합 재료
TWI586735B (zh) 具有強化界面之纖維強化高模數聚合物複合物
EP3216496B1 (en) Tubular body made of carbon fiber-reinforced composite material and golf club shaft
US20020007022A1 (en) Epoxy resin composition for fiber-reinforced composite material, prepreg, and fiber-reinforced composite material
JP5828758B2 (ja) 繊維強化エポキシ樹脂材料製の管状体
WO1999002586A1 (fr) Tissu preimpregnee et panneau sandwich a ame alveolaire
JP2011162619A (ja) エポキシ樹脂組成物、プリプレグおよび繊維強化複合材料
JP2000355630A (ja) 繊維強化プラスチック製部材
JP2000336191A (ja) プリプレグ及び繊維強化複合材料
JP2001054602A (ja) ゴルフクラブ用シャフト
JP4655329B2 (ja) 一方向プリプレグおよび繊維強化複合材料
JP2006219513A (ja) エポキシ樹脂組成物・プリプレグ・繊維強化複合材料
JP2003277471A (ja) エポキシ樹脂組成物、プリプレグおよび炭素繊維強化複合材料
WO2015001909A1 (ja) ゴルフクラブシャフト
JP2001040122A (ja) プリプレグ及び繊維強化複合材料
JPH0834864A (ja) 耐衝撃性プリプレグ
JP2001031783A (ja) プリプレグ及び繊維強化複合材料
JP2001011287A (ja) 繊維強化プラスチック製部材
JP2000351857A (ja) 繊維強化プラスチック製部材
JP6198568B2 (ja) プリプレグ、繊維強化エポキシ樹脂成形体および、繊維強化エポキシ樹脂材料製の管状体
JP2003253094A (ja) 繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物及びプリプレグ、並びに繊維強化複合材料
JP2000355649A (ja) 繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物、プリプレグ及び繊維強化複合材料
JP2000254917A (ja) プリプレグ及び炭素繊維強化複合材料

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20061204

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090528

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090623

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20091027